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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】制御方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/79 20180101AFI20241220BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20241220BHJP
【FI】
F24F11/79
F24F11/52
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022503176
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(86)【国際出願番号】 JP2021002657
(87)【国際公開番号】W WO2021171873
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】P 2020031389
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小川 兼人
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/016225(WO,A1)
【文献】特開2006-220405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/79
F24F 11/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する端末装置と、ネットワークを介して前記端末装置と通信可能であり、且つ、空調空気を室内空間に向けて吹き出すための複数の吹出口を有する空気調和機と、を備える空調システムにおける制御方法であって、
(a)前記複数の吹出口に関する吹出口情報を取得するステップと、
(b)前記表示部において、前記空気調和機の視点から前記室内空間を撮像した画像上に、前記複数の吹出口の少なくとも一つから吹き出された空調空気が届く前記室内空間の空間範囲を示す図形を重畳させて表示させるステップと、
(c)前記図形の数、又は、前記画像上において前記図形が占める領域を変更するユーザの操作を示す操作情報を受け付けるステップと、
(d)前記吹出口情報及び前記操作情報に基づいて、制御情報を生成するステップと、
(e)前記制御情報に基づいて、前記空気調和機を制御するステップと、を含み、
前記(c)において、前記画像上において前記図形が占める領域の大きさを編集可能な範囲は、前記空気調和機からの空調空気の風向範囲に対応しており、
前記制御方法は、さらに、
(f)前記(c)において、前記画像上において前記図形が占める領域の大きさを、前記編集可能な範囲を超えるように編集しようとするユーザの操作を示す前記操作情報を受け付けた場合に、ユーザにその旨を通知するための表示内容を前記表示部に表示するステップを含む
制御方法。
【請求項2】
表示部を有する端末装置と、ネットワークを介して前記端末装置と通信可能であり、且つ、空調空気を室内空間に向けて吹き出すための複数の吹出口を有する空気調和機と、を備える空調システムにおける制御方法であって、
(a)前記複数の吹出口に関する吹出口情報を取得するステップと、
(b)前記表示部において、前記空気調和機の視点から前記室内空間を撮像した画像上に、前記複数の吹出口の少なくとも一つから吹き出された空調空気が届く前記室内空間の空間範囲を示す図形を重畳させて表示させるステップと、
(c)前記図形の数、又は、前記画像上において前記図形が占める領域を変更するユーザの操作を示す操作情報を受け付けるステップと、
(d)前記吹出口情報及び前記操作情報に基づいて、制御情報を生成するステップと、
(e)前記制御情報に基づいて、前記空気調和機を制御するステップと、を含み、
前記(c)において、前記画像上において前記図形が占める領域の大きさを編集可能な範囲は、前記空気調和機からの空調空気の風向範囲に対応しており、
前記制御方法は、さらに、
(g)前記編集可能な範囲が、前記表示部に表示された前記画像から前記画像の外部の領域に亘って存在する場合に、前記画像の外部の領域に額縁領域を表示させるステップを含む
制御方法。
【請求項3】
前記吹出口情報は、前記複数の吹出口の数、前記複数の吹出口の各々の空調空気の風向範囲、前記複数の吹出口の各々に配置され且つ当該吹出口から吹き出される空調空気の向きを調整するためのルーバの数、及び、前記ルーバの可動範囲のうち少なくとも一つを含む
請求項1又は2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記複数の吹出口は、隣り合う一対の吹出口の各々の空調空気の風向範囲の一部が互いに重なるように配置される
請求項1~3のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項5】
前記(d)において、
前記吹出口情報により示される前記複数の吹出口の中から、前記操作情報により示される前記図形に対応する特定の吹出口を決定し、
前記特定の吹出口から吹き出された空調空気が前記図形により示される前記空間範囲に届くように、前記特定の吹出口を制御するための前記制御情報を生成する
請求項1~のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記(d)において、前記図形が前記複数の吹出口のうち二以上の吹出口で対応可能な場合に、前記二以上の吹出口のうち前記図形により示される前記空間範囲に最も近い吹出口を、前記特定の吹出口として決定する
請求項に記載の制御方法。
【請求項7】
前記(d)において、前記図形が前記複数の吹出口のうち二以上の吹出口で対応可能な場合に、前記二以上の吹出口の各々を前記特定の吹出口として決定する
請求項に記載の制御方法。
【請求項8】
前記(d)において、前記図形が前記複数の吹出口のうち二以上の吹出口で対応可能な場合に、前記二以上の吹出口のうち前記空気調和機の前回の運転時に使用されなかった吹出口を、前記特定の吹出口として決定する
請求項に記載の制御方法。
【請求項9】
前記(c)において、前記表示部において前記画像上に第1の図形が重畳して表示されている場合に、前記操作情報は、前記第1の図形とは異なる第2の図形を前記画像上に追加して重畳させるユーザの操作を示す情報であり、
前記(d)において、前記複数の吹出口のうち前記第1の図形に対応する吹出口を、前記第2の図形に対応する前記特定の吹出口として決定する
請求項に記載の制御方法。
【請求項10】
前記(c)において、前記表示部において前記画像上に第1の図形が重畳して表示されている場合に、前記操作情報は、前記第1の図形とは異なる第2の図形を前記画像上に追加して重畳させるユーザの操作を示す情報であり、
前記(d)において、前記複数の吹出口のうち前記第1の図形に対応する吹出口以外の他の吹出口を、前記第2の図形に対応する前記特定の吹出口として決定する
請求項に記載の制御方法。
【請求項11】
前記(d)において、前記特定の吹出口からの空調空気の風向が、前記図形により示される前記空間範囲内で変化するように、前記特定の吹出口を制御するための前記制御情報を生成する
請求項に記載の制御方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【請求項13】
空調空気を室内空間に向けて吹き出すための複数の吹出口を有する空気調和機を制御するための情報処理装置であって、
前記複数の吹出口に関する吹出口情報を取得する取得部と、
前記空気調和機の視点から前記室内空間を撮像した画像上に、前記複数の吹出口の少なくとも一つから吹き出された空調空気が届く前記室内空間の空間範囲を示す図形を重畳させて表示する表示部と、
前記図形の数、又は、前記画像上において前記図形が占める領域を変更するユーザの操作を示す操作情報を受け付ける受付部と、
前記吹出口情報及び前記操作情報に基づいて、前記空気調和機を制御するための制御情報を生成する生成部と、
前記制御情報を前記空気調和機に送信する通信部と、を備え
前記画像上において前記図形が占める領域の大きさを編集可能な範囲は、前記空気調和機からの空調空気の風向範囲に対応しており、
前記表示部は、さらに、
前記画像上において前記図形が占める領域の大きさを、前記編集可能な範囲を超えるように編集しようとするユーザの操作を示す前記操作情報が前記受付部により受け付けられた場合に、ユーザにその旨を通知するための表示内容を表示する
情報処理装置。
【請求項14】
空調空気を室内空間に向けて吹き出すための複数の吹出口を有する空気調和機を制御するための情報処理装置であって、
前記複数の吹出口に関する吹出口情報を取得する取得部と、
前記空気調和機の視点から前記室内空間を撮像した画像上に、前記複数の吹出口の少なくとも一つから吹き出された空調空気が届く前記室内空間の空間範囲を示す図形を重畳させて表示する表示部と、
前記図形の数、又は、前記画像上において前記図形が占める領域を変更するユーザの操作を示す操作情報を受け付ける受付部と、
前記吹出口情報及び前記操作情報に基づいて、前記空気調和機を制御するための制御情報を生成する生成部と、
前記制御情報を前記空気調和機に送信する通信部と、を備え、
前記画像上において前記図形が占める領域の大きさを編集可能な範囲は、前記空気調和機からの空調空気の風向範囲に対応しており、
前記表示部は、さらに、
前記編集可能な範囲が、前記表示部に表示された前記画像から前記画像の外部の領域に亘って存在する場合に、前記画像の外部の領域に額縁領域を表示させる
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~4は、空気調和機を制御するための端末装置を開示する。この端末装置のタッチパネル部には、部屋の間取り図を示す画像が表示される。ユーザは、タッチパネル部を操作することにより、空気調和機からの空調空気を届けたい部屋の平面位置及び高さ位置を指定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5836741号公報
【文献】特許第5925954号公報
【文献】特許第6282926号公報
【文献】特許第6374734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、空気調和機の風向等を直感的な操作で設定することができる制御方法、プログラム及び情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における制御方法は、表示部を有する端末装置と、ネットワークを介して前記端末装置と通信可能であり、且つ、空調空気を室内空間に向けて吹き出すための複数の吹出口を有する空気調和機と、を備える空調システムにおける制御方法であって、(a)前記複数の吹出口に関する吹出口情報を取得するステップと、(b)前記表示部において、前記空気調和機の視点から前記室内空間を撮像した画像上に、前記複数の吹出口の少なくとも一つから吹き出された空調空気が届く前記室内空間の空間範囲を示す図形を重畳させて表示させるステップと、(c)前記図形の数、又は、前記画像上において前記図形が占める領域を変更するユーザの操作を示す操作情報を受け付けるステップと、(d)前記吹出口情報及び前記操作情報に基づいて、制御情報を生成するステップと、(e)前記制御情報に基づいて、前記空気調和機を制御するステップと、を含む。
【0006】
また、本開示における情報処理装置は、空調空気を室内空間に向けて吹き出すための複数の吹出口を有する空気調和機を制御するための情報処理装置であって、前記複数の吹出口に関する吹出口情報を取得する取得部と、前記空気調和機の視点から前記室内空間を撮像した画像上に、前記複数の吹出口の少なくとも一つから吹き出された空調空気が届く前記室内空間の空間範囲を示す図形を重畳させて表示する表示部と、前記図形の数、又は、前記画像上において前記図形が占める領域を変更するユーザの操作を示す操作情報を受け付ける受付部と、前記吹出口情報及び前記操作情報に基づいて、前記空気調和機を制御するための制御情報を生成する生成部と、前記制御情報を前記空気調和機に送信する通信部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示における制御方法等によれば、空気調和機の風向等を直感的な操作で設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る空調システムを示す概念図である。
図2図2は、実施の形態に係る空調システムの機能構成を示すブロック図である。
図3A図3Aは、実施の形態に係る空気調和機による風向制御の一例を示す図である。
図3B図3Bは、実施の形態に係る空気調和機による風向制御の一例を示す図である。
図4A図4Aは、実施の形態に係る端末装置におけるタッチパネル部の表示例を示す図である。
図4B図4Bは、実施の形態に係る端末装置におけるタッチパネル部の表示例を示す図である。
図4C図4Cは、実施の形態に係る端末装置におけるタッチパネル部の表示例を示す図である。
図4D図4Dは、実施の形態に係る端末装置におけるタッチパネル部の表示例を示す図である。
図5図5は、アイコンを追加する場合における、実施の形態に係る端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図6A図6Aは、アイコンを追加する場合における、実施の形態に係る空調システムの動作を説明するための図である。
図6B図6Bは、アイコンを追加する場合における、実施の形態に係る空調システムの動作を説明するための図である。
図6C図6Cは、アイコンを追加する場合における、実施の形態に係る空調システムの動作を説明するための図である。
図7図7は、アイコンの領域を変更する場合における、実施の形態に係る端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図8A図8Aは、アイコンの領域を変更する場合における、実施の形態に係る空調システムの動作を説明するための図である。
図8B図8Bは、アイコンの領域を変更する場合における、実施の形態に係る空調システムの動作を説明するための図である。
図8C図8Cは、アイコンの領域を変更する場合における、実施の形態に係る空調システムの動作を説明するための図である。
図9図9は、アイコンを削除する場合における、実施の形態に係る端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図10A図10Aは、アイコンを削除する場合における、実施の形態に係る空調システムの動作を説明するための図である。
図10B図10Bは、アイコンを削除する場合における、実施の形態に係る空調システムの動作を説明するための図である。
図10C図10Cは、アイコンを削除する場合における、実施の形態に係る空調システムの動作を説明するための図である。
図11図11は、実施の形態に係る空調システムの制御例を示す表である。
図12A図12Aは、図11の制御例を説明するための図である。
図12B図12Bは、図11の制御例を説明するための図である。
図12C図12Cは、図11の制御例を説明するための図である。
図12D図12Dは、図11の制御例を説明するための図である。
図13図13は、実施の形態に係る空調システムの他の制御例を示す表である。
図14A図14Aは、図13の制御例を説明するための図である。
図14B図14Bは、図13の制御例を説明するための図である。
図14C図14Cは、図13の制御例を説明するための図である。
図14D図14Dは、図13の制御例を説明するための図である。
図15図15は、実施の形態に係る空調システムのさらに他の制御例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した技術に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0010】
上述した従来の端末装置では、ユーザは、実際の部屋と端末装置のタッチパネル部に表示された間取り図とを見比べながら、タッチパネル部を操作することにより、空気調和機からの空調空気を届けたい部屋内の平面位置及び高さ位置を推測する必要がある。そのため、空気調和機からの空調空気を届けたい部屋内の平面位置及び高さ位置を精度良く指定することが難しいという問題が生じる。
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0012】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0013】
(実施の形態)
以下、図1図15を参照しながら、実施の形態について説明する。
【0014】
[1.空調システムの概要]
まず、図1を参照しながら、実施の形態に係る空調システム2の概要について説明する。図1は、実施の形態に係る空調システム2を示す概念図である。
【0015】
図1に示すように、空調システム2は、例えばユーザ4の宅内等の室内空間6を空調するためのシステムである。空調システム2は、空気調和機8と、端末装置10(情報処理装置の一例)とを備えている。
【0016】
空気調和機8は、室内空間6の壁面等に配置されており、室内空間6に向けて空調空気を吹き出すための複数(本実施の形態では3個)の吹出口12a,12b,12cを有している。複数の吹出口12a,12b,12cはそれぞれ、室内空間6内の異なる複数(本実施の形態では3個)の空間範囲14a,14b,14cに向けて、独立して空調空気を吹き出すことができる。なお、本明細書において、「空間範囲」とは、室内空間6における三次元的な大きさを有する特定の範囲を意味する。
【0017】
複数の吹出口12a,12b,12cは、隣り合う一対の吹出口の各々の空調空気の風向範囲の一部が互いに重なるように配置される。具体的には、後述する図3Aに示すように、吹出口12aの風向範囲16a(図3Aにおいて実線で囲まれた範囲)の一部は、吹出口12aと隣り合う吹出口12bの風向範囲16b(図3Bにおいて一点鎖線で囲まれた範囲)の一部と重なっている。また、吹出口12bの風向範囲16bの一部は、吹出口12bと隣り合う吹出口12cの風向範囲16c(図3Bにおいて破線で囲まれた範囲)の一部と重なっている。なお、「風向範囲」とは、吹出口12a,12b,12cの各々から吹き出される空調空気の風向の最大可変範囲を意味する。
【0018】
また、空気調和機8は、当該空気調和機8の視点で室内空間6を撮像するためのカメラ18を有している。カメラ18は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラで構成されている。
【0019】
端末装置10は、空気調和機8を操作(制御)するための装置であり、例えばユーザ4により操作されるスマートフォン又はタブレット端末等である。端末装置10は、ネットワーク28(後述する図2参照)を介して空気調和機8と通信可能である。ユーザ4は、後述するようにして端末装置10を操作することにより、空気調和機8の風向等を設定することができる。
【0020】
[2.空調システムの機能構成]
次に、図2図4Dを参照しながら、実施の形態に係る空調システム2の機能構成について説明する。図2は、実施の形態に係る空調システム2の機能構成を示すブロック図である。図3A及び図3Bは、実施の形態に係る空気調和機8による風向制御の一例を示す図である。図4A図4Dは、実施の形態に係る端末装置10におけるタッチパネル部38の表示例を示す図である。なお、図3A及び図3Bは、空気調和機8を真上から見た場合の模式図である。
【0021】
図2に示すように、空気調和機8は、画像生成部20と、吹出口情報管理部22と、通信部24と、運転制御部26とを備えている。
【0022】
画像生成部20は、カメラ18(図1参照)からの撮像データに基づいて、空気調和機8の視点で室内空間6を撮像した画像を示す画像情報を生成する。画像生成部20は、生成した画像情報を通信部24に出力する。
【0023】
吹出口情報管理部22は、複数の吹出口12a,12b,12cに関する吹出口情報を管理する。吹出口情報は、例えば、複数の吹出口12a,12b,12cの数、複数の吹出口12a,12b,12cの各々の空調空気の風向範囲16a,16b,16c、複数の吹出口12a,12b,12cの各々に配置され且つ複数の吹出口12a,12b,12cの各々から吹き出される空調空気の向きを調整するためのルーバの数、及び、ルーバの可動範囲のうち少なくとも一つを含む情報である。
【0024】
なお、ルーバは、複数の上下動作ルーバと、複数の左右動作ルーバとを含んでいる。複数の上下動作ルーバは、上下方向(鉛直方向)に動作することにより、複数の吹出口12a,12b,12cのうち対応する吹出口から吹き出される空調空気の風向を上下方向に変化(移動)させる。複数の左右動作ルーバは、左右方向(水平方向)に動作することにより、複数の吹出口12a,12b,12cのうち対応する吹出口から吹き出される空調空気の風向を左右方向に変化(移動)させる。
【0025】
通信部24は、ネットワーク28を介して、端末装置10との間で各種情報を送受信する。具体的には、通信部24は、画像生成部20からの画像情報、及び、吹出口情報管理部22からの吹出口情報を端末装置10に送信する。また、通信部24は、端末装置10からの制御情報(後述する)を受信する。
【0026】
運転制御部26は、通信部24により受信された制御情報に基づいて、空気調和機8の運転を制御する。具体的には、運転制御部26は、制御情報に基づいて、空気調和機8の運転モードを、例えば冷房運転モード又は暖房運転モード等に切り替える。
【0027】
また、運転制御部26は、制御情報に基づいて、複数の吹出口12a,12b,12cの各々に配置されたルーバを駆動する。例えば図3Aに示すように、運転制御部26は、制御情報に基づいて、吹出口12aに配置された複数の左右動作ルーバ30を内側にすぼめるように駆動することにより、吹出口12aから吹き出される空調空気の風向を内側に集約させる。また、例えば図3Bに示すように、運転制御部26は、制御情報に基づいて、吹出口12aに配置された複数の左右動作ルーバ30を外側に拡げるように駆動することにより、吹出口12aから吹き出される空調空気の風向を外側に拡散させる。
【0028】
図2に示すように、端末装置10は、通信部32と、第1の取得部34と、第2の取得部36(取得部の一例)と、タッチパネル部38(受付部及び表示部の一例)と、操作情報管理部40と、生成部42とを備えている。
【0029】
通信部32は、ネットワーク28を介して、空気調和機8との間で各種情報を送受信する。具体的には、通信部32は、空気調和機8からの画像情報及び吹出口情報を受信する。また、通信部32は、生成部42からの制御情報を空気調和機8に送信する。
【0030】
第1の取得部34は、通信部32により受信された画像情報を取得し、取得した画像情報をタッチパネル部38に出力する。
【0031】
第2の取得部36は、通信部32により受信された吹出口情報を取得し、取得した吹出口情報をタッチパネル部38及び生成部42に出力する。
【0032】
タッチパネル部38は、ユーザ4の各種操作を示す操作情報を受け付けるユーザインタフェースである。また、タッチパネル部38は、各種画面を表示する。
【0033】
図4Aに示すように、タッチパネル部38は、第1の取得部34からの画像情報に基づいて、カメラ18により空気調和機8の視点で撮像された室内空間6を示す画像44を表示する。
【0034】
図4Bに示すように、例えばユーザ4がタッチパネル部38に表示された画像44をダブルタップ操作等した際には、タッチパネル部38は、画像44上にアイコン46(図形の一例)を重畳させて表示させる。アイコン46は、複数の吹出口12a,12b,12cの少なくとも一つから吹き出された空調空気が届く室内空間6の空間範囲を示すアイコンであり、例えば矩形状の実線の枠線である。なお、アイコン46の形状はこれに限定されず、任意の形状の図形であってもよい。この時、タッチパネル部38に表示された画像44の視認性を維持するために、アイコン46の一部又は全部を所定の透過率で透過させてもよい。
【0035】
ユーザ4は、タッチパネル部38に表示された画像44を見ながら、空調空気を届けたい室内空間6の空間範囲に対応する画像44の領域にアイコン46を表示させる。図4Bに示すように、ユーザ4は、例えば室内空間6のキッチン48に空調空気を届けたい場合には、キッチン48に対応する画像44の領域にアイコン46aを表示させる。また、ユーザ4は、例えば室内空間6のダイニング50に空調空気を届けたい場合には、ダイニング50に対応する画像44の領域にアイコン46bを表示させる。
【0036】
以下、アイコン46の編集方法の一例について説明する。タッチパネル部38にアイコン46が既に表示されている状態で、新たなアイコン46を追加(すなわち、アイコン46の数を変更)する場合には、ユーザ4は、例えば既存のアイコン46以外の画像44の領域をダブルタップ操作等する。これにより、タッチパネル部38は、画像44上に新たなアイコン46を追加して表示させる。なお、タッチパネル部38に表示可能なアイコン46の数の上限は、通信部32からの吹出口情報(例えば、複数の吹出口12a,12b,12cの数等)に基づいて決定される。
【0037】
また、タッチパネル部38にアイコン46が既に表示されている状態で、既存のアイコン46を削除(すなわち、アイコン46の数を変更)する場合には、ユーザ4は、例えば既存のアイコン46をダブルタップ操作等する。これにより、タッチパネル部38は、既存のアイコン46の表示を削除する。
【0038】
また、タッチパネル部38にアイコン46が既に表示されている状態で、既存のアイコン46を移動(すなわち、画像44上において既存のアイコン46が占める領域を変更)する場合には、ユーザ4は、例えば既存のアイコン46をドラッグ操作等する。これにより、タッチパネル部38は、画像44上において既存のアイコン46を移動させる。
【0039】
また、タッチパネル部38にアイコン46が既に表示されている状態で、既存のアイコン46の大きさを拡大(すなわち、画像44上において既存のアイコン46が占める領域を変更)する場合には、ユーザ4は、例えば既存のアイコン46をピンチアウト操作等する。これにより、タッチパネル部38は、画像44上において既存のアイコン46の大きさを拡大する。
【0040】
また、タッチパネル部38にアイコン46が既に表示されている状態で、既存のアイコン46の大きさを縮小(すなわち、画像44上において既存のアイコン46が占める領域を変更)する場合には、ユーザ4は、例えば既存のアイコン46をピンチイン操作等する。これにより、タッチパネル部38は、画像44上において既存のアイコン46の大きさを縮小する。
【0041】
図4Cに示すように、アイコン46の編集可能な大きさの上限は、空気調和機8からの空調空気の最大風向範囲に対応している。また、アイコン46の編集可能な大きさの下限は、空気調和機8からの空調空気の最小風向範囲に対応している。なお、ユーザ4が、アイコン46の大きさを、編集可能な大きさの上限を超える大きさに拡大しようとした場合、又は、編集可能な大きさの下限を下回る大きさに縮小しようとした場合には、タッチパネル部38は、ユーザにその旨を通知するためのエラーメッセージ等を表示してもよいし、アイコン46の大きさを編集可能な大きさに自動的に調整してもよい。あるいは、タッチパネル部38は、アイコン46の編集可能な大きさの上限又は下限を表示してもよい。
【0042】
図4Dに示すように、アイコン46の編集可能な大きさの範囲(すなわち、空気調和機8からの空調空気の風向範囲)が、タッチパネル部38に表示された画像44から当該画像44の外部の領域に亘って存在する場合には、画像44の外部の領域に別途、例えば黒色の額縁領域52を表示させてもよい。すなわち、額縁領域52の大きさは、空気調和機8からの空調空気の最大風向範囲に対応している。これにより、ユーザ4は、タッチパネル部38に表示された画像44から当該画像44の外部の領域に亘って、アイコン46の大きさを編集することができる。
【0043】
なお、アイコン46を編集するためのユーザ4の操作が所定時間継続して実行されない場合には、タッチパネル部38は、アイコン46の編集が完了したと判断する。
【0044】
タッチパネル部38は、上述したような、アイコン46の数、又は、画像44上においてアイコン46が占める領域を変更するユーザの操作を示す操作情報を受け付ける。タッチパネル部38は、受け付けた操作情報を操作情報管理部40に出力する。
【0045】
操作情報管理部40は、タッチパネル部38からの操作情報を管理する。操作情報管理部40は、操作情報を生成部42に出力する。
【0046】
生成部42は、第2の取得部36からの吹出口情報、及び、操作情報管理部40からの操作情報に基づいて、空気調和機8を制御するための制御情報を生成する。生成部42は、生成した制御情報を通信部32に出力する。
【0047】
[3.空調システムの動作]
[3-1.アイコンを追加する場合]
図5図6Cを参照しながら、アイコン46を追加する場合における空調システム2の動作について説明する。図5は、アイコン46を追加する場合における、実施の形態に係る端末装置10の処理の流れを示すフローチャートである。図6A図6Cは、アイコン46を追加する場合における、実施の形態に係る空調システム2の動作を説明するための図である。なお、図6A図6Cは、空気調和機8を真上から見た場合の模式図である。
【0048】
図5に示すように、まず、端末装置10の第1の取得部34は、通信部32により受信された画像情報を取得し(S101)、取得した画像情報をタッチパネル部38に出力する。また、第2の取得部36は、通信部32により受信された吹出口情報を取得し(S101)、取得した吹出口情報をタッチパネル部38及び生成部42に出力する。
【0049】
タッチパネル部38は、第1の取得部34からの画像情報に基づいて、カメラ18により空気調和機8の視点で撮像された室内空間6を示す画像44を表示する(S102)。ユーザ4がタッチパネル部38に表示された画像44の領域をダブルタップ操作等することにより、タッチパネル部38は、アイコン46を追加する操作を示す操作情報を受け付ける(S103)。これにより、タッチパネル部38は、画像44上にアイコン46(以下、「追加アイコン46」ともいう)を追加して表示させる(S104)。
【0050】
また、タッチパネル部38は、受け付けた操作情報を操作情報管理部40に出力し、操作情報管理部40は、タッチパネル部38からの操作情報を生成部42に出力する。生成部42は、操作情報に基づいて、追加アイコン46を追加する前の既存のアイコン(以下、「既存アイコン」ともいう)の数が0個であるか否かを判定する(S105)。
【0051】
追加アイコン46を追加する前の既存アイコンの数が0個である場合には(S105でYES)、生成部42は、操作情報及び吹出口情報に基づいて、追加アイコン46の領域が風向範囲に含まれる全ての吹出口を算出する(S106)。図6Aに示す例では、追加アイコン46の領域は、吹出口12aの風向範囲16a及び吹出口12bの風向範囲16bに含まれるので、生成部42は、2個の吹出口12a,12bを算出する。
【0052】
生成部42は、算出した全ての吹出口を、追加アイコン46の制御対象の吹出口として決定する(S107)。図6Aに示す例では、生成部42は、算出した2個の吹出口12a,12bの両方を、追加アイコン46の制御対象の吹出口として決定する。なお、追加アイコン46の制御対象の吹出口とは、追加アイコン46により示される室内空間6の空間範囲に向けて空調空気を吹き出すように制御される吹出口を意味する。
【0053】
生成部42は、決定した吹出口に配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、当該吹出口から吹き出された空調空気が追加アイコン46により示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させるための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S108)。図6Aに示す例では、生成部42は、決定した2個の吹出口12a,12bの各々に配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、2個の吹出口12a,12bの各々から吹き出された空調空気が追加アイコン46により示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させるための制御コマンドを含む制御情報を生成する。
【0054】
生成部42は、生成した制御情報を通信部32に出力する。通信部32は、生成部42からの制御情報を空気調和機8に送信する(S109)。これにより、空気調和機8の運転制御部26は、端末装置10からの制御情報に基づいて、複数の吹出口12a,12b,12cの各々を制御する。図6Aに示す例では、運転制御部26は、端末装置10からの制御情報に基づいて、2個の吹出口12a,12bの各々に配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、2個の吹出口12a,12bの各々から吹き出された空調空気が追加アイコン46により示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させる。
【0055】
ステップS105に戻り、追加アイコン46を追加する前の既存アイコンの数が1個以上である場合には(S105でNO)、生成部42は、操作情報及び吹出口情報に基づいて、追加アイコン46及び全ての既存アイコンの各領域が風向範囲に含まれる全ての吹出口を算出する(S110)。
【0056】
図6Bに示す例では、追加アイコン46を追加する前に、1個の既存アイコン46Aがタッチパネル部38に表示されている。追加アイコン46の領域は、吹出口12aの風向範囲16aに含まれるので、生成部42は、追加アイコン46に対して1個の吹出口12aを算出する。また、既存アイコン46Aの領域は、吹出口12aの風向範囲16a及び吹出口12bの風向範囲16bに含まれるので、生成部42は、既存アイコン46Aに対して2個の吹出口12a,12bを算出する。
【0057】
図6Cに示す例では、追加アイコン46を追加する前に、2個の既存アイコン46A,46Bがタッチパネル部38に表示されている。追加アイコン46の領域は、吹出口12bの風向範囲16b及び吹出口12cの風向範囲16cに含まれるので、生成部42は、追加アイコン46に対して2個の吹出口12b,12cを算出する。また、既存アイコン46Aの領域は、吹出口12aの風向範囲16a及び吹出口12bの風向範囲16bに含まれるので、生成部42は、既存アイコン46Aに対して2個の吹出口12a,12bを算出する。また、既存アイコン46Bの領域は、吹出口12aの風向範囲16aに含まれるので、生成部42は、既存アイコン46Bに対して1個の吹出口12aを算出する。
【0058】
生成部42は、追加アイコン46と全ての既存アイコンとの間で、重複しない吹出口の組み合わせを算出し(S111)、重複しない吹出口が存在するか否かを判定する(S112)。重複しない吹出口が存在する場合には(S112でYES)、生成部42は、重複しない吹出口の組み合わせで、追加アイコン46及び既存アイコンの各々の制御対象の吹出口を決定する(S113)。
【0059】
図6Bに示す例では、生成部42は、1個の吹出口12aを追加アイコン46の制御対象の吹出口として決定し、1個の吹出口12bを既存アイコン46Aの制御対象の吹出口として決定する。この場合、生成部42は、a)決定した1個の吹出口12aに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12aから吹き出された空調空気が追加アイコン46により示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させ、且つ、b)決定した1個の吹出口12bに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12bから吹き出された空調空気が既存アイコン46Aにより示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させるための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S108)。その後、上述したステップS109に進む。
【0060】
図6Cに示す例では、生成部42は、1個の吹出口12cを追加アイコン46の制御対象の吹出口として決定し、1個の吹出口12bを既存アイコン46Aの制御対象の吹出口として決定し、1個の吹出口12aを既存アイコン46Bの制御対象の吹出口として決定する。この場合、生成部42は、a)決定した1個の吹出口12cに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12cから吹き出された空調空気が追加アイコン46により示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させ、且つ、b)決定した1個の吹出口12bに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、吹出口12bから吹き出された空調空気が既存アイコン46Aにより示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させ、且つ、c)決定した1個の吹出口12aに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12aから吹き出された空調空気が既存アイコン46Bにより示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させるための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S108)。その後、上述したステップS109に進む。
【0061】
ステップS112に戻り、重複しない吹出口が存在しない場合には(S112でNO)、生成部42は、追加アイコン46の表示を削除するようにタッチパネル部38に指示し(S114)、エラーメッセージを表示するようにタッチパネル部38に指示する(S115)。この場合、生成部42は、既存アイコンの制御対象の吹出口を、追加アイコン46を追加する前の状態に維持するための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S108)。その後、上述したステップS109に進む。
【0062】
[3-2.アイコンの領域を変更する場合]
図7図8Cを参照しながら、アイコン46の領域を変更(すなわち、アイコン46を移動)する場合における空調システム2の動作について説明する。図7は、アイコン46の領域を変更する場合における、実施の形態に係る端末装置10の処理の流れを示すフローチャートである。図8A図8Cは、アイコン46の領域を変更する場合における、実施の形態に係る空調システム2の動作を説明するための図である。なお、図8A図8Cは、空気調和機8を真上から見た場合の模式図である。
【0063】
図7に示すように、まず、端末装置10の第1の取得部34は、通信部32により受信された画像情報を取得し(S201)、取得した画像情報をタッチパネル部38に出力する。また、第2の取得部36は、通信部32により受信された吹出口情報を取得し(S201)、取得した吹出口情報をタッチパネル部38及び生成部42に出力する。
【0064】
タッチパネル部38は、第1の取得部34からの画像情報に基づいて、カメラ18により空気調和機8の視点で撮像された室内空間6を示す画像44を表示する(S202)。ユーザがタッチパネル部38に表示されたアイコン46をドラッグ操作等することにより、タッチパネル部38は、アイコン46の領域を変更する操作を示す操作情報を受け付ける(S203)。これにより、タッチパネル部38は、画像44上に重畳して表示されているアイコン46の領域を変更する(S204)。
【0065】
また、タッチパネル部38は、受け付けた操作情報を操作情報管理部40に出力し、操作情報管理部40は、タッチパネル部38からの操作情報を生成部42に出力する。生成部42は、操作情報に基づいて、アイコン46の領域を変更する前の既存アイコンの数が2個以上であるか否かを判定する(S205)。
【0066】
アイコン46の領域を変更する前の既存アイコンの数が1個である場合には(S205でNO)、生成部42は、操作情報及び吹出口情報に基づいて、領域変更後のアイコン46の領域が風向範囲に含まれる全ての吹出口を算出する(S206)。図8Aに示す例では、領域変更後のアイコン46の領域は、吹出口12cの風向範囲16cに含まれるので、生成部42は、1個の吹出口12cを算出する。
【0067】
生成部42は、算出した全ての吹出口を、領域変更後のアイコン46の制御対象の吹出口として決定する(S207)。図8Aに示す例では、生成部42は、算出した1個の吹出口12cを、領域変更後のアイコン46の制御対象の吹出口として決定する。
【0068】
生成部42は、決定した吹出口に配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、当該吹出口から吹き出された空調空気が領域変更後のアイコン46により示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させるための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S208)。図8Aに示す例では、生成部42は、決定した1個の吹出口12cに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12cから吹き出された空調空気が領域変更後のアイコン46により示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させるための制御コマンドを含む制御情報を生成する。
【0069】
生成部42は、生成した制御情報を通信部32に出力する。通信部32は、生成部42からの制御情報を空気調和機8に送信する(S109)。これにより、空気調和機8の運転制御部26は、端末装置10からの制御情報に基づいて、複数の吹出口12a,12b,12cの各々を制御する。図8Aに示す例では、運転制御部26は、端末装置10からの制御情報に基づいて、1個の吹出口12cに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12cから吹き出された空調空気が領域変更後のアイコン46により示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させる。
【0070】
ステップS205に戻り、アイコン46の領域を変更する前の既存アイコンの数が2個以上である場合には(S205でYES)、生成部42は、操作情報及び吹出口情報に基づいて、領域変更後のアイコン46及び全ての既存アイコンの各領域が風向範囲に含まれる全ての吹出口を算出する(S210)。
【0071】
図8Bに示す例では、2個の既存アイコン46,46Bがタッチパネル部38に表示されている状態で、既存アイコン46の領域が変更されている。領域変更後の既存アイコン46の領域は、吹出口12cの風向範囲16cに含まれるので、生成部42は、領域変更後の既存アイコン46に対して1個の吹出口12cを算出する。また、既存アイコン46Bの領域は、吹出口12aの風向範囲16aに含まれるので、生成部42は、既存アイコン46Bに対して1個の吹出口12aを算出する。
【0072】
図8Cに示す例では、3個の既存アイコン46,46B,46Cがタッチパネル部38に表示されている状態で、既存アイコン46の領域が変更されている。領域変更後の既存アイコン46の領域は、吹出口12cの風向範囲16cに含まれるので、生成部42は、領域変更後の既存アイコン46に対して1個の吹出口12cを算出する。また、既存アイコン46Bの領域は、吹出口12aの風向範囲16aに含まれるので、生成部42は、既存アイコン46Bに対して1個の吹出口12aを算出する。また、既存アイコン46Cの領域は、吹出口12bの風向範囲16b及び吹出口12cの風向範囲16cに含まれるので、生成部42は、既存アイコン46Cに対して2個の吹出口12b,12cを算出する。
【0073】
生成部42は、領域変更後のアイコン46と全ての既存アイコンとの間で、重複しない吹出口の組み合わせを算出し(S211)、重複しない吹出口が存在するか否かを判定する(S212)。重複しない吹出口が存在する場合には(S212でYES)、生成部42は、重複しない吹出口の組み合わせで、領域変更後のアイコン46及び既存アイコンの各々の制御対象の吹出口を決定する(S213)。
【0074】
図8Bに示す例では、生成部42は、1個の吹出口12cを領域変更後のアイコン46の制御対象の吹出口として決定し、1個の吹出口12aを既存アイコン46Bの制御対象の吹出口として決定する。この場合、生成部42は、a)決定した1個の吹出口12cに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12cから吹き出された空調空気が領域変更後のアイコン46により示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させ、且つ、b)決定した1個の吹出口12aに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12aから吹き出された空調空気が既存アイコン46Bにより示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させるための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S208)。その後、上述したステップS209に進む。
【0075】
図8Cに示す例では、生成部42は、1個の吹出口12cを領域変更後のアイコン46の制御対象の吹出口として決定し、1個の吹出口12aを既存アイコン46Bの制御対象の吹出口として決定し、1個の吹出口12bを既存アイコン46Cの制御対象の吹出口として決定する。この場合、生成部42は、a)決定した1個の吹出口12cに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12cから吹き出された空調空気が領域変更後のアイコン46Aにより示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させ、且つ、b)決定した1個の吹出口12aに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12aから吹き出された空調空気が既存アイコン46Bにより示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させ、且つ、c)決定した1個の吹出口12bに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12bから吹き出された空調空気が既存アイコン46Cにより示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させるための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S208)。その後、上述したステップS209に進む。
【0076】
ステップS212に戻り、重複しない吹出口が存在しない場合には(S212でNO)、生成部42は、領域変更後のアイコン46の領域を元に戻すようにタッチパネル部38に指示し(S214)、エラーメッセージを表示するようにタッチパネル部38に指示する(S215)。この場合、生成部42は、既存アイコンの制御対象の吹出口を、アイコン46の領域を変更する前の状態に維持するための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S208)。その後、上述したステップS209に進む。
【0077】
[3-3.アイコンを削除する場合]
図9図10Cを参照しながら、アイコン46を削除する場合における空調システム2の動作について説明する。図9は、アイコン46を削除する場合における、実施の形態に係る端末装置10の処理の流れを示すフローチャートである。図10A図10Cは、アイコン46を削除する場合における、実施の形態に係る空調システム2の動作を説明するための図である。なお、図10A図10Cは、空気調和機8を真上から見た場合の模式図である。
【0078】
図9に示すように、まず、端末装置10の第1の取得部34は、通信部32により受信された画像情報を取得し(S301)、取得した画像情報をタッチパネル部38に出力する。また、第2の取得部36は、通信部32により受信された吹出口情報を取得し(S301)、取得した吹出口情報をタッチパネル部38及び生成部42に出力する。
【0079】
タッチパネル部38は、第1の取得部34からの画像情報に基づいて、カメラ18により空気調和機8の視点で撮像された室内空間6を示す画像44を表示する(S302)。ユーザがタッチパネル部38に表示された既存のアイコン46をダブルタップ操作等することにより、タッチパネル部38は、アイコン46を削除する操作を示す操作情報を受け付ける(S303)。これにより、タッチパネル部38は、画像44上に重畳して表示されているアイコン46を削除する(S304)。
【0080】
また、タッチパネル部38は、受け付けた操作情報を操作情報管理部40に出力し、操作情報管理部40は、タッチパネル部38からの操作情報を生成部42に出力する。生成部42は、操作情報に基づいて、アイコン46を削除する前の既存アイコンの数が2個以上であるか否かを判定する(S305)。
【0081】
アイコン46を削除する前の既存アイコンの数が1個である場合には(S305でNO)、生成部42は、操作情報及び吹出口情報に基づいて、削除したアイコン46の制御対象となっていた全ての吹出口の各々に配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを閉塞する(又は、削除したアイコン46の制御対象となっていた全ての吹出口の各々からの空調空気の吹き出しを停止する)ための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S306)。
【0082】
生成部42は、生成した制御情報を通信部32に出力する。通信部32は、生成部42からの制御情報を空気調和機8に送信する(S307)。これにより、空気調和機8の運転制御部26は、端末装置10からの制御情報に基づいて、複数の吹出口12a,12b,12cの各々を制御する。図10Aに示す例では、運転制御部26は、端末装置10からの制御情報に基づいて、削除したアイコン46の制御対象となっていた1個の吹出口12aに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを閉塞する(又は、削除したアイコン46の制御対象となっていた1個の吹出口12aからの空調空気の吹き出しを停止する)ように制御する。
【0083】
ステップS305に戻り、アイコン46を削除する前の既存アイコンの数が2個以上である場合には(S305でYES)、生成部42は、操作情報及び吹出口情報に基づいて、全ての残存しているアイコン(以下、「残存アイコン」ともいう)の各領域が風向範囲に含まれる全ての吹出口を算出する(S308)。
【0084】
図10Bに示す例では、アイコン46を削除した後に、1個の残存アイコン46Aがタッチパネル部38に表示されている。残存アイコン46Aの領域は、吹出口12aの風向範囲16a及び吹出口12bの風向範囲16bに含まれるので、生成部42は、残存アイコン46Aに対して2個の吹出口12a,12bを算出する。
【0085】
図10Cに示す例では、アイコン46を削除した後に、2個の残存アイコン46A,46Bがタッチパネル部38に表示されている。残存アイコン46Aの領域は、吹出口12aの風向範囲16a及び吹出口12bの風向範囲16bに含まれるので、生成部42は、既存アイコン46Aに対して2個の吹出口12a,12bを算出する。また、残存アイコン46Bの領域は、吹出口12aの風向範囲16aに含まれるので、生成部42は、残存アイコン46Bに対して1個の吹出口12aを算出する。
【0086】
生成部42は、全ての残存アイコンの間で、重複しない吹出口の組み合わせを算出し(S309)、重複しない吹出口の組み合わせで、各残存アイコンの制御対象の吹出口を決定する(S310)。
【0087】
図10Bに示す例では、生成部42は、2個の吹出口12a,12bを残存アイコン46Aの制御対象の吹出口として決定する。この場合、生成部42は、決定した2個の吹出口12a,12bの各々に配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、2個の吹出口12a,12bの各々から吹き出された空調空気が残存アイコン46Aにより示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させるための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S306)。その後、上述したステップS307に進む。
【0088】
図10Cに示す例では、生成部42は、1個の吹出口12bを残存アイコン46Aの制御対象の吹出口として決定し、1個の吹出口12aを残存アイコン46Bの制御対象の吹出口として決定する。この場合、生成部42は、a)決定した1個の吹出口12bに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12bから吹き出された空調空気が残存アイコン46Aにより示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させ、且つ、b)決定した1個の吹出口12aに配置された上下動作ルーバ及び左右動作ルーバを、1個の吹出口12aから吹き出された空調空気が残存アイコン46Bにより示される室内空間6の空間範囲からはみ出さないように動作させるための制御コマンドを含む制御情報を生成する(S306)。その後、上述したステップS307に進む。
【0089】
[4.空調システムの制御例]
[4-1.既存アイコンが存在しない場合]
図11図12Cを参照しながら、既存アイコンが存在しない場合に、追加アイコン46を追加する際における空調システム2の制御例について説明する。図11は、実施の形態に係る空調システム2の制御例を示す表である。図12A図12Cは、図11の制御例を説明するための図である。
【0090】
[4-1-1.吹出口が2個の場合]
まず、図11図12Bを参照しながら、空気調和機8が2個の吹出口12a,12bを有する場合について説明する。図11及び図12Aに示すように、追加アイコン46の領域が1個の吹出口12aの風向範囲16aに含まれる場合(すなわち、1個の吹出口12aで出力可能な場合)には、当該1個の吹出口12aで出力する。
【0091】
図11及び図12Bに示すように、追加アイコン46の領域が2個の吹出口12a,12bの各風向範囲16a,16bに含まれる場合(すなわち、2個の吹出口12a,12bで出力可能な場合)には、a)1個の吹出口で出力する、又は、b)2個の吹出口で出力する。1個の吹出口で出力する場合には、2個の吹出口12a,12bのうち、追加アイコン46により示される空間領域に近い方の吹出口(例えば吹出口12a)で出力する、あるいは、前回の運転時で使っていない吹出口(例えば吹出口12b)で出力する。2個の吹出口で出力する場合には、2個の吹出口12a,12bで交互に又は同時に出力する。
【0092】
なお、複数の吹出口で同時に出力する場合には、例えば、1個の吹出口で出力する場合の風量(出力量)を吹出口の個数で除算した風量に対して、各吹出口の風量を弱める等することにより、各吹出口の風量を制御してもよい。例えば、1個の吹出口で出力する風量を「1」とした時、2個の吹出口で出力する場合には、それぞれ1/2=0.5ずつの風量(合計「1」)で出力してもよい。このことは、以下で説明する図11における「同時に出力」についても同様である。
【0093】
[4-1-2.吹出口が3個の場合]
次に、図11及び図12Cを参照しながら、空気調和機8が3個の吹出口12a,12b,12cを有する場合について説明する。1個の吹出口で出力可能な場合、及び、2個の吹出口で出力可能な場合については、空気調和機8が2個の吹出口12a,12bを有する場合と同様であるので、説明を省略する。
【0094】
図11及び図12Cに示すように、追加アイコン46の領域が3個の吹出口12a,12b,12cの各風向範囲16a,16b,16cに含まれる場合(すなわち、3個の吹出口12a,12b,12cで出力可能な場合)には、a)1個の吹出口で出力する、b)2個の吹出口で出力する、又は、c)3個の吹出口で出力する。1個の吹出口で出力する場合には、3個の吹出口12a,12b,12cのうち、追加アイコン46により示される空間領域に最も近い吹出口(例えば吹出口12b)で出力する、又は、前回の運転時で使っていない吹出口(例えば吹出口12c)で出力する。2個の吹出口で出力する場合には、追加アイコン46により示される空間領域に最も近い2個の吹出口(例えば2個の吹出口12a,12b)で交互に又は同時に出力する。3個の吹出口で出力する場合には、3個の吹出口12a,12b,12cで交互に又は同時に出力する。
【0095】
[4-1-3.吹出口が4個の場合]
次に、図11及び図12Dを参照しながら、空気調和機8が4個の吹出口12a,12b,12c,12dを有する場合について説明する。1個の吹出口で出力可能な場合、2個の吹出口で出力可能な場合、及び、3個の吹出口を有する場合については、空気調和機8が3個の吹出口12a,12b,12cを有する場合と同様であるので、説明を省略する。
【0096】
図11及び図12Dに示すように、追加アイコン46の領域が4個の吹出口12a,12b,12c,12dの各風向範囲16a,16b,16c,16dに含まれる場合(すなわち、4個の吹出口12a,12b,12c,12dで出力可能な場合)には、a)1個の吹出口で出力する、b)2個の吹出口で出力する、c)3個の吹出口で出力する、又は、d)4個の吹出口で出力する。1個の吹出口で出力する場合には、4個の吹出口12a,12b,12c,12dのうち、追加アイコン46により示される空間領域に最も近い吹出口(例えば吹出口12b)で出力する、又は、前回の運転時で使っていない吹出口(例えば吹出口12d)で出力する。2個の吹出口で出力する場合には、追加アイコン46により示される空間領域に最も近い2個の吹出口(例えば2個の吹出口12a,12b)で交互に又は同時に出力する。3個の吹出口で出力する場合には、追加アイコン46により示される空間領域に最も近い3個の吹出口(例えば3個の吹出口12a,12b,12c)で交互に又は同時に出力する。4個の吹出口で出力する場合には、4個の吹出口12a,12b,12c,12dで交互に又は同時に出力する。
【0097】
[4-2.既存アイコンが存在する場合]
図13図14Dを参照しながら、既存アイコンが存在する場合に、アイコン46を追加する際における空調システム2の制御例について説明する。図13は、実施の形態に係る空調システム2の他の制御例を示す表である。図14A図14Dは、図13の制御例を説明するための図である。
【0098】
[4-2-1.既存アイコンの制御対象の吹出口の風向範囲内の場合]
図13に示すように、追加アイコン(第2の図形の一例)の領域が、既存アイコン(第1の図形の一例)の制御対象の吹出口の風向範囲内にある場合には、既存アイコンの制御対象の吹出口で出力する。
【0099】
図13及び図14Aに示すように、追加アイコン46の領域が、既存アイコン46Aの制御対象の吹出口12bの風向範囲16b内にある場合には、当該1個の吹出口12bで出力する。この場合、吹出口12bは、既存アイコン46A及び追加アイコン46によりそれぞれ示される空間範囲に交互に出力する。
【0100】
図13及び図14Bに示すように、追加アイコン46の領域が、既存アイコン46Aの制御対象の吹出口12a,12bの各風向範囲16a,16b内にある場合には、当該2個の吹出口12a,12bで出力する。この場合、2個の吹出口12a,12bは、交互に又は同時に出力する。
【0101】
なお、複数の吹出口で同時に出力する場合には、例えば、1個の吹出口で出力する場合の風量を吹出口の個数で除算した風量に対して、各吹出口の風量を弱める等することにより、各吹出口の風量を制御してもよい。例えば、1個の吹出口で出力する風量を「1」とした時、2個の吹出口で出力する場合には、それぞれ1/2=0.5ずつの風量(合計「1」)で出力してもよい。このことは、以下で説明する図13における「同時に出力」についても同様である。
【0102】
一方、図13に示すように、追加アイコンの領域が、既存アイコンの制御対象の吹出口の風向範囲内にある場合には、既存アイコンの制御対象の吹出口以外の他の吹出口で出力する。
【0103】
図13及び図14Cに示すように、追加アイコン46Aの領域が、既存アイコン46Aの制御対象の吹出口12a,12bの各風向範囲16a,16b内にある場合には、既存アイコン46Aの制御対象でない他の吹出口12cで出力する。この場合、全ての吹出口が交互に又は同時に出力する、あるいは、一部の吹出口が交互に又は同時に出力する。
【0104】
[4-2-2.既存アイコンの制御対象の吹出口の風向範囲外の場合]
図13に示すように、追加アイコンの領域が、既存アイコンの制御対象の吹出口の風向範囲外にある場合には、既存アイコンの制御対象の吹出口以外の他の吹出口で出力する。
【0105】
図13及び図14Dに示すように、追加アイコン46(第2の図形の一例)の領域が、既存アイコン46A(第1の図形の一例)の制御対象の吹出口12aの風向範囲16a外にある場合には、他の2個の吹出口12b,12cで出力する。この場合、全ての吹出口が交互に又は同時に出力する、あるいは、一部の吹出口が交互に又は同時に出力する。
【0106】
[4-3.追加アイコンにより示される空間領域が所定の大きさ以上である場合]
図15を参照しながら、追加アイコン46により示される空間領域が所定の大きさ以上である場合における空調システム2の制御例について説明する。図15は、実施の形態に係る空調システム2のさらに他の制御例を示す表である。
【0107】
[4-3-1.複数の吹出口で出力する場合]
図15に示すように、複数の吹出口で出力する場合には、複数の吹出口は、追加アイコン46により示される空間領域に向けて交互に又は同時に出力する。
【0108】
[4-3-2.1個の吹出口で出力する場合]
[4-3-2-1.運転モードに応じて風向を制御]
図15に示すように、1個の吹出口で出力する場合には、空気調和機8の運転モードに応じて風向を制御する。
【0109】
運転モードが冷房運転モードである場合には、追加アイコン46により示される空間領域における上方の範囲から風向制御を開始する。具体的には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、上方の範囲ほどゆっくりと風向を移動(変化)させ、下方の範囲ほど速く風向を移動させる。
【0110】
運転モードが暖房運転モードである場合には、追加アイコン46により示される空間領域における下方の範囲から風向制御を開始する。具体的には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、下方の範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、上方の範囲ほど速く風向を移動させる。
【0111】
[4-3-2-2.物体の存在の有無に応じて風向を制御]
図15に示すように、1個の吹出口で出力する場合には、追加アイコン46により示される空間領域に存在する物体(例えば、人、ペット、窓、カーテン、ドア、壁、床、天井及び熱源等)の有無に応じて風向を制御する。
【0112】
物体の存在する範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、物体が存在する範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、物体が存在しない範囲ほど速く風向を移動させる。
【0113】
物体の存在しない範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、物体が存在しない範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、物体が存在する範囲ほど速く風向を移動させる。
【0114】
[4-3-2-3.ユーザの属性に応じて風向を制御]
図15に示すように、1個の吹出口で出力する場合には、追加アイコン46により示される空間領域に存在するユーザ4の属性(例えば、大人、子供、男性、女性、寒がり、暑がり、厚着、薄着、半袖着用、長袖着用、半ズボン着用、長ズボン着用、活動量大、活動量小、体温高及び体温低等)に応じて風向を制御する。
【0115】
所定属性のユーザ4が存在する範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、所定属性のユーザ4が存在する範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、所定属性のユーザ4が存在しない範囲ほど速く風向を移動させる。
【0116】
所定属性のユーザ4が存在しない範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、所定属性のユーザ4が存在しない範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、所定属性のユーザ4が存在する範囲ほど速く風向を移動させる。
【0117】
[4-3-2-4.物体と空気調和機との距離に応じて風向を制御]
図15に示すように、1個の吹出口で出力する場合には、追加アイコン46により示される空間領域に存在する物体(例えば、人、ペット、窓、カーテン、ドア、壁、床、天井及び熱源等)と空気調和機8との距離に応じて風向を制御する。なお、物体と空気調和機8との距離は、空気調和機8に配置された深度センサ等により検出される。
【0118】
物体と空気調和機8との距離が遠い範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコンに46より示される空間領域のうち、距離が遠い範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、距離が近い範囲ほど速く風向を移動させる。
【0119】
物体と空気調和機8との距離が近い範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、距離が近い範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、距離が遠い範囲ほど速く風向を移動させる。
【0120】
なお、上述した制御に代えて、追加アイコン46により示される空間領域のうち、距離が遠い範囲ほど風量を大きくし、距離が近い範囲ほど風量を小さくしてもよい。
【0121】
[4-3-2-5.方位に応じて風向を制御]
図15に示すように、1個の吹出口で出力する場合には、追加アイコン46により示される空間領域の方位に応じて風向を制御する。
【0122】
所定方位に近い範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、所定方位に近い範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、所定方位から遠い範囲ほど速く風向を移動させる。
【0123】
所定方位から遠い範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、所定方位から遠い範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、所定方位から近い範囲ほど速く風向を移動させる。
【0124】
[4-3-2-6.室内空間の温度分布に応じて風向を制御]
図15に示すように、1個の吹出口で出力する場合には、室内空間6における温度分布に応じて風向を制御する。
【0125】
所定温度の場所に近い範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、所定温度の場所に近い範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、所定温度の場所から遠い範囲ほど速く風向を移動させる。
【0126】
所定温度の場所から遠い範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、所定温度の場所から遠い範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、所定温度の場所から近い範囲ほど速く風向を移動させる。
【0127】
[4-3-2-7.室内空間の湿度分布に応じて風向を制御]
図15に示すように、1個の吹出口で出力する場合には、室内空間6における湿度分布に応じて風向を制御する。
【0128】
所定湿度の場所に近い範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、所定湿度の場所に近い範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、所定湿度の場所から遠い範囲ほど速く風向を移動させる。
【0129】
所定湿度の場所から遠い範囲から風向制御を開始する場合には、追加アイコン46により示される空間領域のうち、所定湿度の場所から遠い範囲ほどゆっくりと風向を移動させ、所定湿度の場所から近い範囲ほど速く風向を移動させる。
【0130】
[4-3-2-8.一筆書きの経路で移動]
図15に示すように、1個の吹出口で出力する場合には、追加アイコン46により示される空間領域において一筆書きの経路(すなわち、一部が重ならない経路)で風向を移動させる。
【0131】
[4-3-2-9.ランダムな経路で移動]
図15に示すように、1個の吹出口で出力する場合には、追加アイコン46により示される空間領域においてランダムな経路(すなわち、一部が重なる経路)で風向を移動させる。
【0132】
[4-3-2-10.上下方向及び左右方向で交互に移動]
図15に示すように、1個の吹出口で出力する場合には、追加アイコン46により示される空間領域において、上下方向及び左右方向で交互に風向を移動させる。
【0133】
[5.効果]
上述したように、本実施の形態において、制御方法は、タッチパネル部38を有する端末装置10と、ネットワーク28を介して端末装置10と通信可能であり、且つ、空調空気を室内空間6に向けて吹き出すための複数の吹出口12a,12b,12cを有する空気調和機8と、を備える空調システム2における制御方法である。制御方法は、(a)複数の吹出口12a,12b,12cに関する吹出口情報を取得するステップと、(b)タッチパネル部38において、空気調和機8の視点から室内空間6を撮像した画像44上に、複数の吹出口12a,12b,12cの少なくとも一つから吹き出された空調空気が届く室内空間6の空間範囲を示すアイコン46を重畳させて表示させるステップと、(c)アイコン46の数、又は、画像44上においてアイコン46が占める領域を変更するユーザ4の操作を示す操作情報を受け付けるステップと、(d)吹出口情報及び操作情報に基づいて、制御情報を生成するステップと、(e)制御情報に基づいて、空気調和機8を制御するステップと、を含む。
【0134】
これによれば、ユーザ4は、タッチパネル部38に表示された画像44上で、空調空気を届けたい室内空間6の空間範囲を指定する操作を容易に行うことができる。この時、画像44は、空気調和機8の視点から室内空間6を撮像した画像であるので、ユーザ4は、空調空気を届けたい室内空間6の空間範囲を容易に推測することができる。その結果、空気調和機8の風向等を直感的な操作で設定することができる。
【0135】
また、本実施の形態において、吹出口情報は、複数の吹出口12a,12b,12cの数、複数の吹出口12a,12b,12cの各々の空調空気の風向範囲、複数の吹出口12a,12b,12cの各々に配置され且つ当該吹出口から吹き出される空調空気の向きを調整するためのルーバの数、及び、ルーバの可動範囲のうち少なくとも一つを含む。
【0136】
これによれば、このような吹出口情報と操作情報とに基づいて、制御情報を精度良く生成することができる。
【0137】
また、本実施の形態において、複数の吹出口12a,12b,12cは、隣り合う一対の吹出口の各々の空調空気の風向範囲の一部が互いに重なるように配置される。
【0138】
これによれば、複数の吹出口12a,12b,12cのうち二以上の吹出口から吹き出された空調空気を、アイコン46により示される空間範囲に届けることができる。
【0139】
また、本実施の形態において、上記(d)において、吹出口情報により示される複数の吹出口12a,12b,12cの中から、操作情報により示されるアイコン46に対応する特定の吹出口を決定する。特定の吹出口から吹き出された空調空気がアイコン46により示される空間範囲に届くように、特定の吹出口を制御するための制御情報を生成する。
【0140】
これによれば、特定の吹出口から吹き出された空調空気を、アイコン46により示される空間範囲に届けることができる。
【0141】
また、本実施の形態において、上記(d)において、アイコン46が複数の吹出口12a,12b,12cのうち二以上の吹出口で対応可能な場合に、二以上の吹出口のうちアイコン46により示される空間範囲に最も近い吹出口を、特定の吹出口として決定する。
【0142】
これによれば、アイコン46により示される空間範囲に最も近い吹出口から吹き出された空調空気を、アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0143】
また、本実施の形態において、上記(d)において、アイコン46が複数の吹出口12a,12b,12cのうち二以上の吹出口で対応可能な場合に、二以上の吹出口の各々を特定の吹出口として決定する。
【0144】
これによれば、二以上の吹出口の各々から吹き出された空調空気を、アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0145】
また、本実施の形態において、上記(d)において、二以上の吹出口の各々から交互に吹き出された空調空気がアイコン46により示される空間範囲に届くように、二以上の吹出口の各々を制御するための制御情報を生成する。
【0146】
これによれば、二以上の吹出口の各々から交互に吹き出された空調空気を、アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0147】
また、本実施の形態において、上記(d)において、二以上の吹出口の各々から同時に吹き出された空調空気がアイコン46により示される空間範囲に届くように、二以上の吹出口の各々を制御するための制御情報を生成する。
【0148】
これによれば、二以上の吹出口の各々から同時に吹き出された空調空気を、アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0149】
また、本実施の形態において、上記(d)において、アイコン46が複数の吹出口12a,12b,12cのうち二以上の吹出口で対応可能な場合に、二以上の吹出口のうち空気調和機8の前回の運転時に使用されなかった吹出口を、特定の吹出口として決定する。
【0150】
これによれば、複数の吹出口12a,12b,12cを万遍なく使用することができる。
【0151】
また、本実施の形態において、上記(c)において、タッチパネル部38において画像44上に既存アイコンが重畳して表示されている場合に、操作情報は、既存アイコンとは異なる追加アイコン46を画像44上に追加して重畳させるユーザ4の操作を示す情報である。上記(d)において、複数の吹出口12a,12b,12cのうち追加アイコン46に対応する吹出口を、既存アイコンに対応する特定の吹出口として決定する。
【0152】
これによれば、既存アイコンに対応する吹出口から吹き出された空調空気を、追加アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0153】
また、本実施の形態において、上記(c)において、タッチパネル部38において画像44上に既存アイコンが重畳して表示されている場合に、操作情報は、既存アイコンとは異なる追加アイコン46を画像44上に追加して重畳させるユーザの操作を示す情報である。上記(d)において、複数の吹出口12a,12b,12cのうち既存アイコンに対応する吹出口以外の他の吹出口を、追加アイコン46に対応する特定の吹出口として決定する。
【0154】
これによれば、既存アイコンに対応する吹出口以外の他の吹出口から吹き出された空調空気を、追加アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0155】
また、本実施の形態において、上記(d)において、特定の吹出口からの空調空気の風向が、アイコン46により示される空間範囲内で変化するように、特定の吹出口を制御するための制御情報を生成する。
【0156】
これによれば、特定の吹出口から吹き出された空調空気を、アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0157】
また、本実施の形態において、上記(d)において、特定の吹出口からの空調空気の風向が、空気調和機8の運転モードに応じて空間範囲内で変化するように、特定の吹出口を制御するための制御情報を生成する。
【0158】
これによれば、特定の吹出口から吹き出された空調空気を、空気調和機8の運転モードを考慮して、アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0159】
また、本実施の形態において、上記(d)において、特定の吹出口からの空調空気の風向が、アイコン46により示される空間範囲内に存在する物体の存在の有無、物体と空気調和機8との距離、及び、空間範囲内に存在するユーザ4の属性の少なくとも一つに応じて空間範囲内で変化するように、特定の吹出口を制御するための制御情報を生成する。
【0160】
これによれば、特定の吹出口から吹き出された空調空気を、物体の存在の有無、物体と空気調和機8との距離、及び、空間範囲内に存在するユーザ4の属性の少なくとも一つを考慮して、アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0161】
また、本実施の形態において、上記(d)において、特定の吹出口からの空調空気の風向が、アイコン46により示される空間範囲の方位、室内空間における温度分布、及び、室内空間における湿度分布の少なくとも一つに応じて空間範囲内で変化するように、特定の吹出口を制御するための制御情報を生成する。
【0162】
これによれば、特定の吹出口から吹き出された空調空気を、空間範囲の方位、室内空間における温度分布、及び、室内空間における湿度分布の少なくとも一つを考慮して、アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0163】
また、本実施の形態において、上記(d)において、特定の吹出口からの空調空気の風向が、アイコン46により示される空間範囲内で一筆書きの経路で変化するように、特定の吹出口を制御するための制御情報を生成する。
【0164】
これによれば、特定の吹出口から吹き出された空調空気を、アイコン46により示される空間範囲に効率良く届けることができる。
【0165】
また、本実施の形態において、上記(d)において、特定の吹出口からの空調空気の風向が、アイコン46により示される空間範囲内でランダムな経路で変化するように、特定の吹出口を制御するための制御情報を生成する。
【0166】
これによれば、特定の吹出口から吹き出された空調空気を、より自然な風向でアイコン46により示される空間範囲に届けることができる。
【0167】
また、本実施の形態において、上記(d)において、特定の吹出口からの空調空気の風向が、アイコン46により示される空間範囲内で上下方向と左右方向とで交互に変化するように、特定の吹出口を制御するための制御情報を生成する。
【0168】
これによれば、室内空間6における空調空気の循環性を高めることができる。
【0169】
また、本実施の形態において、プログラムは、上述したいずれかの制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0170】
また、本実施の形態において、端末装置10は、空調空気を室内空間6に向けて吹き出すための複数の吹出口12a,12b,12cを有する空気調和機8を制御するための情報処理装置である。情報処理装置は、複数の吹出口12a,12b,12cに関する吹出口情報を取得する第2の取得部36(取得部)と、空気調和機8の視点から室内空間6を撮像した画像44上に、複数の吹出口12a,12b,12bの少なくとも一つから吹き出された空調空気が届く室内空間6の空間範囲を示すアイコン46を重畳させて表示するタッチパネル部38(表示部)と、アイコン46の数、又は、画像44上においてアイコン46が占める領域を変更するユーザ4の操作を示す操作情報を受け付けるタッチパネル部38(受付部)と、吹出口情報及び操作情報に基づいて、空気調和機8を制御するための制御情報を生成する生成部42と、制御情報を空気調和機8に送信する通信部32と、を備える。
【0171】
これによれば、ユーザ4は、タッチパネル部38に表示された画像44上で、空調空気を届けたい室内空間6の空間範囲を指定する操作を容易に行うことができる。この時、画像44は、空気調和機8の視点から室内空間6を撮像した画像であるので、ユーザ4は、空調空気を届けたい室内空間6の空間範囲を容易に推測することができる。その結果、空気調和機8の風向等を直感的な操作で設定することができる。
【0172】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0173】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0174】
上記実施の形態では、カメラ18をCCDカメラで構成したが、これに限定されず、例えば赤外線アレイセンサ等で構成してもよい。
【0175】
上記実施の形態では、カメラ18を空気調和機8に内蔵するようにしたが、カメラ18の画角が極力広くなるように、空気調和機8に対するカメラ18の角度を上下方向及び左右方向等に調節できるようにしてもよい。
【0176】
上記実施の形態では、カメラ18を空気調和機8に内蔵するようにしたが、これに限定されず、例えばカメラ18を空気調和機8に外付けしてもよい。あるいは、ユーザ4が端末装置10に搭載されたカメラを用いて、空気調和機8の視点で室内空間6を撮像してもよい。この場合、当該端末装置10のカメラで撮像された画像における所定領域に対応する空間範囲に空調空気を届けるための風向制御方法を、空気調和機8の出荷後にユーザ4が空気調和機8に学習させてもよい。
【0177】
上記実施の形態では、タッチパネル部38にアイコン46を表示させたが、アイコン46毎に、空気調和機8の運転情報(例えば、運転モード、設定温度、設定湿度及び風量等)を編集するためのユーザ4の操作を受け付けてもよい。なお、アイコン46が追加された場合には、空気調和機8の運転情報は初期設定値に設定されてもよい。また、複数のアイコン46がタッチパネル部38に表示されている場合には、複数のアイコン46の各々で同時に設定可能な運転モードは、同一の運転モード(例えば、冷房運転モード)に制限してもよい。
【0178】
上記実施の形態では、アイコン46の色、模様及び形状等で、空気調和機8の運転情報を表現してもよい。例えば、アイコン46の色を青色にした場合には、空気調和機8の設定温度が比較的低いことを表し、アイコン46の色を赤色にした場合には、空気調和機8の設定温度が比較的高いことを表してもよい。
【0179】
上記実施の形態では、例えばユーザ4がタッチパネル部38上でピンチ操作しながら回転することにより、アイコン46を画像44上で回転させてもよい。
【0180】
上記実施の形態では、端末装置10の生成部42が制御情報を生成したが、これに限定されず、空気調和機8の運転制御部26が制御情報を生成してもよい。
【0181】
上記実施の形態では、アイコン46を二次元の面としたが、これに限定されず、例えば点又は三次元の大きさを有する領域としてもよい。
【0182】
また、端末装置10は、アイコン46の領域内に、人及びペット等の動体が含まれるか否かを検出してもよい。アイコン46の領域内に動体が含まれる場合には、アイコン46により示される空間範囲内で動体の動きに追従させるように風向を制御してもよい。あるいは、動体の動きに追従して、アイコン46の領域を変更させてもよい。この時、追従させるアイコン46と全ての既存のアイコンとの間で重複しない吹出口の組み合わせが存在しない場合には、追従させるアイコン46に関する風向制御を優先させ、追従させるアイコン46と吹出口が重複する全ての既存アイコンに関して、上述したアイコンの削除操作と同様の処理を実行の上、追従させるアイコン46に関して、上述したアイコンの領域変更操作と同様の処理を実行してもよい。
【0183】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
【0184】
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0185】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0186】
また、本開示は、上記に示す方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。また、本開示は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしてもよい。また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしても良い。メモリには記録媒体が含まれ、より詳細には、レジスタやキャッシュメモリ等のCPU内部の半導体メモリ、メインメモリ(主メモリ/RAM)、ストレージ(外部メモリ/補助目盛)が含まれてもよく、ストレージは、オンラインストレージでもオフラインストレージでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0187】
本開示に係る制御方法は、例えば端末装置及び空気調和機を備える空調システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0188】
2 空調システム
4 ユーザ
6 室内空間
8 空気調和機
10 端末装置
12a,12b,12c,12d 吹出口
14a,14b,14c 空間範囲
16a,16b,16c,16d 風向範囲
18 カメラ
20 画像生成部
22 吹出口情報管理部
24,32 通信部
26 運転制御部
28 ネットワーク
30 左右動作ルーバ
34 第1の取得部
36 第2の取得部
38 タッチパネル部
40 操作情報管理部
42 生成部
44 画像
46,46a,46b,46A,46B,46C アイコン
48 キッチン
50 ダイニング
52 額縁領域
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15