(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法、情報処理システム、および情報処理端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20241220BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20241220BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20241220BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20241220BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20241220BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06F3/048
G06F3/14 310C
G06N20/00
H04L67/02
(21)【出願番号】P 2024080596
(22)【出願日】2024-05-17
【審査請求日】2024-05-17
(31)【優先権主張番号】P 2023138021
(32)【優先日】2023-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023212939
(32)【優先日】2023-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519291331
【氏名又は名称】株式会社ELYZA
(74)【代理人】
【識別番号】100210815
【氏名又は名称】西田 聡子
(72)【発明者】
【氏名】臼杵 壮也
(72)【発明者】
【氏名】専光 建志
(72)【発明者】
【氏名】臼井 翔平
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-096176(JP,A)
【文献】特開2019-207648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00 - 99/00
H04L 67/02
G06F 3/048
G06F 3/14
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの問い合わせにオペレータが対応するシステムであって、
制御部を有するコンピュータ
を備え、
前記制御部が、機械学習モデルに対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像を
前記ユーザに対し表示させるステップと、
前記制御部が、前記ユーザが前記照会入力欄に入力した前記照会文を受け付けるステップと、
前記制御部が、前記
受け付けた照会文を前記機械学習モデルに入力するステップと、
前記制御部が、前記機械学習モデル
が前記ユーザの解決したい課題を解決するために必要な情報が不足しているか否かの判断に基づいて
出力した質問群を受け付けるステップと、
前記制御部が、前記質問群および当該質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像を
生成するために必要な情報を出力するステップと、
前記制御部が、前記出力した情報に基づいて、前記第2の画像を前記ユーザに対し表示させるステップと、
を備え
、
前記第2の画像を前記ユーザに対し表示させるステップは、前記オペレータが前記ユーザからの問い合わせに対応する前に自動的に実行する、情報処理
システム。
【請求項2】
前記質問群は、前記照会文に関連する情報を入力させるための質問である、請求項1に記載の情報処理
システム。
【請求項3】
前記回答入力欄は、前記質問群のそれぞれの質問に対応して表示される、請求項2に記載の情報処理
システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記照会入力欄とは異なる前記回答入力欄を生成する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理
システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の画像を第1の画面に表示し、前記第2の画像を前記第1の画面とは異なる第2の画面に表示する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理
システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の画像と前記第2の画像は異なる表示領域において表示する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理
システム。
【請求項7】
ユーザからの問い合わせにオペレータが対応する情報処理システムにおいて実行される方法であって、
機械学習モデルに対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像が
前記ユーザに対し表示されるステップと、
前記ユーザが前記照会入力欄に入力した前記照会文を受け付けるステップと、
前記
受け付けた照会文が前記機械学習モデルに入力されるステップと、
前記機械学習モデル
が前記ユーザの解決したい課題を解決するために必要な情報が不足しているか否かの判断に基づいて
出力した質問群を受け付けるステップと、
前記質問群および当該質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像
を生成するために必要な情報を出力するステップと、
前記出力された情報に基づいて、前記第2の画像が
前記ユーザに対し表示されるステップと、
を備え
、
前記第2の画像が前記ユーザに対し表示されるステップは、前記オペレータが前記ユーザからの問い合わせに対応する前に自動的に実行される、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理プログラム、情報処理方法、情報処理システム、および情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
商品やサービスを提供する事業者では、顧客からの問い合わせに回答するため、ヘルプデスクやコールセンターといった対応窓口が設置されている。対応窓口では、例えば、電子メールやWebサイト上のフォームにより受け付けた問い合わせに対し、オペレータ(対応者)が後で回答するという対応や、電話による問い合わせをオペレータが受け付けて即時に回答するという対応が行われる。特許文献1では、顧客からの問い合わせに対し、チャットボットを用いてコールセンター業務の効率化を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子メールやフォーム、電話などでのユーザからの問い合わせは、適切な回答をするための情報が不足していることが多い。このため、オペレータは、問い合わせの内容を補完する情報を得るための追加の質問を行ったりして、問い合わせの意図や詳細を改めて聞き返す必要があった。また、チャットサービスは、内容に応じた聞き返しのパターンを予め定義しておくルールベース(シナリオベース)の仕組みによって対話的に内容を補完する。しかし、チャットサービスは、聞き返しのパターンが画一的で、対話の流れが不自然であったり、ルールの作成に手間がかかったりしていた。また、パターンから逸脱した問い合わせに対しては、回答が困難になる場合もあった。
【0005】
そこで、本開示では、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、問い合わせの回答を効率的に行うことができる情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る情報処理プログラムは、制御部を有するコンピュータが実行するプログラムであって、制御部が、機械学習モデルに対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像を表示させるステップと、制御部が、照会入力欄に入力された照会文を機械学習モデルに入力するステップと、制御部が、機械学習モデルの出力に基づいて生成された、質問群および当該質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像を表示させるステップと、を備える。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る情報処理方法は、情報処理システムにおいて実行される方法であって、機械学習モデルに対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像が表示されるステップと、照会入力欄に入力された照会文が機械学習モデルに入力されるステップと、機械学習モデルの出力に基づいて生成された、質問群および当該質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像が表示されるステップと、を備える。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る情報処理システムは、制御部を有するコンピュータを備えるシステムであって、制御部が、機械学習モデルに対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像を表示させ、制御部が、照会入力欄に入力された照会文を機械学習モデルに入力し、制御部が、機械学習モデルの出力に基づいて生成された、質問群および当該質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像を表示させる。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る情報処理端末は、制御部を有する端末であって、制御部は、機械学習モデルに対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像を表示し、制御部は、機械学習モデルに入力する照会文を取得し、制御部は、照会文が入力された機械学習モデルの出力に基づいて生成された、質問群および当該質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像を表示させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、問い合わせの回答を効率的に行うことができる情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】サーバ装置100のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】サーバ装置100の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】端末装置200の機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】端末装置200における表示の一例を示す図である。
【
図6】端末装置200における表示の一例を示す図である。
【
図7】端末装置200における表示の一例を示す図である。
【
図8】情報処理システム1における情報処理の一例を示したフロー図である。
【
図9】端末装置200における表示の一例を示す図である。
【
図10】端末装置200における表示の一例を示す図である。
【
図11】端末装置200における表示の一例を示す図である。
【
図14】オペレータ端末装置1400における表示の一例を示す図である。
【
図15】オペレータ端末装置1400における表示の一例を示す図である。
【
図16】オペレータ端末装置1400における表示の一例を示す図である。
【
図17】オペレータ端末装置1400における表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0013】
<本発明の概要>
本発明に係る情報処理システムは、顧客等のユーザからの問い合わせに対応するコールセンター業務等において、問い合わせの回答を効率的に行うことを可能とするシステムである。本発明では、ユーザから問い合わせフォーム等で受け付けた照会文を機械学習モデルに入力し、照会文に対して適切に回答するのに必要な情報を得るための質問群を出力させ、質問群と当該質問群に対する回答を入力する回答入力欄を生成してユーザに提示する。ユーザからの問い合わせに回答する前に、回答するために不足している情報を追加で質問しておくことで、問い合わせに対応するオペレータ等が最終的な回答を行うまでの負担を軽減することができる。
<実施形態1>
(情報処理システム1の構成)
【0014】
図1は、情報処理システム1の全体図である。
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの全体図について説明する。
【0015】
本実施形態に係る情報処理システム1は、サーバ装置100と、端末装置200と、を備える。サーバ装置100と、端末装置200とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等から構成される。なお、
図1では、説明を簡略化するため、端末装置200は1台しか記載されていないが、情報処理システム1は、端末装置200を複数台備えていてもよい。
【0016】
サーバ装置100は、コールセンター業務等の問い合わせ対応を行う事業者や、当該事業者にコールセンター業務に係るシステムを提供するプラットフォーマ等が用いる装置である。サーバ装置100は、例えば、ワークステーション、サーバコンピュータ、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等のような汎用コンピュータにより実現される。また、サーバ装置100は、クラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
サーバ装置100は、端末装置200からの要求に応じて、問い合わせを行うための画像を端末装置200に表示するよう制御する。例えば、サーバ装置100は、端末装置200からのアクセス要求に応じて、WEBページを提供することにより問い合わせフォーム等の画像を表示するよう制御してもよい。
【0018】
また、サーバ装置100は、機械学習モデルを有する。機械学習モデルは、大量のデータを学習して新しい文章やコンテンツを生成する能力を持ったシステムを含んでもよく、例えば、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)であってもよい。なお、機械学習モデルは、サーバ装置100以外の装置やシステムが提供するものを利用してもよい。
【0019】
端末装置200は、ユーザによって使用される情報処理端末であって、例えば、PC(Personal Computer)である。ただし、端末装置200は、PCに限られるものではなく、スマートフォン、タブレット、XR(Cross Reality)(AR:Augmented Reality,MR:Mixed Reality,VR:Virtual Reality)など、サーバ装置100からの情報を表示したり、照会文等を入力したりすることができれば、どのようなものであってもよい。
【0020】
端末装置200は、サーバ装置100から受信した、問い合わせフォーム等の画像を表示する。また、端末装置200は、ユーザが入力した照会文等をサーバ装置100に送信する。例えば、端末装置200は、WEBページを閲覧するためのWEBブラウザや、API(Application Programming Interface)、アプリケーション等を利用して、サーバ装置100にアクセスすることにより、WEBページを構成する要素や仕様等のデータを受信し、WEBページを表示してもよい。端末装置200のユーザに対し、WEBページに描画された問い合わせフォームや入力内容の確認についての画像が提示される。
【0021】
なお、端末装置200に表示される問い合わせフォーム等の「画像」とは、ユーザがシステムやアプリケーション等と対話するためのユーザインタフェース(UI(User Interface))である。UIは、例えば、テキストボックスやボタンなどユーザが直接操作するためのビジュアル要素、これらのビジュアル要素がどのように配置されるかという情報であるレイアウト、ユーザに情報を提供するためのテキスト、ビジュアル要素等が表示されるグラフィックを含んでよい。UIは、さらに、ユーザがアクションを取った際にシステムがどのように反応するかを示すフィードバック情報、ユーザがインタフェースと対話するための動作や手法を示すインタラクション情報などを含んでもよい。本明細書において、端末装置200に表示される「画像」は、少なくとも、UIの一部であるグラフィックを含む。
【0022】
(サーバ装置100および端末装置200のハードウェア構成)
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成を示す図である。
図2を参照して、本実施形態に係るサーバ装置100のハードウェア構成について説明する。
【0023】
サーバ装置100は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、を備える。
【0024】
プロセッサ11は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。プロセッサ11は、「制御部」として機能し、後述するメモリ12に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することで、サーバ装置100の機能等を制御する。
【0025】
メモリ12は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。メモリ12は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリにより実現される。メモリ12に記憶されるプログラムは、本発明に係る情報処理方法を実行するプログラム等である。
【0026】
ストレージ13は、データを保存するための記憶装置である。ストレージ13は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュストレージ(SSD(Solid State Drive), USB(Universal Serial Bus)フラッシュドライブなど)等により実現される。
【0027】
通信IF14は、サーバ装置100が外部の装置と通信するため、信号を送受信するためのインタフェースである。例えば、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSBコネクタ等である。
【0028】
入出力IF15は、ユーザからの入力を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースである。入力装置は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン等により実現される。出力装置は、例えば、ディスプレイやプリンタ、スピーカ等により実現される。
【0029】
以上、サーバ装置100のハードウェア構成を説明したが、端末装置200のハードウェア構成を、
図2に示したハードウェア構成と同様のものとしてもよい。端末装置200の各構成要素の動作は、上述のサーバ装置100と同様に、メモリ12に記憶されたプログラムに従ったプロセッサ11により実現する。
【0030】
(サーバ装置100の機能的構成)
図3は、サーバ装置100の機能的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、実施形態1に係るサーバ装置100の機能的構成について説明する。
【0031】
サーバ装置100は、通信部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、制御部150と、大規模言語モデル160と、を備える。
【0032】
通信部110は、サーバ装置100が他の装置と通信するための処理を行う。ここでいう他の装置とは、ネットワークNWで接続されたPCでもよいし、スマートフォン、タブレットなどの端末であってもよい。また、他の装置は、入出力装置、例えば、フラッシュメモリやHDDなどによりデータの入出力を行う装置であってもよい。
【0033】
記憶部120は、例えば、RAM等の揮発性のメモリ、HDD、フラッシュストレージ等により構成され、サーバ装置100が使用するデータ、および各種処理に用いられるコンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、所定のサーバ等からインストールされてもよいし、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いてインストールされてもよい。また、所定のサーバは、例えば、リモートでアクセス可能な外部のコンピュータによって構築されていてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、USBフラッシュメモリ等である。
【0034】
入力部130は、サーバ装置100にデータやコマンドを入力するためのインタフェースである。
【0035】
出力部140は、情報を出力するインタフェースである。
【0036】
制御部150は、サーバ装置100の各機能を制御し、予め記憶部120に記憶されているプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部150は、通信部110を介して、端末装置200からユーザが入力した照会文や回答などの文章を受け取り、大規模言語モデル160に送る。また、制御部150は、大規模言語モデル160からの出力等に基づいて、端末装置200に表示させる画像を生成するための情報を出力する。
【0037】
制御部150は、通信部110を介して、画像を生成するための情報を端末装置200に送信し、端末装置200が画像を表示するよう制御する。端末装置200が表示する画像とは、例えば、機械学習モデル(大規模言語モデル160)に対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像や、機械学習モデル(大規模言語モデル160)の出力に基づいて生成された、質問群および当該質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像である。端末装置200が表示する画像については、後述する。
【0038】
大規模言語モデル160は、事前学習によって、大量のデータから汎用的な言語パターンを学習した自然言語処理モデルである。大規模言語モデル160は、ゼロショット(zero-shot)の状態(追加学習していない状態)であってもよいし、ユーザが解決したい課題に対応するタスクにファインチューニングされていてもよい。ユーザが解決したい課題とは、例えば、商品の故障、修理などや、所持品の紛失などに対する対応である。また、会社などの組織における手続きに対する対応であってもよい。ただし、上述したユーザが解決したい課題は一例であり、これらに限定されるものではない。大規模言語モデルを、ユーザが解決したい課題に対応するタスクにファインチューニングすることで、ユーザが自由記述した照会文であっても、ユーザの意図をより容易に解釈することができる。
【0039】
大規模言語モデル160には、制御部150から、ユーザが入力した照会文や回答などの文章が入力される。大規模言語モデル160は、入力された文章から、ユーザが解決したい課題を判断し、入力された文章の中に、課題を解決するために必要な情報が不足しているか否かを確認する。大規模言語モデル160は、必要な情報が不足していると判断した場合は、質問群を出力する。質問群は、照会文に関連する情報を入力させるための質問である。質問群は、一つであってもよいし複数であってもよい。また、大規模言語モデル160は、サーバ装置100内に備えるのではなく、サーバ装置100とネットワークを介して、または直接的に接続される装置(不図示)が備えるようにしてもよい。また、大規模言語モデル160に入力される文章は、上述のように出力された質問群に対する回答によって、さらに生成された質問群に対する回答であってもよい。
【0040】
(端末装置200の機能的構成)
図4は、端末装置200の機能的構成を示すブロック図である。
図4を参照して、実施形態1に係る端末装置200の機能的構成について説明する。
【0041】
端末装置200は、通信部210と、記憶部220と、入力部230と、出力部240と、制御部250とを備える。
【0042】
通信部210は、端末装置200が他の装置と通信するための処理を行う。通信部210の機能は、サーバ装置100の通信部110と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0043】
記憶部220は、例えば、RAM等の揮発性のメモリ、フラッシュメモリ、HDD等により構成される。記憶部220は、端末装置200が使用するデータ、および各種処理に用いられるコンピュータプログラムを記憶する。記憶部220の機能は、サーバ装置100の記憶部120と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0044】
入力部230は、端末装置200のユーザ入力を受け付けるインタフェースである。入力部230は、例えば、キーボードや、タッチパネル、音声入力を検出するマイクであるが、これらに限られない。入力部230は、ユーザが入力した照会文や回答を受け付ける。
【0045】
出力部240は、情報を出力して端末装置200のユーザに通知するインタフェースである。出力部240は、例えば、ディスプレイや、音声出力するスピーカであるが、これらに限られない。出力部240は、例えば、サーバ装置100等から受信したデータに基づいて生成したWEBページ(画像)をディスプレイに表示する。
【0046】
制御部250は、端末装置200の各機能を制御し、予め記憶部220に記憶されているプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部250は、通信部210を介して、サーバ装置100から画像を生成するために必要なデータを受信する。そして、制御部250は、受信したデータに基づいて画像を生成し、出力部240に表示させる。
【0047】
(端末装置200における表示例)
図5は、端末装置200における表示の一例を示す図である。
図5を参照して、端末装置200の出力部240における表示の一例として、問い合わせフォームについて説明する。
【0048】
ウィンドウ500は、端末装置200において起動されたWEBブラウザに表示されるWEBページを示しており、画像510を有する。画像510は、問い合わせに関して対応に必要な情報を入力するフォームであって、機械学習モデルに対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像である。画像510は、照会入力欄512,514,516および、アイコン518を含む。なお、入力する項目の内容や項目数、必須項目、任意項目等の設定、レイアウト等は、コールセンター業務等の問い合わせ対応を行う事業者が自由に行うことができる。
【0049】
照会入力欄512は、問い合わせをするユーザの名前を入力するための入力欄である。照会入力欄514は、問い合わせをするユーザのメールアドレスを入力するための入力欄である。例えば、受け付けた問い合わせに対する回答を電子メールで送付する際に用いられる。
図5の例では、照会入力欄512には「特許太郎」、照会入力欄514には「example@xxxxx.com」が入力されている。
【0050】
照会入力欄516は、機械学習モデルに対する照会文を入力するための入力欄である。ユーザは、照会入力欄516に問い合わせの内容を自由に記述することができる。
図5の例では、照会入力欄516には、「お店で買ったカメラがうまく動かなかったので、修理するか返金してください。」と入力されている。
【0051】
アイコン518は、問い合わせ先(例えば、コールセンターやヘルプデスクなどの対応窓口)に送信する内容として、照会入力欄512,514,516に入力した内容が受け付けられているかを確認するためのボタンである。ユーザによってアイコン518が押下されると、出力部240に、入力内容を確認する画像が表示されてもよい。例えば、ウィンドウ500内の画像510の内容が書き変わって内容確認の画像が表示されてもよいし、WEBページが切り替わって表示されてもよい。また、新たなウィンドウが生成されて、表示されてもよい。
【0052】
なお、アイコン518の押下に応じて、照会入力欄516に入力された照会文が、サーバ装置100に送信され、大規模言語モデル160(
図3参照)に入力されるようにしてもよい。また、照会入力欄516にユーザが入力を行うと同時に、その内容がサーバ装置100にリアルタイムに送信されるようにしてもよい。端末装置200からサーバ装置100へリアルタイムに送信された照会文は、大規模言語モデル160に入力され、その出力に基づいて、端末装置200の出力部240に質問群や回答入力欄が自動的に表示されるようにしてもよい。
【0053】
図6は、端末装置200における表示の一例を示す図である。
図6を参照して、端末装置200の出力部240における表示の一例として、問い合わせフォーム(
図5参照)に入力した内容を確認する画像について説明する。
【0054】
ウィンドウ600は、端末装置200において起動されたWEBブラウザに表示されるWEBページを示しており、画像610を有する。画像610は、問い合わせフォーム(
図5参照)の照会入力欄に入力した内容(名前、メールアドレス、問い合わせ内容)と、照会文に関連する情報を入力させるための質問群と、質問群に対する回答入力欄を示している。すなわち、画像610は、機械学習モデルの出力に基づいて生成された、質問群および質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像である。画像610は、質問欄612と、回答入力欄614と、アイコン616,618を含む。
【0055】
質問欄612は、入力された問い合わせ内容から大規模言語モデル160(
図3参照)が出力した質問群を含む。
図6の例では、質問として「カメラのメーカーや型番」および「購入した店舗や日時」が記載されている。これは、問い合わせ内容が「お店で買ったカメラがうまく動かなかったので、修理するか返金してください。」であり、大規模言語モデル160が、問い合わせに適切に回答するためには必要な情報が不足していると判断し、照会文に含まれる「お店で買ったカメラ」について関連する情報を入力させるための質問を生成したものである。なお、質問欄612には、2つの質問が表示されているが、大規模言語モデル160が生成する質問の数は2つに限られず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、生成する質問の数は、問い合わせの対応窓口が予め設定しておいてもよい。ただし、大規模言語モデル160が、問い合わせに適切に回答するために必要な情報が不足していないと判断した場合は、質問を生成しない。
【0056】
回答入力欄614は、質問欄612に記載された質問群に対する回答を入力するための入力欄である。ユーザは、回答入力欄614に質問に対する回答を自由に記入することができる。なお、
図6の例では、回答は「任意」としているが、オペレータが適切に回答するために、出力した質問の内容に応じて、「必須」としてもよい。また、回答入力欄614は、質問欄612に含まれる質問の数や内容に応じて、大きさが変更されてもよい。
【0057】
また、質問欄612の質問群が配置される位置は、
図6で示された位置に限られない。質問群は、ユーザが認識できる態様で提示されていればよく、例えば、回答入力欄614の内部に記載されていてもよい。また、
図6の例では、回答入力欄614は枠で囲まれているが、回答入力欄614は必ずしも枠で囲まれている必要はない。ユーザが回答を入力する領域について認識できる態様で提示されていればよい。
【0058】
アイコン616は、現在端末装置200に表示されている画像610に遷移する前に表示されていた画像に戻るためのボタンである。ユーザによってアイコン616が押下されると、端末装置200において表示される画像が、お問い合わせフォームの画像(
図5参照)に戻る。
【0059】
アイコン618は、ユーザが入力した内容として確認された「お名前」、「メールアドレス」、「お問い合わせ内容」および回答入力欄614に入力された内容を問い合わせ先に送信するためのボタンである。ユーザによってアイコン618が押下されると、受付完了を通知する画像(後述する
図7)に表示が遷移する。
【0060】
図7は、端末装置200における表示の一例を示す図である。
図7を参照して、端末装置200の出力部240における表示の一例として、問い合わせの受付完了を通知する画像について説明する。
【0061】
ウィンドウ700は、端末装置200において起動されたWEBブラウザに表示されるWEBページを示しており、画像710を有する。画像710は、問い合わせ先に送信した内容(問い合わせ先が受け付けた内容)を示す画像である。より具体的には、画像710は、照会入力欄512,514,516(
図5参照)に入力された、問い合わせユーザの名前「特許太郎」、メールアドレス「example@xxxxx.com」、問い合わせ内容「お店で買ったカメラがうまく動かなかったので、修理するか返金してください。」および、回答入力欄614(
図6参照)に入力された回答である「カメラは、〇〇社、C52X0です。△△店で、2023年〇月×日に購入しました。」を示している。問い合わせ先が受け付けた内容は、内容の把握を容易にするため、一覧性がよい形式で見やすく表示されることが好ましい。
【0062】
以上、
図5から
図7において、端末装置200における表示例、および表示される画像の遷移について説明した。
図6の例では、回答入力欄614は、照会入力欄512,514,516とは異なる入力欄として生成された。しかし、質問群に対する回答を入力する回答入力欄614は、照会入力欄516等と異なる入力欄としなくてもよい。例えば、照会入力欄516(
図5参照)に、照会文の入力と同時に生成される質問群をユーザに提示して、照会入力欄516に回答も入力させるようにしてもよい。また、質問群を提示するのではなく、照会文例を提示して、照会内容の書き直しを促すようにしてもよい。
【0063】
また、画像510(「第1の画像」)が表示されるウィンドウ500(「第1の画面」)と、画像610(「第2の画像」)が表示されるウィンドウ600(「第2の画面」)は、異なるウィンドウ(画面)であるが、同じウィンドウ内で、タブによって表示が切り替えられる構成であってもよい。また、同じウィンドウ内で、例えば、WEBページが切り替わるように、第1の画像から第2の画像へ表示が遷移する構成であってもよい。また、SPA(Single Page Application)のように、一つのWEBページ内でコンテンツ(画像)を動的に書き換え、WEBページの遷移を行わず、情報を提供するようにしてもよい。
【0064】
また、画像510(「第1の画像」)と画像610(「第2の画像」)とは同じウィンドウ内で、異なる表示領域にあってもよい。例えば、ウィンドウ内で、左右や、上下の表示領域に各画像が配置されてもよい。また、ウィンドウ内で、画像510の少なくとも一部が重複するように画像610を画像510の上に配置するというように、画像の表示レイヤーを異ならせてもよいし、モーダルを用いて表示してもよい。
【0065】
(情報処理システム1における情報処理のフロー)
図8は、情報処理システム1における情報処理の一例を示したフロー図である。
図8を参照して、情報処理システム1における問い合わせに係る処理の流れについて説明する。なお、処理の流れは一例であり、
図8に示す順序に限られない。また、以下において、端末装置200が表示する画面は、ディスプレイなどの出力部240の表示領域の少なくとも一部に表示される画像であってもよいし、全体に表示される画像であってもよい。また、WEBブラウザ等のウィンドウに表示される画像であってもよい。
【0066】
ステップS101において、端末装置200の制御部250は、ユーザの操作に応じて、
図5で示したようなお問い合わせ画面の表示要求をサーバ装置100に送信し、サーバ装置100は、表示要求に応じて、お問い合わせ画面を生成するために必要な情報を端末装置200に送信する。端末装置200の制御部250は、受信した情報に基づいて、お問い合わせ画面を出力部240に表示する。ステップS101は、サーバ装置100の制御部150が、機械学習モデルに対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像を表示させる処理の一例である。
【0067】
ステップS102において、端末装置200の制御部250は、出力部240に表示したお問い合わせ画面の照会入力欄に対してユーザが入力した照会文を受け付ける。制御部250は、例えば、ユーザの送信指示に応じて、入力した照会文をサーバ装置100に送信する。なお、制御部250は、ユーザの送信指示を待たずに、ユーザが照会文を入力すると同時にサーバ装置100に自動的に送信するようにしてもよい。
【0068】
ステップS103において、サーバ装置100の制御部150は、ステップS102において受信した、照会入力欄に入力された照会文を機械学習モデルに入力する。本実施形態では、機械学習モデルは、大規模言語モデル160である。
【0069】
ステップS104において、サーバ装置100の大規模言語モデル160は、入力された照会文から、ユーザが解決したい課題を判断し、課題を解決するために必要な情報が不足しているか否かを確認する。大規模言語モデル160が、入力された照会文に課題を解決するために必要な情報が不足していると判断した場合(ステップS104においてY)、処理はステップS105に進む。一方、必要な情報が不足していないと判断した場合(ステップS104においてN)、処理はステップS108に進む。
【0070】
ステップS105において、大規模言語モデル160は、質問群を出力する。質問群は、照会文に関連する情報を入力させるための質問である。サーバ装置100の制御部150は、大規模言語モデル160の出力に基づいて、質問群および質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む画像を生成するために必要な情報を出力する。回答入力欄を含む画像は、例えば、
図6で示したような入力内容の確認画面である。
【0071】
ステップS106において、サーバ装置100の制御部150は、確認画面(
図6参照)を生成するために必要な情報を端末装置200に送信し、端末装置200の制御部250は、受信した情報に基づいて、確認画面を出力部240に表示する。ステップS106は、サーバ装置100の制御部150が、機械学習モデルの出力に基づいて生成された、質問群および質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像を、端末装置200に表示させる処理の一例である。
【0072】
ステップS107において、端末装置200の制御部250は、出力部240に表示した確認画面の回答入力欄に対しユーザが入力した回答を受け付ける。
【0073】
一方、ステップS104において、サーバ装置100の大規模言語モデル160が、入力された照会文について必要な情報が不足していないと判断した場合(ステップS104においてN)に実行されるステップS108において、サーバ装置100の制御部150は、お問い合わせ画面の照会入力欄に入力された内容を確認する確認画面を生成するために必要な情報を出力し、端末装置200に送信する。端末装置200の制御部250は、受信した情報に基づいて確認画面を出力部240に表示する。なお、ステップS108において表示される確認画面は、例えば、
図6の画像610から、質問欄612および回答入力欄614を削除した画面である。また、ステップS104の後、ステップS108で示したような確認画面を表示する処理を行わず、ステップS109の処理に進むようにしてもよい。
【0074】
ステップS109において、端末装置200の制御部250は、ユーザからの入力内容を問い合わせ先に送信させる操作に応じて、照会入力欄および回答入力欄に入力された内容をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100の制御部150は、端末装置200から受信した内容を、受け付けた内容として通知する受付完了画面を生成するのに必要な情報を出力し、端末装置200に送信する。端末装置200の制御部250は、受信した情報に基づいて、受付完了画面を出力部240に表示する。サーバ装置100の制御部150は、例えば、
図7で示したような問い合わせの受付完了を通知する受付完了画面を生成するのに必要な情報を出力する。
【0075】
以上で、情報処理システム1における問い合わせに係る処理が終了する。問い合わせに対応するオペレータは、大規模言語モデル160が生成した質問群に対する回答を含む照会内容を確認することができる。
【0076】
(効果の説明)
上述したように、本実施形態に係る情報処理システムでは、ユーザから問い合わせフォーム等で受け付けた照会文を機械学習モデルに入力し、照会文に対して適切に回答するのに必要な情報を得るための質問群を出力させ、質問群と当該質問群に対する回答を入力する回答入力欄を生成してユーザに提示する。ユーザからの問い合わせに回答する前に、回答するために不足している情報を追加で自動的に質問しておくことで、問い合わせに対応するオペレータ等がユーザに改めて質問する必要がなくなり、最終的な回答を行うまでの負担を軽減することができる。
【0077】
また、本実施形態では、大規模言語モデルにより、照会文に対して適切に回答するのに必要な情報を得るための質問を生成させるため、状況に応じた聞き返しのパターンを予め定義しておくルールベースによるシステムよりも質問内容を適切に表現することができる。
【0078】
また、本実施形態では、照会入力欄とは異なる回答入力欄を自動的に生成する。チャットボットのような経時的な対話形式とは異なり、照会入力欄とは異なる回答入力欄が生成されることにより、ユーザは、適切な回答を得るために追加で必要な情報を即時的に把握し、入力することができる。
【0079】
また、本実施形態では、機械学習モデルに対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像を第1の画面に表示し、機械学習モデルの出力に基づいて生成された質問群および質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像を、第1の画面とは異なる第2の画面に表示する。また、本実施形態では、第1の画像と第2の画像は異なる表示領域において表示する。これにより、入力内容や生成された質問群が、閲覧性がよく表示されるため、ユーザは、入力内容や質問群の内容把握を容易に行うことができる。
【0080】
<変形例1>
実施形態1では、
図6に示したように、機械学習モデルの出力に基づいて生成された質問群に対して、回答を入力する1つの回答入力欄が生成された。しかし、生成される回答入力欄は1つに限られない。質問群のそれぞれの質問に対応して回答入力欄が生成されてもよい。
【0081】
図9は、端末装置200における表示の一例を示す図である。
図9を参照して、端末装置200の出力部240における表示の一例として、問い合わせフォーム(
図5参照)に入力した内容を確認する画像について説明する。なお、共通の構成要素には同一の符号を付しており、繰り返しの説明は省略する。
【0082】
ウィンドウ900は、端末装置200において起動されたWEBブラウザに表示されるWEBページを示しており、画像910を有する。画像910は、質問912,916と、回答入力欄914,918と、アイコン616,618を含む。
【0083】
質問912および質問916は、大規模言語モデル160(
図3参照)が出力した質問である。回答入力欄914は質問912に対する回答入力欄であり、回答入力欄918は質問916に対する回答入力欄である。すなわち、回答入力欄は、大規模言語モデル160が出力した質問群のそれぞれの質問に対応して表示される。
【0084】
ユーザは、それぞれの回答入力欄に質問に対する回答を入力することができる。例えば、質問912に対する回答として、回答入力欄914には、「〇〇社、C52X0」と入力されている。また、質問916に対する回答入力欄918には、何も入力されていない。ユーザによってアイコン618が押下されると、受付完了を通知する画像(後述する
図10)に表示が遷移する。
【0085】
図10は、端末装置200における表示の一例を示す図である。
図10を参照して、端末装置200の出力部240における表示の一例として、問い合わせの受付完了を通知する画像について説明する。
【0086】
ウィンドウ1000は、端末装置200において起動されたWEBブラウザに表示されるWEBページを示しており、画像1010を有する。画像1010は、問い合わせ先に送信した内容(問い合わせ先が受け付けた内容)を示す画像である。
【0087】
項目1012および項目1016は、それぞれ、
図9の質問912および質問916に対応する。回答1014および回答1018は、それぞれ、
図9の回答入力欄914および回答入力欄918に入力された内容に対応する。回答1018には、「(未入力)」と表示されており、回答入力欄918にはユーザからの入力を受け付けていないことを示している。
【0088】
(効果の説明)
回答入力欄を、質問群のそれぞれの質問に対応して表示することで、ユーザによる回答漏れを防ぐことができる。また、どの質問に対する回答であるか、オペレータが容易に把握することができる。また、嫌がらせ等が目的であると推測できる問い合わせ内容については、質問に対してそれぞれ回答入力欄が生成されることで、送信する気力を失わせ、嫌がらせ目的の問い合わせに対するオペレータの負担を軽減することができる。
【0089】
<変形例2>
実施形態1のサーバ装置100において、受け付けた問い合わせ内容と、その問い合わせ内容に対するオペレータによる実際の回答内容をデータとして蓄積してもよい。お問い合わせ内容に対する社内ドキュメントや、インターネット上の情報などとともに蓄積されたデータを活用することで、大規模言語モデルの回答精度を向上させることができる。また、変形例1で説明したように、各質問に対して回答入力欄を生成することで、質問に対して入力される回答の対応関係が明確になり、大規模言語モデルの回答精度を向上させることができる。
【0090】
また、サーバ装置100は、ユーザの照会文に対し適切に回答するのに不足する情報があった場合、実施形態1のように入力内容の確認画面において質問群および回答入力欄を表示させ、ユーザに入力させるのではなく、電子メールによる自動返信で質問し、ユーザに入力させるようにしてもよい。これにより、照会文を大規模言語モデルに入力してから所定時間以内に質問群が出力されない場合であっても、ユーザに待ち時間のストレスを与えることなく、対応することができる。
【0091】
また、サーバ装置100は、照会入力欄や回答入力欄にユーザが自由記述する文章を、大規模言語モデルによって、適切な形に編集したり調整したりしてもよい。例えば、誤字脱字の修正や文法的な修正をしたり、行間、字間、段落の分割など視覚的に書式を編集したりしてもよい。また、内容に一貫した流れを持つように、文章全体の構造や順序を調整したり、言葉遣いなどを変更して、文章がより明確でわかりやすくなるように表現を修正したりしてもよい。これにより、ユーザが自由記述する負担を軽減することができる。また、一定の暴言、誹謗中傷など感情的な表現を修正することにより、問い合わせ内容を確認するオペレータの心理的不安を和らげることができる。
【0092】
また、サーバ装置100は、ユーザから受け付けた内容を大規模言語モデルに入力し、オペレータが行う電子メール等の返信の内容を出力するようにしてもよい。大規模言語モデルは、例えば、ユーザの照会文に対し適切に回答するための情報が足りている場合は、対応する内容について示された文章を出力する。また、大規模言語モデルは、例えば、ユーザに追加でした質問に対する回答について、さらに適切に回答するための情報が不足している場合は、不足内容を質問する内容の文章を出力する。オペレータは、出力された文章に基づいて、問い合わせに対する返信を作成することができるため、オペレータの対応の負担を軽減することができる。
【0093】
<変形例3>
図11は、端末装置200における表示の一例を示す図である。
図11を参照して、端末装置200の出力部240における表示の一例として、問い合わせフォーム(
図5参照)の照会文が自動的にサーバ装置100に送信され、生成された質問群と回答入力欄について説明する。なお、共通の構成要素には同一の符号を付しており、繰り返しの説明は省略する。
【0094】
ウィンドウ1100は、端末装置200において起動されたWEBブラウザに表示されるWEBページを示しており、画像1110を有する。画像1110は、照会入力欄512,514,516、メッセージ1121、質問1122,1124、回答入力欄1123,1125、およびアイコン518を含む。
【0095】
図11の例では、お問い合わせフォーム(
図5参照)において、照会入力欄516にユーザが入力した照会文が自動的にサーバ装置100に送信され、大規模言語モデル160が出力した情報に基づき、メッセージ1121、質問1122,1124、回答入力欄1123,1125が示されている。
【0096】
質問1122および質問1124は、大規模言語モデル160(
図3参照)が出力した質問である。回答入力欄1123は質問1122に対する回答入力欄であり、回答入力欄1125は質問1124に対する回答入力欄である。すなわち、回答入力欄は、大規模言語モデル160が出力した質問群のそれぞれの質問に対応して表示される。
【0097】
ユーザは、それぞれの回答入力欄に質問に対する回答を入力することができる。ユーザによってアイコン518が押下されると、入力内容の確認をする画像が表示されてもよいし、受付完了を通知する画像が表示されてもよい。
【0098】
ユーザが照会文を入力すると自動的にサーバ装置100の大規模言語モデル160に照会文が入力され、出力された質問群および回答入力欄が即時にお問い合わせフォーム上に表示される。したがって、ユーザは、入力内容に何が不足しているのか即時に理解でき、お問い合わせフォームの内容全体をサーバ装置100に送信する前に問い合わせ内容を充実させることができるので、問い合わせ業務について効率を向上させることができる。
【0099】
<実施形態2>
実施形態2に係る情報処理システム2は、電話や窓口等でユーザと口頭で問い合わせ対応するオペレータが用いるシステムである。
【0100】
(情報処理システム2の構成)
図12は、情報処理システム2の全体図である。
図12を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの全体図について説明する。なお、共通の構成要素には同一の符号を付しており、繰り返しの説明は省略する。
【0101】
本実施形態に係る情報処理システム2は、サーバ装置100と、ユーザ端末装置300と、オペレータ端末装置400と、を備える。サーバ装置100と、ユーザ端末装置300と、オペレータ端末装置400とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。なお、
図12では、説明を簡略化するため、ユーザ端末装置300およびオペレータ端末装置400は1台しか記載されていないが、それぞれ複数台であってもよい。また、ユーザ端末装置300およびオペレータ端末装置400は、上述の端末装置200と同等の機能的構成を有する。
【0102】
ユーザ端末装置300は、オペレータに問い合わせをするユーザによって使用される端末装置である。ユーザ端末装置300は、少なくとも通話機能を有し、例えば、固定電話や携帯電話であってもよいし、インターネットを通じて音声通話(IP電話やビデオ電話等)を行う情報処理端末であってもよい。
【0103】
オペレータ端末装置400は、コールセンター等のオペレータが使用する情報処理端末である。例えば、PC、スマートフォン、タブレット、XRなど、サーバ装置100と情報を送受信することができれば、どのようなものであってもよい。
【0104】
オペレータ端末装置400は、ユーザ端末装置300から、ユーザの問い合わせを音声データで受け付ける。例えば、オペレータ端末装置400は、ユーザ端末装置300からの電話での問い合わせ音声をデジタルデータに変換してもよい。オペレータ端末装置400は、受け付けた音声データをリアルタイムにサーバ装置100に送信する。なお、音声データではなく、オペレータ自身がユーザからの問い合わせ内容の要点などをまとめた照会文を作成して、サーバ装置100に送信してもよい。また、オペレータがユーザからの問い合わせ内容を復唱した音声データをサーバ装置100に送信してもよい。
【0105】
サーバ装置100は、オペレータ端末装置400から入手した音声データを、テキストデータに変換して、大規模言語モデル160に入力する。この際、音声データをそのまま大規模言語モデル160に入力してもよい。
【0106】
大規模言語モデル160は、入力されたデータから、ユーザが解決したい課題を判断し、入力された文章の中に、課題を解決するために必要な情報が不足しているか否かを確認する。大規模言語モデル160は、必要な情報が不足していると判断した場合は、質問群を出力する。この際、大規模言語モデル160は、お問い合わせ内容に対する社内ドキュメントや、インターネット上の情報なども活用して質問群を出力してもよい。
【0107】
サーバ装置100は、大規模言語モデル160が出力した質問群を、オペレータ端末装置400に送信する。オペレータ端末装置400は、受信した質問群をディスプレイ等に表示してオペレータに提示する。これにより、オペレータは、表示された質問群を確認しながら、ユーザに対して質問を行うことができる。
【0108】
なお、サーバ装置100は、オペレータ端末装置400から受信した音声データに基づいて、応対記録を自動的に作成してもよい。例えば、オペレータとユーザの音声データとから、通話日時、ユーザを特定する情報(氏名、連絡先等)、ユーザの問い合わせ内容、オペレータの対応内容、通話時間、対応したオペレータを特定する情報、ユーザの感情情報などを解析して記録してもよい。応対記録を活用して、大規模言語モデル160の回答精度を向上させることができる。
【0109】
(効果の説明)
ユーザからの電話による問い合わせは、リアルタイムな回答が求められるが、オペレータの知識不足、経験不足等により、全てのオペレータが即時に応答できる訳ではない。回答に必要な情報を大規模言語モデルに判断させ、不足する情報があった場合に、ユーザにリアルタイムに聞くべき情報等をオペレータに提示することで、回答までの待ち時間等を削減し、問い合わせ業務における効率を向上させることができる。
【0110】
また、問い合わせ対応を自動的に記録することにより、オペレータの業務負担を軽減することができる。
【0111】
<実施形態3>
実施形態3に係る情報処理システム3は、電話やチャットなどを介したユーザからの非定型的な照会(問い合わせ)に即時的に対応するオペレータが用いるシステムである。なお、本実施形態において、非定型的な照会とは、標準的な分類がしにくいような、典型的ではない、特定の状況に関する問い合わせなどをいう。
【0112】
(情報処理システム3の構成)
図13は、情報処理システム3の全体図である。
図13を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの全体図について説明する。なお、共通の構成要素には同一の符号を付しており、繰り返しの説明は省略する。
【0113】
本実施形態に係る情報処理システム3は、サーバ装置100と、ユーザ端末装置300と、オペレータ端末装置1400と、を備える。サーバ装置100と、ユーザ端末装置300と、オペレータ端末装置1400とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。なお、
図13では、説明を簡略化するため、ユーザ端末装置300およびオペレータ端末装置1400は1台しか記載されていないが、それぞれ複数台であってもよい。また、ユーザ端末装置300およびオペレータ端末装置1400は、上述の端末装置200と同等の機能(
図4参照)に加え、電話機能を有する。電話機能は、アナログ回線、デジタル回線、IP回線、ひかり回線等によって実現されてもよい。
【0114】
オペレータ端末装置1400は、コールセンター等のオペレータが使用する情報処理端末である。例えば、PC、スマートフォン、タブレット、XRなど、サーバ装置100と情報を送受信することができれば、どのようなものであってもよい。
【0115】
オペレータ端末装置1400は、ユーザ端末装置300を介して、ユーザからの非定型的な照会を音声データまたは文字列データで受け付ける。例えば、電話やチャットで受け付けてもよい。また、オペレータ端末装置1400は、オペレータの電話やチャットでの対応を受け付け、照会に係る、ユーザとオペレータとの対話をオペレータが閲覧する表示装置に表示する。
【0116】
また、オペレータ端末装置1400は、対話におけるユーザの照会内容を示すユーザ照会情報をサーバ装置100に送信する。ユーザ照会情報は、例えば、ユーザ端末装置300から受け付けたユーザの発話に基づいて変換されたデジタルデータ(音声データや文字列データ)であってもよい。また、ユーザ照会情報は、ユーザが入力した文字列データであってもよい。また、オペレータ端末装置1400は、ユーザとオペレータとの対話内容をサーバ装置100に送信し、サーバ装置100が、対話内容からユーザの照会内容を抽出してもよい。
【0117】
サーバ装置100は、オペレータ端末装置1400から受け付けたユーザ照会情報を大規模言語モデル160に入力する。大規模言語モデル160は、実施形態1で説明したように、入力されたユーザ照会情報から、ユーザが解決したい課題を判断し、課題を解決するために必要な情報が不足しているか否かを判断する。大規模言語モデル160は、課題を解決するために必要な情報が不足していると判断した場合は、必要な情報を質問情報として出力する。
【0118】
また、大規模言語モデル160は、ユーザが解決したい課題に関連する解決情報を出力してもよい。解決情報とは、例えば、よくある質問とその回答を集めたFAQ(Frequently Asked Questions)である。
【0119】
上述のように、大規模言語モデル160は、入力されたユーザ照会情報に対して、質問情報または解決情報の少なくとも一つを出力してもよい。サーバ装置100は、大規模言語モデル160が出力した質問情報または/および解決情報をオペレータ端末装置1400に送信する。
【0120】
オペレータ端末装置1400は、大規模言語モデル160が出力した質問情報または/および解決情報を受信する。オペレータ端末装置1400は、質問情報、または解決情報の少なくとも一つを、オペレータが閲覧する表示装置に表示する。オペレータは、表示装置に表示された質問情報や解決情報を確認して、ユーザの照会に対して対応することができる。
【0121】
なお、サーバ装置100は、ユーザからの照会に関する、ユーザとオペレータとの対話が終了した後に、対話に基づいて紹介に関する要約を作成してもよい。そして、要約に基づいて、ユーザ照会情報を入力データとし、オペレータの回答内容であるオペレータ回答情報を出力データとする機械学習を行うようにしてもよい。これにより、サーバ装置100は、ユーザ照会情報に対する質問情報や解決情報をより精度よく出力することができるようになる。
【0122】
(オペレータ端末装置1400における表示例)
【0123】
図14は、オペレータ端末装置1400における表示の一例を示す図である。
図14を参照して、オペレータ端末装置1400の表示装置(出力部240)における表示の一例について説明する。
【0124】
画面1500は、オペレータ端末装置1400の表示装置の画面である。画面1500は、対話内容領域1510と、質問情報領域1520と、を有する。なお、画面1500は、表示装置の画面全体に表示されてもよいし、一部分に表示されてもよい。
【0125】
対話内容領域1510では、ユーザとオペレータとの対話が時系列順に表示されている。対話内容領域1510は、ユーザの照会内容を示すユーザ照会情報1511,1513と、オペレータの回答内容を示すオペレータ回答情報1512,1514を含む。ユーザ照会情報は、例えば、「ユーザ発言」として、ユーザから電話で受け付けた音声を文字起こししたテキストデータが表示されてもよいし、ユーザのチャット入力が表示されてもよい。また、オペレータ回答情報は、例えば、「オペレータ発言」として、オペレータの電話での応答音声を文字起こししたテキストデータが表示されてもよいし、オペレータのチャット入力が表示されてもよい。
【0126】
対話内容領域1510では、ユーザ発言とオペレータ発言とが区別しやすいように、文字や表示領域に色付けしたり、インデントを用いたりしてもよい。なお、ユーザ発言およびオペレータ発言には、会話の流れをスムーズにするために用いられる間投詞(例えば、「えーと」、「あのー」、「うーん」等)が含まれていてもよいが、対話内容領域1510に表示する際、または表示後に、自動的に削除するようにしてもよい。
【0127】
質問情報領域1520では、サーバ装置100の大規模言語モデル160が出力した質問情報が表示されている。
図14の例では、質問情報1521では、お客様番号をユーザに質問する旨が記載されている。また、質問情報1522では、故障の症状をユーザに質問する旨が記載されている。
【0128】
質問情報は、大規模言語モデル160が出力した質問の入力データであるユーザ照会情報に関連付けた態様で表示されてもよい。
図14において、例えば、ユーザ照会情報1511を大規模言語モデル160に入力したときの出力が質問情報1521である場合、質問情報1521は、ユーザ照会情報1511と、線分1531によって関連付けられる。同様に、ユーザ照会情報1513を大規模言語モデル160に入力したときの出力が質問情報1521である場合、質問情報1522は、ユーザ照会情報1513と、線分1532によって関連付けられる。
【0129】
関連付けの態様は、線分による表示に限られない。例えば、質問情報1521をクリック等により選択した場合に、対応するユーザ照会情報1511を強調表示するようにしてもよいし、色分けしたり、識別子を付与したりしてもよい。また、その逆に、ユーザ照会情報1511をクリック等により選択した場合に、対応する質問情報1521を強調表示等するようにしてもよい。また、関連する質問情報とユーザ照会情報とを近接する位置に表示するようにしてもよい。なお、質問情報とユーザ照会情報とは、必ずしも関連付けられた態様で表示されなくてもよい。
【0130】
質問情報1521および質問情報1522における空欄(下段)には、ユーザまたはオペレータから受け付けた、質問情報に関連する情報を入力してもよい。例えば、質問に対するユーザの回答をオペレータが手動で入力してもよいし、オペレータの質問に対するユーザ発言から抽出して自動的に入力されるようにしてもよい。また、
図14の例では、ユーザまたはオペレータから受け付けた、質問情報に関連する情報を、質問情報に関連付けた態様として質問の下段に記入欄を設けているが、このような表示形式に限られない。例えば、右欄に記入欄を設けてもよいし、質問情報との関連付けが分かる態様であれば、どのような表示形式であっても構わない。なお、ユーザやオペレータの発言は、対話内容領域1510に記載が残るため、質問情報に関連する情報の記入欄は必ずしも設ける必要はない。
【0131】
図15は、オペレータ端末装置1400における表示の一例を示す図である。
図15を参照して、オペレータ端末装置1400の表示装置(出力部240)における、
図14の例とは異なる表示の一例について説明する。
【0132】
画面1600は、オペレータ端末装置1400の表示装置の画面である。画面1600は、対話内容領域1610と、解決情報領域1620と、を有する。
【0133】
対話内容領域1610では、対話内容領域1510(
図14参照)と同様に、ユーザとオペレータとの対話が時系列順に表示されている。また、解決情報領域1620では、サーバ装置100の大規模言語モデル160が出力した解決情報1621と解決情報1622が表示されている。
【0134】
解決情報1621は、ユーザ照会情報1611に示す照会内容、すなわち、ユーザが解決したい課題に関連するFAQである。解決情報は、大規模言語モデル160が出力した解決情報の入力データであるユーザ照会情報に関連付けた態様で表示されてもよい。例えば、ユーザ照会情報1611を大規模言語モデル160に入力したときの出力が解決情報1621である場合、解決情報1621は、ユーザ照会情報1611と、線分1631によって関連付けられる。同様に、ユーザ照会情報1612を大規模言語モデル160に入力したときの出力が解決情報1622である場合、解決情報1622は、ユーザ照会情報1612と、線分1632によって関連付けられる。
【0135】
解決情報とユーザ照会情報との関連付けは、
図14でも述べたように、関連付けが分かる態様であれば、どのような表示形式であっても構わない。なお、解決情報とユーザ照会情報とは必ずしも関連付けられた態様で表示されなくてもよい。また、
図15の例では、ユーザ照会情報に対して解決情報が一つずつしか表示されていないが、複数表示されていてもよいし、所定の操作によって、複数の解決情報が表示されるようにしてもよい。例えば、
図15においては「+もっと見る」をクリック等で選択することにより、複数の解決情報を表示してもよい。
【0136】
図16は、オペレータ端末装置1400における表示の一例を示す図である。
図16を参照して、オペレータ端末装置1400の表示装置(出力部240)における、
図14および
図15の例とは異なる表示の一例について説明する。
図16に示すように、質問情報と解決情報とは、同一の表示領域内に表示されてもよい。
【0137】
画面1700は、オペレータ端末装置1400の表示装置の画面である。画面1700は、対話内容領域1710と、質問情報および解決情報領域1720と、を有する。
【0138】
対話内容領域1710では、ユーザとオペレータとの対話が時系列順に表示されている。
【0139】
質問情報および解決情報領域1720では、質問情報1721と解決情報1722とが表示されている。質問情報1721および解決情報1722は、大規模言語モデル160にユーザ照会情報1711を入力したときの出力である。この場合、
図16の例では、質問情報1721の下段に解決情報1722が表示されている。また、ユーザ照会情報1711と、質問情報1721とが線分1731によって関連付けられている。これにより、オペレータはユーザ照会情報1711と、質問情報1721および解決情報1722が関連する情報であると容易に理解することができる。なお、
図16の例では、線分1731は、ユーザ照会情報1711と質問情報1721とを関連付けているが、ユーザ照会情報1711と解決情報1722とを関連付ける態様であってもよい。また、上述したように、関連付けの態様は線分による表示に限られないし、必ずしも関連付けられた態様で表示されなくてもよい。
【0140】
図17は、オペレータ端末装置1400における表示の一例を示す図である。
図17を参照して、オペレータ端末装置1400の表示装置(出力部240)における、
図14~
図16の例とは異なる表示の一例について説明する。
【0141】
画面1800は、オペレータ端末装置1400の表示装置の画面である。画面1800は、質問情報領域1810と、対話内容領域1820と、解決情報領域1830と、を有する。
図17に示すように、対話表示領域と、質問情報領域および解決情報領域は並列的に表示されてもよい。
【0142】
質問情報領域1810では、質問情報1811,1812が表示されている。対話内容領域1820では、ユーザ照会情報1821,1823、オペレータ回答情報1822,1824が表示されている。解決情報領域では、解決情報1831,1832が表示されている。
【0143】
質問情報1811および解決情報1831は、ユーザ照会情報1821を大規模言語モデル160に入力したときの出力であり、ユーザ照会情報1821は、質問情報1811および解決情報1831と関連付けられている。同様に、質問情報1812および解決情報1832は、ユーザ照会情報1823を大規模言語モデル160に入力したときの出力であり、ユーザ照会情報1823は、質問情報1812および解決情報1832と関連付けられている。
【0144】
なお、
図17の例では、画面の左側に質問情報領域、中央に対話内容領域、右側に解決情報領域と配置されているが、このような配置に限られない。質問情報領域と解決情報領域の配置を左右入れ替えてもよいし、どちらかが中央に配置され、対話内容領域が左右に配置されてもよい。質問情報領域、解決情報領域、および対話内容領域が並列的に表示されていれば、どのような配置であっても構わない。
【0145】
また、オペレータ端末装置1400の表示装置には、対話が終了した後に生成された要約が表示されるようにしてもよい。コールセンターにおいては、対応品質向上やトラブル回避のため、ユーザからの問い合わせ対応が終了した後に、オペレータが対話内容等を記録することがある。対話内容の要約を自動的に生成し、オペレータに提示することにより、オペレータが記録を作成する時間を削減でき、オペレータの対応を効率化することができる。また、記録作成において人為的なミスを防ぐことができ、記録の精度をあげることができる。
【0146】
(効果の説明)
上述したように、本実施形態に係る情報処理システムは、ユーザからの非定型的な照会に即時的に対応するオペレータが用いるシステムであって、ユーザとオペレータとの対話を、当該オペレータが閲覧する表示装置に表示し、対話におけるユーザの照会内容を示すユーザ照会情報を大規模言語モデル(機械学習モデル)に入力する。そして、入力されたユーザ照会情報に対して機械学習モデルが出力した質問情報、または当該ユーザ照会情報に対する解決情報の少なくとも一つを、表示装置に表示する。これにより、オペレータの知識不足、経験不足等を補い、問い合わせ業務における効率を向上させることができる。
【0147】
また、本実施形態では、大規模言語モデルから出力された質問情報がユーザ照会情報に関連付けられた態様で表示装置に表示される。また、ユーザとオペレータとの対話は時系列順に表示される。これにより、オペレータが対話の流れを把握するのが容易になり、問い合わせ業務における効率を向上させることができる。
【0148】
また、本実施形態では、対話内容領域が、質問情報が表示される質問情報領域および解決情報が表示される解決情報領域のうちの少なくとも一つと並列的に表示装置に表示される。これにより、オペレータは対話内容や、回答すべき内容を一覧性良く把握することができ、問い合わせ業務における効率を向上させることができる。
【0149】
また、本実施形態では、ユーザまたはオペレータから受け付けた質問情報に関連する情報が、質問情報に関連付けた態様で表示装置に表示される。これにより、オペレータは、ユーザが解決したい課題に対して不足していた情報を容易に把握することができる。
【0150】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0151】
また、本発明は、以下の各付記に示す態様であってもよい。
【0152】
[付記1]
ユーザからの非定型的な照会に即時的に対応するオペレータが用いるシステムにおいて、制御部を有するコンピュータが実行するプログラムであって、
前記制御部が、前記ユーザと前記オペレータとの対話を、当該オペレータが閲覧する表示装置に表示するステップと、
前記制御部が、前記対話における前記ユーザの照会内容を示すユーザ照会情報を機械学習モデルに入力するステップと、
前記制御部が、前記入力された前記ユーザ照会情報に対して前記機械学習モデルが出力した質問情報、または当該ユーザ照会情報に対する解決情報の少なくとも一つを、 前記表示装置に表示するステップと、
を備える情報処理プログラム。
【0153】
[付記2]
前記出力された前記質問情報は、前記ユーザ照会情報に関連付けた態様で前記表示装置に表示される、[付記1]に記載の情報処理プログラム。
【0154】
[付記3]
前記制御部が、前記ユーザまたは前記オペレータから、前記質問情報に関連する情報を受け付けるステップと、
前記制御部が、前記受け付けた情報を前記質問情報に関連付けた態様で前記表示装置に表示するステップと、
をさらに備える、[付記2]に記載の情報処理プログラム。
【0155】
[付記4]
前記対話は、前記表示装置の対話内容領域において時系列順に表示される、[付記3]に記載の情報処理プログラム。
【0156】
[付記5]
前記対話内容領域は、前記質問情報が表示される質問情報領域および前記解決情報が表示される解決情報領域のうちの少なくとも一つと並列的に表示される、[付記4]に記載の情報処理プログラム。
【0157】
[付記6]
前記ユーザからの前記照会に関する、当該ユーザと前記オペレータとの前記対話が終了した後に、
前記制御部が、前記対話に基づいて前記照会に関する要約を作成するステップと、
前記制御部が、前記要約に基づいて、前記ユーザ照会情報を入力データとし、前記オペレータの回答内容を示すオペレータ回答情報を出力データとする機械学習を行うステップと、をさらに備える、[付記5]に記載の情報処理プログラム。
【0158】
[付記7]
前記ユーザ照会情報は、前記ユーザから受け付けた音声データを変換した文字列データである、[付記1]から[付記6]のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0159】
[付記8]
前記ユーザ照会情報は、前記ユーザから受け付けた文字列データである、[付記1]から[付記6]のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0160】
[付記9]
ユーザからの非定型的な照会に即時的に対応するオペレータが用いるシステムにおいて用いられる方法であって、
前記ユーザと前記オペレータとの対話を、当該オペレータが閲覧する表示装置に表示するステップと、
前記対話における前記ユーザの照会内容を示すユーザ照会情報を機械学習モデルに入力するステップと、
前記入力された前記ユーザ照会情報に対して前記機械学習モデルが出力した質問情報、または当該ユーザ照会情報に対する解決情報の少なくとも一つを、 前記表示装置に表示するステップと、
を備える情報処理方法。
【0161】
[付記10]
ユーザからの非定型的な照会に即時的に対応するオペレータが用いるシステムにおいて、制御部を有するコンピュータが、
前記ユーザと前記オペレータとの対話を、当該オペレータが閲覧する表示装置に表示するステップと、
前記対話における前記ユーザの照会内容を示すユーザ照会情報を機械学習モデルに入力するステップと、
前記入力された前記ユーザ照会情報に対して前記機械学習モデルが出力した質問情報、または当該ユーザ照会情報に対する解決情報の少なくとも一つを、 前記表示装置に表示するステップと、
を実行する情報処理システム。
【符号の説明】
【0162】
1,2,3 情報処理システム、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信IF、15 入出力IF、100 サーバ装置、110,210 通信部、120,220 記憶部、130,230 入力部、140,240 出力部、150,250 制御部、160 大規模言語モデル、200 端末装置、300 ユーザ端末装置、400,1400 オペレータ端末装置、画面 1500,1600,1700,1800。
【要約】
【課題】問い合わせの回答を効率的に行う情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】
制御部を有するコンピュータが実行するプログラムであって、制御部が、機械学習モデルに対する照会文を入力する照会入力欄を含む第1の画像を表示させるステップと、制御部が、照会入力欄に入力された照会文を機械学習モデルに入力するステップと、制御部が、機械学習モデルの出力に基づいて生成された、質問群および当該質問群に対する回答を入力する回答入力欄を含む第2の画像を表示させるステップと、を備える。
【選択図】
図6