(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】紫外光照射装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20241220BHJP
C02F 1/32 20230101ALI20241220BHJP
【FI】
A61L2/10
C02F1/32
(21)【出願番号】P 2020215692
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 真也
(72)【発明者】
【氏名】木内 裕紀
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-274572(JP,A)
【文献】特開2020-022943(JP,A)
【文献】特開2014-088666(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109077572(CN,A)
【文献】特開2015-143427(JP,A)
【文献】特開2010-285785(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0035384(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
E03C 1/28
C02F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水部に取り付けられる基部と、
前記基部の下面に設けられ、前記下面から離れる方向に紫外光を照射する光源と、
前記光源の周囲に設けられ、前記下面から離れる方向に延在する導光管と、を備え
、
前記導光管は、前記紫外光を透過する材料から構成される紫外光照射装置。
【請求項2】
排水部に取り付けられる基部と、
前記基部の下面に設けられ、前記下面から離れる方向に紫外光を照射する光源と、
前記光源の周囲に設けられ、前記下面から離れる方向に延在する導光管と、
前記導光管の先端を閉じるように設けられ、前記紫外光を反射する反射部材と、を備える紫外光照射装置。
【請求項3】
前記導光管は、前記紫外光を少なくとも部分的に透過するよう構成される、請求項
2に記載の紫外光照射装置。
【請求項4】
前記導光管は、前記紫外光を少なくとも部分的に反射するよう構成される、請求項1
から3のいずれか一項に記載の紫外光照射装置。
【請求項5】
前記導光管は、前記紫外光を少なくとも部分的に散乱するよう構成される、請求項1から
4のいずれか一項に記載の紫外光照射装置。
【請求項6】
前記導光管は、前記下面に着脱可能に取り付けられる、請求項1から
5のいずれか一項に記載の紫外光照射装置。
【請求項7】
前記基部は、前記排水部を構成する金属部材と接触する熱伝導部材を有する、請求項1から
6のいずれか一項に記載の紫外光照射装置。
【請求項8】
前記基部は、前記排水部の入口に取り付けられ、前記導光管は、前記排水部の出口に向けて延びる、請求項1から7のいずれか一項に記載の紫外光照射装置。
【請求項9】
前記基部および前記導光管は、前記排水部の椀トラップとして前記排水部に取り付けられ、
前記基部は、前記導光管よりも径方向外側に設けられる通水孔を有する、請求項
1に記載の紫外光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンや浴室などの水回り設備における排水部は、雑菌などが繁殖しやすく、衛生を保つためにこまめに清掃したり薬剤を投入したりする必要がある。排水部を衛生的に保つための装置として、排水部に紫外光を照射する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排水部に効率的に紫外光を照射できることが好ましい。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、排水部に効率的に紫外光を照射できる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の紫外光照射装置は、排水部に取り付けられる基部と、基部の下面に設けられ、下面から離れる方向に紫外光を照射する光源と、基部の光源の周囲に設けられ、下面から離れる方向に延在する導光管と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、排水部に効率的に紫外光を照射できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態に係る紫外光照射装置の構成を概略的に示す断面図である。
【
図2】
図1の紫外光照射装置の構成を示す下面図である。
【
図3】変形例に係る紫外光照射装置の構成を概略的に示す断面図である。
【
図4】第2の実施の形態に係る紫外光照射装置の構成を概略的に示す断面図である。
【
図5】第3の実施の形態に係る紫外光照射装置の構成を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、説明の理解を助けるため、各図面における各構成要素の寸法比は、必ずしも実際の寸法比と一致しない。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る紫外光照射装置10の構成を概略的に示す断面図である。紫外光照射装置10は、キッチンの排水部60に取り付けて使用する。紫外光照射装置10は、排水部60に紫外光40を照射することで、排水部60の雑菌を死滅させ、汚れなどの有機物を分解させることにより衛生を保つ。
【0011】
排水部60は、キッチンの流し台の底板62に設けられる排水口64と、排水口64に接続される排水部本体70とを備える。底板62は、ステンレス鋼などの金属材料で構成される。排水口64は、底板62に設けられる円形開口である。排水部本体70は、樹脂材料または金属材料で構成される。排水部本体70は、外筐体72と、封水筒74と、椀トラップ76とを有する。
【0012】
外筐体72は、円筒形状の部材である。外筐体72は、排水口64に接続される開口端82と、開口端82とは反対側に位置する底部86とを有する。開口端82は、排水部60の入口となる開口を規定する。開口端82の近傍の内側にはごみ受けかご(不図示)を支持するための段差部84が設けられる。
図1の例では、ごみ受けかごを取り外している。底部86には排水部60の出口となる排出口66が設けられる。排出口66には、下水道などに排水するための排水管78が接続される。
【0013】
封水筒74は、円筒形状の部材である。封水筒74は、外筐体72の内側に配置され、外筐体72の底部86から上方向に延材する。外筐体72と封水筒74の間には封水80が溜まる。椀トラップ76は、椀形状の部材である。椀トラップ76は、外筐体72の内側に配置され、封水筒74の上側を覆うように設けられる。椀トラップ76は、封水筒74と上下方向の範囲が重なるように設けられる。封水筒74および椀トラップ76は、排水管78から上がってくる悪臭が封水80によって遮られ、排水口64まで上がってこないようにする。
【0014】
紫外光照射装置10は、排水部60の入口となる排水口64に設けられる。紫外光照射装置10は、排水口64を少なくとも部分的に塞ぐ排水口カバーとして機能する。図示する例では、紫外光照射装置10が排水口64を完全に塞ぐように構成される。なお、紫外光照射装置10は、排水口64を部分的に塞ぐように構成されてもよく、排水口64と連通する切り欠きや通水孔を有してもよい。
【0015】
紫外光照射装置10は、基部12と、光源14と、導光管16とを備える。
【0016】
基部12は、排水口64の形状に対応した円板形状の部材である。基部12は、銅やアルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で構成される。基部12は、光源14と熱的に接続されており、光源14の点灯時に発生する熱を放散させる。基部12は、上面18と、下面20とを有する。基部12の上面18には放熱フィン22が設けられる。基部12の下面20は、底板62と接触する熱伝導部材であり、光源14の点灯時に発生する熱を金属部材である底板62に伝える。基部12の下面20には固定リング24が設けられる。固定リング24は、導光管16と係合して導光管16が基部12に固定されるようにする。基部12には、光源14を駆動するための電源や回路(不図示)が設けられる。
【0017】
光源14は、基部12の下面20に設けられる。光源14は、基部12の下面20から離れる方向に紫外光40を照射する。光源14は、紫外光40を出力するLED(light emitting diode)を有する。
図1の例では、光源14は、基部12の下面20の中央に配置される一つのLEDを有する。光源14は、複数のLEDを有してもよく、基部12の下面20の中央付近に複数のLEDが配列されてもよい。光源14は、配光角の大きい紫外光40を照射するよう構成され、例えば120度以上または150度以上の配光角を有する紫外光40を照射する。
【0018】
導光管16は、基部12の下面20に取り付けられる。導光管16は、円筒形状の部材であり、基部12の下面20から離れる方向(下方向)に延在する。導光管16は、光源14の周囲に設けられる。導光管16は、例えば、導光管16の中心軸上に光源14が位置するように配置される。導光管16は、光源14から照射される紫外光40を少なくとも部分的に透過、反射または散乱させるよう構成される。導光管16は、排水部本体70の内側の広い範囲に紫外光40が照射されるようにする。導光管16は、排水部本体70の内側に照射される紫外光40の強度分布が均一化されるようにする。
【0019】
導光管16は、紫外光40を透過する材料で構成されてもよく、石英などのガラス材料やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂材料で構成されてもよい。導光管16は、紫外光40を散乱させるよう構成されてもよく、導光管16の表面が粗面化されていてもよい。導光管16は、紫外光40を反射する材料で構成されてもよく、アルミニウムなどの金属材料で構成されてもよい。導光管16が金属材料で構成される場合、導光管16は紫外光を透過させずに、紫外光を反射および散乱するよう構成されてもよい。導光管16は、紫外光40を透過、反射および散乱するよう構成されてもよく、例えば、粗面化した石英ガラス管にAl薄膜などの部分反射膜を設けたものであってもよいし、厚さが1mm~5mm程度のPTFE管であってもよい。
【0020】
導光管16は、基部12の下面20に取り付けられる固定端26と、固定端26とは反対側にある先端28とを有する。導光管16の固定端26は、径方向外側に突出するフランジ30を有する。フランジ30は、固定リング24と係合する。フランジ30は、固定リング24と着脱可能に係合するように構成される。例えば、導光管16を周方向に回転させることで、固定リング24とフランジ30が係合した状態と、係合が解除された状態とが切り替わる。導光管16の先端28は、開放されている。
【0021】
図2は、
図1の紫外光照射装置10の構成を示す下面図である。
図1は、
図2のA-A線断面に対応する。
図2に示されるように、基部12の外周は円形である。なお、基部12の外周は円形でなくてもよく、排水口64の開口形状に対応した任意の形状を有してもよい。
【0022】
固定リング24は、複数の切り欠き32を有する。複数の切り欠き32は、周方向に間隔を空けて配置される。導光管16は、複数のフランジ30を有する。複数のフランジ30は、周方向に間隔を空けて配置される。
図2は、導光管16が基部12に取り付けられた状態を示しており、複数のフランジ30が基部12の下面20と固定リング24の間に挟み込まれている。導光管16を矢印R1で示されるように時計回りに回転させると、複数のフランジ30のそれぞれを固定リング24の対応する切り欠き32に位置させることができる。これにより、導光管16を基部12から取り外すことができる。逆に、複数のフランジ30のそれぞれを固定リング24の対応する切り欠き32に配置した後、矢印R2で示されるように反時計回りに導光管16を回転させると、導光管16を基部12に取り付けることができる。このようにして、導光管16は、基部12に着脱可能に取り付けられる。
【0023】
なお、導光管16を基部12に着脱可能に取り付ける構成は、
図2に示されるもの限られず、任意の機構を用いることができる。例えば、導光管16の固定端26に設けられるフランジ30は、径方向外側に突出するのではなく、径方向内側に突出してもよい。また、導光管16の固定端26に変形可能な爪を設け、爪が固定リング24と係合するように構成されてもよい。導光管16は、基部12に対して着脱可能でなくてもよく、基部12に固定されたまま外せないように構成されてもよい。
【0024】
導光管16は、用途に応じて複数種類用意されてもよい。例えば、長さが異なる複数種類の導光管16を用意しておき、排水部60の形状や大きさに応じて適切な導光管16を選択できるように構成されてもよい。その他、透過性、反射性および散乱性といった光学特性の少なくとも一つが異なる複数種類の導光管16を用意してもよい。例えば、導光管16の透過率が相対的に高い場合、排水部60の手前側、例えば、排水口64の近傍に比較的高い強度の紫外光40を照射しやすくなる。導光管16の反射率が相対的に高い場合、排水部60の奥側、例えば、椀トラップ76の近傍に比較的高い強度の紫外光40を照射しやすくなる。また、導光管16の散乱性が相対的に高い場合、排水部60の全体に均一化された強度を有する紫外光40を照射できる。導光管16の光学特性は、導光管16に用いる材料、導光管16の長さ、導光管16の厚さ、導光管16の表面粗さおよび導光管16の表面に設ける反射膜の厚さなどを変更することで適宜調整可能である。
【0025】
本実施の形態によれば、排水口64に紫外光照射装置10を設置するだけで、排水部60の内側に紫外光を照射して排水部60の内側を洗浄できる。また、本実施の形態によれば、光源14の周囲に導光管16を設けることで、導光管16がない場合に比べて、排水部60の内側により効率的に紫外光40を照射できる。特に、光源14として用いるLEDの数が少ない場合であっても、排水部60の内側に効率的に紫外光40を照射できる。これにより、紫外光40の照射による殺菌性能や有機物の分解性能を向上できる。
【0026】
(変形例)
図3は、変形例に係る紫外光照射装置10aの構成を概略的に示す断面図である。
図3では、段差部84にごみ受けかご88が設置されている。このような場合、紫外光照射装置10aに使用する導光管16aの長さを
図1の実施の形態に比べて短くすることで、ごみ受けかご88の内側に導光管16aを収容できる。本変形例によれば、ごみ受けかご88に紫外光を効率的に照射して洗浄できる。
【0027】
(第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態に係る紫外光照射装置110の構成を概略的に示す断面図である。本実施の形態に係る紫外光照射装置110は、導光管16の先端28を塞ぐように設けられる反射部材134をさらに備える点で、上述の実施の形態と相違する。本実施の形態について、上述の実施の形態との相違点を中心に説明し、上述の実施の形態と共通する内容については適宜記載を省略する。
【0028】
紫外光照射装置110は、基部12と、光源14と、導光管16と、反射部材134とを備える。基部12、光源14および導光管16は、
図1および
図2に示す実施の形態と同様に構成されることができる。
【0029】
反射部材134は、円形平板であり、導光管16の先端28に設けられる。反射部材134は、紫外光40を少なくとも部分的に反射させる材料で構成される。反射部材134は、例えば、石英ガラス、PTFEなどのフッ素樹脂材料およびアルミニウムなどの金属材料の少なくとも一つを含む。反射部材134は、紫外光40を部分的に透過または散乱させるように構成されてもよい。反射部材134は、導光管16と同じ材料で構成されてもよい。反射部材134は、導光管16と一体的に成形されてもよいし、導光管16とは別体であってもよい。
【0030】
本実施の形態によれば、導光管16の先端28に反射部材134を設けることで、反射部材134から上方に反射する紫外光142を排水部60に照射できる。これにより、紫外光照射装置110の下面20や排水口64の近傍に紫外光142を照射して洗浄できる。
【0031】
(第3の実施の形態)
図5は、第3の実施の形態に係る紫外光照射装置210の構成を概略的に示す断面図である。本実施の形態に係る紫外光照射装置210は、排水部60の入口に設けるのではなく、排水部60の椀トラップ76の代わりとして使用する。本実施の形態について、上述の実施の形態との相違点を中心に説明し、上述の実施の形態と共通する内容については適宜記載を省略する。
【0032】
紫外光照射装置210は、基部212と、光源214と、導光管216とを備える。
【0033】
基部212は、円形平板であり、排水部本体70の外筐体72の内径に対応した大きさを有する。基部212は、封水筒74の上方に配置され、外筐体72に対して取り付けられる。基部212には、光源214を駆動するための電源や回路(不図示)が設けられる。基部212は、上面218と、下面220と、通水孔234と、パッキン236とを有する。通水孔234は、導光管216よりも径方向外側の位置に設けられる。通水孔234は、基部212を貫通するように上面218から下面220まで延在する。パッキン236は、基部212の外周に設けられ、外筐体72の内面との摩擦により基部212を排水部60の内部に固定する。基部212の上面218には放熱フィン222が設けられる。基部212の下面220には固定リング224が設けられる。固定リング224は、
図1および
図2の固定リング24と同様に構成できる。基部212の下面220にはカバー238が設けられる。カバー238は、光源214を被覆して保護する。カバー238は、光源214が出力する紫外光240を透過する材料で構成され、石英ガラスや非晶質フッ素樹脂等から構成される。
【0034】
光源214は、基部212の下面220に設けられる。
図5の例では、紫外光照射装置210が複数の光源214を有する。各光源214は、紫外光240を出力するLEDを有する。複数の光源214は、封水筒74と対向する位置に設けられ、封水筒74の内側と外側の双方に紫外光240を照射できるように配置される。各光源214は、例えば120度以上または150度以上の配光角を有する紫外光240を照射する。なお、紫外光照射装置210は、光源214を一つだけ有してもよく、一つの光源214が基部212の下面220の中央付近に設けられてもよい。
【0035】
導光管216は、基部212の下面220に取り付けられる。導光管216は、
図1の導光管16と同様に構成することができる。導光管216は、封水筒74と上下方向の範囲が重なるように設けられる。導光管216の先端228は、排水部本体70の底部86の近傍まで延びる。導光管216の固定端226には、フランジ230が設けられる。基部212の下面220とフランジ230の間にはOリングなどのシール部材232が設けられる。シール部材232を設けることで、導光管216の内側の空間を密閉することができる。これにより、基部212および導光管216を椀トラップ76として機能させることができる。なお、導光管216を着脱可能としない場合、導光管216と基部212を一体的に成形してもよい。
【0036】
本実施の形態によれば、排水部60の椀トラップ76の代わりに紫外光照射装置210を設置することで、封水80および封水80の周囲の部材に紫外光を照射して洗浄できる。本実施の形態によれば、導光管216が封水80と接した状態となるため、導光管216を透過する紫外光を封水80に直接的に照射できる。また、排水管78から上がってくる悪臭に対して紫外光を照射し、悪臭の原因となる有機物を分解して除去できる。
【0037】
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。本発明は上述の実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【0038】
上述の実施の形態では、キッチンの排水部60に紫外光照射装置10,110,210を使用する場合について示した。別の実施の形態では、キッチン以外の排水部に紫外光照射装置10,110,210を使用してもよく、浴室などの任意の水回り設備における排水部に紫外光照射装置10,110,210を使用してもよい。
【0039】
以下、本発明のいくつかの態様について説明する。
【0040】
本発明の第1の態様は、排水部に取り付けられる基部と、前記基部の下面に設けられ、前記下面から離れる方向に紫外光を照射する光源と、前記光源の周囲に設けられ、前記下面から離れる方向に延在する導光管と、を備える紫外光照射装置である。第1の態様によれば、光源の周囲に導光管を設けることで、導光管が設けられない場合に比べて、排水部により効率的に紫外光を照射できる。
【0041】
本発明の第2の態様は、前記導光管は、前記紫外光を少なくとも部分的に透過するよう構成される、第1の態様に記載の紫外光照射装置である。第2の態様によれば、導光管が紫外光を透過するように構成することで、導光管の外側にある部材に対して紫外光を効率的に照射できる。
【0042】
本発明の第3の態様は、前記導光管は、前記紫外光を少なくとも部分的に反射するよう構成される、第1または第2の態様に記載の紫外光照射装置である。第3の態様によれば、導光管が紫外光を反射するように構成することで、導光管が延びる方向に光源から離れた位置にある部材に対して紫外光を効率的に照射できる。
【0043】
本発明の第4の態様は、前記導光管は、前記紫外光を少なくとも部分的に散乱するよう構成される、第1から第3のいずれか一つの態様に記載の紫外光照射装置である。第4の態様によれば、導光管が紫外光を散乱するように構成されることで、導光管の周囲にある部材に対して紫外光をより均一に照射できる。
【0044】
本発明の第5の態様は、前記導光管は、前記下面に着脱可能に取り付けられる、第1から第4のいずれか一つの態様に記載の紫外光照射装置である。第5の態様によれば、紫外光照射装置を使用する排水部の形状や大きさに適した導光管を適宜交換して使用できる。また、導光管が基部から取り外せるため、導光管を水や洗剤などで洗浄するといったメンテナンスが容易となる。
【0045】
本発明の第6の態様は、前記基部は、前記排水部を構成する金属部材と接触する熱伝導部材を有する、第1から第5のいずれか一つの態様に記載の紫外光照射装置である。第6の態様によれば、熱伝導部材と排水部を構成する金属部材を接触させることで、光源の点灯時に生じる熱を金属部材に伝達させ、光源を効率的に冷却できる。
【0046】
本発明の第7の態様は、前記導光管の先端を閉じるように設けられ、前記紫外光を反射する反射部材をさらに備える、第1から第6のいずれか一つの態様に記載の紫外光照射装置である。第7の態様によれば、導光管の先端に反射部材を設けることで、光源からの紫外光を反射部材にて上方向に反射させることができる。これにより、基部の下面に紫外光を照射できる。
【0047】
本発明の第8の態様は、前記基部は、前記排水部の入口に取り付けられ、前記導光管は、前記排水部の出口に向けて延びる、第1から第7のいずれか一つの態様に記載の紫外光照射装置である。第8の態様によれば、導光管が排水部の出口に向けて延びることで、排水部の奥側に効率的に紫外光を照射できる。
【0048】
本発明の第9の態様は、前記基部および前記導光管は、前記排水部の椀トラップとして前記排水部に取り付けられ、前記基部は、前記導光管よりも径方向外側に設けられる通水孔を有する、第1から第6のいずれか一つの態様に記載の紫外光照射装置である。第9の態様によれば、排水部の封水および封水の周囲にある部材に効率的に紫外光を照射できる。
【符号の説明】
【0049】
10…紫外光照射装置、12…基部、14…光源、16…導光管、60…排水部、64…排水口。