(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】入札支援装置、入札支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0273 20230101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q30/0273
(21)【出願番号】P 2023088483
(22)【出願日】2023-05-30
(62)【分割の表示】P 2021153520の分割
【原出願日】2021-09-21
【審査請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】コバシカワ カルロス
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-510685(JP,A)
【文献】特開2016-177660(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0124308(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告期間において広告主により要求される目標広告費指標に対する、前記広告期間内の入札時期における広告配信実績に基づく実績広告費指標の割合を算出する割合算出部と、
前記割合と、前記広告期間内
の入札時期のタイミングを示す期間係数とに基づいて、広告の入札額の調整に用いられる調整係数を算出する調整係数算出部と、
前記調整係数算出部により算出された前記調整係数と、前記目標広告費指標と、広告配信実績から得られる広告効果から予測された予測効果指標とに基づいて、前記入札時期における前記入札額を決定する決定部と、を備え、
前記調整係数算出部は、前記割合が1未満である場合、前記調整係数を、前記入札時期が前記広告期間の終了時期に近いほど増加させ
る、入札支援装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記目標広告費指標及び前記予測効果指標を一定とするとき、前記調整係数の値が大きいほど前記入札額を増加させる、請求項1に記載の入札支援装置。
【請求項3】
前記調整係数算出部は、前記割合が1を超える場合、前記調整係数を、前記入札時期が前記広告期間の終了時期に近いほど減少させる、請求項1又は2に記載の入札支援装置。
【請求項4】
前記期間係数は、前記広告期間の開始から前記入札時期までの第1期間、前記入札時期から前記広告期間の終了までの第2期間、及び前記実績広告費指標が前記目標広告費指標を達成する調整が終了するまでの期間であって、前記広告主が要求する第3期間のうち、いずれか一つの期間に対する前記第1期間の割合であ
る、請求項1~3のいずれか1項に記載の入札支援装置。
【請求項5】
前記調整係数算出部は、前記期間係数を一定とするとき、前記割合が大きいほど前記調整係数を小さくし、前記割合が小さいほど前記調整係数を大きくする、請求項4に記載の入札支援装置。
【請求項6】
前記調整係数算出部は、算出した前記調整係数が前記調整係数の上限値よりも大きい場合、前記上限値を前記調整係数とし、又は算出した前記調整係数が前記調整係数の下限値よりも小さい場合、前記下限値を前記調整係数とする、
請求項1~5のいずれか1項に記載の入札支援装置。
【請求項7】
コンピュータが、
広告期間において広告主により要求される目標広告費指標に対する、前記広告期間内の入札時期における広告配信実績に基づく実績広告費指標の割合を算出し、
前記割合と、前記広告期間内
の入札時期のタイミングを示す期間係数とに基づいて、広告の入札額の調整に用いられる調整係数を算出し、
算出された前記調整係数と、前記目標広告費指標と、広告配信実績から得られる広告効果から予測された予測効果指標とに基づいて、前記入札時期における前記入札額を決定し、
前記調整係数を算出する処理では、前記割合が1未満である場合、前記調整係数を、前記入札時期が前記広告期間の終了時期に近いほど増加させ
る、入札支援方法。
【請求項8】
コンピュータに、
広告期間において広告主により要求される目標広告費指標に対する、前記広告期間内の入札時期における広告配信実績に基づく実績広告費指標の割合を算出させ、
前記割合と、前記広告期間内
の入札時期のタイミングを示す期間係数とに基づいて、広告の入札額の調整に用いられる調整係数を算出させ、
算出された前記調整係数と、前記目標広告費指標と、広告配信実績から得られる広告効果から予測された予測効果指標とに基づいて、前記入札時期における前記入札額を決定させ、
前記調整係数を算出する処理では、前記割合が1未満である場合、前記調整係数を、前記入札時期が前記広告期間の終了時期に近いほど増加させ
る、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入札支援装置、入札支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるウェブ広告の分野において、ウェブページ等に関連する広告主の広告を表示するコンテンツ連動型広告や、広告主に指定された語句がクエリとして入力された際の検索結果のページに、広告主の広告を表示する検索連動型広告などが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、コンテンツ連動型広告や検索連動型広告などをプログラマティックに提供する際、複数の広告主による入札対象となるウェブページ等の広告媒体に、複数の広告主の広告のうちのマッチング(落札)された一部の広告を露出するために、媒体に広告枠が表示された時に競争入札が行われるRTB(Real-Time Bidding)が用いられることがある。RTBにおける広告の入札額(例えば、インプレッション単価(CPM:Cost Per Mille))を決定する方法の一つとして、これまでに露出された広告のクリック率(CTR:Click Through Rate)や、コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)等の広告効果の実績に基づいて、今後の広告効果を予測し、広告費が目標のクリック単価(CPC:Cost Per Click)や顧客獲得単価(Cost Per Action)になるような入札額に決定される。しかしながら、予測の精度が低い場合、広告費が目標の単価になるような入札額を決定することが困難である課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する入札支援装置は、広告期間において広告主により要求される目標広告費指標に対する、前記広告期間内の入札時期における広告配信実績に基づく実績広告費指標の割合を算出する割合算出部と、前記割合と、前記広告期間と前記入札時期との関係とに基づいて、広告の入札額の調整に用いられる調整係数を算出する調整係数算出部と、前記調整係数算出部により算出された前記調整係数と、前記目標広告費指標と、広告配信実績から得られる広告効果から予測された予測効果指標とに基づいて、前記入札時期における前記入札額を決定する決定部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
かかる構成によれば、入札支援装置は、予測効果指数の予測の精度が低い場合であっても、割合と広告期間と入札時期との関係とに基づく調整係数によって、入札額を調整し、広告費が目標の単価になるような入札額を決定することができる。
【0007】
上記入札支援装置において、前記広告期間と前記入札時期との関係には、前記広告期間の開始から前記入札時期までの第1期間、前記入札時期から前記広告期間の終了までの第2期間、及び前記実績広告費指標が前記目標広告費指標を達成する調整が終了するまでの期間であって、前記広告主が要求する第3期間のうち、いずれか一つの期間に対する前記第1期間の割合が含まれてもよい。
【0008】
かかる構成によれば、入札支援装置は、入札時期に応じた期間係数に基づく調整係数を用いて入札額を調整し、広告費が目標の単価になるような入札額を決定することができる。
【0009】
上記入札支援装置において、前記調整係数算出部は、算出した前記調整係数が前記調整係数の上限値よりも大きい場合、前記上限値を前記調整係数とし、又は算出した前記調整係数が前記調整係数の下限値よりも小さい場合、前記下限値を前記調整係数としてもよい。
【0010】
かかる構成によれば、入札支援装置は、入札額が高額になりすぎる、又は少額になりすぎることを抑制することができる。
上記課題を解決する入札支援方法は、コンピュータが、広告期間において広告主により要求される目標広告費指標に対する、前記広告期間内の入札時期における広告配信実績に基づく実績広告費指標の割合を算出し、前記割合と、前記広告期間と前記入札時期との関係とに基づいて、広告の入札額の調整に用いられる調整係数を算出し、算出された前記調整係数と、前記目標広告費指標と、広告配信実績から得られる広告効果から予測された予測効果指標とに基づいて、前記入札時期における前記入札額を決定する、ことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するプログラムは、コンピュータに、広告期間において広告主により要求される目標広告費指標に対する、前記広告期間内の入札時期における広告配信実績に基づく実績広告費指標の割合を算出させ、前記割合と、前記広告期間と前記入札時期との関係とに基づいて、広告の入札額の調整に用いられる調整係数を算出させ、算出された前記調整係数と、前記目標広告費指標と、広告配信実績から得られる広告効果から予測された予測効果指標とに基づいて、前記入札時期における前記入札額を決定させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、予測効果指数の予測の精度が低い場合であっても、広告費が目標の単価になるような入札額を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】入札支援装置の処理を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、入札支援装置、入札支援方法、及びプログラムを具体化した実施形態について説明する。
<実施形態>
[入札支援装置10について]
入札支援装置10は、例えば、複数の広告主による入札対象となるウェブページ等の広告媒体に、複数の広告主の広告のうちのマッチング(落札)された一部の広告を露出するために、媒体に広告枠が表示された時に競争入札が行われるRTB(Real-Time Bidding)において、広告の入札額(例えば、CMP:Cost Per Mille)を決定する装置である。入札支援装置10は、いわゆるDSP(Demand Side Platform)のひとつの機能として位置付けられることがある。DSPは、クリックやコンバージョンに繋がる可能性のあるオーディエンスを狙って広告を配信し、クリック率やコンバージョン率、入札価格決定や予算消化ペース、の制御などを担うことができる。ウェブページ等は、ウェブを介してユーザに提供される媒体の他、所謂、ネイティブアプリを媒体とするものも含む。ウェブページ等に露出される広告は、例えば、広告主が提供する商品、又はサービスに関連するウェブページに表示されるコンテンツ連動型広告や、広告主に指定された語句が入力された際の検索結果のページ表示される検索連動型広告等である。一例として、広告主が、入札支援装置(または、その運営主体)との間で、広告を出稿したい期間や広告費予算を含めた情報を予め設定する。当該予算および期間内において、広告主の広告運用がなされる。広告運用において、広告主は、入札支援装置10により入札され各媒体に露出された広告主の広告による効果に関する成果報告を受ける。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の入札支援装置10は、制御部100と、記憶部110とを備える。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0016】
記憶部110は、RAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの非一過性の記憶媒体により実現される。記憶部110には、制御部100を実現するプログラムの他、上限値情報111と、下限値情報112とが記憶される。上限値情報111と、下限値情報112との詳細については、後述する。
【0017】
制御部100は、取得部101と、割合算出部102と、調整係数算出部103と、決定部104とを備える。
[入札支援装置10の処理]
以下、
図2を用いて入札支援装置10の処理について説明する。入札支援装置10の処理には、入札処理装置200、広告配信実績取得装置300(Performance Monitor)、広告配信実績DB400、及び広告効果予測装置500(CTR forecaster)の処理が関連する。入札処理装置200、広告配信実績取得装置300、及び広告効果予測装置500は、例えば、入札支援装置10と別体に設けられ、それぞれが入札支援装置10と通信可能に接続される。また、広告配信実績DB400は、少なくとも、入札処理装置200、及び広告配信実績取得装置300と、通信可能に接続される。広告配信実績DB400には、広告配信実績を示す情報や、広告配信実績から得られる広告効果を示す情報が記憶される。広告配信実績や広告効果の詳細については、後述する。
【0018】
入札処理装置200は、複数の広告主の入札額に基づいて、ウェブページ等に広告を露出するための入札に係る処理を行う。入札処理装置200は、例えば、複数の広告主の入札額のうち、最高の入札額で応札した広告主を、ウェブページ等に広告を露出する落札者とする。
【0019】
広告配信実績取得装置300は、例えば、入札処理装置200の処理結果に係る各種情報を、広告配信実績として取得する。広告配信実績は、例えば、ウェブページ等に広告を露出するための落札を行ったか否かを示す情報や、広告の入札額を示す情報や等である。広告配信実績取得装置300は、広告配信実績を、逐次、又は所定の時間間隔によって取得する。広告配信実績取得装置300は、取得した広告配信実績を示す情報を、広告配信実績DB400に記憶させる。
【0020】
また、広告配信実績取得装置300は、取得した広告配信実績の履歴に基づき、実績広告費指標を算出する。詳しくは、広告配信実績取得装置300は、広告期間においてこれまでにかかった広告費を、実際にウェブページ等に表示された広告がクリックされた回数によって除算した値を、実績広告費指標(aCPC:actual Cost Per Click)として算出する。広告期間は、広告主が広告を露出する期間である。上述したように、広告配信実績DB400には、広告配信実績として、広告の入札額を示す情報が記憶される。広告配信実績取得装置300は、例えば、広告配信実績DB400に記憶される入札額の積算を、広告期間においてこれまでにかかった広告費として算出する。そして、広告配信実績取得装置300は、算出した広告費を、ウェブページ等に広告を露出するための落札を行った回数によって除算した値を、実績広告費指標として算出する。広告配信実績取得装置300は、算出した実績広告費指標を取得部101に出力する。
【0021】
また、広告配信実績取得装置300は、取得した広告配信実績に基づき、広告配信実績から得られる広告効果を算出する。本実施形態では、広告配信実績取得装置300は、広告効果として、広告配信実績に基づく実績クリック率(Click Through Rate)を算出する。詳しくは、広告配信実績取得装置300は、実際に広告がウェブページ等に表示された回数と、当該広告がクリックされた回数とに基づいて、実績クリック率を算出する。広告配信実績取得装置300は、例えば、広告配信実績として、実際に広告がウェブページ等に表示された回数と、当該広告がクリックされた回数とを示す情報を入札処理装置200から取得する。広告配信実績取得装置300は、算出した実績クリック率を、広告配信実績DB400に記憶させる。
【0022】
広告効果予測装置500は、広告配信実績DB400に記憶される広告効果の履歴に基づいて、将来クリック率(以下、予測効果指標(fCTR:forecast CTR))を予測する。広告効果予測装置500は、例えば、次のような方法により予測した予測効果指標を決定部104に出力する。
【0023】
まず、予測効果指標の決定方法としては、広告を掲載したい特定メディアにおいて、同種のオーディエンスに対して、同種のクリエイティブを用いて、以前に配信した広告のクリック率を用いる方法が考えられる。換言すると、予測効果指標の決定方法としては、同種広告枠に対する同種広告コンテンツの配信実績を参照する方法が考えられる。この決定方法では、例えば、この方法により取得した値の広告期間中の平均値を予測効果指標として採用することができる。または、広告効果予測装置500は、これらの広告枠や広告コンテンツに関する変数を説明変数とした重回帰分析を行って目的変数としての予測評価指標を出力してもよい。
【0024】
なお、広告効果予測装置500は、広告期間の始期における予測評価指標の値は任意に与えた初期値を用いてよい。また、広告効果予測装置500は、前述の広告枠や広告コンテンツの配信実績に係る各種値を各特徴量とする実績クリック率を学習させた学習モデルを用いて予測効果指標を出力させることもできる。配信実績に係る各種値とは、例えば、クリック率(CTR)、クリック単価(CPC)、コンバージョン率(CVR)、顧客獲得単価(CPA)、クリック数(CT)、コンバージョン(CV)、表示回数(IMP;impression)、及び費用(COST)等である。さらに、広告効果予測装置500は、例えば、前述の説明変数に広告期間における広告を入札する入札時期を加えて分析を行い、予測評価指標を出力することもできる。また、広告効果予測装置500は、例えば、前述の実績クリック率の履歴と、広告期間における広告を入札する入札時期と、予測効果指標とを教師データとして学習された学習モデルを用いて、予測効果指標を予測することもできる。広告効果予測装置500は、予測した予測効果指標を決定部104に出力する。
【0025】
ここで、広告効果予測装置500は、前述の広告期間における広告を入札する入札時期を考慮しない分析やモデルを用いる場合、または、広告期間における広告を入札する入札時期を考慮したとしてもその分析データや学習データが不足している場合には、将来クリック率の予測の信頼性が低くなる可能性を有する場合がある。一方で、広告効果予測装置500は、将来クリック率の予測の信頼性が低くなる可能性を有する場合であっても、将来クリック率を予測し予測効果指標として決定部104に出力する。例えば、広告効果予測装置500は、広告の露出回数が少なく、広告のクリックや、コンバージョンに係るデータが不足している場合であっても、将来クリック率を予測し、予測効果指標として決定部104に出力する。または、広告効果予測装置500は、同一の広告期間内で、広告の露出回数、クリック率がばらついていたとしても将来クリック率を予測し、予測効果指標として決定部104に出力する。
【0026】
取得部101は、例えば、目標広告費指標(gCPC:goal Cost Per Click)を示す情報を取得する。目標広告費指標は、例えば、広告期間において広告主により要求される広告のクリック単価(CPC:Cost Per Click)を示す指標である。広告主は、広告期間が終了したタイミングにおいて、広告のクリック単価が目標広告費指標となることを目標とし、広告を入札する。
【0027】
また、取得部101は、広告を入札する入札時期において、広告配信実績取得装置300から、実際にウェブページ等に表示された広告の広告配信実績に基づく実績広告費指標を示す情報を取得する。実績広告費指標は、広告期間において、実際にウェブページ等に露出された広告のクリック単価を示す指標である。取得部101は、広告配信実績取得装置300から最新の実績広告費指標を示す情報を取得する。
【0028】
割合算出部102は、目標広告費指標に対する、実績広告費指標の割合を算出する。割合算出部102は、例えば、取得部101により取得された目標広告費指標により実績広告費指標を除算した値を、広告費割合として算出する。
【0029】
調整係数算出部103は、広告費割合と、広告期間と入札時期との関係とに基づいて、広告の入札額の調整に用いられる調整係数(appropriate optimized factor F)を算出する。まず、調整係数算出部103は、広告期間と入札時期との関係に基づいて、期間係数(remaining Period Factor;以下、期間係数)を算出する。期間係数の詳細については、後述する。調整係数算出部103は、算出した期間係数と、割合算出部102により算出された広告費割合とに基づいて、調整係数を算出する。
【0030】
決定部104は、調整係数と、目標広告費指標と、予測効果指標とに基づいて、入札額を決定する。以降の説明では、入札額が、インプレッション単価(CPM:Cost Per Mill)により表されるものとする。インプレッション単価は、例えば、広告表示回数1000回あたりの広告費である。一般に、インプレッション単価(CPM)は、クリック率(CTR)と、クリック単価(CPC)との積、又はコンバージョン率(CVR)と、顧客獲得単価(CPA)との積である。以降の説明において、決定部104は、予測効果指標と、目標広告費指標との積を入札額(インプレッション単価)として決定するものとする。
【0031】
以下、各部の処理の詳細について説明する。
[調整係数算出部103の詳細]
まず、
図3~
図4を参照し、期間係数について説明する。
図3に示すグラフにおいて、縦軸は、クリック単価を表し、横軸は、時間を表す。以降の説明において、広告期間の開始時期を「開始時期P0」と記載し、広告を入札する入札時期を「入札時期P1」と記載し、広告期間の終了時期を「終了時期P2」と記載する。また、広告期間内において、実績広告費指標が目標広告費指標を達成する調整が終了するタイミングを「調整終了時期P3」と記載する。
【0032】
また、開始時期P0から入札時期P1までの期間を第1期間t1と記載し、入札時期P1から終了時期P2までの期間を第2期間t2と記載する。また、実績広告費指標が目標広告費指標を達成する調整が行われる調整期間であって、入札時期P1から調整終了時期P3までの期間を、第3期間t3と記載する。
【0033】
第1期間t1、及び第2期間t2の関係は、広告期間における入札時期P1の時期によって変化する。例えば、入札時期P1が、広告期間において開始時期P0に近いタイミングである場合、第1期間t1<第2期間t2となる。また、入札時期P1が、広告期間において終了時期P2に近いタイミングである場合、第1期間t1>第2期間t2となる。一方、調整終了時期P3、又は第3期間t3は、広告主が要求する任意の値である。
【0034】
調整係数算出部103は、第1期間t1、第2期間t2、及び第3期間t3に基づいて、期間係数を算出する。調整係数算出部103は、例えば、式(1)を用いて、期間係数を算出する。式(1)において、「t1」は、第1期間t1の長さを表し、「t2」は、第2期間t2の長さを表し、「t3」は、第3期間t3の長さを表す。
【0035】
期間係数=t1/minimum(t1,t2,t3)…(1)
図4に示す波形W1~W4は、各種期間係数を示す。波形W1は、期間係数が第1期間t1に対する第1期間t1の割合である場合の、期間係数を示す。波形W2は、期間係数が第2期間t2に対する第1期間t1の割合である場合の、期間係数を示す。この場合、波形W2が示すように、期間係数は、時間の経過に応じて非線形に増加する。波形W3は、期間係数が第3期間t3に対する第1期間t1の割合である場合の、期間係数を示す。この場合、波形W3が示すように、期間係数は、広告期間における第1期間t1が長い程(つまり、入札時期P1が、広告期間において終了時期P2に近いタイミングである程)、線形に増加する。また、波形W3が示すように、期間係数は、広告主により定められる第3期間t3が短い程、傾きが大きくなる。
【0036】
式(1)に示すように、調整係数算出部103は、第1期間t1、第2期間t2、及び第3期間t3のうち、最も短い期間により第1期間t1を除算した値を、期間係数として算出する。この場合、期間係数は、波形W4のようになる。したがって、波形W4が示すように、期間係数は、第1期間t1が最も短い期間である間、一定である。また、期間係数は、第3期間t3が最も短い期間である間、線形に増加する。そして、期間係数は、第2期間t2が最も短い期間である間、非線形に増加する。つまり、期間係数は、第1期間t1、及び第2期間t2について、広告期間において時間が経過するほど、その値が大きくなり、且つ変化の程度が大きくなる。また、期間係数は、第3期間t3が短い程、その値が大きくなり、且つ変化の程度が大きくなる。
【0037】
調整係数算出部103は、算出した期間係数と、割合算出部102により算出された広告費割合とに基づいて、調整係数を算出する。調整係数算出部103は、例えば、式(2)を用いて、調整係数を算出する。
【0038】
調整係数=1-(広告費割合-1)×期間係数…(2)
式(2)が示すように、実績広告費指標>目標広告費指標の場合、広告費割合>1となり、調整係数は、実績広告費指標と目標広告費指標とに差があるほど小さくなる。また、調整係数は、実績広告費指標<目標広告費指標の場合、広告費割合<1となり、実績広告費指標と目標広告費指標とに差があるほど大きくなる。
【0039】
また、期間係数が小さい程、広告費割合が調整係数に与える影響は小さくなる。また、期間係数が大きい程、広告費割合が調整係数に与える影響は大きくなる。
また、調整係数算出部103は、上限値情報111に基づいて、算出した調整係数が、上限値よりも大きいか否かを判定する。上限値情報111は、調整係数の上限値を示す情報である。調整係数算出部103は、調整係数が上限値よりも大きいと判定した場合、上限値を、調整係数とする。調整係数算出部103は、下限値情報112に基づいて、算出した調整係数が、下限値よりも小さいか否かを判定する。下限値情報112は、調整係数の下限値を示す情報である。調整係数算出部103は、調整係数が下限値よりも小さいと判定した場合、下限値を期間係数とする。上限値や下限値は、例えば、広告主により指定される。上限値と、下限値とが取り得る値の詳細については、後述する。
【0040】
[決定部104の詳細]
次に、決定部104の詳細について説明する。決定部104は、入札時期P1において、広告効果予測装置500から最新の予測効果指標を示す情報を取得する。決定部104は、目標広告費指標と予測効果指標との積に、調整係数を乗じて調整した値を、入札額として決定する。この場合、上限値が取り得る値は、目標広告費指標と予測効果指標との積に上限値を乗じたインプレッション単価が、一般的な最高の入札額となるような値である。また、上限値が取り得る値は、終了時期P2の直前に広告予算が余っていた場合、終了時期P2までに予算を使い切ることを目的として入札額が上昇しないようにする値である。また、下限値が取り得る値は、目標広告費指標と予測効果指標との積に、下限値を乗じたインプレッション単価が、一般的な最低の入札額となるような値である。また、下限値が取り得る値は、広告が露出される媒体を管理する媒体社等の主体であるメディア側や、複数の媒体の広告枠を管理するパブリッシャー側により設定された、最低落札額である。このように、上限値は、メディア側の観点、下限値は、パブリッシャー側の観点を考慮して設定される場合がある。決定部104は、決定した入札額を示す情報を入札処理装置200に出力する。入札処理装置200は、入札支援装置10から取得した入札額に基づいて、応札を行う。
【0041】
なお、上限値や下限値は、入札支援装置10が、過去に落札された同種の広告の入札額に基づいて決定してもよい。この場合、入札支援装置10は、過去に落札された同種の広告の入札額のうち、他の入札額に比して高額な入札額に基づいて上限値を決定し、且つ過去に落札された同種の広告の入札額のうち、他の入札額に比して少額な入札額に基づいて下限値を決定する。
【0042】
[入札支援装置10にかかる作用について]
以下、入札支援装置10の作用について説明する。上述したように、調整係数は、広告費割合が1よりも大きい値をとり、且つ実績広告費指標と目標広告費指標とに差があるほど、小さくなる。決定部104は、実績広告費指標が目標広告費指標より大きい場合には、目標広告費指標と予測効果指標との積に、小さい値の調整係数を乗じて、入札額を高くしないように調整する。
【0043】
また、上述したように、調整係数は、広告費割合が1よりも小さい値をとり、且つ実績広告費指標と目標広告費指標とに差があるほど、大きくなる。決定部104は、実績広告費指標が目標広告費指標より小さい場合には、目標広告費指標と予測効果指標との積に、大きい値の調整係数を乗じて、入札額を高くするように調整する。
【0044】
また、上述したように、期間係数が小さい程、広告費割合が調整係数に与える影響は小さくなり、期間係数が大きい程、広告費割合が調整係数に与える影響は大きくなる。したがって、決定部104は、期間係数が小さい程、調整係数による入札額の調整の程度を小さくする。また、決定部104は、期間係数が大きい程、調整係数による入札額の調整の程度を大きくする。
【0045】
[本実施形態の入札支援装置10にかかる効果について]
(1)本実施形態の入札支援装置10において、割合算出部102は、目標広告費指標に対する、実績広告費指標の広告費割合を算出する。調整係数算出部103は、広告費割合と、広告期間と入札時期との関係とに基づいて、広告の入札額の調整に用いられる調整係数を算出する。決定部104は、調整係数と、目標広告費指標と、予測効果指標とに基づいて、入札時期P1における入札額を決定する。
【0046】
一方、本実施形態の入札支援装置10によれば、広告効果予測装置500による予測効果指標の予測精度が低い場合であっても、期間係数や広告費割合に基づく調整係数によって、入札額を調整し、広告費が目標の単価になるような入札額を決定することができる。
【0047】
例えば、実績広告費指標が目標広告費指標より小さい場合には、実績広告費指標を目標広告費指標に近づけるように、より多くの機会においてウェブページ等に広告を露出するために落札することが好ましい。ウェブページ等に広告を露出するために落札をするには、他の広告主の入札額に比して高い入札額を提示することが求められる。実績広告費指標が目標広告費指標より小さい場合には、調整係数算出部103は、入札額を高く調整する。これにより、決定部104は、落札の機会を増やすことができる。落札の機会が増えると、広告の露出が増える(つまり、インプレッションが増加する)。インプレッションが増えれば消費者の広告に対する関心が高まり、即ち、認知が進み、クリック数が増え、クリック率は上昇することが想定される。一方で、インプレッションがある程度を超えると過剰な配信増加、即ち、クリック数の増加分を超える過剰配信分、によりクリック率は反対に下降することも想定される。その場合は、前述の上限値の例とは異なる例を用いて入札額を抑え、過剰な露出機会を抑制する。このように、クリック率、即ち、実績広告費指標を増加させることで、実績広告費指標を目標広告費指標に近づけることができる。
【0048】
また、実績広告費指標が目標広告費指標より大きい場合には、広告期間内において、十分に広告の効果が得られており、これ以上、不要にウェブページ等に広告を露出しないことが好ましい。ウェブページ等に広告を露出しないようにするには、他の広告主の入札額に比して低い入札額を提示することが求められる。実績広告費指標が目標広告費指標より大きい場合には、調整係数算出部103は、入札額を低く調整する。これにより、決定部104は、落札の機会が増えないようにすることができる。落札の機会が減ると、広告の露出が減る(つまり、インプレッションが減少する)。インプレッションが抑えられれば消費者の広告に対する関心が低くなり、即ち、認知が進みにくくなり、クリック数が減り、クリック率は下降することが想定される。一方で、インプレッションがある程度を超えると過剰な配信減少、即ち、クリック数の減少分を超える配信減少分、によりクリック率は反対に上昇することも想定される。その場合は、前述の下限値の他とは異なる例を用いて入札額の下落を抑え、過剰な露出機会減少を抑制する。このように、クリック率、即ち、実績広告費指標を減少させることで、実績広告費指標を目標広告費指標に近づけることができる。
【0049】
(2)本実施形態の入札支援装置10において、調整係数算出部103は、広告期間と入札時期との関係を表す期間係数を算出する。調整係数算出部103は、第1期間t1、第2期間t2、及び第3期間t3のうち、最も短い期間により第1期間t1を除算した値を、期間係数として算出する。
【0050】
上述したように、広告期間における入札時期P1のタイミングや第3期間t3の長さによっては、積極的に入札額を調整する必要がある。調整係数算出部103は、第1期間t1、第2期間t2、及び第3期間t3のうち、最も短い期間に基づいて、期間係数を算出する。これにより、決定部104は、広告期間における入札時期P1に応じた期間係数に基づく調整係数を用いて入札額を調整し、広告費が目標の単価になるような入札額を決定することができる。
【0051】
(3)本実施形態の入札支援装置10において、調整係数算出部103は、算出した調整係数と、上限値、及び下限値を比較する。調整係数算出部103は、調整係数が上限値より大きい場合、上限値を調整係数とし、調整係数が下限値より小さい場合、下限値を調整係数とする。
【0052】
調整係数に上限値を設けることにより、決定部104が不要に高額な入札額を決定しないようにすることができる。ここで、特別な事情がなければ、低コストで広告露出できた方がメディア側にとって好ましい。調整係数に上限値を設けることにより、決定部104は、広告費を使い切ることを目的として入札額が上昇することを避けることができる。
【0053】
また、調整係数に下限値を設けることにより、決定部104が落札に適さない程、少額な入札額を決定しないようにすることができる。また、調整係数に下限値を設けることにより、パブリッシャー側は、低単価の広告露出を排除できることで媒体の収益を確保することができる。例えば、パブリッシャー側は、下限値を満足する入札がない場合、RTBによるプログラマティック広告を表示しない代わりに、他の予約型広告の露出等に充てることができるようになり、収益確保につながる。
【0054】
上記実施形態は以下のように変更してもよい。なお、上記実施形態及び以下の各別例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせてもよい。
○広告配信実績取得装置300、入札処理装置200、広告配信実績DB400、及び広告効果予測装置500は、例えば、一部、又は全部が入札支援装置10と一体に構成されてもよい。
【0055】
○上述では、入札支援装置10が、実績広告費指標を目標広告費指標に近づけるように、入札額を調整する場合について説明したが、これに限られない。入札支援装置10は、例えば、クリック単価に代えて(或いは、加えて)、顧客獲得単価(Cost Per Action)に基づいて、入札額を調整してもよい。この場合、上述のクリック率(CTR)をコンバージョン率(CVR)と、クリック単価(CPC)を顧客獲得単価(CPA)とを読み替えることを含む。なお、この場合のコンバージョンは、例えば、サイト訪問者が、顧客に変わること、問合せを行うこと、トライアルの申し込みを行うこと、メールマガジンに登録すること、ホワイトペーパーをダウンロードすること、セミナーに申し込むこと、資料請求を行うこと、会員登録を行うこと、アプリをダウンロードすること、SNS(Social Networking Service)等でフォローや友だち追加を行うこと等である。取得部101は、目標広告費指標として、広告期間において広告主により要求される広告の顧客獲得単価を示す情報を取得する。広告配信実績取得装置300は、実績広告費指標として、広告期間において実際にウェブページ等に露出された広告の顧客獲得単価を示す指標である。割合算出部102は、広告期間において広告主により要求される広告の顧客獲得単価により、広告期間において実際にウェブページ等に露出された広告の顧客獲得単価を除算した値を、広告費割合として算出する。
【0056】
かかる構成によれば、入札支援装置10は、顧客獲得単価を、目標の顧客獲得単価に近づけるように、入札額を調整することができる。
○調整係数算出部103は、広告主により、調整終了時期P3や第3期間t3が要求されない場合には、第1期間t1と、第2期間t2とのうち、最も短い期間により第1期間t1を除算した値を、期間係数として算出してもよい。かかる構成によれば、調整係数算出部103は、広告主により調整終了時期P3や第3期間t3が要求されない場合であっても、適切に入札額を調整することができる。
【0057】
○調整係数算出部103は、式(1)以外の算出方法により、期間係数を算出してもよい。調整係数算出部103は、例えば、実績広告費指標と目標広告費指標との乖離が大きい場合、又は広告期間において実績広告費指標と目標広告費指標とを調整可能な期間が短い場合に、大きい値の期間係数を算出するものであってもよい。また、調整係数算出部103は、例えば、実績広告費指標と目標広告費指標との乖離が小さい場合、又は広告期間において実績広告費指標と目標広告費指標とを調整可能な期間が長い場合に、小さい値の期間係数を算出するものであってもよい。
【0058】
○調整係数算出部103は、式(2)以外の算出方法により、調整係数を算出してもよい。調整係数算出部103は、例えば、実績広告費指標と目標広告費指標との乖離が大きい場合、又は広告期間において実績広告費指標と目標広告費指標とを調整可能な期間が短い場合に、大きい値の調整係数を算出するものであってもよい。また、調整係数算出部103は、例えば、実績広告費指標と目標広告費指標との乖離が小さい場合、又は広告期間において実績広告費指標と目標広告費指標とを調整可能な期間が長い場合に、小さい値の調整係数を算出するものであってもよい。
【0059】
また、調整係数算出部103は、第3期間t3と、第1期間t1、及び第2期間t2との長さに関わらず、第1期間t1を第3期間t3により除算した値を、期間係数として算出してもよい。かかる構成によれば、調整係数算出部103は、広告主が所望する調整の程度によって、入札額を調整することができる。
【0060】
○調整係数算出部103は、調整係数の閾値として、上限値、又は下限値のうち、少なくとも一方を用いてもよい。かかる構成によれば、調整係数算出部103は、上限値を用いない場合、十分に高額な入札額により、落札の機会が増えるようにすることができる。また、調整係数算出部103は、下限値を用いない場合、少額な入札額により、落札できる機会が得られるようにすることができる。
【0061】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)前記決定部は、前記広告と同種の広告の配信実績の傾向から予測された予測効果指標を用いて前記入札額を決定してもよい。
【0062】
配信実績には、例えば、クリック率(CTR)、クリック単価(CPC)、コンバージョン率(CVR)、顧客獲得単価(CPA)、クリック数(CT)、コンバージョン(CV)、表示回数(IMP)、及び費用(COST)等が含まれる。また、同種の広告には、広告内容が同種の広告、広告期間の時期的傾向が同種の広告、広告を露出する対象のオーディエンスの属性が同種の広告等が含まれる。
【符号の説明】
【0063】
10…入札支援装置、100…制御部、101…取得部、102…割合算出部、103…調整係数算出部、104…決定部、110…記憶部、111…上限値情報、112…下限値情報、200…入札処理装置、300…広告配信実績取得装置、400…広告配信実績DB、500…広告効果予測装置、P0…開始時期、P1…入札時期、P2…終了時期、P3…調整終了時期、t1…第1期間、t2…第2期間、t3…第3期間。