(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】変換機械のための反転転移モジュール
(51)【国際特許分類】
B31B 50/07 20170101AFI20241219BHJP
【FI】
B31B50/07
(21)【出願番号】P 2023530621
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2021081793
(87)【国際公開番号】W WO2022106393
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-05-19
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】522462649
【氏名又は名称】ボブスト リヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルネイ エリック
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0270323(US,A1)
【文献】特開2013-234070(JP,A)
【文献】特開平07-156304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 50/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート(1)の上側(S1)に印刷するように配置された上面印刷シリンダ(30)を有する少なくとも1つの第1の印刷ユニット(17)と、前記シートの底側(S2)に印刷するように配置された底面印刷シリンダ(30)を有する少なくとも1つの第2の印刷ユニット(17’)と、を有する印刷モジュール(16)を備えた変換機械のための反転転移モジュール(60)であって、
前記反転転移モジュールは、前記少なくとも1つの第1の印刷ユニットと前記少なくとも1つの第2の印刷ユニットとの間で前記シート(1)を運搬するように構成され、
前記反転転移モジュールは、入口反転真空転移部(62)と出口反転真空転移部(64)とを備え、各々は、前記シートの異なる側面に接触してそれを搬送するように構成され、それによって前記反転転移モジュールは、前記シートの接着及び搬送の前記側面を変えるように構成され
、
前記反転転移モジュールは、前記反転転移モジュールのハウジング(61)に接続されたピボット可動ロッキング部(72)を更に備える、
ことを特徴とする反転転移モジュール(60)。
【請求項2】
前記印刷モジュール(16)は、フレキソ印刷モジュールであり、
前記第1の印刷ユニット(17)は、シートの上側(S1)に印刷するように配置された上面印刷シリンダ(30)を備え、
前記第2の印刷ユニット(17’)は、前記シートの底側(S2)に印刷するように配置された底面印刷シリンダを有する、
請求項1に記載の反転転移モジュール。
【請求項3】
前記ピボット可動ロッキング部は、前記反転転移モジュール(60)の前記ハウジング(61)を前記
第1の印刷ユニット(17)のハウジングに機械的に接続するなどのために
前記第1の印刷ユニット(17)内の対応する嵌合形状と係合するように構成される、
請求項
1に記載の反転転移モジュール。
【請求項4】
角度を付けて配置されて前記入口反転真空転移部(62)との進入クリアランス(C1)及び退出クリアランス(C2)を画定する第1の偏向器を更に備え、
前記進入クリアランスは、前記出口反転真空転移部への漏斗状進入通路が提供されるように前記退出クリアランスよりも大きい、
請求項1ないし請求項
3のいずれか1項に記載の反転転移モジュール。
【請求項5】
前記出口反転
真空転移部(64)と共に進入クリアランス(C3)及び退出クリアランス(C4)を画定する第2の水平に配置された偏向器を更に備え、
前記偏向器は、前記出口反転真空転移部と平行である、
請求項
4に記載の反転転移モジュール。
【請求項6】
前記入口反転真空転移部は、第1の真空発生器に接続され、前記出口反転真空転移部は、第2の真空発生器に接続される、
請求項1ないし請求項
5のいずれか1項に記載の反転転移モジュール。
【請求項7】
前記シートの前記上側に吸引を印加するように構成された前記
出口反転真空転移部の真空吸引力が、前記シートの前記底側に吸引を印加するように構成された前記
入口反転真空転移部に対する真空吸引力よりも高い、
請求項
6に記載の反転転移モジュール。
【請求項8】
構造フレームを更に備え、
前記上側及び下側反転真空転移部は、同じ前記構造フレーム(70)上に装着される、
請求項1ないし請求項
7のいずれか1項に記載の反転転移モジュール。
【請求項9】
反転転移モジュールには、前記反転転移モジュールの水平変位を可能にする変位手段(13)が設けられている、
請求項1ないし請求項
8のいずれか1項に記載の反転転移モジュール。
【請求項10】
前記シートの前記上側に吸引を印加するように構成された前記
出口反転真空転移部のハウジングが、上側真空発生器に接続された別体の吸引区画を備える、
請求項1ないし請求項
9のいずれか1項に記載の反転転移モジュール。
【請求項11】
前記
吸引区画は、前記運搬方向に延びる内壁によって画定され、かつ中心に配置された吸引区画(80)が提供されるように配置され、前記中心に配置された吸引区画は、第1の横方向吸引区画(82)と第2の横方向吸引区画(84)の間に配置される、
請求項
10に記載の反転転移モジュール。
【請求項12】
前記内壁は、可動シャッターとして構成され、
前記
可動シャッターを開くことにより、前記
上側真空発生器からの吸引力を前記第1の横方向吸引
区画と第2の横方向吸引
区画とに分配することができる、
請求項
11に記載の反転転移モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内面及び外面の両方の上に印刷パターンを有する紙又は段ボール箱の生成に適切である変換機械に関する。
【背景技術】
【0002】
包装業界では、箱は、典型的に段ボール紙又は板紙シート基板から生成される。折り畳み式スロット付き箱(時に「折り畳み箱」とも称される)及び平坦パック箱の2つの主なタイプの箱が存在する。折り畳み式スロット付き箱は、変換機械内で折り畳まれて互いに接着され、一方で平坦パック箱は、変換機械から平坦シートとして提供され、その後それらの最終内容物と共に提供される際に折り畳まれて(例えば、接着テープを用いて)閉じられる可能性がある。
【0003】
本発明は、印刷ユニットを備える変換機械に関する。そのような変換機械は、印刷された平坦パック箱を生成するのに適する回転式打抜機械として又は折り畳み式スロット付き箱を生成するためのフレキソ-折り畳み機-接着機変換機械として構成することができる。回転式打抜機械を例に取ると、それは、給送機モジュールと、フレキソ印刷モジュールと、打抜機械モジュールと、典型的には積み重ね機モジュールとを含む一連のモジュールを備える。
【0004】
段ボール箱又は板紙箱には、典型的に外面上に印刷パターンが設けられる。標準的な外側印刷工程では、変換機械内のフレキソ印刷シリンダは、典型的にシートの下方に位置付けられ、かつシートの底側に印刷するように構成される。シートの底側は、次いで、箱の外面を表す場合がある。
【0005】
時には同じく箱の内側に印刷することが望ましい。内側も印刷することにより、更に別の情報又は装飾パターンを箱の内面上に提供することができる。フレキソ印刷モジュールは、箱の外側及び内側の両方に印刷するために、シートの上側に印刷するように配置された印刷シリンダを有する少なくとも1つの追加のフレキソ印刷ユニットを含むことが更に必要である。
【0006】
シートは、シートが下側から印刷されるときに、上側で搬送される必要がある。逆に、シートが上面上に印刷されることになる場合には、シートは、底側で搬送される必要がある。
【0007】
シートの搬送及び接着は、搬送要素と、シートの底側及び上側に対して交互方式で吸引を印加するように構成された真空吸引ユニットと、を用いて部分的に達成される。この配置は、シートを駆動し、それを変換機械内側の印刷シリンダに対して望ましい垂直位置に維持する。
【0008】
両面印刷工程に対して、上側及び底面フレキソ印刷シリンダ間でシートの搬送の側面を移行する/切り換える必要がある。しかし、搬送及び接着のこの変化は、シートが方向を垂直に変化させることを引き起こす。これは、望ましくない見当シフト及び下流に位置付けられた印刷、切断並びに折り目付けの作動の更なる不整合を引き起こすような混乱を引き起こす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に言及した問題に鑑みて、本発明の目的は、上面印刷シリンダと底面印刷シリンダ間のシートの円滑かつ制御された移行を変換機械に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、請求項1に記載の反転転移モジュールによって解決される。
【0011】
本発明の第1の形態により、シートの上側に印刷するように配置された少なくとも1つの第1の印刷ユニットと、シートの底側に印刷するように配置された少なくとも1つの第2の印刷ユニットと、を備える印刷モジュールを有する変換機械のための反転転移モジュールを提供する。
【0012】
反転転移モジュールは、少なくとも1つの第1の印刷ユニットと少なくとも1つの第2の印刷ユニット間でシートを運搬するように構成され、反転転移モジュールは、入口反転真空転移部と出口反転真空転移部とを備え、その各々は、シートの異なる側面に接触してそれを搬送するように構成され、それによって反転転移モジュールは、シートの接着及び搬送の側面を変えるように構成される。
【0013】
一実施形態では、印刷モジュールは、フレキソ印刷モジュールであり、第1の印刷ユニットは、シートの上側に印刷するように配置された上面印刷シリンダを備え、第2の印刷ユニットは、シートの底側に印刷するように配置された底面印刷シリンダを有する。
【0014】
一実施形態では、反転転移モジュールは、反転転移モジュールのハウジングに接続されたピボット可動ロッキング部を更に備える。ピボット可動ロッキング部は、反転転移モジュールのハウジングを印刷ユニットのハウジングに機械的に接続するなどのために印刷モジュール内の対応する嵌合形状と係合するように構成される場合がある。
【0015】
一実施形態では、反転転移モジュールは、角度を付けて配置されて入口反転真空転移部との進入クリアランス及び退出クリアランスを定める第1の偏向器を更に備え、進入クリアランスは、出口反転真空転移部への漏斗状進入通路が提供されるように退出クリアランスよりも大きい。
【0016】
一実施形態では、反転転移モジュールは、出口反転転移部と共に進入クリアランス及び退出クリアランスを定める第2の水平に配置された偏向器を備え、偏向器は、出口反転真空転移部と平行である。
【0017】
一実施形態では、入口反転真空転移部は、第1の真空発生器に接続され、出口反転真空転移部は、第2の真空発生器に接続される。
【0018】
一実施形態では、シートの上側に吸引を印加するように構成された反転真空転移部の真空吸引力は、シートの底側に吸引を印加するように構成された反転真空転移部に対する真空吸引力よりも高い。
【0019】
一実施形態では、反転転移モジュールは、構造フレームを更に備え、上側及び下側反転真空転移部は、同じ構造フレーム上に装着される。構造フレームは、フレキソ印刷モジュールとは別体である。
【0020】
一実施形態では、反転転移モジュールには、変位手段が設けられ、反転転移モジュールの水平変位を可能にする。変位手段は、ホイール、ローラー又はガイドレールとすることができる。
【0021】
一実施形態では、シートの上側に吸引を印加するように構成された反転真空転移部のハウジングは、上側真空発生器に接続された別体の吸引区画を備える。
【0022】
区画は、運搬方向に延びる内壁によって画定されることができ、かつ中心に配置された吸引区画が提供されるように配置され、中心に配置された吸引区画は、第1の横方向吸引区画と第2の横方向吸引区画の間に配置される。
【0023】
一実施形態では、内壁は、可動シャッターとして構成され、真空発生器からの吸引力は、シャッターを開くことによって第1の横方向吸引箱及び第2の横方向吸引箱に分配することができる。
【0024】
本発明の第2の形態により、シートを印刷してそれを箱のための包装要素に変形する変換機械を提供し、変換機械は、
-シートの上側に印刷するように配置された第1の印刷ユニットと、シートの底側に印刷するように配置された第2の印刷ユニットと、を備える印刷モジュールと、
-運搬方向に搬送経路に沿って変換機械を通してシートを搬送するように構成された運搬システムであって、運搬システムは、シートの底側でシートに接触してそれを搬送するように構成された第1の移送ユニットと、シートの上側でシートに接触してそれを搬送するように構成された第2の移送ユニットと、を備え、移送ユニットは、運搬方向にシートを前方に移動するように構成された駆動要素と、シートを駆動要素に接着させるように配置された真空開口と、を備える上記運搬システムと、を備え、
変換機械は、第1の印刷ユニットと第2の印刷ユニット間に配置された反転転移モジュールを更に備え、反転転移モジュールは、入口反転真空転移部と、出口反転真空転移部と、を備え、その各々は、シートの異なる側面に接触してそれを搬送するように構成され、それによって反転転移モジュールは、シートの接着及び搬送の側面を変えるように構成される。
【0025】
本発明は、シートの搬送の側面の制御された変更をシートの運搬を制御するように構成された専用モジュールに達成することができるという認識に基づいている。従って、反転転移モジュールは、搬送の側面が変化すると同時にシートを垂直に変位させる。
【0026】
包装要素は、平坦パック箱、折り畳み式スロット付き箱又は折り畳み箱とすることができる。包装要素は、好ましくは段ボール紙又は板紙から作られる。
【0027】
一実施形態では、印刷モジュールは、フレキソ印刷モジュールであり、第1の印刷ユニットは、シートの上側に印刷するように配置された上面印刷シリンダを備え、第2の印刷ユニットは、シートの底側に印刷するように配置された底面印刷シリンダを有する。
【0028】
一実施形態では、印刷モジュールは、オフセット印刷モジュールであり、第1の印刷ユニットは、シートの上側に印刷するように配置された上面印刷シリンダを備え、第2の印刷ユニットは、シートの底側に印刷するように配置された底面印刷シリンダを有する。
【0029】
一実施形態では、第1の印刷ユニットは、シートの上側に印刷するように構成されたインクジェット印刷ユニットであり、第2の印刷ユニットは、シートの底側に印刷するように構成されたフレキソ印刷モジュールである。
【0030】
一実施形態では、変換機械は、回転式打抜機械の構成にある。別の実施形態では、変換機械は、フレキソ-折り畳み機-接着機の構成にある。
【0031】
一実施形態では、第1のフレキソ印刷ユニットは、運搬方向に第2のフレキソ印刷ユニットの上流に配置され、入口反転真空転移部は、シートの底側に吸引を印加するように構成される。入口反転真空転移部は、すなわち、シートの底側を入口反転転移部の駆動ローラー又はコンベヤベルトに接着させるように構成される。
【0032】
一実施形態では、入口反転真空転移部は、最も近い上流に位置付けられた印刷ユニットの隣接移送ユニットと調和して駆動される。入口反転真空転移部の速度は、最も近い上流に位置付けられた印刷ユニットの移送ユニットの速度に等しい。
【0033】
一実施形態では、出口反転真空転移部は、最も近い下流に位置付けられた印刷ユニットの移送ユニットと調和して駆動することができる。出口反転真空転移部の速度は、最も近い下流に位置付けられたフレキソ印刷ユニットの移送の速度に等しい。
【0034】
一実施形態では、変換機械は、運搬方向に印刷モジュールの下流に位置付けられた打抜モジュールを更に備える。
【0035】
一実施形態では、変換機械は、可動部品と、固定部品と、を備え、反転転移モジュールは、可動部品と固定部品間の移行要素として配置される。可動部品は、床面上で変位可能であるモジュールを備える。固定部品は、床面上に固定的に装着されたモジュールを備える。
【0036】
一実施形態では、反転転移モジュールには、変位手段が設けられ、フレキソ印刷ユニットに対する反転転移モジュールの水平変位を可能にする。変位手段は、ホイール、ローラー又はスライドレールとすることができる。
【0037】
更に別の利点及び特徴は、本発明の例示的実施形態の以下の説明から及び類似の特徴が同じ参照番号で示される添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1a】組み立て前の平坦パック箱を示す図である。
【
図1b】組み立て後の平坦パック箱を示す図である。
【
図2】回転式打抜機械の構成での変換機械の例を示す図である。
【
図3】フレキソ印刷モジュールの概略斜視図である。
【
図4】フレキソ印刷アセンブリの概略斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態による反転転移モジュールの概略断面図である。
【
図7a】本発明の実施形態による反転転移モジュールの詳細断面図である。
【
図7b】底面反転真空転移部と上面真空反転転移部間の移行部の詳細図である。
【
図8a】反転転移モジュールとフレキソ印刷ユニット間のロッキング配置の概略断面図である。
【
図8b】反転転移モジュールとフレキソ印刷ユニット間のロッキング配置の概略断面図である。
【
図9】入口側からの
図7aの反転転移モジュールの概略斜視図である。
【
図10】出口側からの反転転送モジュールの概略斜視図である。
【
図11】
図9及び10の反転転移モジュールの概略断面図である。
【
図12a】印刷アセンブリが印刷位置にある本発明の実施形態による上面印刷のためのフレキソ印刷ユニットの概略断面図である。
【
図12b】印刷アセンブリが点検位置にある本発明の実施形態による上面印刷のためのフレキソ印刷ユニットの概略断面図である。
【
図13a】
図12aのフレキソ印刷ユニットの構造フレームの概略側面図である。
【
図13b】
図12bのフレキソ印刷ユニットの構造フレームの概略側面図である。
【
図14】
図12a及び12bからの構造フレームの概略前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
ここで平坦パック箱1’’と折り畳み後に平坦パック箱1’’から得られる箱1’との例を示す
図1a及び
図1bを参照する。図に見られるように、平坦パック箱1’は、折り畳みを可能にする折り目付き縁部2と箱1’に全体形状を与える切断された外縁4とを備え、(例えば、ハンドルのための)切り欠き部5を更に備えることができる。平坦パック箱1’’は、
図1cに示すようなシート基板1から得られる。シート基板1は、段ボール紙又は板紙の正方形又は矩形シートである。
【0040】
図1bの平坦パック箱1’’は、
図2に示すような変換機械10で生成される。変換機械10の進入位置では、未加工の板紙又は段ボール紙シート基板1は、給送機モジュール14に置かれ、かつシート基板1を印刷、切断及び折り目付けする一連の作動を受け入れるために運搬方向Dに搬送される。
【0041】
図2に示す変換機械10は、回転式打抜機械の構成にある。しかし、別の図示しない実施形態では、変換機械10は、フレキソ-折り畳み機-接着機の構成とすることができる。
図2の変換機械10は、シート基板1が変換機械10を通して搬送されるときにシート基板1に異なる加工段階を行う複数の異なるモジュール又はワークステーションを含む。
【0042】
変換機械10は、変換機械10の入口から及び運搬方向Dに沿った下流方向に、事前給送機12と、給送機モジュール14と、少なくとも1つのフレキソ印刷ユニット17を備えるフレキソ印刷モジュール16と、打抜機械モジュール18と、バンドル積み重ね機20と、パレット搬送機-破断機モジュール22と、を備えることができる。主オペレータインタフェース11も、変換機械10の近くに設けることができる。
【0043】
シート基板1は、パレット搬送機及び破断機モジュール22の前では、並列に配置された複数の平坦パック箱1’’が設けられた中間ブランクの形態とすることができる。
図1bは、パレット搬送機-破断機モジュール22の前で得られた中間ブランクの形状を示している。複数の折り目線2及び切断線4が、中間ブランクの面上に設けられる。第1のブランクを第2のブランクから分離するために、穿孔線3を設けることができ、パレット搬送機-破断機モジュール22内で断裂させることができる。
【0044】
シート1の形態の紙基板又は段ボール紙基板は、給送機14によって変換機械10に導入され、給送機14は、シート1を予め定められた間隔で1つずつ変換機械10の中に給送する。シート1の連続供給を可能にするために、シートのスタックは、給送機14に置かれる。
【0045】
フレキソ印刷モジュール16は、給送機モジュール14の後に配置することができ、シート1の片面に印刷するように構成される。典型的に及び現在市販の変換機械では、シート1は、箱の外側になることになる側面上に印刷される。
【0046】
図3に最も良く見られるように、フレキソ印刷モジュール16は、少なくとも1つのフレキソ印刷ユニット17を備えることができる。好ましくは、フレキソ印刷モジュール16は、異なる色の印刷を可能にするためなどに複数のフレキソ印刷ユニット17a、17bから17nを備える。例えば、フレキソ印刷ユニット17は、特注のインクを使用するか又はシアン、マゼンタ、イエロー、及び基幹(ブラック)インクによるカラー印刷を達成するためにCMYKカラーモデルを使用することができる。フレキソ印刷ユニット17は、外部ハウジング24及び構造フレーム100を備え、構造フレーム100上にフレキソ印刷アセンブリ28(
図4に図示)が装着される。
【0047】
当業技術で公知のようなフレキソ印刷ユニット17のための例示的底面印刷フレキソ印刷アセンブリ28を
図4に示している。フレキソ印刷アセンブリ28は、印刷プレート31を装着することができる取り付けブラケット38を有する印刷シリンダ30を備える。印刷プレート31には、シート1上に特定のモチーフを印刷するように構成された印刷ダイが設けられる。アニロックス(anilox)シリンダ34は、印刷シリンダ30の近くに配置され、インクを吸引して(ドクターブレードチャンバ36のような)液体供給デバイスから印刷プレート31にインクを移送するように構成される。
【0048】
(対抗シリンダとも称される)アンビル32は、印刷シリンダ30の隣に配置され、印刷シリンダ30に対してシート1を裏当て/押圧し、モチーフがシート1に転写されるのを保証するように構成される。
【0049】
図2及び
図5に最も良く見られるように、変換機械10は、運搬方向Dに変換機械10を通る搬送経路Pに沿ってシート1を搬送するように構成された運搬システムを更に備える。運搬方向Dは、変換機械10の入口から出口に定められる。従って、搬送経路Pは、給送機モジュール14から打抜機械モジュール18の方向にかつ送出テーブルの方向に延びることができる。運搬システムは、変換機械10を通してシート1を搬送する無限ベルトコンベヤ及びローラーのような駆動要素を備える。運搬システムは、転移部40と称される複数の別体の搬送セグメントを備えることができる。特に、転移部40は、フレキソ印刷ユニット17、17’内に位置付けられた一連の移送ユニット66、68を備える。移送ユニット66、68は、真空移送ユニット66、68の形態とすることができる。運搬システムは、異なるワークステーション間に配置された真空移送ユニットを更に備える。
【0050】
転移部40は、駆動ローラー42のような駆動要素42と、駆動ローラー42の周りに設けられた複数の吸引開口46と、を備える。吸引開口46は、駆動ローラー42に対してシート1を確実に保持するように構成される。これに代えて、駆動ローラー42の代わりに、コンベヤベルトを使用することができる。
【0051】
転移部40は、平滑な金属面とすることができる搬送面50を更に備える。駆動ローラー42は、印刷シリンダ30の側とは反対側に位置付けられる。それによって駆動ローラー42は、印刷プレート31によって現在印刷されている側の反対側である「乾燥側」でシート1を搬送することができる。その結果、シート1の運搬の側面は、シート1が底側S2及び上側S1の両方に印刷されることになるときに、変換機械10内で変えられる必要がある。
【0052】
ここで本発明の実施形態による印刷モジュール16の断面図を示す
図6を参照する。図示のように、印刷モジュール16は、フレキソ印刷モジュール16の形態とすることができる。
【0053】
フレキソ印刷モジュール16は、第1のフレキソ印刷セクション16aと、第2のフレキソ印刷セクション16bと、を備える。
【0054】
第1のフレキソ印刷セクション16aは、上面印刷配置の構成で少なくとも1つのフレキソ印刷ユニット17を備える。第2のフレキソ印刷セクション16bは、底面印刷配置の構成で少なくとも1つのフレキソ印刷ユニット17’を備える。
【0055】
第1のフレキソ印刷セクション16aは、すなわち、シート1の上側S1に印刷するように構成され、第2のフレキソ印刷セクション16bは、シート1の底側S2に印刷するように構成される。上側S1は、この場合に箱の内側を表すことができ、シートの底側S2は、箱の外側を表すことができる。
【0056】
第1のフレキソ印刷セクション16aは、異なるインクの使用を可能にするために1又は複数のフレキソ印刷ユニット17、例えば、4つ17a、17b、17c、17dを備えることができる。同様に、第2のフレキソ印刷セクション16bも、1又は複数のフレキソ印刷ユニット17’を備えることができる。
【0057】
反転転移モジュール60は、第1のフレキソ印刷セクション16aの最後のフレキソ印刷ユニット17と第2のフレキソ印刷セクション16bの第1のフレキソ印刷ユニット17’との間に配置される。
【0058】
両面印刷の場合に、運搬システムは、シート1の上側S1でシート1に接触してそれを搬送するように構成された転移部40の第1の群と、シート1の底側S2でシート1を搬送するように構成された転移部40の第2の群と、を備える。フレキソ印刷モジュール16は、印刷される側とは反対の側でシート1を搬送するように転移部40のこれらの2つの群の両方を備える。この主旨で、転移部の第1の群は、第1のフレキソ印刷ユニット17内に第1の移送ユニット66を備え、シート1の底側S2でシート1に接触してそれを搬送するように構成される。同様に、第2のフレキソ印刷ユニット17’は、シート1の上側S1でシート1を搬送するように構成された第2の移送ユニット68を備える。移送ユニット66、68は、典型的には、真空移送ユニットであり、シート1を駆動ローラー42に接着させるように構成される。
【0059】
本発明を上面印刷ユニット17が底面印刷ユニット17’の前に配置された状態で説明及び図示する場合でも、底面印刷ユニット17’が運搬方向Dに上面印刷ユニット17の前に配置された変換機械10を備えることも可能である。そのような場合に、図示の反転転移モジュール60は、反転/ミラー方式に配置される。
【0060】
しかし、底面印刷セクション16bの前に上面印刷セクション16aを配置することは、打抜モジュール18でのより良好な精度を提供することができる。シート1は、打抜モジュール18に到着した時にその上側S1に接着して搬送されるので、シート1はまた、上面装着式回転打抜ツールの近くに位置決めすることができる。それによって打抜モジュール18でのシート1のより良い移送及びより正確な位置を提供することができる。
【0061】
これに代えて、図示しない実施形態では、印刷モジュール16は、オフセット印刷モジュールの形態とすることができる。オフセット印刷モジュールは、シート1の上側S1に印刷するように構成された第1の印刷ユニットと、シート1の底側S2に印刷するように構成された第2の印刷ユニットと、を有することができる。
【0062】
別の実施形態では、印刷モジュール16は、シート1の上側S1に印刷するように構成されたインクジェット印刷ユニットの形態の第1の印刷ユニットと、シート1の底側S2に印刷するように構成されたフレキソ印刷ユニットと、を備えることができる。
【0063】
反転転移モジュール60は、シート1の底側S2に接触するように構成された底面反転真空転移部62と、シート1の上側S1に接触するように構成された上面反転真空転移部64と、を備える。反転転移モジュール60の底面反転真空転移部62及び上面反転真空転移部64により、シート1の運搬の側面の変更が可能である。従って、反転転移モジュール60は、シート1の接着側面を第1の印刷セクション16aの上流に位置付けられた移送ユニット66から第2の印刷セクション16bの下流に位置付けられた移送ユニット68に変える。図示の実施形態では、運搬方向Dに底面反転真空転移部62は、入口真空転移部として構成され、上面反転真空転移部64は、出口真空転移部として構成される。
【0064】
図7a及び
図7bに示すように、入口反転真空転移部62及び出口反転真空転移部64は、構造フレーム70に装着される。反転転移モジュール60での入口反転真空転移部62と出口反転真空転移部64間の垂直距離d2は、シート1の典型的な最大厚みが入口反転真空転移部62と出口反転真空転移部64間のクリアランスを通過することができるように選択される。典型的には、このクリアランスの距離d2は、一般的な最大厚紙厚に対応する約10mmとすることができる。
【0065】
図7a、
図7b、
図8a及び
図8bに示すように、反転転移モジュール60は、反転転移モジュール60を最も近い上流に位置付けられたフレキソ印刷ユニット17に機械的に接続する少なくとも1つのロッキング機構71を更に備えることができる。ロッキング機構71は、レバー73及びピストンアクチュエータ74に取り付けられた可動ロッキング部72を備える。ロッキング部72は、レバー73の第1の先端73a上に位置決めされ、一方でレバーの第2の先端73bは、反転転移モジュール60のハウジング61に固定的であるが回転可能に装着され、レバー73の回転軸Aを定める。ピストンアクチュエータ74は、レバー73の第1の先端73aに接続される。ピストンアクチュエータ74は、第1の先端73a上に配置されたロッキング部72が円形経路でかつ垂直方向に移動されるように作動させることができる。印刷ユニット17の構造フレーム100は、反転転移モジュール60と印刷ユニット17の構造フレーム100とのロックを達成することができるように、ロッキング部72に対する対応する嵌合形状を備える。
【0066】
ピストン作動式レバー73は、すなわち、反転転移モジュール60及び印刷ユニット17の構造フレーム70、100又はハウジング61、19を互いに対して強制的に接触させることを可能にする。従って、ピストンアクチュエータ74を、停止が感知されるまで作動させることができ、その結果、ハウジング61、19が互いに接触していることが示される。
【0067】
反転転移モジュール60は、均一な接続を達成するために、反転転移モジュール60の横方向に各々の上に位置付けられた2つのロッキング機構71を備えることができる。
【0068】
図示しない実施形態では、類似のロッキング機構71は、反転転移モジュール60の下流に位置付けることができ、反転転移モジュール60を第2のフレキソ印刷セクション16bの最も近い下流に位置付けられたフレキソ印刷ユニット17’にロックするように作動させることができる。このロッキング機構は、反転転移モジュール60の下流に位置付けられた最も近いフレキソ印刷ユニット17’が移動可能(すなわち、床面上で変位可能)である場合に有利に使用することができる。
【0069】
ロッキング機構71により、反転転移モジュール60をフレキソ印刷ユニット17、17’から離脱させることが可能になる。フレキソ印刷ユニット17、17が移動可能(すなわち、床面上で変位可能)である場合に、フレキソ印刷ユニット17、17は、反転転移モジュール60から又は隣接するフレキソ印刷ユニット17から離脱後(運搬方向Dでの)に移動することができる。反転転移モジュール60が移動可能である場合に、反転転移モジュール60を変位させることもできる。そのような作動は、フレキソ印刷シリンダ30上の印刷プレート31へのアクセスを得るために又は一般的な点検中断に対して必要である可能性がある。
【0070】
図6に見られるように、変換機械10は、可動部品20a及び固定部品20bを備えることができ、反転転移モジュール60は、可動部品20aと固定部品20b間の移行要素として配置することができる。可動部品20aは、第1のフレキソ印刷セクション16a内の給送機14から最後のフレキソ印刷ユニット17までのモジュールを含むように構成することができる。固定部品20bは、第2のフレキソ印刷セクション16b内の反転転移モジュール60及びフレキソ印刷ユニット17’を含むように構成することができる。可動部品20aのモジュールは、床面上での変位のためのローラー又はホイール13を有することができる。これに代えて、ホイールの代わりに、可動部品20aのモジュールは、スライドレール接続によって床面上に摺動可能に装着することができる。任意的に、反転転移モジュール60には、床面上での変位のためのホイール13を設けることができる。
【0071】
入口反転真空転移部62及び出口反転真空転移部64は、真空ダクト33を通じて少なくとも1つの真空源76a、76bに接続される。図示の実施形態では、入口反転真空転移部62は、第1の真空発生器76aに接続することができ、出口反転真空転移部64は、第2の真空発生器76bに接続することができる。これに代えて、単一真空発生器及び少なくとも1つの弁は、入口反転真空転移部62と出口反転真空転移部64間の真空吸引力を分配及び調節するのに使用することができる。
【0072】
真空発生器76a、76bは、可変真空力を提供するように構成することができる。特に、変換機械10は、真空力及び真空力の区域を修正することができるように異なる設定値を受信するように構成することができる。設定値は、シート1の寸法(すなわち、シート面積)、重量及び面品質に応じて修正することができる。面品質に関して、典型的には、滑らかな面の方が、起伏のある面よりも真空開口46に強く接着する。真空発生器76a、76b又は発生器76は、可変rpm設定値に応答して可変真空力を提供することができる。
【0073】
図10及び
図11に最も良く見られるように、上面反転真空転移部64のハウジング61は、真空発生器76bに接続された別体の吸引区画80、82、84を備えることができる。運搬方向Dに延びる内壁86、88は、中心に配置された吸引区画80が設けられて第1の横方向吸引区画82と第2の横方向吸引区画84間に配置されるように配置される。
【0074】
中心吸引区画80には、第1及び第2の横方向吸引区画82、84に対して分離壁86、88が設けられる。分離壁86、88は、可動シャッター86、88として設けられ、可変開度を提供するように構成される。シャッター86、88は、ピボット可能に可動である場合がある。
【0075】
シャッター86、88は、吸引力の位置を制御する。中心吸引区画80は、真空発生器76bに直接に接続することができる。負圧を第1及び第2の横方向吸引区画82、84に分配するために、シャッター86、88が開かれる。従って、真空は、中心吸引区画80のシャッター86、88を開いたときに横方向吸引区画82、84に生成される。
【0076】
シャッター86、88により、吸引区画80、82、84の内側の圧力を選択的に調節することができる。吸引力は、シャッター86、88が閉じられたときに、中心吸引区画80に集中される。吸引力は、シャッター86、88が開かれたときに、中心吸引区画80を通して横方向吸引区画82、84に分配される。
【0077】
シャッター86、88を開いたときに、吸引力がより広い範囲にわたって分散されながら圧力降下が達成される。小幅のシート1(例えば、幅が1メートルに劣る展開されたブランク)の場合に、吸引力は、好ましくは、中心吸引区画80に集中される。従って、吸引力は、横方向吸引区画86、88内よりも中心吸引区画80内の方が大きい。小幅のシート1は、大幅のシートよりも少ない吸引開口を妨害しているので、より高い吸引力を必要とする。真空接着度は、妨害される吸引開口の増大数の関数として増大される。シャッター86、88を閉じて真空吸引力を中心区画80に集中させることにより、小幅のシート1の方が上面反転真空転移部64に良好に接着させることができる。幅が大きいほど、吸引力は、シート1の大きい幅にわたって印加される。
【0078】
シャッター86、88の開度は、アクチュエータ87によって自動的に調節され、周辺制御ユニット65又は中心制御ユニット15から制御することができる。例えば、空気圧シリンダのアクチュエータ87を使用することができる。制御ユニット65、15は、シート1のフォーマット及び/又は重量及び任意的に面品質に応じてシャッター86、88の最適な開度を計算及び決定するように構成することができる。シャッター86、88は、次いで、運搬方向Dに対して横方向に延びるアクチュエータ87で移動することができる。
【0079】
図7A及び
図7Bに示すように、上面反転真空転移部64のハウジング側板63及び底面反転真空転移部62のハウジング側板65は、好ましくは、距離dで重なり合っている。重なり合う距離dは、シート1が入口反転真空転移部62から出口反転真空転移部64に移送されるときにシートの位置に対する制限を保証する。距離dは、下側反転真空転移部62と上側反転真空転移部64間の反作用/干渉を避けるように選択される。入口反転真空転移部62と出口反転真空転移部64間の移行部では、出口反転転移部64の最も近い隣接吸引開口部26bは、好ましくは、入口反転転移部62の最も近い隣接吸引開口部26aに対してオフセットされる。従って、距離dは、運搬方向Dに上面反転真空転移部64の第1の上側吸引開口部26bが下側反転真空転移部62の最後の下側吸引開口部26aに対してオフセットされるように選択(すなわち、寸法調節)することができる。
【0080】
反転転移モジュール60は、シート1がいずれの印刷シリンダ30とも接触していないときにシート1上の接着側面を変えるように構成することができる。この主旨で、反転転移モジュール60には、シート1の長さと同等以上の長さを有する入口反転真空転移部62を設けることができる。それによってシート1がもはや上流に位置付けられた印刷シリンダ30と接触しなくなると、シート1は、異なる接着側面に移行し始めることのみが可能である。従って、特定の長さのシート1は、どの印刷シリンダ30とも接触していないときに牽引の側面を変えることになる。
【0081】
しかし、より一般的な実施形態では、シート1は、入口反転真空転移部62の長さよりも長く、接着側面の変更は、シート1が上流に位置付けられた印刷ユニット17のフレキソ印刷アセンブリ28内にまだある間に行われることになる。
【0082】
入口反転真空転移部62は、接着側面の変更を更に制御するために、最も近い上流に位置付けられた印刷ユニット17の隣接真空移送ユニット66と調和して駆動することができる。入口反転真空転移部62の速度は、上流に位置付けられたフレキソ印刷ユニット17の真空移送ユニット66の速度と同じである。
【0083】
同様に、出口反転真空転移部64は、最も近い下流に位置付けられた印刷ユニット17’の真空移送ユニット68と調和して駆動することができる。それによって反転転移モジュール60及び隣接フレキソ印刷ユニット17でのシート1の正確かつ一定の速度が可能である。
【0084】
別の実施形態では、入口反転真空転移部62及び出口反転真空転移部64は、同じモータ79に接続することができ、反転真空転移部62、64の速度は等しく、かつ変換機械10を通して回復された全体運搬速度によって定められる。全体運搬速度は、制御ユニット65によってリアルタイムで計算して伝達することができる。
【0085】
反転転移モジュール60は、シートが入口反転真空転移部62と出口反転真空転移部64間を移行するときにシート1の前部前縁9の移動を制御するように構成された案内配置90を更に備える。
【0086】
この主旨で、第1の偏向器91は、入口反転真空転移部62の搬送面50に対して角度を付けて配置され、入口反転真空転移部62との進入クリアランスC1及び退出クリアランスC2を定める。進入クリアランスC1は、出口真空転移部64への漏斗状進入通路が設けられるように退出クリアランスC2よりも大きい。第1の偏向器91は、シート前縁9を位置決めして入口反転転移部62に対してシート1を平らに接着させるように構成される。この接着効果は、漏斗状進入通路内を下る真空力の漸進的な集中及び増幅によって達成される。第1の偏向器91はまた、シートが出口真空転移部64の下を通過するようにシート1の前部前縁9を位置決めするように構成される。漏斗状の第1の偏向器91はまた、一度に1つのシート1のみが通過することができるように退出クリアランスC2を制限することにより、重なり合うシート1の存在を防止することができる。
【0087】
第2の水平に配置された偏向器92は、第1の偏向器91の下流に配置され、出口反転真空転移部64の搬送面50と共に進入クリアランスC3及び退出クリアランスC4を定める。進入クリアランスC3及び退出クリアランスC4は、等しいのがよい。第2の偏向器92は、出口反転真空転移部64と平行に配置することができる。
【0088】
従って、第2の偏向器92は、上側真空転移部64の下で望ましい距離C3、C4でシート基板1をそれが出口反転転移部64によって接着及び駆動されるように制限するように構成される。この距離C3、C4により、シート1が制御及び制限されて上側反転真空転移部64まで持ち上げられて接着されることが保証される。
【0089】
シート1の前縁は、第2の偏向器92がなければ、上側反転真空転移部64に接着せず、「下に潜る」恐れがある。それによってシート全体が垂直に落下することになる。
【0090】
フレキソ印刷アセンブリ28は、シート1の上面S1に印刷するときに、印刷がシート1の底側S2で行われるときとは異なって配置される必要がある。印刷シリンダ30及びドクターブレードチャンバ36は、シート1の上面S1に印刷するときに上面上に配置される必要がある。しかし、それによって印刷プレート31を変えるために印刷シリンダ30にアクセスすることが困難になる場合がある。
【0091】
ここでシート基板1をその上側S1に印刷するように構成されたフレキソ印刷ユニット17を示す
図12a及び
図12bを参照する。
図12a及び
図12bに示すように、フレキソ印刷ユニット17は、フレキソ印刷アセンブリ28と、真空ダクト33に接続されたフレキソ印刷移送ユニット66と、を備える。フレキソ印刷移送ユニット66は、
図5に示す移送ユニット40と同様に構成することができ、それによってローラー42のような駆動要素42は、運搬方向Dにシート1を前方に駆動させ、一方でローラー42の周りの真空開口46は、駆動要素42に吸引によってシート1を接着させてシート1を平らに保つことに関与する。
【0092】
フレキソ印刷アセンブリ28は、印刷シリンダ30と、対抗シリンダ32と、アニロックスシリンダ34と、ドクターブレードチャンバ36と、を備える。フレキソ印刷アセンブリ28は、上面印刷に対して構成されるので、印刷シリンダ30及びドクターブレードチャンバ36は、フレキソ印刷ユニット17の上部で対抗シリンダ32の上方に位置付けられる。
【0093】
フレキソ印刷ユニット17は、印刷アセンブリ28が装着される構造フレーム100を更に備える。
図13a及び
図13bに最も良く見られるように、構造フレーム100は、固定フレーム部分102と、可動フレーム部分10と、を備える。フレキソ印刷アセンブリ28の一部の構成要素は、可動フレーム部分104に接続され、かつ固定フレーム構成要素102に対して垂直に移動可能であるカセット35を形成している。
【0094】
可動フレーム部分104は、第1の側面ブラケット108aと、第2の側面ブラケット108bと、を備える。
図14及び
図15に最も良く見られるように、第1の側面ブラケット108a及び第2の側面ブラケット108bは、複数の横断方向かつ細長フレーム構成要素110によって接続される。横断方向フレーム構成要素110は、カセット35の剛性を改善するために側面ブラケット108a、108bを安定させる。
【0095】
フレキソ印刷アセンブリ28は、印刷シリンダ30と、アニロックスシリンダと、対抗シリンダ32と、ドクターブレードチャンバ36と、を備える。印刷シリンダは、対抗シリンダ32の上方に垂直に配置され、シート1の上側S1に印刷するように構成される。印刷シリンダ30、アニロックスシリンダ34及びドクターブレードチャンバ36は、可動フレーム部分104に装着され、対抗シリンダ32は、固定フレーム部分102に装着される。
【0096】
第1の側面ブラケット108a及び第2の側面ブラケット108bは、印刷シリンダ30及びアニロックスシリンダ34の端部を受け入れるように構成された開口部107a、107bを備える。対抗シリンダ32は、開口部107cで固定フレーム部分102に装着される。転がり軸受のような中間部品は、開口部に装着することができ、かつ印刷シリンダ30、対抗シリンダ32及びアニロックスシリンダ34のシャフトに取り付けることができる。
【0097】
固定フレーム102部分は、第1の側面フレーム部分109aと、第2の側面フレーム部分109bと、を備える。第1の側面ブラケット108a及び第2の側面ブラケット108bは、それぞれ、第1の側面フレーム部分109a及び第2の側面フレーム部分109bに摺動可能に接続される。
【0098】
ガイドレール112及び摺動ブロック114は、摺動接続を提供するために、摺動接続を形成するように可動フレーム部分104と固定フレーム部分102間に設けることができる。
図15に示すように、第1及び第2の摺動ブロック114a、114bは、それぞれ、第1及び第2の側面ブラケット108a、108bに接続することができる。摺動ブロック114a、114bは、固定フレーム部分102上に位置付けられたガイドレール112a、112bへの接触面を含むように一列に配置された玉軸受を備えることができる。従って、第1のガイドレール112a及び第2のガイドレール112bは、それぞれ、固定フレーム部分の第1及び第2の側面フレーム部分109a、109b上に配置することができる。
【0099】
好ましくは、複数の摺動ブロック114は、カセット35の側面ブラケット108a、108bに装着することができる。それによって第1及び第2の側面ブラケット108a、108bの両方の直線的かつ案内された移動が可能である。図示の実施形態では、1つの摺動ブロック114a、114bが、各側面ブラケット108a、108b上に設けられる。同じくそれによって可動フレーム部分104の案内が更に分散及び安定化される。摺動ブロック114a、114bは、第1及び第2の側面ブラケット108a、108bに取り外し可能に装着することができる。例えば、ボルト及びネジのような取り外し可能なファスナは、摺動ブロック114を第1及び第2の側面ブラケット108a、108bに装着するのに使用することができる。同じく、ブラケット108a、108bの各垂直側面に複数の摺動ブロック114a、114b、例えば、各側面ブラケット108a、108b上に1つの上側摺動ブロック114及び1つの下側摺動ブロック114を設けることが可能である。
【0100】
変位機構120は、側面ブラケット108a、108b及び固定フレーム部分102に接続される。変位機構120は、モータ122と、第1のアクチュエータ124aと、第2のアクチュエータ124bと、を備える。
【0101】
図示の実施形態では、アクチュエータ124a、124bは、機械式アクチュエータである。機械式アクチュエータ124a、124bは、モータ122からの回転変位運動を直線変位に変換し、従って、可動フレーム部分104を垂直方向にかつ固定フレーム部分102に対して変位させるように構成される。
【0102】
図13から
図15に示すように、第1及び第2のアクチュエータ124a、124bは、モータ122に作動的に接続された垂直駆動シャフト126a、126bと、回転運動を直線変位に変換するように構成された第1及び第2の変換器128a、128bと、を備える。
【0103】
変換器128a、128bの各々は、好ましくは、ネジ切り部分を有する軸受129a、129bと、回転シャフト130a、130bと、を備える。回転シャフト130a、130bには、軸受129a、129bに受け入れられるネジ切り部分を有する第1の端部127が設けられる。軸受129a、129bには、好ましくは、雌ネジが設けられる。
【0104】
モータ122及び垂直駆動シャフト126a、126bは、回転運動を回転シャフト130a、130bに伝達し、回転シャフト130a、130bは、次に、軸受129a、129bを垂直方向に変位させる。回転シャフト129a、129bは、「回転可能シャフト」と称すこともできる。その結果、軸受129a、129bが可動フレーム部分104の第1及び第2の側面ブラケット108a、108bに固定的に接続されるので、カセット35は、回転シャフト130a、130bの角度位置の変化に応じて垂直方向に移動する。好ましくは、第1の回転シャフト130a及び第2の回転シャフト130bの第2の端部137は、接続フランジ131a、131bによって支持される。接続フランジ131a、131bは、カセット35の重量が支持される当接面として作用することができる。
【0105】
図14及び
図15に最も良く見られるように、同じモータ122は、モータ122とは反対側に配置された第1のアクチュエータ124a及び第2のアクチュエータ124bに作動的に接続することができる。
【0106】
この主旨で、水平に配置された伝達シャフト132は、カセット35の下で水平に延び、モータ122から第2のアクチュエータ124bにトルクを伝達するように構成される。
【0107】
伝達シャフト132の第1の端部132aは、角度シャフト125a(「角度分割器」とも称される)を通じてモータ122に接続される。第2の角度シャフト125bは、伝達シャフト132の第2の端部132bに位置付けられ、伝達シャフト132は、第2の垂直駆動シャフト126bに接続する。従って、モータ122は、第1のアクチュエータ124aと第2のアクチュエータ124b間にトルクを分配するように構成される。第1及び第2のアクチュエータ124a、124bは、カセット35の垂直位置を変えるように回転シャフト130a、130bの角度位置を修正するように調和して移動する。
【0108】
本発明の変位機構120は、カセット35に対する正確な変位を達成することができるという利点を提供する。同時に、回転シャフト130a、130bの回転が停止された状態で、カセット35は、固定位置に維持される。これに加えて、角度シャフト125a、125bは、モータ122が停止されたときにカセット35が降下することができないように、垂直駆動シャフト126a、126bの回転運動をロックするように構成された制動機構を備えることができる。
【0109】
ここで作動位置Aと点検位置B間のカセット35の垂直移動を示す
図12a及び
図12bを参照する。作動位置A(
図12a参照)は、印刷位置に対応し、印刷位置では、印刷シリンダ30及び対抗シリンダ32は、シート1の印刷に適する距離で離間している。点検位置B(
図12b参照)では、印刷シリンダ30は、印刷位置Aよりも更に対抗シリンダ32から離間している。
【0110】
図12aに見られるように、ドクターブレードチャンバ36は、機械オペレータの目の高さに又は目の高さの下方に位置決めされ、印刷シリンダ30へのアクセスは制限される。
図12bに示すように、印刷プレート31を変えるときにカセット35を上方に移動することにより、印刷シリンダ30は、可変位置に及びオペレータの好みに応じて位置決めすることができる。理想的には、点検位置は、オペレータが屈まずに印刷プレート31を交換することができるように設定される。このようにして、オペレータは、印刷シリンダ30に対する完全な視界及びアクセスを得ることができる。
【0111】
一実施形態では、作動位置A及び点検位置Bは、フレキソ印刷モジュール16の周辺メモリ67(
図2参照)に(又は変換機械10の集中メモリ27に)格納することができる。作動位置Aは、シート厚及び印刷プレート厚に依存して異なるジョブ間で変わる場合がある。点検位置Bは、オペレータの身長及び好みに基づいて調節することができる。好ましくは、制御ユニット15は、オペレータからの指令でメモリ67又は27から作動位置A及び点検位置Bを検索することができる。従って、点検位置Bは、ログインスクリプトの受信時に制御ユニット15によって自動的に検索することができる。
【0112】
例えば、オペレータが機械インタフェース11に点検位置Bを選択する入力を提供すると、制御ユニットは、印刷シリンダ30が望ましい位置まで移動されるように変位機構120を自動的に作動させることができる。同様に、印刷プレート31が交換された状態で、変位機構120は、作動再開に関する指令が制御ユニット15によって受信された状態で、印刷シリンダ30を作動位置に移動することができる。
【0113】
一実施形態では、制御ユニット15は、オペレータインタフェースの中へのオペレータログインデータに基づいて点検位置Bのための設定値を自動的に検索する場合がある。
【0114】
これに加えて、メモリ67又は27は、他の点検位置を定める位置データを更に備える場合がある。位置データは、制御ユニット15がモータ122を作動させて可動フレーム部分104を複数の予め定められた位置に変位させることを可能にする作動情報を備える。例えば、メモリ67、27は、アニロックス変更位置の位置データを更に備える場合がある。アニロックス変更位置でのカセット35は、好ましくは、印刷プレートを変えるための位置よりも垂直に低く位置付けられる場合がある。