(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】リッパポイント取付構造、リッパポイント、およびロック部材
(51)【国際特許分類】
E02F 5/32 20060101AFI20241220BHJP
E02F 9/28 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
E02F5/32 B
E02F9/28 D
(21)【出願番号】P 2020169862
(22)【出願日】2020-10-07
【審査請求日】2023-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】古館 侑大
(72)【発明者】
【氏名】田中 大次郎
(72)【発明者】
【氏名】上田 匡邦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 聞太
(72)【発明者】
【氏名】蓮子 仁内
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-510145(JP,A)
【文献】特表2006-514178(JP,A)
【文献】特開2003-176814(JP,A)
【文献】特開2016-075070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 5/32
E02F 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リッパ装置におけるリッパポイント取付構造であって、
先端から後端にかけて、くさび形の形状を有するリッパポイントと、
前記リッパポイントが装着されるリッパシャンクと、
前記リッパシャンクに形成された第1貫通孔と前記リッパポイントに形成された第2貫通孔に挿入されるピン部材と、
前記ピン部材に係合され前記ピン部材を抜け止めするロック部材と、を備え、
前記リッパポイントは、前記後端に形成された開口部と、前記開口部から前記先端に向かって形成された内部空間と、前記内部空間を形成する内面の一部に前記後端から前記先端に向かって所定の範囲に形成される凹部と、を有し、
前記凹部の底面には、前記リッパポイントの前記第2貫通孔が配置され、
前記凹部を形成する空間に、前記ロック部材が配置され、
前記ロック部材は、前記ピン部材に向かう方向にスライドすることによって、前記ピン部材に係合する、
リッパポイント取付構造。
【請求項2】
リッパ装置におけるリッパポイント取付構造であって、
先端から後端にかけて、くさび形の形状を有するリッパポイントと、
前記リッパポイントが装着されるリッパシャンクと、
前記リッパシャンクに形成された第1貫通孔と前記リッパポイントに形成された第2貫通孔に挿入されるピン部材と、
前記ピン部材に係合され前記ピン部材を抜け止めするロック部材と、を備え、
前記リッパポイントは、前記後端に形成された開口部と、前記開口部から前記先端に向かって形成された内部空間と、前記内部空間を形成する内面の一部に前記後端から前記先端に向かって所定の範囲に形成される凹部と、を有し、
前記凹部の底面には、前記リッパポイントの前記第2貫通孔が配置され、
前記凹部を形成する空間に、前記ロック部材が配置され、
前記ロック部材は、前記ピン部材から離れる方向にスライドすることによって、前記ピン部材に係合する、
リッパポイント取付構造。
【請求項3】
前記ロック部材は、前記ピン部材に係合する係合部を、有する、
請求項1または2に記載のリッパポイント取付構造。
【請求項4】
前記ロック部材は、前記ピン部材を前記係合部に案内する開口部を、さらに有する、
請求項3に記載のリッパポイント取付構造。
【請求項5】
前記ロック部材は、爪部をさらに有する、
請求項3または4に記載のリッパポイント取付構造。
【請求項6】
前記ピン部材は、前記係合部が係合する環状溝を有する、
請求項3~5のいずれか1項に記載のリッパポイント取付構造。
【請求項7】
前記ロック部材は、前記リッパシャンク及び前記リッパポイントの間において、前記ピン部材に係合する、
請求項1から6のいずれか1項に記載のリッパポイント取付構造。
【請求項8】
リッパ装置におけるリッパポイント取付構造であって、
先端から後端にかけて、くさび形の形状を有するリッパポイントと、
前記リッパポイントが装着されるリッパシャンクと、
前記リッパシャンクに形成された第1貫通孔と前記リッパポイントに形成された第2貫通孔に挿入されるピン部材と、
前記ピン部材に係合され前記ピン部材を抜け止めするロック部材と、を備え、
前記リッパポイントは、前記後端に形成された開口部と、前記開口部から前記先端に向かって形成された内部空間と、前記内部空間を形成する内面の一部に前記後端から前記先端に向かって所定の範囲に形成される凹部と、を有し、
前記凹部の底面には、前記リッパポイントの前記第2貫通孔が配置され、
前記凹部を形成する空間に、前記ロック部材が配置され、
前記ロック部材は、前記リッパシャンク及び前記リッパポイントの間において、前記ピン部材に係合し、
前記リッパシャンクの外面に配置され、前記ロック部材を保護するガード部を更に備えた、
リッパポイント取付構造。
【請求項9】
リッパ装置におけるリッパポイント取付構造であって、
先端から後端にかけて、くさび形の形状を有するリッパポイントと、
前記リッパポイントが装着されるリッパシャンクと、
前記リッパシャンクに形成された第1貫通孔と前記リッパポイントに形成された第2貫通孔に挿入されるピン部材と、
前記ピン部材に係合され前記ピン部材を抜け止めするロック部材と、を備え、
前記リッパポイントは、前記後端に形成された開口部と、前記開口部から前記先端に向かって形成された内部空間と、前記内部空間を形成する内面の一部に前記後端から前記先端に向かって所定の範囲に形成される凹部と、を有し、
前記凹部の底面には、前記リッパポイントの前記第2貫通孔が配置され、
前記凹部を形成する空間に、前記ロック部材が配置され、
前記ロック部材は、前記リッパシャンク及び前記リッパポイントの間において、前記ピン部材に係合し、
前記第1貫通孔は長孔形状であり、前記ピン部材が配置され、
前記ピン部材は、前記第1貫通孔の内周面のうち前記リッパシャンクの先端側の第1内周面に接触させた状態において、前記先端側と反対側の第2内周面との間に隙間が形成される、
リッパポイント取付構造。
【請求項10】
リッパシャンクに取り付け可能なリッパポイントであって、
後端に形成された開口部と、前記開口部から先端に向かって形成された内部空間と、を有するリッパポイント本体と、
前記内部空間を形成する内面の一部に前記後端から前記先端に向かう所定の範囲に形成される凹部と、
前記凹部の底面に設けられ、ピン部材が挿入される貫通孔と、
を備え、
前記ピン部材は、前記貫通孔と前記リッパシャンクに形成された貫通孔に挿入され、前記凹部には、前記ピン部材に係合され前記ピン部材を抜け止めするロック部材が配置され、
前記ロック部材は、前記ピン部材に向かう方向または前記ピン部材から離れる方向にスライドすることによって前記ピン部材に係合する、
リッパポイント。
【請求項11】
リッパシャンクを挿入するための内部空間が形成されたリッパポイントを
、前記リッパシャンクに着脱可能に固定するピン部材に係合して抜け止めするロック部材であって、
前記ピン部材に係合する係合部と、
前記ピン部材を前記係合部に案内する開口部と、を備え、
前記リッパポイントの前記内部空間を形成する内面の一部に形成された凹部に配置され、前記ピン部材に向かう方向または前記ピン部材から離れる方向にスライドすることによって前記ピン部材に係合する、
ロック部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッパポイント取付構造およびリッパポイントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1には、リッパ装置用のリッパポイント取付構造が開示されている。従来のリッパ装置用のリッパポイント取付構造では、リッパポイントがピン部材を介してリッパシャンクに装着される。この場合、例えば、ピン部材の中央に溝を形成し、その溝にC型のリテーナを係合させることによってピン部材は抜け止めされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のリッパポイント取付構造では、ピン部材がリテーナを通過する際の摩擦抵抗が大きいため、ピン部材をリッパポイント及びリッパシャンクに装着することが難しい。また、リッパポイントを交換する際にも、ピン部材をリッパポイント及びリッパシャンクから取り外すことが難しい。
【0005】
本開示の目的は、リッパポイントを容易に脱着することが可能なリッパポイント取付構造を提供することである。また、本開示の目的は、取付対象に容易に脱着することが可能なリッパポイントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係るリッパポイント取付構造は、リッパ装置におけるリッパポイント取付構造であって、リッパポイントと、リッパシャンクと、ピン部材と、ロック部材と、を備える。リッパポイントは、先端から後端にかけて、くさび形の形状を有する。リッパシャンクは、リッパポイントが装着される。ピン部材は、リッパシャンクに形成された第1貫通孔とリッパポイントに形成された第2貫通孔に挿入される。ロック部材は、ピン部材に係合されピン部材を抜け止めする。リッパポイントは、開口部と、内部空間と、凹部と、を有する。開口部は、後端に形成されている。内部空間は、開口部から先端に向かって形成されている。凹部は、内部空間を形成する内面の一部に後端から先端に向かって所定の範囲に形成される。凹部の底面には、リッパポイントの第2貫通孔が配置される。凹部を形成する空間に、ロック部材が配置される。
【0007】
第2の態様に係るリッパポイントは、リッパシャンクに取り付け可能なリッパポイントであって、リッパポイント本体と、凹部と、ピン孔と、を備える。リッパポイント本体は、後端に形成された開口部と、開口部から先端に向かって形成された内部空間と、を有する。凹部は、内部空間を形成する内面の一部に後端から先端に向かう所定の範囲に形成される。貫通孔は、凹部の底面に設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示のリッパポイント取付構造は、リッパポイントを容易に脱着することができる。また、本開示のリッパポイントは、取付対象から容易に脱着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパ装置を示す側面図。
【
図2A】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパポイント取付構造を示す斜視図。
【
図2B】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパポイント取付構造を示す斜視図。
【
図2C】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパポイント取付構造を示す側面図。
【
図3】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパポイント取付構造を示す分解斜視図。
【
図4A】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパシャンクを示す斜視図。
【
図4B】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパシャンクを示す斜視図。
【
図5A】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパシャンクのノーズ部を示す側面図。
【
図5C】本開示にかかる実施の形態1における第1ピン孔の拡大図。
【
図6】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパポイント取付構造を示す側面図。
【
図7】(a)
図6の平面(a)における切断面図、(b)
図6の平面(b)における切断面図、(c)
図6の平面(c)における切断面図、(d)
図6の平面(d)における切断面図、(e)
図6の平面(e)における切断面図、(f)
図6の平面(f)における切断面図。
【
図8A】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパポイントを示す斜視図。
【
図8B】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパポイントを示す正面図。
【
図9】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパポイント取付構造を示す側断面図。
【
図10B】本開示にかかる実施の形態1におけるリッパポイント取付構造のピン部材とピン孔の位置関係を示す側面図。
【
図11】本開示に係る実施の形態1におけるリッパポイント取付構造のピン部材およびロック部材を示す斜視図。
【
図12A】本開示に係る実施の形態1におけるリッパポイント取付構造のロック解除状態を示す側面図。
【
図12B】本開示に係る実施の形態1におけるリッパポイント取付構造のロック状態を示す側面図。
【
図13A】本開示に係る実施の形態2におけるリッパポイント取付構造のロック解除状態を示す側面図。
【
図13B】本開示に係る実施の形態2におけるリッパポイント取付構造のロック状態を示す側面図。
【
図13C】本開示に係る実施の形態2におけるリッパポイント取付構造のロック部材を示す側面図。
【
図13D】本開示に係る実施の形態2の変形例におけるリッパポイント取付構造のロック部材を示す側面図。
【
図14】(a)本開示に係る実施の形態3におけるリッパポイント取付構造を示す側面図、(b)
図14(a)のF部拡大図。
【
図15】本開示に係る実施の形態の変形例におけるリッパポイント取付構造のピン孔とピン部材の位置関係を示す側面図。
【
図16A】本開示に係る実施の形態の変形例におけるリッパシャンクにピン部材およびロック部材が配置された状態を示す斜視図。
【
図16B】本開示に係る実施の形態の変形例におけるリッパシャンクにピン部材およびロック部材が配置された状態を示す斜視図。
【
図17】本開示に係る実施の形態の変形例におけるリッパポイント取付構造を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示にかかる実施の形態のリッパポイント取付構造について図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態1)
本実施の形態1に係るリッパ装置1におけるリッパポイント取付構造の構成について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(リッパ装置1の概要)
図1は、リッパ装置1を示す側面図である。
【0013】
リッパ装置1は、例えばブルドーザに装着される。リッパ装置1は、ブルドーザの車体の後方に装着される。リッパ装置1は、アーム2と、リフトシリンダ3と、チルトシリンダ4と、リッパ支持部材5と、リッパポイント取付構造6と、を有している。
【0014】
アーム2の一方の端はブルドーザの車体に接続されている、アーム2の他方の端は、リッパ支持部材5に接続されている。リッパ支持部材5は、アーム2に対して回動可能に取り付けられている。
【0015】
リフトシリンダ3およびチルトシリンダ4の一方の端は、ブルドーザの車体に接続されている。リフトシリンダ3とチルトシリンダ4の他方の端は、リッパ支持部材5に接続されている。リッパ支持部材5は、リフトシリンダ3およびチルトシリンダ4に回動可能に取り付けられている。リフトシリンダ3およびチルトシリンダ4は、油圧シリンダである。
【0016】
リッパポイント取付構造6は、リッパ装置1にリッパポイント12を着脱可能に取り付ける。
【0017】
(リッパポイント取付構造6)
図2Aは、後側から視たリッパポイント取付構造6の拡大斜視図である。
図2Bは、
図2Aと異なり前側から視たリッパポイント取付構造6の拡大斜視図である。
図2Cは、リッパポイント取付構造6の側面図である。
図3は、リッパポイント取付構造6の分解図である。
【0018】
リッパポイント取付構造6は、
図1に示すように、リッパシャンク11と、リッパポイント12と、ピン部材13と、ロック部材14と、を有している。
【0019】
リッパシャンク11は、リッパ支持部材5に取り付けられる。リッパポイント12は、リッパシャンク11の先端に装着される。ピン部材13は、リッパポイント12およびリッパシャンク11の各々に形成された貫通孔に挿入され、リッパポイント12がリッパシャンク11から外れることを防止する。ロック部材14は、貫通孔に挿入されたピン部材13をロックする。
【0020】
本実施の形態のリッパポイント取付構造6には、土砂等からリッパシャンク11を保護するプロテクタ15が更に設けられている。プロテクタ15は、リッパシャンク11の車体側の縁に設けられている。なお、
図2Bでは、プロテクタ15は省略されている。
【0021】
(リッパシャンク11)
図4Aは、リッパシャンク11を前側から視た斜視図である。
図4Bは、リッパシャンク11を下側から視た斜視図である。
【0022】
リッパシャンク11は、リッパ支持部材5に取り付けられる略板状の部材であって、掘削側の先端部分が屈曲して尖った形状をしている。リッパシャンク11は、例えば鋼によって形成される。リッパシャンク11は、鍛造によって作成される方が好ましいが、これに限らず鋳造であってもよい。
【0023】
リッパシャンク11は、
図4Aおよび
図4Bに示すように、本体部21と、ノーズ部22と、第1ピン孔23(貫通孔の一例)と、を有している。
【0024】
(本体部21)
本体部21は、略上下方向に沿って配置されており、リッパ支持部材5に取り付けられている。本体部21の掘削側の端部(下端部分)は、車体前側に向かって屈曲している。
【0025】
(ノーズ部22)
ノーズ部22は、本体部21の掘削側の端(下端)に配置されている。ノーズ部22は、本体部21と一体に形成される。ノーズ部22は、本体部21から前下方に向かって延びるように形成されている。
【0026】
図4Aには、ノーズ部22近傍の拡大図(一点鎖線で囲まれたB参照)も示されている。また、
図4Bには、ノーズ部22近傍の拡大図(一点鎖線で囲まれたC参照)も示されている。
図5Aは、ノーズ部22近傍を示す側面図である。
図5Bは、
図5AのDD´間を示す断面図である。
【0027】
ノーズ部22は、
図4Aおよび
図4Bに示すように、先細り形状に形成されている。ノーズ部22は、一方向に長く形成されている。ノーズ部22の延びる方向(長手方向ともいえる)を軸A1とする(
図5A参照)。
【0028】
ノーズ部22は、屈曲の内側の第1面22aと、屈曲の外側の第2面22bと、第1面22aと第2面22bの幅方向(軸A1に対して垂直な方向)の両端を繋ぐように対向して設けられた側面である第3面22cおよび第4面22dと、第1面22a、第2面22b、第3面22cおよび第4面22dの先端を繋ぐように設けられた先端面22eと、を有している。第1面22aと第2面22bは、平面視において概ね矩形状である。第3面22cと第4面22dは、側面視において概ね三角形状である。先端面22eは、正面視において概ね矩形状である。第1面22aと第3面22cの間、第1面22aと第4面22dの間、第2面22bと第3面22cの間、および第2面22bと第4面22dの間の各々には、凹部22fが形成されている。
【0029】
図2Cの軸A1は、たとえばノーズ部22の先端面22eを外側から視た正面視において、ノーズ部22の先端面22eの中心およびノーズ部22の重心を通過する。
【0030】
ノーズ部22は、
図5Aに示すように、先端部31と、基端部32と、連結部33と、を有する。
【0031】
先端部31は、ノーズ部22の先端に設けられている。基端部32は、ノーズ部22の本体側の部分に設けられており、本体部21と連なっている。連結部33は、ノーズ部22において、先端部31と基端部32の間に設けられている。
【0032】
図6は、リッパポイント取付構造6を示す側面図である。
図7(a)~
図7(e)の各々は、
図6に示す切断線(a)~(e)におけるリッパポイント取付構造の断面を示す図である。
図7(a)は、先端部31におけるリッパポイント取付構造6の断面図である。
図7(b)は、軸A1に沿った凹部22fの始端(先端部31側から視て始端)におけるリッパポイント取付構造6の断面図である。
図7(c)は、軸A1に沿った凹部22fの中央におけるリッパポイント取付構造6の断面図である。
図7(d)は、軸A1に沿った凹部22fの終端(先端部31側から視て終端)におけるリッパポイント取付構造6の断面図である。
図7(e)は、軸A1に沿った第1ピン孔23の中央におけるリッパポイント取付構造6の断面図である。
図7(f)は、軸A1に沿った第1ピン孔23の後端(先端部31側から視て終端)におけるリッパポイント取付構造6の断面図である。
【0033】
図6および
図7(a)に示すように、ノーズ部22の軸A1に直交する切断面(a)によって先端部31を切断した断面の外周は矩形状に形成されている。なお、“外周”は、“外形”と解釈してもよい。以下では、ノーズ部22の軸A1に直交する“平面”は、“切断面”と記載される。
【0034】
図6に示すように、先端部31は、ノーズ部22の軸A1が延びる軸方向においてリッパポイント12の内面に当接可能にリッパポイント12の内部空間Sに配置される。ここで、先端部31は、切断面における外形が矩形状の部分と定義される。
【0035】
図5Aに示すように、基端部32は、本体部21から連なって設けられている。例えば、基端部32は、本体部21と一体に形成される。
図6、
図7(e)および
図7(f)に示すように、切断面(e)、(f)によって基端部32を切断した断面の外周は矩形状に形成される。ここで、基端部32は、切断面における外形が矩形状の部分と定義される。先端部31から基端部32までがノーズ部22と定義される。また、
図7(e)に示すように、第1ピン孔23は、基端部32に形成されている。
【0036】
なお、リッパシャンク11における本体部21とノーズ部22の範囲は特に限定されるものではなく、リッパシャンク11のプロテクタ15の下端よりも先端側をノーズ部22とし、プロテクタ15の下端より上側の部分を本体部21としてもよい。また、例えば、リッパシャンク11のうち直線状の部分を本体部21とし、屈曲している部分をノーズ部22としてもよい。
【0037】
図6に示すように、連結部33は、先端部31と基端部32の間に設けられている。連結部33は、例えば先端部31と基端部32と一体に形成される。
【0038】
連結部33の外周は、8角形に形成される。例えば切断面(b)、切断面(c)および切断面(d)によって連結部33を切断した断面の外周は、8角形に形成されている。連結部33には、上述した凹部22fが形成されている。すなわち、ノーズ部22の4つの面22a、22b、22c、22dで形成される4つの角の各々に、連結部33において凹部22fが形成されているため、連結部33における断面は8角形状となり、先端部31および基端部32における断面は矩形状となる。このように、断面の外周が8角形に形成される部分が、連結部33として定義される。
【0039】
なお、切断面(b)および切断面(d)は、凹部22fの端に対応するため、矩形状に近い形状となっている。
【0040】
8角形の8辺のうち互いに対向する辺L1は、ノーズ部22の軸A1およびピン部材13の軸心A2を含む平面P1と平行に設けられている。辺L1の両端部のそれぞれは、
図4Aおよび
図7(c)に示すように、基端部32の隅角部32aと先端部31の隅角部31aを連結する第1稜線部R1を形成する。対向する辺L1は、それぞれ第1面22aおよび第2面22bの軸A1に垂直な幅に対応する。
【0041】
8角形の8辺のうち互いに対向する辺L5は、平面P1に対して垂直に設けられている。辺L5の両端部のそれぞれは、
図4Aおよび
図7(c)に示すように、基端部32の隅角部32aと先端部の隅角部31aを連結する第3稜線部R3を形成する。対向する辺L5は、それぞれ第3面22cおよび第4面22dの軸A1に垂直な幅に対応する。
【0042】
図7(b)および
図7(c)に示すように、連結部33の辺L1と辺L5の間であって、辺L1と辺L5に隣接する辺L3は、連結部33の8角形の外周における一辺である。辺L3は、第1稜線部R1及び第3稜線部R3の間の面を形成する。辺L3は、8角形の8辺のうち4つの辺として設けられている。4つの辺L3は、それぞれ凹部22fの軸A1に垂直な幅に対応する。
【0043】
ここで、
図7(d)、および
図7(c)に示すように、長手方向における連結部33の中央部の辺L1の長さ(
図7(c)の辺L1の長さ)は、連結部33における基端部32側の辺L1の長さ(
図7(d)の辺L1の長さ)より短い。また、長手方向における連結部33の中央部の辺L1の長さ(
図7(c)の辺L1の長さ)は、連結部33における先端部31側の辺L1の長さ(
図7(b)の辺L1の長さ)より短い。
【0044】
辺L1は、基端部32から連結部33の中央部に向けて、徐々に短くなる(
図7(d)及び
図7(c)を参照)。また、辺L1は、連結部33の中央部から先端部31に向けて、徐々に長くなる(
図7(c)、
図7(b)、
図4A、および
図4B参照)。
【0045】
図7(b)、
図7(c)、及び
図7(d)に示すように、長手方向における連結部33の中央部の辺L3の長さ(
図7(c)の辺L3の長さ)は、連結部33における基端部32側の辺L3の長さ(
図7(d)の辺L3の長さ)より長い。また、長手方向における連結部33の中央部の辺L3の長さ(
図7(c)の辺L3の長さ)は、連結部33における先端部31側の辺L3の長さ(
図7(b)の辺L3の長さ)より長い。
【0046】
図3に示すように、辺L3は、基端部32から連結部33の中央部に向けて、徐々に長くなる(
図7(d)及び
図7(c)を参照)。また、辺L3は、連結部33の中央部から先端部31に向けて、徐々に短くなる(
図7(c)及び
図7(b)を参照)。
【0047】
なお、辺L5は、基端部32から連結部33の中央部に向けて、徐々に短くなる(
図7(d)、
図7(c)、
図4Aおよび
図4B参照)。また、辺L5は、連結部33の中央部から先端部31に向けて、徐々に短くなる(
図7(c)及び
図7(b)を参照)。
【0048】
また、上述した凹部22fは、連結部33の第1稜線部R1と第3稜線部R3に挟まれた部分に対応する。
【0049】
また、先端部31の矩形状の頂点部(隅角部31a)、連結部33の8角形の頂点部および基端部32の矩形状の頂点部(隅角部32a)は、先端部31から基端部32に向かって順に繋がっている。
【0050】
(第1ピン孔23)
第1ピン孔23は、ノーズ部22に設けられている。第1ピン孔23は、ノーズ部22の軸A1に直交する方向に延びる。詳細には、上述したように第1ピン孔23は、基端部32に設けられている。
【0051】
図5Cは、
図5Aに示す第1ピン孔23の拡大側面図である。ノーズ部22の第1ピン孔23には、ピン部材13が挿入される。
図5Cに示すように第1ピン孔23の内周面は、長孔形状に形成されている。
図5Cに示すように、ノーズ部22の先端面22e側に形成される第1ピン孔23の第1内周面23aは、円弧状に形成される。第1内周面23aを形成する半径は、ピン部材13の半径より大きい。
【0052】
ノーズ部22の先端面22eと反対側(本体部21側ともいえる)に形成される第1ピン孔23の第2内周面23bは、円弧状に形成される。第2内周面23bを形成する半径は、ピン部材13の半径より大きい。第1内周面23a及び第2内周面23bの間隔(長軸)は、ピン部材13の直径より大きい。なお、長軸は、例えば、軸A1に沿って配置される。
【0053】
第1内周面23a及び第2内周面23bの間に形成される1対の第3内周面23cは、平面状に形成される。1対の第3内周面23cの間隔(短軸)は、ピン部材13の直径より大きい。
【0054】
なお、詳しくは
図10Aにおいて後述するが、リッパポイント12がリッパシャンク11に取り付けられた状態において、リッパポイント12とリッパシャンク11を連結するピン部材13は、第1内周面23aに接触する。ピン部材13の断面外形は円形であるため、基端部32側(本体部21側)においてピン部材13と第2内周面23bの間には、後述するように隙間Tが形成される。
【0055】
(リッパポイント12)
図2Aから
図2Cおよび
図3に示すように、リッパポイント12は、リッパシャンク11に取り付けられる。リッパポイント12は、先端面40g(先端の一例)から後端40iにかけて楔形状を有する。
【0056】
図8Aは、リッパポイント12を先端とは反対側から視た斜視図である。
図8Aに示すように、リッパポイント12は、リッパシャンク11のノーズ部22を挿入するための内部空間S(
図6参照)を有する。リッパポイント12の内面は、リッパシャンク11の外面に沿って形成される。リッパポイント12は、例えば鋼によって形成される。リッパポイント12は、鍛造によって作成される方が好ましいが、これに限らず鋳造であってもよい。
【0057】
リッパポイント12は、リッパシャンク11に取り付けられた状態において、
図2Cに示すように、軸A1に沿うように延びる。
【0058】
リッパポイント12は、
図8Aに示すように、リッパポイント本体40と、ガイド溝41(凹部の一例)と、第2ピン孔42と、を有する。
【0059】
リッパポイント本体40は、有底筒状に形成されている。リッパポイント本体40の内面は、ノーズ部22の外面に沿って形成されている。リッパポイント本体40の内面は、先細り形状に形成される。このようにリッパポイント本体40を形成することによって、上述した内部空間Sが形成される。内部空間Sには、リッパシャンク11のノーズ部22が配置される(
図6を参照)。
【0060】
リッパポイント本体40は、
図8Aに示すように、内部空間Sを形成する内面40sとして、第1面40aと、第2面40bと、互いに対向する側面である第3面40cおよび第4面40dと、先端面40eと、を有している。
【0061】
第1面40aは、リッパポイント12がリッパシャンク11に取り付けられた状態において、屈曲の内側に位置する面である。第2面40bは、リッパポイント12がリッパシャンク11に取り付けられた状態において、屈曲の外側に位置する面である。第1面40aと第2面40bは、平面視において概ね矩形状である。第3面40cは、第1面40aと第2面40bを繋ぐように形成されている。第4面40dは、第1面40aと第2面40bを繋ぐように形成されている。第3面40cと第4面40dは、側面視において概ね三角形状に形成されている。先端面40eは、第1面40aの先端側の端と、第2面40bの先端側の端と、第3面40cの先端側の端と、第4面40dの先端側の端を繋ぐように形成されている。
【0062】
リッパポイント12がリッパシャンク11に取り付けられた状態において、第1面40aは第1面22aと対向し、第2面40bは第2面22bと対向し、第3面40cは第3面22cと対向し、第4面40dは第4面22dと対向する。
図9は、リッパポイント12がリッパシャンク11に取り付けられた状態の側断面図である。
図9に示すように、リッパポイント12がリッパシャンク11に取り付けられた状態において、先端面40eは、ノーズ部22の先端面22eと対向し、先端面22eに当接する。
【0063】
第1面40aと第1面22a、第2面40bと第2面22b、第3面40cと第3面22c、第4面40dと第4面22d、および先端面40eと先端面22eの各々は、概ね同じ大きさに形成されている。
【0064】
また、第1面40aと第3面40cの間、第1面40aと第4面40dの間、第2面40bと第3面40cの間、および第2面40bと第4面40dの間の各々には、
図8Aに示すように、凸部40fが形成されている。リッパポイント12がリッパシャンク11に取り付けられた状態において、各々の凸部40fは、4つの凹部22fの各々に対向し、接触する。凸部40fは、対向する凹部22fと対応する形状に形成されている。
【0065】
なお、リッパポイント本体40の外形は、
図8Bに示すように、例えば、第1面40a、第2面40b、第3面40c、第4面40dと略平行に形成されており、先端面40gに繋がっている。
【0066】
ガイド溝41は、ロック部材14をピン部材13に向けて案内するためのものである。ガイド溝41は、
図8Aに示すように、リッパポイント本体40の内面に設けられる。ガイド溝41は、第3面40cおよび第4面40dの各々に設けられている。ガイド溝41は、リッパポイント本体40の後端40iに形成されている開口40hの縁からリッパポイント本体40の先端面40eに向かってリッパポイント本体40の内面40sに沿って延びる。ガイド溝41は、軸A1方向に沿って延びている。
【0067】
第2ピン孔42は、リッパポイント本体40を貫通する。第2ピン孔42は、第3面40cおよび第4面40dの各々に形成されている。例えば、第2ピン孔42は、第1ピン孔23(
図7(e)参照)と連通可能なように、リッパポイント本体40に形成される。第2ピン孔42は、ガイド溝41に設けられる。第2ピン孔42は、ガイド溝41の底面41aを貫通する。第2ピン孔42には、ピン部材13が配置される。
【0068】
図6及び
図7に示すように、リッパポイント12を上記の切断面(a)~(e)によって切断した断面の内周は、次のように形成される。
【0069】
図6及び
図7に示すように、リッパポイント本体40においてノーズ部22に対向する部分は、第1部分51と、第2部分52と、第3部分53とを、有する。
【0070】
図7に示すように、第1部分51は、リッパポイント本体40がノーズ部22の先端部31に対向する部分である。第1部分51の内面は、ノーズ部22の先端部31の外面に沿って形成される。第1部分51を切断面(a)によって切断した断面の内周は、矩形状に形成される。
【0071】
第2部分52は、
図7(e)および
図7(f)に示すように、リッパポイント本体40がノーズ部22の基端部32に対向する部分である。第2部分52の内面は、ノーズ部22の基端部32の外面に沿って形成される。第2部分52を切断面(e)および切断面(f)によって切断した断面の内周は、矩形状に形成される。第2ピン孔42は、第2部分52に大部分が形成され、一部が、後述する第3部分53に形成されている。
【0072】
図7(b)、
図7(c)、及び
図7(d)に示すように、第3部分53は、リッパポイント本体40がノーズ部22の連結部33に対向する部分である。第3部分53の内面は、ノーズ部22の連結部33の外面に沿って形成される。例えば、切断面(b)、切断面(c)、及び切断面(d)によって第3部分53を切断した断面の内周は、8角形に形成される。
【0073】
第3部分53では、8角形の対向する辺L2が平面P1に平行に形成される。
図8A、
図7(b)、
図7(c)、及び
図7(d)に示すように、8角形の辺L2の両端部によって、第3部分53の内面には、第2稜線部R2が形成される。第2稜線部R2は、第1部分51の隅角部51aと第2部分52の隅角部52aを連結する。リッパポイント12をリッパシャンク11に取り付けた状態において、辺L2は、辺L1と対向し、第2稜線部R2は、リッパシャンク11(連結部33)の第1稜線部R1(
図3を参照)に対向するように配置される。対向する辺L2は、それぞれ第1面40aおよび第2面40bの軸A1に垂直な幅に対応する。
【0074】
また、辺L2と垂直な8角形の対向する辺L6が形成されている。辺L6の両端部のそれぞれによって、
図8A、
図7(b)、
図7(c)、及び
図7(d)に示すように、第3部分53の内面には、第4稜線部R4が形成される。第4稜線部R4は、第1部分51の隅角部51aと第2部分52の隅角部52aを連結する。リッパポイント12をリッパシャンク11に取り付けた状態において、辺L6は辺L5に対向し、第4稜線部R4は、リッパシャンク11(連結部33)の第3稜線部R3に対向するように配置される。対向する辺L6は、それぞれ第3面40cおよび第4面40dの軸A1に垂直な幅に対応する。
【0075】
図7(b)、
図7(c)および
図7(d)に示すように、第3部分53の辺L2と辺L6の間であって、辺L2と辺L6に隣接する辺L4は、第3部分53の8角形の外周における一辺である。辺L4は、第2稜線部R2及び第4稜線部R4の間の面を形成する。第2稜線部R2と第4稜線部R4の間に、凸部40fが形成される。辺L4は、8角形の8辺のうち4つの辺として設けられている。また、4つの辺L4は、それぞれ凸部40fの軸A1に垂直な幅に対応する。
【0076】
ここで、
図7(b)、
図7(c)、及び
図7(d)に示すように、長手方向(軸A1方向)における第3部分53の中央部の辺L2の長さ(
図5B(c)の辺L2の長さ)は、第3部分53における第2部分52側の辺L2(
図5B(d)の辺L2の長さ)より短い。また、長手方向における第3部分53の中央部の辺L2の長さ(
図7(c)の辺L2の長さ)は、第3部分53における第1部分51側の辺L2の長さ(
図7(b)の辺L2の長さ)より短い。
【0077】
辺L2は、第2部分52から第3部分53の中央部に向けて、徐々に短くなる(
図7(d)及び
図7(c)を参照)。また、辺L2は、第3部分53の中央部から第1部分51に向けて徐々に長くなる(
図7(c)、
図7(b)および
図8Aを参照)。
【0078】
図7(b)、
図7(c)、及び
図7(d)に示すように、長手方向における第3部分53の中央部の辺L4の長さ(
図7(c)の辺L4の長さ)は、第3部分53における第2部分52側の辺L4の長さ(
図7(d)の辺L4の長さ)より長い。また、長手方向における第3部分53の中央部の辺L4の長さ(
図7(c)の辺L4の長さ)は、第3部分53における第1部分51側の辺L4の長さ(
図7(b)の辺L4の長さ)より長い。
【0079】
辺L4は、第2部分52から第3部分53の中央部に向けて、徐々に長くなる(
図7(d)、
図7(c)および
図8Aを参照)。また、辺L4は、第3部分53の中央部から第1部分51に向けて、徐々に短くなる(
図7(c)及び
図7(b)を参照)。
【0080】
なお、辺L6は、第2部分52から第3部分53の中央部に向けて、徐々に短くなる(
図7(d)、
図7(c)および
図8Aを参照)。また、辺L6は、第3部分53の中央部から第1部分51に向けて、徐々に短くなる(
図7(c)及び
図7(b)を参照)。
【0081】
また、第1部分51の矩形状の頂点部(隅角部51a)、第3部分53の8角形の頂点部および第2部分52の矩形状の頂点部(隅角部52a)は、第1部分51から第3部分53を経由して第2部分52に向かって順に繋がっている。
【0082】
このようにリッパポイント12の内面に第2稜線部R2及び第4稜線部R4を形成し、上述したようにリッパシャンク11に第1稜線部R1及び第3稜線部R3を形成することによって、リッパポイント12をリッパシャンク11に対して位置決めすることができる。すなわち、リッパシャンク11に対するリッパポイント12のスキマを抑制することができる。
【0083】
(ピン部材13)
図10Aは、
図2CのEE´間の矢視断面図である。
図10Bは、ピン部材13と第1ピン孔23および第2ピン孔42の位置関係を示す図である。
図11は、ピン部材13とロック部材14を示す斜視図である。
【0084】
図3に示すように、ピン部材13は、リッパシャンク11とリッパポイント12を連結する。ピン部材13は、第1ピン孔23及び第2ピン孔42に配置される。ピン部材13は、円柱状に形成される。なお、ピン部材13は、円筒状に形成されてもよい。ピン部材13は、軸心A2を有する。
【0085】
図9に示すように、ノーズ部22の先端面22eがリッパポイント12の内部空間Sの先端面40eに当接した状態で、ピン部材13は、第1ピン孔23及び第2ピン孔42に配置される。
【0086】
この状態において、ピン部材13は、
図10に示すように、ノーズ部22の先端部31側において第1ピン孔23の第1内周面23aに接触する。また、ピン部材13は、リッパポイント本体40の本体部21側(先端部31と反対側)において第2ピン孔42の内周面に接触する。
【0087】
この状態において、
図10Aおよび
図10Bに示すように、軸心A2は、第1ピン孔23の中心A3から、ノーズ部22の先端部31側にオフセットしている。
図10Bでは、矢印Jが先端部31側を示している。
【0088】
この構成によって、ピン部材13がリッパシャンク11の第1ピン孔23及びリッパポイント12の第2ピン孔42に配置された状態では、本体部21側において、ピン部材13及び第1ピン孔23の第2内周面23bの間には、隙間Tが形成される。この隙間Tによって、リッパ装置1による掘削作業時及び貫入作業時に、ピン部材13が第1ピン孔23の本体部21側に接触しづらくなる。これにより、ピン部材13及び第1ピン孔23の耐久性を向上することができる。
【0089】
また、ピン部材13は、環状溝13aを有する。環状溝13aは、ピン部材の外周面に形成される。環状溝13aは、ピン部材13の両端のうち一方または両方の端近傍に形成されている。環状溝13aは、リッパシャンク11とリッパポイント12の間に配置される。詳細には、ピン部材13の環状溝13aは、ガイド溝41に配置される。
【0090】
環状溝13aには、ロック部材14が係合する。詳細には、環状溝13aには、ロック部材14の係合部61a(後述する)が係合する。
【0091】
(ロック部材14)
ロック部材14は、ピン部材13を抜け止めするためのものである。
図11に示すように、ロック部材14は、ピン部材13に向けてスライドすることによって、ピン部材13に係合する。ロック部材14は、リッパシャンク11の本体部21側からピン部材13に向かう方向にスライドすることによって、ピン部材13に係合する。
【0092】
ロック部材14は、リッパシャンク11とリッパポイント12の間に配置される。ロック部材14は、ノーズ部22の外面とリッパポイント本体40の内面の間に配置される。ロック部材14は、ガイド溝41に配置される(
図10Aを参照)。
【0093】
ロック部材14は、ロック本体61と、爪部62とを、有する。
【0094】
ロック本体61は、例えば、板状の部材である。ロック本体61は、係合部61aと、開口部61bとを有する。係合部61aは、ピン部材13に係合する部分である。係合部61aは、C字形状の内周面を有する。係合部61aは、ピン部材13の環状溝13aに嵌合される。開口部61bは、ピン部材13を係合部61aに案内する部分である。開口部61bにおける開口端の間隔は、ピン部材13の環状溝13aの直径より大きい。
【0095】
図11に示すように、爪部62は、ロック本体61から突出する部分である。例えば、爪部62は、ロック本体61と一体に形成される。
図10Aに示すように、爪部62は、リッパポイント12の外側に位置し、ノーズ部22の第3面22cに配置される。なお、第3面22cは、
図1および
図10Aに示すリッパシャンク11の側面11a全体の一部である。
【0096】
上記の構成を有するロック部材14は、次のように取り付けられる。
【0097】
まず、リッパポイント12が、リッパシャンク11に取り付けられる。その後、ピン部材13が、リッパポイント12の第2ピン孔42及びリッパシャンク11の第1ピン孔23に挿入される。ピン部材13の環状溝13aは、
図10Aに示すように、ガイド溝41に配置される。
【0098】
次に、リッパポイント12の開口40hの縁からガイド溝41にロック部材14が挿入される。
図12Aは、ロック部材14がガイド溝41に挿入された状態を示す側面図である。
図12Aでは、説明のためにリッパポイント12が点線で示されている。
【0099】
ロック部材14は、ロック本体61の開口部61bがピン部材13の環状溝13aに対向するように配置される(
図12Aを参照)。この状態は、ロック部材14及びピン部材13の係合が解除された状態(ロック解除状態)である。
【0100】
このロック解除状態において、爪部62がピン部材13に向けて押圧される(矢印E1参照)。これにより、ロック本体61がピン部材13に向けてガイド溝41に沿ってスライドし、ロック本体61の係合部61aがピン部材13の環状溝13aに嵌合する(
図12Bを参照)。この状態は、ロック部材14及びピン部材13が係合した状態(ロック状態)である。
【0101】
このように、ロック解除状態においてロック部材14をピン部材13に向けてスライドさせることによって、ピン部材13が抜け止めされる。また、ロック状態においてロック部材14をピン部材13から離れる方向にスライドさせることによって、ピン部材13の抜け止めが解除される。
【0102】
(実施の形態2)
実施の形態1では、ロック部材14が、リッパシャンク11の本体部21からピン部材13に向かう方向(先端方向)にスライドされることによってピン部材13に係合する場合の例が示された。これに代えて、
図13Aから13Cに示すような実施の形態2のリッパポイント取付構造106が構成されてもよい。なお、ここで説明が省略された構成については、前記実施形態の構成に準ずる。
【0103】
この場合、
図13A及び
図13Bに示すように、ロック部材114は、ピン部材13から離れる方向にスライドされることによってピン部材13に係合する。例えば、ロック部材114は、ピン部材13から本体部21側に向かう方向(先端方向とは反対方向)にスライドすることによって、ピン部材13に係合する。
【0104】
ロック部材114は、
図13Cに示すように、ロック本体161と、爪部62とを、有する。爪部62の構成は、前記実施形態の構成と同じである。
【0105】
図13Cに示すように、ロック本体161は、例えば、矩形板状に形成される。ロック本体161は、係合部161aと、開口部161bとを、有する。係合部161aは、ピン部材13に係合する部分である。係合部161aは、例えば、C字形状の内周面を有する。係合部161aは、ピン部材13の環状溝13aに嵌合される。
【0106】
開口部161bは、ピン部材13を係合部161aに係合させる前にピン部材13が配置される部分である。開口部161bは、係合部161a及び爪部62の間に設けられる。開口部161bは、C字形状の内周面を有する。開口部161bの直径は、ピン部材13の直径より大きい。
【0107】
上記の構成を有するロック部材114は、次のように取り付けられる。
【0108】
まず、リッパポイント12が、リッパシャンク11に取り付けられる。次に、ロック部材114が、ガイド溝41に挿入される。ロック部材114は、第1ピン孔23と第2ピン孔42に開口部161bが対向するように配置される。
【0109】
次に、ピン部材13が、リッパポイント12の第2ピン孔42、ロック部材114の開口部161b、及びリッパシャンク11のノーズ部22の第1ピン孔23に挿入される。
【0110】
ピン部材13の環状溝13aは、ロック本体161の開口部161bに対向して配置される(
図13Aを参照)。この状態は、ロック部材114及びピン部材13の係合が解除された状態(ロック解除状態)である。
【0111】
このロック解除状態において、爪部62が本体部21側(矢印E2側)に向けて押圧される。これにより、ロック本体161が、ピン部材13から離れる方向にスライドする。その結果、ロック本体161の係合部161aがピン部材13の環状溝13aに嵌合する(
図13Bを参照)。この状態は、ロック部材114及びピン部材13が係合した状態(ロック状態)である。
【0112】
このように、ロック解除状態においてロック部材114をピン部材13から離れる方向にスライドさせることによって、ピン部材7が抜け止めされる。また、ロック状態においてロック部材114をピン部材13に近づく方向にスライドさせることによって、ピン部材13の抜け止めが解除される。
【0113】
なお、ピン部材13から離れる方向にスライドされるロック部材114は、
図13Cに示す形状に限らず、
図13Dに示すようなロック部材214であってもよい。
【0114】
図13Dに示すロック部材214は、係合部161aの周囲に切り欠き261cが形成されたロック本体261を有している。切り欠き261cは、係合部161aのピン部材13が配置される部分から外縁まで形成されている。切り欠き261cは、スライド方向に沿うように形成されている。これにより、係合部161aは、2つの部分に分かれている。
【0115】
ロック部材214の取り付け方法は、ロック部材114と同様であり、ピン部材13の環状溝13aをロック本体261の開口部161bに対向して配置し、爪部62を本体部21側(矢印E2側)に向けて押圧する。これにより、ロック本体261が、ピン部材13から離れる方向にスライドして、ロック本体261の係合部161aがピン部材13の環状溝13aに嵌合する。
【0116】
(実施の形態3)
上述した実施の形態1、2のロック部材114では、爪部62がリッパシャンク11の側面11aに配置されているだけであるが、本実施の形態3のようにガードされる構成が用いられてもよい。なお、ここで説明が省略された構成については、前記実施形態の構成に準ずる。
【0117】
図14(a)は、爪部62の周囲にガード部70を備えたリッパポイント取付構造206を示す斜視図である。
図14(b)は、
図14(a)のF部拡大図である。
【0118】
本実施の形態3のリッパポイント取付構造206は、ガード部70を更に備える。ガード部70は、爪部62に土砂等が衝突することを防ぐために設けられている。ガード部70は、リッパシャンク11の側面11aに固定された複数の凸部71を有している。例えば、
図14(b)では、爪部62のリッパポイント12側を除く周囲を囲むように側面視においてU字形状に凸部71が設けられている。爪部62の保護の観点からは、凸部71の側面11aからの高さは、爪部62の側面11aからの高さよりも高い方が好ましい。
【0119】
また、ガード部70は、ロック部材14をスライドさせる際のガイドの機能も有する。
【0120】
なお、本実施の形態3では、実施の形態1の形状のロック部材14に対してガード部70を適用したが、実施の形態2の形状のロック部材114に対しても同様に適用可能である。
<特徴等>
(1)
実施の形態1、2、3のいずれかのリッパポイント取付構造6、106、206は、リッパ装置1におけるリッパポイント取付構造であって、リッパポイント12と、リッパシャンク11と、ピン部材13と、ロック部材14と、を備える。リッパポイント12は、先端面40g(先端の一例)から後端40iにかけて、くさび形の形状を有する。リッパシャンク11は、リッパポイント12が装着される。ピン部材13は、リッパシャンク11に形成された第1ピン孔23(第1貫通孔の一例)とリッパポイント12に形成された第2ピン孔42(第2貫通孔の一例)に挿入される。ロック部材14、114は、ピン部材13に係合されピン部材13を抜け止めする。リッパポイント12は、開口40h(開口部の一例)と、内部空間Sと、ガイド溝41(凹部の一例)と、を有する。開口40hは、後端40iに形成されている。内部空間Sは、開口40hから先端面40g(先端の一例)に向かって形成されている。ガイド溝41は、内部空間Sを形成する内面40sの一部に後端40iから先端面40gに向かって所定の範囲に形成される。ガイド溝41の底面41aには、リッパポイント12の第2ピン孔42が配置される。ガイド溝41を形成する空間に、ロック部材14、114が配置される。
【0121】
これにより、ガイド溝41に挿入してロック部材14、114を配置することによって、リッパシャンク11およびリッパポイント12に容易にロック部材14、114を配置することができる。この状態から、ガイド溝41に沿ってロック部材14、114をスライドさせることによって第2ピン孔42に配置されたピン部材13が、ロック部材14、114によって抜け止めされロック状態にできる。このように、リッパポイント12をリッパシャンク11にピン部材13によって容易に装着することができる。
【0122】
また、ロック状態からロック部材14、114をピン部材13に対してスライドさせることによって、ピン部材13の抜け止めを解除することができる。このように、リッパポイント12をリッパシャンク11から容易に取り外すことができる。
【0123】
以上のように、本実施の形態のリッパポイント取付構造6、106、206では、リッパポイント12をリッパシャンク11から容易に脱着することができる。
【0124】
また、ガイド溝41に沿ってロック部材14、114をスライドさせることによって、ロック部材14、114をピン部材13に係合することができる。
【0125】
(2)
実施の形態1、3のリッパポイント取付構造6、206では、ロック部材14は、ピン部材13に向かう方向にスライドすることによって、ピン部材13に係合する。
【0126】
このように、ガイド溝41に沿ってロック部材14をピン部材13に向かってスライドさせることによって、ロック部材14をピン部材13に係合することができる。
【0127】
(3)
実施の形態2のリッパポイント取付構造106では、ロック部材114は、ピン部材13から離れる方向にスライドすることによって、ピン部材13に係合する。
【0128】
このように、ガイド溝41に沿ってロック部材114をピン部材13から離れる方向にスライドさせることによって、ロック部材114をピン部材13に係合することができる。
【0129】
(4)
実施の形態1、2、3のいずれかのリッパポイント取付構造6、106、206では、ロック部材14、114は、ピン部材13に係合する係合部61a、161aを、有する。
【0130】
ロック部材14、114は、係合部61a、161aによってピン部材13を係合することができる。
【0131】
(5)
実施の形態1、2、3のいずれかのリッパポイント取付構造6、106、206では、ロック部材14、114は、ピン部材13を係合部61a、161aに案内する開口部61b、161bを、さらに有する。
【0132】
ロック部材14、114は、開口部61b、161bを通してピン部材13を係合部61a、161aに案内し、係合部61a、161aで係合することができる。
【0133】
(6)
実施の形態1、2、3のいずれかのリッパポイント取付構造6、106、206では、ロック部材14、114は、爪部62をさらに有する。
【0134】
爪部62を押圧することで、容易に、ロック部材14、114をスライドすることができる。
【0135】
(7)
実施の形態1、2、3のいずれかのリッパポイント取付構造6、106、206では、ピン部材13は、係合部61a、161aが係合する環状溝13aを有する。
【0136】
環状溝13aに係合部61a、161aが係合することによって、より強固に抜け止めを図ることができる。
【0137】
なお、ロック部材14、114は、ガイド溝41をスライドしてピン部材13に係合するため、環状溝13aは第1ピン孔23の外側であって第2ピン孔42の内側に設けられている。これにより、ピン部材のピン孔の内部に位置する部分にリテーナを配置する縮径部を形成する必要がないため、折損のおそれを低減することができる。
【0138】
(8)
実施の形態1、2、3のいずれかのリッパポイント取付構造6、106、206では、ロック部材14は、リッパシャンク11及びリッパポイント12の間において、ピン部材13に係合する。
【0139】
これによって、リッパシャンク11とリッパポイント12の間においてピン部材13をロック部材14によって係合することができる。係合部分の外側にリッパポイント12が配置されているため、土砂等から係合を保護することが可能となり、ピン部材13の抜けを防ぐことができる。
【0140】
(9)
実施の形態3のリッパポイント取付構造206は、リッパシャンク11の側面11a(外面の一例)に配置され、ロック部材14を保護するガード部70を更に備える。
【0141】
これによって、土砂等がロック部材に衝突することを防ぐことができる。
【0142】
(10)
実施の形態1、2、3のいずれかのリッパポイント取付構造6、106、206では、リッパシャンク11は、ピン部材13が配置される第1ピン孔23(貫通孔の一例)を、有する。第1ピン孔23は長孔形状である。
【0143】
これにより、ピン部材13を第1ピン孔23の内周面のうちリッパシャンク11の先端側の第1内周面23aに接触させ、先端と反対側(本体部21側)の第2内周面23bには接触させず、ピン部材13と第2内周面23bの間に隙間Tを形成することができる。
【0144】
このため、リッパ装置1による掘削作業時及び貫入作業時に、ピン部材13が第1ピン孔23の本体部21側に接触しづらくなる。これにより、ピン部材13及び第1ピン孔23の耐久性を向上することができる。
【0145】
(11)
実施の形態1、2、3のいずれかのリッパポイント12は、リッパシャンク11に取り付け可能なリッパポイントであって、リッパポイント本体40と、ガイド溝41(凹部の一例)と、第2ピン孔42(貫通孔の一例)と、を備える。リッパポイント本体40は、後端40iに形成された開口40h(開口部の一例)と、開口40hから先端面40g(先端の一例)に向かって形成された内部空間Sと、を有する。ガイド溝41は、内部空間Sを形成する内面40sの一部に後端40iから先端面40gに向かう所定の範囲に形成される。第2ピン孔42(貫通孔の一例)は、ガイド溝41の底面41aに設けられる。
【0146】
これにより、ガイド溝41に挿入してロック部材14、114を配置することによって、リッパシャンク11およびリッパポイント12に容易にロック部材14、114を配置することができる。この状態から、ガイド溝41に沿ってロック部材14、114をスライドさせることによって第2ピン孔42に配置されたピン部材13が、ロック部材14、114によって抜け止めされロック状態にできる。このように、リッパポイント12をリッパシャンク11にピン部材13によって容易に装着することができる。
【0147】
また、ロック状態からロック部材14、114をスライドさせることによって、ピン部材13の抜け止めを解除することができる。このように、リッパポイント12をリッパシャンク11から容易に取り外すことができる。
【0148】
以上のように、本実施の形態のリッパポイント取付構造6、106、206では、リッパポイント12をリッパシャンク11から容易に脱着することができる。
【0149】
また、ガイド溝41に沿ってロック部材14、114をスライドさせることによって、ロック部材14、114をピン部材13に係合することができる。
【0150】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0151】
(A)
上記実施の形態では、第1ピン孔23は、中心A3に対して垂直な断面が同じ大きさであるが、中心A3が延びる方向の両端部が中央部よりも拡径されていてもよい。
【0152】
また、上記実施の形態では、第1ピン孔23は、長孔形状の孔に形成されているが、
図15に示す第1ピン孔23´のように、通常の円形の孔であってもよい。第1ピン孔23´は、半径が一定の円形状であり、第1ピン孔23と異なり、一対の第3内周面23cが設けられておらず、第1内周面23aと第2内周面23bが直接繋がっている。なお、第1ピン孔23´の直径は、ピン部材13の直径よりも大きく形成されている。
【0153】
(B)
上記実施の形態では、ロック部材14によってピン部材13の抜け止めが行われる場合の例が示されたが、リテーナ等の係止部材を用いてピン部材13を抜け止めしてもよい。
【0154】
(C)
上記実施の形態のリッパポイント取付構造6、106、206は、ロック部材14を位置決めするための構成を有していないが、
図16A及び
図16Bに示すように、リッパポイント取付構造6が、ロック部材14を位置決めするための構成を有していてもよい。
【0155】
この場合、例えば、リッパシャンク11は、凸部81または凸部82をさらに有する。凸部81、82は、リッパシャンク11の外面に設けられる。凸部81、82は、ノーズ部22の外面に形成される。
【0156】
図16Aの凸部81は、ロック解除状態において、ロック部材14、例えばロック本体61を支持する。リッパポイント12がリッパシャンク11に配置された状態において、凸部81は、リッパポイント12のガイド溝41に配置される。このようにリッパシャンク11に凸部81を設けることによって、ロック部材14をリッパシャンク11に対して容易に位置決めすることができる。
【0157】
図16Bの凸部82は、ロック状態において、ロック部材14例えばロック本体61に、係合する。リッパポイント12がリッパシャンク11に配置された状態において、凸部82は、リッパポイント12のガイド溝41に配置される。このようにリッパシャンク11に凸部82を設けることによって、ロック部材14をリッパシャンク11に対して容易に位置決めすることができる。なお、リッパポイント取付構造6、106、206は、
図16A及び
図16Bの両方の構成を有していてもよい。
【0158】
(D)
上記実施の形態3では、爪部62をガードするガード部70が設けられており、プロテクタ15と別部材として設けられているが、プロテクタ15とガード部70が一つの部材として形成されてもよい。また、爪部62を囲むガード部70の形状は、
図14Aおよび
図14Bに示すような矩形状に限らなくてもよく、湾曲形状であってもよい。
【0159】
(E)
上記実施の形態1~3では、ノーズ部22には凹部22fが形成されており、ノーズ部22は、断面形状が8角形の連結部33を有しているが、凹部22fが形成されていなくてもよい。
図17は、凹部22fが形成されていないノーズ部322が設けられたリッパポイント取付構造306を示す側面図である。
図17では、リッパポイント312が点線で示されている。リッパポイント312の内面340sには、上述した凸部40fは形成されていない。また、ノーズ部322の先端面322eは、内面340sの先端面340eに当接していなくてもよい。
【0160】
(F)
上記実施の形態では、第1ピン孔23は、基端部32に設けられているが、これに限らなくてもよく、連結部33に設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本開示のリッパポイント取付構造およびリッパポイントは、リッパポイントを容易に脱着可能な効果を有し、例えばブルドーザやモータグレーダのリッパ装置等として有用である。
【符号の説明】
【0162】
6 :リッパポイント取付構造
11 :リッパシャンク
12 :リッパポイント
13 :ピン部材
14 :ロック部材
40s :内面
41 :ガイド溝
42 :第2ピン孔