(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】光源ユニット、及び、照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20241220BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20241220BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241220BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241220BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241220BHJP
【FI】
F21V19/00 510
F21S8/04 110
F21S2/00 233
F21V23/00 120
F21V23/00 160
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2023180476
(22)【出願日】2023-10-19
(62)【分割の表示】P 2019079160の分割
【原出願日】2019-04-18
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】覚野 吉典
(72)【発明者】
【氏名】武田 勝裕
(72)【発明者】
【氏名】今岡 善秀
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-026942(JP,A)
【文献】中国実用新案第204372729(CN,U)
【文献】特開2002-109912(JP,A)
【文献】中国実用新案第207750864(CN,U)
【文献】国際公開第2019/207932(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 8/04
F21S 2/00
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体に着脱自在に取り付けられる光源ユニットであって、
前記器具本体から供給される電力を受けるための口金と、
前記口金に接続された電源ユニットと、
前記電源ユニットを収容する回路ケースと、
前記回路ケースを囲む枠状の発光モジュールであって、前記電源ユニットからの電力により発光する発光モジュールと、
前記回路ケースを覆う第1カバー部と、前記第1カバー部と離隔して配置された、前記発光モジュールを覆う枠状の第2カバー部と、前記第1カバー部及び前記第2カバー部を連結する第3カバー部とを有する透光性のカバーとを備え、
前記光源ユニットは、人の指を入れることができる開口を有し、
前記第1カバー部は、前記第2カバー部及び前記第3カバー部より前記器具本体と反対側に位置
し、
前記第3カバー部は、前記第1カバー部と前記器具本体とが並ぶ方向に対して、斜め方向に延在する
光源ユニット。
【請求項2】
前記開口は、2以上形成されている
請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記開口は、3つ形成されている
請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記開口の大きさは、JISC 0920で規定するテストフィンガーが3本以上入る大きさである
請求項1~3のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記開口の大きさは、前記テストフィンガーが4本入る大きさである
請求項4に記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記開口の形状は、前記光源ユニットの光軸から見た場合、アーチ状である
請求項1~5のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項7】
前記口金から前記器具本体側に突出して設けられ、前記開口を介して視認可能な電極ピンを備える
請求項1~6のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項8】
2以上の前記開口は、前記光源ユニットの光軸から見た場合、前記第1カバー部と、前記第2カバー部との間に配置される
請求項2又は3に記載の光源ユニット。
【請求項9】
2以上の前記開口は、前記光源ユニットの前記光軸から見た場合、前記第1カバー部と、前記第2カバー部と、前記第3カバー部とに囲まれて形成される
請求項8に記載の光源ユニット。
【請求項10】
2以上の前記開口は、前記光源ユニットの光軸から見た場合、前記第1カバー部を囲むように配置される
請求項2、3、8又は9のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項11】
前記発光モジュールは、前記口金より前記器具本体側に配置されている
請求項1~10のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の光源ユニットと、
前記器具本体とを備える
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具本体に着脱自在に取り付けられる光源ユニット、及び、当該光源ユニットを備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の電極ピンを備えたいわゆるGX53形の口金を用いた光源ユニットが知られている。この光源ユニットは、造営材等に取り付けられた器具本体が有するソケットに電極ピンを挿入することで、ソケットに対する光源ユニットの支持と電気的な接続とを同時に実現している。
【0003】
光源ユニットは、給電用の点灯回路と、当該点灯回路からの電力により発光する光源とを備える。特許文献1には、点灯回路と光源とが分離して配置された光源ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光源ユニットは、組み立て時及び交換時における作業性が向上されることが望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、組み立て時及び交換時における作業性が向上された光源ユニット、及び、照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る光源ユニットは、器具本体に着脱自在に取り付けられる光源ユニットであって、前記器具本体から供給される電力を受けるための口金と、前記口金に接続された電源ユニットと、前記電源ユニットを収容する回路ケースと、前記回路ケースを囲む枠状の第1発光モジュールであって、前記電源ユニットからの電力により発光する第1発光モジュールと、前記回路ケースを覆う第1カバー部と、前記第1カバー部と離隔して配置された、前記第1発光モジュールを覆う枠状の第2カバー部と、前記第1カバー部及び前記第2カバー部を連結する第3カバー部とを有する透光性のカバーとを備え、前記第1発光モジュールは、前記光源ユニットが前記器具本体に取り付けられた状態で、前記回路ケースより前記器具本体側に位置しており、前記第1カバー部、前記第2カバー部、及び、前記第3カバー部は、一体成形品である。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る光源ユニットは、器具本体に着脱自在に取り付けられる光源ユニットであって、前記器具本体から供給される電力を受けるための口金と、前記口金に接続された電源ユニットと、前記電源ユニットを収容する回路ケースと、前記回路ケースを囲む枠状の発光モジュールであって、前記電源ユニットからの電力により発光する発光モジュールと、前記回路ケースを覆う第1カバー部と、前記第1カバー部と離隔して配置された、前記発光モジュールを覆う枠状の第2カバー部と、前記第1カバー部及び前記第2カバー部を連結する第3カバー部とを有する透光性のカバーとを備え、前記光源ユニットは、人の指を入れることができる開口を有する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る照明器具は、上記の光源ユニットと、前記器具本体とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、組み立て時及び交換時における作業性が向上された光源ユニット、及び、照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の構成を示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る光源ユニットの器具本体と反対側の外観を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る光源ユニットの器具本体側の外観を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る回路カバー及び回路ケースにおける配線のかみ込みを防止するための構造を説明するための図である。
【
図7】実施の形態1に係る第1本体部及び固定板における配線のかみ込みを防止するための構造を説明するための図である。
【
図8】実施の形態1に係る光源カバー及び第2本体部における配線のかみ込みを防止するための構造を説明するための図である。
【
図9】実施の形態1に係る基板に配線が配置された様子を示す図である。
【
図10】実施の形態1に係る光源ユニットの断面図である。
【
図11】実施の形態2に係る光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の実施の形態に係る光源ユニット、及び、照明器具について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。
【0014】
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。Z軸のマイナス側が設置面側(例えば、天井側)、Z軸のプラス側が設置面と反対側であり、例えば、照射面側を表している。また、X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に垂直な平面上において、互いに直交する方向である。X-Y平面は、例えば、器具本体が設置される造営材と平行な平面である。例えば、以下の実施の形態において、「平面視」とは、Z軸方向から見ることを意味する。
【0015】
また、本明細書において、平行などの要素間の関係性を示す用語、及び、円環状、アーチ状などの要素の形状を示す用語、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0016】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係る光源ユニット200を備える照明器具10について、
図1~
図10を参照しながら説明する。
【0017】
[1.照明器具の構成]
図1は、本実施の形態に係る照明器具10の外観を示す斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る照明器具10の構成を示す分解斜視図である。
【0018】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態に係る照明器具10は、器具本体100と、光源ユニット200と、器具カバー300(例えば、グローブ)とを備える。照明器具10は、造営材等の設置面(例えば、天井600又は壁)に設置される。照明器具10は、例えば、マンションの共用通路の天井600又は壁などの、外部環境に曝される場所に設置される。
【0019】
器具本体100は、設置面に設置され、光源ユニット200が着脱自在に取り付けられる本体部である。器具本体100は、商用電源(図示しない)と配線(図示しない)を介して電気的に接続されている。
【0020】
器具本体100は、ソケット110を有する。ソケット110は、光源ユニット200を固定し、かつ、光源ユニット200が発光するための電力を供給する。ソケット110には開口111が形成されており、当該開口111に光源ユニット200の電極ピン231(
図4の参照)が挿通された状態でソケット110に対して光源ユニット200を回転させることで、ソケット110に光源ユニット200が取り付けられる。
【0021】
器具本体100は、例えば、樹脂材料又は金属材料から構成される。
【0022】
光源ユニット200は、ソケット110から電力の供給を受けて発光する。光源ユニット200は、ソケット110に着脱自在に取り付けられる。電源ユニット232(
図5参照)及び口金230a(
図4参照)が配置される電源部200aと、電源部200aを囲む発光部200bと、電源部200a及び発光部200bを接続する連結部200cとを有する。また、光源ユニット200には、開口200dが形成されている。本実施の形態に係る光源ユニット200は、電源部200aと発光部200bとが離隔して配置される。そして、少なくとも1つの連結部200cの内部に電源部200aから発光部200bに電力を供給するための配線235(
図5参照)が配置される。光源ユニット200の詳細は、後述する。
【0023】
器具カバー300は、透光性の部材により形成されており、光源ユニット200から発せられた光を透過する。器具カバー300は、光源ユニット200を覆うように、器具本体100に着脱自在に取り付けられる。器具カバー300は、光源ユニット200から発せられた光を拡散する機能を有していてもよい。例えば、シリカもしくは炭酸カルシウムなどの光拡散材(微粒子)を含有する樹脂、又は、白色顔料を、透明なガラス又は樹脂で形成された器具カバー300の内面又は外面に付着させることで、乳白色の光拡散膜が器具カバー300に形成される。また、器具カバー300そのものが、光拡散材が分散された樹脂材料等を用いて成形されてもよい。
【0024】
[2.光源ユニットの構成]
次に、光源ユニット200について、さらに
図3~
図5を参照しながら説明する。
図3は、本実施の形態に係る光源ユニット200の器具本体100と反対側の外観を示す斜視図である。
図4は、本実施の形態に係る光源ユニット200の器具本体100側の外観を示す斜視図である。
図5は、本実施の形態係る光源ユニット200の構成を示す分解斜視図である。
【0025】
図3~
図5に示すように、光源ユニット200は、本体部210と、発光モジュール220と、回路部230と、回路カバー240と、固定板250と、光源カバー260(例えば、グローブ)とを有する。
【0026】
[2-1.本体部]
本体部210は、発光モジュール220と、回路部230と、固定板250と、光源カバー260とを支持するための支持部材である。具体的には、本体部210は、平面視において、中央部に配置された第1本体部211と、当該第1本体部211を囲む第2本体部212であって、当該第1本体部211と離隔して配置される第2本体部212と、第1本体部211と第2本体部212とを連結する第1連結部213とを有する。
【0027】
第1本体部211は、回路部230を支持するための部分である。第1本体部211は、中央に回路部230を配置するための開口211aが形成されている。また、第1本体部211は、係止部211bと、底面部211cと、底面部211cから突出して設けられた、固定板250を支持するための側面部211d1と、側面部211d1の一部からZ軸プラス側に突出するリブ211d2とを有する。第1本体部211の平面視形状は、環状(例えば、円環状)である。第1本体部211は、後述する光源カバー260の第1カバー部261に覆われる。なお、底面部211cは、第2底面部の一例であり、側面部211d1は、第2側面部の一例である。
【0028】
第2本体部212は、発光モジュール220を支持するための部分である。第2本体部212は、平面視において、第1本体部211を囲む環状の部材である。本実施の形態では、第2本体部212は、平面視において、円環状の第1本体部211を囲む円環状である。第1本体部211及び第2本体部212は、例えば、同心円状に形成される。また、本実施の形態では、第2本体部212は、第1本体部211より器具本体100側に配置される。なお、第2本体部212が第1本体部211より器具本体100側に配置されるとは、第2本体部212の少なくとも一部が第1本体部211より器具本体100側に配置されていることを意味する。第2本体部212は、後述する光源カバー260の第2カバー部262に覆われる。
【0029】
第1連結部213は、第1本体部211と第2本体部212とを連結するための部分である。第1連結部213は、平面視において、第1本体部211から第2本体部212に延在する矩形状である。本実施の形態では、3つの第1連結部213が互いに離隔して配置される。つまり、第1連結部213は、環状ではない。なお、第1連結部213の形状及び数は、上記に限定されない。第1連結部213は、後述する光源カバー260の第2連結部263に覆われる。
【0030】
本実施の形態では、第1本体部211と第2本体部212とはZ軸方向の位置が異なるので、第1連結部213は、Z軸に対して所定の角度で延在する。所定の角度は、0°より大きく、かつ、90°より小さい角度である。つまり、第1連結部213は、斜め方向に延在する。
【0031】
このように形成された本体部210には、開口213aが形成される。本実施の形態では、3つの開口213aが形成される。開口213aは、第1本体部211及び第2本体部212が隔離しており、かつ、第1連結部213が互いに離隔して配置されることにより形成される。開口213aは、例えば、人の指が入る程度の大きさであるとよい。これにより、例えば、光源ユニット200を持つときに、開口213aに指を入れて第1本体部211をつかむことができる。よって、光源ユニット200を器具本体100に取り付けるときの作業性が向上する。なお、指が入る程度の大きさとは、例えば、JIS C 0920(IEC60529)で規定されたテストフィンガーが入る程度の大きさである。例えば、指が入る程度の大きさとは、例えば、上記のテストフィンガーが3本又は4本入る程度の大きさである。例えば、平面視における開口213aの大きさは、例えば、径方向の長さが2cm~2.5cm、周方向の長さが8cm~10cm程度である。なお、周方向の長さは、例えば、アーチ状の開口213aにおける周方向の長さの中央値である。
【0032】
第1連結部213には、配線235を保持するための保持部214が形成されている。保持部214は、2以上の突条のリブを有する。配線235は、突条のリブの間の溝214b(
図7参照)にはめこまれる。保持部214は、少なくとも1つの第1連結部213に形成されていればよい。
【0033】
また、第1連結部213には、光源カバー260側(Z軸プラス側)の面に目印213bが形成される。当該目印213bは、光源カバー260を本体部210に取り付けるときの光源カバー260の向きを示す。目印213bは、平面視において、2個の電源ピン231のうち一方の電源ピン231と同一の方向に位置する第1連結部213に形成される。同一の方向とは、平面視において、光源ユニット200の中心に対する方向を意味する。本実施の形態では、電源ピン231の一方は、
図4に示すように、光源ユニット200の中心に対してX軸プラス側に配置されており、かつ、目印213bは、
図5に示すように、光源ユニット200の中心に対してX軸プラス側に配置されている。この場合、X軸プラス方向が同一の方向である。
【0034】
なお、目印213bは、2個の電源ピン231のうちの一方の電源ピン231と同一の方向に位置する第1連結部213に形成されていることに限定されず、少なくとも1つの第1連結部213に形成されていればよい。例えば、目印213bは、保持部214が形成されていない第1連結部213に形成されてもよい。
【0035】
本体部210は、樹脂などの絶縁材料で形成されている。本体部210は、例えば、樹脂成形品である。第1本体部211、第2本体部212、及び、第1連結部213を有する本体部210は、一体成形品である。本体部210は、発光素子222からの光により本体部210から臭素等のガスが発生することを抑制する観点から、PBT(Polybutylene Terephthalate)以外の樹脂で形成されるとよい。本体部210は、例えば、ポリカーボネート等により形成されとよい。
【0036】
なお、本実施の形態では、本体部210と回路部230とを別部材としたが、光源ユニット200の特性仕様によってはこれに限定されず、本体部210と回路部230とは、一体成型品でもよい。
【0037】
[2-2.発光モジュール]
発光モジュール220は、例えば白色光を発するための光源である。白色光とは、例えば、色温度(相関色温度)が2600K~7100Kの光である。発光モジュール220は、第2本体部212上に取り付けられる。発光モジュール220は、回路部230(例えば、回路ケース233)を囲む環状に設けられる。発光モジュール220は、複数の基板221と、複数の基板221の各々に実装された複数の発光素子222とを有する。
【0038】
基板221は、複数の発光素子222を実装するためのプリント配線基板であり、アーチ状に形成されている。複数の基板221は、第1本体部211を囲むように第2本体部212に締結部材271(例えば、ネジであり、
図9参照)により取り付けられる。なお、本実施の形態では発光モジュール220は3つの基板221から構成されている例について説明するが、基板221の数はこれに限定されない。また、基板221の形状は、アート状に限定されない。
【0039】
基板221としては、例えば、樹脂をベースとする樹脂基板、金属をベースとするメタルベース基板、セラミックからなるセラミック基板等を用いることができる。また、基板221は、リジッド基板に限定されず、フレキシブル基板であってもよい。
【0040】
複数の発光素子222は、基板221の周方向に配置されている。本実施の形態では、複数の発光素子222は、基板221の周方向に3列配置されている。本実施の形態では、3列の発光素子列は、円環状である。また、各列において、複数の発光素子222は、基板221の周方向に等間隔ごとに配置される。
【0041】
発光素子222の各々は、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の白色LED素子である。すなわち、発光素子222の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有されている。
【0042】
このように、発光素子222の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB-Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして発光素子222の各々から白色光が出射される。
【0043】
発光モジュール220は、電源ユニット232からの電極により発光する。発光モジュール220は、第1発光モジュールの一例である。
【0044】
なお、照明器具10の光源は、特に限定されるものではない。例えば、発光モジュール220の代わりに、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL素子(OLED)、無機EL素子、又は、その他の固体発光素子を用いて構成された発光モジュールが用いられてもよい。また、発光モジュール220は白色光を発光する例について説明したが、発光色はこれに限定されない。
【0045】
発光モジュール220は、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、回路部230(例えば、回路ケース233)より器具本体100(つまり、設置面)に近い位置に配置される。発光モジュール220は、例えば、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、口金230aより器具本体100側に配置されてもよい。発光モジュール220が器具本体100側に配置されていることで、照明効果を高めることができる。なお、発光モジュール220が回路部230より器具本体100側に配置されるとは、発光モジュール220の少なくとも一部が回路部230より器具本体100側に配置されていることを意味する。
【0046】
[2-3.回路部、回路カバー、及び、固定板]
回路部230は、光源ユニット200が発光するための電力を生成し、光源ユニット200に供給する。回路部230は、電極ピン231と、電源ユニット232と、回路ケース233とを有する。また、回路ケース233の設置面側(Z軸マイナス側)に、ソケット110に装着される口金230aが設けられている。回路ケース233の設置面側が口金230aの一部として構成されている。口金230aは、器具本体100から供給される電力を受けるための部材である。
【0047】
電極ピン231は、口金230aから突出して設けられ、光源ユニット200を発光させるための電力を器具本体100から受電する電源受電用のピンである。本実施の形態では、電極ピン231は、口金230aから突出して形成される径小部と径小部の先端に配置され径小部より径が大きい径大部とから構成される。口金230aは、例えば、GX53形の口金である。
【0048】
なお、口金230aは、GX形の口金に限定されず、例えば、E形の口金、引っかけシーリングの口金などであってもよい。また、電極ピン231の数は、2個に限定されない。
【0049】
電源ユニット232は、基板232aと、基板232aに実装された複数の回路部品232bとを有する。電源ユニット232は、口金230a(具体的には、電極ピン231)と接続されている。
【0050】
基板232aは、複数の回路部品232bを実装するためのプリント配線基板である。基板232aは、例えば、複数の回路部品232bが設置面と反対側を向くようにして、回路ケース233に収容されている。
【0051】
複数の回路部品232bのそれぞれは、光源ユニット200を発光させるための電力を生成するための回路を構成する電源用回路部品である。複数の回路部品232bは、上述した商用電源から配線を介して供給されてきた交流電力を直流電力に変換する。複数の回路部品232bで生成された直流電力が発光モジュール220に供給されることにより、発光モジュール220が発光する。
【0052】
複数の回路部品232bのそれぞれは、基板232aの設置面とは反対側の面に実装されているが、これに限定されない。なお、基板232aと回路ケース233との間における配線235のかみ込みを抑制する観点から、複数の回路部品232bのそれぞれが、基板232aの設置面とは反対側の面に実装されているとよい。
【0053】
なお、複数の回路部品232bには、上述した電源用回路部品だけでなく、その他の回路を構成する回路部品が含まれていてもよい。例えば、複数の回路部品232bは、調光回路又は昇圧回路等を構成する駆動用回路部品を含んでいてもよく、あるいは、通信回路を構成する通信用回路部品(通信モジュール)等を含んでいてもよい。
【0054】
回路ケース233は、底面部233a1と底面部233a1の周囲から設置面と反対側に突出する側面部233a2とを有する有底筒状の第1ケース部233a、及び、第1ケース部233aの側面部233a2(例えば、側面部233a2の先端)からフランジ状に突出する底面部233b1と底面部233b1の周囲から設置面と反対側に突出する側面部233b2とを有する第2ケース部233bを有する。底面部233a1の平面視形状は、例えば、円形であり、底面部233b1の平面視形状は、例えば、円環状である。また、回路ケース233内に、電源ユニット232が収容される。なお、底面部233b1は、フランジ部の一例である。
【0055】
第1ケース部233aには、電源ユニット232から発光モジュール220に電力を供給するための配線が挿通される開口233a3が形成されている。当該開口233a3は、後述する回路カバー240によって覆われる。また、電極ピン231は、例えば、底面部233b1から突出して設けられる。第1ケース部233aは、ケース部の一例である。
【0056】
また、第2ケース部233bの側面部233b2には、第1本体部211に設けられた係止部211bに引っかかって取り付けられる爪部233cが設けられる。言い換えると、回路ケース233は、第1本体部211に着脱自在に取り付けられる。これにより、例えば、取り付ける器具本体100のソケット110の種類(GX53形ソケット、E形ソケットなど)に応じて、適宜ソケット110を取り替えることができる。なお、回路ケース233の形状は、上記に限定されない。
【0057】
回路ケース233は、例えば、樹脂などの絶縁材料で形成されている。回路ケース233は、例えば、本体部210とは異なる樹脂で形成されている。回路ケース233は、例えば、回路ケース233の耐熱性を向上させる観点から、PBTで形成されるとよい。なお、回路ケース233の少なくとも一部は、金属で形成されていてもよい。これにより、基板232a及び複数の回路部品232bで発生した熱を効率よく放熱することができる。
【0058】
回路カバー240は、第1ケース部233aの開口233a3を覆うカバーである。回路カバー240は、例えば、底面部241と底面部241の周囲(外周部)から設置面側に突出する側面部242とを有する有底筒状のカバーである。底面部241は、平面視において、底面部233a1より大きく、かつ、底面部233b1より小さい。そのため、回路カバー240は、底面部233b1上に載置されることで、開口233a3を覆う。なお、底面部241は、第1底面部の一例であり、側面部242は、第1側面部の一例である。
【0059】
回路カバー240は、例えば、樹脂などの絶縁材料で形成されている。回路カバー240は、例えば、回路ケース233と同じ樹脂で形成されている。回路カバー240は、例えば、回路カバー240の耐熱性を向上させる観点から、PBTで形成されるとよい。
【0060】
ここで、基板232aから光源ユニット200まで延設される配線235における回路ケース233と回路カバー240との間のかみ込み(線かみ)について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施の形態に係る回路カバー240及び回路ケース233における配線235のかみ込みを防止するための構造を説明するための図である。
図6は、回路部230及び回路カバー240の一部のみを示す拡大斜視図である。
【0061】
図6に示すように、回路ケース233の底面部233b1には、配線235を保持するための保持部234が形成されている。具体的には、保持部234は、開口233a3(
図5参照)から第1連結部213(
図5参照)に向けて延設した突条のリブ234aと、当該リブ234aに挟まれた溝234bとを有する。本実施の形態では、リブ234aは、3つ設けられている。溝234bは、開口233a3から第1連結部213に向けて延在する。例えば、溝234bに配線235が圧入される。1つ溝234bには、1つの配線235が配置される。これにより、配線235を固定することができる。なお、保持部234は、第1保持部の一例である。
【0062】
また、回路カバー240の側面部242における、保持部234に対応する位置には、切り欠き243が形成されている。具体的には、側面部242は、回路カバー240を底面部233b1に載置したときに保持部234が配置されている位置に切り欠き243を有する。そのため、回路カバー240が底面部233b1に載置された状態で、保持部234と側面部242とは接触しない。具体的には、リブ234aと側面部242とは接触しない。
【0063】
切り欠き243は、配線235が保持部234から乗りあげた状態で、配線235が回路ケース233及び回路カバー240によりかみ込みが発生しない程度の大きさであるとよい。切り欠き243は、例えば、保持部234(例えばリブ234a)と側面部242との間の距離が配線235それぞれの幅W(例えば、直径)の合計値より大きくなるように設けられるとよい。本実施の形態では、配線235は2本であるので、切り欠き243は、リブ234aと側面部242との間の距離が、2本の配線235の幅Wの合計値より大きいとよい。例えば、リブ234aの上面234a1(設置面と反対側の面)と切り欠き243が形成された側面部242の下面244との距離D1、及び、最外に配置されたリブ234aの側面234a2と切り欠き243が形成された側面部242の側面245との間の距離D2のそれぞれは、2本の配線235の幅Wの合計値より大きいとよい。
【0064】
切り欠き243は、例えば、矩形状の切り欠きであるが、これに限定されない。また、切り欠き243は、第1切り欠きの一例である。
【0065】
図5を再び参照して、固定板250は、回路部230を本体部210に固定するための板状の部材である。固定板250は、本体部210と接触して配置される。具体的には、固定板250は、平面視形状が円形状であり、第1本体部211から設置面と反対側に突出する環状の側面部211d1と接触して配置される。より具体的には、固定板250は、固定板250の切り欠き251が側面部211d1の一部からZ軸プラス側に突出するリブ211d2にはめ合わされることにより、本体部210に対して固定される。そして、固定板250は、貫通孔252を介して、締結部材270(例えば、ネジ)により回路部230(具体的には、回路ケース233)に締結される。
【0066】
これにより、爪部233c及び係止部211bで本体部210に固定された回路部230をより強固に本体部210に固定することができる。
【0067】
固定板250は、例えば、金属により形成される。固定板250は、例えば、アルミニウムにより形成される。なお、固定板250は、樹脂により形成されてもよい。
【0068】
ここで、配線235における固定板250と本体部210(具体的には、第1本体部211)との間のかみ込みについて、
図7を参照しながら説明する。
図7は、本実施の形態1に係る第1本体部211及び固定板250における配線235のかみ込みを防止するための構造を説明するための図である。
図7は、第1本体部211、第1連結部213、及び、固定板250の一部のみを示す拡大斜視図である。
【0069】
図7に示すように、第1本体部211及び第1連結部213には、配線235を保持するための保持部214が形成されている。具体的には、保持部214は、第1本体部211(例えば、底面部211c)から第2本体部212に向けて延設した突条のリブ214aと、当該リブ214aに挟まれた溝214bとを有する。本実施の形態では、リブ214aは、3つ設けられている。溝214bは、第1本体部211から第2本体部212に向けて延在する。溝214bには、配線235が配置される。1つ溝214bには、1つの配線235が配置される。これにより、配線235を固定することができる。保持部214は、第2保持部の一例である。
【0070】
また、第1本体部211の側面部211d1における、保持部214に対応する位置には、切り欠き211eが形成されている。具体的には、側面部211d1は、固定板250を側面部211d1に載置したたときに保持部214が配置されている位置に切り欠き211eを有する。切り欠き211eは、保持部214が形成される位置に設けられる第1切り欠き部211fと、第1切り欠き部211fより固定板250側に設けられ、かつ、第1切り欠き部211fの幅W1より大きい幅W2を有する第2切り欠き部211gとを有する。これにより、固定板250が側面部211d1に載置された状態で、保持部214と固定板250とは接触しない。
【0071】
第2切り欠き部211gは、配線235が側面部211d1の第2切り欠き部211gにより形成される上面211hに乗りあげた状態で、配線235が上面211h及び固定板250の下面253によりかみ込みが発生しない程度の大きさであるとよい。第2切り欠き部211gは、例えば、上面211hと下面253との間の距離D3が配線235それぞれの幅Wの合計値より大きいとよい。本実施の形態では、配線235は2本であるので、第2切り欠き部211gは、例えば、距離D3が2本の配線235の幅Wの合計値より大きいとよい。第2切り欠き部211gは、例えば、矩形状の切り欠きであるが、これに限定されない。なお、第2切り欠き部211gは、第2切り欠きの一例である。
【0072】
[2-4.光源カバー]
図3及び
図5を再び参照して、光源カバー260は、発光モジュール220及び回路部230を覆う透光性のカバーである。光源カバー260は、平面視において、回路部230(例えば、回路ケース233)を覆う第1カバー部261と、第1カバー部261と離隔して配置された、発光モジュール220を覆う枠状の第2カバー部262と、第1カバー部261と第2カバー部262とを連結する第2連結部263とを有する。本実施の形態では、光源カバー260が発光モジュール220を有していない回路部230を覆う点に構造上の特徴を有する。
【0073】
第1カバー部261は、平面視において、円形状であり、回路部230を覆う。本実施の形態では、第1カバー部261は、回路部230の上に配置された固定板250を覆う。第1カバー部261は、例えば、平坦な平坦部261aを有する。平坦部261aは、例えば、固定板250と平行な面である。
【0074】
第2カバー部262は、平面視において、第1カバー部261を囲む環状の部材である。本実施の形態では、第2カバー部262は、円形状の第1カバー部261を囲む円環状である。第1カバー部261及び第2カバー部262は、例えば、同心円状に形成される。また、本実施の形態では、第2カバー部262は、第1カバー部261より器具本体100側に配置される。
【0075】
第2カバー部262は、例えば、平坦な平坦部262aを有する。平坦部262aは、例えば、基板221と平行な面である。また、平坦部262aは、例えば、平坦部261aと平行な面である。
【0076】
第2連結部263は、平面視において、第1カバー部261から第2カバー部262に延在する矩形状である。例えば、3つの第2連結部263が互いに離間して配置される。つまり、第2連結部263は、環状ではない。なお、第2連結部263の形状及び数は、上記に限定されない。第2連結部263は、例えば、2以上設けられる。
【0077】
本実施の形態では、第2連結部263は、第1連結部213を覆うように配置される。これにより、第1連結部213に配置された配線を保護することができる。なお、第2連結部263は、第3カバー部の一例である。
【0078】
また、第2連結部263は、発光モジュール220からの光を第1カバー部261側に導光する機能を有していてもよい。これにより、発光モジュールを有さない電源部200aが明るくなることで、光源ユニット200からの光の明るさが不均一になることを抑制することができる。つまり、光源ユニット200が照射面を均一に照らすことができる。
【0079】
本実施の形態では、第1カバー部261と第2カバー部262とはZ軸方向の位置が異なるので、第2連結部263は、設置面及びZ軸に対して所定の角度で延在する。所定の角度は、0°より大きく、かつ、90°より小さい角度である。つまり、第2連結部263は、斜め方向に延在する。
【0080】
このように形成された光源カバー260には、開口263aが形成される。本実施の形態では、3つの開口263aが形成される。開口263aは、平面視において、開口213aと位置及び形状が同じである。
【0081】
また、第2連結部263には、本体部210と反対側(Z軸プラス側)の面に目印263bが形成される。目印263bが形成されている第2連結部263と、目印213bが形成されている第1連結部213とが一致するように、光源カバー260の向きを調整して本体部210に取り付けることで、光源カバー260を容易に本体部210に取り付けることができる。また、光源カバー260に目印263bが形成されていことで、ユーザは、光源カバー260に形成されている目印263bとソケット110の開口111との位置とを視認しながら、器具本体100に光源ユニット200を取り付けることができるので、取付作業を容易に行うことができる。
【0082】
光源カバー260は、透光性の部材により形成されており、発光モジュール220から発せられた光を透過する。光源カバー260は、例えば、樹脂成形品である。光源カバー260を構成する第1カバー部261、第2カバー部262、及び、第2連結部263は、一体成形品である。光源カバー260は、例えば、ポリカーボネート等により形成される。
【0083】
また、光源カバー260は、は、発光モジュール220から発せられた光を拡散する機能を有していてもよい。例えば、シリカもしくは炭酸カルシウムなどの光拡散材(微粒子)を含有する樹脂、又は、白色顔料を、透明なガラス又は樹脂で形成された光源カバー260の内面又は外面に付着させることで、乳白色の光拡散膜が光源カバー260に形成される。また、光源カバー260そのものが、光拡散材が分散された樹脂材料等を用いて成形されてもよい。なお、光源カバー260は、カバーの一例である。
【0084】
ここで、基板232aから光源ユニット200まで延設される配線235における光源カバー260と第2本体部212との間のかみ込みについて、
図8及び
図9を参照しながら説明する。
図8は、本実施の形態に係る光源カバー260及び第2本体部212における配線のかみ込みを防止するための構造を説明するための図である。
図9は、本実施の形態に係る基板221に配線235が配置された様子を示す図である。なお、
図8は、第2本体部212の内周部から光源カバー260側(設置面と反対側)に突出した側面部212a、第2カバー部262の側面部262b、及び、第2連結部263の一部のみを示す拡大斜視図である。また、
図9は、光源カバー260を外した状態の、第2本体部212及び第1連結部213の接続部付近を示す拡大斜視図である。
【0085】
図8に示すように、第2カバー部262には、第2カバー部262の内周部から第2本体部212側に突出する環状の側面部262bが形成されている。また、側面部262bにおける、リブ212bに対応する位置には、切り欠き262cが形成されている。具体的には、側面部262bは、光源カバー260を本体部210に取り付けたときにリブ212bが配置されている位置に切り欠き262cを有する。そのため、光源カバー260が本体部210に取り付けられた状態で、リブ212b及び側面部262bは接触しない。側面部262bは、第4側面部の一例であり、切り欠き262cは、第3切り欠きの一例である。
【0086】
また、
図8及び
図9に示すように、第2本体部212は、第2本体部212の内周部から第2カバー部262側(設置面と反対側)に突出する環状の側面部212a、及び、当該側面部212aのうち第1連結部213が連結される位置に、さらに第2カバー部262側に突出するリブ212bを有する。リブ212bには、配線235が挿通される切り欠き212cが形成されている。切り欠き212cは、例えば、L字状の切り欠きであるが、配線235をひっかけることができる形状であれば、これに限定されない。なお、リブ212bは、第3側面部の一例である。切り欠き212cは、第3切り欠きの一例である。なお、側面部212aは、例えば、平坦部262aの内周部から突出して形成される。
【0087】
切り欠き262cは、配線235がL字状の切り欠き212cから外れた状態(例えば、リブ212bに乗りあげた状態)で、配線235が第2カバー部262及び第2本体部212(具体的には、側面部262b及び212a)によりかみ込みが発生しない程度の大きさであるとよい。切り欠き262cは、例えば、リブ212b及び262bの間の距離が配線235それぞれの幅Wの合計値より大きくなるように設けられるとよい。本実施の形態では、配線235は2本であるので、切り欠き262cは、例えば、リブ212bと第2カバー部262との間の距離が、2本の配線235の幅Wの合計値より大きいとよい。例えば、リブ212bの上面212b1(設置面側の面)と切り欠き262cが形成された側面部262bの下面262b1との距離D4は、2本の配線235の幅Wの合計値より大きいとよい。なお、切り欠き262cは、例えば、矩形状の切り欠きであるが、これに限定されない。
【0088】
なお、
図2~
図4に示す電源部200aは、第1本体部211、回路部230、回路カバー240、固定板250、及び、第1カバー部261を含んで構成される。発光部200bは、第2本体部212、発光モジュール220、及び、第2カバー部262を含んで構成される。連結部200cは、第1連結部213及び第2連結部263を含んで構成される。開口200dは、開口213a及び263aにより形成される。
【0089】
上記のように、光源ユニット200は、電源部200aと発光部200bとが離隔して配置されている。この構成により、電源部200a及び発光部200bのそれぞれで発生する熱が干渉することを抑制することができる。例えば、発光部200bからの熱により電源部200aがさらに温められることにより、電源部200a内の回路部品232bが破壊されることを抑制することができる。
【0090】
[3.取り付け時の説明]
次に、上記の光源ユニット200を器具本体100に取り付けるときについて、
図10を参照しながら説明する。
図10は、本実施の形態に係る光源ユニット200の断面図である。なお、図示していないが、光源ユニット200よりZ軸マイナス側に器具本体100が配置されているとする。
【0091】
図10に示すように、ユーザは、光源ユニット200を器具本体100に取り付けるとき、開口200dを介して電極ピン231を視認することができる。発光部200bが電源部200a(例えば、電極ピン231)より器具本体100側に配置されていること、及び、開口200dが人の指が入る程度の大きさの開口であることにより、実現することができる。これにより、ユーザは、電極ピン231の位置と、ソケット110の開口111の位置とを視認しながら、器具本体100に光源ユニット200を取り付けることができるので、取付作業を容易に行うことができる。
【0092】
[4.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る光源ユニット200は、器具本体100に着脱自在に取り付けられる光源ユニット200であって、器具本体100から供給される電力を受けるための口金230aと、口金230aに接続された電源ユニット232と、電源ユニット232を収容する回路ケース233と、回路ケース233を囲む枠状の発光モジュール220(第1発光モジュールの一例)であって、電源ユニット232からの電力により発光する発光モジュール220と、回路ケース233を覆う第1カバー部261と、第1カバー部261と離隔して配置された、発光モジュール220を覆う枠状の第2カバー部262と、第1カバー部261及び第2カバー部262を連結する第2連結部263(第3カバー部の一例)とを有する光源カバー260(カバーの一例)とを備える。そして、発光モジュール220は、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、回路ケース233より器具本体100側に位置しており、かつ、第1カバー部261、第2カバー部262、及び、第2連結部263は、一体成形品である。
【0093】
これにより、回路ケース233を覆う第1カバー部261と発光モジュール220を覆う第2カバー部262とが一体で形成されているので、光源カバー260を容易に回路ケース233及び発光モジュール220に取り付けることができる。例えば、第1カバー部261と第2カバー部262とが別体である場合に比べて、光源カバー260を容易に回路ケース233及び発光モジュール220に取り付けることができる。また、第1カバー部261と第2カバー部262とは、離隔しており、かつ、第2連結部263で連結されていることから、第1カバー部261と第2カバー部262との間には、開口200d(空間)が形成されている。作業者は、例えば、当該開口200dに指を入れて光源カバー260を持つことができる。これにより、光源カバー260のハンドリングを容易に行うことができるので、作業効率が改善する。
【0094】
また、器具本体100に取り付けられている光源ユニット200を交換する場合においても、開口200dに指を入れて作業を行うことで、光源ユニット200を容易に取り付け及び取り外しすることができる。さらに、作業者は、開口200dを介して口金230a(例えば、電極ピン231)を視認することができるので、器具本体100のソケット110に光源ユニット200を容易に取り付けることが可能となる。
【0095】
よって、本実施の形態に係る光源ユニット200によれば、組み立て時及び交換時における作業性が向上される。
【0096】
また、回路ケース233は、電源ユニット232から発光モジュール220に電力を供給するための1以上の配線235が挿通される開口233a3が形成された有底筒状の第1ケース部233aと、第1ケース部233aの筒状部からフランジ状に突出した底面部233b1(フランジ部の一例)であって、1以上の配線235を保持するための保持部234(第1保持部の一例)を有する底面部233b1を有する。光源ユニット200は、さらに、底面部241(第1底面部の一例)と当該底面部241の外周部から回路ケース233側に突出した側面部242(第1側面部の一例)とを有し、側面部242が底面部233b1に載置されることで開口233a3を覆う回路カバー240を備える。そして、側面部242は、回路カバー240を底面部233b1に載置したときに保持部234が配置されている位置に切り欠き243(第1切り欠きの一例)を有する。切り欠き243は、保持部234と側面部242との距離(例えば、距離D1及びD2)が1以上の配線235それぞれの幅Wの合計値より大きくなるように設けられる。
【0097】
これにより、回路カバー240を底面部233b1に載置するときに、配線235が保持部234から外れている場合であっても、回路カバー240と回路ケース233との間で配線235のかみ込みが発生することを抑制することができる。
図6を例に説明すると、2本の配線235がリブ234aの上面234a1に重なっている状態であっても、回路カバー240と回路ケース233との間で配線235のかみ込みが発生することを抑制することができる。よって、光源ユニット200の組み立て時などにおいて、配線235のかみ込みにより絶縁不良が発生することを抑制することができる。よって、組み立て時における作業性が向上する。
【0098】
また、光源ユニット200は、さらに、回路ケース233が着脱自在に取り付けられる第1本体部211、及び、第1本体部211と離隔して配置された、発光モジュール220が取り付けられる第2本体部212を有する本体部210と、回路ケース233を第1本体部211に固定するための板状の固定板250とを備える。第1本体部211は、1以上の配線235を保持するための保持部214(第2保持部の一例)を有する底面部211c(第2底面部の一例)と、当該底面部211cから突出して設けられた、固定板250が載置される側面部211d1(第2側面部の一例)とを有する。また、側面部211d1は、固定板250を側面部211d1に載置したときに保持部214が配置されている位置に第2切り欠き部211g(第2切り欠きの一例)を有する。そして、第2切り欠き部211gは、側面部211d1と固定板250との距離D3が1以上の配線235それぞれの幅Wの合計値より大きくなるように設けられる。
【0099】
これにより、固定板250を側面部211d1に載置するときに、配線235が保持部214から外れている場合であっても、固定板250と側面部211d1との間で配線235のかみ込みが発生することを抑制することができる。
図7を例に説明すると、2本の配線235が上面211hに重なっている状態であっても、固定板250と側面部211d1との間で配線235のかみ込みが発生することを抑制することができる。よって、光源ユニット200の組み立て時などにおいて、配線235のかみ込みにより絶縁不良が発生することをさらに抑制することができる。よって、組み立て時における作業性がさらに向上する。
【0100】
また、本体部210は、回路ケース233及び発光モジュール220を連結する第1連結部213(連結部の一例)であって、第2連結部263に覆われる第1連結部213を有する。第2本体部212は、内周部のうち第1連結部213が連結される位置に第2カバー部262側に突出するリブ212b(第3側面部の一例)であって、1以上の配線235が挿通される切り欠き212c(第3切り欠きの一例)が形成されているリブ212bを有する。第2カバー部262は、内周部から第2本体部212側に突出し、かつ、リブ212bが配置されている位置に切り欠き262c(第4切り欠きの一例)が形成されている側面部262b(第4側面部の一例)を有する。そして、切り欠き262cは、リブ212bと側面部262bとの距離D4が1以上の配線235それぞれの幅Wの合計値より大きくなるように設けられる。
【0101】
これにより、光源カバー260を本体部210に取り付けるときに、配線235が切り欠き212cから外れている場合であっても、光源カバー260と本体部210との間で配線235のかみ込みが発生することを抑制することができる。
図8を例に説明すると、2本の配線235がリブ212bの上面211a1に重なっている状態であっても、光源カバー260と本体部210との間で配線235のかみ込みが発生することを抑制することができる。よって、光源ユニット200の組み立て時などにおいて、配線235のかみ込みにより絶縁不良が発生することをさらに抑制することができる。よって、組み立て時における作業性がさらに向上する。
【0102】
また、第1カバー部261及び第2カバー部262のそれぞれは、平坦部261a及び262aを有する。
【0103】
これにより、光源ユニット200を覆う器具カバー300が備えられる場合、第1カバー部261及び第2カバー部262が曲面である場合に比べて、光源ユニット200と器具カバー300との距離をより離すことができる。よって、器具カバー300から出射される光は、より均一な光となる。また、器具カバー300を小型化することが可能となる。
【0104】
また、発光モジュール220は、口金230aより器具本体100側に配置されている。
【0105】
これにより、発光モジュール220は、設置面側に近い位置に配置されるので、照明効果を高めることができる。例えば、発光モジュール220は、明るさのムラの少ない光を照射面に照射することができる。
【0106】
また、以上のように、本実施の形態に係る照明器具10は、上記の光源ユニット200と、光源ユニット200が着脱自在に取り付けられる器具本体100とを備える。
【0107】
これにより、組み立て時及び交換時における作業性が向上された光源ユニット200を備える照明器具10を実現することができる。
【0108】
(実施の形態2)
以下、本実施の形態に係る光源ユニット400を備える照明器具について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、本実施の形態に係る光源ユニット400の構成を示す分解斜視図である。なお、以下の説明では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0109】
図11に示すように、本実施の形態に係る光源ユニット400は、実施の形態1に係る光源ユニット200が備える固定板250に替えて、発光モジュール500を備える。
【0110】
発光モジュール500は、例えば、白色光を発するための光源である。白色光とは、例えば、色温度(相関色温度)が2600K~7100Kの光である。発光モジュール500は、回路カバー240と第1カバー部261との間に配置される。なお、光源ユニット400が回路カバー240を備えない場合、発光モジュール500は、回路ケース233と第1カバー部261との間に配置される。発光モジュール500は、基板510と、基板510に実装された複数の発光素子520とを有する。発光モジュール500は、第2発光モジュールの一例である。
【0111】
基板510は、複数の発光素子520を実装するためのプリント配線基板であり、円形状に形成されている。基板510は、回路部230を本体部210に固定する固定板としての機能も有する。基板510は、本体部210と接触して配置される。具体的には、基板510は、側面部211d1と接触して配置される。より具体的には、基板510は、基板510の切り欠き511が側面部211d1の一部からZ軸プラス側に突出するリブ211d2にはめ合わされることにより、本体部210に対して固定される。そして、基板510は、貫通孔512を介して、締結部材270(例えば、ネジ)により回路部230(具体的には、回路ケース233)に締結される。
【0112】
これにより、爪部233c及び係止部213cで本体部210に固定された回路部230をより強固に固定することができる。
【0113】
基板510は、例えば、樹脂をベースとする樹脂基板、金属をベースとするメタルベース基板、セラミックからなるセラミック基板等を用いることができる。基板510は、例えば、アルミニウムにより形成されてもよい。
【0114】
複数の発光素子520は、基板510上に配置される。本実施の形態では、複数の発光素子520は、円環状に配置されている。なお、発光素子520の数及び配置はこれに限定されない。発光素子520は、1つ以上実装されていればよい。発光素子520の構成は、発光素子222と同じであってもよい。
【0115】
なお、発光モジュール500の代わりに、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL素子(OLED)、無機EL素子、又は、その他の固体発光素子を用いて構成された発光モジュールが用いられてもよい。また、発光モジュール500は白色光を発光する例について説明したが、発光色はこれに限定されない。例えば、発光モジュール500は、発光モジュール220と異なる色温度の光を発してもよい。また、発光モジュール500は、発光モジュール220と異なる色の光を発してもよい。
【0116】
光源ユニット400が器具本体100に取り付けられた状態で、発光モジュール500は、発光モジュール220より器具本体100と反対側(つまり、照射面側)に配置される。
【0117】
以上のように、本実施の形態に係る光源ユニット400は、回路ケース233と第1カバー部261との間に配置された発光モジュール500(第2発光モジュールの一例)とを備える。
【0118】
これにより、光源ユニット400から出射される光は、より均一な明るさの光となる。よって、照射面をより均一に照らすことができる。
【0119】
(他の実施の形態)
以上、光源ユニット及び照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの及び異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0120】
例えば、上記実施の形態では、第2本体部212は、第1本体部211より器具本体100側に配置される例について説明したが、これに限定されない。第2本体部212は、第1本体部211と同一平面上に配置されていてもよい。
【0121】
また、上記実施の形態では、保持部214及び234により配線235を固定するための保持部が開口233a3から発光モジュール220まで連続的に形成されている例について説明したが、これに限定されない。保持部214及び234の少なくとも一方は、断続的に形成された凸部を有する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0122】
10 照明器具
100 器具本体
200、400 光源ユニット
210 本体部
211 第1本体部
211c 底面部(第2底面部)
211d1 側面部(第2側面部)
211g 第2切り欠き部(第2切り欠き)
212 第2本体部
212b リブ(第3側面部)
212c 切り欠き(第3切り欠き)
213 第1連結部
214 保持部(第2保持部)
220、500 発光モジュール
230a 口金
232 電源ユニット
233 回路ケース
233a 第1ケース部(ケース部)
233a3 開口
233b1 底面部(フランジ部)
234 保持部(第1保持部)
235 配線
240 回路カバー
241 底面部(第1底面部)
242 側面部(第1側面部)
243 切り欠き(第1切り欠き)
250 固定板
260 光源カバー(カバー)
261 第1カバー部
261a、262a 平坦部
262 第2カバー部
262b 側面部(第4側面部)
263c 切り欠き(第3切り欠き)
263 第2連結部(第3カバー部)
W 幅
D1~D4 距離