(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】シャローエッチングプロセスチャンバ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241220BHJP
【FI】
H01L21/302 101E
(21)【出願番号】P 2023192496
(22)【出願日】2023-11-10
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】519433126
【氏名又は名称】ヴイエム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、サン ウ
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ウ ヒョン
【審査官】原島 啓一
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-542000(JP,A)
【文献】特開2013-232670(JP,A)
【文献】米国特許第06444039(US,B1)
【文献】特開2001-135622(JP,A)
【文献】特表2009-536461(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0130648(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/302
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/461
H01L 21/469
H01L 21/67-21/683
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ空間11の内部に配されたサセプタと、
サセプタの両側に形成されたリフトリング13と、
リフトリング13の昇降のための移動手段と、を含み、
リフトリング13の昇降によってウェーハ(W)がサセプタの上側で昇降自在であ
り、
チャンバ空間11の上部に配された内部シャワーヘッド17a及び外部シャワーヘッド17bをさらに含み、内部シャワーヘッド17aにシャワーヘッドヒーター171が配され、
内部シャワーヘッド17a及び外部シャワーヘッド17bの間に配されるバッフル18をさらに含む
ことを特徴とするシャローエッチングプロセスチャンバ。
【請求項2】
上昇するリフトリング13は、バッフル18に接触される
請求項1に記載のシャローエッチングプロセスチャンバ。
【請求項3】
上昇したリフトリング13によって内部シャワーヘッド17aとウェーハ(W)との間に工程空間が形成される
請求項1に記載のシャローエッチングプロセスチャンバ。
【請求項4】
リフトリング13の内部に配されるリングヒーター131をさらに含む
請求項1に記載のシャローエッチングプロセスチャンバ。
【請求項5】
移動手段は、線形ギア14a、14b及び線形ギア14a、14bに沿って移動可能なリフト軸15a、15bを含む
請求項1に記載のシャローエッチングプロセスチャンバ。
【請求項6】
内部シャワーヘッド17a及び内部シャワーヘッド17aの上側部分を取り囲むように昇降自在な移動ガス壁42をさらに含む
請求項1に記載のシャローエッチングプロセスチャンバ。
【請求項7】
バッフル18に流動経路が形成される
請求項1に記載のシャローエッチングプロセスチャンバ。
【請求項8】
リフトリング13は、バッフル18の底面に接するか、バッフル18の底面の一部に接するか、バッフル18の底面と内側面とに接する
請求項2に記載のシャローエッチングプロセスチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャローエッチングプロセスチャンバに係り、具体的に、エッチング工程過程でエッチング工程空間の調節が可能なシャローエッチングプロセスチャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程が微細化され、3D構造に立体化されながら、一部のエッチング工程で薄い酸化膜質を除去するか、非常に高い縱横比で薄い膜質を除去する技術が要求されている。また、相対的に広いパターンと狭いパターンとのエッチング量の差であるローディングエフェクトを最小化にするために、原子層レベルで徐々にローディングエフェクトなしに繰り返してエッチングする技術が開発されている。このような高縦横比の原子層エッチング技術としてALE(Atomic Layer Etching)、ALR(Atomic Layer Removal)または乾式クリーニング(Dry Cleaning)のような技術が開発過程にある。このようなシャローエッチング(shallow etching)工程の共通点は、80℃以下の低温で自己制限変形(Self Limited Modification)反応による吸着段階と、120℃以上の高温で変形(Modification)された原子層レベルの薄い膜質を除去する除去段階と、を含む。公知のシャローエッチングのための装備は、吸着段階と除去段階とをいずれも熱工程(Thermal Process)に進行し、このような装備は、工程時間が多く必要となって生産性に限界があるという短所を有する。また、プラズマエネルギーで吸着段階を進行し、熱エネルギーで除去段階を進行する装備が開発されて、低温と高温とを段階的に変化させる試みがさまざまな方法で試みられている。ALEと関連して、特許文献1は、半導体基板をプロセッシングするための方法及び装置について開示する。また、特許文献2は、マイクロ電子ワークピース上にパターン化された構造体の形成を含むマイクロ電子ワークピースの製造方法について開示する。しかし、先行技術は、高効率と生産性とを同時に満足させることができるALEまたは乾式クリーニング技術について開示しない。
【0003】
本発明は、先行技術の問題点を解決するためのものであって、下記のような目的を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】大韓民国特許公開番号10-2017-0124087(ラムリサーチコーポレーション、2017.11.09.公開)ALE及び選択的蒸着を使用して基板のエッチング
【文献】大韓民国特許公開番号10-2020-0116273(東京エレクトロン株式会社、2020.10.07.公開)タングステンまたは他の金属層の原子層エッチング
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、プラズマエネルギーを使用する低温の吸着段階を高効率と生産性とを同時に満足させながら進行しうるシャローエッチングプロセスチャンバを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の適切な実施形態によれば、シャローエッチングプロセスチャンバは、チャンバ空間の内部に配されたサセプタ(susceptor);サセプタの両側に形成されたリフトリング;及びリフトリングの昇降のための移動手段;を含み、リフトリングの昇降によってウェーハがサセプタの上側で昇降自在である。
【0007】
本発明の他の適切な実施形態によれば、チャンバ空間11の上部に配された内部シャワーヘッド及び外部シャワーヘッドをさらに含み、内部シャワーヘッドにシャワーヘッドヒーターが配される。
【0008】
本発明の他の適切な実施形態によれば、内部シャワーヘッド及び外部シャワーヘッドの間に配されるバッフルをさらに含む。
【0009】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、上昇するリフトリングは、バッフルに接触される。
【0010】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、上昇したリフトリングによって内部シャワーヘッドとウェーハとの間に工程空間が形成される。
【0011】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、リフトリングの内部に配されるリングヒーターをさらに含む。
【0012】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、移動手段は、線形ギア及び線形ギアに沿って移動可能なリフト軸を含む。
【0013】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、内部シャワーヘッド及び内部シャワーヘッドの上側部分を取り囲むように昇降自在な移動ガス壁をさらに含む。
【0014】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、バッフルに流動経路が形成される。
【0015】
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、リフトリングは、バッフルの底面に接するか、バッフルの底面の一部に接するか、バッフルの底面と内側面とに接する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるシャローエッチングプロセスチャンバは、プラズマエネルギーを使用するウェーハ温度基準低温の吸着段階と高温の除去段階とが1つのチャンバで進行しながらウェーハの温度を迅速に変化させて吸着段階の進行を効率的に進行させる。これにより、生産性を向上させながら、高縦横比の薄い膜質を除去する工程効率性を向上させる。本発明によるシャローエッチングプロセスチャンバは、ALE工程を含めた多様な微細工程に適用され、これにより、本発明は制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明によるシャローエッチングプロセスチャンバの実施形態を示した図面である。
【
図2】本発明によるプロセスチャンバの作動構造の実施形態を示した図面である。
【
図3】本発明によるプロセスチャンバでバッフルとリフトリングとの相互位置関係の実施形態を示した図面である。
【
図4】本発明によるシャローエッチングプロセスチャンバの他の実施形態を示した図面である。
【
図5】本発明によるエッチングプロセスチャンバでALE工程が遂行される過程の実施形態を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明は、添付図面に提示された実施形態を参照して詳細に説明されるが、実施形態は、本発明の明確な理解のためのものであって、本発明は、これに制限されるものではない。下記の説明で、互いに異なる図面で同じ図面符号を有する構成要素は、類似した機能を有するので、発明の理解のために、不要であれば、反復説明はせず、公知の構成要素は、簡略に説明されるか、省略されるが、本発明の実施形態から除外されるものと理解されない。
【0019】
図1は、本発明によるシャローエッチングプロセスチャンバの実施形態を図示したものである。
【0020】
図1を参照すれば、シャローエッチングプロセスチャンバは、チャンバ空間11の内部に配されたサセプタ;サセプタの両側に形成されたリフトリング13;及びリフトリング13の昇降のための移動手段;を含み、リフトリング13の昇降によってウェーハ(W)がサセプタの上側で昇降自在である。
【0021】
チャンバ空間11は、底面及び周囲壁によって外部と分離され、チャンバ空間11の上側に蓋(C)が結合されうる。チャンバ空間11は、真空状態に作られ、チャンバ空間11にプラズマが発生するか、発生したプラズマが流入される。チャンバ空間11は、半導体工程またはエッチング工程が遂行される多様な構造を有しうる。チャンバ空間11にベースブロック(B)が形成され、ベースブロック(B)の上側部分にサセプタが配されてウェーハ(W)を固定することができる。サセプタは、ウェーハ(W)を固定する多様な手段になり、ヒーターまたは冷却水流動経路を含みうる。サセプタは、例えば、静電チャック12を含み、下記で静電チャックを実施形態を提示して説明されるが、サセプタは、これに制限されるものではない。ベースブロック(B)の上側に静電チャック12が配され、静電チャック12の内部にヒーター121が配され、エッチング工程のためのウェーハ(W)が静電チャック12の上面に固定される。そして、静電チャック12の周り面にリフトリング13が配されて静電チャック12の上面に固定されるウェーハ(W)を固定させながらプラズマ密度を均一に保持し、ウェーハ(W)の汚染を防止することができる。リフトリング13は、エッジリングと同一または類似した機能をもすることができ、エッジリングがリフトリング13にもなる。リフトリング13の内部にヒーター131が配されてリフトリング13の温度が調節される。リフトリング13は、ウェーハ(W)の周り部分を支えることができ、リフトリング13の互いに対向する両側部分が移動手段によって上下に移動することができる。ウェーハ(W)を支えるリフトリング13が上側に移動しながら、これと共に、ウェーハ(W)が上側に移動することができる。このように、リフトリング13は、ウェーハ(W)を上側または下側の方向に移動させる機能を行える。移動手段は、線形ギア14a、14b及び線形ギア14a、14bに沿って移動可能なリフト軸15a、15bを含む。第1、2線形ギア14a、14bがチャンバ空間の底面から上側の方向に垂直方向に延び、第1、2線形ギア14a、14bの一面に第1、2線形ギア14a、14bの延長方向に沿って噛み合い歯が形成されうる。このような第1、2線形ギア14a、14bのそれぞれにリフト軸15a、15bが昇降可能に結合されうる。それぞれのリフト軸15a、15bの上側端部は、リフトリング13の互いに対向する部分の下側に結合され、第1、2モータ(M1、M2)の駆動によって、それぞれのリフト軸15a、15bがそれぞれの線形ギア14a、14bに沿って上下に移動しながら、リフトリング13を上下に移動させることができる。例えば、リフト軸15a、15bの線形ギア14a、14bに噛み合うピニオンギアを含みうる。線形ギア14a、14bに対するリフト軸15a、15bの昇降は、多様な方法で行われ、これにより、本発明は制限されるものではない。静電チャック12に配されたヒーター121またはリフトリング13に配されたヒーター131に温度調節のための電力が供給され、第1、2及び3電力供給手段(P1、P2、P3)から第1、2及び3ケーブル16a、16b、16cを通じて静電チャックヒーター121及びリフトリングヒーター131に電力が供給されて、静電チャック12またはリフトリング13の温度が調節される。例えば、静電チャック12は、20~80℃の範囲の温度に調節され、リフトリング13は、150~300℃の範囲の温度に調節される。リフトリング13の内部に配されたヒーター131の互いに対向する両側部分に電力が供給されて、リフトリング13の温度が調節される。リフトリング13の内部にヒーター131は多様な方法で形成され、例えば、リフトリング13の内部に全体として円状のヒーター131が配されるか、両側部分にヒーター131が配され、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0022】
チャンバ空間11の上面に蓋(C)が結合され、蓋(C)の中央部分に遠隔プラズマソース(RPS)からプラズマをチャンバ空間の内部に誘導する流入経路(P)が形成されうる。また、蓋(C)の下側に内部シャワーヘッド17aが配され、内部シャワーヘッド17aの周りの外側に外部シャワーヘッド17bが配置される。内部シャワーヘッド17aまたは外部シャワーヘッド17bは、アルミニウムのような素材で作られるが、これに制限されるものではない。内部シャワーヘッド17aは、円板または多角板状になりながら、平面板状になり、プラズマまたはガスの流入のために、内部シャワーヘッド17aの全体に上側から下側の方向に貫通する形態に貫通ホールが形成されうる。また、内部シャワーヘッド17aの内部にヒーター171が配されて電力供給手段(P4)からケーブル19を通じて電力が供給されて、内部シャワーヘッド17aが300~400℃の範囲に温度が調節される。内部シャワーヘッド17aの縁部は、下側に傾いた形状になり、内部シャワーヘッド17aの外側に外部シャワーヘッド17bが配置される。外部シャワーヘッド17bは、内部シャワーヘッド17aの縁部が傾斜が延びる形態に外側に傾いた形状になりうる。外部シャワーヘッド17bに内部シャワーヘッド17aと同様に、プラズマまたはガスをチャンバ空間11に誘導する多数個の貫通ホールが均一に形成されうる。内部シャワーヘッド17aと外部シャワーヘッド17bとの間にバッフル18が配され、バッフル18に水平方向またはこれと類似した方向に少なくとも1つのスリットまたは貫通ホールが形成されうる。バッフル18は、例えば、水晶(quartz)またはこれと類似した素材で作られるが、これに制限されるものではない。バッフル18は、傾いた外側面を含み、傾いた外側面は、内部シャワーヘッド17aの縁部の傾斜面及び外部シャワーヘッド17bの傾斜面と連結される。バッフル18は、内部シャワーヘッド17aと外部シャワーヘッド17bとの間に熱伝達を遮断しながら、ラジカル(radical)による攻撃(attack)を防止することができる多様な構造で作られ、これにより、本発明は制限されるものではない。このような構造を有したエッチングプロセスチャンバで効率的にエッチング工程が遂行される過程について後述される。
【0023】
図2は、本発明によるプロセスチャンバの作動構造の実施形態を図示したものである。
【0024】
図2を参照すれば、エッチング工程過程のうち、吸着工程は、(A)に示されたように、ウェーハ(W)が真空チャック12の上側に位置した状態で進行し、除去工程は、(B)に示されたように、ウェーハ(W)が上側に移動した状態で進行しうる。遠隔プラズマソース(RPS)が流入経路(P)を通じてチャンバ空間11の内部に流入され、チャンバ空間11の内部にNH
3、NF
3またはArが存在して流入されたプラズマによって吸着工程(modification step)のためのイオンまたはラジカルが作られる。ウェーハ(W)の静電チャック12の上側に固定される。具体的に、ウェーハ(W)は、サセプタに固定され、サセプタは、アルミニウム素材で作られながらヒーター(heater)またはクーラー(cooler)を含む。静電チャック12の上側に形成された内部シャワーヘッド17aは、形成されたイオンとラジカルとをサセプタに固定されたウェーハ(W)の上側に均一に流動させる機能を有しうる。内部シャワーヘッド17aの温度は、電力供給手段からケーブル19を通じてヒーター171に供給される電力によって300~400℃の温度に保持される。外部シャワーヘッド17bは、内部シャワーヘッド17aの側面とチャンバ空間11の周囲壁との間の工程均一性(uniformity)を制御する機能を有しうる。バッフル18に水平方向に沿って形成されたスリットまたは貫通ホールを通じて内部シャワーヘッド17aまたは外部シャワーヘッド17bの側面方向にガスが流動しうる。バッフル18は、内部シャワーヘッド17aから外部シャワーヘッド17bへの熱の伝達を遮断する機能を有することができ、ラジカルによる攻撃予防のために、水晶またはこれと類似した素材で作られる。また、内部シャワーヘッド17a、外部シャワーヘッド17b、チャンバ空間11の周囲壁または蓋(C)は、アルミニウムまたはこれと類似した素材で作られる。また、ウェーハサセプタは、アルミニウムまたはこれと類似した素材で作られ、電力供給手段によってヒーター121にケーブルを通じて供給される電力によって、または冷却手段によって、20~80℃の温度に保持される。リフトリング13は、アルミニウムまたは水晶素材で作られたリング状になり、前述したように、内部にヒーター131が配置される。そして、ヒーター131に電力供給手段からケーブル16b、16cを通じて電力が供給されて、リフトリング13が150~300℃の温度に保持される。このような状態で500~3000W電力の遠隔プラズマソース(RPS)からプラズマが供給されながら、NH
3、NF
3及びArが存在する状態で吸着工程が遂行される。チャンバ空間11の内部は、内部シャワーヘッド17aの領域が約400℃、外部シャワーヘッド17bの領域が約150℃、ウェーハ(W)に隣接する領域が約200℃、ウェーハ(W)の下側領域が約100℃、そして、サセプタの領域が約50℃になりうる。このような工程条件で吸着段階が完了すれば、線形ギア14a、14b、リフト軸15a、15bまたはモータ(M1、M2)を含む移動手段によって、リフトピン13が上側に移動することができる。リフトピン13は、ウェーハ(W)の円周から約2mmになる地点まで接触され、リフトリング13が上昇してバッフル18と接触される。これにより、内部シャワーヘッド17a、バッフル18、リフトリング13及びウェーハ(W)によって除去工程(removal step)が遂行される狭小なサイズを有する除去工程空間が作られる。このような状態で遠隔プラズマソース(RPS)からプラズマの流入が遮断され、
図2の(B)に示されたように、除去工程空間に存在するArによってウェーハ(W)に形成された薄い膜質が除去される。除去工程空間に除去工程のために必要なArは、内部シャワーヘッド17aに形成された貫通ホールを通じて除去工程空間の内部に流入される。以後、除去工程が完了した以後、残存するArは、バッフル18に形成された貫通ホールまたはスロットを通じて外部に排出される。高温の内部シャワーヘッド17aの設定温度、ウェーハ(W)と内部シャワーヘッド17aとの間の距離調節またはウェーハ(W)の温度が適切に調節される。また、内部シャワーヘッド17aとウェーハ(W)との間の距離、バッフル18のガス流動容量(Gas Flow Capacity)、ガス流量が除去工程空間で制御され、これにより、除去工程空間の内部圧力が制御される。内部シャワーヘッド17a、リフトリング13は、除去工程空間の形成、温度制御または圧力制御に必要な多様な構造を有することができ、例えば、ガスの流動を制限しながらガス流動及び圧力の制御のための多様な構造を有しうる。また、後述するように、除去工程空間のガス流量及び圧力を制御して工程均一性を向上させるために、内部シャワーヘッド17aの上側に移動ガス壁が配置される。内部シャワーヘッド17a、リフトリング13またはバッフル18は、除去工程空間内部の温度、圧力、空間のサイズまたはガス流動の制御が可能な多様な構造を有することができ、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0025】
図3は、本発明によるプロセスチャンバでバッフルとリフトリングとの相互位置関係の実施形態を図示したものである。
【0026】
図3を参照すれば、リフトリング13は、バッフル18の底面に接するか、バッフル18の底面の一部に接するか、バッフル18の底面と内側面とに接する。モータ(M1、M2)の駆動によって線形ギア14a、14b及びリフト軸15a、15bが作動してリフトリング13が上側に移動してバッフル18に接触される。
図3の(B)を参照すれば、リフトリング13は、全体としてリング状になりながら内側部分が平面になりながら外側に上側の方向に傾いた以後、再び平面状になりうる。また、バッフル18は、上側面が平面状が延びた以後、下側の方向に傾いた形状になりうる。そして、バッフル18の下面は、平面状になりうる。このようなリフトリング13及びバッフル18の構造でバッフル18の底面にリフトリング13の外側平面が接することができ、これにより、除去工程空間の側面が密閉されながらバッフル18に形成された貫通ホールを通じてArのようなガスが流動しうる。
【0027】
図3の(B)を参照すれば、バッフル18は、内部シャワーヘッド17aの内側方向に相対的に大きな長さに延び、リフトリング13の外側平面は、バッフル18の底面の一部と接触することができる。そして、リフトリング13の内側平面とバッフル18の接触されていない平面との間にギャップが形成されうる。
【0028】
図3の(C)を参照すれば、リフトリング13の内側の平面、外側に延びる傾斜面、中間平面及び中間平面の下側に形成された階段平面からなりうる。内側の平面にウェーハ(W)の縁部の部分が接することができ、例えば、内側の平面は、2.0~3.0mmの長さを有しうる。バッフル18は、内側の垂直面及び底面を含み、垂直面に中間平面と階段平面とによって形成される垂直境界面が接触される。そして、階段平面にバッフル18の底面が接触される。このような接触構造でリフトリング13にバッフル18の貫通ホールと連結される誘導ホールが形成されうる。このように、リフトリング13またはバッフル18は、互いに接触されて除去工程空間の側面を密閉させることができる多様な構造を有することができ、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0029】
図4は、本発明によるシャローエッチングプロセスチャンバの他の実施形態を図示したものである。
【0030】
図4を参照すれば、エッチングプロセスチャンバは、内部シャワーヘッド17aの上側部分を取り囲むように昇降自在な移動ガス壁42をさらに含む。
図4の(A)に示されたように、吸着工程段階で移動ガス壁42は、チャンバの蓋(C)の上側に位置しうる。移動ガス壁42は、内部シャワーヘッド17aを取り囲む中空のシリンダー状または中空の多面体状になりうる。移動ガス壁42の移動のためのギアユニット41a、41bが移動ガス壁42の互いに対向する位置に配され、(B)に示されたように、モータ(M3)の作動によって、ギアユニット41a、41bに沿ってガス移動壁42が下側に移動することができる。そして、ガス移動壁42は、内部シャワーヘッド17aの上側部分を取り囲むように位置しうる。これにより、内部シャワーヘッド17aに形成された貫通ホールを通じて除去工程空間へのガスの流入が制限または調節される。ガス移動壁42の内部シャワーヘッド17aの形状によって、それに適した構造を有することができ、多様な方法で上下に移動し、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0031】
図5は、本発明によるエッチングプロセスチャンバでALE工程が遂行される過程の実施形態を図示したものである。
【0032】
図5を参照すれば、エッチングプロセスチャンバでALE工程が遂行される過程は、静電チャックのサセプタにウェーハが配されて固定される段階(P51);エッチングプロセスチャンバ内部の温度が制御され、プラズマがチャンバ内部に誘導されて吸着工程段階または自己制限変形工程が遂行される段階(P62);吸着工程が完了すれば、エッジリングの上昇によってウェーハが上昇して工程チャンバの上側に除去工程空間が形成される段階(P53);エッジリングの温度、除去工程空間の圧力またはガス流動の条件が制御される段階(P54);及びArによって除去工程が遂行される段階(P55);を含む。
【0033】
遠隔プラズマソース(Remote Plasma Source)によって吸着工程のためのイオン及びラジカルが形成され、該形成されたイオンとラジカルとがウェーハの方向に均一に流動するようにシャワーヘッドが配置される。シャワーヘッドは、300~400℃の温度に保持され、シャワーヘッドの側面とチャンバ壁との間に工程均一性の調節のための外部シャワーヘッドが配置される。シャワーヘッドと外部シャワーヘッドとの間に側面にガスを流動させるバッフルが配置される。バッフルは、熱の伝達を遮断しながらラジカルによる攻撃の予防のために、水晶のような素材で作られる。また、シャワーヘッド、外部シャワーヘッド及びチャンバ壁は、アルミニウム素材で作られる。また、ウェーハサセプタは、アルミニウム素材で作られながらヒーターまたは冷却水の流れのための冷却水経路を含みうる。ウェーハ側面のエッジリングは、アルミニウム素材または水晶素材で作られ、エッジリングの内部にヒーターが配置される。このような構造を有するエッジリングは、150~300℃の温度に保持される。このような条件でプラズマがチャンバ内部に流入して吸着工程が遂行される(P52)。エッジリングは、エッジリング昇降手段を含み、昇降手段によってエッジリングがシャワーヘッドの位置まで上昇しながらウェーハが上昇しうる(P53)。吸着段階でウェーハは、サセプタに固定された状態で20~80℃の温度に保持され、遠隔プラズマソースによって形成されたイオン及びラジカルによって自己制限変形反応工程が遂行される。これにより、ウェーハが上昇して除去工程領域が形成された状態で進行する除去段階でウェーハは、150~300℃の高温状態のエッジリングによって上側に移動し、エッジリングがバッフルに接触される位置まで上側に移動することができる。これにより、ウェーハは、300~400℃の温度に保持されるシャワーヘッドに隣接して位置する。このように高温のシャワーヘッド、ウェーハ、バッフル及びエッジリングによって除去工程空間が形成され、除去工程空間の温度、圧力またはガス流動の条件が制御される(P14)。このように形成された狭小なサイズの除去工程空間で除去工程の進行のためのArのようなガスは、シャワーヘッドに形成された貫通ホールを通じて除去工程空間に満たされる。また、このようなガスは、バッフルに形成された貫通ホールまたはスリットを通じて外部に排出される。高温のシャワーヘッドの設定温度、ウェーハとシャワーヘッドとの間の距離の調節を通じて除去段階で適切にウェーハの温度が制御されて変形工程(modification process)によって形成された薄い膜質の除去のための除去工程が遂行される(P55)。シャワーヘッドとウェーハとの間の距離、バッフルのガス流動容量(capacity)またはガス流量によって新たに形成された除去工程空間の圧力が制御される。多様な形態のバッフルまたはエッジリングの形状によって除去工程空間のサイズが制御されるか、ガスの流量または圧力が制御され、これにより、本発明は制限されるものではない。選択的に均一性の向上のためにシャワーヘッドの上側に移動ガス壁が形成されうる。除去工程空間で除去工程条件のための多様な構成が追加され、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0034】
以上、本発明は、提示された実施形態を参照して詳細に説明されたが、当業者は、提示された実施形態を参照して、本発明の技術的思想を外れない範囲で多様な変形及び修正発明を作ることができる。本発明は、このような変形及び修正発明によって制限されず、ただ特許請求の範囲によってのみ制限される。
【符号の説明】
【0035】
11:チャンバ空間
12:静電チャック
13:リフトリング
14a、14b:線形ギア
15a、15b:リフト軸
17a:内部シャワーヘッド
17b:外部シャワーヘッド
18:バッフル
42:ガス移動壁
121、131、171:ヒーター
【要約】
【課題】シャローエッチングプロセスチャンバを提供すること。
【解決手段】シャローエッチングプロセスチャンバは、チャンバ空間11の内部に配されたサセプタ;サセプタの両側に形成されたリフトリング13;及びリフトリング13の昇降のための移動手段;を含み、リフトリング13の昇降によってウェーハ(W)がサセプタの上側で昇降自在である。
【選択図】
図1