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特許7607253側面衝突安全保護装置、チャイルド安全シートおよびベース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】側面衝突安全保護装置、チャイルド安全シートおよびベース
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/427 20060101AFI20241220BHJP
   B60N 2/28 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
B60N2/427
B60N2/28
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023562192
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2022060116
(87)【国際公開番号】W WO2022219154
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】202110413594.9
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】グォ、ヂァンウェン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ルイ
(72)【発明者】
【氏名】モ、シャオロン
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110126773(CN,A)
【文献】特開2016-037282(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0176746(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108790970(CN,A)
【文献】特開2020-183223(JP,A)
【文献】実開平04-016036(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/427
B60N 2/28
B60N 2/42
B60N 2/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面衝突安全保護装置であって、
ケーシングおよび前記ケーシング内に配置された枢軸を含む側面衝突保護ブロックと、
前記側面衝突保護ブロックを展開位置または折り畳み位置に駆動するための駆動部材と、
一端が前記側面衝突保護ブロックの前記枢軸に接続され、且つ他端が前記駆動部材に接続された牽引部材と、を含み、
前記側面衝突安全保護装置は、リセット部材をさらに含み、前記リセット部材は、前記駆動部材に接続され、前記駆動部材を介して前記側面衝突保護ブロックを折り畳むことに用いられる、
側面衝突安全保護装置。
【請求項2】
前記側面衝突安全保護装置は、ねじりばねをさらに含み、前記ねじりばねは、前記側面衝突保護ブロックと前記牽引部材との間に配置され、前記ねじりばねの一端は前記側面衝突保護ブロックに接続または当接され、前記ねじりばねの他端は、前記側面衝突保護ブロックを収容する保護ブロック収容溝に当接する、
請求項に記載の側面衝突安全保護装置。
【請求項3】
前記ねじりばねは、前記側面衝突保護ブロックの前記枢軸に外装される、
請求項に記載の側面衝突安全保護装置。
【請求項4】
前記側面衝突安全保護装置は、牽引部材固定部材をさらに含み、前記牽引部材固定部材は、前記側面衝突保護ブロックの前記ケーシング内に固定的に配置され、前記牽引部材は、前記牽引部材固定部材に接続され、前記側面衝突保護ブロックの前記枢軸は、前記牽引部材固定部材を貫通する、
請求項に記載の側面衝突安全保護装置。
【請求項5】
前記側面衝突保護ブロックと前記牽引部材固定部材は、一体的に形成される、
請求項に記載の側面衝突安全保護装置。
【請求項6】
前記駆動部材は、押圧端含み、前記押圧端は、外側に露出され、
前記側面衝突安全保護装置が、チャイルド安全シートの本体が取り付けられたベースに配置されると、前記押圧端は、前記チャイルド安全シートの本体に接触して押し下げられ、前記牽引部材が下方に引っ張られる、
請求項に記載の側面衝突安全保護装置。
【請求項7】
前記リセット部材は、ばねである、
請求項に記載の側面衝突安全保護装置。
【請求項8】
前記側面衝突保護ブロックは、後蓋をさらに含み、前記ケーシングと前記後蓋とは、互いにスナップ係合してキャビティを形成する、
請求項に記載の側面衝突安全保護装置。
【請求項9】
チャイルド安全シートであって、
本体と、
前記本体が取り付けられたベースと、
前記ベースに配置された請求項に記載の側面衝突安全保護装置と、を含む、
チャイルド安全シート。
【請求項10】
前記ベースの側表面には、保護ブロック収容溝が配置され、前記側面衝突安全保護装置の前記側面衝突保護ブロックは、前記保護ブロック収容溝に収容されることが可能である、
請求項に記載のチャイルド安全シート。
【請求項11】
前記側面衝突安全保護装置の前記駆動部材は押圧端を含み、前記押圧端は、前記ベースの上表面の外側に露出される、
請求項に記載のチャイルド安全シート。
【請求項12】
シート装置を搭載するように適合されたベースであって、
少なくとも一つの突起部を有する本体と、請求項に記載の側面衝突安全保護装置とを含み、
前記突起部は、前記本体の前縁部に近い両側のうちの少なくとも一方の側に位置し、
前記側面衝突安全保護装置は、前記少なくとも一つの突起部に配置される、
シート装置を搭載するように適合されたベース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、側面衝突安全保護装置と、この側面衝突安全保護装置を含むチャイルド安全シートに関する。本開示はまた、シート装置を搭載するように適合されたベースに関する。
【背景技術】
【0002】
チャイルド安全シートは、異なる重量または年齢の子供のために特別に設計されたデバイスである。子供が乗車中にチャイルド安全シートに拘束されるため、自動車の衝突または急減速の場合に、子供への衝撃を減らしたり、子供の体を制限したりすることができ、それによって、子供の乗車の安全性を効果的に高めることができる。
【0003】
チャイルド安全シートの安全性を向上させるために、従来技術のいくつかのチャイルド安全シートには、側面衝突安全保護装置が設けられているが、側面衝突安全保護装置は、主にその弾性部材の弾性力によって緩衝保護を提供している。しかしながら、車両が側面衝突した場合、大きな側面の慣性力により、弾性部材が瞬間的に弾性限界を超えてしまうため、チャイルド安全シート内の乳幼児を十分に保護することができない。
【0004】
従来技術において、側面保護エアバッグが設けられたチャイルド安全シートもある。例えば、側面保護ベースはシート本体の外側に配置される。側面保護ベースに膨張可能な側面保護エアバッグが設けられ、それに対応して、側面保護エアバッグに通気口が設けられる。側面保護エアバッグにリセット構造が設けられ、さらに、側面保護エアバッグの外端に側面保護蓋が設けられ、側面保護蓋と側面保護ベースとは互いにロックして側面保護エアバッグを収容する。しかしながら、このような構造の側面衝突保護装置は、構造が複雑、コストが高く、および取り付けが複雑であるという問題があり、また、ユーザが自発的に側面衝突保護装置の開閉を選択することができない。
【0005】
さらに、従来技術のチャイルド安全シートの側面衝突保護装置は、自動的に折り畳むことができず、側面衝突保護装置が使用されていない場合には、側面衝突保護装置を折り畳むためにユーザが一連の操作を実行することを必要とし、これは使用時に不便をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題に鑑みて、本願の目的は、側面衝突安全保護装置と、この側面衝突安全保護装置を含むチャイルド安全シートと、シート装置を搭載するように適合されたベースとを提供することであり、当該側面衝突安全保護装置は、構造が簡単であり、操作が容易であり、側面衝突安全保護装置の自動展開および自動折り畳みを実現することができ、それにより操作がより便利になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本願の解決策によれば、側面衝突安全保護装置が提供され、ケーシングおよび前記ケーシング内に配置された枢軸を含む側面衝突保護ブロックと、前記側面衝突保護ブロックを展開位置または折り畳み位置に駆動するための駆動部材と、一端が前記側面衝突保護ブロックの前記枢軸に接続され、且つ他端が前記駆動部材に接続された牽引部材とを含む。
【0008】
好ましくは、前記側面衝突安全保護装置は、リセット部材をさらに含み、前記リセット部材は、前記駆動部材に接続され、前記駆動部材を介して前記側面衝突保護ブロックを折り畳むことに用いられる。
【0009】
前記側面衝突安全保護装置は、ねじりばねをさらに含み、前記ねじりばねは、前記側面衝突保護ブロックと前記牽引部材との間に配置される。
【0010】
前記ねじりばねは、前記側面衝突保護ブロックの前記枢軸に外装される。
【0011】
前記側面衝突安全保護装置は、牽引部材固定部材をさらに含み、前記牽引部材固定部材は、前記側面衝突保護ブロックの前記ケーシング内に固定的に配置され、前記牽引部材は、前記牽引部材固定部材に接続され、前記側面衝突保護ブロックの前記枢軸は、前記牽引部材固定部材を貫通する。
【0012】
前記側面衝突保護ブロックと前記牽引部材固定部材は、一体的に形成される。
【0013】
前記駆動部材は、押圧端およびリセット端を含み、前記押圧端は、外側に露出され、前記リセット端は、前記リセット部材に接続される。
【0014】
前記リセット部材は、ばねである。
【0015】
前記側面衝突保護ブロックは、後蓋をさらに含み、前記ケーシングと前記後蓋とは、互いにスナップ係合してキャビティを形成する。
【0016】
本願の別の解決策によれば、チャイルド安全シートが提供され、本体と、前記本体が取り付けられたベースと、前記ベースに配置された上述の側面衝突安全保護装置と、を含む。
【0017】
前記ベースの側表面には、保護ブロック収容溝が配置され、前記側面衝突安全保護装置の前記側面衝突保護ブロックは、前記保護ブロック収容溝に収容されることが可能である。
【0018】
前記側面衝突安全保護装置の前記駆動部材の前記押圧端は、前記ベースの上表面の外側に露出される。
【0019】
本願のさらに別の解決策によれば、シート装置を搭載するように適合されたベースが提供され、少なくとも一つの突起部を有する本体と、上述の側面衝突安全保護装置とを含み、前記突起部は、前記本体の前縁部に近い両側のうちの少なくとも一方の側に位置し、前記側面衝突安全保護装置は、前記少なくとも一つの突起部に配置される。
【0020】
本願に係る側面衝突安全保護装置および側面衝突安全保護装置を含むチャイルド安全シートによれば、側面衝突安全保護装置は、構造が簡単であり、操作が容易であり、チャイルド安全シートの本体がベース上に配置されると、側面衝突安全保護装置を自動的に展開して緩衝保護を提供することができる。一方、チャイルド安全シートの本体がベースから取り外されると、側面衝突安全保護装置を自動的に折り畳むことができ、操作者は、それを折り畳むために一連の煩わしい操作を行う必要がなく、操作がより便利になる。
【0021】
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために本明細書に含まれ、本明細書の一部を構成するために本明細書に組み込まれる。添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、以下の説明とともに本開示の概念を例示するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本願に係るチャイルド安全シートの構造を示す概略図であり、図1では、チャイルド安全シートがベース上に配置されていない。
図2図2は、本願に係るチャイルド安全シートの構造を示す概略図であり、図2では、チャイルド安全シートがベース上に配置されている。
図3図3は、本願に係るベースの構造を示す概略図である。
図4図4は、本願に係る側面衝突安全保護装置の構造を示す概略図であり、図4は、折り畳み位置にある側面衝突安全保護装置を示す。
図5図5は、本願に係る側面衝突安全保護装置の構造を示す概略図であり、図5は、展開位置にある側面衝突安全保護装置を示す。
図6図6は、本願に係る側面衝突安全保護装置の具体的な構造を示す概略図である。
図7図7は、本願に係る側面衝突安全保護装置の具体的な構造を示す別の概略図である。
図8図8は、本願に係る側面衝突安全保護装置の側面衝突保護ブロックの具体的な構造を示す概略図である。
図9図9は、本願に係る側面衝突安全保護装置が、図10とは異なる位置にある場合の構造を示す概略図である。
図10図10は、本願に係る側面衝突安全保護装置が、図9とは異なる位置にある場合の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して、例示的な実施形態を詳細に説明する。本開示は、様々な変更および代替案を有することができるが、その具体的な実施形態を図面に例示する。しかしながら、本開示は、本明細書に記載される実施形態に限定されるものではなく、本開示は、実施形態の精神および範囲内に含まれる全ての変更、同等物、および代替案を含むものと理解されるべきである。
【0024】
以下、主にチャイルド安全シートを参照して本願について詳しく説明するが、本願に係る側面衝突安全保護装置は、チャイルド安全シート内の幼児に緩衝保護を提供するために他の適切な場合にも適用することができ、自動展開および自動折り畳みを実現することができる。
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本願に係る側面衝突安全保護装置30および側面衝突安全保護装置30を含むチャイルド安全シート1を詳細に説明する。
【0026】
図1および図2は、本願に係るチャイルド安全シート1の構造を示す概略図であり、そのうち、図1では、チャイルド安全シート1がベース20上に配置されておらず、図2では、チャイルド安全シート1がベース20上に配置されている。具体的には、チャイルド安全シート1は、本体10と、ベース20と、本願に係る側面衝突安全保護装置30とを含む。側面衝突安全保護装置30は、ベース20に設けられる。チャイルド安全シート1の本体10がベース20に配置されていない場合、図1に示すように、側面衝突安全保護装置30は、折り畳み状態にある。さらに、チャイルド安全シート1の本体10がベース20に配置されている場合、図2に示すように、ベース20に配置された側面衝突安全保護装置30は、自動的に展開位置まで外側に突出して、緩衝保護機能を提供する。
【0027】
図3をさらに参照して、本願に係るベース20の構造を示す概略図である。ベース20は、上表面21および側表面22を含む。チャイルド安全シート1の使用過程において、ベース20は、自動車のシート上に固定的に設置され、チャイルド安全シート1の本体10は、ベース20に嵌め込まれる。本願に係る側面衝突安全保護装置30は、側面衝突保護ブロック31と、側面衝突保護ブロック31を駆動するための駆動部材34とを含む。図3に示すように、側面衝突安全保護装置30の駆動部材34は、ベース20の上表面21から見え、側面衝突安全保護装置30の側面衝突保護ブロック31は、ベース20の側表面22から見える。
【0028】
図4および図5を参照して、そのうち、図4は、折り畳み位置にある側面衝突安全保護装置30の側面衝突保護ブロック31を示し、図5は、展開位置にある側面衝突安全保護装置30の側面衝突保護ブロック31を示す。好ましくは、保護ブロック収容溝221は、ベース20の側表面22に配置され、側面衝突安全保護装置の側面衝突保護ブロック31は、側面衝突安全保護装置が折り畳み状態にある場合に、保護ブロック収容溝221内に収容され、これにより、側面衝突保護ブロック31をさらに収容し、折り畳まれた全体的なサイズを低減する。
【0029】
以下、図6および図7を参照して、本願に係る側面衝突安全保護装置30の具体的な構造を詳細に説明する。このうち、図6は、本願に係る側面衝突安全保護装置30の具体的な構造を示す概略図であり、図7は、本願に係る側面衝突安全保護装置30の具体的な構造を示す別の概略図である。本願に係る側面衝突安全保護装置30は、主に、側面衝突保護ブロック31と、牽引部材32と、駆動部材34と、リセット部材35とを含み、駆動部材34は、側面衝突保護ブロック31を展開位置または折り畳み位置に駆動するために用いられ、牽引部材32の一端は、側面衝突保護ブロック31に接続され、牽引部材32の他端は、駆動部材34に接続され、リセット部材35は、駆動部材34に接続され、駆動部材34を介して側面衝突保護ブロック31を折り畳む。
【0030】
具体的には、図6および図7に示された好ましい実施形態に基づいて、前述したように、折り畳み位置にある側面衝突保護ブロック31は、ベース20の側表面22の保護ブロック収容溝221内に配置され、側面衝突保護ブロック31は、ケーシング311と、枢軸312と、後蓋313とをさらに含む。ケーシング311と後蓋313とは、互いにスナップ係合し、側面衝突保護ブロック31の全体的な美観を向上させる。さらに、ケーシング311と後蓋313は、その内部に構成要素および構造を収容するためのキャビティを共同に形成する。もちろん、他の実施形態において、側面衝突保護ブロック31は一体成形構造であってもよい。枢軸312は側面衝突保護ブロック31のケーシング311内に配置される。牽引部材32の一端は、側面衝突保護ブロック31の枢軸312に接続される。図示の好ましい実施形態によれば、側面衝突安全保護装置30は、ねじりばね36をさらに含み、ねじりばね36は、枢軸312に外装される。具体的には、図8に示すように、側面衝突保護ブロック31の具体的な構造を示しており、ねじりばね36および枢軸312などの構造を明確に示すために、この図面では後蓋313が取り外されている。側面衝突安全保護装置30は、好ましくは、牽引部材固定部材321をさらに含む。牽引部材固定部材321は、側面衝突保護ブロック31のケーシング311内に固定的に配置され、牽引部材32は、牽引部材固定部材321に接続される。また、側面衝突保護ブロック31の枢軸312は、牽引部材固定部材321を貫通し、好ましくは、図示されるように、2つのねじりばね36は、枢軸312の、牽引部材固定部材321の両側に位置する部分にそれぞれ配置される。このようにして、側面衝突保護ブロック31は、牽引部材固定部材321を介して牽引部材32に枢動可能に接続される。さらに、各ねじりばね36の一端は、側面衝突保護ブロック31に接続または当接され、各ねじりばね36の他端は、保護ブロック収容溝221に当接される。ねじりばね36は、常に、側面衝突保護ブロック31を折り畳み位置に押圧する。別の好ましい実施形態によれば、側面衝突保護ブロック31と牽引部材固定部材321は、一体的に形成される。
【0031】
上述したように、牽引部材32の一端は、側面衝突保護ブロック31に接続され、牽引部材32の他端は、駆動部材34に接続される。駆動部材34は、好ましくは、押圧端341およびリセット端342を含む。押圧端341は、ベース20の上表面21の外側に露出され、これにより、チャイルド安全シート1の本体10は、駆動部材34の押圧端341と接触し、したがって、駆動部材34をトリガする。駆動部材34のリセット端342は、リセット部材35に接続される。図6および図7に示された好ましい実施形態によれば、リセット部材35はばねである。
【0032】
次に、本願に係る側面衝突安全保護装置30の詳細な動作プロセスを図9および図10を参照して説明し、図9および図10は、本願に係る側面衝突安全保護装置30が異なる位置にある場合の構造を示す概略図である。
【0033】
同時に、図7を参照して、チャイルド安全シート1の本体10がベース20に配置されると、本体10は、ベース20の上表面21の外側に露出した駆動部材34の押圧端342に接触し、且つ本体10自体の重力によって押圧端342を押し下げ、これにより牽引部材32が下方に引っ張られ、それによって、牽引部材固定部材321を駆動して、図7に矢印で示された時計回り方向に回転させる。牽引部材固定部材321の駆動により、側面衝突保護ブロック31は、ねじりばね36の押圧作用に抗して外側に枢動され、したがって、その展開位置になって緩衝保護を提供する。側面衝突保護ブロック31が展開位置にある場合に、リセット部材35は圧縮される。一方、図9に示すように、チャイルド安全シート1の本体10がベース20から取り外されると、駆動部材34の押圧端341に対する本体10自体の重力の圧力が消失する。このとき、牽引部材32は、リセット部材35の弾性力の作用下で上方に移動し、この時に、側面衝突保護ブロック31と牽引部材32との間に配置されたねじりばね36は解放され、その結果、ねじりばね36の作用下で、側面衝突保護ブロック31はその折り畳み位置まで下方に枢動される。
【0034】
本願に係る側面衝突安全保護装置30および側面衝突安全保護装置30を含むチャイルド安全シート1によれば、側面衝突安全保護装置30は、構造が簡単であり、操作が容易であり、チャイルド安全シート1の本体10がベース20上に配置されると、側面衝突安全保護装置30の側面衝突保護ブロック31をその展開位置に自動的に展開して緩衝保護を提供することができる。一方、チャイルド安全シートの本体10がベース20から取り外されると、側面衝突安全保護装置30の側面衝突保護ブロック31は、リセット部材35の駆動によって自動的に折り畳むことができ、操作者は、それを折り畳むために一連の煩わしい操作を行う必要がなく、操作がより便利になる。
【0035】
上記の本願の実施形態において、チャイルド安全シートが例示のための例として使用されている。しかしながら、本願は、適切な形態の他のタイプのシート装置であってもよい。本願はまた、シート装置を搭載するように適合されたベースに関する。ベースは、例えば、少なくとも一つの突起部を有する本体を含み、当該突起部は、本体の前縁部に近い両側のうちの少なくとも一方の側に位置し、上述の側面衝突安全保護装置は、突起部に配置される。
【0036】
なお、本開示の特徴は、本開示の特性から逸脱することなく、様々な形態で具体化されることができるので、上記の実施形態は、特に明記されていない限り、上記のいずれの詳細にも限定されず、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義された範囲内にあるものとして広く解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲および限界内に含まれるすべての修正および変更、またはそのような範囲および限界の同等の解決策は、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0037】
1 チャイルド安全シート
10 本体
20 ベース
21 上表面
22 側表面
221 保護ブロック収容溝
30 側面衝突安全保護装置
31 側面衝突保護ブロック
311 ケーシング
312 枢軸
313 後蓋
32 牽引部材
321 牽引部材固定部材
34 駆動部材
341 押圧端
342 リセット端
35 リセット部材
36 ねじりばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10