(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】ベビーキャリア
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20241220BHJP
【FI】
B60N2/28
(21)【出願番号】P 2023545367
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 EP2022051861
(87)【国際公開番号】W WO2022162049
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】202110134546.6
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520144059
【氏名又は名称】バンビーノ プレツィオーソ スウィツァーランド アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Bambino Prezioso Switzerland AG
【住所又は居所原語表記】Beim Bahnhof 5, 6312 Steinhausen, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チン、インゾン
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-012900(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0224516(US,A1)
【文献】特開平10-250426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転構造を備えるベビーキャリアであって、
前記回転構造は、第1の台座と該第1の台座に回転可能に設けられた第2の台座とを備え、前記第1の台座に少なくとも2つの位置決め孔が設けられ、前記第2の台座に伸縮可能な位置決め部材が設けられ、前記第2の台座が前記第1の台座に対して回動して前記位置決め部材を異なる前記位置決め孔と協働さ
せ、
前記回転構造は、さらに、前記第1の台座に接続されているスタンドを備え、
前記第1の台座には、さらに、ロック部材が設けられており、
前記ロック部材は、ロック状態とロック解除状態を有し、
前記ロック部材は、ロック状態にある場合、前記第2の台座とロックされ、
前記ロック部材は、ロック解除状態にある場合、前記スタンドとロックされる、
ことを特徴とするベビーキャリア。
【請求項2】
前記第1の台座は、前記スタンドにスライド可能に設けられ、前記第1の台座は、前記スタンドの複数のセグメントに係合する、
ことを特徴とする請求項
1に記載のベビーキャリア。
【請求項3】
複数の前記位置決め孔は、同じ円周に位置している、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載のベビーキャリア。
【請求項4】
前記第2の台座には、前記位置決め部材を駆動するための駆動部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載のベビーキャリア。
【請求項5】
前記駆動部材の一端に前記位置決め部材と協働する駆動部が設けられ、該駆動部は、前記位置決め部材の外周に位置している、
ことを特徴とする請求項
4に記載のベビーキャリア。
【請求項6】
前記位置決め部材の第1の方向に突出した位置決め部が設けられ、前記駆動部に前記位置決め部と協働する駆動シュートが設けられ、前記位置決め部は、前記駆動シュートにスライド可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項
5に記載のベビーキャリア。
【請求項7】
前記駆動シュートは、前記駆動部にデフォルト角度で傾斜して設けられている、
ことを特徴とする請求項
6に記載のベビーキャリア。
【請求項8】
前記駆動部材の前記駆動部から離れる一端にロック解除操作部材が接続されており、該ロック解除操作部材の一端は、前記第2の台座から突出し、前記ロック解除操作部材を操作して前記駆動部を前記ロック解除操作部材とともにスライドさせ、前記位置決め部を前記駆動シュートに沿ってスライドさせ、これにより、前記位置決め部材を前記位置決め孔から離脱させる、
ことを特徴とする請求項
6又は
7に記載のベビーキャリア。
【請求項9】
前記ロック解除操作部材には、該ロック解除操作部材をリセットする傾向を有する第1のリセット部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項
8に記載のベビーキャリア。
【請求項10】
前記位置決め部材に位置決めピンが設けられ、前記スタンドに複数のスタンド孔が設けられ、前記位置決めピンが前記位置決め部材の移動に伴って前記位置決め孔に係合し、又は、前記位置決めピンを前記位置決め孔及び前記スタンド孔に係合させ、又は、前記位置決めピンが前記位置決め部材の移動に伴って前記位置決め孔から離脱する、
ことを特徴とする請求項
1~
9のいずれか1項に記載のベビーキャリア。
【請求項11】
前記位置決めピンは、前記位置決め部材に取り外し可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項
10に記載のベビーキャリア。
【請求項12】
前記位置決めピンと前記位置決め部材とは、一体構造をなしている、
ことを特徴とする請求項
10に記載のベビーキャリア。
【請求項13】
前記ロック部材の一端に前記第2の台座と協働する押圧部が設けられており、前記ロック部材の他端に前記スタンドと協働する係合部が設けられている、
ことを特徴とする請求項
1に記載のベビーキャリア。
【請求項14】
前記第2の台座には、さらに、回動可能なロック解除部材を備える、
ことを特徴とする請求項
1に記載のベビーキャリア。
【請求項15】
前記ロック解除部材には、さらに、前記押圧部と協働するロック解除部が設けられている、
ことを特徴とする請求項
14に記載のベビーキャリア。
【請求項16】
前記押圧部に押圧斜面が設けられ、前記ロック解除部に駆動斜面が設けられ、前記押圧斜面は、前記駆動斜面にスライド可能に接触する、
ことを特徴とする請求項
15に記載のベビーキャリア。
【請求項17】
前記スタンドに前記ロック部材と協働するロック位置及びロック解除位置を有し、前記第1の台座が前記スタンドに沿って前記ロック位置にスライドした場合、前記押圧部が前記ロック解除部に係合して、前記第2の台座の前記第1の台座に対する回動を禁止し、前記第1の台座が前記スタンドに沿って前記ロック解除位置にスライドした場合、前記ロック解除部材を駆動して、前記押圧部を前記ロック解除部でスライドさせ、これにより、前記第2の台座を前記第1の台座に対して回動させることができる、
ことを特徴とする請求項
15又は
16に記載のベビーキャリア。
【請求項18】
前記スタンドに前記係合部と協働する係合孔が設けられ、前記第1の台座が前記スタンドに沿って前記係合部にスライドして前記係合孔に係合した場合、前記第2の台座が前記第1の台座に対して回動することができる、
ことを特徴とする請求項
1~
17のいずれか1項に記載のベビーキャリア。
【請求項19】
前記ロック部材には、該ロック部材を前記ロック解除部材と接触させる第2のリセット部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項
14~
18のいずれか1項に記載のベビーキャリア。
【請求項20】
前記ロック解除部材には、該ロック解除部材をリセットする傾向を常に有する第3のリセット部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項
14~
18のいずれか1項に記載のベビーキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビー用品の技術分野に関し、特に、ベビーキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
人々の安全意識の変化に伴い、赤ちゃんが乗車する際の安全を守るために、自動車の安全シートを選ぶ保護者が増えている。赤ちゃんが車に乗るときは、車のシートに車の安全シートを取り付け、子供が乗るときの安全保護を提供する。しかし、既存の安全シートは、自動車シートに固定された後は回転不能であり、子供の安全シートにおける視覚は単一であり、また安全シートが自動車シートに固定された後に回転不能であることも介護者に一定の不便性をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、回転構造を有し、回転構造によりキャリア本体を乗り物のシートに対して異なる位置に回転させることができるベビーキャリアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を実現するために、本発明は、ベビーキャリアを提供し、該ベビーキャリアは、回転構造を備え、回転構造は、第1の台座と、第1の台座に回動可能に設けられた第2の台座とを備え、第1の台座に少なくとも2つの位置決め孔が設けられ、第2の台座に伸縮可能な位置決め部材が設けられ、第2の台座は、第1の台座に対して回転し、位置決め部材を異なる位置決め孔と協働させて、第2の台座を第1の台座の異なる位置にロックさせる。
【0005】
本発明のベビーキャリアは、回転構造を有し、キャリア本体は回転構造に取り付けることができ、回転構造はキャリア本体を回転させて、キャリア本体の底面に対する位置を調節することができ、それによって、使用する赤ちゃんに異なる視覚体験をもたらすことができ、同時に介護者の子供への配慮も便利になり、介護者は本体を適切な位置に回転させて子供への配慮を便利にすることができる。具体的には、回転構造は、第1の台座と、第1の台座に回転可能に接続された第2の台座とを含む。ここで、第2の台座には位置決め部材が設けられており、第1の台座には複数の位置決め孔が設けられており、位置決め部材が第2の台座に収縮すると、第2の台座は第1の台座に沿って回転することができ、第2の台座が固定したい位置に回転すると、第2の台座内の位置決め部材は第2の台座から突出し、対応する位置の位置決め孔と協働して、第2の台座を第1の台座に固定させる。第2の台座を回転させて第1の台座の異なる位置にロックさせることができるように、位置決め部材が異なる位置の位置決め孔と協働する。本発明のベビーキャリアは、回転構造によって異なる位置に回転することができ、使用がより便利で、しかも赤ちゃんに様々な異なる視覚体験をもたらすことができ、同時に介護者の赤ちゃんへの配慮も便利で、広く普及して使用するのに適している。
【0006】
一実施例において、回転構造は、さらに、第1の台座に接続されたスタンド(フレーム)を備える。スタンドが設けられ、第1の台座は、スタンドで固定されることができる。
【0007】
一実施例において、第1の台座は、スタンドにスライド可能に設けられ、第1の台座は、スタンドの複数のセグメントと係合する。第1の台座はスタンドに沿ってスライドすることができ、第1の台座とスタンドの間の位置を調整することができ、適切な位置に調整してから係合して固定することができ、構造が簡単で、設計が合理的である。
【0008】
一実施例において、複数の位置決め孔は、同じ円周に位置している。第2の台座は第1の台座の回転中心に沿って回転し、適切な位置に回転すると、位置決め部材は対応する位置の位置決め孔と協働し、すなわち複数の位置決め孔は回転中心を円心として配置される。
【0009】
一実施例において、第2の台座には、さらに、位置決め部材を駆動するための駆動部材が設けられている。駆動部材で位置決め部材を駆動し、位置決め部材は、第2の台座に伸縮可能に設けられている。
【0010】
一実施例において、駆動部材の一端に位置決め部材と協働する駆動部が設けられ、駆動部は、位置決め部材の外周に位置している。駆動部材の駆動部が位置決め部材の外周に設けられて、駆動部を位置決め部材と協働させる。
【0011】
一実施例において、位置決め部材の第1の方向に突出した位置決め部が設けられ、駆動部に位置決め部と協働する駆動シュートが開設され、位置決め部は、駆動シュートにスライド可能に設けられている。位置決め部材の位置決め部が駆動部の駆動シュートに進入し、駆動部材が動作する時に位置決め部が駆動シュートに沿ってスライドする。
【0012】
一実施例において、駆動シュートは、駆動部にデフォルト角度で傾斜して設けられている。位置決め部を駆動シュートに沿ってスライドさせると、水平方向の動きを垂直方向の動きに変えることができるように、駆動シュートが傾斜して設けられている。
【0013】
一実施例において、駆動部材の駆動部から離れる一端にロック解除操作部材が接続されており、ロック解除操作部材の一端は、第2の台座から突出し、ロック解除操作部材を操作して駆動部をロック解除操作部材とともにスライドさせ、位置決め部を駆動シュートに沿ってスライドさせ、これにより、位置決め部材を位置決め孔から離脱させる。駆動部材の一端は、第2の台座から突出したロック解除操作部材であり、ロック解除操作部材を動かすことによって駆動部を水平方向にスライドさせ、傾斜して設けられた駆動シュートが位置決め部と協働しているため、駆動シュートが位置決め部に沿ってスライドすると、位置決め部材を上に移動させ、これにより、位置決め部材を位置決め孔から離脱させてロック解除する。
【0014】
一実施例において、ロック解除操作部材には、ロック解除操作部材をリセットする傾向を有する第1のリセット部材が設けられている。第1のリセット部材を設けることで、ロック解除操作部材を駆動した後、ロック解除操作部材が自動にリセットすることができる。
【0015】
一実施例において、位置決め部材に位置決めピンが設けられ、スタンドに複数のスタンド孔が設けられ、位置決めピンが該位置決め部材の移動に伴って位置決め孔に係合し、又は、位置決めピンを位置決め孔及びスタンド孔に係合させ、又は、位置決めピンが該位置決め部材の移動に伴って位置決め孔から離脱する。位置決め部材は、位置決め部材の内部に位置する位置決めピンと位置決め孔とで協働し、スタンドにスタンド孔が設けられ、第2の台座が位置決め孔とスタンド孔が重なる位置に回転すると、位置決めピンが第2の台座から突出し、位置決めピンが位置決め孔とスタンド孔に同時に係合し、第1の台座、第2の台座及びスタンドの間の接続をより強固にすることができる。第2の台座が第1の台座の他の位置に回転すると、位置決めピンは位置決め孔のみに係合し、駆動部材を駆動すると、位置決めピンが位置決め孔から外れ、即ちロックが解除される。
【0016】
一実施例において、位置決めピンは、位置決め部材に取り外し可能に設けられている。位置決めピンは、位置決め部材内から取り外すことができ、摩耗後の交換に便利である。
【0017】
一実施例において、位置決めピンと位置決め部材とは、一体構造である。位置決めピンと位置決め部材とは、一体に構成され、構造がより安定している。
【0018】
一実施例において、第1の台座には、さらに、第2の台座又はスタンドとロックするロック部材が設けられている。ロック部材を設けることにより、第1の台座と第2の台座との間の回転を行うには、第1の台座がスタンドのデフォルト位置にスライドする必要がある。
【0019】
一実施例において、ロック部材の一端には第2の台座と協働する押圧部が設けられ、ロック部材の他端にはスタンドと協働する係合部が設けられている。ロック部材は第1の台座上に位置し、ロック部材の一端は第2の台座と協働し、ロック部材の他端はスタンドと協働している。
【0020】
一実施例において、第2の台座には、回転するロック解除部材を備える。ロック解除部材は、第2の台座に回転可能に設けられ、ロック解除部材を回転させることによってロック解除部材をロック部材に作用させる。
【0021】
一実施例において、ロック解除部材には、さらに、押圧部と協働するロック解除部が設けられている。ロック解除部材のロック解除部は、ロック部材の押圧部と協働してロック解除を行う。
【0022】
一実施例において、押圧部に押圧斜面が設けられ、ロック解除部に駆動斜面が設けられ、押圧斜面が駆動斜面にスライド可能に接触する。ロック解除部材の動作により、駆動斜面が押圧斜面を押圧し、押圧斜面が駆動斜面にスライド可能に接触する。
【0023】
一実施例において、スタンドにロック部材と協働するロック位置及びロック解放位置を有し、第1の台座がスタンドに沿ってロック位置にスライドした場合、押圧部がロック解放部に係合して、第2の台座が第1の台座に対する回動を禁止し、第1の台座がスタンドに沿ってロック解放位置にスライドした場合、ロック解放部材を駆動して、押圧部をロック解放部でスライドさせ、これにより、第2の台座を第1の台座に対して回動させることができる。ロック部材の一端は第2の台座と協働し、ロック部材の他端はスタンドと協働し、第1の台座がスタンドのロック位置にスライドすると、ロック部材の係合部はスタンドの係合孔から離れ、駆動部は押圧部を押圧することができなくなり、第2の台座を第1の台座に固定し、第2の台座の第1の台座に対する回転を禁止する。第1の台座がスタンドのロック解除位置にスライドすると、ロック部材の係合部がスタンドの係合孔に位置合わせされ、駆動部が押圧部を押圧すると、ロック部材が動作し、ロック部材の係合部をスタンドの係合孔に係合させ、ロック部材をロック解除部材から離脱させ、第2の台座と第1の台座との間をロック解除する。
【0024】
一実施例において、スタンドには、係合部と協働する係合孔が設けられ、第1の台座がスタンドに沿って係合部にスライドして係合孔に係合した場合、第2の台座が第1の台座に対して回動することができる。係合部がスタンドの係合孔に係合することで、ロック部材をロック解除部材から離脱させ、さらに、第2の台座と第1の台座との間をロック解除して回動させることができる。
【0025】
一実施例において、ロック部材には、ロック部材をロック解除部材に接触させる第2のリセット部材が設けられている。第2のリセット部材を設けることで、第2の台座が回動してロック部材がロック解除部材と位置合わせされると、ロック部材が自動にリセットすることができる。
【0026】
一実施例において、ロック解除部材には、ロック解除部材をリセットする傾向を有する第3のリセット部材が設けられている。ロック解除部材によりロック部材を回転させて押圧した後、第3のリセット部材を介して自らリセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例におけるベビーキャリアの構造の模式図である。
【
図2】
図1におけるベビーキャリアの他の状態の構造の模式図である。
【
図3】
図1における回転構造の構造の模式図である。
【
図4】
図3における回転構造の他の角度からの構造の模式図である。
【
図5】
図3における回転構造の他の角度からの構造の模式図である。
【
図6】
図3における回転構造の回転状態の構造の模式図である。
【
図7】
図3における第1の台座とスタンドと協働する構造の模式図である。
【
図8】
図3における第2の台座の構造の模式図である。
【
図9】
図8における第2の台座の内部構造の模式図である。
【
図10】
図8における第2の台座の他の角度からの構造の模式図である。
【
図11】
図3における回転構造においてケースを取り外した内部構造の模式図である。
【
図12】
図3における回転構造のある状態の内部構造の模式図である。
【
図13】
図3における回転構造の他の状態の内部構造の模式図である。
【
図14】
図3における回転構造のロック状態の断面構造の概略図である。
【
図15】
図3における回転構造のロック解除状態の断面構造の概略図である。
【
図17】
図3における駆動部材の構造の模式図である。
【
図18】
図3におけるロック部材の構造の模式図である。
【
図19】
図3におけるロック解除部材の構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の技術的内容、構造的特徴を詳細に説明するために、以下に実施形態と併せ、図面を参照してさらに説明する。
【0029】
図1~
図9を参照して、本発明は、赤ちゃんを乗せるためのキャリア本体200と回転構造100とを含むベビーキャリア1000を提供し、キャリア本体200は、回転構造100に着脱して設置されている。具体的には、回転構造100は、第1の台座10と、第1の台座10に回転可能に設けられた第2の台座20とを含む。ここで、第1の台座10には少なくとも2つの位置決め孔11が設けられ、第2の台座20には伸縮した位置決め部材22が設けられている。第2の台座20の位置決め部材22が第2の台座20内に収縮すると、第2の台座20は第1の台座10に対して回転することができ、第2の台座20が適切な位置に回転すると、位置決め部材22を駆動し、位置決め部材22が第2の台座20内から突出し、対応する位置の位置決め孔11と協働して、第2の台座20を第1の台座10に固定する。位置決め部材22は、第2の台座20を第1の台座10の異なる位置にロックするために、異なる位置の位置決め孔11と協働することができる。本実施例では、ベビーキャリア1000は、チャイルドシートであり、キャリア本体200すなわちシート本体は回転構造100に着脱して取り付けられている。
【0030】
本発明のベビーキャリア1000は回転構造100を有し、キャリア本体200は回転構造100に取り付けられ、回転構造100はキャリア本体200を回転させて、キャリア本体200の底面に対する位置を調節することができ、底面は自動車シート又は他の安全シートを取り付けるための乗り物のシート面であってもよい。回転構造100を回転させることにより、使用する赤ちゃんに異なる視覚体験をもたらすことができ、同時に介護者の子供への配慮も便利になり、介護者は、本体を適切な位置に回転させて子供への配慮を容易にすることができる。本発明のベビーキャリア1000は強い実用性を有し、広く普及使用するのに適している。本発明の回転構造100は、第1の台座10と、第1の台座10に回転接続された第2の台座20とを含む。第2の台座20には位置決め部材22が設けられており、第1の台座10には複数の位置決め孔11が設けられており、位置決め部材22が第2の台座20に収縮すると、第2の台座20は第1の台座10に沿って回転することができ、第2の台座20が固定したい位置に回転すると、第2の台座20内の位置決め部材22は第2の台座20から突出して対応する位置の位置決め孔11と協働し、第2の台座20を第1の台座10に固定する。第2の台座20が第1の台座10の異なる位置に回転してロックできるように、位置決め部材22が異なる位置の位置決め孔11と協働する。本発明の回転構造100は、構造が簡単であり、第1の台座10と第2の台座20との間を回転させて角度調整を行うことができ、回転構造100に取り付けられたシートが実際の必要に応じて自動車のシート上の異なる位置に位置することができ、安全で信頼性があるだけでなく、介護者の赤ちゃんへの配慮も容易である。
【0031】
図3~
図7、
図11~
図15を参照して、いくつかの選択可能な実施例では、回転構造100は、第1の台座10に接続されたスタンド30を備え、第1の台座10はスタンド30にスライド可能に設けられ、且つ第1の台座10は、スタンド30の複数のセグメントに係合する。スタンド30を設けることで、第1の台座10は、スタンド30によって固定することができる。スタンド30には、第1の台座10と協働する複数のセグメント孔31が設けられ、第1の台座10は、スタンド30に沿ってスライドし、セグメント孔31で第1の台座10をスタンド30に係合固定する。なお、第1の台座10とスタンド30との間の位置は調整可能であり、第1の台座10が適切な位置に調整されたときに係合されて固定される。
【0032】
図7及び
図10を参照し、いくつかの選択可能な実施例では、複数の位置決め孔11が同じ円周上に位置している。なお、第2の台座20は、第1の台座10の回転中心の周りに回転し、第1の台座10には第1の回転軌道14が設けられ、第2の台座20には第2の回転軌道26が設けられ、第1の回転軌道14は第2の回転軌道26と協働する。第1の台座10がスタンド30の最先端に位置するとき、第2の台座20は第1の台座10に沿って回転することができ、適切な位置に回転すると、位置決め部材22は対応する位置の位置決め孔11と協働して固定することができ、すなわち、複数の位置決め孔11は回転中心を円心として配置される。
【0033】
図8~
図9、
図11~
図17を参照し、いくつかの選択可能な実施例では、第2の台座20には、位置決め部材22を駆動するための駆動部材21も設けられている。具体的には、駆動部材21の一端には、位置決め部材22の外周に位置し位置決め部材22と協働する駆動部211が設けられ、駆動部211は、中空のケース構造をなし、位置決め部材22は駆動部211内に位置する。位置決め部材22は、第1の方向に突出した位置決め部221が設けられ、駆動部211には、位置決め部221と協働する駆動シュート2111が開設され、位置決め部221は、駆動シュート2111内にスライドして設けられている。なお、第1の方向は、位置決め部材22に垂直な方向、すなわち位置決め部材22において駆動部211に延びる方向である。駆動シュート2111は、駆動部211にデフォルト角度で傾斜して設けられており、ロック状態のときに、位置決め部221が位置決め孔11内に位置するように駆動シュート2111の下端に位置する。ロック解除時、駆動部材21を操作し、駆動シュート2111をスライドさせて位置決め部221を駆動シュート2111内でスライドさせ、駆動シュート2111のスライドに伴って位置決め部221を駆動シュート2111の低端から徐々に上昇させ、位置決め部材22を上昇させ、さらに位置決め部材22を位置決め孔11から離脱させてロック解除させる。なお、デフォルト角度は、駆動シュート2111が水平方向の運動を垂直方向の運動に変換するように傾斜して設けられ、駆動部材21がスライドしている間に位置決め孔11から位置決め部材22を離脱させることができるようにすれば、30°、40°、45°などとすることができる。
【0034】
図17を参照し、いくつかの選択可能な実施例では、駆動部材21の駆動部211から離れた一端に、ロック解除操作部材(例えば、ロック解除レバー213または他の構成で実現される)が設けられており、ロック解除レバー213が接続部212を介して駆動部211に接続されている。ロック解除レバー213、接続部212、及び駆動部211は、一体成形構造であってもよく、又はそれぞれ個別に成形され、後に連結されていてもよい。ロック解除レバー213の一端は、第2の台座20から突出し、ロック解除レバー213を操作し、接続部212を介して駆動部211に作用することにより、ロック解除レバー213のスライドに伴って駆動部211により位置決め部221を駆動シュート2111に沿ってスライドさせ、位置決め部材22を位置決め孔11から離脱させてロック解除する。なお、駆動部材21の一端は、第2の台座20から突出したロック解除レバー213であり、ロック解除レバー213を動かすことによって駆動部211を水平方向にスライドさせ、傾斜して設けられた駆動シュート2111が位置決め部221と協働するため、駆動シュート2111が位置決め部221に沿ってスライドすると、駆動シュート2111が位置決め部材22とともに上に移動し、位置決め部材22を位置決め孔11から離脱させてロック解除される。具体的には、ロック解除レバー213には、ロック解除レバー213を常にリセットする傾向にある第1のリセット部材24が設けられており、第1のリセット部材24にはばね構造を設けることができる。ばね構造が設けられた第1のリセット部材24によりロック解除レバー213を駆動させた後、ロック解除レバー213が自動的にリセットすることができる。
【0035】
図10、
図14~
図17を参照し、いくつかの選択可能な実施例では、位置決め部材22は、位置決めピン222を含み、位置決めピン222の位置決め部221から離れる一端は、位置決め部材22の外に突出して、第1の台座10とスタンド30と協働するするための位置決めピン222を含む。具体的には、スタンド30には複数のスタンド孔32が設けられており、位置決め部材22の動作により、位置決めピン222を位置決め孔11に係合させたり、位置決めピン222を位置決め孔11及びスタンド孔32に係合させたり、位置決めピン222を位置決め孔11から離脱させたり、位置決めピン222を位置決め孔11及びスタンド孔32から離脱させたりする。なお、位置決め部材22は、位置決め部材22の内部に位置する位置決めピン222を介して位置決め孔11と協働し、スタンド30にスタンド孔32が設けられている。位置決め孔11がスタンド孔32と重なると、第2の台座20が回転していないときに、位置決めピン222が第2の台座20の外に突出することにより、位置決めピン222は位置決め孔11とスタンド孔32とに同時に係合し、これにより、第1の台座10、第2の台座20、及びスタンド30間の接続をより強固にすることができる。第2の台座20が第1の台座10の他の位置に回転すると、位置決めピン222は位置決め孔11内にのみ係合している。駆動部材21を駆動すると、位置決めピン222が位置決め孔11から離脱させてロック解除され、これにより、第2の台座20が第1の台座10上で回転可能になる。ここで、位置決めピン222は、位置決め部材22内に着脱可能に設けられている。位置決めピン222は、位置決め部材22内から取り外すことができ、摩耗後の交換に便利である。もちろん、位置決めピン222と位置決め部材22は一体構造であってもよく、位置決めピン222は位置決め部材22と一体に設けられ、構造がより強固である。
【0036】
図7、
図11~
図16、
図18及び
図19を参照し、いくつかの選択可能な実施例では、第1の台座10には、第2の台座20またはスタンド30とロック可能なロック部材12が設けられ、第2の台座20には回転可能なロック解除部材23が設けられている。具体的には、ロック部材12の一端には第2の台座20と協働する押圧部122が設けられ、ロック部材12の他端にはスタンド30と協働する係合部121が設けられている。ロック状態にあるとき、係合部121はスタンド30の係合孔33から離れ、ロック解除部材23がロック部材12を押し上げると、ロック部材12は動かなくなる。ロック解除状態にあるとき、係合部121はスタンド30上の係合孔33に合わせられ、ロック解除部材23がロック部材12を押圧すると、ロック部材12はロック解除部材23から離れる方向に移動し、係合部121が係合孔33内に位置するようになる。ここで、ロック解除部材23には押圧部122と協働するロック解除部232が設けられ、押圧部122には押圧斜面1221が設けられ、ロック解除部232には駆動斜面2321が設けられ、押圧斜面1221が駆動斜面2321にスライドして接続する。ロック解除部材23の操作部231は第2の台座20の外に突出し、操作部231を動かすことによりロック解除部材23を回転させ、駆動斜面2321が押圧斜面1221に押圧する。駆動斜面2321と押圧斜面1221はいずれも傾斜して設けられているので、操作部231を動かす際に、駆動斜面2321が押圧斜面1221を押圧して水平方向の力を鉛直方向の力に変換し、さらに、ロック部材12を下方向に移動させ、係合部121をスタンド30内に係合させてロック解除を完了する。
【0037】
図7、
図11~
図16、
図18、
図19を参照し、本実施例では、ロック部材12部材を設けることにより、第1の台座10は、係合部121とスタンド30の係合孔33に対応する位置にスライドしてロックを解除し、さらに、第1の台座10と第2の台座20との間を回転可能にする必要がある。第1の台座10がスタンド30の最先端に位置しているとき、すなわち第1の台座10が自動車シートの背もたれから離れている一端にあるとき、係合孔33が係合部121に係合し、このとき、第2の台座20は第1の台座10に対して回転することができる。なお、第1の台座10がスタンド30の他の位置に位置すると、第2の台座20を回転し、第2の台座20によりキャリア本体200を回転させ、このとき、第1の台座10と第2の台座20の位置が自動車シートの背もたれに近いため、回転中にキャリア本体200が自動車シートの背もたれに衝突する可能性があり、シート本体を損傷する可能性があるだけでなく、シート本体上の赤ちゃんに一定の危険を与える可能性がある。したがって、ロック部材12を設けることで、第1の台座10がスタンド30のシートバックから最も離れた位置にあるとき、すなわち第1の台座10がスタンド30の最先端にスライドしたときに、第2の台座20が第1の台座10に対して回転することができ、使用がより安全になる。
【0038】
図14~
図16を参照し、いくつかの選択可能な実施例では、スタンド30にはロック部材12と協働するロック位置とロック解除位置がある。第1の台座10がスタンド30に沿ってロック位置までスライドすると、押圧部122はロック解除部232に係合し、第2の台座20の第1の台座10に対する回転を禁止する。第1の台座10がスタンド30に沿ってロック解除位置にスライドすると、ロック解除部材23を駆動することにより、押圧部122をロック解除部232にスライドさせてロック解除することにより、第2の台座20を第1の台座10に対して回転させることができる。なお、ロック解除位置は、第1の台座10がスタンド30の最先端に位置する位置、すなわち取付時にスタンド30がシートの背もたれから最も離れた位置である。ロック位置は、ロック解除位置から離れたスタンド30上の任意の位置である。ロック部材12の一端は押圧部122であり、第2の台座20と協働する。ロック部材12の他端は、係合部121としてスタンド30と協働する。第1の台座10がスタンド30のロック位置にスライドすると、ロック部材12の係合部121はスタンド30の係合孔33から離れ、駆動部211が押圧部122を押圧することができなくなり、第2の台座20を第1の台座10に固定し、第2の台座20の第1の台座10に対する回転を禁止する。第1の台座10がスタンド30のロック解除位置までスライドした場合、ロック部材12の係合部121は、スタンド30の係合孔33に位置合わせされ、駆動部211が押圧部122を押圧すると、ロック部材12を動作させ、ロック部材12の係合部121をスタンド30の係合孔33内に係合させ、ロック部材12をロック解除部材23から離脱させ、さらに、第2の台座20と第1の台座10との間をロック解除させ、そして、第2の台座20は、第1の台座10に対して回転可能である。
【0039】
図14~
図16を参照し、本実施例では、第1の台座10に第1のケース101が設けられ、第2の台座20に第2のケース201が設けられ、スタンド30に第3のケース301が設けられている。ロック部材12の押圧部122は、第1のケース101の外に突出し、第2のケース201には、押圧部122がロック解除部232にスライドして接触するように押圧部122が進入してロック解除部232に協働する孔が設けられている。スタンド30の第3のケース301には、係合部121と協働する係合孔33が設けられ、ロック解除部232は、押圧部122を押圧して、係合部121が第2のケース201の外に突出して係合孔33と協働し、第1の台座10と第2の台座20との間をロック解除する。すなわち、第1の台座10がスタンド30に沿って係合部121にスライドして係合孔33に係合すると、ロック部材12はロック解除部材23から離脱し、さらに、第2の台座20と第1の台座10との間をロック解除して回転可能にする。
【0040】
図11~
図17を参照し、いくつかの選択可能な実施例では、ロック部材12にはロック部材12をロック解除部材23に常に接触させる第2のリセット部材13が設けられており、第2のリセット部材13にはばね構造が設けられている。ばね構造が設けられた第2のリセット部材13は、第2の台座20がロック部材12に回動してロック解除部材23に位置合わせされると、ロック部材12が自らリセットすることができる。ロック解除部材23には、ロック解除部材23を常にリセットする傾向にある第3のリセット部材25が設けられ、第3のリセット部材25は引張バネである。ロック解除部材23が回転してロック部材12を押圧すると、引張バネ構造である第3のリセット部材25はエネルギーを蓄積することができ、ロック部材12がロック解除部材23から離脱すると、引張バネに蓄積されたエネルギーによりロック解除部材23を自動的に作動させてリセットすることができる。
【0041】
図1~
図19に示すように、本発明のベビーキャリア1000は、回転構造100を備え、回転構造100によってキャリア本体200を回転させることができ、それによって赤ちゃんに異なる視覚体験をもたらすことができ、同時に介護者の子供への配慮も便利になり、介護者は本体を適切な位置に回転させて子供への配慮を容易にすることができる。回転構造100は、スタンド30と、スタンド30にスライド可能に設けられた第1の台座10と、第1の台座10に回動接続された第2の台座20とを備える。第1の台座10がスタンド30の最先端に位置すると、第2の台座20は第1の台座10に対して回転することができる。第1の台座10がスタンド30上の非最先端の位置にある場合、第2の台座20は第1の台座10にロックされ、第2の台座20によりキャリア本体200を回転させる際に自動車シートと干渉し、使用の安全性に影響を与えないように回転することはできない。第2の台座20には位置決め部材22が設けられ、第1の台座10には複数の位置決め孔11が設けられており、本実施例では、位置決め孔11の数は3である。キャリア本体200が後方に固定され、左に固定され、右に固定されるように、位置決め孔11は、キャリア30の最先端からそれぞれ離れた位置、及び対向する左と右に配置されている。すなわち、位置決め部材22が異なる方向の位置決め孔11に係合していることにより、キャリア本体200を後方使用または側面使用することができる。本発明の回転構造100は、構造が簡単であり、操作が便利であり、ロック解除レバー213と操作部231を操作することにより、第1の台座10と第2の台座20との間を回転させて角度調整を行うことができ、回転構造100に取り付けられたシートが実際の必要に応じて自動車シート上の異なる位置に位置することができ、安全で信頼性が高いだけでなく、介護者の赤ちゃんへの配慮が容易であり、広く普及させるのに適している。
【0042】
以上開示したのは本発明の好適な例にすぎず、これによって本発明の権利範囲を限定することはできないので、特許請求の範囲に記載された本発明による均等な変化は、本発明がカバーする範囲に属する。
【符号の説明】
【0043】
10 第1の台座
11 位置決め孔
12 ロック部材
13 第2のリセット部材
14 第1の回転軌道
20 第2の台座
21 駆動部材
22 位置決め部材
23 ロック解除部材
24 第1のリセット部材
25 第3のリセット部材
26 第2の回転軌道
30 スタンド
31 セグメント孔
32 スタンド孔
33 係合孔
100 回転構造
101 第1のケース
121 係合部
122 押圧部
200 キャリア本体
201 第2のケース
211 駆動部
212 接続部
213 ロック解除レバー
221 位置決め部
222 位置決めピン
231 操作部
232 ロック解除部
301 第3のケース
1000 ベビーキャリア
1221 押圧斜面
2111 駆動シュート
2321 駆動斜面