(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】無人飛行体、制御方法、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20241220BHJP
H04R 1/40 20060101ALI20241220BHJP
G10K 11/178 20060101ALI20241220BHJP
G10L 21/0272 20130101ALI20241220BHJP
G10L 25/60 20130101ALI20241220BHJP
B64C 27/08 20230101ALI20241220BHJP
B64D 27/24 20240101ALI20241220BHJP
【FI】
H04R3/00 320
H04R1/40 320A
G10K11/178
G10L21/0272 100A
G10L25/60
B64C27/08
B64D27/24
(21)【出願番号】P 2021530535
(86)(22)【出願日】2020-06-09
(86)【国際出願番号】 JP2020022737
(87)【国際公開番号】W WO2021005942
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】P 2019126737
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ステファン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】小西 一暢
(72)【発明者】
【氏名】浅井 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】久原 俊介
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-502568(JP,A)
【文献】特開2019-028437(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03470336(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00- 3/14
H04R 1/40
G10K 11/178
G10L 21/0272
G10L 25/60
B64C 27/08,27/24
B64D 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素子を有するマイクロフォンと、
前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
出力される前記信号から目的音の目的音信号を検出するための検出処理を実行し、
前記検出処理の結果に応じて、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子を変更
し、
前記変更の後の前記対象の素子から出力される信号を用いて検出された目的音信号の品質を推定し、
前記品質が閾値未満である場合、前記品質が前記閾値以上となるように、前記対象の素子の数を増加させる
無人飛行体。
【請求項2】
複数の素子を有するマイクロフォンと、
バッテリと、
前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、
飛行に用いる回転翼と、を備える無人飛行体であって、
前記プロセッサは、
前記回転翼の単位時間当たりの回転数を取得し、
(i)前記回転数が大きくなるほど、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子の数を増加させるように、かつ、(ii)前記無人飛行体が備える前記バッテリのバッテリ残量が少なくなるほど、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子の数を減少させるように、前記対象の素子を変更する
無人飛行体。
【請求項3】
前記変更の前において前記信号を処理する前記対象の素子は、前記マイクロフォンの特定の方向に対応する第1素子を含む
請求項1
または2に記載の無人飛行体。
【請求項4】
前記特定の方向は、目的音の音源が位置すると予測される方向である
請求項
3に記載の無人飛行体。
【請求項5】
前記変更の前において前記信号を処理する前記対象の素子は、さらに、前記第1素子よりも前記無人飛行体が発生させる騒音の音源に近い第2素子を含む
請求項
3または
4に記載の無人飛行体。
【請求項6】
前記変更の前において前記信号を処理する前記対象の素子は、さらに、前記第1素子と前記第2素子との間に位置する第3素子を含む
請求項
5に記載の無人飛行体。
【請求項7】
前記プロセッサは、さらに、
前記無人飛行体の飛行ルートを取得し、
前記飛行ルートにおいて前記無人飛行体が到達する予定の位置における前記バッテリ残量を推定する
請求項
2に記載の無人飛行体。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記変更の後の前記対象の素子から出力される信号を用いて検出された目的音信号の品質を推定し、
前記品質が閾値未満である場合、前記飛行ルートを変更する
請求項
7に記載の無人飛行体。
【請求項9】
複数の素子を有するマイクロフォンと、
前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、を備える無人飛行体であって、
前記プロセッサは、
前記無人飛行体の飛行状態を取得し、
前記飛行状態に応じて、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子を変更し、
前記変更の後の前記対象の素子から出力される信号を用いて検出された目的音信号の品質を推定し、
前記品質が閾値未満である場合、前記品質が前記閾値以上となるように、前記対象の素子の数を増加させる
無人飛行体。
【請求項10】
複数の素子を有するマイクロフォンと、
バッテリと、
前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、
飛行に用いる回転翼と、を備える無人飛行体に用いられる制御方法であって、
前記制御方法は、前記プロセッサに、
前記回転翼の単位時間当たりの回転数を取得する処理、
(i)前記回転数が大きくなるほど、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子の数を増加させるように、かつ、(ii)前記無人飛行体が備える前記バッテリのバッテリ残量が少なくなるほど、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子の数を減少させるように、前記対象の素子を変更する処理を実行させる
制御方法。
【請求項11】
複数の素子を有するマイクロフォンと、
前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、を備える無人飛行体に用いられる制御方法であって、
前記制御方法は、前記プロセッサに、
前記無人飛行体の飛行状態を取得する処理、
前記飛行状態に応じて、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子を変更する処理、
前記変更の後の前記対象の素子から出力される信号を用いて検出された目的音信号の品質を推定する処理、および、
前記品質が閾値未満である場合、前記品質が前記閾値以上となるように、前記対象の素子の数を増加させる処理を実行させる
制御方法。
【請求項12】
複数の素子を有するマイクロフォンと、
バッテリと、
前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、
飛行に用いる回転翼と、を備える無人飛行体を制御するプログラムを記録した記録媒体であって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記回転翼の単位時間当たりの回転数を取得する処理、
前記回転数が大きくなるほど、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子の数を増加させるように、かつ、(ii)前記無人飛行体が備える前記バッテリのバッテリ残量が少なくなるほど、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子の数を減少させるように、前記対象の素子を変更する処理を実行させる
記録媒体。
【請求項13】
複数の素子を有するマイクロフォンと、
前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、を備える無人飛行体を制御するプログラムを記録した記録媒体であって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記無人飛行体の飛行状態を取得する処理、
前記飛行状態に応じて、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子を変更する処理、
前記変更の後の前記対象の素子から出力される信号を用いて検出された目的音信号の品質を推定する処理、および、
前記品質が閾値未満である場合、前記品質が前記閾値以上となるように、前記対象の素子の数を増加させる処理を実行させる
記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バックグラウンドマイクロフォンによって収集された音声データからバックグラウンドノイズを除去する処理を行う無人航空機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような無人飛行体では、大容量のバッテリを搭載することが難しいため、無人飛行体における処理に要する電力量を低減することが望まれている。
【0005】
そこで本開示では、無人飛行体における電力消費を低減することと目的音の検出とを両立することができる無人飛行体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る無人飛行体は、複数の素子を有するマイクロフォンと、前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、出力される前記信号から目的音の目的音信号を検出するための検出処理を実行し、前記検出処理の結果に応じて、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子を変更する。
【0007】
本開示の他の一態様に係る無人飛行体は、複数の素子を有するマイクロフォンと、前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、を備える無人飛行体であって、前記プロセッサは、前記無人飛行体の飛行状態を取得し、前記飛行状態に応じて、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子を変更する。
【0008】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る無人飛行体は、無人飛行体における電力消費を低減することと目的音の検出とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る無人飛行体およびコントローラの外観を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る無人飛行体の上面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る無人飛行体の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、複数の信号を処理する対象の素子を変更する処理の一例について説明するための図である。
【
図5】
図5は、水平方向から見た場合の、第1の場面における無人飛行体と音源との位置関係を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の場面において対象の素子として選択される素子の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、水平方向から見た場合の、第2の場面における無人飛行体と音源との位置関係を示す図である。
【
図8】
図8は、第2の場面において対象の素子として選択される素子の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第2の場面において対象の素子として選択される素子の他の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第3の場面において対象の素子として選択される素子の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、低電力モードで目的音を検出する場合に対象の素子として選択される素子の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、無人飛行体の収音の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、バッテリ残量に応じて、対象の素子を変更する処理の第1の例について説明するための図である。
【
図14】
図14は、バッテリ残量に応じて、対象の素子を変更する処理の第2の例について説明するための図である。
【
図15】
図15は、バッテリ残量に応じて、対象の素子を変更する処理の第3の例について説明するための図である。
【
図16】
図16は、実施の形態2に係る無人飛行体の収音の動作の第1の例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、実施の形態2に係る無人飛行体の収音の動作の第2の例を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、実施の形態2に係る無人飛行体の収音の動作の第3の例を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、無人飛行体の騒音レベルと、回転翼の回転数指令との関係を示すグラフである。
【
図20】
図20は、無人飛行体の回転翼の回転数指令と、対象の素子の数との関係の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、実施の形態3に係る無人飛行体の収音の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、変形例に係る変更処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見)
特許文献1に記載されている無人航空機は、上述したように、無人航空機が有する回転翼などの推進ユニットから生じるバックグラウンドノイズを、収集された音声データから除去する信号処理を行っている。しかしながら、無人航空機が備える複数のマイクロフォンそれぞれの複数の素子のうち、信号処理の対象となる素子を選択することが考慮されていない。このため、特許文献1の無人航空機では、複数の素子から出力される信号への検出処理に要する電力量を十分に低減できていない可能性がある。
【0012】
無人航空機は、バッテリを備えており、バッテリの電力を用いて、複数の回転翼を駆動することで飛行する推力を得ている。このため、無人航空機の飛行時間(または飛行距離)は、バッテリの蓄電容量に応じた時間(または距離)に制限される。また、無人航空機は、バッテリの電力を用いて、上記の信号処理を行うため、信号処理で電力が消費されると、無人航空機の飛行のために使用できる電力も減少する。よって、その後の無人航空機の飛行時間が短くなってしまう。そこで、飛行時間の減少を抑制するために信号処理を停止することで消費電力を低減することが考えられる。しかしながら、信号処理を停止している期間中は、マイクロフォンによる目的音の検出ができなくなる。
【0013】
このように、従来の無人飛行体では、無人飛行体における電力消費を低減することと目的音の検出とを両立することが難しい。
【0014】
このような課題を解決するために、本開示の一態様に係る無人飛行体は、複数の素子を有するマイクロフォンと、前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、出力される前記信号から目的音の目的音信号を検出するための検出処理を実行し、前記検出処理の結果に応じて、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子を変更する。
【0015】
これによれば、目的音信号の検出結果に応じて処理対象の素子を変更するため、変更の前後の少なくとも一方において、一部の素子から出力された信号に対する検出処理を行っていないこととなる。このため、変更の前後の少なくとも一方における検出処理に要する処理負荷を低減することができ、検出処理に要する電力量を低減することができる。よって、無人飛行体における電力消費を低減することと目的音の検出とを両立することができる。
【0016】
また、前記プロセッサは、前記検出処理により前記信号から前記目的音信号が検出された場合、前記信号を処理する前記対象の素子の数を増加させてもよい。
【0017】
このため、目的音信号が検出されるまでの対象の素子の数を目的音信号が検出された後よりも少なくすることができる。よって、目的音の検出を継続しつつ、マイクロフォンから出力される信号への信号処理に要する電力量を低減することができる。また、目的音信号が検出された後では、対象の素子の数を増加させるため、マイクロフォンから出力される信号への処理結果の品質を向上させることができる。
【0018】
本開示の他の一態様に係る無人飛行体は、複数の素子を有するマイクロフォンと、前記複数の素子から出力される信号を処理するプロセッサと、を備える無人飛行体であって、前記プロセッサは、前記無人飛行体の飛行状態を取得し、前記飛行状態に応じて、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子を変更する。
【0019】
これによれば、無人飛行体の飛行状態に応じて処理対象の素子を変更するため、変更の前後の少なくとも一方において、一部の素子から出力された信号に対する検出処理を行っていないこととなる。このため、変更の前後の少なくとも一方における検出処理に要する処理負荷を低減することができ、検出処理に要する電力量を低減することができる。
【0020】
また、前記無人飛行体は、さらに、飛行に用いる回転翼を備え前記飛行状態は、前記回転翼の単位時間当たりの回転数であってもよい。
【0021】
これによれば、回転翼の単位時間当たりの回転数に応じて、当該回転数に適した素子を処理対象の素子として選択することができる。よって、マイクロフォンから出力される信号への処理結果の品質を向上させることができる。
【0022】
また、前記プロセッサは、前記変更において、前記対象の素子の数を増加させ、前記変更の前において前記信号を処理する前記対象の素子は、前記マイクロフォンの特定の方向に対応する第1素子を含んでもよい。
【0023】
これによれば、対象の素子の数を増加させる前において、つまり、一部の素子から出力された信号に対する検出処理を行っていない場合において、マイクロフォンの特定の方向に対応する第1素子から出力された信号に対する検出処理を行う。このため、特定の方向からの音の収音品質を向上させることができる。
【0024】
また、前記特定の方向は、目的音の音源が位置すると予測される方向であってもよい。
【0025】
このため、音源からの音の収音品質を向上させることができる。
【0026】
また、前記変更の前において前記信号を処理する前記対象の素子は、さらに、前記第1素子よりも前記無人飛行体が発生させる騒音の音源に近い第2素子を含んでもよい。
【0027】
これによれば、第1素子および第2素子は、無人飛行体が発生させる騒音の音源からの距離が異なる位置にそれぞれ配置されているため、それぞれの素子で騒音を収音する時間に差が生じやすい。このため、検出処理において、無人飛行体が発生させる騒音を効果的に抑制させることができ、無人飛行体が発生させる騒音による、目的音の収音品質の低下を抑制することができる。よって、目的音の収音品質を向上させることができる。
【0028】
また、前記変更の前において前記信号を処理する前記対象の素子は、さらに、前記第1素子と前記第2素子との間に位置する第3素子を含んでもよい。
【0029】
このため、第1素子、第2素子および第3素子は、無人飛行体が発生させる騒音の音源からの距離が異なる位置にそれぞれ配置されているため、それぞれの素子で騒音を収音する時間に差が生じやすい。このため、検出処理において、無人飛行体が発生させる騒音をさらに効果的に抑制させることができ、無人飛行体が発生させる騒音による、目的音の収音品質の低下を抑制することができる。よって、目的音の収音品質を向上させることができる。
【0030】
また、前記プロセッサは、前記変更において、さらに前記無人飛行体が備えるバッテリのバッテリ残量に応じて、前記複数の素子のうちの前記信号を処理する対象の素子を変更してもよい。
【0031】
これによれば、例えば、飛行、信号の検出処理などによりバッテリ残量が所定の閾値よりも少なくなった場合に、対象の素子の数を減少させるため、信号処理に要する電力量を低減することができる。よって、バッテリ残量の減少速度を低下させることができ、無人飛行体の飛行時間を増加させることができる。
【0032】
また、例えば、充電などによりバッテリ残量が所定の閾値よりも増加した場合に、対象の素子を増加させるため、収音品質を向上させることができる。
【0033】
また、前記プロセッサは、さらに、前記無人飛行体の飛行ルートを取得し、前記飛行ルートにおいて前記無人飛行体が到達する予定の位置における前記バッテリ残量を推定してもよい。
【0034】
このため、飛行ルートから推定されたバッテリ残量に応じて対象の素子を変更することができる。よって、例えば、バッテリ残量が飛行ルートを飛行し終えるまでに消費する予定の予定消費電力量より少ない場合には、対象の素子の数を減少させることで、バッテリ残量の減少速度を低下させることができ、無人飛行体の飛行時間を増加させることができる。また、例えば、バッテリ残量が予定消費電力量より多い場合には、バッテリ残量が所定の残量より少ない場合よりも対象の素子の数を多くすることができ、収音品質を向上させることができる。
【0035】
また、前記プロセッサは、前記変更の後の前記対象の素子から出力される信号を用いて検出された目的音信号の品質を推定し、前記品質が閾値未満である場合、前記飛行ルートを変更してもよい。
【0036】
これによれば、推定された目的音信号の品質が閾値未満である場合に、例えば飛行距離を短くするように飛行ルートを変更することで減少させた飛行に必要な電力を、信号処理に当てることができる。よって、対象となる素子の数を増やすことができるため、目的音信号の品質を向上させることができる。
【0037】
また、前記プロセッサは、前記変更の後の前記対象の素子から出力される信号を用いて検出された目的音信号の品質を推定し、前記品質が閾値未満である場合、前記品質が前記閾値以上となるように、前記対象の素子の数を増加させてもよい。
【0038】
これによれば、推定された目的音信号の品質が閾値未満である場合に、対象となる素子の数を増やすことができるため、目的音信号の品質を向上させることができる。
【0039】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0040】
以下、本発明の一態様に係る無人飛行体について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0041】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0042】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図12を用いて、実施の形態1を説明する。
【0043】
[構成]
図1は、実施の形態1に係る無人飛行体およびコントローラの外観を示す図である。
図2は、実施の形態1に係る無人飛行体の上面図である。
【0044】
図1および
図2に示されるように、無人飛行体100は、コントローラ200へのユーザによる操作入力(以下、「操作」とも言う。)に応じた操作信号をコントローラ200から受信し、受信した操作信号に応じて飛行する。また、無人飛行体100は、飛行している状態において、受信した操作信号に応じて無人飛行体100が備えるカメラ114を用いた撮像を行ってもよい。カメラ114により撮像された撮像画像は、コントローラ200に送信されてもよいし、スマートフォンなどの携帯端末に送信されてもよい。
【0045】
コントローラ200は、ユーザからの操作を受け付けて、受け付けた操作に応じた操作信号を無人飛行体100に送信する。コントローラ200は、ディスプレイ300を備える。ディスプレイ300は、例えば、無人飛行体100から受信した撮像画像を表示する。なお、コントローラ200は、スマートフォンなどの携帯端末と接続されることで、携帯端末のディスプレイをディスプレイ300として利用してもよい。
【0046】
これにより、ユーザは、無人飛行体100のカメラ114により撮像された撮像画像を、コントローラ200のディスプレイ300でリアルタイムに確認しながら、コントローラ200を操作することで、無人飛行体100の飛行中における位置および姿勢の少なくとも一方である飛行状態を変更することができる。このため、ユーザは、無人飛行体100のカメラ114によって撮像する撮像範囲を自由に変更することができる。
【0047】
無人飛行体100は、4つの発生器110と、機体120と、4つのアーム121とを備える。
【0048】
4つの発生器110のそれぞれは、無人飛行体100を飛行させる力を発生させる。4つの発生器110のそれぞれは、具体的には、気流を発生させることで無人飛行体100を飛行させる力を発生させる。4つの発生器110のそれぞれは、回転することで気流を発生させる回転翼111と、回転翼111を回転させるアクチュエータ112とを有する。回転翼111およびアクチュエータ112は、鉛直方向に略平行な回転軸を有し、当該回転軸で回転することで回転翼111の上方から下方に向かって流れる気流を発生させる。これにより、4つの発生器110は、無人飛行体100が上方に浮上する推力を発生させ、無人飛行体100を飛行させる力を発生させる。アクチュエータ112は、例えば、回転翼111の回転軸で回転するモータである。
【0049】
4つの発生器110は、無人飛行体100を上方から見た場合、機体120の重心を中心として、機体120の周囲に90度の角度間隔でそれぞれ配置されている。つまり、4つの発生器110は、機体120を囲うように環状に並んで配置されている。
【0050】
なお、4つの発生器110のそれぞれが有する回転翼111は、1つのプロペラで構成される例を図示しているが、これに限らずに、2つのプロペラが同一の回転軸において互いに逆回転する二重反転プロペラで構成されていてもよい。また、発生器110は、無人飛行体100が飛行可能な推力が得られるのであれば、4つ未満であってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0051】
機体120は、例えば、略円柱形状の箱状の部材、つまり、筐体であり、内部に、プロセッサ、メモリ、バッテリ、各種センサなどの電気機器が配置されている。なお、機体120の形状は、円柱形状に限らずに、四角柱など他の形状であってもよい。
【0052】
また、機体120の外部には、カメラ114およびマイクロフォン103が配置されている。例えば、マイクロフォン103は、収音する複数の素子131を有する指向性マイクロフォンである。マイクロフォン103は、無人飛行体100を上方から見た場合、機体120を囲うように環状に並ぶ4つの発生器110のうち互いに隣接する2つの発生器110の間の方向に延びるアーム部122の先端に固定されている。つまり、マイクロフォン103は、例えば、機体120を中心として、4つの発生器110のうちの一の発生器110に向かう方向を基準に45°ずれた方向を向いて配置されている。アーム部122は、例えば、無人飛行体100の前方に向かって延びている。このため、マイクロフォン103は、無人飛行体100の前方を向いて機体120に固定されている。
【0053】
また、4つのアーム121は、それぞれ、機体120から4つの発生器110に向かって延び、先端に4つの発生器110が固定されている部材である。つまり、4つのアーム121の一端は、機体120に固定されており、4つのアーム121の他端には、それぞれ、4つの発生器110が固定されている。
【0054】
図3は、実施の形態1に係る無人飛行体の構成を示すブロック図である。具体的には、
図3は、無人飛行体100が備えるハードウェア構成と、プロセッサ101による機能とについて説明するためのブロック図である。
【0055】
無人飛行体100は、プロセッサ101と、メモリ102と、マイクロフォン103と、地磁気センサ104と、加速度センサ105と、ジャイロセンサ106と、GPS(Global Positioning System)受信機107と、バッテリ108と、バッテリ監視部109と、発生器110と、通信IF(Interface)113と、カメラ114と、ジンバル115とを備える。
【0056】
プロセッサ101は、マイクロフォン103、地磁気センサ104、加速度センサ105、ジャイロセンサ106、GPS受信機107、カメラ114が有するイメージセンサなどを含む各種センサにより検出された検出結果、通信IF113による受信結果などを取得し、取得された検出結果または受信結果に対して、メモリ102または図示しないストレージに記憶されている所定のプログラムを実行することで各種処理を実行する。プロセッサ101は、例えば、マイクロフォン103の複数の素子131から出力される信号から目的音の目的音信号を検出するための検出処理を実行する。これにより、プロセッサ101は、4つの発生器110、マイクロフォン103、カメラ114および通信IF113のうちの少なくとも1つを制御する。
【0057】
メモリ102は、マイクロフォン103の複数の素子131により出力される信号から騒音を抑圧する抑圧処理を実行するために用いる係数であって、抑圧処理を実行する処理の対象となる素子の組み合わせに応じた係数などを記憶している。メモリ102は、マイクロフォン103の複数の素子131により出力された全ての信号を記憶してもよい。メモリ102は、プロセッサ101により実行されるプログラムを記憶していてもよい。メモリ102は、例えば、不揮発性メモリにより実現される。
【0058】
マイクロフォン103は、それぞれが収音を行う複数の素子131を有するマイクロフォンアレイにより構成される。マイクロフォン103の形状は、例えば、球状であり、複数の素子131は、球状のマイクロフォン103の表面に所定の間隔で略均一に配置されている。これにより、マイクロフォン103は、マイクロフォン103の中心に対し放射状の複数の方向からの音を収音することができる。言い換えると、マイクロフォン103は、マイクロフォン103の周囲における異なる複数の方向からの音を収音することができる。なお、マイクロフォン103の形状は、球状に限らずに、円盤状であってもよく、複数の素子131は、円盤状のマイクロフォン103の表面に所定の間隔で配置されてもよい。複数の素子131の数は、例えば、4つであってもよいし、8つであってもよいし、16個であってもよく、それ以外の数であってもよい。
【0059】
地磁気センサ104は、無人飛行体100の基準となる方向が向いている方角を検出するセンサである。基準となる方向は、例えば、無人飛行体100の前方であってもよい。地磁気センサ104は、無人飛行体100の姿勢を検出する姿勢センサの一例である。
【0060】
加速度センサ105は、無人飛行体100の異なる3方向のそれぞれにかかる加速度を検出するセンサである。加速度センサ105は、無人飛行体100の位置を検出する位置センサの一例である。なお、異なる3方向は、互いに直交する方向であってもよい。
【0061】
ジャイロセンサ106は、無人飛行体100の異なる3方向を軸とした3軸周りそれぞれの回転における角速度を検出するセンサである。ジャイロセンサ106は、無人飛行体100の姿勢を検出する姿勢センサの一例である。
【0062】
GPS受信機107は、GPS衛星を含む人工衛星から当該GPS受信機の位置を示す情報を受信する。つまり、GPS受信機107は、無人飛行体100の現在位置を検出する。なお、GPS受信機107が受信する情報を発信する人工衛星は、GNSS(Global Navigation Satellite System)に対応する衛星であればよく、GPS衛星に限らない。GPS受信機107は、無人飛行体100の位置を検出する位置センサの一例である。
【0063】
バッテリ108は、プロセッサ101、メモリ102、マイクロフォン103、地磁気センサ104、加速度センサ105、ジャイロセンサ106、GPS受信機107、バッテリ監視部109、発生器110、通信IF113、カメラ114、ジンバル115などの無人飛行体100が備える電気機器に、当該電気機器の動作に必要な電力を供給する。バッテリ108は、例えば、充電および放電が可能な二次電池である。バッテリ108は、機体120に対して着脱可能であってもよい。バッテリ108は、二次電池に限らずに、交換可能(着脱可能)な一次電池であってもよい。
【0064】
バッテリ監視部109は、バッテリ108の動作状態を監視する制御回路である。バッテリ監視部109は、例えば、バッテリ108に蓄えられた電力を無人飛行体100が備える電気機器へ出力することを制御する出力制御、外部電源からの電力の供給を受けてバッテリ108への充電制御などを行う制御回路である。
【0065】
4つの発生器110は、上述により説明しているため、詳細な説明を省略する。
【0066】
通信IF113は、コントローラ200または通信端末との間で通信する通信インタフェースである。通信IF113は、例えば、コントローラ200が発する送信信号を受信するための通信インタフェースを含む。また、通信IF113は、例えば、IEEE802.11a、b、g、n、ac、ax規格に適合した無線LAN(Local Area Network)インタフェースであってもよいし、Bluetooth(登録商標)規格に適合したインタフェースであってもよい。また、通信IF113は、カメラ114との間で通信する通信インタフェースであってもよい。この場合の通信IF113は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などを用いた有線通信インタフェースであってもよい。
【0067】
カメラ114は、レンズなどの光学系およびイメージセンサを有する機器である。カメラ114は、カメラ114の三軸方向周りの姿勢を一定に保つためのジンバル115で支持されている。ジンバル115は、無人飛行体100の姿勢が変化しても、カメラ114の姿勢を、例えば、地球座標系に対して所望の姿勢に維持するための機器である。ここで所望の姿勢とは、コントローラ200から受信した操作信号に含まれるカメラ114の撮像方向によって定まる姿勢であってもよい。なお、カメラ114は、ジンバル115により支持されていなくてもよく、機体120に対する相対的な向きが固定されていてもよい。
【0068】
プロセッサ101は、機能構成としての、飛行制御部101aと、予測部101bと、マイク制御部101cとを有する。つまり、飛行制御部101a、予測部101bおよびマイク制御部101cによる各機能は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されているプログラムを実行することで実現される。
【0069】
飛行制御部101aは、地磁気センサ104、加速度センサ105、ジャイロセンサ106、GPS受信機107などにより検出された無人飛行体100の現在位置、飛行速度および飛行姿勢と、通信IF113により受信されたコントローラ200からの操作信号とに応じて、発生器110のアクチュエータ112の単位時間当たりの回転数(つまり回転速度)を制御する。これにより、飛行制御部101aは、無人飛行体100の飛行状態を制御する。つまり、飛行制御部101aは、ユーザによるコントローラ200への操作に応じてコントローラ200から出力された操作信号に応じて、無人飛行体100の飛行状態を制御する。
【0070】
予測部101bは、バッテリ監視部109からバッテリ108のバッテリ残量を示す蓄電情報を取得し、蓄電情報により示されるバッテリ残量から無人飛行体100の残りの飛行可能な飛行時間を予測する。予測部101bは、例えば、バッテリ残量と、無人飛行体100の発生器110の消費電力量と、プロセッサ101による消費電力量とに応じて、飛行時間を予測する。予測部101bは、発生器110の消費電力量と、プロセッサ101による消費電力量とを予め計測し、計測結果を用いて飛行時間を予測してもよい。
【0071】
マイク制御部101cは、マイクロフォン103の複数の素子131のそれぞれから、複数の素子131のそれぞれが音を検出することで出力された信号を取得する。マイク制御部101cは、複数の素子131から、複数の素子131にそれぞれが対応する複数の信号を取得する。また、マイク制御部101cは、取得された複数の信号から目的音の目的音信号を検出するための検出処理を実行する。マイク制御部101cは、検出処理の結果に応じて、複数の素子131のうちの、複数の信号を処理する対象の素子を変更する。マイク制御部101cは、検出処理において、例えば、複数の信号としてのデジタル信号をアナログ信号に変換するための信号変換を行ってもよい。
【0072】
図4は、複数の信号を処理する対象の素子を変更する処理の一例について説明するための図である。
【0073】
同図に示されるように、マイク制御部101cは、低電力モードと、全処理モードとを切り替えて検出処理を行う。低電力モードでは、マイク制御部101cは、マイクロフォン103の複数の素子131の一部の素子を検出処理の対象とし、他の一部の素子を検出処理の非対象として、検出処理を実行する。このように、低電力モードでは、マイクロフォン103が有する複数の素子131の一部の素子により出力される信号が検出処理に用いられ、他の一部の素子により出力される信号が検出処理に用いられない。全処理モードでは、マイク制御部101cは、マイクロフォン103が有する全ての複数の素子131により出力される複数の信号が検出処理に用いられる。
【0074】
つまり、低電力モードでは、他の一部の素子により出力される信号が検出処理に用いられないため、検出処理に要する処理負荷が全処理モードよりも低減される。このため、低電力モードでは、全処理モードよりも消費電力量を低減することができる。一方で、全処理モードでは、全ての複数の素子131により出力される信号が検出処理に用いられるため、検出した目的音の品質を低電力モードよりも向上させることができる。
【0075】
マイク制御部101cは、例えば、検出処理により目的音信号が検出された場合、低電力モードから全処理モードに切り替えることで、信号を処理する対象の素子の数を増加させてもよい。マイク制御部101cは、検出処理により所定の周波数帯域の音を検出した場合に、目的音信号が検出されたと判定してもよい。所定の周波数帯域の音とは、例えば、人の声、つまり音声の周波数帯域であり、300~11000Hzの範囲の音である。これにより、マイク制御部101cは、目的音信号が検出されていない期間中に低電力モードで検出処理を実行するため、目的音信号が検出されていない期間における消費電力量を低減することができる。また、マイク制御部101cは、目的音信号が検出された場合に、低電力モードから全処理モードに切り替えるため、検出処理で得られる目的音の品質を向上させることができる。
【0076】
また、その反対に、マイク制御部101cは、例えば、検出処理により目的音信号が検出された場合、全処理モードから低電力モードに切り替えることで、信号を処理する対象の素子の数を減少させてもよい。これにより、マイク制御部101cは、目的音の検出を高感度で行うことができるため、目的音の検出に要する時間を低減することができる。よって、目的音の検出処理に要する消費電力量を低減することができる。また、全ての素子の信号を用いて検出処理するため、目的音の音源の位置を精度よく推定することができる。このため、推定された目的音の音源に位置に適した素子を対象の素子として選択することができる。よって、低電力モードであっても、得られる目的音の品質を効果的に向上させることができる。
【0077】
図5および
図6は、第1の場面における、低電力モードにおいて対象の素子として選択する素子の一例を示す図である。
図5は、水平方向から見た場合の、第1の場面における無人飛行体と音源との位置関係を示す図である。
図6は、第1の場面において対象の素子として選択される素子の一例を示す図である。
【0078】
マイク制御部101cは、マイクロフォン103から特定の方向に対応する第1素子を検出処理の対象の素子として選択する。マイク制御部101cは、具体的には、複数の素子131により出力された複数の信号を、方向推定アルゴリズムで処理することにより目的音の音圧が大きいと推定される方向を特定の方向として推定してもよい。
【0079】
また、マイク制御部101cは、マイクロフォン103による検出結果を用いて特定の方向を推定する代わりに、カメラ114のイメージセンサにより撮影された画像を用いて推定してもよい。この場合、マイク制御部101cは、撮影された画像への画像処理により予め定められた音源の色、形状、種類などを認識することで、画像内における音源の位置を特定する。そして、マイク制御部101cは、当該画像を撮影したときのカメラ114の無人飛行体100に対する位置及び姿勢と、画像内における音源の位置とを用いて、無人飛行体100に対する音源の方向を特定の方向として推定する。
【0080】
また、マイク制御部101cは、通信IF113によりコントローラ200から受信した操作信号に基づいて、特定の方向を特定してもよい。この場合、操作信号には、特定の方向を示す情報が含まれる。
【0081】
なお、音源は、例えば、人であってもよいし、動物であってもよいし、スピーカであってもよいし、車両であってもよい。
【0082】
第1の場面は、
図5に示されるように、無人飛行体100が音源10である人の頭部よりも上方に位置する場面である。マイク制御部101cは、第1の場面において、無人飛行体100から外側に斜め下方の方向D1であって、マイクロフォン103の表面の位置のうちで音源10が位置すると予測される方向D1側の位置にある素子131aを第1素子として選択する。
【0083】
また、マイク制御部101cは、素子131aよりも無人飛行体100が発生させる騒音の音源に近い第2素子を検出処理の対象の素子として選択する。マイク制御部101cは、例えば、無人飛行体100が発生させる騒音の音源である発生器110に近い素子131bを第2素子として選択する。また、マイク制御部101cは、素子131aと素子131bとの間に位置する素子131c、131dを第3素子として選択してもよい。
【0084】
第1の場面では、マイク制御部101cは、マイクロフォン103の特定の方向D1に対応する素子131aから出力された信号に対する検出処理を行う。このため、特定の方向D1からの音の収音品質を向上させることができる。また、第1の場面では、マイクロフォン103の複数の素子131のうち、素子131a、131b、131c、131dは、無人飛行体100が発生させる騒音の音源である発生器110からの距離が異なる位置にそれぞれ配置されている。このため、それぞれの素子131a、131b、131c、131dで発生器110による騒音を収音する時間に差が生じやすい。このため、検出処理において、無人飛行体100が発生させる騒音を効果的に抑制させることができ、無人飛行体100が発生させる騒音による、目的音の収音品質の低下を抑制することができる。よって、目的音の収音品質を向上させることができる。
【0085】
図7および
図8は、第2の場面における、低電力モードにおいて対象の素子として選択する素子の一例を示す図である。
図7は、水平方向から見た場合の、第2の場面における無人飛行体と音源との位置関係を示す図である。
図8は、第2の場面において対象の素子として選択される素子の一例を示す図である。
【0086】
第2の場面は、
図7に示されるように、無人飛行体100が音源10と同等の高さに位置する場面である。マイク制御部101cは、第2の場面において、無人飛行体100から水平方向外側の方向D2であって、マイクロフォン103の表面の位置のうちで音源10が位置すると予測される方向D2側の位置にある素子131eを第1素子として選択する。
【0087】
また、マイク制御部101cは、素子131eよりも無人飛行体100が発生させる騒音の音源に近い第2素子を検出処理の対象の素子として選択する。マイク制御部101cは、例えば、無人飛行体100が発生させる騒音の音源である発生器110に近い素子131bを第2素子として選択する。また、マイク制御部101cは、素子131eと素子131bとの間に位置する素子131f、131gを第3素子として選択してもよい。
【0088】
第2の場面では、マイク制御部101cは、マイクロフォン103の特定の方向D2に対応する素子131eから出力された信号に対する検出処理を行う。このため、特定の方向D2からの音の収音品質を向上させることができる。また、第2の場面では、マイクロフォン103の複数の素子131のうち、素子131b、131e、131f、131gは、無人飛行体100が発生させる騒音の音源である発生器110からの距離が異なる位置にそれぞれ配置されている。このため、それぞれの素子131b、131e、131f、131gで発生器110による騒音を収音する時間に差が生じやすい。このため、検出処理において、無人飛行体100が発生させる騒音を効果的に抑制させることができ、無人飛行体100が発生させる騒音による、目的音の収音品質の低下を抑制することができる。よって、目的音の収音品質を向上させることができる。
【0089】
なお、低電力モードは、
図5~
図8で説明した例に限らずに、
図9~
図11に示されるような素子が選択されてもよい。
【0090】
図9は、第2の場面において対象の素子として選択される素子の他の一例を示す図である。この場合、マイク制御部101cは、
図8の場合とは異なり、第1素子としての素子131eおよび第2素子としての素子131bを除く他の素子のうち、素子131eを通る方向D2に延びる直線に近い位置に配置される素子131c、131hを選択してもよい。
【0091】
図10は、第3の場面において対象の素子として選択される素子の一例を示す図である。第3の場面は、無人飛行体100のマイクロフォン103が音源10の直上に位置する場面である。この場合、マイク制御部101cは、マイクロフォン103の表面の位置のうちで音源10が位置すると予測される方向D3側の位置にある素子131gを第1素子として選択する。
【0092】
また、マイク制御部101cは、素子131gよりも無人飛行体100が発生させる騒音の音源に近い素子131bを第2素子として選択する。また、マイク制御部101cは、第1素子としての素子131gおよび第2素子としての素子131bを除く他の素子のうち、素子131gを通り方向D3に延びる直線に近い位置に配置される素子131c、131dを選択してもよい。
【0093】
図11は、低電力モードで目的音を検出する場合に対象の素子として選択される素子の一例を示す図である。マイク制御部101cは、検出処理により目的音信号が検出されたときに低電力モードから全処理モードに切り替える場合の低電力モードでは、
図11に示されるように、それぞれバラバラな方向に位置する素子を対象の素子として選択してもよい。具体的には、マイク制御部101cは、対象の素子の間に非対象の素子が含まれるように、つまり、対象の素子同士が隣接しないように、分散された位置に配置される対象の素子を選択してもよい。これにより、少ない素子を対象の素子とした場合であっても、効果的に目的音を検出することができる。
【0094】
[動作]
次に、無人飛行体100の動作について説明する。
【0095】
図12は、無人飛行体100の収音の動作の一例を示すフローチャートである。
【0096】
無人飛行体100では、マイクロフォン103を用いて収音を行う(S11)。
【0097】
次に、プロセッサ101は、現在の収音の処理モードが低電力モードであるか否かを判定する(S12)。プロセッサ101は、具体的には、メモリ102に記憶されている現在の収音の処理モードを示すモード情報を参照することでメモリ102に記憶されている収音の処理モードが低電力モードであるか否かを判定する。
【0098】
プロセッサ101は、現在の収音の処理モードが低電力モードであると判定された場合(S12でYes)、マイクロフォン103の全部の素子131のうち、低電力モードで選択されている一部の素子から出力される信号について所定の処理を実行する(S13)。プロセッサ101は、所定の処理として、例えば、検出処理の対象の素子として選択されている複数の素子により出力される複数の信号を用いて、無人飛行体100の発生器110から発生している騒音を抑制する処理を実行する。なお、低電力モードにおいて検出処理の対象の素子として選択される素子の数は、複数に限らずに1つであってもよい。
【0099】
次に、プロセッサ101は、ステップS13の所定の処理による処理結果を用いて、目的音を検出する(S14)。プロセッサ101は、例えば、騒音を抑制する処理により得られた処理後の信号から所定の周波数帯域の目的音を示す目的音信号を検出する。
【0100】
次に、プロセッサ101は、収音イベントを検知したか否かを判定する(S15)。プロセッサ101は、例えば、ステップS14で検出された目的音信号の音圧レベルが所定の音圧レベル以上である場合に、収音イベントを検知したと判定してもよい。また、プロセッサ101は、例えば、ステップS14で検出された目的音信号の特定周波数領域の音圧レベルが所定の音圧レベル以上である場合に、収音イベントを検知したと判定してもよい。また、プロセッサ101は、例えば、当該目的音信号を音声認識することで音声認識結果に所定のコマンドが含まれている場合に、収音イベントを検知したと判定してもよい。
【0101】
プロセッサ101は、収音イベントを検知していないと判定された場合(S15でNo)、対象イベントを検知したか否かを判定する(S16)。プロセッサ101は、例えば、無人飛行体100のGPS受信機107が所定の領域内の位置に無人飛行体100が位置したことを検出した場合、対象イベントを検知したと判定してもよい。また、プロセッサ101は、例えば、コントローラ200から通信IF113が受信した操作信号が対象イベントの開始を示す情報を含む場合に、対象イベントを検知したと判定してもよい。また、プロセッサ101は、例えば、カメラ114により撮像された画像に画像処理を行うことで、当該画像内に人を検出した場合、対象イベントを検知したと判定してもよい。
【0102】
プロセッサ101は、収音イベントを検知したと判定された場合(S15でYes)、または、対象イベントを検知したと判定された場合(S16でYes)、収音の処理モードを全処理モードに切り替える(S17)。プロセッサ101は、例えば、全処理モードに切り替えた場合、メモリ102に記憶されているモード情報を、現在の収音の処理モードが全処理モードであることを示す情報に更新する。
【0103】
なお、上記では、ステップS15の判定、および、ステップS16の判定を分けて実行すると説明したが、同一の判定で行ってもよい。例えば、プロセッサ101は、同一の判定で行う場合には、イベントが検知されたか否かを判定する。ここでのイベントの検知は、収音イベントの検知、および、対象イベントの検知を含む。
【0104】
次に、プロセッサ101は、マイクロフォン103の全部の素子131から出力される信号について所定の処理を実行する(S18)。プロセッサ101は、所定の処理として、例えば、全ての素子131により出力される複数の信号を用いて、無人飛行体100の発生器110から発生している騒音を抑制する処理を実行する。なお、ステップS18は、プロセッサ101がステップS12において、現在の収音の処理モードが全処理モードであると判定された場合(S12でNo)にも行われる。
【0105】
次に、プロセッサ101は、ステップS18の所定の処理による処理結果を用いて、目的音を検出する(S19)。プロセッサ101は、例えば、騒音を抑制する処理により得られた処理後の信号から所定の周波数帯域の目的音を示す目的音信号を検出する。
【0106】
次に、プロセッサ101は、全処理モードが完了したか否かを判定する(S20)。プロセッサ101は、例えば、コントローラ200から通信IF113が受信した操作信号が全処理モードの完了を示す場合に、全処理モードが完了したと判定してもよい。また、プロセッサ101は、例えば、目的音が検出されなくなってから所定時間が経過した場合に、全処理モードが完了したと判定してもよい。また、プロセッサ101は、例えば、GPS受信機107が所定の領域外の位置に無人飛行体100が位置したことを検出した場合、全処理モードが完了したと判定してもよい。
【0107】
プロセッサ101は、全処理モードが完了したと判定した場合(S20でYes)、収音の処理モードを低電力モードに切り替える(S21)。プロセッサ101は、例えば、低電力モードに切り替えた場合、メモリ102に記憶されているモード情報を、現在の収音の処理モードが低電力モードであることを示す情報に更新する。
【0108】
プロセッサ101は、ステップS16において対象イベントを検知していないと判定された場合(S16でNo)、ステップS20で全処理モードが完了していないと判定された場合(S20でNo)、または、ステップS21において低電力モードへの切り替えが完了した場合、ステップS11に戻り、ステップS11を実行する。
【0109】
なお、プロセッサ101は、コントローラ200から通信IF113が受信した操作信号が動作停止を示す場合、無人飛行体100による収音の動作を停止してもよい。
【0110】
[効果など]
本実施の形態に係る無人飛行体100によれば、プロセッサ101は、マイクロフォン103の複数の素子131から出力される記信号から目的音の目的音信号を検出するための検出処理を実行し、検出処理の結果に応じて、複数の素子131のうちの信号を処理する対象の素子を変更する。つまり、プロセッサ101は、目的音信号の検出結果に応じて処理対象の素子を変更するため、変更の前後の少なくとも一方において、一部の素子から出力された信号に対する検出処理を行っていないこととなる。このため、変更の前後の少なくとも一方における検出処理に要する処理負荷を低減することができ、検出処理に要する電力量を低減することができる。
【0111】
(実施の形態2)
実施の形態2について説明する。
【0112】
実施の形態1に係る無人飛行体100では、プロセッサ101は、検出処理の結果に応じて、マイクロフォン103の複数の素子131のうちの信号を処理する対象の素子を変更するとしたが、これに限らない。実施の形態2に係る無人飛行体100では、プロセッサ101は、無人飛行体100が備えるバッテリ108のバッテリ残量を取得し、バッテリの残量に応じて、マイクロフォン103の複数の素子131のうちの信号を処理する対象の素子を変更する。
【0113】
この場合、無人飛行体100の通信IF113は、例えば、コントローラ200または他の機器から無人飛行体100の飛行ルートを取得する。飛行制御部101aは、通信IF113により取得された飛行ルートと、予測部101bにより取得されたバッテリ残量とに基づいて、飛行ルートにおいて無人飛行体100が到達する予定の位置におけるバッテリ残量を推定する。
【0114】
以下、
図13~
図15を用いて、バッテリ残量に応じて、マイクロフォン103の複数の素子131のうちの信号を処理する対象の素子を変更する処理について説明する。
【0115】
図13は、バッテリ残量に応じて、対象の素子を変更する処理の第1の例について説明するための図である。
図14は、バッテリ残量に応じて、対象の素子を変更する処理の第2の例について説明するための図である。
図15は、バッテリ残量に応じて、対象の素子を変更する処理の第3の例について説明するための図である。
【0116】
図13~
図15に示されるように、無人飛行体100の飛行ルートは、例えば、ホームH1の位置から出発し、ウェイポイントP1、P2、P3、P4を順に通過して、ホームH1に戻る飛行ルートである。
【0117】
図13に示されるように、第1の例は、無人飛行体100が、飛行ルートの全てに渡って全処理モードで収音の処理を行う例である。無人飛行体100では、飛行制御部101aは、飛行ルートの各ウェイポイントP1~P4における、バッテリ消費量、バッテリ残量、ホームH1に到着したときのバッテリ残量予測、収音処理モード、および、ホームH1までのバッテリ残量を予測する。
【0118】
バッテリ消費量は、ホームH1から各ウェイポイントP1~P4までに消費する電力量を示す。例えば、バッテリ消費量は、ホームH1から各ウェイポイントP1~P4までに消費する電力量の、バッテリ容量に対する割合である。消費電力量は、例えば、出力電流の時系列の変化に対して、無人飛行体100の動作期間について時間積分し、時間積分で得られた値にバッテリ108の定格電圧を乗算することで求めることができる。出力電流の時系列の変化は、バッテリ108からの出力電流を逐次測定することで得られる。
【0119】
バッテリ残量は、ホームH1から各ウェイポイントP1~P4までに残るバッテリ108の残量を示す。例えば、バッテリ残量は、100%からバッテリ消費量を減算した値である。
【0120】
ホームH1に到着したときのバッテリ残量予測は、各ウェイポイントP1~P4からホームH1まで無人飛行体100が収音しながら飛行したときに残っていると予測されるバッテリ残量である。バッテリ残量予測は、各ウェイポイントP1~P4でのバッテリ残量から、ホームH1に到着するまでに消費すると予測される電力量の、バッテリ容量に対する割合を減算した値である。消費すると予測される電力量は、例えば、各ウェイポイントP1~P4からホームH1までの飛行状態の変化、および、飛行距離と、飛行状態の変化および飛行距離に対応する消費電力量とを含む過去の飛行データを取得し、取得された過去の飛行データから平均消費電力量を算出することで求めることができる。なお、飛行状態の変化は、例えば、飛行速度、直進飛行、旋回飛行などの変化、または、各発生器110における回転翼111の回転速度の変化である。
【0121】
収音処理モードは、実施の形態1で説明した処理モードと同様である。
【0122】
ホームH1までのバッテリ残量は、ホームH1に到着したときに、バッテリ残量があるか否かの予測を示す情報である。ホームH1までのバッテリ残量は、バッテリ残量予測が正の数の場合には「あり」となり、バッテリ残量予測が負の数の場合には「なし」となる。
【0123】
第1の例では、全てのウェイポイントP1~P4においてバッテリ残量が「あり」となるため、無人飛行体100は、全処理モードのまま低電力モードとしなくても、飛行ルートの全てを収音しながら飛行することができる。
【0124】
図14に示されるように、第2の例は、第1の例と同様の飛行ルートを無人飛行体100が収音しながら飛行する例であるが、飛行の途中で、計画外の風の影響、または、検知した不審な音の音源を確認する飛行を行ったことにより、バッテリ108の電力を第1の例よりも多く消費した例である。また、第2の例は、第1の例と同様に、飛行ルートの全てに渡って全処理モードで収音の処理を行う例である。
【0125】
第2の例では、ウェイポイントP2を通過するまでにバッテリ108の電力を第1の例よりも多く消費するため、ウェイポイントP2においてホームH1に到着したときのバッテリ残量予測は、負の数となる。つまり、全処理モードのままでは、ホームH1に到着するまでのバッテリ消費量がバッテリ残量よりも大きくなるため、無人飛行体100は、ホームH1に到着できないと予測される。
【0126】
このため、収音の処理モードを全処理モードから低電力モードへ切り替えることで、無人飛行体100の飛行時間を増加させることが考えられる。
【0127】
図15に示されるように、第3の例は、第2の例と同様に、飛行の途中で、計画外の風の影響、または、検知した不審な音の音源を確認する飛行を行ったことにより、バッテリ108の電力を第1の例よりも多く消費した例である。また、第3の例は、第1の例および第2の例とは異なり、全処理モードから低電力モードへ切り替えて収音の処理を行う例である。
【0128】
第3の例では、第2の例と同様にウェイポイントP2を通過するまでにバッテリ108の電力を第1の例よりも多く消費するため、ウェイポイントP2においてホームH1に到着したときのバッテリ残量予測は、負の数となり、全処理モードのままではホームH1に到着できないと予測される。そこで、無人飛行体100は、収音の処理モードを全処理モードから低電力モードに切り替える。これにより、ウェイポイントP3以降では、ホームH1到着のバッテリ残量予測は、正の数となり、無人飛行体100は、ホームH1まで収音しながら飛行できると予測される。
【0129】
図16は、実施の形態2に係る無人飛行体100の収音の動作の第1の例を示すフローチャートである。
【0130】
無人飛行体100では、マイクロフォン103を用いて収音を行う(S31)。
【0131】
次に、プロセッサ101は、飛行ルートを飛行するための消費電力量を予測する(S32)。プロセッサ101は、例えば、現在位置から飛行ルートの各ウェイポイントP1~P4を通過してホームH1まで戻る飛行に要する飛行時間を、現在の収音の処理モードにおける単位時間当たりの消費電力量の平均に乗じることで、ホームH1に戻る間の収音に要する消費電力量を算出する。また、プロセッサ101は、例えば、現在位置から飛行ルートの各ウェイポイントP1~P4を通過してホームH1まで戻る飛行に要する消費電力量を算出する。プロセッサ101は、ホームH1に戻る間の収音に要する消費電力量と、ホームH1まで戻る飛行に要する消費電力量とを加算することで、飛行ルートを飛行し終えるまでに消費すると予測される消費予測電力量を算出する。プロセッサ101は、算出された消費電力量を用いて、ホームH1までのバッテリ消費量を算出する。
【0132】
次に、プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っているか否かを判定する(S33)。プロセッサ101は、例えば、ステップS32で算出した飛行ルートを飛行するためのバッテリ消費量がバッテリ108のバッテリ残量より小さいか否かを判定する。プロセッサ101は、バッテリ消費量がバッテリ残量より小さい場合、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていると判定し、そうでない場合、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていないと判定する。
【0133】
プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていないと判定された場合(S33でNo)、マイクロフォン103の複数の素子131のうち収音処理の対象の素子の数を減らして、収音処理を行う(S34)。プロセッサ101は、例えば、全処理モードから低電力モードへ切り替えることで対象の素子の数を減らす。
【0134】
そして、プロセッサ101は、収音処理の対象の素子の数を減らした後で、再び現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っているか否かを判定する(S35)。
【0135】
プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていないと判定された場合(S35でNo)、マイクロフォン103の複数の素子131のうち収音処理の対象の素子の数をさらに減らすためにステップS34に戻る。
【0136】
プロセッサ101は、ステップS33またはステップS35において現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていると判定された場合(S33またはS35でYes)、ステップS31に戻る。
【0137】
また、実施の形態2に係る無人飛行体100は、
図17に示すような収音の動作を行ってもよい。
【0138】
図17は、実施の形態2に係る無人飛行体100の収音の動作の第2の例を示すフローチャートである。
【0139】
無人飛行体100では、マイクロフォン103を用いて収音を行う(S41)。
【0140】
次に、プロセッサ101は、飛行ルートを飛行するための消費電力量を予測する(S42)。具体的には、プロセッサ101は、ステップS32と同様の処理を行う。
【0141】
次に、プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っているか否かを判定する(S43)。具体的には、プロセッサ101は、ステップS33と同様の処理を行う。
【0142】
プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていないと判定された場合(S43でNo)、マイクロフォン103の複数の素子131のうち収音処理の対象の素子の数を減らして、収音処理を行う(S44)。プロセッサ101は、例えば、全処理モードから低電力モードへ切り替えることで対象の素子の数を減らす。
【0143】
次に、プロセッサ101は、収音処理の結果において得られた目的音のSNR(Signal-Noise Ratio)を推定し、推定されたSNRが閾値より大きいか否かを判定する(S45)。なお、目的音のSNRは、目的音の品質を示す指標の一例である。目的音のSNRは、例えば、騒音を抑制する処理の前に、無人飛行体100の飛行により発生した音をマイクロフォン103で収音することで得られた信号の音圧レベルと、騒音を抑制する処理の後にマイクロフォン103で収音することで得られた目的音の音圧レベルとの差である。
【0144】
プロセッサ101は、収音処理の結果において得られた目的音のSNRが閾値以下であると判定された場合(S45でNo)、ステップS44で減らした対象の素子の数を元に戻して、収音処理を行う(S46)。
【0145】
次に、プロセッサ101は、無人飛行体100の飛行ルートを調整する(S47)。プロセッサ101は、例えば、飛行ルートの距離を短く変更する。
【0146】
プロセッサ101は、収音処理の結果において得られた目的音のSNRが閾値より大きいと判定された場合(S45でYes)、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っているか否かを判定する(S48)。具体的には、プロセッサ101は、ステップS43と同様の処理を行う。
【0147】
プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていないと判定された場合(S48でNo)、無人飛行体100の飛行ルートを調整する(S49)。プロセッサ101は、例えば、飛行ルートの距離を短く変更する。
【0148】
プロセッサ101は、ステップS43またはS48において現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていると判定された場合(S43またはS48でYes)、ステップS47の後、または、ステップS49の後、ステップS41に戻る。
【0149】
また、実施の形態2に係る無人飛行体100は、
図18に示すような収音の動作を行ってもよい。
【0150】
図18は、実施の形態2に係る無人飛行体100の収音の動作の第3の例を示すフローチャートである。
【0151】
無人飛行体100では、マイクロフォン103を用いて収音を行う(S51)。
【0152】
次に、プロセッサ101は、飛行ルートを飛行するための消費電力量を予測する(S52)。具体的には、プロセッサ101は、ステップS32と同様の処理を行う。
【0153】
次に、プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っているか否かを判定する(S53)。具体的には、プロセッサ101は、ステップS33と同様の処理を行う。
【0154】
プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていないと判定された場合(S53でNo)、マイクロフォン103の複数の素子131のうち収音処理の対象の素子の数を減らして、収音処理を行う(S54)。プロセッサ101は、例えば、全処理モードから低電力モードへ切り替えることで対象の素子の数を減らす。
【0155】
次に、プロセッサ101は、収音処理の結果において得られた目的音のSNRが閾値より大きいか否かを判定する(S55)。
【0156】
プロセッサ101は、収音処理の結果において得られた目的音のSNRが閾値以下であると判定された場合(S55でNo)、無人飛行体100の飛行ルートを調整する(S56)。プロセッサ101は、例えば、飛行ルートの距離を短く変更する。
【0157】
プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていると判定された場合(S53でYes)、収音処理の対象の素子を増やしても消費する電力がバッテリ108に残っているか否かを判定する(S57)。
【0158】
プロセッサ101は、収音処理の対象の素子を増やしても消費する電力がバッテリ108に残っていると判定された場合(S57でYes)、マイクロフォン103の複数の素子131のうち収音処理の対象の素子の数を増やして、収音処理を行う(S58)。プロセッサ101は、例えば、低電力モードから全処理モードへ切り替えることで対象の素子の数を増やす。
【0159】
プロセッサ101は、収音処理の結果において得られた目的音のSNRが閾値より大きいと判定された場合(S55でYes)、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っているか否かを判定する(S59)。具体的には、プロセッサ101は、ステップS53と同様の処理を行う。
【0160】
プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていないと判定された場合(S59でNo)、無人飛行体100の飛行ルートを調整する(S60)。プロセッサ101は、例えば、飛行ルートの距離を短く変更する。
【0161】
プロセッサ101は、ステップS56の後、ステップS58の後、ステップS60の後、ステップS57において収音処理の対象の素子を増やしても消費する電力がバッテリ108に残っていないと判定された場合(S57でNo)、または、ステップS59において現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていると判定された場合(S59でYes)、ステップS51に戻る。
【0162】
[効果など]
本実施の形態に係る無人飛行体100によれば、プロセッサ101は、現在の処理モードで消費する電力がバッテリ108に残っていないと判定された場合に、対象の素子の数を減少させるため、信号処理に要する電力量を低減することができる。よって、バッテリ残量の減少速度を低下させることができ、無人飛行体の飛行時間を増加させることができる。また、例えば、充電などによりバッテリ残量が所定の閾値よりも増加した場合に、対象の素子を増加させるため、収音品質を向上させることができる。
【0163】
また、本実施の形態に係る無人飛行体100によれば、プロセッサ101は、さらに、取得した飛行ルートにおいて無人飛行体100が到達する予定の位置、つまり、各ウェイポイントP1~P4におけるバッテリ残量を推定する。
【0164】
このため、プロセッサ101は、飛行ルートから推定されたバッテリ残量に応じて対象の素子を変更することができる。例えば、プロセッサ101は、現在の処理モードにおいて、バッテリ残量が飛行ルートを飛行し終えるまでに消費すると予測される消費予測電力量より大きい場合には、対象の素子の数を減少させることで、バッテリ残量の減少速度を低下させることができ、無人飛行体100の飛行時間を増加させることができる。また、例えば、バッテリ残量が消費予測電力量より多い場合には、バッテリ残量が消費予測電力量より少ない場合よりも対象の素子の数を多くすることができ、収音品質を向上させることができる。
【0165】
また、本実施の形態に係る無人飛行体100によれば、推定された目的音信号のSNRが閾値未満である場合に、飛行距離を短くするように飛行ルートを変更することで減少させた飛行に必要な電力を、信号処理に用いることができる。よって、対象となる素子の数を増やすことができるため、目的音信号の品質を向上させることができる。
【0166】
また、本実施の形態に係る無人飛行体100によれば、プロセッサ101は、対象の素子の変更の後の対象の素子から出力される信号を用いて検出された目的音信号のSNRを推定し、推定されたSNRが閾値未満である場合、当該SNRが閾値以上となるように、対象の素子の数を増加させる。例えば、ステップS45でNoと判定された場合には、ステップS46で対象の素子の数を元に戻すことで対象の素子の数を増加させるため、SNRを向上させることができる。また、例えば、ステップS55でNoと判定された場合には、飛行ルートが短く調整されることにより、次にステップS52が行われたときに算出される消費予測電力量が小さくなり、ステップS53でYesと判定され易くなる。そして、ステップS53でYesと判定された場合には、ステップS57でYesと判定されればステップS58で対象の素子の数を増やして収音処理を行うため、SNRを向上させることができる。このように、推定された目的音信号のSNRが閾値未満である場合に、対象となる素子の数を増やすことができるため、目的音信号の品質を向上させることができる。
【0167】
(実施の形態3)
実施の形態3について説明する。
【0168】
実施の形態3に係る無人飛行体100では、プロセッサ101は、無人飛行体100の飛行状態を取得し、飛行状態に応じて、マイクロフォン103の複数の素子131のうちの信号を処理する対象の素子を変更する。飛行状態は、例えば、無人飛行体100の発生器110の回転翼111の単位時間当たりの回転数である。
【0169】
図19は、無人飛行体の騒音レベルと、回転翼の回転数指令との関係を示すグラフである。
【0170】
同図に示されるように、回転翼111の回転数指令が大きくなり、回転翼111の単位時間当たりの回転数が大きくなるほど、無人飛行体100から発生する騒音レベルは大きくなる。これは、無人飛行体100の騒音は、主に、回転翼111の回転によって発生するからである。このため、プロセッサ101は、無人飛行体100から発生する騒音レベルが大きくなるほど、マイクロフォン103の複数の素子131のうち、収音処理の対象の素子の数を増加させることで、収音処理により得られる目的音の品質を向上させてもよい。
【0171】
図20は、無人飛行体の回転翼の回転数指令と、対象の素子の数との関係の一例を示す図である。
【0172】
プロセッサ101は、
図20で示されるような関係を参照して、無人飛行体100の飛行における回転翼111の回転数指令に応じて、対象の素子を変更してもよい。プロセッサ101は、回転数指令が増加するほど、対象の素子の数が増えるように対象の素子を変更する。なお、回転数指令は、例えば、回転翼111の単位時間当たりの回転数の最大に対する、飛行の推力を得るために必要な回転翼111の単位時間当たりの回転数の割合により示される。
【0173】
図21は、実施の形態3に係る無人飛行体100の収音の動作の一例を示すフローチャートである。
【0174】
無人飛行体100では、マイクロフォン103を用いて収音を行う(S71)。
【0175】
次に、プロセッサ101は、回転数指令を取得する(S72)。プロセッサ101は、具体的には、コントローラ200による操作指示による飛行、または、飛行ルートの飛行のための推力を発生器110で発生させるための回転数に、回転翼111の単位時間当たりの回転数を決定する。プロセッサ101は、決定された単位時間当たりの回転数で回転翼111を駆動させるための回転数指令を発生器110に出力する。
【0176】
プロセッサ101は、出力された回転数指令が、
図20で示される関係で対応している対象の素子のセットを選択する(S73)。プロセッサ101は、例えば、回転数指令が55%である場合には、Set Bの対象の素子を選択する。
【0177】
プロセッサ101は、選択された対象の素子のセットを用いてノイズの抑圧処理を実行する(S74)。
【0178】
[効果など]
本実施の形態に係る無人飛行体100によれば、無人飛行体100の飛行状態、例えば、回転翼の単位時間当たりの回転数に応じて処理対象の素子を変更するため、変更の前後の少なくとも一方において、一部の素子から出力された信号に対する検出処理を行っていないこととなる。このため、変更の前後の少なくとも一方における検出処理に要する処理負荷を低減することができ、検出処理に要する電力量を低減することができる。また、回転翼の単位時間当たりの回転数に応じて、当該回転数に適した素子を処理対象の素子として選択することができる。よって、マイクロフォンから出力される信号への処理結果の品質を向上させることができる。
【0179】
(変形例)
上記実施の形態において対象の素子を変更する変更処理は、
図22に示すフローチャートのように実行されてもよい。変更処理は、例えば、ステップS21、S34、S44、S46、S54、S58、S73などに示す処理に適用できる。
【0180】
図22は、変形例に係る変更処理の一例を示すフローチャートである。
【0181】
プロセッサ101は、変更処理が開始されると、対象の素子の組み合わせの処理係数がメモリ102に記憶されているか否かを判定する(S81)。処理係数とは、ノイズ抑圧処理に用いられる対象の複数の素子の組み合わせの各素子に対応する係数である。処理係数は、対象の素子の組み合わせに応じて異なる値になり得る。
【0182】
プロセッサ101は、対象の素子の組み合わせの処理係数がメモリ102に記憶されていると判定された場合(S81でYes)、メモリ102から当該対象の素子の組み合わせに対応する処理係数を取得する(S82)。
【0183】
次に、プロセッサ101は、取得された対象の素子の組み合わせに対応する処理係数を収音処理に適用することで、収音処理を実行する(S83)。プロセッサ101は、例えば、対象の素子から出力された複数の信号のそれぞれに、処理係数において当該信号に対応する係数を適用することで収音処理を実行する。
【0184】
プロセッサ101は、対象の素子の組み合わせの処理係数がメモリ102に記憶されていないと判定された場合(S81でNo)、マイクロフォン103の全素子用のキャリブレーション用の音データがメモリ102に記憶されているか否かを判定する(S84)。キャリブレーション用の音データは、例えば、ホワイトノイズが収音されたデータである。
【0185】
プロセッサ101は、マイクロフォン103の全素子用のキャリブレーション用の音データがメモリ102に記憶されていると判定された場合(S84でYes)、音データを用いて対象の素子の組み合わせに対応する処理係数を生成する(S85)。
【0186】
プロセッサ101は、マイクロフォン103の全素子用のキャリブレーション用の音データがメモリ102に記憶されていないと判定された場合(S84でNo)、メモリ102に記憶されている複数の処理係数に対応する素子の複数の組み合わせから、対象の素子とする素子の組み合わせを選択する(S86)。
【0187】
また、上記実施の形態において、プロセッサ101は、マイクロフォン103の複数の素子131のうち収音処理の対象とする素子を変更するとしたが、これに限らずに、マイクロフォン103の複数の素子131の電源のオンオフをすることで収音処理の対象とする素子を変更してもよい。
【0188】
また、上記実施の形態において、プロセッサ101は、マイクロフォン103の複数の素子131から出力された信号に対する信号処理をリアルタイムに行ってもよいし、当該出力された信号をメモリ102に記憶しておき、後からメモリ102に記憶されている複数の信号を用いて信号処理を行ってもよい。この場合、メモリ102に記憶されている複数の信号が取得された収音の処理モードが全処理モードであったか低電力モードであったかを示す情報を信号と共にメモリ102に記憶しておいてもよい。
【0189】
また、上記実施の形態において、プロセッサ101は、マイクロフォン103の複数の素子131のうち処理の対象の素子を変更するとしたが、これに限らずに、得られた信号から抽出する周波数帯域も調整してもよい。抽出する周波数帯域は、人の声の周波数帯域であってもよいし、例えば笛の音などのような特定の音の周波数帯域であってもよい。プロセッサ101は、出力された信号よりも狭い帯域の信号を抽出した後に、収音の処理を行うことで処理負荷を低減することができ、消費電力量を低減することができる。
【0190】
また、上記実施の形態において、対象の素子の数を調整する場合、例えば素子1つ単位で連続的に調整してもよいし、複数の素子を含むグループ単位で段階的に調整してもよい。例えば対象の素子の数をn段階で調整してもよい。つまり、素子1つ単位で対象の素子の数を増加または減少させてもよいし、複数の素子を含むグループ単位で段階的に増加または減少させてもよい。
【0191】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0192】
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る無人飛行体について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0193】
なお、プロセッサ101で行われる処理並びに画像認識処理、音声認識処理は、機械学習を用いてもよい。機械学習には、例えば、入力情報に対してラベル(出力情報)が付与された教師データを用いて入力と出力との関係を学習する教師あり学習、ラベルのない入力のみからデータの構造を構築する教師なし学習、ラベルありとラベルなしのどちらも扱う半教師あり学習、状態の観測結果から選択した行動に対するフィードバック(報酬)を得ることにより、最も多く報酬を得ることができる連続した行動を学習する強化学習などが挙げられる。また、機械学習の具体的な手法として、ニューラルネットワーク(多層のニューラルネットワークを用いた深層学習を含む)、遺伝的プログラミング、決定木、ベイジアン・ネットワーク、サポート・ベクター・マシン(SVM)などが存在する。本開示においては、以上で挙げた具体例のいずれかを用いればよい。
【産業上の利用可能性】
【0194】
本開示は、電力消費を低減することと目的音の検出とを両立することができる無人飛行体などとして有用である。
【符号の説明】
【0195】
10 音源
100 無人飛行体
101 プロセッサ
101a 飛行制御部
101b 予測部
101c マイク制御部
102 メモリ
103 マイクロフォン
104 地磁気センサ
105 加速度センサ
106 ジャイロセンサ
107 GPS受信機
108 バッテリ
109 バッテリ監視部
110 発生器
111 回転翼
112 アクチュエータ
113 通信IF
114 カメラ
115 ジンバル
120 機体
121 アーム
122 アーム部
131 素子
200 コントローラ
300 ディスプレイ