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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】警備システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20241219BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20241219BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20241219BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20241219BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20241219BHJP
【FI】
G08B25/04 H
G08B25/10 D
G08B23/00 530A
H04M11/04
G06F3/0484
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023132516
(22)【出願日】2023-08-16
(62)【分割の表示】P 2019149474の分割
【原出願日】2019-08-16
(65)【公開番号】P2023162263
(43)【公開日】2023-11-08
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長澤 一樹
(72)【発明者】
【氏名】杉本 芳幸
(72)【発明者】
【氏名】小関 遼
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-169662(JP,A)
【文献】特開2006-285671(JP,A)
【文献】特開2011-013824(JP,A)
【文献】特開2017-142649(JP,A)
【文献】特開2006-127303(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0225442(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/04
G08B 25/10
G08B 23/00
H04M 11/04
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備対象に設けられ、警備モードを少なくとも警戒モード及び警戒解除モードに設定可能な警備装置と、
前記警備装置との通信により遠隔から前記警備モードの切替操作が可能な複数の携帯端末と
を具備する警備システムであって、
前記警備装置は、前記切替操作に応じた警備モードの切替結果を示す切替情報、及び、前記警備対象に異常が発生したことを示す異常情報を前記携帯端末に送信する通信手段を有し、
前記携帯端末は、前記切替操作を受け付ける操作手段と、
前記切替情報に対応するモード切替通知、及び、前記異常情報に対応する異常通知を表示する表示手段とを有し、
前記複数の携帯端末のうち任意の第1の携帯端末において、前記警備対象の異常発生中に前記警戒解除モードへの切替操作が行われた場合、当該第1の携帯端末は、当該発生中の異常について受信した前記異常情報に対応する異常通知を表示し、
当該第1の携帯端末以外の携帯端末は、前記異常通知は表示しない
警備システム。
【請求項2】
請求項に記載の警備システムであって、
記第1の携帯端末において、前記警備対象の異常発生中に前記警戒解除モードへの切替操作が行われた場合、
当該第1の携帯端末は、前記切替情報に対応するモード切替通知、及び、前記異常情報に対応する異常通知を表示し、
当該第1の携帯端末以外の携帯端末は、前記異常通知は表示せず、前記切替情報に対応するモード切替通知を表示する
警備システム。
【請求項3】
請求項に記載の警備システムであって、
前記携帯端末は、前記切替操作が行われた場合、当該切替操作に応じた切替要求信号を前記警備装置に送信し、
前記警備装置は、前記第1の携帯端末から前記警備対象の異常発生中に前記警戒解除モードへの切替操作を示す前記切替要求信号を受信した場合、当該第1の携帯端末に前記切替情報、及び、前記異常情報を送信するとともに、前記第1の携帯端末以外の携帯端末には、前記異常情報は送信せず、前記切替情報を送信する
警備システム。
【請求項4】
請求項に記載の警備システムであって、
前記携帯端末は、前記警備装置から取得した前記異常情報を記憶する記憶手段を有し、
前記表示手段は、自端末にて前記警備対象の異常発生中に前記警戒解除モードへの切替操作が行われた場合、前記警備装置から受信した前記切替情報に対応するモード切替通知、及び、前記記憶された異常情報を基に前記異常通知を表示し、
自端末以外の他端末の前記切替操作により前記警備装置から前記切替情報を受信した場合、前記異常通知は表示せずに当該モード切替通知を表示する
警備システム。
【請求項5】
請求項に記載の警備システムであって、
前記携帯端末は、前記切替操作が行われた場合、当該切替操作に応じた切替要求信号を前記警備装置に送信し、
前記警備装置は、前記第1の携帯端末から前記警備対象の異常発生中に前記警戒解除モードへの切替操作を示す前記切替要求信号を受信した場合、当該第1の携帯端末に前記異常情報を送信し、前記第1の携帯端末以外の携帯端末には、前記異常情報は送信しない
警備システム。
【請求項6】
請求項に記載の警備システムであって、
前記携帯端末は、前記警備装置から取得した前記異常情報を記憶する記憶手段を有し、
前記表示手段は、自端末にて前記警備対象の異常発生中に前記警戒解除モードへの切替操作が行われた場合、前記記憶された異常情報を基に前記異常通知を表示し、
自端末にて前記切替操作が行われずに前記警備装置から前記切替情報を受信した場合、前記異常通知は表示しない
警備システム。
【請求項7】
請求項乃至のいずれかに記載の警備システムであって、
前記携帯端末、及び、前記警備装置のいずれか一方は、
前記携帯端末が前記警備対象の近傍に存在するか否かを判定する位置情報判定手段を有し、
前記第1の携帯端末において前記警備対象の異常発生中に警戒解除モードへの切替操作が行われたとき、前記第1の携帯端末以外の携帯端末のうち前記警備対象の近傍に存在する携帯端末においては前記異常通知を表示する
警備システム。
【請求項8】
請求項の何れか一項に記載の警備システムであって、
前記第1の携帯端末以外の携帯帯端末の前記表示手段は、前記第1の携帯端末において前記警備対象の異常発生中に警戒解除モードへの切替操作が行われた後、前記操作手段及び前記表示手段として機能するアプリケーションによって現在の警備モードを示す情報が表示された時点で前記異常通知を表示する
警備システム。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれかに記載の警備システムであって、
前記異常情報は、当該異常の種別を示す情報を含み、
前記表示手段は、前記異常の種別に応じて、前記異常通知の内容または表示の要否を決定する
警備システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業所や住宅等の警備対象の警備に関する情報処理を実行可能な警備システム、携帯端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが自宅等の警備対象と離れた位置から携帯端末を用いて警備モードの遠隔切り替え操作を行うことが可能なシステムが知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、警備対象の建物に入居/居住するユーザの携帯端末の操作画面上から遠隔による警備モードの切替操作を受け付け、警備装置が当該切替操作に応じて警備モードを切替え、携帯端末がチャット画面上に上記切替操作によって切り替えられる警備モードに関するメッセージを時系列に表示することが開示されている。
【0004】
また当該文献には、警備装置が警備対象の建物の異常を監視し、異常を検知するとそれを警備センタへ通報し、建物への警備員の派遣等の必要な措置が取られることも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-137673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の技術において、警備対象の建物に異常が発生した場合に、当該異常に関する情報を建物に入居/居住する全てのユーザの携帯端末に上記チャット画面等を介して通知すると、実際には当該建物から離れた場所にいるユーザ等、異常により危険が及ぶ可能性の低いユーザに余計な不安を与えてしまう可能性がある。
【0007】
また、建物に異常が発生していても、ユーザがそれに気付かずに解除操作を行って建物内に入ってしまい、発生した異常によりユーザに危険が及んでしまう場合も考えられる。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、警備対象の異常により影響が及ぶ可能性のあるユーザに異常を知らせることが可能な警備システム、携帯端末及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る警備システムは、警備対象に設けられ、警備モードを少なくとも警戒モード及び警戒解除モードに設定可能な警備装置と、上記警備装置との通信により遠隔から上記警備モードの切替操作が可能な複数の携帯端末とを有する。
上記警備装置は、上記切替操作に応じた警備モードの切替結果を示す切替情報、及び、前記警備対象に異常が発生したことを示す異常情報を上記携帯端末に送信する通信手段を有する。
上記各携帯端末は、上記切替操作を受け付ける操作画面と、上記切替情報に対応するモード切替メッセージを含むメッセージ群を時系列で表示するチャット画面とを切替可能に表示する表示制御手段を有する。
上記複数の携帯端末のうち任意の第1の携帯端末において、上記警備対象の異常発生中に上記警戒解除モードへの切替操作が行われた場合、当該第1の携帯端末の表示制御手段は、上記操作画面から上記チャット画面へ遷移し、上記切替情報に対応するモード切替メッセージ、及び、上記異常情報に対応する異常通知メッセージを上記チャット画面に追加表示し、当該第1の携帯端末以外の携帯端末の表示制御手段は、上記異常通知メッセージは表示せず、上記切替情報に対応するモード切替メッセージを表示する。
【0010】
これにより警備システムは、異常発生中に携帯端末で警備の解除操作が行われた場合、当該解除操作を行ったユーザを含む、異常によって影響が及ぶ可能性のあるユーザには、解除操作情報と共に当該異常発生を知らせて危険の回避策等を執らせることができる一方、異常によって危険が及ぶ可能性の低いユーザには解除操作情報のみ知らせて異常発生は知らせないことで当該ユーザが余計な心配をするのを防ぐことができる。
【0011】
上記携帯端末は、上記切替操作が行われた場合、当該切替操作に応じた切替要求信号を上記警備装置に送信してもよい。この場合上記警備装置は、上記第1の携帯端末から上記警備対象の異常発生中に上記警戒解除モードへの切替操作を示す上記切替要求信号を受信した場合、当該第1の携帯端末に上記切替情報、及び、上記異常情報を送信するとともに、上記第1の携帯端末以外の携帯端末には、上記異常情報は送信せず、上記切替情報を送信してもよい。
【0012】
上記携帯端末は、上記警備装置から取得した上記異常情報を記憶する記憶手段を有してもよい。この場合上記表示制御手段は、自端末にて上記警備対象の異常発生中に上記警戒解除モードへの切替操作が行われた場合、上記警備装置から受信した上記切替情報に対応するモード切替メッセージ、及び、上記記憶された異常情報を基に上記異常通知メッセージを上記チャット画面に追加表示し、自端末にて上記切替操作が行われずに上記警備装置から上記切替情報を受信した場合、上記異常通知メッセージは表示せずに当該モード切替メッセージを表示してもよい。
【0013】
上記各携帯端末、及び、上記警備装置のいずれか一方は、当該携帯端末が上記警備対象の近傍に存在するか否かを判定する位置情報判定手段を有してもよい。この場合上記第1の携帯端末において上記警備対象の異常発生中に警戒解除モードへの切替操作が行われたとき、上記第1の携帯端末以外の携帯端末のうち上記警備対象の近傍に存在する携帯端末においては上記異常通知メッセージを表示してもよい。
【0014】
これにより警備システムは、異常が発生している警備対象の近傍に存在し危険が及ぶ可能性のあるユーザに異常発生を知らせることができる。ここで近傍とは、警備対象から所定距離(数十m等)範囲(例えばGPSにより測定)や、警備対象に設置された機器から近距離無線通信用の電波を受信可能な範囲等である。
【0015】
上記第1の携帯端末以外の携帯帯端末の上記表示制御手段は、上記第1の携帯端末において上記警備対象の異常発生中に警戒解除モードへの切替操作が行われた後、上記操作画面及び上記チャット画面を表示するアプリケーションによって現在の警備モードを示す情報が表示された時点で上記異常通知メッセージを表示してもよい。
【0016】
これにより警備システムは、警備対象の異常発生中にアプリケーションを起動させて現在の警備モードを確認しようとしたユーザ、すなわち、当該警備対象に近づきモード切替操作を行う可能性があり、危険が及ぶ可能性のあるユーザに異常発生を知らせることができる。また異常が建物の特定の区域のみに発生している場合、表示制御手段は、上記アプリケーションが起動され、さらに上記特定の区域に関するチャット画面が開かれた場合に異常通知メッセージを追加表示してもよい。
【0017】
上記異常情報は、当該異常の種別を示す情報を含んでもよい。この場合上記表示制御手段は、上記異常の種別に応じて、上記異常通知メッセージの内容または表示の要否を決定してもよい。
【0018】
これにより警備システムは、発生中の異常の種別に応じてメッセージの内容または表示の要否を決定することで、ユーザに通知すべき異常を適切な方法で通知することができる。ここで異常の種別とは、例えば、警備対象への何者かの侵入が検知された侵入異常、警備対象内で火災が検知された火災異常、警備対象内の設備に異常が検知された設備異常、警備対象内の機器に異常が検知された機器異常等である。そして、侵入異常、火災異常、設備異常については異常通知メッセージの通知が必要と判断されるが、機器異常については異常通知メッセージの通知が不要と判断されてもよい。
【0019】
本発明の他の形態に係る携帯端末は、警備対象に設けられ、警備モードを少なくとも警戒モード及び警戒解除モードに設定可能であり、上記警備モードの切替操作に応じた警備モードの切替結果を示す切替情報、及び、上記警備対象に異常が発生したことを示す異常情報を送信する警備装置と接続され、遠隔から上記切替操作による警備モードの設定が可能な携帯端末である。上記携帯端末は、上記切替操作を受け付ける操作画面と、上記切替情報に対応するモード切替メッセージを含むメッセージ群を時系列で表示するチャット画面とを切替可能に表示する表示制御手段を有する。上記表示制御手段は、上記警備対象の異常発生中に上記警戒解除モードへの切替操作を受け付けた場合は、上記操作画面から上記チャット画面へ遷移し、上記切替情報に対応するモード切替メッセージ、及び、上記異常情報に対応する異常通知メッセージを上記チャット画面に追加表示し、上記警備対象の異常発生中に自端末にて上記切替操作を受け付けずに上記警備装置から上記切替情報を受信した場合には、上記異常通知メッセージは表示せず上記モード切替メッセージを表示する。
【0020】
本発明の他の形態に係るプログラムは、警備対象に設けられ、警備モードを少なくとも警戒モード及び警戒解除モードに設定可能であり、上記警備モードの切替操作に応じた警備モードの切替結果を示す切替情報、及び、上記警備対象に異常が発生したことを示す異常情報を送信する警備装置と接続され、遠隔から上記切替操作による警備モード設定が可能な携帯端末において実行されるプログラムである。
上記プログラムは、上記携帯端末に、
上記切替操作を受け付ける操作画面と、上記切替情報に対応するモード切替メッセージを含むメッセージ群を時系列で表示するチャット画面とを切替可能に表示するステップと、
上記警備対象の異常発生中に上記警戒解除モードへの切替操作を受け付けた場合、上記操作画面から上記チャット画面へ遷移し、上記切替情報に対応するモード切替メッセージ、及び、上記異常情報に対応する異常通知メッセージを上記チャット画面に追加表示するステップと、
上記警備対象の異常発生中に自端末にて上記切替操作を受け付けずに上記警備装置から上記切替情報を受信した場合には、上記異常通知メッセージは表示せず上記モード切替メッセージを追加表示するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、警備対象の異常により影響が及ぶ可能性のあるユーザに異常を知らせることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る警備システムの構成を示した図である。
図2】本発明の一実施形態に係る警備装置のハードウェア構成を示した図である。
図3】本発明の一実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成を示した図である。
図4】本発明の一実施形態に係る警備システムにおいて警備対象が有する複数の警備区域について説明した図である。
図5】本発明の一実施形態に係るユーザ端末に表示されるリスト画面の例を示した図である。
図6】本発明の一実施形態に係るユーザ端末に表示されるリスト画面及びチャット画面の例を示した図である。
図7】本発明の一実施形態に係るユーザ端末に表示されるチャット画面の例を示した図である。
図8】本発明の一実施形態に係るユーザ端末に表示される操作画面の例を示した図である。
図9】本発明の一実施形態に係る警備システムの動作の流れを示したフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態に係る警備システムにおいて監視する異常の種別とそれに応じた異常通知メッセージを示した表である。
図11】本発明の一実施形態に係るユーザ端末において異常発生中の解除操作時に表示されるチャット画面の遷移例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る警備システムの構成を示した図である。
【0025】
同図に示すように、この警備システムは、警備装置100と、ユーザ端末200と、警備センタのセンタサーバ300とを有する。
【0026】
警備装置100は、例えば企業用のテナントビル等の建物(警備対象T)に設置され、当該警備対象Tの異常を監視し、検知した異常を警備センタへ通報する。詳細は後述するが、警備装置100は、複数の警備モード(例えば、警戒モード、警戒解除モード、在室セットモード等)によって警備対象Tを警備している。
【0027】
ユーザ端末200は、例えば上記警備対象Tのビルに入居している企業の社員が携帯する端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)等の携帯型のコンピュータである。ユーザ端末200は、例えばLTE(Long Term Evolution)、3G、Wi-Fi等のモバイルネットワークと接続可能である。
【0028】
当該ユーザ端末200は、上記警備装置100との通信により、警備対象Tの遠隔から、上記警備モードを切替操作可能であり、当該警備モードの変更履歴を表示可能である。当該警備モードの切替操作は、ユーザ端末200にインストールされた、警備モード情報その他の警備情報を提供するアプリケーション(以下、「警備アプリケーション」と称する)上で入力される。
【0029】
なお、上記警備装置100は、上記警備対象Tの建物内の各区域の壁面等に設置された操作部(操作パネル等)も有し、ユーザは、建物内に存在する場合には、当該操作部によっても上記警備モードを切替操作可能である。当該操作部による操作対象によっては、例えばユーザ毎に付与された認証カードを操作部へ挿入する認証処理が必要になる場合もある。本実施形態では、当該操作部を、遠隔操作が可能なユーザ端末200に対して、「本体操作部」と称することもある。
【0030】
センタサーバ300は、警備会社が運営する警備センタに設置されるサーバであり、インターネットを介して警備装置100及びユーザ端末200と通信可能である。警備センタには、管制員が常駐しており、警備装置100から異常通報を受信すると、受信した異常通報の種別(後述)に応じて、警備装置100の警備対象への警備員の派遣等の必要な措置が取られる。
【0031】
またセンタサーバ300は、警備対象Tの所在地等の情報や、当該警備対象に入居している警備契約先のユーザ(企業等)に関する情報等を記憶している。例えばセンタサーバ300は、警備対象Tに入居する各企業のユーザ端末200と警備装置100とをペアリングし、それらを警備対象T毎にグループ化した情報を、認証用に記憶している。またセンタサーバ300は、上記認証カードについても、上記ユーザ端末200と同様にペアリングしグループ化した情報を記憶している。
【0032】
上記警備モードの切替えは、同図の(1)~(8)のような流れで実行される。すなわち、(1)ユーザ端末200が、モバイルネットワークを介してセンタサーバ300へ警備モード切替を要求すると、(2)センタサーバ300が、ユーザ端末200(が属する企業)を認証し、認証に通った場合、当該警備モード切替要求を警備装置100へ転送することで、(3)警備装置100へ警備モード切替を要求する。すると、(4)警備装置100は、当該警備モード切替要求を受けて警備モードを切替え、(5)当該警備モードの切替完了をセンタサーバ300へ通知する。
【0033】
そして、(6)センタサーバ300が、当該通知を受けて、インターネット上のプッシュ通知用のAPI(例えば、Apple Push Notification Service(APNS)やFirebase Cloud Messaging (FCM))へ、モード切替完了をプッシュ通知するように要求する。(7)当該要求を受け、APIがユーザ端末200へ上記モード切替完了をプッシュ通知し、(8)ユーザ端末200が当該プッシュ通知を受信してモード切替完了を表示部に表示する。
【0034】
当該説明のとおり、警備モードの切替処理において、センタサーバ300は、警備装置100とユーザ端末200との通信を仲介(及び認証)しているのみであるため、本実施形態では、実際にはセンタサーバ300によって仲介される通信も、あえて当該仲介処理については省略し、警備装置100とユーザ端末200との通信として説明する場合もある。なお、センタサーバ300の機能の一部を警備装置100に持たせることで、警備装置100とユーザ端末200との間でセンタサーバ300を仲介せずに通信する構成としてもよい。
【0035】
本実施形態では、上記ユーザ端末200が、上記警備アプリケーションによって、警備モードの遠隔による切替操作を受付可能であるとともに、当該警備モード切替操作と、当該モード切替操作に応じた警備装置100によるモード切替結果とを、チャット画面上にメッセージとして表示することが可能である。さらにユーザ端末200は、当該メッセージに対応する情報を、警備対象T内における複数の警備区域毎の表示欄の一覧であるリスト画面上でも表示可能である。これら表示処理の詳細については後述する。
【0036】
[警備装置の構成]
図2は、上記警備装置100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、警備装置100は、主装置101と、各種のセンサ10及び12等によって構成される。
【0037】
侵入監視センサ10は、扉や窓等の開閉を検知するセンサ、熱源としての人体が発する熱を検知するセンサ、人体により赤外線が遮られたことを検知するセンサ等の、侵入者を検出するためのセンサである。この侵入監視センサは、警備対象Tの外周エリアに設置されたものと、その他のエリアに設置されたものとに大別される。さらに、警備対象Tの外周エリアに設置された侵入監視センサは、出入り口エリアに設置されたものと、それ以外のものとに区別される。火災センサ12は、火災発生に伴う熱や煙を検知するセンサである。
【0038】
主装置101は、制御部110、通報部130、報知部140、表示部150、操作部160、並びに通信インタフェース(I/F)170で構成される。
【0039】
通報部130は、異常が発生した場合に、図示しない警備センタへ通信回線を介して通報する。報知部140は、各種報知音を発生させる。表示部150は、LED(Light Emitting Diode)、液晶表示器等で構成され、それぞれ、主装置上、主装置外での各種表示を行う。
【0040】
通信I/F170は、各種センサやと有線又は無線で通信するためのインタフェースである。また通信I/F170は、警備モードの切替に関する遠隔操作部としてのユーザ端末200と無線通信を行うインタフェースとしても機能する。
【0041】
操作部160は、例えば操作ボタンやタッチパネル等で構成され、上記警備モードの切替操作等のユーザ操作を受け付ける。操作部160がタッチパネルである場合、操作部160は、上記表示部150と一体となり得る。
【0042】
また操作部160は、ユーザが侵入者に襲われたときや身体の異常を感じたときに操作する非常通報ボタンや、ユーザが間違えて異常を発生させてしまった場合にその異常をキャンセルするためのキャンセル操作ボタン等、警備モードの切替操作以外に用いるボタンも有する。
【0043】
制御部110は、プロセッサ、メモリ等により構成され、警備装置の稼動を制御する部分であり、機能的には、モード記憶手段112、監視制御情報記憶手段114、侵入監視センサ検知時処理手段116、モード設定手段118等を実現する。モード記憶手段112は、各警備モードを、それらの識別情報と共に記憶し、それらのうち現在設定されている警備モードに関する情報を例えばフラグ等により記憶する。監視制御情報記憶手段114は、各種センサの設置エリア、アドレスコード等を記憶し、警備モードと監視状態とする各種センサとの対応を記憶する。侵入監視センサ検知時処理手段116は、ある侵入監視センサが検知したときに、モード記憶手段112に記憶された現在の警備モードと監視制御情報記憶手段114に記憶された内容とに基づいて、異常判定を行って異常信号を出力する処理や報知音を決定して出力する処理等を実行する。モード設定手段118は、操作部160及びユーザ端末200によるユーザからのモード切替操作に基づいて、上記警備モードの設定(切替)処理を実行する。モード設定手段118は、警備モードを変更したとき、切替先の警備モードを現在の警備モードとしてモード記憶手段112に記憶させる。
【0044】
また制御部110は、警備対象Tに何らかの異常が発生している場合には、異常発生中を示すステータス情報を、その異常の種別(後述)と共に記憶している。
【0045】
また図示しないが、主装置101は、警備装置100とペアリングされグループ設定された複数のユーザ端末200及び上記認証カード、並びにそれらの各ユーザの識別情報(ユーザ名、ユーザID等)に関するグループ設定情報も記憶している。つまり、警備装置100は、個別区域Ai(または、物件全体)毎に、当該個別区域Ai(または、物件全体)の警備モードの遠隔操作などを行えるユーザ端末200を紐付けて記憶している。
【0046】
[ユーザ端末の構成]
図3は、上記ユーザ端末200の構成を示した図である。同図に示すように、ユーザ端末200は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、入出力インタフェース25、及び、これらを互いに接続するバス24を備える。
【0047】
CPU21は、必要に応じてRAM23等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらユーザ端末200の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM22は、CPU21に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM23は、CPU21の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0048】
入出力インタフェース25には、表示部26、操作受付部27、記憶部28、通信部29等が接続される。
【0049】
表示部26は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0050】
操作受付部27は、例えば、タッチパネル、ボタン、キー、その他の入力装置である。操作受付部27がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部26と一体となり得る。
【0051】
記憶部28は、例えばフラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)やその他の固体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性メモリである。当該記憶部28には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0052】
特に本実施形態では、記憶部28は、ユーザ端末200が、上記警備装置100と連動して警備モード切替処理を実行するための上記警備アプリケーションその他のプログラムを記憶している。当該警備アプリケーションには、警備モードの切替操作を受け付ける操作画面や、その切替結果を表示するチャット画面並びにリスト画面等の表示に必要なデータ(文字情報や画像情報)も含まれる。そしてCPU21は、上記操作画面、リスト画面、チャット画面の表示切替処理及びメッセージの表示処理を制御する表示制御手段として機能する。また、警備アプリケーションは、警備装置100に設定されている各警備区域の現在の警備モードを記憶している。さらに、警備アプリケーションは、警備モードの切替操作及び切替処理と、チャット画面に表示するメッセージとを対応付けたメッセージ対応テーブルを記憶している。
【0053】
通信部29は、例えばLTEやWi-Fi等の無線通信用の各種モジュールであり、モバイルネットワーク及びインターネットを介した上記警備装置100及びセンタサーバ300との間の通信処理を担う。
【0054】
[警備区域]
次に、本実施形態における警備対象Tが有する複数の警備区域について説明する。図4は、当該警備対象Tが有する警備区域について説明した図である。同図Aは警備対象Tの外観を一部透過して示した図であり、同図Bは警備対象Tのある階の平面図である。
【0055】
同図に示すように、警備対象Tは、例えば複数階で構成されるテナントビルであり、警備対象として、共用区域Asと複数の個別区域Aiとを有する。
【0056】
共用区域Asは、例えば警備対象Tの出入口を含み、テナント企業の各従業員が共用する区域である。共用区域Asは通常は警備対象Tの1階に設けられるが、2階以上に設けられていてもよい。
【0057】
個別区域Aiは、テナント企業の各従業員が個別に利用する区域であり、例えば事務室、会議室、実験室等であり得る。当該個別区域Aiに入るには、従業員は共用区域Asを通る必要がある。
【0058】
警備装置100は、各個別区域Aiについて、それぞれ個別に警備モードを切替可能である。共用区域Asの警備モードを警戒モードにセットするには、全ての個別区域Aiが警戒モードにセットされている必要がある。各個別区域Aiのユーザは、自らの個別区域Aiについて警備モードを警戒モードにセットした際、他の個別区域Aiが全て警戒モードにセットされている場合には、最終退館者として、共用区域As(警備対象全体)の警備モードを警戒モードにセットする操作を行う。
【0059】
なお、1つの警備対象Tに複数のテナント企業が入居している場合には、複数のテナント企業がそれぞれ1つまたは複数の個別区域Aiを利用し、共用区域Asを共用することになる。この場合、各テナント企業のユーザは、他のテナント企業が入居している個別区域Aiに関する警備モードの切替操作を行うことはできず、自らの全ての個別区域Ai及び他のテナント企業の全ての個別区域Aiの警備モードが警戒モードにセットされている場合には、共用区域Asの警備モードを警戒モードにセットする。
【0060】
本実施形態では、ユーザ端末200は、後述するように、上記個別区域Ai毎の警備モードに関する情報を表示する表示欄を一覧表示したリスト画面を表示し、当該リスト画面と、各個別区域Aiの警備モードの切替に関するメッセージを表示するチャット画面及び警備モードの切替操作を行う操作画面との間で画面を切替えることが可能である。
【0061】
[警備モードの種別]
ここで、上記警備装置100が有する警備モードの種別について説明する。本実施形態では、警備装置100は、個別区域Ai毎の警備モードとして、警戒モード、在室警戒モード、警戒解除(在室)モードを有する。また警備装置100は、共用区域Asの警備モードとして、警戒モードと警戒解除モードとを有する。
【0062】
上記火災センサ12による監視及び非常通報は、警備モードによらず行われる。これらによる異常発生は、別の警報音にて報知される。一方、上記侵入監視センサ10による監視は、警備モードに応じて異なる。
【0063】
警戒モードは、警備対象Tの個別区域Aiのユーザ全員が個別区域Aiから離れる(退室する)場合、及び、全ての個別区域Aiのユーザ全員が警備対象Tから離れる(退館する)場合に設定されるモードである。このモードでは、上記侵入監視センサ10による監視は、個別区域Ai及び共用区域Asに設置された全ての侵入監視センサ10によって行われる。
【0064】
在室警戒モードは、個別区域Ai内にユーザがいる場合において、外部からの侵入を監視したい場合に利用されるモードである。当該モードでは、上記侵入監視センサ10による監視は、全ての侵入監視センサ10のうち、窓、ドア等の個別区域Aiの外周エリアに設置された侵入監視センサ10のみによって行われる。
【0065】
警戒解除モードは、個別区域Aiのユーザが在室時に利用されるモードである。このモードでは、侵入監視センサ10による監視は行われない。ユーザが個別区域Aiの警備モードを警戒解除モードに切替える際、警備対象Tの全ての個別区域Aiの警備モードが警戒モードにセットされている場合には、共用区域Asも警戒モードにセットされており、ユーザはまず共用区域Asの警備モードを警戒解除モードに切替えた上で、個別区域Aiの警備モードを警戒解除モードに切替える必要がある。
【0066】
[リスト画面、チャット画面及び操作画面]
上述したように、本実施形態において、ユーザ端末200の警備アプリケーションは、上記個別区域Ai毎の警備モードに関する情報の一覧を表示するリスト画面と、各個別区域Aiの警備モードに関するメッセージを時系列に対話形式で表示するチャット画面と、ユーザから上記警備モードの切替操作を受け付ける操作画面とを切替可能に表示する。
【0067】
図5は、リスト画面の例を、上記図4Aの警備対象Tの外観と併せて示した図である。
【0068】
同図に示すように、リスト画面70は、上記共用区域As及び個別区域Aiに対応する表示欄71のリストを表示する。同図の例では、共用区域Asに対応する表示欄71が最上部に表示され、その下に個別区域Aiに対応する表示欄71が表示されている。なお、警備対象Tに共用区域Asがない場合は、個別区域Aiのみのリストを表示する。
【0069】
個別区域Aiに対応する表示欄71としては、個別区域Aiのユーザが警備モードの切替操作権限を有する個別区域Aiに対応する表示欄71の他、個別区域Aiのユーザが警備モードの切替操作権限を有さない(例えば他のテナント企業の)個別区域Aiに対応する表示欄71も例えば最下部に表示される。ただしこの操作権限を有さない警備区域の表示欄は、警備区域毎ではなく、複数の警備区域が存在する場合は1つにまとめられた表示欄71が表示され、当該表示欄71では、それら操作権限を有さない警備区域の全てが警戒モードであるか否かを示すメッセージが表示される。当該表示欄71については、ユーザは操作を行うことができない。
【0070】
各表示欄71は、各警備区域の名称を示す区域名72、各警備区域の現在の警備モードの状態を色(例えば警戒モードは青、警戒解除モードは黒色)で識別する警備モードアイコン73、各警備区域に対応するチャット画面に表示されている、警備モードに関する最新メッセージ74、及び当該最新メッセージ74の受信時刻75の各情報を表示する。なお、ユーザが警備モードの切替操作権限を有さない複数の警備区域をまとめて表示した表示欄71についても、警備モードに関する最新メッセージ74(例えば、複数の警備区域全てが警戒モードに切替わっている場合は、「セットになりました」というメッセージ)及び当該最新メッセージ74の受信時刻75の各情報を表示してもよい。
【0071】
後述するが、各表示欄71に表示される警備モードに関する最新メッセージ74には、各警備区域の現在の(切替後の)警備モードを示すメッセージの他、警備時間の変更を示すメッセージも含まれる。
【0072】
図6は、上記リスト画面70と、当該リスト画面70から切替可能なチャット画面の例を示した図である。また図7は、チャット画面のより詳細な例を示した図である。
【0073】
図6に示すように、上記リスト画面70のいずれかの表示欄71をユーザがタップ等で選択すると、選択された表示欄71に対応する個別区域Aiまたは共用区域Asのチャット画面へ画面が切替わる。チャット画面80は、上記警備区域毎の警備モードの切替に対応する切替メッセージを含む区域メッセージ群を時系列で表示する。
【0074】
図6及び図7に示すように、チャット画面80上には、切替メッセージとして、ユーザによるモード切替操作を示すメッセージ(モード操作メッセージ83)と、当該モード切替操作に応じた警備装置100によるモード切替結果を示すメッセージ(モード切替メッセージ84)とが、異なる領域に区別されて(例えば前者が右側、後者が左側)、対話形式で時系列に表示される。
【0075】
図6においては、リスト画面70の表示欄71に表示されている最新メッセージ74と、チャット画面80の最下部に表示されているモード切替メッセージ84とが対応している。
【0076】
図7に示すように、チャット画面80は、上部から下部に向かう時間軸を有し、古い(受信時刻が前の)メッセージほど上部に、新しい(受信時刻が後の)メッセージほど下部に表示される。また最新のメッセージは常に最下部に追加表示され、それより前のメッセージのうち、メッセージ表示領域の表示範囲に収まらないメッセージは、ユーザがメッセージ表示領域を例えば上下方向にフリックまたはスワイプすることによって、下部にスクロールし表示可能となる。
【0077】
各モード操作メッセージ83及び各モード切替メッセージ84は、矩形枠で囲まれたメッセージ本文の他に、その隣接した位置(例えばその上部)に、操作者情報、操作ツール、及び受信時刻(操作時刻)情報を含む。
【0078】
図7の例では、ユーザ端末200のユーザである太郎による警戒解除操作に応じて、当該操作を示すモード操作メッセージ83と、当該操作に応じた警戒解除モードへの切替結果を示すモード切替メッセージ84が表示されている。
【0079】
また、チャット画面80上では、当該チャット画面80に対応する警備区域の複数のユーザによる通常のメッセージのやり取りも可能であり、それらメッセージは、メッセージ86として表示される。
【0080】
図に示されていないが、チャット画面80をユーザがダブルタップすると、例えば最下部に、ユーザがメッセージを作成するための文字入力枠およびキーボード等の文字選択領域が表示され、メッセージの入力が可能となる。
【0081】
また、警備装置100による警備モードの切替以外の警備装置100側または警備システム側からの報知メッセージも、チャット画面80上に表示され得る。報知メッセージとしては、例えば、警戒解除モードにおいてチャット画面80に対応する警備区域における設備(温度やドア等)、センサ(金庫や窓等)に関するメッセージ86(例えば何らかの物体が検出されたことの通知)の他、建物または警備区域に何らかの異常が発生した場合に表示される異常メッセージ(詳細は後述する)等がある。
【0082】
またチャット画面80には、予め設定したイベント(例えば警戒モードが警戒解除モードに切り替わる)が発生した場合には、当該イベントに関する監視カメラの画像87が警備装置100から受信され追加表示される。
【0083】
例えば、ユーザによって個別区域Aiの警戒モードの解除操作が入力された場合、解除操作を行ったユーザと、入室したユーザとが同じ人物か否かを確認可能とするため、監視カメラが撮影した映像(画像や動画)がユーザ端末200に送信されチャット画面80上で表示される。また、金庫や窓のセンサが検知した場合、金庫や窓周辺の監視カメラの画像がユーザ端末200へ送信されてチャット画面80上で表示されてもよいし、検知した旨のメッセージが追加表示されてもよい。
【0084】
またチャット画面80の例えば最下部には、操作メニューボタン81と、設定メニューボタン82とが表示されている。
【0085】
操作メニューボタン81は、操作画面と上記チャット画面80とを切替表示させるためのボタンである。設定メニューボタン82は、ユーザ情報等に関する各種設定を変更する際に用いられるボタンである。
【0086】
またチャット画面80の例えば左上隅には、当該チャット画面80に対応する警備区域の現在の警備モードを示す警備モード表示アイコン85が表示されている。当該警備モード表示アイコン85は、例えば、警備区域が警戒モードであれば青色に、そうでなければ黒色に表示される。また、チャット画面80において、当該警備モード表示アイコン85は、ユーザにタップされた場合にチャット画面80をリスト画面70に切替えるためのリスト画面復帰ボタンとしても機能する。
【0087】
図8は、操作画面の例を示した図である。
【0088】
同図に示すように、操作画面90は、上記チャット画面80上でユーザが操作メニューボタン81をタップすることで、例えばチャット画面80にオーバーラップされるように表示される。
【0089】
操作画面90は、例えばタッチパネルを用いたユーザインタフェースとして構成されており、上記チャット画面80と共通で設けられている操作メニューボタン81及び設定メニューボタン82の他、区域内エリア選択ボタン91、状態確認ボタン92、警戒モード設定ボタン93、警戒解除モード設定ボタン94、在室警戒モード設定ボタン95、警備時間変更ボタン96を有する。各ボタンはボタンアイコンとして画面上に表示され、ユーザがそれぞれのボタンアイコン領域をタップすることで各ボタンの選択操作として認識される。
【0090】
区域内エリア選択ボタン91は、個別区域Aiがさらに複数のエリアに分かれて警備されている場合に、警備モードの切替操作対象としてそれらのエリアを選択するためのボタンである。
【0091】
状態確認ボタン92は、個別区域Aiの現在の警備モードの状態を確認するためのボタンである。
【0092】
警戒モード設定ボタン93は、警戒解除モードを警戒モードへ切り替えるためのタップ操作を受け付けるボタンであり、警戒解除ボタン94は警戒モードを警戒解除モードへ切り替えるためのタップ操作を受け付けるボタンである。
【0093】
在室警戒モード設定ボタン95は、現在の警備モードを在室警戒モードへ切り替えるためのタップ操作を受け付けるボタンである。
【0094】
警備時間変更ボタン96は、予めユーザが設定した時刻になっても個別区域Aiの警戒モードがセットされていない場合に、自動的に当該個別区域Aiを警戒モードへ切り替えたり、警備センタからユーザに電話連絡したりする機能に関し、当該設定時刻を変更(延長等)するための操作を受け付けるボタンである。当該警備時間変更ボタン96がタップされると、変更後の設定時刻を入力するための画面が表示され、ユーザは当該画面で上記時刻を変更することができる。
【0095】
以上の各種ボタンがユーザにより操作されると、ユーザ端末200は、警備装置100へ、それらに対応する警備モードへの切替要求信号を送信する。
【0096】
当該操作画面90は、上記操作メニューボタン81の操作によってチャット画面80に切り替わるほか、例えば右上部に設けられた閉じるボタンの操作によってもチャット画面80に切り替わる。
【0097】
なお、警備用アプリケーションを起動する際、又は、操作画面90に切り替える際、ユーザ認証のためのパスコードの入力を促すポップアップが表示され、そこでユーザがパスコードを正しく入力することで各モード設定ボタンの操作が有効となる。ユーザ認証方法は、パスコードに代えて指紋等の生体認証を利用できる。また、ユーザ認証は、操作画面90において各モード設定ボタンが押下された際に行ってもよい。
【0098】
[警備システムの動作]
次に、以上のように構成された警備システムの動作について説明する。当該動作は、警備装置100及びユーザ端末200のCPUや通信部等のハードウェアと、記憶部に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、警備装置100の制御部110及びユーザ端末200の警備アプリケーションまたはCPU21を動作主体とする。
【0099】
図9は、上記警備システムにおける画面切替処理の流れを示したフローチャートである。また図11は、当該フローチャートに対応するユーザ端末200における画面の遷移を示した図である。本実施例では、図9、及び図11において、複数のユーザ端末200のうち、異常発生中の警備対象に設置された警備装置100の警備モードを警戒解除モードに切替える切替操作をしたユーザ端末200をユーザ端末200Aとよび、前記切替操作をしていないユーザ端末200(ユーザ端末200A以外)をユーザ端末200Bとよんでいる。そのため、他の場面においては、ユーザ端末200Aが前記切替操作をしない場合、ユーザ端末200Bとなり、ユーザ端末200Bのうち、前記切替操作したユーザ端末200Bがユーザ端末200Aとなる。
【0100】
同図に示すように、まず、ユーザ端末200A(ユーザ端末(A))のCPU21は、警備アプリケーションに対するユーザの操作に基づいてチャット画面80を表示すると(ステップ91)、当該チャット画面80上で操作メニューボタン81がタップされたか否かを判断する(ステップ92)。
【0101】
上記操作メニューボタン81がタップされたと判断した場合(Yes)、CPU21は、上記チャット画面80上にオーバーラップされるように操作画面90を表示する(ステップ93)。
【0102】
続いてCPU21は、上記操作画面上で、警備モードを警戒解除モードへ切り替える操作(以下、単に解除操作ともいう)が入力されたか(警戒解除モード設定ボタン94がタップされたか)否かを判断する(ステップ94)。
【0103】
上記解除操作が入力されたと判断した場合(Yes)(図11の左側の図参照)、CPU21は、チャット画面80に対応する個別区域Aiについての当該解除操作に対応する切替要求信号を、センタサーバ300を介して警備装置100へ送信する(ステップ95)。
【0104】
またそれと共にCPU21は、操作画面90をチャット画面80に切り替えて、チャット画面80上に上記解除操作に対応するモード操作メッセージ83を追加表示する(ステップ96)(図11の中央の図参照)。
【0105】
上記切替要求信号を受信した警備装置100の制御部110は、当該切替要求信号に対応する区域の警備モードを警戒モードから警戒解除モードへ切り替える(ステップ97)。
【0106】
続いて制御部110は、上記個別区域Ai(または共用区域As)について異常が発生しているか否かを判断する(ステップ98)。
【0107】
異常が発生していると判断した場合(Yes)、制御部110は、上記警戒解除モードへの切替を示すモード切替信号と、上記異常ステータスを示す異常ステータス信号を生成して(ステップ99)、ユーザ端末200Aへ送信する(ステップ101)。また制御部110は、両信号のうちモード切替信号のみを、個別区域Aiに紐付けられた他のユーザ端末200B(ユーザ端末(B))(解除操作を行っていないユーザのユーザ端末)へ送信する(ステップ102)。
【0108】
一方、異常が発生していないと判断した場合(No)、制御部110は、上記警戒解除モードへの切替を示すモード切替信号を生成し(ステップ100)、上記ユーザ端末200A及び200B(個別区域Aiに紐付けられた全てのユーザ端末200)へ送信する(ステップ103)。
【0109】
続いてユーザ端末200AのCPU21は、上記モード切替信号と共に異常ステータス信号を受信したか、それともモード切替信号のみを受信したかを判断する(ステップ104)。
【0110】
モード切替信号と共に異常ステータス信号を受信したと判断した場合(Yes)、CPU21は、モード切替信号からモード切替メッセージ(モードが切替わった区域や切替後のモード、切替操作者等を含む)を特定し(ステップ105)、当該モード切替メッセージをチャット画面80に追加表示する(ステップ106)。
【0111】
続いてCPU21は、上記異常ステータス信号から異常通知メッセージを特定し(ステップ107)、チャット画面80に上記モード切替メッセージに続けて追加表示する(ステップ108)(図11の右側上部の図参照)。
【0112】
図10は、異常ステータス信号が示す異常種別と、それに応じた異常通知メッセージを示した表である。ユーザ端末200の警備アプリケーションは、この表に対応する情報を記憶している。
【0113】
同図に示すように、異常ステータス信号が示す異常種別としては、上記個別区域Aiに侵入者が検知された侵入異常、個別区域Ai(または建物全体)に火災が検知された火災異常、個別区域Aiの(または全区域共用の)設備に異常が検知された設備異常、個別区域Aiの(または全区域共用の)機器に異常が検知された機器異常がある。
【0114】
侵入異常には、異常通知メッセージとして例えば、「不審者が侵入しています。建物から離れてください。」が対応付けられる。火災異常には、異常通知メッセージとして例えば「火災が発生しています。建物から離れてください。」が対応付けられる。設備異常には、異常通知メッセージとして「建物内の設備の異常を検知しました。」が対応付けられる。機器異常には、異常通知メッセージとして「建物内の機器の異常を検知しました。」が対応付けられる。
【0115】
CPU21は、当該対応付けに基づいて異常ステータス信号から異常通知メッセージを特定して表示する。図11の右側上部の図には、異常種別が侵入異常である場合の異常通知メッセージ99の例が示されている。
【0116】
図9に戻り、ステップ104において、モード切替信号のみを受信したと判断した場合(No)、CPU21は、当該モード切替信号からモード切替メッセージを特定し(ステップ109)、当該モード切替メッセージをチャット画面80に追加表示する(ステップ110)。
【0117】
また解除操作を行っていないユーザ端末200Bは、上記モード切替信号からモード切替メッセージを特定し(ステップ111)、当該モード切替メッセージをチャット画面80に追加表示する(ステップ112)(図11の右側中央の図参照)。
【0118】
なお、警備装置100からの上記モード切替信号の送信時に、解除操作を行っていないユーザ端末200Bにおいて警備アプリケーションが起動していない場合には、図11の右側下部の図に示すように、ユーザ端末200Bの表示部(ホーム画面等)に、警備状態が変更された旨のプッシュ通知Pが表示される。
【0119】
また図示しないが、警備モードの切替操作が解除操作でない場合には、ユーザ端末200のCPU21は、当該モードへの切替要求信号を送信すると共に、チャット画面80に切り替えて当該切替操作に応じたモード操作メッセージを表示する。また警備装置100の制御部110は、異常発生中か否かの判断は行わずに、切替要求信号に応じたモード切替信号を生成してユーザ端末200へ送信し、ユーザ端末200のCPU21は、当該モード切替信号からモード切替メッセージを特定してチャット画面80に表示する。
【0120】
なお、警備センタは、異常発生中の建物(個別区域Ai)が解除操作された場合、発生している異常に応じて、警備員を派遣したり、予め登録したその建物(個別区域Ai)の連絡先へ連絡する。または、解除操作をしたユーザから連絡があった場合は、それに応答する。そして、発生している異常に応じて、ユーザに注意喚起を行う。例えば、侵入異常の場合は、侵入者が物件内部等に潜んでいる可能性があるため、建物に近づかないで下さいと注意喚起したり、ユーザの解除ミスにより発生した異常の場合は、入館したユーザが正当なユーザなのか身分確認等を行う。その後、異常が回復した場合は、警備装置100は、センタサーバ300を介して、異常が回復した旨の通知を、異常ステータス信号を送信したユーザ端末200へ送信する。
【0121】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、警備対象の建物の異常発生中にユーザ端末200で警備の解除操作が行われた場合、当該解除操作を行ったユーザのユーザ端末200には、モード切替メッセージに加えて異常通知メッセージを表示することで、解除操作を確認させるだけでなく異常の発生を知らせて危険の回避策等を執らせることができる。一方、異常によって危険が及ぶ可能性の低い、解除操作を行ったユーザ以外のユーザのユーザ端末200には、モード切替メッセージのみ表示して異常発生は知らせないことで当該ユーザが余計な心配をするのを防ぐことができる。
【0122】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0123】
上述の実施形態では、警備装置100は、警備対象の建物(区域)に紐付けられたユーザのうち、解除操作を行ったユーザのユーザ端末200に対してのみ異常ステータス信号を送信していた。しかし、警備装置100は、異常が発生した場合(または異常発生後に上記解除操作があった場合)には、警備対象に紐付けられた全てのユーザのユーザ端末200へ異常ステータス信号を送信してもよい。
【0124】
この場合各ユーザ端末200は、当該異常ステータス信号に基づいて、警備装置100から異常が回復(復旧)した旨の信号が受信されるまで、異常ステータス情報を記憶しておき、当該記憶された異常ステータス情報を基に、異常通知メッセージを表示するか否かを判断してもよい。つまり、解除操作を行ったユーザ端末200は、自端末の解除操作に伴う切替信号を受信したら、切替信号に対応するモード切替メッセージをチャット画面に追加表示するとともに、解除操作した物件の異常ステータス情報を記憶していた場合、異常が発生していると判定して、異常ステータス情報に対応する異常通知メッセージをチャット画面に追加表示する。一方、解除操作を行っていないユーザ端末200は、自端末において解除操作が入力されず切替信号を受信したら、異常通知メッセージは表示せず切替信号に対応するモード切替メッセージを表示する(チャット画面やプッシュ通知Pにて表示)。
【0125】
上述の実施形態では、解除操作を行ったユーザのユーザ端末200においてのみ異常通知メッセージが表示された。しかし、異常通知メッセージは、解除操作を行ったユーザのみならず、警備対象の建物に入館する可能性の高い特定のユーザ群のユーザ端末200においても表示されてもよい。これにより、解除操作したユーザ以外で危険が及ぶ可能性のあるユーザに異常を知らせることができる。
【0126】
例えば、異常発生中に解除操作がされた建物の近傍にいるユーザや、解除操作がされてから異常が回復するまでの間に建物に近づいたユーザのユーザ端末200に異常通知メッセージが表示されてもよい。
【0127】
この場合、各ユーザ端末200は、建物の近傍に自端末が存在するかを判定する位置情報判定手段として、例えばGPS(Global Positioning System)受信装置や建物に設置された機器(Wi-Fiやビーコン等の無線発信機や警備装置100)からの近距離無線通信用の電波を受信する手段を有し、上記異常が発生している建物から所定距離範囲内(例えば数十m以内)の位置情報が取得された、又は、上記異常が発生している建物に設置された機器からの電波を受信したユーザ端末200において異常通知メッセージが表示される。
【0128】
解除操作がされてから異常が回復するまでの間に建物に近づいたユーザのユーザ端末200に異常通知メッセージを表示する場合には、各ユーザ端末200は、上述したように異常ステータス信号が予め警備装置100から受信されて記憶された状態において、上記位置情報判定手段によって上記建物からの距離が上記所定距離範囲以下となったことが検知された場合に、記憶された異常ステータス情報を基にチャット画面80に異常通知メッセージを追加表示する。なお、ユーザ端末200が自身の位置情報を定期的に警備装置100に送信したり、近距離無線通信用の電波を受信した場合、及び、受信しなくなった場合に、その旨を示す情報を警備装置100に送信することで、警備装置100側で、ユーザ端末200のうち、建物の近傍に存在するユーザ端末200を判定して(警備装置100が位置判定手段を備え)、建物の近傍に存在するユーザ端末200へ異常情報を送信してもよい。
【0129】
また、建物の異常発生中に解除操作がされた時点で、当該建物の警備モードを遠隔操作する警備アプリケーションを起動しており警備モードを示す情報にアクセスしている他のユーザや、上記解除操作後、異常回復前に当該警備アプリケーションを起動して警備モードを示す情報にアクセスした他のユーザのユーザ端末200にも異常通知メッセージが表示されてもよい。
【0130】
具体的には、各ユーザ端末200は、上記建物の異常発生中の解除操作後に、上記アプリケーションによって現在の警備モードを示す情報が表示された場合(例えば、上記リスト画面70またはチャット画面80が表示された場合や、上記操作画面90上で状態確認ボタン92が押下操作された場合、解除操作時点で上記情報が表示されている場合を含む)、上記記憶された異常ステータス情報を基にチャット画面80に異常通知メッセージを追加表示する。またユーザ端末200は、記憶した異常ステータス情報を基に異常通知メッセージを表示するのではなく、上記アプリケーションによって現在の警備モードを示す情報が表示される度に、警備装置100に建物(警備区域)の現状態を確認して、異常ステータス情報を受信してもよい。その場合、警備装置100は、現状態の確認要求をしたユーザ端末200に対し、異常が発生していた場合は異常ステータス情報を送信し、ユーザ端末200は、受信した異常ステータス情報を基に、異常通知メッセージを表示する。
【0131】
異常が建物の特定の個別区域Aiのみに発生している場合には、当該個別区域Aiの現在の警備モードを示す情報(例えば当該個別区域Aiのチャット画面80)が表示された場合に当該個別区域Aiに紐付けられたユーザのユーザ端末200に異常通知メッセージが表示される。
【0132】
また、上記異常が発生した建物(区域)の管理者権限を有するユーザのユーザ端末200にも、同様に異常通知メッセージが表示されてもよい。
【0133】
なお、解除操作をしていないユーザ端末200のうち、特定のユーザ群に異常通知メッセージを通知する際に、特定のユーザ群のユーザ端末200において警備アプリケーションが起動していない場合には、図11の右側下部の図のように、特定のユーザ群のユーザ端末200Bの表示部(ホーム画面等)に、異常が発生している旨のプッシュ通知Pが表示される。
【0134】
上述の実施形態では、警備装置100は、異常発生中の物件の警備モードが警戒解除モードに切替られた場合、解除操作を行ったユーザ端末200(に加えて特定のユーザ群のユーザ端末200)に切替信号及び異常ステータス信号を送信し、解除操作を行っていないユーザ端末200には切替信号を送信していたが、警備装置100は、切替信号及び異常ステータス信号をセンタサーバ300に送信し、センタサーバ300が、解除操作を行ったユーザ端末200(に加えて特定のユーザ群のユーザ端末200)に切替信号及び異常ステータス信号を送信し、解除操作を行っていないユーザ端末200には切替信号のみを送信してもよい。
【0135】
上述の実施形態では、ユーザ端末200は、図10に示すように、発生中の異常の種別に応じて、上記異常通知メッセージの内容を異ならせていた。この場合さらにユーザ端末200は、異常の種別に応じて、異常通知メッセージの表示の要否を決定してもよい。
【0136】
例えば、侵入異常、火災異常については異常通知メッセージの通知が必要と判断されるが、設備異常、機器異常については、入館するユーザに関係のない異常である場合が多いため、異常通知メッセージの通知が不要と判断されてもよい。
【0137】
また、押込異常(警備モードがセットに切替えられてから、所定時間以内に異常が検知された場合の異常。具体的には、建物の入り口のセンサが、セット切替後の所定時間以内に検知した場合は、押込異常と判定する。)が発生している場合には、ユーザが侵入者に襲われている可能性が高いため、侵入者に刺激を与えないためにも、ユーザ端末200は、解除操作があっても異常通知メッセージを表示しないようにしてもよい。
【0138】
また、ユーザ端末200ではなく警備装置100でカードによって解除操作がされた場合に、警備装置100が、解除操作したユーザをカードIDから特定し、当該ユーザ及び上述したような他の特定のユーザ(位置情報やアプリケーションの表示状況によって特定されるユーザ)のユーザ端末200に異常ステータス信号を送信し、各ユーザ端末200がそれに基づいて異常通知メッセージを表示してもよい。
【0139】
上述の実施形態では、警備アプリケーションは、異常ステータス信号が示す異常の種別に基づいて異なる異常通知メッセージを特定し表示していたが、異常のステータス信号が示す異常種別は1種類しか存在せず、異常通知メッセージとして1つの異常通知メッセージ(例えば、「異常が発生してます。」)が表示されてもよい。
【0140】
上述の実施形態では、異常通知メッセージとして異常が発生中であることを示すメッセージが表示されたが、異常の通知に加えて、警備会社との連絡を督促する督促メッセージが表示されてもよい。督促メッセージとしては、例えば、「異常が発生しています。警備会社に連絡してください。(TEL:〇〇‐〇〇〇〇‐〇〇〇〇)」または「異常が発生しています。警備会社からの連絡に応答してください。」といったものが想定される。
【0141】
例えば異常発生直後に解除操作があった場合には、当該異常はユーザの解除ミス(解除操作を行わずに建物や区域に進入した)の可能性が高いが、このような場合に督促メッセージを表示することによって、警備会社と当該ユーザとの確認連絡を確実化することができる。
【0142】
上述の実施形態では、解除操作の入力による切替要求信号を警備装置100が受信した場合、警戒解除モードに切替えていたが、警備装置100は、切替要求信号を受信した場合に警戒解除モードに切り替えられるか否かを判定してもよい。警備装置100は、警戒解除モードに切替られない場合(例えば、警備モードが、定期点検等を行うための保守モードである場合など)は、モード切替ができなかったことを示す切替信号をユーザ端末100に送信し、ユーザ端末100はチャット画面に、切替信号に対応したメッセージ「警戒解除モードに変更できませんでした」等を追加表示する。このとき、ユーザ端末200は、警戒解除モードに切り替えていないため、切替要求信号に対応した物件が異常発生中であったとしても、異常通知メッセージはチャット画面に表示しなくてもよい。警備装置100は、上述のように警備モードを切替えたとしても切替えられなかったとしても、切替要求信号に応じて警備モード切替処理を行った切替結果を示す切替信号を送信する。
【0143】
上述の実施形態では、警備装置100が警備対象Tに設置された各種センサ10の検知結果から異常の有無などを判定していたが、警備対象Tには各種センサ10のみを設置し、警備装置100の機能をセンタサーバ300が担っても良い。
【0144】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「表示方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「表示方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0145】
21…CPU
28…記憶部
29…通信部
70…リスト画面
71…表示欄
74…最新メッセージ
80…チャット画面
83…モード操作メッセージ
84…モード切替メッセージ
90…操作画面
99…異常通知メッセージ
100…警備装置
101…主装置
110…制御部
170…通信インタフェース
200…ユーザ端末
300…センタサーバ
T…警備対象
As…共用区域
Ai…個別区域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11