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特許7607070制御本体、噴霧器本体およびカートリッジを含むエアロゾル送達装置ならびに関連方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】制御本体、噴霧器本体およびカートリッジを含むエアロゾル送達装置ならびに関連方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/485 20200101AFI20241219BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20241219BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20241219BHJP
【FI】
A24F40/485
A24F40/10
A24F40/51
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2023069071
(22)【出願日】2023-04-20
(62)【分割の表示】P 2020520572の分割
【原出願日】2018-10-11
(65)【公開番号】P2023089238
(43)【公開日】2023-06-27
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】15/782,543
(32)【優先日】2017-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ウィリアム・ロジャース
(72)【発明者】
【氏名】ノア・エム・ミンスコフ
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-500008(JP,A)
【文献】特表2015-527884(JP,A)
【文献】国際公開第2017/163212(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/149481(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/179292(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
制御本体と、
噴霧器を備える噴霧器本体と、
エアロゾル前駆体組成物を収容するように構成されたリザーバ、およびカートリッジが噴霧器本体と係合されるときに噴霧器本体にエアロゾル前駆体組成物を分配するように構成された弁組立体を備えるカートリッジとを備え、
制御本体が、噴霧器本体と解放可能に係合するように構成され、噴霧器本体が、カートリッジと解放可能に係合するように構成され、
噴霧器が、制御本体から電流を受け入れ、カートリッジからエアロゾル前駆体組成物を受け入れてエアロゾルを生成するように構成され、
制御本体、噴霧器本体、およびカートリッジが、別個の分離可能なコンポーネントを備え、
弁組立体が、分配毛細管および分配毛細管に配置され、閉じられた分配毛細管をシールするように構成された分配シールを画定する、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
カートリッジが、噴霧器本体からマウスピースに延在する1つ以上の空気流開口部を備え、空気流開口部がそれを通してエアロゾルを導くように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
空気流開口部の内の少なくとも1つが、弁組立体を通して延在する、請求項2に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
噴霧器本体が、弁組立体と係合するように構成されたノズルをさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
噴霧器が、多孔質モノリスを備える液体輸送要素を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
噴霧器が、液体輸送要素に少なくとも部分的に埋め込まれたワイヤを備える加熱要素をさらに備える、請求項5に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
液体輸送要素が、管を画定し、噴霧器が、液体輸送要素を通して延在し、それを通してエアロゾル前駆体組成物を導くように構成された毛細管ロッドをさらに備える、請求項6に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
制御本体が、マイクロホンをさらに備え、マイクロホンがカートリッジに対するユーザの吸引を検出するように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項9】
噴霧器が、外側本体と、端子基部と、流れ誘導器と、多孔質モノリスを備える液体輸送要素とを備え、噴霧器チャンバが、流れ誘導器、端子基部、および液体輸送要素の内面によって作成される、請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項10】
エアロゾル送達装置であって、
制御本体と、
噴霧器を備える噴霧器本体と、
エアロゾル前駆体組成物を収容するように構成されたリザーバ、およびカートリッジが噴霧器本体と係合されるときに噴霧器本体にエアロゾル前駆体組成物を分配するように構成された弁組立体を備えるカートリッジとを備え、
制御本体が、噴霧器本体と解放可能に係合するように構成され、噴霧器本体が、カートリッジと解放可能に係合するように構成され、
噴霧器が、制御本体から電流を受け入れ、カートリッジからエアロゾル前駆体組成物を受け入れてエアロゾルを生成するように構成され、
制御本体、噴霧器本体、およびカートリッジが、別個の分離可能なコンポーネントを備え、
噴霧器が、外側本体と、端子基部と、流れ誘導器と、多孔質モノリスを備える液体輸送要素とを備え、噴霧器チャンバが、流れ誘導器、端子基部、および液体輸送要素の内面によって作成され、
流れ誘導器が、中央入口空気チャネル、移行障壁、および入口空気チャネルを通って入る空気が移行障壁によって1つ以上の半径方向入口空気孔を通って導かれるように構成された1つ以上の半径方向入口空気孔を含む、エアロゾル送達システム。
【請求項11】
流れ誘導器が、液体輸送要素にエアロゾル前駆体組成物を送達するように構成された1つ以上の入口液体流れチャンバをさらに含む、請求項10に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項12】
外側本体が、1つ以上の蒸気開口部を含み、流れ誘導器が、エアロゾルが1つ以上の半径方向入口蒸気孔、1つ以上の半径方向蒸気チャネル、流れ誘導器の1つ以上の垂直蒸気孔、および外側本体の1つ以上の蒸気開口部を通してカートリッジの1つ以上の蒸気チャネルに導かれるように構成された、1つ以上の半径方向入口蒸気孔、1つ以上の半径方向入口蒸気チャネル、および1つ以上の垂直蒸気孔を含む、請求項11に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項13】
エアロゾル送達装置操作方法であって、
制御本体、噴霧器本体、およびカートリッジを提供することであって、制御本体、噴霧器本体、およびカートリッジが、別個の分離可能なコンポーネントを備え、制御本体が、噴霧器本体を解放可能に係合するように構成され、噴霧器本体が、カートリッジを解放可能に係合するように構成されることと、
カートリッジのリザーバから弁組立体を通してカートリッジの外にエアロゾル前駆体組成物を導くことと、
噴霧器本体内にエアロゾル前駆体組成物を受け入れることと、
噴霧器本体内の噴霧器にエアロゾル前駆体組成物を導くことと、
エアロゾルを生成するために制御本体から噴霧器に電流を導くこととを備え、
噴霧器本体内の噴霧器にエアロゾル前駆体組成物を導くことが、噴霧器の外側本体内の1つ以上の半径方向流れ開口を通しておよび噴霧器の流れ誘導器内の1つ以上の入口液体流れチャネルを通してエアロゾル前駆体組成物を導くことを備える、エアロゾル送達装置操作方法。
【請求項14】
弁組立体を通してカートリッジの外にエアロゾル前駆体組成物を導くことが、噴霧器本体のノズルを弁組立体と係合させることをさらに備える、請求項13に記載のエアロゾル送達装置操作方法。
【請求項15】
カートリッジを通して延在する1つ以上の空気流開口部を通してエアロゾルを導くことをさらに備える、請求項13に記載のエアロゾル送達装置操作方法。
【請求項16】
カートリッジを通して延在する1つ以上の空気流開口部を通してエアロゾルを導くことが、弁組立体を通してエアロゾルを導くことを含む、請求項15に記載のエアロゾル送達装置操作方法。
【請求項17】
1つ以上の半径方向入口蒸気孔、1つ以上の半径方向蒸気チャネル、および流れ誘導器の1つ以上の垂直蒸気孔、噴霧器の外側本体の1つ以上の蒸気開口部を通して、カートリッジの1つ以上の蒸気チャネルにエアロゾルを導くことをさらに備える、請求項13に記載のエアロゾル送達操作方法。
【請求項18】
エアロゾル送達装置であって、
制御本体と、
噴霧器を備える噴霧器本体と、
エアロゾル前駆体組成物を収容するように構成されたリザーバ、およびカートリッジが噴霧器本体と係合されるときに噴霧器本体にエアロゾル前駆体組成物を分配するように構成された弁組立体を備えるカートリッジとを備え、
制御本体が、噴霧器本体と解放可能に係合するように構成され、噴霧器本体が、カートリッジと解放可能に係合するように構成され、
噴霧器が、制御本体から電流を受け入れ、カートリッジからエアロゾル前駆体組成物を受け入れてエアロゾルを生成するように構成され、
制御本体、噴霧器本体、およびカートリッジが、別個の分離可能なコンポーネントを備え、
噴霧器が、1つ以上の半径方向流れ開口を有する外側本体と、1つ以上の入口液体流れチャネルを有する流れ誘導器とを備え、
1つ以上の半径方向流れ開口および1つ以上の入口液体流れチャネルが、それを通してエアロゾル前駆体組成物が導かれるように構成される、エアロゾル送達装置。
【請求項19】
エアロゾル送達装置であって、
制御本体と、
噴霧器を備える噴霧器本体と、
エアロゾル前駆体組成物を収容するように構成されたリザーバを備えるカートリッジとを備え、
制御本体が、噴霧器本体と解放可能に係合するように構成され、噴霧器本体が、カートリッジと解放可能に係合するように構成され、
噴霧器が、制御本体から電流を受け入れ、カートリッジからエアロゾル前駆体組成物を受け入れてエアロゾルを生成するように構成され、
制御本体、噴霧器本体、およびカートリッジが、別個の分離可能なコンポーネントを備え、噴霧器が、流れ誘導器を備える、エアロゾル送達装置。
【請求項20】
噴霧器が、液体輸送要素をさらに備える、請求項19に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項21】
液体輸送要素が、多孔質モノリスを備える、請求項20に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項22】
噴霧器が、液体輸送要素に少なくとも部分的に埋め込まれたワイヤを備える加熱要素をさらに備える、請求項20に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項23】
液体輸送要素が、管を画定し、噴霧器が、液体輸送要素を通して延在し、それを通してエアロゾル前駆体組成物を導くように構成された毛細管ロッドをさらに備える、請求項22に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項24】
制御本体が、センサをさらに備え、センサがカートリッジに対するユーザの吸引を検出するように構成されている、請求項19に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項25】
噴霧器が、外側本体と、端子基部と、多孔質モノリスを備える液体輸送要素とをさらに備え、噴霧器チャンバが、流れ誘導器、端子基部、および液体輸送要素の内面によって作成される、請求項19に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項26】
流れ誘導器が、中央入口空気チャネルと、入口空気チャネルを通って入る空気が、1つ以上の半径方向入口空気孔を通って導かれるように構成された1つ以上の半径方向入口空気孔とを含む、請求項19に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項27】
流れ誘導器が、液体輸送要素にエアロゾル前駆体組成物を送達するように構成された1つ以上の入口液体流れチャンバをさらに含む、請求項26に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項28】
外側本体が、1つ以上の蒸気開口部を含み、流れ誘導器が、エアロゾルが1つ以上の半径方向入口蒸気孔、1つ以上の半径方向蒸気チャネル、流れ誘導器の1つ以上の垂直蒸気孔、および外側本体の1つ以上の蒸気開口部を通してカートリッジの1つ以上の蒸気チャネルに導かれるように構成された、1つ以上の半径方向入口蒸気孔、1つ以上の半径方向入口蒸気チャネル、および1つ以上の垂直蒸気孔を含む、請求項27に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項29】
流れ誘導器が、「T」形状を有し、上側フランジと、下側シリンダとを備える、請求項19に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項30】
カートリッジが、噴霧器本体からマウスピースに延在する1つ以上の空気流開口部を備え、空気流開口部がそれを通してエアロゾルを導くように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子タバコなどのエアロゾル送達装置に関し、さらに具体的には、噴霧器を含むエアロゾル送達装置に関する。噴霧器は、タバコから作製され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得るエアロゾル前駆体組成物を加熱して、人間が摂取するための吸入可能な物質を形成するように構成されてもよい。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコの燃焼を必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの装置が長年に亘って提案されてきた。これらの装置の多くは、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物の送達はないと言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの代替喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書、Griffith Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0096782号明細書およびDavisらの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照によりその全体が組み込まれるCountsらの米国特許第5,388,594号明細書およびRobinsonらの米国特許第8,079,371号明細書の背景技術の項に記載されている製品および加熱構成の様々な実施形態も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8,881,737号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096782号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0059780号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第8,079,371号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、代替構成を有するエアロゾル送達装置を提供することが望ましい場合がある。したがって、エアロゾル送達装置に関する進歩が望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、エアロゾル送達装置およびその操作方法に関する。本開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実装形態を含む。
【0006】
例示的な実装形態1:エアロゾル送達装置であって、制御本体、噴霧器を含む噴霧器本体、およびエアロゾル前駆体組成物を収容するように構成されたリザーバと、カートリッジが噴霧器本体と係合された際に噴霧器本体にエアロゾル前駆体組成物を分配するように構成された弁組立体とを具備するカートリッジを備え、弁組立体が、分配シールとリザーバシールとを含み、制御本体が、噴霧器本体と解放可能に係合するように構成され、噴霧器本体が、カートリッジと解放可能に係合するように構成され、噴霧器が、制御本体から電流を受け入れ、カートリッジからエアロゾル前駆体組成物を受け入れて、エアロゾルを生成するように構成される、エアロゾル送達装置。
【0007】
例示的な実装形態2:カートリッジが、噴霧器本体からマウスピースまで延びる1つ以上の空気流開口部を備え、空気流開口部が、それを通してエアロゾルを導くように構成される、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態3:空気流開口部の内の少なくとも1つが、弁組立体を貫通する、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態4:弁組立体が分配毛細管を画定し、弁組立体が、それらの間に画定された空間を伴って互いに隣接して配置された第1のプレートおよび第2のプレートをさらに備え、分配毛細管が、第1のプレートを通って第1のプレートと第2のプレートとの間の空間まで延在する、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態5:第1のプレートの半径方向外縁部および第2のプレートの半径方向外縁部とリザーバの内面との間に間隙が画定される、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0008】
例示的な実装形態6:噴霧器本体が、リザーバシールを貫通し、分配シールと係合するように構成されたノズルをさらに備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態7:弁組立体がさらにフレームを備え、リザーバシールがフレームに成型される、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態8:噴霧器が、多孔質モノリスを具備する液体輸送要素を備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態9:噴霧器が、液体輸送要素に少なくとも部分的に埋め込まれたワイヤを具備する加熱要素をさらに備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態10:液体輸送要素が管を画定し、噴霧器が、液体輸送要素を貫通し、それを通してエアロゾル前駆体組成物を導くように構成された毛細管ロッドをさらに備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態11:制御本体がマイクロホンをさらに備え、マイクロホンが、カートリッジに対するユーザの吸引を検出するように構成される、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0009】
例示的な実装形態12:噴霧器が、外側本体と、端子基部と、流れ誘導器と、多孔質モノリスを含む液体輸送要素とを含み、噴霧器チャンバが、流れ誘導器と、末端基部と、液体輸送要素の内面とによって作製される、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態13:流れ誘導器が、入口空気チャネルを通って入る空気が移行障壁によって1つ以上の半径方向入口空気孔を通って導かれるように構成された中央入口空気チャネルと、移行障壁と、1つ以上の半径方向入口空気孔とを含む、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態14:流れ誘導器が、液体輸送要素にエアロゾル前駆体組成物を送達するように構成された1つ以上の入口液体流れチャンバをさらに含む、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。例示的な実装形態15:外側本体が1つ以上の蒸気開口部を含み、流れ誘導器が、エアロゾルが1つ以上の半径方向入口蒸気孔と、1つ以上の半径方向蒸気チャネルと、流れ誘導器の1つ以上の垂直蒸気孔と、外側本体の1つ以上の蒸気開口部とを通って、カートリッジの1つ以上の蒸気チャネルに導かれるように構成された1つ以上の半径方向入口蒸気孔と、1つ以上の半径方向蒸気チャネルと、1つ以上の垂直蒸気孔とをさらに含む、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0010】
例示的な実装形態16:エアロゾル送達装置操作方法であって、分配シールとリザーバのリザーバシールとを通してエアロゾル前駆体組成物を導くことにより、カートリッジのリザーバから弁組立体を通してカートリッジの外にエアロゾル前駆体組成物を導くことと、噴霧器本体内にエアロゾル前駆体組成物を受け入れることと、噴霧器本体内の噴霧器にエアロゾル前駆体組成物を導くことと、エアロゾルを生成するために制御本体から噴霧器に電流を導くことと、を備えるエアロゾル送達装置操作方法。
【0011】
例示的な実装形態17:弁組立体が分配毛細管を画定し、弁組立体を通してカートリッジの外にエアロゾル前駆体組成物を導くことが、それらの間に画定された空間を伴って互いに隣接して配置された第1のプレートと第2のプレートとの間、および第1のプレートを貫通する分配毛細管を通して空間の外に、エアロゾル前駆体組成物を導くことをさらに備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置操作方法。例示的な実装形態18:弁組立体を通してカートリッジの外にエアロゾル前駆体組成物を導くことが、噴霧器本体のノズルを弁組立体と係合させることをさらに備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置操作方法。例示的な実装形態19:ノズルを弁組立体と係合させることが、弁組立体のリザーバシールを通してノズルを導くことを備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置操作方法。例示的な実装形態20:ノズルを弁組立体と係合させることが、分配毛細管でノズルを弁組立体の分配シールと係合させることをさらに備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置操作方法。
【0012】
例示的な実装形態21:噴霧器本体内にエアロゾル前駆体組成物を受け入れることが、ノズルと毛細管ロッドとの間にエアロゾル前駆体組成物を導くことを備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置操作方法。例示的な実装形態22:噴霧器本体内の噴霧器にエアロゾル前駆体組成物を導くことが、噴霧器の毛細管ロッドと液体輸送要素との間にエアロゾル前駆体組成物を導くことを備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置操作方法。例示的な実装形態23:カートリッジを貫通する1つ以上の空気流開口部を通してエアロゾルを導くことをさらに備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置操作方法。例示的な実装形態24:カートリッジを貫通する1つ以上の空気流開口部を通してエアロゾルを導くことが、弁組立体を通してエアロゾルを導くことを含む、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置操作方法。
【0013】
例示的な実装形態25:噴霧器本体内の噴霧器にエアロゾル前駆体組成物を導くことが、噴霧器の外側本体内の1つ以上の半径方向流れ開口部を通して、および噴霧器の流れ誘導器内の1つ以上の入口液体流路を通してエアロゾル前駆体組成物を導くことを備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置操作方法。例示的な実装形態26:流れ誘導器の1つ以上の半径方向入口蒸気孔、1つ以上の半径方向蒸気チャネルおよび1つ以上の垂直蒸気孔と、噴霧器の外側本体の1つ以上の蒸気開口部とを通して、カートリッジの1つ以上の蒸気チャネルにエアロゾルを導くことをさらに備える、任意の前述の例示的な実装形態、または任意の前述の例示的な実装形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置操作方法。
【0014】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面と共に、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書に記載の特定の例示的な実装形態において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載された2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の文脈が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および例示的な実装形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が、意図されるように、すなわち組合せ可能に見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0015】
したがって、この概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な実装形態を要約する目的のためにのみ提供されることが理解されるであろう。したがって、上記の例示的な実装形態は単なる例であり、決して本開示の範囲または精神を狭めると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。他の例示的な実装形態、態様および利点は、いくつかの説明された例示的な実装形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0016】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の例示的な実施形態による、組み立てられた構成にある、カートリッジおよび制御本体を備えるエアロゾル送達装置の側面図を示す。
図2】本開示の例示的な実施形態による、図1の制御本体を分解された構成で示す。
図3】本開示の例示的な実施形態による、図1のカートリッジを分解された構成で示す。
図4】本開示の例示的な実施形態による、分離された構成にある、カートリッジ、噴霧器本体および制御本体を含むエアロゾル送達装置の斜視図を示す。
図5】本開示の例示的な実施形態による、リザーバおよび弁組立体を含む、図4のカートリッジの分解図を示す。
図6】本開示の例示的な実施形態による、図5のリザーバの充填の斜視図を示す。
図7】本開示の例示的な実施形態による、図5の弁組立体の斜視図を示す。
図8】本開示の例示的な実施形態による、外側本体、噴霧器およびカプラを含む、図4の噴霧器本体の分解図を示す。
図9】本開示の例示的な実施形態による、図8の噴霧器の分解図を示す。
図10】本開示の例示的な実施形態による、図4の噴霧器本体のカプラおよび端子の分解図を示す。
図11】本開示の例示的な実施形態による、組み立てられた構成にある、図10のカプラおよび端子の斜視図を示す。
図12】本開示の例示的な実施形態による、図4の噴霧器本体の一部の部分的に組み立てられた部分分解図を示す。
図13】本開示の例示的な実施形態による、図4のエアロゾル送達装置の改変された断面図を示す。
図14】本開示の例示的な実施形態による、カートリッジにおける図4のエアロゾル送達装置の改変された断面図を示す。
図15】本開示の例示的な実施形態による、図14の領域Zの拡大図を示す。
図16】本開示の例示的な実施形態による、図4のカートリッジの斜視端面図を示す。
図17】本開示の例示的な実施形態による、エアロゾル送達装置操作方法を概略的に示す。
図18】本開示の追加の例示的な実施形態による、カートリッジおよび噴霧器を示す。
図19】本開示の例示的な実施形態による、図18の噴霧器を組み立てられた構成で示す。
図20】本開示の例示的な実施形態による、図18の噴霧器を分解された構成で示す。
図21】本開示の例示的な実施形態による、図18の噴霧器と共に使用するためのカートリッジを示す。
図22】本開示の例示的な実施形態による、図21のカートリッジの底面図を示す。
図23】本開示の例示的な実施形態による、図18の噴霧器と共に使用するための液体輸送要素および加熱要素を示す。
図24】本開示の例示的な実施形態による、図18の噴霧器と共に使用するための流れ誘導器を示す。
図25】本開示の例示的な実施形態による、図24の流れ誘導器の断面図を示す。
図26】本開示の例示的な実施形態による、図18の噴霧器の部分断面図を示す。
図27】本開示の例示的な実施形態による、図18の噴霧器の異なる部分断面図を示す。
図28】本開示の例示的な実施形態による、図23のカートリッジの部分正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の変形例を含む。
【0019】
本開示は、エアロゾル送達装置の説明を提供する。エアロゾル送達装置は、(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用してもよい。そのような物品は「手持ち式」装置と見なすのに十分に小型であることが最も好ましい。エアロゾル送達装置は、その物品または装置のいかなる構成要素も実質的に燃焼させることなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという感覚の一部または全部(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、官能的効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)を提供してもよい。エアロゾル送達装置は、タバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるエアロゾルの意味での煙を生成し得ず、むしろ、その物品または装置は、最も好ましくは、物品または装置の特定の構成要素の揮発または気化に起因する(煙状であると説明されると見なされ得る、目に見えるエアロゾルと見なされ得るエアロゾル内の蒸気を含む)蒸気を生成するが、他の実施形態では、エアロゾルは目に見えない場合がある。非常に好ましい実施形態では、エアロゾル送達装置は、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込んでもよい。このように、エアロゾル送達装置は、電子タバコ(「e-cigarette」)などの電子喫煙品として特徴付けることができる。
【0020】
システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」などのエアロゾル送達装置に関連する実施形態に関して本明細書に記載されているが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具体化され、様々な物品に関連付けられてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書で提供される説明は、従来の喫煙品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、加熱式タバコ、および本明細書に開示される製品のいずれかのための関連する梱包の実施形態と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴および方法の説明は、エアロゾル送達装置に関する実施形態に関して単なる例として論じられ、様々な他の製品および方法で具体化および使用され得ることを理解されたい。
【0021】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように構成することができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子の懸濁液または液滴)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0022】
本開示のエアロゾル送達装置は、使用時に、従来の種類の喫煙品(例えば、タバコを点火し、吸入することによって使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって使用される多くの物理的作用を受け得る。例えば、本開示のエアロゾル送達装置のユーザは、従来の種類の喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0023】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、外側シェルまたは本体内に設けられた多数の構成要素を含む。外側シェルまたは本体の全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は変更可能である。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のシェルから形成されてもよいか、細長い本体が、2つ以上の分離可能な部品から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であり得、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を備えることができる。しかし、他の実施形態では、様々な他の形状および構成が使用されてもよい(例えば、角型またはフォブ形状(fob-shaped))。
【0024】
一実施形態では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つの外側本体またはシェル内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のシェルを備えることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、再充電可能な電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するシェルを備える制御本体を一端に有し、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を収容する取り外し可能に取り付けられたシェルを他端に有することができる。単一シェルタイプのユニット内または複数部品の分離可能シェルタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の設計と構成要素の配置とを理解することができる。
【0025】
本開示のエアロゾル送達装置は、最も好ましくは、駆動源(すなわち、電源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、駆動源からエアロゾル送達装置の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および/または停止するための手段)、ヒータまたは発熱部材(例えば、一般に「噴霧器」の一部と呼ばれる電気抵抗加熱要素または構成要素)、およびエアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、一般に、十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができる液体)、およびエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にする吸い口端領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸引によりそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを含む。
【0026】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の位置合わせは変更可能である。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、エアロゾル送達装置の端部の近くに配置されることができ、これにより、ユーザの口に近接して配置されてユーザへのエアロゾル送達を最大化するように構成されてもよい。ただし、他の構成は除外されない。一般に、加熱要素からの熱がエアロゾル前駆体(ならびに、同様に、ユーザへの送達のために提供され得る1つ以上の香味料、医薬品など)を揮発させ、ユーザに送達するためのエアロゾルを形成することができるように、エアロゾル前駆体組成物の十分近くに加熱要素が配置され得る。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成するまたは生成する(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段の定めがない限り、本明細書では言い換え可能に使用される。
【0027】
上述したように、エアロゾル送達装置は、電池および/または他の電源(例えば、キャパシタ)を組み込み、ヒータの電力供給、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給などのように、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流を提供してもよい。電源は様々な実施形態をとることができる。好ましくは、電源は、加熱要素を急速に加熱するのに十分な電力を供給してエアロゾルを形成し、所望の持続時間に亘る使用を通してエアロゾル送達装置に電力を供給することができる。電源は、好ましくは、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に都合良く適合するような寸法である。さらに、好ましい電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分軽量である。
【0028】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択を理解することができる。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置を理解することもできる。本開示の装置、ならびに本開示のエアロゾル送達装置に使用され得る構成要素および関連技術の製造者、設計者および/または譲受人に、その構成要素、その操作方法、それに含まれる材料、および/または他のその属性が含まれ得る市販製品の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2016年7月28日に出願されたWatsonらの米国特許出願第15/222,615号明細書に記載されている。
【0029】
エアロゾル送達装置100の1つの例示的な実施形態を図1に示す。特に、図1は、制御本体200およびカートリッジ300を含むエアロゾル送達装置100を示す。制御本体200およびカートリッジ300は、機能的な関係で恒久的にまたは取り外し可能に位置合わせされてもよい。様々な機構がカートリッジ300を制御本体200に接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などをもたらしてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置100は、カートリッジ300および制御本体200が組み立てられた構成にある場合、実質的に棒状、実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。しかし、上述したように、他の実施形態では、角型またはフォブ形状などの様々な他の構成が使用されてもよい。さらに、エアロゾル送達装置は、本明細書では一般に従来の喫煙品の寸法および形状に似ているとして説明されているが、他の実施形態では、異なる構成、および「タンク」と呼ばれ得る大容量のリザーバが使用されてもよい。
【0030】
特定の実施形態では、カートリッジ300および制御本体200の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体200は、交換可能な電池または再充電可能な電池および/またはキャパシタを有してもよく、したがって、典型的な交流電気コンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含む任意の種類の再充電技術と組み合わされてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、カートリッジ300は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されているような使い捨てカートリッジを含んでもよい。
【0031】
図2は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100(図1を参照)の制御本体200の分解図を示す。図示されるように、制御本体200は、カプラ202、外側本体204、シール部材206、接着部材208(例えば、KAPTON(R)テープ)、フローセンサ210(例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)、制御構成要素212、スペーサ214、電源216(例えば、再充電可能であってよいキャパシタおよび/または電池)、インジケータ218(例えば、発光ダイオード(LED))を有する回路基板、コネクタ回路220および端部キャップ222を備えてもよい。電源の例は、Peckerarらの米国特許第9,484,155号明細書に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
フローセンサ210に関して、エアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサおよびスイッチを含む代表的な電流調整構成要素および他の電流制御構成要素が、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書ならびにPanの米国特許第8,205,622号明細書に記載されている。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許第9,423,152号明細書に記載された制御方式も参照される。
【0033】
一実施形態では、インジケータ218は、1つ以上の発光ダイオードを備えてもよい。インジケータ218は、コネクタ回路220を介して制御構成要素212と通信することができ、例えば、カプラ202に結合されたカートリッジをユーザが吸引する間に、フローセンサ210によって検出されるのに従って点灯してもよい。端部キャップ222は、インジケータ218による、その下に設けられた照明を目に見えるようにするように構成されてもよい。したがって、インジケータ218は、エアロゾル送達装置100の使用中に点灯されて、喫煙品の点火端を模倣してもよい。しかし、他の実施形態では、インジケータ218は、様々な数で提供されてもよく、異なる形状をとることができ、(例えば、このようなインジケータが存在する場合に音を放つように)外側本体の開口部であってもよい。
【0034】
本開示のエアロゾル送達装置には、さらに別の構成要素が利用され得る。例えば、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙品用のインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸引に関連したユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱装置の加熱を引き起こす装置の吸い口端に関連し得る圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吸煙センサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別機と、構成要素がレセプタクルに挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内のレセプタクルを開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差動位相を有する規定済みの実行可能な駆動サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック(photonic-optronic)構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を通る吸込抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置に使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置と共に使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインタフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置用の識別システムを開示しており、Flickによる国際公開第2010/003480号は、エアロゾル生成システムを用いた吸煙を示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で使用され得る電子エアロゾル送達物品および開示材料または構成要素に関連する構成要素の追加の例には、Gerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許第8,156,944号明細書および第8,375,957号明細書、Thorensらの米国特許第8,794,231号明細書、Oglesbyらの米国特許第8,851,083号明細書、Monseesらの米国特許第8,915,254号明細書および第8,925,555号明細書、およびDePianoらの米国特許第9,220,302号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、Honの国際公開第2010/091593号、およびFooの国際公開第2013/089551号が挙げられ、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。様々な実施形態では、前述の文献によって開示された様々な材料が本装置に組み込まれてもよく、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0035】
図3は、エアロゾル送達装置100(図1を参照)のカートリッジ300を分解された構成で示す。図示されるように、カートリッジ300は、本開示の例示的な実施形態による、基部302、制御構成要素端子304、電子部品306、流れ誘導器308、噴霧器310、リザーバ312(例えば、リザーバ基材)、外側本体314、マウスピース316、ラベル318ならびに第1および第2の加熱端子320、321を備えてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1および第2の加熱端子320、321は、流れ誘導器308に埋め込まれるか、そうでなければ結合されてもよい。例えば、第1および第2の加熱端子320、321は、流れ誘導器308にインサート成型されてもよい。したがって、流れ誘導器308ならびに第1および第2の加熱端子は、本明細書では流れ誘導器組立体322とまとめて呼ばれる。第1および第2の加熱端子320、321ならびに流れ誘導器308に関する追加の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBrinkleyらの米国特許出願公開第2015/0335071号明細書に記載されている。
【0037】
噴霧器310は、液体輸送要素324および加熱要素326を備えてもよい。カートリッジは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許第9,220,302号明細書に開示されているように、基部およびマウスピースを保護し、使用前に内部に汚染物質が侵入するのを防止するために、基部に係合された基部シッピングプラグおよび/またはマウスピースに係合されたマウスピースシッピングプラグをさらに含んでもよい。
【0038】
基部302は、外側本体314の第1の端部に結合されてもよく、マウスピース316は、カートリッジ300の内部の他の構成要素を実質的にまたは完全に囲むように、外側本体の対向する第2の端部に結合されてもよい。例えば、制御構成要素端子304、電子部品306、流れ誘導器308、噴霧器310およびリザーバ312は、外側本体314内に実質的にまたは完全に保持されてもよい。ラベル318は、外側本体314および場合により基部302を少なくとも部分的に取り囲み、その上に製品識別子などの情報を含んでもよい。基部302は、制御本体200のカプラ202と係合するように構成されてもよい(例えば、図2を参照)。いくつかの実施形態では、基部302は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるNovakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に開示されているように、カートリッジと制御本体との間の相対的な回転を実質的に防止する回転防止機構を含んでもよい。
【0039】
リザーバ312は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されてもよい。代表的な種類のエアロゾル前駆体成分および製剤もまた、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Collettらの米国特許第8,881,737号明細書およびChongらの米国特許第9,254,002号明細書、およびZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用されてもよい他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyのVUSE(R)製品、Lorillard TechnologiesのBLU製品、Mistic EcigsのMISTIC MENTHOL製品およびCN Creative Ltd.のVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。発泡性材料の実施形態が、エアロゾル前駆体と共に使用されてもよく、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHuntらの米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に記載されている。さらに、発泡性材料の使用は、例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるNiaziらの米国特許第4,639,368号明細書、Wehlingらの米国特許第5,178,878号明細書、Wehlingらの米国特許第5,223,264号明細書、Patherらの米国特許第6,974,590号明細書、Bergquistらの米国特許第7,381,667号明細書、Crawfordらの米国特許第8,424,541号明細書、Stricklandらの米国特許第8,627,828号明細書およびSunらの米国特許第9,307,787号明細書ならびにBrinkleyらの米国特許出願公開第2010/0018539号明細書およびJohnsonらの国際公開第97/06786号に記載されている。エアロゾル前駆体組成物に含まれるタバコまたはタバコ由来成分の説明を含め、エアロゾル前駆体組成物の実施形態に関する追加の説明は、いずれも2016年7月21日に出願され、いずれもDavisらの米国特許出願第15/216,582号明細書および米国特許出願番号第15/216,590号明細書に記載され、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0040】
リザーバ312は、カートリッジ300の外側本体314の内部を取り囲む管の形状に形成された不織繊維の複数の層を備えてもよい。したがって、例えば、リザーバ312によって液体成分を吸着して保持することができる。リザーバ312は、液体輸送要素324と流体接続する。したがって、液体輸送要素324は、毛細管作用または他の液体輸送機構を介して、リザーバ312から加熱要素326に液体を輸送するように構成されてもよい。
【0041】
図示されるように、液体輸送要素324は、加熱要素326と直接接触していてもよい。図3にさらに示すように、加熱要素326は、液体輸送要素324の周りに巻かれた複数のコイルを画定するワイヤを備えてもよい。いくつかの実施形態では、加熱要素326は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWardらの米国特許第9,210,738号明細書に記載されているように、液体輸送要素324の周りにワイヤを巻くことによって形成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ワイヤは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許第9,277,770号明細書に記載されているように、可変のコイル間隔を画定してもよい。電流が印加されると熱を生成するように構成された材料の様々な実施形態を使用して、加熱要素326を形成してもよい。ワイヤコイルを形成してもよい材料の例には、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al))、黒鉛および黒鉛系材料ならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。
【0042】
しかし、加熱要素326を形成するために、方法の様々な他の実施形態が使用されてもよく、加熱要素の様々な他の実施形態が噴霧器310に使用されてもよい。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2014/0270729号明細書に記載されているように、打ち抜きされた加熱要素が噴霧器に使用されてもよい。上記に加えて、追加の代表的な加熱要素およびその中で使用するための材料が、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらの米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらの米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らの米国特許第5,228,460号明細書、Deeviらの米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらの米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらの米国特許第5,468,936号明細書、Dasの米国特許第5,498,850号明細書、Dasの米国特許第5,659,656号明細書、Deeviらの米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolの米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolの米国特許第5,665,262号明細書、Dasらの米国特許第5,573,692号明細書およびFleischhauerらの米国特許第5,591,368号明細書に記載されており、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、他の実施形態では、化学的加熱が使用されてもよい。上述したように、ヒータ、およびヒータを形成するために使用される材料の様々な追加の例が、参照により本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書に記載されている。
【0043】
本発明のエアロゾル送達装置では、様々なヒータ構成要素が使用されてもよい。様々な実施形態では、1つ以上のマイクロヒータまたは類似の固体ヒータが使用されてもよい。本開示の装置に使用するのに適したマイクロヒータ、およびマイクロヒータを組み込んだ噴霧器が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書に記載されている。
【0044】
第1の加熱端子320および第2の加熱端子321(例えば、負および正の加熱端子)は、加熱要素326の対向端部と係合し、カートリッジ300がそこに接続された際に、制御本体200(例えば、図2を参照)との電気接続を形成するように構成される。さらに、制御本体200がカートリッジ300に結合されると、電子部品306は、制御構成要素端子304を介して制御本体との電気接続を形成してもよい。したがって、制御本体200は、電子制御構成要素212(図2を参照)を使用して、カートリッジ300が純正品であるかどうかを決定し、および/または他の機能を実行してもよい。さらに、電子制御構成要素およびそれによって実行される機能の様々な例が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載されている。
【0045】
使用中、ユーザは、エアロゾル送達装置100(図1を参照)のカートリッジ300のマウスピース316を吸引してもよい。これにより、制御本体200(例えば、図2を参照)またはカートリッジ300の開口部を通して空気を引き出してもよい。例えば、一実施形態では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許第9,220,302号明細書に記載されているように、カプラ202と制御本体200(例えば、図2を参照)の外側本体204との間に開口部が画定されてもよい。しかし、他の実施形態では、空気の流れは、エアロゾル送達装置100の他の部分を通して受け入れられてもよい。上述したように、いくつかの実施形態では、カートリッジ300は、流れ誘導器308を含んでもよい。流れ誘導器308は、制御本体200から受け入れた空気の流れを噴霧器310の加熱要素326に導くように構成されてもよい。
【0046】
エアロゾル送達装置100内のセンサ(例えば、制御本体200内のフローセンサ210、図2を参照)は、吸煙を感知してもよい。吸煙が感知されると、制御本体200は、第1の加熱端子320および第2の加熱端子321を含む回路を通して、加熱要素326に電流を導いてもよい。したがって、加熱要素326は、液体輸送要素324によってリザーバ312からエアロゾル化ゾーンに導かれたエアロゾル前駆体組成物を気化させてもよい。このように、マウスピース326は、それを吸引した消費者に向かって、カートリッジ300から空気および同伴蒸気(すなわち、吸入可能な形態のエアロゾル前駆体組成物の成分)を通過させてもよい。
【0047】
カートリッジ300に含められてもよい構成要素に関する様々な他の詳細は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されている。カートリッジ300に含められてもよい追加の構成要素、およびそれに関連する詳細は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2014年5月23日に出願されたBrinkleyらの米国特許出願公開第2015/0335071号明細書に記載されている。
【0048】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当技術分野に記載され市販されている構成要素から選択され得る。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書に開示された電子喫煙品内の複数のエアロゾル化可能な材料の制御可能な、送達のためのリザーバおよびヒータシステムが参照される。
【0049】
別の実施形態では、カートリッジの実質的に全体が1つ以上の炭素材料から形成されてもよく、これにより、生分解性とワイヤの欠如との点で利点を提供し得る。これに関して、加熱要素は炭素発泡体を備えてもよく、リザーバは炭素化布帛を備えてもよく、電源および制御構成要素との電気接続を形成するために黒鉛が使用されてもよい。炭素系カートリッジの例示的な実施形態が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGriffithらの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に記載されている。
【0050】
しかし、いくつかの実施形態では、代替構成を有するエアロゾル送達装置を提供することが望ましい場合がある。これに関して、図4は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置400を示す。他に説明および/または図示されていない場合、エアロゾル送達装置400の構成要素は、上記の対応する構成要素と実質的に類似しているか同一であってよい。
【0051】
図示されるように、エアロゾル送達装置は、制御本体200を含んでもよい。制御本体200は、上述した制御本体200(図2を参照)と類似しているか同一であってよいため、その説明は繰り返されない。しかし、いくつかの実施形態では、フローセンサ210(図2を参照)は、カートリッジ500に対するユーザの吸引を検出するように構成されたマイクロホンを備えてもよい。さらに、フォブ形状の制御本体など、制御本体の他の実施形態がエアロゾル送達装置に使用されてもよい。
【0052】
さらに、エアロゾル送達装置400は、カートリッジ500を含んでもよい。カートリッジ500は、図1および図3に関して上述したカートリッジ300の実施形態とは異なっていてもよい。これに関して、カートリッジ500は、噴霧器を含まなくてもよい。むしろ、エアロゾル送達装置400は、以下に詳細に記載されるように、噴霧器を含み得る噴霧器本体600をさらに含んでもよい。したがって、図1に関して上述したエアロゾル送達装置100は、2つの分離可能な構成要素(すなわち、制御本体200およびカートリッジ300)を含むが、図4のエアロゾル送達装置400は、3つの分離可能な構成要素(すなわち、制御本体200、カートリッジ500および噴霧器本体600)を含む。
【0053】
さらに具体的には、制御本体200は、噴霧器本体600と解放可能に係合するように構成されてもよい。さらに、噴霧器本体600は、カートリッジ500と解放可能に係合するように構成されてもよい。以下に説明するように、噴霧器本体600の噴霧器は、制御本体200から電流を受け入れ、カートリッジ500からエアロゾル前駆体組成物を受け入れてエアロゾルを生成するように構成されてもよい。
【0054】
図5は、カートリッジ500の分解図を示す。図示されるように、カートリッジ500は、リザーバ502および弁組立体504を含んでもよい。リザーバ502は、エアロゾル前駆体組成物506を収容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リザーバ502は、ユーザがその中に残っているエアロゾル前駆体組成物506の量を見ることができるように、半透明または透明な材料を備えてもよい。エアロゾル前駆体組成物506は、リザーバ502に分配されるか、その他の方法で導かれてもよい。例えば、図6に示すように、充填針508がリザーバ502に導かれてもよく、エアロゾル前駆体組成物506がそこから分配されてもよい。
【0055】
その後、弁組立体504がリザーバ502に挿入されてもよい。弁組立体504は、リザーバ502内のエアロゾル前駆体組成物506をシールしてもよい。したがって、弁組立体504は、リザーバ基材の使用を必要とすることなく、リザーバ502内にエアロゾル前駆体組成物506を保持し得る。しかし、以下に説明するように、弁組立体504は、それと係合された際に噴霧器本体600にエアロゾル前駆体組成物506が流れることを可能にし得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、弁組立体504は、リザーバ504に取り付けられてもよい。例えば、弁組立体504は、リザーバ502に超音波溶接されてもよい。理解され得るように、接着剤の使用などの様々な他の機構および技法を使用して、リザーバ502と係合して弁組立体504を保持してもよい。しかし、超音波溶接の使用は、シールを形成するための追加の構成要素または物質を必要とせずに気密シールを提供し得るという点で好ましい場合がある。これにより、リザーバ502から弁組立体504を非破壊的に取り外すことが防止されることができ、その結果、リザーバは、以下にさらに詳細に説明されるように再充填され得ない。
【0057】
図7は、弁組立体504の拡大図を示す。図示されるように、弁組立体504は、フレーム510を含んでもよい。上述したように、フレーム510の基部512が、リザーバ502の内面に超音波溶接されて、カートリッジ500(例えば、図5を参照)を形成してもよい。さらに、フレーム510は、少なくとも1つのコネクタ部分514と、第1のプレート516と、第2のプレート518と、少なくとも1つのスペーサ520とを含んでもよい。コネクタ部分514は、基部512から第1のプレート516まで延在してもよい。第1のプレート516および第2のプレート518は、それらの間に画定された空間を伴って互いに隣接して配置されてもよい。これに関して、スペーサ520は、第1のプレート516と第2のプレート518との間に延在し、それらを分離して、第1のプレートと第2のプレートとが分離されるようにしてもよい。分配毛細管522は、第1のプレート516を通って、第1のプレートと第2のプレート518との間に画定された空間まで延在してもよい。
【0058】
さらに、弁組立体504は、1つ以上のシールを含んでもよい。特に、弁組立体504は、リザーバシール524を含んでもよい。リザーバシール524は、リザーバ502の内側に対してシールして、リザーバ内のエアロゾル前駆体組成物506をシールするように構成されてもよい(例えば、図5を参照)。リザーバシール524は、フレーム510に成型されてもよい(例えば、インサート成型される)。
【0059】
さらに、弁組立体504は、分配シール526を含んでもよい。分配シール526は、分配毛細管522に配置されてもよい。特に、分配シール526は、閉鎖された分配毛細管522をシールするように構成されてもよい。
【0060】
リザーバシール524および/または分配シール526は、フレーム510に成型されてもよい。例えば、分配シール526および/またはリザーバシール524は、フレーム510上にオーバーモールドされてもよい。シール524、526の一方または両方をフレーム510に成型することによって、フレームと係合してシールを保持する強い結合がそれらの間に形成され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、フレーム510は、プラスチック材料を備えてもよい。フレーム510に含められ得る例示的な市販の材料は、テネシー州キングスポートのEastman Chemical Companyによって販売されているTRITANコポリエステルである。さらに、いくつかの実施形態では、リザーバシール524および/または分配シール526は、シリコーン、熱可塑性ポリウレタンまたは他の弾性材料を含んでもよい。
【0062】
エアロゾル送達装置400(図4を参照)の追加の構成要素に関して、噴霧器本体600が図8に部分的に分解された構成で示されている。図示されるように、噴霧器本体600は、外側本体602を含んでもよい。外側本体602は、基部604と係合するように構成されてもよい。例えば、外側本体602は、プラスチック材料を備え得る基部604に圧着され得る金属材料(例えば、ステンレス鋼)を備えてもよい。外側本体602が基部604と係合されると、噴霧器本体600の様々な他の構成要素は、その中に実質的に囲まれ得る。
【0063】
例えば、噴霧器本体600は、噴霧器606をさらに備えてもよい。噴霧器606の例示的な実施形態が図9に示されている。図示されるように、噴霧器606は、液体輸送要素608および加熱要素610を備えてもよい。さらに、液体輸送要素608は、多孔質モノリスを備えてもよい。例えば、液体輸送要素608はセラミックを備えてもよい。
【0064】
加熱要素610は、液体輸送要素608の周りに巻かれ得るワイヤを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤは、チタン、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al))、黒鉛および黒鉛系材料、セラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)、タングステンならびにタングステン系合金、または本明細書の他の箇所に記載されているような任意の他の好適な材料を含んでもよい。タングステンおよびタングステン系合金の使用は、これらの材料が、液体輸送要素608に使用され得る多くのセラミックと共に使用するのに適した膨張係数を規定し得るという点で望ましい場合がある。
【0065】
加熱要素610のワイヤは、液体輸送要素608に少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。これに関して、加熱要素610のワイヤは、液体輸送要素がキルンとして知られる高温オーブン内で焼成される前に、液体輸送要素608に埋め込まれてもよい。例えば、ワイヤは、材料を焼成する前に、そこからセラミックが形成される基材の長い区間の周りに巻き付けられてもよい。液体輸送要素608にセラミックを形成するために使用されるそのような基材の例には、粘土、酸化物、非酸化物および複合材が挙げられ得る。これにより、ワイヤは、その周りに巻き付けられている間に、基材に少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。次いで、基材およびワイヤがキルン内で焼成されてもよい。その後、ガングソーまたは他の切断装置により、所望の長さを有する個々の噴霧器606に生成物を分割してもよい。
【0066】
噴霧器606は、毛細管ロッド612をさらに備えてもよい。これに関して、液体輸送要素608は、管を画定してもよい。言い換えれば、液体輸送要素608は、長手方向にそれを貫通する開口部を含んでもよい。それにより、毛細管ロッド612は、液体輸送要素608を長手方向に貫通して延在してもよい。したがって、毛細管ロッド612は、液体輸送要素608を通してエアロゾル前駆体組成物を導くように構成されてもよい。これに関して、毛細管ロッド612と液体輸送要素608の内面との間の間隔は、それを通してエアロゾル前駆体組成物を導く毛細管チャネルを画定してもよい。次いで、エアロゾル前駆体組成物は、加熱要素610の作動中に、液体輸送要素608を通ってほぼ半径方向外側に引き込まれてもよい。
【0067】
噴霧器本体600(図4を参照)は、図9に示される第1の噴霧器シール614をさらに含んでもよい。第1の噴霧器シール614は、液体輸送要素608の第1の端部および、頭部616を画定し得る毛細管ロッド612の第1の端部と係合してもよい。これにより、液体輸送要素608は、毛細管ロッド612の頭部616にシールされて、それらの間のエアロゾル前駆体組成物の漏れを防止してもよい。
【0068】
図10は、基部604、および基部と係合するように構成された複数の端子の分解図を示す。端子は、第1の加熱端子618、第2の加熱端子620および電子部品端子622を含む。電子部品端子622は、噴霧器本体600(例えば、図8を参照)が純正品であることを検証し、および/または本明細書の他の箇所に記載される他の機能を提供する電子部品624と係合されてもよい。
【0069】
端子618、620、622(図10を参照)および基部604の組み立てられた構成は、図11に示されている。図示されるように、第1の加熱端子620は、第1のクリップ626を含んでもよい。さらに、第2の加熱端子620は、第2のクリップ628を含んでもよい。
【0070】
図12に示すように、第1のクリップ626および第2のクリップ628は、液体輸送要素608がそれらの中に受け入れられて定位置に保持され得るように位置合わせされてもよい。これに関して、液体輸送要素608は、各クリップ626、628の開口部を通して側面から挿入され、それらと係合されてもよい。第1のクリップ626および第2のクリップ628は、加熱要素610の対向端部に接触することができ、その結果、電流が第1の加熱端子618および第2の加熱端子620を介してそれらを通って導かれ得る。いくつかの実施形態では、クリップ626、628は、加熱要素610に溶接(例えば、レーザ溶接)されて、それとの確実な接続を提供し得る。例えば、クリップ626、628のそれぞれにレーザビームが導かれてもよく、これにより、溶接部にクリップおよび加熱要素610を形成させてもよい。
【0071】
噴霧器本体600(例えば、図4を参照)は、第2の噴霧器シール630および噴霧器本体シール632をさらに含んでもよい。図8に示すように、噴霧器本体シール632は、液体輸送要素608および加熱端子618、620の上に延在し、基部604と係合してもよい。図8にさらに示すように、第2の噴霧器シール630は、液体輸送要素608の第2の端部と係合するように構成されてもよい。これにより、噴霧器本体シール632は、第1のクリップ626から液体輸送要素を切り離すことができないように、液体輸送要素608ならびに第1および第2の加熱端子618、620の上に延在してもよい(例えば、図12を参照)。同様に、第2の噴霧器シール630は、第2のクリップ628から液体輸送要素を切り離すことができないように、液体輸送要素608および第2の加熱端子620の上に延在してもよい(例えば、図12を参照)。したがって、液体輸送要素608は、加熱端子618、620と係合したままでよい。
【0072】
さらに、第2の噴霧器シール630および噴霧器本体シール632は、シールを形成してもよい。これに関して、噴霧器本体シール632は、基部604および外側本体602に対して、外側本体がそれと係合された際にシールしてもよい。第2の噴霧器シール630および噴霧器本体シール632は、外側本体602の内面とそれぞれ係合して漏れを防止してもよい。特に、第2の噴霧器シール630は外側本体602の内面と係合してもよく、その結果、エアロゾル前駆体組成物は、液体輸送要素608と外側本体との間で漏れず、代わりに、液体輸送要素を通して画定される長手方向の開口部を通して導かれる。
【0073】
さらに、噴霧器本体シール632は、外側本体602の内面、および基部604と係合してもよい。これにより、ユーザが噴霧器本体シール632を通して基部604を通して吸引している間、噴霧器本体602にのみ空気が入り得る。これに関して、噴霧器本体シール632は、基部604から空気を受け入れ、噴霧器606の外側に空気を導くように構成された1つ以上の空気流開口部634を含んでもよい。以下に説明するように、噴霧器606で生成されたエアロゾルは、その後、噴霧器本体600からカートリッジ500(例えば、図4を参照)を通ってユーザに導かれてもよい。
【0074】
エアロゾル送達装置400の操作が、以下にさらに詳細に説明される。図13に示すように、噴霧器本体600は制御本体200と係合されてもよい。さらに、カートリッジ500は、噴霧器本体が制御本体とカートリッジ500との間に配置されるように噴霧器本体600と係合されてもよい。ただし、理解され得るように、噴霧器本体600、制御本体200およびカートリッジ500は、他の実施形態では異なった方法で配置されてもよい。
【0075】
第1および第2の加熱端子618、620および電子部品端子622(例えば、図10を参照)を介した制御本体200と噴霧器本体600との間の接続により、エアロゾル送達装置400を用いた吸煙が検出された際に、制御本体200が噴霧器606に電流を導くことが可能になる。これに関して、噴霧器本体600と反対側のカートリッジ500の長手方向端部が、マウスピース528を画定してもよい。ユーザがマウスピース528を吸引すると、カプラ202と制御本体200の外側本体204との間に画定され得る空気取入口224を通して空気223が導かれ得る。空気取入口224を通して引き込まれた空気223は、制御本体200のカプラ202を通して引き込まれ、その後、基部604および噴霧器本体シール632を通って噴霧器本体600の噴霧キャビティ638内に引き込まれ得る。さらに、空気223は、基部604を通過する際に電子部品624(例えば、図10を参照)を冷却して、その温度関連の劣化に関するリスクを低減することができる。
【0076】
カートリッジ500のリザーバ502の内面と係合してこれをシールし得るOリング640がその外面に含まれているため、空気223はカートリッジ500と噴霧器本体600との間の接続を通るのとは対照的に、空気取入口224を通して引き込まれ得る。さらに、リザーバ502は、その内面に、凹部642と係合し得る戻り止め530を画定してもよい。これにより、噴霧器本体600は、カートリッジ500との確実な係合を維持し得る。空気が、空気取入口224を通るのではなく、制御本体200と噴霧器本体600との間のエアロゾル送達装置400に入る程度まで、この空気は、空気取入口224を通して受け入れられた空気と噴霧キャビティ638で組み合わされ得る。
【0077】
戻り止め530および凹部642は、追加的または代替的に、他の機能を提供し得る。これに関して、いくつかの実施形態では、装置の操作を可能にするために、戻り止め530と凹部642との係合が必要とされる場合がある。例えば、戻り止め530と凹部642との係合は、エアロゾル送達装置の操作に必要とされる電子部品624(例えば、図10を参照)との回路を完成させ得る。
【0078】
空気が空気取入口224を通して引き込まれると、フローセンサ210(図2を参照)が引き込みを検出し得る。これにより、制御本体200は、加熱端子618、620を通して噴霧器606に電流を導いてもよい。噴霧器606が加熱するにつれて、エアロゾル前駆体組成物506は噴霧器で気化され得る。これに関して、エアロゾル前駆体組成物506は、リザーバ502内の前駆体キャビティ532に保持されてもよい。エアロゾル前駆体組成物506は、弁組立体504を通して噴霧器606に導かれ得る。
【0079】
これに関して、弁組立体504は、それと係合された際に噴霧器本体600にエアロゾル前駆体組成物506を分配するように構成されてもよい。他の場合には、弁組立体504は、リザーバ502内にエアロゾル前駆体組成物506を保持するように、閉じた構成のままであってよい。さらに具体的には、噴霧器本体600は、ノズル644を含んでもよい。ノズル644は、弁組立体504と係合するように構成されてもよい。これに関して、ノズル644はリザーバシール524を貫通し、分配シール526と係合するように構成されてもよい。したがって、前駆体キャビティ532内に保持されたエアロゾル前駆体組成物506は、弁組立体504を通ってノズル644に導かれてもよい。
【0080】
図14および図15に示すように、エアロゾル前駆体組成物506は、弁組立体504の第1のプレート516および第2のプレート518の半径方向外縁部とリザーバ502の内面との間に画定された間隙を通って、第1のプレートと第2のプレートとの間に画定された空間内に流れ込み得る。さらに具体的には、図15は、図14の領域Zの拡大図を示している。図示されるように、毛細管作用により、第1のプレート516と第2のプレート518との間にエアロゾル前駆体組成物506が引き込まれ得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1のプレート516および第2のプレート518の内面は、互いに対して角度を画定してもよい。特に、第1のプレート516および第2のプレート518は、内面がそれらの外縁部に近接して互いに最も遠くなり、かつ分配毛細管522に近接して互いに最も近くなるように成形および構成されてもよい。それにより、第1のプレート516と第2のプレートとの間の距離は、プレートの外縁部からその中心に向かって減少し得る。例えば、第1のプレート516および第2のプレート518の内面は、互いに対して角度を画定してもよく、角度は、いくつかの実施形態では、約1度~約5度であってよい。このように第1のプレート516および第2のプレート518を構成することにより、分配毛細管522に向かってエアロゾル前駆体組成物を引き込む「通風装置」が作製され得る。したがって、エアロゾル前駆体組成物は、第1のプレートを通して画定される分配毛細管522(例えば、図13を参照)に引き込まれることができ、その結果、エアロゾル前駆体組成物が第1のプレート516および第2のプレート518と接触する任意の向きで、そこに向かうエアロゾル前駆体組成物の流れが生じ得る。さらに、弁組立体504および下流構成要素内のエアロゾル前駆体組成物506の随伴体積により、エアロゾル前駆体組成物が第1のプレート516および第2のプレート518と接触する方向にエアロゾル送達装置400の向き(例えば、図13を参照)が変更されることが必要になる前に、任意の方向で連続操作(例えば、約15~20回の吸煙)することが可能になり得る。
【0082】
さらに、分配シールは、ノズル644に対してシールしてもよい。これにより、ノズル644の端部でノズルオリフィスを隔離して、第1のプレート516と第2のプレート518との間の流体体積からエアロゾル前駆体組成物を引き込んでもよい。この構成は熱ポンプとして動作し、エアロゾル前駆体組成物の輸送に追加の効率を提供し、前駆体キャビティ532から実質的にすべてのエアロゾル前駆体組成物をさらに効率的に抽出する。言い換えれば、この設計は、カートリッジ500が「乾燥」されることができ、消費者が前駆体キャビティ532に残った残留エアロゾル前駆体組成物を知覚することが無いように、収容されたエアロゾル前駆体組成物を実質的に完全に消費することができるように構成される。
【0083】
これにより、図13に示すように、エアロゾル前駆体組成物506は、ノズル644を通って液体輸送要素608に導かれ得る。次いで、エアロゾル前駆体組成物506は、加熱要素610によって直接、または液体輸送要素608の加熱を介して気化され得る。したがって、結果として生じる蒸気またはエアロゾル646は、噴霧キャビティ638で生成され、その後、ユーザに導かれ得る。これに関して、噴霧器ユニット600の外側本体602は、それを貫通し、噴霧キャビティ638と流体連通する1つ以上の空気流開口部648を含んでもよい。さらに、1つ以上の空気流開口部534は、弁組立体504のリザーバシール524を通して画定され、噴霧器ユニット600の外側本体602を貫通する空気流開口部648と位置合わせされてもよい。
【0084】
さらに、リザーバ502は、弁組立体504からマウスピース528まで延在する1つ以上の空気流開口部536を含んでもよい。リザーバ502を貫通する空気流開口部536は、エアロゾル前駆体組成物506が受け入れられる前駆体キャビティ532から分離されてもよい。これに関して、空気流開口部536は、前駆体キャビティ532の周りで円周方向にリザーバ502を形成する材料を通して画定されてもよい。したがって、エアロゾル646は、噴霧キャビティ638からマウスピース528を通してユーザに導かれてもよい。
【0085】
図13を参照して上述したように、カートリッジ500はエアロゾル前駆体組成物506を含んでもよく、噴霧器本体600は噴霧器606を含んでもよい。同時に噴霧器606の交換を必要とせずにカートリッジ500の交換を可能にすることにより、エアロゾル送達装置400の使用に関連するコストが削減され得る。これに関して、いくつかの実施形態では、噴霧器606は、交換を必要とする前に約200~約300個のカートリッジ500に収容される量のエアロゾル前駆体組成物506を噴霧するように構成された使用可能寿命を有し得る。
【0086】
対照的に、カートリッジ500は、エアロゾル前駆体組成物506がそこから使い果たされた後に廃棄されるように構成されてもよい。これに関して、カートリッジ500は、その再充填を防止するように構成されてもよい。図16は、弁組立体504におけるカートリッジ500の図を示す。図示されるように、リザーバシール524は、上述のように、噴霧器本体600(例えば、図13を参照)のノズル644を案内し受け入れるように構成されたオリフィス538を画定してもよい。理解され得るように、ユーザは、オリフィス538を使用して、リザーバ502にエアロゾル前駆体組成物を再充填することを試みる場合がある。しかし、弁組立体504は、再充填に抵抗するように構成されてもよい。
【0087】
これに関して、フレーム510は、リザーバシール524から外向きに延在する1つ以上の突起540を含んでもよい。いくつかの実施形態では、突起540は、フレーム510のコネクタ部分514(図7を参照)によって画定されてもよい。突起540がリザーバシール524から外向きに突出する結果として、ボトルノズルまたはガラスドリッパがリザーバシールに関して面シールを形成することが不可能になり得、面シールは、リザーバシールを通る流体の流れを可能にするために必要とされ得る。これに関して、リザーバシール524および分配シール526(図7を参照)は、偏りのない構成で閉じられ、カートリッジ500が噴霧器本体600と係合するとノズル644との係合中に開く弁を画定してもよい(例えば、図13を参照)。ほとんどのボトルノズルおよびガラスドリッパに関するシールの形成に抵抗する結果として、リザーバシール524はリザーバ502の再充填に抵抗し得る。
【0088】
さらに、オリフィス538の周りに2つ以上の突起540を使用することにより、オリフィス538と係合し得る任意のノズルの幅が制限されて、オリフィスを貫通する、および/またはそれと共に面シールを形成し得るノズルの種類をさらに限定し得る。いくつかの実施形態では、オリフィスは、約1ミリメートル~約3ミリメートルの直径を画定してもよく、これは、標準のe-リキッドボトルノズルまたはガラススポイト先端を挿入するには小さすぎる場合がある。さらに、それぞれが弾性材料から形成され、互いに分離されたリザーバシール524および分配シール526の両方を使用することにより、皮下注射針を使用してリザーバ502を再充填することが困難になり得る。
【0089】
また、リザーバ502を再充填するためにフレーム510の基部512の内面とシールを形成することによって、カートリッジ500を再充填する試みが失敗する場合もある。これに関して、リザーバシール524に画定された空気流開口部534は、エアロゾル前駆体組成物が、リザーバ502に画定された空気流開口部536(図13を参照)を通ってカートリッジ500から流出することを可能にし、それにより、リザーバ502の再充填に抵抗する。
【0090】
さらに、上述したように、弁組立体504は、(例えば、超音波溶接を介して)リザーバ502内に埋め込まれ、それに取り付けられてもよい。このように、弁組立体504は、これらの構成要素の一方または両方に損傷を与えることなくリザーバ502から取り外すことはできず、それにより、カートリッジ500の再充填にさらに抵抗し得る)。さらに、噴霧器606がカートリッジ500ではなく別個の噴霧器本体600(例えば、図13を参照)に含まれることを考慮して、カートリッジは比較的安価に価格設定されてもよく、それにより、カートリッジを再充填しようとするユーザに対する推進要因としてコスト削減を緩和してもよい。
【0091】
追加の実施形態では、エアロゾル送達装置操作方法が提供される。図17に示すように、方法は、操作702では、カートリッジのリザーバから弁組立体を通してカートリッジの外にエアロゾル前駆体組成物を導くことを含んでもよい。操作702でカートリッジのリザーバから弁組立体を通してカートリッジの外にエアロゾル前駆体組成物を導くことは、分配毛細管と、分配毛細管にある分配シールと、リザーバにあるリザーバシールとを通してエアロゾル前駆体組成物を導くことを含んでもよい。さらに、方法は、操作704では、噴霧器本体内にエアロゾル前駆体組成物を受け入れることを含んでもよい。方法は、操作706では、噴霧器本体内の噴霧器にエアロゾル前駆体組成物を導くことをさらに含んでもよい。方法は、操作708では、制御本体から噴霧器に電流を導いてエアロゾルを生成することをさらに含んでもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、操作702で弁組立体を通してカートリッジの外にエアロゾル前駆体組成物を導くことは、それらの間に画定された空間を伴って互いに隣接して配置された第1のプレートと第2のプレートとの間、および第1のプレートを貫通する分配毛細管を通して空間の外にエアロゾル前駆体組成物を導くことをさらに含んでもよい。操作702で弁組立体を通してカートリッジの外にエアロゾル前駆体組成物を導くことは、噴霧器本体のノズルを弁組立体と係合させることをさらに含んでもよい。ノズルを弁組立体と係合させることは、弁組立体のリザーバシールを通してノズルを導くことを含んでもよい。ノズルを弁組立体と係合させることは、分配毛細管で弁組立体の分配シールとノズルを係合させることをさらに含んでもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、操作704で噴霧器本体内にエアロゾル前駆体組成物を受け入れることは、ノズルと毛細管ロッドとの間にエアロゾル前駆体組成物を導くことを含む。操作706で噴霧器本体内の噴霧器にエアロゾル前駆体組成物を導くことは、毛細管ロッドと噴霧器の液体輸送要素との間にエアロゾル前駆体組成物を導くことを含んでもよい。方法は、カートリッジを貫通する1つ以上の空気流開口部を通してエアロゾルを導くことをさらに含んでもよい。カートリッジを貫通する1つ以上の空気流開口部を通してエアロゾルを導くことは、弁組立体を通してエアロゾルを導くことを含んでもよい。
【0094】
理解され得るように、本開示の装置および方法は変化し得る。これに関して、図18は、本開示の追加の例示的な実施形態によるカートリッジ800および噴霧器900を示す。特に、図18は、組み立てられた構成にあり、互いに係合されたカートリッジ800および噴霧器900を示している。噴霧器900は、上述の制御本体200(例えば、図2を参照)などの制御本体と係合するように構成されてもよい。この実施形態に関して、噴霧器900は噴霧器本体も備えることができ、したがって、噴霧器および噴霧器本体という用語は互換的に使用され得ることに留意されたい。他に説明および/または図示されていない場合、この実施形態によるエアロゾル送達装置の構成要素は、上記の対応する構成要素と実質的に類似しているか同一であってよい。
【0095】
図19および図20は、噴霧器900を単独で示す。図19は、組み立てられた構成の噴霧器900(ラベル902を取り除いたもの)を示し、図20は、分解された構成の噴霧器本体を示す。図示されるように、噴霧器900は、ラベル902、基部904、噴霧器空気弁906、端子基部908、第1の加熱端子910、第2の加熱端子912、液体輸送要素914、流れ誘導器916、外側Oリング918および外側本体920を含んでもよい。図19に示すように、外側本体920は、ノズル922および複数の蒸気開口部924を含んでもよい。
【0096】
様々な実施形態では、制御本体は、噴霧器900と解放可能に係合するように構成されてもよい。さらに、噴霧器900は、カートリッジ800と解放可能に係合するように構成されてもよい。以下に説明するように、噴霧器900は、制御本体から電流を受け入れ、カートリッジ800からエアロゾル前駆体組成物を受け入れてエアロゾルを生成するように構成されてもよい。
【0097】
図20を参照すると、噴霧器900はまた、端子基部908を含んでもよい。様々な実施形態では、端子基部は、限定するものではないが、シリコーン、熱可塑性ポリウレタンまたは別の弾性材料を含むプラスチック材料から構成されてもよい。端子基部に使用され得る例示的な市販の材料は、テネシー州キングスポートのEastman Chemical Companyによって販売されているTRITANコポリエステルである。図示される実施形態では、第1の加熱端子910および第2の加熱端子912は、端子基部908を貫通する。様々な実施形態では、第1の加熱端子910および第2の加熱端子912は、端子基部908内にインサート成型されてもよい。このようにして、端子基部908は、第1の加熱端子910および第2の加熱端子912がその中に固定して取り付けられたオーバーモールドを備えてもよい。
【0098】
図21および図22は、カートリッジ800の別個の図を示す。図示されるように、カートリッジ800は、内部リザーバ802および中央通路804を含んでもよい。カートリッジはまた、一対の垂直カートリッジ蒸気チャネル810に通じるカートリッジ800の底面に画定された分配弁806および実質的に円形の蒸気流溝808を含んでもよい。上記の実施形態と同様に、リザーバ802は、エアロゾル前駆体組成物を収容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジ800は、ユーザがその中に残っているエアロゾル前駆体組成物の量を見ることができるように、半透明または透明な材料を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物は、リザーバ802に分配されるか、その他の方法で導かれてもよい。弁806は、リザーバ802内のエアロゾル前駆体組成物をシールしてもよい。しかし、以下に説明するように、弁806は、それと係合された際に噴霧器900にエアロゾル前駆体組成物が流れることを可能にし得る。
【0099】
図23は、液体輸送要素914の例示的な実施形態を示す。また、噴霧器900と共に使用するための加熱要素926、第1の加熱端子910、および第2の加熱端子912も示されている。なお、図を簡略化するため、端子基部908は示されていない。様々な実施形態では、液体輸送要素914は、多孔質モノリスを備えてもよい。例えば、液体輸送要素608はセラミックを備えてもよい。図示されるように、加熱要素926は、液体輸送要素914の内面の周りに巻かれ得るワイヤを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤは、チタン、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al))、黒鉛および黒鉛系材料、セラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)、タングステンならびにタングステン系合金、または本明細書の他の箇所に記載されているような任意の他の好適な材料を含んでもよい。タングステンおよびタングステン系合金の使用は、これらの材料が、液体輸送要素914に使用され得る多くのセラミックと共に使用するのに適した膨張係数を規定し得るという点で望ましい場合がある。
【0100】
加熱要素926のワイヤは、液体輸送要素914に少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。これに関して、加熱要素926のワイヤは、液体輸送要素がキルンとして知られる高温オーブン内で焼成される前に、液体輸送要素914に埋め込まれてもよい。様々な実施形態では、第1の加熱端子910は加熱要素926の一端に接触し、第2の加熱端子912は加熱要素926の別の端に接触し、それにより電流が加熱要素926に通され得る。
【0101】
上述したように、いくつかの実施形態では、液体輸送要素914に対する加熱要素926の熱結合は、液体輸送要素914に加熱要素926を埋め込むことまたは部分的に埋め込むことを介して生じ得る。他の実施形態では、液体輸送要素に加熱要素を熱的に結合することは、「直接描画」を介して生じ得、直接描画は、基板に対する特殊合金化流動性金属(specialized alloyed flowable metal)のコンピュータ支援表面堆積を含み得る。他の実施形態では、加熱要素は、めっき、電気めっき、直接堆積(例えば、スパッタリング)および/または他の好適な方法を介して液体輸送要素に結合されてもよい。
【0102】
また、図23に示すように、様々な実施形態では、液体輸送要素914は、加熱端子910および912と加熱要素926との間の電気経路の外部構成要素であり得る外部電気接続部927を含んでもよい。図示される実施形態では、外部電気接続部927は、液体輸送要素914の外面内および/または外面上にヘリカルコイルを備える。様々な実施形態では、外部電気接続部は、加熱要素および液体輸送要素の熱性能に関して機能的特性を有し得る。上述の加熱要素と同様に、外部電気接続部は、直接描画された要素または部分的に埋め込まれた要素であってよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、加熱要素から装置(噴霧器ハウジングを介して最も直接的に)およびそのためのユーザへの熱伝達を減少させること、および/または(電気部品の空冷に関して本原案で説明したように)装置の熱劣化を減少させること、および/または加熱要素によって生成され、エアロゾル前駆体組成物に適用される熱の効率を増加させて、エアロゾルまたは蒸気への前駆体の質量転移をもたらす(電力消費量の削減およびシステム全体の効率性の向上など、関連する効率上の利点を伴う)ことが望ましい場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、外部電気接続部は、液体輸送要素とは熱伝導率が異なる材料から構成されるため、液体輸送要素の内面全体の熱伝導率が外面全体の熱伝導率よりも大きい、液体輸送要素全体の熱勾配を生成し得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、材料の質量を利用して、液体輸送要素を通る熱伝達の時間デルタの差の増加をもたらすこともできる。さらに、直接描画を含む多くのプロセスおよび上記のプロセスを利用して、液体輸送要素の特性を選択的に変化させることができる。さらに、材料の表面を「ドープ」し、基板の多孔度、材料組成、プロセスおよび適用に応じて基板の選択された深さまで浸透することができる同時または焼成後プロセスの適用が、可能なアプローチである。様々な実施形態では、導電性の非多孔質セラミック系材料を液体輸送要素に利用することもできる。これに関して、液体輸送要素の断面全体に熱勾配が存在し、液体輸送要素の内面全体にかなり高温の領域があり、前駆体組成物の相転移および可動化をもたらし、液体輸送要素の外面は比較的低温のままであり、噴霧化チャンバへの熱を断熱および隔離する働きをし得る。
【0105】
あるいは、第1および第2の加熱端子と接続する外部電気接続部の直接領域を単に断熱することが望ましい場合がある。そのような実施形態では、外部電気接続部は、それ自体が抵抗ヒータとして機能することもできる。この能力では、外部電気接続部および加熱要素は、外部電気接続部がユーザ作動プロセスの初期加熱段階で必要とされる初期熱勾配を克服するのを助け得るように、異なる抵抗特性を有してもよい。そのような実施形態では、外部電気接続部は、前駆体の可動化に必要な温度に達しない場合がある。むしろ、外部電気接続部は、加熱要素の温度よりも低い温度に加熱し得る。これにより、作動からエアロゾル生成までの時間デルタを減少させることによって、経時的に蒸気生成物を増加させることができる。この能力では、外部電気接続部はまた、前駆体の粘度を低下させることにより、液体輸送要素内および液体輸送要素に隣接して配置された近接前駆体を温め、液体輸送要素への輸送の増加を促進し得る。
【0106】
図24は、噴霧器900と共に使用するための流れ誘導器916の等角図を示している。図25は、流れ誘導器916の断面図を示している。様々な実施形態では、流れ誘導器916は、一般に、上部フランジ925および下部シリンダ927を含む「T」形状を有してもよい。流れ誘導器は、中央入口空気チャネル928と、一連の入口空気孔930と、移行障壁931と、一連の入口蒸気孔932とをさらに含む。入口蒸気孔932は、上部フランジ925に配置された一連の半径方向蒸気チャネル934に通じ、一連の半径方向蒸気チャネル934はそれぞれ垂直蒸気孔936に通じる。流れ誘導器はまた、上部フランジ925上に配置された一連の入口液体流路938を含み、一連の入口液体流路938は、液体輸送要素914と組み立てられると、その上面に当接する。図25に示される半径方向蒸気チャネルの遠位端は、上部フランジ925の外面の孔を貫通するように見えるが、そのような実施形態では、これらの孔は、半径方向蒸気チャネル934を通って垂直蒸気孔936内に直接の流路を作製するようにシールされるか、その他の方法で閉塞されることに留意されたい(図26を参照)。他の実施形態では、半径方向蒸気チャネルは、上部フランジの外面に沿って開口部が存在しないように、垂直蒸気孔で終端してもよい。
【0107】
エアロゾル送達装置の例示的な実施形態の操作が、以下にさらに詳細に説明される。上述したように、噴霧器900は制御本体200と係合されることができ、図26および図27に示すように、カートリッジ800は噴霧器900と係合されることができ、その結果、噴霧器900が制御本体200とカートリッジ800との間に配置される。ただし、理解され得るように、噴霧器900、制御本体200およびカートリッジ800は、他の実施形態では異なった方法で配置されてもよい。
【0108】
これに関して、カートリッジ800が噴霧器900および制御本体200に結合されると、噴霧器900のノズル922は、カートリッジ800の分配弁806と係合するように構成されてもよい。このようにして、エアロゾル前駆体組成物506は、カートリッジ800を通って、噴霧器900の外側本体920のノズル922に流入することができる。外側本体920と結合された際の、および毛細管作用を介した流れ誘導器916の相対的な位置により、エアロゾル前駆体組成物506は、一連の半径方向流れ開口部940を通して流れ誘導器916の上部フランジ925の上部に引き込まれ得る(図26を参照)。エアロゾル前駆体組成物は、そこから、流れ誘導器916の上部フランジ925を垂直に貫通して延在する入口液体流路938を通って、液体輸送要素914の上面に引き込まれ得る(図27を参照)。このようにして、液体輸送要素914の内側に、流れ誘導器916と端子基部908とによって境界付けられた噴霧器チャンバ942が形成される。いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、入口液体流路938を通って、液体輸送要素914の上面に加えて、またはその代わりに、液体輸送要素914の外面上に引き込まれ得る。
【0109】
第1および第2の加熱端子910、912を介した制御本体200と噴霧器900との間の接続により、エアロゾル送達装置400を用いた吸煙が検出された際に、制御本体200が噴霧器900に電流を導くことが可能になる。これに関して、噴霧器900と反対側のカートリッジ800の長手方向端部が、マウスピースを画定してもよい。ユーザがマウスピースを吸引すると、空気223は、噴霧器基部904および噴霧器空気弁906を通って、流れ誘導器916の中央入口空気チャネル928内に導かれ得る。特に、エアロゾル送達装置に空気が引き込まれると、フローセンサ210(図2を参照)が、その引込みを検出し得る。これにより、制御本体200は、加熱端子910、912を通して噴霧器900に電流を導いてもよい。いくつかの実施形態では、上流空気223は、中央空気チャネル928に流れ込む前に電子部品を冷却して、その温度関連の劣化に関するリスクを低減することができる。噴霧器900が加熱するにつれて、エアロゾル前駆体組成物506は、その中にエアロゾル前駆体組成物506を吸収する液体輸送要素914の加熱を介して加熱要素926によって気化され得る。したがって、結果として生じる蒸気またはエアロゾル646は、液体輸送要素914の内面上および/または噴霧器チャンバ942内で生成され得る。
【0110】
空気223は、中央入口空気チャネル928を通って流れると、移行障壁931(図26を参照)によって、下部シリンダ927の一連の第1の入口空気孔930を通って、噴霧器チャンバ942(すなわち、液体輸送要素914の内面を越えて)内に導かれ、そこで蒸気またはエアロゾル646になる。流れ誘導器916の上部の中央開口部に嵌合し、それを閉塞するように構成された、外側本体920の迂回特徴933を含め、流れ誘導器916および外側本体920の形状および相対配置により、結果として生じる蒸気またはエアロゾル646は、流れ誘導器916の上部フランジ925内の一連の半径方向蒸気チャネル934を通り、一連の垂直蒸気孔932を通って上昇し、外側本体920内の複数の蒸気開口部924の内の少なくとも一部を通って移動する。
【0111】
入口蒸気孔932、半径方向蒸気チャネル934および垂直蒸気孔936を介して流れ誘導器916の上部フランジ925を通るエアロゾルの「曲がりくねった経路」は、最適範囲外の(すなわち、比較的大きい)エアロゾル液滴を捕捉するように構成された一連の衝突表面を形成するという機能的ロールを有し得ることに留意されたい。このようにして、比較的大きな質量を有する液滴は、経路が入口蒸気孔932、半径方向蒸気チャネル934および垂直蒸気孔936を通って90°旋回する際に、空気流に巻き込まれたままにはなり得ず、したがって、上部フランジ925内に衝突し得て、そこで噴霧器チャンバ942内に逆流し得る。
【0112】
図28は、中央通路804に至る、カートリッジ800を通る蒸気またはエアロゾル646の流れを示す。カートリッジ800の円形の蒸気流溝808は、カートリッジ800が噴霧器900に結合されると、噴霧器900の外側本体920の複数の蒸気開口部924と実質的に位置合わせされるように構成される。したがって、複数の蒸気開口部924を通って流れる蒸気またはエアロゾル646は、蒸気流溝808によって垂直カートリッジ蒸気チャネル810内に導かれ得る。図に示されるように、垂直蒸気チャネル810は、それぞれの水平蒸気チャネル812に通じ、次いで、水平蒸気チャネル812は、カートリッジ800の中央通路804に通じる。
【0113】
追加の実装形態に関して上述したように、カートリッジ800は、エアロゾル前駆体組成物506を含んでもよい。同時に噴霧器900の交換を必要とせずにカートリッジ800の交換を可能にすることにより、エアロゾル送達装置の使用に関連するコストが削減され得る。これに関して、いくつかの実施形態では、噴霧器900は、交換を必要とする前に約200~約300個のカートリッジ800に収容される量のエアロゾル前駆体組成物506を噴霧するように構成された使用可能寿命を有し得る。
【0114】
対照的に、カートリッジ900は、エアロゾル前駆体組成物506がそこから使い果たされた後に廃棄されるように構成されてもよい。これに関して、カートリッジ800は、上記に例示された実施形態に関して同様に説明されたように、その再充填を防止するように構成されてもよい。例えば、図22は、カートリッジ800の底面図を示す。図示されるように、分配弁806は、上述したように、噴霧器900のノズル922を案内し受け入れるように構成されたオリフィス814を画定してもよい。理解され得るように、ユーザは、リザーバ802にエアロゾル前駆体組成物を再充填することを試み得る。しかし、カートリッジ800は、再充填に抵抗するように構成されてもよい。
【0115】
これに関して、カートリッジ800は、蒸気流溝808に近接する領域から分配シール806に向かって内向きに延在する1つ以上の突起816を含んでもよい。突起816が分配シール806に向かって内向きに突出する結果として、ボトルノズルまたはガラスドリッパが分配シールに関して面シールを形成することが不可能になり得て、面シールは、分配シールを通る流体の流れを可能にするために必要とされ得る。これに関して、分配シール806は偏りのない構成で閉じられ、カートリッジ800が噴霧器900と係合すると、ノズル922との係合中に開く弁を画定してもよい。ほとんどのボトルノズルおよびガラスドリッパに関するシールの形成に抵抗する結果として、分配シール806はリザーバ802の再充填に抵抗し得る。さらに、オリフィス814の周りに2つ以上の突起816を使用することにより、オリフィス806と係合し得る任意のノズルの幅が制限されて、オリフィスを貫通する、および/またはそれと共に面シールを形成し得るノズルの種類をさらに限定し得る。いくつかの実施形態では、オリフィスは、約1ミリメートル~約3ミリメートルの直径を画定してもよく、これは、標準のe-リキッドボトルノズルまたはガラススポイトチップを挿入するには小さすぎる場合がある。
【0116】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
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