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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】徐放性プラスチック製剤
(51)【国際特許分類】
   A61M 35/00 20060101AFI20241220BHJP
【FI】
A61M35/00 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022539264
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 IL2020051370
(87)【国際公開番号】W WO2021137240
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】62/955,461
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522252590
【氏名又は名称】ワンカ タンカ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WANKA TANKA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】バルディ, アムノン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-513473(JP,A)
【文献】特開平06-072898(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0315454(US,A1)
【文献】特表2018-503598(JP,A)
【文献】特表2010-521205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 35/00
A01K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物又はヒトの皮膚への経皮送達による生物活性剤の徐放するためのデバイスであって、前記デバイスは、
ポリオレフィンエラストマー、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、及び合成ゴムからなる群から選択される構造ポリマー
固体の島として前記構造ポリマー中に埋め込まれた少なくとも1種の生物活性成分
顆粒として前記構造ポリマー中に埋め込まれた液体結束材及び
液体結束材中に吸収されたキャリア液
を含み、
前記キャリア液が、前記構造ポリマーと十分に非相溶性であり、前記液体結束材から放出された、前記キャリア液に溶解された生物活性剤を含む少なくとも一部のキャリア液溶液が、ある期間にわたって、前記構造ポリマーを通って前記構造ポリマーの外表面に移動する、デバイス
【請求項2】
前記生物活性剤が、経皮吸収の背景において治療に有効な速度で放出される、請求項1に記載のデバイス
【請求項3】
前記少なくとも1種の生物活性成分中に含まれる生物活性剤が、室温又は体温で前記キャリア液中に十分に可溶性であり、したがって外面へ放出される前記キャリア液が、溶液中に生物活性剤を含む、請求項に記載のデバイス
【請求項4】
前記期間が少なくとも1週間である、請求項1に記載のデバイス
【請求項5】
前記期間が少なくとも1カ月である、請求項1に記載のデバイス
【請求項6】
前記期間が少なくとも3カ月である、請求項1に記載のデバイス
【請求項7】
前記キャリア液溶液が、外皮表面と接触する前記構造ポリマーの前記外表面の部分で選択的に放出される、請求項1に記載のデバイス
【請求項8】
前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレン(LDPE)、及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなる群からの1つの選択物又は2つ以上の選択物の組み合わせを含む、請求項に記載のデバイス
【請求項9】
前記構造ポリマーが疎水性である、請求項1に記載のデバイス
【請求項10】
前記液体結束材が、シリカゲル、ヒュームドシリカ、珪藻土、カーボンブラック、及び活性炭からなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス
【請求項11】
前記液体結束材が多孔質ポリマーを含む、請求項1に記載のデバイス
【請求項12】
前記多孔質ポリマーの融点が、前記構造ポリマーの融点より高い、請求項11に記載のデバイス
【請求項13】
前記キャリア液が不揮発性油を含む、請求項1に記載のデバイス
【請求項14】
前記不揮発性油が、パラフィン油又は植物由来の油である、請求項13に記載のデバイス
【請求項15】
前記キャリア液が、塩素化パラフィン、トリアセチン、ナフテン炭化水素、脂肪族炭化水素、テレフタル酸ジオクチル(DOTP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、及びエポキシ化トリグリセリドからなる群からの1つの選択物又は2つ以上の選択物の組み合わせを含む、請求項13に記載のデバイス
【請求項16】
前記キャリア液がグリセロールを含む、請求項13に記載のデバイス
【請求項17】
前記少なくとも1種の生物活性成分の前記固体の島が、精製された形態の前記生物活性剤からなる、請求項1に記載のデバイス
【請求項18】
前記少なくとも1種の生物活性成分の前記固体の島が、前記生物活性剤と前記キャリア液中に不溶性の物質との混合物である天然産物を含む、請求項1に記載のデバイス
【請求項19】
前記少なくとも1種の生物活性成分の前記固体の島が粉状植物を含む、請求項18に記載のデバイス
【請求項20】
前記少なくとも1種の生物活性成分の前記固体の島が、植物から調製された抽出物を含む、請求項1に記載のデバイス
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願]
[0001]本出願は、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月31日に出願された米国仮特許出願第62/955,461号についての米国特許法第119条(e)による利益を主張するものである。
【0002】
[背景]
[0002]治療薬及び栄養補給剤などの投与可能な生物活性剤は、複数の異なる経路で体内に投与することができる。経口投与は一般的な経路であるが、この経路は、胃の環境及び肝臓が生物活性剤を代謝し、したがって体循環に達する前にその濃度が大きく低下される初回通過代謝などのさまざまな欠点を有する。加えて、経口投与は、嘔気及び嘔吐を経験している患者には無効でありうる。経口投与の別の問題は、患者がボーラスとして生物活性剤を吸収し、結果として血流中の全身濃度のピーク及びトラフが得られ、不要な副作用及び所望の効果の経時的なむらを生じうる。
【0003】
[0003]経皮送達は、胃のシステムを回避し、バイオアベイラビリティが増加するため、別の有望な投与経路である。皮膚は微生物及び異分子に対して有効な障壁として機能するが、低分子は皮膚を越えて拡散しうる。クリーム及びローションは、投与の手段として使用してもよいが、これらには短期作用であるという欠点があり、皮膚を誤って擦ったり、又は洗い落としたりすることがあり、結果として一貫した又は有効な血流濃度の達成が難しくなる。したがって、長期間にわたる、例えば1週間、1カ月、又は最長で数カ月の期間にわたる、生物活性剤の経皮送達の方法が必要とされている。
【0004】
[概要]
[0004]本開示の態様は、治療薬及び栄養補給剤などの1種以上の生物活性剤が埋め込まれたプラスチック材料を含む固体組成物であって、プラスチック材料が、埋め込まれた1種以上の生物活性剤の徐放のために調合されている、固体組成物に関する。
【0005】
[0005]説明の便宜上、本発明の実施形態による1種以上の生物活性剤が埋め込まれたプラスチック母材を、徐放性プラスチック母材(ERPM)として本明細書で参照してもよい。
【0006】
[0006]本明細書を通して、「徐放」は、長期間にわたる、例えば約1週間、約2週間、約1カ月、又は1カ月にわたる、材料からの及び/又は対象の血流中への作用剤の放出を指す。この用語は、「遅効性」又は「持続放出」と区別なく使用されうる。
【0007】
[0007]本開示の実施形態において、ERPMは、構造ポリマー、構造ポリマー中に埋め込まれた液体結束材、液体結束材中に吸収されたキャリア液、及び任意選択により固体の島として構造ポリマー中に埋め込まれた生物活性剤を含む又はからなる少なくとも1種の生物活性成分を含む。
【0008】
[0008]本開示の実施形態おいて、キャリア液は、構造ポリマー中に部分的に吸収性であり、部分的に非相溶性であり、室温又は体温で生物活性剤を溶解することができる。
【0009】
[0009]この概要は、以下の詳細な説明でさらに記載する簡易形態の概念の選択を導入するために提供される。この概要は、特許請求の範囲の主題の重要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図するものでも、特許請求の範囲の主題の範囲を限定するように使用されることを意図するものでもない。
【0010】
[0010]本開示の実施形態の非限定例を、この段落に後続して列挙する添付の図面を参照して以下に記載する。複数の図面で見られる同一の特徴は、一般的に、それらが見られる全ての図面における同じ標識で標識付けされる。図面中の本開示の実施形態の所与の特徴を表すアイコンを表示する標識は、所与の特徴を参照するために使用されうる。図面中に示す特徴の寸法は、図示の便宜上及び明確さのために選択されるものであり、必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態によるリストバンド形状のERPMを概略的に示す図である。
図2】本開示の実施形態によるERPMの製造方法のフローチャートを示す図である。
【0012】
[詳細な説明]
[0013]本開示の態様は、構造ポリマー及び構造ポリマー中に埋め込まれた1種以上の生物活性成分を含むERPMを生成するステップであって、1種以上の生物活性成分中に含まれる生物活性剤が、長期間の間、ERPMの表面を通って放出される、ステップに関する。ERPMによる生物活性剤の放出は、経皮吸収を背景において治療に有効な速度で生じうる。
【0013】
[0014]本明細書中で用いられる場合、生物活性成分は、治療薬又は栄養補給剤であってもよい生物活性剤からなる又は生物活性剤を含む合成又は天然物質を指す。
【0014】
[0015]図1を参照して、本開示の実施形態によるERPM20からなるリストバンド形状のウェアラブル装置10を概略的に示す。インセット40は、任意選択により構造ポリマー22、構造ポリマー22中に埋め込まれた液体結合材料の顆粒24、顆粒中に吸収されたキャリア液(図示せず)、及び構造ポリマー中に島26として埋め込まれた少なくとも1種の生物活性成分を含むように調合されたERPM20の拡大断面図を概略的に示す。
【0015】
[0016]キャリア液及び構造ポリマー22の各構成成分は、キャリア液が構造ポリマー22と少なくとも部分的に非相溶性であるように選択されうる。本明細書中で用いられる場合、構造ポリマーが容易にキャリア液を吸収しない場合、及び/又は構造ポリマーと一緒に配合された少なくとも一部のキャリア液が構造ポリマーから自然に放出される若しくは押し出される場合、所与のキャリア液は、所与の構造ポリマーと非相溶性であることによって特徴付けられうる。キャリア液は、加えて、室温又は体温で島26を少なくとも部分的に溶解できることによって特徴付けられうる。本明細書中で用いられる場合の部分的に溶解するとは、所与の生物活性成分が複合物質又は化合物、例として、他の物質の中でも特に生物活性剤を含む乾燥植物である場合、キャリア液は、少なくとも生物活性剤を溶解することができることを意味する。
【0016】
[0017]所与の構造ポリマー及び所与の生物活性成分と一緒に調合したERPM20では、キャリア液の組成は、キャリア液が構造ポリマーに部分的に吸収性及び部分的に非相溶性であるように選択され得、生物活性成分に含まれる生物活性剤を溶解できる。理論に束縛されるものではないが、上記の特性(構造ポリマーと部分的に非相溶性及び生物活性剤を溶解する能力)の結果として、キャリア液は、有利には、(a)液体結束材の顆粒24から構造ポリマー22を通って移動して島26に接触する;(b)島26に含まれる生物活性剤を溶解して生物活性溶液28を形成する;及び(c)移動し続け、ERPM20の外面21上に放出されて、生物活性溶液28の外側の液層29を形成するようにERPM20中で動作可能である。構造ポリマー22を通る顆粒24からのキャリア液の移動及び生物活性溶液28の構成成分としてのERPM20の表面21上への最終的な放出をブロック矢印32で概略的に表す。
【0017】
[0018]理論に限定されるものではないが、以下で説明するように、キャリア液の上記の移動及び外面21からの生物活性溶液28の放出は、構造ポリマー22中のキャリア液の濃度勾配によって動かされることが理解されよう。まず、ERPM20の製造後、キャリア液は顆粒24でのみ存在することができ、ERPM20中の他には存在せず、濃度勾配は顆粒24から構造ポリマー22中への純移動をもたらし、その結果、キャリア液が島26に接触し、島に存在する少なくとも1種の生物活性剤を溶解し、外面21で生物活性溶液28として放出される。しかしながら、十分な生物活性溶液28が放出されたら、外面21上へのキャリア液の純放出が実質的にゼロになるように外面21及び顆粒24のキャリア液の濃度は平衡化されるようになる。結果として、理論によって制限されるものではないが、閾値量の外液層29が形成されたら、貯蔵中、ERPM20は、有利には、余分な生物活性溶液28を放出し続けない。同様に、理論によって制限されるものではないが、皮膚又は他の吸収材表面に接触しない一部の外面21は、有利には、不快又はしみを生じると思われる余分な生物活性溶液28を放出しない。外面21及び顆粒24におけるキャリア液の相対濃度に応答する生物活性溶液の放出はまた、理論によって制限されるものではないが、生物活性溶液28の接触感受性放出を可能にし、生物活性溶液28が、皮膚又は他の吸収材表面に接触する外面21の一部で選択的に放出される。理論によって制限されるものではないが、皮膚上のERPM20の接触は、外液層29に存在する生物活性溶液28の経皮吸収につながり、外面21の接触部分と顆粒24との間のキャリア液の濃度勾配が導入され、それによって顆粒24から外面21の接触部分へのキャリア液のさらなる移動が動かされる。キャリア液のこのさらなる移動は、接触部分で選択的に放出される、すなわち、接触に依存する様式で選択的に放出される追加の生物活性溶液28につながる。
【0018】
[0019]ERPM20は、生物活性溶液28の接触感受性放出が、少なくとも1週間、少なくとも2週間、又は約1カ月若しくはそれ以上の間、経皮吸収で治療上有効な速度で生じるように調合されうる。ERPMからの生物活性溶液28の接触感受性徐放は、有利には、ERPMを含む又はERPMから成形されたウェアラブル装置10の着用者が、この装置を長期間着用できるようにし、交換を必要とする前に徐放から恩恵を受けることができるようにする。
【0019】
[0020]図1に示すように、顆粒24は、任意選択により、構造ポリマー22中に、実質的に均一な分布で埋め込まれる。島26もまた、構造ポリマー中に、実質的に均一な分布で埋め込まれうる。
【0020】
[0021]構造ポリマー22は、任意選択により、粘弾性特性を持つ1種以上の可撓性ポリマー又はエラストマーを含む。構造ポリマー中に含まれる1種以上のポリマーは、非毒性で、ヒト又は動物対象の皮膚上における長期間の外部接触に適しうる。任意選択により、構造ポリマーは、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリオレフィンエラストマー、及び合成ゴムからなる群からの1つ以上の選択されたものを含む。PEは、任意選択により、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、又はこれらの組み合わせを含む。構造ポリマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)などのポリウレタンを含んでもよい。任意選択により、合成ゴムは、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)ゴム(「SBSゴム」)としても知られるスチレン-ブタジエンゴム、及び/又はポリシロキサンなどのシリコーンゴムを含む。本開示の実施形態において、構造ポリマーは、接着性ポリマー又は非接着性ポリマーとして調合される。より特定された実施形態では、構造ポリマーは、任意選択により、LLDPE、LDPE、及びPEエラストマー(例として1種以上のダウレックス(Dowlex)(商標)樹脂)からなる群から選択されるPEを含んでもよい。任意選択により、構造ポリマーは、LLDPE、LDPE、及びPEエラストマーを含む又はからなる。ポリオレフィンエラストマーは、エチレン-オクテンエラストマー、エチレン-ブテンエラストマー、又はエチレン-ヘキセンエラストマー(例としてダウエンゲージ(Dow Engage)(商標)又はサビックフォーティファイ(Sabic Fortify)(商標)ポリオレフィンエラストマーのうちの1つ以上)であってもよい。
【0021】
[0022]任意選択により、構造ポリマーは、構造ポリマーの平らな固体表面上の水滴によって示される90度を超える「接触角」によって特徴付けられる疎水性物質であるように調合される。
【0022】
[0023]液体結束材の顆粒24は、シリカゲル、ヒュームドシリカ(焼成シリカとしても知られる)、珪藻土、カーボンブラック、及び活性炭からなる群からの1つ又は2つ以上の組み合わせの選択物を含んでもよい。シリカゲルは、さまざまな粒度で入手可能な多孔質二酸化ケイ素である。ヒュームドシリカは、分岐鎖状三次元第二次粒子に溶融され、次いで高い表面積対体積率を有し、典型的には約5nm~50nmのサイズを有する第三次粒子に凝集する非晶質シリカの微小滴からなる。珪藻土は、大部分が又は完全にシリカで構成される珪藻の天然化石であり、多孔質及び高表面積によって特徴付けられる。珪藻土は、典型的には、3μm未満~1mm超、しかしながら典型的には10μm~200μmの範囲の粒径を有する粉末の形態である。活性炭は、典型的には、熱及び圧力の組み合わせ又は強酸若しくは塩基のいずれかで処理し、後続して乾留して高い多孔質に仕上げた木炭からなる。カーボンブラックは、高い表面積対体積率だが、典型的には活性炭より低い表面積対体積率を有する準結晶性炭素の形態の重質石油製品の不完全燃焼によって生成される物質である。カーボンブラックの亜型としては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック及びサーマルブラックが挙げられる。
【0023】
[0024]追加的には又は代替的には、顆粒24の液体結束材は、当該技術分野において公知の適当な製造手順を用いて多孔質形態で形成される構造ポリマーとしての使用に適したポリマーを含む。多孔質ポリマーは、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)又はポリオレフィン、例としてはLDPEを含んでもよい。任意選択により、多孔質ポリマーは、ERPM中に導入される間、又は例えば射出成形によってERPMが成形される場合はウェアラブル装置10に導入される間、多孔質ポリマーが実質的に分解又は除去されないように、ERPM20に使用した構造ポリマーと比較して高い融点を有するように調合される。
【0024】
[0025]顆粒は、顆粒の製造の仕方に依存し得、さまざまな形状、例えば球形、扁平球、円筒形、又は不規則形状のうちの1つ以上であってもよい。顆粒24は、実質的に球形の顆粒の直径であってもよい最大横断面距離が約1nm~約5mmであってもよい。顆粒は、任意選択により粉末の形態であり、各顆粒の横断面距離は約1nm~約10ミクロンである。顆粒が多孔質ポリマーを含む場合、各顆粒の横断面距離は0.5mm~5mmであってもよい。
【0025】
[0026]キャリア液を注入した液体結束材の顆粒24が構造ポリマー22と配合されるとき、結果として得られる埋め込み顆粒は、任意選択により、キャリア液の貯留部として機能する。任意選択により、顆粒24は、ERPMの製造中に加熱によって軟化された構造ポリマー22中に配合される。顆粒24は、構造ポリマー22と配合する前、キャリア液を吸収するのに十分な量であってもよい。例として、1グラムのヒュームドシリカは、最大10~20グラムの油を吸収できうるが、1グラムの多孔質ポリマーは、最大3又は4グラムの油を吸収できうる。したがって、ERPM20中の顆粒24の相対含量は、使用される液体結束材に依存しうる。
【0026】
[0027]顆粒24中に注入されたキャリア液は、ERPM20の重量目方による合計組成の5~40%を占めうる。
【0027】
[0028]任意選択により、キャリア液は、室温近く及び標準気圧近くで油が実質的に蒸発しないような蒸気圧で特徴付けられる1種以上の不揮発性油を含む。任意選択により、1種以上の不揮発性油は、(1)島26に含まれる生物活性剤の溶媒として適合し、(2)室温及び/又は体温で液体であり、(3)ヒトの皮膚上の局所投与に適合する。任意選択により、不揮発性油は、パラフィン油(当該技術分野において鉱油とも呼ばれうる)及び/又は1種以上の植物由来の油、例として、麻実油、パーム油、キャノーラ油、亜麻仁油、ヒマワリ油、菜種油、ココアバター、オリーブ油、コメヌカ油を含む。パラフィン油は、皮膚の外層(角質層)中の脂質流動化を通る皮膚透過性を促進するために実証され、したがって、理論によって束縛されるものではないが、パラフィン油は、ERPM20に接触した対象の皮膚内への生物活性剤の経皮透過を強化するために、キャリア液に含まれうる。
【0028】
[0029]追加的に又は代替的に、キャリア液は、本明細書中で用いられる場合、室温近く及び標準気圧近くで油が蒸発する傾向を持つような蒸気圧で特徴付けられる揮発性油を含む。理論によって束縛されるものではないが、キャリア液中の揮発性油の添加は、外面からの揮発性油の蒸発が、キャリア液中に溶解された生物活性剤と共により多くのキャリア液を表面へ引き込む濃度勾配を作り出すため、外面21上へのキャリア液の放出を強化する。任意選択により、揮発性油は、一般的に快適であると認められる匂いを出すように添加される天然抽出物又は精油を含む又はその中に含まれる。天然抽出物又は精油は、揮発性油と不揮発性油との混合物であってもよい。取り込むことができる天然抽出物の例としては、以下の精油:ラベンダー油、吉草油、ゼラニウム油、クダモノトケイソウ(Passiflora Edulis)種子油及びカモミール油を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0029】
[0030]追加的には又は代替的には、キャリア液は、任意選択により、塩素化パラフィン、トリアセチン、ナフテン系炭化水素、脂肪族炭化水素、テレフタル酸ジオクチル(DOTP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、及びエポキシ化トリグリセリドからなる群からの1つ以上の選択物を含む。エポキシ化トリグリセリドは、とりわけ、エポキシ化植物由来の油、例えばエポキシ化ダイズ油(ESBO)、エポキシ化パーム油、エポキシ化キャノーラ油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化ヒマワリ油、エポキシ化菜種油、エポキシ化ココアバター、エポキシ化オリーブ油、及びエポキシ化コメヌカ油であってもよい。
【0030】
[0031]追加的には又は代替的には、キャリア液はグリセロールを含む。
【0031】
[0032]本開示の実施形態において、ERPMは、少なくとも最初に、1種以上の生物活性成分が、ERPMの初期総重量(%w/w)の0.1%~40%、又はERPMの初期総重量の0.5%w/w~2.5%w/wであるように、各生物活性剤を含む又はからなる1種以上の生物活性成分を含む。
【0032】
[0033]本開示の実施形態において、ERPM中の島として埋め込まれた生物活性成分は、対象に投与されたら栄養的及び/又は治癒的価値を有する治療薬及び/又は栄養補給剤であってもよい。その中に含まれる生物活性成分及び/又は生物活性剤は、標準気圧並びに室温、摂氏約20度(℃)及び体温、約37℃で固体の形態であってもよく、同じ温度及び圧力条件下で適当なキャリア液に少なくとも部分的に可溶性である。
【0033】
[0034]生物活性成分は、生物活性剤を含む又はからなる植物又は動物由来の物質、鉱物、化学組成物又はこれらの組み合わせであってもよい。生物活性剤は、経皮投与に適し得、以下の特性:鎮痛性、抗炎症性、抗酸化特性、及び沈静又は弛緩特性のうちの1つ以上を有しうる。任意選択により、対象は、動物対象又はヒト対象である。
【0034】
[0035]沈痛性を有する生物活性剤を含む又はからなる生物活性成分は、アロエベラ、メチルスルホニルメタン(MSM)、エミュー油、メントール、グルコサミン、コンドロイチン、カプサイシノイド、アルニカ、コリアンダー、ローマンカモミール、ウィローバーク、フィーバーフュー、セイヨウオトギリソウ、カバカバ、ネトルリーフ、アセチルサリチル酸、バラ(Bala)、ブラックコホッシュ、ブラックスネークルート、サラシナショウマ、コノフォリスアメリカーン(squawroot)、ミシマサイコ(bupleurum)、カレンデュラ、ショウノウ、粉末トウガラシ(cayenne)、デビルズクロー根(devil’s claw root)、月見草油、ショウガ、ゴツコラ、ギンナン、ジュニパー、ラベンダー、カンゾウ、マジョラム、シモツケ、トケイソウ、クエルセチン、サリシナム(salicinum)、自然薯(wild yam)、ウィンターグリーン、ウッドベトニー、ニガヨモギ及びこれらの組み合わせからなる群から選択されうる。
【0035】
[0036]抗炎症性を有する生物活性剤を含む又はからなる生物活性成分は、アロエベラ、メチルスルホニルメタン(MSM)、エミュー油、コンドロイチン、グルコサミン、カプサイシノイド、アルニカ、ブドウ種子、コリアンダー、マリーゴールド、ネトルリーフ、ローマンカモミール、ヤグルマソウ、セイヨウオトギリソウ、ウィローバーク、ウィッチヘーゼル、フィーバーフュー、バーリーグラス、ブラックコホッシュ、ブラックスネークルート、サラシナショウマ、コノフォリスアメリカーン、ボスウェリア、ルリチサ、ブロメライン、ゴボウ、カレンデュラ、粉末トウガラシ、タンポポ、デビルズクロー根、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、エキナセア、エルダーフラワー、月見草、亜麻仁、ギンナン、ショウガ、チョウセンニンジン、ホーソン、ケンベロール、カンゾウ、ノボロギク、ゴールデンセネシオ、スクウォーウィード(squaw weed)、ゴールデンノボロギク(golden groundsel)、コカシュウィード(cocash weed)、コッホウィード(coughweed)、サワギク、ゴールデンサワギク、マジョラム、シモツケ、ケルセチン、ターメリック、クルクミン、自然薯、ニガヨモギ、ユッカ及びこれらの組み合わせからなる群から選択されうる。
【0036】
[0037]抗酸化特性を有する生物活性剤を含む又はからなる生物活性成分は、コンドロイチン、ビタミンC、ブドウ種子、セイヨウオトギリソウ、コリアンダー、バーリーグラス、ビルベリー、エキナセア、ニンニク、ショウガ、ギンナン、チョウセンニンジン、ブドウ種子プロアントシアニジン抽出物、グリーンティー、ホーソン、レモンバーム、オオアザミ、オレガノ、ペパーミント、ザクロ抽出物、スベリヒユ、ピクノジェノール、ローズマリー、五味子、朝鮮五味子(wuweizi)、朝鮮五味子抽出物(wurenchun)、トリリノレイン、サンチ、ターメリック、クルクミン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されうる。
【0037】
[0038]沈静又は弛緩特性を有する生物活性剤を含む又はからなる生物活性成分は、MSM、カバカバ、ローマンカモミール、フィーバーフュー抽出物、セイヨウオトギリソウ、蜂花粉、ベルガモット、ブラックコホッシュ、ブラックホアハウンド、キランソウ、カリフォルニアポピー、クラリーセージ、カウスリップ、ダミアナ、DHEA、ゼラニウム、チョウセンニンジン、ゴツコラ、グレープフルーツ、ヒソップ、ジャマイカンドッグウッド(Jamaican dogwood)、アツモリソウ、ラベンダー、レモンバーム、カンゾウ、シナノキ、ロベリア、マテ、ヤドリギ、マザーワート、ヨモギ、エンバクワラ、パッションフラワー、ペパーミント、ローズマリー、タツナミソウ、セイヨウカノコソウ根、クマツヅラ、ワイルドレタス、ウッドベトニー、大麻の花又は蕾、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0038】
[0039]本明細書中に列挙する任意選択の生物活性成分の多くは、薬草成分である。生物活性成分が薬草成分である場合、生物活性成分は、植物に含まれる所望の生物活性剤が多く含まれる粉状植物又はその粉状抽出物の形態のERPM中に含まれうる。抽出物は、水、アルコール、又は揮発性油などの液体媒体中に天然産物を浸漬させ、次いで蒸発させて乾燥粉末を形成することによって調製することができる。
【0039】
[0040]追加的には又は代替的には、ERPM中に含まれる生物活性成分は、以下:コラーゲン、補酵素Q、又はビタミンのうちの1つ以上であってもよい。ビタミンは、ビタミンA、ビタミンB、又はビタミンCであってもよい。ビタミンBは、チアミン(B1)、リボフラビン(B2)、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、ピリドキシン(B6)、ビオチン(B7)、葉酸塩(B9)及びコバラミン(B12)のうちの1つ以上であってもよい。
【0040】
[0041]図1に示すように、ERPM20を、対象の手首に着用するのに適したリストバンド形状を有するウェアラブル装置10に成形する。しかしながら、本開示の他の実施形態では、ERPM20は、ネックレス、対象の腕又は足の周囲に着用するのに適した形状、パッチ、アンクレット、カラー、又は靴の中敷きなどの他のウェアラブル形状に成形することもできる。任意選択により、ERPM20は、腕時計バンドのような形状で、腕時計バンドとして機能するように成形される。
【0041】
[0042]ERPM20は、以下の方法100にしたがって製造することができる。ブロック102において、キャリア液を、液体結束材の顆粒24と合わせ、キャリア液が実質的に又は完全に顆粒中に吸収されるまで混合し、その結果、キャリア液注入顆粒が得られる。ブロック104において、キャリア注入顆粒24と粒状又は粉末形態の少なくとも1種の生物活性成分を構造ポリマー22と配合する。配合は、構造ポリマー22を融解するのに十分高いが顆粒24又は少なくとも1種の生物活性成分は融解しない温度、任意選択により110℃~160℃の加熱環境下で実施して液体形態のERPM20を形成し、次いで任意選択により冷却してもよい。任意選択により、ERPMは、配合押出機で形成される。
【0042】
[0043]ブロック106において、ERPMは、任意選択により、所望の形状に成形してウェアラブル装置10に成形する。ERPMを粒状化してERPM顆粒を形成し、次いで鋳型中で射出成型することができる。ERPM顆粒は、さまざまな形状に成形して、異なるウェアラブル装置10、例として、リストバンド(図1に示す)、アンクレット、パッチ、靴の中敷き、及びネックレスなどを形成することができることが理解されよう。また、ブロック104及び106で構造ポリマー又はERPMが加熱される正確な温度は、構造ポリマー22中に含まれるポリマー並びに所与のERPM中に含まれる顆粒24及び少なくとも1種の生物活性成分に依存することも理解されよう。
【0043】
[0044]ERPM20の例示的且つ非限定的な調合例を以下に記載する。以下の調合例のそれぞれにおいて、キャリア液は、液体結束材の顆粒24から構造ポリマー22を通って移動して生物活性成分の島26に接触し、島の中に含まれる生物活性剤を溶解して生物活性溶液28を形成し、移動を続けてERPM20の外面21へ放出され、生物活性溶液の外液層29を形成する。その上、以下に記載されるERPM例の1つを含む又はからなるウェアラブル装置において、ERPMの外面から離れた生物活性溶液の該外面への吸収、例としてウェアラブル装置を着用した対象の皮膚を通る経皮吸収に応答して、生物活性溶液28が、接触感受性な様式で表面へ放出される。その上、以下に記載するERPMの各例は、経皮吸収を通して、治療に有効な速度で、少なくとも3カ月の期間の間、生物活性溶液中に含まれる各生物活性剤を放出できるように調合される。
【0044】
[0045]実施例1-ポリオレフィンエラストマー系ジョイントヘルスERPM
【0045】
[0046]生物活性成分としてのグルコサミン、コンドロイチン硫酸、及びメチルスルホニルメタン(MSM)並びにESBOを含むキャリア液を含む「ジョイントヘルス」ERPMの一例を以下のように調合した。
【表1】
【0046】
[0047]キャリア液がヒュームドシリカ中に吸収されるまでESBO、ラベンダー精油(共にキャリア液を形成する)及びヒュームドシリカを混合し、キャリア注入顆粒を形成した。次いで1種以上のポリオレフィンの融点より高い温度下、配合押出機中で、キャリア注入顆粒をグルコサミン、コンドロイチン硫酸及びMSM(それぞれ粉末形態)、並びに構造ポリマー(ポリオレフィンエラストマー及びLDPE)と合わせて、ポリオレフィン構造ポリマー中に埋め込まれたグルコサミン、コンドロイチン硫酸及びMEMの島を含む「ジョイントサポート」ERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒をリストバンド形状の鋳型に射出成形して、リストバンド形状のウェアラブル装置を形成した。
【0047】
[0048]実施例2-ポリオレフィンエラストマー系コラーゲンERPM
【0048】
[0049]生物活性成分としてのコラーゲン、キャリア液としてのグリセロール、並びにLDPE及びポリオレフィンエラストマーを含む構造ポリマーを含むコラーゲンERPMの一例を以下のように調合した。
【表2】
【0049】
[0050]上記の実施例1に記載したものと同様に、キャリア液が液体結束顆粒中に吸収されるまでキャリア液(グリセロール)と液体結束顆粒(ヒュームドシリカ)を混合してキャリア注入顆粒を形成した。次いでキャリア注入顆粒を、構造ポリマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、生物活性成分(粉末形態のコラーゲン)及び構造ポリマー(ポリオレフィンエラストマー)を含めた残りの成分と合わせて、構造ポリマー中に埋め込まれたコラーゲンの島を含むコラーゲン埋め込みERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。
【0050】
[0051]実施例3-ポリオレフィンエラストマー系クルクミンERPM
【0051】
[0052]生物活性成分としてのクルクミン、キャリア液としてのグリセロール、並びにLDPE及びポリオレフィンエラストマーを含む構造ポリマーを含むクルクミンERPMの一例を以下のように調合した。
【表3】
【0052】
[0053]上記の他の実施例に記載したものと同様に、キャリア液が液体結束顆粒中に吸収されるまでキャリア液(グリセロール)と液体結束顆粒(ヒュームドシリカ)を混合してキャリア注入顆粒を形成した。次いでキャリア注入顆粒を、構造ポリマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、生物活性成分(粉末形態のクルクミン)及び構造ポリマー(ポリオレフィンエラストマー)を含めた残りの成分と合わせて、構造ポリマー中に埋め込まれたクルクミンの島を含むクルクミン埋め込みERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。
【0053】
[0054]クルクミン埋め込みERPMから放出される生物活性溶液は、クルクミン中に豊富に含まれることが知られるターメリックのグリセロールチンキ(グリセリン剤)に類似し、機能的に同等であることが理解されよう。また、粉状ターメリックの島を埋め込んだERPMの作製に同様の調合を適用することができることも理解されたい。また、生物活性成分として、グリセリン剤を作製するために典型的に使用されるさまざまなハーブ成分、例えば、これらに限定されないが、ゴボウ、カモミール、タンポポ、エキナセア、ニワトコの花、根生姜、ゴールデンシール、サンザシ、ヨモギ、イラクサ、チョウセンニンジン、又はカノコソウなどのうちの1種のハーブ成分又は複数の組み合わせを含むハーブERPMを作製するために同一又は同様の調合を用いることができることも理解されたい。
【0054】
[0055]ハーブERPM製剤は、ハーブ中に含まれる所望の生物活性剤を典型的に豊富に含む同じハーブの抽出物と比較して、生物活性成分がハーブの粉状植物である場合、より高い生物活性成分の相対含量を有すると理解されよう。
【0055】
[0056]一部の実施形態において、粉状ハーブ成分の島を埋め込んだERPMは、グリセロールの代わりに不揮発性油を含むキャリア液を利用しうる。島の中に含まれる少なくとも1種の生物活性成分は、油性チンキ剤を作製するために典型的に使用される粉末形態のハーブ(これらに限定されないが、ラベンダー、ローズマリー、根生姜、クルクミン、又はカノコソウなど)の1種又は混合物であってもよい。そのようなキャリア液としての不揮発性油及び生物活性成分としての粉状ハーブの島を含むERPMの調合の一例を以下に記載する。
【0056】
[0057]実施例4-粉状ラベンダーを含むポリオレフィンエラストマー系ERPM
【0057】
[0058]生物活性成分としての粉状ラベンダー、キャリアとしての不揮発性油、並びにLDPE及びポリオレフィンエラストマーを含む構造ポリマーを含む「ラベンダー」ERPMの一例を以下のように調合した。
【表4】
【0058】
[0059]上記の他の実施例に記載したものと同様に、キャリア液が液体結束顆粒中に吸収されるまでキャリア液(パラフィン油)と液体結束顆粒(ヒュームドシリカ)を混合してキャリア注入顆粒を形成した。次いでキャリア注入顆粒を、構造ポリマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、生物活性成分(粉状ラベンダー)及び構造ポリマー(ポリオレフィンエラストマー)を含めた残りの成分と合わせて、構造ポリマー中に埋め込まれた粉状ラベンダーの島を含むラベンダー埋め込みERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。
【0059】
[0060]実施例5-ポリオレフィンエラストマー系ビタミンB12ERPM
【0060】
[0061]ERPMは、ビタミン補填剤の延長投与のためのビヒクルとしても使用されうる。
【0061】
[0062]生物活性成分としてのビタミンB12、ESBOを含むキャリア液、並びにLDPE及びポリオレフィンエラストマーを含む構造ポリマーを含むERPMの一例を以下のように調合した。
【表5】
【0062】
[0063]上記の他の実施例に記載したものと同様に、キャリア液が液体結束顆粒中に吸収されるまでキャリア液(ESBO及びカモミール精油)と液体結束顆粒(ヒュームドシリカ)を混合してキャリア注入顆粒を形成した。次いでキャリア注入顆粒を、構造ポリマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、生物活性成分(粉末形態のビタミンB12)及び構造ポリマー(ポリオレフィンエラストマー)を含めた残りの成分と合わせて、構造ポリマー中に埋め込まれたB12の島を含むB12埋め込みERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。
【0063】
[0064]実施例6-TPU系コラーゲンERPM
【0064】
[0065]生物活性成分(及び生物活性剤)としてのコラーゲン及びキャリア液としてのグリセロールを含むコラーゲンERPMの別の例を以下のように調合した。
【表6】
【0065】
[0066]上記の他の実施例に記載したものと同様に、キャリア液が液体結束顆粒中に吸収されるまでキャリア液(グリセロール)と液体結束顆粒(ヒュームドシリカ)を混合してキャリア注入顆粒を形成した。次いでキャリア注入顆粒を、構造ポリマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、生物活性成分(粉末形態のコラーゲン)及び構造ポリマー(TPU)を含めた残りの成分と合わせて、構造ポリマー中に埋め込まれたコラーゲンの島を含むコラーゲン埋め込みERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。
【0066】
[0067]本開示はまた、表6に記載する調合と同一であり、上記に記載するように調合されたが、例外として構造ポリマーがTPUの代わりにSBSゴムである、コラーゲンERPM用のSBS系製剤も含む。
【0067】
[0068]実施例7-PVC系ジョイントヘルスERPM
【0068】
[0069]生物活性成分(及び生物活性剤)としてのグルコサミン、コンドロイチン硫酸、及びクルクミン、キャリア液としてのグリセロール、並びに構造ポリマーとしてのPVCを含む「ジョイントヘルス」ERPMの別の例を以下のように調合した。
【表7】
【0069】
[0070]上記の他の実施例に記載したものと同様に、キャリア液が液体結束顆粒中に吸収されるまでキャリア液(グリセロール)と液体結束顆粒(ヒュームドシリカ)を混合してキャリア注入顆粒を形成した。次いでキャリア注入顆粒を、構造ポリマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、生物活性成分(それぞれ粉末形態のグルコサミン、コンドロイチン硫酸、及びクルクミン)並びに構造ポリマー(PVC)を含めた残りの成分と合わせて、構造ポリマー中に埋め込まれたグルコサミン、コンドロイチン硫酸、及びクルクミンの島を含むジョイントヘルスERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。
【0070】
[0071]実施例8-TPU系沈静化ERPM
【0071】
[0072]弛緩性誘発生物活性成分、キャリア液としてのグリセロール、及びTPUを含む構造ポリマーを含む「沈静化」ERPMの一例を以下のように調合した。
【表8】
【0072】
[0073]上記の他の実施例に記載したものと同様に、キャリア液が液体結束顆粒中に吸収されるまでキャリア液(グリセロール)と液体結束顆粒(ヒュームドシリカ)を混合してキャリア注入顆粒を形成した。次いでキャリア注入顆粒を、構造ポリマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、生物活性成分(それぞれ粉末形態の5-ヒドロキシトリプトファン、サフラン抽出物、及びオトギリソウ抽出物)並びに構造ポリマー(TPU)を含めた残りの成分と合わせて、構造ポリマー中に埋め込まれた5-ヒドロキシトリプトファン、サフラン抽出物、及びオトギリソウ抽出物の島を含む「沈静化」ERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。
【0073】
[0074]本開示はまた、表6に記載する調合と同一であり、上記に記載するように調合されたが、例外として構造ポリマーがTPUの代わりにSBSゴムである、コラーゲンERPM用のSBS系製剤も含む。
【0074】
[0075]実施例9-熱可塑性エラストマー系沈静化ERPM
【0075】
[0076]弛緩性誘発生物活性成分、キャリア液としてのグリセロール、並びにLDPE及びポリオレフィンエラストマーを含む構造ポリマーを含む「沈静化」ERPMの別の例を以下のように調合した。
【表9】
【0076】
[0077]上記の他の実施例に記載したものと同様に、キャリア液が液体結束顆粒中に吸収されるまでキャリア液(グリセロール)と液体結束顆粒(ヒュームドシリカ)を混合してキャリア注入顆粒を形成した。次いでキャリア注入顆粒を、構造ポリマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、生物活性成分(それぞれ粉末形態の5-ヒドロキシトリプトファン、サフラン抽出物、及びオトギリソウ抽出物)並びに構造ポリマー(LDPEとDow製のエンゲージ(商標)ポリオレフィンとの組み合わせ)を含めた残りの成分と合わせて、構造ポリマー中に埋め込まれた5-ヒドロキシトリプトファン、サフラン抽出物、及びオトギリソウ抽出物の島を含む「沈静化」ERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。
【0077】
[0078]実施例10-TPU系エネルギーERPM
【0078】
[0079]キャリア液としてのグリセロール及びTPUを含む構造ポリマーを含む「エネルギー」ERPMの一例を以下のように調合した。
【表10】
【0079】
[0080]上記の他の実施例に記載したものと同様に、キャリア液が液体結束顆粒中に吸収されるまでキャリア液(グリセロール)と液体結束顆粒(ヒュームドシリカ)を混合してキャリア注入顆粒を形成した。次いでキャリア注入顆粒を、構造ポリマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、生物活性成分(それぞれ粉末形態のL-アルギニン及びL-シトルリン)並びに構造ポリマー(TPU)を含めた残りの成分と合わせて、構造ポリマー中に埋め込まれたL-アルギニン及びL-シトルリンの島を含む「エネルギー」ERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。
【0080】
[0081]本開示はまた、表6に記載する調合と同一であり、上記に記載するように調合されたが、例外として構造ポリマーがTPUの代わりにSBSゴムである、エネルギーERPM用のSBS系製剤も含む。
【0081】
[0082]実施例11-ポリオレフィンエラストマー系エネルギーERPM
【0082】
[0083]キャリア液としてのグリセロール並びにLDPE及びポリオレフィンエラストマーを含む構造ポリマーを含む「エネルギー」ERPMの別の例を以下のように調合した。
【表11】
【0083】
[0084]上記の他の実施例に記載したものと同様に、キャリア液が液体結束顆粒中に吸収されるまでキャリア液(グリセロール)と液体結束顆粒(ヒュームドシリカ)を混合してキャリア注入顆粒を形成した。次いでキャリア注入顆粒を、構造ポリマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、生物活性成分(それぞれ粉末形態のL-アルギニン及びL-シトルリン)並びに構造ポリマー(LDPEとDow製のエンゲージ(商標)ポリオレフィンとの組み合わせ)を含めた残りの成分と合わせて、構造ポリマー中に埋め込まれたL-アルギニン及びL-シトルリンの島を含む「エネルギー」ERPMを形成した。次いでERPMを粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。
【0084】
[0085]実施例12-ポリオレフィンエラストマー系ジョイントヘルスERPM
【0085】
[0086]生物活性成分としてのグルコサミン、コンドロイチン硫酸、及びメチルスルホニルメタン(MSM)、キャリア液としてのグリセロール、並びにポリオレフィンエラストマーを含む構造ポリマーを含むジョイントヘルスERPMの別の例を以下のように調合した。
【表12】
【0086】
[0087]グリセロールがヒュームドシリカ中に吸収されるまでヒュームドシリカと第1の体積のグリセロールとを混合してキャリア注入顆粒を形成した。MSMを、50℃~60℃の温度下、約2:1(MSM:グリセロール)の重量比で第2の体積のグリセロール中に溶解してMSM-グリセロール溶液を形成した。キャリア注入顆粒及びMSM-グリセロール溶液を、ポリオレフィンエラストマーと共に、ポリオレフィンエラストマーの融点より高い温度下、配合押出機中で、それぞれ粉末形態のグルコサミン及びコンドロイチン硫酸を含めた残りの成分と合わせて、「ジョイントサポート」ERPMを形成した。ERPMを冷却し、次いで粒状化してERPM顆粒を形成した。次いでERPM顆粒を射出成形して、リストバンド、ネックレス、又はカラーなどのウェアラブル形状を形成した。ERPMが室温に戻ったら、先にグリセロール中に溶解したほとんどのMSMは、構造ポリマーマトリックス中の析出物として固体形態に戻る。そのようなものとして、ジョイントサポートERPMリストバンドは、ポリマーマトリックス中に埋め込まれたグルコサミン、コンドロイチン硫酸及びMSMの島を含む。
【0087】
[0088]ポリオレフィンエラストマーを含む上記の実施例(実施例1~5、9、11及び12など)において、各表で提示した製剤は、ダウエンゲージ(商標)8407、すなわちポリオレフィンエラストマーとしてのエチレン-オクテンエラストマーを使用した。しかしながら、ダウエンゲージ(商標)8137(別のエチレン-オクテンエラストマー)、並びにダウエンゲージ(商標)11527(エチレン-ブテンエラストマー)、及びサビックフォーティファイ(商標)300700Dを含めた、他のポリオレフィンエラストマーも、代替の製剤中に使用された又は代替の製剤用に企図された。エチレン-ブテン、エチレン-ヘキセン、及びエチレン-オクテンエラストマーを含めた、他の適当なポリオレフィンエラストマーを、弾性及び融点などの所望の物理的性質を達成するために本明細書中で提供されるガイダンスに基づいて選択することができる。加えて、ポリオレフィンエラストマーと比較したときのコスト及び入手しやすさの理由から、主にLDPEをポリオレフィンエラストマーと組み合わせて使用した。ポリオレフィンエラストマーを主に又は唯一使用し、若干のLDPEを使用する又は全く使用しない実施例1~5、9、11及び12の代替の調合も、上記の徐放性を持つERPM20を提供すると考えられることが推定される。
【0088】
[0089]実施例13:実施例1、7又は12のうちの1つに記載のジョイントサポートERPMカラーによる骨関節炎と診断されたイヌの治療
【0089】
[0090]有効性試験を20匹の動物(イヌ)で実施する。120日間にわたって、10匹の実験動物に、実施例12に上述した調合で製造したジョイントサポートERPM(JS-ERPM)カラーを着用させ、10匹の対照動物にプラセボカラーを着用させた。実験に参加する全ての動物(実験動物及び対照動物)は、先に骨関節炎と診断されたことに基づいて選択される。試験0日目(カラーを適用する1日前)、30日目、60日目、90日目及び120日目に、各試験群の各動物は、以下の検査:問題のある領域内の超音波検査;骨関節炎を有する対象の状態(関節の痛み、硬直、及び身体機能を含む)を評価するために使用される、イヌに適合したWOMAC(Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index)スコア検査;関節可動性、跛行、触診上での痛み、臨床兆候に対する通常の獣医学的観察;並びに血中のカルシウム/リン(Ca/P)比の測定を経る。
【0090】
[0091]JS-ERPMカラーを着用した実験動物は、超音波、WOMACスコア、通常の獣医学的観察及びCa/P比によって示されるように、30日目に実施した第1のカラー着用後の検査から開始した骨関節炎の症状からの実質的な緩和を示すことが判明している。実験群の骨関節炎の緩和は、120日間の試験期間の全体を通して持続し、JS-ERPMカラーが、120日間の試験期間を超えて骨関節炎の症状の緩和を持続させることを示す。JS-ERPMカラーで治療された実験動物はいずれも有害反応を示さない。それに反して、対照動物では、120日間の試験期間の全体を通して骨関節炎の症状に変化が見られない状態が続く。
【0091】
[0092]実施例14:実施例1、7又は12のうちの1つに記載するジョイントサポートERPMカラーによる骨関節炎と診断されたネコの治療
【0092】
[0093]有効性試験を20匹の動物(ネコ)で実施する。120日間にわたって、10匹の実験動物に、実施例12に上述した調合で製造したジョイントサポートERPM(JS-ERPM)カラーを着用させ、10匹の対照動物にプラセボカラーを着用させた。実験に参加する全ての動物(実験動物及び対照動物)は、先に骨関節炎と診断されたことに基づいて選択される。試験0日目(カラーを適用する1日前)、30日目、60日目、90日目及び120日目に、各試験群の各動物は、以下の検査:問題のある領域内の超音波検査;骨関節炎を有する対象の状態(関節の痛み、硬直、及び身体機能を含む)を評価するために使用される、ネコに適合したWOMAC(Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index)スコア検査;関節可動性、跛行、触診上での痛み、臨床兆候に対する通常の獣医学的観察;並びに血中のカルシウム/リン(Ca/P)比の測定を経る。
【0093】
[0094]JS-ERPMカラーを着用した実験動物は、超音波、WOMACスコア、通常の獣医学的観察及びCa/P比によって示されるように、30日目に実施した第1のカラー着用後の検査から開始した骨関節炎の症状からの実質的な緩和を示すことが判明している。実験群の骨関節炎の緩和は、120日間の試験期間の全体を通して持続し、JS-ERPMカラーが、120日間の試験期間を超えて骨関節炎の症状の緩和を持続させることを示す。JS-ERPMカラーで治療された実験動物はいずれも有害反応を示さない。それに反して、対照動物では、120日間の試験期間の全体を通して骨関節炎の症状に変化が見られない状態が続く。
【0094】
[0095]したがって、生物活性剤の徐放のためのプラスチック材料であって、構造ポリマー;固体の島として構造ポリマー中に埋め込まれた少なくとも1種の生物活性成分;顆粒として構造ポリマー中に埋め込まれた液体結束材;及び液体吸収材中に吸収されたキャリア液を含むプラスチック材料を提供する。
【0095】
[0096]本開示の実施形態において、キャリア液は、構造ポリマーと十分に非相溶性であり、したがって少なくとも一部のキャリア液は、ある期間にわたって、液体吸収材から構造ポリマーを通ってプラスチック材料の外面へ放出される。任意選択により、その期間は、少なくとも1週間、少なくとも1カ月、又は少なくとも3カ月である。
【0096】
[0097]本開示の実施形態において、少なくとも1種の生物活性成分中に含まれる生物活性剤は、室温又は体温でキャリア液中に十分に可溶性であり、したがって外面へ放出されるキャリア液は、溶液中に生物活性剤を含む。
【0097】
[0098]本開示の実施形態において、構造ポリマーはポリオレフィンを含む。本開示の実施形態において、構造ポリマーは、ポリオレフィンエラストマー、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、及び合成ゴムからなる群からの1つの選択物又は2つ以上の選択物の組み合わせを含む。任意選択により、ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなる群からの1つの選択物又は2つ以上の選択物の組み合わせを含む。任意選択により、構造ポリマーは、疎水性であるように調合されている。
【0098】
[0099]本開示の実施形態において、液体結束材は、シリカゲル、ヒュームドシリカ、珪藻土、カーボンブラック、及び活性炭からなる群から選択される。
【0099】
[0100]本開示の実施形態において、液体結束材は多孔質ポリマーを含む。任意選択により、多孔質ポリマーの融点は、構造ポリマーの融点より高い。
【0100】
[0101]本開示の実施形態において、キャリア液は不揮発性油を含む。任意選択により、不揮発性油は、パラフィン油又は植物性の油である。
【0101】
[0102]本開示の実施形態において、液体は、塩素化パラフィン、トリアセチン、ナフテン炭化水素、脂肪族炭化水素、テレフタル酸ジオクチル(DOTP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、及びエポキシ化トリグリセリドからなる群からの1つの選択物又は2つ以上の選択物の組み合わせを含む。
【0102】
[0103]本開示の実施形態において、キャリア液はグリセロールを含む。
【0103】
[0104]本開示の実施形態において、少なくとも1種の生物活性成分の固体の島は、精製された形態の生物活性剤からなる。
【0104】
[0105]本開示の実施形態において、少なくとも1種の生物活性成分の固体の島は、生物活性剤とキャリア液に不溶性の物質との混合物である天然産物を含む。任意選択により、少なくとも1種の生物活性成分の固体の島は、粉状植物を含む。
【0105】
[0106]本開示の実施形態において、少なくとも1種の生物活性成分の固体の島は、植物から調製された抽出物を含む。
【0106】
[0107]考察において、別段の指定がない限り、本開示の実施形態の1つ以上の特徴の条件又は関係の特性を修飾する「実質的に」及び「約」などの形容詞は、条件又は特性が、実施形態が目的とする適用のための実施形態の操作に許容される許容範囲内に含まれるように定義されることを意味することを理解されたい。本開示の一般用語が参照により例又は例の一覧に例示される場合は必ず、参照される1つ以上の例は、一般用語の非限定例によるものであり、一般用語は、参照される特定の例に限定されることを意図しない。別段の指定がない限り、本明細書及び特許請求の範囲における「又は」という単語は、排他的でなく包含的な「又は」であると考えられ、等位結合された項目のうちの少なくとも1つの項目又は複数の項目の任意の組み合わせを示す。
【0107】
[0108]本出願の明細書及び特許請求の範囲において、「含む(comprise)」、「含む(include)」及び「有する(have)」の各動詞、並びにそれらの語形変化は、動詞の1つ又は複数の目的語が必ずしも、動詞の1つ又は複数の主題の構成要素、要素又は部分の完全なリストではないことを示すために用いられる。
【0108】
[0109]本出願中で開示される実施形態の説明は、例示目的で提供されるものであり、本開示の範囲を制限することは意図しない。記載される実施形態は、種々の特徴を含み、これらの全てが全実施形態に必要とされるものではない。一部の実施形態は、一部の特徴のみ又は特徴の可能な組み合わせのみを利用する。記載される本開示の実施形態の変形体、及び記載される実施形態中に注記される特徴の種々の組み合わせを含む実施形態は、当業者であれば認識されるものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
図1
図2