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特許7607186測定装置、作成装置、検査結果作成システム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】測定装置、作成装置、検査結果作成システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20241220BHJP
   G01B 21/00 20060101ALI20241220BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
G01B11/24 A
G01B21/00 G
E04G23/02 A
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020112691
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022011505
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000150615
【氏名又は名称】株式会社長谷工コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】奥村 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】河野 誠
(72)【発明者】
【氏名】林 永傑
(72)【発明者】
【氏名】土居 正典
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特許第6650639(JP,B1)
【文献】特開2003-214829(JP,A)
【文献】特表2016-507793(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021569(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/021719(WO,A1)
【文献】特開2011-123006(JP,A)
【文献】特開2011-180007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
21/00-21/32
G01C 1/00-1/14
5/00-15/14
E04G 23/00-23/08
G06F 30/00-30/398
G01N 21/84-21/958
G06T 1/00
7/00-7/90
11/60-13/80
17/05
19/00-19/20
G06V 10/00-20/90
30/418、40/16、40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を撮像して画像を生成する第1のカメラと、
検出範囲内の物体の距離を方向別に検出する測距センサと、
前記検出範囲の任意の一方向を、指定方向として検出する方向指定部と、
前記指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する入力部と、
前記入力部において状態の入力が検出された対象物体までの距離に基づいて前記測距センサを基準とする該対象物体の三次元座標を算出し、前記第1のカメラが撮像する画像に所定のマーカ像が含まれる場合に該マーカ像に相当するマーカの前記測距センサを基準とする三次元座標の算出に用いる元情報を、前記対象物体の三次元座標および状態に組合せて記憶する第1のコントローラと、
建造物の設計図を、少なくとも1つの原点の該設計図における位置情報とともに読込み可能な第1のインターフェースと、を備え
前記第1のコントローラは、前記元情報に基づいて前記マーカの三次元座標を算出し、該三次元座標と前記設計図における位置情報とに基づいて前記対象物体の三次元座標および状態を前記設計図における対応する位置に関連付け
測定装置。
【請求項2】
請求項に記載の測定装置であって、
重力方向を検出する重力方向センサを、さらに備え、
前記第1のコントローラは、前記重力方向にも基づいて、前記対象物体の三次元座標および状態を前記設計図に対応する位置に関連付ける
測定装置。
【請求項3】
請求項またはに記載の測定装置であって、
前記設計図は、前記建造物の平面図、立面図、および3Dモデルの少なくともいずれかを含む
測定装置。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記第1のカメラと同一または別体であり、前記検出範囲の少なくとも一部を撮像範囲内に含む第2のカメラを、さらに備える
測定装置。
【請求項5】
請求項に記載の測定装置であって、
前記第1のコントローラは、前記対象物体の三次元座標および状態を、前記第2のカメラが撮像した画像における対応する位置に関連付ける
測定装置。
【請求項6】
請求項またはに記載の測定装置であって、
前記入力部は、前記第2のカメラと、該第2のカメラが撮像した画像内で検出されるジェスチャに基づいて、前記対象物体の状態の入力を検出する前記第1のコントローラとを含む
測定装置。
【請求項7】
請求項からのいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記第2のカメラが撮像する画像において検出される注意領域を表示するディスプレイを、さらに備える
測定装置。
【請求項8】
請求項からのいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記第2のカメラが撮像する画像において検出される注意領域への接近を検出する場合、警告を出力する
測定装置。
【請求項9】
請求項からのいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記方向指定部は、
前記測定装置の使用者の視線方向を検出する視線センサと、
打診棒、および前記第2のカメラと同一または別体であり、前記検出範囲の少なくとも一部を撮像範囲内に含み、且つ撮像された画像中における前記打診棒の位置を方向として検出する第3のカメラの組合せと、
前記第2のカメラと同一または別体であり、前記検出範囲の少なくとも一部を撮像範囲内に含み、且つ撮像範囲の特定の方向を検出する第3のカメラと、の少なくともいずれかである
測定装置。
【請求項10】
請求項1からのいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記第1のコントローラは、建造物全体の階の中の少なくとも一部の複数の階別の前記元情報を、前記対象物体の三次元座標および状態に組合せて記憶する
測定装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記元情報は、前記測距センサが検出する前記マーカの距離、および前記マーカの位置する方向である
測定装置。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記元情報は、前記マーカ像を含む画像の撮像時に前記測距センサが検出する物体の距離および該物体の位置する方向、前記第1のカメラに対する前記測距センサの相対位置および相対姿勢、ならびに前記マーカ像の前記画像における位置および大きさである
測定装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記測定装置の傾斜を検出する傾斜センサを、さらに備え、
前記第1のコントローラは、前記対象物体の距離を前記測距センサが検出する時に前記傾斜センサが検出する第1の傾斜と該対象物体の三次元座標とを組合せて記憶し、前記マーカ像を含む画像を前記第1のカメラが生成する時に前記傾斜センサが検出する第2の傾斜を前記元情報に含める
測定装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記測定装置の変位量を検出する変位センサを、さらに備え、
前記第1のコントローラは、前記対象物体の距離を前記測距センサが検出する時に前記変位センサが検出する基準位置からの変位量と該対象物体の三次元座標とを組合せて記憶し、前記マーカ像を含む画像を前記第1のカメラが生成するときに前記変位センサが検出する基準位置からの変位量を前記元情報に含める
測定装置。
【請求項15】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記元情報、ならびに前記対象物体の三次元座標および状態の組合せが、外部サーバに送信され得る
測定装置。
【請求項16】
請求項に記載の測定装置から、対象物体の三次元座標および状態の、前記設計図における対応する位置への関連付けを、該三次元座標および該状態、ならびに該設計図とともに読込み可能な第2のインターフェースと、
前記関連付けに基づいて、前記設計図における対応する位置に前記状態を示した報告用設計図を作成する第2のコントローラと、を備える
作成装置。
【請求項17】
請求項16に記載の作成装置であって、
前記第2のインターフェースは、前記対象物体を撮像した画像を取得し、
前記第2のコントローラは、前記状態が入力された前記対象物体を特定するマークを、前記対象物体を撮像した画像における対応する位置に描画した報告用画像を作成する
作成装置。
【請求項18】
請求項17に記載の作成装置であって、
前記第2のコントローラは、同じ三次元座標の前記対象物体の、前記報告用設計図における状態の記載と、前記報告用画像における前記マークの描画とを互いに関連付ける
作成装置。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項に記載の作成装置であって、
前記報告用設計図は複数の種類の設計図を含み、
前記第2のコントローラは、同じ三次元座標の前記対象物体の状態の、前記複数の種類の各設計図への記載を、前記複数の種類の設計図間において互いに関連付ける
作成装置。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか1項に記載の作成装置であって、
前記第2のコントローラは、前記対象物体の状態に関する集計表を作成する
作成装置。
【請求項21】
請求項16から20のいずれか1項に記載の作成装置であって、
前記報告用設計図には、位置の異なる複数の前記対象物体に対して別々に、該対象物体の状態が記載されている
作成装置。
【請求項22】
請求項16から21のいずれか1項に記載の作成装置であって、
前記報告用設計図には、前記設計図における所定の大きさの範囲内に位置の異なる複数の前記対象物体が含まれる場合、該複数の対象物体の状態が集計されて記載されている
作成装置。
【請求項23】
請求項に記載の測定装置と、
前記測定装置から、対象物体の三次元座標および状態の、前記設計図における対応する位置への関連付けを、該三次元座標および該状態、ならびに該設計図とともに読込み可能な第2のインターフェースと、前記関連付けに基づいて、前記設計図における対応する位置に前記状態を示した報告用設計図を作成する第2のコントローラと、を有する作成装置と、を備える
検査結果作成システム。
【請求項24】
物体を撮像して画像を生成する第1のカメラと、検出範囲内の物体の距離を方向別に検出する測距センサと、前記検出範囲の任意の一方向を、指定方向として検出する方向指定部と、前記指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する入力部と、建造物の設計図を、少なくとも1つの原点の該設計図における位置情報とともに読込み可能な第1のインターフェースと、を備える測定装置のコンピュータに、
前記入力部において状態の入力が検出された対象物体までの距離に基づいて前記測距センサを基準とする該対象物体の三次元座標を算出することと、
前記第1のカメラが撮像する画像に所定のマーカ像が含まれる場合に、該マーカ像に相当するマーカの前記測距センサを基準とする三次元座標の算出に用いる元情報を、前記対象物体の三次元座標および状態に組合せて記憶すること、
前記元情報に基づいて前記マーカの三次元座標を算出することと、
当該三次元座標と前記設計図における位置情報とに基づいて前記対象物体の三次元座標および状態を前記設計図における対応する位置に関連付けること、とを含む動作を実行させる
プログラム。
【請求項25】
物体を撮像して画像を生成する第1のカメラと、検出範囲内の物体の距離を方向別に検出する測距センサと、前記検出範囲の任意の一方向を指定方向として検出する方向指定部と、前記指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する入力部と、建造物の設計図を少なくとも1つの原点の該設計図における位置情報とともに読込み可能な第1のインターフェースと、前記入力部において状態の入力が検出された対象物体までの距離に基づいて前記測距センサを基準とする該対象物体の三次元座標を算出し、前記第1のカメラが撮像する画像に所定のマーカ像が含まれる場合に該マーカ像に相当するマーカの前記測距センサを基準とする三次元座標の算出に用いる元情報を、前記対象物体の三次元座標および状態に組合せて記憶し、前記元情報に基づいて前記マーカの三次元座標を算出し、該三次元座標と前記設計図における位置情報とに基づいて前記対象物体の三次元座標および状態を前記設計図における対応する位置に関連付ける第1のコントローラと、を有する測定装置から、対象物体の三次元座標および状態の、前記設計図における対応する位置への関連付けを、該三次元座標および該状態、ならびに該設計図とともに読込むことと、
前記関連付けに基づいて、前記設計図における対応する位置に前記状態を示した報告用設計図を作成すること、とを含む動作をコンピュータに実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置、作成装置、検査結果作成システム、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンションなどの建造物においては、定期的に外壁タイルの状態の調査が行われている。外壁タイルの状態の調査では、現地において、打診棒を用いた調査により報告が必要なタイルが特定され、当該タイルの位置が記録される。現地における調査後に、建造物の図面における、報告が必要なタイルの位置に、当該タイルの状態を記載した書類の作成が行われる。
【0003】
このような状態調査および書類の作成は煩雑であり、簡易化が求められている。例えば、測域センサを用いて特定のタイルの位置を記録することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-174390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の記録方法では、互いに鉛直方向などの特定の方向に沿って位置する2物体の、測域センサを基準とする座標系の位置を算出することにより、当該座標系から、例えば地表面座標系への変換が容易化される。しかし、特許文献1に記載の方法を用いたとしても、書類の作成は煩雑であり、調査から書類の作成までの省力化および簡易化が望まれていた。
【0006】
従って、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、建造物などにおける、任意の位置の物体の状態を、当該建造物に関する設計図において対応する位置に記載した報告用設計図の作成を省力化および簡易化する測定装置、作成装置、検査結果作成システム、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した諸課題を解決すべく、第1の観点による測定装置は、
物体を撮像して画像を生成する第1のカメラと、
検出範囲内の物体の距離を方向別に検出する測距センサと、
前記検出範囲の任意の一方向を、指定方向として検出する方向指定部と、
前記指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する入力部と、
前記入力部において状態の入力が検出された対象物体までの距離に基づいて前記測距セ
ンサを基準とする該対象物体の三次元座標を算出し、前記第1のカメラが撮像する画像に
所定のマーカ像が含まれる場合に該マーカ像に相当するマーカの前記測距センサを基準と
する三次元座標の算出に用いる元情報を、前記対象物体の三次元座標および状態に組合せ
て記憶する第1のコントローラと、
建造物の設計図を、少なくとも1つの原点の該設計図における位置情報とともに読込み可能な第1のインターフェースと、を備え
前記第1のコントローラは、前記元情報に基づいて前記マーカの三次元座標を算出し、該三次元座標と前記設計図における位置情報とに基づいて前記対象物体の三次元座標および状態を前記設計図における対応する位置に関連付ける。
【0009】
また、第3の観点による作成装置は、
物体を撮像して画像を生成する第1のカメラと、検出範囲内の物体の距離を方向別に検出する測距センサと、前記検出範囲の任意の一方向を指定方向として検出する方向指定部と、前記指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する入力部と、前記入力部において状態の入力が検出された対象物体までの距離に基づいて前記測距センサを基準とする該対象物体の三次元座標を算出し、前記第1のカメラが撮像する画像に所定のマーカ像が含まれる場合に該マーカ像に相当するマーカの前記測距センサを基準とする三次元座標の算出に用いる元情報を、前記対象物体の三次元座標および状態に組合せて記憶する第1のコントローラと、建造物の設計図を、少なくとも1つの原点の該設計図における位置情報とともに読込み可能な第1のインターフェースと、を有し、前記第1のコントローラは、前記元情報に基づいて前記マーカの三次元座標を算出し、該三次元座標と前記設計図における位置情報とに基づいて前記対象物体の三次元座標および状態を前記設計図における対応する位置に関連付ける測定装置から、対象物体の三次元座標および状態の、前記設計図における対応する位置への関連付けを、該三次元座標および該状態、ならびに該設計図とともに読込み可能な第2のインターフェースと、
前記関連付けに基づいて、前記設計図における対応する位置に前記状態を示した報告用設計図を作成する第2のコントローラと、を備える。
【0011】
また、第5の観点による検査結果作成システムは、
物体を撮像して画像を生成する第1のカメラと、検出範囲内の物体の距離を方向別に検出する測距センサと、前記検出範囲の任意の一方向を指定方向として検出する方向指定部と、前記指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する入力部と、前記入力部において状態の入力が検出された対象物体までの距離に基づいて前記測距センサを基準とする該対象物体の三次元座標を算出し、前記第1のカメラが撮像する画像に所定のマーカ像が含まれる場合に該マーカ像に相当するマーカの前記測距センサを基準とする三次元座標の算出に用いる元情報を、前記対象物体の三次元座標および状態に組合せて記憶する第1のコントローラと、建造物の設計図を、少なくとも1つの原点の該設計図における位置情報とともに読込み可能な第1のインターフェースと、を有し、前記第1のコントローラは、前記元情報に基づいて前記マーカの三次元座標を算出し、該三次元座標と前記設計図における位置情報とに基づいて前記対象物体の三次元座標および状態を前記設計図における対応する位置に関連付ける測定装置と、
前記測定装置から、対象物体の三次元座標および状態の、前記設計図における対応する位置への関連付けを、該三次元座標および該状態、ならびに該設計図とともに読込み可能な第2のインターフェースと、前記関連付けに基づいて、前記設計図における対応する位置に前記状態を示した報告用設計図を作成する第2のコントローラと、を有する作成装置と、を備える。
【0012】
また、第6の観点によるプログラムは、
物体を撮像して画像を生成する第1のカメラと、検出範囲内の物体の距離を方向別に検出する測距センサと、前記検出範囲の任意の一方向を、指定方向として検出する方向指定部と、前記指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する入力部と、建造物の設計図を、少なくとも1つの原点の該設計図における位置情報とともに読込み可能な第1のインターフェースと、を備える測定装置のコンピュータに、
前記入力部において状態の入力が検出された対象物体までの距離に基づいて前記測距センサを基準とする該対象物体の三次元座標を算出することと、
前記第1のカメラが撮像する画像に所定のマーカ像が含まれる場合に、該マーカ像に相当するマーカの前記測距センサを基準とする三次元座標の算出に用いる元情報を、前記対象物体の三次元座標および状態に組合せて記憶すること、
前記元情報に基づいて前記マーカの三次元座標を算出することと、
当該三次元座標と前記設計図における位置情報とに基づいて前記対象物体の三次元座標および状態を前記設計図における対応する位置に関連付けること、とを含む動作を実行させる。
【0014】
また、第8の観点によるプログラムは、
物体を撮像して画像を生成する第1のカメラと、検出範囲内の物体の距離を方向別に検出する測距センサと、前記検出範囲の任意の一方向を指定方向として検出する方向指定部と、前記指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する入力部と、建造物の設計図を少なくとも1つの原点の該設計図における位置情報とともに読込み可能な第1のインターフェースと、前記入力部において状態の入力が検出された対象物体までの距離に基づいて前記測距センサを基準とする該対象物体の三次元座標を算出し、前記第1のカメラが撮像する画像に所定のマーカ像が含まれる場合に該マーカ像に相当するマーカの前記測距センサを基準とする三次元座標の算出に用いる元情報を、前記対象物体の三次元座標および状態に組合せて記憶し、前記元情報に基づいて前記マーカの三次元座標を算出し、該三次元座標と前記設計図における位置情報とに基づいて前記対象物体の三次元座標および状態を前記設計図における対応する位置に関連付ける第1のコントローラと、を有する測定装置から、対象物体の三次元座標および状態の、前記設計図における対応する位置への関連付けを、該三次元座標および該状態、ならびに該設計図とともに読込むことと、
前記関連付けに基づいて、前記設計図における対応する位置に前記状態を示した報告用設計図を作成すること、とを含む動作をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成された本開示に係る測定装置、作成装置、検査結果作成システム、およびプログラムによれば、建造物などにおける、任意の位置の物体の状態を、当該建造物に関する設計図において対応する位置に記載した報告用設計図の作成が省力化および簡易化される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る測定装置および作成装置を含む検査結果作成システムの概略構成を示す外観図である。
図2図1の測定装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】対象物体の状態の選択肢のリストの一例である。
図4】マーカを所定の位置に載置した状態を撮像した画像の一例である。
図5】ディスプレイに表示させた注意領域の一例である。
図6図1の作成装置の概略構成を示すブロック図である。
図7】報告用の平面図の一例である。
図8図7の破線で囲われた部分の部分拡大図である。
図9】報告用の立面図の一例である。
図10】報告用画像の一例である。
図11】集計表の一例である。
図12図1の測定装置が有する第1のコントローラが実行する測定処理を説明するためのフローチャートである。
図13図1の測定装置が有する第1のコントローラが実行する警告処理を説明するためのフローチャートである。
図14図1の作成装置が有する第2のコントローラが実行する作成処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示を適用した測定装置および作成装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、本開示の一実施形態に係る検査結果作成システム10は、測定装置11および作成装置12を含んで構成される。以下に詳細に説明するように、測定装置11により測定を行う場所において、測定対象の物体の三次元位置が測定され、当該物体の状態と関連付けて記録される。また、測定装置11から取得する当該物体の三次元位置および状態に基づいて、作成装置12において、測定を行う場所に関する図面上の対応する位置に当該物体の状態を示した報告用設計図が作成される。
【0019】
本実施形態において、測定装置11は、透過型のヘッドマウントディスプレイ型の装置である。測定装置11は、以下に説明する構造および機能を有するスマートホン、タブレットなどの端末装置であってよい。測定装置11には、前後方向、左右方向、および上下方向が定められている。本実施形態において、測定装置11が使用者に装着された状態において、使用者の前後方向、左右方向、および上下方向が、測定装置11の前後方向、左右方向、および上下方向に略合致するように、測定装置11の上下方向、前後方向、および上下方向が定められている。
【0020】
図2に示すように、測定装置11は、第1のカメラ13、測距センサ14、入力部15、方向指定部16、メモリ17、および第1のコントローラ18を備える。測定装置11は、さらに、ディスプレイ19、第1のインターフェース20、重力方向センサ21、傾斜センサ22、および変位センサ23を備えてよい。
【0021】
第1のカメラ13は、光学系および撮像素子を有し、物体を撮像して画像を信号として生成する。本実施形態において、第1のカメラ13は、測定装置11が使用者に装着された状態において、透過型のディスプレイを介した使用者の視野が撮像範囲に含まれるように測定装置11の所定の位置に所定の姿勢で固定される。第1のカメラ13は、例えば、測定装置11の左右方向における中央位置近傍に、測定装置11の前後方向と光軸とが平行且つ前方を撮像範囲に含む姿勢で、測定装置11に固定される。
【0022】
測距センサ14は、検出範囲内の物体の距離を方向別に検出する。測距センサ14は、例えば、赤外線センサ、ミリ波レーダ、およびLidarなどである。測距センサ14は、検出軸を有しており、例えば、検出軸を基準とした2方向により、距離が検出される物体の方向が区別される。
【0023】
測距センサ14は、検出範囲の少なくとも一部が第1のカメラ13の撮像範囲内に含まれるように、測定装置11に固定されてよい。さらに、本実施形態において、測距センサ14は、測定装置11が使用者に装着された状態において、透過型のディスプレイを介した使用者の視野の少なくとも一部が検出範囲に含まれるように測定装置11の所定の位置に所定の姿勢で固定される。測距センサ14は、例えば、測定装置11の左右方向における中央位置近傍に、測定装置11の前後方向と検出軸とが平行且つ前方を検出範囲に含む姿勢で、測定装置11に固定される。
【0024】
入力部15は、後述する方向指定部16が検出する指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する。入力部15は、例えば、第2のカメラおよび第1のコントローラ18の組合せと、ボタンスイッチのように複数の状態のいずれかの状態であるかを検出可能なスイッチ機構および第1のコントローラ18の組合せと、マイクとの少なくともいずれかである。本実施形態において、入力部15は、第2のカメラおよび第1のコントローラ18の組合せである。
【0025】
第2のカメラは、測距センサ14の検出範囲の少なくとも一部が第1のカメラ13の撮像範囲内に含まれる構成においては、第1のカメラ13と同一であってよい。第2のカメラは、測距センサ14の検出範囲の全部が第1のカメラ13の撮像範囲内に含まれていない場合、第1のカメラ13の別体として測定装置11に設けられてよい。第2のカメラが第1のカメラ13の別体である構成においては、第2のカメラの撮像範囲内に、測距センサ14の検出範囲の少なくとも一部が含まれる。
【0026】
入力部15が第2のカメラおよび第1のコントローラ18の組合せである構成において、第1のコントローラ18は、第2のカメラが撮像する画像から、所定のジェスチャを検出する場合、当該ジェスチャをユーザの操作入力として検出する。後に詳細に説明するように、第1のコントローラ18は、後述の方向指定部16が指定方向を検出するときの操作入力に基づいて、指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する。
【0027】
入力部15がスイッチ機構および第1のコントローラ18の組合せである構成において、後に詳細に説明するように、第1のコントローラ18は、後述の方向指定部16が指定方向を検出するときのスイッチ機構への操作入力に基づいて、指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する。
【0028】
方向指定部16は、測距センサ14の検出範囲内の任意の一方向を、指定方向として検出する。方向指定部16は、例えば、視線センサと、第3のカメラ単体と、第3のカメラおよび打診棒などのポインタの組合せとの少なくともいずれかである。本実施形態において、方向指定部16は、第3のカメラ単体である。
【0029】
視線センサは、測定装置11の使用者の視線方向を、指定方向として検出する。本実施形態において、視線センサは、測定装置11が使用者に装着された状態において、使用者の視線を検出可能な測定装置11における位置および姿勢で固定される。
【0030】
第3のカメラは、第2のカメラと同一であっても、別体であってもよい。第3のカメラが第2のカメラの別体である構成においては、第3のカメラの撮像範囲内に、測距センサ14の検出範囲の少なくとも一部が含まれる。
【0031】
方向指定部16が第3のカメラ単体である構成においては、方向指定部16は、第3のカメラの撮像範囲内で測距センサ14の検出範囲と重なる特定の方向を、指定方向として検出する。
【0032】
方向指定部16が第3のカメラおよびポインタの組合せである構成においては、第3のカメラが撮像する画像においてポインタの位置が画像認識などにより検出される。画像内において検出される位置に相当する実空間の方向が指定方向として検出される。
【0033】
メモリ17は、例えば、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)など、任意の記憶デバイスを含む。メモリ17は、第1のコントローラ18を機能させる多様なプログラム、および第1のコントローラ18が用いる多様な情報を記憶する。
【0034】
ディスプレイ19は、第1のコントローラ18の制御に基づいて、所望の画像を表示する。ディスプレイ19は、透過型ディスプレイまたは非透過型ディスプレイである。本実施形態においては、ディスプレイ19は透過型ディスプレイである。ディスプレイ19は、測定装置11が使用者に装着された状態において、使用者の眼前に位置するように測定装置11に設けられている。使用者は測定装置11を装着した状態で、所望の画像が重畳された眼前の風景を、ディスプレイ19を介して視認し得る。
【0035】
第1のインターフェース20は、外部機器および記憶メディアの少なくとも一方と、情報を通信する。第1のインターフェース20は、外部機器と、有線または無線で通信してよい。第1のインターフェース20は、例えば、後述するように、建造物の設計図を、少なくとも1つの原点の当該設計図における位置情報とともに読込み可能である。原点の位置情報は、例えば、設計図の特定の位置に描画される点、設計図の座標系における座標であってよい。
【0036】
設計図は、例えば、建造物の平面図、立面図、3Dモデル、および2Dモデルの少なくともいずれかを含む。平面図は、任意の単一または複数の階の平面図であってよい。3Dモデルは、例えば、CADデータのような壁面などを構成する多数の点を三次元座標化したデータである。2Dモデルは、3Dモデルの1つの座標軸の位置を固定して、壁面などを構成する多数の点を二次元座標化したデータである。原点は、測定装置11が検出する特定の位置の三次元座標を上述の設計図の位置に対応付けるために、当該設計図において所定の位置に付加される点である。また、本実施形態において、設計図は、設計した建造物などの形状、構造、寸法を一定のきまりに従って記した、上述の平面図などの図面に限定されず、建造物の構造などを示す図面であればよく、例えば、パンフレットに用いられる間取り図であってもよい。
【0037】
重力方向センサ21は、地上において重力方向を検出する。
【0038】
傾斜センサ22は、測定装置11の傾斜を検出する。傾斜センサ22は、傾斜の検出の開始時における地上に対する測定装置11の姿勢を基準姿勢として、基準姿勢からの傾斜を検出する。傾斜センサ22は、例えば、互いに平行でない3方向を軸とした傾斜角度を測定装置11の傾斜として検出する。本実施形態において、傾斜センサ22は、測定装置11の前後方向、左右方向、および上下方向の3方向を軸とした傾斜角を検出する。傾斜センサ22は、例えば、ジャイロセンサである。
【0039】
変位センサ23は、測定装置11の変位量を検出する。変位センサ23は、変位量の検出の開始時における地上に対する測定装置11の位置を基準位置として、基準位置からの変位量を検出する。変位センサ23は、例えば、互いに直交する3方向に沿った測定装置11の変位量を検出する。本実施形態において、変位センサ23は、測定装置11の前後方向、左右方向、および上下方向の3方向に沿った変位量を検出する。変位センサ23は、例えば、加速度センサである。変位センサ23が加速度センサである構成においては、変位センサ23が検出する変位量が、利用環境によっては、高精度GNSSデータ、3D実空間モデル2点間測量などによって補完されてもよい。
【0040】
第1のコントローラ18は、1以上のプロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。第1のコントローラ18は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、およびSiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。第1のコントローラ18は、測定装置11全体の動作を制御する。
【0041】
第1のコントローラ18は、前述のように入力部15の一部として機能し、以下に説明するように、指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する。第1のコントローラ18は、入力部15が第2のカメラを含む構成において、第2のカメラが連続的に撮像する複数の画像に、位置指定のジェスチャの存否を判別する。位置指定のジェスチャは、例えば指を弾く動きなどの予め定められた動作である。
【0042】
第1のコントローラ18は、位置指定のジェスチャの存在を検出する時に方向指定部16が検出する指定方向に位置する物体を測定の対象である対象物体として確定する。第1のコントローラ18は、対象物体を確定するとき、当該対象物体の状態の選択肢をユーザに提示する。ユーザへの提示は、画像の表示または音声の出力によって行われてよい。本実施形態において、第1のコントローラ18は、対象物体の状態として事前に想定されている選択肢のリストを表示するように、ディスプレイ19を制御する。第1のコントローラ18は、状態の選択肢のリストの提示に先立って、または同時に、対象物体として事前に想定されている選択肢のリストをユーザに提示してよい。
【0043】
例えば、図3に示すように、状態の選択肢のリスト24に含まれる選択肢は、「鉄筋爆裂・露出」、「欠損・剥落」、「エフロレッセンス・錆汁」、「ひび割れ」、「浮き」、「ひび割れ(面積)」、「浮き(面積)」を含む。また、例えば、対象物体の選択肢のリスト25は、「塗装」、「コンクリート・モルタル」、「タイル」、「シート」を含む。
【0044】
事前に想定されている対象物体は、外壁に存在するものに限定されず、建造物の屋内に存在するものであってよい。屋内に存在する対象物体としては、玄関の石張り床、床石、天井、壁クロス、およびダウンライト、洋室の床フローリング、収納扉、引き戸、内壁、天井、およびコンセントプレート、廊下のフローリングと巾木、上り框とフローリング、壁クロス、フローリング、および扉の建枠とクロス、トイレのペーパーホルダ、天井換気扇、点検口、吊り戸の扉、および扉、浴室の天井、蛇口、照明、カウンター、および浴槽と壁、洗面室の洗面台、蛇口、洗面台、リネン庫の扉、および防水パンの換気扇、キッチンのカウンター、照明、食器棚と内壁、報知機、およびディスポーザ、リビング・ダイニングのカーテンレール、ガラス、サッシ、ウォールドア、およびスリーブ、バルコニーの物干し金物、手摺、配管カバー、換気スリーブ、およびパーティション、ならびに開放廊下の天井リシン、メータボックスの扉、玄関扉、および面格子が挙げられる。
【0045】
第1のコントローラ18は、状態の複数の選択肢の中の一つの選択肢を選択する入力を検出するとき、当該選択肢により特定される状態を対象物体の状態としてメモリ17に格納する。第1のコントローラ18は、例えば、ディスプレイ19に表示されている複数の選択肢の中の一つの表示位置に対応する方向を方向指定部16に検出させた状態で、選択を確定するジェスチャを検出することにより、選択する入力を検出してよい。または、第1のコントローラ18は、例えば、マイクによって検出される音声分析によって選択する入力を検出してよい。第1のコントローラ18は、対象物体を特定するための複数の選択肢の中の一つの選択肢を選択する入力を、状態の複数の選択肢と同様に検出して、メモリ17に格納してよい。
【0046】
第1のコントローラ18は、入力部15がスイッチ機構を含む構成において、スイッチ機構への操作入力を、上述の第2のカメラの画像におけるジェスチャの検出の代わりに用いて、指定方向に存在する物体の状態の入力を検出する。
【0047】
第1のコントローラ18は、対象物体の状態の入力が検出されるとき、対象物体までの距離および測距センサ14を基準とする方向を、測距センサ14から取得する。第1のコントローラ18は、取得した距離および方向に基づいて、測距センサ14を基準とする対象物体の三次元座標を算出する。第1のコントローラ18は、対象物体の三次元座標をメモリ17に格納してよい。
【0048】
第1のコントローラ18は、図4に示すように、第1のカメラ13が撮像する画像26に所定のマーカ像27が含まれる場合、元情報を取得する。元情報は、マーカ像27に相当するマーカの、測距センサ14を基準とする三次元座標を算出させ得る情報である。
【0049】
なお、マーカは、原点を示す点でよく、原点を含む線分でもよく、QRコード(登録商標)などの所定のパターンであってもよい。マーカとしての原点は、第1のコントローラ18または、後述する、作成装置12の第2のコントローラが画像26において認識可能な点であればよく、例えば、建設現場で任意の箇所に墨で描かれた十字の交点、またはシートなどに印刷された点である。マーカとしての原点を含む線分は、第1のコントローラ18または第2のコントローラが画像26において認識可能な線分であればよく、例えば、玄関の上がり框と巾木の境界線の一部となる線分、またはシートなどに印刷された線分である。マーカとしての所定のパターンは、直方体のシートまたは板に印刷されており、板面を平面視して互いに垂直な2辺が建造物の2つの壁面にそれぞれ密着するように載置することが定められていてよい。所定のパターンには、原点位置の情報が予め対応付けられている。
【0050】
2つのマーカが、単一の画像26または複数の画像26に撮像されるように配置されることが予め求められ、現地において載置されてよい。第1のコントローラ18は、画像26において2つのマーカ像27を認識する場合、それぞれのマーカ像に相当するマーカの測距センサ14を基準とする元情報を取得してよい。
【0051】
マーカは、建造物全体の階の少なくとも一部である複数の階別に載置されて第1のカメラ13に撮像されてよい。マーカが複数の階に載置される場合、載置される階別に定められる異なるパターンであってよい。
【0052】
元情報は、第2のカメラが第1のカメラ13と同一である構成においては、測距センサ14が検出するマーカの距離およびマーカの位置する方向であってよい。距離および方向に基づいて、測距センサ14を基準とするマーカの三次元座標を算出可能である。
【0053】
または、元情報は、マーカ像27が検出されるときに測距センサ14が検出する物体の距離および当該物体の位置する方向、第1のカメラ13に対する測距センサ14の相対位置および相対姿勢、ならびにマーカ像27の当該画像26における位置および大きさであってよい。物体の距離および物体の位置する方向に基づいて、当該物体の測距センサ14を基準にした三次元座標は算出可能である。マーカ像27の画像26全体における位置および大きさに基づいて、第1のカメラ13を基準にしたマーカの三次元座標は算出可能である。第1のカメラ13に対する測距センサ14の相対位置および相対姿勢、物体の測距センサ14を基準とした三次元座標、ならびにマーカの第1のカメラ13を基準とした三次元座標に基づいて、マーカの測距センサ14を基準とした三次元座標は算出可能である。
【0054】
さらに、元情報は、マーカ像27を含んでよい。
【0055】
第1のコントローラ18は、元情報を、対象物体の三次元座標および状態に組合せて、メモリ17に格納する。第1のコントローラ18は、対象物体の三次元座標および状態を、第2のカメラが撮像した画像において、当該三次元座標に該当する位置に関連付けて、当該画像をメモリ17に格納してよい。
【0056】
第1のコントローラ18は、対象物体の距離を測距センサ14が検出する時に傾斜センサ22が検出する第1の傾斜を、対象物体の三次元座標と組合せてメモリ17に格納する。第1のコントローラ18は、マーカ像27を含む画像26を第1のカメラ13が生成する時に傾斜センサ22が検出する第2の傾斜を、元情報に含める。対象物体の確定時と、マーカ像27を含む画像26の撮像時とにおいて、測定装置11の地上に対する姿勢が異なっている場合でも、それぞれの時点における傾斜に基づいて、後述するように、対象物体およびマーカの三次元座標を、同じ座標空間に配置可能である。なお、対象物体の確定時と、マーカ像27を含む画像26の撮像時とにおいて、測定装置11の地上に対する姿勢が同じ場合には、傾斜の情報が無くても、対象物体およびマーカの三次元座標を、同じ座標空間に配置可能である。
【0057】
第1のコントローラ18は、第1の傾斜および第2の傾斜に基づいて、元情報の取得時、言い換えるとマーカの撮像時の地上に対する測距センサ14の姿勢を基準とした対象物体の三次元座標を算出してよい。第1のコントローラ18は、算出された、元情報取得時の対象物体の三次元座標を、元情報と対象物体の三次元座標との組合せとして格納してよい。
【0058】
第1のコントローラ18は、対象物体の距離を測距センサ14が検出するときに変位センサ23が検出する基準位置からの変位量を第1の変位量として、対象物体の三次元座標と組合せてメモリ17に格納する。第1のコントローラ18は、マーカ像27を含む画像26を第1のカメラ13が生成する時に変位センサ23が検出する基準位置からの変位量を第2の変位量として、元情報に含める。対象物体の確定時とマーカ像27を含む画像26の撮像時との間に測定装置11が変位している場合でも、それぞれの時点における変位量に基づいて、後述するように、対象物体およびマーカの三次元座標を、同じ座標空間に配置可能である。なお、対象物体の確定時とマーカ像27を含む画像26の撮像時との間に測定装置11が同じ位置に存在する場合には、変位量の情報が無くても、対象物体およびマーカの三次元座標を、同じ座標空間に配置可能である。
【0059】
第1のコントローラ18は、第1の変位量および第2の変位量に基づいて、元情報の取得時、言い換えるとマーカの撮像時の地上に対する測距センサ14の位置を基準とした対象物体の三次元座標を算出してよい。第1のコントローラ18は、算出された、元情報取得時の対象物体の三次元座標を、元情報と対象物体の三次元座標との組合せとして格納してよい。
【0060】
第1のコントローラ18は、元情報を最初に取得する時に、傾斜センサ22および変位センサ23が検出を開始するように制御してよい。元情報を最初に取得する時に検出を開始させることにより、元情報を最初に取得する時の地上に対する測定装置11の姿勢および位置がそれぞれ基準姿勢および基準位置となる。
【0061】
なお、第1のコントローラ18は、測距センサ14が多様な方向に位置する物体、言換えると物点までの距離に基づいて算出される三次元座標に基づいて、測距センサ14の検出範囲内の構造物の3Dモデルを生成してよい。さらに、第1のコントローラ18は、ユーザが測定装置11を装着した状態で、多様な方向に向いて移動しながら検出される多数の物体までの距離、ならびに測定装置11の傾斜、および基準位置からの変位量に基づいて、構造物の少なくとも一部の3Dモデルを生成する。第1のコントローラ18は、上述の対象物体の三次元座標を、作成した3Dモデルの座標系における三次元座標として算出して、メモリ17に格納してよい。
【0062】
第1のコントローラ18は、任意のマーカ像27が検出された画像26を撮像した位置から変位した位置において当該マーカ像27と異なるマーカ像27が画像26から検出される場合、それぞれのマーカ像27に対応するマーカの三次元座標を算出させ得る元情報を、対象物体の三次元座標および状態に組合せてメモリ17に格納してよい。
【0063】
第1のコントローラ18は、組合せた元情報、ならびに対象物体の三次元座標および状態を外部サーバに送信するように、第1のインターフェース20を制御してよい。
【0064】
第1のコントローラ18は、第1のインターフェース20を通じて、設計図を読込んでいる場合、元情報に基づいて、マーカの三次元座標を算出する。さらに、第1のコントローラ18は、マーカの三次元座標と設計図の原点の位置情報とに基づいて、後述するように、対象物体の三次元座標および状態を、設計図における対応する位置に関連付けて、メモリ17に格納する。
【0065】
設計図は、前述のように、少なくとも1つの原点と建造物を含む。設計図は、さらに、建造物の外壁、内壁、天井、および床の少なくとも1つを含んでよい。設計上のマーカを載置する位置に対する、設計図における原点の位置は、マーカのパターンによって対応付けられている。マーカによって対応付けられている原点の位置は一か所だけに限定されず、複数の原点の位置が単一のマーカによって対応付けられていてよい。マーカのパターンに対応する、マーカの位置からの原点の位置は予めメモリ17に格納されている。第1のコントローラ18は、マーカ像27が検出される場合にさらにマーカ像27のパターンに基づいて、マーカの三次元座標に対する原点の三次元座標をメモリ17から読出す。第1のコントローラ18は、算出したマーカの三次元座標、マーカの三次元座標に対する原点の三次元座標、および設計図の座標系における原点の位置に基づいて、上述のように、対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けを行う。
【0066】
第1のコントローラ18は、重力方向センサ21が検出する重力方向にも基づいて、対象物体の三次元座標および状態を、設計図に対応する位置に関連付けてよい。
【0067】
第1のコントローラ18は、対象物体の三次元情報および状態が関連付けられた設計図を外部サーバに送信するように、第1のインターフェース20を制御してよい。
【0068】
第1のコントローラ18は、第2のカメラが撮像する画像において、注意領域が検出される場合、当該注意領域を表示するようにディスプレイ19を制御する。図5に示すように、注意領域CAは、例えば、階段、段、穴、溝などの測定装置11を装着するユーザが位置する床面よりも高い位置または低い位置に高さが変わる領域との境界を示す領域、当該床面から170cmなどの所定の高さ未満に梁などの障害物が存在する領域、および立入禁止の領域であってよい。第1のコントローラ18は、生成した3Dモデルにおいて床面と認定した面に対して高さが変わる領域、生成した3Dモデルにおいて床面に対して所定の高さ未満に障害物が位置する領域、第2のカメラが撮像する画像において立入禁止の標識を検出した奥の領域を検出することにより注意領域CAを検出する。または、注意領域CAは、読込まれる設計図においてあらかじめ定められていてよく、第1のコントローラ18は、第2のカメラが撮像する画像の領域が注意領域CAを含む場合、当該注意領域CAを検出する。
【0069】
第1のコントローラ18は、第2のカメラが撮像する画像において検出される注意領域CAへの、測定装置11を装着したユーザの接近を検出する場合、警告を表示するようにディスプレイ19を制御する。表示する警告は、たとえば、単なる「警告」の文言であってよく、「ここからヘルメットを着用せよ」および「安全帯を使用せよ」などのように警告を意味する文言であってよく、「!」などのように警告を意味する符号であってよい。第1のコントローラ18は、生成した3Dモデルにおいて認定した注意領域CAに、例えば、2mなどの所定の範囲内に入る場合、注意領域CAへの接近を検出してよい。警告はディスプレイ19への表示に限定されず、例えば、スピーカなどから警告の音声を出力させることによりユーザに認識させる構成であってもよい。
【0070】
本実施形態において、作成装置12は、パーソナルコンピュータ、ならびにスマートホンおよびタブレットなどの端末装置などのような汎用の装置または専用の装置であってよい。図6に示すように、作成装置12は、第2のインターフェース28、メモリ29、および第2のコントローラ30を備える。
【0071】
第2のインターフェース28は、測定装置11、記憶メディア、およびスキャナなどの外部機器の少なくともいずれかと、情報を通信する。第2のインターフェース28は、外部機器および測定装置11と、有線または無線で通信してよい。
【0072】
第2のインターフェース28は、測定装置11から、直接的に、または記憶メディアを介して間接的に、対象物体の三次元座標および状態、ならびに元情報の組合せを読込み可能である。または、第2のインターフェース28は、測定装置11から、対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けを、当該三次元座標および当該状態、ならびに当該設計図とともに読込み可能である。さらに、第2のインターフェース28は、測定装置11から、対象物体の三次元座標および状態の、当該対象物体を撮像した画像における対応する位置への関連付けを、当該画像とともに読込み可能である。
【0073】
第2のインターフェース28は、外部機器から、直接的に、または記憶メディアの少なくとも一方を介して間接的に、建造物の設計図を少なくとも1つの原点の当該設計図における位置情報ともに読込み可能である。
【0074】
メモリ29は、例えば、RAMおよびROMなど、任意の記憶デバイスを含む。メモリ29は、第2のコントローラ30を機能させる多様なプログラム、および第2のコントローラ30が用いる多様な情報を記憶する。
【0075】
第2のコントローラ30は、1以上のプロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;)を含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。第2のコントローラ30は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC、およびSiPのいずれかであってもよい。第2のコントローラ30は、作成装置12全体の動作を制御する。
【0076】
第2のコントローラ30は、第2のインターフェース28が測定装置11から、元情報、ならびに対象物体の三次元座標および状態を読込む場合、当該元情報に基づいてマーカの三次元座標を算出する。第2のコントローラ30は、マーカの三次元座標と、設計図における少なくとも1つの原点の位置情報とに基づいて、対象物体の三次元座標および状態を、設計図における対応する位置に関連付ける。関連付けの方法は、測定装置11の第1のコントローラ18による関連付け方法と同じである。第2のコントローラ30は、第2のインターフェース28が対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けをメモリ29に格納する。
【0077】
第2のコントローラ30は、第2のインターフェース28が対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けを読込む場合、当該関連付けをメモリ29に格納する。
【0078】
第2のコントローラ30は、対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けに基づいて、設計図における対応する位置に状態を示した報告用設計図を作成する。設計図が平面図である場合、例えば、図7に示すように、平面図PDにおける、状態が記録された対象物体の位置に、当該状態STを記載した報告用の平面図が作成される。図8に示すように、状態STとして、対象物体の状態そのものに加えて、例えば、床面または天井からの距離などの平面図PDでは表現されない位置、状態の大きさなども記載されてよい。また、設計図が立面図である場合、例えば、図9に示すように、立面図EDにおける、状態が記録された対象物体の位置に、当該状態STを記載した報告用の立面図が作成される。
【0079】
第2のコントローラ30は、図7に示すように、位置の異なる複数の対象物体に対して別々に、設計図における対応する位置に状態STを記載した報告用設計図を作成してよい。第2のコントローラ30は、報告用設計図面における所定の大きさの範囲内に位置の異なる複数の対象物体が含まれる場合、当該複数の対象物体の状態を集計して、報告用設計図面に記載してよい。例えば、図8に示すように、平面図PDにおいて所定の広さ範囲内の複数の対象物体の状態ST1は、単一の対象物体の状態ST2と異なり、1か所に集計されて記載される。
【0080】
第2のコントローラ30は、報告用設計図が、報告用の平面図および立面図などのように複数の種類の設計図を含む場合、同じ三次元座標の対象物体の状態の、複数の種類の設計図への記載を、複数の種類の設計図間において互いに関連付ける。言換えると、例えば、報告用の平面図、立面図、3Dモデル、2Dモデルにおいて同じ位置の対象物体の状態の記載は互いにリンク付けられている。したがって、作成装置12などの電子機器で閲覧する場合、任意の設計図において記載された状態が選択される場合、当該状態である対象物体の状態が記載された他の種類の設計図が開かれる。
【0081】
第2のコントローラ30は、対象物体の三次元座標および状態の、当該対象物体を撮像した画像における対応する位置への関連付けを、当該画像とともに読込む場合、報告用画像を生成する。図10に示すように、報告用画像では、状態が入力された対象物体を特定するマークMKが、画像31における対応する位置に描画されている。また、報告用画像には、画像31の側に、当該対象物体の状態STが描画されていてよい。
【0082】
第2のコントローラ30は、報告用画像の生成とともに、同じ三次元座標の対象物体の、報告用画像におけるマークMKの描画と、報告用設計図における状態の記載とを、互いに関連付ける。言換えると、例えば、同じ位置の対象物体に対して、報告用の平面図などにおける状態の記載と、報告用画像におけるマークMKの描画とが互いにリンク付けられている。したがって、作成装置12などの電子機器で報告用画像が閲覧される状態において、報告用画像に描画されたマークMKが選択される場合、マークMKにより位置が示されている対象物体の状態が記載された報告用設計図が開かれる。または、作成装置12などの電子機器で報告用図面が閲覧される状態において、報告用図面に描画された、報告用画像が撮像されていることを示す記号CMが選択される場合、記号CMにより示される位置から撮像した画像を含む報告用画像が開かれる。
【0083】
第2のコントローラ30は、報告用設計図の作成と合わせて、対象物体の状態に関する集計表を作成する。図11に示すように、集計表は、状態の種類別の表であって、建造物の場所別の状態の詳細をまとめた表である。
【0084】
第2のコントローラ30は、報告用設計図、報告用画像、および集計表をまとめた報告書をメモリ29に格納する。第2のコントローラ30は、作成装置12のユーザからの送信要求の操作入力などに基づいて、報告書を印刷するプリンタへの報告書の送信、または外部のパーソナルコンピュータおよび端末装置などへの報告書の送信を行うように、第2のインターフェース28を制御する。
【0085】
次に、本実施形態において第1のコントローラ18が実行する、測定処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。測定処理は、測定装置11の測定開始の入力を入力部15が検出するとき開始する。
【0086】
ステップS100において、第1のコントローラ18は、第1のカメラ13、測距センサ14、重力方向センサ21、傾斜センサ22、および変位センサ23を起動する。傾斜センサ22は、起動により傾斜の検出の開始時における地上に対する測定装置11の姿勢を基準姿勢として、以後の測定装置11の傾斜を検出する。変位センサ23は、起動により変位量の検出の開始時における地上に対する測定装置11の位置を基準として、以後の測定装置11の変位量を検出する。起動後、プロセスはステップS101に進む。
【0087】
ステップS101では、第1のコントローラ18は、測距センサ14が検出する多方向の物体の距離、重力方向センサ21の検出する重力方向、傾斜センサ22の検出する傾斜、および変位センサ23が検出する変位量に基づいた、構造物の3Dモデルの作成を開始する。作成開始後、プロセスはステップS102に進む。
【0088】
ステップS102では、第1のコントローラ18は、第1のカメラ13が撮像する画像26にマーカ像27が含まれているか否かを判別する。マーカ像27が含まれている場合、プロセスはステップS103に進む。マーカ像27が含まれていない場合、プロセスはステップS105に進む。
【0089】
ステップS103では、第1のコントローラ18は、元情報を取得する。元情報の取得後、プロセスはステップS104に進む。
【0090】
ステップS104では、第1のコントローラ18は、ステップS103において取得した元情報をメモリ17に格納する。格納後、プロセスはステップS105に進む。
【0091】
ステップS105では、第1のコントローラ18は、指定方向に存在する物体の状態の入力を入力部15が検出しているか否かを判別する。検出している場合、プロセスはステップS106に進む。検出していない場合、プロセスはステップS108に進む。
【0092】
ステップS106では、第1のコントローラ18は、ステップS102において状態の入力が検出された物体を対象物体として、当該対象物体までの距離および方向、測定装置11の重力方向、測定装置11の傾斜、測定装置11の変位量に基づいて、3Dモデルの座標系における対象物体の三次元座標を算出する。算出後、プロセスはステップS107に進む。
【0093】
ステップS107では、第1のコントローラ18は、ステップS106において算出した対象物体の三次元座標を状態とともにメモリ17に格納する。格納後、プロセスはステップS108に進む。
【0094】
ステップS108では、第1のコントローラ18は、ステップS104において元情報が、ステップS107において三次元座標および状態がメモリ17に格納済みであるか否かを判別する。両者の少なくとも一方が格納済みでない場合、プロセスはステップS109に進む。両者が格納済みである場合、プロセスはステップS110に進む。
【0095】
ステップS109では、第1のコントローラ18は、測定終了の入力を入力部15が検出しているか否かを判別する。検出していない場合、プロセスはステップS102に戻る。検出している場合、測定処理は終了する。
【0096】
ステップS110では、第1のコントローラ18は、ステップS107において格納済みであることが確認された元情報、ならびに対象物体の三次元座標および状態を組合せとしてメモリ17に格納する。格納後、プロセスはステップS111に進む。
【0097】
ステップS111では、第1のコントローラ18は、設計図が読込み済みであるか否かを判別する。読込み済みである場合、プロセスはステップS112に進む。読込み済みでない場合、プロセスはステップS102に戻る。
【0098】
ステップS112では、第1のコントローラ18は、ステップS104においてメモリ17に格納した元情報に基づいてマーカの三次元座標を算出する。第1のコントローラ18は、さらに算出した三次元座標と、ステップS111において読込み済みであることを確認した設計図の原点の位置情報とに基づいて、対象物体の三次元座標および状態を、設計図における対応する位置に関連付ける。第1のコントローラ18は、関連付けをメモリ17に格納する。格納後、プロセスはステップS102に戻る。
【0099】
次に、本実施形態において第1のコントローラ18が実行する、警告処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。警告処理は、測定処理と並列して実行される。言い換えると、警告処理は、測定装置11の測定開始の入力を入力部15が検出するとき開始する。
【0100】
ステップS200において、第1のコントローラ18は、測定処理において作成される3Dモデルに基づいて、現在位置に対しての注意領域CAを検出する。検出後、プロセスはステップS201に進む。
【0101】
ステップS201では、第1のコントローラ18は、測定装置11を装着しているユーザの視界に注意領域CAが含まれるか否か判別する。ユーザの視界とは、ディスプレイ19が透過型ディスプレイである構成においては、ユーザの瞳の位置から透過型ディスプレイを介して視認可能な範囲である。または、ユーザの視界とは、ディスプレイ19が非透過型ディスプレイである構成においては、非透過型ディスプレイにより遮られる視界の範囲である。注意領域CAが含まれる場合、プロセスはステップS202に進む。注意領域CAが含まれない場合、プロセスはステップS203に進む。
【0102】
ステップS202では、第1のコントローラ18は、注意領域CAを表示するように、ディスプレイ19を制御する。表示後、プロセスはステップS203に進む。
【0103】
ステップS203では、第1のコントローラ18は、測定装置11のユーザが注意領域CAに接近しているか否かを判別する。接近している場合、プロセスはステップS204に進む。接近していない場合、プロセスはステップS205に進む。
【0104】
ステップS204では、第1のコントローラ18は、警告を表示するように、ディスプレイ19を制御する。警告後、プロセスはステップS205に進む。
【0105】
ステップS205では、第1のコントローラ18は、測定終了の入力を入力部15が検出しているか否かを判別する。検出していない場合、プロセスはステップS200に戻る。検出している場合、警告処理は終了する。
【0106】
次に、本実施形態において第2のコントローラ30が実行する、作成処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。作成処理は、作成装置12において報告書作成の操作入力が作成装置12の入力部が検出するときに開始する。
【0107】
ステップS300において、第2のコントローラ30は、測定装置11から、元情報、ならびに対象物体の三次元座標および状態の組合せを読込んでいるか否かを判別する。組合せを読込んでいる場合、プロセスはステップS301に進む。組合せを読込んでいない場合、プロセスはステップS305に進む。
【0108】
ステップS301では、第2のコントローラ30は、ステップS300において読込みを確認した元情報に基づいて、マーカの三次元座標を算出する。算出後、プロセスはステップS302に進む。
【0109】
ステップS302では、第2のコントローラ30は、ステップS300において読込みを確認した元情報に基づいて、マーカに対応する原点位置をメモリ29から読出す。読出し後、プロセスはステップS303に進む。
【0110】
ステップS303では、第2のコントローラ30は、設計図を読込み済みであるか否かを判別する。読込み済みである場合、プロセスはステップS304に進む。読込み済みでない場合、プロセスはステップS305に進む。
【0111】
ステップS304では、第2のコントローラ30は、ステップS301において算出したマーカの三次元座標、ステップS302において読出したマーカに対応する原点位置、およびステップS303において読込みを確認した設計図における少なくとも1つの原点の位置情報に基づいて、対象物体の三次元座標および状態を設計図における対応する位置に関連付ける。さらに、第2のコントローラ30は、対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けをメモリ29に格納する。関連付け後、プロセスはステップS305に進む。
【0112】
ステップS305では、第2のコントローラ30は、測定装置11から、対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けを、当該三次元座標および状態とともに読込んでいるか否かを判別する。関連付けを読込んでいる場合、プロセスはステップS306に進む。組合せを読込んでいない場合、プロセスはステップS307に進む。
【0113】
ステップS306では、第2のコントローラ30は、ステップS305において読込みを確認した対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けをメモリ29に格納する。格納後、プロセスはステップS307に進む。
【0114】
ステップS307では、第2のコントローラ30は、対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けをメモリ29に格納済みであるか否かを判別する。格納済みでない場合、プロセスはステップS300に戻る。格納済みである場合、プロセスはステップS308に進む。
【0115】
ステップS308では、第2のコントローラ30は、対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けに基づいて、報告用設計図を作成する。作成後、プロセスはステップS309に進む。
【0116】
ステップS309では、第2のコントローラ30は、ステップS303において読込み済みであることを確認した設計図が複数の種類の設計図を含むか否かを判別する。複数の種類の設計図を含む場合、プロセスはステップS310に進む。複数の種類の設計図を含まない場合、プロセスはステップS311に進む。
【0117】
ステップS310では、第2のコントローラ30は、同じ三次元座標の対象物体の状態の、複数の設計図への記載を、複数の種類の設計図間で互いに関連付ける。さらに、第2のコントローラ30は、状態の記載の、複数の種類の設計図間での関連付けをメモリ29に格納する。関連付け後、プロセスはステップS311に進む。
【0118】
ステップS311では、第2のコントローラ30は、対象物体の三次元座標に関連付けられた画像を、測定装置11から読込み済みであるか否かを判別する。読込み済みである場合、プロセスはステップS312に進む。読込み済みでない場合、プロセスはステップS313に進む。
【0119】
ステップS312では、第2のコントローラ30は、ステップS311において読込みを確認した画像を用いて、報告用画像を作成する。作成後、プロセスはステップS313に進む。
【0120】
ステップS313では、第2のコントローラ30は、ステップS308において作成した報告用画像における状態の記載に、ステップS312において作成した報告用画像におけるマークMKの描画を関連付ける。関連付け後、プロセスはステップS314に進む。
【0121】
ステップS314では、第2のコントローラ30は、対象物体の状態に関する集計表を作成する。作成後、プロセスはステップS315に進む。
【0122】
ステップS315では、第2のコントローラ30は、ステップS308において作成した報告用設計図、およびステップS14において作成した集計表を少なくとも含み、ステップS312において報告用画像を作成した場合には当該報告用画像を含む、報告書を、メモリ29に格納する。格納後、作成処理は終了する。
【0123】
以上のような構成の本実施形態の測定装置11は、入力部15において状態の入力が検出された対象物体までの距離に基づいて測距センサ14を基準とする当該対象物体の三次元座標を算出する。さらに、測定装置11は、第1のカメラ13が撮像する画像26に所定のマーカ像27が含まれる場合に当該マーカ像27に相当するマーカの測距センサ14を基準とする三次元座標の算出に用いる元情報を、対象物体の三次元座標および状態に組合せて記憶する。このような構成により、測定装置11は、マーカに対応する原点の位置情報を含む設計図の情報を有する、作成装置12などの外部機器に、対象物体の三次元座標および状態を設計図における対応する位置に関連付けさせる情報を提供し得る。したがって、上述の構成を有する測定装置11は、報告用設計図の作成において煩雑な作業である、対象物体の三次元座標および状態の設計図への関連付けを外部機器に実行させ得るので、報告用設計図の作成を省力化および簡易化し得る。
【0124】
また、本実施形態の測定装置11は、測定装置11は、元情報に基づいてマーカの三次元座標を算出し、当該三次元座標と少なくとも1つの原点の設計図における位置情報とに基づいて、対象物体の三次元座標および状態を設計図における対応する位置に関連付ける。このような構成により、測定装置11は、報告用設計図を作成する作成装置12などの外部機器に、対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けを提供し得る。したがって、上述の構成を有する測定装置11は、報告用設計図の作成において煩雑な作業である、対象物体の三次元座標および状態の設計図への関連付けを行うので、報告用設計図の作成を省力化および簡易化し得る。
【0125】
また、本実施形態の測定装置11は、重力方向センサ21が検出する重力方向にも基づいて対象物体の三次元座標および状態を設計図に対応する位置に関連付ける。対象物体の三次元座標は、測距センサ14を基準としているため、地表における座標系とは関係づけられていない。上述の構成を有する測定装置11は、重力方向を用いることにより、測距センサ14を基準とする三次元座標を、地表を基準とする座標系の三次元座標に変換し得る。このような構成により、測定装置11は、対象物体の三次元座標および状態の、設計図に対応する位置への関連付けの精度を向上する。また、このような構成により、測定装置11は、測定装置11が3Dモデルを生成しない構成であっても、2つの原点の位置情報があれば、対象物体の三次元座標および状態を、設計図に対応する位置に関連付け得る。
【0126】
また、本実施形態の測定装置11は、第1のカメラ13と同一または別体であり、検出範囲の少なくとも一部を撮像範囲内に含む第2のカメラを備え、対象物体の三次元座標および状態を、第2のカメラが撮像した画像における対応する位置に関連付ける。このような構成により、測定装置11は、報告用画像を作成する作成装置12などの外部機器に、対象物体の三次元座標および状態の、画像31への関連付けを提供し得る。したがって、上述の構成を有する測定装置11は、報告用画像の作成において煩雑な作業である、対象物体の三次元座標および状態の画像31への関連付けを外部機器に実行させ得るので、報告用画像の作成を省力化および簡易化し得る。
【0127】
また、本実施形態の測定装置11は、第1のカメラ13と同一または別体であり、検出範囲の少なくとも一部を撮像範囲内に含む第2のカメラを備え、第2のカメラが撮像した画像内で検出されるジェスチャに基づいて、対象物体の状態の入力を検出する。このような構成により、測定装置11は、キーボードやジョイスティックなどの手指による操作が必要なデバイスを用いることなく、状態の入力を検出し得る。したがって、測定装置11は、測定装置11による測定を移動しながら行える構成において、手に把持させるハードウェアを減らせるので、測定装置11のユーザの安全性を向上し得る。
【0128】
また、本実施形態の測定装置11は、第1のカメラ13と同一または別体であり、検出範囲の少なくとも一部を撮像範囲内に含む第2のカメラと、第2のカメラが撮像する画像において検出される注意領域CAを表示するディスプレイ19とを備える。このような構成により、測定装置11は、測定装置11がヘッドマウントディスプレイ型である構成において、測定作業への集中による、実際の現場における危険性の認識の低下を、注意領域CAの表示により抑制し得る。
【0129】
また、本実施形態の測定装置11は、第1のカメラ13と同一または別体であり、検出範囲の少なくとも一部を撮像範囲内に含む第2のカメラ備え、第2のカメラが撮像する画像において検出される注意領域CAへの接近を検出する場合、警告を出力する。このような構成により、測定装置11は、実際の現場における危険性の認識の低下を、いっそう抑制し得る。
【0130】
また、本実施形態の測定装置11は、建造物全体の階の中の少なくとも一部の複数の階別の元情報を、対象物体の三次元座標および状態に組合せて記憶する。このような構成により、測定装置11は、変位センサ23により測定装置11の変位量を検出する構成であっても、階の移動による元情報の精度の低下を抑制し得る。または、測定装置11は、変位センサ23による測定装置11の変位量を検出しない構成において、複数の階に対応する元情報を、対象物体の三次元座標および状態に組合せ得る。
【0131】
また、本実施形態の測定装置11は、傾斜センサ22を備え、対象物体の距離を測距センサ14が検出する時に傾斜センサ22が検出する第1の傾斜と対象物体の三次元座標とを組合せて記憶し、マーカ像27を含む画像26を第1のカメラ13が生成する時に傾斜センサ22が検出する第2の傾斜を元情報に含める。このような構成により、測定装置11は、複数の対象物体の状態の入力時およびマーカ像27を含む撮像時の測定装置11の地表に対する姿勢が異なっていても、元情報により算出されるマーカの三次元座標と、対象物体の三次元座標との座標系のずれをキャンセルさせ得る。したがって、測定装置11は、対象物体の状態の入力時に、第1のカメラ13でマーカを撮像できなくても、対象物体の三次元座標および状態を設計図における対応する位置に関連付け可能な情報を記憶し得る。
【0132】
また、本実施形態の測定装置11は、変位センサ23を備え、対象物体の距離を測距センサ14が検出する時に変位センサ23が検出する基準位置からの変位量と対象物体の三次元座標とを組合せて記憶し、マーカ像27を含む画像26を第1のカメラ13が生成するときに変位センサ23が検出する基準位置からの変位量を元情報に含める。このような構成により、測定装置11は、複数の対象物体の状態の入力時およびマーカ像27を含む撮像時の間に測定装置11が移動する場合であっても、元情報により算出されるマーカの三次元座標と、対象物体の三次元座標との座標系のずれをキャンセルさせ得る。したがって、測定装置11は、対象物体の状態の入力時に第1のカメラ13でマーカを撮像できなくても、対象物体の三次元座標および状態を設計図における対応する位置に関連付け可能な情報を記憶し得る。
【0133】
また、本実施形態の測定装置11は、元情報、ならびに対象物体の三次元座標および状態の組合せを、外部サーバに送信し得る。または、測定装置11は、対象物体の三次元座標および状態が関連付けられた設計図を、外部サーバに送信し得る。このような構成により、測定装置11は、ユーザによるマニュアル操作を要することなく、報告用設計図の作成のための情報をクラウドサーバにも格納させ得る。
【0134】
また、本実施形態の測定装置11は、測距センサ14の検出範囲内の構造物の3Dモデルを生成する。このような構成により、測定装置11は、検査対象の建造物の設計図とサイズなどを対比可能な3Dモデルが生成されるので、1つの原点と位置合わせができれば、回転および倍率の調整により、対象物体の三次元座標および状態を、設計図における対応する位置に関連付け得る。
【0135】
また、本実施形態の作成装置12は、建造物の設計図を少なくとも1つの原点の設計図における位置情報ともに読込み可能であり、且つ測定装置11から、元情報、ならびに対象物体の三次元座標および状態の組合せを読込み、元情報に基づいてマーカの三次元座標を算出する。さらに、作成装置12は、マーカの三次元座標と設計図における原点の位置情報とに基づいて、対象物体の三次元座標および状態を設計図における対応する位置に関連付ける。さらに、作成装置12は、対象物体の三次元座標および状態の設計図における対応する位置への関連付けに基づいて、設計図における対応する位置に状態を示した報告用設計図を作成する。このような構成により、作成装置12は、報告用設計図の作成において煩雑な作業である、対象物体の三次元座標および状態の設計図への関連付けを行うので、報告用設計図の作成を省力化および簡易化し得る。
【0136】
また、本実施形態の作成装置12は、測定装置11から、対象物体の三次元座標および状態の、設計図における対応する位置への関連付けを、対象物体の三次元座標および状態、ならびに設計図とともに読込み、関連付けに基づいて、前記設計図における対応する位置に前記状態を示した報告用設計図を作成する。このような構成により、作成装置12は、報告用設計図を自動で作成するので、報告用設計図の作成を省力化および簡易化し得る。
【0137】
また、本実施形態の作成装置12は、対象物体を撮像した画像を取得し、状態が入力された対象物体を特定するマークMKを、対象物体を撮像した画像における対応する位置に描画した報告用画像を作成する。このような構成により、作成装置12は、報告用画像を自動で作成するので、報告用画像の作成を省力化および簡易化し得る。
【0138】
また、本実施形態の作成装置12は、同じ三次元座標の対象物体の、報告用設計図における状態の記載と、報告用画像におけるマークMKの描画とを互いに関連付ける。このような構成により、作成装置12は、端末装置などを用いた報告用設計図の確認に際して、例えば、報告用設計図において文字で記載されている対象物体の状態を写真での確認が望まれる場合に、容易に当該対象物体の画像31を表示させ得る。
【0139】
また、本実施形態の作成装置12では、報告用設計図は複数の種類の設計図を含み、同じ三次元座標の対象物体の状態の、複数の種類の各設計図への記載が、複数の種類の設計図間において互いに関連付けられる。このような構成により、作成装置12は、端末装置などを用いた報告用設計図の確認に際して、例えば、報告用の平面図に記載されている対象物体の状態の、立面図EDを用いた確認が望まれる場合に、容易に当該対象物体の状態の記載を含む立面図EDを表示させ得る。
【0140】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0141】
例えば、第1のカメラ13と測距センサ14と方向指定部16と入力部15とを有する汎用の測定装置を、上述した実施形態の測定装置11として機能させる構成することも可能である。具体的には、上述した実施形態の測定装置11の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用の測定装置のメモリに格納し、測定装置のプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。プログラムは通信を介してダウンロードされてもよいし、電子機器に読取り可能な可搬型で非一過性の記録・記憶媒体に格納され、測定装置が当該媒体から読取ってもよい。
【0142】
また、本実施形態において、作成装置12の機能の少なくとも一部が測定装置11によって行われてもよい。例えば、測定装置11が、作成装置12のすべての機能を実行可能であって、測定装置11が報告用設計図を作成する構成であってよい。
【符号の説明】
【0143】
10 検査結果作成システム
11 測定装置
12 作成装置
13 第1のカメラ
14 測距センサ
15 入力部
16 方向指定部
17 メモリ
18 ディスプレイ
19 第1のコントローラ
20 第1のインターフェース
21 重力方向センサ
22 傾斜センサ
23 変位センサ
24 状態の選択肢のリスト
25 対象物体の選択肢のリスト
26 第1のカメラが撮像した画像
27 マーカ像
28 第2のインターフェース
29 メモリ
30 第2のコントローラ
31 報告用画像における画像
CA 注意領域
CM 報告用画像が撮像されていることを示す記号
ED 立面図
PD 平面図
ST 状態
ST1 複数の対象物体の状態
ST2 単一の対象物体の状態
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14