(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】光源装置および投写型映像表示装置
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20241220BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20241220BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241220BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241220BHJP
【FI】
G03B21/14 A
H04N5/74 Z
F21S2/00 311
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2020206398
(22)【出願日】2020-12-14
【審査請求日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2019231781
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】栗田 礼
(72)【発明者】
【氏名】奥田 倫弘
【審査官】武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-323184(JP,A)
【文献】国際公開第2009/008166(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/14
H04N 5/74
F21S 2/00
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色光を出射する第1固体光源アレーと、
第2の色光を出射する第2固体光源アレーと、
第3の色光を出射する第3固体光源アレーと、
前記第1~第3固体光源アレーからの前記第1~第3の色光を合成して、合成された前記第1~第3の色光の光束を同一方向に出射する光合成部と、
前記光合成部によって同一方向に出射された光が入射するレンズと、を備え、
前記第1固体光源アレーは第1の色光である青色光を出射する青色レーザダイオードを含む青色固体光源アレーであり、
前記第2固体光源アレーは第2の色光である緑色光を出射する緑色レーザダイオードを含む緑色固体光源アレーであって、第1及び第2の緑色固体光源アレーからなり、
前記第3固体光源アレーは第3の色光である赤色光を出射する赤色レーザダイオードを含む赤色固体光源アレーであって、第1及び第2の赤色固体光源アレーからなり、
前記レンズの光軸を境にして、
一方側に
は前記第3固体光源アレーを配置し、
他方側には前記第1固体光源アレー及び前記第2固体光源アレーを配置し、
前記第1の緑色固体光源アレーと前記第1の赤色固体光源アレーとは対向して配置され、
前記第2の緑色固体光源アレーと前記第2の赤色固体光源アレーとは対向して配置されている、光源装置。
【請求項2】
前記第1~第3固体光源アレーの各々には冷却機構が併設されており、前記第3固体光源アレーにはさらに冷却のためのペルチェ素子が併設される、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光合成部は、
前記青色固体光源アレーからの前記青色光が入射するハーフミラーと、
前記ハーフミラーを透過する青色光を反射するミラーと、
前記第1の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記ハーフミラーで反射された青色光を透過する第1のダイクロイックミラーと、
前記第2の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射し、前記第1のダイクロイックミラーからの前記青色光、及び前記緑色光を透過する第2のダイクロイックミラーと、
前記第1の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射し、前記ミラーで反射された前記青色光を透過する第3のダイクロイックミラーと、
前記第2の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記第3のダイクロイックミラーからの前記青色光、及び前記赤色光を透過する第4のダイクロイックミラーと、
を有する、請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記光合成部は、
前記青色固体光源アレーからの前記青色光が入射するハーフミラーと、
前記ハーフミラーを透過する青色光を反射する第1のミラーと、
前記第1の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射する第2のミラーと、
前記第2のミラーからの前記赤色光を反射する第3のミラーと、
前記第2の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記ハーフミラーで反射された青色光を透過する第1のダイクロイックミラーと、
前記第3のミラーからの前記赤色光を反射し、前記第1のダイクロイックミラーからの前記青色光、及びと前記緑色光とを透過する第2のダイクロイックミラーと、
前記第1の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記第1のミラーで反射された前記青色光を透過する第3のダイクロイックミラーと、
前記第2の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射し、前記第3のダイクロイックミラーからの前記青色光、及び前記緑色光を透過する第4のダイクロイックミラーと、
を有する、請求項1に記載の光源装置。
【請求項5】
前記光合成部は、
前記青色固体光源アレーからの前記青色光が入射するハーフミラーと、
前記ハーフミラーを透過する青色光を反射するミラーと、
前記第1及び第2の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記ハーフミラーからの青色光と前記ミラーからの前記青色光とを透過し、前記第1及び第2の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を透過する第1のダイクロイックミラーと、
前記第1及び第2の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射し、前記ハーフミラーからの前記青色光と前記ミラーからの前記青色光とを透過し、前記第1及び第2の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を透過する第2のダイクロイックミラーと、を有し、
前記第1のダイクロイックミラー及び前記第2のダイクロイックミラーはクロス配置されてクロスダイクロイックミラーを構成する、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項6】
第1の色光を出射する第1固体光源アレーと、
第2の色光を出射する第2固体光源アレーと、
第3の色光を出射する第3固体光源アレーと、
前記第1~第3固体光源アレーからの前記第1~第3の色光を合成して、合成された前記第1~第3の色光の光束を同一方向に出射する光合成部と、
前記光合成部によって同一方向に出射された光が入射するレンズと、を備え、
前記第1固体光源アレーは第1の色光である青色光を出射する青色レーザダイオードを含む青色固体光源アレーであり、
前記第2固体光源アレーは第2の色光である緑色光を出射する緑色レーザダイオードを含む緑色固体光源アレーであって、第1及び第2の緑色固体光源アレーからなり、
前記第3固体光源アレーは第3の色光である赤色光を出射する赤色レーザダイオードを含む赤色固体光源アレーであって、第1及び第2の赤色固体光源アレーからなり、
前記レンズの光軸を境にして、
一方側には前記第3固体光源アレーを配置し、
他方側には前記第1固体光源アレー及び前記第2固体光源アレーを配置し、
前記第2の緑色固体光源アレーと前記第1の赤色固体光源アレーとは対向して配置されている、光源装置。
【請求項7】
前記第1~第3固体光源アレーの各々には冷却機構が併設されており、前記第3固体光源アレーにはさらに冷却のためのペルチェ素子が併設される、請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記光合成部は、
前記青色固体光源アレーからの前記青色光が入射するハーフミラーと、
前記ハーフミラーを透過する青色光を反射するミラーと、
前記第2の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記ハーフミラーで反射された青色光を透過する第1のダイクロイックミラーと、
前記第2の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射し、前記第1のダイクロイックミラーからの前記青色光、及び前記緑色光を透過する第2のダイクロイックミラーと、
前記第1の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記ミラーで反射された前記青色光を透過する第3のダイクロイックミラーと、
前記第1の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射し、前記第3のダイクロイックミラーからの前記青色光、及び前記緑色光を透過する第4のダイクロイックミラーと、
を有する、請求項6に記載の光源装置。
【請求項9】
第1の色光を出射する第1固体光源アレーと、
第2の色光を出射する第2固体光源アレーと、
第3の色光を出射する第3固体光源アレーと、
前記第1~第3固体光源アレーからの前記第1~第3の色光を合成して、合成された前記第1~第3の色光の光束を同一方向に出射する光合成部と、
前記光合成部によって同一方向に出射された光が入射するレンズと、を備え、
前記第1固体光源アレーは第1の色光である青色光を出射する青色レーザダイオードを含む青色固体光源アレーであり、
前記第2固体光源アレーは第2の色光である緑色光を出射する緑色レーザダイオードを含む緑色固体光源アレーであって、第1及び第2の緑色固体光源アレーからなり、
前記第3固体光源アレーは第3の色光である赤色光を出射する赤色レーザダイオードを含む赤色固体光源アレーであって、第1及び第2の赤色固体光源アレーからなり、
前記レンズの光軸を境にして、
一方側には前記第3固体光源アレーを配置し、
他方側には前記第1固体光源アレー及び前記第2固体光源アレーを配置し、
前記第1の赤色固体光源アレーは、青色固体光源アレーと前記第1の緑色固体光源アレーとの中間地点と正対する位置に配置され、
前記第2の赤色固体光源アレーは、前記第1の緑色固体光源アレーと前記第2の緑色固体光源アレーとの間に対向する位置に配置されている、
光源装置。
【請求項10】
前記第1~第3固体光源アレーの各々には冷却機構が併設されており、前記第3固体光源アレーにはさらに冷却のためのペルチェ素子が併設される、請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
前記光合成部は、
前記青色固体光源アレーからの前記青色光が入射するハーフミラーと、
前記ハーフミラーを透過する青色光を反射するミラーと、
前記第2の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射し、前記ハーフミラーからの青色光を透過する第1のダイクロイックミラーと、
前記第2の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記第1のダイクロイックミラーからの前記青色光、及び前記赤色光を透過する第2のダイクロイックミラーと、
前記第1の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射し、前記ミラーからの前記青色光を透過する第3のダイクロイックミラーと、
前記第1の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記第3のダイクロイックミラーからの前記青色光、及び前記赤色光を透過する第4のダイクロイックミラーと、
を有する、請求項9に記載の光源装置。
【請求項12】
前記光合成部は、
前記青色固体光源アレーからの前記青色光を反射する第1のミラーと、
前記第1の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射する第2のミラーと、
前記第1の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記第1のミラーで反射された前記青色光を透過する第1のダイクロイックミラーと、
前記第2の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を透過し、前記第1のダイクロイックミラーからの前記青色光、及び前記緑色光を反射する第1の偏光ビームスプリッタと、
前記第2の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射し、前記第2のミラーで反射された前記赤色光を透過する第2の偏光ビームスプリッタと、
前記第1の偏光ビームスプリッタからの前記青色光、及び前記緑色光を反射し、前記第2の偏光ビームスプリッタからの前記赤色光を透過する第2のダイクロイックミラーと、
を有する、請求項
1に記載の光源装置。
【請求項13】
第1の色光を出射する第1固体光源アレーと、
第2の色光を出射する第2固体光源アレーと、
第3の色光を出射する第3固体光源アレーと、
前記第1~第3固体光源アレーからの前記第1~第3の色光を合成して、合成された前記第1~第3の色光の光束を同一方向に出射する光合成部と、
前記光合成部によって同一方向に出射された光が入射するレンズと、を備え、
前記第1固体光源アレーは第1の色光である青色光を出射する青色レーザダイオードを含む青色固体光源アレーであり、
前記第2固体光源アレーは第2の色光である緑色光を出射する緑色レーザダイオードを含む緑色固体光源アレーであって、第1及び第2の緑色固体光源アレーからなり、
前記第3固体光源アレーは第3の色光である赤色光を出射する赤色レーザダイオードを含む赤色固体光源アレーであって、第1及び第2の赤色固体光源アレーからなり、
前記レンズの光軸を境にして、
一方側には前記第3固体光源アレーを配置し、
他方側には前記第1固体光源アレー及び前記第2固体光源アレーを配置し、
前記光合成部は、
前記青色固体光源アレーからの前記青色光を反射する第1のミラーと、
前記第1の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射する第2のミラーと、
前記第1の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を反射し、前記第1のミラーで反射された前記青色光を透過する第1のダイクロイックミラーと、
前記第2の緑色固体光源アレーからの前記緑色光を透過し、前記第1のダイクロイックミラーからの前記青色光、及び前記緑色光を反射する第1の偏光ビームスプリッタと、
前記第2の赤色固体光源アレーからの前記赤色光を反射し、前記第2のミラーで反射された前記赤色光を透過する第2の偏光ビームスプリッタと、
前記第1の偏光ビームスプリッタからの前記青色光、及び前記緑色光を反射し、前記第2の偏光ビームスプリッタからの前記赤色光を透過する第2のダイクロイックミラーと、を有する、光源装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の光源装置と、
前記光源装置から得られる光を映像信号に基づいて変調し映像光を生成する映像光生成部と、
前記映像光生成部で生成された前記映像光を拡大投写する投写光学系と、
を備えた、投写型映像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体光源と、固体光源から出射される色光を合成する光合成部とを備える光源装置、及びかかる光源装置を備えた投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のレーザ光源を備えた固体光源プロジェクタ方式において、小型化および高い光利用効率化を図るために、コリメートレンズを用いて各光源からの出射光を合成する投写型映像表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、固体光源の冷却機構の大型化の影響を受けず、装置の小型化が図れる光源装置、及びかかる光源装置を備えた投写型映像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における光源装置は、第1の色光を出射する第1固体光源アレーと、第2の色光を出射する第2固体光源アレーと、第3の色光を出射する第3固体光源アレーと、第1~第3固体光源アレーからの第1~第3の色光を合成して、合成された第1~第3の色光の光束を同一方向に出射する光合成部と、を備える。光合成部から出射される光束の光軸を境にして、一方側には第1~第3固体光源アレーのうち、最も低い目標冷却温度を必要とする第3固体光源アレーを配置し、他方側には第1及び第2固体光源アレーを配置している。
【発明の効果】
【0006】
本開示における光源装置は、冷却機構の制約を受けず装置の小型化が図れ、ひいてはかかる光源装置を備えた投写型映像表示装置の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1における投写型映像表示装置を示す図
【
図3】実施の形態1における固体光源アレーを示す図
【
図4】実施の形態1における光源装置出射後の光束分布を示す図
【
図5A】実施の形態1におけるハーフミラーの特性を示す図
【
図5B】実施の形態1におけるダイクロイックミラー140の特性図
【
図5C】実施の形態1におけるダイクロイックミラー141、142の特性図
【
図5D】実施の形態1におけるダイクロイックミラー143の特性図
【
図6】実施の形態1における一体冷却機構を用いた光源装置を示す図
【
図11】実施の形態6における投写型映像表示装置を示す図
【
図13】実施の形態6におけるダイクロイックミラー144の特性図
【
図14】実施の形態6における偏光ビームスプリッタ145の特性図
【
図15】実施の形態6における偏光ビームスプリッタ146の特性図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0009】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
[実施の形態1]
(投写型映像表示装置)
以下において、実施の形態1に係る投写型映像表示装置の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る投写型映像表示装置100の光学構成を示す図である。
【0011】
図1に示すように、第1に、投写型映像表示装置100は、第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1、10B2、及び第3固体光源アレー10C1、10C2を含む光源装置10と、ロッドインテグレータ30と、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)としての3つのDMD40R、40G、40Bと、投写ユニット50とを有する。
【0012】
第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1、10B2、及び第3固体光源アレー10C1、10C2は、例えば、レーザダイオード(LD:Laser Diode)や発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などの固体光源によって構成される。本実施の形態では固体光源としてレーザダイオード、特に第1固体光源アレー10Aは青色の色光(第1の色光)、第2固体光源アレー10B1、10B2は緑色の色光(第2の色光)、第3固体光源アレー10C1、10C2は赤色の色光(第3の色光)を出射するレーザダイオードを使用している。ここで、レーザダイオードは、レーザ光源の一例である。なお、第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1、10B2、及び第3固体光源アレー10C1、10C2の詳細については、後述する(
図3を参照)。
【0013】
ロッドインテグレータ30は、ガラスなどの透明部材によって構成される中実のロッドである。ロッドインテグレータ30は、光源装置10から出射される光を均一化する。なお、ロッドインテグレータ30は、内壁がミラー面によって構成される中空のロッドであってもよい。ここで、ロッドインテグレータ30は、光均一化素子の一例である。
【0014】
DMD40B、40G、40Rは、それぞれ第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1、10B2、及び第3固体光源アレー10C1、10C2から出射される光を映像信号に基づいて変調する。詳細には、DMD40B、40G、40Rは、複数の微小ミラーによって構成されており、複数の微小ミラーは可動式である。各微小ミラーは、基本的に1画素に相当する。DMD40B、40G、40Rは、各微小ミラーの角度を変更することによって、投写ユニット50側に光を反射するか否かを切り替える。
【0015】
DMD40Rは、赤映像信号に基づいて赤成分光Rを変調する。DMD40Gは、緑映像信号に基づいて緑成分光Gを変調する。DMD40Bは、青映像信号に基づいて青成分光Bを変調する。DMD40R、40G、40Bは、光変調素子であり、映像光生成部の一例である。
【0016】
投写ユニット50は、DMD40R、40G、40Bによって変調された映像光を投写面上に拡大投写する。投写ユニット50は、投写光学系の一例である。
【0017】
第2に、投写型映像表示装置100は、必要なレンズ群及びミラー群を有する。レンズ群としては、レンズ121~125が設けられており、ミラー群としては、ミラー13、ハーフミラー14、ミラー131およびダイクロイックミラー140~143が設けられている。また、投写型映像表示装置100は、必要な拡散板20を有する。
【0018】
レンズ121、122は、第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1、10B2、及び第3固体光源アレー10C1、10C2からの出射光を集光し、ロッドインテグレータ30へ導くコンデンサレンズである。レンズ123、124、125は、ロッドインテグレータ30からの出射光を各DMD40R、40G、40B上に略結像するリレーレンズである。
【0019】
ミラー13、131は、光路を折り曲げるミラーである。ハーフミラー14は第1固体光源アレー10Aからの出射光を分離し、一部の光束を反射し、残余の光束を透過するミラーでる。ダイクロイックミラー140は、青色光を透過し、緑色光を反射するダイクロイックミラーである。ダイクロイックミラー141は、青色光と緑色光を透過し、赤色光を反射するダイクロイックミラーである。ダイクロイックミラー142は、青色光を透過し、赤色光を反射するダイクロイックミラーである。ダイクロイックミラー143は、青色光および赤色光を透過し、緑色光を反射するダイクロイックミラーである。ハーフミラー14、ミラー13、及びダイクロイックミラー140~143は、光合成部を構成する光学素子の一例である。なおダイクロイックミラーの詳細については、後述する(
図5A~
図5Dを参照)。
【0020】
拡散板20は、レンズ122による光束の集光点近傍に配置され、光束を拡散させる拡散板である。拡散板20は、例えば、ガラス基板の表面に微細な凹凸が形成された構成となっている。また、微細な凹凸面の形成は、片面であっても、両面であっても良い。
【0021】
第3に、投写型映像表示装置100は、必要なプリズム群を有する。プリズム群として、プリズム210、220、230、240、250が設けられる。
【0022】
プリズム210は、透光性部材によって構成されており、面211及び面212を有する。プリズム210(面211)とプリズム250(面251)との間にはエアギャップが設けられており、プリズム210に入射した光が面211に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、プリズム210に入射した光は面211で反射される。一方で、プリズム210(面212)とプリズム220(面221)との間にはエアギャップが設けられるが、面211で反射された光が面212に入射する角度(入射角)が全反射角よりも小さいため、面211で反射された光は面212を透過する。
【0023】
プリズム220は、透光性部材によって構成されており、面221及び面222を有する。面222は、赤成分光R及び緑成分光Gを透過して、青成分光Bを反射するダイクロイックミラー面である。従って、面211で反射された光のうち、赤成分光R及び緑成分光Gは面222を透過し、青成分光Bは面222で反射される。面222で反射された青成分光Bは面221で反射される。
【0024】
プリズム210(面212)とプリズム220(面221)との間にはエアギャップが設けられており、面222で最初に反射された青成分光B及びDMD40Bから出射された青成分光Bが面221に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、面222で最初に反射された青成分光B、及びDMD40Bから出射された青成分光Bは面221で反射される。面222で反射された青色成分光Bは、面221で反射されてDMD40Bに入射し、DMD40Bがこの入射光を反射して出射光として出射する。一方で、面221で反射された後に面222で2回目に反射された青成分光Bが面221に入射する角度(入射角)が全反射角よりも小さいため、面221で反射された後に面222で2回目に反射された青成分光Bは面221を透過する。
【0025】
プリズム230は、透光性部材によって構成されており、面231及び面232を有する。面232は、緑成分光Gを透過して、赤成分光Rを反射するダイクロイックミラー面である。従って、面231を透過した光のうち、緑成分光Gは面232を透過し、赤成分光Rは面232で反射される。面232で反射された赤成分光Rは面231で反射される。DMD40Gから出射された緑成分光Gは面232を透過する。
【0026】
プリズム220(面222)とプリズム230(面231)との間にはエアギャップが設けられており、面231を透過して面232で反射された赤成分光R及びDMD40Rから出射された赤成分光Rが再び面231に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、面231を透過して面232で反射された赤成分光R及びDMD40Rから出射された赤成分光Rは面231で反射される。面232で反射された赤色成分光Rは、面231で反射されて、DMD40Rに入射し、DMD40Rがこの入射光を反射して出射光として出射する。一方で、DMD40Rから出射されて面231で反射された後に面232で反射された赤成分光Rが再び面231に入射する角度(入射角)が全反射角よりも小さいため、DMD40Rから出射されて面231で反射された後に面232で反射された赤成分光Rは面231を透過する。
【0027】
プリズム240は、透光性部材によって構成されており、面241を有する。面241は、緑成分光Gを透過するように構成されている。なお、DMD40Gへ入射する緑成分光G及びDMD40Gから出射された緑成分光Gは面241を透過する。
【0028】
プリズム250は、透光性部材によって構成されており、面251を有する。
【0029】
言い換えると、青成分光Bは、(1)面211で反射されて、(2)面212及び面221を透過した上で、面222で反射されて、(3)面221で反射されて、(4)DMD40Bで反射されて、(5)面221で反射されて、(6)面222で反射されて、(7)面221、面212、面211及び面251を透過する。これによって、青成分光Bは、DMD40Bで変調されて、投写ユニット50に導かれる。
【0030】
赤成分光Rは、(1)面211で反射されて、(2)面212、面221、面222及び面231を透過した上で、面232で反射されて、(3)面231で反射されて、(4)DMD40Rで反射されて、(5)面231で反射されて、(6)面232で反射されて、(7)面231、面222、面221、面212、面211及び面251を透過する。これによって、赤成分光Rは、DMD40Rで変調されて、投写ユニット50に導かれる。
【0031】
緑成分光Gは、(1)面211で反射されて、(2)面212、面221、面222、面231、面232、面241を透過した上で、DMD40Gで反射されて、(3)面241、面232、面231、面222、面221、面212、面211及び面251を透過する。これによって、緑成分光Gは、DMD40Gで変調されて、投写ユニット50に導かれる。
【0032】
(光源装置)
以下において、実施の形態1に係る光源装置について、
図2~
図5Dを用いて説明する。
図2は、実施の形態1に係る光源装置10を示す図である。
【0033】
実施の形態1では、
図1で示した投写型映像表示装置に使用される光源装置10は、主として第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1、10B2、第3固体光源アレー10C1、10C2、ハーフミラー14、ミラー13およびダイクロイックミラー140~143によって構成される。
【0034】
後に詳述するが、第1固体光源アレーは第1の色光である青色光を出射する青色レーザダイオードを含む青色固体光源アレーであり、第2固体光源アレーは第2の色光である緑色光を出射する緑色レーザダイオードを含む緑色固体光源アレーであり、第3固体光源アレーは第3の色光である赤色光を出射する赤色レーザダイオードを含む赤色固体光源アレーである。すなわち、緑色固体光源アレーは第1の緑色固体光源アレーである第2固体光源アレー10B1と第2の緑色固体光源アレーである第2固体光源アレー10B2からなり、赤色固体光源アレーは第1の赤色固体光源アレーである第3固体光源アレー10C1と第2の赤色固体光源アレーである第3固体光源アレー10C2からなる。
【0035】
図2に示すように、ハーフミラー14、ミラー13、ダイクロイックミラー140~143からなる光合成部から出射される光束Lの光軸Aを境として、一方側には第3固体光源アレー10C1と第3固体光源アレー10C2とが中心間隔d1離れて配置され、他方側には第1固体光源アレー10Aと第2固体光源アレー10B1、及び第2固体光源アレー10B1と第2固体光源アレー10B2がそれぞれ中心間隔d1離れて配置される。
【0036】
第2固体光源アレー10B1と第3固体光源アレー10C1とは正対し、また、第2固体光源アレー10B2と第3固体光源アレー10C2とが正対するように配置されている。
【0037】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14で反射された青色の色光と、第2固体光源アレー10B1から出射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C2から出射された赤色の色光は、緑色の色光を反射し、青色の色光を透過するダイクロイックミラー140(第1のダイクロイックミラー)および赤色の色光を反射し、青色及び緑色の色光を透過するダイクロイックミラー141(第2のダイクロイックミラー)によって合成され、白色光の光束LAとして同一方向に出射し、第1光路17Aを進行する。
【0038】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14を透過し、ミラー13(第1のミラー)で反射された青色の色光と、第2固体光源アレー10B2から出射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C1から出射された赤色の色光は、赤色の色光を反射し、青色の色光を透過するダイクロイックミラー142(第3のダイクロイックミラー)および緑色の色光を反射し、青色及び赤色の色光を透過するダイクロイックミラー143(第4のダイクロイックミラー)によって合成され、白色光の光束LBとして同一方向に出射し、第2光路17Bを進行する。
【0039】
このとき、光束LAの光軸ALAと光束LBの光軸ALBの間隔を中心間隔d2とすると、d1>d2となるように、ハーフミラー14、ミラー13、ダイクロイックミラー140~143の位置が調整されて配置されている。これにより、第1光路17Aを進行する光束LAと、第2光路17Bを進行する光束LBとの中心間隔d2は、隣接して配置された固体光源アレー(第2固体光源アレー10B1、10B2、もしくは、第3固体光源アレー10C1、10C2)から出射された色光の中心間隔d1に比べて狭まる。なお、本実施の形態では固体光源アレーの中心間隔d1が共通の値となっているが、適宜調整することが可能である。
【0040】
また、光源装置10は、必要な冷却機構群を含む。冷却機構群は、第1固体光源アレー10Aに併設する冷却機構11A、第2固体光源アレー10B1に併設する冷却機構11B1、第2固体光源アレー10B2に併設する冷却機構11B2、第3固体光源アレー10C1に併設する冷却機構11C1、第3固体光源アレー10C2に併設する冷却機構11C2によって構成される。
【0041】
冷却機構11A、冷却機構11B1および冷却機構11B2は、レーザのケース温度が50℃~70℃の高温条件下で使用が可能な第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1および第2固体光源アレー10B2をそれぞれ冷却するための冷却機構である。ここで、レーザのケース温度が50℃~70℃の高温条件下で使用可能というのは、第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1、10B2の目標冷却温度として各固体光源アレーのレーザのケース温度を50℃~70℃にすることを意味する。
【0042】
一方、冷却機構11C1および冷却機構11C2は、レーザのケース温度が20℃~40℃の低温条件下で使用する必要のある第3固体光源アレー10C1および第3固体光源アレー10C2をそれぞれ冷却するための冷却機構であり、さらに冷却のために設けられたペルチェ素子12C1およびペルチェ素子12C2を挟んで第3固体光源アレー10C1および第3固体光源アレー10C2にそれぞれ併設している。ここで、レーザのケース温度が20℃~40℃の低温条件下で使用する必要があるというのは、第3固体光源アレー10C1、10C2の目標冷却温度として各固体光源アレーのレーザケース温度を20℃から40℃にすることを意味する。従って、本実施の形態では、第3固体光源アレー10C1、10C2が、第1~第3固体光源アレーのうち最も低い目標冷却温度を必要とする光源アレーである。尚、冷却機構群は、それぞれ、併設する第1固体光源アレー、第2固体光源アレーもしくは第3固体光源アレーの裏面に、例えば、熱伝導性グリス等を介して、接着されている。冷却機構群は、冷却装置の一例である。
【0043】
図3の(a)は、第1固体光源アレー10Aを
図2の+x方向に向かって見た図、
図3の(b)は第2固体光源アレー10B1、10B2を
図2の+x方向に向かって見た図、
図3の(c)は、第3固体光源アレー10C1、10C2を
図2の-x方向に向かって見た図である。
【0044】
第1固体光源アレー10Aは、主波長が465nmである青色の色光(第1の色光)を出射する複数のレーザダイオード16Aを含み、第2固体光源アレー10B1、10B2は、主波長が525nmである緑色の色光(第2の色光)を出射する複数のレーザダイオード16Bを含み、第3固体光源アレー10C1、10C2は、主波長が640nmである赤色の色光(第3の色光)を出射する複数のレーザダイオード16Cを含む。なお、青色の色光は440~470nm、緑色の色光は515~550nm、赤色の色光は630~660nmの範囲内の他の波長であってもよく、また、上記範囲内の複数波長を用いても良い。
【0045】
青色及び緑色のレーザダイオードは温度特性が比較的良好であり、ケース温度が50~70℃の高温条件下でも信頼性を維持することができ、光出力の低下も比較的少ない。一方で、赤色のレーザダイオードは温度特性が悪く、高温条件下では信頼性の維持が困難であり、光出力が低下することから、ケース温度を20~40℃に保つ必要がある。第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1、10B2、第3固体光源アレー10C1、10C2は、水平方向に4個、垂直方向に6個、計24個のレーザダイオード16A、16B、16Cがそれぞれ配列された構成となっている。レーザダイオード16A、16B、16Cは、それぞれ光が出射されるエミッター18A、18B、18Cを含み、出射光を平行光化するコリメートレンズとの一体型となっており、レーザダイオード16A、16B、16Cからは略平行の光が出射される。
【0046】
エミッター18A、18B、18Cは、x軸方向が短辺、y軸方向が長辺となるよう配置されており、x軸方向がFast軸、y軸方向がSlow軸となっている。ロッドインテグレータ30の入射面におけるエミッターの像の長辺方向をロッドインテグレータ30の長辺方向と同一にすることで、より効率よくロッドインテグレータ内に光束を入射させることができる。なお、青色の色光(第1の色光)を出射する第1固体光源アレー10Aおよび緑色の色光(第2の色光)を出射する第2固体光源アレー10B1、10B2はSlow軸方向すなわちy軸方向が偏光方向となっており、赤色の色光(第3の色光)を出射する第3固体光源アレー10C1、10C2はFast軸方向すなわちx軸方向が偏光方向である。固体光源アレーに含まれるレーザダイオード16A、16B、16Cの個数および配列は、これに限定されない。
【0047】
図4はレンズ121に入射する光束Lの配置を示す図であり、光束Lは、第1光路17Aを進行する光束LAと、第2光路17Bを進行する光束LBとを含む。光束LA、LBは、
図3の(a)~(c)のエミッターの像19を含み、各エミッターの像19は青色光(第1の色光)、緑色光(第2の色光)および赤色光(第3の色光)が合成された、白色の像である。なお、固体光源アレーに含まれるレーザダイオード16A、16B、16Cの個数および配列は、
図3に示すものに限定されないため、
図4に示すエミッターの像19においても、青色光、緑色光および赤色光の各色のエミッターの像が重ならない配置となりうる。
【0048】
図6は、
図2に示す光源装置10における冷却機構11A、11B1、11B2、11C1、11C2を、大型の冷却機構11D、11Eに置き換えた光源装置101の構成を示す図である。冷却機構11Dは、光軸Aを中心として一方側に配置された、第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1、10B2に併設するように配置され、3つの固体光源アレーを一度に冷却する。冷却機構11Eは、光軸Aを中心としてもう一方側に配置された、第3固体光源アレー10C1、10C2を一度に冷却する冷却機構であり、ペルチェ素子12Eを挟んで第3固体光源アレー10C1、10C2に併設している。冷却機構11Dは、第1固体光源アレー10Aと第2固体光源アレー10B1、10B2の使用温度である、レーザのケース温度が50℃~70℃を目標冷却温度とする冷却機構であり、冷却機構11Eは、第3固体光源アレー10C1、10C2の使用温度である、レーザのケース温度が30℃~40℃を目標冷却温度とする冷却機構である。なお、冷却機構11D、11Eを用いた冷却機構群の構成は、以下で説明する実施の形態2~実施の形態6の構成においても用いることができる。
【0049】
図5A~
図5Dは、45°の入射角でハーフミラーおよびダイクロイックミラーに光が入射したときの透過特性を示す特性図である。
図5Aは、ハーフミラー14の特性図であり、s偏光の入射光に対して、440nm~480nmの範囲の波長の光を50%透過し、50%反射する特性を有する。光源装置10において、ハーフミラー14は第1固体光源アレー10Aから出射された波長465nm、s偏光の青色光(第1の色光)を50%透過し、50%反射する。
【0050】
図5Bは、ダイクロイックミラー140の特性図であり、s偏光およびp偏光のいずれの入射光に対しても、480nm以下の波長の光を透過し、510nm以上の波長の光を反射する、という特性を有する。光源装置10において、ダイクロイックミラー140は第1固体光源アレー10Aから出射された主波長465nm、s偏光の青色光(第1の色光)を透過し、第2固体光源アレー10B1から出射された主波長525nm、s偏光の緑色光(第2の色光)を反射する。
【0051】
図5Cはダイクロイックミラー141、142の特性図であり、s偏光の入射光に対しては、550nm以下の波長の光を透過し、570nm以上の波長の光を反射し、p偏光の入射光に対しては、574nm以下の波長の光を透過し、594nm以上の波長の光を反射する、という特性を有する。光源装置10において、ダイクロイックミラー141は第1固体光源アレー10Aから出射された主波長465nm、s偏光の青色光(第1の色光)および、第2固体光源アレー10B1、10B2から出射された主波長525nm、s偏光の緑色光(第2の色光)を透過し、第3固体光源アレー10C2から出射された主波長640nm、p偏光の赤色光(第3の色光)を反射する。光源装置10において、ダイクロイックミラー142は第1固体光源アレー10Aから出射された主波長465nm、s偏光の青色光を透過し、第3固体光源アレー10C1から出射された主波長640nm、p偏光の赤色光を反射する。
【0052】
図5Dは、ダイクロイックミラー143の特性図であり、s偏光およびp偏光のいずれの入射光に対しても、480nm以下および630nm以上の波長の光を透過し、510nm~540nmの範囲の波長の光を反射する、という特性を有する。光源装置10において、ダイクロイックミラー143は第1固体光源アレー10Aから出射された主波長465nm、s偏光の青色光(第1の色光)を透過し、第2固体光源アレー10B2から出射された主波長525nm、s偏光の緑色光(第2の色光)を反射し、第3固体光源アレー10C1、10C2から出射された波長640nm、p偏光の赤色光(第3の色光)を透過する。なお、ダイクロイックミラー140には、ダイクロイックミラー143との仕様共通化のために、
図5Dの特性を有するダイクロイックミラーを用いてもよい。
【0053】
また、ダイクロイックミラー140に
図5Dの特性を有するダイクロイックミラーを用いると、ダイクロイックミラー140とダイクロイックミラー142のペアーとダイクロイックミラー141とダイクロイックミラー143のペアーとを、
図1と同じ角度を保ったままで互いの位置を入れ替えても、白色光の光束LA、LBを構成することができる。この場合、第1光路17Aを進行する光束LAは、第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14で反射された光束と、第2固体光源アレー10B2から出射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C1から出射された赤色の色光とで構成される。第2光路17Bを進行する光束LBは、第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14を透過した光束と、第2固体光源アレー10B1から出射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C2から出射された赤色の色光とで構成される。
【0054】
ただし、ダイクロイックミラー140~143は
図1の配置をとるときに、同色の色光の進行する光路長の差を最も小さくすることが可能である。すなわち、第2固体光源アレー10B1から出射される緑色光(第2の色光)と第2固体光源アレー10B2から出射される緑色光(第2の色光)との光路長差、第3固体光源アレー10C1から出射される赤色光(第3の色光)と第3固体光源アレー10C2から出射される赤色光(第3の色光)との光路長差を最小にすることができる。
【0055】
(作用および効果)
実施の形態1では、光軸Aを境にして一方側に低温条件下での使用を必要とする第3固体光源アレー10C1、10C2を配置し、もう一方側に高温条件下での使用が可能な第1固体光源アレー10A、及び第2固体光源アレー10B1、10B2を配置している。これにより、光軸Aを境にして一方側に2つの第3固体光源アレーを冷却するための、低温での温度管理が可能な冷却機構が配置され、他方側に1つの第1固体光源アレーと、2つの第2固体光源アレーが配置されることで、投写型映像表示装置内において、低温での温度管理を行うことのできる、大型の冷却機構の設置場所が有効に確保できるようになる。それにより、大型の冷却機構設置による制約を受けることがなく、光源装置、ひいては投写型映像表示装置の小型化を実現することができる。また、ミラー群を用いて各固体光源アレーからの出射光を合成することにより、小さな面積に入射させることが可能となっている。第1光路17Aを進行する光束LAと、第2光路17Bを進行する光束LBとの間隔は、隣接して配置された第2固体光源アレー10B1と第2固体光源アレー10B2、もしくは、第3固体光源アレー10C1と第3固体光源アレー10C2から出射される色光の間隔に比べて狭まり、より小さい面積に入射させることにより、光利用効率が高まっている。
【0056】
図6に示す光源装置101のように、片側一体の冷却機構を使用する場合には、必要とする温度条件に応じて光軸Aを中心として両側に配置された固体光源アレーを、各側面一体で冷却する構成となることで、各固体光源アレーに1台ずつ冷却機構を配置する
図2に示す光源装置10よりも、各固体光源アレー間を狭めることができ、光源装置のさらなる小型化を図ることができる。
【0057】
[実施の形態2]
以下において、実施の形態2について、
図7を用いて説明する。以下においては、実施の形態1に対する相違点を主として説明し、その他は実施の形態1と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付して重複説明は省略する。
【0058】
図7は、実施の形態2における投写型映像表示装置の要部の構成、すなわち、光源装置102の構成を示す図であり、レンズ121以降の構成は
図1の構成と同じである。実施の形態1では、特性が異なる3種類のダイクロイックミラー140、ダイクロイックミラー141、142、及びダイクロイックミラー143を有していたが、実施の形態2では、2つのダイクロイックミラー140A、140B、2つのダイクロイックミラー141A、141Bの2種類の特性のダイクロイックミラーを有する。ダイクロイックミラー140A、140Bは
図5Bに示す特性を有し、ダイクロイックミラー141A、141Bは
図5Cに示す特性を有する。
【0059】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14で反射された青色の色光と、第2固体光源アレー10B2から出射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C2から出射された赤色の色光は、緑色の色光を反射し、青色の色光を透過するダイクロイックミラー140Aおよび赤色の色光を反射し、青色及び緑色の色光を透過するダイクロイックミラー141Aによって合成され、白色光の光束LAを構成し、第1光路17Aを進行する。
【0060】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14を透過し、ミラー13で反射された青色の色光と、第2固体光源アレー10B1から出射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C1から出射された赤色の色光は、緑色の色光を反射し、青色の色光を透過するダイクロイックミラー140Bおよび赤色の色光を反射し、青色及び緑色の色光を透過するダイクロイックミラー141Bによって合成され、白色光の光束LBを構成し、第2光路17Bを進行する。
【0061】
本実施の形態において、ハーフミラー14、ミラー13、及びダイクロイックミラー140A(第1のダイクロイックミラー)、140B(第3のダイクロイックミラー)、141A(第2のダイクロイックミラー)、141B(第4のダイクロイックミラー)は、光合成部を構成する。また、本実施の形態においても、
図7に示すように、光合成部から出射される光束Lの光軸Aを境として、一方側には第3固体光源アレー10C1、10C2が配置され、他方側には第1固体光源アレー10A、及び第2固体光源アレー10B1、10B2が配置される。
【0062】
また、ダイクロイックミラーの配置構成の変更に伴って、第3固体光源アレー10C1、10C2の配置位置も変化する。実施の形態1では、第2固体光源アレー10B1と第3固体光源アレー10C1、第2固体光源アレー10B2と第3固体光源アレー10C2が、それぞれ光軸Aを挟んで正対するように配置されていたのに対し、実施の形態2では、第2固体光源アレー10B2と第3固体光源アレー10C1が光軸Aを境にして正対する構成となっている。なお、実施の形態2では、第2固体光源アレー10B2と第3固体光源アレー10C1が必ずしも光軸Aを境に正対している必要はない。
【0063】
(作用および効果)
実施の形態2では、実施の形態1と同様に、ミラー群による各色光の小型合成により光利用効率が向上する。また、必要とする温度条件ごとに固体光源アレーの設置側を分けることで、冷却機構の設置性が向上し、光合成部の小型化が図れる。加えて、各固体光源アレーから出射された色光を合成するダイクロイックミラーが、青色の色光(第1の色光)を透過し、緑色の色光(第2の色光)を反射するダイクロイックミラー140A、140Bと、青色の色光および緑色の色光を透過し、赤色の色光(第3の色光)を反射するダイクロイックミラー141A、141Bの2種類で構成される。このことにより、実施の形態1で使用されるようなバンドカット型(青透過、緑反射、赤透過)の特性(
図5D参照)を有するダイクロイックミラー143が必要なくなり、ダイクロイックミラーの作製が容易になる効果がある。
【0064】
[実施の形態3]
以下において、実施の形態3について、
図8を用いて説明する。以下においては、実施の形態1に対する相違点を主として説明し、その他は実施の形態1と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付して重複説明は省略する。
【0065】
図8は、実施の形態3における投写型映像表示装置の要部の構成、すなわち、光源装置103の構成を示す図であり、レンズ121以降の構成は
図1の構成と同じである。実施の形態3は、実施の形態2と同様のダイクロイックミラーの構成で、第3固体光源アレー10C1、10C2を、第2固体光源アレー10B1、10B2にそれぞれ正対するように配置した構成となっている。それに伴い、実施の形態2と同様のハーフミラー14及びミラー13に加えて、ミラー13A、ミラー13Bを有する。なお、実施の形態3において、第3固体光源アレー10C1、10C2が、第2固体光源アレー10B1、10B2にそれぞれ正対するように配置しなくてもよい。
【0066】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14で反射された青色の色光と、第2固体光源アレー10B2から出射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C1から出射され、ミラー13Aおよびミラー13Bで反射された赤色の色光は、緑色の色光を反射し、青色の色光を透過するダイクロイックミラー140Aおよび赤色の色光を反射し、青色及び緑色の色光を透過するダイクロイックミラー141Aによって合成され、白色光の光束LAを構成し、第1光路17Aを進行する。
【0067】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14を透過し、ミラー13で反射された青色の色光と、第2固体光源アレー10B1から出射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C2から出射された赤色の色光は、緑色の色光を反射し、青色の色光を透過するダイクロイックミラー140Bおよび赤色の色光を反射し、青色及び緑色の色光を透過するダイクロイックミラー141Bによって合成され、白色光の光束LBを構成し、第2光路17Bを進行する。
【0068】
本実施の形態において、ハーフミラー14、ミラー13(第1のミラー)、13A(第2のミラー)、13B(第3のミラー)、及びダイクロイックミラー140A(第1のダイクロイックミラー)、140B(第3のダイクロイックミラー)、141A(第2のダイクロイックミラー)、141B(第4のダイクロイックミラー)は、光合成部を構成する。また、本実施の形態においても、
図8に示すように、光合成部から出射される光束Lの光軸Aを境として、一方側には第3固体光源アレー10C1、10C2が配置され、他方側には第1固体光源アレー10A、及び第2固体光源アレー10B1、10B2が配置される。
【0069】
(作用および効果)
実施の形態3では、実施の形態1と同様に、ミラー群による各色光の小型合成により光利用効率が向上する。必要とする温度条件ごとに固体光源アレーの設置側を分け、かつ、光軸Aを中心とした両側に正対するように固体光源アレーを配置することで、固体光源アレーとレンズ121との間隔が広くなり、冷却機構の設置がさらに容易となっている。また、実施の形態2と同様に、バンドカット型(青透過、緑反射、赤透過)の特性(
図5D参照)を有するダイクロイックミラー143が必要なくなり、ダイクロイックミラーの作製が容易になる効果がある。
【0070】
[実施の形態4]
以下において、実施の形態4について、
図9を用いて説明する。以下においては、実施の形態1に対する相違点を主として説明し、その他は実施の形態1と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付して重複説明は省略する。
【0071】
図9は、実施の形態4における投写型映像表示装置の要部の構成、すなわち、光源装置104の構成を示す図であり、レンズ121以降の構成は
図1の構成と同じである。実施の形態4では、第1固体光源アレー10Aと第2固体光源アレー10B1との中間地点に正対するように第3固体光源アレー10C1が位置し、第2固体光源アレー10B1と第2固体光源アレー10B2との中間地点に正対するように第3固体光源アレー10C2が位置する構成となっている。実施の形態4は、2つのダイクロイックミラー142A、142B、及び2つのダイクロイックミラー143A、143Bの2種類の特性のダイクロイックミラーを有している。ダイクロイックミラー142A、142Bは
図5Cに示す特性を有し、ダイクロイックミラー143A、143Bは
図5Dに示す特性を有する。
【0072】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14で反射された青色の色光と、第2固体光源アレー10B2から出射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C2から出射された赤色の色光は、赤色の色光を反射し、青色の色光を透過するダイクロイックミラー142Aおよび緑色の色光を反射し、青色及び赤色の色光を透過するダイクロイックミラー143Aによって合成され、白色光の光束LAを構成し、第1光路17Aを進行する。
【0073】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14を透過し、ミラー13で反射された青色の色光と、第2固体光源アレー10B1から出射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C1から出射された赤色の色光は、赤色の色光を反射し、青色の色光を透過するダイクロイックミラー142Bおよび緑色の色光を反射し、青色及び赤色の色光を透過するダイクロイックミラー143Bによって合成され、白色光の光束LBを構成し、第2光路17Bを進行する。
【0074】
本実施の形態において、ハーフミラー14、ミラー13、及びダイクロイックミラー142A(第1のダイクロイックミラー)、142B(第3のダイクロイックミラー)、143A(第2のダイクロイックミラー)、143B(第4のダイクロイックミラー)は、光合成部を構成する。また、本実施の形態においても、
図9に示すように、光合成部から出射される光束Lの光軸Aを境として、一方側には第3固体光源アレー10C1、10C2が配置され、他方側には第1固体光源アレー10A、及び第2固体光源アレー10B1、10B2が配置される。
【0075】
(作用および効果)
実施の形態4では、実施の形態1と同様に、ミラー群による各色光の小型合成により光利用効率が向上する。また、光軸Aを中心として向かい合う固体光源アレーを互い違いに配置することで、光源の光合成部が小型化できる効果がある。実施の形態1に比べ、低温条件下での使用を必要とする第3固体光源アレー10C1と第3固体光源アレー10C2との間隔が広がることで、冷却機構の設置がより容易となる。
【0076】
[実施の形態5]
以下において、実施の形態5について、
図10を用いて説明する。以下においては、実施の形態1に対する相違点を主として説明し、その他は実施の形態1と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付して重複説明は省略する。
【0077】
図10は、実施の形態5における投写型映像表示装置の要部の構成、すなわち、光源装置105の構成を示す図であり、レンズ121以降の構成は
図1の構成と同じである。実施の形態5は、2つの大型のダイクロイックミラー143C、141Cを有し、これらのダイクロイックミラー143Cとダイクロイックミラー141Cがクロス配置されてクロスダイクロイックミラーを構成する。ダイクロイックミラー143Cは、
図5Dに示すように、青色と赤色の色光を透過し、緑色の色光を反射する特性を有する。ダイクロイックミラー141Cは、
図5Cに示すように、青色と緑色の色光を透過し、赤色の色光を反射する特性を有する。
【0078】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14で反射された青色の色光と、第2固体光源アレー10B1から出射されダイクロイックミラー143Cで反射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C2から出射されダイクロイックミラー143Cを透過しダイクロイックミラー141Cで反射された赤色の色光は、合成され、白色光の光束LAを構成し、第1光路17Aを進行する。
【0079】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色の色光のうちハーフミラー14を透過し、ミラー13で反射された青色の色光と、第2固体光源アレー10B2から出射されダイクロイックミラー141Cを透過しダイクロイックミラー143Cで反射された緑色の色光と、第3固体光源アレー10C1から出射されダイクロイックミラー141Cで反射された赤色の色光は、合成され、白色光の光束LBを構成し、第2光路17Bを進行する。
【0080】
本実施の形態において、ハーフミラー14、ミラー13、及びダイクロイックミラー143C(第1のダイクロイックミラー)、141C(第2のダイクロイックミラー)は、光合成部を構成する。また、本実施の形態においても、
図10に示すように、光合成部から出射される光束Lの光軸Aを境として、一方側には第3固体光源アレー10C1、10C2が配置され、他方側には第1固体光源アレー10A、及び第2固体光源アレー10B1、10B2が配置される。
【0081】
(作用および効果)
実施の形態5では、光合成部におけるダイクロイックミラーの枚数を減少させる効果がある。また、実施の形態1と同様に、必要とする温度条件ごとに固体光源アレーの設置側を分けることで、冷却機構の設置性の向上が図れる。
【0082】
[実施の形態6]
実施の形態6について、
図11~
図15を用いて説明する。以下においては、実施の形態1に対する相違点を主として説明し、その他は実施の形態1と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付して重複説明は省略する。
【0083】
図11は、実施の形態6における投写型映像表示装置100Aの構成を示し、
図12は、投写型映像表示装置100Aの光源装置106の詳細構成を示している。レンズ121から投写ユニット50に至る構成は
図1に示す投写型映像表示装置100と同じである。光源装置106は、
図12に示すように、第1固体光源アレー10A、第2固体光源アレー10B1、10B3、第3固体光源アレー10C1、10C3、2つのミラー13C、13D、2つのダイクロイックミラー140C、144、及び2つの偏光ビームスプリッタ145、146を有する。
【0084】
第1固体光源アレー10Aはs偏光の青色光を出射し、第2固体光源アレー10B1はs偏光の緑色光を出射し、第2固体光源アレー10B3はp偏光の緑色光を出射し、第3固体光源アレー10C1はp偏光の赤色光を出射し、第3固体光源アレー10C3はs偏光の赤色光を出射するように、それぞれレーザダイオード16A、16B、16Cは配列されている。
【0085】
2つのミラー13C、13Dは、共に全反射ミラーである。ダイクロイックミラー140Cは、
図5Bに示す特性を有し、青色光を透過し、緑色光を反射する。ダイクロイックミラー144は、
図13に示す特性を有し、青色光と緑色光を反射し、赤色光を透過する。偏光ビームスプリッタ145は、
図14に示す特性を有し、s偏光光を反射しp偏光の緑色光を透過する。偏光ビームスプリッタ146は、
図15に示す特性を有し、s偏光光を反射しp偏光の赤色光を透過する。
【0086】
第1固体光源アレー10Aから出射された青色光(s偏光)は、ミラー13Cで反射され、ダイクロイックミラー140Cを透過し、偏光ビームスプリッタ145及びダイクロイックミラー144で反射されて、光路17Cを進行する。
【0087】
第2固体光源アレー10B1から出射された緑色光(s偏光)は、ダイクロイックミラー140C、偏光ビームスプリッタ145及びダイクロイックミラー144で反射されて、光路17Cを進行する。第2固体光源アレー10B3から出射された緑色光(p偏光)は、偏光ビームスプリッタ145を透過し、ダイクロイックミラー144で反射されて、光路17Cを進行する。
【0088】
第3固体光源アレー10C1から出射された赤色光(p偏光)は、ミラー13Dで反射され、偏光ビームスプリッタ146及びダイクロイックミラー144を透過して、光路17Cを進行する。第3固体光源アレー10C3から出射された赤色光(s偏光)は、偏光ビームスプリッタ146で反射され、ダイクロイックミラー144を透過して、光路17Cを進行する。
【0089】
このようにして、第1固体光源アレー10Aから出射された青色光、第2固体光源アレー10B1、10B3から出射された緑色光及び第3固体光源アレー10C1、10C3から出射された赤色光は、合成されて白色光の光束LCを構成し、光軸Aに沿って+z方向に光路17Cを進行する。
【0090】
本実施の形態においては、2つのミラー13C(第1のミラー)、13D(第2のミラー)、2つのダイクロイックミラー140C(第1のダイクロイックミラー)、144(第2のダイクロイックミラー)、及び2つの偏光ビームスプリッタ145(第1の偏光ビームスプリッタ)、146(第2の偏光ビームスプリッタ)が光合成部を構成する。また、本実施の形態においても、
図11に示すように、光合成部から出射される光束LCの光軸Aを境として、一方側には第3固体光源アレー10C1、10C3が配置され、他方側には第1固体光源アレー10A、及び第2固体光源アレー10B1、10B3が配置される。
【0091】
また、本実施の形態の光源装置106においては、
図12に示すように、実施の形態1で説明した光源装置101(
図6参照)と同様に、第1固体光源アレー10A、及び第2固体光源アレー10B1、10B3には大型の冷却機構11Dが併設され、第3固体光源アレー10C1、10C3にはペルチェ素子12Eを介して大型の冷却機構11Eが併設されている。なお、冷却機構11D、11E、及びペルチェ素子12Eに代えて、実施の形態1で説明した光源装置10(
図2参照)と同様に、冷却機構11A、11B1、11B2、11C1、11C2、及びペルチェ素子12C1、12C2を用いることもできる。
【0092】
また、第2固体光源アレー10B3がs偏光の緑色光を出射し、第2固体光源アレー10B3と偏光ビームスプリッタ145との間の緑色光の光路上に1/2波長板を配置することにより、第2固体光源アレー10B3から出射するs偏光の緑色光がp偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ145に入射するように構成してもよい。同様に、第3固体光源アレー10C3がp偏光の赤色光を出射し、第3固体光源アレー10C3と偏光ビームスプリッタ146との間の赤色光の光路上に1/2波長板を配置することにより、第3固体光源アレー10C3から出射するp偏光の赤色光がs偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ146に入射するように構成することもできる。
【0093】
また、本実施の形態において、第1固体光源アレー10Aがp偏光の青色光を出射し、第2固体光源アレー10B1がp偏光の緑色光を出射し、第2固体光源アレー10B3がs偏光の緑色光を出射し、偏光ビームスプリッタ145がp偏光光を反射しs偏光の緑色光を透過するように構成してもよい。同様に、第3固体光源アレー10C1がs偏光の赤色光を出射し、第3固体光源アレー10C3がp偏光の赤色光を出射し、偏光ビームスプリッタ146がs偏光光を透過しp偏光の赤色光を反射するように構成することもできる。このように、実施の形態6においては、固体光源アレーから出射するレーザ光の偏光方向と偏光ビームスプリッタの偏光光に対する特性を適宜設定することができる。
【0094】
(作用および効果)
実施の形態6では、実施の形態1~5で説明した光源装置に比べて、光束のサイズを半分にでき、光源装置からの光束が入射するそれ以降の光学系を縮小することができる。さらに、光束のサイズを半分程度に小さくできることから、投写ユニットの投写レンズ射出瞳上の明るさの分布が均一化され、スペックルを低減させる効果がある。また、実施の形態1と同様に、必要とする温度条件ごとに固体光源アレーの設置側を分けることで、冷却機構の設置性の向上が図れる。
【0095】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本開示は、プロジェクタ等の投写型映像表示装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0097】
10、101、102、103、104、105、106 光源装置
10A 第1固体光源アレー
10B1、10B2、10B3 第2固体光源アレー
10C1、10C2、10C3 第3固体光源アレー
11A、11B1、11B2、11C1、11C2、11D、11E 冷却機構
12C1、12C2、12E ペルチェ素子
13、13A、13B、13C、13D ミラー
14 ハーフミラー
16A、16B、16C レーザダイオード
17A 第1光路
17B 第2光路
17C 光路
18A、18B、18C エミッター
19 エミッターの像
20 拡散板
30 ロッドインテグレータ
40R、40G、40B DMD
50 投写ユニット
100、100A 投写型映像表示装置
121、122、123、124、125 レンズ
131 ミラー
140、140A、140B、140C、141、141A、141B、141C、142、142A、142B、143、143A、143B、143C、144 ダイクロイックミラー
145、146 偏光ビームスプリッタ
210、220、230、240、250 プリズム
211、212、221、222、231、232、241、251 面
A 光軸
ALA、ALB 光軸
d1、d2 中心間隔
L、LA、LB、LC 光束