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<図1>
  • 特許-PPAR活性発現用剤及びその製造方法 図1
  • 特許-PPAR活性発現用剤及びその製造方法 図2
  • 特許-PPAR活性発現用剤及びその製造方法 図3
  • 特許-PPAR活性発現用剤及びその製造方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】PPAR活性発現用剤及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/899 20060101AFI20241220BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241220BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20241220BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20241220BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241220BHJP
   A61K 36/8998 20060101ALI20241220BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20241220BHJP
【FI】
A61K36/899
A61P43/00 111
A61P3/06
A61P3/04
A61P3/10
A61K36/8998
A23L33/105
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020070911
(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公開番号】P2021167285
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】501260967
【氏名又は名称】福玉米粒麦株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】599035627
【氏名又は名称】学校法人加計学園
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100151127
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 勝雅
(72)【発明者】
【氏名】松浦 信康
(72)【発明者】
【氏名】社本 基宏
(72)【発明者】
【氏名】松浦 浩一
【審査官】濱田 光浩
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105613882(CN,A)
【文献】韓国公開特許第2014-0063102(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第109770023(CN,A)
【文献】韓国公開特許第2013-0029206(KR,A)
【文献】特開2004-267078(JP,A)
【文献】原料大麦の麦茶適性の簡易識別法の検討,日本作物学会紀事,2010年,79 巻 , 3 号,p. 357-362,https://doi.org/10.1626/jcs.79.357
【文献】Journal of Functional Foods,2015年,Vol. 12,p. 208-218,https://doi.org/10.1016/j.jff2014.11.022
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/899
A61P 43/00
A61P 3/06
A61P 3/04
A61P 3/10
A61K 36/8998
A23L 33/105
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
L値が10以上17.7以下である焙煎麦(但し、クロハダカムギを除く)又はその抽出物を有効成分とすPPAR活性発現用剤であって、
前記麦が、大麦であり、
前記抽出物が、水及び/又は有機溶媒の抽出物であり、
前記PPAR活性がPPAR-γ活性であることを特徴とするPPAR活性発現用剤。
【請求項2】
請求項1に記載のPPAR活性発現用剤からなることを特徴とする脂質異常予防改善剤。
【請求項3】
請求項1に記載のPPAR活性発現用剤からなることを特徴とする肥満予防改善剤。
【請求項4】
請求項1に記載のPPAR活性発現用剤からなることを特徴とする糖尿病予防改善剤。
【請求項5】
請求項1に記載のPPAR活性発現用剤の製造方法であって、
L値が10以上17.7以下である焙煎麦(但し、クロハダカムギを除く)を得るために麦を焙煎する焙煎工程を備えることを特徴とするPPAR活性発現用剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PPAR活性発現用剤、脂質異常予防改善剤、肥満予防改善剤、糖尿病予防改善剤及びそれら製造方法に関する。更に詳しくは、焙煎麦又はその抽出物を有効成分としたPPAR活性発現用剤、脂質異常予防改善剤、肥満予防改善剤、糖尿病予防改善剤及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米、麦、とうもろこし等の主穀類は、そのでんぷん質を食すのが主たる消費形態である。この消費形態では、食用し易いよう、加熱工程を経るのが通常であるが、α化を促がす目的であることが多く、水分と共に加熱される。その一方、主穀類を焙煎して食することはほとんど知られていない。この点、日本では、古来、麦の焙煎物から湯を介して抽出した液体を麦湯、麦茶として食する文化が知られている。このように、主穀類のでんぷん質を摂取するのではなく、焙煎・抽出した液体分を摂取することを目的とした利用態様は極めて稀と言える。そして、このように古くからおこなわれている摂取形態であるにも関わらず、焙煎麦に関しては、その生体作用を科学的観点から検討した文献は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-159579号公報
【文献】特開2010-150185号公報
【文献】特開2002-095443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
他方、上述の主穀類は、醸造用途にも供されており、この醸造用途では糖分を利用することが目的であるため、主穀類の有するでんぷん質を糖化させる工程が必要となる。例えば、米の醸造においては、その役目を麹菌に担わせている。この点、麦類は、元来、その内部に不活性な糖化酵素が含まれており、発芽によって、この糖化酵素が活性化されるため、醸造用途においては麦芽として利用される。このため、麦芽に関しては、上記特許文献のように、その生体作用を科学的観点から検討した文献が知られている。しかしながら、上述の通り、未発芽の麦を焙煎した焙煎麦に関する生体作用については知られていない。
【0005】
本発明者らは、焙煎麦に関する検討を行ったところ、特異な生体作用を有することを知見し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、焙煎麦を用いたPPAR活性発現用剤、脂質異常予防改善剤、肥満予防改善剤、糖尿病予防改善剤及びそれら製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明は以下に示す通りである。
1.L値が60以下である焙煎麦又はその抽出物が、有効成分であることを特徴とするPPAR活性発現用剤。
2.前記抽出物が、水及び/又は有機溶媒の抽出物である前記1.に記載のPPAR活性発現用剤。
3.前記麦が、大麦である前記1.又は2.に記載のPPAR活性発現用剤。
4.L値が60以下である焙煎麦又はその抽出物が、PPAR-α活性の有効成分であることを特徴とする脂質異常予防改善剤。
5.前記抽出物が、水及び/又は有機溶媒の抽出物である前記4.に記載の脂質異常予防改善剤。
6.前記麦が、大麦である前記4.又は5.に記載の脂質異常予防改善剤。
7.L値が60以下である焙煎麦又はその抽出物が、PPAR-δ活性の有効成分であることを特徴とする肥満予防改善剤。
8.前記抽出物が、水及び/又は有
機溶媒の抽出物である前記7.に記載の肥満予防改善剤。
9.前記麦が、大麦である前記7.又は8.に記載の肥満予防改善剤。
10.L値が60以下である焙煎麦又はその抽出物が、PPAR-γ活性の有効成分であることを特徴とする糖尿病予防改善剤。
11.前記抽出物が、水及び/又は有機溶媒の抽出物である前記10.に記載の糖尿病予防改善剤。
12.前記麦が、大麦である前記10.又は11.に記載の糖尿病予防改善剤。
13.前記1.に記載のPPAR活性発現用剤の製造方法であって、
L値が60以下である焙煎麦を得るために麦を焙煎する焙煎工程を備えることを特徴とするPPAR活性発現用剤の製造方法。
14.前記4.に記載の脂質異常予防改善剤の製造方法であって、
L値が60以下である焙煎麦を得るために麦を焙煎する焙煎工程を備えることを特徴とする脂質異常予防改善剤の製造方法。
15.前記7.に記載の肥満予防改善剤の製造方法であって、
L値が60以下である焙煎麦を得るために麦を焙煎する焙煎工程を備えることを特徴とする肥満予防改善剤の製造方法。
16.前記10.に記載の糖尿病予防改善剤の製造方法であって、
L値が60以下である焙煎麦を得るために麦を焙煎する焙煎工程を備えることを特徴とする糖尿病予防改善剤の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明のPPAR活性発現用剤によれば、焙煎麦又はその抽出物を用いてPPAR活性を促がすことができる。また、本発明のPPAR活性発現用剤の製造方法によれば、このようなPPAR活性発現用剤を製造することができる。
本発明の脂質異常予防改善剤によれば、焙煎麦又はその抽出物を用いてPPAR-α活性を促がすことができ、これに起因して、脂質異常の予防及び/又は改善を行うことができる。また、本発明の脂質異常予防改善剤の製造方法によれば、このような脂質異常予防改善剤を製造することができる。
本発明の肥満予防改善剤によれば、焙煎麦又はその抽出物を用いてPPAR-δ活性を促がすことができ、これに起因して、肥満の予防及び/又は改善を行うことができる。また、本発明の肥満予防改善剤の製造方法によれば、このような肥満予防改善剤を製造することができる。
本発明の糖尿病予防改善剤によれば、焙煎麦又はその抽出物を用いてPPAR-γ活性を促がすことができ、これに起因して、糖尿病の予防及び/又は改善を行うことができる。また、本発明の糖尿病予防改善剤の製造方法によれば、このような糖尿病予防改善剤を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例等におけるPPAR-α活性を示すグラフ図である。
図2】本発明の実施例等におけるPPAR-β/δ活性を示すグラフ図である。
図3】本発明の実施例等におけるPPAR-γ活性を示すグラフ図である。
図4】本発明の実施例等における各PPAR活性を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1]PPAR活性発現用剤
本発明のPPAR活性発現用剤は、L値が60以下である焙煎麦又はその抽出物が有効成分であることを特徴とする。
【0010】
上記焙煎麦は焙煎が施された麦であり、加熱処理がされた麦を意味する。上記麦の種類は特に限定されない。例えば、大麦、小麦、ライ麦、エン麦、オート麦等のイネ科穀物の種子を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのうち、好ましくは大麦である。
また、大麦の種類としては、二条麦及び六条麦等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、二条麦としては、ハインドマーシュ、メトカルフ、スコープ、コマンダー、ほうしゅん、ミカモゴールデン等の品種を挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、六条麦としては、例えばレガシー、シュンライ、ファイバースノウ、カシマゴール等の品種を挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0011】
また、焙煎に供する麦の部位も限定されない。即ち、少なくとも、糊粉層、胚乳、胚芽及び外皮の一部が含まれていれば構わないが、好ましくは、外皮を備えた状態の麦であることが好ましい。即ち、糊粉層、胚乳及び胚芽等が外皮で包まれた種子(ホール)が好ましい。但し、焙煎に供する麦は、ホールのままを用いてもよいし、破砕、粉砕等、細分化して用いてもよい。更には、水浸漬や酵素加工による加工麦でも構わない。
【0012】
上記焙煎麦を得るための焙煎方法としては、一般的な焙煎方法を採用可能であり、所望の焙煎状態を得るために適正な焙煎方法(焙煎時間、焙煎温度など)が選択されればよい。一般的な焙煎方法としては、熱風焙煎、直火焙煎、砂炒焙煎、遠赤外線焙煎、開放釜焙煎、回転ドラム式焙煎、媒体焙煎など、当業者に公知の方法を採用することができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0013】
焙煎条件である温度及び焙煎時間の焙煎強度等を調整することにより、焙煎麦のL値を調整することができる。焙煎条件の一例を挙げるならば、半熱風焙煎方法を採用した場合、麦250gを取出し品温200~220℃で、12分~20分間焙煎するのが好ましく、焙煎温度及び焙煎時間は所望のL値が得られるように適宜調節して焙煎することができる。
【0014】
本発明の焙煎麦は、焙煎処理の施された麦である。本発明において、麦に熱が加わることによりPPAR活性が発揮される。即ち、麦を加熱処理(焙煎処理)して得られた焙煎麦が未焙煎の麦に比べてより高いPPAR活性を備える。
麦は焙煎処理での加熱作用により、メイラード反応及びカラメル反応等の褐色化反応が生じて褐色化される。麦に対する加熱状況は、褐色化状態により把握することができ、その褐色化状態の識別は、焙煎された麦のL値を測定することにより確認することができる。L値の測定により、麦の焙煎状況を確認して、それによりPPAR活性の向上を把握することができる。焙煎が進みL値が小さくなると、PPAR活性が向上する傾向がある。即ち、未焙煎の麦には、実質的にPPAR活性は認められないが(後述する実施例参照)、焙煎によりPPAR活性が発現され、L値が小さくなるに従い、より優位なPPAR活性が得られる。また、通常、L30程度まで、メイラード反応のみによって褐色化することは困難と考えられる。従って、焙煎により生じるカラメル化反応が上述の作用に寄与していることが考えられる。
尚、L値は公知の方法により色差計を用いて測定することができる。
【0015】
本発明の焙煎麦のL値は、60以下(通常、10以上)であることにより、優れたPPAR活性を得ることができる。とりわけ、L≦60(通常、L≧10)である場合には、優れたPPAR-α活性、及び、優れたPPAR-β/δ活性が得られる。特にPPAR-α活性においては、WY14643を超える活性が得られる。また、L≦55(通常、L≧10)である場合には、PPAR-β/δ活性において、WG0742を超える活性を得ることができる。更に、L≦45(通常、L≧10)である場合には、上記よりも更に優れた、PPAR-α活性、及び、PPAR-β/δ活性が得られる。また更に、L≦25(通常、L≧10)である場合には、優れたPPAR-α活性、及び、優れたPPAR-β/δ活性が得られることに加えて、優れたPPAR-γ活性を得ることができる。とりわけ、L≦25(通常、L≧10)である場合には、PPAR-γ活性において、トログリタゾンを超える活性を得ることができる。
【0016】
焙煎麦の使用態様としては、種子のままでも粉状に粉砕した粉状物でも構わない。また、焙煎麦から抽出物を得て、その抽出物を用いてもよい。
尚、抽出物を得る場合、焙煎麦は種子のまま抽出工程に移行してもよく、粉砕して抽出工程に移行してもよい。
【0017】
抽出物を得る場合、水、蒸気、有機溶媒混合溶媒、水及び有機溶媒(含水有機溶媒)を用いることができる。有機溶媒としては、極性有機溶媒、非極性有機溶媒の何れも使用することができる。また、有機溶媒としては、具体的には、1価、2価又は多価のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状又は環状のエーテル類、ポリエチレングリコール等のポリエーテル類、飽和又は不飽和の炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、油脂、ワックス、その他のオイル類等が挙げられ、これらのうち、アルコール類、ケトン類、飽和炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類及びジメチルスルホキシド等が好ましい。
【0018】
上記アルコール類としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等の1価アルコール類、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等の2価アルコール類、グリセリン等の3価以上のアルコール類等が挙げられ、これらのうち、1価アルコール類が好ましい。
【0019】
また、上記飽和炭化水素類としては、直鎖、分岐鎖又は環状の飽和炭化水素が挙げられ、例えば、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン等の直鎖飽和炭化水素、2-メチルブタン、2,2-ジメチルプロパン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2,2,4-トリメチルペンタン等の分岐鎖飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の環状飽和炭化水素等が挙げられ、これらのうち、直鎖飽和炭化水素が好ましい。
【0020】
上記有機溶媒は、単独で又は2種以上混合して混合液として使用することができる。また、有機溶媒は含水の水系溶媒としてもよい。上記含水有機溶媒に使用される有機溶媒としては、親水性有機溶媒が挙げられる。親水性有機溶媒としては、特に限定されないが、上述に記載のアルコール類、酢酸、ピリジン類等のプロトン性親水性有機溶媒及びケトン類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性親水性有機溶媒が挙げられ、これらのうちプロトン性親水性有機溶媒が好ましい。これらのうち、上記アルコール類、より上記1価及び2価のアルコール類、さらに炭素数1~4のアルコール類、よりさらにエタノール及び1,3-ブチレングリコールが好ましい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上混合して混合液として使用することができる。
【0021】
上記含水有機溶媒中の含水量は、特に限定されないが、例えば有機溶媒がアルコールの場合、含水量は30容量%以下、10容量%以下、又は5容量%以下とすることができる。例えば、含水有機溶媒中の親水性有機溶媒の濃度としては、少なくとも親水性有機溶媒70容量%以上とすることができる。
【0022】
本発明における抽出の手段としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、浸漬抽出、攪拌抽出、還流抽出、振とう抽出及び超音波抽出等を用いることができる。これらは1種の抽出方法のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、抽出操作は1回で行ってもよく、複数回(抽出操作を行った後に得られる抽出残渣を再度抽出することを複数回数繰り返す)行ってもよい。このとき、バッチ式抽出器やソックスレー抽出器等を用いてもよい。
【0023】
抽出条件は、特に限定されないが、抽出温度は0~150℃、好ましくは40~100℃、より好ましくは40~80℃であればよく、抽出時間は所望により適宜選択されるが、通常10分~24時間とすることができる。
また、水又は水蒸気により抽出する場合、水は温水又は熱湯が好ましく、温度は通常50~100℃から適宜選択される。また、温水又は熱湯の代わりに、高温高圧水蒸気を使用することができる。
【0024】
得られた焙煎麦の抽出物は、そのまま用いることもできるが、さらに希釈、濃縮若しくは凍結乾燥等し、及び/又は液状、粉末状若しくはペースト状に調製して用いることもできる。
【0025】
本発明のL値が60以下である焙煎麦又はその抽出物は、PPAR活性発現用剤の有効成分である。そして、本発明のPPAR活性発現用剤は、PPAR-α、PPAR-β/δ、及びPPAR-γに依存的な遺伝子の転写活性を亢進する作用を有する。PPAR-α、PPAR-β/δ、及びPPAR-γは、広く生体のエネルギー代謝や恒常性の維持に関わっており、特に脂質代謝に重要なβ酸化関連酵素の遺伝子発現はPPAR-α及び/又はPPAR-β/δの活性化に強く依存しており、またPPAR-γのリガンドによる脂肪細胞分化誘導によってインスリン抵抗性や糖尿病が改善できることが知られている。
従って、本発明のL値が60以下である焙煎麦又はその抽出物は、PPAR-α、PPAR-β/δ、及びPPAR-γに対する活性化作用を有するので、PPAR-α、PPAR-β/δ、及びPPAR-γのいずれかの活性発現用剤、脂質異常予防改善剤、肥満予防改善剤、糖尿病予防改善剤等に有効である。
【0026】
[2]脂質異常予防改善剤、肥満予防改善剤及び糖尿病予防改善剤
本発明のL値が60以下である焙煎麦又はその抽出物は、上記の通り、PPAR-α、PPAR-β/δ、及びPPAR-γに対する活性化作用を有するので、PPAR-α、PPAR-β/δ、及びPPAR-γのいずれかのPPAR活性発現用剤として用いることができ、更に、脂質異常予防改善剤、肥満予防改善剤、糖尿病予防改善剤として用いることとができる。
上述の脂質異常予防改善剤は、脂質異常予防作用を発揮する脂質異常予防剤、脂質異常改善作用を発揮する脂質異常改善剤、脂質異常予防作用及び脂質異常改善作用の両作用を発揮する脂質異常予防改善剤を含む。同様に、肥満予防改善剤は、肥満予防作用を発揮する肥満予防剤、肥満改善作用を発揮する肥満改善剤、肥満予防作用及び肥満改善作用の両作用を発揮する肥満予防改善剤を含む。更に、糖尿病予防改善剤は、糖尿病予防作用を発揮する糖尿病予防剤、糖尿病改善作用を発揮する糖尿病改善剤、糖尿病予防作用及び糖尿病改善作用の両作用を発揮する肥満予防改善剤を含む。
【0027】
[3]本発明の使用態様
本発明のPPAR活性発現用剤、脂質異常予防改善剤、肥満予防改善剤及び糖尿病予防改善剤並びにそれらの含有物(以下、単に、「PPAR活性発現用剤」等という。)は、薬品、並びに、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品等の飲食品等として利用できる。上記薬品には、医薬品及び医薬部外品が含まれる。この薬品として用いる場合には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、注射剤、及び坐剤等とすることができる。
更に、本発明のPPAR活性発現用剤等は、各種飲料及び食品に添加することにより、飲料及び食品にPPAR活性を付与することができる。即ち、本発明のPPAR活性発現用剤は、飲料及び食品にPPAR活性を付与するための飲食品用添加剤として用いることができる。
【0028】
また、本発明のPPAR活性発現用剤等は、本発明の作用効果を阻害しない限り、L値が60以下である焙煎麦又はその抽出物以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、溶剤、分散剤、成形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、滑沢剤、担体、増量剤、等張化剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、被覆剤、吸収促進剤、凝固剤、保存剤(安定剤、防湿剤、着色防止剤、酸化防止剤等)、矯味剤、矯臭剤、着色剤、消泡剤、無痛化剤、帯電防止剤、及びpH調節剤等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
本発明のPPAR活性発現用剤等は、そのまま、或いは、飲食物等に配合して用いることができる。例えば、本発明のPPAR活性発現用剤等を飲料に直接配合してもよいし、ビスケット等の固形食品、クリーム状及びジャム状の半流動食品、ゲル状食品の原材料に配合して、本発明のPPAR活性発現用剤等を含有する、PPAR活性発現用飲食物、脂質異常予防改善用飲食物、肥満予防改善用飲食物、糖尿病予防改善用飲食物等として提供することができる。また、本発明のPPAR活性発現用剤等を、例えば、水、油脂、エタノール、プロピレングリコール及びグリセリン等のアルコール、並びにこれらの混合物等に溶解させ、その後、飲料に配合するか、又は固形食品、半流動食品若しくはゲル状食品に配合することもできる。更に、必要に応じて、バインダとして作用するアラビアガム及びデキストリン等を配合して顆粒等の形態とし、これを飲料に配合するか、又は固形食品、半流動食品若しくはゲル状食品に配合することもできる。本発明のPPAR活性発現用剤等を含有する飲食物としてより具体的には、特定の保健効果が認められる飲食物、又は生体調整成分の機能を活かした機能性飲食物等とすることができる。飲食品の具体例としては、酒、炭酸飲料、果実飲料、コーヒー、紅茶、茶、乳酸菌飲料、ヨーグルト、アイスクリーム、飴、ガム、菓子、パン及び麺類等が挙げられる。
【0030】
[4]PPAR活性発現用剤の製造方法
本発明のPPAR活性発現用剤の製造方法は、L値が60以下である焙煎麦を得るために麦を焙煎する焙煎工程を備えることを特徴とする。
本発明の製造方法における焙煎麦を得るための麦としては、上述のPPAR活性発現用剤における麦の説明を適用することができる。
【0031】
また、焙煎工程に供する上記麦は収穫したものをそのまま用いることができる。更に、例えば、水洗い、天日干し又は適温で熱風乾燥したものを用いることもでき、これらはそのまま焙煎工程に供することもできるが、不純物除去等の前処理をしてもよい。また、適当に粉砕してから、焙煎工程に供することもできる。
焙煎工程における焙煎については、上述のPPAR活性発現用剤における麦の説明を適用することができる。
【0032】
[5]脂質異常予防改善剤、肥満予防改善剤及び糖尿病予防改善剤の製造方法
本発明の脂質異常予防改善剤、肥満予防改善剤及び糖尿病予防改善剤の製造方法は、上記のPPAR活性発現用剤の製造方法と同様であり、PPAR活性発現用剤の製造方法の説明を適用することができる。
【実施例
【0033】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実験例1~5]
[1]焙煎麦の作製
大麦(品種カシマゴール)を、半熱風焙煎法により焙煎強度(焙煎温度、焙煎時間)を、以下のようにそれぞれ変えて焙煎を行って焙煎麦を得た。尚、得られた焙煎麦等のL値の測定は、色差計(日本電色工業株式会社製、製品名分光色彩計、形式名SE-6000)用いて測定した。実施例及び比較例のL値を表1に示す。
【0034】
<実施例1>
大麦(品種カシマゴール)250gを、回転ドラム式半熱風焙煎釜(株式会社富士珈機製、製品名コーヒーロースター、形式名COFFEE DISCOVERY)に投入し、取出し品温×焙煎時間を195℃×12分30秒間の条件で焙煎を行って焙煎麦を得た。この焙煎麦のL値は50.0であった。
【0035】
<実施例2>
200℃×17分間焙煎を行った以外は、実施例1と同様にして煎麦を得た。この焙煎麦のL値は44.5であった。
【0036】
<実施例3>
210℃×14分30秒間焙煎を行った以外は、実施例1と同様にして煎麦を得た。この焙煎麦のL値は41.3であった。
【0037】
<実施例4>
一次焙煎220~250℃×1~2分間、二次焙煎260~290℃×1~2分間の2段階焙煎を行った以外は、実施例1と同様にして煎麦を得た。この焙煎麦のL値は30.0であった。
【0038】
<実施例5>
247℃×20分00秒間焙煎を行った以外は、実施例1と同様にして煎麦を得た。この焙煎麦のL値は17.7であった。
【0039】
【表1】
【0040】
[2]PPAR活性確認試験の前処理
上記[1]焙煎麦の作製により得られた実験例1~5の焙煎麦を、それぞれ個別に以下のように処理して、後述のPPAR活性確認試験に供した。
焙煎麦及び未焙煎麦をコーヒーミル(ラボネクスト社製、ハイスピードミル、HS-20)で粉砕し粉砕物を得た。次に、得られた粉砕物4gを50mLプラスチックチューブに採取し、溶媒(アセトン)40mLを添加し、(スズキ社製、超音波洗浄機、SUC-900A)を用いて、超音波抽出を15分間行った。その後、遠心分離(15,000rpm、15分間)により残渣を除去した後、遠心濃縮機により溶媒を除去したものを、ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」という)400μLに溶解し、PPAR活性確認試験用の被検試料を得た。
【0041】
[3]PPAR活性確認試験の方法
PPAR-α、β/δ及びγ活性の評価としては、PPAR-α、β/δ及びγの発現プラスミドとして、PPAR-α(もしくはβ/δ又はγ)Gal4融合タンパク質発現プラスミドpPPAR-α((もしくはβ/δ又はγ)-Gal4、またGal4タンパク質結合配列の下流にレポーター遺伝子であるルシフェラーゼ構造遺伝子を連結したプラスミドpGal4-Luc、および形質転換効率補正用プラスミドpSEAP-コントロールを用いて、COS-1細胞の形質転換体を作成し、発光強度を測定して、PPAR-α、β/δ及びγ活性の評価行った。具体的には以下の(1)~(5)に従って行った。
【0042】
(1)COS-1細胞の形質転換
COS-1細胞をトリプシン処理により回収し、4℃で遠心分離(1000rpm、3分間)した後、上清を除去し、2mLの培地で細胞を分散して60mm培養シャーレ(Corning社製)に5×105cell/wellの密度で播いた後、5%CO存在下に37℃で24時間培養した。形質転換にはEffectene Transfection Reagent(QIAGEN社製)を使用した。1.5mLのtubeにBuffer ECを150μL、pPPAR-α(もしくはβ/δ又はγ)-Gal4を0.25μg、pGal4-Lucを1μg、pSEAP-control vectorを1μg入れ、最後にEnhancerを18μL入れ、vortexで1秒間攪拌した。25℃で3分間放置した後、Effecteneを25μL加え、vortexで10秒間攪拌して25℃で7分間放置した。この間に、60mm培養シャーレの培地を除去し、新しく培地を4mL入れて培地交換をした。7分後、1.5mL tubeに培地を1mL加え、2回、ピペッティングにより懸濁して60mm培養シャーレに全量を滴下し、5%CO存在下に37℃で16時間培養した。
【0043】
(2)COS-1細胞への被検試料添加
形質転換した細胞をトリプシン処理により回収し、4℃で遠心分離(1000rpm、3分間)した後、上清を除去し、10mLの培地に懸濁して96well plate(NUNC)に125μL/well播き、5%CO2存在下に37℃で1~2時間培養した。その後、上記[2]で得られた被検試料を1.25μL/well添加し、穏やかに攪拌して5%CO存在下に37℃で24時間培養した。
【0044】
尚、上記COS-1細胞としては、理化学研究所細胞開発銀行より分譲された細胞を用いた。その詳細は以下の通りである。培養培地はダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、ニッスイ)10.0gを1.0Lの超純水に溶かし、炭酸水素ナトリウム1.4gを添加して、pH7.4にした。その後、10%牛胎児血清(FBS:JRH BIOSCIENCE Lot.5H2144)を加え、ろ過滅菌した。FBSは37℃の水浴で溶解し、56℃で30分間熱処理することにより非動化した。非動化後、100mLずつ分注し使用直前まで-20℃保存した。
細胞の培養は、セラムチューブ中の懸濁液(10% dimethylsulfoxideを含む培地中、液体窒素気層下にて保存)を溶解し、1000rpm、4℃、3分間遠心分離後、上清を除去し、5mLの培地で細胞を分散し、15mLの培地を入れた100mm培養シャーレ(Corning社)に移し、37℃、5%CO存在下にて一晩培養した。Bacteria等の混入がないことを確認し、培地交換・継代培養を行った。
継代培養は、100mm培養シャーレの培地を除去し、PBS(-)で洗浄し、トリプシン処理により細胞を回収した。1000rpm、4℃、3分間遠心分離後、上清を除去し、2mLの培地を加え細胞を分散後、15mLの培地を入れた100mm培養シャーレにまき、37℃、5%CO存在下で培養した。これを3日おきに継代維持した。
トリプシン溶液:Trypsin(GIBCO)(0.5g)、EDTA・3Na(0.2g)をPBS(-)で1.0Lにし、4℃で16時間撹拌した。そして、完全に溶解したことを確認した後、ろ過滅菌を行った。
PBS(-):NaCl(8g)、KCl(0.2g)、NaHPO・12HO(2.9g)、KHPO(0.2g)を超純水1.0Lで溶解した。これをオートクレーブ(121℃、15分間)滅菌した。
【0045】
(3)Luciferase活性測定
上記の被検試料添加から24時間後、96well plateから培地を25μL/well回収し、96well white plateに移した。その後、残りの100μL/wellに、37℃にて融解したluciferase活性測定用溶液を100μL/well添加し、暗所にて35分間反応させた後、それぞれの発光強度を測定した。
【0046】
(4)SEAP(Secreted Alkaline Phosphatase)活性測定
96well plateから回収した培地25μL/wellに、1 x Dilution Buffer25μL/wellを添加し、セロハンテープで蓋をした後、穏やかに攪拌し、65℃で30分間放置した。その後、4℃に冷却し、25℃に戻してからAssay Buffer90μL/wellを添加して穏やかに攪拌した。25℃で5分間放置し、MUP solution 10μL/well添加して穏やかに攪拌した。暗所にて25℃で60分間反応させた後、4―methylumbelliferoneに基づく蛍光強度(Ex=360nm、Em=460nm)を測定した。
【0047】
(5)評価方法及比較例
PPAR活性評価に際しては、ルシフェラーゼ活性をSEAP活性にて補正した。それぞれのPPAR活性確認試験の結果について、PPAR-αの活性については図1に、PPAR-β/δの活性については図2に、PPAR-γの活性については図3に示す。
尚、活性評価に際して、PPAR-α、PPAR-β/δ、PPAR-γのそれぞれのコントロール物質として、WY14643(参考例3)を50μM、GW0742(参考例4)を10μM、トログリタゾン(Troglitazone)(参考例5)を10μM用いた。
また、PPAR-α、PPAR-β/δ、PPAR-γのすべての比較例として、抽出溶媒のみの試料(DMSO)(参考例2)、並びに、実験例で用いた未焙煎の大麦(未焙煎、L値は65~70)(参考例1)を用いた。更に、丸麦(外皮を除去した麦)を、実験例3と同条件で焙煎して得た焙煎丸麦も用いた。これらについても、上記実験例と同に処理を行って被検試料を作製して、上記の通り活性評価を行った。
図1~4における縦軸は、SEAP活性にて補正されたルシフェラーゼ活性を示す。
【0048】
[4]実施例の効果
表1及び図1の結果から、L値が小さい(焙煎強度が高くなる)焙煎麦ほど、高いPPAR-α活性を有することが分かる。即ち、麦に熱を加えることにより、PPAR-αの活性を向上できることが分かる。そして、実験例1(L=50.0)は、参考例3(コントロール物質=WY14643)を超えるPPAR-α活性を示し、実験例1(L=50.0)は、参考例1(未焙煎の麦)の2.00倍という極めて高いPPAR-α活性を示すことが分かる。
【0049】
また、表1及び図2の結果から、L値が小さい(焙煎強度が高くなる)焙煎麦ほど、高いPPAR-β/δ活性を有することが分かる。即ち、麦に熱を加えることにより、PPAR-β/δの活性を向上できることが分かる。そして、実験例1(L=50.0)は、参考例4(コントロール物質=GW0742)を超えるPPAR-β/δ活性を示し、実験例1(L=50.0)は、参考例1(未焙煎の麦)の1.86倍という極めて高いPPAR-α活性を示すことが分かる。
【0050】
更に、表1及び図3の結果から、L値が小さい(焙煎強度が高くなる)焙煎麦ほど、高いPPAR-γ活性を有することが分かる。即ち、麦に熱を加えることにより、PPAR-γの活性を向上できることが分かる。そして、実験例1(L=50.0)は、参考例1(未焙煎の麦)の1.79倍という極めて高いPPAR-α活性を示すことが分かる。
【0051】
また、図4(丸麦の発光強度は各々以下の通りである。PPAR-α活性-526,134、PPAR-β/δ活性-1,071,257、PPAR-γ活性-590,358)からは、外皮を除去した焙煎した丸麦と比較して、外皮を備える焙煎麦は著しく高いPPAR活性を有することが分かる。
【0052】
尚、本発明においては、上記の具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明のPPAR活性発現用剤、脂質異常予防改善剤、肥満予防改善剤及び糖尿病予防改善剤並びにそれらの含有物は、薬品、並びに、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品等の飲食品等として利用できる。
図1
図2
図3
図4