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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】薬剤セット装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20241220BHJP
A61J 7/00 20060101ALI20241220BHJP
【ＦＩ】
A61J3/00 310Z
A61J7/00 Z
A61J3/00 310E
【請求項の数】
10
(21)【出願番号】P 2024035645
(22)【出願日】2024-03-08
(62)【分割の表示】P 2020073154の分割
【原出願日】2020-04-15
(65)【公開番号】P2024053069
(43)【公開日】2024-04-12
【審査請求日】2024-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】小池 直樹
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開２０１８－０５０９３６（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０２０－０５８６１３（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ａ６１Ｊ ３／００
Ａ６１Ｊ ７／００
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の薬剤収容部のそれぞれに薬剤を収容した薬剤包装をセットすることが可能な薬剤セット具に対し、前記薬剤包装をセットする薬剤セット装置であって、前記薬剤包装が供給される薬剤包装供給部を複数有し、
当該複数の薬剤包装供給部は、薬剤セット装置の本体部分とは別体のものであって、薬剤包装が複数帯状に繋がった薬剤包装帯を装着可能である包装帯装着部と、薬剤包装帯を繰り出す繰出機構が一組となって一体化されたものであり、
当該薬剤包装供給部は、薬剤セット装置の本体部分に押し込まれた状態で動作可能となるものであり、
薬剤包装帯を切断して一つの薬剤包装を形成する切断手段と、前記薬剤包装を前記薬剤収容部まで移動させる包装体運搬手段を備えている薬剤セット装置。
【請求項2】
前記包装帯装着部は、ロール状に巻いた状態の薬剤包装帯を装着する部分であり、巻芯部を有する請求項１に記載の薬剤セット装置。
【請求項3】
前記包装帯装着部は、テンションプーリを有する請求項１又は２に記載の薬剤セット装置。
【請求項4】
前記包装帯装着部に前記切断手段が設けられている請求項１乃至３のいずれかに記載の薬剤セット装置。
【請求項5】
薬剤包装帯を装着するために前記包装帯装着部を外部に引き出すことができる請求項１乃至４のいずれかに記載の薬剤セット装置。
【請求項6】
複数の薬剤包装供給部が並行して動作し、複数の薬剤包装供給部に装着された薬剤包装帯が並行して切断されて薬剤包装が形成される請求項１乃至５のいずれかに記載の薬剤セット装置。
【請求項7】
薬剤包装供給部は、ロール状に巻いた状態の薬剤包装帯を装着する巻芯部と、
テンションプーリと、
繰り出した薬剤包装帯の一部を把持する包体把持部を有し、当該包体把持部は、２つのローラを有し、
前記巻芯部と、テンションプーリと、前記２つのローラとが、共通の壁面に取り付けられていて一体化されている請求項１乃至６のいずれかに記載の薬剤セット装置。
【請求項8】
一つの薬剤包装供給部に一人の患者に対して処方された薬剤の薬剤包装が帯状に繋がった薬剤包装帯を装着し、他の一つの薬剤包装供給部に他の一人の患者に対して処方された薬剤の薬剤包装が帯状に繋がった薬剤包装帯を装着した状態で使用する、請求項１乃至７のいずれかに記載の薬剤セット装置の使用方法。
【請求項9】
請求項１乃至７のいずれかに記載の薬剤セット装置によって、シート状の基材に、ポケット状の薬剤収容部が複数設けられた薬剤セット具に薬剤包装をセットする薬剤包装のセット方法。
【請求項10】
請求項１乃至７のいずれかに記載の薬剤セット装置によって、内側空間が小空間に仕切られて薬剤収容部が構成されたトレイに対し、薬剤包装をセットする薬剤包装のセット方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投薬カレンダーに包装された薬剤をセットする薬剤セット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設や、病院等において、投薬カレンダー又はお薬カレンダーと称される器具が使用されている。投薬カレンダーは、複数の薬剤収容部を有しており、それぞれの薬剤収容部に患者や服用時期に対応した薬剤を内包する包装体（薬剤包装）をセットするものである。このような投薬カレンダーとして、特許文献１に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開２００１－２５８９９９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような投薬カレンダーは、通常、薬剤師等が人の手で薬剤包装を薬剤収容部に投入して使用可能な状態とする（以下、単に投薬カレンダーを作製するとも称す）が、人が薬剤包装を入れ間違えてしまうと、患者への投薬ミスに繋がってしまう。このため、この作業は慎重を要する。したがって、大病院等の大規模施設用に多くの投薬カレンダーを作製しなければならない場合、その作業が大変な手間となる。
【0005】
ここで、２８人の患者が属する患者グループ向けに、服用時期毎（一日当たり４服用時期）に一週間分の投薬カレンダー（２８個の投薬カレンダー）を作製する場合について考える。この場合、一つの投薬カレンダーには、２８人分の薬剤がそれぞれに内包される２８個の薬剤包装をセットする必要がある。そして、「Ｘ１」さんが一日目の朝食後に服用する薬剤、「Ｘ２」さんが一日目の朝食後に服用する薬剤・・・といった具合に、セットする薬剤包装のそれぞれには、同じ服用時期の薬剤が内包される。
【0006】
したがって、同じ服用時期となる２８人分の薬剤をそれぞれ包装する必要が生じる。しかし、２８人分の処方に基づき、特定の時期の薬剤のみを包装することは、効率が悪く、煩雑でミスも生じやすい。
【0007】
そこで本発明は、投薬カレンダーに薬剤包装をセットして使用可能な状態とするための薬剤師等の業務の効率化が可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、複数の薬剤収容部のそれぞれに薬剤を収容した薬剤包装をセットすることが可能な薬剤セット具に対し、前記薬剤包装をセットする薬剤セット装置であって、前記薬剤包装を前記薬剤収容部まで移動させる包装体運搬手段を備え、一つの前記薬剤セット具の複数の前記薬剤収容部に複数の前記薬剤包装をセットするとき、当該複数の前記薬剤収容部のうちの一部に前記薬剤包装をセットする一部セット動作が可能であり、複数の前記薬剤セット具のそれぞれに前記薬剤包装をセットする複数対象セット動作が可能であり、複数対象セット動作では、前記薬剤セット具に対して前記一部セット動作を実行し、続いて他の前記薬剤セット具に対して前記一部セット動作を実行し、必要に応じてさらに他の前記薬剤セット具に対して前記一部セット動作を実行し、この動作を繰り返す動作が可能である、薬剤セット装置である。
上記課題を解決するための本発明の具体的様相は、複数の薬剤収容部のそれぞれに薬剤を収容した薬剤包装をセットすることが可能な薬剤セット具に対し、前記薬剤包装をセットする薬剤セット装置であって、前記薬剤包装を前記薬剤収容部まで移動させる包装体運搬手段を備え、一つの前記薬剤セット具の複数の前記薬剤収容部に複数の前記薬剤包装をセットするとき、当該複数の前記薬剤収容部のうちの一部に前記薬剤包装をセットする一部セット動作が可能であり、複数の前記薬剤セット具のそれぞれに前記薬剤包装をセットする複数対象セット動作が可能であり、複数対象セット動作では、前記薬剤セット具に対して前記一部セット動作を実行し、セットさせるべき全ての前記薬剤包装のうちの一部のみの前記薬剤包装がセットされた段階で、他の前記薬剤セット具に対して前記一部セット動作を実行し、セットさせるべき全ての前記薬剤包装のうちの一部のみの前記薬剤包装がセットされた段階で、必要に応じてさらに他の前記薬剤セット具に対して同様の前記一部セット動作を実行し、この動作を繰り返す動作が可能である、薬剤セット装置である。
上記課題を解決するための本発明の具体的様相は、複数の薬剤収容部のそれぞれに薬剤を収容した薬剤包装をセットすることが可能な薬剤セット具に対し、前記薬剤包装をセットする薬剤セット装置であって、前記薬剤包装を前記薬剤収容部まで移動させる包装体運搬手段を備え、一つの前記薬剤セット具の複数の前記薬剤収容部に複数の前記薬剤包装をセットするとき、当該複数の前記薬剤収容部のうちの一部に前記薬剤包装をセットする一部セット動作が可能であり、複数の前記薬剤セット具のそれぞれに前記薬剤包装をセットする複数対象セット動作が可能であり、複数対象セット動作では、前記薬剤セット具に対して前記一部セット動作を実行し、セットさせるべき全ての前記薬剤包装のうちの一部のみの前記薬剤包装がセットされた段階で、他の前記薬剤セット具に対して前記一部セット動作を実行し、セットさせるべき全ての前記薬剤包装のうちの一部のみの前記薬剤包装がセットされた段階で、必要に応じてさらに他の前記薬剤セット具に対して同様の前記一部セット動作を実行し、この動作を繰り返す動作が可能である、薬剤セット装置である。
【0009】
本様相によると、自動で複数の薬剤セット具に薬剤包装をセットできるので、作業の負担を軽減できる。また、一の薬剤セット具にセットすべき薬剤包装の一部のみをセットし、他の薬剤セット具にセットすべき薬剤包装の一部のみをセットし、といった動作を繰り返す動作が可能である。したがって、例えば、一人目の患者に処方された服用時期が異なる薬剤が内包された薬剤包装を一の薬剤セット具と、他のセット具にそれぞれセットし、二人目の患者に処方された服用時期が異なる薬剤が内包された薬剤包装を一の薬剤セット具と、他のセット具にそれぞれセットするといった動作が可能となる。このため、薬剤包装の作製が簡単である。これらのことから、薬剤師等の業務の効率化が可能となる。
【0010】
上記した様相は、前記複数対象セット動作では、複数の前記薬剤セット具の一つずつに前記一部セット動作を実行し、その後に、それぞれに対して既に前記一部セット動作が実行された複数の前記薬剤セット具の一つずつに前記一部セット動作を再度実行し、この動作を繰り返して、複数の前記薬剤セット具のそれぞれに必要な前記薬剤包装をセットすることが好ましい。
上記した様相は、前記複数対象セット動作では、複数の前記薬剤セット具の一つずつに前記一部セット動作を実行してセットさせるべき全ての前記薬剤包装のうちの一部のみの前記薬剤包装をセットし、その後に、それぞれに対して既に前記一部セット動作が実行された複数の前記薬剤セット具の一つずつに前記一部セット動作を再度実行し、この動作を繰り返して、複数の前記薬剤セット具のそれぞれに必要な前記薬剤包装をセットすることが好ましい。
上記した様相は、前記複数対象セット動作では、複数の前記薬剤セット具の一つずつに前記一部セット動作を実行してセットさせるべき全ての前記薬剤包装のうちの一部のみの前記薬剤包装をセットし、その後に、それぞれに対して既に前記一部セット動作が実行された複数の前記薬剤セット具の一つずつに前記一部セット動作を再度実行し、この動作を繰り返して、複数の前記薬剤セット具のそれぞれに必要な前記薬剤包装をセットすることが好ましい。
【0011】
この好ましい様相では、自動で複数の薬剤セット具を使用可能な状態とすることができるので、より薬剤師等の業務の効率化が可能となる。
【0012】
上記した様相は、一つの前記薬剤セット具を配置可能な包装体セット領域を有し、前記包装体セット領域に配置した前記薬剤セット具に前記薬剤包装をセットするものであり、前記複数対象セット動作では、一の前記薬剤セット具を前記包装体セット領域まで移動させて前記一部セット動作を実行し、一の前記薬剤セット具を前記包装体セット領域から移動させた後、他の前記薬剤セット具を前記包装体セット領域まで移動させ、他の前記薬剤セット具に対して前記一部セット動作を実行することが好ましい。
【0013】
この好ましい様相では、薬剤セット具に薬剤包装をセットさせるための装置を多数設ける必要がなく、装置の小型化、製造コストの低減を図ることができる。
【0014】
上記した様相は、前記薬剤セット具は、複数の前記薬剤収容部が行列状に配されたものであり、前記一部セット動作は、一つの行に属する前記薬剤収容部に対して前記薬剤包装をセットする動作であることが好ましい。
【0015】
上記した様相は、前記薬剤包装が供給される薬剤包装供給部を複数有しており、それぞれの前記薬剤包装供給部は、複数の前記薬剤包装が帯状に繋がった薬剤包装帯を装着可能であることが好ましい。
【0016】
上記した好ましい様相は、前記薬剤包装帯を切断して一つの前記薬剤包装を形成する包装帯切断動作が可能であり、前記薬剤収容部に、前記包装帯切断動作で形成された前記薬剤包装をセットするものであり、複数の前記薬剤包装供給部にそれぞれ装着したそれぞれの前記薬剤包装帯に対して前記包装帯切断動作を実行し、複数の前記薬剤包装帯のそれぞれから一つずつ形成した複数の前記薬剤包装を一つの前記薬剤セット具にセットすることがさらに好ましい。
【0017】
このさらに好ましい様相では、薬剤師等が薬剤包装帯を切断する必要がなく、より薬剤師等の業務の効率化が可能となる。
【0018】
上記した好ましい様相は、二以上の前記薬剤包装供給部が属する包装供給部群を有し、前記包装体運搬手段は、前記薬剤包装供給部から前記薬剤包装を搬送する上流側搬送部を有し、一の前記上流側搬送部は、一の前記包装供給部群に対応付けられ、対応付けられた前記包装供給部群に属する前記薬剤包装供給部から前記薬剤包装を搬送するものであり、一の前記上流側搬送部が一の前記包装供給部群に属する一の前記薬剤包装供給部から前記薬剤包装を搬送する動作を実行している状態で、一の前記包装供給部群に属する他の前記薬剤包装供給部に前記薬剤包装帯を装着可能であることがさらに好ましい。
【0019】
このさらに好ましい様相では、先行して行う薬剤セット具に薬剤包装をセットするための動作の実行中に、後に行う薬剤セット具に薬剤包装をセットするための動作の準備を行うことができるので、より薬剤師等の業務の効率化が可能となる。
【0020】
上記した様相は、それぞれに前記薬剤包装が供給される薬剤包装供給部を複数有しており、前記薬剤包装又は当該薬剤包装の付属部分には、当該薬剤包装に関する情報を取得するための薬剤情報表示が付されており、前記薬剤情報表示を読み取ることで、当該薬剤情報表示が自己又は付属部分に付された前記薬剤包装をセットする前記薬剤包装供給部を特定し、特定された前記薬剤包装供給部に前記薬剤包装をセットすることが好ましい。
【0021】
この好ましい様相では、薬剤包装供給部に薬剤包装をセットする（供給する）際にミスが生じ難く、好ましい。
【0022】
この好ましい様相は、前記薬剤情報表示を読み取ることで、当該薬剤情報表示が自己又は付属部分に付された前記薬剤包装を供給する前記薬剤包装供給部が特定され、特定された前記薬剤包装供給部に前記薬剤包装をセットするように促すセット案内動作を実行することがより好ましい。
【0023】
この様相では、より確実にセットミス（供給ミス）の発生を防止できる。
【0024】
上記した様相は、複数対象セット動作は、第一セット動作と第二セット動作のいずれかを選択的に実行可能であり、前記第一セット動作は、ｎ（ｎは２以上の整数）個の前記薬剤セット具の一つずつに対して一度ずつ前記一部セット動作を順次実行し、その後、既に前記一部セット動作が実行された同じｎ個の前記薬剤セット具の一つずつに対して一度ずつ前記一部セット動作を順次実行する動作を再度実行する動作であり、前記第二セット動作は、１個目からｎ個目までの前記薬剤セット具の一つずつに対し、複数回の前記一部セット動作によってセットさせるべき全ての前記薬剤包装をセットする動作を順次実行していく動作であることが好ましい。
【0025】
上記した様相は、前記薬剤セット具は、所定の情報を表示する情報表示部を有しており、前記薬剤包装又は当該薬剤包装の付属部分には、当該薬剤包装に関する情報を取得するための薬剤情報表示が付されており、前記情報表示部は、前記薬剤情報表示から読み取られた情報に基づいて取得された情報を表示することが好ましい。
【0026】
かかる様相によると、それぞれの薬剤セット具に表示させる情報を間違いなく表示できるので、好ましい。
【0027】
本発明の他の様相は、複数の薬剤収容部のそれぞれに薬剤を収容した薬剤包装をセットすることが可能な薬剤セット具に対し、前記薬剤包装をセットする薬剤セット装置であって、前記薬剤包装を前記薬剤収容部まで移動させる包装体運搬手段を備え、複数の前記薬剤セット具のそれぞれにセットさせるべき複数の前記薬剤包装をセットし、複数の前記薬剤セット具のそれぞれにセットさせるべき前記薬剤包装がセットされた薬剤セット具グループを作製するものであり、前記薬剤セット具グループに属する前記薬剤セット具のそれぞれは、同数の前記薬剤収容部が同一の分布で配置されており、前記薬剤セット具グループに属する前記薬剤セット具のうち、一の前記薬剤セット具の一の前記薬剤収容部と、一の前記薬剤収容部に対応する他の前記薬剤セット具の前記薬剤収容部には、同一の患者に処方された薬剤が収容された前記薬剤包装をセットする、薬剤セット装置である。
【0028】
かかる様相においても、上記した様相と同様に、作業の負担を軽減可能であり、薬剤包装の作製が簡単であるので、薬剤師等の業務の効率化が可能となる。
上記課題を解決するための本発明のもう一つの具体的様相は、複数の薬剤収容部のそれぞれに薬剤を収容した薬剤包装をセットすることが可能な薬剤セット具に対し、前記薬剤包装をセットする薬剤セット装置であって、前記薬剤包装が供給される薬剤包装供給部を複数有し、当該複数の薬剤包装供給部は、薬剤セット装置の本体部分とは別体のものであって、薬剤包装が複数帯状に繋がった薬剤包装帯を装着可能である包装帯装着部と、薬剤包装帯を繰り出す繰出機構が一組となって一体化されたものであり、当該薬剤包装供給部は、薬剤セット装置の本体部分に押し込まれた状態で動作可能となるものであり、薬剤包装帯を切断して一つの薬剤包装を形成する切断手段と、前記薬剤包装を前記薬剤収容部まで移動させる包装体運搬手段を備えている薬剤セット装置である。
上記した各様相において、薬剤包装供給部は、ロール状に巻いた状態の薬剤包装帯を装着する巻芯部と、テンションプーリと、繰り出した薬剤包装帯の一部を把持する包体把持部を有し、当該包体把持部は、２つのローラを有し、前記巻芯部と、テンションプーリとが、前記２つのローラと、共通の壁面に取り付けられていて一体化されていることが好ましい。
上記した各様相の薬剤セット装置の好ましい使用方法は、一つの薬剤包装供給部に一人の患者に対して処方された薬剤の薬剤包装が帯状に繋がった薬剤包装帯を装着し、他の一つの薬剤包装供給部に他の一人の患者に対して処方された薬剤の薬剤包装が帯状に繋がった薬剤包装帯を装着した状態で使用するものである。
上記した各様相の薬剤セット装置の好ましい使用方法は、上記したいずれかに記載の薬剤セット装置によって、シート状の基材に、ポケット状の薬剤収容部が複数設けられた薬剤セット具に薬剤包装をセットするものである。
上記した各様相の薬剤セット装置の好ましい使用方法は、上記したいずれかに記載の薬剤セット装置によって、内側空間が小空間に仕切られて薬剤収容部が構成されたトレイに対し、薬剤包装をセットするものである。
上記課題を解決するための本発明のもう一つの具体的様相は、複数の薬剤収容部のそれぞれに薬剤を収容した薬剤包装をセットすることが可能な薬剤セット具に対し、前記薬剤包装をセットする薬剤セット装置であって、前記薬剤包装が供給される薬剤包装供給部を複数有し、当該複数の薬剤包装供給部は、薬剤セット装置の本体部分とは別体のものであって、薬剤包装が複数帯状に繋がった薬剤包装帯を装着可能である包装帯装着部と、薬剤包装帯を繰り出す繰出機構が一組となって一体化されたものであり、当該薬剤包装供給部は、薬剤セット装置の本体部分に押し込まれた状態で動作可能となるものであり、薬剤包装帯を切断して一つの薬剤包装を形成する切断手段と、前記薬剤包装を前記薬剤収容部まで移動させる包装体運搬手段を備えている薬剤セット装置である。
上記した各様相において、薬剤包装供給部は、ロール状に巻いた状態の薬剤包装帯を装着する巻芯部と、テンションプーリと、繰り出した薬剤包装帯の一部を把持する包体把持部を有し、当該包体把持部は、２つのローラを有し、前記巻芯部と、テンションプーリとが、前記２つのローラと、共通の壁面に取り付けられていて一体化されていることが好ましい。
上記した各様相の薬剤セット装置の好ましい使用方法は、一つの薬剤包装供給部に一人の患者に対して処方された薬剤の薬剤包装が帯状に繋がった薬剤包装帯を装着し、他の一つの薬剤包装供給部に他の一人の患者に対して処方された薬剤の薬剤包装が帯状に繋がった薬剤包装帯を装着した状態で使用するものである。
上記した各様相の薬剤セット装置の好ましい使用方法は、上記したいずれかに記載の薬剤セット装置によって、シート状の基材に、ポケット状の薬剤収容部が複数設けられた薬剤セット具に薬剤包装をセットするものである。
上記した各様相の薬剤セット装置の好ましい使用方法は、上記したいずれかに記載の薬剤セット装置によって、内側空間が小空間に仕切られて薬剤収容部が構成されたトレイに対し、薬剤包装をセットするものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、投薬カレンダーに薬剤包装をセットして使用可能な状態とするための薬剤師等の業務を効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第一実施形態に係る薬剤セットシステムを示す斜視図である。
【図12】第一セット具収容部に複数の投薬カレンダーが保持された様子を模式的に示す説明図である。
【図13】薬剤払出装置から薬剤セット装置に薬剤包装を搬送する様子を示す説明図であり、（ａ）～（ｅ）の順に搬送する。
【図14】セット装置内搬送手段によって複数の薬剤包装を同時に搬送する様子を示す説明図であり、（ａ）、（ｂ）の順に搬送する。
【図15】一つ目の投薬カレンダーに対して第一行セット動作を実行する様子を模式的に示す説明図であり、（ａ）、（ｂ）の順でセットする。
【図16】第一行セット動作を実行した一つ目の投薬カレンダーを第一セット具収容部から第二セット具収容部に移動させる様子を模式的に示す説明図であり、（ａ）、（ｂ）の順で移動させる。
【図17】二つ目の投薬カレンダーに対して第一行セット動作を実行する様子を模式的に示す説明図であり、（ａ）、（ｂ）の順でセットする。
【図18】先行して導入した複数の投薬カレンダーに対して第一行セット動作を実行した後、新たに複数の投薬カレンダーを導入する様子を模式的に示す説明図であり、（ａ）、（ｂ）の順に導入する。
【図19】（ａ）は、新たに導入した複数の投薬カレンダーのうちの一つを包装体セット領域に移動させる様子を模式的に示す説明図である。（ｂ）は新たに導入した複数の投薬カレンダーのうちの一つを第二セット具収容部へ移動させ、先行して導入した複数の投薬カレンダーのうちの一つを第一セット具収容部へ移動させる様子を模式的に示す説明図である。
【図20】（ａ）は、投薬カレンダーグループに属する投薬カレンダーの全てに第一行セット動作が完了した状態を模式的に示す説明図である。（ｂ）は、第二行セット動作を実行した一つ目の投薬カレンダーを第二セット具収容部へ移動させ、他の一つの投薬カレンダーを第一セット具収容部へ移動させる様子を模式的に示す説明図である。
【図21】一つ目の投薬カレンダーに対して第二行セット動作を実行する様子を模式的に示す説明図であり、（ａ）、（ｂ）の順でセットする。
【図22】（ａ）は、一つ目の投薬カレンダーに対する第一行セット動作で四つの薬剤包装をセットする様子を模式的に示す説明図である。（ｂ）は、二つ目の投薬カレンダーに対する第一行セット動作で三つの薬剤包装をセットする様子を模式的に示す説明図である。
【図23】一つ目の投薬カレンダーに対する第一行セット動作で一つの薬剤収容部に複数の薬剤包装をセットする動作を模式的に示す説明図であり、（ａ）～（ｃ）の順でセットする。
【図25】上記した実施形態とは異なる複数対象セット動作を実行する様子を示す説明図であり、一つの投薬カレンダーにセットさせるべき薬剤包装を全てセットさせる動作を実行する様子を模式的に示す図であって、（ａ）～（ｃ）の順でセットする。
【図27】本発明の第二実施形態に係る薬剤セット装置を示す斜視図である。
【図34】本発明の第三実施形態に係る薬剤セットシステムを示す図であり、（ａ）は正面図、（ｂ）は平面図である。
【図35】本発明の第四実施形態に係る薬剤セット装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0032】
本発明の第一実施形態に係る薬剤セットシステム１は、図１で示されるように、薬剤払出装置２と、薬剤セット装置３と、表示装置４を有する。
【0033】
表示装置４は、各種情報を表示可能な装置であり、具体的には、液晶パネル等の情報表示用の装置と、タッチパッド等の位置入力装置を組み合わせたタッチパネルである。つまり、表示装置４は、使用者による操作（入力）を受け付ける部分（入力受付部）でもあり、表示装置４に対して入力を行うことで、薬剤セットシステム１、又は、薬剤セットシステム１に属する各機器、各装置に各種動作を要求できる。
【0034】
薬剤払出装置２は、図示しない制御部を有する。制御部は、ＣＰＵ等の演算部と、ＲＯＭ、ＲＡＭ等の主記憶装置を有する記憶部（記憶手段）と、Ｉ／Оポート等の通信部を備えている。このことから、薬剤払出装置２は、外部の機器（図示しない上位制御装置、薬剤セット装置３等の調剤機器、図示しない外部のＰＣ等）との間で各種信号、各種情報の送受信が可能となっている。また、各種情報を記憶が可能となっている。
【0035】
薬剤払出装置２は、処方データに基づいて錠剤を１服用分ごとに分包紙に包装する錠剤分包機である。なお、本実施形態の薬剤払出装置２は、図示しない上位制御装置（上位制御システム）から処方データを受信可能となっている。
【0036】
処方データは、薬剤払出装置２から払い出される薬剤包装２５（図３参照）にそれぞれ内包された薬剤の処方に関する情報である。つまり、投薬カレンダー８０（薬剤セット具）に収容する全ての薬剤包装２５にそれぞれ内包された薬剤の処方に関する情報である（詳しくは後述する）。
【0037】
処方データには、それぞれの薬剤包装２５に内包された薬剤を調剤するために必要な処方の内容に関する情報と、処方自体を識別したり管理したりするための情報が含まれる。
具体的には、処方の内容に関する情報には、例えば、患者の氏名、年齢、性別、身長、体重といった薬剤が処方された患者に関する情報と、薬名、分量、用法、用量、服用期間等の患者に提供される薬剤に関する情報がある。また、処方を識別したり管理したりするための情報として、処方番号、Ｒｐ番号（レシピ番号）、処方の発行年月日等がある。
つまり、処方データは、これらの情報のうちで必要なものを含むデータである。
具体的には、処方の内容に関する情報には、例えば、患者の氏名、年齢、性別、身長、体重といった薬剤が処方された患者に関する情報と、薬名、分量、用法、用量、服用期間等の患者に提供される薬剤に関する情報がある。また、処方を識別したり管理したりするための情報として、処方番号、Ｒｐ番号（レシピ番号）、処方の発行年月日等がある。
つまり、処方データは、これらの情報のうちで必要なものを含むデータである。
【0038】
薬剤払出装置２は、図２で示されるように、薬剤保管部１０と、手撒きで薬剤を供給可能な手動薬剤供給部１１と、薬剤包装装置１２を有する。
【0039】
薬剤保管部１０は、それぞれに薬剤（錠剤）が収容された複数の薬剤カセット（薬剤容器）を配置しておく棚部材である。また、それぞれの薬剤カセットと一体に設けられた（又は棚部材に設けられた）薬剤フィーダ（図示しない）により、それぞれの薬剤カセットに内蔵された薬剤を自動で薬剤包装装置１２に供給する動作が可能である。対して、手動薬剤供給部１１は、人が手動で薬剤払出装置２に薬剤を供給する部分である。
【0040】
以上のことから、薬剤払出装置２は、後述する薬剤包装２５（又は薬剤包装帯２６）を作製する動作において、薬剤カセットから薬剤を自動で供給する自動供給での実行と、手動薬剤供給部１１に薬剤を手動で供給して行う手動供給での実行が可能である。また、薬剤包装２５に内包する複数の薬剤の一部を自動で供給し、他の一部を手動で供給する半自動供給での実行も可能である。
【0041】
薬剤包装装置１２は、図３で示されるように、ロール状の薬包紙１５を保持する薬包紙保持手段と、ロール状の薬包紙１５を繰り出して送るシート送り手段１６と、ホッパ装置１７と、袋形成装置１８と、切断装置１９（切断手段）を有する。
ホッパ装置１７は、内部に開閉可能な蓋部１７ａを有しており、薬剤包装装置１２に供給された包装前の薬剤（錠剤）が投入される装置である。本実施形態では、蓋部１７ａを閉状態としたホッパ装置１７に薬剤が投入され、ホッパ装置１７の内部に薬剤が一時的に留まった後、蓋部１７ａが開状態に移行し、ホッパ装置１７の下側に薬剤が排出される。
ホッパ装置１７は、内部に開閉可能な蓋部１７ａを有しており、薬剤包装装置１２に供給された包装前の薬剤（錠剤）が投入される装置である。本実施形態では、蓋部１７ａを閉状態としたホッパ装置１７に薬剤が投入され、ホッパ装置１７の内部に薬剤が一時的に留まった後、蓋部１７ａが開状態に移行し、ホッパ装置１７の下側に薬剤が排出される。
【0042】
袋形成装置１８は、シート送り手段１６によって送られた薬包紙１５を幅方向の略中央部分で２つ折りとし、２つ折りとした薬包紙１５の内側面の間にホッパ装置１７から薬剤が投入された後、２つ折りにした薬包紙１５を圧着して袋状とする装置である。
【0043】
切断装置１９は、薬包紙１５を切断可能なカッター（切断刃）を備えており、内部に薬剤を収容して袋状とした薬包紙１５を切断することで、薬剤包装２５を形成する（図３（ａ）参照）。
【0044】
また、本実施形態の薬剤包装装置１２は、図示しないカメラ（撮影手段）を有している。本実施形態では、ホッパ装置１７内の薬剤を撮影可能な位置にカメラが設けられており、ホッパ装置１７内の薬剤を撮影することで、薬剤包装２５に内包する薬剤が処方内容と合致しているか否かを確認する包装前確認動作（確認動作）を実行可能となっている。
【0045】
具体的には、ホッパ装置１７内の薬剤を撮影し、撮影によって得られた画像から撮影されたそれぞれの薬剤の色、刻印の内容、撮影された薬剤の数、その他の取得可能な情報を取得する。
そして、撮影によって得られた情報と、薬剤払出装置２の記憶部に予め記憶させた薬剤確認用情報に基づいて、これから包装しようとしている薬剤の数（個数、数量）とそれぞれの種類（薬種）を特定する。すなわち、これから何個の錠剤を包装しようとしているのか、また、包装しようとしている錠剤の種類は何であるのかを特定する。
なお、「薬剤確認用情報」とは、撮影によって取得可能な情報と、薬名や薬剤に付された番号（ＩＤ）等の薬剤の種類を特定可能な情報とを関連付けて記憶したデータベース等である。また、「薬剤確認用情報」は、薬剤のマスタ画像であってもよい。ここでいうマスタ画像とは、予め撮影により作成した画像（画像情報）そのものでもよく、該画像に薬剤名等を紐づけて記憶させた（登録させた）情報であってもよい。
そして、撮影によって得られた情報と、薬剤払出装置２の記憶部に予め記憶させた薬剤確認用情報に基づいて、これから包装しようとしている薬剤の数（個数、数量）とそれぞれの種類（薬種）を特定する。すなわち、これから何個の錠剤を包装しようとしているのか、また、包装しようとしている錠剤の種類は何であるのかを特定する。
なお、「薬剤確認用情報」とは、撮影によって取得可能な情報と、薬名や薬剤に付された番号（ＩＤ）等の薬剤の種類を特定可能な情報とを関連付けて記憶したデータベース等である。また、「薬剤確認用情報」は、薬剤のマスタ画像であってもよい。ここでいうマスタ画像とは、予め撮影により作成した画像（画像情報）そのものでもよく、該画像に薬剤名等を紐づけて記憶させた（登録させた）情報であってもよい。
【0046】
そして、特定した情報（薬剤の数と種類の情報）と、処方データ等（処方データ又は処方に基づいて作成された情報であり、処方に関する情報）を参照する。このことにより、一包分（一服用時期分）ずつ、包装しようとしている薬剤の数とそれぞれの薬剤の種類とが、処方の内容と合致しているのか否かを判別する判別動作を実行する。そして、この判別動作の判別結果に応じて必要な各種動作を実行する。すなわち、合致していれば、そのまま薬剤を包装する動作を実行する。対して、合致していなければ、包装を続けるが使用者に判別結果を報知する動作や、包装を中止する動作を実行する。
【0047】
なお、本実施形態の薬剤払出装置２が実行する確認動作は、これに限らず、すでに薬剤包装２５に内包された薬剤が処方内容と合致しているか否かを確認する包装後確認動作であってもよい。この場合、作製した薬剤包装２５を撮影可能な位置に図示しないカメラ（撮影手段）を設け、薬包紙１５の少なくとも一部を透明なものとする。すなわち、薬剤包装２５を内部の薬剤が視認可能なものとして形成する。そして、薬剤包装２５を撮影することで、内包された薬剤を作製し、上記した包装前確認動作と同様の動作を実行する。
また、薬剤払出装置２が実行する確認動作は、包装前確認動作、包装後確認動作のいずれか一方を実行する動作でもよいが、双方を実行する動作でもよい。カメラも必要に応じて一又は複数設けてもよい。
また、薬剤払出装置２が実行する確認動作は、包装前確認動作、包装後確認動作のいずれか一方を実行する動作でもよいが、双方を実行する動作でもよい。カメラも必要に応じて一又は複数設けてもよい。
【0048】
また、本実施形態の薬剤払出装置２は、複数の薬剤包装２５を作製して払い出す払い出し動作において、薬剤包装２５を１包ずつ個別に（バラバラ）に作製して（図３（ａ）参照）払い出す動作（個別払出動作）が可能である。また、この他、薬剤包装帯２６（図３（ｂ）参照）を作製して払い出す動作（薬包帯払出動作）が可能である。いずれにおいても、本実施形態では、一つの薬剤包装２５に一服用分の薬剤を内包（収容）する。
【0049】
薬剤包装帯２６は、図４で示されるように、複数の薬剤包装２５が帯状に繋がって形成される薬剤包装２５の連続体である。薬剤包装帯２６は、先頭にヘッダ部２８（付属部分）が設けられ、ヘッダ部２８に続いて複数の薬剤包装２５が連続している。ヘッダ部２８は、薬剤が内包されていない空の分包袋（空包）である。
なお、作図の都合上、一部の薬剤包装２５にのみ符号を付し、他の薬剤包装２５への符号を省略する。また、以下の説明においても同様に、それぞれの図面で同じもの又は主だった部分が同じものが複数描写される場合、必要に応じて一部の符号を省略する。
なお、作図の都合上、一部の薬剤包装２５にのみ符号を付し、他の薬剤包装２５への符号を省略する。また、以下の説明においても同様に、それぞれの図面で同じもの又は主だった部分が同じものが複数描写される場合、必要に応じて一部の符号を省略する。
【0050】
【0051】
同一患者分包帯３０は、自身に属する複数の薬剤包装２５のそれぞれに内包された薬剤が、同じ患者に対して処方された服用時期が異なる（服用時期が重複しない）薬剤となっている。例えば、図４（ａ）で示す例では、同一患者分包帯３０に合計２８包（２８個）の薬剤包装２５が属している。そして、一つ目の薬剤包装２５は、「佐藤」さんに処方された薬剤であり、所定の日付の朝食後に服用する薬剤が内包されている。また、二つ目から四つ目までの薬剤包装２５には、いずれも同じ「佐藤」さんに処方された薬剤であり、二つ目から順にそれぞれ同日の「昼食後」、「夕食後」、「就寝前」に服用する薬剤が内包されたものとなっている。また、五つ目の薬剤包装２５には、同じ「佐藤」さんに処方された薬剤であり、翌日（上記した所定の日付の翌日）の「朝食後」に服用する薬剤が内包されている。
【0052】
以下同様に、この同一患者分包帯３０に属する複数の薬剤包装２５には、同一人物である「佐藤」さんの２８回（１日当たり４回で７日分）の服用に対応する薬剤が、一回（一度）に服用する薬剤毎にそれぞれ別の薬剤包装２５に内包されている。つまり、同一患者分包帯３０に属する一つの薬剤包装２５に内包された薬剤は、同じ同一患者分包帯３０に属する他のいずれの薬剤包装２５に内包された薬剤とも異なる時期に服用するものである。なお、ここでいう「異なる時期」は、服用日（日付）と服用時間（大まかな時間であり食前、食間、食後等）の少なくとも一方が異なるものとする。
【0053】
同一服用時期分包帯３１は、自身に属する複数の薬剤包装２５のそれぞれに内包された薬剤が、異なる患者に対して処方された服用時期が同じ薬剤となる。例えば、図４（ｂ）で示す例では、同一服用時期分包帯３１に合計２８包の薬剤包装２５が属している。そして、一つ目の薬剤包装２５は、一人目の「佐藤」さんに処方された薬剤であり、所定の日付の朝食後に服用する薬剤が内包されている。また、二つ目の薬剤包装２５には、二人目の「鈴木」さんに処方された薬剤であり、同じ日の朝食後に服用する薬剤が内包されたものとなっている。以下同様に、異なる２８人分の薬剤が別々の薬剤包装２５に内包されており、それぞれの薬剤包装２５に内包された薬剤がいずれも同時期に服用するものとなっている。なお、ここでいう「同時期」は、服用日と服用時間が同じであるものとする。
【0054】
なお、上記した薬剤包装帯２６（同一患者分包帯３０、同一服用時期分包帯３１）は、それぞれに関連のある薬剤が内包された複数の薬剤包装２５の連続体である。ここで、このような関連のある薬剤が内包された複数の薬剤包装２５は、個別払出動作によって一つ一つばらばらに作製することも可能である。すなわち、個別払出動作によってそれぞれ別の薬剤包装２５を一つずつ連続して作製するとき、連続して作製される複数の薬剤包装２５は、異なる患者に対して処方された服用時期が同じ薬剤を患者毎に別の薬剤包装２５に内包したものでもよい。同様に、連続して作製される複数の薬剤包装２５は、同じ患者に対して処方された服用時期が異なる薬剤を服用時期毎に別の薬剤包装２５に内包したものでもよい。
【0055】
なお、個別払出動作で一つの薬剤包装２５を作製する場合には、一つの薬剤包装２５に相当する部分の先端部分と後端部分（薬包紙１５の送り出し方向における先端及び後端）のそれぞれを切断することで作製する（図３（ａ）参照）。
対して、薬剤包装帯２６を作製する場合には、先頭部分（ヘッダ部２８又は一つ目の薬剤包装２５）に相当する部分の先端部分と、最後尾の薬剤包装２５に相当する部分の後端部分を切断することで作製する（図３（ｂ）参照）。すなわち、薬剤包装２５と薬剤包装帯２６は、いずれも切断によって形成する。
対して、薬剤包装帯２６を作製する場合には、先頭部分（ヘッダ部２８又は一つ目の薬剤包装２５）に相当する部分の先端部分と、最後尾の薬剤包装２５に相当する部分の後端部分を切断することで作製する（図３（ｂ）参照）。すなわち、薬剤包装２５と薬剤包装帯２６は、いずれも切断によって形成する。
【0056】
ここで、薬剤包装装置１２（図２参照）は、図示しない印刷手段を有する。このため、薬剤包装２５（個別の薬剤包装２５又は薬剤包装帯２６）を作製するとき、図４で示されるように、薬剤包装２５又はその付属部分（ヘッダ部２８等）にそれぞれに所望の印刷を施すことができる。
【0057】
本実施形態では、図４で示されるように、薬剤包装帯２６のヘッダ部２８に対して、薬剤情報表示３３が付されている。薬剤情報表示３３は、表示が付されたヘッダ部２８と連なる薬剤包装２５に関する情報である包装関連情報が含まれるコード（符号又は暗号）であり、本実施形態では、バーコードである。なお、薬剤情報表示３３は、一次元コードに限らず、二次元コードであってもよい。後述する読取装置（図示しない）で情報の取得が可能であればよい。
【0058】
薬剤情報表示３３に含まれる包装関連情報は、薬剤情報表示３３が付された薬剤包装帯２６に属する薬剤包装２５に内包された薬剤を特定可能な情報である。すなわち、包装関連情報を読み取ることで、薬剤包装帯２６に属する薬剤包装２５に内包された薬剤の服用者（薬剤が処方された患者）、服用時期等の情報を取得可能である。
なお、包装関連情報は、処方データ等と関連付けられた情報であり、処方データ等と共に、薬剤包装帯２６に属する薬剤包装２５に内包された薬剤の特定可能な情報であってもよい。例えば、包装関連情報を個別に割り当てた薬剤包装帯２６のＩＤ等とし、処方データ等（処方データから作成するデータ）としてこのＩＤと、薬剤包装帯２６に属する薬剤包装２５に内包された薬剤に関する情報を関連付けて記憶しておく。そして、包装関連情報に基づいて処方データを参照することで、薬剤包装２５に内包された薬剤の服用者や服用時期等の情報を取得する。
なお、包装関連情報は、処方データ等と関連付けられた情報であり、処方データ等と共に、薬剤包装帯２６に属する薬剤包装２５に内包された薬剤の特定可能な情報であってもよい。例えば、包装関連情報を個別に割り当てた薬剤包装帯２６のＩＤ等とし、処方データ等（処方データから作成するデータ）としてこのＩＤと、薬剤包装帯２６に属する薬剤包装２５に内包された薬剤に関する情報を関連付けて記憶しておく。そして、包装関連情報に基づいて処方データを参照することで、薬剤包装２５に内包された薬剤の服用者や服用時期等の情報を取得する。
【0059】
また、薬剤払出装置２は、作製した薬剤包装２５（個別の薬剤包装２５又は薬剤包装帯２６）を払い出す払出動作を実行するとき、外部払い出しモードと、供給モードを切り替えて実行が可能となっている。
【0060】
外部払い出しモードは、薬剤払出装置２の筐体３６に形成された払出口３７（図１参照）から薬剤包装２５を払い出す払出動作を実行する。本実施形態では、外部払い出しモードで複数の薬剤包装２５を払い出すとき、薬剤包装帯２６を作製して払い出す。
払出口３７は、筐体３６の内外を連通する孔であり、薬剤セット装置３が位置する方向とは異なる方向に向かって開口する。したがって、払出口３７から薬剤包装帯２６を払い出すことで、システムの使用者（薬剤師等）が受け取り可能な位置（場所）に薬剤包装帯２６を直接払い出すことになる。
払出口３７は、筐体３６の内外を連通する孔であり、薬剤セット装置３が位置する方向とは異なる方向に向かって開口する。したがって、払出口３７から薬剤包装帯２６を払い出すことで、システムの使用者（薬剤師等）が受け取り可能な位置（場所）に薬剤包装帯２６を直接払い出すことになる。
【0061】
供給モードは、薬剤セット装置３に薬剤包装２５を供給するモードであり、薬剤払出装置２の内部から薬剤セット装置３の内部に薬剤包装２５を払い出す払出動作を実行する。本実施形態では、薬剤セット装置３に薬剤包装２５を供給するとき、個別払出動作で払い出す。すなわち、薬剤包装２５を１包ずつ薬剤セット装置３に向かって搬送する（この搬送動作については詳しくは後述する）。言い換えると、供給モードは、薬剤包装２５を作製して搬送し、投薬カレンダー８０にセットする一連の動作（詳しくは後述する）を実行するとき、下流工程を行う装置に向かって薬剤包装２５を供給する動作である。
【0062】
薬剤セット装置３は、図２で示されるように、第一セット具収容部４０ａ、第二セット具収容部４０ｂから構成される２つの薬剤セット具収容部４０を有する。薬剤セット具収容部４０は、いずれも複数の投薬カレンダー８０を収容可能な部分である（詳しくは後述する）。
【0063】
第一セット具収容部４０ａは、薬剤セット装置３の筐体４２の内部空間のうちで下方側に位置する部分であり、第二セット具収容部４０ｂは、その上方に位置する部分である。また、図１で示されるように、薬剤セット装置３の筐体４２には、扉部４５が設けられている。扉部４５は、第一セット具収容部４０ａの手前側に位置しており、扉部４５を開状態（図９参照）とすることで、第一セット具収容部４０ａが外部に開放される。すなわち、第一セット具収容部４０ａへの複数の投薬カレンダー８０の導入と（図９参照）、第一セット具収容部４０ａからの複数の投薬カレンダー８０の取り出しが可能となる。
なお、筐体４２には、扉部４５とその上側に窓部４６が形成され、扉部４５を閉状態としても内部の様子を外部から視認可能できる。
なお、筐体４２には、扉部４５とその上側に窓部４６が形成され、扉部４５を閉状態としても内部の様子を外部から視認可能できる。
【0064】
薬剤セット装置３の内部には、図２で示されるように、セット装置内搬送手段５０と、第一セット具移動装置５１と、第二セット具移動装置５２と、第一カレンダー保持装置５３と、第二カレンダー保持装置５４とが設けられている。また、薬剤セット装置３は、演算部、記憶部、通信部を備えた制御部（図示しない）を有する。したがって、薬剤セット装置３は、外部の機器（図示しない上位制御装置、薬剤セット装置３等の調剤機器、図示しない外部のＰＣ等）との間で各種信号、各種情報の送受信が可能であり、必要に応じて各種情報の記憶が可能である。
【0065】
セット装置内搬送手段５０は、図２、図５で示されるように、基台部材５７と、基台部材５７に取り付けられた複数（本実施形態では４つ）のピックアップ装置５８を有する。
ピックアップ装置５８は、アーム部とハンド部を有し、ハンド部で薬剤包装２５を挟持する（掴む）ことが可能な装置である。なお、ハンド部は、掴み具に限らず真空式等のパット等でもよい、薬剤包装２５を把持、挟持、保持等することで持ち運びするものであればよい。
ピックアップ装置５８は、アーム部とハンド部を有し、ハンド部で薬剤包装２５を挟持する（掴む）ことが可能な装置である。なお、ハンド部は、掴み具に限らず真空式等のパット等でもよい、薬剤包装２５を把持、挟持、保持等することで持ち運びするものであればよい。
【0066】
第一セット具移動装置５１は、図２で示されるように、第一セット具収容部４０ａにある一つの投薬カレンダー８０を掴んで第二セット具収容部４０ｂへ搬送させる装置である（図１６等参照）。すなわち、投薬カレンダー８０の左右２つの被保持部８５ａ（図８参照）をそれぞれ掴む２つの保持装置と、２つの保持装置を昇降させるベルト式の昇降装置を有する。
【0067】
第二セット具移動装置５２は、図２で示されるように、第二セット具収容部４０ｂにある一つの投薬カレンダー８０を掴んで第一セット具収容部４０ａへ搬送させる装置である（図１９等参照）。第二セット具移動装置５２もまた、投薬カレンダー８０の左右２つの被保持部８５ａ（図８参照）をそれぞれ掴む２つの保持装置と、２つの保持装置を昇降させるベルト式の昇降装置を有する。
【0068】
第一カレンダー保持装置５３は、図２で示されるように、第一セット具収容部４０ａ内で複数の投薬カレンダー８０を保持可能な装置であり、左右それぞれに配置された片側保持装置５３ａと、他方側保持装置５３ｂを有する。
片側保持装置５３ａ、他方側保持装置５３ｂは、それぞれ投薬カレンダー８０の片側の被保持部８５ａと他方側の被保持部８５ａを保持可能な装置である。また、それぞれの内部には、一つの被保持部８５ａと係合可能な係合片と、係合片を前後方向に移動させる支持プーリ及びベルト（又は、スプロケット及びレール）等によって形成される移動装置を備えたロボットが内蔵されている。
片側保持装置５３ａ、他方側保持装置５３ｂは、それぞれ投薬カレンダー８０の片側の被保持部８５ａと他方側の被保持部８５ａを保持可能な装置である。また、それぞれの内部には、一つの被保持部８５ａと係合可能な係合片と、係合片を前後方向に移動させる支持プーリ及びベルト（又は、スプロケット及びレール）等によって形成される移動装置を備えたロボットが内蔵されている。
【0069】
したがって、第一カレンダー保持装置５３は、片側保持装置５３ａ、他方側保持装置５３ｂで投薬カレンダー８０を保持した状態で、保持した投薬カレンダー８０を前後方向（扉部４５に近づく方向）に移動させることが可能となっている。
また、第一カレンダー保持装置５３は、片側保持装置５３ａ、他方側保持装置５３ｂをベルト式の昇降装置等により同時に昇降させることが可能となっている。
また、第一カレンダー保持装置５３は、片側保持装置５３ａ、他方側保持装置５３ｂをベルト式の昇降装置等により同時に昇降させることが可能となっている。
【0070】
第二カレンダー保持装置５４は、図２で示されるように、第二セット具収容部４０ｂ内で複数の投薬カレンダー８０を保持可能な装置であり、第一カレンダー保持装置５３と同様に、左右それぞれに配置された片側保持装置５４ａと、他方側保持装置５４ｂを有する。片側保持装置５４ａ、他方側保持装置５４ｂの内部には、ロボットが内蔵されており、投薬カレンダー８０を保持した状態で、保持した投薬カレンダー８０を前後方向に移動させることが可能となっている。具体的には、第二カレンダー保持装置５４は、第一カレンダー保持装置５３とは逆側に投薬カレンダー８０を扉部４５から離れる方向へ移動させることができる。
【0071】
続いて、本実施形態の薬剤セットシステム１は、図２で示されるように、薬剤払出装置２と薬剤セット装置３に跨って設けられる装置間包体搬送手段６３を有する。すなわち、薬剤払出装置２の筐体３６の側壁部分と、薬剤セット装置３の筐体４２の側壁部分に内外を連通する孔が設けられ（図示しない）、薬剤払出装置２の内部から薬剤セット装置３の内部までの間に装置間包体搬送手段６３が配されている。
【0072】
装置間包体搬送手段６３は、図５、図６で示されるように、一列に並んだ１つの長距離コンベア部６４と、複数の短距離コンベア部６５を有している。すなわち、搬送方向の下流側から順に、第一短距離コンベア部６５ａ乃至第四短距離コンベア部６５ｄを有している。長距離コンベア部６４と第四短距離コンベア部６５ｄの間と、隣接する２つの短距離コンベア部６５の間には隙間が設けられている。それぞれのコンベア部は、それぞれ個別に稼働、停止が可能となっている。
【0073】
長距離コンベア部６４は、図６で示されるように、上側コンベア部６７と下側コンベア部６８によって構成されている。
上側コンベア部６７は、搬送方向で離れた位置に配されて縦軸回転する２つのプーリと、２つのプーリに張力を持って懸架されたベルト部材を有する片側コンベア部６７ａと、複数の縦軸回転するローラが搬送方向で間隔を空けて配されるローラ列部６７ｂを有する。なお、ローラ列部６７ｂに属するローラは、自立駆動せずに空転するよう取り付けられる。
下側コンベア部６８は、横軸回転する２つの２つのプーリと、２つのプーリに張力を持って懸架されたベルト部材を有するベルトコンベアである。
上側コンベア部６７は、搬送方向で離れた位置に配されて縦軸回転する２つのプーリと、２つのプーリに張力を持って懸架されたベルト部材を有する片側コンベア部６７ａと、複数の縦軸回転するローラが搬送方向で間隔を空けて配されるローラ列部６７ｂを有する。なお、ローラ列部６７ｂに属するローラは、自立駆動せずに空転するよう取り付けられる。
下側コンベア部６８は、横軸回転する２つの２つのプーリと、２つのプーリに張力を持って懸架されたベルト部材を有するベルトコンベアである。
【0074】
以上のことから、長距離コンベア部６４は、薬剤包装２５を立てた姿勢で搬送可能となっている（図１３参照）。すなわち、下側コンベア部６８の上側に薬剤包装２５を配し、片側コンベア部６７ａとローラ列部６７ｂに属するローラで薬剤包装２５を挟持して搬送する。
【0075】
短距離コンベア部６５もまた、図６で示されるように、上側コンベア部６７と下側コンベア部６８によって構成されている。これらは、搬送距離が短く構成された点を除いて、上記した長距離コンベア部６４と略同様の構成であるので、重複する詳細な説明を省略する。なお、上側コンベア部６７のローラは一つであってもよく、複数であってもよい。
【0076】
上記したように、薬剤払出装置２は、外部払い出しモードと、供給モードを切り替え可能である。図７で示されるように、薬剤払出装置２の薬剤包装装置１２には、切断装置１９（図３参照）の下流側に、包体待機領域７０が設けられている。
【0077】
包体待機領域７０は、個別払出動作等を実行するときに上流側（切断装置１９）から送られた薬剤包装２５が一時的に待機する領域である。包体待機領域７０及び装置間包体搬送手段６３（長距離コンベア部６４）の近傍には、ロボットアーム７３が設けられている。このロボットアーム７３によって薬剤包装２５を挟持して持ち運びすることが可能となっている。
【0078】
供給モードでは、切断装置１９で作製した一包の薬剤包装２５が包体待機領域７０まで搬送され、包体待機領域７０で待機する。そして、待機している薬剤包装２５をロボットアーム７３が掴み、長距離コンベア部６４まで移動させた後、装置間包体搬送手段６３によって薬剤包装２５が搬送される（詳しくは後述する）。
反対に外部払い出しモードでは、作製した薬剤包装帯２６（図４参照）が包体待機領域７０を経て、排出側経路７５を搬送されていき、払出口３７（図１参照）から払い出される。
反対に外部払い出しモードでは、作製した薬剤包装帯２６（図４参照）が包体待機領域７０を経て、排出側経路７５を搬送されていき、払出口３７（図１参照）から払い出される。
【0079】
続いて、本実施形態の薬剤セットシステム１で薬剤包装２５をセットする（詳しくは後述する）投薬カレンダー８０（薬剤セット具）について説明する。
【0080】
投薬カレンダー８０は、図８で示されるように、お薬カレンダーとも称されるものであり、シート状（平面状）の基材８１に対し、複数の薬剤収容部８２が設けられたものである。また、この投薬カレンダー８０は、電子ペーパー８３（情報表示部）と、吊下用鉤状部８４と、被保持用棒状部８５を有する。
【0081】
薬剤収容部８２は、ポケット状（袋状）に形成された部分であり、上側から内部に物を入れることが可能な構造となっている。そして、一つ一つの薬剤収容部８２が一又は複数の薬剤包装２５を収容可能に形成されている。
【0082】
本実施形態の投薬カレンダー８０は、薬剤収容部８２が正面視において平面的且つ行列状（マトリックス状）に分布されている。本実施形態では、４×７行列状に２８の薬剤収容部８２が設けられている。
より詳細には、この投薬カレンダー８０は、異なる２８人が属するグループを対象したグループ用の投薬カレンダー８０（第一薬剤セット具）である。すなわち、複数の薬剤収容部８２は、それぞれが別の人（患者）に処方された薬剤が内包された薬剤包装２５を収容する部分となっている。また、複数の薬剤収容部８２のそれぞれに収容される薬剤包装２５には、同じ服用時期（〇月×日の朝食後）に服用する薬剤が内包される。
つまり、この投薬カレンダー８０は、異なる患者に処方された服用時期が同じ薬剤をそれぞれに内包した複数の薬剤包装２５を収容するものである。
より詳細には、この投薬カレンダー８０は、異なる２８人が属するグループを対象したグループ用の投薬カレンダー８０（第一薬剤セット具）である。すなわち、複数の薬剤収容部８２は、それぞれが別の人（患者）に処方された薬剤が内包された薬剤包装２５を収容する部分となっている。また、複数の薬剤収容部８２のそれぞれに収容される薬剤包装２５には、同じ服用時期（〇月×日の朝食後）に服用する薬剤が内包される。
つまり、この投薬カレンダー８０は、異なる患者に処方された服用時期が同じ薬剤をそれぞれに内包した複数の薬剤包装２５を収容するものである。
【0083】
電子ペーパー８３は、視覚性を有する表示媒体であり、文字等の所定の表示内容を電気的に書き換えることが可能なものである。具体的には、この電子ペーパー８３は、外部の装置から受信した信号に基づいて表示内容を変更可能であり、内部に電池を有する。また、表示内容を表示させた（又は書き換えた）後には、無通電状態でも表示内容の表示が維持されるものである。なお、ここでいう「文字等」とは、文字、数字、記号、図形、グラフ、表、絵柄又はその他の符号とする。
【0084】
ここで、本実施形態の薬剤セット装置３は、電子ペーパー８３に、その電子ペーパー８３が取り付けられた投薬カレンダー８０に関する情報（セット具関連情報）を表示させるセット具情報表示動作が可能となっている。
なお、ここでいう「セット具関連情報」は、情報を表示された電子ペーパー８３が取り付けられた投薬カレンダー８０に関する情報の他、その投薬カレンダー８０に収容させる薬剤包装２５に関する情報であってもよい。例えば、投薬カレンダー８０を使用する施設の施設名や、投薬カレンダー８０を使用する病院の病院名、病棟名、病室名であってもよい。また、投薬カレンダー８０に収容する薬剤包装２５の服用日、服用時期であってもよく、この薬剤包装２５に内包された薬剤の鑑査を行った鑑査者を特定する情報（鑑査者名、職員ＩＤ等）であってもよい。さらに上記した情報のうちの複数の情報でもよい。
また、「セット具関連情報」として、バーコードのような一次元コードやＱＲコード（登録商標）のような二次元コード等を識別情報として表示してもよい。すなわち、目視で直接内容の確認ができない情報を「セット具関連情報」としてもよい。この場合、スキャナ等を備えた外部機器でセット具関連情報を読み取ることで、外部機器がこのセット具関連情報を表示した投薬カレンダー８０に収容する薬剤包装２５に関する情報を取得する構成としてもよい。さらに、この外部機器は、薬剤セットシステム１に属する機器と信号を送受信可能な状態としてもよい。すなわち、セット具関連情報を読み取ることで取得した情報と、薬剤セットシステム１に属する機器のいずれかの記憶部に記憶させた情報に基づいて、上記した薬剤包装２５に関する情報を取得する構成としてもよい。
なお、ここでいう「セット具関連情報」は、情報を表示された電子ペーパー８３が取り付けられた投薬カレンダー８０に関する情報の他、その投薬カレンダー８０に収容させる薬剤包装２５に関する情報であってもよい。例えば、投薬カレンダー８０を使用する施設の施設名や、投薬カレンダー８０を使用する病院の病院名、病棟名、病室名であってもよい。また、投薬カレンダー８０に収容する薬剤包装２５の服用日、服用時期であってもよく、この薬剤包装２５に内包された薬剤の鑑査を行った鑑査者を特定する情報（鑑査者名、職員ＩＤ等）であってもよい。さらに上記した情報のうちの複数の情報でもよい。
また、「セット具関連情報」として、バーコードのような一次元コードやＱＲコード（登録商標）のような二次元コード等を識別情報として表示してもよい。すなわち、目視で直接内容の確認ができない情報を「セット具関連情報」としてもよい。この場合、スキャナ等を備えた外部機器でセット具関連情報を読み取ることで、外部機器がこのセット具関連情報を表示した投薬カレンダー８０に収容する薬剤包装２５に関する情報を取得する構成としてもよい。さらに、この外部機器は、薬剤セットシステム１に属する機器と信号を送受信可能な状態としてもよい。すなわち、セット具関連情報を読み取ることで取得した情報と、薬剤セットシステム１に属する機器のいずれかの記憶部に記憶させた情報に基づいて、上記した薬剤包装２５に関する情報を取得する構成としてもよい。
【0085】
例えば、図８の例では、複数の電子ペーパー８３のうちの一つにセット具関連情報として、複数の患者が属するグループ名を示すグループ識別表示と、服用時期を示す服用時期特定表示を表示させている。グループ識別表示は「グループＡ」という文字を表示した部分であり、服用時期特定表示は「〇月×日 朝食後」という文字を表示した部分である。
【0086】
また、基材８１には、それぞれの薬剤収容部８２に隣接する位置に、それぞれの薬剤収容部８２に対応する服用者特定情報が記されている。服用者特定情報は、対応する薬剤収容部８２に収容する（セットする）薬剤包装２５が、どの患者（服用者）のものであるのかを特定する情報である。具体的には、服用者の苗字を文字で記載した部分であり、図８の左上（行列の（１，１）成分にある薬剤収容部８２）の例では、「佐藤」と記載した部分である。つまり、この「佐藤」という服用者特定情報に対応する薬剤収容部８２には、佐藤さんが〇月×日の朝食後に服用する薬剤が包装された薬剤包装２５が収容される。また、他の薬剤収容部８２についても同様である。
【0087】
吊下用鉤状部８４は、カート８８の吊下棒部９３（図９参照）に投薬カレンダー８０を吊り下げる際に使用する部分であり、先端部分が曲がるように、基材８１の上側から上方に向かって延びた部分である。
【0088】
被保持用棒状部８５は、投薬カレンダー８０を正面視した場合に、左右方向（横方向であり幅方向）に延びる部分である。この被保持用棒状部８５は、左右方向の一端側と他端側に、それぞれ被保持部８５ａを有する。一方の被保持部８５ａは、基材８１の片側端部（左端部）が位置する部分から外側（左側）に向かって片持ち状に延びた部分であり、他方の被保持部８５ａは、基材８１の他方側端部（右端部）が位置する部分から外側（右側）に向かって片持ち状に延びた部分である。つまり、被保持部８５ａは、同じ高さに位置し、いずれも基材８１の幅方向で、基材８１よりも外側に位置する。
【0089】
なお、吊下用鉤状部８４と被保持用棒状部８５は、一体に形成してもよい。また、この場合、被保持用棒状部８５の下端側をクリップ状にする等により、吊下用鉤状部８４及び被保持用棒状部８５と基材８１とを分離可能（着脱可能）にしてもよい。
【0090】
続いて、本実施形態の薬剤セットシステム１により、投薬カレンダーグループ（薬剤セット具グループ）を形成する際の手順について説明する。
なお、投薬カレンダーグループとは、複数の投薬カレンダー８０の群であり、群に属する一つ一つの投薬カレンダー８０が、セットさせるべき全ての薬剤包装２５がセットされた状態となったものとする。なお、一つの投薬カレンダー８０において、「セットさせるべき全ての薬剤包装２５がセットされた」状態とは、その投薬カレンダー８０の複数の薬剤収容部の一つ一つに対し、収容させるべき一又は複数の薬剤包装２５がある場合には、その全てを収容し、空にすべき薬剤収容部８２は空とした状態である。
なお、投薬カレンダーグループとは、複数の投薬カレンダー８０の群であり、群に属する一つ一つの投薬カレンダー８０が、セットさせるべき全ての薬剤包装２５がセットされた状態となったものとする。なお、一つの投薬カレンダー８０において、「セットさせるべき全ての薬剤包装２５がセットされた」状態とは、その投薬カレンダー８０の複数の薬剤収容部の一つ一つに対し、収容させるべき一又は複数の薬剤包装２５がある場合には、その全てを収容し、空にすべき薬剤収容部８２は空とした状態である。
【0091】
本実施形態では、複数の投薬カレンダー８０のそれぞれにセットさせるべき全ての薬剤包装２５をセットする複数対象セット動作が可能であり、この複数対象セット動作では、最大で２８個の投薬カレンダー８０を対象にすることができる。
つまり、投薬カレンダーグループに属する投薬カレンダー８０が２８個以下である場合、一度の複数対象セット動作で投薬カレンダーグループを形成することが可能である。以下の説明では、２８個の投薬カレンダーが属する投薬カレンダーグループを形成する場合について説明する。
つまり、投薬カレンダーグループに属する投薬カレンダー８０が２８個以下である場合、一度の複数対象セット動作で投薬カレンダーグループを形成することが可能である。以下の説明では、２８個の投薬カレンダーが属する投薬カレンダーグループを形成する場合について説明する。
【0092】
なお、本実施形態で形成する投薬カレンダーグループに属する複数の投薬カレンダー８０は、それぞれが異なる時期に使用するものとなっている。すなわち、それぞれの投薬カレンダー８０にセットする薬剤包装２５に内包された薬剤の服用時期が、投薬カレンダー８０毎に異なる。
すなわち、一枚目の投薬カレンダー８０は、〇月×日の朝食後に服用する薬剤が内包された薬剤包装２５をセットするものである（図８参照）。次の二枚目の投薬カレンダー８０には、同日の昼食後に服用する薬剤が内包された薬剤包装２５をセットする（図１７参照）。以下同様に、三枚目、四枚目、五枚目の投薬カレンダー８０（詳細な図示を省略する）は、セットする薬剤包装２５に内包された薬剤の服用時期が、それぞれ同日の夕食後、同日の就寝前、翌日の朝食後となる。
すなわち、一枚目の投薬カレンダー８０は、〇月×日の朝食後に服用する薬剤が内包された薬剤包装２５をセットするものである（図８参照）。次の二枚目の投薬カレンダー８０には、同日の昼食後に服用する薬剤が内包された薬剤包装２５をセットする（図１７参照）。以下同様に、三枚目、四枚目、五枚目の投薬カレンダー８０（詳細な図示を省略する）は、セットする薬剤包装２５に内包された薬剤の服用時期が、それぞれ同日の夕食後、同日の就寝前、翌日の朝食後となる。
【0093】
さらに、図１５、図１７で示されるように、例えば、行列の（１，１）成分にある薬剤収容部８２は、いずれも「佐藤」さんに割り当てられ、行列の（１，２）成分にある薬剤収容部８２は、いずれも「鈴木」さんに割り当てられる。つまり、複数の投薬カレンダー８０は、対応する部分にある薬剤収容部８２に、それぞれ同じ患者が割り当てられる（同じ患者に処方された薬剤が内包された薬剤包装２５をセットする）。
【0094】
以上のことから、例えば、一枚目の投薬カレンダー８０の（１，１）成分と、（１，２）成分にある薬剤収容部８２には、それぞれ「佐藤」さんと「鈴木」さんが〇月×日の朝食後に服用する薬剤が内包された薬剤包装２５がセットされる。同様に、二枚目の投薬カレンダー８０の（１，１）成分と、（１，２）成分にある薬剤収容部８２には、それぞれ「佐藤」さんと「鈴木」さんが〇月×日の昼食後に服用する薬剤が内包された薬剤包装２５がセットされる。このように、それぞれの投薬カレンダー８０の対応する部分には、同じ患者に処方された薬剤が内包される薬剤包装２５がセットされ、同じ投薬カレンダー８０には服用時期が同じ薬剤が内包される薬剤包装２５がセットされる。
【0095】
本実施形態の薬剤セットシステム１では、図９で示されるように、カート８８によって複数の投薬カレンダー８０を薬剤セット装置３に導入するカレンダー導入工程を実行する。なお、カレンダー導入工程において、一度に導入可能な投薬カレンダー８０の最大数は、複数対象セット動作で対象とすることができる投薬カレンダー８０の最大数（２８）の半数であり、本実施形態では１４個である。
【0096】
カート８８は、図１０で示されるように、使用者が把持する部分である持ち手部８９と、連結部９０と、車輪取付部９１と、複数（本実施形態では４つ）のキャスター９２（車輪）と、吊下棒部９３を有する。
【0097】
連結部９０は、持ち手部８９と車輪取付部９１の間に位置してこれらを一体に連結する部分であり、フレーム状（枠状）の部分である。
【0098】
車輪取付部９１は、平面視形状が略四角環状となるフレーム状の部分であり、その下方側にキャスター９２が固定される部分である。
【0099】
吊下棒部９３は、持ち手部８９よりも前方に設けられ、前後方向（水平方向）に延びる棒状の部分である。本実施形態の吊下棒部９３は、上側に上記した吊下用鉤状部８４（図８参照）を係止可能な係止凹部９３ａが形成されている。係止凹部９３ａは、複数（本実施形態では１４個）設けられており、吊下棒部９３の長手方向で並列配置されている。
本実施形態のカート８８は、人が後側に位置する持ち手部８９を把持し、前方に押して使用するタイプのものとなっている（図１０参照）。
本実施形態のカート８８は、人が後側に位置する持ち手部８９を把持し、前方に押して使用するタイプのものとなっている（図１０参照）。
【0100】
カレンダー導入工程では、図９で示されるように、カート８８の吊下棒部９３に複数の投薬カレンダー８０を吊り下げることで、カート８８に複数の投薬カレンダー８０を係止させた状態とする。すなわち、それぞれの投薬カレンダー８０の吊下用鉤状部８４（図８参照）を係止凹部９３ａ（図１０参照）に係止した状態とする。
【0101】
このとき、投薬カレンダー８０は、いずれも表側（薬剤収容部８２が位置する側）が進行方向の後方を向く姿勢で吊り下げられる。
ここで、カレンダー導入工程で導入する複数の投薬カレンダー８０は、いずれも対象とするグループが同じ投薬カレンダー８０であり、同形（略同形）のものとなっている。すなわち、それぞれの基材８１の大きさ、薬剤収容部８２の数、基材８１に対するそれぞれの薬剤収容部８２の位置、対応する部分にある（行列の成分が同じとなる）薬剤収容部８２同士の位置及び大きさ等が同じである。また、基材８１に対する他部分（電子ペーパー８３、吊下用鉤状部８４、被保持用棒状部８５）の位置、それぞれの他部分の数、大きさ等が同じとなっている。つまり、複数の投薬カレンダー８０は、いずれも同数の薬剤収容部８２が同一の分布で配置されている（図１５、図１７参照）。
ここで、カレンダー導入工程で導入する複数の投薬カレンダー８０は、いずれも対象とするグループが同じ投薬カレンダー８０であり、同形（略同形）のものとなっている。すなわち、それぞれの基材８１の大きさ、薬剤収容部８２の数、基材８１に対するそれぞれの薬剤収容部８２の位置、対応する部分にある（行列の成分が同じとなる）薬剤収容部８２同士の位置及び大きさ等が同じである。また、基材８１に対する他部分（電子ペーパー８３、吊下用鉤状部８４、被保持用棒状部８５）の位置、それぞれの他部分の数、大きさ等が同じとなっている。つまり、複数の投薬カレンダー８０は、いずれも同数の薬剤収容部８２が同一の分布で配置されている（図１５、図１７参照）。
【0102】
カート８８の一部又は全体と複数の投薬カレンダー８０を第一セット具収容部４０ａに導入すると、図１１で示されるように、複数の投薬カレンダー８０がそれぞれ有する一方の被保持部８５ａの下側に、第一カレンダー保持装置５３の片側保持装置５３ａが位置する。そして、他方の被保持部８５ａの下側に、第一カレンダー保持装置５３の他方側保持装置５３ｂが位置する。
また、このとき、カート８８の車輪取付部９１及び複数のキャスター９２は、薬剤セット装置３（装置間包体搬送手段６３）の下方側に形成される空隙部９５内に位置する（図９参照）。
また、このとき、カート８８の車輪取付部９１及び複数のキャスター９２は、薬剤セット装置３（装置間包体搬送手段６３）の下方側に形成される空隙部９５内に位置する（図９参照）。
【0103】
この状態で、片側保持装置５３ａ、他方側保持装置５３ｂを上昇させる動作が実行される。このことにより、カート８８に保持された複数の投薬カレンダー８０が片側保持装置５３ａ、他方側保持装置５３ｂに保持された状態となる（図１１（ｂ）参照）。すなわち、それぞれの投薬カレンダー８０は、一方の被保持部８５ａが片側保持装置５３ａに保持（載置）され、他方の被保持部８５ａが他方側保持装置５３ｂに保持（載置）される。また、吊下用鉤状部８４が吊下棒部９３に係止された（吊り下げられた）状態から、係止解除された状態に移行する。
なお、片側保持装置５３ａ、他方側保持装置５３ｂを上昇させる動作は、第一セット具収容部４０ａに設けたセンサがカート８８を検知したことを条件に実施してもよく、使用者が表示装置４に所定の入力を行うことで実行してもよい。
なお、片側保持装置５３ａ、他方側保持装置５３ｂを上昇させる動作は、第一セット具収容部４０ａに設けたセンサがカート８８を検知したことを条件に実施してもよく、使用者が表示装置４に所定の入力を行うことで実行してもよい。
【0104】
このことにより、図１２で示されるように、複数の投薬カレンダー８０が第一セット具収容部４０ａ内に配され、第一カレンダー保持装置５３に保持された状態となる。この状態で、カート８８を取り出し（排出し）、扉部４５を閉状態とする。なお、カート８８は、人が手動で排出してもよく、図示しない押し出し機構（押し出し部）を設け、自動で排出してもよい。
【0105】
ここで、本実施形態では、薬剤包装２５をセットする動作を開始する前に、導入した全ての投薬カレンダー８０の電子ペーパー８３に対して薬剤セット装置３から信号を送信し、電子ペーパー８３に上記したセット具情報表示動作を実行させる。この電子ペーパー８３に情報を表示させる動作は、薬剤包装２５を複数対象セット動作の最中に実行してもよく、複数対象セット動作の完了後に実行してもよい。投薬カレンダー８０を薬剤セット装置３に導入してから取り出すまでに実行すればよい。本実施形態では、薬剤セット装置３が処方データに基づいて電子ペーパー８３に表示させる情報を取得又は作成し、表示させる。
【0106】
ここで、第一セット具収容部４０ａの手前側（扉部４５（図１参照）の近傍）には、包装体セット領域９８が設けられ、包装体セット領域９８に配した投薬カレンダー８０に対して薬剤包装２５をセットする動作を実行する。この包装体セット領域９８は、第一カレンダー保持装置５３よりも手前側に投薬カレンダー８０を保持可能な機構を設けて形成してもよい。すなわち、当該機構によって保持される投薬カレンダー８０が位置する領域としてもよい。また、第一カレンダー保持装置５３のうち、最も手前側で保持される投薬カレンダー８０が位置する領域としてもよい。
複数の投薬カレンダー８０が第一セット具収容部４０ａに導入されると、一つの投薬カレンダー８０が包装体セット領域９８に位置する（又は、包装体セット領域９８まで移動させられる）。
複数の投薬カレンダー８０が第一セット具収容部４０ａに導入されると、一つの投薬カレンダー８０が包装体セット領域９８に位置する（又は、包装体セット領域９８まで移動させられる）。
【0107】
一方、薬剤払出装置２は、供給モードで薬剤包装２５の払い出しを実行する。
すなわち、上記したように、一包ずつ薬剤包装２５を作製し、長距離コンベア部６４まで搬送する。そして、長距離コンベア部６４に導入された薬剤包装２５は、図１４で示されるように、所定位置まで搬送される。
すなわち、上記したように、一包ずつ薬剤包装２５を作製し、長距離コンベア部６４まで搬送する。そして、長距離コンベア部６４に導入された薬剤包装２５は、図１４で示されるように、所定位置まで搬送される。
【0108】
具体的には、長距離コンベア部６４に導入された薬剤包装２５を、長距離コンベア部６４を経て四つの短距離コンベア部６５のいずれかまで搬送し、その短距離コンベア部６５で待機させる。すなわち、第一短距離コンベア部６５ａ乃至第四短距離コンベア部６５ｄが、それぞれ薬剤包装２５の第一待機位置乃至第四待機位置となる。
【0109】
まず、第一短距離コンベア部６５ａまで薬剤包装２５を搬送する場合には、長距離コンベア部６４と、四つの短距離コンベア部６５を稼働させた状態とする。そして、薬剤包装２５を長距離コンベア部６４で搬送した後、薬剤包装２５が長距離コンベア部６４から第四短距離コンベア部６５ｄに受け渡される。このとき、まず、薬剤包装２５の一部が長距離コンベア部６４の下側コンベア部６８の上に位置し、他部が第四短距離コンベア部６５ｄの下側コンベア部６８の上に位置する状態（薬剤包装２５がコンベア間の隙間部分を跨いだ状態）となる。この状態を経て、第四短距離コンベア部６５ｄで搬送される状態となる。
【0110】
以下同様に、第四短距離コンベア部６５ｄから第三短距離コンベア部６５ｃへ受け渡し、第三短距離コンベア部６５ｃから第二短距離コンベア部６５ｂへ受け渡した後、第二短距離コンベア部６５ｂから第一短距離コンベア部６５ａへ受け渡す。そして、第一短距離コンベア部６５ａの稼働を停止することで、薬剤包装２５が第一待機位置（第一短距離コンベア部６５ａ）に待機した状態とする。
【0111】
また、第二短距離コンベア部６５ｂまで薬剤包装２５を搬送する場合には、長距離コンベア部６４と、第二短距離コンベア部６５ｂ乃至第四短距離コンベア部６５ｄを稼働した状態とし、第一短距離コンベア部６５ａを停止した状態とする。そして、上記と同様の手順で、薬剤包装２５を長距離コンベア部６４、第四短距離コンベア部６５ｄ、第三短距離コンベア部６５ｃ、第二短距離コンベア部６５ｂの順に受け渡していく。そして、第二短距離コンベア部６５ｂの稼働を停止することで、薬剤包装２５が第二待機位置（第二短距離コンベア部６５ｂ）に待機した状態とする。
【0112】
つまり、薬剤包装２５をいずれかの短距離コンベア部６５まで搬送する場合には、搬送先となる短距離コンベア部６５よりも下流側に位置する短距離コンベア部６５の稼働を停止し、その他のコンベア部を稼働した状態で搬送を実行する。例えば、第三短距離コンベア部６５ｃまで搬送する場合は、第一短距離コンベア部６５ａ及び第二短距離コンベア部６５ｂの稼働を停止し、第四短距離コンベア部６５ｄまで搬送する場合は、第一短距離コンベア部６５ａ乃至第三短距離コンベア部６５ｃの稼働を停止する。
【0113】
そして、搬送先が複数ある場合は、搬送先がより下流側となるものから優先的に搬送する。例えば、別々に形成された２つの薬剤包装２５をそれぞれ第一待機位置と、第三待機位置まで搬送する場合には、第一待機位置までの搬送を実行した後、第三待機位置までの搬送を実行する。したがって、四つの待機位置のそれぞれまで別々に形成された４つの薬剤包装２５を搬送する場合には、第一待機位置までの搬送、第二待機位置までの搬送、第三待機位置までの搬送、第四待機位置までの搬送の順に実行する。
【0114】
次に、複数の（四つの）待機位置の一以上の待機位置に薬剤包装２５が待機している状態において、図１４、図１５で示されるように、セット装置内搬送手段５０により、待機位置から投薬カレンダー８０の薬剤収容部８２まで薬剤包装２５を搬送する。
【0115】
つまり、本実施形態の薬剤セットシステム１は、薬剤包装２５を作製位置（作製した位置）から投薬カレンダー８０の薬剤収容部８２まで搬送する包装体搬送手段を有する。そして、この包装体搬送手段は、図５で示されるように、薬剤包装装置１２の内部搬送路（図示しない）と、薬剤払出装置２内のロボットアーム７３と、装置間包体搬送手段６３と、セット装置内搬送手段５０によって構成されている。
【0116】
セット装置内搬送手段５０のそれぞれのピックアップ装置５８は、図１４で示されるように、それぞれ別の待機位置に対応しており、具体的には、四つのピックアップ装置５８が左から順に第一待機位置乃至第四待機位置に対応している。そして、それぞれのピックアップ装置５８が対応する待機位置にある薬剤包装２５を挟持可能となっている。
【0117】
したがって、セット装置内搬送手段５０で薬剤包装２５を搬送する際には、複数（四つ）のピックアップ装置５８を同時に、複数（四つ）の待機位置に近接させる。そして、四つのピックアップ装置５８は、それぞれに対応する待機位置に薬剤包装２５がある場合、その薬剤包装２５を挟持する。例えば、図１４で示されるように、四つの待機位置にそれぞれ薬剤包装２５が待機している場合、四つのピックアップ装置５８がそれぞれ自身が対応する待機位置にある薬剤包装２５を挟持する。
【0118】
そして、そのまま基台部材５７及び四つのピックアップ装置５８を上方へ移動させ（図１４参照）、上記した包装体セット領域９８に配された投薬カレンダー８０の近傍に位置させる（図１５（ａ）参照）。
ここで、セット装置内搬送手段５０は、行列状に配された複数の薬剤収容部８２の行毎に薬剤包装２５をセットする動作を実行する。すなわち、四つのピックアップ装置５８が所定の行（図１５では、最上部にある第一の行）に属する薬剤収容部８２の上側まで移動し、それぞれ挟持していた薬剤包装２５を離す（挟持を解除する）ことで、薬剤包装２５が薬剤収容部８２に投入（挿入）される。
ここで、セット装置内搬送手段５０は、行列状に配された複数の薬剤収容部８２の行毎に薬剤包装２５をセットする動作を実行する。すなわち、四つのピックアップ装置５８が所定の行（図１５では、最上部にある第一の行）に属する薬剤収容部８２の上側まで移動し、それぞれ挟持していた薬剤包装２５を離す（挟持を解除する）ことで、薬剤包装２５が薬剤収容部８２に投入（挿入）される。
【0119】
このように、複数対象セット動作では、一つ目の投薬カレンダー８０ａに対し、第一の行に属する薬剤収容部８２にセットさせるべき（セットする必要ある）薬剤包装２５をセットする動作（以下、第一行セット動作とする）を実行する。そして、一つ目の投薬カレンダー８０ａに第一行セット動作を実行すると、図１６で示されるように、第一セット具移動装置５１（図２参照）により、一つ目の投薬カレンダー８０ａを包装体セット領域９８から第二セット具収容部４０ｂへ移動させる。そして、一つ目の投薬カレンダー８０ａを第二セット具収容部４０ｂの第二カレンダー保持装置５４に保持させる。
【0120】
それと前後して（又は同時に）、二つ目の投薬カレンダー８０ｂを包装体セット領域９８へ移動させる。そして、二つ目の投薬カレンダー８０ｂに対し、第一行セット動作を実行する（図１７参照）。
つまり、一つ目の投薬カレンダー８０ａの複数の薬剤収容部８２のうち、一部のみ（第一の行に属する薬剤収容部８２のみ）に対して、セットする必要がある薬剤包装２５をセットする動作（一部セット動作）が実行される。そして、一つ目の投薬カレンダー８０ａの他の行の薬剤収容部８２に対して、セットする必要がある薬剤包装２５をセットする動作を実行する前に、二つ目の投薬カレンダー８０ｂの一部のみに対して、セットする必要がある薬剤包装２５をセットする動作を実行する。
つまり、一つ目の投薬カレンダー８０ａの複数の薬剤収容部８２のうち、一部のみ（第一の行に属する薬剤収容部８２のみ）に対して、セットする必要がある薬剤包装２５をセットする動作（一部セット動作）が実行される。そして、一つ目の投薬カレンダー８０ａの他の行の薬剤収容部８２に対して、セットする必要がある薬剤包装２５をセットする動作を実行する前に、二つ目の投薬カレンダー８０ｂの一部のみに対して、セットする必要がある薬剤包装２５をセットする動作を実行する。
【0121】
言い換えると、一の投薬カレンダー８０ａに対して薬剤包装２５をセットする動作が開始された後、セットさせるべき全ての薬剤包装２５のうちの一部のみの薬剤包装２５がセットされた段階で（一部セット動作が実行された段階で）、一旦、一の投薬カレンダー８０ａに対して薬剤包装２５をセットする動作を中断する。そして、一の投薬カレンダー８０ａに対し、セットさせるべき全ての薬剤包装２５のセットされる前に、他の投薬カレンダー８０ｂに対して薬剤包装２５をセットする動作が開始される。
このとき、一つ目の投薬カレンダー８０ａにおいて薬剤包装２５をセットする薬剤収容部８２と、二つ目の投薬カレンダー８０ｂにおいて薬剤包装２５をセットする薬剤収容部８２は、いずれも第一行に属する。つまり、それぞれの投薬カレンダー８０ａ，８０ｂに同一の分布で配された複数の薬剤収容部８２において、互いに対応する部分である。
このとき、一つ目の投薬カレンダー８０ａにおいて薬剤包装２５をセットする薬剤収容部８２と、二つ目の投薬カレンダー８０ｂにおいて薬剤包装２５をセットする薬剤収容部８２は、いずれも第一行に属する。つまり、それぞれの投薬カレンダー８０ａ，８０ｂに同一の分布で配された複数の薬剤収容部８２において、互いに対応する部分である。
【0122】
二つ目の投薬カレンダー８０ｂに対し、第一行セット動作が完了すると（図１７（ｂ）参照）、一つ目の投薬カレンダー８０ａと同様に、二つ目の投薬カレンダー８０ｂを第二セット具収容部４０ｂへ移動させる（図示を省略する）。これを繰り返すことで、図１８（ａ）で示されるように、第二セット具収容部４０ｂに複数（１４個）の投薬カレンダー８０が保持された状態となる。なお、この際に第二セット具収容部４０ｂに保持される複数の投薬カレンダー８０は、いずれも、既に第一行セット動作の実行がなされたものとなる。
【0123】
なお、本実施形態では、一つ目の投薬カレンダー８０ａから第二セット具収容部４０ｂに順次移動させていくが、この際、直前に移動させた投薬カレンダー８０の手前側に、続いて移動させた投薬カレンダー８０を位置させる。したがって、この際に第二セット具収容部４０ｂに保持された１４個の投薬カレンダー８０は、奥側から一つ目の投薬カレンダー８０ａ、二つ目の投薬カレンダー８０ｂ・・・がこの順に並んだ状態となる。このときも、それぞれの投薬カレンダー８０は、いずれも表側が手前側を向いた姿勢となる。
【0124】
この状態で、図１８（ａ）で示されるように、第一セット具収容部４０ａに、新たに複数（１４個）の投薬カレンダー８０を新たに導入し、扉部４５を閉じた状態とする（図１８（ｂ）参照）。この導入は、上記と同様に行う。この複数（１４個）の投薬カレンダー８０は、上記した投薬カレンダーグループの残りの投薬カレンダー８０である。
【0125】
そして、複数対象セット動作の続きを行う。すなわち、図１９（ａ）で示されるように、１５個目（新たに導入した複数の投薬カレンダー８０のうちの一つ目）の投薬カレンダー８０に対し、必要に応じてこの投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８へ移動させ、第一行セット動作を実行する。
【0126】
そして、図１９（ｂ）で示されるように、１５個目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８から第二セット具収容部４０ｂへ移動させる動作と、１６個目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８へ移動させる動作を実行する。また、１個目の投薬カレンダー８０を第二セット具収容部４０ｂから第一セット具収容部４０ａへ移動させる動作を実行する。具体的には、１個目の投薬カレンダー８０を２８個目の投薬カレンダー８０の奥側に移動させる。これらの動作は、並行して実行してもよく、所定の順番で一つずつ実行してもよい。
【0127】
１６個目の投薬カレンダー８０に第一行セット動作を実行すると、上記と同様に、この投薬カレンダー８０を第二セット具収容部４０ｂへ移動させる動作と、１７個目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８へ移動させる動作を実行する（図示しない）。また、２個目の投薬カレンダー８０を第二セット具収容部４０ｂから第一セット具収容部４０ａへ移動させる動作を実行する（図示しない）。そして、この動作を繰り返すことで、図２０（ａ）で示されるように、薬剤セット装置３に導入した全ての（２８個）の投薬カレンダー８０が、既に第一行セット動作を実行された状態となる。
【0128】
このとき、先行して導入した複数（１４個）の投薬カレンダー８０が第一セット具収容部４０ａに位置し、手前側から一つ目の投薬カレンダー８０ａ、二つ目の投薬カレンダー８０ｂ、三つ目の投薬カレンダー８０・・・がこの順に並んだ状態となる。このとき、それぞれの投薬カレンダー８０は、いずれも表側が手前側を向いている。
そして、続いて導入した残りの複数（１４個）の投薬カレンダー８０が第二セット具収容部４０ｂに位置する。このとき、奥側から１５個目（新規導入分の一つ目）の投薬カレンダー８０、１６個目（新規導入分の二つ目）の投薬カレンダー８０、１７個目投薬カレンダー８０・・・がこの順に並んだ状態となり、いずれも表側が手前側を向いた状態となる。
そして、続いて導入した残りの複数（１４個）の投薬カレンダー８０が第二セット具収容部４０ｂに位置する。このとき、奥側から１５個目（新規導入分の一つ目）の投薬カレンダー８０、１６個目（新規導入分の二つ目）の投薬カレンダー８０、１７個目投薬カレンダー８０・・・がこの順に並んだ状態となり、いずれも表側が手前側を向いた状態となる。
【0129】
続いて、それぞれの投薬カレンダー８０対し、第二の行（上から二番目の行）に属する薬剤収容部８２にセットさせるべき薬剤包装２５をセットする動作（以下、第二行セット動作とする）を実行する。
【0130】
すなわち、一つ目の投薬カレンダー８０を必要応じて包装体セット領域９８へ移動させる動作を実行し、一つ目の投薬カレンダー８０に第二行セット動作を実行する（図２１参照）。そして、第二行セット動作が完了した一つ目の投薬カレンダー８０を第二セット具収容部４０ｂへ移動させる動作と、二つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８へ移動させる動作を実行する（図２０（ｂ）参照）。また、１５個目（新規導入分の一つ目）の投薬カレンダー８０を第二セット具収容部４０ｂから第一セット具収容部４０ａへ移動させる動作を実行する。そして、この動作を繰り返すことで、薬剤セット装置３に導入した全ての（２８個）の投薬カレンダー８０が、既に第一行セット動作、第二行セット動作を実行された状態となる。
【0131】
以下同様に、全ての（２８個）の投薬カレンダー８０に対して、一つずつ第三行セット動作を実行する動作と、一つずつ第四行セット動作を実行する動作と、一つずつ第五行セット動作をこの順に実行していく。このような具合に、上側の行から順に、全ての投薬カレンダー８０に一つずつ第α行セット動作（一部セット動作であり、αは１以上の整数であって行数）を実行する動作を繰り返す。第α行セット動作は、対象となる行に属する薬剤収容部８２にセットさせるべき必要がある薬剤包装２５をセットする動作である。本実施形態では、第七行セット動作まで実行することで、全ての（２８個）の投薬カレンダー８０のそれぞれに、セットさせるべき全ての薬剤包装２５がセットされた状態となる。すなわち、投薬カレンダーグループが形成される。
【0132】
このとき、先行して導入した複数（１４個）の投薬カレンダー８０が第一セット具収容部４０ａに位置し、残りの複数（１４個）の投薬カレンダー８０が第二セット具収容部４０ｂに位置した状態となる。そして、扉部４５を閉状態から開状態とし、カート８８を第一セット具収容部４０ａ導入し、上述した導入時とは逆の手順で第一セット具収容部４０ａから複数の投薬カレンダー８０を取り出す。その後、第二セット具収容部４０ｂに保持された複数（１４個）の投薬カレンダー８０を第一セット具収容部４０ａ移動させ、同様に、第一セット具収容部４０ａから複数の投薬カレンダー８０を取り出す動作を実行する。
【0133】
上記した第α行セット動作では、対象となる行に属する複数の薬剤収容部８２のうち、セットさせるべき薬剤包装２５がある薬剤収容部８２には、その薬剤包装２５をセットする一方で、空にすべき薬剤収容部８２には薬剤包装２５をセットしない。
【0134】
例えば、図２２で示されるように、一つ目の投薬カレンダー８０が、所定日の朝食後に服用する薬剤を内包した薬剤包装２５をセットするものとする（図２２（ａ）参照）。そして、二つ目の投薬カレンダー８０が、同日の昼食後に服用する薬剤を内包した薬剤包装２５をセットするものとする（図２２（ｂ）参照）。その上で、それぞれの投薬カレンダー８０の第一の行に属する薬剤収容部８２が、左から「佐藤」さん、「鈴木」さん、「高橋」さん、「渡辺」さんに割り当てられているとする。そして、所定日の朝食後に服用する薬剤が四人それぞれに処方され、所定日の昼食後に服用する薬剤が「佐藤」さん、「高橋」さん、「渡辺」さんの三人に処方されているとする。
このような場合、一つ目の投薬カレンダー８０に対する第一行セット動作では、四つの薬剤収容部８２にそれぞれ対象となる薬剤包装２５をセットする。そして、続いて実行する二つ目の投薬カレンダー８０に対する第一行セット動作では、三つの薬剤収容部８２にそれぞれ対象となる薬剤包装２５をセットする。具体的には、４つのピックアップ装置５８のうち、行列の２列目（「鈴木」さんに割り当てられた薬剤収容部８２）に対応付けられたピックアップ装置５８は、薬剤包装２５を保持しない（持ち運ばない）。その一方で、他の列に対応付けられた３つのピックアップ装置５８は、それぞれが薬剤包装２５を保持する。そして、薬剤包装２５を保持しない（持ち運ばない）ピックアップ装置５８は、対応付けられた薬剤収容部８２に薬剤包装２５をセットせず、他の３つのピックアップ装置５８それぞれ対応付けられた薬剤収容部８２に薬剤包装２５をセットする。このことから、「鈴木」さんに割り当てられた行列の（１，２）成分にある薬剤収容部８２に薬剤包装２５がセットされず、同じ行の他の薬剤収容部８２には薬剤包装２５がセットされる。
このような場合、一つ目の投薬カレンダー８０に対する第一行セット動作では、四つの薬剤収容部８２にそれぞれ対象となる薬剤包装２５をセットする。そして、続いて実行する二つ目の投薬カレンダー８０に対する第一行セット動作では、三つの薬剤収容部８２にそれぞれ対象となる薬剤包装２５をセットする。具体的には、４つのピックアップ装置５８のうち、行列の２列目（「鈴木」さんに割り当てられた薬剤収容部８２）に対応付けられたピックアップ装置５８は、薬剤包装２５を保持しない（持ち運ばない）。その一方で、他の列に対応付けられた３つのピックアップ装置５８は、それぞれが薬剤包装２５を保持する。そして、薬剤包装２５を保持しない（持ち運ばない）ピックアップ装置５８は、対応付けられた薬剤収容部８２に薬剤包装２５をセットせず、他の３つのピックアップ装置５８それぞれ対応付けられた薬剤収容部８２に薬剤包装２５をセットする。このことから、「鈴木」さんに割り当てられた行列の（１，２）成分にある薬剤収容部８２に薬剤包装２５がセットされず、同じ行の他の薬剤収容部８２には薬剤包装２５がセットされる。
【0135】
なお、上記した複数対象セット動作において、複数の投薬カレンダー８０に対して一つずつ第α行セット動作を実行していくとき、いずれかの投薬カレンダー８０では、対象となる行に属する薬剤収容部８２が全て空にすべきものである場合がある。
この場合、その投薬カレンダー８０に対して第α行セット動作を実行せず、包装体セット領域９８から移動させてもよい。
この場合、その投薬カレンダー８０に対して第α行セット動作を実行せず、包装体セット領域９８から移動させてもよい。
【0136】
例えば、一つ目の投薬カレンダー８０では、第一の行に属する４つの薬剤収容部８２にそれぞれセットさせるべき薬剤包装２５があり、二つ目の投薬カレンダー８０では、第一の行に属する４つの薬剤収容部８２が全て空にすべきものであるとする。
この場合、複数の投薬カレンダー８０にそれぞれ第一行セット動作を実行するとき、一つ目の投薬カレンダー８０に第一行セット動作を実行した後、一つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８から移動させる。そして、二つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８に移動させた後、二つ目の投薬カレンダー８０に第一行セット動作を実行せず、二つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８から移動させてもよい。
この場合、複数の投薬カレンダー８０にそれぞれ第一行セット動作を実行するとき、一つ目の投薬カレンダー８０に第一行セット動作を実行した後、一つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８から移動させる。そして、二つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８に移動させた後、二つ目の投薬カレンダー８０に第一行セット動作を実行せず、二つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８から移動させてもよい。
【0137】
また、図２３で示されるように、一つの薬剤収容部８２に複数の薬剤包装２５をセットする場合における、第α行セット動作について説明する。
具体的には、一つの投薬カレンダー８０において、第一の行に属する４つの薬剤収容部８２のうち、行列の（１，１）成分にある一つの薬剤収容部８２にセットさせるべき薬剤包装２５が２つであり、他の３つの薬剤収容部８２にセットさせるべき薬剤包装２５が１つずつである場合について説明する。
この場合、まず、４つの薬剤包装２５を待機位置から搬送する動作を実行し、第一の行に属するそれぞれの薬剤収容部８２に一つずつ薬剤包装２５をセットする（図２３（ａ）参照）。そして、投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８から移動させず、１つの薬剤包装２５を待機位置から搬送する動作を実施し、行列の（１，１）成分にある薬剤収容部８２に１つの薬剤包装２５をセットする（図２３（ｂ）参照）。このことにより、行列の（１，１）成分にある薬剤収容部８２に合計２つの薬剤包装２５がセットされ、第一の行に属する他の３つの薬剤収容部８２に一つずつ薬剤包装２５がセットされる。
具体的には、一つの投薬カレンダー８０において、第一の行に属する４つの薬剤収容部８２のうち、行列の（１，１）成分にある一つの薬剤収容部８２にセットさせるべき薬剤包装２５が２つであり、他の３つの薬剤収容部８２にセットさせるべき薬剤包装２５が１つずつである場合について説明する。
この場合、まず、４つの薬剤包装２５を待機位置から搬送する動作を実行し、第一の行に属するそれぞれの薬剤収容部８２に一つずつ薬剤包装２５をセットする（図２３（ａ）参照）。そして、投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８から移動させず、１つの薬剤包装２５を待機位置から搬送する動作を実施し、行列の（１，１）成分にある薬剤収容部８２に１つの薬剤包装２５をセットする（図２３（ｂ）参照）。このことにより、行列の（１，１）成分にある薬剤収容部８２に合計２つの薬剤包装２５がセットされ、第一の行に属する他の３つの薬剤収容部８２に一つずつ薬剤包装２５がセットされる。
【0138】
つまり、一つの投薬カレンダー８０に対する第α行セット動作では、待機位置から薬剤包装２５を搬送して薬剤収容部８２にセットする動作を一又は複数回実行してもよい。また、この動作の実行回数は、対象となる行に属する薬剤収容部８２のそれぞれにセットされるべき薬剤包装２５の数のうちで、最大数である。
【0139】
上記した実施形態では、異なる患者に処方された服用時期が同じ薬剤をそれぞれに内包した複数の薬剤包装２５を収容する投薬カレンダー８０（図８参照）に対し、薬剤包装２５をセットする例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。例えば、図２４で示されるように、一人の患者に処方された服用時期が異なる薬剤をそれぞれに内包した複数の薬剤包装２５を収容する投薬カレンダー１００（薬剤セット具、第二薬剤セット具）に対して、薬剤包装２５をセットする動作を実行してもよい。
【0140】
また、この場合、図２５で示されるように、複数対象セット動作は、一つの投薬カレンダー１００に対してセットさせるべき薬剤包装２５を全てセットさせる動作を実行し、これを繰り返す動作（第二セット動作）であってもよい。すなわち、複数対象セット動作は、上記した複数の投薬カレンダー８０に対して一つずつ一部セット動作を実行し、これを繰り返す動作（第一セット動作）に限るものでない。
具体的には、図２５で示されるように、一つ目の投薬カレンダー１００を包装体セット領域９８に移動させ、一つ目の投薬カレンダー１００に第一行セット動作を実行する（図２５（ａ）参照）。その後、一つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８に配したまま、一つ目の投薬カレンダー８０に第二行セット動作を実行する（図２５（ｂ）参照）。同様に、第七行セット動作（図２５（ｃ）参照）まで順次実行していき、一つ目の投薬カレンダー８０にセットさせるべき薬剤包装２５を全てセットした状態とする。そして、一つ目の投薬カレンダー８０を第二セット具収容部４０ｂへと移動させ、二つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８に移動させる。以下同様に、複数の投薬カレンダー８０のそれぞれに対し、一つずつセットさせるべき薬剤包装２５を全てセットさせる動作を実行する。このことにより、投薬カレンダーグループを形成する。
具体的には、図２５で示されるように、一つ目の投薬カレンダー１００を包装体セット領域９８に移動させ、一つ目の投薬カレンダー１００に第一行セット動作を実行する（図２５（ａ）参照）。その後、一つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８に配したまま、一つ目の投薬カレンダー８０に第二行セット動作を実行する（図２５（ｂ）参照）。同様に、第七行セット動作（図２５（ｃ）参照）まで順次実行していき、一つ目の投薬カレンダー８０にセットさせるべき薬剤包装２５を全てセットした状態とする。そして、一つ目の投薬カレンダー８０を第二セット具収容部４０ｂへと移動させ、二つ目の投薬カレンダー８０を包装体セット領域９８に移動させる。以下同様に、複数の投薬カレンダー８０のそれぞれに対し、一つずつセットさせるべき薬剤包装２５を全てセットさせる動作を実行する。このことにより、投薬カレンダーグループを形成する。
【0141】
また、図２６で示されるように、薬剤包装２５をセットする投薬カレンダー１０１（薬剤セット具）は、異なる７人が属するグループを対象したグループ用の投薬カレンダー８０（第一薬剤セット具）であってもよい。この投薬カレンダー８０は、所定の日付（曜日）に対応したものであり、行列状に配された薬剤収容部８２は、行毎に異なる患者に割り当てられ、列毎に異なる服用時期に割り当てられている。
【0142】
上記した実施形態では、一度に導入可能な投薬カレンダー８０の最大数を複数対象セット動作で対象とすることができる投薬カレンダー８０の最大数の半数（１４個）としたが、本発明はこれに限るものではない。薬剤セット装置３の筐体４２を大型化する等により、一度に導入可能な投薬カレンダー８０の最大数は、複数対象セット動作で対象とすることができる投薬カレンダー８０の最大数と同数（２８個）としてもよい。この場合、カート８８に保持させることができる（吊下棒部９３に吊り下げることができる）投薬カレンダー８０の数もまた、複数対象セット動作で対象とすることができる投薬カレンダー８０の最大数と同数（２８個）としてもよい。この場合、複数対象セット動作を断続させず、連続して実行できる。また、第α行セット動作を実行した後に第二セット具収容部４０ｂへ移動させた投薬カレンダー８０を第一セット具収容部４０ａへ移動させる動作は、適宜のタイミングで行ってもよい。なお、第α行セット動作の実行後に第２セット具収容部４０ｂへ移動させた投薬カレンダー８０は、最後（２８個目）の投薬カレンダー８０への第α行セット動作が完了するまでに、第二セット具収容部４０ｂから第一セット具収容部４０ａに移動させることが好ましい。
【0143】
上記した実施形態では、切断装置１９によって一つ一つ個別の薬剤包装２５を作製する個別包体作製動作と、薬剤包装帯２６を作製する帯作製動作のいずれかを実行する例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、切断装置１９では、薬剤包装帯２６のみを作製するものとし、個別包体作製動作を実行する際には、切断装置１９の下流側となる他の位置で薬剤包装帯２６を切断する動作を実行してもよい。すなわち、薬剤払出装置２のうち、薬剤包装装置１２の切断装置１９よりも下流側となる部分に第二の切断装置（切断手段）を設け、個別包体作製動作を実行するとき、第二の切断装置で薬剤包装帯２６を切断し、個別の薬剤包装２５を形成してもよい。
例えば、切断装置１９では、薬剤包装帯２６のみを作製するものとし、個別包体作製動作を実行する際には、切断装置１９の下流側となる他の位置で薬剤包装帯２６を切断する動作を実行してもよい。すなわち、薬剤払出装置２のうち、薬剤包装装置１２の切断装置１９よりも下流側となる部分に第二の切断装置（切断手段）を設け、個別包体作製動作を実行するとき、第二の切断装置で薬剤包装帯２６を切断し、個別の薬剤包装２５を形成してもよい。
【0144】
また、薬剤払出装置２と薬剤セット装置３の間に包装帯切断装置（切断手段）を設けてもよい。すなわち、薬剤払出装置２から包装帯切断装置に薬剤包装帯２６を供給（搬送）し、包装帯切断装置で薬剤包装帯２６を切断して個別の薬剤包装２５を作製し、包装帯切断装置から薬剤セット装置３に一つずつ薬剤包装２５を供給してもよい。
【0145】
また、薬剤セット装置３の内部に切断装置（切断手段）と、個別の薬剤包装２５を待機させる包体待機部を設け、薬剤払出装置２から薬剤セット装置３に薬剤包装帯２６を供給する構成としてもよい。すなわち、薬剤セット装置３は、供給された薬剤包装帯２６を切断して個別の薬剤包装２５を作製し、作製した薬剤包装２５を包体待機部まで搬送する。そして、包体待機部からロボットアーム等やコンベア等でピックアップ装置５８の下方側まで搬送する、といった具合である。このとき、薬剤セット装置３に供給する薬剤包装帯２６は、同一患者分包帯３０であることが好ましい。
すなわち、切断による個別の薬剤包装２５の作製は、薬剤セットシステム１に属するいずれの装置（いずれの機器）で行ってもよい。
すなわち、切断による個別の薬剤包装２５の作製は、薬剤セットシステム１に属するいずれの装置（いずれの機器）で行ってもよい。
【0146】
ここで、投薬カレンダー８０の薬剤収容部８２には、上記した薬剤包装２５の他、装置で取り扱うことが難しい形状の薬剤包装（又は薬剤容器）や、人が手で取り扱うことが好ましい薬剤が包装された薬剤包装をセットする場合がある。
このような場合、複数対象セット動作では、このような薬剤包装（又は薬剤容器）をセットすべき薬剤収容部８２には、薬剤包装をセットせず、セットさせるべき薬剤包装のうちで、薬剤セット装置３でセット可能なものだけをセットしてもよい。
このような場合、複数対象セット動作では、このような薬剤包装（又は薬剤容器）をセットすべき薬剤収容部８２には、薬剤包装をセットせず、セットさせるべき薬剤包装のうちで、薬剤セット装置３でセット可能なものだけをセットしてもよい。
【0147】
つまり、上記した、複数対象セット動作は、複数の投薬カレンダー８０のそれぞれにセットさせるべき全ての薬剤包装２５をセットする動作であったが、本発明はこれに限るものではない。複数対象セット動作は、複数の投薬カレンダー８０のそれぞれにセットさせるべき全ての薬剤包装２５のうち、一部のみ（薬剤セット装置３でセット可能なもののみ）をセットする動作でもよい。このような場合、複数対象セット動作の完了後、薬剤セット装置３から取り出した複数の投薬カレンダー８０のうちの適宜なものに、人が薬剤包装を手動でセットする動作を実行してもよい。
【0148】
上記した実施形態では、処方データに基づいて電子ペーパー８３に表示させる情報を取得又は作成し、作成した情報を表示させる例について説明したが、本発明はこれに限るものでない。例えば、一つ一つの薬剤包装２５に対し、自己に関する情報を取得可能なコード等の情報表示を付し、このコードから情報を読み取る情報取得手段を薬剤セット装置３に設け、薬剤包装２５から取得した情報を電子ペーパー８３に表示させてもよい。また、薬剤包装２５から取得した情報と、処方データに基づく情報から取得又は作成が可能な情報を電子ペーパー８３に表示させてもよい。
同様に、薬剤包装２５に印刷された文字を読み取り（文字解析し）、読み取った文字又は、読み取った文字と処方データに基づく情報から取得又は作成可能な情報を電子ペーパー８３に表示させてもよい。
同様に、薬剤包装２５に印刷された文字を読み取り（文字解析し）、読み取った文字又は、読み取った文字と処方データに基づく情報から取得又は作成可能な情報を電子ペーパー８３に表示させてもよい。
【0149】
上記した実施形態では、一部セット動作として、第α行セット動作を実行し、投薬カレンダー８０の上側の行から順に第α行セット動作の対象とした例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。一部セット動作は、例えば、所定の列を対象としてもよい。すなわち、投薬カレンダー８０の全ての薬剤収容部８２のうち、所定の一部であればよい。また、第α行セット動作は、下側の行から順に動作の対象としてもよい。すなわち、一つの投薬カレンダー８０に複数回の一部セット動作が実行されるとき、第１回から第ｎ回までのセット動作のそれぞれで動作の対象とする部分（一部の薬剤収容部８２）の順番は適宜変更してもよい。例えば、第五行セット動作を実行し、その後に第二行セット動作を実行するといった具合に、第α行セット動作を実行してもよい。
【0150】
上記した実施形態では、薬剤払出装置２を錠剤分包機としたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、薬剤払出装置２は、処方データに基づいて散薬を１服用分ごとに分包紙に包装する散薬分包機でもよい。この散薬分包機は、上記した錠剤分包機と同様に、自動供給での払出動作の実行と、手動供給での払出動作の実行を可能としてもよい。自動供給での払出動作では、散薬の重量を計量する計量動作を実行してもよい。
【0151】
続いて、本発明の第二実施形態に係る薬剤セット装置２０１について説明する。また、以下の説明において、上記したものと同様の部分については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0152】
本実施形態の薬剤セット装置２０１は、薬包供給装置２０２と、本体装置２０３と、表示装置４を有する。本体装置２０３は、上記した実施形態における薬剤セット装置３と略同一の構造であり、重複する詳細な説明を省略する。つまり、本実施形態の薬剤セット装置２０１は、上述の薬剤セット装置３と、薬包供給装置２０２を一体化して形成される。
また、薬包供給装置２０２は、演算部、記憶部、通信部を備えた図示しない制御部を有しており、外部の機器（図示しない上位制御装置、薬剤分包機等の調剤機器、図示しない外部のＰＣ等）との間で各種信号、各種情報の送受信が可能である。また、各種情報を記憶が可能である。
また、薬包供給装置２０２は、演算部、記憶部、通信部を備えた図示しない制御部を有しており、外部の機器（図示しない上位制御装置、薬剤分包機等の調剤機器、図示しない外部のＰＣ等）との間で各種信号、各種情報の送受信が可能である。また、各種情報を記憶が可能である。
【0153】
薬包供給装置２０２は、筐体２３６に、第一引き出し群２２０ａ乃至第四引き出し群２２０ｄからなる複数（４つ）の引き出し群２２０（包装供給部群）が設けられている。
複数の引き出し群２２０は、それぞれが複数の引き出し部２２２（薬剤包装供給部）を有しており、本実施形態では第一引き出し部２２２ａと、第二引き出し部２２２ｂからなる２つの引き出し部２２２を有する。このとき、複数の引き出し群２２０は、水平方向にずれた位置にそれぞれ形成されている。
複数の引き出し群２２０は、それぞれが複数の引き出し部２２２（薬剤包装供給部）を有しており、本実施形態では第一引き出し部２２２ａと、第二引き出し部２２２ｂからなる２つの引き出し部２２２を有する。このとき、複数の引き出し群２２０は、水平方向にずれた位置にそれぞれ形成されている。
【0154】
また、図２８で示されるように、薬包供給装置２０２の内部には、それぞれの引き出し部２２２から下方の装置間包体搬送手段２６３まで薬剤包装２５を搬送する供給側包体搬送手段２２５を有する。
【0155】
ここで、本実施形態の薬剤セット装置２０１は、薬剤包装２５を作製位置（作製した位置）から投薬カレンダー８０の薬剤収容部８２まで搬送する包装体搬送手段を有する。この包装体搬送手段は、供給側包体搬送手段２２５と、装置間包体搬送手段２６３と、セット装置内搬送手段５０によって構成されている。
【0156】
供給側包体搬送手段２２５は、第一個別搬送手段２２６ａ乃至第四個別搬送手段２２６ｄ（図２９（ａ）参照）からなる複数（四つ）の個別搬送手段２２６（上流側搬送部）を有している。それぞれの個別搬送手段２２６は、薬剤包装２５を挟持可能なハンド部と、ハンド部を前後方向（手前奥方向）に移動させる前後移動機構（例えば、アーム部分の伸縮機構等）と、ハンド部及び前後移動機構を昇降させるベルト式の昇降装置を有する。
【0157】
複数の個別搬送手段２２６は、それぞれ別の引き出し群２２０に一対一で対応付けられている。具体的には、第一個別搬送手段２２６ａが第一引き出し群２２０ａに対応付けられおり、以下同様に、第二個別搬送手段２２６ｂ乃至第四個別搬送手段２２６ｄのそれぞれが、第二引き出し群２２０ｂ乃至第四引き出し群２２０ｄのそれぞれに対応付けられている。そして、それぞれの個別搬送手段２２６は、対応付けられた引き出し群２２０に属する引き出し部２２２で作製した薬剤包装２５を装置間包体搬送手段２６３まで搬送する。
【0158】
例えば、第一個別搬送手段２２６ａは、第一引き出し群２２０ａに属する引き出し部２２２（第一引き出し部２２２ａ、第二引き出し部２２２ｂ）のいずれかから装置間包体搬送手段２６３まで薬剤包装２５を搬送する装置である。同様に、第二個別搬送手段２２６ｂ乃至第四個別搬送手段２２６ｄは、それぞれが第二引き出し群２２０ｂ乃至第四引き出し群２２０ｄに属する２つ引き出し部２２２の一方から、薬剤包装２５を搬送する。
【0159】
装置間包体搬送手段２６３は、上記した装置間包体搬送手段６３と略同一のものであり、薬剤包装２５を立てた姿勢で搬送可能となっている。なお、本実施形態の装置間包体搬送手段２６３は、上記した実施形態とは上側コンベア部（詳細な図示を省略する）の構が異なり、ローラ列部６７ｂ（図６参照）に替わって他方側コンベア部（図示しない）が設けられている。他方側コンベア部は、縦軸回転する２つのプーリと、ベルト部材を有する。すなわち、片側コンベア部６７ａと他方側コンベア部で薬剤包装２５を挟持する。
【0160】
引き出し部２２２は、図３０のように、内部に包装帯装着部２３０と、包体把持部２３１と、テンションプーリ部２３２と、包装体切断装置２３３（切断手段）を有する。
【0161】
包装帯装着部２３０は、ロール状に巻いた状態の薬剤包装帯２６（図４参照）を装着する部分であり、巻芯部を有する。
包体把持部２３１は、繰り出した薬剤包装帯２６の一部を把持する部分であり、縦軸回転する２つのローラを有する。すなわち、２つのローラで薬剤包装帯２６の一部を挟んで把持する。
包体把持部２３１は、繰り出した薬剤包装帯２６の一部を把持する部分であり、縦軸回転する２つのローラを有する。すなわち、２つのローラで薬剤包装帯２６の一部を挟んで把持する。
【0162】
ここで、包装帯装着部２３０の巻芯部と、包体把持部２３１の２つのローラの少なくとも一方は、図示しないモータ等の動力により、回転駆動が可能となっている。すなわち、引き出し部２２２は、薬剤包装帯２６を自動で繰り出して送るための繰出機構を有する。
【0163】
テンションプーリ部２３２は、縦軸回転するローラであり、繰り出した薬剤包装帯２６に一定の張力を与えるべく、添え当てられるローラである。
【0164】
包装体切断装置２３３は、薬剤包装帯２６（薬包紙）を切断可能なカッター（切断刃）を備えた本体部２３３ａと、薬剤包装帯２６の切断位置を検知するセンサ部２３３ｂを有する。すなわち、包装体切断装置２３３は、薬剤包装帯２６を切断する包装帯切断動作を実行することで、一つの薬剤包装２５を形成する装置である。
【0165】
すなわち、それぞれの引き出し部２２２は、薬包供給装置２０２の本体部分（筐体２３６）から引き出した状態と、押し込んだ状態を切り替え可能であり、引き出した状態で薬剤包装帯２６の装着が可能である。また、それぞれの引き出し部２２２では、薬剤包装帯２６を切断して一つの薬剤包装２５を作製する包装帯切断動作が可能である。
【0166】
包装帯切断動作は、個別搬送手段２２６のハンド部で薬剤包装帯２６の一部を把持し、包装体切断装置２３３で薬剤包装帯２６を切断する動作であってもよい。この場合、個別搬送手段２２６は、把持した部分によって形成される一つの（一包分の）薬剤包装２５をそのまま搬送する。
また、包装帯切断動作は、包装体切断装置２３３の本体部２３３ａの下流側に、作製した一つの薬剤包装２５を保持する保持手段（図示しない）を設けてもよい。この場合、切断によって一つの薬剤包装２５を作製し、保持手段で薬剤包装２５を待機させておく。そして、個別搬送手段２２６は、保持手段で待機する薬剤包装２５をハンド部で把持し、下方側へ搬送する。
また、包装帯切断動作は、包装体切断装置２３３の本体部２３３ａの下流側に、作製した一つの薬剤包装２５を保持する保持手段（図示しない）を設けてもよい。この場合、切断によって一つの薬剤包装２５を作製し、保持手段で薬剤包装２５を待機させておく。そして、個別搬送手段２２６は、保持手段で待機する薬剤包装２５をハンド部で把持し、下方側へ搬送する。
【0167】
続いて、本実施形態の薬剤セット装置２０１により、投薬カレンダーグループを形成する際の手順について説明する。なお、上記と同様の投薬カレンダーグループを形成する場合を例に挙げて説明する。
【0168】
まず、薬包供給装置２０２が、薬剤包装２５を作製し、１包ずつ薬剤セット装置２０１に向かって搬送する薬包供給動作を実行する。このとき、この薬包供給動作に先立って、上記と同様に、カート８８によって複数の投薬カレンダー８０を本体装置２０３に導入しておく。また、薬包供給動作に先立って、薬包供給装置２０２の第一引き出し群２２０ａ乃至第四引き出し群２２０ｄのそれぞれに属する第一引き出し部２２２ａに、薬剤包装帯２６をセットしておく。
【0169】
具体的には、第一引き出し群２２０ａの第一引き出し部２２２ａには、それぞれに「佐藤」さんに処方された薬剤が内包された薬剤包装２５が連なって形成される同一患者分包帯３０（図４参照）が装着される。
すなわち、投薬カレンダーグループに属するそれぞれの投薬カレンダー８０（図８参照）において、行列の（１，１）成分に位置する薬剤収容部８２にセットする薬剤包装２５が連なって形成される同一患者分包帯３０である。すなわち、同一患者分包帯３０に属する一つ目の薬剤包装２５は、一つ目の投薬カレンダー８０の（１，１）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装である。また、二つ目の薬剤包装２５は、二つ目の投薬カレンダー８０の（１，１）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装である。以下同様に、それぞれの薬剤包装２５は、それぞれ別の投薬カレンダー８０にセットすべきものであり、いずれも投薬カレンダー８０の（１，１）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべきものである。
すなわち、投薬カレンダーグループに属するそれぞれの投薬カレンダー８０（図８参照）において、行列の（１，１）成分に位置する薬剤収容部８２にセットする薬剤包装２５が連なって形成される同一患者分包帯３０である。すなわち、同一患者分包帯３０に属する一つ目の薬剤包装２５は、一つ目の投薬カレンダー８０の（１，１）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装である。また、二つ目の薬剤包装２５は、二つ目の投薬カレンダー８０の（１，１）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装である。以下同様に、それぞれの薬剤包装２５は、それぞれ別の投薬カレンダー８０にセットすべきものであり、いずれも投薬カレンダー８０の（１，１）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべきものである。
【0170】
同様に、第二引き出し群２２０ｂの第一引き出し部２２２ａに装着する同一患者分包帯３０は、それぞれ別の投薬カレンダー８０の（１，２）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装２５が連なって形成されたものである。
また、第三引き出し群２２０ｃの第一引き出し部２２２ａに装着する同一患者分包帯３０は、それぞれ別の投薬カレンダー８０の（１，３）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装２５が連なって形成されたものである。
第四引き出し群２２０ｄの第一引き出し部２２２ａに装着する同一患者分包帯３０は、それぞれ別の投薬カレンダー８０の（１，４）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装２５が連なって形成されたものである。
また、第三引き出し群２２０ｃの第一引き出し部２２２ａに装着する同一患者分包帯３０は、それぞれ別の投薬カレンダー８０の（１，３）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装２５が連なって形成されたものである。
第四引き出し群２２０ｄの第一引き出し部２２２ａに装着する同一患者分包帯３０は、それぞれ別の投薬カレンダー８０の（１，４）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装２５が連なって形成されたものである。
【0171】
つまり、第一引き出し群２２０ａ乃至第四引き出し群２２０ｄのそれぞれの第一引き出し部２２２ａには、第一行セット動作でセットする薬剤包装２５が連なった薬剤包装帯２６が装着される。つまり、引き出し群２２０毎に投薬カレンダー８０の異なる列にある薬剤収容部８２が対応付けられている。したがって、この際に四つの引き出し群２２０にそれぞれ装着される四つの薬剤包装帯２６は、それぞれが同じ行（第一の行）の異なる位置（列）にある薬剤収容部８２にセットされるべき薬剤包装２５を含む。
【0172】
なお、上記した引き出し部２２２に装着する薬剤包装帯２６は、外部の機器（錠剤分包機）等によって予め作製しておく。また、薬剤包装帯２６を引き出し部２２２に装着する際には、スキャナ等を備えた読取装置（図示しない）で、薬剤包装帯２６の薬剤情報表示３３（図４参照）を読み取る。このことで、薬剤包装帯２６を装着する引き出し部２２２を特定する供給部特定動作が実行される。なお、この読取装置は、薬剤セット装置２０１と一体に形成されたものでもよく、薬剤セット装置２０１と信号の送受信が可能な携帯式の装置でもよい。
【0173】
具体的には、読取装置で薬剤情報表示３３の読み取り動作を実行することで、薬剤情報表示３３から情報を取得する。そして、取得した情報と、薬剤セット装置２０１の制御部に記憶された処方データ等の情報に基づいて、その薬剤情報表示３３が付された薬剤包装帯２６を装着すべき引き出し部２２２を特定する。このことにより、供給部特定動作が完了する。
【0174】
そして、供給部特定動作が完了すると、供給部特定動作の結果を使用者に報知するセット案内動作を実行する。セット案内動作は、例えば、特定された引き出し部２２２を自動で手前側に引き出した状態へ移行させる（手前側にスライド移動させる）動作であってもよい。また、予め全ての引き出し部２２２にＩＤ等（固有の番号）を付しておき、表示装置４に「〇〇番の引き出しに装着してください」といった、特定された引き出し部２２２への薬剤包装帯２６の装着を促すメッセージを表示する動作であってもよい。さらには、音声等で同様のメッセージを出力する動作であってもよい。また、全ての引き出し部２２２にＬＥＤ等のランプ部材を設けており、特定した引き出し部２２２のランプ部材を点灯、点滅させる動作であってもよい。これらの動作の複数を実行する動作であってもよい。
【0175】
薬包供給動作では、第一引き出し群２２０ａの第一引き出し部２２２ａで薬剤包装２５を作製し、第一個別搬送手段２２６ａで装置間包体搬送手段２６３まで搬送する第一個別搬送動作が実行される。これと並行して、第二引き出し群２２０ｂの第一引き出し部２２２ａで薬剤包装２５を作製し、第二個別搬送手段２２６ｂで装置間包体搬送手段２６３まで搬送する第二個別搬送動作が実行される。同様に、並行して、第三個別搬送手段２２６ｃ、第四個別搬送手段２２６ｄで対応付けられた引き出し群２２０に属する引き出し部２２２から薬剤包装２５を搬送する第三個別搬送動作、第四個別搬送動作が実行される。
【0176】
ここで、図３１のように、第一個別搬送手段２２６ａ乃至第四個別搬送手段２２６ｄのそれぞれ下端側は、薬包供給装置２０２側の薬剤包装２５の待機位置となる。また、上記した実施形態と同様に、４つのピックアップ装置５８のそれぞれの下端側は、本体装置２０３側の薬剤包装２５の待機位置（下流側から第一待機位置乃至第四待機位置）となる。
【0177】
すなわち、第一個別搬送動作が実行されると、第一個別搬送手段２２６ａから装置間包体搬送手段２６３に薬剤包装２５が導入され、第一待機位置まで搬送する。上記した実施形態と同様に、本実施形態でも、本体装置２０３側の待機位置がより下流側となる薬剤包装２５を優先的に搬送する。したがって、例えば、第一個別搬送動作よりも先に第二個別搬送動作で薬剤包装２５が下端側まで搬送された場合、この薬剤包装２５は、薬包供給装置２０２側の薬剤包装２５の待機位置で待機させる。同様に、それぞれ第二個別搬送動作、第三個別搬送動作、第四個別搬送動作を実行し、その後に、装置間包体搬送手段２６３で薬剤包装２５を搬送することで、本体装置２０３側の第二待機位置、第三待機位置、第四待機位置まで薬剤包装２５が搬送される。
【0178】
４つのピックアップ装置５８のそれぞれの下端側に、搬送されるべき薬剤包装２５が全て搬送されると、上記した実施形態と同様に、セット装置内搬送手段５０で薬剤包装２５を搬送する動作が実行される。すなわち、１～４つの薬剤包装２５を本体装置２０３側の待機位置から投薬カレンダー８０の薬剤収容部８２まで搬送する。そして、上記した実施形態と同様に、一つ目の投薬カレンダー８０に対して第一行セット動作が実行される。
【0179】
続いて、上記と同様に、２つ目の投薬カレンダー８０に対する第一行セット動作で使用する薬剤包装２５を搬送する動作が実行され、２つ目の投薬カレンダー８０に対する第一行セット動作が実行される。以下同様に、上記した実施形態と同じく、投薬カレンダーグループに属する全ての投薬カレンダー８０に対し、一つずつ第一行セット動作が実行されていく。
【0180】
このとき、一つの投薬カレンダー８０に対して第一行セット動作を実行しているとき、後で行う他の投薬カレンダー８０に対する第一行セット動作でセットすべき薬剤包装２５を作製する動作が実行される。また、作製した薬剤包装２５を本体装置２０３側の待機位置まで搬送する動作が実行される。すなわち、投薬カレンダー８０に薬剤包装２５をセットする動作、薬剤包装２５を作製する動作、薬剤包装２５を搬送する動作が並行して実行される。
【0181】
このように複数の投薬カレンダー８０に第一行セット動作を実行していくとき、薬包供給装置２０２の四つの第二引き出し部２２２ｂに薬剤包装帯２６を装着する予約セット工程を実行する。
【0182】
この工程では、第一引き出し群２２０ａ乃至第四引き出し群２２０ｄのそれぞれの第二引き出し部２２２ｂに、第二行セット動作でセットする薬剤包装２５が連なる薬剤包装帯２６を装着する。具体的には、第一引き出し群２２０ａの第二引き出し部２２２ｂに装着する同一患者分包帯３０は、投薬カレンダーグループに属するそれぞれの投薬カレンダー８０において、行列の（２，１）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装２５が連なって形成されたものである。同様に、第二引き出し群２２０ｂの第二引き出し部２２２ｂには、投薬カレンダー８０の（２，２）成分に位置する薬剤収容部８２にセットすべき薬剤包装２５が連なって形成された同一患者分包帯３０をセットする。
【0183】
つまり、四つの第二引き出し部２２２ｂにそれぞれ装着される四つの薬剤包装帯２６は、それぞれが同じ行（第二の行）の異なる列にセットさせるべき薬剤包装２５を含む。このとき、それぞれの第二引き出し部２２２ｂには、それぞれが属する引き出し群２２０に対応付けられた列にある薬剤収容部８２セットさせるべき薬剤包装２５を含む薬剤包装帯２６が装着される。
【0184】
そして、投薬カレンダーグループに属する全ての投薬カレンダー８０に対する第一行セット動作が完了すると、既に第一行セット動作が完了した複数の投薬カレンダー８０に対して一つずつ第二行セット動作を実行していく。
【0185】
このとき、薬包供給動作では、第一個別搬送動作乃至第四個別搬送動作により、それぞれ第一引き出し群２２０ａ乃至第四引き出し群２２０ｄの第二引き出し部２２２ｂで作製された薬剤包装２５が搬送される。すなわち、それぞれの個別搬送動作よってそれぞれの第二引き出し部２２２ｂから装置間包体搬送手段２６３まで薬剤包装２５が搬送される。そして、上記と同様に、本体装置２０３に薬剤包装２５が供給される。
つまり、投薬カレンダー８０に第二行セット動作を実行する動作では、それぞれの投薬カレンダー８０に第一行セット動作を実行する動作に比べ、薬剤包装２５を作製する引き出し部２２２であって薬剤包装２５の搬送元となる引き出し部２２２が異なる。
つまり、投薬カレンダー８０に第二行セット動作を実行する動作では、それぞれの投薬カレンダー８０に第一行セット動作を実行する動作に比べ、薬剤包装２５を作製する引き出し部２２２であって薬剤包装２５の搬送元となる引き出し部２２２が異なる。
【0186】
そして、複数の投薬カレンダー８０に第二行セット動作を実行していくとき、薬包供給装置２０２の四つの第一引き出し部２２２ａに薬剤包装帯２６を装着する予約セット工程を実行する。この予約セット工程は、それぞれの第一引き出し部２２２ａに第三行セット動作でセットする薬剤包装２５が連なる薬剤包装帯２６をセットする動作である。
【0187】
すなわち、予約セット工程は、一つ前（実行中）の第α行セット動作の際に使用しなかった４つの第一引き出し部２２２ａと、４つの第二引き出し部２２２ｂのいずれか一方に薬剤包装帯２６を装着する工程である。また、この際、それぞれの引き出し部２２２には、続いて行う第α行セット動作でセットするべき薬剤包装２５が連なる薬剤包装帯２６が装着される。そして、それぞれの引き出し部２２２に装着される薬剤包装帯２６は、その引き出し部に対応付けられた列に位置する薬剤収容部８２に収容する薬剤包装２５を含む。
【0188】
以上の動作及び工程を繰り返すことで、全ての投薬カレンダー８０のそれぞれに、セットさせるべき全ての薬剤包装２５がセットされた状態となる。すなわち、投薬カレンダーグループが形成される。
【0189】
上記した実施形態では、薬剤セット装置２０１の右側に薬包供給装置２０２を位置させたが（図２８参照）、これに限らず、薬剤セット装置２０１の左側に位置させてもよい。
また、上記した実施形態では、向かって左側に薬剤包装帯２６を繰り出したが、図３２で示されるように、右側に向かって繰り出してもよい。このとき、薬剤包装帯２６は、時計回りに巻いてもよく（図３２（ａ）参照）、反時計回りに巻いてもよい（図３２（ｂ）参照）。薬剤セット装置２０１の右側に薬包供給装置２０２を位置させるときに反時計回りに巻いてもよく、左側に位置させるときに時計回りに巻いてもよい。いずれの巻き方でも、図３２で示されるように、薬剤包装帯２６のうち、印刷された部分が引き出し部の手前側に位置するように巻くことが好ましい。
また、上記した実施形態では、向かって左側に薬剤包装帯２６を繰り出したが、図３２で示されるように、右側に向かって繰り出してもよい。このとき、薬剤包装帯２６は、時計回りに巻いてもよく（図３２（ａ）参照）、反時計回りに巻いてもよい（図３２（ｂ）参照）。薬剤セット装置２０１の右側に薬包供給装置２０２を位置させるときに反時計回りに巻いてもよく、左側に位置させるときに時計回りに巻いてもよい。いずれの巻き方でも、図３２で示されるように、薬剤包装帯２６のうち、印刷された部分が引き出し部の手前側に位置するように巻くことが好ましい。
【0190】
上記した実施形態では、薬剤包装帯２６にヘッダ部２８を設けたが、薬剤包装帯２６には必ずしもヘッダ部２８を設けなくてもよい。この場合、薬剤包装帯２６に属するそれぞれの薬剤包装２５に、上記したコードを付してもよい。そして、薬剤包装２５からコードや文字を読み取り、この読み取った情報に基づいて、供給部特定動作を実行してもよい。また、ヘッダ部２８の他、作製した薬剤包装帯２６のいずれかの部分に上記した薬剤情報表示３３を付してもよい。
【0191】
上記した実施形態では、薬剤セット具として、投薬カレンダー８０を採用した例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、薬剤セット具は、図３３で示される配薬トレイ３８０（薬剤セット具）であってもよい。
【0192】
配薬トレイ３８０は、上方が開放された容器であり、内側空間が仕切り部材３８０ａによって２８の小空間３８２（薬剤収容部）に区画されており、それぞれの小空間３８２が、薬剤包装２５をセットする場所（部分）となる。この配薬トレイ３８０は、複数の小空間３８２が、平面視において行列状（マトリックス状）に分布されている。
【0193】
この配薬トレイ３８０は、上記した投薬カレンダー８０と同様に、異なる患者に処方された服用時期が同じ薬剤をそれぞれに内包した複数の薬剤包装２５を収容するものでもよい。また、一人の患者に処方された服用時期が異なる薬剤をそれぞれに内包した複数の薬剤包装２５を収容するものでもよい。さらには、複数の小空間３８２の行毎に異なる患者に割り当てられ、列毎に異なる服用時期に割り当てられたものでもよい。
すなわち、配薬トレイ３８０は、上記した投薬カレンダー８０と同様に、それぞれの小空間３８２にセットすべき一又は複数の薬剤包装２５をセットするものである。
すなわち、配薬トレイ３８０は、上記した投薬カレンダー８０と同様に、それぞれの小空間３８２にセットすべき一又は複数の薬剤包装２５をセットするものである。
【0194】
続いて、このような配薬トレイ３８０に対して薬剤包装２５をセットする薬剤セットシステム１について、以下で詳細に説明する。
【0195】
本発明の第三実施形態に係る薬剤セットシステム３０１は、図３４で示されるように、薬剤払出装置２と、薬剤セット装置３０３を有する。
薬剤セット装置３０３は、セット具供給装置３１０と、セット具収容装置３１１と、薬剤セット部３１２と、搬送コンベア３１３と、トレイ受取装置３１４を備えている。
薬剤セット装置３０３は、セット具供給装置３１０と、セット具収容装置３１１と、薬剤セット部３１２と、搬送コンベア３１３と、トレイ受取装置３１４を備えている。
【0196】
セット具供給装置３１０は、複数の配薬トレイ３８０を縦に重ねた状態でそれぞれを保持可能な装置であり、配薬トレイ３８０を一つずつセット具収容装置３１１に供給可能な装置である。
セット具収容装置３１１は、左側内部が第一セット具収容部３１１ａであり、右側内部が第二セット具収容部３１１ｂとなっている。搬送コンベア３１３は、第二セット具収容部３１１ｂからセットさせるべき薬剤包装２５が全てセットされた配薬トレイ３８０をトレイ受取装置３１４まで搬送する。トレイ受取装置３１４は、それぞれに薬剤包装２５がセットされた複数の配薬トレイ３８０を縦に重ねた状態でそれぞれを保持可能な装置であり、配薬トレイ３８０の取り出しが可能なものとなっている。
セット具収容装置３１１は、左側内部が第一セット具収容部３１１ａであり、右側内部が第二セット具収容部３１１ｂとなっている。搬送コンベア３１３は、第二セット具収容部３１１ｂからセットさせるべき薬剤包装２５が全てセットされた配薬トレイ３８０をトレイ受取装置３１４まで搬送する。トレイ受取装置３１４は、それぞれに薬剤包装２５がセットされた複数の配薬トレイ３８０を縦に重ねた状態でそれぞれを保持可能な装置であり、配薬トレイ３８０の取り出しが可能なものとなっている。
【0197】
この薬剤セットシステム３０１では、薬剤払出装置２から薬剤セット部３１２に薬剤包装２５が供給される。一方、第一セット具収容部３１１ａから薬剤セット部３１２に配薬トレイ３８０が供給される。そして、配薬トレイ３８０に対し、セットする必要がある薬剤包装２５を一部のみセットする一部セット動作が実行される。そして、薬剤包装２５をセットした配薬トレイ３８０を第二セット具収容部３１１ｂに搬送する。すなわち、薬剤セットシステム３０１は、薬剤払出装置２から薬剤セット部３１２まで薬剤包装２５を搬送する搬送装置と、薬剤包装２５を配薬トレイ３８０にセットさせる搬送装置（ピックアップ装置）と、薬剤払出装置２から第二セット具収容部３１１ｂに配薬トレイ３８０を搬送する搬送装置を有する。
【0198】
第一セット具収容部３１１ａ、第二セット具収容部３１１ｂもまた複数の配薬トレイ３８０を縦に重ねた状態でそれぞれを保持可能な装置となっている。そして、上端近傍には、第二セット具収容部３１１ｂから第一セット具収容部３１１ａに配薬トレイ３８０を移動させる装置が設けられている。
【0199】
以上のことから、本実施形態の薬剤セットシステム３０１は、上記した実施形態の様に、複数の配薬トレイ３８０を循環移動させながら、一つ一つに一部セット動作を実行し、これを繰り返すことで、複数の配薬トレイ３８０のそれぞれにセットさせるべき薬剤包装２５をセットさせる動作が可能となっている。
【0200】
つまり、薬剤セット部３１２から第二セット具収容部３１１ｂに搬送された配薬トレイ３８０は、先行して一部セット動作がなされたものがより上側となるように、積みあがっていく。そして、積み上げられた配薬トレイ３８０のうち、最も上側に位置するものが第一セット具収容部３１１ａに搬送される。
【0201】
また、第一セット具収容部３１１ａでは、積み上げられた配薬トレイ３８０のうち、最も下側に位置するものが薬剤セット部３１２に供給される。そして、配薬トレイ３８０に積み上げられた配薬トレイ３８０は、それぞれが下方に移動する。
【0202】
なお、図３５のように、上記した薬剤セットシステム３０１において、薬剤払出装置２に替えて薬包供給装置２０２を設け、一つの薬剤セット装置４０１としてもよい。なお、上記した薬剤セット装置３０３は、この薬剤セット装置４０１の本体装置となる。
【符号の説明】
【0203】
３，２０１，３０３，４０１；薬剤セット装置、２５；薬剤包装、２６；薬剤包装帯、２８；ヘッダ部（付属部分）３３；薬剤情報表示、８０，８０ａ，８０ｂ，１００，１０１；投薬カレンダー（薬剤セット具）、８２；薬剤収容部、８３；電子ペーパー（情報表示部）、９８；包装体セット領域、２２０；引き出し群（包装供給部群）、２２２；引き出し部（薬剤包装供給部）、２２６；個別搬送手段（上流側搬送部）、３８０；配薬トレイ（薬剤セット具）、３８２；小空間（薬剤収容部）
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】