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  • 特許-連結具、及び連結具付き詰め替え容器 図1
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  • 特許-連結具、及び連結具付き詰め替え容器 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】連結具、及び連結具付き詰め替え容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/42 20060101AFI20241220BHJP
   B65D 77/06 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
B65D25/42 Z
B65D77/06 H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021058205
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022154931
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100145089
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 恭子
(72)【発明者】
【氏名】山本 光
(72)【発明者】
【氏名】森 啓太郎
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0011859(US,A1)
【文献】特開2015-009859(JP,A)
【文献】特開2012-030856(JP,A)
【文献】国際公開第2020/239616(WO,A1)
【文献】特開2017-074964(JP,A)
【文献】特開2018-188185(JP,A)
【文献】特開2015-224068(JP,A)
【文献】特開2011-016581(JP,A)
【文献】特開2021-020733(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0011494(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/42
B65D 77/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を容器の外側に排出可能な外気通気口を有する外殻と、前記外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少により前記内袋が前記外殻から剥離して収縮した積層剥離容器と、
トップシールを有する内容物入り詰め替え容器と、
を連結して、前記詰め替え容器に収納された前記内容物を、前記積層剥離容器の前記内袋に充填するための連結具であって、
前記詰め替え容器の口頸部に着脱可能な第1の筒状側壁部と、
前記積層剥離容器の口頸部に着脱可能な第2の筒状側壁部と、
前記第1の筒状側壁部と前記第2の筒状側壁部との間に位置し、前記第1の筒状側壁部と前記第2の筒状側壁部とを仕切る、仕切り天面部と、
前記仕切り天面部に連結し、前記第1の筒状側壁部の内側空間に突出する第1の筒状内壁部と、
前記第1の筒状内壁部に連結し、前記第1の筒状内壁部の内側空間に突出する突起であって、前記第1の筒状内壁部との間に、前記内容物が流通するための流路を形成し、かつ前記詰め替え容器の口頸部に前記第1の筒状側壁部を連結する際に、前記詰め替え容器の前記トップシールを破壊する、突起部と、
前記仕切り天面部に連結し、前記第2の筒状側壁部の内側空間に突出し、かつ逆止弁を備える、第2の筒状内壁部と、
を備え、それによって前記詰め替え容器の前記内容物を、前記突起部と前記第1の筒状内壁部との間の前記流路に通して、前記積層剥離容器の前記内袋に充填することが可能である、
連結具。
【請求項2】
前記第2の筒状側壁部に連結する蓋材を備える、請求項1に記載の連結具。
【請求項3】
前記第1の筒状側壁部は、第1の螺合溝を備え、
前記詰め替え容器は、前記口頸部の外壁に螺合溝を備え
連結の際には、前記第1の螺合溝と、前記詰め替え容器の前記螺合溝とを螺合する、
請求項1又は2に記載の連結具。
【請求項4】
前記第2の筒状側壁部は、第2の螺合溝を備え、
前記積層剥離容器は、前記口頸部の外壁に螺合溝を備え、
連結の際には、前記第2の螺合溝と、前記積層剥離容器の前記螺合溝とを螺合する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項5】
前記積層剥離容器の前記口頸部と、前記詰め替え容器の前記口頸部とは、外口径が略同一である、請求項1~4のいずれか一項に記載の連結具。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の連結具の前記第2の筒状側壁部と、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部とが連結した、連結具付き詰め替え容器。
【請求項7】
前記第2の筒状側壁部は、第2の螺合溝を備え、
前記トップシールを有する前記詰め替え容器は、口頸部の外壁に螺合溝を備え、
前記第2の螺合溝と、前記詰め替え容器の前記螺合溝とが螺合された、
請求項6に記載の連結具付き詰め替え容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結具、及び連結具付き詰め替え容器に関する。更に詳しくは、内容物の減少により内袋が外殻から剥離して収縮した積層剥離容器と、トップシールを有する詰め替え容器と、を連結して、詰め替え容器に収納された内容物を、詰め替え容器から積層剥離容器の内袋に充填するための連結具、及び当該連結具が装着された詰め替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品等を収納する容器として、外容器を形成している外殻と、この外殻の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内袋とを備え、外殻と内袋との間に外気の導入を可能にすることで、内袋が外殻から剥離する二重容器(積層剥離容器)が知られている(特許文献1、2参照)。
【0003】
このような二重容器(積層剥離容器)は、使用の際に内容物を吐出すると、吐出容積に応じて内容器のみが減容し、内容器に空気が導入しない態様となっている。これにより、内容器内に残存する未使用の内容物と、空気との直接の接触を回避することができ、内容物の酸化劣化を防ぐことができる。
【0004】
このような積層剥離容器は、従来、内容器(内袋)に収納された内容物を使用した後には、そのまま廃棄されていた。しかしながら昨今の環境問題から、使用後の積層剥離容器に内容物を再充填し、容器を再利用することが検討されている。
【0005】
特許文献3には、使用により、内層bが外層aから剥離・収縮した状態のデラミボトル(積層剥離容器)を再利用する方法として、デラミボトルの口部に圧搾具を装着して、内層bの内部に空気を送ることで内層bを膨張させて、内容物を再充填できる状態とすることが提案されている。
【0006】
特許文献3に記載された方法によれば、使用後に収縮した内層bには空気が充填され、デラミボトルは、再度、内容物が充填可能な状態となる。
【0007】
また、特許文献4には、使用により内層bが収縮したデラミボトルの口部に、詰め替え容器の口部を着脱可能に嵌着させることで、デラミボトルの口部における内層bの内面に詰め替え容器の口部を装着し、その後に、詰替容器内の充填液6を内層bの内部に圧入することにより、収縮した内層bを膨張させて液の充填を行う方法が提案されている。
【0008】
特許文献4の方法においては、詰替容器内の充填液6を内層bの内部に圧入する際に、内層bと外層aとの間の空気を、外層aに設けられた通気孔5より排出しつつ、収縮した内層bを膨張させて液の充填を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2016-101966号公報
【文献】特開2016-179822号公報
【文献】特開2002-326667号公報
【文献】特開2002-326605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献3に記載された方法では、使用後のデラミボトル(積層剥離容器)の内層bには空気が充填され、デラミボトルは、再度、内容物が充填可能な状態となるものの、次いで、内容物を充填する工程が必要となるため、一工程で再充填を実施することができなかった。
【0011】
特許文献4に記載された方法では、詰め替え容器の口部外周等に備えられた環状シール面9を、デラミボトルの口頸部4の上面に圧接することで、充填液6の漏出を抑制できるとされている。
【0012】
しかしながら、特許文献4に記載の方法は、詰め替え時に、デラミボトル(積層剥離容器)及び詰め替え容器が開口していることから、例えば、自重により詰め替え可能な内容物が詰め替え対象となる場合には、装着の際に、内容物の漏出が懸念されていた。
【0013】
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、内容物の減少により内袋が外殻から剥離して収縮した積層剥離容器の内袋に、詰め替え容器に収納された内容物を充填するに際し、内容物の漏出を抑制することのできる連結具、及び当該連結具が装着された詰め替え容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。そして、詰め替え容器のトップシールを剥がすことなく詰め替え容器と積層剥離容器とを連結させて、連結によってトップシールを破壊するとともに、詰め替え容器から積層剥離容器に内容物を移動させる際に、その流れを収束させ、また、内容物が圧入される場合の圧力に対する抵抗要素となる機構を備えた連結具とすれば、内容物を再充填するに際し、内容物の漏出を抑制できると考え、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0015】
《態様1》
空気を容器の外側に排出可能な外気通気口を有する外殻と、前記外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少により前記内袋が前記外殻から剥離して収縮した積層剥離容器と、
トップシールを有する内容物入り詰め替え容器と、
を連結して、前記詰め替え容器に収納された前記内容物を、前記積層剥離容器の前記内袋に充填するための連結具であって、
前記詰め替え容器の口頸部に着脱可能な第1の筒状側壁部と、
前記積層剥離容器の口頸部に着脱可能な第2の筒状側壁部と、
前記第1の筒状側壁部と前記第2の筒状側壁部との間に位置し、前記第1の筒状側壁部と前記第2の筒状側壁部とを仕切る、仕切り天面部と、
前記仕切り天面部に連結し、前記第1の筒状側壁部の内側空間に突出する第1の筒状内壁部と、
前記第1の筒状内壁部に連結し、前記第1の筒状内壁部の内側空間に突出する突起であって、前記第1の筒状内壁部との間に、前記内容物が流通するための流路を形成し、かつ前記詰め替え容器の口頸部に前記第1の筒状側壁部を連結する際に、前記詰め替え容器の前記トップシールを破壊する、突起部と、
を備え、それによって前記詰め替え容器の前記内容物を、前記突起部と前記第1の筒状内壁部との間の前記流路に通して、前記積層剥離容器の前記内袋に充填することが可能である、
連結具。
《態様2》
前記仕切り天面部に連結し、前記第2の筒状側壁部の内側空間に突出する第2の筒状内壁部を備える、態様1に記載の連結具。
《態様3》
前記第2の筒状内壁部は、逆止弁を備える、態様2に記載の連結具。
《態様4》
前記第2の筒状側壁部に連結する蓋材を備える、態様1~3のいずれか一態様に記載の連結具。
《態様5》
前記第1の筒状側壁部は、第1の螺合溝を備え、
前記詰め替え容器は、前記口頸部の外壁に螺合溝を備え
連結の際には、前記第1の螺合溝と、前記詰め替え容器の前記螺合溝とを螺合する、態様1~4のいずれか一態様に記載の連結具。
《態様6》
前記第2の筒状側壁部は、第2の螺合溝を備え、
前記積層剥離容器は、前記口頸部の外壁に螺合溝を備え、
連結の際には、前記第2の螺合溝と、前記積層剥離容器の前記螺合溝とを螺合する、態様1~5のいずれか一態様に記載の連結具。
《態様7》
前記積層剥離容器の前記口頸部と、前記詰め替え容器の前記口頸部とは、外口径が略同一である、態様1~6のいずれか一態様に記載の連結具。
《態様8》
態様1~7のいずれか一態様に記載の連結具の前記第2の筒状側壁部と、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部とが連結した、連結具付き詰め替え容器。
《態様9》
前記第2の筒状側壁部は、第2の螺合溝を備え、
前記トップシールを有する前記詰め替え容器は、口頸部の外壁に螺合溝を備え、
前記第2の螺合溝と、前記詰め替え容器の前記螺合溝とが螺合された、態様8に記載の連結具付き詰め替え容器。
【発明の効果】
【0016】
本発明の連結具、及び当該連結具が装着された詰め替え容器は、内容物の減少により内袋が外殻から剥離して収縮した積層剥離容器の内袋に、詰め替え容器に収納された内容物を再充填するに際し、内容物の漏出を抑制することができる。
【0017】
具体的には、本発明の連結具によれば、詰め替え容器のトップシールを剥がすことなく、詰め替え容器と積層剥離容器とを連結させることができる。そして、連結によって初めて、詰め替え容器のトップシールを破壊する。したがって、予め、詰め替え容器の口頸部を開口させることなく、連結具に詰め替え容器を連結することが可能となり、例えば、詰め替え容器を逆さにして連結する場合であっても、連結時まで、重力により内容物が落下することがない。
【0018】
また、本発明の連結具は、詰め替え容器から積層剥離容器に内容物が再充填される際に、その流れを収束させるとともに、内容物が圧入される場合の圧力に対する抵抗要素となる機構を備えている。したがって、本発明の連結具によれば、内容物入り詰め替え容器から積層剥離容器に内容物の再充填を実施している間に、連結箇所からの内容物の漏出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係る本発明の連結具の概略断面図及び上面図である。
図2】一実施形態に係る本発明の連結具の概略断面図である。
図3】一実施形態に係る本発明の連結具の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
《連結具》
<連結具の用途>
本発明の連結具は、内容物の減少により内袋が外殻から剥離して収縮した積層剥離容器と、トップシールを有する詰め替え容器と、を連結して、詰め替え容器に収納された内容物を、詰め替え容器から積層剥離容器の内袋に再充填するための連結具である。ここで、「積層剥離容器」は、空気を容器の外側に排出可能な外気通気口を有する外殻と、外殻の内側に積層配置された内袋と、を備える容器を意味する。
【0021】
<連結具の作用>
本発明の連結具を使用する際には、まず、内袋が収縮した積層剥離容器を連結具の片側に連結し、その後に、トップシールを有する詰め替え容器を、トップシールを剥がすことなく、連結具のもう一方の側に連結させる。
【0022】
詰め替え容器が有するトップシールは、詰め替え容器が連結具に連結されることによって、破壊される。
【0023】
したがって、内容物を積層剥離容器の内袋に再充填するにあたり、予め、詰め替え容器の口頸部からトップシールを剥離して開口させる必要なく、トップシールが付いたままで詰め替え容器を連結することが可能となる。このため、例えば、詰め替え容器を逆さにして連結する場合にも、連結時まで、重力により内容物が落下することがない。
【0024】
詰め替え容器と積層剥離容器とを連結具に連結した後には、積層剥離容器の内袋に、詰め替え容器から内容物を再充填する。
【0025】
このとき、詰め替え容器に充填された内容物が、粘度の低い液体等である場合には、自重によって十分に充填可能であるため、例えば、詰め替え容器を逆さにするのみで、積層剥離容器の内袋に内容物を再充填することが可能となる。一方で、内容物が粘度を有するペースト等である場合には、外部から詰め替え容器に圧力を付与して、積層剥離容器の内袋に内容物を流入させてもよい。
【0026】
本発明の連結具は、詰め替え容器から積層剥離容器に内容物が再充填される際に、内容物の流れを収束させるとともに、内容物が圧入される場合の圧力に対する抵抗要素を備えているため、内容物の再充填を実施している間に、連結箇所からの内容物の漏出を抑制することができる。
【0027】
なお、本発明の連結具が適用される積層剥離容器は、外殻に、空気を容器の外側に排出可能な外気通気口を有する。そして、詰め替え容器から積層剥離容器の内袋に内容物が充填される際には、積層剥離容器の外殻と内袋との間に存在している空気を、外気通気口から積層剥離容器の外部に排出する。外気通気口から積層剥離容器の外部に空気が排出されることで、積層剥離容器の内袋は、充填により体積膨張することが可能となる。
【0028】
<連結具の構成>
本発明の連結具は、
詰め替え容器の口頸部に着脱可能な第1の筒状側壁部と、
積層剥離容器の口頸部に着脱可能な第2の筒状側壁部と、
第1の筒状側壁部と第2の筒状側壁部との間に位置し、第1の筒状側壁部と第2の筒状側壁部とを仕切る、仕切り天面部と、
仕切り天面部に連結し、第1の筒状側壁部の内側空間に突出する第1の筒状内壁部と、
第1の筒状内壁部に連結し、第1の筒状内壁部の内側空間に突出する突起である突起部と、
を必須の構成として備える。
【0029】
更に、本発明の連結具は、任意に、
仕切り天面部に連結し、第2の筒状側壁部の内側空間に突出する第2の筒状内壁部、
第2の筒状内壁部が備える逆止弁、又は
第2の筒状側壁部に連結する蓋材、を備えていてもよい。
【0030】
なお、本発明の連結具を形成するための材料は、特に限定されるものではない。例えば、ポリオレフィン樹脂等、具体的にはポリプロピレンや高密度ポリエチレンによって作製することができる。
【0031】
<第1の実施形態>
図1に、第1の実施形態に係る連結具の概略断面図及び上面図を示す。図1(a)は、第1の実施形態に係る本発明の連結具1に、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部51と、内容物の減少により内袋が外殻から剥離して収縮した積層剥離容器の口頸部52とが連結された状態の、概略断面図である。また、図1(b)は、図1(a)の中の連結具1のみの上面図である。なお、図1(a)は、図1(b)のA-A断面における、連結状態の概略断面図である。
【0032】
第1の実施形態に係る連結具1は、詰め替え容器の口頸部51に着脱可能な第1の筒状側壁部2と、積層剥離容器の口頸部52に着脱可能な第2の筒状側壁部3と、第1の筒状側壁部2と第2の筒状側壁部3との間に位置し、第1の筒状側壁部2と第2の筒状側壁部3とを仕切る、仕切り天面部4を備える。そして、仕切り天面部4に連結し、第1の筒状側壁部2の内側空間に突出する第1の筒状内壁部6と、第1の筒状内壁部6に連結し、第1の筒状内壁部6の内側空間に突出する突起である突起部5と、を備える。
【0033】
(第1の筒状側壁部)
本発明の連結具における第1の筒状側壁部は、詰め替え容器の口頸部に着脱可能な筒状の壁である。詰め替え容器と連結具とが連結される際には、第1の筒状側壁部は、詰め替え容器の口頸部の外壁に、その内壁が嵌合される。
【0034】
第1の筒状側壁部の内壁、すなわち、詰め替え容器の口頸部の外壁との嵌合面となる面の形状は、特に限定されるものではない。例えば、平面であってもよいし、螺合溝を備えるものであってもよい。
【0035】
第1の筒状側壁部が螺合溝を備えるとともに、詰め替え容器の口頸部が、第1の筒状側壁部が備える螺合溝と嵌合する螺合溝を備えており、これらを螺合させて連結する場合には、連結具のシール性と、耐圧性を向上させることができる。このため、例えば、圧力をかけて詰め替えを実施する場合においても、内容物の漏れを効果的に抑制することができる。
【0036】
第1の実施形態に係る連結具1における第1の筒状側壁部2は、第1の螺合溝を備えており、詰め替え容器の口頸部51も、外壁に螺合溝を備えている。そして、第1の筒状側壁部2が備える第1の螺合溝と、詰め替え容器の口頸部51が備える螺合溝とが螺合されて、連結具1と詰め替え容器の口頸部51とが連結されている。
【0037】
(第2の筒状側壁部)
本発明の連結具における第2の筒状側壁部は、積層剥離容器の口頸部に着脱可能な筒状の壁である。積層剥離容器と連結具とが連結される際には、第2の筒状側壁部は、積層剥離容器の口頸部の外壁に、その内壁が嵌合される。
【0038】
第2の筒状側壁部の内壁、すなわち、積層剥離容器の口頸部の外壁との嵌合面となる面の形状は、特に限定されるものではない。例えば、平面であってもよいし、螺合溝を備えるものであってもよい。
【0039】
第2の筒状側壁部が螺合溝を備えるとともに、積層剥離容器の口頸部が、第2の筒状側壁部が備える螺合溝と嵌合する螺合溝を備えており、これらを螺合させて連結する場合には、連結具のシール性と、耐圧性を向上させることができる。このため、例えば、圧力をかけて詰め替えを実施する場合においても、内容物の漏れを効果的に抑制することができる。
【0040】
第1の実施形態に係る連結具1における第2の筒状側壁部3は、第2の螺合溝を備えており、積層剥離容器の口頸部52も、外壁に螺合溝を備えている。そして、第2の筒状側壁部3が備える第2の螺合溝と、積層剥離容器の口頸部52が備える螺合溝とが螺合されて、連結具1と積層剥離容器の口頸部52とが連結されている。
【0041】
(第1の筒状側壁部と第2の筒状側壁部の内径)
本発明の連結具の第1の筒状側壁部の内径と、第2の筒状側壁部の内径については、その大きさや、これらの関係等は、特に限定されるものではない。連結具に連結される、積層剥離容器及び詰め替え容器のそれぞれの口頸部の径に応じて、適宜設定することができる。
【0042】
例えば、積層剥離容器の口頸部の径と、詰め替え容器の口頸部の径とが略同一である場合には、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部に、連結具の第2の筒状側壁部、すなわち、連結具において突起部を有さない側を連結させることが可能となる。これにより、連結具を、トップシールを有する詰め替え容器の蓋材として機能させ、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部に、連結具の第2の筒状側壁部を連結させた状態で、連結具付き詰め替え容器として市場に流通させることができる。
【0043】
第1の実施形態に係る連結具1においては、第1の筒状側壁部2の内径と、第2の筒状側壁部3の内径とが、略同一となっている。すなわち、連結具1に連結される詰め替え容器の口頸部51と、積層剥離容器の口頸部52とは、外口径が略同一となっている。
【0044】
(仕切り天面部)
本発明の連結具における仕切り天面部は、第1の筒状側壁部と第2の筒状側壁部との間に位置し、第1の筒状側壁部と第2の筒状側壁部とを仕切る隔壁となる。したがって、連結具の両側に、積層剥離容器と詰め替え容器とをそれぞれ連結したときに、積層剥離容器の口頸部の先端と、詰め替え容器の口頸部の先端との間に配置され、これらの間に存在する壁ともなりうるものである。
【0045】
また、本発明の連結具において、仕切り天面部は、後記する第1の筒状内壁部と連結している。
【0046】
仕切り天面部は、第1の筒状側壁部と第2の筒状側壁部とを仕切る隔壁となっていれば、その形状は特に限定されるものではない。例えば、平面であっても、その表面に、詰め替え容器の口頸部の先端や積層剥離容器の口頸部の先端を嵌合するような凹凸等を有していても、あるいは、内容物を流通させるための孔を有していてもよい。
【0047】
仕切り天面部の厚みは、連結時や内容物の充填時の圧力に耐えうる厚みであれば、特に限定されるものではない。
【0048】
第1の実施形態に係る連結具1は、第1の筒状側壁部2と第2の筒状側壁部3との間に、第1の筒状側壁部2と第2の筒状側壁部3とを仕切る、3個の仕切り天面部4を備える。それぞれの仕切り天面部4は、第1の筒状側壁部2と第2の筒状側壁部3と連結してこれらの隔壁となるとともに、第1の筒状内壁部6と連結している。
【0049】
第1の実施形態に係る連結具1においては、仕切り天面部4同士の間は、開口となっており、これらの開口は、詰め替え時に内容物の通過孔となる。
【0050】
(第1の筒状内壁部)
本発明の連結具における第1の筒状内壁部は、上記の仕切り天面部に連結し、第1の筒状側壁部の内側空間に突出する筒状の内壁である。そして、第1の筒状側壁部と、後記する突起部との間に、内容物が流通するための流路を形成する。
【0051】
第1の筒状内壁部は、仕切り天面部から、第1の筒状側壁部の内側空間に突出するように延出する壁であり、その形状は、筒状となっている。
【0052】
第1の筒状内壁部は、詰め替え容器から積層剥離容器に内容物が再充填される際に、筒状の壁によって、内容物の流れを収束させることができる。また、内容物が圧入される場合には、圧力に対する抵抗要素となる。このため、本発明の連結具は、第1の筒状内壁部を備えることで、内容物の再充填の際に、連結箇所からの内容物の漏出を抑制することができる。
【0053】
第1の筒状内壁部となる筒状の壁の径は、特に限定されるものではなく、連結される詰め替え容器の口頸部の径等に応じて、適宜設計することができる。また、その高さについては、後記する突起部の作用を十分に発揮させる点からは、突起部よりも低くすることが好ましく、詰め替え内容物の粘度等に応じて、適宜設計してよい。
【0054】
第1の筒状内壁部の厚みについても、特に限定されるものではない。詰め替えする内容物の粘度が高い場合には、厚みを厚くして、詰め替えの際に外部から付加される圧力に耐えるようにしてもよい。
【0055】
また、第1の筒状内壁部を構成する壁は、連続的であっても、不連続であってもよいが、上記した第1の筒状内壁部が発揮する効果を十分に発現できる点からは、連続的な壁であってよい。
【0056】
第1の実施形態に係る連結具1は、3個の仕切り天面部4に連結して、第1の筒状側壁部2の内側空間に突出するように延出した、第1の筒状内壁部6を備える。そして、第1の筒状内壁部6と、後記する突起部5との間に、内容物が流通するための流路を形成している。
【0057】
第1の実施形態に係る連結具1において、第1の筒状内壁部6は、円柱状の形態となっている。その高さは、突起部5の高さよりも少し低いものとなっている。
【0058】
(突起部)
本発明の連結具における突起部は、第1の筒状内壁部に連結し、第1の筒状内壁部の内側空間に突出する突起である。そして、第1の筒状内壁部と突起部との間に、内容物が流通するための流路を形成する。
【0059】
本発明の連結具における突起部は、詰め替え容器の口頸部と、連結具の第1の筒状側壁部とを連結するときに、詰め替え容器の口頸部が備えるトップシールを破壊する。これによって、詰め替え容器の内容物を、突起部と第1の筒状内壁部との間に形成されている流路に通して、積層剥離容器の内袋に充填する。
【0060】
突起部の形状は、第1の筒状内壁部に連結し、第1の筒状内壁部の内側空間に突出する凸形状を有し、その先端形状が、詰め替え容器が備えるトップシールを十分に破壊できる程度に尖っていれば、その他の形状は特に限定されるものではない。
【0061】
例えば、胴部が円柱状や多角柱状であり、先端が錐となっている形状であってもよいし、全体が円錐や多角錐の形状となっていてもよい。
【0062】
また、第1の筒状内壁部と突起部との間に、内容物が流通するための流路を形成するため、突起部の外周の一部は、第1の筒状内壁部連結している。そして、連結していない領域に、内容物が流通するための流路が形成される。
【0063】
突起部と第1の筒状内壁部との間の連結箇所の高さは、特に限定されるものではなく、突起部の外周表面及び第1の筒状内壁部のいずれの高さであってもよい。また、連結箇所は、連結部位の強度を確保する観点からは、内容物が流通する際の圧力が均等に分散するように、突起部の外周において均等割合となる位置に、複数をバランスよく設けてもよい。
【0064】
第1の筒状内壁部と突起部との間に形成する、内容物が流通するための流路の数や大きさ、その形状等、すなわち連結箇所の形状については、特に限定されるものではない。内容物に応じて、適宜設計することができる。例えば、粘度が高い内容物に対応する目的で、その断面がテーパー状となっていてもよい。
【0065】
第1の実施形態に係る連結具1は、第1の筒状内壁部6に連結し、第1の筒状内壁部6の内側空間に突出する突起部5を備える。そして、第1の筒状内壁部6と突起部5との間に形成された、内容物が流通するための流路を備える。
【0066】
第1の実施形態に係る連結具1において、突起部5は、円柱に円錐が複合化した形態となっている。その高さは、第1の筒状内壁部6の高さよりも少し高いものとなっている。
【0067】
また、第1の実施形態に係る連結具1においては、第1の筒状内壁部6と突起部5との連結箇所は、略均等な間隔にて、3か所形成されている。
【0068】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る連結具は、更に、仕切り天面部に連結し、第2の筒状側壁部の内側空間に突出する第2の筒状内壁部を備える連結具である。
【0069】
図2に、第2の実施形態に係る本発明の連結具の概略断面図を示す。図2は、第2の実施形態に係る連結具11に、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部53と、内容物の減少により内袋が外殻から剥離して収縮した積層剥離容器の口頸部54とが連結された状態の、概略断面図である。
【0070】
第2の実施形態に係る連結具11は、詰め替え容器の口頸部53に着脱可能な第1の筒状側壁部12と、積層剥離容器の口頸部54に着脱可能な第2の筒状側壁部13と、第1の筒状側壁部12と第2の筒状側壁部13との間に位置し、第1の筒状側壁部12と第2の筒状側壁部13とを仕切る、仕切り天面部14を備える。そして、仕切り天面部14に連結し、第1の筒状側壁部12の内側空間に突出する第1の筒状内壁部16aと、第1の筒状内壁部16aに連結し、第1の筒状内壁部16aの内側空間に突出する突起である突起部15と、を備える。
【0071】
更に、第2の実施形態に係る連結具11は、仕切り天面部14に連結し、第2の筒状側壁部13の内側空間に突出する第2の筒状内壁部16bを備える。
【0072】
第2の実施形態に係る連結具11は、第2の筒状内壁部16b以外は、上記した第1の実施形態に係る連結具1と同様の構造を有する。
【0073】
(第2の筒状内壁部)
本発明の連結具は、上記した第1の筒状内壁部に加えて、第2の筒状内壁部を有していてもよい。第2の筒状内壁部は、上記の仕切り天面部に連結し、第2の筒状側壁部の内側空間に突出する筒状の内壁である。すなわち、第2の筒状内壁部は、仕切り天面部において、第1の筒状内壁部とは反対の面に形成される。
【0074】
第2の筒状内壁部は、詰め替え容器から積層剥離容器に内容物が再充填される際に、筒状の壁によって、内容物の流れを収束させることができる。また、内容物が圧入される場合には、圧力に対する抵抗要素となる。このため、本発明の連結具は、第1の筒状内壁部に加えて更に、第2の筒状内壁部を備えることで、内容物の再充填の際に、連結箇所からの内容物の漏出を、より抑制することができる。
【0075】
第2の筒状内壁部となる筒状の壁の径は、特に限定されるものではなく、連結される積層剥離容器の口頸部の径等に応じて、適宜設計することができる。また、その高さについても特に限定されるものではなく、詰め替え内容物の粘度等に応じて適宜設計してよい。
【0076】
第2の筒状内壁部の厚みについても、特に限定されるものではない。詰め替えする内容物の粘度が高い場合には、厚みを厚くして、詰め替えの際に外部から付加される圧力に耐えるようにしてもよい。
【0077】
また、第2の筒状内壁部を構成する壁は、連続的であっても、不連続であってもよいが、上記した第2の筒状内壁部が発揮する効果を十分に発現できる点からは、連続的な壁であってよい。
【0078】
第2の実施形態に係る連結具11は、仕切り天面部14に連結して、第2の筒状側壁部13の内側空間に突出するように延出した、第2の筒状内壁部16bを備える。
【0079】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る本発明の連結具は、更に、第2の筒状内壁部が備える逆止弁、及び第2の筒状側壁部に連結する蓋材を備える連結具である。
【0080】
図3に、第3の実施形態に係る本発明の連結具の概略断面図を示す。図3(a)は、第3の実施形態に係る連結具21に、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部55と、内容物の減少により内袋が外殻から剥離して収縮した積層剥離容器の口頸部56とが連結された状態の、概略断面図である。図3(b)は、連結後、詰め替え容器の外側から圧力を加えて詰め替え容器を圧縮させて、詰め替え容器内の内容物を積層剥離容器に流入させている状態の、概略断面図である。なお、図3(b)中の矢印は、内容物の流れを示す。
【0081】
第3の実施形態に係る連結具21は、詰め替え容器の口頸部55に着脱可能な第1の筒状側壁部22と、積層剥離容器の口頸部56に着脱可能な第2の筒状側壁部23と、第1の筒状側壁部22と第2の筒状側壁部23との間に位置し、第1の筒状側壁部22と第2の筒状側壁部23とを仕切る、仕切り天面部24を備える。そして、仕切り天面部24に連結し、第1の筒状側壁部22の内側空間に突出する第1の筒状内壁部26aと、第1の筒状内壁部26aに連結し、第1の筒状内壁部26aの内側空間に突出する突起である突起部25と、を備える。
【0082】
更に、第3の実施形態に係る連結具21は、仕切り天面部24に連結し、第2の筒状側壁部23の内側空間に突出する第2の筒状内壁部26bを備えるとともに、第2の筒状内壁部26bの先端に逆止弁27を備え、更に、第2の筒状側壁部23に連結した蓋材28を備える。
【0083】
第3の実施形態に係る連結具21は、逆止弁27と蓋材28以外は、上記した第2の実施形態に係る連結具11と同様の構造を有する。
【0084】
(逆止弁)
本発明の連結具は、上記した第2の筒状内壁部に、逆止弁を備えていてもよい。第2の筒状内壁部が、その先端付近に逆止弁を備えることにより、内容物の逆流を防ぐことができる。
【0085】
すなわち、連結具21に、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部55と、積層剥離容器の口頸部56とが連結され、詰め替え容器の内容物の自重や、詰め替え容器の外側から加えた圧力等により、内容物が積層剥離容器に流入する際には、逆止弁の機能により、図3(b)に示された矢印のように内容物の移動を可能とする。そして、逆方向の内容物の移動ができないようにする。これにより、内容物の再充填の際に、連結箇所からの内容物の漏出を、より抑制することができる。
【0086】
また、積層剥離容器の側に内容物が十分に充填され、充填を中断して連結を解除するときに、積層剥離容器の側から詰め替え容器の側に内容物が戻る動きをなくすことができるため、内容物の一部が残った詰め替え容器の口頸部に、連結具を連結させたままで、積層剥離容器と連結具との連結を、解除することができる。
【0087】
また、連結を解除した後には、内容物の一部が残った詰め替え容器の口頸部に、連結具を連結させたままで保管することができ、保管時には逆止弁により、内容物が容器外部に漏出することを抑制することができる。
【0088】
なお、逆止弁を備える場合には、積層剥離容器から詰め替え容器の方向には、内容物のみならず空気の移動もできなくなるため、詰め替え時には、積層剥離容器の内袋は十分に収縮していることが望ましい。
【0089】
第3の実施形態に係る連結具21は、第2の筒状内壁部16bの先端に、逆止弁27を備える。第3の実施形態に係る連結具21においては、図3(b)に示される矢印のように、詰め替え容器から積層剥離容器に流入した内容物が移動する。
【0090】
(蓋材)
本発明の連結具は、上記した第2の筒状側壁部に連結するように、蓋材を備えていてもよい。
【0091】
第2の筒状側壁部が、その先端に蓋材を備えることにより、積層剥離容器の側に内容物が十分に充填され、充填を中断するときに、内容物の一部が残った詰め替え容器の口頸部に連結具を連結させたままで、積層剥離容器と連結具との連結を解除し、その後、第2の筒状側壁部に連結された蓋材により、第2の筒状側壁部の開口を閉鎖して、そのまま保管することができる。
【0092】
第3の実施形態に係る連結具21は第2の筒状側壁部23に連結した、蓋材28を備える。第3の実施形態に係る連結具21においては、充填を中断した後に、内容物の一部が残った詰め替え容器の口頸部55に連結具21を連結させたままで、積層剥離容器と連結具との連結を解除し、その後、蓋材28にて、第2の筒状側壁部23の開口を閉鎖して、そのまま保管することができる。
【0093】
《連結具付き詰め替え容器》
本発明の連結具付き詰め替え容器は、上記した本発明の連結具の第2の筒状側壁部と、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部とが連結した、連結具付き詰め替え容器である。
【0094】
積層剥離容器の口頸部の径と、詰め替え容器の口頸部の径とが略同一である場合には、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部に、連結具の第2の筒状側壁部、すなわち、連結具において突起部を有さない側を連結させることが可能となる。これにより、連結具を、トップシールを有する詰め替え容器の蓋材として機能させることができ、トップシールを有する詰め替え容器の口頸部に、連結具の第2の筒状側壁部を連結させた状態の連結具付き詰め替え容器を作製することができる。
【0095】
本発明の連結具付き詰め替え容器は、内袋が収縮した積層剥離容器と連結具とを連結して、詰め替え容器に充填された内容物を積層剥離容器に充填する際には、詰め替え容器の口頸部から連結具の連結を解除し、連結具の向きを逆転させて使用することができる。
【0096】
具体的には、詰め替え容器から積層剥離容器に内容物を充填する際には、連結具付き詰め替え容器から連結具を取り外して、連結具の向きを逆転させ、連結具の第1の筒状側壁部、すなわち、突起部を有する側に、詰め替え容器の口頸部を配置して連結し、これにより、詰め替え容器が備えるトップシールを破壊する。
【0097】
本発明の連結具付き詰め替え容器においては、連結具の第2の筒状側壁部が、第2の螺合溝を備え、詰め替え容器の口頸部の外壁には、螺合溝が備えられており、第2の螺合溝と、詰め替え容器の前記螺合溝とが螺合されていてもよい。
【0098】
螺合溝により螺合されることにより、連結具と詰め替え容器とが分離することがなくなり、連結具付き詰め替え容器を安全に市場流通させることが可能となる。
【0099】
《積層剥離容器》
本発明の連結具が適用される積層剥離容器は、外殻と、外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少に伴って内袋が外殻から剥離して収縮する容器である。
【0100】
<外殻>
本発明の連結具が適用される積層剥離容器の外殻は、一般的に、単層又は積層体からなる。外殻を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ブロー成形が可能であり、復元自在な可撓性を有する樹脂等であってよい。
【0101】
例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。なお、これらは、1種のみならず2種以上がブレンドされたものであってもよい。また、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
【0102】
(外気通気口)
本発明の連結具が適用される積層剥離容器の外殻は、空気を容器の外側に排出可能な外気通気口を有する。外気通気口は、本発明の連結具を使用して、積層剥離容器の内袋に詰め替え容器に収納された内容物を再充填する際に、外殻と、収縮している内袋との間の空間に存在している空気を、積層剥離容器の外側に排出するための通気口となる。
【0103】
すなわち、収縮した内袋に内容物が再充填されるに従い、内袋は膨張していくが、それに伴って、外殻と内袋との間の空間に存在していた空気が、外気通気口から積層剥離容器の外側に排出される。
【0104】
外気通気口の構造は、空気を積層剥離容器の外側に排出可能なものであれば、得に限定されるものではない。例えば、単なる孔であってもよいし、内袋と外殻との間の空間から、積層剥離容器の外側に外気を排出させない逆止弁が備えられている場合には、当該逆止弁は取り外しが可能な構造となっていればよい。
【0105】
外殻における外気通気口の位置は、特に限定されるものではない。例えば、積層剥離容器の口頸部、肩部、胴部、底部等が挙げられるが、空気をより容易に排出することが可能となることから、口頸部や肩部、あるいは胴部の上部であってよい。
【0106】
<内袋>
本発明の連結具が適用される積層剥離容器の外殻は、一般的に、積層体からなっている。そして、内袋の最外層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含有するEVOH層であってもよい。
【0107】
エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)は、優れた酸素バリア性を有することから、内袋の最外層がEVOH層であることにより、内袋に充填された内容物と酸素との接触を遮断することができ、内容物の酸化劣化を抑制することができる。
【0108】
また、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)は、極性を有する樹脂であることから、隣接する層となる外殻の最内層が、極性が低いか極性を有しない樹脂で構成される場合には、積層剥離容器をブロー成形する際に、隣接する樹脂との相溶性が低くなる。このため、例えば、外殻の最内層がポリオレフィン系樹脂等で構成される場合には、外殻と内袋との間の剥離性が高いものとなる。
【0109】
内袋を構成するその他の層としては、特に限定されるものではない。例えば、ブロー成形が可能であり、薄く設計することで減容変形が自在となる合成樹脂等からなる層や、層間に配置されて接着の役割を果たす接着層等が挙げられる。
【0110】
その材料としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂や、ナイロン等のポリアミド樹脂等が挙げられる。また、最外層をEVOH層とした場合に、EVOHを材料とする第2のEVOH層が存在していてもよい。内袋を形成する材料は、1種のみならず、2種以上がブレンドされたものであってもよい。更に、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
【0111】
《トップシールを有する内容物入り詰め替え容器》
本発明の連結具が適用されるトップシールを有する内容物入り詰め替え容器は、内容物が充填されており、トップシールを有していれば、特に限定されるものではない。例えば、樹脂等からなる容器であっても、パウチ等の袋状のものであってもよい。
【0112】
<トップシール>
詰め替え容器が有するトップシールは、本発明の連結具が備える突起部によって破壊されるものであり、詰め替え容器に充填された内容物が詰め替え容器の口頸部から漏出しないようにシールする機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0113】
その構造や材料については、詰め替え容器に充填される内容物に応じて適宜、設計又は選択することが可能である。例えば、材料としては、樹脂、ゴム、アルミニウム等が挙げられ、酸素又は水蒸気等に対するバリア性を確保したい場合には、アルミニウム箔や、シリカ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルムを備えたトップシールであってよい。
【0114】
<内容物>
詰め替え容器に充填されている内容物は、ジェルやゲル、更にはペースト等を含む液体物であれば、特に限定されるものではない。液状物としては、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品、塗料等が挙げられる。
【0115】
医薬品及び医薬部外品としては、例えば、注射薬、点滴薬、輸液薬、灌流薬、煎剤等が挙げられる。化粧品としては、例えば、シャンプー、コンディショナー、整髪料(例えば、ヘアウォーター、ヘアリキッド、グリース等)等が挙げられる。洗剤としては、例えば、中性洗剤、アルカリ性洗剤、及び酸性洗剤が挙げられる。食品としては、例えば、飲料、食用油、スープ、クリーム、液体調味料(例えば、醤油、酢、麺つゆ、割下、みりん、ウスターソース、ケチャップ、タバスコ、甘味料等)等が挙げられる。塗料としては、例えば、ペンキ、ニス、オイルステイン等が挙げられる。
【0116】
なお、本発明においては、ジェル状やゲル状、又はペースト状の内容物であってもよい。ジェル状やゲル状、又はペースト状の内容物としては、例えば、歯磨き粉、ワサビ、ゼリー、ジャム、味噌等が挙げられる。
【0117】
以下、実施例及び比較例等により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0118】
《実施例1》
<積層剥離容器及び内容物入り詰め替え容器と、連結具との連結>
図1に示される第1の実施形態の連結具1を、内容物の減少により内袋が外殻から剥離して収縮した積層剥離容器の口頸部52と、トップシールを有する内容物入り詰め替え容器の口頸部51に、図1に示されえるように連結した。なお、内容物は、水とした。
【0119】
連結具1における第1の筒状側壁部2は、第1の螺合溝を備えており、詰め替え容器の口頸部51も、外壁に螺合溝を備えている。そして、第1の筒状側壁部2が備える第1の螺合溝と、詰め替え容器の口頸部51が備える螺合溝とを螺合させて、連結具1と詰め替え容器の口頸部51とを連結した。
【0120】
そして、第1の筒状側壁部2が備える第1の螺合溝と、詰め替え容器の口頸部51が備える螺合溝との螺合により、詰め替え容器の口頸部51が有するトップシールを、連結具1が備える突起部5により破壊した。
【0121】
また、連結具1における第2の筒状側壁部3は、第2の螺合溝を備えており、積層剥離容器の口頸部52も、外壁に螺合溝を備えている。そして、第2の筒状側壁部3が備える第2の螺合溝と、積層剥離容器の口頸部52が備える螺合溝を螺合して、連結具1と積層剥離容器の口頸部52とを連結した。
【0122】
<評価>
内容物入り詰め替え容器の内容物を、積層剥離容器の内袋に充填するにあたり、以下の評価を実施した。
【0123】
(自重による詰め替え性)
充填時の詰め替え性について、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
良 :内容物を漏出させることなく、良好に詰め替えできた
普通:内容物を漏出させないように、連結手順等を考慮する必要があった
不可:詰め替えできなかった
【0124】
(加圧時の詰め替え性)
詰め替え容器に対して手で圧力をかけて加圧し、加圧時の充填性について、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
良 :内容物を漏出させることなく、良好に詰め替えできた
普通:空気漏れがあるが、内容物を漏出させることなく詰め替えが可能であった
悪 :内容物が漏出した
不可:詰め替えできなかった
【0125】
《実施例2》
<積層剥離容器及び内容物入り詰め替え容器と、連結具との連結>
第1の筒状側壁部及び第2の筒状側壁部に、螺合溝を備えてない連結具を用いた以外は、実施例1と同様にして、詰め替え容器の口頸部及び積層剥離容器の口頸部と、連結具とを連結した。
【0126】
そして、第1の筒状側壁部と、詰め替え容器の口頸部とを連結する際に、詰め替え容器の口頸部が有するトップシールを、連結具が備える突起部により破壊した。
【0127】
<評価>
詰め替え容器から積層剥離容器の内袋に内容物を充填するにあたり、実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表1に示す。
【0128】
《比較例1》
<積層剥離容器及び内容物入り詰め替え容器と、連結具との連結>
突起部を有さず、かつ第1の筒状側壁部及び第2の筒状側壁部に螺合溝を備えてない連結具を用いて、トップシールを有さない内容物入り詰め替え容器と連結した以外は、実施例1と同様にして、詰め替え容器の口頸部及び積層剥離容器の口頸部と、連結具とを連結した。
【0129】
比較例1の連結具は突起部を有していないため、第1の筒状側壁部と、詰め替え容器の口頸部とを連結する前に、詰め替え容器の口頸部が有するトップシールを取り除いておく必要があった。
【0130】
<評価>
詰め替え容器から積層剥離容器の内袋に内容物を充填するにあたり、実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表1に示す。
【0131】
比較例1の連結具による詰め替えは、詰め替え容器の口頸部が開口している状態で連結するため、内容物が漏出しないように慎重に実施する必要があり、手順も煩雑であった。
【0132】
《比較例2》
<積層剥離容器及び内容物入り詰め替え容器と、連結具との連結>
外気通気口に、取り外しが不可能な逆止弁を有しており、空気を容器の外側に排出できない外殻を有する積層剥離容器を用いた以外は、実施例1と同様の連結具1を用いて、実施例1と同様にして、詰め替え容器の口頸部及び積層剥離容器の口頸部と、連結具とを、螺合により連結した。
【0133】
<評価>
詰め替え容器から積層剥離容器の内袋に内容物を充填するにあたり、実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表1に示す。
【0134】
比較例2で用いた積層剥離容器は、外気通気口に逆止弁を有しているため、収縮した内袋と外殻との間に存在している空気を、容器の外側に排出することができなかった。このため、内袋を膨張させることができず、内容物の再充填ができなかった。
【0135】
【表1】
【符号の説明】
【0136】
1、11、21 連結具
2、12、22 第1の筒状側壁部
3、13、23 第2の筒状側壁部
4、14、24 仕切り天面部
5、15、25 突起部
6、16a、26a 第1の筒状内壁部
16b、26b 第2の筒状内壁部
27 逆止弁
28 蓋材
51、53、55 詰め替え容器の口頸部
52、54、56 積層剥離容器の口頸部
図1
図2
図3