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特許7607136ヒータの加熱時間を制御するエアロゾル生成装置及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ヒータの加熱時間を制御するエアロゾル生成装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20241219BHJP
【FI】
A24F40/50
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023540823
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 KR2021095142
(87)【国際公開番号】W WO2022149808
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-07-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0000842
(32)【優先日】2021-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、スン ウク
(72)【発明者】
【氏名】イ、スン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ソク ス
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0005082(KR,A)
【文献】特表2020-518235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成基質を加熱するヒータと、
ユーザのパフの大きさを測定するパフセンサと、
前記パフセンサから測定された値に基づき、エアロゾル生成基質の気化量を判断し、前記ユーザのパフの大きさを示すパフセンシング値及び判断された前記エアロゾル生成基質の気化量に基づき、前記ヒータの加熱時間を制御する制御部と、を含
前記制御部は、
前記パフセンシング値が基準臨界値以上に維持される時間区間を、パフ発生区間と判断し、
前記パフ発生区間において、前記パフセンシング値の最大値から前記基準臨界値を減算した差値を算出し、複数のパフ発生区間の差値の累積和を算出し、既設定の前記エアロゾル生成基質の総気化量、及び前記差値の累積和に基づき、前記エアロゾル生成基質の気化量を判断する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記パフセンサは、
前記ヒータの温度を測定し、
前記ヒータの温度をデジタルフィルタリングして前記パフセンシング値を生成する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成基質の総気化量から前記累積和を減算し、前記エアロゾル生成基質の残量を計算し、
前記エアロゾル生成基質の残量が既設定の基準量以上である場合、前記エアロゾル生成基質の既設定パフ数を増加させる、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成基質の総気化量から前記累積和を減算し、前記エアロゾル生成基質の残量を計算し、
前記エアロゾル生成基質の残量が既設定の基準残量未満である場合、前記エアロゾル生成基質の既設定された総パフ数を維持する、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成基質の総気化量から前記累積和を減算し、前記エアロゾル生成基質の残量を計算し、
前記エアロゾル生成基質の残量が既設定の量以上である場合、前記ヒータの加熱時間を延長させる、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記パフ発生区間の個数を計数するカウンタをさらに含み、
前記制御部は、既設定の総パフ数からパフ発生区間の個数を減算し、獲得された残余パフ数が既設定の基準数に達した場合、前記判断された気化量に基づき、ヒータの加熱時間、及び既設定の総パフ数の少なくとも一つを制御する、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
エアロゾル生成装置を制御する方法において、
エアロゾル生成基質を加熱する段階と、
パフセンサを使用し、ユーザのパフの大きさを測定する段階と、
前記パフセンサから測定された値が基準臨界値以上に維持される時間区間を、パフ発生区間と判断する段階と、
前記パフ発生区間において測定された値の最大値から前記基準臨界値を減算した差値を算出し、複数のパフ発生区間の差値の累積和を算出し、既設定の前記エアロゾル生成基質の総気化量、及び前記差値の累積和に基づき、前記エアロゾル生成基質の気化量を判断する段階と、
判断された前記エアロゾル生成基質の気化量に基づき、ヒータの加熱時間を制御する段階と、を含むエアロゾル生成装置を制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒータの加熱時間を制御するエアロゾル生成装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットに対する代案に係わる需要が増大している。例えば、エアロゾル生成物品の燃焼なしに、エアロゾル生成物品内のエアロゾル生成基質が加熱されることにより、エアロゾルを生成する方法に係わる需要が増大している。それにより、加熱式エアロゾル生成物品及び加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置においては、エアロゾル生成基質を加熱するために、ヒータが使用されるが、該エアロゾル生成基質(すなわち、エアロゾル生成物質)が気化される程度により、ヒータの加熱時間を異ならせて設定する必要がある。それにより、該エアロゾル生成基質の可能な気化量に基づき、ヒータの加熱時間を制御する技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロゾル生成装置は、ヒータが、各エアロゾル生成物品につき、既設定の特定時間の間にのみ動作するように、ヒータの加熱時間を制御することができる。
【0005】
ただし、既設定の時間の間だけヒータがエアロゾル生成基質を加熱する場合、エアロゾル生成基質の残量が十分であっても、時間経過後、ユーザが喫煙活動を持続できないのである。
【0006】
多様な実施例は、前述の問題点を改善するための方案として、ヒータの加熱時間を制御するエアロゾル生成装置及びその方法を提供するのである。本開示がなすべき技術的課題は、前述のような技術的課題に限定されるものではなく、以下の実施例から他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
多様な実施形態は、エアロゾル生成器質の残量に基づき、ヒータの加熱時間を制御することができるエアロゾル生成装置を提供する。
【0008】
前述の技術的課題を達成するための技術的手段として、本開示の一態様は、エアロゾル生成基質を加熱するヒータ、ユーザのパフの大きさを測定するパフセンサ、及びユーザのパフの大きさを示すパフセンシング値に基づき、エアロゾル生成基質の気化量を判断し、前記判断された気化量に基づき、ヒータの加熱時間を制御する制御部を含むエアロゾル生成装置を提供する。
【0009】
また、本開示の他の態様は、エアロゾル生成装置を制御する方法において、エアロゾル生成基質を加熱する段階、パフセンサを利用し、ユーザのパフの大きさを測定する段階、ユーザのパフの大きさを示すパフセンシング値に基づき、エアロゾル生成基質の気化量を判断する段階、及び前記判断された気化量に基づき、ヒータの加熱時間を制御する段階を含むエアロゾル生成装置を制御する方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示は、ヒータの加熱時間を制御するエアロゾル生成装置及びその方法を提供することができる。
【0011】
具体的には、本開示によるエアロゾル生成装置は、パフセンサから測定された値に基づき、エアロゾル生成基質の気化量(すなわち、消耗量)及び残量を判断し、判断された気化量及び残量に基づき、ヒータの加熱時間を制御しうる。
【0012】
それにより、1つのエアロゾル発生物品の喫煙のための既設定の時間が経過した後も、ヒータは、エアロゾル生成基質を加熱し続けることができるので、ユーザは、喫煙を持続させることができ、ユーザの便宜性が増大しうる。また、エアロゾル生成物品の浪費を防止することができる。
【0013】
本発明の効果は、以上で例示された内容によって制限されるものではなく、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を図示した図である。
図2】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を図示した図である。
図3】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を図示した図である。
図4】エアロゾル生成物品の一例を図示した図である。
図5】一実施形態によるエアロゾル生成装置の構成を示すための図である。
図6】一実施形態によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すためのフローチャートである。
図7】一実施形態により、パフセンサが測定したヒータの温度を示すための図である。
図8】一実施形態により、パフセンサによって出力されたパフセンシング値について説明するための図である。
図9】一実施形態により、エアロゾル生成基質の気化量について説明するための図面である。
図10】一実施形態による、エアロゾル生成装置が気化量に基づき、ヒータの加熱時間を制御するための方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態において使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用されている一般的な用語を選択したが、それは、当分野に従事する意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、該当する発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されなければならない。
【0016】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むものであるということを意味する。なお、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それらは、ハードウェアまたはソフトウェアでもって実装されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても実装される。
【0017】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のような序数を含む用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、そのような用語により、構成要素が限定されるものではない。
【0018】
「エアロゾル生成物品」という用語は、人がエアロゾル生成物品を吸うことができるように設計された製品を指しうる。該エアロゾル生成物品は、燃焼することなしに、エアロゾルを生成するエアロゾル生成物質(すなわち、エアロゾル生成基質)を含むものでもある。例えば、少なくとも1つのエアロゾル生成物品は、エアロゾル生成装置に積載され、該エアロゾル生成装置によって加熱されるとき、エアロゾルを生成することができる。該エアロゾル生成物品の形状、大きさ、材料及び構造は、実施形態によっても異なる。該エアロゾル生成物品の例は、シガレット及びカートリッジを含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。
【0019】
ここで使用されているように、要素リストに先行する「~のうち少なくとも1つ」のような表現は、要素全体リストを修飾するものであり、そのリストの個別要素を修飾するものではない。例えば、「a、b及びcのうち少なくとも一つ」というような表現は、a単独、b単独、c単独、a及びb、a及びc、b及びc、またはa、b及びcを含むものであると理解されなければならない。
【0020】
以下においては、添付図面を参照し、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、さまざまな形態に具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0021】
以下においては、図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0022】
図1ないし図3は、エアロゾル生成装置に、エアロゾル生成物品が挿入された例を図示した図面である。
【0023】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、制御部120及びヒータ130を含む。
【0024】
図2及び図3を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、蒸気化器140をさらに含む。また、エアロゾル生成装置100の内部空間には、エアロゾル生成物品200が挿入されうる。
【0025】
図1ないし図3に示されるエアロゾル生成装置100には、本実施形態と関連した構成要素が図示されている。従って、図1ないし図3に示される構成要素以外に、他の汎用的な構成要素が、エアロゾル生成装置100にさらに含まれるものでもあるということは、本実施形態と関連した技術分野で通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0026】
また、図2及び図3には、エアロゾル生成装置100にヒータ130が含まれているように図示されているが、必要により、ヒータ130は、省略されうる。
【0027】
図1には、バッテリ110、制御部120及びヒータ130が一列に配されているように図示されている。また、図2には、バッテリ110、制御部120、蒸気化器140及びヒータ130が一列に配されているように図示されている。また、図3には、蒸気化器140及びヒータ130が並列に配されているように図示されている。しかし、エアロゾル生成装置100の内部構造は、図1ないし図3に示されるものに限定されるものではない。すなわち、エアロゾル生成装置100の設計により、バッテリ110、制御部120、ヒータ130及び蒸気化器140の配置は、変更されうる。
【0028】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130及び/または蒸気化器140を作動させ、エアロゾル生成物品200及び/または蒸気化器140から、エアロゾルを発生させることができる。ヒータ130及び/または蒸気化器140によって生じたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達される。
【0029】
必要により、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されていない場合においても、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130を加熱させることができる。
【0030】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100が動作するのに利用される電力を供給する。例えば、バッテリ110は、ヒータ130または蒸気化器140が加熱されるように、電力を供給することができ、制御部120が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0031】
制御部120は、エアロゾル生成装置100の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部120は、バッテリ110、ヒータ130、蒸気化器140だけではなく、エアロゾル生成装置100に含まれる他の構成の動作を制御する。また、制御部120は、エアロゾル生成装置100の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるか否かということを判断することもできる。
【0032】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイにも実装され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行できるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても実装される。また、他形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0033】
ヒータ130は、バッテリ110から供給された電力によっても加熱される。例えば、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、ヒータ130は、エアロゾル生成物品200の外部に位置しうる。従って、加熱されたヒータ130は、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成基質の温度を上昇させることができる。
【0034】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、電気伝導性トラック(track)を含み、該電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130を加熱させることができる。しかしながら、ヒータ130は、前述の例に限られるものではなく、希望温度まで加熱させることができるものであれば、制限なく該当しうる。ここで、該希望温度は、エアロゾル生成装置100に既設定のものでもあり、ユーザによって希望される温度にも設定される。
【0035】
例えば、ヒータ130は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形態により、エアロゾル生成物品200の内部または外部を加熱することができる。
【0036】
なお、他の例として、ヒータ130は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的には、ヒータ130には、エアロゾル生成物品200を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含み、エアロゾル生成物品200は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含むものでもある。該サセプタは、管状または円筒形であり、エアロゾル生成物品200(例:シガレット)が挿入される収容空間を取り囲むようにも配される。エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100の収容空間に挿入されれば、該サセプタは、エアロゾル生成物品200を取り囲むことができる。従って、外部のサセプタから伝達される熱により、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成基質の温度が上昇しうる。誘導コイルは、バッテリ110から電力が供給されることにより、可変磁場を発生させることができる。該誘導コイルによって生じた可変磁場は、サセプタに印加され、それにより、該サセプタが加熱されうる。該サセプタの温度が適切な範囲内で維持されるように、誘導コイルに供給される電力は、制御部120によっても調整される。
【0037】
また、エアロゾル生成装置100には、ヒータ130を複数配することもできる。そのとき、複数のヒータ130は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるようにも配され、エアロゾル生成物品200の外部にも配される。また、複数のヒータ130のうち一部は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配され、残りは、エアロゾル生成物品200の外部にも配される。また、ヒータ130の形状は、図1ないし図3に示される形状に限られるものではなく、多様な形状にも作製される。
【0038】
蒸気化器140は、液状組成物を加熱させ、エアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過し、ユーザにも伝達される。すなわち、蒸気化器140によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置100の気流通路に沿って移動することができ、該気流通路は、蒸気化器140によって生成されたエアロゾルが、エアロゾル生成物品200を通過し、ユーザに伝達されるようにも構成される。
【0039】
例えば、蒸気化器140は、液体貯蔵部、液体伝達手段及び加熱要素を含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。例えば、該液体貯蔵部、該液体伝達手段及び該加熱要素は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置100にも含まれる。
【0040】
液体貯蔵部は、液状組成物を貯蔵することができる。例えば、該液状組成物は、揮発性タバコの香り成分を含むタバコ含有物質を含む液体であり、非タバコ物質を含む液体でもある。該液体貯蔵部は、蒸気化器140から/に脱着/付着されるようにも作製され、蒸気化器140と一体にも作製される。
【0041】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物エキス、香料、香味剤またはビタミン混合物を含むものでもある。該香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。該香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含むものでもある。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含むものでもある。
【0042】
液体伝達手段は、液体貯蔵部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、該液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0043】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、該加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、該加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによっても構成され、該液体伝達手段に巻かれる構造にも配される。該加熱要素は、電流供給によっても加熱され、該加熱要素と接触した液体組成物に熱を伝達し、該液体組成物を加熱させることができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0044】
例えば、蒸気化器140は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも呼ばれるが、それらに限定されるものではない。
【0045】
一方、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、制御部120、ヒータ130及び蒸気化器140以外に、汎用的な構成をさらに含むものでもある。例えば、エアロゾル生成装置100は、視覚情報の出力が可能であるディスプレイ、及び/または触覚情報出力のためのモータを含むものでもある。また、エアロゾル生成装置100は、少なくとも1つのセンサ(例えば、パフセンサ、温度センサ、エアロゾル生成物品挿入感知センサなど)を含むものでもある。また、エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品200が挿入された状態においても、外部空気が流入したり、内部気体が流出したりする構造にも作製される。
【0046】
図1ないし図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置100は、別途のクレードルと共に、系(system)を構成することもできる。例えば、該クレードルは、エアロゾル生成装置100のバッテリ110の充電にも利用される。または、該クレードルとエアロゾル生成装置100とが結合された状態でもって、ヒータ130を加熱することもできる。
【0047】
エアロゾル生成物品200は、一般的な燃焼型シガレットと類似しうる。例えば、エアロゾル生成物品200は、エアロゾル生成基質を含む第1部分と、フィルタなどを含む第2部分にも区分される。または、エアロゾル生成物品200の第2部分にも、エアロゾル生成基質が含まれる。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成基質が、第2部分にも挿入される。
【0048】
エアロゾル生成装置100の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部にも露出される。または、エアロゾル生成装置100の内部に、第1部分の一部だけ挿入され、第1部分の全体、及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態で、エアロゾルを吸入することができる。そのとき、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することによって生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過し、ユーザの口に伝達される。
【0049】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置100に形成された少なくとも1つの空気通路を介しても流入される。例えば、エアロゾル生成装置100に形成された空気通路の開閉、及び/または空気通路の大きさは、ユーザによっても調節される。それにより、霧化量、喫煙感などが、ユーザによっても調節される。他の例として、外部空気は、エアロゾル生成物品200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介し、エアロゾル生成物品200の内部にも流入される。
【0050】
以下、図4でもって、エアロゾル生成物品200の例について説明する。
【0051】
図4は、エアロゾル生成物品の例を示した図面である。
【0052】
図4を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。図1ないし図3を参照してすでに説明した第1部分は、タバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含むものでもある。
【0053】
図4には、フィルタロッド220が単一セグメントとして図示されているが、それに限定されるものではない。すなわち、フィルタロッド220は、複数のセグメントによっても構成される。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント、及びエアロゾル内に含まれる所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含むものでもある。また、必要により、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含むものでもある。
【0054】
エアロゾル生成物品200は、少なくとも1枚のラッパ240によっても包装される。ラッパ240には、外部空気が流入したり、内部気体が流出したりする少なくとも1つの孔が形成されうる。一例として、エアロゾル生成物品200は、1枚のラッパ240によっても包装される。他の例として、エアロゾル生成物品200は、2枚以上のラッパ240によっても重畳される。例えば、第1ラッパ241により、タバコロッド210が包装され、ラッパ242,243,244により、フィルタロッド220が包装されうる。そして、単一ラッパ245により、エアロゾル生成物品200全体がさらに包装される。フィルタロッド220が複数のセグメントで構成されている場合、各セグメントがラッパ242,243,244によっても包装される。
【0055】
タバコロッド210は、エアロゾル生成基質を含む。例えば、該エアロゾル生成基質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのいずれかを含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含有しうる。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤のような加香液が、タバコロッド210に噴射されることによっても添加される。
【0056】
タバコロッド210は、多様にも作製される。例えば、タバコロッド210は、シートによっても作製され、ストランドによっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、該熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されるものではない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を均しく分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、それにより、タバコの味を向上させることができる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を行うことができる。そのとき、図面には、示されていないが、タバコロッド210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも、さらなるサセプタをさらに含むものでもある。
【0057】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。なお、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱型ロッドであり、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス型ロッドでもある。フィルタロッド220が複数のセグメントによって構成されている場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが、異なる形状にも作製される。
【0058】
フィルタロッド220は、香味が生じるようにも作製される。例えば、フィルタロッド220に加香液を噴射することもでき、該加香液が塗布された別途の繊維が、フィルタロッド220の内部にも挿入される。
【0059】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれうる。ここで、カプセル230は、香味またはエアロゾルを発生させることができる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル230は、球形または円筒形の形状を有することができるが、それらに限定されるものではない。
【0060】
もしフィルタロッド220に、エアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、該冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、該冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸だけによっても作製されるが、それに限定されるものではない。または、該冷却セグメントは、複数の孔があいた酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかしながら、該冷却セグメントは、前述の例に限られるものではなく、エアロゾルが冷却される機能を遂行することができるものであるならば、制限なく該当しうる。
【0061】
なお、図4には、図示されていないが、一実施形態によるエアロゾル生成物品200は、前端フィルタをさらに含むものでもある。該前端フィルタは、タバコロッド210において、フィルタロッド220に反対となる一側にも位置する。該前端フィルタは、タバコロッド210が外部に離脱することを防止することができ、喫煙中、タバコロッド210から、液状化されたエアロゾルがエアロゾル生成装置100(図1ないし図3)に流れ込むことを防止することができる。
【0062】
図5は、一実施形態によるエアロゾル生成装置の構成を示すための図面である。
【0063】
図5を参照すれば、エアロゾル生成装置500は、ヒータ510、パフセンサ520、制御部530を含むものでもある。図5のエアロゾル生成装置500、ヒータ510及び制御部530は、図1ないし図3のエアロゾル生成装置100、ヒータ130及び制御部120にそれぞれ対応しるので、重複内容は、省略する。
【0064】
ヒータ510は、エアロゾル生成装置500に挿入されるエアロゾル生成物品を加熱することができ、エアロゾル生成基質からエアロゾルが生成されるように、エアロゾル生成物品内のエアロゾル生成基質を加熱することができる。
【0065】
パフセンサ520は、ユーザーのパフの大きさを測定することができる。該パフの大きさは、エアロゾル生成物品に対するパフの強度(intensity)または強さ(strength)を意味し、ユーザがパフによって吸入するエアロゾルの量にも対応する。パフセンサ520は、ヒータの温度変化に基づき、ユーザのパフサイズを測定することもでき、ヒータに流れる電流変化に基づき、ユーザのパフサイズを測定することもできる。ただし、それらに必ずしも制限されるものではない。一実施形態により、パフセンサ520は、気流の流量(flow)変化、ヒータに供給される電力変化などに基づき、ユーザのパフサイズを測定することができる。
【0066】
制御部530は、ヒータ510の加熱時間(すなわち、作動時間)を制御することができる。図6を参照し、制御部530がヒータ510の加熱時間を制御する方法について詳細に後述する。
【0067】
図6は、一実施形態によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すためのフローチャートである。
【0068】
段階610においては、エアロゾル生成装置は、パフセンサから測定された値に基づき、エアロゾル生成基質の気化量を判断することができる。該パフセンサがヒータの温度変化に基づき、ユーザのパフサイズを測定する場合、測定された値は、パフセンサが測定したヒータの温度を意味し、該パフセンサが測定したヒータの温度を変換(例:フィルタリング)して獲得した値をも意味しうる。該気化量は、エアロゾル生成物品のエアロゾル生成基質が加熱されて気化される量を意味しうる。このとき、該パフセンサによって測定及び出力された値は、「パフセンシング値」とも呼ばれる。
【0069】
パフ発生区間においては、ヒータの温度は、ユーザのパフによっても変わる。ヒータの温度変化量が大きいほど、エアロゾル生成基質の気化量が多いということを示しうる。例えば、エアロゾル生成装置は、第1パフ発生区間より第2パフ発生区間において、温度変化がさらに大きい場合、該エアロゾル生成装置は、第1パフ発生区間より第2パフ発生区間において、該エアロゾル生成基質の気化量がさらに多いと判断しうる。
【0070】
段階620においては、エアロゾル生成装置は、判断された気化量に基づき、ヒータの加熱時間を制御しうる。例えば、該エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質の気化量が少ないと判断される場合、ヒータの加熱時間を延長させることができる。他の例として、該エアロゾル生成装置は、該エアロゾル生成基質の気化量が多いと判断される場合、ヒータの加熱時間を延長させないのである。そのように、該エアロゾル生成装置は、該エアロゾル生成基質の残量を最大限活用しうる。それにより、エアロゾル生成物品が浪費されることを防止することができ、ユーザの満足感が増大されうる。
【0071】
図7は、一実施形態によるパフセンサが測定したヒータの温度を示すための図面である。
【0072】
図7を参照すれば、グラフAは、パフセンサが測定したヒータの加熱時間によるヒータの温度を示す。図7において、横軸は、ヒータの加熱時間を意味し、単位は、0.1秒でもある。図7において、縦軸は、パフセンサから測定されたヒータの温度(℃)を意味しうる。
【0073】
パフセンサは、ヒータの温度を測定しうる。パフの大きさにより、ヒータの温度が変わりうる。例えば、パフの大きさは、パフセンサから測定されたヒータの温度が下降する程度に比例しうる。
【0074】
図8は、一実施形態によるパフセンサによって出力されたパフセンシング値について説明するための図面である。図8を参照すれば、グラフBは、ヒータの加熱時間によるパフセンシング値を意味しうる。図8において、横軸は、ヒータの加熱時間を意味し、単位は、0.1秒でもある。図8において、縦軸は、パフセンシング値の大きさ(amplitude)を表すことができる。
【0075】
エアロゾル生成装置のパフセンサは、ヒータの温度を測定し、測定された温度をデジタルフィルタリング(digital filtering)し、パフセンシング値を獲得することができる。該デジタルフィルタリングが利用されることにより、パフセンサから測定されたヒータの温度が平坦化(flattening)されうる。
【0076】
一実施形態においては、パフセンサは、帯域通過デジタルフィルタを利用し、デジタルフィルタリングしうる。例えば、該パフセンサは、0.2Hzないし2Hz範囲の帯域通過デジタルフィルタを利用し、ヒータの温度を出力しうる。他の例として、該パフセンサは、測定されたヒータの温度を0.2Hzないし0.8Hz範囲の帯域通過デジタルフィルタを利用し、出力しうる。ただし、本開示は、前述の例に限定されるものではない。エアロゾル生成装置は、パフセンシング値に基づき、エアロゾル生成基質の気化量を判断することができる。パフ発生区間において、パフセンシング値の変化が大きいほど、パフの大きさが大きく、該エアロゾル生成基質の気化量が多くなりうる。例えば、図8を参照すれば、パフセンシング値の変化が、66秒~68秒である区間より、40秒~42秒である区間において大きいために、66秒~68秒である区間より、40秒~42秒である区間において、エアロゾル生成基質の気化量がさらに多くもなる。
【0077】
図9は、一実施形態によるエアロゾル生成基質の気化量について説明するための図面である。
【0078】
図9を参照すれば、グラフAは、パフセンサが測定したヒータの加熱時間によるヒータの温度を示す。グラフBは、ヒータの加熱時間によるパフセンシング値を示す。図9において、横軸は、ヒータが加熱される時間を意味し、単位は、0.1秒でもある。左縦軸は、パフセンサから測定されたヒータの温度(℃)を意味しうる。右縦軸は、パフセンシング値の大きさを意味しうる。横矢印(a)は、パフ発生区間を意味し、縦矢印(b)は、パフ発生区間別最大パフセンシング値と基準臨界値との差を意味しうる。
【0079】
エアロゾル生成装置は、パフセンシング値が基準臨界値以上に維持される時間区間を、1つのパフ発生区間と判断しうる。該基準臨界値は、パフが生じたか否かということを判断するために、既設定の値でもある。例えば、図9を参照すれば、8.0秒~8.5秒である区間は、パフセンシング値が基準臨界値以上に維持されるので、当該区間(すなわち、時間区間)をパフ発生区間と判断しうる。また、41.5~42.5の区間は、パフ発生区間と判断することができる。一方、50.0秒~51.0秒である区間は、パフセンシング値が基準臨界値未満であるので、当該区間は、パフ発生区間とは判断されない。
【0080】
一実施形態においては、エアロゾル生成装置は、パフ発生区間において、最大パフセンシング値から基準臨界値を減算した差値を測定しうる。例えば、8.0秒~8.5秒である区間において、最大パフセンシング値は、0.28であり、基準臨界値は、0.17でもある。そのとき、最大パフセンシング値から基準臨界値を減算することによって獲得された差値は、0.11でもある。
【0081】
差値は、エアロゾル生成基質の気化量によっても異なり、差値が大きいほど、エアロゾル生成基質の気化量が多くもなる。
【0082】
一実施形態においては、エアロゾル生成装置は、差値に基づき、エアロゾル生成基質の気化量を判断することができる。例えば、8.0秒~8.5秒である区間における差値は、23.0秒~23.5秒である区間における差値よりも小さい。そのとき、23.0秒~23.5秒である区間におけるエアロゾル生成基質の気化量は、8.0秒~8.5秒である区間におけるエアロゾル生成基質の気化量より多いと決定することができる。他の例として、ヒータが加熱される時間が、41.5秒~42.5秒である区間における差値は、23.0秒~23.5秒である区間における差値よりも大きい。従って、23.0秒~23.5秒である区間より、41.5秒~42.5秒である区間において、エアロゾル生成基質の気化量がさらに多いと決定することができる。
【0083】
エアロゾル生成装置は、パフ発生区間ごとに差値を累積させることができる。図9を参照すれば、エアロゾル生成装置は、0.1秒から35秒である間、3つのパフ発生区間を判断することができる。3つのパフ発生区間の差値が、それぞれ0.11、0.31、0.3である場合、該エアロゾル生成装置は、差値の累積和が0.72であると計算しうる。
【0084】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質の総気化量、及び差値の累積和に基づき、エアロゾル生成基質の気化量(すなわち、消耗量)を判断することができる。該総気化量は、1つのエアロゾル生成物品に含まれたエアロゾル生成基質が加熱されて気化される総量を意味しうる。該総気化量は、デジタルフィルタリングされた信号の大きさでもって表すことができる。例えば、該総気化量は、既設定のパフ数ほど吸入したとき、多くのエアロゾル生成物品の累積和の平均によっても設定される。
【0085】
エアロゾル生成装置は、総気化量、及び差値の累積値に基づき、エアロゾル生成基質の気化量及び残量を判断することができる。具体的には、該エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質の総気化量から累積和を減算することにより、エアロゾル生成基質の残量を算出しうる。例えば、総気化量が3.0であり、特定時点における差値の累積和が0.72である場合、該エアロゾル生成装置は、気化量は、0.72であり、残量は、2.28であると判断しうる。
【0086】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質の残量が、既設定の基準残量以上である場合、既設定の総パフ数を増加させることができる。該基準残量は、ユーザが1回以上のパフを行うために必要なエアロゾル発生基材の量に対応しうる。既設定の総パフ数1つのエアロゾル生成物品に含まれるエアロゾル生成基質によって提供される総パフ回数を意味しうる。
【0087】
総パフ数の増加は、エアロゾル生成基質の残量によっても異なる。エアロゾル生成基質の残量が多い場合、使用可能なパフ数は、多く増加することができる。該エアロゾル生成基質の残量が少ない場合、総パフ数は、少なく増加することができる。例えば、既設定のパフ数が14回であるエアロゾル生成物品において、エアロゾル生成基質の残量が0.1であると仮定する。そのとき、既設定の基準量が0.07である場合、該エアロゾル生成基質の残量は、基準残量よりも多い。従って、エアロゾル生成装置は、既設定の総パフ数を14回から15回に増加させうる。前述の例として、エアロゾル生成基質の残量が0.2である場合、該エアロゾル生成装置は、既設定の総パフ数を14回から16回に増加させうる。
【0088】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質の残量が、既設定の基準量未満である場合、既設定の総パフ数を維持することができる。従って、前述の例として、該エアロゾル生成基質の残量が0.05である場合、該エアロゾル生成装置は、既設定の総パフ数を14回に維持しうる。
【0089】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質の残量が既設定の基準量以上である場合、ヒータの加熱時間を延長させうる。一実施形態においては、エアロゾル生成装置は、増加した総パフ数に対応するように、ヒータの加熱時間を延長させうる。
【0090】
従って、ユーザは、残っているエアロゾル生成基質で生成されたエアロゾルをさらに吸入しうる。
【0091】
図10は、一実施形態によるエアロゾル生成装置が、気化量に基づき、ヒータの加熱時間を制御するための方法について説明するためのフローチャートである。図10の方法は、エアロゾル生成装置によって遂行することができる。例えば、図10の方法は、図1ないし図3の制御部120、及び図5の制御部530のように、エアロゾル生成装置に含まれる制御部によっても遂行される。
【0092】
段階1010においては、エアロゾル生成装置は、パフセンシング値が基準臨界値以上に維持される時間区間が存在するか否かということを判断しうる。
【0093】
エアロゾル生成装置は、パフセンシング値が基準臨界値以上に維持される時間区間が存在する場合、段階1020において、当該区間をパフ発生区間と判断しうる。そうでなければ、エアロゾル生成装置は、開始段階に戻りうる。
【0094】
段階1030においては、エアロゾル生成装置は、各パフ発生区間の差値を算出し、該差値を合算することができる。
【0095】
段階1040においては、エアロゾル生成装置は、パフ発生区間の個数を計数しうる。そのために、エアロゾル生成装置は、パフ発生区間の個数を計数するカウンタ(counter)をさらに含むものでもある。例えば、該カウンタは、パフ発生区間が検出されるたびに計数値を1ずつ増加させうる。
【0096】
段階1050においては、エアロゾル生成装置は、残りのパフ数が0より大きい既設定の基準数に達するか否かということを判断することができる。該残余パフ数は、既設定の総パフ数から、計数されたパフ発生区間の個数を減算して獲得されうる。例えば、既設定の総パフ数が14回であり、計数されたパフ発生区間の個数が11であり、既設定の基準数が3である場合、該エアロゾル生成装置は、残りのパフ数が既設定の基準数に達したと決定しうる。
【0097】
既設定の基準数は、エアロゾル生成基質の残量を確認し、既設定の総パフ数を制御するための時点を示しうる。残余パフ数が既設定の基準数に達すれば、エアロゾル生成装置は、ヒータが加熱動作を中断する前、既設定の総パフ数が増加するように、エアロゾル生成基質の残量を判断しうる。それにより、ユーザは、増加された既設定のパフ数により、エアロゾル生成基質の残量を利用し、持続的にパフしうる。
【0098】
段階1060において、残余パフ数が既設定の基準数に達した場合、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質の残量が、既設定の基準量以上であるか否かを決定することができる。該エアロゾル生成基質の残量は、該エアロゾル生成基質の総気化量から差値の累積和を減算した値でもある。
【0099】
段階1070において、エアロゾル生成基質の残量が既設定の基準量以上である場合、エアロゾル生成装置は、既設定の総パフ数、及び/またはヒータの加熱時間を増大させうる。そうでなければ、段階1080において、該エアロゾル生成装置は、既設定の総パフ数及びヒータの加熱時間を維持することができる。
【0100】
エアロゾル生成基質の残量が、追加パフを提供するか否かということに基づき、既設定の総パフ数、及びヒータの加熱時間が制御されることにより、エアロゾル生成物品の浪費が防止され、ユーザ便宜性が増大されうる。
【0101】
一実施形態は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能なコマンドを含む記録媒体の形態によっても具現される。コンピュータ読み取り可能なメディアは、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体であり、揮発性及び不揮発性の媒体、分離型及び非分離型の媒体をいずれも含む。また、コンピュータ読み取り可能メディアは、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体のいずれを含むものでもある。該コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能コマンド、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータのような情報を保存するための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型のメディアをいずれも含む。該通信媒体は、通常、コンピュータ読み取り可能コマンド、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他のデータ、またはその他の伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0102】
前述の実施形態に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それらから、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって定められなければならず、特許請求の範囲に記載された内容と同等な範囲にある全ての相違点は、特許請求の範囲によって定められる保護範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10