(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】電解コンデンサおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 9/028 20060101AFI20241220BHJP
H01G 9/00 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
H01G9/028 G
H01G9/028 F
H01G9/00 290H
(21)【出願番号】P 2020568118
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(86)【国際出願番号】 JP2020001435
(87)【国際公開番号】W WO2020153242
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2019010757
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福井 斉
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-127682(JP,A)
【文献】特開2011-192983(JP,A)
【文献】国際公開第2018/235434(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/221096(WO,A1)
【文献】特表2015-532525(JP,A)
【文献】国際公開第2009/128401(WO,A1)
【文献】特開2005-252213(JP,A)
【文献】特開2010-153454(JP,A)
【文献】特開2007-184318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/028
H01G 9/00
H01G 9/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凹凸を有する陽極体と、前記陽極体上に形成され
、前記陽極体の表面形状に応じた凹凸形状の表面を有する誘電体層と、前記誘電体層上に形成された固体電解質層とを備え、
前記固体電解質層は、
非自己ドープ型の第1導電性高分子を含
み、かつ前記誘電体層の表面の前記凹凸形状の少なくとも一部を埋める第1層と、前記第1層上に形成され、かつ自己ドープ型の第2導電性高分子を含む第2層とを含
み、
前記第1層は、前記第1導電性高分子が存在しない空隙を有し、前記空隙内に、前記第2導電性高分子が存在している、電解コンデンサ。
【請求項2】
前記第2層は、前記第1導電性高分子を含まない、請求項1に記載の電解コンデンサ。
【請求項3】
前記第2層の直上に、導電性高分子を含まない陰極引出層を備える、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
【請求項4】
前記第2導電性高分子の重量平均分子量は、30000以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
【請求項5】
前記第2導電性高分子は、自己ドープ型のポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)類
である、請求項1~4のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
【請求項6】
前記第1導電性高分子は、ポリピロール類
である、請求項1~5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
【請求項7】
前記第1層は、前記第1導電性高分子の前駆体を重合させて形成された膜を含み、
前記第2層は、前記第1層に前記第2導電性高分子を含む液状組成物を付着させることにより形成された膜を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
【請求項8】
前記第1層は、前記第1導電性高分子の前駆体を電解重合させて形成された膜を含む、請求項7に記載の電解コンデンサ。
【請求項9】
表面に凹凸を有する陽極体を準備する工程と、
前記陽極体上に、前記陽極体の表面形状に応じた凹凸形状の表面を有する誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層上に、固体電解質層を形成する工程と、を含み、
前記固体電解質層を形成する工程は、
非自己ドープ型の第1導電性高分子の前駆体を重合させて
、前記第1導電性高分子を含
み、かつ前記誘電体層の表面の前記凹凸形状の少なくとも一部を埋める第1層を形成する
第1工程と、
前記第1層に自己ドープ型の第2導電性高分子を含む液状組成物を付着させることにより、前記第1層上に前記第2導電性高分子を含む第2層を形成する
第2工程と、を含
み、
前記第1工程において、前記第1層内に前記第1導電性高分子が存在しない空隙を生じさせ、
前記第2工程において、前記空隙内に前記第2導電性高分子を侵入させる、電解コンデンサの製造方法。
【請求項10】
前記第1工程は、前記第1導電性高分子の前駆体を電解重合させて前記第1層を形成する工程を含む、請求項9に記載の電解コンデンサの製造方法。
【請求項11】
前記液状組成物中に前記第2導電性高分子の粒子が分散しており、
前記粒子の平均粒子径は、100nm以下である、請求項9または10に記載の電解コンデンサの製造方法。
【請求項12】
前記第2導電性高分子は、自己ドープ型のポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)類である、請求項9~11のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
【請求項13】
前記第1導電性高分子は、ポリピロール類である、請求項9~12のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質層を備える電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電解コンデンサは、固体電解質層を備えるコンデンサ素子と、コンデンサ素子と電気的に接続された電極端子と、コンデンサ素子を封止する外装体とを備える。コンデンサ素子は、例えば、陽極体と、陽極体上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成された固体電解質層とを備える。
【0003】
固体電解質層は、導電性高分子を含む。特許文献1には、細孔を有する陽極体の表面に形成された誘電体酸化皮膜と、細孔内部に形成されると共に、アミン類と、スルホン酸基を有する水溶性の自己ドープ型導電性高分子とを含む導電性高分子層とを備える固体電解コンデンサが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
電解コンデンサでは、誘電体層は、通常、陽極体に形成された多孔質部の表面を覆うように形成されている。陽極体は、電極端子と接続されており、外部の空気が陽極体の多孔質部を通じてコンデンサ素子の内部に侵入することがある。侵入した空気中の酸素と固体電解質層とが接触すると、固体電解質層に含まれる導電性高分子が劣化し、電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)が上昇したり、静電容量が低下したりする。
【0006】
本発明の一局面は、陽極体と、前記陽極体上に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された固体電解質層とを備え、
前記固体電解質層は、第1導電性高分子を含む第1層と、前記第1層上に形成され、かつ自己ドープ型の第2導電性高分子を含む第2層とを含む、電解コンデンサに関する。
【0007】
本発明の他の局面は、誘電体層が形成された陽極体を準備する工程と、
前記誘電体層上に、固体電解質層を形成する工程と、を含み、
前記固体電解質層を形成する工程は、
前記誘電体層上に第1導電性高分子の前駆体を重合させて前記第1導電性高分子を含む第1層を形成する工程と、
前記第1層に自己ドープ型の第2導電性高分子を含む液状組成物を付着させることにより、前記第1層上に前記第2導電性高分子を含む第2層を形成する工程と、を含む、電解コンデンサの製造方法に関する。
【0008】
本発明によれば、高温に晒された後でも、固体電解質層を備える電解コンデンサのESRの上昇を抑制できるとともに、静電容量の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る電解コンデンサを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
電解コンデンサは、陽極体と、陽極体上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成された固体電解質層とを備える。陽極体は、誘電体層および固体電解質層を形成する面の表面積を大きくするため、通常、表層に多孔質部を備えている。多孔質部は、多くの空隙を含む。陽極体の一方の端部は電極端子と接続しており、電極端子側から空気が多孔質部の空隙を通じてコンデンサ素子内に侵入し、固体電解質層に含まれる導電性高分子を劣化させることがある。このような導電性高分子の劣化は特に高温環境下で顕著である。
【0011】
本発明に一局面に係る電解コンデンサによれば、第1導電性高分子を含む第1層と、第1層上に形成され、かつ自己ドープ型の第2導電性高分子を含む第2層とを含む固体電解質層を形成する。第2導電性高分子として自己ドープ型の導電性高分子を用いることで、第1層に第2導電性高分子を容易に入り込ませることができる。これは、自己ドープ型の導電性高分子が、非自己ドープ型の導電性高分子の場合に比べて、液状組成物中に粒子径が小さい状態で安定に保持されるためである。第1層が空隙を有する場合でも、第2導電性高分子が第1層の空隙に充填されるため、空気がコンデンサ素子内に侵入しても、固体電解質層内を透過し難くなる。固体電解質層と空気中に含まれる酸素との接触を低減できるため、導電性高分子の劣化が抑制される。これにより、固体電解質層の耐熱性が向上し、電解コンデンサの耐熱性が向上する。そのため、耐熱試験後の電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)の上昇を抑制できる。また、耐熱試験後の電解コンデンサの静電容量の低下を抑制することもできる。
【0012】
なお、自己ドープ型の導電性高分子とは、導電性高分子の骨格に共有結合により直接的または間接的に結合したアニオン性基を有する導電性高分子を言う。この導電性高分子自体が有するアニオン性基が、導電性高分子のドーパントとして機能することから、自己ドープ型と称される。アニオン性基には、例えば、酸性基(酸型)もしくはその共役アニオン基(塩型)が含まれる。
【0013】
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の上記局面に係る電解コンデンサおよびその製造方法についてより具体的に説明する。
[電解コンデンサ]
(陽極体)
陽極体は、弁作用金属、弁作用金属を含む合金、および弁作用金属を含む化合物などを含むことができる。これらの材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンが好ましく使用される。陽極体は、通常、表層に多孔質部を備えている。このような陽極体は、例えば、エッチングなどにより弁作用金属を含む基材(箔状または板状の基材など)の表面を粗面化することで得られる。また、陽極体は、弁作用金属を含む粒子の成形体またはその焼結体でもよい。焼結体は、多孔質構造を有するため、陽極体の全体が多孔質部となり得る。
【0014】
(誘電体層)
誘電体層は、陽極体表面の弁作用金属を、化成処理などにより陽極酸化することで形成される。誘電体層は、陽極体の少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。誘電体層は、通常、陽極体の表面に形成される。誘電体層は、陽極体の多孔質部の表面に形成されるため、陽極体の表面の孔および窪み(ピット)の内壁面に沿って形成される。
【0015】
誘電体層は弁作用金属の酸化物を含む。例えば、弁作用金属としてタンタルを用いた場
合の誘電体層はTa2O5を含み、弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合の誘電体層はAl2O3を含む。尚、誘電体層はこれに限らず、誘電体として機能するものであればよい。
【0016】
(固体電解質層)
固体電解質層は、誘電体層を覆うように形成される。固体電解質層は、必ずしも誘電体層の全体(表面全体)を覆う必要はなく、誘電体層の少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。固体電解質層には、第1導電性高分子を含む第1層と、第1層上に形成された自己ドープ型の第2導電性高分子を含む第2層とが含まれる。誘電体層上に、第1層が形成されていない領域が存在する場合には、この領域において、誘電体層上に第2層が形成されていてもよい。
【0017】
(第1層)
第1導電性高分子としては、例えば、非自己ドープ型の導電性高分子が挙げられる。第1層が非自己ドープ型の導電性高分子を含む場合、第1層に空隙が生じ易いが、このような場合でも自己ドープ型の第2導電性高分子の第2層を第1層上に形成することで、第2導電性高分子が第1層に入り込むため、固体電解質層の耐熱性を高めることができる。
なお、非自己ドープ型の導電性高分子としては、例えば、導電性高分子の骨格に共有結合で直接的または間接的に結合したアニオン性基(具体的には、スルホン酸基、カルボキシ基、リン酸基、ホスホン酸基、およびこれらの塩)を有さない導電性高分子が挙げられる。
【0018】
非自己ドープ型の導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどが好ましい。これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。なお、本明細書では、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどは、それぞれ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどを基本骨格とする高分子を意味する。したがって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどには、それぞれの誘導体(さらにアニオン性基以外の置換基を有する置換体など)も含まれ得る。例えば、ポリチオフェンには、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などが含まれる。これらのうち、ポリピロール類(ポリピロールおよびその誘導体)は、第1層に空隙が生じることがある。このようなポリピロール類を第1層が含む場合でも、第2導電性高分子を含む第2層を第1層上に形成するため、第2導電性高分子が第1層に入り込むことができ、固体電解質層の高い耐熱性を確保できる。
【0019】
第1導電性高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば1,000以上1,000,000以下である。
なお、本明細書中、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン基準の重量平均分子量である。
【0020】
第1層は、自己ドープ型の第2導電性高分子を含んでもよい。第2導電性高分子は、第1層を形成する際に第1層に含有させてもよく、第2層を形成する際に第1層に入り込ませることで第1層に含有させてもよい。自己ドープ型の導電性高分子としては、後述のものが挙げられる。
【0021】
第1層は、単層であってもよく、複数の層で構成してもよい。第1層が複数層で構成される場合、各層に含まれる第1導電性高分子は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0022】
第1層は、さらにドーパントを含むことができる。ドーパントとしては、例えば、アニ
オンおよび/またはポリアニオンが使用される。
【0023】
アニオンとしては、例えば、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硼酸イオン、有機スルホン酸イオンなどが挙げられるが、特に制限されない。スルホン酸イオンを生成するドーパントとしては、例えば、パラトルエンスルホン酸、および/またはナフタレンスルホン酸などが挙げられる。アニオンは、塩の形態で第1層に含まれていてもよい。
【0024】
ポリアニオンとしては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、および/またはポリメタクリルスルホン酸などが挙げられるが、特に制限されない。ポリアニオンは、塩の形態で第1層に含まれていてもよい。第1層において、アニオンおよび/またはポリアニオンは、第1導電性高分子とともに、導電性高分子複合体を形成していてもよい。
【0025】
上記のように誘電体層は、陽極体の多孔質部の孔およびピットの内壁面に沿って形成されるため、誘電体層上に形成される第1層は、陽極体の多孔質部内にも形成されることになる。多孔質部内における第1層の分布状態は特に制限されないが、多孔質部全体に第1層が形成されていてもよく、多孔質部の表層と内部とで第1層の分布状態が異なっていてもよい。例えば、多孔質部の表層近傍より、内部の方において、第1層の量が少なくてもよい。また、多孔質部内に形成される第1層上に第2層が形成されていてもよい。多孔質部の空隙内に第2層が形成されて(または存在して)いてもよい。このような場合、多孔質部内を空気が通過しにくくなるため、固体電解質層の劣化を抑制する効果が高まり、ESRの上昇をさらに抑制することができる。また、静電容量の低下を抑制する効果をさらに高めることができる。
【0026】
第1層は、例えば、第1導電性高分子の前駆体(原料モノマーなど)を化学重合および/または電解重合することにより形成することができる。あるいは、少なくとも第1導電性高分子を含む液状組成物(第1液状組成物)を、誘電体層に接触させることにより形成することができる。特に、電解重合は、第1層の表面側(多孔質部の表層側)では進行し易いため、第1層は密に形成され易いが、内部では進行しにくいため、空隙が生じ易い。この空隙を通って空気がコンデンサ素子内に侵入し易くなり、固体電解質層の劣化を招き易い。しかし、第1層がこのように空隙が生じ易い電解重合膜の場合であっても、第2層を形成することで、空気の透過が低減され、固体電解質層の劣化を抑制することができる。そのため、特に電解重合により第1層を形成する場合に、第2層を形成する(より具体的には、第2導電性高分子を第1層に入り込ませる)ことによる効果が顕著に発揮される。なお、第1層としての電解重合膜上に第2層を形成すると、上記のように、多孔質部の表層近傍より、内部の方において、第1層の量が少なくなる。また、多孔質部内に形成される第1層上にも第2層が形成され、多孔質部(または第1層)の空隙に第2層が侵入または充填した状態で形成されることになる。
【0027】
(第2層)
第2導電性高分子が有するアニオン性基としては、スルホン酸基、カルボキシ基、リン酸基、ホスホン酸基、またはこれらの塩(無機塩基との塩、有機塩基との塩など)などが挙げられる。第2導電性高分子は、1種のアニオン性基を有していてもよく、2種以上のアニオン性基を有していてもよい。アニオン性基としては、スルホン酸基またはその塩が好ましく、スルホン酸基またはその塩とスルホン酸基またはその塩以外のアニオン性基との組み合わせでもよい。第2導電性高分子に含まれるアニオン性基の量は、例えば、第2導電性高分子の主骨格に対応する分子1分子当たり、1~3個が好ましく、1個または2個(特に、1個)がさらに好ましい。
【0028】
第2導電性高分子としては、アニオン性基を有するポリピロール、アニオン性基を有す
るポリチオフェン、アニオン性基を有するポリアニリンなどが好ましい。これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、第2導電性高分子は、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。なお、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどには、それぞれの誘導体(アニオン性基に加え、アニオン性基以外の置換基を有する置換体など)も含まれ得る。高温環境に晒された後でも、ESRの上昇および静電容量の低下を抑制する効果がさらに高まる観点から、これらのうち、例えば、自己ドープ型のPEDOT類(PEDOTおよびその誘導体など)が好ましい。
【0029】
第1層に入り込ませ易い観点から、第2導電性高分子の重量平均分子量は、100000以下が好ましく、30000以下がさらに好ましい。第2導電性高分子の重量平均分子量は、例えば1,000以上である。また、第2導電性高分子を含む第2液状組成物の粘度は、B型粘度計で評価した場合、25℃、60rpmの条件において、500mPa・s以下であれば特に限定されないが、好ましくは300mPa・s以下、さらに好ましくは100mPa・s以下が望ましい。
【0030】
第2層は、第2導電性高分子以外の導電性高分子(例えば、非自己ドープ型導電性高分子など)を含んでいてもよいが、第2導電性高分子の含有量が多いことが好ましい。第2層に含まれる導電性高分子全体に占める第2導電性高分子の比率は、例えば、90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
【0031】
第2導電性高分子は、アニオン性基を有しているが、第2層には、必要に応じて、ドーパントが含まれていてもよい。ドーパントとしては、例えば、アニオンおよび/またはポリアニオンが使用される。第2層において、アニオンおよび/またはポリアニオンは、導電性高分子とともに、導電性高分子複合体を形成していてもよい。アニオンおよびポリアニオンとしては、それぞれ、第1層について記載したものから選択すればよい。
【0032】
第2層中のドーパントの含有量は、第2導電性高分子100質量部に対して、例えば、0~50質量部であり、0~10質量部または0.1~10質量部であることが好ましい。
【0033】
第2層は、単層であってもよく、複数の層で構成されていてもよい。第2層が複数層で構成される場合、各層に含まれる第2導電性高分子は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0034】
第2層は、必要に応じて、さらにアルカリを含んでもよい。アルカリとしては、第1層について例示したものから選択できる。
【0035】
固体電解質層は、本発明の効果を損なわない範囲内で、更に他の成分を含んでもよい。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態に係る電解コンデンサの構造を概略的に示す断面図である。
図2は、
図1の領域IIを模式的に示す拡大断面図である。電解コンデンサ1は、コンデンサ素子2と、コンデンサ素子2を封止する樹脂封止材(外装体)3と、樹脂封止材3の外部にそれぞれ少なくともその一部が露出する陽極端子4および陰極端子5と、を備えている。陽極端子4および陰極端子5は、例えば金属(銅または銅合金など)で構成することができる。樹脂封止材3は、ほぼ直方体の外形を有しており、電解コンデンサ1もほぼ直方体の外形を有している。樹脂封止材3の素材としては、例えばエポキシ樹脂を用いることができる。
【0037】
コンデンサ素子2は、陽極体6と、陽極体6を覆う誘電体層7と、誘電体層7を覆う陰極部8とを備える。陰極部8は、誘電体層7を覆う固体電解質層9と、固体電解質層9を覆う陰極引出層10とを備える。陰極引出層10は、例えば、カーボン層11および銀ペースト層12を有する。
【0038】
陽極体6は、多孔質部6aを有するとともに、陰極部8と対向する領域と、対向しない領域とを含む。陽極体6の陰極部8と対向しない領域のうち、陰極部8に隣接する部分には、陽極体6の表面を帯状に覆うように絶縁性の分離層13が形成され、陰極部8と陽極体6との接触が規制されている。陽極体6の陰極部8と対向しない領域のうち、他の一部は、陽極端子4と、溶接により電気的に接続されている。陰極端子5は、導電性接着剤により形成される接着層14を介して、陰極部8と電気的に接続している。
【0039】
陽極端子4および陰極端子5の主面4Sおよび5Sは、樹脂封止材3の同じ面から露出している。この露出面は、電解コンデンサ1を搭載すべき基板(図示せず)との半田接続などに用いられる。
【0040】
カーボン層11は、導電性を有していればよく、例えば、導電性炭素材料(黒鉛など)を用いて構成することができる。銀ペースト層12には、例えば、銀粉末とバインダ樹脂(エポキシ樹脂など)を含む組成物を用いることができる。なお、陰極引出層10の構成は、これに限られず、集電機能を有する構成であればよい。
【0041】
固体電解質層9は、誘電体層7を覆うように形成されている。誘電体層7は、陽極体6の表面(孔の内壁面を含む表面)に沿って形成される。誘電体層7の表面は、陽極体6の表面の形状に応じた凹凸形状が形成されている。固体電解質層9は、このような誘電体層7の凹凸を埋めるように形成されていることが好ましい。
【0042】
固体電解質層9は、誘電体層7上に形成された第1層9aと、第1層上に形成された第2層9bとを備える。第1層9aは、第1導電性高分子を含み、第2層9bは、自己ドープ型の第2導電性高分子を含む。第1層9aは、陽極体6の多孔質部6a内に形成されており(または充填された状態となっており)、層内に空隙Pを有している。第1層9aには、第2層9bを形成する際に第2導電性高分子が入り込んでいる。そのため、第1層9a内の空隙Pには、第2導電性高分子が入り込み、空隙P内に第2層9bが形成される。なお、図では空隙Pは模式的に示したが、多孔質部(または第1層9a)内において空隙Pの少なくとも一部は連続した状態となっている。
【0043】
上記局面に係る電解コンデンサは、上記構造の電解コンデンサに限定されず、様々な構造の電解コンデンサに適用することができる。具体的に、巻回型の電解コンデンサ、金属粉末の焼結体を陽極体として用いる電解コンデンサなどにも、本発明を適用できる。
【0044】
[電解コンデンサの製造方法]
上記局面に係る電解コンデンサの製造方法は、誘電体層が形成された陽極体を準備する工程(第1工程)と、誘電体層上に固体電解質層を形成する工程(第2工程)とを含む。また、電解コンデンサの製造方法は、第1工程に先立って、陽極体を準備する工程を含んでもよい。製造方法は、さらに陰極引出層を形成する工程、および/またはコンデンサ素子を封止する工程を含んでもよい。
以下に、各工程についてより詳細に説明する。
【0045】
(陽極体を準備する工程)
この工程では、陽極体の種類に応じて、公知の方法により陽極体を形成する。
陽極体は、例えば、弁作用金属を含む箔状または板状の基材の表面を粗面化することにより準備することができる。粗面化により、陽極体の表層に多孔質部が形成される。粗面化は、基材表面に凹凸を形成できればよく、例えば、基材表面をエッチング(例えば、電解エッチング)することにより行ってもよい。
【0046】
また、弁作用金属の粉末を用意し、この粉末の中に、棒状体の陽極端子の長手方向の一
端側を埋め込んだ状態で、所望の形状(例えば、ブロック状)に成形された成形体を得る。この成形体を焼結することで、陽極端子の一端が埋め込まれた多孔質構造の陽極体を形成してもよい。
【0047】
(第1工程)
第1工程では、陽極体上に誘電体層を形成する。誘電体層は、陽極体を陽極酸化することにより形成される。陽極酸化は、公知の方法、例えば、化成処理などにより行うことができる。化成処理は、例えば、陽極体を化成液中に浸漬することにより、陽極体の表面に化成液を含浸させ、陽極体をアノードとして、化成液中に浸漬したカソードとの間に電圧を印加することにより行うことができる。化成液としては、例えば、リン酸水溶液などを用いることが好ましい。
【0048】
(第2工程)
第2工程では、固体電解質層を、誘電体層の少なくとも一部を覆うように形成する。第2工程は、例えば、誘電体層上に第1層を形成する工程と、第1層上に第2層を形成する工程とを含む。
【0049】
(第1層を形成する工程)
第1層は、誘電体層に第1導電性高分子を含む第1液状組成物を接触させることにより形成してもよいが、第1導電性高分子の前駆体を化学重合および/または電解重合することにより形成することが好ましい。特に、電解重合により前駆体を重合させて第1導電性高分子を含む第1層を形成する場合には、第1層中に空隙が形成されることもあるため、第2導電性高分子を第1層に入り込ませることによる顕著な効果が得られ易い。電解重合の場合には、電解重合に先立って導電性のプレコート層を形成してもよい。第1層は、誘電体層上に直接形成されていてもよく、プレコート層を介して形成されていてもよい。
【0050】
第1導電性高分子を含む第1液状組成物としては、例えば、第1導電性高分子の分散液(または溶液)、第1導電性高分子とドーパントとの導電性高分子複合体の分散液(または溶液)を用いてもよい。
【0051】
化学重合の場合、例えば、第1導電性高分子の前駆体と、分散媒(または溶媒)と、酸化剤と、必要によりドーパントとを含む第1液状組成物を用いて第1層が形成される。誘電体層に第1液状組成物を付着させた後、加熱してもよい。
【0052】
電解重合の場合、例えば、第1導電性高分子の前駆体と、分散媒(または溶媒)と、必要によりドーパントとを含む第1液状組成物を用いて第1層が形成される。第1層は、例えば、誘電体層およびプレコート層が形成された陽極体を第1液状組成物に浸漬し、プレコート層を電極として、供給電極から給電することにより形成される。プレコート層は、例えば、導電性材料(導電性高分子、無機導電性材料など)で形成される。プレコート層を構成する導電性材料としては特に制限されず、例えば公知のものが使用できる。
【0053】
第1導電性高分子およびドーパントとしては、それぞれ、上記で例示したものを使用することができる。第1導電性高分子の前駆体としては、第1導電性高分子を構成するモノマー、および/またはモノマーがいくつか連なったオリゴマーなどが例示できる。分散媒(または溶媒)としては、例えば、水、有機溶媒、またはこれらの混合物が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、1価アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、多価アルコール(エチレングリコール、グリセリンなど)、または非プロトン性極性溶媒(N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、ベンゾニトリルなど)が挙げられる。第1液状組成物は、さらに、アルカリおよび/または他の成分を含んでもよい。
【0054】
(第2層を形成する工程)
第2層は、例えば、第1層に自己ドープ型の第2導電性高分子を含む第2液状組成物を付着させることにより第1層上に形成される。第2層は、例えば、第1層が誘電体層上に形成された陽極体を第2液状組成物に浸漬したり、もしくは第1層が誘電体層上に形成された陽極体に第2液状組成物を塗布または滴下したりした後、乾燥させることにより形成できる。
【0055】
第2液状組成物は、第2導電性高分子と、分散媒(または溶媒)と、必要により、ドーパントとを含む。第2導電性高分子およびドーパントとしては、上記で例示したものを使用することができる。分散媒(または溶媒)としては、第1液状組成物について例示したものを用いることができる。第2液状組成物は、さらに、アルカリおよび/または他の成分を含んでもよい。
【0056】
第2液状組成物としては、例えば、第2導電性高分子の分散液(または溶液)、第2導電性高分子とドーパントとの導電性高分子複合体の分散液(または溶液)を用いてもよい。第2液状組成物は、例えば、分散媒(または溶媒)中、第2導電性高分子の前駆体を酸化重合させることにより得ることができる。この前駆体としては、第2導電性高分子を構成するモノマー、および/またはモノマーがいくつか連なったオリゴマーなどが例示できる。導電性高分子複合体を含む第2液状組成物は、分散媒(または溶媒)中、ドーパントの存在下、第2導電性高分子の前駆体を酸化重合させることにより得ることができる。
【0057】
第2液状組成物中に分散した第2導電性高分子(または導電性高分子複合体)の粒子の平均粒子径は、例えば、800nm以下である。第2導電性高分子を第1層に入り込ませ易い観点からは、平均粒子径は、300nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。平均粒子径の下限は、特に制限されないが、例えば、5nm以上である。
本明細書中、導電性高分子(または導電性高分子複合体)の平均粒子径は、例えば、動的光散乱法による粒径分布から求めることができる。
【0058】
(陰極引出層を形成する工程)
この工程では、第2工程で形成された固体電解質層上に、カーボン層と銀ペースト層とを順次積層することにより陰極引出層を形成する。陰極引出層を形成することにより、コンデンサ素子を得ることができる。
なお、陰極引出層の表面に導電性の接着層を配置し、この接着層を介して陰極端子の一端部をコンデンサ素子に電気的に接続させる。陰極端子としては、電解コンデンサで使用される電極端子が特に制限なく利用でき、例えば、リードフレームと呼ばれるものを用いてもよい。
【0059】
(樹脂封止材でコンデンサ素子を封止する工程)
形成されたコンデンサ素子は、例えば、陽極端子4および陰極端子5のそれぞれの一部とともに樹脂材料で封止される。この封止により、樹脂封止材3が形成される。樹脂材料としては、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂など)または樹脂組成物が好ましい。なお、樹脂封止材3は、熱硬化性樹脂または樹脂組成物の硬化物を含む。
【0060】
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0061】
《実施例1》
下記の要領で、
図1に示す電解コンデンサ1を作製し、その特性を評価した。
(1)陽極体を準備する工程
基材としてアルミニウム箔(厚み100μm)を準備し、アルミニウム箔の表面にエッチング処理を施し、陽極体6を得た。
【0062】
(2)誘電体層7を形成する工程
陽極体6を濃度0.3質量%のリン酸溶液(液温70℃)に浸して70Vの直流電圧を20分間印加することにより、陽極体6の表面に酸化アルミニウム(Al2O3)を含む
誘電体層7を形成した。その後、陽極体6の所定の箇所に絶縁性のレジストテープ(分離層13)を貼り付けた。
【0063】
(3)第1層を形成する工程
ピロールと、ドーパント(ナフタレンスルホン酸)とを含む水分散液(第1液状組成物)を調製した。第1液状組成物中のピロールの濃度は2質量%と、ドーパントの濃度は10質量%とした。
【0064】
誘電体層7が形成された陽極体6を、導電性材料を含む液状組成物に浸漬し、プレコート層を形成した。誘電体層7およびプレコート層が形成された陽極体6を、第1液状組成物に浸漬し、プレコート層を電極として、ピロールの電解重合を進行させて、第1導電性高分子としてのポリピロールを含む第1層を形成した。
【0065】
(4)第2層を形成する工程
第2導電性高分子を含む水分散液(第2液状組成物)を準備した。第2液状組成物中の第2導電性高分子の濃度は4質量%、第2導電性高分子の平均粒子径は100nmであった。第2導電性高分子としては、PEDOT骨格に直接結合したスルホン酸基を有するPEDOTを用いた。
【0066】
第1層9aが形成された陽極体6を、第2液状組成物に浸漬した後、120℃で10~30分間乾燥する工程を行い、第2層9bを形成した。このとき、第1層9aに第2液状組成物が染み込むことで、第1層9a内に形成された空隙Pにも第2導電性高分子が充填されるため、第1層の空隙P中に第2導電性高分子を含む第2層が形成されることになる。
このようにして、第1層9aと第2層9bとで構成される固体電解質層9を形成した。
【0067】
(5)陰極引出層を形成する工程
固体電解質層9の表面に、黒鉛粒子を水に分散した分散液を塗布した後、乾燥することによりカーボン層11を形成した。
【0068】
次いで、カーボン層11の表面に、銀粒子とバインダ樹脂(エポキシ樹脂)とを含む銀ペーストを塗布した後、加熱してバインダ樹脂を硬化させ、銀ペースト層12を形成した。このようにして、カーボン層11と銀ペースト層12とで構成される陰極引出層10を形成した。このようにして、コンデンサ素子2を得た。
【0069】
(6)電解コンデンサの組み立て
コンデンサ素子2に、更に、陽極端子4、陰極端子5、接着層14を配置し、樹脂封止材3で封止することにより、電解コンデンサを作製した。
【0070】
《比較例1》
第2層を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。
【0071】
《比較例2》
第2層を形成する際の第2液状組成物として、非自己ドープ型の導電性高分子であるポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされたPEDOTの水分散液を用いた。第2液状組成物中の導電性高分子の濃度は4質量%であり、導電性高分子の平均粒子径は400nmであった。これら以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製した。
【0072】
[評価]
上記で作製した実施例および比較例の電解コンデンサについて、以下の手順で、静電容量およびESRを評価した。
20℃の環境下で、4端子測定用のLCRメータを用いて、電解コンデンサの初期静電容量値C0(μF)、および周波数100kHzにおける初期のESR値X0(mΩ)をそれぞれ測定した。次に、145℃の温度にて、電解コンデンサに定格電圧を125時間印加した(耐熱試験)。その後、上記と同様の方法で、静電容量値C1(μF)およびESR値X1(mΩ)をそれぞれ測定した。そして、静電容量値C1から初期静電容量値C0を減じた値を初期静電容量値C0で除し、100倍することにより静電容量の変化率を求めた。また、ESR値X1から初期ESR値X0を減じた値を初期のESR値X0で除し、100倍することによりESRの変化率を求めた。比較例1における変化率を100としたときの実施例1、比較例2における変化率の比率(相対値)を求め、静電容量およびESRの評価の指標とした。
結果を表1に示す。実施例1は、A1であり、比較例1~2は、R1~R2である。
【0073】
【0074】
実施例1では、比較例1、2と比べて、静電容量およびESRの変化率が小さくなった。これは、実施例1では、自己ドープ型の第2導電性高分子で第1層の空隙が充填されることで、固体電解質層への空気の接触が抑制され、導電性高分子の劣化が抑制されたことで電解コンデンサの耐熱性が向上したためと考えられる。特に非自己ドープ型の導電性高分子を用いた比較例2では、ESRおよび静電容量の変化率が大きくなった。これは、比較例2の液状組成物では、導電性高分子の粒子径が大きく、第1層中への浸透性が低かったためと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の一局面に係る電解コンデンサは、高温雰囲気に晒された場合でも固体電解質層に含まれる導電性高分子の劣化が抑制され、ESRの上昇を抑制できる。また、静電容量の低下を抑制することもできる。よって、電解コンデンサの高い耐熱性が求められる様々な用途に利用できる。
【符号の説明】
【0076】
1:電解コンデンサ、2:コンデンサ素子、3:樹脂封止材、4:陽極端子、4S:陽極端子の主面、5:陰極端子、5S:陰極端子の主面、6:陽極体、7:誘電体層、8:陰極部、9:固体電解質層、9a:第1層、9b:第2層、10:陰極引出層、11:カーボン層、12:銀ペースト層、13:分離層、14:接着層