(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】上りリンクタイミングアドバンス値処理方法、装置及び端末
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20241220BHJP
H04W 74/0833 20240101ALI20241220BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20241220BHJP
H04W 72/115 20230101ALI20241220BHJP
【FI】
H04W56/00 110
H04W74/0833
H04W72/1268
H04W72/115
(21)【出願番号】P 2023503443
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 CN2021109834
(87)【国際公開番号】W WO2022022713
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】202010763091.X
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 ▲ユー▼民
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111294928(CN,A)
【文献】特開2019-186674(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0107389(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0170069(US,A1)
【文献】Ericsson,Support for transmission in preconfigured UL resources in LTE-MTC[online],3GPP TSG RAN WG1 #95 R1-1812120,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_95/Docs/R1-1812120.zip>,2018年11月03日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に用いられる上りリンクタイミングアドバンスTA値処理方法であって、
ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用し、ここで、前記第一のTA値は、ネットワーク側機器により配置されており、且つ前記第一のTA値は、第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス値であり、前記第二のTA値は、前記ランダムアクセスプロセスに受信された上りリンクタイミングアドバンス値であり、
前記第一の上りリンクリソースは、ネットワークにより配置される専用物理上りリンク共有チャネルPUSCHリソースであり、前記専用PUSCHリソースは、アイドル状態又は非アクティブ化状態のときにスモールデータをネットワーク側機器に直接送信するために用いられ、
前記の、予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、
前記第二のTA値を受信しており、且つ前記第一のTA値が依然として有効である場合、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信しないこと、
前記第二のTA値を受信した後に、前記第二のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信しないこと、
前記第二のTA値を受信した場合、前記第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用い、又は、前記第二のTA値を廃棄すること、のうちのいずれか一つを含み、
前記の、第二のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信しないことは、前記第一のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信することを含み、
前記の、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることは、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することと、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新し、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号の送信に用いることと、を含み、
前記の、前記第二のTA値を廃棄することは、ランダムアクセスに失敗した後に、前記第二のTA値を廃棄することを含む、上りリンクタイミングアドバンスTA値処理方法。
【請求項2】
前記の、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信しないことは、前記第二のTA値を無視又は廃棄することと、前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信しないこととのうちのいずれか一つを含み、
前記第二のTA値を無視又は廃棄する場合、前記方法は、前記第一のTA値を使用してランダムアクセスプロセス中又はランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信することをさらに含み、又は、
前記の、第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信しないことは、前記第一のTA値を使用してランダムアクセスプロセス中又はランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信することと、前記第二のTA値を保存し、前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信することとのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の、第二のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信しないことは、さらに、
前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信することを含み、
前記第二のTA値に対応するタイマは、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマと異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記の、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることは、ランダムアクセスの完了に成功した後に、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記の、前記第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイマを再起動することは、
前記第一のTA値を配置する際に配置されるタイマ値を採用し、前記第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイマを再起動することと、
ランダムアクセスプロセスに配置されるタイマ値を採用し、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することとのうちのいずれか一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記の、第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することは、
前記第二のTA値を受信した場合、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することと、
ランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することとのうちのいずれか一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することは、
前記第二のTA値を受信した場合、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することと、
ランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することとのうちのいずれか一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラム又は命令とを含み、前記プログラム又は命令が前記プロセッサにより実行される時、請求項1から
7のいずれか1項に記載の上りリンクタイミングアドバンスTA値処理方法のステップを実現する、端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年7月31日に中国で提出された中国特許出願番号No.202010763091.Xの優先権を主張しており、同出願の内容のすべては、ここに参照として取り込まれる。
【0002】
本出願は、通信技術分野に属し、具体的に、上りリンクタイミングアドバンスTA値処理方法、装置及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワーク側は、ユーザ端末(User Equipment、UE)を接続状態からIDLE/INACTIVE状態にリリースした際に、UEのコンテキスト配置情報をリザーブし、UEがスモールデータ送信を行う際に、ネットワーク側のシステムメッセージが、スモールデータの送信をサポートする(例えば、10Kbyteよりも小さいスモールデータ送信をサポートする)ことを指示する場合、IDLE/INACTIVE状態のUEは、ネットワークにより配置される専用上りリンクPUSCHリソース(例えば、予め配置されるPUSCH(pre-configured PUSCH)、又は、予め割り当てられる上りリンクリソース(Preallocated Uplink Resource、PUR))によってスモールデータをネットワーク側に直接送信する。ネットワークは、専用物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)リソースを配置する場合、この専用PUSCHリソースの上りリンク送信に対応する上りリンクタイミングアドバンス量(Timing Advance、TA)を指定する。
【0004】
ネットワーク側がUEに上りリンクTA値を指定した後に、UEがランダムアクセスプロセスをトリガーした場合、UEは、新たな上りリンクTA値を取得するが、ネットワーク側とUE側の理解を一致させるように、どのようにこの二つの異なる上りリンクタイミング値を処理するかは、解決される必要のある問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の実施例の目的は、二つの異なるTA値が現れる場合、どのようにネットワーク側とUE側のTA値に対する理解を一致させるかという問題を解決できる上りリンクタイミングアドバンスTA値処理方法、装置と端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術問題を解決するために、本出願は、以下のように実現される。
【0007】
第一の態様によれば、端末に用いられる上りリンクタイミングアドバンスTA値処理方法を提供し、この方法は、
ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することを含み、ここで、前記第一のTAは、ネットワーク側機器により配置されており、且つ前記第一のTAは、第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス値であり、前記第二のTA値は、前記ランダムアクセスプロセスに受信された上りリンクタイミングアドバンス値である。
【0008】
第二の態様によれば、上りリンクタイミングアドバンスTA値処理装置を提供し、この装置は、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用するための処理モジュールを含み、ここで、前記第一のTAは、ネットワーク側機器により配置されており、且つ前記第一のTAは、第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス値であり、前記第二のTA値は、前記ランダムアクセスプロセスに受信された上りリンクタイミングアドバンス値である。
【0009】
第三の態様によれば、端末を提供し、この端末は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラム又は命令とを含み、前記プログラム又は命令が前記プロセッサにより実行される時、第一の態様に記載の方法のステップを実現する。
【0010】
第四の態様によれば、可読記憶媒体を提供し、前記可読記憶媒体には、プログラム又は命令が記憶されており、前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、第一の態様に記載の方法のステップを実現する。
【0011】
第五の態様によれば、チップを提供し、前記チップは、プロセッサと、通信インターフェースとを含み、前記通信インターフェースは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、ネットワーク側機器のプログラム又は命令を運行し、第一の態様に記載の方法を実現するために用いられる。
【発明の効果】
【0012】
本出願の実施例では、ネットワーク側がUEに指定する専用上りリンクリソースに対応するTA値を受信しているとともに、ランダムアクセスプロセスによって新たなTA値を得た後に、約定されるルールに基づいて適切なTA値を選択して上りリンク送信を行うことによって、ネットワーク側とUE側の理解を一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本出願の実施例が適用可能な無線通信システムのブロック図である。
【
図2】本出願の実施例による上りリンクTA値処理方法のフローチャートである。
【
図3】本出願の実施例による上りリンクTA値処理装置の構造図である。
【
図4】本出願の実施例による通信機器の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述し、明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0015】
本出願の明細書と特許請求の範囲における用語である「第一」、「第二」などは、類似している対象を区別するものであり、特定の順序又は前後手順を記述するためのものではない。理解すべきこととして、このように使用されるデータは、適切な場合に交換可能であり、それにより本出願の実施例は、ここで図示又は記述されたもの以外の順序で実施されることが可能であり、且つ「第一」、「第二」によって区別される対象は、一般的には同一種類であり、対象の個数を限定せず、例えば第一の対象は、一つであってもよく、複数であってもよい。なお、明細書及び請求項における「及び/又は」は、接続される対象のうちの少なくとも一つを表し、文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0016】
指摘すべきこととして、本出願の実施例に記述された技術は、ロングタームエボリューション型(Long Term Evolution、LTE)/LTEの進化(LTE-Advanced、LTE-A)システムに限らず、他の無線通信システム、例えば符号分割多重接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、時分割多重接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、周波数分割多重接続(Frequency Division Multiple Access、FDMA)、直交周波数分割多重接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、OFDMA)、単一キャリア周波数分割多重接続(Single-carrier Frequency-Division Multiple Access、SC-FDMA)と他のシステムにも適用できる。本出願の実施例における用語である「システム」と「ネットワーク」は、常に交換可能に使用され、記述された技術は、以上に言及されたシステムとラジオ技術に用いられてもよく、他のシステムとラジオ技術に用いられてもよい。しかしながら、以下の記述は、例示の目的でニューラジオ(New Radio、NR)システムを記述しているとともに、以下の大部分の記述においてNR用語を使用しているが、これらの技術は、NRシステム応用以外の応用、例えば第六世代(6th Generation、6G)通信システムに適用されてもよい。
【0017】
図1は、本出願の実施例が適用可能な無線通信システムのブロック図を示す。無線通信システムは、端末11とネットワーク側機器12を含む。ここで、端末11は、端末機器又はユーザ端末(User Equipment、UE)と呼ばれてもよく、端末11は、携帯電話、タブレットパソコン(Tablet Personal Computer)、ラップトップコンピュータ(Laptop Computer)(又は、ノートパソコンと呼ばれる)、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、パームトップコンピュータ、ネットブック、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、モバイルインターネットディバイス(Mobile Internet Device、MID)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)又は車載機器(VUE)、歩行者端末(PUE)などの端末側機器であってもよく、ウェアラブルデバイスは、ブレスレット、イヤホン、メガネなどを含む。説明すべきこととして、本出願の実施例の端末11の具体的なタイプを限定するものではない。ネットワーク側機器12は、基地局又はコアネットワークであってもよく、ここで、基地局は、ノードB、進化ノードB、アクセスポイント、ベーストランシーバステーション(Base Transceiver Station、BTS)、ラジオ基地局、ラジオ送受信機、ベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)、拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)、Bノード、進化型Bノード(eNB)、家庭用Bノード、家庭用進化型Bノード、WLANアクセスポイント、WiFiノード、トランスミッションポイント(Transmitting Receiving Point、TRP)又は当分野における他のある適切な用語と呼ばれてもよく、同じ技術的効果が達成される限り、前記基地局は、特定の技術用語に限らず、説明すべきこととして、本出願の実施例においてNRシステムにおける基地局のみを例にするが、基地局の具体的なタイプを限定するものではない。
【0018】
以下では、図面を結び付けながら、具体的な実施例及びその応用シナリオによって本出願の実施例による上りリンクタイミングアドバンスTA値処理方法を詳細に説明する。
【0019】
図2に示すように、
図2は、本出願の実施例による上りリンクタイミングアドバンスTA値処理方法のフローチャートであり、本出願の実施例の上りリンクTA値処理方法は、端末に用いられてもよい。
【0020】
図2に示すように、この処理方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0021】
ステップ201:ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用する。
【0022】
ここで、前記第一のTAは、ネットワーク側機器により配置されており、且つ前記第一のTAは、第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス値であり、前記第二のTA値は、前記ランダムアクセスプロセスに受信された上りリンクタイミングアドバンス値である。
【0023】
説明すべきこととして、UEは、下りリンク信号を受信した後に、下りリンク信号サブフレームの位置を決定することができる。上りリンク干渉を回避するために、ネットワークが、異なるUEにより送信される信号が固定の時刻に到着することを保証するため、ネットワーク側は、UEの上りリンク送信に一つの上りリンクタイミングアドバンス量、即ちTA値を配置する必要がある。UEは、このTA値を受信した後に、UEが上りリンク信号を送信する場合、UEは、下りリンクサブフレーム位置をリファレンスとして、さらに上りリンク信号の送信をTA時間値だけ繰り上げる。
【0024】
説明すべきこととして、第一の上りリンクリソースは、ネットワーク側機器により配置されており、前記第一の上りリンクリソースは、専用物理上りリンク共有チャネルPUSCHリソース(例えばpre-configured PUSCH又はPUR)であってもよく、前記専用PUSCHリソースは、アイドル状態又は非アクティブ化状態のときにスモールデータ(small data)をネットワーク側機器に直接送信するために用いられる。第一のTA値は、ネットワーク側によりUEに配置されており、この第一のTA値は、第一の上りリンクリソースが上りリンク送信を行う際に採用する上りリンクTA値である。また、第一の上りリンクリソースと第一のTAは、ネットワーク側により一緒にUEに配置されてもよく、無論、別々に配置されてもよく、本実施例は、具体的に限定しない。選択的な実施の形態として、ネットワーク側がRRCReleaseメッセージにおいてUEにpur-Configを配置してもよく、このpur-Configは、上記専用PUSCHリソースと、このPUSCHリソース上りリンク送信に採用される上りリンクTA値とを含む。
【0025】
選択的に、ネットワークは、第一の上りリンクリソースを配置する場合、この第一の上りリンクリソースの上りリンク送信に対応する上りリンクタイミングアドバンス量(即ち第一のTA値)を同時に指定するだけでなく、それと同時に上りリンクタイミングアドバンス量が使用可能であるかどうかを判断するタイマ(例えば、pur-TimeAlignmentTimer)を配置し、UEは、ネットワーク配置により指示される第一の上りリンクリソースに対応する第一のTA値を受信した後にこのタイマを起動し、このタイマがタイマアウトした場合、対応する第一の上りリンクリソースが使用できなくなると考えられる。
【0026】
本出願の実施例では、ランダムアクセスプロセスにおける第二のTA値の取得に関し、UEが、上りリンク同期外れ状態でのみTA値を取得する必要があるため、ランダムアクセスプロセスを開始するようにUE自身がトリガーするか又はネットワーク側がUEをトリガーし、ネットワーク側が、ランダムアクセス応答においてUEにTA値を発してもよい。また、ネットワーク側は、UEのTA値に一つのタイマ(例えば、timeAlignmentTimer)を設置することができる。TAをUEに発する際に起動し、timeAlignmentTimerがタイマアウトする前に、ネットワーク側は、新たなTA値をUEに発する。ネットワーク側により設置されるtimeAlignmentTimerに基づき、TA値を受信した際に起動又は再起動し、timeAlignmentTimerタイマがタイムアウトした後に、このTA値が失効しており、UE上りリンクが同期外れ状態であり、上りリンク同期外れのセルで上りリンク信号を送信できないと考えられる。
【0027】
本出願の実施例では、UEは、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に、ランダムアクセスプロセスの完了が成功する前に第二のTA値を受信することができる。例えば、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2(又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgB(例えば、fallbackRAR))においてタイミングアドバンスコマンド(Timing Advance Command、TAC)により指定されるTA値を受信する。ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に、予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、具体的に、以下のような処理方式を含む。
【0028】
方式一:ランダムアクセスプロセスをトリガーした後、又はランダムアクセスプロセスが完了した後に、前記第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止する。
【0029】
説明すべきこととして、ランダムアクセスプロセスをトリガーすることは、第一の上りリンクリソースと第一のTA値の配置を受信した後であってもよい。
【0030】
また、選択的な実施の形態では、UEは、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に、第一の上りリンクリソースの上りリンクタイミングが使用できなくなると考え、前記第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止する。例えば、UEが4段階のランダムアクセスプロセス(又は2段階のランダムアクセスプロセス)をトリガーした場合、UEは、第一の上りリンクリソースに対応する第一のTA値が使用できなくなると考え、第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止する。
【0031】
別の選択的な実施の形態では、UEは、ランダムアクセスプロセスが完了した後に、第一の上りリンクリソースの上りリンクタイミングが使用できなくなると考え、前記第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止することができる。例えば、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2(又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgB)において第二のTA値を受信したが、ランダムアクセスプロセスが完了した後に、第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止する。説明すべきこととして、上記ランダムアクセスプロセスが完了した後に、ランダムアクセスプロセスの完了に成功したと理解されてもよい。
【0032】
本出願の実施例の選択的な実施の形態として、前記の、第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止することは、前記第一の上りリンクリソースをリリースすることと、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマがタイマアウトしたと決定することとのうちの少なくとも一つを含む。具体的に実現される時、前記第一の上りリンクリソースをリリースすることは、UEが、pur-Config配置に配置されるUE専用PUSCH上りリンク送信リソースをリリースすることであってもよい。前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマがタイマアウトしたと決定することは、UEが、専用PUSCHリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス量タイマ(例えば、pur-TimeAlignmentTimer)がタイマアウトしたと考えることであってもよい。
【0033】
本出願の実施例では、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後、又はランダムアクセスプロセスが完了した後に、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信することを含む。
【0034】
一つの実施の形態では、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に、UEは、第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止し、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信する。
【0035】
別の実施の形態では、UEは、ランダムアクセスプロセスが完了した後に、第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止し、ランダムアクセスプロセスが完了した後に、第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信する。例えば、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2、又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgBにおいて第二のTA値を受信したが、ランダムアクセスプロセスにおいて、依然として第一のTA値を使用して上りリンク信号を送信し、ランダムアクセスプロセスが完了した後に、第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止し、ランダムアクセスプロセスが完了した後に、ランダムアクセスプロセスにおいて受信された第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信する。
【0036】
別の実施の形態では、前記第二のTA値を受信した後に、UEは、第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止し、第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信する。例えば、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2、又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgBにおいて第二のTA値を受信しており、第二のTA値を受信した後に、第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止し、ランダムアクセスプロセスにおいて受信された第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信する。
【0037】
方式二:前記の、予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、前記第二のTA値を受信しており、且つ前記第一のTA値が依然として有効である場合、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信しないことを含む。
【0038】
本出願の実施例では、前記の、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信しないことは、前記第二のTA値を無視又は廃棄することと、前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信しないこととのうちのいずれか一つを含む。
【0039】
前記第二のTA値を無視又は廃棄する場合、前記方法は、前記第一のTA値を使用してランダムアクセスプロセス中又はランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信することをさらに含み、又は、
前記の、第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信しないことは、前記第一のTA値を使用してランダムアクセスプロセス中又はランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信することと、前記第二のTA値を保存し、前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信することとのうちの少なくとも一つを含む。
【0040】
本出願の実施例の選択的な実施の形態として、第二のTA値を受信しており、且つ第一のTA値が依然として有効である場合、第二のTA値を無視又は廃棄し、第一のTA値を使用してランダムアクセスプロセス中又はランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信する。一例として、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2において第二のTA値を受信しており、UEは、この第二のTA値を用いないが、第一のTA値を使用してMsg3を送信する。別の例として、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2において第二のTA値を受信しており、UEは、この第二のTA値を用いなく、このランダムアクセスプロセスが完了した後に、UEは、第一のTA値を使用してMsg4に対応するハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat reQuest、HARQ)フィードバック情報を送信する。
【0041】
本出願の実施例の選択的な実施の形態として、第二のTA値を受信しており、且つ第一のTA値が依然として有効である場合、ランダムアクセスプロセスにおいて、UEは、第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信しないが、UEは、この受信された第二のTA値を保存し、ランダムアクセスプロセスが完了した後に、第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信する。説明すべきこととして、「保存」は、「一時保存」又は記憶するが使用しないと理解されてもよい。例えば、UEは、4段階のランダムアクセスのMsg2において第二のTA値を受信しており、UEは、この第二のTA値を使用しないが、一時保存し、このランダムアクセスプロセスが完了した後に、UEは、この一時保存される第二のTA値を使用してMsg4に対応するHARQフィードバック情報を送信する。
【0042】
本出願の実施例の選択的な実施の形態として、第一のTA値に対応するタイマ(例えば、pur-TimeAlignmentTimer)がタイマアウトしていない場合、第一のTA値が依然として有効であると考えられてもよく、第一のTA値に対応するタイマ(例えば、pur-TimeAlignmentTimer)がタイマアウトした場合、第一のTA値が失効したと考えられてもよい。
【0043】
方式三:前記の、予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、
前記第二のTA値を受信した後に、前記第二のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信しないことを含む。
【0044】
前記の、第二のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信しないことは、
前記第一のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信することと、
前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信することとのうちの少なくとも一つを含み、
前記第二のTA値に対応するタイマは、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマと異なる。
【0045】
本出願の実施例では、ランダムアクセスプロセスに使用される上りリンクTA値は、第一の上りリンクリソースにより使用される上りリンクTA値と異なる。一例として、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2(又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgB(例えば、バックオフランダムアクセス応答(Random Access Response、fallbackRAR)))においてTACにより指定される第二のTA値を受信した場合、UEは、このTACにより指定される第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスの上りリンク信号(例えば、Msg3)を送信するが、このTACにより指定される第二のTA値は、第一の上りリンクリソースの上りリンク送信に対応するTA値(即ち第一のTA値)を更新するために用いられない。
【0046】
選択的に、方式三では、ランダムアクセスプロセスに使用される上りリンクタイマは、第一の上りリンクリソースにより使用される上りリンクタイマと異なる。例えば、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2(又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgB(例えば、fallbackRAR))においてTACにより指定される第二のTA値を受信しており、UEは、timeAlignmentTimerタイマ(このtimeAlignmentTimerタイマがタイマアウトした場合、TACにより指定される第二のTA値が使用できないと考えられる)を起動し、このtimeAlignmentTimerタイマに対応する第二のTA値は、Msg3の送信に用いられる。同時に、UEは、第一の上りリンクリソースのpur-TimeAlignmentTimerタイマ(このpur-TimeAlignmentTimerタイマがタイマアウトした場合、第一の上りリンクリソースに対応する第一のTA値が使用できないと考えられる)が運行し続けることを保持し、このpur-TimeAlignmentTimerタイマに対応するネットワークにより配置される第一のTA値は、第一の上りリンクリソースの上りリンク送信に用いられる。
【0047】
方式四、前記の、予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、前記第二のTA値を受信した場合、前記第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用い、又は、前記第二のTA値を廃棄することを含む。
【0048】
選択的に、前記の、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることは、ランダムアクセスの完了に成功した後に、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることを含み、
前記の、前記第二のTA値を廃棄することは、ランダムアクセスに失敗した後に、前記第二のTA値を廃棄することを含む。
【0049】
本出願の実施例の一つの実施の形態として、ランダムアクセスプロセスにおいてTACにより指定される第二のTA値を受信した場合、ランダムアクセスの完了に成功した後に、第二のTA値を第一の上りリンクリソースに用い、つまり、UEは、ランダムアクセスの完了が成功する前に、第二のTA値を第一の上りリンクリソースに用いない。ランダムアクセスに失敗した場合、第二のTA値を廃棄する。
【0050】
選択的に、前記の、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることは、
前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することと、
前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新し、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号の送信に用いることとのうちの少なくとも一つを含む。
【0051】
選択的に、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することは、
前記第二のTA値を受信した場合、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することと、
ランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することとのうちのいずれか一つを含む。
【0052】
一例として、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2においてTACを受信した場合、UEは、このTACにより指定される第二のTA値を使用して第一の上りリンクリソースに対応する第一のTA値を更新する。
【0053】
別の例として、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2においてTACを受信しており、4段階のランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、UEは、このTACにより指定される第二のTA値を使用して第一の上りリンクリソースに対応する第一のTA値を更新する。
【0054】
選択的に、前記の、第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することは、
前記第二のTA値を受信した場合、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することと、
ランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することとのうちのいずれか一つを含む。
【0055】
一例として、UEは、ネットワークが第一の上りリンクリソースを配置する際にpur-TimeAlignmentTimerタイマを起動し、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2においてTACを受信した場合、UEは、pur-TimeAlignmentTimerタイマを再起動する。
【0056】
別の例として、UEは、ネットワークが第一の上りリンクリソースを配置する際にpur-TimeAlignmentTimerタイマを起動し、4段階のランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、UEは、このランダムアクセスプロセスにおいて受信された第二のTA値を使用し、pur-TimeAlignmentTimerタイマを再起動する。
【0057】
選択的に、前記の、前記第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイマを再起動することは、
前記第一のTA値を配置する際に配置されるタイマ値を採用し、前記第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイマを再起動することと、
ランダムアクセスプロセスに配置されるタイマ値を採用し、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することとのうちのいずれか一つを含む。
【0058】
一例として、ネットワーク側がRRCReleaseメッセージにおいてPURリソースの上りリンクタイミングタイマ値(例えば、pur-TimeAlignmentTimer)を配置した場合、UEは、この値を使用して第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングタイマを再起動する。
【0059】
別の例として、ネットワーク側がシステム情報においてランダムアクセスプロセスの上りリンクタイミングタイマ値(例えば、timeAlignmentTimer)を配置した場合、UEは、この値を使用して専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングタイマを再起動する。
【0060】
本出願による上記上りリンクTA値処理方法によって、ネットワーク側がUEに指定する専用上りリンクリソースに対応するTA値を受信しているとともに、ランダムアクセスプロセスによって新たなTA値を得た後に、約定されるルールに基づいて適切なTA値を選択して上りリンク送信を行うことによって、ネットワーク側とUE側の理解を一致させることができる。
【0061】
理解の便宜上、例をあげて以下の通り説明する。
【0062】
ステップ1:ネットワーク側は、UEに特定の上りリンクリソース送信に採用される上りリンクタイミング値を配置する。
【0063】
例えば、ネットワーク側は、RRCReleaseメッセージにおいてUEにpur-Configを配置し、この配置は、UE専用のPUSCH上りリンク送信リソースと、このPUSCH上りリンク送信に採用される上りリンクタイミング値とを含む。
【0064】
ステップ2:UEは、ランダムアクセスプロセスをトリガーし、このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前(又はランダムアクセスプロセス中)にネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値(例えば、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2(又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgB(例えば、fallbackRAR))において「Timing Advance Command」により指定されるTA値を受信した。)を受信した場合、UEの行為は、以下のいずれか一つを含む。
【0065】
方法1:UEは、ランダムアクセスプロセスを選択した後又はランダムアクセスプロセスが完了した後又はランダムアクセスプロセス中にネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を受信した後に、この専用上りリンクリソースの上りリンクタイミングが使用できなくなると考える。(例えば、UEが4段階のランダムアクセスプロセス(又は2段階のランダムアクセスプロセス)をトリガーした場合、UEは、この専用上りリンクリソースの上りリンクタイミングが使用できなくなると考える。)
方法1に対し、この「ランダムアクセスプロセスが完了した」ことは、ランダムアクセスプロセスの完了に成功したことであってもよい。
【0066】
方法1に対し、UEが「この専用上りリンクリソースの上りリンクタイミングが使用できなくなると考える」具体的な実現方法は、
UEが、配置される特定の上りリンクリソースをリリースする(例えば、UEが、pur-Config配置に配置されるUE専用のPUSCH上りリンク送信リソースをリリースする)ことと、
UEが、この専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス量タイマがタイマアウトした(例えば、pur-TimeAlignmentTimerがタイマアウトした。)と考えることとのうちのいずれか一つを含む。
【0067】
方法2:専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングが依然として有効である場合、このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前(又はランダムアクセスプロセス中)に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を使用しない。(例えば、ネットワーク側がUEに配置する専用上りリンクリソースの上りリンクタイミングは、依然として有効であり、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2(又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgB(例えば、fallbackRAR))において「Timing Advance Command」により指定されるTA値を受信した。すると、UEは、この4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2を無視する。(又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgB(例えば、fallbackRAR))において「Timing Advance Command」により指定されるTA値を受信した。)
【0068】
方法2に対し、この「このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を使用しない」行為は、以下のいずれか一つを含む。
【0069】
方法2.1:UEは、このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を無視(又は廃棄)する。
【0070】
方法2.2:ランダムアクセスプロセスにおいて、UEは、このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を使用しないが、UEは、この「このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値」を一時保存する(例えば、記憶するが、使用しない)。
【0071】
方法2.1に対し、UEの行為は、
UEが、この専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミング値をランダムアクセスプロセスにおける上りリンクチャネルの送信に用いる(例えば、UEが、4-step RACHのMsg2においてTA値を受信しており、UEが、このTA値を使用しないが、専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス量を使用してMsg3を送信する。)ことと、
UEが、この専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミング値をランダムアクセスプロセス後の上りリンクチャネルの送信に用いる(例えば、UEが、4-step RACHのMsg2においてTA値を受信しており、UEが、このTA値を使用しないが、このランダムアクセスプロセスが完了した後に、UEが、専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス量を使用してMsg4に対応するHARQフィードバック情報を送信する。)こととのうちの少なくとも一つを含む。
【0072】
方法2.2に対し、UEの行為は、
UEが、この専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミング値をランダムアクセスプロセスにおける上りリンクチャネルの送信に用いる(例えば、UEが、4-step RACHのMsg2においてTA値を受信しており、UEが、このTA値を使用しないが、専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス量を使用してMsg3を送信する。)ことと、
UEが、この専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミング値(又は、UEにより一時保存される、ランダムアクセスプロセスに取得された上りリンクタイミング値)をランダムアクセスプロセス後の上りリンクチャネルの送信に用いる(例えば、UEが、4-step RACHのMsg2においてTA値を受信しており、UEが、このTA値を使用しないが、一時保存し、このランダムアクセスプロセスが完了した後に、UEが、この一時保存されるTA値を使用してMsg4に対応するHARQフィードバック情報を送信する。)こととのうちの少なくとも一つを含む。
【0073】
方法3:UEは、このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前(又はランダムアクセスプロセス中)に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を専用上りリンクリソースに用いない。(例えば、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2(又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgB(例えば、fallbackRAR))において「TAC」により指定されるTA値を受信した。すると、UEは、依然としてこのTACにより指定されるTA値を使用してランダムアクセスプロセスの上りリンク信号(例えば、Msg3)を送信するが、この「TAC」により指定されるTA値は、専用上りリンクリソースの上りリンク送信に対応するTA値を更新するために用いられない。)
【0074】
方法3に対し、UEの行為は、以下の少なくとも一つを含む。
【0075】
ランダムアクセスプロセスに使用される上りリンクタイミング値は、専用上りリンクリソースにより使用されるタイミング値と異なる。
【0076】
ランダムアクセスプロセスに使用される上りリンクタイミングタイマは、専用上りリンクリソースにより使用される上りリンクタイミングタイマと異なる。(例えば、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2(又は、2段階のランダムアクセスプロセスのMsgB(例えば、fallbackRAR))において「TAC」により指定されるTA値を受信しており、UEは、timeAlignmentTimerタイマ(このtimeAlignmentTimerタイマがタイマアウトした場合、「TAC」により指定されるTA値が使用できないと考えられる。)を起動し、このtimeAlignmentTimerタイマに対応する「TAC」により指定されるTA値は、Msg3の送信に用いられる。同時に、UEは、専用上りリンクリソースのpur-TimeAlignmentTimerタイマ(このpur-TimeAlignmentTimerタイマがタイマアウトした場合、UEが専用上りリンクリソースのTA値が使用できないと考えられる。)が運行し続けることを保持し、このpur-TimeAlignmentTimerタイマに対応するネットワークにより配置されるTA値は、専用上りリンクリソースの上りリンク送信に用いられる。)
【0077】
方法4:UEは、このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前(又はランダムアクセスプロセス中)に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を専用上りリンクリソースに用いる。
【0078】
方法4に対し、選択的に、UEは、ランダムアクセスの完了に成功した後に、このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前(又はランダムアクセスプロセス中)に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を専用上りリンクリソースに用いる。(即ち、UEは、ランダムアクセスの完了が成功する前に、このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前(又はランダムアクセスプロセス中)に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を専用上りリンクリソースに用いない。)
方法4に対し、選択的に、UEは、ランダムアクセスに失敗した後に、このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前(又はランダムアクセスプロセス中)に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を廃棄する。
【0079】
方法4に対し、この「このランダムアクセスプロセスの完了が成功する前(又はランダムアクセスプロセス中)に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値を専用上りリンクリソースに用いる」というUEの行為は、以下の少なくとも一つを含む。
【0080】
UEは、専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングタイマを再起動する。(例えば、UEは、ネットワークが専用上りリンクリソースを配置する際にpur-TimeAlignmentTimerタイマを起動し、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2においてTACを受信した場合、UEは、pur-TimeAlignmentTimerタイマを再起動する。)(例えば、UEは、ネットワークが専用上りリンクリソースを配置する際にpur-TimeAlignmentTimerタイマを起動し、4段階のランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、UEは、このランダムアクセスプロセスに受信されたTA値を採用し、pur-TimeAlignmentTimerタイマを再起動する。)
【0081】
UEは、「ランダムアクセスプロセスの完了が成功する前(又はランダムアクセスプロセス中)に受信されたネットワーク側により送信される上りリンクタイミング値」を使用して専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミング値を更新する。(例えば、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2においてTACを受信した場合、UEは、このTACにより指定されるTA値を使用して専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミング値を更新する。)(例えば、UEは、4段階のランダムアクセスプロセスのMsg2においてTACを受信しており、4段階のランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、UEは、このTACにより指定されるTA値を使用して専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミング値を更新する。)
【0082】
ここで、この「専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングタイマを再起動する」ことは、以下のいずれか一つを含む。
【0083】
専用上りリンクリソースを配置する際に配置される上りリンクタイミングタイマ値を採用し、専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングタイマを再起動する。(例えば、ネットワーク側がRRCReleaseメッセージにおいてPURリソースの上りリンクタイミングタイマ値(例えば、pur-TimeAlignmentTimer)を配置した場合、UEは、この値を使用して専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングタイマを再起動する。)
【0084】
ランダムアクセスプロセスにより配置される上りリンクタイミングタイマ値を採用し、専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングタイマを再起動する。(例えば、ネットワーク側がシステム情報においてランダムアクセスプロセスの上りリンクタイミングタイマ値(例えば、timeAlignmentTimer)を配置した場合、UEは、この値を使用して専用上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングタイマを再起動する。)
【0085】
説明すべきこととして、本出願の実施例による上りリンクTA値処理方法において、実行本体は、上りリンクTA値処理装置、又は、この上りリンクTA値処理装置における上りリンクTA値処理方法を実行するための制御モジュールであってもよい。本出願の実施例において、上りリンクTA値処理装置による上りリンクTA値処理方法の実行を例にして、本出願の実施例による上りリンクTA値処理装置を説明する。
【0086】
図3は、本出願の実施例による上りリンクTA値処理装置の構造概略図を示し、
図3に示すように、この上りリンクTA値処理装置300は、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用するための処理モジュール301を含んでもよい。
【0087】
ここで、前記第一のTAは、ネットワーク側機器により配置されており、且つ前記第一のTAは、第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス値であり、前記第二のTA値は、前記ランダムアクセスプロセスに受信された上りリンクタイミングアドバンス値である。
【0088】
説明すべきこととして、第一のTA値と第二のTA値は、受信モジュールによって受信されてもよい。
【0089】
選択的に、前記処理モジュール301がランダムアクセスプロセスをトリガーした後に予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後、又はランダムアクセスプロセスが完了した後、又は前記第二のTA値を受信した後に、前記第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止することを含む。
【0090】
選択的に、前記の、前記第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止することは、
前記第一の上りリンクリソースをリリースすることと、
前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマがタイマアウトしたと決定することとのうちの少なくとも一つを含む。
【0091】
選択的に、前記処理モジュール301がランダムアクセスプロセスをトリガーした後に前記の、予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後、又はランダムアクセスプロセスが完了した後に、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信することを含む。
【0092】
選択的に、前記処理モジュール301が予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、前記第二のTA値を受信しており、且つ前記第一のTA値が依然として有効である場合、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信しないことを含む。
【0093】
選択的に、前記の、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信しないことは、前記第二のTA値を無視又は廃棄することと、前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信しないこととのうちのいずれか一つを含む。
【0094】
選択的に、前記第二のTA値を無視又は廃棄する場合、前記処理モジュール301はさらに、前記第一のTA値を使用してランダムアクセスプロセス中又はランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信するために用いられ、又は、
前記の、第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信しないことは、前記第一のTA値を使用してランダムアクセスプロセス中又はランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信することと、前記第二のTA値を保存し、前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信することとのうちの少なくとも一つを含む。
【0095】
選択的に、前記処理モジュール301が予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、
前記第二のTA値を受信した後に、前記第二のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信しないことを含む。
【0096】
選択的に、前記の、第二のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信しないことは、
前記第一のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信することと、
前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信することとのうちの少なくとも一つを含み、
前記第二のTA値に対応するタイマは、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマと異なる。
【0097】
選択的に、前記処理モジュール301が予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、前記第二のTA値を受信した場合、前記第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用い、又は、前記第二のTA値を廃棄することを含む。
【0098】
選択的に、前記の、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることは、ランダムアクセスの完了に成功した後に、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることを含み、
前記の、前記第二のTA値を廃棄することは、ランダムアクセスに失敗した後に、前記第二のTA値を廃棄することを含む。
【0099】
選択的に、前記の、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることは、
前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することと、
前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新し、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号の送信に用いることとのうちの少なくとも一つを含む。
【0100】
選択的に、前記の、前記第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイマを再起動することは、
前記第一のTA値を配置する際に配置されるタイマ値を採用し、前記第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイマを再起動することと、
ランダムアクセスプロセスに配置されるタイマ値を採用し、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することとのうちのいずれか一つを含む。
【0101】
選択的に、前記の、第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することは、
前記第二のTA値を受信した場合、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することと、
ランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することとのうちのいずれか一つを含む。
【0102】
選択的に、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することは、
前記第二のTA値を受信した場合、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することと、
ランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することとのうちのいずれか一つを含む。
【0103】
選択的に、前記第一の上りリンクリソースは、ネットワークにより配置される専用物理上りリンク共有チャネルPUSCHリソースであり、前記専用PUSCHリソースは、アイドル状態又は非アクティブ化状態のときにスモールデータをネットワーク側機器に直接送信するために用いられる。
【0104】
本出願の実施例による上りリンクTA値処理装置は、
図2の方法の実施例により実現される各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達することができ、説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0105】
本出願の実施例における上りリンクTA値処理装置は、装置であってもよく、端末における部材、集積回路、又はチップであってもよい。この装置は、移動端末であってもよく、非移動端末であってもよい。例示的には、移動端末は、以上に列挙された端末11のタイプを含んでもよいが、それらに限らず、非移動端末は、サーバ、ネットワーク接続型ストレージ(Network Attached Storage、NAS)、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)、テレビ(television、TV)、預入支払機又はセルフサービス機などであってもよく、本出願の実施例は、具体的に限定しない。
【0106】
本出願の実施例における上りリンクTA値処理装置は、オペレーティングシステムを有する装置であってもよい。このオペレーティングシステムは、アンドロイド(Android)オペレーティングシステムであってもよく、iosオペレーティングシステムであってもよく、他の可能なオペレーティングシステムであってもよく、本出願の実施例は、具体的に限定しない。
【0107】
本出願の実施例による上りリンクTA値処理装置は、
図2の方法の実施例により実現される各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達することができ、説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0108】
選択的に、
図4に示すように、本出願の実施例は、通信機器400をさらに提供し、前記通信機器400は、プロセッサ401と、メモリ402と、メモリ402に記憶されており、且つ前記プロセッサ401上で運行できるプログラム又は命令とを含み、例えばこの通信機器400が端末である場合、このプログラム又は命令がプロセッサ401により実行される時、上記上りリンクTA値処理方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達成することができる。
【0109】
図5は、本出願の実施例の端末を実現するハードウェア構造概略図である。
【0110】
この端末100は、無線周波数ユニット101、ネットワークモジュール102、オーディオ出力ユニット103、入力ユニット104、センサ105、表示ユニット106、ユーザ入力ユニット107、インターフェースユニット108、メモリ109、及びプロセッサ110などの部材を含むが、それらに限らない。
【0111】
当業者であれば理解できるように、端末100は、各部材に給電する電源(例えば、電池)をさらに含んでもよく、電源は、電源管理システムによってプロセッサ110にロジック的に接続されてもよく、それにより電源管理システムによって充放電管理及び消費電力管理などの機能を実現することができる。
図5に示す端末構造は、端末に対する限定を構成せず、端末は、図示された部材の数よりも多く又は少ない部材、又はいくつかの部材の組み合わせ、又は異なる部材の配置を含んでもよく、ここでこれ以上説明しない。
【0112】
理解すべきこととして、本出願の実施例では、入力ユニット104は、グラフィックスプロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)1041とマイクロホン1042を含んでもよく、グラフィックスプロセッサ1041は、ビデオキャプチャモード又は画像キャプチャモードにおいて画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)によって得られた静止画像又はビデオの画像データを処理する。表示ユニット106は、表示パネル1061を含んでもよく、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードなどの形式で表示パネル1061が配置されてもよい。ユーザ入力ユニット107は、タッチパネル1071及び他の入力機器1072を含む。タッチパネル1071は、タッチスクリーンとも呼ばれる。タッチパネル1071は、タッチ検出装置とタッチコントローラという二つの部分を含んでもよい。他の入力機器1072は、物理的キーボード、機能キー(例えば、音量制御ボタン、スイッチボタンなど)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、それらに限らず、ここでこれ以上説明しない。
【0113】
本出願の実施例では、無線周波数ユニット101は、ネットワーク側機器からの下りリンクのデータを受信した後に、プロセッサ110に処理させ、また、上りリンクのデータをネットワーク側機器に送信する。一般的には、無線周波数ユニット101は、アンテナ、少なくとも一つの増幅器、送受信機、カプラ、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、それらに限らない。
【0114】
メモリ109は、ソフトウェアプログラム又は命令及び様々なデータを記憶するために用いられてもよい。メモリ109は、主にプログラム又は命令記憶領域とデータ記憶領域を含んでもよく、ここで、プログラム又は命令記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラム又は命令(例えば、音声再生機能、画像再生機能など)などを記憶することができる。なお、メモリ109は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、非揮発性メモリを含んでもよく、ここで、非揮発性メモリは、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(Programmable ROM、PROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(Erasable PROM、EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(Electrically EPROM、EEPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。例えば、少なくとも一つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非揮発性ソリッドステートメモリデバイスであってもよい。
【0115】
プロセッサ110は、一つ又は複数の処理ユニットを含んでもよい。選択的に、プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサとモデムプロセッサを統合してもよい。ここで、アプリケーションプロセッサは、主にオペレーティングシステム、ユーザインターフェースとアプリケーションプログラム又は命令などを処理するものであり、モデムプロセッサは、主に無線通信を処理するものであり、例えばベースバンドプロセッサである。理解できるように、上記モデムプロセッサは、プロセッサ110に統合されなくてもよい。
【0116】
プロセッサ110は、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後に予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用するために用いられ、ここで、前記第一のTAは、ネットワーク側機器により配置されており、且つ前記第一のTAは、第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイミングアドバンス値であり、前記第二のTA値は、前記ランダムアクセスプロセスに受信された上りリンクタイミングアドバンス値である。
【0117】
選択的に、プロセッサ110がランダムアクセスプロセスをトリガーした後に予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後、又はランダムアクセスプロセスが完了した後、又は前記第二のTA値を受信した後に、前記第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止することを含む。
【0118】
選択的に、前記の、前記第一のTA値を用いて上りリンク信号を送信することを停止することは、
前記第一の上りリンクリソースをリリースすることと、
前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマがタイマアウトしたと決定することとのうちの少なくとも一つを含む。
【0119】
選択的に、前記プロセッサ110がランダムアクセスプロセスをトリガーした後に前記の、予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、ランダムアクセスプロセスをトリガーした後、又はランダムアクセスプロセスが完了した後に、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信することを含む。
【0120】
選択的に、前記プロセッサ110が予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、前記第二のTA値を受信しており、且つ前記第一のTA値が依然として有効である場合、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信しないことを含む。
【0121】
選択的に、前記の、前記第二のTA値を使用して上りリンク信号を送信しないことは、前記第二のTA値を無視又は廃棄することと、前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信しないこととのうちのいずれか一つを含む。
【0122】
選択的に、前記第二のTA値を無視又は廃棄する場合、前記処理モジュールはさらに、前記第一のTA値を使用してランダムアクセスプロセス中又はランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信するために用いられ、又は、
前記の、第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信しないことは、前記第一のTA値を使用してランダムアクセスプロセス中又はランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信することと、前記第二のTA値を保存し、前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスが完了した後の上りリンク信号を送信することとのうちの少なくとも一つを含む。
【0123】
前記処理モジュールが予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、
前記第二のTA値を受信した後に、前記第二のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信しないことを含む。
【0124】
選択的に、前記の、第二のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信しないことは、
前記第一のTA値を使用して前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号を送信することと、
前記第二のTA値を使用してランダムアクセスプロセスにおける上りリンク信号を送信することとのうちの少なくとも一つを含み、
前記第二のTA値に対応するタイマは、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマと異なる。
【0125】
選択的に、前記プロセッサ予め設定される処理方式で第一のTA値及び/又は第二のTA値を応用することは、前記第二のTA値を受信した場合、前記第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用い、又は、前記第二のTA値を廃棄することを含む。
【0126】
選択的に、前記の、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることは、ランダムアクセスの完了に成功した後に、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることを含み、
前記の、前記第二のTA値を廃棄することは、ランダムアクセスに失敗した後に、前記第二のTA値を廃棄することを含む。
【0127】
選択的に、前記の、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソースに用いることは、
前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することと、
前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新し、第二のTA値を前記第一の上りリンクリソース上の上りリンク信号の送信に用いることとのうちの少なくとも一つを含む。
【0128】
選択的に、前記の、前記第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイマを再起動することは、
前記第一のTA値を配置する際に配置されるタイマ値を採用し、前記第一の上りリンクリソースに対応する上りリンクタイマを再起動することと、
ランダムアクセスプロセスに配置されるタイマ値を採用し、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することとのうちのいずれか一つを含む。
【0129】
選択的に、前記の、第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することは、
前記第二のTA値を受信した場合、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することと、
ランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、前記第一の上りリンクリソースに対応するタイマを再起動することとのうちのいずれか一つを含む。
【0130】
選択的に、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することは、
前記第二のTA値を受信した場合、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することと、
ランダムアクセスプロセスの完了に成功した後に、前記第二のTA値を使用して前記第一のTA値を更新することとのうちのいずれか一つを含む。
【0131】
説明すべきこととして、本実施例では、上記端末100は、本出願の実施例において
図2の方法の実施例における各プロセスを実現し、且つ同じ有益な効果を達成することができ、説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0132】
本出願の実施例は、可読記憶媒体をさらに提供し、前記可読記憶媒体上にはプログラム又は命令が記憶されており、このプログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、上記上りリンクTA値処理方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0133】
ここで、前記プロセッサは、上記実施例に記載の端末におけるプロセッサである。前記可読記憶媒体は、コンピュータ可読記憶媒体、例えばコンピュータリードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどを含む。
【0134】
本出願の実施例は、チップをさらに提供し、前記チップは、プロセッサと、通信インターフェースとを含み、前記通信インターフェースは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、ネットワーク側機器のプログラム又は命令を運行し、上記上りリンクTA値処理方法の実施例の各プロセスを実現するために用いられ、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0135】
理解すべきこととして、本出願の実施例に言及されたチップは、システムレベルチップ、システムチップ、チップシステム又はシステムオンチップなどと呼ばれてもよい。
【0136】
理解できるように、本開示に記述されたこれらの実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はその組み合わせで実現されてもよい。ハードウェアの実現に対して、モジュール、ユニット、サブモジュール、サブユニットなどは、一つ又は複数の専用集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processing、DSP)、デジタルシグナルプロセッシングデバイス(DSP Device、DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device、PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本出願の前記機能を実行するための他の電子ユニット又はその組み合わせに実現されてもよい。
【0137】
説明すべきこととして、本明細書では、用語である「含む」、「包含」又はその他の任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、それによって一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけではなく、明確にリストアップされていない他の要素も含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素も含む。それ以上の制限がない場合に、「……を1つ含む」という文章で限定された要素について、この要素を含むプロセス、方法、物品又は装置には他の同じ要素も存在することが排除されるものではない。なお、指摘すべきこととして、本出願の実施の形態における方法と装置の範囲は、図示又は討論された順序で機能を実行することに限らず、関わる機能に基づいて基本的に同時である方式又は逆の順序で機能を実行することを含んでもよく、例えば記述されたものとは異なる手順で記述された方法を実行することができるとともに、様々なステップを追加、省略又は組み合わせることができる。また、いくつかの例を参照して記述された特徴は、他の例で組み合わせられることができる。
【0138】
以上の実施の形態の記述によって、当業者であればはっきりと分かるように、上記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されることができる。無論、ハードウェアによって実現されてもよいが、多くの場合、前者は、より好適な実施の形態である。このような理解を踏まえて、本出願の技術案は、実質には又は従来の技術に寄与した部分がソフトウェア製品の形式によって具現化されてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させるための若干の命令を含む。
【0139】
以上は、図面を結び付けながら、本出願の実施例を記述したが、本出願は、上記の具体的な実施の形態に限らない。上記の具体的な実施の形態は、例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本出願の示唆で、本出願の趣旨と請求項が保護する範囲から逸脱しない限り、多くの形式を行うこともでき、いずれも本出願の保護範囲に属する。