(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】塊状割りガラスの剥離装置
(51)【国際特許分類】
B09B 3/30 20220101AFI20241220BHJP
B09B 3/35 20220101ALI20241220BHJP
B09B 5/00 20060101ALI20241220BHJP
B29B 17/02 20060101ALI20241220BHJP
B09B 101/50 20220101ALN20241220BHJP
【FI】
B09B3/30
B09B3/35
B09B5/00 Z ZAB
B29B17/02
B09B101:50
(21)【出願番号】P 2021077260
(22)【出願日】2021-04-30
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】591032703
【氏名又は名称】群馬県
(73)【特許権者】
【識別番号】521189891
【氏名又は名称】有限会社須田工業
(72)【発明者】
【氏名】須田 哲子
(72)【発明者】
【氏名】田島 創
(72)【発明者】
【氏名】荻野 直彦
(72)【発明者】
【氏名】青柳 大志
(72)【発明者】
【氏名】牛木 龍二
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-209847(JP,A)
【文献】特開2020-131165(JP,A)
【文献】特開2017-006839(JP,A)
【文献】特開2011-173099(JP,A)
【文献】登録実用新案第3054354(JP,U)
【文献】特開2000-302453(JP,A)
【文献】特開平11-169733(JP,A)
【文献】特開2016-203128(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0138520(US,A1)
【文献】特開2020-110743(JP,A)
【文献】国際公開第2006/064815(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/30
B09B 3/35
B09B 5/00
B29B 17/02
B09B 101/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状ガラスと樹脂シートとが接着剤で貼り付けられており、前記板状ガラスが塊状にヒビ割られた状態となった塊状割りガラスを有する廃物で、前記廃物の前記塊状割りガラスを前記樹脂シートから剥離する剥離装置であって、
前記塊状割りガラスを、前記ガラス面側から加熱し、前記廃物の横幅全面を覆う長さで配設されたヒータと、
前記ヒータの下流に、前記廃物を挟み回転駆動により搬送するために配設された少なくとも一対の送込みローラ及び第1のピンチローラと、
前記廃物の前記塊状割りガラスの割れ目を開くように、前記樹脂シート面を沿わせて送る方向を変更させる、前記廃物の横幅より長い円柱若しくは円筒状で、動力回転する駆動ローラと、
前記駆動ローラの回転する外周面に沿って前記樹脂シートが接触する巻き付け始点から排出する巻き付け終点の巻付け角の範囲内に、前記廃物の横幅を実質的に覆うように全周面に間欠的に掻落し刃が突設され、円柱若しくは円筒状で、前記駆動ローラの線速度より早い線速度で動力回転する剥離ローラと、
前記塊状割りガラスが掻き落とされた前記樹脂シートを排出するように配設された少なくとも一対の排出ローラ及び第2のピンチローラと、
を具備する塊状割りガラスの剥離装置。
【請求項2】
前記剥離ローラの近傍で上流に、前記ガラス面側から前記廃物の横幅にわたる範囲で加熱する補助ヒータを備えた請求項1に記載された塊状割りガラスの剥離装置。
【請求項3】
前記駆動ローラと前記剥離ローラで構成する第1の剥離部の下流に、前記駆動ローラと対向する位置で第2の剥離ローラを設け、前記駆動ローラと前記第2の剥離ローラとで第2の剥離部を構成した請求項1又は2に記載された塊状割りガラスの剥離装置。
【請求項4】
前記
駆動ローラと前記剥離ローラで構成する第1の剥離部の下流に、前記駆動ローラに接しない位置で、第2の駆動ローラと第2の剥離ローラとを対向するように配設し、
前記第2の駆動ローラと前記第2の剥離ローラとで第2の剥離部を構成した請求項1又は2に記載された塊状割りガラスの剥離装置。
【請求項5】
前記
駆動ローラと前記剥離ローラで構成する第1の剥離部の下流に、前記駆動ローラに接しない位置で、中央で左右対称に螺旋状凸条部が設けられた第3の剥離ローラを設け、前記第3の剥離ローラの外周近傍に前記樹脂シートの厚さより僅かに広い間隙を開けて、前記第3の剥離ローラの外周の一部を包み込むように設置した剥離パンを前記第3の剥離ローラの軸線方向に延設させ、前記第3の剥離ローラと前記剥離パンとで第2の剥離部を構成した請求項1又は2に記載された塊状割りガラスの剥離装置。
【請求項6】
前記第1の剥離部において前記塊状割りガラスに加えた剥離力の方向に対して、少なくとも前記廃物の送り方向の一部の範囲で、前記第2の剥離部において、前記第1の剥離部における剥離力の方向とは異なる方向から前記塊状割りガラスに剥離力を加えた請求項3、4又は5のいずれかに記載された塊状割りガラスの剥離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂シートの表面に接着された塊状割りガラスの剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化への対策として再生可能エネルギーの利用が進められている。その一つとして太陽光発電が、温室効果ガスの排出削減につながる発電方法として普及している。一方、これまでに導入された太陽光発電パネルには耐用年数に達して廃棄されたり、施工中の事故や投石により破損したりしたものがある。今後これまでに普及した数量に応じた太陽光発電パネルが廃棄されることになる(非特許文献1参照)。また近年増加している大規模自然災害などによっても大量の太陽光発電パネルの破損が生じている。このように今後大量に廃棄される太陽光発電パネルについて、リサイクルすることが可能で、資源を有効に再利用できるように、特にガラスを分離・回収する剥離装置が求められている。
【0003】
上述のような太陽光発電パネル100は、
図16に示すように、物理的、化学的特性の異なる複数の材料から構成されている。アルミのフレーム108、ガラス(カバーガラスを指す)104、太陽電池セル102、配線材106、封止材105、裏面保護材であるバックシート103から構成されている。大きさは、種々の大きさのものがあり、例えば、縦幅1650mm×横幅990mm×厚み35mmなどがある。この明細書では、カバーガラス104以外の太陽電池セル102、封止材105、配線材106、封止材105、裏面保護材であるバックシート103を含めて「樹脂シート」107と簡略表現する。アルミのフレーム108を外すと、ガラス105の厚み3~6mm、樹脂シート107に相当する厚みは1~2mm程度である。これらの材料のうち、ガラス104を再生利用するためには樹脂シート107から分離する必要がある。このように太陽光発電パネルは、特にEVA(ethylene-vinylacetate copolymer)樹脂などの接着剤でもある封止材(樹脂層)105で太陽電池セル102を両面側から包む構成で、カバーガラス104と強固に接着されている。
【0004】
提案された一つに特許文献1がある。この特許文献1に記載されるガラス分離装置は、太陽光発電パネルの樹脂シート107からカバーガラス104を分離することを提案している。詳しく説明すると、アルミフレーム108を取り外した後の樹脂シート107と一体的になっているカバーガラス104を、外周面に角状の突起が円柱状の周囲に満遍なく突設された一対の圧潰ローラ管を通過させることによって、ガラスを圧潰する。その後、圧潰されたガラス面に支持ローラに対向して外周面に軸方向に等間隔で複数の凸状部が突設された円柱状の掻落しローラを回転させ、圧潰された塊状にヒビ割れたガラスのガラス片を前述の掻落しローラの凸状部で掻き落とすようにしたガラス分離装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】廃棄物資源循環学会誌 Vol.30 No.6 2019年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、先行技術のガラスの剥離装置には、次のような課題があった。すなわち、特許文献1に記載のガラス分離装置は、一方の面に封止材105で太陽電池セル102やバックシート103が貼り付けられており、カバーガラス104が一対の圧潰ローラで圧潰されて送られ、水平な軸位置に対向配置された支持ローラ30と掻落しローラ40の対の間を直交するように通すので、圧潰されたガラスの割れ目がしまった状態でのガラスの掻き落しをすることになる。このため、割れ目に掻落し刃を引っ掛けた効率的な掻き落しは困難であった。
そこで、封止材等で接着されたカバーガラス104を効率的に分離することが求められる。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するために提案したものであり、割れて塊状となったカバーガラス104の割れ目に掻落し刃が引っ掛けられやすく、効率よく剥離、回収することが可能な塊状割りガラスの剥離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するために手段1として以下の塊状割りガラスの剥離装置を提案した。
すなわち、太陽光発電パネル100からフレーム108を取り外し樹脂シート107と板状のカバーガラス104とが樹脂シートの表面で貼り付けられた状態となったパネルアセンブリ101において、板状ガラス部が、塊状にヒビ割られた状態となった塊状割りガラスを樹脂シート107から剥離する塊状割りガラスの剥離装置である。
まず、塊状にヒビ割られた状態の塊状割りガラスを有する廃物(本発明では、例えば塊状にヒビ割れたガラスを有するパネルアッセンブリ101を指す)を、ガラス面側から加熱し、樹脂シート107が軟化する程度、すなわち、樹脂シート107とカバーガラス104を接着している封止材105が軟化する程度に加熱するために、パネルアセンブリ101の横幅の全面を覆う長さで、搬送されるガラス側に対向するようにヒータが設けられている。このようなヒータは、塊状割りガラスと樹脂シートの送り速度に応じ、樹脂シート107が加熱できる本数のユニットにして配設されている。
前述のヒータの下流には、パネルアセンブリ101を挟みながら回転駆動により搬送するために配設された少なくとも一対の送込みローラ及び第1のピンチローラと、が設けられている。
さらに、パネルアセンブリ101の塊状割りガラスの割れ目を開くように樹脂シート面側を巻き付けるように沿わせ、送る方向を、例えば、水平方向から垂直方向に変更させることが可能で、パネルアセンブリ101の横幅より長めの円柱若しくは円筒状で、軸を中心に動力回転する駆動ローラが配設されている。
前述の駆動ローラの回転する外周面に沿ってパネルアセンブリ101の樹脂シート107が接触する巻き付け始点(接線上)から排出する巻き付け終点(接線上)の巻付け角の範囲内に、パネルアセンブリ101の横幅を実質的に覆うように全周面に間欠的に掻落し刃が突設される円柱若しくは円筒状で軸を中心に動力回転する剥離ローラが設けられている。
前述の駆動ローラに巻き付けられて塊状割りガラスの割れ目が開いたところに、剥離ローラを押し付け、駆動ローラの線速度より早い線速度で回転させると、掻落し刃が割れ目に喰い込むように回転し、樹脂シート107から塊状のガラス塊を引き剥がすようになる。
前述のガラス塊が引き剥がされた樹脂シート107を排出し、下方の回収受け台に案内するために、下流には少なくとも一対の排出ローラと第2のピンチローラとが配設されている。
上述したような構成要素を具備した塊状割りガラスの剥離装置、を提案した。
【0010】
本発明の手段1によれば、塊状にヒビ割られた状態の塊状割りガラスを有するパネルアセンブリ101の樹脂シート面側を、例えば、中心角が60°~130°程度の範囲で円柱状の駆動ローラに接触させながら巻き付けるように案内すると、接触面と反対側のガラス面の塊状割りガラスの割れ目は、割れ目が開くように力が加わる。このような状態のガラス表面に、例えば断面が角状の剥離ローラの掻落し刃を押しあて、駆動ローラの線速度より早い線速度で回転させると、掻落し刃がその速度差で割れ目の角を引き掻くよう作用し、割れ目のガラス塊を樹脂シートから剥がすような力が加わる。このため塊状に割られたガラスは、次々と樹脂シート面から引き剥がされるようになっていく。
【発明の効果】
【0011】
本発明の手段1によれば、塊状割りガラスの引き剥がし効果を高め、効率よく剥離し、塊状のガラス片を回収することが可能な塊状割りガラスの剥離装置を提供することができる。
【0012】
(課題を解決するその他の手段)
上述の手段1の下位概念の手段2として提案するのは、前述の剥離ローラの近傍で上流に塊状割りガラスのガラス面側から前述のパネルアセンブリ101にわたる範囲を加熱する補助ヒータが設置された塊状割りガラスの剥離装置である。
【0013】
このように提案された補助ヒータは、手段1で配設されたヒータで樹脂シート107が軟化する程度に加熱されたとしても、前述の廃物を一対の送込みローラと第1のピンチローラとを通過させることなどで、熱の放出があるため封止材105の軟化が戻ってしまい、ガラスの掻き落とし効率が下がることがある。このため補助ヒータで剥離部の近傍で上流において、熱を補えるようにしたもので、効率を下げることなく掻き落としを可能とする効果を有する。特に、前述の補助ヒータは、廃物の塊状にヒビ割られた状態の塊状割りガラスの割れ目が開くようになった場所、すなわち円柱状の駆動ローラに接触させながら巻き付けるようにした場所と対向する場所に設置すると、ガラスの割れ目の部分から直接封止材105に熱が届き易くなるため、上述の樹脂シート107を加熱する加熱効果が高く剥がれ易くなり、掻き落とし効率を上げることが可能となる。
【0014】
上述の手段1、手段2の下位概念の手段3として、前述の駆動ローラと前述の剥離ローラとで構成した第1の剥離部を設けるとともに、剥離ローラの下流で駆動ローラ側に廃物を押し付けるように、剥離残した塊状にヒビ割られた状態のガラス塊を掻き落とす第2の剥離ローラを設け、該第2の剥離ローラと前述の駆動ローラとで第2の剥離部を設けるように構成した塊状割りガラスの剥離装置を提案した。
【0015】
またその変形例として、前述の第1の剥離部を設けるとともに、その下流に駆動ローラに接しない位置で、第2の駆動ローラを設け、該第2の駆動ローラに沿って送られる前述の廃物に押し当てるように、剥離残した塊状にヒビ割られた状態のガラス塊の掻き落としをする第2の剥離ローラを設け、第2の駆動ローラと第2の剥離ローラとで第2の剥離部を構成した塊状割りガラスの剥離装置を提案している。
【0016】
さらにその他の変形例として、前述の第1の剥離部を設けるとともに、その下流に駆動ローラに接しない位置で、剥離残した塊状にヒビ割られた状態のガラス塊を掻き落とすために、中央で左右対称に螺旋状凸条部(溝刃)が設けられた第3の剥離ローラを設け、その外周近傍に樹脂シート107の厚さより僅かに広い間隙を開けて、第3の剥離ローラの外周の一部を包み込むように設置した剥離パンを軸線方向に延設させ、第3の剥離ローラと剥離パンとで第2の剥離部を構成した塊状割りガラスの剥離装置を提案している。
【0017】
このように、第2の剥離部の設置で、万一、第1の剥離部でガラス塊の取り残しが発生した場合でも、取り残しのガラス塊を第2の剥離部で確実に剥離することができるようになる。
さらに、変形例の場合で第1の駆動ローラの直径に比較し小径の第2の駆動ローラが付設された場合には、第2の駆動ローラでの巻き付け曲率が小さくなるために、塊状割りガラスの細かい粒も開かせることが可能になり、掻き落し作業の効率を上げることが可能となる。
特に、第3の剥離ローラと剥離パンとで、第2の剥離部を構成した場合は、取り残しのガラス塊に対して剥離パンの巻付け角度や捩れリード量を任意に設定することで、連続して剥離力を掛け続けられることができ、取り残しのガラス塊を確実に剥離することができるようになる。
【0018】
上述の手段3の下位概念の手段4として提案するのは、排出ローラと第2のピンチローラの挟持部を通過した樹脂シート107の先端を検知する先端検知センサを設け、その検知信号に基づいて第2の剥離部において第2の剥離ローラの回転方向と線速度の制御、例えば回転方向を反転させる制御や、同一方向の回転であっても第1の剥離部における駆動ローラの線速度よりも線速度を遅くする制御を行い、第1の剥離部において塊状割りガラスに加えた剥離力の方向に対して、第2の剥離部において剥離残した塊状のガラス塊に対して搬送方向とは反対の方向に力を加えることで、反対方向から剥離力を加えるようにした塊状割りガラスの剥離装置提案をしている。
【0019】
これは、樹脂シート107の先端が排出ローラと第2のピンチローラの挟持部を通過すると、廃物は送込みローラと第1のピンチローラ、第1の駆動ローラと第1の剥離ローラ、排出ローラと第2のピンチローラのすべての挟持部に確実に挟持されており、第2の剥離部において搬送方向とは反対の方向に力が加わっても安定して排出する方向に搬送できるためである。すなわち、廃物の塊状のガラス塊は、その先端から第2の剥離部までの間は第1の剥離部で発生する剥離力の方向と同一の方向に剥離力をかけることになるが、先端が排出ローラと第2のピンチローラの挟持部を通過したのちは、第2の剥離部において搬送方向とは反対の方向に力を加えることが可能で、一度受けた剥離ストレスに対して再度反対方向から剥離力を加えることで一層剥離効果が高まることになる。
【0020】
さらに変形例として、第3の剥離ローラと剥離パンとで、第2の剥離部を構成した場合は、必ずしも前述の先端検知センサを設ける必要はなく、また第3の剥離ローラの回転方向と線速度の制御も不要となり、前述したように、取り残しのガラス塊に対して剥離パンの巻付け角度や捩れリード量を任意に設定することで、廃物の先端から終端にわたって常に連続して第1の剥離部において塊状割りガラスに加えた剥離力の方向と異なる方向(本実施態様では直行する方向)に剥離力を掛け続けられることができ、取り残しのガラス塊を確実に剥離することができるようになる。また、一度割れて高さが低くなり小さくなったガラス塊も、樹脂シート107の厚さより僅かに広い間隙を通過するために、一層確実に剥離することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態における装置全体の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施態様における剥離ローラユニットの一部を断面にした斜視図である。
【
図3】
図2の各ローラの配置を示す側面模式図である。
【
図4】本発明の第1の実施態様の割れた塊状割りガラスの分離状態のイメージを示す側面模式図である。
【
図5】本発明の第1の実施態様における剥離ローラの突起部詳細を示す部分斜視図であり、(a)は断面が矩形状の突起が軸方向に、かつ歯車のように間欠的に穿設された剥離ローラの部分斜視図を示す。(b)は断面が矩形状の突起が間欠的に穿設され、隣同士の突起が重ならないように、ずれた位置となるように配列した剥離ローラの部分斜視図を示す。(c)は断面が矩形状の突起を突設し、螺旋状に配列させた剥離ローラの部分正面図を示す。
【
図6】本発明の第1の実施態様における一対の送込みローラ及び第1のピンチローラ、駆動ローラ、剥離ローラ、一対の排出ローラ及び第2のピンチローラの位置関係と、剥離ローラの配設できる範囲を示した側面模式図である。
【
図7】本発明の第2の実施態様における第2のヒータユニットを配設した剥離ローラユニットを説明する一部断面斜視図である。
【
図8】本発明の第2の実施態様における第2のヒータユニットを配設した剥離ローラユニットの変形例を説明する側面配置図である。
【
図9】本発明の第3の実施態様における剥離ローラユニットにおいて、配設する各ローラの第1の駆動ローラに対して配設位置関係を示す側面模式図である。
【
図10】本発明の第3の実施態様における変形例で、第2の駆動ローラと第2の剥離ローラとで構成する第2の剥離部を備えた剥離ローラユニットにおいて、配設する各ローラの第1の駆動ローラに対して配設位置関係を示す側面模式図である。
【
図11】本発明の第4の実施態様における第3の剥離ローラを備えた剥離ローラユニットの一部断面斜視図である。
【
図12】
図11における第1の駆動ローラに対して配設する各ローラの配設位置関係を示す側面模式図である。
【
図13】本発明の第4の実施態様において、第2の剥離部である第3の剥離ローラにおける剥離方法と、剥離された塊状のガラス片を左右に分けて移送する状態を示す上面から見た部分概略図である。
【
図14】第1の実施態様における剥離ローラの回転制御方法を示すフローチャートである。
【
図15】第3の実施態様における第1の剥離ローラと第2の剥離ローラの回転制御方法を示すフローチャートである。
【
図16】一般的な太陽光発電パネルの構成を示す分解斜視図である。
【
図17】本発明の第3の実施態様において、樹脂シートを挟んで両面にガラスが接着されている廃物の塊状割りガラスを剥離する剥離ローラユニットの各ローラの配置を示す側面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る実施するための形態について、装置全体の構成を
図1、
図2、
図16に基づいて説明する。
先ず、塊状割りガラスの剥離装置1は、複数のアングルで構成されたベースフレーム2、搬送コンベアユニット300、搬送台ユニット400、剥離ローラユニット200、ガラス片104cを回収し貯蔵する回収ボックス5、ベースフレーム2の下方にガラス片104cを剥離した後の樹脂シート107を折り畳むように載置するシート回収台(図示せず)で構成されている。
【0023】
搬送コンベアユニット300は、コンベア基台301上に複数のコンベアローラ302が設けられており、太陽光発電パネル100からフレーム108を取り外し、予め圧潰したパネルアセンブリ101を載置し、順次、搬送台ユニット400に1枚ずつ自動若しくは手動で供給するようになっている。前述の圧潰したパネルアセンブリ101は、太陽光発電パネル100の場合で説明すると、多くの場合、長さ5~30mm×幅5~30mm程度で、楕円形や円形のような不揃いの大きさの塊状にひび割れている。割れ方によっては、これらの大きさ以外のものも含まれることもある
【0024】
搬送台ユニット400は、搬送コンベアユニット300から剥離ローラユニット200にかけて傾斜して設けられた搬送基台401上に、パネルアセンブリ101を1枚ずつ載置し、カバーガラス104側からパネルアセンブリ101の略全面に亘って加熱するヒータユニット410が複数設けられている。各ヒータユニット410は、搬送基台401上方を跨いで連結する連結ビーム402に取り付けられ、カバーガラス104側からパネルアセンブリ101を加熱できるようになっている。また、ヒータユニット410は内部にセラミックヒータやシーズヒータ、カーボンヒータ等の赤外線ヒータなどのヒータ411が設けられ、熱の反射板412で一部を囲いカバーガラス104側を効率よく加熱する構造となっている。(
図2参照)
【0025】
また、複数のヒータユニット410の後段には、パネルアセンブリ101を挟みながら回転駆動により搬送するために配設された少なくとも一対の送込みローラ23と第1のピンチローラ24とが設けられている。該送込みローラ23は、図示せぬ駆動モータ等の駆動手段により
図3矢印方向に回転駆動され、送込みローラ23に付勢された第1のピンチローラ24とで、パネルアセンブリ101を挟持しながら剥離ローラユニット200に送り込むようになっている。なお、送込みローラ23と第1のピンチローラ24の駆動関係は、どちらを駆動しても構わないし、さらに、両方のローラに回転駆動力を付加させれば一層搬送力が向上する。また、送込みローラ23と第1のピンチローラ24は前段のヒータユニット410により加熱されたパネルアセンブリ101を搬送するため、金属製ローラや、搬送力の高い耐熱性のシリコーンゴムが表面に被覆されたローラが好ましい。
【0026】
本発明の第1の実施態様における剥離ローラユニット200の構成について、
図2~
図5を用いて詳細に説明する。
剥離ローラユニット200の構成は、
図2~
図4に示す構造となっている。互いにビーム13で連結された左フレーム11(
図1参照)と右フレーム12間には回転可能に軸支された駆動ローラ21と、一定の間隔Pを開けて対向するように剥離ローラ22が設けられている。この間隔Pは予め調整が可能になっており、パネルアセンブリ101の厚さQより狭い間隔が設定されている。(
図4参照)また、駆動ローラ21の下流には、駆動ローラ21に巻き付けられたパネルアセンブリ101を引っ張り排出するように、排出ローラ25と第2のピンチローラ26とが設けられている。
【0027】
左フレーム11と右フレーム12間の間隔は、搬送するパネルアセンブリ101の横幅より広くとられている。前述の1対の送込みローラ23と第1のピンチローラ24のニップ部(挟持部)から、駆動ローラ21と剥離ローラ22の挟持部Xの間には、パネルアセンブリ101を前述の挟持部Xに案内するように、下部案内ガイド61と上部案内ガイド62が駆動ローラ21の中心軸線方向に延設されている。排出ローラ25は、図示せぬ駆動モータ等の駆動手段により
図3矢印方向に回転駆動され、排出ローラ25に付勢された第2のピンチローラ26とで、パネルアセンブリ101からガラス104が除去された樹脂シート107を挟持しながら搬送排出するようになっている。
【0028】
また、駆動ローラ21と剥離ローラ22の挟持部Xから、排出ローラ25と第2のピンチローラ26のニップ部(挟持部)の間には、樹脂シート107を、一定の間隔を開けて挟み、前述の排出ローラ25の挟持部に案内するように搬送ガイド63と搬送ガイド64が駆動ローラ21の中心軸線方向に延設されている。なお、排出ローラ25と第2のピンチローラ26は金属製のローラでもよいが、搬送力を向上させるように前述の耐熱性のシリコーンゴム、ウレタンゴムやEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)が被覆されたローラが好ましい。
【0029】
駆動ローラ21は、図示せぬ駆動モータ等の駆動手段により
図3矢印方向に回転駆動されており、パネルアセンブリ101のバックシート103側を当接するように巻き付けて搬送するようになっている。また、パネルアセンブリ101の搬送力を向上させるために、表面は摩擦係数が高く耐熱性を有するシリコーンゴムが被覆された円柱もしくは円筒状で、直径Dのローラである。その軸線はパネルアセンブリ101の横幅方向に伸びて左フレーム11と右フレーム12間には回転可能に軸支されている。すなわち、パネルアセンブリ101を巻き付けた場合に、曲率半径R=D/2で巻付くことになる。(
図3参照)なお、駆動ローラ21は搬送力を向上させる処理が施された、例えば特開2005-247572号公報に記載されているような金属製のグリッドロールや、金属ロール表面にセラミックスを吹き付けて焼成したローラであっても構わない。
【0030】
一方、駆動ローラ21と一定の間隔Pを開けて対向するように配設された剥離ローラ22は、駆動ローラ21の駆動モータとは別に設けられた図示せぬ駆動モータ等の駆動手段により
図3矢印方向に回転駆動されている。その外周には一定間隔で凸状の突起を有し、軸線方向に駆動ローラ21と略同一長さに伸びた円柱もしくは円筒状の鋼材等の金属製ローラである。外周の凸状の突起の形状は、例えば
図5(a)に示す様に棒状に軸線方向に伸びた凸形状の突起22aで掻落し刃を形成し、その先端の両側には刃先前部22cと刃先後部22eが設けられている。
図5(b)は他の剥離ローラ32の突起の例で、軸線方向に複数の突起(掻落し刃)32aが分割され互い違いに設けられており、その間は凹部32bで区切られている。このため、突起32aは独立に立設され、刃先前部32c、刃先後部32eと側端部32dが形成されることとなる。
図5(c)はさらに別の剥離ローラ42の突起の例で、
図5(a)の剥離ローラ22に対して軸に巻回して螺旋状に凹部42bの溝を設けた形状で、突起(掻落し刃)42aが独立に立設されており、突起42aには刃先前部42c、刃先後部42eと側端部42dが形成されている。剥離ローラ42は剥離ローラ32に比して比較的簡単に製造できる利点がある。
【0031】
剥離ローラ22によりパネルアセンブリ101から剥離されたガラス片104c(
図4参照)は、挟持部Xの近傍に設けられた回収パン51を伝わって回収され、回収ボックス5の空間5a内に集積される。
【0032】
次に、各ローラの位置関係、特に駆動ローラ21と剥離ローラ22の挟持部Xの採り得る位置の範囲について
図6を用いて説明する。
パネルアセンブリ101が駆動ローラ21へ突入する突入点Eから、樹脂シート107が駆動ローラ21から離間する離間点Fをパネルの巻付き角度θ4とした場合に、挟持部Xの採り得る位置は、
図6中で、X1の位置からX2の位置(図中では剥離ローラ22を破線表記した位置)の間となる。すなわち、突入点Eから巻付き角度θ1分巻き付いたX1の位置と、離間点Fから巻付き角度θ2分戻るX2の位置の間で、このX1の位置とX2の位置の範囲角度θ3内であれば挟持部Xはどこにあってもよい。例えば、θ4が120°で、θ1=10°、θ2=0°とするならば、範囲角度θ3は110°となる。本発明では、パネルアセンブリ101を駆動ローラ21に巻き付けた後に塊状のガラス塊を剥離することから、θ1≧10°かつ、θ2≧0°の範囲の条件が望ましい。さらに、θ1≧30°が好適である。
【0033】
以降、本発明における動作について述べる。まず、パネルアセンブリ101の搬送経路と搬送について
図3、
図4、
図6を用いて説明する。
送込みローラ23が回転すると、送込みローラ23と第1のピンチローラ24に挟持されたパネルアセンブリ101の先端は、下部案内ガイド61と上部案内ガイド62に案内されて駆動ローラ21に向かって突入点Eまで案内される。その後、上部案内ガイド62の内面62aに沿って、パネルアセンブリ101はカバーガラス104が塊状に割られているためガラスの割れ目が開くように曲げることができ、その割れ目が徐々に開くように回転する駆動ローラ21及び同様に回転する剥離ローラ22に巻き込まれ、バックシート103側が駆動ローラ21に巻き付きながら駆動ローラ21と剥離ローラ22の挟持部Xまで案内される。さらに、駆動ローラ21と剥離ローラ22に挟持されたまま、挟持部Xにて塊状に割れたカバーガラス104がパネルアセンブリ101から剥離される(剥離の作用に関しては後述する)。残った樹脂シート107は駆動ローラ21と剥離ローラ22の搬送力も加わって、搬送ガイド63と搬送ガイド64に案内されて、離間点Fにて駆動ローラ21から離れ、回転する排出ローラ25と第2のピンチローラ26の挟持部を通過して排出される。なお、通過後の樹脂シート107は折り畳むようにシート回収台(図示せず)に載置される。
【0034】
パネルアセンブリ101の搬送速度と各ローラの回転による外周速度(接線方向の線速度と同じ)の設定関係について
図4を用いて説明する。
送込みローラ23は図中矢印方向にその外周速度(接線方向の線速度)が基準外周速度V0で回転する。第1のピンチローラ24で挟持されたパネルアセンブリ101は当然線速度V0で搬送される。また、駆動ローラ21もパネルアセンブリ101が弛まないように外周速度(接線方向の線速度)が基準外周速度V0で回転するようになっている。さらに、排出ローラ25も同様に外周速度(接線方向の線速度)が基準外周速度V0で回転するようになっている。
【0035】
一方、剥離ローラ22は、駆動ローラ21とパネルアセンブリ101を挟持しながら、基準外周速度V0とは異なる外周速度(接線方向の線速度)V1で回転する。この速度関係は、V0<V1と設定されている。すなわち、剥離ローラ22により、“V1-V0”の速度差による力でガラス104を押し出す方向に力が作用する。ここで、送込みローラ23、駆動ローラ21と排出ローラ25はすべて基準外周速度V0で回転しているが、前述の構成でも説明したように、それぞれ図示せぬ別々の駆動モータで駆動してもよいし、駆動伝達手段を用いて1つの駆動モータで駆動してもよい。さらに、当該駆動伝達手段の中に、電磁クラッチ等を用いて各ローラ回転の断/接の制御をしてもよい。なお、剥離ローラ22も剥離ローラ外周速度V1が設定できれば、前述の1つの駆動モータで駆動できるが、後述で説明する回転制御をおこなう場合は別の独立した駆動モータを使用することが必要である。
【0036】
パネルアセンブリ101から塊状のガラス104を剥離する作用について、同様に
図4、
図5を用いて説明する。
まず、搬送台ユニット400において複数のヒータユニット410によりガラス104側から加熱されたパネルアセンブリ101は、封止材105が軟化していく。例えば、前述のEVA樹脂の場合は70℃~80℃程度で軟化する。この状態で、送込みローラ23と第1のピンチローラ24で挟持してパネルアセンブリ101を搬送していくと、突入点Eからバックシート103側が駆動ローラ21に巻き付いて曲率Rで湾曲する。このとき、割れて塊状となったガラス塊104aはその割れ目が開いて空隙104bが出現する。この空隙104bに対して、間隔Pはパネルアセンブリ101の厚さQより狭い間隔P<Qの関係で設定されており、剥離ローラ22の突起22a部が係合し、突起22aの刃先前部22cが割れ目の角に引っ掛かる。さらに、駆動ローラ21の基準外周速度V0より速い剥離ローラ22の外周速度V1との周速度差(“V1-V0”の線速)によって刃先前部22cはガラス塊104aを剥離する方向に押し出し、ガラス塊104aが封止材105の接着力に抗して剥離されてガラス片104cとなって分離される。すなわち、ガラス塊104aの剥離にはP<Qで、かつ、V0<V1の条件が必要となる。
【0037】
パネルアセンブリ101は、封止材105が軟化するまでは搬送開始ができないため、搬送台ユニット400において複数のヒータユニット410によりガラス104側から加熱して封止材105を軟化させる必要がある。その後、搬送開始用のスイッチ等を手動で操作して送込みローラ23を回転させて搬送させる。そこで、
図3に示すように送込みローラ23の上流近傍の距離Lの位置にセットセンサ80を設け、パネルアセンブリ101を検出し、図示せぬ温度センサでパネルアセンブリ101の温度を検出するか、または予め定めた待機時間Tの間、封止材105が軟化するまで搬送台ユニット400に待機させたのち、自動的に送込みローラ23を回転させて搬送させることが便利である。なお、複数のヒータユニット410は、パネルアセンブリ101が搬送される間にヒータユニット410により加熱できるので、パネルアセンブリ101の縦幅全域に配置されなくとも構わない。
【0038】
さて、送込みローラ23と第1のピンチローラ24の挟持部では、パネルアセンブリ101は矩形であり一定の長さを有しているため、毎回パネルアセンブリ101の後端部101aが挟持部を通過する。後端部101aが挟持部を通過すると、パネルアセンブリ101の送りは、送込みローラ23及び駆動ローラ21、排出ローラ25で同期していた速度V0から後端部101aにおける送込みローラ23の負荷がなくなり、駆動ローラ21のパネルアセンブリ101の保持力が弱いと、V1>V0の関係を有する剥離ローラ22の送り力でパネルアセンブリ101は挟持部XにおいてV1の速度で早く押し込まれてしまうことがある。すなわち、外周速度V1と基準外周速度V0との速度差を用いてガラス塊104aを確実に剥離することが難しくなる場合がある。
【0039】
そこで、後端部101aが送込みローラ23と第1のピンチローラ24の挟持部を通過しても、常にガラス塊104aを確実に剥離する手段が必要となる。
図14には、剥離ローラ22の周速度を制御してガラス塊104aを確実に剥離する制御フローチャートを示す。同時に、
図3、
図4を用いて前述のセットセンサ80の検出制御動作と合わせてその概要を説明する。パネルアセンブリ101が搬送台ユニット400にセットされ、セットセンサ80がONの状態となると、複数のヒータユニット410によりパネルアセンブリ101のガラス104側から加熱が始まる。この状態で予め定めた待機時間Tの間加熱すると、封止材105は軟化する(ステップ1)。その後、送込みローラ23、駆動ローラ21、排出ローラ25は外周速度が基準外周速度V0で回転が始まり、パネルアセンブリ101は送込みローラ23と第1のピンチローラ24の協働で搬送が開始され挟持部Xにてガラス塊104aの剥離が始まる。(ステップ2)
【0040】
さらに、剥離動作が進んでいき、パネルアセンブリ101の後端部101aがセットセンサ80を通過し、ON⇒OFFに切り替わる。距離Lと略同じ距離搬送され後端部101aが送込みローラ23と第1のピンチローラ24の挟持部を通過すると、剥離ローラ22は外周速度V1とは異なる外周速度V2で、駆動ローラ21の送り方向とは反対方向である
図4の破線矢印方向に回転を始める(ステップ3)。なお、V2=0(停止)でも構わない。すなわち、ガラス塊104aは剥離ローラ22の突起22aの反対の刃先後部22eにより、当初の外周速度V1で剥離する場合とは逆方向の力を受けて剥離される。
【0041】
このようにすることで、後端部101aが送込みローラ23と第1のピンチローラ24の挟持部を通過しても、剥離ローラ22による外周速度V1での押し込みが発生せず、常に安定してガラス塊104aに剥離力を付与することができる。なお、剥離ローラ22の回転は、駆動ローラ21の送り方向とは同一方向であっても、その外周速度V2が駆動ローラ21の基準外周速度V0に比べて非常に遅く、その周速度差“V0-V2”が大きい場合は、剥離ローラ22の刃先後部22eがガラス塊104aに係合して制動力が発生し、逆方向の力を受けてガラス塊104aに剥離力を付与することができる。
【0042】
本発明の第2の実施態様における剥離ローラユニット200の構成について、
図7を用いて説明する。
本発明の第2の実施態様は、送込みローラ23と第1のピンチローラ24の挟持部と駆動ローラ21と剥離ローラ22の挟持部Xとの間に、補助ヒータとして第2のヒータユニット420を設けたことである。第2のヒータユニット420はヒータユニット410と同様な構成を有し、ヒータ421と反射板422で構成されている。第2のヒータユニット420はパネルアセンブリ101の横幅にわたって加熱できるように同等の長さを有し、駆動ローラ21の軸線方向にわたって延設されている。第2の実施態様によれば、挟持部X直前にて補助過熱を行い、パネルアセンブリ101が挟持部Xに到達するまでの間に加熱されて軟化した封止材105の温度が奪われて剥離しにくくなることを防止し、挟持部Xで確実にガラス塊104aを剥離できるようになる。
【0043】
本発明の第2の実施態様の変形例における剥離ローラユニット200の構成について、
図8を用いて説明する。
本発明の第2の実施態様の変形例は、前述の第2のヒータユニット420の位置がパネルアセンブリ101の突入点Eから駆動ローラ21に位置角度αで巻き付いた位置であり、駆動ローラ21の円周面と対向して設けたことである。このようにすることで、ガラス塊104aの空隙104bから直接封止材105を加熱するようにできるため、効率よく加熱できる効果がある。
【0044】
本発明の第3の実施態様における剥離ローラユニット200の構成について、
図9を用いて詳細に説明する。
本発明の第3の実施態様は、駆動ローラ21と剥離ローラ22の挟持部Xとは別の場所に第2の剥離ローラ30を設け、剥離する場所を2か所以上としたことである。
図9において第2の剥離ローラ30は、図示せぬ駆動モータ等の駆動手段により外周速度(接線方向の線速度)V3で矢印方向に回転している。その外周は剥離ローラ22と同様に、
図5(a)に示すように一定間隔で凸状の突起(掻落し刃)30aを有し、軸線方向に駆動ローラ21と略同一長さに伸びた円柱もしくは円筒状の鋼材等の金属製ローラである。また、駆動ローラ21と第2の剥離ローラ30とは一定の間隔P2が設けられており、挟持部Yにてパネルアセンブリ101を挟持しながらガラス塊104aを剥離するようになっている。なお、間隔P2はP≧P2の関係となっており、挟持部Xの間隔Pより狭く設定されている。また、第2の剥離ローラ30の外周速度V3と剥離ローラ22の外周速度V1との関係はV3≧V1の関係となっている。
【0045】
本発明の第3の実施態様のその他の部品構成と搬送動作及び剥離動作について説明する。パネルアセンブリ101は挟持部Xにて、そのほとんどのガラス塊104aが剥離されて回収パン52によってガラス片104cが回収ボックス5内に集積されるが、剥離残しのガラス塊104aが発生する場合がある。剥離残しのガラス塊104aは、さらに下流側に搬送され、駆動ローラ21の中心軸線方向に延設された前部案内ガイド71に案内されて駆動ローラ21と第2の剥離ローラ30の挟持部Yに案内される。
【0046】
挟持部Yは前述のように、P≧P2の関係となっており、剥離残しのガラス塊104aに対して、確実に剥離力を与えられるようになっている。挟持部Yにて剥離されたガラス片104cは、回収パン53に案内されて回収ボックス5の空間5aに集積される。残った樹脂シート107は下流の排出ローラ25と第2のピンチローラ26に挟持されて折り畳むようにシート回収台(図示せず)に載置される。このように、ガラス塊104aを剥離する場所を挟持部Xと挟持部Yの2か所とすることにより、ガラス塊104aを確実に剥離することが可能となる。
【0047】
本発明の第3の実施態様の変形例における剥離ローラユニット200の構成について、
図10を用いて説明する。
本発明の第3の実施態様の変形例は、駆動ローラ21と剥離ローラ22の挟持部Xとは別の場所に、駆動ローラ21と平行になるように第2の駆動ローラ29を設け、第2の剥離ローラ30を対向させて配置し、第2の駆動ローラ29と第2の剥離ローラ30の挟持部Zにおいて挟持部の間隔を間隔P2としたことである。さらに、第2の駆動ローラ29は駆動ローラ21の直径Dより小さい径D2としたことである。この第2の駆動ローラ29は、図示せぬ駆動モータ等の駆動手段により基準外周速度(接線方向の線速度)V0で矢印方向に回転している。また、第2の剥離ローラ30は前述のように図示せぬ駆動モータ等の駆動手段により外周速度(接線方向の線速度)V3で矢印方向に回転している。
【0048】
本発明の第3の実施態様の変形例におけるその他の部品構成と搬送動作及び剥離動作について説明する。パネルアセンブリ101は挟持部Xにて、そのほとんどのガラス塊104aが剥離さるが、第3の実施態様と同様に剥離残しのガラス塊104aが発生することがある。挟持部Xを通過したパネルアセンブリ101は、駆動ローラ21の中心軸線方向に延設された前部案内ガイド71と後部案内ガイド72の間を通過し、第2の駆動ローラ29に巻きつくように第2の駆動ローラ29と第2の剥離ローラ30の挟持部Zまで案内される。
【0049】
挟持部Zは前述のように、P≧P2の関係となっており、剥離残しのガラス塊104aに対して、確実に剥離力を与えられるようになっている。挟持部Zにて剥離されたガラス片104cは、回収パン53に案内されて回収ボックス5の空間5aに集積される。残った樹脂シート107は下流の排出ローラ25と第2のピンチローラ26に挟持されて折り畳むようにシート回収台(図示せず)に載置される。
【0050】
ここで、第2の駆動ローラ29の直径D2は駆動ローラ21の直径Dに対して、D>D2となっており、パネルアセンブリ101が第2の駆動ローラ29に巻き付く曲率はR2=D2/2となり、駆動ローラ21に巻き付く曲率Rに比べて小さい。このため、剥離残しのガラス塊104aは樹脂シート107から浮き易く、さらに、割れ目の空隙104bは大きく開き、第2の剥離ローラ30の突起30aが入り易くなる。この結果、挟持部Zにおいて突起30aの刃先前部30cが割れ目の空隙104bに引っ掛かり、第2の駆動ローラ29の基準外周速度V0より速い第2の剥離ローラ30の外周速度V3との周速度差(“V3-V0”の線速)によって刃先前部30cはガラス塊104aを剥離する方向に押し出し、剥離残しのガラス塊104aを更に一層確実に剥離することが可能となる。
【0051】
本発明の第3の実施態様及び第3の実施態様の変形例における第2の剥離ローラ30の回転制御方法について、
図15を用いて説明する。
本制御は、
図14に対して樹脂シート107の先端部107aを検出してからのステップ4の制御を追加したものである。
図9において排出ローラ25と第2のピンチローラ26の挟持部の下流に先端検出センサ81が設けられており、樹脂シート107の先端部107aを検出することができる。
【0052】
ガラス塊104aが挟持部Xと挟持部Y若しくは挟持部Zの2か所で剥離されて残った樹脂シート107が、排出ローラ25と第2のピンチローラ26の挟持部を通過すると、その下流に位置する先端検出センサ81で先端部107aが検出される。この段階で、パネルアセンブリ101の全長は排出ローラ25から送込みローラ23までにわたってすべてのローラ類に挟持される。
【0053】
そこで、先端部107aが先端検出センサ81で検出されOFFからONに変化すると、それまで、駆動ローラ21若しくは第2の駆動ローラ29とパネルアセンブリ101を送る方向に外周速度V3の速度で回転していた第2の剥離ローラ30を、V3とは逆方向に外周速度V4(
図9、
図10中で、破線矢印で表示する)で逆回転させる。パネルアセンブリ101は駆動するすべてのローラに懸架されているため、送る方向の力は十分確保できており、線速度V0で送られ続ける。(ステップ4)
【0054】
一方、第2の剥離ローラ30を、V3とは逆方向に外周速度V4(
図9、
図10中で、破線矢印で表示する)で逆回転させると、剥離残しのガラス塊104aには挟持部Xで刃先前部22c(
図5(a)参照)により受けた剥離方向の力と反対の剥離力が付加される。すなわち、ガラス塊104aには反対方向から、刃先後部30e(
図5(a)参照)により剥離力が働く。このように、一度剥離力を受けた方向と別の方向から再度別の剥離力を与えることで、更に一層剥離しやすくなる。なお、第2の剥離ローラ30の掻落し刃部の形状は、剥離ローラ22と同様な形状をしており、外周には突起30aを有し、
図5(a)に示す刃部形状をしている。
【0055】
また、外周速度V4はV4=0でも良いが、V0より遅い外周速度で逆方向(図中で破線矢印方向)に回転すると、更に一層剥離しやすくなる。なお、第2の剥離ローラ30の回転は、駆動ローラ21や第2の駆動ローラ29の送り方向とは同一方向であっても、その外周速度V4が駆動ローラ21や第2の駆動ローラ29の基準外周速度V0に比べて非常に遅く、その周速度差“V0-V4”が大きい場合は、第2の剥離ローラ30の刃先後部30eがガラス塊104aに係合して制動力が発生し、逆方向の力を受けてガラス塊104aに剥離力を付与することができる。
ここでの要点は、挟持部Xと挟持部Y若しくは挟持部Zの複数個所で剥離を行う構造の装置において、下流の剥離箇所では、上流の剥離箇所で受けた剥離力とは異なる方向の剥離力を与えるように制御することで、更に一層剥離しやすくなる利点があることである。この点は、後述する第4の実施態様でも同様である。
【0056】
なお、第2の実施態様と同様に、
図10にて挟持部Zの直前の空間に破線で示す補助ヒータの第2のヒータユニット420を設け加熱することで封止材105の軟化を補助し、挟持部Zにおける剥離を効果的に行える。すなわち、挟持部X及び挟持部Zの2か所の直前で、少なくともどちらかの場所に補助ヒータとして第2のヒータユニット420を設けることで、封止材105の軟化を補助して、ガラス塊104aの剥離を一層効果的に行える利点がある。なお、複数の剥離部が存在する場合には、少なくともその1つの剥離位置の直前で補助の加熱ヒータユニットを設け加熱することで、ガラス塊104aの剥離を一層効果的に行える。
【0057】
本発明の第4の実施態様における剥離ローラユニット200の構成について、
図11、
図12、
図13を用いて詳細に説明する。
本発明の第4の実施態様は、駆動ローラ21と剥離ローラ22の挟持部Xの下流に第3の剥離ローラ31を設け、剥離する場所を2か所としたことである。
図12において第3の剥離ローラ31は、図示せぬ駆動モータ等の駆動手段により外周速度(接線方向の線速度)V5にて矢印方向に回転している。なお、外周速度V5と基準外周速度V0の関係はV5≧V0となっている。
【0058】
第3の剥離ローラ31は、
図11及び
図13に示す様に、その軸線方向の略中央部付近から左右に分けて剥離ローラ22の幅方向と略同一長さで螺旋溝31bが形成され、中央溝部31aで結合されている。この結果、第3の剥離ローラ31は、略中央部から左右に捻じれ方向が異なる右螺旋凸条部31cと左螺旋凸条部31dが形成され、いわゆる、ねじれ方向が中央部から左右に分かれたリードスクリューを形成している。また、その外周近傍には樹脂シート107の厚さより僅かに広い間隙Hを開けて、第3の剥離ローラ31の外周の1/4周程度(図中で範囲Sで表示)を包み込むように剥離パン75が軸線方向に延設されている。なお、剥離パン75は挟持部Xから送られるパネルアセンブリ101を第3の剥離ローラ31まで案内する後部案内ガイドの役目、及び樹脂シート107を排出ローラ27と第2のピンチローラ28の挟持部まで案内する案内ガイドの役目もある。さらに、剥離パン75と対向するように第3の剥離ローラ31の上流部には前部案内ガイド76と、下流部には搬送ガイド77、78が延設されている。さらに、第3の剥離ローラ31で剥離されたガラス片104cは回収パン55を伝わって回収ボックス5内に集積される。
【0059】
本発明の第4の実施態様における第3の剥離ローラ31の剥離作用について
図13を用いて説明する。
第3の剥離ローラ31と剥離パン75の間隙Hに案内されたパネルアセンブリ101には、剥離残しのガラス塊104aが樹脂シート107に残っている。このガラス塊104aは第3の剥離ローラ31の螺旋溝31bに潜り込むように案内され、左右の螺旋凸条部31c、31dにより送り方向とは直交する矢印方向に剥離力Gを受ける。図中では、中央溝部31aから左右に分かれて互いに反対矢印方向に向かって剥離力Gを受ける。なお、中央溝部31aから左右に分けるのは、剥離力で樹脂シート107が片側に寄らないようにするためであり、外側に向かう剥離力により、樹脂シート107の強度が抵抗となって、ガラス塊104aを剥離するためである。
【0060】
間隙Hは樹脂シート107の厚さより僅かに広く設定されており、剥離パン75を第3の剥離ローラ31の外周に間隙H空けて1/4周程度を包み込むよう巻き付けることで、回転方向の縦方向への剥離距離に比べて、横方向へ常に長距離間にわたって剥離力を付加できるために小さな剥離残しのガラス塊104aも、きれいに剥離することが出来る。なお、横方向へ常に剥離力を付加するためには、剥離パン75を第3の剥離ローラ31の外周へ巻き付ける範囲Sは45°~180°の間が好ましい。また、横方向へ移動距離も巻き付ける範囲Sと、第3の剥離ローラ31の捻れ角度の設定で任意に設定できる。
【0061】
以上、本発明の第4の実施態様について説明したが、ここでの要点は、挟持部Xを含めて複数個所で剥離を行う構造の装置において、下流の剥離箇所では第3の剥離ローラ31と剥離パン75の間隙Hを樹脂シート107の厚さより僅かに広い間隙にした点と、上流の剥離箇所で受けた剥離力とは異なる方向の剥離力を長距離間にわたって与えるように制御することで、更に一層剥離しやすくなる利点があることである。異なる方向の剥離力を与える点では、本発明の第3の実施態様及び第3の実施態様の変形例において、樹脂シート107の先端107aを検出して第2の剥離ローラ30を制御することと同等であるが、本発明の第4の実施態様ではさらに第3の剥離ローラ31の回転や方向を制御せずとも、廃物の先端から終端にわたって全域で常に連続して第1の剥離部において塊状割りガラスに加えた剥離力の方向と異なる方向(本実施態様では直行する方向)に剥離力を掛け続けられることができ、取り残しのガラス塊を確実に剥離することができるようになる。また、一度割れて高さが低くなり小さくなったガラス塊も、樹脂シート107の厚さより僅かに広い間隙を通過するために、確実に剥離することができるようになる利点がある。
【0062】
以上、本願発明の実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、実施の形態はこれに限定されるものでなく、剥離部は何段設けてもよく、本願発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成をとり得ることは勿論である。
例えば、本発明では、剥離ローラは全周面に間欠的に突起(掻落し刃)が突設され、円柱若しくは円筒状の金属製のローラで説明したが、金属製だけでなくセラミックス製であっても構わない。また、円柱若しくは円筒状のローラ外周面に放射状に鋼製もしくは黄銅製などの細線のワイヤブラシを備えた剥離ローラであっても構わない。
さらに、
図17に示すように樹脂シート117を挟んで両面に板ガラスが接着さているような廃物(パネルアセンブリ111)の場合は、第2の剥離部において第2の駆動ローラ29と第2の剥離ローラ30の対向する位置関係を逆にすることで、一方の面の割れた塊状のガラス塊を第1の剥離部の挟持部Xで掻き落とした後、他方の面の割れた塊状のガラス塊を第2の剥離部の挟持部Zで掻き落とすことができるため、樹脂シート117を挟んだ合わせガラスの、割れて塊状になったガラス塊の剥離にも利用できる。
また、本発明は、予め板状ガラスが塊状にヒビ割られた状態となったガラスを有する廃物に対して、ガラス塊を樹脂シートから剥離する装置に関しての提案であるが、当然、本装置の前段に板ガラスを圧潰するようなユニットを設けた装置であってもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0063】
1:塊状割りガラスの剥離装置
2:ベースフレーム
5:回収ボックス
5a:空間
11:左フレーム
12:右フレーム
13:ビーム
21:駆動ローラ(第1の駆動ローラ)
22、32、42:剥離ローラ(第1の剥離ローラ)
22a、32a、42a:突起(掻落し刃)
32b、42b:凹部
22c、32c、42c:刃先前部
32d、42d:側端部
22e:刃先後部
23:送込みローラ
24:第1のピンチローラ
25、27:排出ローラ
26、28:第2のピンチローラ
29:第2の駆動ローラ
30:第2の剥離ローラ
30a:突起(掻落し刃)
30c:刃先前部
30e:刃先後部
31:第3の剥離ローラ
31a:中央溝部
31b:螺旋溝
31c:右螺旋凸条部
31d:左螺旋凸条部
51、52、53、54、55:回収パン
61:下部案内ガイド
62:上部案内ガイド
62a:内面
63、64、73、74、77、78:搬送ガイド
71、76:前部案内ガイド
72:後部案内ガイド
75:剥離パン
80:セットセンサ
81:先端検出センサ
100:太陽光発電パネル
101、111:パネルアセンブリ
101a:後端部
102:太陽電池セル
103:バックシート
104:ガラス(カバーガラス)
104a:ガラス塊
104b:空隙
104c:ガラス片
105:封止材
106:配線材
107、117:樹脂シート
107a:先端部
108:フレーム
200:剥離ローラユニット
300:搬送コンベアユニット
301:コンベア基台
302:コンベアローラ
400:搬送台ユニット
401:搬送基台
402:連結ビーム
410:ヒータユニット
411:ヒータ
412:反射板
420:第2のヒータユニット
421:ヒータ
422:反射板
X、X1、X2:駆動ローラと剥離ローラの挟持部(第1の剥離部)
Y:駆動ローラと第2の剥離ローラの挟持部(第2の剥離部)
Z:第2の駆動ローラと第2の剥離ローラの挟持部(第2の剥離部)
D:駆動ローラ直径
R:駆動ローラ半径(曲率半径)
E:駆動ローラへの突入点
F:駆動ローラからの離間点
T:待機時間
L:セットセンサから送込みローラと第1のピンチローラ挟持部までの距離
P:駆動ローラと剥離ローラの挟持部の間隔
P2:駆動ローラと第2の剥離ローラの挟持部の間隔
Q:パネルアセンブリの厚さ
S:第3の剥離ローラに巻き付ける範囲
G:第3の剥離ローラの剥離力
H:第3の剥離ローラと剥離パンの間隙
θ1:巻付き角度
θ2:巻付き角度
θ3:剥離ローラの位置の範囲角度
θ4:パネルの巻付き角度
α:第2のヒータの位置角度
V0:基準外周速度
V1、V2:剥離ローラの外周速度
V3、V4:第2の剥離ローラの外周速度
V5:第3の剥離ローラの外周速度