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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】収納部構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 9/10 20200101AFI20241219BHJP
   B62J 23/00 20060101ALI20241219BHJP
   B62J 17/00 20200101ALI20241219BHJP
【FI】
B62J9/10
B62J23/00 F
B62J17/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023559438
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(86)【国際出願番号】 JP2022032619
(87)【国際公開番号】W WO2023084875
(87)【国際公開日】2023-05-19
【審査請求日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】P 2021182443
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井口 貴正
(72)【発明者】
【氏名】立石 康
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-95278(JP,A)
【文献】特開平7-47985(JP,A)
【文献】実開昭62-28684(JP,U)
【文献】特開2019-99116(JP,A)
【文献】特開2010-64624(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0105988(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 9/10
B62J 23/00
B62J 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗り型車両(10)の乗員用のシート(17)の後方に設けられるシートカウル(50)と、前記シートカウル(50)の内側に設けられる収納部(58)とを備え、車両側面視で前記シートカウル(50)が後下がりに傾斜している収納部構造において、
前記シートカウル(50)は、車体(53)に取り付けられるベース部(51)と、前記ベース部(51)を上方から覆うカウル部(52)とを備え、
前記ベース部(51)は、底壁(55)と、前記底壁(55)から上方に延出して前記収納部(58)を区画するリブ部(60)とを備え、
前記リブ部(60)は、車両前後方向に延びて前記収納部(58)を左右方向に区画する左右一対の側壁(61)を少なくとも備え、
車両側面視で、前記カウル部(52)の上面(80)は、後下がりに形成され、
車両側面視で、前記側壁(61)の上縁(61a)の少なくとも一部は、前記上面(80)の内面(80c)に沿って後下がりに形成されていることを特徴とする収納部構造。
【請求項2】
前記側壁(61)の前記上縁(61a)は、前記内面(80c)に対し下方に離間していることを特徴とする請求項1記載の収納部構造。
【請求項3】
前記リブ部(60)は、前記収納部(58)を前方から区画する前壁(62)と、前記収納部(58)を後方から区画する後壁(63)とを備えることを特徴とする請求項1または2記載の収納部構造。
【請求項4】
前記後壁(63)の上縁(63a)の少なくとも一部は、前記上面(80)の前記内面(80c)に沿ってアーチ状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の収納部構造。
【請求項5】
前記ベース部(51)は、平面視において前記リブ部(60)の外側で前記底壁(55)の側縁部及び後縁部から上方に延出する外側リブ(57)を備え、
前記カウル部(52)の下縁部(86)は、平面視において前記外側リブ(57)の外側に位置し、前記外側リブ(57)を外側から覆うことを特徴とする請求項1または2に記載の収納部構造。
【請求項6】
前記車体(53)に前記ベース部(51)を固定する締結具(65,66)は、前記リブ部(60)と前記外側リブ(57)との間に配置されることを特徴とする請求項5記載の収納部構造。
【請求項7】
前記ベース部(51)は、前記シート(17)の後面(17d)に後方から対向するベース部前壁(56)を備え、
前記カウル部(52)は、前記上面(80)の前縁から下方に延出するカウル前面部(82)を備え、
前記カウル前面部(82)は、前記後面(17d)の後方で、前記ベース部前壁(56)の上部に前方から重なり、
前記カウル前面部(82)の下縁(82a)は、前記後面(17d)の上端(17e)よりも下方に位置することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の収納部構造。
【請求項8】
前記ベース部前壁(56)と前記後面(17d)との距離(L1)は、前記カウル前面部(82)の前縁(82b)と前記後面(17d)との距離(L2)よりも小さいことを特徴とする請求項7記載の収納部構造。
【請求項9】
車両側面視で、前記ベース部(51)の前後の中間部、または前記中間部よりも後方に、前記カウル部(52)と前記ベース部(51)とを左右に締結する左右締結部(71)が設けられることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の収納部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗り型車両の乗員用のシートの後方に設けられるシートカウルと、シートカウルの内側に設けられる収納部とを備え、車両側面視でシートカウルが後下がりに傾斜している収納部構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公平03-053983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シートカウルの内側の収納部に物品を収納する場合、物品を良好に保持することが望まれる。また、車両側面視でシートカウルが後下がりに傾斜していると、収納部に収納可能な積載量が分かり難く、収納部に物品を収納し難くなる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、シートカウルの内側の収納部に物品を良好に保持し、且つ、収納部に物品を収納し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この明細書には、2021年11月9日に出願された日本国特許出願・特願2021-182443の全ての内容が含まれる。
収納部構造は、鞍乗り型車両の乗員用のシートの後方に設けられるシートカウルと、前記シートカウルの内側に設けられる収納部とを備え、車両側面視で前記シートカウルが後下がりに傾斜している収納部構造において、前記シートカウルは、車体に取り付けられるベース部と、前記ベース部を上方から覆うカウル部とを備え、前記ベース部は、底壁と、前記底壁から上方に延出して前記収納部を区画するリブ部とを備え、前記リブ部は、車両前後方向に延びて前記収納部を左右方向に区画する左右一対の側壁を少なくとも備え、車両側面視で、前記カウル部の上面は、後下がりに形成され、車両側面視で、前記側壁の上縁の少なくとも一部は、前記上面の内面に沿って後下がりに形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
シートカウルの内側の収納部に物品を良好に保持し、且つ、収納部に物品を収納し易くできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。
図2図2は、車体フレームの斜視図である。
図3図3は、シートの後部及びシートカウルの左側面図である。
図4図4は、シート及びシートカウルを上方から見た平面図である。
図5図5は、シートカウルの分解斜視図である。
図6図6は、図4のVI-VI断面図である。
図7図7は、図4のVII-VII断面図である。
図8図8は、カウル部を不図示にした状態でシート及びベース部を上方から見た平面図である。
図9図9は、図6においてシート後面に対しシートカウルが近接する部分を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
【0009】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
【0010】
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
【0011】
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
【0012】
スイングアーム16は、車体フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
【0013】
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
【0014】
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
【0015】
図2は、車体フレーム11の斜視図である。
鞍乗り型車両10は、自動二輪車である。図1及び図2を参照し、フロントフレーム19は、ヘッドパイプ18から後下がりに後方に延びるメインフレーム31と、メインフレーム31の後端部から下方に延びる左右一対のピボットフレーム32と、ヘッドパイプ18から下方に延びるダウンフレーム33と、ダウンフレーム33の下端部から後方に延びてピボットフレーム32の下端部に接続される左右一対のロアフレーム34とを備える。
【0016】
リアフレーム20は、ピボットフレーム32の上部から後方に延びる左右一対のシートフレーム35と、ピボットフレーム32においてシートフレーム35よりも下方の位置から後上方に延びてシートフレーム35に接続される左右一対のサブフレーム36とを備える。
詳細には、リアフレーム20は、シートフレーム35の後部から下方に延びる板状のガセット37を備える。サブフレーム36の後端部は、ガセット37を介してシートフレーム35に接続される。
また、左右のシートフレーム35の後端は、車幅方向(左右方向)に延びる後端接続部38によって車幅方向に接続されている。
さらに、左右のシートフレーム35の後部は、後端接続部38の前方で車幅方向に延びるクロスメンバー39によって車幅方向に接続されている。
【0017】
ピボット軸22は、ピボットフレーム32に支持される。リアクッション41の上端はガセット37に連結され、リアクッション41の下端はスイングアーム16の後端部に連結される。
鞍乗り型車両10は、リアフレーム20を車幅方向外側から覆うサイドカバー42を備える。サイドカバー42は、工具等を収納可能な小物入れ(不図示)を車幅方向外側から覆う。サイドカバー42は、鞍乗り型車両10のメインキーによって操作されるキーシリンダー42aを備える。キーシリンダー42aによるロックが解除されると、サイドカバー42を開けることが可能となり、乗員は、上記小物入れにアクセス可能となる。
鞍乗り型車両10は、駐車時に鞍乗り型車両10を直立状態に支持するセンタースタンド45を備える。
【0018】
鞍乗り型車両10は、シート17の少なくとも一部を外側から覆うシートカウル50を、シート17の後方に備える。シートカウル50の内側には物品46(図6図7)等を収納可能である。シートカウル50は、リアフレーム20に取り付けられる。シートカウル50は、リアフレーム20及びリアフェンダー27の上方に配置される。
シート17は、一人乗り用のシートである。シート17及びシートカウル50に替えて、シート17よりも後方に延びる二人乗り用のシートをリアフレーム20に取り付けることも可能である。
【0019】
図3は、シート17の後部及びシートカウル50の左側面図である。図4は、シート17及びシートカウル50を上方から見た平面図である。図5は、シートカウル50の分解斜視図である。図6は、図4のVI-VI断面図である。
シート17は、クッション材17a(図6)とクッション材17aを下方から支持するシート底板17bと、クッション材17aを覆うシート表皮17cとを備える。
シートカウル50は、シート17の後面であるシート後面17d(後面)に後方から近接するように配置される。
【0020】
シートカウル50は、車体に取り付けられるベース部51と、ベース部51を上方から覆うカウル部52とを備える。
また、リアフレーム20には、ベース部51を支持する左右一対のブラケット53(車体)が取り付けられる。ブラケット53は、シート17の後方に設けられる。
【0021】
ブラケット53は、板状の前側固定部53aと、前側固定部53aの後方に位置する板状の後側固定部53bと、前側固定部53aと後側固定部53bとを前後に接続する取っ手状の前後接続部53cとを備える。
ブラケット53は、前側固定部53a及び後側固定部53bにそれぞれ車幅方向外側から挿通されるブラケット締結具54によって、リアフレーム20の外側面に固定される。一方のブラケット53は、リアフレーム20の後部の左側面に締結され、他方のブラケット53は、リアフレーム20の後部の右側面に締結される。
【0022】
また、ブラケット53は、前側固定部53aの上端から車幅方向外側に延出する前側支持部53dと、後側固定部53bの上端から車幅方向内側に延出する後側支持部53eとを備える。
前側支持部53d及び後側支持部53eは、前後接続部53cの上方に位置する。前後接続部53cは、乗員がセンタースタンド45によって鞍乗り型車両10を駐車する際等に乗員が把持する把持部として機能する。
ブラケット53は、車体フレーム11のリアフレーム20に取り付けられており、車体の一部を構成する。
【0023】
図7は、図4のVII-VII断面図である。図8は、カウル部52を不図示にした状態でシート17及びベース部51を上方から見た平面図である。
図3図8を参照し、ベース部51は、ブラケット53に上方から取り付けられてシート17の後方に位置し、リアフレーム20及びリアフェンダー27を上方から覆う。
【0024】
ベース部51は、板厚方向を上下方向に指向させて配置される底壁55を備える。底壁55は、図8のように上方からの平面視では、後方に向けて先細りとなる台形状であり、ベース部51の左右方向の幅は、後方に向かうに従って小さくなる。底壁55は、車両側面視で、シートフレーム35に沿うように後上がりに傾斜している。
底壁55の前縁部は、平面視では、シート後面17dに沿うように、後方に凹となるように全体的に湾曲している。また、底壁55の後縁部は、平面視では、後方に凸となるように全体的に湾曲している。
【0025】
ベース部51は、底壁55の前縁部から上方に延出するベース部前壁56と、底壁55の左右の側縁部及び後縁部から上方に延出する外側リブ57とを備える。
詳細には、外側リブ57は、底壁55の左右の側縁部から上方に延出する左右一対の側縁リブ57aと、底壁55の後縁部から上方に延出する後縁リブ57bとを備える。
【0026】
また、ベース部51は、底壁55から上方に延出して収納部58を区画するリブ部60を備える。リブ部60は、底壁55の車幅方向の中央部に設けられる。リブ部60は、左右の側縁リブ57aの間、且つ、ベース部前壁56と後縁リブ57bとの間に位置する。
【0027】
リブ部60は、車両前後方向に延びて収納部58を左右方向に区画する左右一対の側壁61と、収納部58を前方から区画する前壁62と、収納部58を後方から区画する後壁63とを備える。
側壁61は、底壁55から上方に延出する。左右の側壁61の左右方向の間隔は、後方に向かうに従って小さくなる。
【0028】
前壁62は、左右方向に延びて左右の側壁61の前端を左右方向に接続する。詳細には、前壁62は、ベース部前壁56における左右方向の中間部によって構成される。すなわち、前壁62は、ベース部前壁56の一部である。
後壁63は、後縁リブ57bの前方で底壁55から上方に延出する。後壁63は、左右方向に延びて左右の側壁61の後端を左右方向に接続する。
収納部58は、底壁55上において、左右の側壁61、前壁62、及び後壁63によって囲まれた部屋である。収納部58の上面は上方に開口する。
【0029】
収納部58内には、底壁55から上方に延びる仕切り壁58aが設けられる。仕切り壁58aは、一方の側壁61に沿って前後方向に延びる。
収納部58には、物品46が収納される。収納部58において仕切り壁58aと側壁61との間には、第2の物品47が収納される。
物品46は、例えば、有料道路の電子料金収受システムの車載器である。第2の物品47は、例えば、車載工具である。収納部58には、物品46及び第2の物品47に追加または交換して、他の物品を収納可能である。
【0030】
ベース部51は、底壁55がブラケット53の前側支持部53d(図5)及び後側支持部53e(図5)上に載置され、前側支持部53d及び後側支持部53eに締結される。
詳細には、底壁55は、底壁55の前部に上方から挿通される左右一対の前側締結具65(締結具)によって、前側支持部53dに締結される。また、底壁55は、底壁55の後部に上方から挿通される左右一対の後側締結具66(締結具)によって、後側支持部53eに締結される。
前側締結具65及び後側締結具66は、リブ部60の側壁61と側縁リブ57aとの間に設けられる。すなわち、前側締結具65及び後側締結具66は、底壁55上において収納部58の外側に配置される。
【0031】
底壁55において後縁リブ57bとリブ部60の後壁63との間には、カウル部52が嵌合する嵌合部68が設けられる。すなわち、嵌合部68は、底壁55上において収納部58の外側に配置される。
嵌合部68は、底壁55を上下に貫通する筒状部材であり、カウル部52は、この筒状部材の内周部に嵌合する。この筒状部材は、例えばゴム製である。
【0032】
外側リブ57の外側面には、外側リブ57の上端部に対し下方の位置から外側に突出する段部57cが設けられる。段部57cは、左右の側縁リブ57a及び後縁リブ57bの外側面に設けられる。
【0033】
左右の側縁リブ57aの前端部には、前側締結部69がそれぞれ設けられる。前側締結部69には、カウル部52をベース部51に締結する前側カウル締結具70が車幅方向外側から締結される。前側締結部69は、前側締結具65の前方に位置する。
前側締結部69は、例えば、側縁リブ57aに取り付けられるクリップナットである。
【0034】
図3図7及び図8を参照し、ベース部51の前後の中間部には、底壁55から下方に延出する左右締結部71が左右一対設けられる。左右締結部71は、左右締結部71を左右方向に貫通する固定孔71aを備える。左右締結部71は、左右方向において、リブ部60と側縁リブ57aとの間に設けられる。左右締結部71は、前側締結部69の後方に位置する。
固定孔71aには、カウル部52をベース部51に締結する後側カウル締結具72が車幅方向外側から挿通される。
底壁55には、左右締結部71に隣接して左右締結部71の車幅方向内側の位置に、底壁55を上下に貫通する通し孔73が設けられる。
【0035】
図3図8を参照し、カウル部52は、上方からの平面視においてベース部51の全体を上方から覆う大きさのカバー部材である。カウル部52は、シート17の後端部を車幅方向外側から覆う。
カウル部52は、ベース部51を上方から覆うカウル上面部80(カウル部の上面)と、カウル上面部80の左右の側縁から下方に延びる左右一対のカウル側面部81と、カウル上面部80の前縁から下方に延出するカウル前面部82と、カウル上面部80の後縁から下方に延出するカウル後面部83とを一体に備える。
【0036】
カウル上面部80は、図4のように上方からの平面視では、後方に向けて先細りとなる台形状であり、カウル上面部80の左右方向の幅は、後方に向かうに従って小さくなる。
カウル上面部80の前縁は、平面視では、シート後面17dに沿うように、後方に凹となるように全体的に湾曲している。また、カウル上面部80の後縁は、平面視では、後方に凸となるように全体的に湾曲している。
【0037】
カウル上面部80は、車両側面視では、後下がりに傾斜している。カウル上面部80の左右方向の中央部80aは、車両側面視で、全体が後下がりに傾斜している。
カウル上面部80の左右の側部80bは、中央部80aから車幅方向外側に向かうに従って下方に位置するように傾斜している。カウル上面部80の左右の中央部は、図7の断面視では、上方に凸の曲面状である。
【0038】
左右のカウル側面部81は、側部80bの側縁から下方に延び、ベース部51の側縁リブ57aを車幅方向外側から覆う。
カウル後面部83は、ベース部51の後縁リブ57bを後方から覆う。
カウル前面部82は、カウル上面部80の前縁から前下がりに延びる傾斜面である。カウル前面部82は、ベース部前壁56の上部を前方から覆う。
【0039】
図6を参照し、カウル部52は、カウル上面部80の内面80cから下方に延出する嵌合突出部84を、カウル部52の後端部に備える。カウル部52の後端部は、嵌合突出部84がベース部51の嵌合部68に上方から嵌合することで、ベース部51に固定される。
【0040】
図3図5及び図8を参照し、カウル側面部81の前端部は、側縁リブ57aの前端部を車幅方向外側から覆う。カウル部52の前部は、カウル側面部81の前端部の孔に車幅方向外側から挿通される前側カウル締結具70によって、前側締結部69に固定される。前側カウル締結具70は例えばボルトである。
【0041】
図3図5図7及び図8を参照し、カウル部52は、内面80cにおける側部80bの部分から下方に延出する固定片85を左右一対備える。固定片85は、カウル部52の前後の中間部に設けられる。
固定片85は、通し孔73に上方から挿通され、ベース部51の左右締結部71に車幅方向内側から挿通される。
カウル部52の前後の中間部は、左右締結部71の固定孔71a及び固定片85の孔に車幅方向外側から挿通される後側カウル締結具72によって、左右締結部71に固定される。後側カウル締結具72は、例えばピン状のクリップである。
左右締結部71では、カウル部52とベース部51とが左右方向に締結される。
【0042】
図3及び図5図8を参照し、カウル部52がベース部51に取り付けられた状態では、カウル部52の下縁部86は、ベース部51の外側リブ57を外側から覆う。ここで、下縁部86は、カウル側面部81の下縁部及びカウル後面部83の下縁部である。
詳細には、下縁部86は、側縁リブ57aの上端部を車幅方向外側から覆い、後縁リブ57bの上端部を後方から覆う。また、下縁部86の下端面は、段部57cの上面に上方から対向している。これにより、下縁部86と外側リブ57との間にラビリンス構造が形成されるため、下縁部86と外側リブ57との間からカウル部52の内側に水が入ることが抑制される。
【0043】
図5図8を参照し、ベース部前壁56は、底壁55の前縁部から前上方に斜めに延びる傾斜部56aと、傾斜部56aの上端から略鉛直に上方へ延びる鉛直部56bとを備える。ベース部前壁56の上縁56cは、シート後面17dの上端17eよりも上方に位置する。
リブ部60の前壁62はベース部前壁56の一部であるため、前壁62は、傾斜部56a及び鉛直部56bを備える。
リブ部60の後壁63は前壁62よりも低い壁であり、後壁63の上縁63aは、上縁56cよりも下方に位置する。
【0044】
リブ部60の各側壁61は、車両前後後方に延びて、前壁62と後壁63とを接続する。
シートカウル50を鞍乗り型車両10に搭載した状態において、側壁61の上縁61aは、車両側面視で、ベース部前壁56の上縁56cからやや後上がりの姿勢で後方に延びる。また、側壁61の上縁61aは、車両側面視で、側壁61の前後の中間部で下方に屈曲し、後下がりの姿勢で後方に延びて後壁63の上縁63aに接続される。
すなわち、車両側面視において、上縁61aの前部は、後上がりに延びる後上がり部61bであり、上縁61aの後部は、後下がりに延びる後下がり部61cである。
【0045】
リブ部60は、カウル部52によって上方から覆われており、リブ部60によって区画される収納部58はカウル部52の内側に位置する。
左右の側壁61の上縁61aは、カウル上面部80によって上方から覆われる。
上縁61aの後上がり部61b及び後下がり部61cは、カウル上面部80の内面80cに対し下方に離間しており、内面80cに接触しない。
後下がり部61cは、後下がりの内面80cに沿って後下がりに形成されている。
【0046】
鞍乗り型車両10は、シートカウル50のカウル上面部80が後下がりであるため、走行風は、カウル上面部80に沿ってスムーズに後方に流れる。このため、シートカウル50による空気抵抗を低減でき、鞍乗り型車両10の空力特性が良い。
収納部58に収納される物品は、左右の側壁61によって左右方向に支持されることができ、前壁62及び後壁63によって車両前後方向に支持されることができる。このため、物品を収納部58によって良好に支持できる。
【0047】
シートカウル50では、側壁61の上縁61aの位置は、収納部58の最大積載量を示す。側壁61の上縁61aの位置が収納部58の最大積載量の目安となることは、例えばシートカウル50についての説明書に記載される。
乗員等は、カウル部52が取り外された状態で、側壁61の上縁61aの位置を目安にして、上縁61aの高さ位置まで収納部58に物品を収納することができる。その後、乗員等は、カウル部52をベース部51に取り付ける。
シートカウル50では、上縁61aの位置を目安にすることで、収納部58の物品が高さ的に過積載になることが抑制されるため、物品がカウル部52の取り付けの邪魔になることが抑制され、カウル部52を良好にベース部51に取り付けできる。
シートカウル50では、カウル上面部80が後下がりに傾斜しているため、収納部58の高さ方向の最大積載量が分かり難いが、後下がり部61cの上縁61aを目安とすることで、最大積載量が分かり易くなる。
【0048】
また、側壁61の上縁61aがカウル上面部80の内面80cに対し下方に離間しているため、上縁61aの位置を若干超えて収納部58に物品を収納した場合であっても、カウル部52を良好にベース部51に取り付けできる。
【0049】
図7を参照し、リブ部60の後壁63の上縁63aは、カウル上面部80の内面80cに沿って上方に凸となる曲線状に形成されている。すなわち、上縁63aは、車幅方向に延びるアーチ状に形成されている。シートカウル50では、後壁63の上縁63aの位置は、収納部58の後端部における最大積載量を示す。後壁63の上縁63aの位置が収納部58の最大積載量の目安となることは、例えばシートカウル50についての説明書に記載される。
シートカウル50では、上縁63aがアーチ状であるため積載量を大きく確保できるとともに、上縁63aの位置を目安にすることで、収納部58の物品が高さ的に過積載になることが抑制されるため、物品がカウル部52の取り付けの邪魔になることが抑制され、カウル部52を良好にベース部51に取り付けできる。
また、後壁63の上縁63aがカウル上面部80の内面80cに対し下方に離間しているため、上縁63aの位置を若干超えて収納部58に物品を収納した場合であっても、カウル部52を良好にベース部51に取り付けできる。
なお、上縁63aは、少なくとも一部が内面80cに沿ってアーチ状に形成されていれば良い。
【0050】
図6を参照し、リアフレーム20(図2)のクロスメンバー39には、シート17の後端部が固定されるシートステー43が設けられる。シートステー43は、クロスメンバー39の上面から後上方に延びる。
シート17は、シート17の後部の下面からシート後面17dの後方に延出する取付部17fを備える。取付部17fは、取付部17fに上方から挿通されるシート締結具17gによって、シートステー43に固定される。
ベース部51の底壁55の前部は、シート締結具17g及び取付部17fを上方から覆う。これにより、シート締結具17g及び取付部17fを底壁55によって隠すことができ、外観性が良い。
【0051】
図6を参照し、ベース部前壁56は、シート後面17dに後方から近接する。ベース部前壁56の傾斜部56aは、前上がりに傾斜するシート後面17dに沿って前上がりに延びる。
カウル前面部82の下端部は、シート後面17dの後方でベース部前壁56の上部に前方から重なる。カウル前面部82の下端部は、ベース部前壁56の上部に対し前方に離間している。
カウル前面部82の下縁82aは、シート後面17dの上端17eより下方に位置するとともに、シート後面17dに対し上方及び後方に離間している。
カウル前面部82の下端部の近傍では、上端17eと、上端17eより下方に位置する下縁82aと、下縁82aより上方に位置する上縁56cとによってラビリンス構造が形成される。これにより、シートカウル50の前面の防水性を向上できる。
【0052】
図9は、図6においてシート後面17dに対しシートカウル50が近接する部分を拡大した断面図である。
ベース部前壁56の傾斜部56aとシート後面17dとの距離L1は、カウル前面部82の前縁82bとシート後面17dとの距離L2よりも小さい。ここで、距離L1は、傾斜部56aの高さ方向の全体に亘って略一定である。また、前縁82bは、カウル前面部82の下端の前縁である。
【0053】
例えば、乗員がシート17に着座すること等によってシート17が変形する場合、シート後面17dは後方に変位する。鞍乗り型車両10では、距離L1が距離L2よりも小さいため、シート後面17dが後方に変位した場合、シート後面17dは、カウル前面部82の前縁82bよりも先に傾斜部56aの前面に接触する。このため、カウル前面部82の前縁82bがシート後面17dに強く接触することが抑制され、シート後面17d及び前縁82bの傷の発生を抑制できる。
傾斜部56aは、カウル前面部82の下方で入り組んだ場所に位置するため、外側から視認され難い。これに対し、カウル前面部82の前縁82bは、外側に露出するため、例えば前縁82bの塗装に傷が付くと、傷が目立ち易い。本実施の形態では、前縁82bの傷の発生を抑制できる。
【0054】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、収納部構造は、鞍乗り型車両10の乗員用のシート17の後方に設けられるシートカウル50と、シートカウル50の内側に設けられる収納部58とを備え、車両側面視でシートカウル50が後下がりに傾斜し、シートカウル50は、車体であるブラケット53に取り付けられるベース部51と、ベース部51を上方から覆うカウル部52とを備える。ベース部51は、底壁55と、底壁55から上方に延出して収納部58を区画するリブ部60とを備え、リブ部60は、車両前後方向に延びて収納部58を左右方向に区画する左右一対の側壁61を少なくとも備え、車両側面視で、カウル部52の上面であるカウル上面部80は、後下がりに形成され、車両側面視で、側壁61の上縁61aの少なくとも一部は、カウル上面部80の内面80cに沿って後下がりに形成されている。
この構成によれば、収納部58は、底壁55から上方に延出する左右一対の側壁61によって、物品を保持できる。また、側壁61の上縁61aがカウル上面部80の内面80cに沿って後下がりに形成されるため、側壁61の上縁61aは、収納部58の最大積載量の目安になり、カウル上面部80が後下がりの場合であっても、最大積載量が分かり易い。このため、シートカウル50の内側の収納部58に物品を良好に保持でき、且つ、収納部58に物品を収納し易くできる。
【0055】
また、側壁61の上縁61aは、内面80cに対し下方に離間している。
この構成によれば、側壁61の上縁61aが示す最大積載量に対し、積載量の余裕ができるため、収納部58に物品を収納し易い。また、側壁61の上縁61aと内面80cとの接触を管理する必要が無いため、カウル部52をベース部51に組み付け易い。
【0056】
また、リブ部60は、収納部58を前方から区画する前壁62と、収納部58を後方から区画する後壁63とを備える。
この構成によれば、前壁62、後壁63、及び左右の側壁61によって収納部58が区画されるため、収納部58に物品を良好に保持できる。
【0057】
また、後壁63の上縁63aの少なくとも一部は、カウル上面部80の内面80cに沿ってアーチ状に形成されている。
この構成によれば、リブ部60の後壁63の上縁63aを収納部58の最大積載量の目安にでき、最大積載量が分かり易い。このため、シートカウル50の内側の収納部58に物品を良好に保持でき、且つ、収納部58に物品を収納し易くできる。
【0058】
さらに、ベース部51は、平面視においてリブ部60の外側で底壁55の側縁部及び後縁部から上方に延出する外側リブ57を備え、カウル部52の下縁部86は、平面視において外側リブ57の外側に位置し、外側リブ57を外側から覆う。
この構成によれば、外側リブ57とカウル部52の下縁部86とによって形成されるラビリンス構造、及び底壁55から上方に延出するリブ部60によって、収納部58の防水性を高くできる。
【0059】
また、ブラケット53にベース部51を固定する前側締結具65及び後側締結具66は、リブ部60と外側リブ57との間に配置される。
この構成によれば、前側締結具65及び後側締結具66が収納部58の外側に位置するため、前側締結具65及び後側締結具66は収納部58に収納される物品の邪魔になり難い。このため、収納部58に物品を収納し易い。
【0060】
また、ベース部51は、シート17の後面であるシート後面17dに後方から対向するベース部前壁56を備え、カウル部52は、カウル上面部80の前縁から下方に延出するカウル前面部82を備え、カウル前面部82は、シート後面17dの後方で、ベース部前壁56の上部に前方から重なり、カウル前面部82の下縁82aは、シート後面17dの上端17eよりも下方に位置する。
この構成によれば、シート後面17dとカウル前面部82の下縁82aとベース部前壁56の上部とによってラビリンス構造が形成されるため、収納部58の防水性を向上できる。
【0061】
また、ベース部前壁56とシート後面17dとの距離L1は、カウル前面部82の前縁82bとシート後面17dとの距離L2よりも小さい。
この構成によれば、乗員の着座等によってシート17が大きく変形した場合には、シート後面17dは、カウル前面部82の前縁82bよりも先にベース部前壁56に当たる。これにより、シート後面17dとカウル前面部82の前縁82bとの接触を抑制でき、シート後面17d及びカウル前面部82の傷の発生を抑制できる。
【0062】
また、車両側面視で、ベース部51の前後の中間部に、カウル部52とベース部51とを左右に締結する左右締結部71が設けられる。
この構成によれば、カウル部52の後下がりの形状によって収納部58の容量が小さくなって過積載になり易い部分を、左右締結部71によって固定できるため、カウル部52を効果的に固定できる。
【0063】
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、リブ部60は、左右一対の側壁61と、前壁62と、後壁63とを備えるものとして説明したが、本発明はこれに限定されず、リブ部60は少なくとも左右一対の側壁61を備えていれば良い。例えば、リブ部60が後壁63を備えない場合、カウル部52の後部の内面によって物品を保持しても良い。
また、上記実施の形態では、後下がり部61cは、上縁61aの後部に設けられているが、これに限らず、上縁61aの全体を後下がりに形成しても良い。
また、上記実施の形態では、左右締結部71は、ベース部51の前後の中間部に設けられるが、これに限らず、左右締結部71は、ベース部51の前後の中間部よりも後方に設けられても良い。
また、上記実施の形態では、自動二輪車である鞍乗り型車両10に設けられる収納部構造を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、収納部構造は、三輪の鞍乗り型車両、及び四輪以上を備える鞍乗り型車両に設けられても良い。
【0064】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0065】
(構成1)鞍乗り型車両の乗員用のシートの後方に設けられるシートカウルと、前記シートカウルの内側に設けられる収納部とを備え、車両側面視で前記シートカウルが後下がりに傾斜している収納部構造において、前記シートカウルは、車体に取り付けられるベース部と、前記ベース部を上方から覆うカウル部とを備え、前記ベース部は、底壁と、前記底壁から上方に延出して前記収納部を区画するリブ部とを備え、前記リブ部は、車両前後方向に延びて前記収納部を左右方向に区画する左右一対の側壁を少なくとも備え、車両側面視で、前記カウル部の上面は、後下がりに形成され、車両側面視で、前記側壁の上縁の少なくとも一部は、前記上面の内面に沿って後下がりに形成されていることを特徴とする収納部構造。
この構成によれば、収納部は、底壁から上方に延出する左右一対の側壁によって、物品を保持できる。また、側壁の上縁がカウル部の上面の内面に沿って後下がりに形成されるため、側壁の上縁は、収納部の最大積載量の目安になり、カウル部の上面が後下がりの場合であっても、最大積載量が分かり易い。このため、シートカウルの内側の収納部に物品を良好に保持でき、且つ、収納部に物品を収納し易くできる。
【0066】
(構成2)前記側壁の前記上縁は、前記内面に対し下方に離間していることを特徴とする構成1記載の収納部構造。
この構成によれば、側壁の上縁が示す最大積載量に対し、積載量の余裕ができるため、収納部に物品を収納し易い。また、側壁の上縁と内面との接触を管理する必要が無いため、カウル部をベース部に組み付け易い。
【0067】
(構成3)前記リブ部は、前記収納部を前方から区画する前壁と、前記収納部を後方から区画する後壁とを備えることを特徴とする構成1または2記載の収納部構造。
この構成によれば、前壁、後壁、及び左右の側壁によって収納部が区画されるため、収納部に物品を良好に保持できる。
【0068】
(構成4)前記後壁の上縁の少なくとも一部は、前記上面の前記内面に沿ってアーチ状に形成されていることを特徴とする構成3記載の収納部構造。
この構成によれば、リブ部の後壁の上縁を収納部の最大積載量の目安にでき、最大積載量が分かり易い。このため、シートカウルの内側の収納部に物品を良好に保持でき、且つ、収納部に物品を収納し易くできる。
【0069】
(構成5)前記ベース部は、平面視において前記リブ部の外側で前記底壁の側縁部及び後縁部から上方に延出する外側リブを備え、前記カウル部の下縁部は、平面視において前記外側リブの外側に位置し、前記外側リブを外側から覆うことを特徴とする構成1から4のいずれかに記載の収納部構造。
この構成によれば、外側リブとカウル部の下縁部とによって形成されるラビリンス構造、及び底壁から上方に延出するリブ部によって、収納部の防水性を高くできる。
【0070】
(構成6)前記車体に前記ベース部を固定する締結具は、前記リブ部と前記外側リブとの間に配置されることを特徴とする構成5記載の収納部構造。
この構成によれば、締結具が収納部の外側に位置するため、締結具は収納部に収納される物品の邪魔になり難い。このため、収納部に物品を収納し易い。
【0071】
(構成7)前記ベース部は、前記シートの後面に後方から対向するベース部前壁を備え、前記カウル部は、前記上面の前縁から下方に延出するカウル前面部を備え、前記カウル前面部は、前記後面の後方で、前記ベース部前壁の上部に前方から重なり、前記カウル前面部の下縁は、前記後面の上端よりも下方に位置することを特徴とする構成1から6のいずれかに記載の収納部構造。
この構成によれば、シートの後面とカウル前面部の下縁とベース部前壁の上部とによってラビリンス構造が形成されるため、収納部の防水性を向上できる。
【0072】
(構成8)前記ベース部前壁と前記後面との距離は、前記カウル前面部の前縁と前記後面との距離よりも小さいことを特徴とする構成7記載の収納部構造。
この構成によれば、乗員の着座等によってシートが大きく変形した場合には、シートの後面は、カウル前面部の前縁よりも先にベース部前壁に当たる。これにより、シートの後面とカウル前面部の前縁との接触を抑制でき、シートの後面及びカウル前面部の傷の発生を抑制できる。
【0073】
(構成9)車両側面視で、前記ベース部の前後の中間部、または前記中間部よりも後方に、前記カウル部と前記ベース部とを左右に締結する左右締結部が設けられることを特徴とする構成1から8のいずれかに記載の収納部構造。
この構成によれば、カウル部の後下がりの形状によって収納部の容量が小さくなって過積載になり易い部分を、左右締結部によって固定できるため、カウル部を効果的に固定できる。
【符号の説明】
【0074】
10 鞍乗り型車両
17 シート
17d シート後面(後面)
17e 上端
50 シートカウル
51 ベース部
52 カウル部
53 ブラケット(車体)
55 底壁
56 ベース部前壁
57 外側リブ
58 収納部
60 リブ部
61 側壁
61a 上縁(側壁の上縁)
62 前壁
63 後壁
63a 上縁(後壁の上縁)
65 前側締結具(締結具)
66 後側締結具(締結具)
71 左右締結部
80 カウル上面部(カウル部の上面)
80c 内面
82 カウル前面部
82a 下縁
82b 前縁
86 下縁部
L1 距離(ベース部前壁と後面との距離)
L2 距離(カウル前面部の前縁と後面との距離)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9