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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/12 20060101AFI20241220BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
B25J15/12
B25J15/08 W
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023566096
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 JP2022034771
(87)【国際公開番号】W WO2023105880
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】P 2021199013
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)2021年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤/サブテーマIIISociety5.0実現のための社会実装技術/CPS構築のためのセンサリッチ柔軟エンドエフェクタシステム開発と実用化、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川村 貞夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 正男
(72)【発明者】
【氏名】三塚 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】森 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】森田 暢謙
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00534778(EP,A2)
【文献】特表2017-504489(JP,A)
【文献】特開2019-209450(JP,A)
【文献】特開2006-159319(JP,A)
【文献】特開2019-181643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬対象物を運搬し、弾性体によって構成されている柔軟指と、
可撓性を有し、前記柔軟指に取り付けられ、且つ、前記柔軟指の変形を検知する歪センサと、
を備えており
前記柔軟指は、板状体である第1部材と、板状体である第2部材と、を含んでおり、
前記歪センサは、前記第1部材に取り付けられ、且つ、前記第1部材の変形を検知し、
前記第1部材は、前記運搬対象物と接触する接触部を有している第1主面と、前記歪センサが取り付けられる第2主面と、を有しており、
前記第2部材は、前記第2主面の少なくとも2箇所と接触することによって前記第1部材を支持しており、
前記第1部材又は前記第2部材に凹みが設けられていることによって前記柔軟指には空隙が形成されており、
前記空隙は、前記第1部材及び前記第2部材の間に形成されており、且つ、前記第1部材を前記第1主面の法線方向に見て、前記接触部と重なる位置に形成されており、
前記柔軟指は、前記法線方向に移動することによって前記接触部において前記運搬対象物と接触する、
ロボットハンド。
【請求項2】
運搬対象物を運搬し、弾性体によって構成されている柔軟指と、
可撓性を有し、前記柔軟指に取り付けられ、且つ、前記柔軟指の変形を検知する歪センサと、
を備えており、
前記柔軟指は、多角柱形状である第1部材と、第2部材と、を含んでおり、
前記歪センサは、前記第1部材に取り付けられ、且つ、前記第1部材の変形を検知し、
前記第1部材は、前記運搬対象物と接触する接触部を有している第1側面と、前記歪センサが取り付けられている第2側面と、を有しており、
前記第2部材は、前記第2側面の少なくとも2箇所と接触することによって前記第1部材を支持しており、
前記第1部材又は前記第2部材に凹みが設けられていることによって前記柔軟指には、空隙が形成されており、
前記空隙は、前記第1部材及び前記第2部材の間に形成されており、且つ、前記第1部材を前記第1側面の法線方向に見て、前記接触部と重なる位置に形成されており、
前記柔軟指は、前記法線方向に移動することによって前記接触部において前記運搬対象物と接触する、
ボットハンド。
【請求項3】
前記第1部材の弾性率は、前記第2部材の弾性率よりも低い、
請求項又は請求項に記載のロボットハンド。
【請求項4】
前記歪センサは、歪ゲージ、又は、圧電センサのいずれかである、
請求項1又は請求項2に記載のロボットハンド。
【請求項5】
前記圧電センサは、ポリ乳酸、又は、PVDFを含んでいる、
請求項に記載のロボットハンド。
【請求項6】
前記歪センサは、板形状の板状歪センサを含んでおり、
前記接触部は、前記板状歪センサの法線方向に沿って配置されている、
請求項1又は請求項2に記載のロボットハンド。
【請求項7】
前記歪センサの出力結果に基づいて前記柔軟指の変位に係る変位情報を取得し、
前記変位情報に基づいて前記柔軟指の動作を制御する、
制御部を更に備えた、
請求項1又は請求項2に記載のロボットハンド。
【請求項8】
前記変位情報は、前記柔軟指の変位速度を含んでいる、
請求項に記載のロボットハンド。
【請求項9】
前記柔軟指は、高分子材料からなる、
請求項1又は請求項2に記載のロボットハンド。
【請求項10】
前記柔軟指は、複数の柔軟指を備えている、
請求項1又は請求項2に記載のロボットハンド。
【請求項11】
前記運搬対象物は、把持対象物であり、
前記複数の柔軟指は、前記把持対象物を把持する、
請求項10に記載のロボットハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬対象物を運搬するロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロボットグリッパー制御システムが記載されている。特許文献1に記載のロボットグリッパー制御システムは、グリッパー機構と2つの指とを備えている。グリッパー機構によって操作された2つの指は、物体Cを把持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2020/137265号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
破損しやすい運搬対象物を破損することなく運搬し、且つ、運搬対象物を高速で運搬することが可能なロボットハンドが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、破損しやすい運搬対象物を破損することなく運搬可能であり、且つ、運搬対象物を高速で運搬する可能なロボットハンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係るロボットハンドは、
運搬対象物を運搬し、弾性体によって構成されている柔軟指と、
可撓性を有し、前記柔軟指に取り付けられ、且つ、前記柔軟指の変形を検知する歪センサと、
を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態に係るロボットハンドは、破損しやすい運搬対象物を破損することなく運搬でき、且つ、運搬対象物を高速で運搬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るロボットハンド1を示す図である。
図2図2は、ロボットハンド1のハンド部11を示す図である。
図3図3は、運搬対象物Grを把持しているハンド部11を示す図である。
図4図4は、第1実施形態の変形例に係るロボットハンド1aが備えているハンド部11aを示す図である。
図5図5は、第2実施形態に係るロボットハンド2が備えているハンド部21を示す図である。
図6図6は、ハンド部21の第1柔軟指212の拡大図である。
図7図7は、第3実施形態に係るロボットハンド3が備えているハンド部31を示す図である。
図8図8は、第4実施形態に係るロボットハンド4が備えているハンド部41を示す図である。
図9図9は、ハンド部41の第1柔軟指412を示す図である。
図10図10は、第5実施形態に係るロボットハンド5が備えているハンド部51を示す図である。
図11図11は、第1柔軟指512及び第2柔軟指513をZ軸の負方向に見た図である。
図12図12は、ハンド部51の変形例1に係るハンド部51aを示す図である。
図13図13は、ハンド部51の変形例2に係るハンド部51bを示す図である。
図14図14は、ハンド部51の変形例3に係るハンド部51cを示す図である。
図15図15は、ハンド部51の変形例4に係るハンド部51dを示す図である。
図16図16は、ハンド部51dの第1柔軟指512及び第2柔軟指513をZ軸の負方向に見た図である。
図17図17は、ハンド部51の変形例5に係るハンド部51eを示す図である。
図18図18は、ハンド部51の変形例6に係るハンド部51fを示す図である。
図19図19は、ハンド部51eの第2部材SP5に設けられている窪みHf2を示す図である。
図20図20は、ハンド部51eの第2部材SP5に設けられている窪みHf3を示す図である。
図21図21は、第6実施形態に係るロボットハンド6が備えているハンド部61を示す図である。
図22図22は、第1柔軟指612をZ軸の正方向に見た図である。
図23図23は、ハンド部61の変形例1に係るハンド部61aを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、第1実施形態に係るロボットハンド1について図を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係るロボットハンド1を示す図である。図2は、ロボットハンド1のハンド部11を示す図である。図3は、運搬対象物Grを把持しているハンド部11を示す図である。なお、本実施形態において、運搬対象物Grとは、ロボットハンド1によって運搬される物である。運搬対象物Grは、例えば、食品等、又は、精密部品等の強い力を受けたときに破損しやすい物体等である。
【0010】
以下、説明を分かりやすくするため、方向を図2に示すように定義する。具体的には、第1柔軟指112及び第2柔軟指113が並んでいる方向をX軸方向と定義する。このとき、第1柔軟指112及び第2柔軟指113が、第1柔軟指112,第2柔軟指113の順に並んでいる方向をX軸の正方向と定義する。また、第1柔軟指112及び第2柔軟指113が、第2柔軟指113,第1柔軟指112の順に並んでいる方向をX軸の負方向と定義する。第1柔軟指112及び第2柔軟指113が延びている方向をZ軸方向と定義する。X軸方向及びZ軸方向と直交する方向をY軸方向と定義する。なお、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、説明のために便宜上定義した方向である。従って、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、ロボットハンド1の実使用時のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向と一致していなくてもよい。
【0011】
本実施形態におけるロボットハンド1は、図1乃至図3に示すように、運搬対象物Grを運搬する。具体的には、ロボットハンド1は、アーム部10と、ハンド部11と、制御部12と、歪センサ13と、を備えている。制御部12が、アーム部10及びハンド部11を制御することによってロボットハンド1は、運搬対象物Grを運搬する。以下、詳細に説明する。
【0012】
アーム部10は、複数のアーム及び複数の関節を有している。複数の関節のそれぞれは、3軸回転をする。これにより、ロボットハンド1は、ロボットハンド1と運搬対象物Grとの間の位置関係を調整する。
【0013】
ハンド部11は、図1に示すように、駆動部111と第1柔軟指112と、第2柔軟指113とを備えている。換言すれば、本実施形態において、ハンド部11は、複数の柔軟指を備えている。従って、本実施形態において、ロボットハンド1は、複数の柔軟指を備えている。
【0014】
駆動部111は、複数の柔軟指のそれぞれを駆動する。具体的には、駆動部111は、図2に示すように、筐体111Aと、駆動機構111Bとを有している。筐体111Aは、駆動機構111Bの周囲を囲んでいる。これにより、筐体111Aは、駆動機構111Bを外部からの衝撃等から保護している。筐体111Aの材料は、例えば、金属(例えば、鋼、又は、アルミニウム等)等である。
【0015】
駆動機構111Bは、複数の柔軟指それぞれを駆動する。すなわち、本実施形態において、駆動機構111Bは、第1柔軟指112及び第2柔軟指113のそれぞれを駆動する。具体的には、駆動機構111Bは、第1柔軟指112及び第2柔軟指113を保持している。駆動機構111Bは、第1柔軟指112及び第2柔軟指113を、例えば、X軸方向に移動させる。駆動機構111Bは、例えば、モータ、歯車及びラック等を含む。本実施形態において、ラックは、例えば、X軸方向に等間隔に並んでいる歯が形成されている部材である。この場合、モータと歯車とが連結されている。モータは、Z軸方向を回転の中心として回転する。これにより、歯車がZ軸方向を回転の中心として回転する。歯車とラックとは、噛み合っている。これにより、歯車が回転したときに、ラックがX軸方向に移動する。ラックと、第1柔軟指112とは、連結されている。従って、ラックがX軸方向に移動するに伴って、第1柔軟指112がX軸方向に移動する。同様にして、ラックと第2柔軟指113とが、連結されている。従って、ラックがX軸方向に移動するに伴って、第2柔軟指113がX軸方向に移動する。すなわち、第1柔軟指112及び第2柔軟指113の間隔が変化する。例えば、図2に示すように、運搬対象物Grが第1柔軟指112と第2柔軟指113との間に位置しているときに、駆動機構111Bは、第1柔軟指112をX軸の正方向に移動させる。これにより、第1柔軟指112が、運搬対象物Grと接触する(図3参照)。駆動機構111Bは、第2柔軟指113をX軸の負方向に移動させる。これにより、第2柔軟指113が、運搬対象物Grと接触する(図3参照)。すなわち、第1柔軟指112及び第2柔軟指113が運搬対象物Grと接触することによって、第1柔軟指112及び第2柔軟指113は運搬対象物Grを把持する。換言すれば、本実施形態において、運搬対象物Grは、把持対象物である。複数の柔軟指は、把持対象物を把持する。以下、駆動部111と第1柔軟指112とが、第1柔軟指112、駆動部111の順に並ぶ方向をZ軸の正方向と定義する。駆動部111と第1柔軟指112とが、駆動部111、第1柔軟指112の順に並ぶ方向をZ軸の負方向と定義する。
【0016】
本実施形態において、第1柔軟指112及び第2柔軟指113は、例えば、Z軸方向に延びる板状体を有している。具体的には、図2乃至図3に示すように、第1柔軟指112は、第1主面S1及び第2主面S2を有する板状体を有している。第1主面S1及び第2主面S2は、第1柔軟指112が有する面の内最も面積が大きい面である。第1主面S1及び第2主面S2は、X軸の正方向に沿って、第2主面S2、第1主面S1の順に並んでいる。
【0017】
上記に示す構造の場合、第1主面S1が、運搬対象物Grに対向している。第1主面S1と運搬対象物Grとが接触する。第1柔軟指112は、X軸方向に薄い形状であるため、X軸の負方向へ向かって曲がる。第1柔軟指112は、Y軸方向及びZ軸方向に長い形状であるため、第1主面S1及び第2主面S2と直交する方向(図2乃至図3に示すY軸方向)に変形しにくい。
【0018】
なお、本実施形態において、第1柔軟指112は、必ずしも板状体でなくてもよい。本実施形態において、第1柔軟指112は、例えば、多角柱形状等であってもよい。
【0019】
本実施形態において、第1柔軟指112及び第2柔軟指113は、高分子材料からなる弾性体によって構成されている。換言すれば、本実施形態において、複数の柔軟指は、高分子材料からなる弾性体によって構成されている。高分子材料とは、例えば、エポキシ樹脂、又は、エラストマー樹脂等である。従って、第1柔軟指112及び第2柔軟指113は、弾性変形をする。なお、第1柔軟指112及び第2柔軟指113は、高分子材料以外の材料によって構成されていてもよい。第1柔軟指112及び第2柔軟指113は、例えば、アルミニウム等の金属であってもよい。
【0020】
制御部12は、アーム部10及びハンド部11を制御する。制御部12は、例えば、アーム部10を制御する信号(以下、第1制御信号と称す)と、ハンド部11を制御する信号(以下、第2制御信号と称す)と、を生成する。具体的には、制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、ROM、RAM及び通信インタフェース等(図示せず)を備えている。制御部12のCPUは、ROMに記憶されたプログラムをRAMに読み出すことによって第1制御信号及び第2制御信号の生成処理等を行う。
【0021】
制御部12は、第1制御信号をアーム部10へ送信することによって、アーム部10を制御する。例えば、制御部12は、図1に示すように、信号線Sig1を介してアーム部10に接続されている。制御部12は、信号線Sig1を介して第1制御信号をアーム部10へ送信する。制御部12は、例えば、複数の関節のそれぞれを回転させる第1制御信号をアーム部10へ送信する。複数の関節のそれぞれは、第1制御信号に基づいて回転をする。これにより、ロボットハンド1は、ロボットハンド1と運搬対象物Grとの間の位置関係を調整する。
【0022】
制御部12は、第2制御信号をハンド部11へ送信することによって、ハンド部11を制御する。例えば、制御部12は、図2に示すように、信号線Sig2を介してハンド部11に接続されている。制御部12は、信号線Sig2を介して第2制御信号をハンド部11へ送信する。制御部12は、例えば、駆動機構111Bのモータを駆動させる第2制御信号をハンド部11へ送信する。駆動機構111Bは、第2制御信号に基づいて第1柔軟指112及び第2柔軟指113のそれぞれをX軸方向に移動させる。
【0023】
なお、制御部12と、アーム部10とは、必ずしも、信号線Sig1を介して接続されていなくてもよい。制御部12と、アーム部10とは、例えば、無線LAN等の無線によって接続されていてもよい。同様にして、制御部12と、ハンド部11とは、例えば、無線LAN等の無線によって接続されていてもよい。
【0024】
ところで、本実施形態に係るロボットハンド1は、歪センサ13を備えていることによって、運搬対象物Grが破損しやすい場合であっても、運搬対象物Grを破損させることなく運搬することができ、且つ、運搬対象物Grを高速で運搬することができる。以下、詳細に説明する。
【0025】
歪センサ13は、複数の柔軟指の内の少なくとも1つの柔軟指の変形を検知する。具体的には、歪センサ13は、複数の柔軟指の内の少なくとも1つの柔軟指に取り付けられる。そして、複数の柔軟指の内の少なくとも1つの柔軟指の変形を検知する。図2に示す例では、歪センサ13は、第1柔軟指112に取り付けられている。具体的には、歪センサ13は、第2主面S2に取り付けられている。歪センサ13は、薄い板形状である。歪センサ13の主面は、第2主面S2に貼り付けられる。つまり、歪センサ13の主面と第2主面S2とは接触している。本実施形態では、歪センサ13は、第1柔軟指112のZ軸の負方向における端部に取り付けられている。但し、歪センサ13は、第1柔軟指112のZ軸の負方向における端部に取り付ける必要はない。例えば、歪センサ13は、第1柔軟指112のZ軸の正方向における端部に取り付けてもよい。
【0026】
第1柔軟指112は、X軸の負方向に向かって曲がる。従って、第1柔軟指112の第1主面S1は、Z軸方向に沿って伸張し、且つ、第2主面S2は、Z軸方向に沿って収縮する。これにより、歪センサ13の主面は、第1柔軟指112の曲げ変形に伴って収縮する。なお、歪センサ13の取り付け位置は、この例に限らない。歪センサ13は、第1主面S1に貼り付けられていてもよい。この場合、歪センサ13の主面は、第1柔軟指112の曲げ変形に伴って収縮する。
【0027】
歪センサ13は、可撓性を有する。従って、歪センサ13は、第1柔軟指112の変形に伴って変形をする。すなわち、第2主面S2が収縮することにより、歪センサ13の主面も収縮する。歪センサ13は、歪センサ13の主面の収縮に応じた出力を有する。歪センサ13は、例えば、歪ゲージ、又は、圧電センサのいずれかである。
【0028】
歪センサ13が圧電センサである場合、圧電センサは、第2主面S2の変位速度に応じた電荷を発生する。具体的には、圧電センサは、第2主面S2の変位量の微分値に応じた電荷を発生する。圧電センサは、チャージアンプを備えている。圧電センサは、チャージアンプによって電荷を電圧信号(以下、第1信号と称する)に変換する。第1信号は、第2主面S2の変位速度に比例する。圧電センサは、第1信号の値を積分することによって、第2主面S2の収縮量(すなわち、第1柔軟指112の曲げ変形量)を推測可能である。
【0029】
圧電センサは、圧電フィルムを含んでいる。圧電フィルムは、例えば、ポリ乳酸(PLA)、又は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等である。換言すれば、歪センサ13が圧電センサである場合、圧電センサは、ポリ乳酸、又は、PVDFを含んでいる。ポリ乳酸は、延伸による分子の配向処理で圧電性が生じる。圧電フィルムがポリ乳酸である場合、圧電フィルムは、延伸方向がZ軸方向に対して45度の角度を形成するように第1柔軟指112に取り付けられる。一方、圧電フィルムがポリフッ化ビニリデンである場合、面方向の変形に応じて電荷を生じる圧電フィルム(圧電テンソルd33を有する圧電フィルム)を第2主面S2に貼り付ける。
【0030】
歪センサ13が歪ゲージである場合、歪ゲージは、第2主面S2の変形量(第2主面S2の位置)を検出する。歪ゲージは、第2主面S2の収縮量に応じて抵抗値が低下するように第2主面S2に貼り付ける。
【0031】
圧電センサは、変位速度に基づいた検知結果を出力する。従って、圧電センサは、頻繁に変形する測定対象物(本実施形態における第1柔軟指112)の変位を高感度で検知できる。従って、圧電センサは、第1柔軟指112の変形頻度が比較的高く、変形量が比較的小さい場合に好適である。一方、歪ゲージは、測定対象物の変形頻度が比較的低く、比較的大きい変形を検知する場合に好適である。
【0032】
歪センサ13は、板形状である。換言すれば、1乃至複数の歪センサは、板形状の板状歪センサを含んでいる。従って、歪センサ13は、法線方向NDに厚みを有している。この場合、接触部C1は、歪センサ13の法線方向NDに沿って配置されている。これにより、歪センサ13は、厚みの方向と垂直な方向(図2におけるY軸方向及びZ軸方向)に曲がりにくくなる。従って、歪センサ13を第1柔軟指112に取り付けた場合、第1柔軟指112は、法線方向NDに曲がりやすいが、Y軸方向及びZ軸方向に曲がりにくくなる。従って、歪センサ13によって第1柔軟指112の変形の検知が阻害されることはない一方で、第1柔軟指112が曲がってほしくない方向(例えば、Y軸方向及びZ軸方向)に第1柔軟指112を曲がり難くすることができる。
【0033】
制御部12は、例えば、歪センサ13の出力結果に基づいて第1柔軟指112及び第2柔軟指113の動作を制御する。具体的には、制御部12は、例えば、歪センサ13に信号線Sig3を介して接続されている。制御部12は、歪センサ13の出力結果(以下、出力結果Rと称す)を信号線Sig3を介して受信する。そして、制御部12は、出力結果Rに基づいて第1柔軟指112の変位に係る変位情報を取得する。換言すれば、制御部12は、1乃至複数の歪センサの出力結果に基づいて複数の柔軟指の少なくとも1つの変位に係る変位情報を取得する。
【0034】
変位情報とは、第1柔軟指112の変位を示す物理量等である。変位情報とは、例えば、第1柔軟指112の変位量、第1柔軟指112の変位速度、又は、第1柔軟指112の変位における加速度等である。換言すれば、変位情報は、複数の柔軟指の少なくとも1つの変位速度を含んでいる。
【0035】
制御部12は、変位情報に基づいて複数の柔軟指の動作を制御する。例えば、制御部12は、第1柔軟指112及び第2柔軟指113の位置を変位情報に基づいて変化させる。具体的には、制御部12は、変位情報に基づいて第1柔軟指112をX軸の負方向に移動させるように駆動する、又は、第2柔軟指113をX軸の正方向に移動させるように駆動する。例えば、制御部12は、予め第1柔軟指112の変位量の目標値(以下、目標変位量と称す)を記憶している。制御部12は、歪センサ13の出力結果に基づいて第1柔軟指112の変位量を推定する。制御部12は、推定した第1柔軟指112の変位量が目標変位量に近づくように、第1柔軟指112及び第2柔軟指113を制御(PID等のフィードバック制御)する。これにより、第1柔軟指112の変位量が一定となり、運搬対象物Grの破損を防止することができる。
【0036】
なお、制御部12は、必ずしも、歪センサ13の出力結果に基づいて第1柔軟指112及び第2柔軟指113の動作を制御しなくてもよい。制御部12は、例えば、歪センサ13の出力結果に基づいてLEDを点灯させたり警告音を出力したりして、アラートを発生してもよい。この場合、制御部12は、予め第1柔軟指112の変位量の限界値(以下、限界変位量と称す)を記憶している。制御部12は、歪センサ13の出力結果に基づいて第1柔軟指112の変位量を推定する。制御部12は、推定した第1柔軟指112の変位量が限界変位量を超えた場合に、アラートを発生する。アラートに気付いた作業者がロボットハンド1の動作を停止させることで、運搬対象物Grの破損を防止することができる。
【0037】
なお、図2乃至図3に示す例では、ロボットハンド1は、1つの歪センサ(歪センサ13)を備えている。しかし、ロボットハンド1は、2以上の歪センサを備えていてもよい。そして、2以上の歪センサのそれぞれは、第1柔軟指112及び第2柔軟指113に取り付けられていてもよい。換言すれば、本実施形態において、ロボットハンド1は、1乃至複数の歪センサを備えていてもよい。そして、1乃至複数の歪センサが、複数の柔軟指の内の少なくとも1つの柔軟指の変形を検知してもよい。
【0038】
なお、ロボットハンド1が、2以上の歪センサを備えている場合、2以上の歪センサは、歪ゲージ、又は、圧電センサのいずれかである。従って、本実施形態において、1以上の歪センサ13は、歪ゲージ、又は、圧電センサのいずれかである。
【0039】
なお、歪センサ13は、必ずしも板形状でなくてよい。歪センサ13が取り付けられている第1柔軟指112の動きを阻害しない形状であれば、歪センサ13は、どの様な形状であってもよい。例えば、歪センサ13は、糸状であってもよい。
【0040】
(第1実施形態の効果)
ロボットハンド1は、破損しやすい運搬対象物Grを破損することなく運搬できる。具体的には、本実施形態において、歪センサ13が取り付けられている第1柔軟指112は、弾性体によって構成されている。この場合、運搬対象物Grを運搬したときに第1柔軟指112が変形しやすい。従って、歪センサ13が第1柔軟指112の変形を検知しやすくなる。これにより、制御部12は、第1柔軟指112の変形量に基づいたPID等のフィードバック制御の精度を向上させることができる。これにより、第1柔軟指112及び第2柔軟指113は、運搬対象物Grを破損させることなく運搬できる。または、制御部12は、第1柔軟指112の変形量に基づいてアラートを発生してもよい。この場合、アラートに気付いた作業者がロボットハンド1の動作を停止させ、第1柔軟指112及び第2柔軟指113の動作を停止してもよい。この場合も、運搬対象物Grの破損を防止することができる。
【0041】
一般的に、ロボットハンドが運搬対象物を高速で運搬したとき、ロボットハンドにおいて振動が発生しやすい。これにより、柔軟指が変位し、運搬対象物がロボットハンドから外れる可能性がある。しかしながら、ロボットハンド1は、歪センサ13が第1柔軟指112の変形を検知しやすい。換言すれば、ロボットハンド1の振動によって生じた第1柔軟指112の変位を検知しやすい。従って、制御部12は、振動によって生じた第1柔軟指112の変位に基づいてPID等のフィードバック制御を行うことができる。従って、ロボットハンド1は、運搬対象物Grを高速で運搬することができる。
【0042】
[第1実施形態の変形例]
以下、第1実施形態の変形例に係るロボットハンド1aについて図4を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態の変形例に係るロボットハンド1aが備えているハンド部11aを示す図である。図4に示すように、ロボットハンド1aは、第2柔軟指113を備えていない点で、ロボットハンド1と異なる。ロボットハンド1aでは、第1柔軟指112が運搬対象物Grを押すことによって運搬対象物Grを運搬する。第1柔軟指112が運搬対象物Grを運搬したとき、第1柔軟指112が変形する。従って、ロボットハンド1aは、ロボットハンド1と同様にして、運搬対象物Grの破損を防止することができる。
【0043】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態に係るロボットハンド2(図示せず)について図を参照しながら説明する。図5は、第2実施形態に係るロボットハンド2が備えているハンド部21を示す図である。図6は、ハンド部21の第1柔軟指212の拡大図である。ロボットハンド2は、第1柔軟指112と構造の異なる第1柔軟指212を備えている点で、ロボットハンド1と異なる。また、ロボットハンド2は、歪センサ13の取り付け位置が異なる点で、ロボットハンド1と異なる。以下、詳細に説明する。なお、ロボットハンド1と同じ構造については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0044】
第1柔軟指212は、図5乃至図6に示すように、Z軸方向に延びる板状体である第1部材FPと、Z軸方向に延びる板状体である第2部材SPと、を有している。換言すれば、複数の柔軟指の少なくとも1つは、板状体である第1部材FPと、板状体である第2部材SPとを有している第1柔軟指212を含んでいる。第1部材FPは、第1主面S12及び第2主面S22を有している。第1主面S12及び第2主面S22は、第1部材FPが有している面の内、最も面積が大きい面である。第1主面S12及び第2主面S22は、X軸の正方向に第2主面S22、第1主面S12の順に並んでいる。
【0045】
第1主面S12は、接触部C21を有している。接触部C21は、運搬対象物Grと接触する。より詳細には、第1柔軟指212は、第1主面S12の法線方向NDに移動する。第1柔軟指212は、法線方向NDに移動することによって接触部C21において運搬対象物Grと接触する。この場合、法線方向NDと、X軸方向とは一致する。
【0046】
第2部材SPは、第1主面S32及び第2主面S42を有している。第1主面S32及び第2主面S42は、第2部材SPが有している面の内、最も面積が大きい面である。第1主面S32及び第2主面S42は、X軸の正方向に第2主面S42、第1主面S32の順に並んでいる。第1主面S32は、第2主面S22に接触している。
【0047】
第2部材SPには、凹みが設けられている。具体的には、第2部材SPの第1主面S32側が、凹んでいる。このため、第1主面S32の一部は、第2主面S22に接触していない。当該凹みにより、図5乃至図6に示すように第1柔軟指212には空隙VDが形成されている。空隙VDは、第1部材FPと第2部材SPとの間に形成されている。このとき、空隙VDは、第1部材FPを第1主面S1の法線方向NDに見て、接触部C21と重なる位置に形成されている。これにより、接触部C21において第1部材FPが運搬対象物Grと接触した場合、第1部材FPが空隙VDに向かって突出するように変形する。
【0048】
第2部材SPは、第1部材FPを支持している。具体的には、第2部材SPの第1主面S32が、第2主面S22と接触していることによって第1部材FPを支持している。但し、第2部材SPには凹みが設けられているため第1主面S32の一部は、第2主面S22に接触していない。従って、第2主面S22の内、空隙VDよりもZ軸の正方向側に位置する面SUと、空隙VDよりもZ軸の負方向側に位置する面SDとが、第1主面S32に接触している。このとき、面SUの全面と面SDの全面とが、第2主面S22と接触している必要はない。面SUにおける少なくとも1箇所(例えば、図5における第2箇所P2)が第2主面S22と接触しており、且つ、面SDにおける少なくとも1箇所(例えば、図5における第1箇所P1)が第2主面S22と接触していれば、第2部材SPは、第1部材FPを支持することができる。換言すれば、第2部材SPは、第2主面S2の少なくとも2箇所と接触することによって第1部材FPを支持している。
【0049】
本実施形態では、歪センサ13は、第1部材FPの変形を検知する。具体的には、歪センサ13は、第2主面S22に取り付けられている。換言すれば、第1柔軟指212は、1乃至複数の歪センサが取り付けられる第2主面S22を有している。また、歪センサ13は、空隙VD内に配置されている。従って、第1部材FPが運搬対象物Grと接触したとき、第1部材FPの第2主面S22が伸張し、第2主面S22の伸張に伴って第2主面S22に取り付けられた歪センサ13が伸張する。これにより、歪センサ13は、第2主面S22の変形を検知する。換言すれば、1乃至複数の歪センサは、第1部材FPに取り付けられ、且つ、第1部材FPの変形を検知する。
【0050】
第1部材FPの弾性率は、第2部材SPの弾性率よりも低い。このため、ロボットハンド2が運搬対象物Grを運搬したときに、第1部材FPが変形しやすい。これにより、歪センサ13が、第1部材FPの変形を更に検知しやすくなる。第1部材FPの材料は、例えば、ウレタン樹脂等である。第2部材SPの材料は、エポキシ樹脂等である。
【0051】
(第2実施形態の効果)
ロボットハンド2は、破損しやすい運搬対象物Grを破損することなく運搬できる。具体的には、第1部材FPと第2部材SPとの間には、空隙VDが形成されている。これにより、第1部材FPが運搬対象物Grと接触したとき、第1部材FPが、空隙VDに向かって変形する。このとき、歪センサ13が第2主面S22に取り付けられていることによって、歪センサ13は、第1部材FPの変形を検知しやすくなる。従って、制御部12によるフィードバック制御の精度が向上する。または、第1部材FPの変形量が検知しやすくなるため、制御部12は、更に正確にアラートを発生させることができる。アラートに気付いた作業者がロボットハンド2の動作を停止させることによって、運搬対象物Grの破損を防止することができる。
【0052】
また、歪センサ13が第1柔軟指212の変位を検知しやすいため、ロボットハンド2は、ロボットハンド1と同様にして、運搬対象物Grを高速で運搬することができる。
【0053】
なお、ロボットハンド2は、第2柔軟指113を備えていなくてもよい。この場合、ロボットハンド1aと同様にして、ロボットハンド2は、第1柔軟指212が運搬対象物Grを押すことによって運搬対象物Grを運搬する。この場合も、ロボットハンド2は、破損しやすい運搬対象物Grを破損することなく運搬でき、且つ、運搬対象物Grを高速で運搬できる。
【0054】
[第2実施形態の変形例1]
第2柔軟指113は、第1柔軟指212と同じ構造であってもよい。制御部12は、第1柔軟指212の歪センサ13の出力結果に加えて第2柔軟指113の歪センサ13の出力結果を使用してもよい。これにより、制御部12のフィードバック制御の精度を向上させることができる。または、制御部12は、更に正確にアラートを発生させることができる。従って、ロボットハンド2は、破損しやすい運搬対象物Grを破損することなく運搬できる。
【0055】
[第2実施形態の変形例2]
凹みは、第1部材FPbに設けられていてもよい。すなわち、第1部材FPbに凹みが設けられていることによって第1柔軟指212に空隙VDが形成されていてもよい。
【0056】
[第2実施形態の変形例3]
第1柔軟指212に空隙VDが形成されていなくてもよい。例えば、複数の層を積層することによって第1柔軟指212を形成してもよい。複数の層のそれぞれの柔らかさは異なる。歪センサ13は、複数の層における層と層との間に位置する。歪センサ13は、複数の層の変形に伴って変形する。
【0057】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態に係るロボットハンド3について図を参照しながら説明する。図7は、第3実施形態に係るロボットハンド3が備えているハンド部31を示す図である。ロボットハンド3は、第1柔軟指112と構造の異なる第1柔軟指312を備えている点で、ロボットハンド1と異なる。以下、詳細に説明する。なお、ロボットハンド1と同じ構造については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0058】
第1柔軟指312は、多角柱形状である第1部材FP3と、第2部材SP3と、を有している。換言すれば、複数の柔軟指の少なくとも1つは、多角柱形状である第1部材FP3を有している第1柔軟指312を含んでいる。第1部材FP3及び第2部材SP3は、Z軸の負方向に、第2部材SP3、第1部材FP3の順に並んでいる。
【0059】
第1部材FP3は、第1側面T1、第2側面T2、第3側面T3及び2つの底面(図示せず)を有する三角柱形状である。第1側面T1は、X軸の正方向を向いている。第2側面T2は、X軸の正方向及びZ軸の正方向に対して斜めに向いている。第3側面T3は、Z軸の負方向を向いている。第1側面T1と第3側面T3とは、直交している。2つの底面の形状は、直角三角形である。2つの底面は、第1側面T1、第2側面T2及び第3側面T3と直交している。
【0060】
第1側面T1は、接触部C31を有している。接触部C31は、運搬対象物Grと接触する。この場合、第1柔軟指312が、第1側面T1の法線方向NDTに移動することによって接触部C31において運搬対象物Grと接触する。
【0061】
第2部材SP3は、多角柱形状である。第2部材SP3は、直方体のうちZ軸の負方向の端部を斜めに切り取った形状となっている。斜めに切り取った部分の第1側面T4は、X軸の正方向及びZ軸の負方向に対して斜めに向いている。つまり、斜めに切り取った部分の第1側面T4は、第2側面T2と対向している。第1側面T4は、第2側面T2と接触している。
【0062】
第2部材SP3には、凹みが設けられている。具体的には、第2部材SP3の第1側面T4側の一部が、凹んでいる。このため、第1側面T4の一部は、第2側面T2に接触していない。当該凹みにより、第1柔軟指312には、空隙VD3が形成されている。空隙VD3は、第1部材FP3及び第2部材SP3の間に形成されている。空隙VD3は、第1部材FP3を法線方向NDTに見て、接触部C31と重なる位置に形成されている。従って、第1柔軟指312及び第2柔軟指313が運搬対象物Grを運搬するとき、法線方向NDTに見て、空隙VD3と接触部C31と運搬対象物Grとは、重なっている。空隙VD3は、X軸方向において第1箇所P13と第2箇所P23との間に位置している。また、空隙VD3は、Z軸方向において第1箇所P13と第2箇所P23との間に位置している。
【0063】
第2部材SP3は、第1部材FP3を支持している。具体的には、第2部材SP3の第1側面T4が、第2側面T2と接触していることによって第1部材FP3を支持している。但し、第2部材SP3には凹みが設けられているため第1側面T4の一部は、第2側面T2に接触していない。従って、第1側面T4の内、空隙VD3よりもZ軸の正方向側に位置する面SU3と、空隙VD3よりもZ軸の負方向側に位置する面SD3とが、第2側面T2に接触している。このとき、面SU3の全面と面SD3の全面とが、第2側面T2と接触している必要はない。面SU3における少なくとも1箇所(例えば、図7における第2箇所P23)が第2側面T2と接触しており、面SD3における少なくとも1箇所(例えば、図7における第1箇所P13)が第2側面T2と接触していれば、第2部材SP3は、第1部材FP3を支持することができる。換言すれば、第2部材SP3は、第2側面T2の少なくとも2箇所と接触することによって第1部材FP3を支持している。
【0064】
第2側面T2には、歪センサ13が取り付けられている。換言すれば、第2側面T2には、1乃至複数の歪センサが取り付けられている。歪センサ13は、空隙VD3内に配置されている。従って、第1部材FP3が運搬対象物Grと接触したとき、第1部材FP3の第2側面T2が伸張し、第2側面T2の伸張に伴って第2側面T2に取り付けられた歪センサ13が伸張する。これにより、歪センサ13は、第2側面T2の変形を検知することによって、第1部材FP3の変形を検知する。換言すれば、1乃至複数の歪センサは、第1部材FP3に取り付けられ、且つ、第1部材FP3の変形を検知する。
【0065】
第1部材FP3の弾性率は、第2部材SP3の弾性率よりも低い。このため、ロボットハンド3が運搬対象物Grを運搬したときに、第1部材FP3が変形しやすい。これにより、歪センサ13が、第1部材FP3の変形を更に検知しやすくなる。
【0066】
第2柔軟指313は、第1柔軟指312と対称な構造を有する。具体的には、Z軸方向に延びる軸ASを定義する。この場合、ハンド部31をY軸方向に見て、第2柔軟指313は、軸ASを中心にして第1柔軟指312と対称である。但し、第2柔軟指313は、歪センサが取り付けられていない点と空隙が設けられていない点とで第1柔軟指312と相違する。第2柔軟指313の構造は、上記に示した相違点以外、第1柔軟指312の構造と同じであるため説明を省略する。
【0067】
(第3実施形態の効果)
ロボットハンド3は、破損しやすい運搬対象物Grを破損することなく運搬できる。具体的には、第1部材FP3と第2部材SP3との間には、空隙VD3が形成されている。これにより、第1部材FP3が運搬対象物Grと接触したとき、第1部材FP3が、空隙VD3に向かって変形する。このとき、歪センサ13が第2側面T2に取り付けられていることによって、歪センサ13は、第1部材FP3の変形を検知しやすくなる。従って、制御部12によるフィードバック制御の精度が向上する。または、第1部材FP3の変形量が検知しやすくなるため、制御部12は、更に正確にアラートを発生させることができる。アラートに気付いた作業者がロボットハンド3の動作を停止させることによって、運搬対象物Grの破損を防止することができる。
【0068】
加えて、歪センサ13が第1柔軟指312の変位を検知しやすいため、ロボットハンド3は、ロボットハンド1と同様にして、運搬対象物Grを高速で運搬することができる。
【0069】
なお、ロボットハンド3は、第2柔軟指313を備えていなくてもよい。この場合、ロボットハンド1aと同様にして、ロボットハンド3は、第1柔軟指312が運搬対象物Grを押すことによって運搬対象物Grを運搬する。この場合も、ロボットハンド3は、運搬対象物Grの破損を防止することができ、且つ、運搬対象物Grを高速で運搬することができる。
【0070】
[第3実施形態の変形例1]
凹みは、第1部材FP3に設けられていてもよい。すなわち、第1柔軟指312には、第1部材FP3に凹みが設けられていることによって、空隙VD3が形成されていてもよい。
【0071】
[第3実施形態の変形例2]
第2側面T2に複数の歪センサ13が取り付けられていてもよい。例えば、ロボットハンド1は、第1圧電センサ及び第2圧電センサを備えている。第1圧電センサは、例えば、面方向の変形に応じて電荷を生じる(例えば、圧電テンソルd33を有する)。第2圧電センサは、例えば、第2圧電センサのねじれの向きに応じた電荷を発生する(例えば、圧電テンソルd14を有する)。ロボットハンド3が第1圧電センサ及び第2圧電センサを備える場合、第1柔軟指312に加わるX軸方向の力の大きさ及びZ軸方向の力の大きさを推定できる。換言すれば、運搬対象物Grに加わるX軸方向の力の大きさ及びZ軸方向の力(例えば、運搬対象物Grに加わる重力)の大きさを推定できる。
【0072】
[第4実施形態]
以下、第4実施形態に係るロボットハンド4(図示せず)について図を参照しながら説明する。図8は、第4実施形態に係るロボットハンド4が備えているハンド部41を示す図である。図9は、ハンド部41の第1柔軟指412の詳細を示す図である。ロボットハンド4は、第1柔軟指112と構造の異なる第1柔軟指412を備えている点及び第2柔軟指113と構造の異なる第2柔軟指413を備えている点で、ロボットハンド1と異なる。以下、詳細に説明する。なお、ロボットハンド1と同様の構造については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0073】
本実施形態において、第1柔軟指412及び第2柔軟指413は、内部に空洞CAVが設けられた筒状体である(図9参照)。換言すれば、複数の柔軟指は、内部に空洞CAVが設けられた筒状体である第1柔軟指412を含んでいる。従って、第1柔軟指412は、筒状体の内面IS及び筒状体の外面OSを有している。外面OSは、運搬対象物Grと接触する接触部C41を有している(図9参照)。
【0074】
第1柔軟指412は、空洞CAVの空気圧の変化に応じて湾曲する。具体的には、第1柔軟指412が、接触部C41側に湾曲する。より詳細には、第1柔軟指412は、高分子弾性体である蛇腹構造の部分Beを有する。部分Beは、外面OSにおいて接触部C41とは反対側に位置する。具体的には、部分Beは、Z軸方向に沿って並んでいる複数の内壁IBを有する。複数の内壁IBは、X軸の正方向に突出した複数の凸形状を有する。空洞CAVの空気圧が増加した場合、増加した空気圧によって複数の内壁IBがX軸の負方向へ向かって押圧される。これにより、Z軸方向に並ぶ複数の内壁IBの間隔が広がる。従って、外面OSにおいて部分Be側がZ軸方向に沿って伸張する。一方、接触部C41側の内面ISは、平面である。従って、空洞CAVの空気圧が増加してもZ軸方向に沿って伸張しない。結果、第1柔軟指412は、接触部C41側に湾曲する。一方、空洞CAVの空気圧が低い場合、外面OSにおける部分Be側は、縮むことはない。従って、第1柔軟指412は、空洞CAVの空気圧が低下したときに、湾曲前の形状に戻る。同様にして、第2柔軟指413は、空洞CAVの空気圧の変化に応じて湾曲する。第1柔軟指412及び第2柔軟指413は、湾曲することによって運搬対象物Grを運搬する。上記に示す構造の場合、駆動機構111Bは、例えば、電磁弁、ベントバルブ及びコンプレッサ等を有する。制御部12は、電磁弁を開閉し、コンプレッサの空気を空洞CAVに送り込む、または、空洞CAVの空気をベントバルブから抜くことにより空洞CAVの空気圧を変化させる。
【0075】
第1柔軟指412は、弾性体の板材STを有している。板材STは、例えば、Z軸方向に延びている板形状である。板材STは、第1主面SS1及び第2主面SS2を有している。第1主面SS1及び第2主面SS2は、X軸の正方向に第2主面SS2、第1主面SS1の順に並んでいる。
【0076】
板材STは、第1柔軟指412の内面ISのうち接触部C41側に取り付けられる。具体的には、板材STは、第1主面SS1と内面ISとが接触するように、内面ISに取り付けられている。従って、板材STは、空洞CAVの空気圧の変化に応じて接触部C41側に湾曲する。
【0077】
本実施形態において、歪センサ13は、板材STに取り付けられている。具体的には、歪センサ13の主面が、第2主面SS2と接触するように板材STに取り付けられている。このため、歪センサ13は、板材STの変形を検知する。具体的には、第2主面SS2の伸張に伴って第2主面SS2に取り付けられた歪センサ13が伸張する。これにより、歪センサ13は、第2主面SS2の変形を検知する。換言すれば、歪センサ13は、板材STの変形を検知することによって、板材STが取り付けられている第1柔軟指412の変形を検知する。
【0078】
板材STは、内部に空洞が設けられていてもよい。板材STの空洞には、ジャミングレイヤーが設けられている。ジャミングレイヤーは、1乃至複数のフィルム又は1乃至複数のシート等からなる複数の層を有している。ジャミングレイヤーは、当該複数の層間における摩擦力の変化に応じて剛性が変化する。例えば、板材STの空洞の空気圧を低下させた場合、当該複数の層間の摩擦力が高まる。この場合、ジャミングレイヤーの剛性は高くなる。従って、板材STが取り付けられている第1柔軟指412の剛性が高くなる。一方、板材STの空洞の空気圧を増加させた場合、ジャミングレイヤーは、当該複数の層間における摩擦力が低下する。この場合、ジャミングレイヤーの剛性は、低下する。従って、板材STが取り付けられている第1柔軟指412の剛性が低くなる。
【0079】
本実施形態において、制御部12は、板材STの空気圧を調整してもよい。具体的には、駆動機構111Bは、空洞CAVと同様にして、コンプレッサの空気を板材STの空洞に送り込む。制御部12は、駆動機構111Bを制御することによって板材STの空気圧を調整する。
【0080】
ロボットハンド4は、運搬対象物Grの破損を防ぐために、第1柔軟指412及び第2柔軟指413による把持力が低い状態で運搬対象物Grを運搬する。しかし、ロボットハンド4が運搬対象物Grを高速で移動させた場合、運搬対象物Grに遠心力が加わる場合がある。このため、第1柔軟指412及び第2柔軟指413による把持力が低い場合、遠心力によって運搬対象物Grが第1柔軟指412及び第2柔軟指413から外れる可能性がある。そこで、本実施形態では、第1柔軟指412及び第2柔軟指413が運搬対象物Grを把持した状態で高速で移動するとき、制御部12は、板材STの空気圧を低下させる制御を行う。これにより、ジャミングレイヤーの剛性が高まり、第1柔軟指412の剛性が高まる。従って、第1柔軟指412及び第2柔軟指413による運搬対象物Grの把持力が高まる。ロボットハンド4が運搬対象物Grの移動を終了したときに、制御部12は、板材STの空気圧を元に戻す。これにより、長時間、運搬対象物Grに高い把持力が加わることを防ぐことができる。
【0081】
制御部12は、歪センサ13の出力結果に基づいて板材STの空気圧を変化させてもよい。例えば、制御部12は、予め第1柔軟指412の変形量について閾値を記憶している。歪センサ13が検知した第1柔軟指412の変形量が閾値未満となった場合(例えば、遠心力によって第1柔軟指412に力が加わり、第1柔軟指412の変形量が小さくなった場合)、制御部12は、板材STの空気圧を低下させる。これにより、第1柔軟指412及び第2柔軟指413の剛性が高くなり、第1柔軟指412及び第2柔軟指413の間隔が広がることを防止できる。従って、運搬対象物Grが外れることを防ぐことができる。歪センサ13が検知した第1柔軟指412の変形量が閾値以上となった場合、制御部12は、板材STの空気圧を元に戻す。この場合、閾値は、例えば、運搬対象物Grが第1柔軟指412及び第2柔軟指413から外れたときの第1柔軟指412の変形量に基づいて設定されている。
【0082】
(第4実施形態の効果)
ロボットハンド4は、破損しやすい運搬対象物Grを破損することなく運搬できる。具体的には、板材STが、内面ISのうち接触部C41側に取り付けられており、且つ、歪センサ13が、板材STに取り付けられている。これにより、第1柔軟指412が運搬対象物Grと接触したときに、板材STが変形する。歪センサ13は板材STの変形を検知することによって、第1柔軟指412の変形を検知することができる。従って、制御部12によるフィードバック制御の精度が向上する。または、板材STに歪センサ13を取り付けることによって第1柔軟指412の変形量が検知しやすくなるため、制御部12は、更に正確にアラートを発生させることができる。アラートに気付いた作業者がロボットハンド4の動作を停止させることによって、運搬対象物Grの破損を防止することができる。
【0083】
また、歪センサ13が第1柔軟指412の変位を検知しやすいため、ロボットハンド4は、ロボットハンド1と同様にして、運搬対象物Grを高速で運搬することができる。
【0084】
なお、ロボットハンド4は、第2柔軟指413を備えていなくてもよい。この場合、ロボットハンド1aと同様にして、ロボットハンド4は、第1柔軟指412が運搬対象物Grを押すことによって運搬対象物Grを運搬する。この場合も、ロボットハンド4は、運搬対象物Grの破損を防止することができ、且つ、運搬対象物Grを高速で運搬することができる。
【0085】
[第5実施形態]
以下、第5実施形態に係るロボットハンド5(図示せず)について図を参照しながら説明する。図10は、第5実施形態に係るロボットハンド5が備えているハンド部51を示す図である。図11は、第1柔軟指512及び第2柔軟指513をZ軸の負方向に見た図である。図10及び図11では、歪センサ13を透視している。
【0086】
ハンド部51は、第1柔軟指212と構成の異なる第1柔軟指512を備えている点、及び、第2柔軟指113と構成の異なる第2柔軟指513を備えている点でハンド部21と異なる。具体的には、第1柔軟指512は、第1部材FPと構成の異なる第1部材FP5、及び、第2部材SPと構成の異なる第2部材SP5を備えている。
【0087】
図10に示すように、第2部材SP5は、空隙VDが形成されていない点で第2部材SPと異なる。このような第2部材SP5の材料は、エポキシ樹脂又はエラストマー樹脂等である。
【0088】
図10に示すように、第1部材FP5は、駆動機構111Bによって保持されていない点で第1部材FPと異なる。第1部材FP5は、第2部材SP5のZ軸の負方向における端部と接触している。第1部材FP5は、第2部材SP5のZ軸の正方向における端部と接触していない。第1部材FP5の弾性率は、第2部材SP5の弾性率よりも小さい。このような第1部材FP5の材料は、例えば、シリコーンラバーである。
【0089】
本実施形態において、歪センサ13は、第1部材FP5内に設けられている。歪センサ13は、Z軸方向に延びている。歪センサ13は、X軸方向に並んでいる主面Sh1及び主面Sh2(歪センサ13が有する面の内最も面積が大きい面)を有している。主面Sh1,Sh2の法線方向Hdは、X軸方向と一致している。歪センサ13は、Z軸方向に対して傾斜していない。歪センサ13は、第1部材FP5の変形を検知する。具体的には、図10に示す例において、ロボットハンド5が運搬対象物Grを把持した場合、第1部材FP5に対してX軸の負方向に向かう力が加わる。これにより、第1部材FP5は、X軸の負方向に突出するように変形する。歪センサ13は、第1部材FP5の変形を検知する。
【0090】
第2柔軟指513は、第1柔軟指512と左右対称の形状を有する。第2柔軟指513のその他の構成は、第1柔軟指512の構成と同じである。従って、第2柔軟指513のその他の構成についての説明を省略する。
【0091】
なお、ロボットハンド5において、歪センサ13は、必ずしも、第2柔軟指513に設けられていなくてもよい。
【0092】
(第5実施形態の効果)
上記に示すようなロボットハンド5によれば、ロボットハンド1と同様の理由により、破損しやすい運搬対象物Grを破損することなく運搬出来る。
【0093】
[ハンド部51の変形例1]
以下、ハンド部51の変形例1に係るハンド部51aについて図を参照しながら説明する。図12は、ハンド部51の変形例1に係るハンド部51aを示す図である。図12では、歪センサ13を透視している。
【0094】
ハンド部51aは、歪センサ13がX軸方向に対して傾斜している点でハンド部51と異なる。具体的には、歪センサ13の主面Sh1,Sh2の法線方向Hdは、X軸方向に対して0°より大きく90°より小さい角度で傾いている。図12に示すように、歪センサ13の主面Sh1は、X軸の正方向を向いている。これにより、歪センサ13は、歪センサ13に加わるX軸方向の力を検知出来る。また、歪センサ13の主面Sh1は、Z軸の負方向を向いている。これにより、歪センサ13は、歪センサ13に加わるZ軸方向の力を検知出来る。つまり、ハンド部51aは、歪センサ13に加わるX軸方向の力及びZ軸方向の力の両方を検出出来る。上記に示す構成の場合、歪センサ13から出力される信号は、歪センサ13がX軸方向に変形することによって出力される信号とZ軸方向に変形することによって出力される信号とを合成した合成波である。
【0095】
なお、歪センサ13は、歪センサ13の主面Sh1,Sh2がZ軸方向に対して45度の角度で傾斜している場合、歪センサ13に加わるX軸方向の力及びZ軸方向の力の両方をより均等に検知出来る。
【0096】
なお、第2柔軟指513の構成は、第1柔軟指512と左右対称の形状を有する以外、第1柔軟指512の構成と同じである。従って、第2柔軟指513についての説明を省略する。
【0097】
[ハンド部51の変形例2]
以下、ハンド部51の変形例2に係るハンド部51bについて図を参照しながら説明する。図13は、ハンド部51の変形例2に係るハンド部51bを示す図である。図13は、ハンド部51bの第1柔軟指512及び第2柔軟指513をZ軸の負方向に見た図である。図13では、歪センサ13a,13bを透視している。
【0098】
ハンド部51bは、複数の歪センサが第1柔軟指512に設けられている点でハンド部51と異なる。図13に示す例において、歪センサ13a及び歪センサ13bが第1柔軟指512に設けられている。歪センサ13aの主面Sh1a,Sh2aの法線方向は、X軸方向と一致している。歪センサ13bの主面Sh1b,Sh2bの法線方向は、X軸方向と一致している。
【0099】
歪センサ13aは、Y軸の負方向における第1部材FP5の端部に設けられている。従って、歪センサ13aは、Y軸の負方向における第1部材FP5の端部の変形を検知しやすい。歪センサ13bは、Y軸の正方向における第1部材FP5の端部に設けられている。従って、歪センサ13bは、Y軸の正方向における第1部材FP5の端部の変形を検知しやすい。
【0100】
なお、第2柔軟指513の構成は、第1柔軟指512と左右対称の形状を有する以外、第1柔軟指512の構成と同じである。従って、第2柔軟指513についての説明を省略する。
【0101】
なお、第1柔軟指512には、3個以上の歪センサが設けられていてもよい。なお、第2柔軟指513には、3個以上の歪センサが設けられていてもよい。
【0102】
[ハンド部51の変形例3]
以下、ハンド部51の変形例3に係るハンド部51cについて図を参照しながら説明する。図14は、ハンド部51の変形例3に係るハンド部51cを示す図である。図14では、歪センサ13a,13bを透視している。
【0103】
図14に示すように、ハンド部51cは、歪センサ13aがY軸方向に対して傾斜している点、及び、歪センサ13bがY軸方向に対して傾斜している点でハンド部51bと異なる。
【0104】
歪センサ13aの主面Sh1aは、X軸の正方向を向いており、且つ、Y軸の正方向を向いている。従って、歪センサ13aは、ハンド部51aにおける歪センサ13と同様にして、歪センサ13aに加わるX軸方向の力及びY軸方向の力の両方を検知出来る。
【0105】
歪センサ13bの主面Sh1bは、X軸の正方向を向いており、且つ、Y軸の負方向を向いている。従って、歪センサ13bは、ハンド部51aにおける歪センサ13と同様にして、歪センサ13bに加わるX軸方向の力及びY軸方向の力の両方を検知出来る。歪センサ13c及び歪センサ13dについても同様である。
【0106】
なお、第2柔軟指513の構成は、第1柔軟指512と左右対称の形状を有する以外、第1柔軟指512の構成と同じである。従って、第2柔軟指513についての説明を省略する。
【0107】
[ハンド部51の変形例4]
以下、ハンド部51の変形例4に係るハンド部51dについて図を参照しながら説明する。図15は、ハンド部51の変形例4に係るハンド部51dを示す図である。図16は、ハンド部51dの第1柔軟指512及び第2柔軟指513をZ軸の負方向に見た図である。図15及び図16では、歪センサ13a,13b,13c,13dを透視している。
【0108】
図15及び図16に示すように、ハンド部51dは、歪センサ13aの主面Sh1a,Sh2aがZ軸方向に対して傾斜している点、及び、歪センサ13bの主面Sh1b,Sh2bがZ軸方向に対して傾斜している点でハンド部51cと異なる。
【0109】
例えば、歪センサ13aの主面Sh1aは、X軸の正方向を向いており、且つ、Y軸の正方向を向いているのに加えて、Z軸の負方向を向いている。この場合、歪センサ13aは、歪センサ13aに加わるX軸方向の力及びY軸方向の力に加えて、歪センサ13aに加わるZ軸方向の力を検知する。
【0110】
例えば、歪センサ13bの主面Sh1bは、X軸の正方向を向いており、且つ、Y軸の負方向を向いているのに加えて、Z軸の負方向を向いている。この場合、歪センサ13bは、歪センサ13bに加わるX軸方向の力及びY軸方向の力に加えて、歪センサ13bに加わるZ軸方向の力を検知する。つまり、ハンド部51dによれば、第1部材FP5に加わる3方向の力を検知出来る。
【0111】
第2柔軟指513の構成は、第1柔軟指512と左右対称の形状を有する以外、第1柔軟指512の構成と同じである。従って、第2柔軟指513についての説明を省略する。
【0112】
上記の構成の場合、歪センサ13aの主面は、X軸の正方向、Y軸の正方向及びZ軸の負方向を向いている。また、歪センサ13bの主面は、X軸の正方向、Y軸の負方向及びZ軸の負方向を向いている。第2柔軟指513に取り付けられている歪センサ13cの主面は、X軸の負方向、Y軸の正方向及びZ軸の負方向を向いている。第2柔軟指513に取り付けられている歪センサ13dの主面は、X軸の負方向、Y軸の負方向及びZ軸の負方向を向いている。このとき、例えば、第1部材FP5にZ軸回転方向の力が加わると、歪センサ13a及び歪センサ13bが伸びる。また、第2柔軟指513における歪センサ13c及び歪センサ13dもZ軸回転方向の力により伸びる。従って、本変形例において、第1柔軟指512における第1部材FP5及び第2柔軟指513における第1部材にZ軸回転方向の力が加わっているか否かを判定することが出来る。
【0113】
[ハンド部51の変形例5]
以下、ハンド部51の変形例5に係るハンド部51eについて図を参照しながら説明する。図17は、ハンド部51の変形例5に係るハンド部51eを示す図である。図17では、歪センサ13及び貫通孔Heを透視している。
【0114】
図17に示すように、ハンド部51eは、第2部材SP5に貫通孔Heが設けられている点で、ハンド部51と異なる。貫通孔Heは、第2部材SP5をX軸方向に貫通している。X軸方向に見て、貫通孔Heは、歪センサ13と重なっている。第1部材FP5が運搬対象物Grと接触したとき、第1部材FP5が貫通孔Heに向かって突出するように変形する。換言すれば、第1部材FP5が、X軸の負方向に突出するように変形する。従って、第1部材FP5は、第2部材に貫通孔が設けられていないハンド部と比較して、変形しやすい。結果、歪センサ13が、第1部材FP5の変形を検知しやすくなる。
【0115】
上記の構成の場合、作業者は、歪センサ13から出力される信号の大きさを調整することが出来る。例えば、作業者は、X軸方向に見て、貫通孔Heの断面の大きさよりも小さい大きさの部材(以下、第1調整用部材と称す)を用意する。作業者は、貫通孔Heの一部を第1調整用部材によって埋めることによって信号の大きさを調整する。例えば、第1調整用部材は、半円形状を有している。作業者は、貫通孔HeにおけるX軸の負方向側且つZ軸の負方向側を半円形状の第1調整用部材で埋める。これにより、貫通孔Heの深さが小さくなる。この場合、第1部材FP5の変形量は、貫通孔Heが第1調整用部材によって埋められていない第1部材FP5の変形量と比較して、小さくなる。従って、歪センサ13の変形量が小さくなる。なお、貫通孔HeにおけるX軸の負方向側且つZ軸の負方向側が半円形状の第1調整用部材で埋まった場合、貫通孔Heの形状は、X軸方向に見て、半円形状である。
【0116】
なお、作業者は、第1調整用部材の厚みを調整することによって歪センサ13から出力される信号の大きさを調整することが出来る。例えば、作業者は、歪センサ13の信号の大きさを小さくしたい場合は、厚みの厚い第1調整用部材によって貫通孔Heの一部を埋める。一方、作業者は、歪センサ13の信号の大きさを大きくしたい場合は、厚みの薄い第1調整用部材によって貫通孔Heの一部を埋める。
【0117】
なお、第2柔軟指513の構成は、第1柔軟指512と左右対称の形状を有する以外、第1柔軟指512の構成と同じである。従って、第2柔軟指513についての説明を省略する。
【0118】
[ハンド部51の変形例6]
以下、ハンド部51の変形例6に係るハンド部51fについて図を参照しながら説明する。図18は、ハンド部51の変形例6に係るハンド部51fを示す図である。図18では、歪センサ13及び窪みHf1を透視している。
【0119】
図18に示すように、ハンド部51fは、第2部材SP5に、貫通孔Heの代わりに窪みHf1が設けられている点で、ハンド部51eと異なる。窪みHf1は、第2部材SP5を貫通していない。第2部材SP5は、窪みHf1によって第2部材SP5の第1主面S32がX軸の負方向に向かって凹んでいる。窪みHf1は、X軸方向に見て、歪センサ13と重なっている。ハンド部51fにおける歪センサ13は、ハンド部51eにおける歪センサ13と同様にして、第1部材FP5の変形を検知しやすくなる。
【0120】
なお、第2柔軟指513の構成は、第1柔軟指512と左右対称の形状を有する以外、第1柔軟指512の構成と同じである。従って、第2柔軟指513についての説明を省略する。
【0121】
なお、以下に示す方法によって、第2部材SP5に窪みHf1を設けてもよい。第2部材SP5に第2部材SP5をX軸方向に貫通する貫通孔(以下、第1貫通孔と称す)を設ける。作業者は、X軸方向に見て、第1貫通孔の形状と同じ形状の部材(以下、第2調整用部材と称す)を用意する。作業者は、第1貫通孔におけるX軸の負方向側を第2調整用部材で埋める。上記に示す方法により、作業者は、第2部材SP5に、第1貫通孔の代わりに窪みHf1を設けることが出来る。
【0122】
なお、作業者は、第2調整用部材の厚みを調整することによって歪センサ13から出力される信号の大きさを調整することが出来る。例えば、作業者は、歪センサ13の信号の大きさを小さくしたい場合は、厚みの厚い第2調整用部材によって第1貫通孔を埋める。一方、作業者は、歪センサ13の信号の大きさを大きくしたい場合は、厚みの薄い第2調整用部材によって第1貫通孔を埋める。
【0123】
[窪みの形状の変形例]
以下、窪みの形状の変形例について図を参照しながら説明する。図19は、ハンド部51eの第2部材SP5に設けられている窪みHf2を示す図である。図20は、ハンド部51eの第2部材SP5に設けられている窪みHf3を示す図である。図19では、歪センサ13及び窪みHf2を透視している。図20では、歪センサ13及び窪みHf3を透視している。
【0124】
例えば、図19及び図20に示すように、第2部材SP5には、窪みHf1と形状の異なる窪みHf2又は窪みHf3が、窪みHf1の代わりに設けられていてもよい。
【0125】
図19に示すように、窪みHf2によって形成される第2部材SP5の内側の側面は、テーパ状となっている。窪みHf2の断面積は、第2部材SP5の第2主面S42に近づくにつれて小さくなる。第1部材FP5が変形したとき、第1部材FP5は、窪みHf2によって形成される第2部材SP5の内側の側面と接触する。第1部材FP5は、窪みHf2によって形成される第2部材SP5の内側の側面と接触した後、変形しにくい。従って、第2部材SP5に窪みHf2が設けられているロボットハンド5における歪センサ13から出力値は、第2部材SP5に窪みHf1が設けられているロボットハンド5における歪センサ13の出力値と比較して、小さくなりやすい。本構造をロボットハンド5に設けることによって、第2部材SP5に窪みHf1が設けられているロボットハンド5における歪センサ13の出力値が振り切れるようなケースでも、歪センサ13の出力値が振り切れないような調整をすることが可能になる。
【0126】
図20に示すように、窪みHf3によって形成される第2部材SP5の内側の側面は、テーパ状となっている。さらに、窪みHf3によって形成される第2部材SP5の内側の側面は、Y軸方向に見て、弧を描いている。窪みHf3の断面積は、第2部材SP5の第2主面S42に近づくにつれて小さくなる。これにより、第1部材FP5が変形したとき、第1部材FP5は、窪みHf3によって形成される第2部材SP5の内側の側面と接触する。第1部材FP5は、窪みHf3によって形成される第2部材SP5の内側の側面と接触した後、更に変形しにくい。従って、第2部材SP5に窪みHf3が設けられているロボットハンド5における歪センサ13から出力値は、第2部材SP5に窪みHf1が設けられているロボットハンド5における歪センサ13の出力値と比較して、小さくなりやすい。本構造をロボットハンド5に設けることによって、第2部材SP5に窪みHf1が設けられているロボットハンド5における歪センサ13の出力値が振り切れるようなケースでも、歪センサ13の出力値が振り切れないような調整をすることが可能になる。
【0127】
上記に示す様に、第2部材SP5に設けられている窪みの形状によって歪センサ13から出力される信号の大きさが変化する。従って、作業者は、第2部材SP5に設けられている窪みの形状を変更することによって歪センサ13から出力される信号の大きさを調整することが出来る。
【0128】
[第6実施形態]
以下、第6実施形態に係るロボットハンド6(図示せず)について図を参照しながら説明する。図21は、第6実施形態に係るロボットハンド6が備えているハンド部61を示す図である。図22は、第1柔軟指612をZ軸の正方向に見た図である。
【0129】
ハンド部61は、第1柔軟指112と構成の異なる第1柔軟指612を備えている点で、ハンド部11aと異なる。第1柔軟指612は、第1部分F1、第2部分F2、第3部分F3及び測定用センサPr1を備えている。第1部分F1、第2部分F2及び第3部分F3は、X軸の正方向に、第2部分F2、第1部分F1、第3部分F3の順に並んでいる。
【0130】
第2部分F2は、図21及び図22に示すように、駆動部111からZ軸の負方向に向かって延びている。第2部分F2は、駆動部111と接触している。第2部分F2は、駆動部111によって保持されている。
【0131】
第3部分F3は、図21及び図22に示すように、駆動部111からZ軸の負方向に向かって延びている。第3部分F3は、駆動部111と接触している。第3部分F3は、駆動部111によって保持されている。
【0132】
第1部分F1は、第2部分F2の主面の一部及び第3部分F3の主面の一部と接触している。第1部分F1は、Z軸の負方向における第2部分F2の端部と、Z軸の負方向における第3部分F3の端部とに固定されている。第1部分F1は、図22に示すように、外周部F1a及び内周部F1bを含んでいる。
【0133】
外周部F1aは、図22に示すように、内周面及び外周面を有している筒形状である。本実施形態において、外周部F1aは、円筒形状である。外周部F1aの外周面は、第2部分F2の主面の一部と、第3部分F3の主面の一部と、に接触している。このような外周部F1aの材料は、エポキシ樹脂又はエラストマー樹脂等である。なお、外周部F1aは、筒形状であれば、必ずしも、円筒形状でなくてもよい。
【0134】
内周部F1bは、図22に示すように、内周面及び外周面を有している筒形状である。本実施形態において、内周部F1bは、円筒形状である。内周部F1bは、外周部F1aによって周囲を囲まれている。内周部F1bの外周面は、外周部F1aの内周面と接触している。内周部F1bは、外周部F1aに固定されている。このような内周部F1bの材料は、例えば、シリコーンラバーである。なお、内周部F1bは、筒形状であれば、必ずしも、円筒形状でなくてもよい。
【0135】
測定用センサPr1は、例えば、物体の表面粗さ等の物理量を測定するためのプローブである。図21及び図22に示すように、Z軸の正方向における測定用センサPr1の端部は、内周部F1b及び外周部F1aによって周囲を囲まれている。Z軸の正方向における測定用センサPrの端部は、内周部F1bによって固定されている。Z軸の負方向における測定用センサPr1の端部は、内周部F1b及び外周部F1aから露出している。
【0136】
ロボットハンド6が運搬対象物Grを把持する場合、測定用センサPr1が、運搬対象物Grと接触する。このとき、測定用センサPr1は、運搬対象物Grの表面粗さ等を測定することが出来る。
【0137】
本実施形態において、ロボットハンド6は、3個の歪センサ13a,13b,13cを備えている。図22に示すように、歪センサ13a,13b,13cは、内周部F1b内に設けられている。歪センサ13a,13b,13cは、測定用センサPr1の周囲を囲んでいる。歪センサ13a,13b,13の主面は、測定用センサPr1の位置する方向を向いている。
【0138】
歪センサ13a,13b,13cは、内周部F1bの変形を検知する。具体的には、測定用センサPr1が、運搬対象物Gr等の物体の表面と接触し、且つ、物体の表面に沿ってX軸方向に移動する。これにより、測定用センサPr1に、例えば、X軸方向の力が加わる。この場合、内周部F1bがX軸の正方向又はX軸の負方向に向かって変形する。図21に示すように、歪センサ13aの主面は、X軸の負方向及びY軸の正方向を向いている。歪センサ13bの主面は、X軸の正方向及びY軸の正方向を向いている。従って、歪センサ13a及び歪センサ13bは、X軸の正方向又はX軸の負方向における内周部F1bの変形及びY軸の正方向又はX軸の負方向における内周部F1bの変形を検知出来る。
【0139】
また、例えば、測定用センサPr1に、Y軸方向の力が加わる。この場合、Y軸の正方向又はY軸の負方向に向かって内周部F1bが変形する。歪センサ13cの主面は、Y軸方向を向いている。従って、歪センサ13cは、Y軸の正方向又はY軸の負方向における内周部F1bの変形を検知出来る。
【0140】
また、ハンド部61によって運搬対象物Gr等の物体に対して加えられる力の大きさが、常に一定であったとしても、物体の表面の粗さによって歪センサ13a,13b,13cの出力は変化する。従って、ロボットハンド6は、歪センサ13a,13b,13cの出力に基づいて運搬対象物Gr等の物体の表面粗さを測定することも出来る。
【0141】
なお、ロボットハンド6は、運搬対象物Grを運搬するために用いてもよい。例えば、図20に示すように、ロボットハンド6は、第1柔軟指612で運搬対象物Grを押すことによって、運搬対象物Grを運搬してもよい。
【0142】
[ハンド部61の変形例1]
以下、ハンド部61の変形例1に係るハンド部61aについて図を参照しながら説明する。図23は、ハンド部61の変形例1に係るハンド部61aを示す図である。
【0143】
図23に示すように、ハンド部61aは、第2柔軟指613を備えている点でハンド部61と異なる。第2柔軟指613の構成は、第1柔軟指612と左右対称の形状を有する以外、第1柔軟指612の構成と同じである。
【0144】
ハンド部61aでは、測定用センサPr1及び第2柔軟指613に備わる測定用センサPr2が、運搬対象物Grを挟む。これにより、ハンド部61aが、運搬対象物Grを運搬する。このとき、測定用センサPr2が、運搬対象物Grと接触する。測定用センサPr2は、例えば、測定用センサPr1と同様にして、運搬対象物Grの表面粗さ等を測定する。
【0145】
なお、本変形例において、歪センサ13a,13b,13cの主面は、Z軸方向に対して傾斜していてもよい。この場合、本変形例における制御部12は、ハンド部51dを備えるロボットハンド5における制御部12と同様にして、第1部分F1にZ軸回転方向の力が加わっているか否かを判定することが出来る。
【0146】
[その他の実施形態]
第1実施形態乃至第6実施形態、及び、それぞれの変形例は適宜組み合わせてもよい。
【0147】
なお、上述した、ロボットハンド1,1a,2,3,4,5,6が備える歪センサの数は、一例である。従って、ロボットハンド1,1a,2,3,4,5,6は、上述した数以上の歪センサを備えていてもよい。例えば、ロボットハンド1,1a,2,3,4は、2個以上の歪センサを備えていてもよい。例えば、ハンド部51、ハンド部51a、ハンド部51e又はハンド部51fを備えているロボットハンド5は、3個以上の歪センサを備えていてもよい。例えば、ハンド部51b、ハンド部51c又はハンド部51dを備えているロボットハンド5は、5個以上の歪センサを備えていてもよい。例えば、ハンド部61を備えているロボットハンド6は、4個以上の歪センサを備えていてもよい。例えば、ハンド部61aを備えているロボットハンド6は、7個以上の歪センサを備えていてもよい。
【0148】
なお、上述した、ロボットハンド1,1a,2,3,4,5,6が備える柔軟指の数は、一例である。従って、ロボットハンド1,1a,2,3,4,5,6は、上述した数以上の柔軟指を備えていてもよい。例えば、ロボットハンド1,2,3,4,5は、3個以上の柔軟指を備えていてもよい。同様にして、ハンド部61aを備えているロボットハンド6は、3個以上の柔軟指を備えていてもよい。上記の構成の場合、駆動機構11Bが、3個以上の柔軟指のそれぞれを保持する。このとき、駆動機構11Bは、3個以上の柔軟指のそれぞれを駆動することが可能な機構を有している。3個以上の柔軟指は、Z軸方向に見て、運搬対象物Grの周囲を囲む様に、運搬対象物Grを把持する。
【符号の説明】
【0149】
1,1a,2,3,4,5,6:ロボットハンド
13:歪センサ
112,212,312,412,512,612:第1柔軟指
113,313,413,513,613:第2柔軟指
Gr:運搬対象物
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