(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20241219BHJP
G06Q 30/0283 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
G06Q30/04
G06Q30/0283
(21)【出願番号】P 2023132648
(22)【出願日】2023-08-16
(62)【分割の表示】P 2022143947の分割
【原出願日】2022-09-09
【審査請求日】2024-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 政晃
(72)【発明者】
【氏名】畑川 養幸
(72)【発明者】
【氏名】蕨野 貴之
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/210166(WO,A1)
【文献】特開2005-100153(JP,A)
【文献】特開2022-19590(JP,A)
【文献】国際公開第03/014990(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/245817(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行するロボットがエレベータを利用するために前記エレベータを制御するエレベータ制御部と、
前記ロボットのために前記エレベータを制御したときの制御内容を含む制御履歴を、前記ロボットを特定するためのロボット識別情報及び前記ロボットを使用してサービスを提供する事業者を特定するための事業者識別情報の少なくともいずれか一方と紐づけて記憶する制御履歴記憶部と、
前記制御履歴に含まれる前記エレベータの制御内容に基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出する料金算出部と、
有する情報処理装置。
【請求項2】
前記料金算出部は、前記エレベータの制御内容と、制御内容ごとに設定された利用料金とを関連付けた利用料金テーブルを参照し、前記制御履歴に含まれる前記エレベータの制御内容に基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ロボットのロボット識別情報と、前記エレベータの利用内容と、を含む利用要求を取得する利用要求取得部をさらに有し、
前記エレベータ制御部は、前記利用要求取得部が取得した前記利用要求に基づいて前記エレベータの制御内容を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記エレベータ制御部は、前記ロボットの優先度が高いほど該ロボットが利用する前記エレベータを優先的に制御し、
前記料金算出部は、前記ロボットの優先度が高いほど利用料金を高く算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ロボットが、前記エレベータ制御部が制御した前記エレベータを利用したか否かを示す利用結果情報を取得する利用結果情報取得部をさらに有し、
前記制御履歴記憶部は、前記利用結果情報をさらに紐づけた前記制御履歴を記憶し、
前記料金算出部は、前記制御履歴が前記エレベータ制御部により制御された前記エレベータを前記ロボットが利用しなかったことを示す場合に、当該制御履歴については課金しないよう前記エレベータの利用料金を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ロボット識別情報に対応するロボットが提供するサービスの種別を取得するロボット情報取得部をさらに有し、
前記料金算出部は、前記制御履歴に含まれる前記ロボット識別情報に対応するロボットが提供するサービスの種別にさらに基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御履歴記憶部は、制御した前記エレベータを識別するエレベータ識別情報をさらに紐づけた前記エレベータの前記制御履歴を記憶し、
前記料金算出部は、前記制御履歴に含まれる前記ロボットが利用した前記エレベータの種別にさらに基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ロボット識別情報に対応するロボットの重量又はサイズを取得するロボット情報取得部をさらに有し、
前記料金算出部は、前記制御履歴に含まれる前記ロボット識別情報に対応するロボットの重量又はサイズにさらに基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記料金算出部は、前記ロボットが複数の異なるロボットと同時に前記エレベータを利用した場合に、前記エレベータの利用料金を同乗したロボットによるエレベータの利用態様に基づいて按分して利用料金を算出する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御履歴記憶部は、前記エレベータを制御した日時をさらに紐づけた前記エレベータの前記制御履歴を記憶し、
前記料金算出部は、前記エレベータを利用した曜日又は時間帯にさらに基づいて前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記エレベータが稼働した日時と前記日時における前記エレベータの稼働状況とを関連付けて取得する稼働状況取得部をさらに有し、
前記制御履歴記憶部は、前記エレベータを制御した日時をさらに紐づけた前記エレベータの前記制御履歴を記憶し、
前記料金算出部は、前記制御履歴に含まれる前記エレベータを制御した日時における前記稼働状況にさらに基づいて前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
自律走行するロボットがエレベータを利用するために前記エレベータを制御するステップと、
前記ロボットのために前記エレベータを制御したときの制御内容を含む制御履歴を、前記ロボットを特定するためのロボット識別情報、及び前記ロボットを使用してサービスを提供する事業者を特定するための事業者識別情報の少なくともいずれか一方と紐づけて記憶させるステップと、
前記制御履歴に含まれる前記エレベータの制御内容に基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
請求項12に記載の情報処理方法を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行するロボットをエレベータに乗降させるようロボットに代わってエレベータの戸を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ロボットに変わってエレベータを制御するためのコストが大きくなり、エレベータを利用するロボットを運用する者にコストを負担させることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ロボットがエレベータを利用した量に応じて課金できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、自律走行するロボットがエレベータを利用するために前記エレベータを制御するエレベータ制御部と、前記ロボットのために前記エレベータを制御したときの制御内容を含む制御履歴を、前記ロボットを特定するためのロボット識別情報及び前記ロボットを使用してサービスを提供する事業者を特定するための事業者識別情報の少なくともいずれか一方と紐づけて記憶する制御履歴記憶部と、前記制御履歴に含まれる前記エレベータの制御内容に基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出する料金算出部と、有する。
【0007】
前記料金算出部は、前記エレベータの制御内容と、制御内容ごとに設定された利用料金とを関連付けた利用料金テーブルを参照し、前記制御履歴に含まれる前記エレベータの制御内容に基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出してもよい。
【0008】
前記ロボットのロボット識別情報と、前記エレベータの利用内容と、を含む利用要求を取得する利用要求取得部をさらに有し、前記エレベータ制御部は、前記利用要求取得部が取得した前記利用要求に基づいて前記エレベータの制御内容を特定してもよい。
【0009】
前記エレベータ制御部は、前記ロボットの優先度が高いほど該ロボットが利用する前記エレベータを優先的に制御し、前記料金算出部は、前記ロボットの優先度が高いほど利用料金を高く算出してもよい。
【0010】
前記ロボットが、前記エレベータ制御部が制御した前記エレベータを利用したか否かを示す利用結果情報を取得する利用結果情報取得部をさらに有し、前記制御履歴記憶部は、前記利用結果情報をさらに紐づけた前記制御履歴を記憶し、前記料金算出部は、前記制御履歴が前記エレベータ制御部により制御された前記エレベータを前記ロボットが利用しなかったことを示す場合に、当該制御履歴については課金しないよう前記エレベータの利用料金を算出してもよい。
【0011】
前記ロボット識別情報に対応するロボットが提供するサービスの種別を取得するロボット情報取得部をさらに有し、前記料金算出部は、前記制御履歴に含まれる前記ロボット識別情報に対応するロボットが提供するサービスの種別にさらに基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出してもよい。
【0012】
前記制御履歴記憶部は、制御した前記エレベータを識別するエレベータ識別情報をさらに紐づけた前記エレベータの前記制御履歴を記憶し、前記料金算出部は、前記制御履歴に含まれる前記ロボットが利用した前記エレベータの種別にさらに基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出してもよい。
【0013】
前記ロボット識別情報に対応するロボットの重量又はサイズを取得するロボット情報取得部をさらに有し、前記料金算出部は、前記制御履歴に含まれる前記ロボット識別情報に対応するロボットの重量又はサイズにさらに基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出してもよい。
【0014】
前記料金算出部は、前記ロボットが複数の異なるロボットと同時に前記エレベータを利用した場合に、前記エレベータの利用料金を同乗したロボットによるエレベータの利用態様に基づいて按分して利用料金を算出してもよい。
【0015】
前記制御履歴記憶部は、前記エレベータを制御した日時をさらに紐づけた前記エレベータの前記制御履歴を記憶し、前記料金算出部は、前記エレベータを利用した曜日又は時間帯にさらに基づいて前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出してもよい。
【0016】
前記エレベータが稼働した日時と前記日時における前記エレベータの稼働状況とを関連付けて取得する稼働状況取得部をさらに有し、前記制御履歴記憶部は、前記エレベータを制御した日時をさらに紐づけた前記エレベータの前記制御履歴を記憶し、前記料金算出部は、前記制御履歴に含まれる前記エレベータを制御した日時における前記稼働状況にさらに基づいて前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、自律走行するロボットがエレベータを利用するために前記エレベータを制御するステップと、前記ロボットのために前記エレベータを制御したときの制御内容を含む制御履歴を、前記ロボットを特定するためのロボット識別情報、及び前記ロボットを使用してサービスを提供する事業者を特定するための事業者識別情報の少なくともいずれか一方と紐づけて記憶させるステップと、前記制御履歴に含まれる前記エレベータの制御内容に基づいて、前記ロボットが利用した前記エレベータの利用料金を算出するステップと、を有する。
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、前記情報処理方法を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ロボットがエレベータを利用した量に応じて課金できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。
【
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図3】記憶部12が記憶する制御履歴のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】記憶部12が記憶する利用料金テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】記憶部12が記憶する制御履歴のデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】記憶部12が記憶する利用料金テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】記憶部12が記憶する利用料金テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図8】記憶部12が記憶する利用料金テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図9】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[情報処理システムSの概要]
図1は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは、ロボット2がエレベータを利用するために、ロボット2又はロボット管理サーバ3とエレベータとの制御信号のやり取りを中継し、エレベータを制御するためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1、ロボット2、ロボット管理サーバ3、エレベータ制御装置4を有する。なお、情報処理装置1とロボット管理サーバ3とは一体に構成されていてもよい。
【0021】
情報処理装置1は、エレベータを利用するロボット2又はロボット管理サーバ3とエレベータ制御装置4との情報のやり取りを中継する装置である。情報処理装置1は、ロボット2がエレベータを利用した利用量又は利用内容に基づいて利用料金を算出し、ロボット2を使用してサービスを提供する事業者に利用料金を課金する。
【0022】
ロボット2は、自律走行するロボットである。ロボット2は、情報処理装置1とエレベータの利用に関するデータを送受信し、ロボット管理サーバ3と作業内容及び作業結果を示すデータを送受信する。
【0023】
ロボット管理サーバ3は、ロボット2を利用する事業者がロボット2を管理するために利用するサーバである。ロボット管理サーバ3は、例えば、作業内容の指示をロボット2に送信し、作業結果をロボット2から受信する。また、ロボット管理サーバ3は、情報処理装置1からロボット2がエレベータを利用した利用料金を示す情報を情報処理装置1から取得する。
【0024】
エレベータ制御装置4は、エレベータを制御する装置である。一例として、エレベータ制御装置4は、ゲートウェイとして機能し、情報処理装置1から受信した制御情報を電気的な制御信号に変換し、エレベータを制御してもよい。また、エレベータ制御装置4は、エレベータのリレー制御盤であり、情報処理装置1から受信した制御するための電気的な制御信号をエレベータへ中継してもよい。
【0025】
情報処理システムSにおける処理について説明する。ロボット管理サーバ3はロボット2に作業指示を送信する(
図1における(1))。作業指示は、ロボット2の行先や作業内容を示す情報である。作業指示は、ロボット管理サーバ3から情報処理装置1を経由してロボット2に送信されてもよい。ロボット2は、利用要求を送信する(
図1における(2))。利用要求は、エレベータの利用を要求することを示す情報である。利用要求は、一例として事業者を示す事業者ID(Identification)、ロボット2を示すロボットID、ロボット2の乗車地点、降車地点を含む。なお、ロボット管理サーバ3が利用要求を送信してもよい。
【0026】
情報処理装置1は、制御情報をエレベータ制御装置4に送信する(
図1における(3))。制御情報は、エレベータを制御するための情報である。制御情報は、エレベータを制御するための制御信号でもよい。エレベータ制御装置4は、エレベータを制御し、制御結果を情報処理装置1に送信する(
図1における(4))。制御結果は、制御情報に基づいてエレベータを制御した内容、制御したエレベータにロボット2が乗車したか否か又は制御したエレベータにロボット2が乗車した時間を示す情報である。
【0027】
情報処理装置1は、エレベータを制御した内容に基づいてロボット2がエレベータを利用した利用料金を算出する(
図1における(5))。情報処理装置1は、算出した利用料金をロボット管理サーバ3に通知する(
図1における(6))。
【0028】
情報処理システムSがこのように構成されることで、ロボット2がエレベータを利用した量及び利用した内容に応じて利用料金を課金することができるという効果を奏する。
図1においては、利用要求に基づいて情報処理装置1がエレベータを制御する例について説明したが、これに限定されない。情報処理装置1は、例えば、ロボット2がエレベータに接近したことを検出したことを条件として、エレベータを制御してもよい。
【0029】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12、制御部13を有する。制御部13は、エレベータ制御部131、料金算出部132、利用要求取得部133、利用結果情報取得部134、ロボット情報取得部135及び稼働状況取得部136を有する。
【0030】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、制御履歴記憶部として機能する。記憶部12は、エレベータの制御内容と利用料金との関係を示す利用料金テーブルを記憶していてもよい。
【0031】
記憶部12は、エレベータの制御履歴を、ロボット2を特定するためのロボットID(ロボット識別情報とも言う)と紐づけて記憶する。
図3は、記憶部12が記憶する制御履歴のデータ構造の一例を示す図である。制御履歴においては、「ロボット情報」、「利用要求」、「制御結果」及び「利用結果」を含む。「ロボット情報」は、エレベータを利用したロボット2に関する情報である。「ロボット情報」は、「事業者ID」、及び「ロボットID」を含む。「事業者ID」は、ロボット2を使用する事業者を識別するID(Identification)である。「ロボットID」は、ロボット2を識別するIDである。
【0032】
「制御結果」は、エレベータ制御部131がエレベータに対して制御した内容を示す。「制御結果」は、「制御ID」、「制御対象」及び「制御内容」を含む。「制御ID」は、エレベータを制御したイベントを識別するIDである。「制御対象」は、制御したエレベータを示す。「制御対象」は例えば制御対象のエレベータのエレベータID(エレベータ識別情報とも言う)を含む。「制御内容」は、エレベータを制御した内容であり、一例として、「2階でエレベータのドアを開いたこと」、「2階から7階にエレベータを昇降させたこと」、「7階でエレベータのドアを開いたこと」等を示す情報を含む。「制御結果」にはさらに、エレベータを昇降させた時間やドアを開閉させた時間が含まれていてもよい。
【0033】
「利用要求」は、後述する利用要求に含まれる情報である。「利用要求」は、「要求ID」及び「要求内容」を含む。「要求ID」は、後述する利用要求を識別するIDである。「要求内容」は、利用要求において受け付けたエレベータの利用内容を示す情報である。「利用結果」については後述する。
【0034】
図2に戻り、制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、エレベータ制御部131、料金算出部132、利用要求取得部133、利用結果情報取得部134、ロボット情報取得部135及び稼働状況取得部136として機能する。
【0035】
エレベータ制御部131は、自律走行するロボット2がエレベータを利用するためにエレベータを制御する。エレベータ制御部131は、例えば、ロボット2をエレベータに乗車させるためにエレベータのドアの開閉を制御し、又は、エレベータをロボット2の行先へ移動させるよう制御する。エレベータ制御部131は、エレベータ制御装置4に対して制御情報を送信する。制御情報は、「制御ID」、「制御対象」、「制御内容」を含む。エレベータ制御部131は、エレベータを制御した内容を制御履歴として、記憶部12に記憶させる。エレベータ制御部131は、エレベータを昇降させた時間やドアを開閉させた時間をさらに制御履歴として記憶させてもよい。なお、エレベータ制御部131は、エレベータに制御信号を直接送信することで制御してもよいし、制御信号を中継するリレー制御盤を経由してエレベータを制御してもよい。
【0036】
エレベータ制御部131は、ロボット2が乗車又は降車したことを示す情報を、エレベータ制御装置4又はロボット2から取得し、取得したロボット2が乗車又は降車したことを示す情報にさらに基づいてエレベータを制御してもよい。すなわち、エレベータ制御部131は、ドアを開くよう制御した後、エレベータに乗車させるロボット2が乗車したことを検出した場合に、エレベータをロボット2の行先に移動させるよう制御してもよい。
【0037】
一例として、記憶部12においてロボット2の行先や利用内容が設定されている場合は、エレベータ制御部131は、ロボット2がエレベータへ接近したことを検出したことを条件として、エレベータを制御してもよい。一例として、利用要求取得部133は、エレベータフロアに設置されたカメラ又はセンサからロボット2が到来したことを示す情報を取得する。この場合のロボット2が到来したことを示す情報は、ロボットIDを含む。そして、エレベータ制御部131は、エレベータをロボット2が到来した階へ移動させ、ロボット2を乗車させた後、エレベータをロボット2の行先として設定された階へ移動させるよう制御する。
【0038】
料金算出部132は、制御履歴に基づいてロボット2が利用したエレベータの利用料金を算出する。料金算出部132は一例として、記憶部12が記憶する利用料金テーブルを参照し、エレベータを制御した内容に利用料金テーブルにおいて対応する利用料金を特定する。
図4は、記憶部12が記憶する利用料金テーブルのデータ構造の一例を示す図である。利用料金テーブルはエレベータの「制御内容」と「利用料金」とが関連付けられている。「制御内容」は、
図3に示す制御履歴における「制御内容」に対応する。一例として、
図4に示す利用料金テーブルの1行目のレコードは、ドア開(ドアの開閉)1回につき、10円の利用料金であることを示している。また、利用料金テーブルの2行目のレコードは、ドアの開閉に要した時間の利用料金が1秒につき1円であることを示している。料金算出部132は、エレベータを制御した都度利用料金を算出してもよいし、日次、週次、月次等の粒度で所定のタイミングにおいてまとめて算出してもよい。
【0039】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ロボット2がエレベータを利用した量及び利用内容に応じて、エレベータの管理に要するコストをロボット2の管理者又は利用者に転嫁する際の料金を定めることができる。
【0040】
[利用要求に基づく制御]
利用要求取得部133は、ロボット2のロボットIDと、エレベータの利用内容と、を含む利用要求を取得する。利用要求は、一例として、ロボットID、要求ID及び要求内容を含む。利用要求は、制御対象のエレベータを示す情報をさらに含んでいてもよい。要求IDは、利用要求を識別するIDである。要求内容は、ロボット2がエレベータを利用する内容を示す情報である。利用要求取得部133は、ロボット管理サーバ3から利用要求を取得してもよいし、ロボット2から利用要求を取得してもよい。
【0041】
利用要求取得部133は、取得した利用要求を、記憶部12が記憶する制御履歴に記憶させる。この場合、
図3に示す制御履歴における「要求ID」及び「要求内容」は、利用要求取得部133が取得した利用要求に含まれる要求ID及び要求内容に対応する。なお、要求内容は、「上りエレベータを2階へ移動させる」、「2階でドアを開く」、「7階へ移動させる」及び「7階でドアを開く」等のように個々のエレベータの動作ごとに表現されていてもよい。
【0042】
エレベータ制御部131は、利用要求取得部133が取得した利用要求に基づいてエレベータを制御する。一例として、利用要求取得部133が「2階から7階へ移動」することを示す利用要求を受け取った場合、エレベータ制御部131は、「上りのエレベータを2階で停車させる」制御、「2階でエレベータのドアを開く」制御、「エレベータを7階へ移動させる」制御及び「7階でドアを開く」制御をする。エレベータ制御部131は、上記の制御に加え、「ドアを開き続ける」という制御をしてもよい。
【0043】
料金算出部132は、制御履歴又は利用要求に基づいてロボット2が利用したエレベータの利用料金を算出する。すなわち、料金算出部132は、制御結果に基づいて利用料金を算出してもよいし、利用要求に含まれるエレベータの要求内容に基づいて利用料金を算出してもよい。
【0044】
[利用結果に応じた利用料金の算出]
ところで、ロボット2がエレベータを利用した結果に応じて利用料金を算出するよう情報処理装置1が構成されることで、利用量に応じたコストを、ロボット2を使用する事業者に転嫁することが可能となる。利用結果情報取得部134は、ロボット2が、エレベータ制御部131が制御したエレベータを利用したか否かを示す利用結果情報を取得する。
【0045】
一例として、エレベータ制御装置4は、エレベータに設置されたセンサ(例えば重量センサ)によりロボット2の乗車有無を検出し、乗車時間を特定する。エレベータ制御装置4は、検出した乗車有無及び特定した乗車時間と、制御IDと、を関連付けた利用結果情報を生成し、情報処理装置1に送信する。なお、エレベータ制御装置4は、エレベータに設置されたカメラにより撮像された画像又は映像を画像解析することでロボット2の乗車有無を検出し、乗車時間を特定してもよい。利用結果情報取得部134は、取得した利用結果情報に含まれる制御IDに対応する制御履歴に、取得した利用結果情報を関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0046】
なお、利用結果情報取得部134は、エレベータに乗車したロボット2又はロボット管理サーバ3から利用結果情報を取得してもよい。この場合は、利用結果情報においては利用要求IDと乗車有無及び乗車時間とが関連付けられている。利用結果情報取得部134は、利用結果情報に含まれる利用要求IDに基づいて対応する制御履歴と、取得した利用結果情報に含まれる乗車有無を示すデータ及び乗車時間を示すデータと、を関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0047】
制御履歴記憶部12は、利用結果情報をさらに紐づけた制御履歴を記憶する。
図3に示す制御履歴においては、「利用結果」として、「乗車有無」及び「乗車時間」が関連付けて記憶されている。「乗車有無」が「〇」であれば、当該制御履歴において制御したエレベータにロボット2が乗車したことを示し、「乗車有無」が「×」であれば、当該制御履歴が制御したエレベータにロボット2が乗車しなかったことを示す。「乗車時間」は、ロボット2がエレベータに乗車した場合において、ロボット2がエレベータを利用した時間(例えばドアの開閉に要した時間、昇降に要した時間)を示す。
【0048】
料金算出部132は、制御履歴がエレベータ制御部131により制御されたエレベータをロボット2が利用しなかったことを示す場合に、当該制御履歴については課金しないようエレベータの利用料金を算出する。すなわち、料金算出部132は、制御履歴に含まれる「乗車有無」が「〇」であれば、当該制御履歴に基づいて利用料金を算出し、制御履歴に含まれる「乗車有無」が「×」であれば、当該制御履歴に基づいて利用料金が発生しないものとして利用料金を算出する。なお、利用結果情報においては、乗車有無を含まないものとして構成されてもよい。この場合、ロボットがエレベータに乗車しなかった場合は例えば乗車時間を0とした利用結果情報を取得する。
【0049】
また、ロボット2がエレベータを利用しない場合においても(例えば利用結果情報に含まれる乗車有無が「×」の場合)、ロボット2のためにエレベータを制御している場合は利用料金を算出してもよい。この場合、利用結果情報における乗車時間は、ロボットが利用を開始する地点までエレベータを昇降させた時間及びロボットが利用を開始する地点においてドアを開閉させた時間を示す。料金算出部132は、取得した利用結果情報に含まれる乗車時間に基づいて利用料金を算出してもよい。
【0050】
ところで、同時期に複数のロボット2から共通する区間についてのエレベータの利用要求があった場合に、複数のロボット2をエレベータに同乗させるよう制御する場合がある。このような場合に利用したロボット2の利用態様に応じて利用料金を按分して算出するよう情報処理装置1が構成されることで、公平にコストを転嫁することができる。
【0051】
この場合、エレベータ制御部131は、それぞれのロボット2から取得した利用要求に基づいてエレベータを制御し、同時に乗車させた他のロボット2に対応する制御IDを、それぞれの制御履歴に関連付けて記憶する。
図5は、この場合に記憶部12が記憶する制御履歴のデータ構造の一例を示す。
図5に示す制御履歴においては、「制御ID(同乗)」をさらに含む。「制御ID(同乗)」は、複数のロボット2を同時に乗車させた場合において、同乗したロボット2の対応する制御履歴を示す制御IDである。すなわち、制御IDがC101及びC102の制御履歴はそれぞれ、制御IDがC401及びC402の制御履歴と同時に制御されたことを示す。
【0052】
料金算出部132は、ロボット2が複数の異なるロボット2と同時にエレベータを利用した場合に、エレベータの利用料金を、同乗したロボット2によるエレベータの利用態様に基づいて按分して利用料金を算出する。一例として、料金算出部132は、ロボット2が利用した区間に基づいて利用料金を按分する。例えば、料金算出部132は、「制御ID」がC102の制御履歴の「制御ID(同乗)」がC402であるため、C102の利用料金とC402の利用料金とを按分することを特定する。そして、料金算出部132は、C102の制御履歴において、「ロボットRB001が2階から7階へ5階分移動」した際、C102に対応するC402の制御履歴において「ロボットRB004が2階から5階の区間において3階分移動」したことを特定する。
【0053】
この場合、5階分の利用料金のうちの8分の5をロボットRB001の負担分とし、5階分の利用料金のうちの8分の3をRB002の負担分として利用料金を算出する。料金算出部132は、ロボット2のサイズやサービス等に基づいて定まる比率に基づいて利用料金を按分してもよい。また、料金算出部132は、同時に利用したロボット2の台数に応じて利用料金を按分してもよい。
【0054】
また、上記の例においては、ロボットRB001とロボットRB002が同乗した区間の料金を按分してもよい。すなわち、(3/5)×(1/2)+(2/5)=(7/10)であるため、5階分の利用料金の10分の7をRB001の負担分とし、(3/5)×(1/2)=(3/10)であるため、5階分の利用料金の10分の3をRB002の負担分として利用料金を算出してもよい。
【0055】
[利用内容に応じた利用料金の算出]
ところで、事業者にとって緊急性が高い状況など、エレベータをロボット2に優先的に利用させたい場合がある。このような場合に優先的にエレベータを利用させた分のコストを受益した事業者に転嫁するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0056】
一例として記憶部12は、ロボット2ごとの優先度を記憶しており、エレベータ制御部131は、記憶部12を参照し、ロボット2に対応する優先度を特定してもよい。また、利用要求にロボット2の優先度が含まれていてもよい。
【0057】
エレベータ制御部131は、ロボット2の優先度が高いほど該ロボット2が利用するエレベータを優先的に制御する。一例として、利用要求取得部133が複数の利用要求を受信した場合に、優先度が高い順に利用要求を処理し、利用要求に基づいてエレベータを制御する。エレベータ制御部131は、ロボット2の優先度をさらに制御履歴に記憶させてもよい。
【0058】
料金算出部132は、ロボット2の優先度が高いほど利用料金を高く算出する。一例として記憶部12が記憶する利用料金テーブルにおいては、エレベータの制御内容が同じ場合に優先度が高いほど利用料金が高額となるよう利用料金が設定されていてもよい。料金算出部132は、エレベータの制御内容とロボット2の優先度に利用料金テーブルにおいて対応する利用料金を特定する。
【0059】
ところで、エレベータの種別に応じて利用料金が異なるよう算出することで、利用したエレベータの種別に応じたコストを、ロボット2を使用する事業者に転嫁できるよう情報処理装置1が構成されてもよい。エレベータの種別は、例えばエレベータの用途(ロボット専用、貨物用又は人とロボットの共用)、サイズ、積載重量等である。
【0060】
一例として、記憶部12においては、ロボット2のサイズ、重量又は提供するサービス等と、エレベータの種別を関連付けた情報が記憶されている。エレベータ制御部131は、ロボット2のサイズ、重量、提供するサービス等に基づいてエレベータの種別を決定してもよい。また、記憶部12は、ロボットIDとロボット2が利用するエレベータの種別とを関連付けた情報を記憶しており、エレベータ制御部131はロボットIDに基づいてエレベータの種別を決定してもよい。また、利用要求取得部133が取得する利用要求に配車するエレベータの種別が含まれており、エレベータ制御部131は利用要求に含まれる配車するエレベータの種別に基づいてエレベータの種別を特定してもよい。
【0061】
そして、エレベータ制御部131は、制御対象のエレベータIDを含む制御情報を送信し、エレベータ制御部131は、エレベータを制御した内容を制御履歴として、記憶部12に記憶させる。
【0062】
料金算出部132は、制御履歴に含まれるロボット2が利用したエレベータの種別に基づいて、ロボット2が利用したエレベータの利用料金を算出する。
図6は、この場合に記憶部12が記憶する利用料金テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6に示す利用料金テーブルにおいては、エレベータの種別と制御内容ごとに異なる利用料金が設定されている。一例として、エレベータの用途がロボット専用、貨物用、共用の順に利用料金が高くなるよう設定されている。また、人や貨物の往来を優先したい場合、共用、貨物用、ロボット専用の順に利用料金が高くなるよう設定されてもよい。
【0063】
料金算出部132は、制御したエレベータの種別と制御内容とに基づいて、記憶部12が記憶する利用料金テーブルを参照し、利用料金を算出する。料金算出部132は、制御履歴に含まれるエレベータIDに基づいてエレベータの種別を特定してもよい。
【0064】
また、ロボット2の重量や、大きさに基づいて利用料金を算出するよう情報処理装置1が構成されてもよい。ロボット情報取得部135は、ロボットIDに対応するロボット2の重量又はサイズを取得する。ロボット情報取得部135は、一例として、利用要求に含まれるロボットIDに対応するロボット2のサイズ又は重量を取得する。一例としてロボット情報取得部135は、ロボット管理サーバ3にロボットIDに対応するロボット2のサイズ又は重量を問い合わせてもよい。ロボット情報取得部135は、記憶部12が記憶するロボット2のサイズ又は重量を取得してもよい。なお、利用要求にロボットIDに加えてロボット2の重量又はサイズが含まれていてもよい。この場合、料金算出部132は、利用要求に含まれるロボット2の重量又はサイズに基づいて利用料金を算出する。
【0065】
料金算出部132は、制御履歴に含まれるロボットIDに対応するロボット2の重量又はサイズにさらに基づいて、ロボット2が利用したエレベータの利用料金を算出する。
図7は、この場合に記憶部12が記憶する利用料金テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7に示す利用料金テーブルにおいては、ロボット2のサイズごとに異なる利用料金が設定されている。ロボット2のサイズは一例として「S」、「M」、「L」の3つの区分で表現されるがこれに限定されない。料金算出部132は、取得したロボット2のサイズと制御内容とに基づいて、利用料金を算出する。なお、ロボット2の重量の区分に応じて利用料金が設定されてもよい。
【0066】
ロボット2が提供するサービスに応じた利用料金を算出するよう情報処理装置1が構成されてもよい。ロボット情報取得部135は、ロボットIDに対応するロボット2が提供するサービスの種別を取得する。ロボット情報取得部135は、一例として、利用要求に含まれるロボットIDに対応するロボット2が提供するサービスを示す情報を取得する。ロボット2が提供するサービスは、例えば宅配、清掃等である。一例としてロボット情報取得部135は、ロボット管理サーバ3に、利用要求に含まれるロボットIDに対応するロボット2が提供するサービスを問い合わせてもよい。
【0067】
料金算出部132は、制御履歴に含まれるロボットIDに対応するロボット2が提供するサービスの種別にさらに基づいて、ロボット2が利用したエレベータの利用料金を算出する。
図8は、この場合に記憶部12が記憶する利用料金テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図8に示す利用料金テーブルにおいては、ロボット2が提供するサービスごとに異なる利用料金が設定されている。料金算出部132は、取得したロボット2が提供するサービスと制御内容とに基づいて、利用料金を算出する。
【0068】
ところで、時間帯や曜日等によってエレベータの稼働状況は異なるため、空いている時間帯の利用料金は安く、混雑する時間帯の利用料金は高くするよう情報処理装置1が構成されることで、受益する事業者に適切な利用料金を請求することができる。
【0069】
そこで、料金算出部132は、エレベータを利用した曜日又は時間帯にさらに基づいてロボット2が利用したエレベータの利用料金を算出してもよい。一例として、記憶部12が記憶する利用料金テーブルにおいては、曜日又は時間帯に応じて異なる利用料金が記憶されており、料金算出部132は、エレベータを利用した時間帯にさらに基づいて利用料金テーブルを参照し、利用料金を決定してもよい。また、料金算出部132は、制御履歴に含まれるエレベータを利用した時間帯が所定の時間帯に利用したことを示す場合に、利用料金テーブルにおいて対応する利用料金に所定の割増率を乗じて利用料金を算出してもよい。所定の時間帯は例えば、「平日の正午から午後1時まで」又は「平日の午前8時半から午前9時まで」である。
【0070】
時間帯によっては一方向のみが混雑する場合もある。そこで、料金算出部132は、エレベータを利用した曜日又は時間帯に加え、利用する方向(上り、下り)に基づいて利用料金を算出してもよい。すなわち、「平日の午前8時半から午前9時まで」の「上り方向」は、「平日の午前8時半から午前9時まで」の「下り方向」と比較して利用料金が高額となるよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0071】
稼働状況取得部136は、エレベータが稼働した日時と日時におけるエレベータの稼働状況とを関連付けて取得する。エレベータの稼働状況は、当該日時においてエレベータがどの程度稼働していたかを示す情報である。エレベータの稼働状況は例えば、「高」、「並」、「低」で表されてもよい。稼働状況取得部136は、一例として、エレベータ制御装置4からエレベータの稼働状況を取得する。稼働状況取得部136は、リアルタイムでエレベータの稼働状況を取得してもよいし、利用料金を算出するタイミング等に纏めてエレベータの稼働状況を取得してもよい。
【0072】
料金算出部132は、制御履歴に含まれるエレベータを制御した日時における稼働状況にさらに基づいてロボット2が利用したエレベータの利用料金を算出する。この場合、記憶部12が記憶する利用料金テーブルにおいては、エレベータの稼働状況が高いほど高額となる利用料金が設定されている。そして、料金算出部132は、制御履歴と制御履歴に含まれる日時に対応する稼働状況とに基づいて、エレベータの利用料金を算出する。
【0073】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図9は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図9におけるフローチャートは、利用要求を取得する時点から開始している。利用要求取得部133は、ロボット2又はロボット管理サーバ3から利用要求を取得する(S01)。エレベータ制御部131は、利用要求に基づいてエレベータを制御する(S02)。エレベータ制御部131は、エレベータを制御した内容を制御履歴として記憶部12に記憶させる(S03)。
【0074】
利用結果情報取得部134は、利用結果情報を取得する(S04)。利用結果情報取得部134は、取得した利用結果情報を、制御履歴に関連付けて記憶部12に記憶させる(S05)。料金算出部132は、利用結果情報に含まれる「乗車有無」が利用料金を算出する対象であるか否かを判定する(S06)。
【0075】
利用結果情報に含まれる「乗車有無」が利用料金を算出する対象ではない場合(「乗車有無」が「×」である場合)(S06におけるNO)、情報処理装置1は、処理を終了する。利用結果情報に含まれる「乗車有無」が利用料金を算出する対象である場合(「乗車有無」が「〇」である場合)(S06におけるYES)、料金算出部132は、制御履歴が示す制御内容に応じた利用料金を算出する(S07)。料金算出部132は、算出した利用料金を、ロボット2を管理する事業者が利用するロボット管理サーバ3に通知する(S08)。情報処理装置1は、処理を終了する。
【0076】
[情報処理装置1における効果]
以上説明したように情報処理装置1が構成されることで、ロボット2がエレベータを利用した量に応じて課金できるという効果を奏する。
【0077】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0079】
1 情報処理装置
2 ロボット
3 ロボット管理サーバ
4 エレベータ制御装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 エレベータ制御部
132 料金算出部
133 利用要求取得部
134 利用結果情報取得部
135 ロボット情報取得部
136 稼働状況取得部