(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】コンセント装置
(51)【国際特許分類】
A47B 77/04 20060101AFI20241219BHJP
H01R 25/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A47B77/04 Z
H01R25/00 C
(21)【出願番号】P 2023185389
(22)【出願日】2023-10-30
(62)【分割の表示】P 2018129435の分割
【原出願日】2018-07-06
【審査請求日】2023-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】穴沢 信寛
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-171838(JP,A)
【文献】実開昭51-153485(JP,U)
【文献】特開2015-104562(JP,A)
【文献】特開2017-189301(JP,A)
【文献】特開2005-168185(JP,A)
【文献】実開昭56-172270(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00
A47B 77/04
H01R 25/00
A47B 67/04
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット装置の前面に収納部と左右方向に隣接して設けられるコンセント装置であって、
上下方向に並んで複数設けられ、プラグを手前側から奥側に向かって漸次上側に向かう斜め上方に挿し込むコンセントと、
前記コンセントの上部に設けられ、コードを係止可能なコード係止部と、
前記コンセントに水がかかることを防止する庇部と、を有するコンセント装置。
【請求項2】
複数の前記コンセントのそれぞれに、前記コンセントに水がかかることを防止する庇部を有する請求項1に記載のコンセント装置。
【請求項3】
前記庇部は、前側に向かって漸次下側に向かう請求項2に記載のコンセント装置。
【請求項4】
プラグが手前側から奥側に向かって漸次上側に向かう斜め上方に挿し込まれるコンセントと、
前記コンセントの上方に設けられ、コードを係止可能なコード係止部と、
前記コンセントに水がかかることを防止する庇部と、を有し、
前記コード係止部は、コード配置スペースと、前記コード配置スペースの前側で左右方向の中央部が分断された仕切部とを有し、前記中央部から押し入れられたコードが外れないように構成されていることを特徴とするコンセント装置。
【請求項5】
プラグが手前側から奥側に向かって漸次上側に向かう斜め上方に挿し込まれるコンセントと、
前記コンセントの上方に設けられ、コードを係止可能なコード係止部と、を有し、
前記コード係止部は、基部と、前記基部の前面から前側に突出し平面視形状がT字型の突出部とを有することを特徴とするコンセント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンセント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カウンターを有するキッチンに設けられるコンセントとして、例えば、キッチンの前方(キッチンを使用する使用者が対向する側)でカウンターの直下に設けられたコンセントが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
このようなキッチンでは、ミキサーなどの電化製品をカウンターの上で使用する際に、カウンターの直下に設けられたコンセントを使用することができ、利便性がよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-171838号公報
【文献】特開2005-224251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カウンターの上で電化製品を使用する際に、キッチンの前方でカウンターの下のコンセントを使用する場合、壁などに設けられたコンセントを使用する場合と比べて、電化製品からコンセントまでの距離が短いことが多いため、電化製品のコードの遊びが大きくなる傾向がある。
キッチンのカウンター下に、コンセントの側方に扉を有する収納が設けられている場合、電化製品のコードが側方に延びて扉に挟まれてしまう虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、コンセントに挿し込まれたプラグに接続されたコードが側方に延びてしまうことを防止するコンセント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るコンセント装置は、コンセントを有するコンセント装置において、前記コンセントに挿し込まれたプラグに接続されたコードを係止可能なコード係止部を有し、前記コード係止部は、前記コンセントの上部に設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、コード係止部は、前記コンセントの上部に設けられていることにより、コンセントに挿し込まれたプラグに接続されたコードがコンセントの上部で係止されるため、コードが側方に延びてしまうことを防止することができる。
【0008】
また、本発明に係るコンセント装置では、前記コンセントが上下方向に並んで複数設けられ、前記コード係止部は、最上部に設けられた前記コンセントの上部に設けられていてもよい。
このように、コンセントが上下方向に並んで複数設けられていることにより、複数のコンセントが設置される領域の幅を小さくできるとともに、複数のコンセントそれぞれに挿し込まれたプラグに接続されたコードが最上のコンセントの上部で係止されるため、コードが側方に延びてしまうことを防止することができる。また、複数のコードを1つのコード係止部に係止する構成であるため、コード係止部が複数設けられている場合と比べて、簡便な構造とすることができる。
【0009】
また、本発明に係るコンセント装置では、前記コンセントが上下方向に並んで複数設けられ、前記コード係止部は、複数の前記コンセントの上部それぞれに設けられていてもよい。
このように、コンセントが上下方向に並んで複数設けられていることにより、複数のコンセントが設置される領域の幅を小さくできるとともに、複数のコンセントそれぞれに挿し込まれたプラグに接続されたコードがコンセントの上部で係止されるため、コードが側方に延びてしまうことを防止することができる。
【0010】
また、本発明に係るコンセント装置では、前記コード係止部は、上方に突出し周囲に前記コードがかけられるコード掛け部と、前記コード掛け部の側方または上方に設けられたコード抜け防止部と、を有していてもよい。
このような構成とすることにより、コード係止部に係止されたコードが外れることを防止することができる。
【0011】
また、本発明に係るコンセント装置では、前記コード係止部は、内部に形成され前記コードを配置可能なコード配置スペースと、前記コード配置スペースと前記コード係止部の外部とを仕切る仕切り部と、を有し、前記仕切り部は、切込み部が形成されるとともに弾性変形可能に構成され、弾性変形して前記切込み部を開口して前記コード配置スペースと前記コード係止部とを連通させるようにしてもよい。
このような構成とすることにより、仕切り部を弾性変形させることでコードをコード係止部に容易に着脱することができる。
【0012】
また、本発明に係るコンセント装置では、前記コンセントは、手前側から奥側に向かって漸次上側に向かう斜め上方に挿し込み可能に構成され、前記コンセントの上部から前記コンセントよりも手前側に突出する庇部を有していてもよい。
このような構成とすることにより、庇部によってコンセントに水がかかることを防止することができる。例えば、コンセント装置がキッチン台や洗面台などに取り付けられる場合に、庇によってコンセントに水がかかることを防止することができる。
【0013】
また、本発明に係るコンセント装置では、前記コンセント装置の上縁部に沿って設けられ、上側に設置される上側設置物との隙間を閉塞可能な上側パッキンを有していてもよい。
このように、コンセント装置とコンセントの上側に設置される上側設置物との隙間を閉塞することができることにより、コンセント装置と上側設置物との隙間に水やほこりが入り込むことを防止することができる。
【0014】
また、本発明に係るコンセント装置では、前記コンセント装置の下縁部に沿って設けられ、下側に設置される下側設置物との隙間を閉塞可能な下側パッキンを有していてもよい。
このように、コンセント装置とコンセントの下側に設置される下側設置物との隙間を閉塞することができることにより、コンセント装置と下側設置物との隙間に水やほこりが入り込むことを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コードが側方に延びてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態によるコンセント装置が設けられたキャビネット装置の一例を示す図である。
【
図2】キャビネット装置のコンセント装置が設けられている部分の正面図である。
【
図4】
図2のB-B線断面図で天板を省略した図である。
【
図5】コンセント装置の前方から見た斜視図である。
【
図6】コンセント装置の後方から見た斜視図である。
【
図9】本発明の第2実施形態によるコンセント装置およびキャビネット装置におけるコンセント装置周辺部分の正面図である。
【
図10】第2実施形態によるコンセント装置の斜視図である。
【
図11】本発明の第3実施形態によるコンセント装置およびキャビネット装置におけるコンセント装置周辺部分の正面図である。
【
図12】第3実施形態によるコンセント装置の斜視図である。
【
図13】本発明の第4実施形態によるコンセント装置およびキャビネット装置におけるコンセント装置周辺部分の正面図である。
【
図14】第4実施形態によるコンセント装置の斜視図である。
【
図15】本発明の第5実施形態によるコンセント装置およびキャビネット装置におけるコンセント装置周辺部分の正面図である。
【
図16】第5実施形態によるコンセント装置の斜視図である。
【
図19】第5実施形態によるコンセント装置の上面図である。
【
図20】本実施形態によるキャビネット装置およびコンセント装置の変形例を示す図で、天板を省略し上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態によるコンセント装置について、
図1乃至
図8に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態によるコンセント装置4は、キャビネット装置1に設けられている。キャビネット装置1は、シンク11およびコンロ12を有するキッチンで、平面視形状が長尺の長方形となる箱状に形成され、床面13に設置されている。平面視形状におけるキャビネット装置1の長手方向を左右方向とし、短手方向を前後方向とする。前後方向のうち、キャビネット装置1の使用者が対向する側を前側とし、その反対側を後側とする。キャビネット装置1が対面キッチンの場合は、シンク11およびコンロ12を使用する使用者が主に対向する側を前側とし、その反対側を後側とする。
【0018】
キャビネット装置1は、天板2と、天板2の下側に設けられ物品などが収納される収納部3と、を有している。
天板2は、左右方向に長く形成され、左右方向の一方側にシンク11が設けられ、左右方向の他方側にコンロ12が設けられている。天板2におけるシンク11が設けられるスペースをシンクスペース111とし、コンロ12が設けられるスペースをコンロスペース121とする。シンクスペース111とコンロスペース121とは、左右方向に離間して設けられていて、天板2におけるシンクスペース111とコンロスペース121との間には、上面が平面となる作業スペース141が設けられている。
天板2は、前縁部近傍がその後側よりも下側に突出していて厚く形成されている。この天板2の前縁部近傍の厚い部分を厚板部21とし、厚板部21よりも後側の部分を平板部22とする。
【0019】
収納部3は、左右方向に3つに分割されていて、シンクスペース111の下側に配置された第1収納部31と、作業スペース141の下側に配置された第2収納部32と、コンロスペース121の下側に配置された第3収納部33と、を有している。
第1-第3収納部31,32,33は、それぞれ上下方向に3段に分けられている。
第1収納部31は、上段にシンク11およびコンセント装置4が設けられ、中段および下段に引き出し311,312が設けられている。第1収納部31の内部には、シンク11と接続される給排水管などの設備(不図示)も設けられている。
第2収納部32は、上段、中段および下段のそれぞれに引き出し321,322,323が設けられている。第3収納部33は、上端にコンロ12のグリルが設けられ、中段および下段に引き出し331,332が設けられている。
【0020】
第1-第3収納部31,32,33それぞれの中段の引き出し311,322,331の前面は、引き出しが閉まった状態で同一鉛直面に配置されている。第1-第3収納部31,32,33それぞれの下段の引き出し312,323,332の前面は、引き出しが閉まった状態で同一鉛直面に配置されている。
引き出しが閉まった状態において、第1-第3収納部31,32,33それぞれの下段の引き出し312,323,332の前面は、第1-第3収納部31,32,33それぞれの中段の引き出し311,322,331の前面よりも後側に配置されている。
【0021】
第1収納部31の上段の前面には、幕板34が設けられている。第1収納部31の上段の幕板34の前面は、閉まった状態の第1収納部31の中段の引き出し311の前面、および第2収納部32の上段の引き出し321の前面と、略面一となるように設けられている。
第1収納部31の中段および下段の引き出し311,312、第2収納部32および第3収納部33は、公知の構造であるものとして、以下では説明を省略する。
【0022】
第1収納部31は、内部に上述した上段のシンク11、コンセント装置4、中段および下段の引き出しが設けられる収納空間35が形成されている。
第1収納部31は、収納空間35の後側に設けられる収納後板部36と、収納空間35の左右方向の一方側に設けられる第1収納側板部37と、収納空間35の左右方向の他方側に設けられる第2収納側板部38と、収納空間35の上段の前側に設けられる鴨居39と、鴨居39の前側に設けられる幕板34と、鴨居39および第2収納側板部38の前側に設けられるコンセント装置4と、中段および下段の引き出し311,312と、を有している。
【0023】
収納後板部36は、平板上に形成され、板面が前後方向を向く姿勢で床面13に立設している。収納後板部36は、上部に天板2の後縁部分が載置されている。
第1収納側板部37および第2収納側板部38は、それぞれ平板上に形成され、板面が左右方向を向く姿勢で床面13に立設している。第1収納側板部37は、上部に天板2の左右方向の一方側の側縁部分が載置されている。第2収納側板部38は、上部に天板2のシンクスペース111と作業スペース141との境界部分が載置されている。
図3に示すように、第2収納側板部38の上部には、天板2の平板部22が配置され、第2収納側板部38における上縁部分の前側に天板2の厚板部21が配置されている。同様に、図示していないが、第1収納側板部37の上部には、天板2の平板部22が配置され、第1収納側板部37における上縁部分の前側に天板2の厚板部21が配置されている。
なお、図示していないが、第1収納側板部37の左右方向の一方側には、壁部や化粧パネルなどが設置されていてもよい。
第1収納側板部37および第2収納側板部38には、収納空間35に対向する面に中段および下段の引き出しのレール(不図示)が適宜取り付けられている。
【0024】
鴨居39は、平板状に形成され、板面が前後方向を向く姿勢で第1収納側板部37と第2収納側板部38との間に架けわたすように設けられている。
図4に示すように、鴨居39は、左右方向の他方側の端面391が第2収納側板部38の収納空間35に対向する側の面(左右方向の一方側の面)381と当接して固定されている。同様に、図示していないが、鴨居39は、左右方向の一方側の端面が第1収納側板部37の収納空間35に対向する側の面(左右方向の他方側の面)と当接して固定されている。
【0025】
鴨居39の前面392は、第2収納側板部38の前端面382(前面)よりも後側に配置されている。
このため、鴨居39と第2収納側板部38との境界部分には、段部が形成されている。鴨居39の前面392と、第2収納側板部38の左右方向の一方側の面381との段部を後側第1段部)394とし、第2収納側板部38の左右方向の一方側の面381と第2収納側板部38の前端面382との段部(角部)を前側第1段部393とする。
【0026】
図示していないが、鴨居39の前面392は、第1収納側板部37の前端面372(前面)よりも後側に配置されている。鴨居39と第1収納側板部37との境界部分には、鴨居39と第2収納側板部38との境界部分の後側第1段部394および前側第1段部393と同様の段部が形成されている。
鴨居39の上部には、天板2が載置されている。鴨居39の上部には、天板2の平板部22が配置され、鴨居39における上縁部分の前側に天板2の厚板部21が配置されている。
鴨居39には、左右方向の他方側の縁部近傍に、コンセント装置4を第1収納部31に固定するための固定部材8の第1固定具82(詳細は後述する)が挿通される孔部と、コンセント装置4のブッシュ514(詳細は後述する)が挿通される孔部と、が形成されている。
【0027】
図1に戻り、幕板34は、平板状に形成され、板面が前後方向を向く姿勢で第1収納側板部37および鴨居39の前側に設置されている。幕板34は、天板2の厚板部21の下側に設けられている。幕板34の上端部と天板2の厚板部21の下端面との間には、わずかな隙間が設けられている。幕板34の下端部は、鴨居39の下端部よりもやや上側に配置されている。
幕板34は、前側となる面が化粧面となり、全面が露出した状態に設置されている。
【0028】
幕板34は、左右方向の寸法が第1収納部31の左右方向の寸法よりも小さく設定され、第1収納部31に対して左右方向の一方側に寄せ取り付けられている。
図4に示すように、幕板34の左右方向の他方側の端部341は、第2収納側板部38と鴨居39のとの境界部よりも左右方向の一方側に配置されている。このため、幕板34は、第2収納側板部38の前側、および鴨居39の左右方向の他方側の端部近傍の前側には配置されていない。
【0029】
第2収納側板部38の前側、および鴨居39の左右方向の他方側の端部近傍の前側には、幕板34の左右方向の他方側に隣接してコンセント装置4が設けられている。
図4に示すように、コンセント装置4は、天板2の厚板部21の直下に設置されている。
図1に示すように、上記のように設置されたコンセント装置4および幕板34を合わせた左右方向の寸法は、第1収納部31の中段の引き出し311の前板の左右方向の寸法とほぼ同じ寸法に設定されている。コンセント装置4の左右方向の他方側の端部は、第2収納側板部38の左右方向の他方側の面383よりも左右方向の一方側に配置され、第2収納部32側(左右方向の他方側)へは突出していない。
コンセント装置4は、上下方向の寸法が幕板34の上下方向の寸法とほぼ同じ寸法で、幕板34と同じ高さに設置されている。また、コンセント装置4および幕板34は、上下方向の寸法が第2収納部32の上段の引き出し321の前板の上下方向の寸法とほぼ同じ寸法で、第2収納部32の上段の引き出し321の前板と同じ高さに設置されている。
【0030】
図2および
図5に示すように、コンセント装置4は、2つのコンセント41が設けられていて、これらのコンセント41に主に天板2(
図2参照)の上部で使用される電気製品(例えば、ミキサーなど)のプラグ15が挿し込まれるように設定されている。
図5および
図6に示すように、コンセント装置4は、コンセント41が設けられた本体部42と、本体部42のコンセント41の上部から前側に突出する庇部43と、本体部42の上縁部に沿って設けられた上側パッキン44と、本体部42の下縁部に沿って設けられた下側パッキン45と、を有している。コンセント装置4は、固定部材8で第1収納部31に固定されている。
【0031】
図3に示すように、本体部42は、上下方向に延びる長尺に形成され、上端部が天板2の厚板部21に下端面よりもやや下側に配置され、下端部が幕板34の下端部とほぼ同じ高さ(鴨居39の下端部よりもやや上側)に配置されている。本体部42の下方には、第1収納部31の中段の引き出し311の前板が設けられている。本体部42の前後方向の寸法は、幕板34の厚さ寸法(前後方向の寸法)とほぼ同じ長さとなるように設定されている。
図5-
図7に示すように、本体部42は、後側に設けられ第1収納部31に固定される固定板部5と、コンセント41が設けられ固定板部5の前側に取り付けられる取り付け部6と、を有している。
【0032】
固定板部5は、平板状に形成され板面が前後方向を向く第1平板部51と、平板状に形成され第1平板部51よりも後側に突出する2つの第2平板部52と、第1平板部51と第2平板部52とを接続する接続板部53と、を有している。
2つの第2平板部52は、それぞれ板面が上下方向に長い長方形状に形成され、固定板部5の左右方向の中央部において上下方向に間隔をあけて設けられている。
【0033】
第1平板部51は、2つの第2平板部52それぞれの左右方向の両側方に位置する部分と、2つの第2平板部52の間に位置する部分とを有し、前後方向から見て板面がH字形状に形成されている。
図4に示すように、第1平板部51における、2つの第2平板部52の間に位置する部分には、前後方向に貫通し、コンセント41の配線が挿通される配線挿通孔513が形成されている。
本実施形態では、配線挿通孔513にコンセント41の配線が挿通されるブッシュ514が取り付けられている。
【0034】
接続板部53は、上側の第2平板部52の左右方向の両縁部および下縁部と第1平板部51と接続する接続板部53と、下側の第2平板部52の左右方向の両縁部および上縁部と第1平板部51と接続する接続板部53と、の2つで構成されている。いずれの接続板部53も、後方を向く面が後側(第2平板部52側)から前側(第1平板部51側)に向かって漸次第2平板部52と離間する側(第2平板部52の外方に向かう側)に向かう傾斜面に形成されている。
固定板部5には、第1平板部51と接続板部53とがなす前側第2段部54、および第2平板部52と接続板部53とがなす後側第2段部55と、が形成されている。
【0035】
図5に示すように、取り付け部6は、コンセント41が設置されるコンセント設置部61と、コンセント41に挿し込まれたプラグに接続されたコードを係止可能なコード係止部62と、を有している。コード係止部62はコンセント設置部61の上部に設けられている。
【0036】
取り付け部6は、コンセント設置部61の前側に設けられるコンセント前板部63と、コンセント前板部63よりも上側かつ後側でコード係止部62の後側に設けられるコンセント後板部64と、コンセント前板部63およびコンセント後板部64の左右方向の両側に設けられる2つのコンセント側板部65,66と、コンセント前板部63の下側に設けられるコンセント下板部67と、コンセント前板部63の上縁部とコンセント後板部64の下縁部とを接続するコンセント上板部68と、を有している。
取り付け部6の見付寸法(左右方向の寸法)は、コンセント41の見付寸法と略同一となるように設計されている。
【0037】
図7に示すように、取り付け部6は、コンセント前板部63が固定板部5の前方に間隔をあけた状態で、固定板部5に取り付けられるように構成されている。コンセント後板部64は、固定板部5の前方に当接または僅かな隙間をあけた状態に配置される。
取り付け部6におけるコンセント前板部63、2つのコンセント側板部65,66、コンセント下板部67およびコンセント上板部68に囲まれた空間に、2つのコンセント41が上下方向に並んで設置されている。
【0038】
図2および
図5に示すように、コンセント前板部63には、2つのコンセント41のコンセント口が上下方向に並んで設けられている。2つのコンセント口は、それぞれ後側から前側に向かって斜め下向きに開口している。2つのコンセント口には、プラグ15が前側から後側に向かって斜め上側に向かうように挿し込まれるように構成されている。
図5および
図7に示すように、コンセント前板部63には、2つのコンセント側板部65,66と接続される左右方向の両端部に、左右方向の中央側から端部に向かって漸次後側に向かうテーパ面631が形成されている。
【0039】
図5に示すように、コンセント上板部68は、コンセント前板部63の上縁部から後側に延びている。コンセント後板部64は、コンセント上板部68の後縁部から上側に延びている。コンセント下板部67は、コンセント前板部63の下縁部から後側に延びている。
コンセント側板部65,66は、板面が長方形となる平板上に形成され、板面が左右方向を向く向きでコンセント前板部63、コンセント後板部64、コンセント上板部68およびコンセント下板部67の左右方向の両側に設けられている。コンセント側板部65,66は、下部側がコンセント前板部63の左右方向の縁部から後側に延び、上部側がコンセント後板部64の左右方向の縁部から前側に延びている。
【0040】
コンセント上板部68の上面681は、平坦面ではなく、幅方向の中央部分682が幅方向の両端部分683よりも上側に突出している。コンセント上板部68の上面681における幅方向の中央部分682は、ほぼ水平面となるように形成されている。コンセント上板部68の上面681における幅方向の両端部分683は、前側から後側に向かって上側に向かう傾斜面に形成されている。
【0041】
コード係止部62は、取り付け部6におけるコンセント上板部68よりも上側の部分に相当し、コンセント上板部68、コンセント後板部64、2つのコンセント側板部65,66に囲まれた凹部69が形成されている。コード係止部62は、コンセント上板部68の上面681の幅方向の中央部分682における前縁部分から上側に突出するフック部(コード掛け部)71を有している。
【0042】
フック部71は、コンセント上板部68から上側に延びる第1突出片72と、第1突出片72の上縁部から後側に延びる第2突出片73と、を有している。第2突出片73の上面は、コンセント側板部65,66の上端部とほぼ同じ高さに配置され、第2突出片73の後端部(先端部)は、コンセント後板部64よりも前側に配置され、コンセント後板部64と離間している。また、フック部71は、2つのコンセント側板部65,66とも離間している。
【0043】
コード係止部62にコードを引っ掛けるには、まず、コードを前方に開口するようにU字形状に曲げ、フック部71とコンセント後板部64および2つのコンセント側板部65,66との間に、コードでフック部71を囲むように上方からコードを挿入する。
図2に示すように、コードを第2突出片73の下側に配置することにより、コードが鉛直方向上方に移動しても第2突出片73と当接して、コード係止部7からコードが抜けることが防止される。
【0044】
上側パッキン44は、コンセント後板部64の前面に沿って設けられ、上縁部がコンセント後板部64の上端部よりも上方に突出している。上側パッキン44は、上縁部がその下側よりも左右方向の両側に突出していて、左右方向の両側に突出している部分がそれぞれコンセント側板部65,66の上部に配置されている。
上側パッキン44は、取り付け部6の左右方向の全長と略同じ長さに形成されている。
図3に示すように、上側パッキン44は、天板2の厚板部21の下端面と当接するように構成されている。
【0045】
取り付け部6は、固定板部5に取り付けられると、コンセント後板部64の上端部が固定板部5の上端部よりも上側に突出し、コンセント側板部65,66が固定板部5の左右方向の両側に配置される。
このため、上側パッキン44は、取り付け部6が固定板部5に取り付けられると、固定板部5よりも上側に突出している。
【0046】
下側パッキン45は、コンセント下板部67に係止され、コンセント下板部67の後縁部近傍からコンセント下板部67の下面よりも下側に突出している。
下側パッキン45は、取り付け部6の左右方向の全長と略同じ長さに形成されている。
取り付け部6は、固定板部5に取り付けられると、コンセント下板部67の下端部が固定板部5の下端部よりも下側に突出している。
このため、下側パッキン45は、取り付け部6が固定板部5に取り付けられると、固定板部5よりも下側に突出している。
図3に示すように、下側パッキン45は、第1収納部31の中段の引き出し311の前板の上端面と当接するように構成されている。
【0047】
図5に示すように、庇部43は、コンセント前板部63から前方に突出している。庇部43は、コンセント前板部63におけるコンセント口の上側から前側に向かって漸次下側に向かうように伸びる庇上板部431と、庇上板部431と連続しコンセント前板部63におけるコンセント口の左右方向の両側それぞれ前側に延びる2つの庇側板部432と、を有している。
【0048】
庇上板部431は、板面が長方形となる平板状に形成され、後縁部および前縁部が左右方向に延び、前縁部が後縁部よりも下側となる向きに配置されている。
庇側板部432は、板面が三角形となる平板状に形成され、板面が左右方向を向く姿勢で、庇上板部431とコンセント前板部63とがなす角部の内側に配置されている。
庇部43は、2つのコンセント41,41それぞれに対して設けられている。上側にコンセント41の上側に設けられる庇部43は、コード係止部62よりも下側に設けられている。
【0049】
図4および
図7に示すように、このようなコンセント装置4は、第2収納側板部38および鴨居39の左右方向の他方側の縁部近傍の前側に配置されると、第2収納側板部38の前側に、固定板部5の第1平板部51および接続板部53それぞれにおける第2平板部52よりも左右方向の他方側となる部分が配置される。また、鴨居39の前側には、固定板部5の第1平板部51および接続板部53それぞれにおける第2平板部52よりも左右方向の一方側となる部分、および第2平板部52が配置される。
【0050】
このとき、鴨居39の前面392と、第2収納側板部38の左右方向の一方側の面381とがなす後側第1段部394の前側に、固定板部5の第2平板部52と接続板部53とがなす後側第2段部55が重なり、第2収納側板部38の左右方向の一方側の面381と前端面382とがなす前側第1段部393の前側に、第1平板部51と接続板部53とがなす前側第2段部54が重なる。
本実施形態では、固定板部5の第1平板部51の後面と第2平板部52の後面との前後方向の離間距離が、鴨居39の前面392と第2収納側板部38の前端面382との前後方向の離間距離と同じ、または鴨居39の前面392と第2収納側板部38の前端面382との前後方向の離間距離よりもやや長くなるように設定されている。
このため、コンセント装置4の固定板部5の第2平板部52の後面は、鴨居39の前面392と当接するように構成されている。
【0051】
図4、
図6、
図7に示すように、固定部材8は、L字形金具81と、L字形金具81とコンセント装置4とを固定する第1固定具82と、L字形金具81と第2収納側板部38とを固定する第2固定具83と、を有している。
L字形金具81は、それぞれ平板状に形成され、直角を成すように連続するコンセント装置固定部84と側板固定部85とを有している。L字形金具81は、長尺の部材で、上下方向に延びる向きに配置されている。
【0052】
L字形金具81は、鴨居39の後面395と第2収納側板部38の左右方向の一方側の面とが形成する角部に設けられる。この角部にL字形金具81が設けられると、コンセント装置固定部84は、その板面が前後方向を向き前面が鴨居39の後面395と当接し、側板固定部85は、その板面が左右方向を向き左右方向の他方側の面が第2収納側板部38の左右方向の一方側の面と当接している。
図4、7、8に示すように、コンセント装置固定部84は、コンセント装置4の固定板部5との間に鴨居39を介した状態でネジなどの第1固定具82で固定板部5と固定されるように構成されている。第1固定具82は、固定板部5に形成された孔部、および鴨居39に形成された孔部に挿通される。
側板固定部85は、第2収納側板部38の左右方向の一方側の面と当接した状態でネジなどの第2固定具83で第2収納側板部38に固定されるように構成されている。
固定部材8は、コンセント装置4を第2収納側板部38に固定するように構成されている。
【0053】
続いて、コンセント装置4を第1収納部31に取り付ける方法について説明する。
まず、固定部材8のL字形金具81の側板固定部85を第2固定具83で第2収納側板部38に固定する。このとき、側板固定部85を第2収納側板部38の左右方向の一方側の面と当接させ、コンセント装置固定部84を鴨居39の後面395と当接させる。
続いて、コンセント装置4の固定板部5を鴨居39および第2収納側板部38の前側に設置し、固定板部5の第2平板部52を鴨居39の前面392と当接させる。
第1固定具82を固定板部5および鴨居39に貫通させ、第1固定具82で固定板部5とコンセント装置固定部84とを鴨居39を介して連結させる。
【0054】
続いて、取り付け部6を固定板部5に取り付ける。このとき、コンセント41の配線を固定板部5の孔部および鴨居39の孔部に挿通させ、鴨居39の後側に引き出した状態とし、第1収納部31の内部において配線を電源に接続する。
このようにしてコンセント41部材が第1収納部31に取り付けられる。
【0055】
コンセント装置4は、第1収納部31に取り付けられると、コンセント41が第2収納側板部38の前方に配置されている。
コンセント装置4のコンセント41に挿し込まれたプラグ15に接続されたコードは、上方に引き回されてコード係止部62のフック部71に引っ掛けることができる。
【0056】
次に、上述した第1実施形態によるコンセント装置の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した第1実施形態によるコンセント装置4では、コード係止部62は、コンセント41の上部に設けられていることにより、コンセント41に挿し込まれたプラグ15に接続されたコードがコンセント41の上部で係止されるため、コードが側方に延びてしまうことを防止することができる。
【0057】
また、コンセント装置4では、コンセント41が上下方向に並んで複数設けられ、コード係止部62は、最上部に設けられたコンセント41の上部に設けられている。
これにより、2つのコンセント41が設置される領域の幅を小さくできるとともに、2つのコンセント41それぞれに挿し込まれたプラグ15に接続されたコードが最上のコンセント41の上部で係止されるため、コードが側方に延びてしまうことを防止することができる。また、2つのコードを1つのコード係止部62に係止する構成であるため、コード係止部62が複数設けられている場合と比べて、簡便な構造とすることができる。
【0058】
また、コンセント装置4は、コンセント41が前側から後側に向かって漸次上側に向かう斜め上方に挿し込み可能に構成され、コンセント41の上部からコンセント41よりも手前側に突出する庇部43を有している。これにより、庇部43によってコンセント41に水がかかることを防止することができる。
【0059】
また、コンセント装置4には、上縁部に沿って上側パッキン44が設けられ、上側パッキン44は、上側に設置される天板(上側設置物)2との隙間を閉塞している。
このように、上側パッキン44がコンセント装置4と天板2との隙間を閉塞することができることにより、コンセント装置4と天板2との隙間に水やほこりが入り込むことを防止することができる。
【0060】
また、コンセント装置4には、下縁部に沿って下側パッキン45が設けられ、下側パッキン45は、下側に設置される引き出し(下側設置物)311の前板との隙間を閉塞している。
このように、下側パッキン45がコンセント装置4と引き出しの前板との隙間を閉塞することができることにより、コンセント装置4と引き出しの前板との隙間に水やほこりが入り込むことを防止することができる。
【0061】
(第2実施形態)
次に、他の実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、他の実施形態と異なる構成について説明する。
図9示すように、第2実施形態によるコンセント装置4Bは、コード係止部62Bの形態が第1実施形態のコンセント装置と異なっている。
【0062】
図10に示すように、第2実施形態によるコンセント装置4Bでは、コード係止部62Bのフック部(コード掛け部)71Bは、上板部の前縁部における左右方向の中央部分から上側に延び板面が前後方向を向く第1板部751と、第1板部751の左右方向の中央部から後側に延びる第2板部752と、第1板部751の左右方向の両端部近傍それぞれから後側に延びる2つの第3板部753と、を有している。第2板部752と2つの第3板部753とは左右方向に離間している。第2板部752および第3板部753は、それぞれ下縁部が上板部と接続されている。2つの第3板部753は、第2板部752よりも前後方向の長さが短く形成されている。
【0063】
また、第2実施形態では、コード係止部62Bには、左右方向の両側それぞれに位置する2つのコンセント側板部65,66の上縁部から左右方向の内側(2つのコンセント側板部65,66が対向する側)に向かって延びる上側突出片754と、コンセント側板部65,66の前縁部におけるコンセント上板部68よりも上側の部分から左右方向の内側に向かって延びる前側突出片755と、を有するコード抜け防止部756が設けられている。
【0064】
上側突出片754の前縁部と前側突出片755の上縁部とは連続している。上側突出片754および前側突出片755はフック部71Bと離間している。一方のコンセント側板部65と接続された上側突出片754および前側突出片755と、他方のコンセント側板部66と接続された上側突出片754および前側突出片755とは、左右方向に離間していて、これらの間にフック部71Bが配置されている。
【0065】
第2実施形態では、フック部71とコード抜け防止部756との間からフック部71にコードを引っ掛けるように構成されている。
第2実施形態においても、コード係止部62Bはコンセント設置部61(コンセント41)の上方に配置されている。
第2実施形態においても、コンセント装置4Bは、キャビネット装置1Bの第2収納側板部38および鴨居39の前側に幕板34と左右方向に隣接して設けられていて、コンセント41が第2収納側板部38の前側に設置されている。
【0066】
第2実施形態によるコンセント装置4Bでは、第1実施形態の同様の効果を奏する。また、第2実施形態によるコンセント装置4Bでは、コード係止部62Bにコード抜け防止部756が設けられていることにより、フック部71Bに引っ掛けられた上方に移動しようとするとコード抜け防止部756と当たって上方への移動が拘束されるため、コードがフック部71Bから抜けてしまうことを防止することができる。
【0067】
(第3実施形態)
図11に示すように、第3実施形態によるコンセント装置4Cは、コード係止部62Cの形態が、上述した実施形態のコンセント装置と異なっている。
図12に示すように、第3実施形態によるコンセント装置4Cでは、取り付け部6Cにコンセント後板部が設けられておらず、コンセント上板部68Bがコンセント前板部63の上縁部から後側に向かって漸次上側に向かって傾斜するように延びる傾斜部684と、傾斜部684の上縁部から後側に延びる水平部685と、を有している。傾斜部684の上縁部(後縁部)は取り付け部6Cの前後方向の中間部に配置され、水平部685の後縁部は、取り付け部6Cの後縁部に配置されている。
本実施形態では、上側の庇部43の庇上板部431は、コンセント前板部63の上縁部から前側に向かって漸次下側に向かって傾斜するように延びている。上側の庇部43の庇上板部431と、コンセント上板部68Bの傾斜部684とは、同じ角度に傾斜していて、それぞれの上面が面一となっている。
コンセント側板部65B,66Bの上縁部は、前側がコンセント上板部68Bの傾斜部684の左右方向の縁部に沿って後側に向かって漸次上側に向かって傾斜するように延び、後側がコンセント上板部68Bの水平部685の左右方向の縁部に沿って水平に延びている。
【0068】
コード係止部62Cは、コンセント設置部61とは別体に形成され、コンセント上板部68の傾斜部684の上側に設けられている。コード係止部62Cは、コンセント設置部61よりも弾性変形しやすい部材でブロック状に形成されている。本実施形態では、コード係止部62Cは、外形が底面が略直角三角形となる三角柱状に形成され、その軸線が左右方向に延びる向きに設置されている。このように設置されたコード係止部62Cは、水平面となる上面624aと、上面の前縁部から下側に延びて鉛直面となる前面624bと、前面の下縁部から上面の後縁部まで後側に向かって漸次上側に向かって延びる傾斜面となる後下面624cと、左右方向の両側に配置される側面624d,624dと、を有している。
コード係止部62Cとコンセント設置部61とは、左右方向の寸法がほぼ同じ値となるように設計されている。コード係止部62Cは、後下面624cがコンセント上板部68Bの傾斜部684と当接し、上面624aがコンセント上板部68Bの水平部685と面一となり、前面624bがコンセント前板部63の前面と面一となり、側面624dがコンセント側板部65,66の外側の面と面一となるように配置されている。
【0069】
コード係止部62Cには、左右方向の略中央部に前側から後側に向かって漸次上側に向かう斜め方向に貫通するコード配置スペース621が形成されている。
コード係止部62Cにおけるコード配置スペース621の前側の部分を、コード配置スペース621とコード係止部62Cの前方とを仕切る仕切り部622とする。仕切り部622には、左右方向のほぼ中央部に仕切り部622を左右方向に分断する切込み部623が形成されている。仕切り部622は、通常、切込み部623が開いていない状態となっていて、切込み部623の両側を上下方向また前後方向に弾性変形させることで切込み部623が開くように構成されている。
【0070】
コード係止部62Cにコードを係止させるには、コンセント41に挿し込まれたプラグ15に接続されたコードをプラグ15から上方に伸ばした状態とし、この状態のコードを仕切り部622に押し付けて仕切り部622を弾性変形させて切込み部623を押し開き、切込み部623からコード配置スペース621にコードを配置する。コード配置スペース621にコードが配置されると、仕切り部622の弾性変形が復元されて切込み部623を閉じた状態となる。これにより、コードの前側に仕切り部622が配置された状態となり、コードがコード配置スペース621から容易に外れないように構成されている。なお、コードで仕切り部622の切込み部623近傍を押して仕切り部622を弾性変形させ、コードを切込み部623から滑り込ませるようにしてコード配置スペース621に押し入れるようにすると、コード係止部62Cにコードをように係止させることができる。
【0071】
第3実施形態においても、コード係止部62Cは、コンセント設置部61(コンセント41)の上方に配置されている。
第3実施形態においても、コンセント装置4Cは、キャビネット装置1Cの第2収納側板部38および鴨居39の前側に幕板34と左右方向に隣接して設けられている。コンセント装置4Cのコンセント41は、第2収納側板部38の前側に設置されている。
【0072】
第3実施形態によるコンセント装置4Cでは、第1実施形態の同様の効果を奏する。また、第3実施形態によるコンセント装置4Cでは、コード係止部62Cに係止されたコードは、前方に仕切り部622が配置されるため、コード係止部62Cから容易に外れることを防止することができる。また、仕切り部622を弾性変形させることでコードをコード係止部62Cに容易に着脱することができる。
【0073】
(第4実施形態)
図13に示すように、第4実施形態によるコンセント装置4Dは、コード係止部62Dの形態が上述した実施形態のコンセント装置と異なっている。
図14に示すように、第4実施形態によるコンセント装置4Dでは、コード係止部62Dは、コンセント設置部61と一体のブロック状に形成されている。コード係止部62Dは、弾性変形可能に構成されている。コード係止部62Dには、前側から後側に向かって漸次上側に向かう斜め方向に貫通するコード配置スペース621Dと、コード配置スペース621Dとコード係止部62Dの前方とを仕切る仕切り部622Bと、が左右方向に間隔をあけて2つ設けられている。仕切り部622Bには、左右方向のほぼ中央部に仕切り部622を左右方向に分断する切込み部623Bが形成されている。第4実施形態では、2つのコード配置スペース621Dそれぞれに対して、第3実施形態と同様にコードを係止させることができる。
【0074】
第4実施形態においても、コード係止部62Dはコンセント設置部61(コンセント41)の上方に配置されている。
第4実施形態においても、コンセント装置4は、キャビネット装置1Dの第2収納側板部38および鴨居39の前側に幕板34と左右方向に隣接して設けられている。コンセント装置4Dのコンセント41は、第2収納側板部38の前側に設置されている。
【0075】
第4実施形態によるコンセント装置4Dでは、第3実施形態の同様の効果を奏する。
また、第4実施形態によるコンセント装置4Dでは、コード係止部62Dには、コード配置スペース621Dおよび切込み部623Bが形成された仕切り部622Bが左右方向に間隔をあけて2つ設けられている。これにより、
図13に示すように、2つのコンセント41,41それぞれに挿し込まれたプラグ15のコードを個別にコード係止部62Dに係止させることができる。これにより、コード係止部が2つのコードをまとめて係止する場合と比べて、コードをコード係止部に係止させたり、外したりする際に他のコードを動かしてコード係止部から外してしまうことを防止することができる。
【0076】
(第5実施形態)
図15に示すように、第5実施形態によるコンセント装置4Eは、コード係止部62Eの形態が上述した実施形態のコンセント装置と異なっている。
図16-
図18に示すように、第5実施形態によるコンセント装置4Eでは、第3実施形態と同様に取り付け部6Eにコンセント後板部が設けられておらず、コンセント上板部68Eがコンセント前板部63の上縁部から後側に向かって漸次上側に向かって傾斜するように延びる傾斜部684E(
図17参照)と、傾斜部684Eの上縁部から後側に延びる水平部685E(
図17参照)と、を有している。
第5実施形態においても、上側の庇部43の庇上板部431と、コンセント上板部68Eの傾斜部684Eとは、同じ角度に傾斜していて、それぞれの上面が面一となっている。
コンセント側板部65E,66E(
図16参照)の上端部は、コンセント上板部68Eよりも上側に突出している。
【0077】
コード係止部62Eは、コンセント上板部68Eの上部に設けられるコード係止部材625と、上側の庇部43の庇側板部432,432それぞれの上縁部から上側に突出する一対のコード係止側板部626と、を有している。
一対のコード係止側板部626は、左右方向に間隔をあけた状態で対向している。
図16に示すように、一対のコード係止側板部626は、後縁部626aがコンセント側板部65E,66Eの前縁部と接続され、それぞれ前縁部626bが上側の庇部43の庇側板部432,432の前縁部から上側に延び、上縁部が前縁部の上端部から後側に向かって漸次上側に向かう斜め方向に延びている。
【0078】
図16-
図19に示すように、コード係止部材625は、コンセント上板部68Eの上部に取り付けられる基部627と、基部627から前側に突出する突出部628と、を有している。
基部627は、コンセント上板部68Eの傾斜部684E(
図17参照)の上に設けられる第1基部627aと、第1基部627aの後側に接続されコンセント上板部68Eの水平部685E(
図17参照)の上に設けられる第2基部627bと、第1基部627aおよび第2基部627bの左右方向の両側に接続されコンセント側板部65E,66Eそれぞれの上に設けられる一対の第3基部627cと、を有している。
第1基部627a、第2基部627bおよび一対の第3基部627c,627cは、それぞれの上面が連続して面一の水平面となるように配置されている。
基部627の前面(第1基部627aの前面)は、鉛直面となるように配置されている。
本実施形態では、第2基部627bの後縁部から上側に突出する上側パッキン44Eが基部627と一体に設けられている。
【0079】
図16および
図19に示すように、突出部628は、第1基部627aの前面から前側に突出している。突出部628は、上側の庇部43の庇上板部431の上側、かつ一対のコード係止側板部626,626の間に配置されている。突出部628は、上側の庇部43の庇上板部431の上面および一対のコード係止側板部626,626それぞれの内側の面(互いに対向する面)と離間している。
突出部628の前端部は、上側の庇部43の庇上板部431の前端部の直上に配置されている。
【0080】
図16-
図18に示すように、突出部628の上面628cは、突出方向の基端側から先端側に向かって(後側から前側に向かって)漸次下側に向かう傾斜面に形成されている。突出部628の上面628cの傾斜は、庇上板部431の上面の傾斜とほぼ同じで、突出部628の上面628cと、庇上板部431の上面とは平行に設けられている。また、突出部628の上面628cは、一対のコード係止側板部626の上縁部と同一面上に配置されている。
【0081】
突出部628の下面628dは、突出方向の基端側から先端側に向かって漸次下側に向かう傾斜面に形成されている。突出部628の下面628dの傾斜は、庇上板部431の上面のよりも緩くなっている。突出部628は、左右方向から見て突出方向の基端側から先端側に向かって上下方向の寸法が漸次小さくなる先細り形状となっている。このため、突出部628の下面628dと庇上板部431の上面との上下方向の間隔は、突出方向の基端側から先端側に向かって漸次大きくなっている。
【0082】
突出部628は、先端側の部分となる前側部分628aが、基端側となる後側部分628bよりも左右方向に長く、後側部分628bよりも左右方向の両側に突出していて、平面視形状がT字形となっている。突出部628の前側部分628aを幅広部分628aとし、後側部分628bを幅狭部分628bとする。
【0083】
コード係止部材625には、幅狭部分628bの左右方向の両側に基部627と幅広部分628aとに前後から挟まれた第1スペース629aが形成され、第1スペース629aの下側に連続して突出部628と上側の庇部43の庇上板部431とに上下方から挟まれた第2スペース629bが形成され、第1スペース629aおよび第2スペース629bの左右方向の外側に連続して突出部628とコード係止側板部626に左右方向から挟まれた第3スペース629cが形成されている。第3スペース629cは前方に開口している。
第1スペース629aおよび第2スペース629bは、コードが配置されるコード配置スペース621Eとなり、第3スペース629cは、コード配置スペース621Eに出し入れされるコードが通過する通路となっている。
【0084】
コード係止部62Eにコードを係止させるには、コンセント41に挿し込まれたプラグ15に接続されたコードをプラグ15から上方に伸ばした状態とし、この状態のコードをコード係止部材625のいずれかの第3スペース629cに前方から入れ、コードを後方に移動させるとともに左右方向の中央側に移動させてコード配置スペース621Eに配置する。
コードのうちコード係止部材625の第1スペース629aに配置された部分の前側に突出部628の幅広部分628aが配置されていることにより、コードがコード配置スペース621Eから前側に抜け出にくい構造となっている。
【0085】
図15に示すように、第5実施形態においても、コード係止部62Eはコンセント設置部61(コンセント41)の上方に配置されている。
第5実施形態においても、コンセント装置4Eは、キャビネット装置1Eの第2収納側板部38および鴨居39の前側に幕板34と左右方向に隣接して設けられている。コンセント装置4Eのコンセント41は、第2収納側板部38の前側に設置されている。
【0086】
第5実施形態によるコンセント装置4Eでは、上記の実施形態の同様の効果を奏する。
また、上記の第5実施形態では、コード係止部62Eの突出部628の上面と一対のコード係止側板部626の上縁部とが同一平面上に配置されるため、使用者がコード係止部62Eの突出部628に意図せずに干渉することを防止することができる。
【0087】
以上、本発明によるコンセント装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、コンセント装置4が設けられているキャビネット装置1はキッチンであるが、洗面台や収納家具などであってもよい。また、コンセント装置4は、壁部などに設けられていてもよい。コンセント装置4がキャビネット装置1や壁部などに固定される固定手段は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、コンセント装置4では、上側のコンセント41の上部にコード係止部62が設けられているが、2つのコンセント41それぞれの直上にコード係止部62が設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、コンセント装置4に2つのコンセント41が設けられているが、1つまたは3つ以上のコンセント41が設けられていてもよい。コンセント装置4に複数のコンセント41が設けられる場合は、その配置は適宜設定されてよい。
【0088】
また、上記の実施形態では、コンセント41が前側から後側に向かって漸次上側に向かう斜め上方に挿し込み可能に構成され、コンセント41の上部からコンセント41よりも手前側に突出する庇部43が設けられているが、コンセント41の向きや庇部43の有無は適宜設定されてよい。
【0089】
また、上記の実施形態では、コンセント装置4には、上縁部に沿って上側パッキン44が設けられ、下縁部に沿って下側パッキン45が設けられているが、上側パッキン44および下側パッキン45のいずれか一方または両方が設けられていなくてもよい。
【0090】
また、上記の実施形態では、コンセント装置4は、左右方向の他方側の端部が第2収納側板部38の左右方向の他方側の面383よりも左右方向の一方側に配置され、第2収納部32側(左右方向の他方側)へは突出しないように設けられている。
これに対し、
図20に示すように、コンセント装置4は、左右方向の他方側の端部が第2収納側板部38の左右方向の他方側の面383よりも第2収納部32側へ突出するように設けられていてもよい。第1収納部31の第2収納側板部38の左右方向の他方側に、第2収納部32の左右方向一方側の第1収納側板部37Bが隣接して設けられている場合には、コンセント装置4は、第2収納部32の第1収納側板部37B、および第1収納部31の第2収納側板部38それぞれの前側に跨って設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1,1B-1E キャビネット装置
2 天板(上側設置物)
4,4B-4E コンセント装置
15 プラグ
41 コンセント
43 庇部
44,44E 上側パッキン
45 下側パッキン
62,62B-62E コード係止部
71,71B フック部(コード掛け部)
84 コンセント装置固定部
311 引き出し(下側設置物)
621,621D コード配置スペース
622,622D 仕切り部
623,623D 切込み部
756 コード抜け防止部