(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】把持装置、及び把持装置を用いた部品の設置方法
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20241220BHJP
B25J 17/02 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
B25J15/08 A
B25J17/02 H
(21)【出願番号】P 2021071495
(22)【出願日】2021-04-21
【審査請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】山本 寛人
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 茂一
【審査官】臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-062790(JP,U)
【文献】特開平06-254789(JP,A)
【文献】特開2019-150915(JP,A)
【文献】実開平01-079588(JP,U)
【文献】実開平02-078290(JP,U)
【文献】特開2000-024979(JP,A)
【文献】特開2005-077449(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0306994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 13/08-19/00
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持機構部と、
把持機構部本体、前記把持機構部本体に固定されている固定アーム
、及び
前記把持機構部本体に移動可能に支持されている可動アームを有する把持機構部と、
前記固定アームが前記支持機構部に対してロック位置と退避位置との間を移動可能な状
態で前記支持機構部に前記把持機構部を連結している連結機構部と、
前記支持機構部に対する前記固定アームの位置を前記ロック位置に保持可能なロック機構部と、
を備え、
前記連結機構部は、前記支持機構部に対して前記把持機構部本体が移動可能になるように前記支持機構部と前記把持機構部本体とを連結しており、
前記可動アームは、前記固定アームに対して、前記固定アームが前記ロック位置から前記退避位置に向かう退避側とは反対側に位置しており、
前記可動アームは、開放位置と、前記開放位置よりも前記固定アームに近い閉鎖位置との間で前記固定アームに対して移動可能になっており、
前記把持機構部は、前記固定アームが前記ロック機構部によって前記ロック位置に保持されているときに前記可動アームを前記閉鎖位置に移動させ、前記固定アームが前記ロック機構部によって前記ロック位置に保持された状態が解除されているときに前記可動アームを前記開放位置に移動させる、
把持装置。
【請求項2】
前記連結機構部は、前記把持機構部を前記支持機構部にスライド可能に連結しており、
前記固定アームは、前記把持機構部が前記支持機構部に対してスライドすることにより、前記ロック位置と前記退避位置との間を移動する、
請求項1に記載の把持装置。
【請求項3】
前記連結機構部は、前記把持機構部を前記支持機構部に連結している連結軸を有しており、
前記固定アームは、前記把持機構部が前記連結軸を中心に回転することにより、前記ロック位置と前記退避位置との間を移動する、
請求項1に記載の把持装置。
【請求項4】
前記ロック機構部は、電磁石と磁性部材とを有しており、
前記支持機構部及び前記把持機構部のうち、一方には前記電磁石が設けられ、他方には前記磁性部材が設けられており、
前記ロック機構部は、前記電磁石に前記磁性部材を吸着させることにより、前記固定アームの位置を前記ロック位置に保持する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の把持装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の把持装置における前記支持機構部に対する前記固定アームの位置を前記ロック機構部によって前記ロック位置に保持するロック工程と
前記ロック工程の後、前記可動アームを前記閉鎖位置に移動させることにより前記固定アームと前記可動アームとの間に部品を把持する把持工程と、
前記把持工程の後、前記固定アームと前記可動アームとの間に部品を把持した状態で前記部品を目的位置に配置する配置工程と、
前記配置工程の後、前記部品を前記目的位置に固定する固定工程と、
前記固定工程の後、前記固定アームの位置が前記ロック機構部によって前記ロック位置に保持された状態を解除するロック解除工程と、
前記ロック解除工程の後、前記固定アームと前記可動アームとの間に前記部品が把持されている状態を前記可動アームの前記開放位置への移動により解除する把持解除工程と、
を備えている設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は2本のアームを有する把持装置、及び把持装置を用いた部品の設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズ支持部に接着剤を介してレンズを固定するために、2本のアームの間にレンズを把持するチャック手段が用いられることが知られている。レンズ支持部にレンズを固定するときには、チャック手段によって把持したレンズを未硬化の接着剤を介してレンズ支持部の上方に配置した状態で、接着剤を硬化させていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示された従来のチャック手段では、接着剤の硬化後、レンズの把持を解除するときに、レンズの把持力によって撓んだアームの復元力が硬化後の接着剤に加わってしまう。これにより、硬化後の接着剤が破損し、レンズの固定状態が悪化してしまう恐れがあるという問題があった。
【0005】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、部品の固定状態が悪化してしまうことを抑制することができる把持装置、及び把持装置を用いた部品の設置方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る把持装置は、支持機構部と、固定アーム及び可動アームを有する把持機構部と、固定アームが支持機構部に対してロック位置と退避位置との間を移動可能な状態で支持機構部に把持機構部を連結している連結機構部と、支持機構部に対する固定アームの位置をロック位置に保持可能なロック機構部と、を備え、可動アームは、固定アームに対して、固定アームがロック位置から退避位置に向かう退避側とは反対側に位置しており、可動アームは、開放位置と、開放位置よりも固定アームに近い閉鎖位置との間で固定アームに対して移動可能になっており、把持機構部は、固定アームがロック機構部によってロック位置に保持されているときに可動アームを閉鎖位置に移動させ、固定アームがロック機構部によってロック位置に保持された状態が解除されているときに可動アームを開放位置に移動させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る把持装置、及び把持装置を用いた部品の設置方法によれば、部品の固定状態が悪化してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1による把持装置を示す斜視図である。
【
図3】
図1の把持装置において可動アームが開放位置に移動した時の状態を示す正面図である。
【
図4】
図1の把持装置がレンズを把持している状態を示す斜視図である。
【
図5】
図1の把持装置がレンズを把持している状態を示す正面図である。
【
図6】実施の形態1による設置方法のフローチャートである。
【
図7】
図1の把持装置においてレンズをベース上に配置している状態を示す概略図である。
【
図8】
図5の把持装置の固定アーム及び可動アームの先端を示す拡大図である。
【
図9】
図7の把持装置の固定アーム及び可動アームの撓んだ状態を示す概略図である。
【
図10】
図7の把持装置の固定アームの撓んだ状態を示す概略図である。
【
図11】実施の形態1による把持装置においてレンズの把持を解除する際の状態を示す概略図である。
【
図12】実施の形態2の把持装置においてレンズの把持を解除する際の状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による把持装置を示す斜視図である。把持装置1は、産業用ロボットといった製造装置におけるアーム100の先端に取り付けられている。
【0010】
製造装置は、アーム100に取り付けられた把持装置1について、複数の軸について位置調整を実施することができる。製造装置が把持装置1について実施できる複数の軸についての位置調整は、x軸、y軸、及びz軸それぞれに沿った位置についての位置調整と、x軸、y軸、及びz軸それぞれの軸回りの位置についての位置調整である。従って、製造装置は、把持装置1における6軸に関して調整が可能である。製造装置の図示しない制御部によって、アーム100は、移動することができる。なお、x軸、y軸、及びz軸のそれぞれは、互いに直交する。
【0011】
把持装置1は、支持機構部2と、把持機構部3と、連結機構部4と、ロック機構部5と、を備えている。支持機構部2は、アーム100に支持されている。把持機構部3には、エアーホース110が接続されている。把持機構部3に接続されたエアーホース110は、図示しない電磁弁を介して図示しないエアー供給源に接続されている。電磁弁は、製造装置の図示しない制御部によって制御される。
【0012】
連結機構部4は、支持機構部2に対して把持機構部3を移動可能となるように支持機構部2と把持機構部3とを連結している。ロック機構部5は、把持機構部3をロック状態とアンロック状態との2つの状態にすることができる。
【0013】
ロック状態とは、ロック機構部5を作動させて、支持機構部2に対する把持機構部3の移動を不可能とする状態である。アンロック状態とは、ロック機構部5の作動を停止させて、支持機構部2に対する把持機構部3の移動を可能とする状態である。
【0014】
図2は、
図1の把持装置の示す正面図である。
図3は、
図1の把持装置において可動アームを開放位置に移動した時の状態を示す正面図である。把持機構部3は、把持機構部本体30と、固定アーム31と、可動アーム32と、アーム移動機構部33と、アーム駆動機構34と、を有している。
図2において、横方向に沿った方向がx軸、縦方向に沿った方向がy軸である。また、
図2において、紙面に垂直な方向がz軸である。
【0015】
把持機構部本体30には、固定アーム31と、アーム移動機構部33と、アーム駆動機構34と、が設けられている。固定アーム31は、把持機構部本体30に固定されている。可動アーム32は、アーム移動機構部33を介して、把持機構部本体30に支持されている。
【0016】
固定アーム31及び可動アーム32のそれぞれは、細長の棒状部材で構成されている。可動アーム32は、開放位置と閉鎖位置との間を固定アーム31に対して移動可能である。可動アーム32の移動方向は、
図2及び
図3に示されるx軸に沿った方向である。
【0017】
閉鎖位置とは、可動アーム32が固定アーム31に対して最も近づいた位置である。開放位置とは、可動アーム32が固定アーム31に対して最も遠ざかった位置である。閉鎖位置は、開放位置よりも固定アーム31に近い位置である。
【0018】
アーム移動機構部33は、アーム移動レール33aと移動部材33bとを有している。アーム移動レール33aは、把持機構部本体30に固定されている。移動部材33bは、アーム移動レール33aに嵌め合わされ、アーム移動レール33aに沿って移動可能に支持されている。移動部材33bには、可動アーム32が固定されている。
【0019】
アーム駆動機構34は、可動アーム32をアーム移動レール33aに沿って移動させることができる。アーム駆動機構34は、エアーシリンダ34aと、エアーシリンダ34aから突出可能に設けられているシャフト34bと、ばね34cと、を有している。
【0020】
エアーシリンダ34aには、給気口34dが設けられている。給気口34dには、エアーホース110が接続されている。従って、エアー供給源に電磁弁を介して接続されたエアーホース110から給気口34dを介してエアーシリンダ34aにエアーを供給することができる。
【0021】
エアーシリンダ34aにエアーが供給されると、エアーシリンダ34aに設けられたシャフト34bが突出する。エアーシリンダ34aは、エアーシリンダ34aから突出したシャフト34bの先端が可動アーム32に当たるように把持機構部本体30に配置されている。
【0022】
ばね34cの一方の端部は、固定アーム31に接続されている。ばね34cの他方の端部は、可動アーム32に接続されている。ばね34cは、固定アーム31と可動アーム32とのそれぞれに接続されている状態では、常に縮もうとする力を発生している。これによって可動アーム32は、固定アーム31側に常に引き寄せられている。
【0023】
即ち、エアーシリンダ34aから突出したシャフト34bは、その先端で可動アーム32を押す。これによって、可動アーム32は、移動部材33bとともにアーム移動レール33aに沿って固定アーム31から遠ざかる方向に移動し、開放位置に達する。
図3では、可動アーム32は、開放位置に位置している。
【0024】
エアーホース110から給気口34dへのエアーの供給が停止されると、エアーシリンダ34aからシャフト34bを突出させる力は低減する。この状態では、ばね34cの縮もうとする力によって、可動アーム32は、アーム移動レール33aに沿って固定アーム31の方向に引き寄せられる。これによって、可動アーム32は、閉鎖位置に達する。閉鎖位置に移動する可動アーム32によってシャフト34bは、エアーシリンダ34aに押し込まれる。
【0025】
なお、本実施の形態1では、ばね34cの縮もうとする力によって可動アーム32が開放位置から閉鎖位置へ移動するようになっている。しかし、例えば、エアーシリンダ34aとは別のエアーシリンダを設置し、エアーの力によって、可動アーム32を開放位置から閉鎖位置へ移動させることもできる。
【0026】
連結機構部4は、レール4aとガイドテーブル4bとを有している。レール4aは、支持機構部2に固定されている。ガイドテーブル4bは、把持機構部本体30に固定されている。ガイドテーブル4bは、レール4aに嵌め合わされることで、レール4aの長手方向に沿ってスライド可能に支持される。連結機構部4は、把持機構部3を支持機構部2にスライド可能に連結している。即ち、把持機構部3が支持機構部2に対してスライドする方向は、
図2及び
図3に示されるx軸に沿った方向である。
【0027】
固定アーム31は、把持機構部3が支持機構部2に対してスライドすることにより、ロック位置と退避位置との間を移動することができる。ロック位置とは、把持機構部3がロック状態のときの支持機構部2に対する固定アーム31の位置である。退避位置とは、把持機構部3がアンロック状態のときに固定アーム31がロック位置から最も遠ざかったときの位置である。
【0028】
ロック位置と退避位置との間を移動する際における固定アーム31の移動方向は、x軸に沿った方向である。
【0029】
固定アーム31が支持機構部2に対してロック位置から退避位置へと向かう側を固定アーム31に対して退避側としたときに、固定アーム31に対して退避側の反対側には、可動アーム32が位置している。即ち、可動アーム32は、固定アーム31に対して、固定アーム31がロック位置から退避位置に向かう退避側とは反対側に位置している。
【0030】
ロック機構部5は、電磁石5aと磁性部材5bとを有している。電磁石5aは、支持機構部2に固定されている。電磁石5aには、図示しない電源から電力が供給される。電磁石5aへの電力の供給に関する制御は、図示しないスイッチの開閉によって行われる。スイッチは、製造装置の図示しない制御部によって制御されている。
【0031】
磁性部材5bは、把持機構部本体30に固定されている。電磁石5aへの電力の供給によって、電磁石5aが磁力を発生すると、電磁石5aと磁性部材5bとが引き合う。そして、電磁石5aに磁性部材5bが吸着される。これによって、把持機構部3は、ロック状態となる。把持機構部3がロック状態のとき、固定アーム31は、ロック位置に位置している。
【0032】
電磁石5aへの電力の供給を停止してロック機構部5の作動を停止すると、電磁石5aと磁性部材5bとは、引き合わなくなる。これによって、把持機構部3は、連結機構部4を介して支持機構部2に対して移動可能なアンロック状態となる。
【0033】
把持機構部3がアンロック状態になると、支持機構部2に対して把持機構部3が移動可能になることにより、固定アーム31は、ロック位置と退避位置との間を支持機構部2に対して移動可能となる。
【0034】
図4は、
図1の把持装置がレンズを把持している状態を示す斜視図である。
図5は、
図1の把持装置がレンズを把持している状態を示す正面図である。実施の形態1では、レーザー光の光源装置に用いられる光学部品を把持装置1によって把持する部品として用いている。
【0035】
把持機構部3では、可動アーム32が開放位置から閉鎖位置に移動することによって、可動アーム32と固定アーム31との間にレンズ120を把持することができる。レンズ120が可動アーム32と固定アーム31との間に把持された状態は、ばね34cの縮もうとする力によって維持される。
【0036】
レンズ120が固定アーム31と可動アーム32との間に把持されている状態を把持状態とする。把持状態は、可動アーム32が固定アームに対して閉鎖位置から開放位置に向かって移動することによって解除される。
【0037】
次に、実施の形態1による把持装置1を用いた対象物の設置方法について説明する。
図6は、実施の形態1による設置方法を示すフローチャートである。対象物は、工業製品を構成する部品である。部品としてコリメータレンズ、ミラーといった光学部品を扱う場合、部品の設置には高精度な位置調整が必要となる。本実施の形態1では、対象物として、光源装置を構成する部品であるレンズ120を設置する設置方法について説明する。
【0038】
<準備工程>
ステップS1として、準備工程が実施される。準備工程では、作業者は、把持装置1を製造装置のアーム100に取り付ける。そして、作業者は、給気口34dへのエアーホース110の取り付け、ロック機構部5への電源線の取り付けといった取付作業を実施する。
【0039】
その後、製造装置を稼働させる。これによって、エアーホース110へのエアー供給、ロック機構部5への電力供給、といった動作が実施できる準備が整う。
【0040】
半導体レーザーといったレーザー光の光源装置には、射出されるレーザー光の正確な方向性、及び光束の平行性が要求される。従って、光源装置の製造においては、レンズ、ミラーといった光学部品の設置位置をレーザー光の出射点に対して高精度に位置決めする必要がある。
【0041】
出射位置と光学部品との相対位置の調整には、x軸、y軸、及びz軸それぞれに沿った位置についての位置調整と、x軸、y軸、及びz軸それぞれの軸回りの位置についての位置調整とが必要である。なお、光学部品の種類によっては、必要な調整軸が異なる場合がある。
【0042】
例えば、光学部品である集光レンズを光源に対して位置調整する場合には、集光レンズの光軸と平行な軸回りの位置における位置調整が不要となる。従って、例えば、x軸、y軸、及びz軸それぞれに沿った位置についての位置調整と、x軸及びy軸それぞれの軸回りの位置についての位置調整とが必要となる。
【0043】
<ロック工程>
ステップS2として、ロック工程が実施される。ステップS2のロック工程は、ステップS1における準備工程の後で実施される。ロック工程は、ロック機構部5を作動させ、支持機構部2に対する固定アーム31の位置をロック機構部5によってロック位置に保持する工程である。
【0044】
製造装置は、電磁石5aへの電力供給スイッチをON状態として、電磁石5aに対して電力を供給する。これによって、把持機構部3は、ロック状態となる。ロック状態では、支持機構部2と把持機構部3との相対的な移動が不可能になり、支持機構部2と把持機構部3との相対的な位置関係は、固定される。
【0045】
これにより、支持機構部2に対する固定アーム31の位置がロック機構部5によってロック位置に保持される。従って、製造装置は、把持機構部3が有する固定アーム31の先端を正確に位置決めすることができる。
【0046】
<把持工程>
ステップS3として、把持工程が実施される。ステップS3の把持工程は、ステップS2におけるロック工程の後で実施される。把持工程は、把持装置1がレンズ120を把持するための工程である。図示しないストッカーには、複数のレンズ120が配置されている。製造装置は、可動アーム32を開放位置に位置させるために、電磁弁を開きエアーシリンダ34aに対してエアーを供給する。
【0047】
製造装置は、アーム100を操作して、複数のレンズ120の中の1つのレンズ120に対して把持装置1の位置決めを実施する。製造装置は、アーム100を操作して、把持装置1がレンズ120を把持できる位置にアーム100を移動する。即ち、固定アーム31と可動アーム32との間にレンズ120が存在するように、アーム100を操作する。さらに、固定アーム31がレンズ120における一方の側面に接触するようにアーム100を操作する。
【0048】
アーム100を操作して把持装置1の位置決めが完了した後に、製造装置は、把持装置1に対するエアーの供給を停止して、可動アーム32を閉鎖位置に向かって移動させる。これにより、把持機構部3は、固定アーム31と可動アーム32との間にレンズ120を把持する。レンズ120は、固定アーム31と可動アーム32との間に把持される。可動アーム32を閉鎖位置に向かって移動するとき、把持機構部3は、固定アーム31がロック機構部5によってロック位置に保持されている。
【0049】
<配置工程>
ステップS4として、配置工程が実施される。ステップS4の配置工程は、ステップS3における把持工程の後で実施される。配置工程は、把持装置1が把持したレンズ120をベース135上の目的位置に配置するための工程である。ここで、目的位置とは、レンズ120を配置するべき位置である。
【0050】
図7は、
図1の把持装置においてレンズをベース上に配置している状態を示す概略図である。ベース135は、図示しない光源装置の筐体内に配置されている。光源装置の製造においては、レンズ120といった光学部品をベース135上の目的位置に正確に配置することが必要である。
図7において、ベース135のレンズ120が設置される表面は、x―z平面に平行である。
【0051】
光学部品の配置には、複数の軸に関する位置調整が必要であり、かつそれぞれの位置調整がミクロン単位以下の精度で実施されることが要求されている。このため機械的な嵌合によって光学部品を位置決めすることは難しい。従って、ベース135に対する光学部品の固定には、接着剤130が用いられている。
【0052】
本実施の形態1においてもレンズ120の固定には、接着剤130を用いている。ベース135上におけるレンズ120が固定される目的位置には、あらかじめ未硬化の接着剤130が塗布されている。接着剤130は、紫外線硬化型の接着剤である。
【0053】
把持工程の後、固定アーム31と可動アーム32との間にレンズ120を把持した状態で、製造装置は、レンズ120が目的位置に配置されるように、アーム100を操作して把持装置1を位置決めする。把持装置1の位置決めでは、x軸、y軸、及びz軸それぞれに沿った位置についての位置調整と、x軸及びy軸それぞれの軸回りの位置についての位置調整が実施される。
【0054】
レンズ120が、目的位置に配置されると、ベース135とレンズ120との間には未硬化の接着剤130が介在した状態となる。
【0055】
固定アーム31及び可動アーム32のそれぞれに接するレンズ120の部分は、レンズ120の側面といった接着剤130によって接着されない部分であって、かつ、光学調整には無関係な部分である。
【0056】
<固定工程>
ステップS5として、固定工程が実施される。ステップS5の固定工程は、ステップS4における配置工程の後で実施される。固定工程は、把持装置1が把持されているレンズ120をベース135上に固定するための工程である。
【0057】
レンズ120が目的位置に配置された後、接着剤130に対して図示しない紫外線照射源から紫外線を照射することにより、接着剤130は硬化させられる。これによって、レンズ120は、ベース135上に固定される。
【0058】
<ロック解除工程>
ステップS6として、ロック解除工程が実施される。ステップS6のロック解除工程は、ステップS5における固定工程の後で実施される。ロック解除工程は、ロック機構部5によって把持機構部3のロック状態を解除するための工程である。接着剤130が硬化した後に、把持機構部3をアンロック状態とする。即ち、連結機構部4によって、把持機構部3と支持機構部2とは、相対移動可能な状態となる。その結果、固定アーム31がロック位置に保持された状態が解除される。
【0059】
<把持解除工程>
ステップS7として、把持解除工程が実施される。ステップS7の把持解除工程は、ステップS6におけるロック解除工程の後で実施される。把持解除工程は、把持装置1によるレンズ120の把持を解除するための工程である。
【0060】
把持装置1に対して、エアーホース110からエアーを供給することで、可動アーム32が開放位置に移動する。これによって、固定アーム31と可動アーム32との間にレンズ120が把持されている状態は、解除される。可動アーム32を開放位置に向かって移動させるとき、把持機構部3は、固定アーム31がロック機構部5によってロック位置に保持された状態が解除されている。その後、アーム100を操作し、把持装置1を別の場所に移動する。これで、レンズ120の設置が終了する。
【0061】
ここで、把持解除工程におけるレンズ120に関わる力について説明する。
図8は、
図5の把持装置の固定アーム及び可動アームの先端を示す拡大図である。
【0062】
光源装置は、近年更に小型化している。光学部品であるレンズ120は、小型箱型の筐体内に固定しなければならない。このため、実施の形態1の固定アーム31と可動アーム32とのそれぞれは、細長の棒状部材で構成されている。
【0063】
固定アーム31と可動アーム32とは、ばね34cにより可動アーム32が閉鎖位置に向かって移動しようとすることによって、レンズ120に対して力を付与している。これにより、固定アーム31は、レンズ120の接点から反力F31を受ける。また、可動アーム32は、レンズ120の接点から反力F32を受ける。
【0064】
レンズ120を把持している状態では、反力F31及びF32によって固定アーム31及び可動アーム32が撓んでいる。
図9は、
図8の把持装置の固定アーム及び可動アームの撓んだ状態を示す概略図である。
図10は、
図8の把持装置の固定アームの撓んだ状態を示す概略図である。
図9及び
図10では、撓んでいない状態における固定アーム31及び可動アーム32の輪郭を一点鎖線で示している。
【0065】
図9及び
図10に示されるように、レンズ120を把持する固定アーム31及び可動アーム32には、撓みが発生する。本実施の形態1における固定アーム31及び可動アーム32のそれぞれは、細長の棒状部材により構成されているため、撓みやすい。
【0066】
レンズ120を把持している固定アーム31と可動アーム32とのそれぞれは、それぞれの先端に向かって、互いに離反するように撓んでいる。このため、固定アーム31と可動アーム32とのそれぞれには、もとの形状に戻ろうとする力、即ち復元力が発生する。
【0067】
把持状態では、固定アーム31と可動アーム32とのそれぞれの復元力は、レンズ120に対して付与されている。この状態から、レンズ120が固定された後、把持装置1は、把持状態を解除する。
【0068】
図11は、実施の形態1による把持装置においてレンズの把持を解除する際の状態を示す概略図である。可動アーム32を開放位置に移動させることで、可動アーム32は、レンズ120から離れ、レンズ120の把持が解除される。
【0069】
レンズ120から可動アーム32が離れた瞬間に、可動アーム32の撓みは、解消され、可動アーム32の復元力は消滅する。一方、固定アーム31は、引き続きレンズ120の側面に接触している。即ち、固定アーム31は、撓んだ状態である。従って、固定アーム31には、復元力Aが発生している。レンズ120は、固定アーム31の復元力Aに対抗している。
【0070】
把持装置1による把持状態の解除は、把持機構部3がアンロック状態になっているときに行う。従って、ロック機構部5の作動が停止している。把持状態が解除された後も、固定アーム31には、復元力Aに基づくレンズ120の反力Bが付与されている。従って、反力Bによってアンロック状態の把持機構部3は、支持機構部2に対してC方向に向かうように移動する。即ち、固定アーム31は、支持機構部2に対してロック位置から退避位置に向かって移動する。
【0071】
これによって、固定アーム31は、レンズ120から離れる。従って、固定アーム31の撓みは解消され、復元力A及び反力Bは、消滅する。
【0072】
実施の形態1による把持装置1は、支持機構部2と、固定アーム31及び可動アーム32を有する把持機構部3と、固定アーム31が支持機構部2に対してロック位置と退避位置との間を移動可能な状態で支持機構部2に把持機構部3を連結している連結機構部4と、を備えている。また、把持装置1は、支持機構部2に対する固定アーム31の位置をロック位置に保持可能なロック機構部5を備えている。可動アーム32は、固定アーム31に対して、固定アーム31がロック位置から退避位置に向かう退避側とは反対側に位置している。可動アーム32は、開放位置と、開放位置よりも固定アーム31に近い閉鎖位置との間で固定アーム31に対して移動可能になっている。また、把持機構部3は、固定アーム31がロック機構部5によってロック位置に保持されているときに可動アーム32を閉鎖位置に移動させ、固定アーム31がロック機構部5によってロック位置に保持された状態が解除されているときに可動アーム32を開放位置に移動させる。従って、部品の把持を解除するときに、固定アーム31の復元力により固定アーム31は、退避位置に向かって移動する。これによって、部品の把持を解除するときに、硬化した接着剤130を破損させにくくすることができる。従って、部品の固定状態が悪化してしまうことを抑制できる。また、部品を把持するときは、支持機構部2に対する固定アーム31の位置を固定することができる。これによって、固定アーム31の先端を正確に位置決めすることができる。
【0073】
実施の形態1による把持装置1によれば、連結機構部4は、把持機構部3を支持機構部2にスライド可能に連結している。固定アーム31は、把持機構部3が支持機構部2に対してスライドすることにより、ロック位置と退避位置との間を移動する。従って、部品の把持を解除するときに、固定アーム31の復元力により把持機構部3は支持機構部2に対してスライドしながら退避位置に向かって移動する。これによって、部品の把持を解除するときに、硬化した接着剤130を破損させにくくすることができる。従って、部品の固定状態が悪化してしまうことを抑制できる。
【0074】
実施の形態1による把持装置1によれば、ロック機構部5は、電磁石5aと磁性部材5bとを有している。支持機構部2には電磁石5aが設けられ、把持機構部3には磁性部材5bが設けられている。ロック機構部5は、電磁石5aに磁性部材5bを吸着させることにより、固定アーム31の位置をロック位置に保持する。従って、電磁石5aと磁性部材5bとを用いたロック機構部5は、機械的可動部がない。これによって、ロック機構部5における構成部品の摩耗、機械的な破損といった現象を低減することができる。さらに、ロック機構部5における構成部品の摩耗、機械的な破損といった現象、及び保守点検による把持装置1の休止機会を低減することができる。
【0075】
実施の形態1による把持装置1を用いた設置方法は、支持機構部2に対する固定アーム31の位置をロック機構部5によってロック位置に保持するロック工程と、ロック工程の後、可動アーム32を閉鎖位置に移動させることにより固定アーム31と可動アーム32との間に部品を把持する把持工程と、を備えている。また、設置方法は、把持工程の後、固定アーム31と可動アーム32との間に部品を把持した状態で部品を目的位置に配置する配置工程と、配置工程の後、部品を目的位置に固定する固定工程と、を備えている。更に、設置方法は、固定工程の後、固定アーム31の位置がロック機構部5によってロック位置に保持された状態を解除するロック解除工程と、ロック解除工程の後、固定アーム31と可動アーム32との間に部品が把持されている状態を可動アーム32の開放位置への移動により解除する把持解除工程と、を備えている。従って、部品の把持を解除するときに、固定アーム31を支持機構部2に対して移動可能とすることにより、固定アーム31の復元力Aを部品に加わりにくくすることができる。これによって、硬化した接着剤130を破損させにくくすることができる。従って、部品の固定状態が悪化してしまうことを抑制できる。また、配置工程の前に、ロック工程及び把持工程を実施している。これによって、部品を把持するとき、部品を目的位置へ配置するとき、及び部品を固定するときに固定アーム31の先端を正確に位置決めすることができる。
【0076】
なお、実施の形態1では、支持機構部2にレール4aが固定され、把持機構部3にガイドテーブル4bが固定されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、把持機構部3にレール4aが固定され、支持機構部2にガイドテーブル4bが固定されてもよい。
【0077】
実施の形態2.
図12は、実施の形態2の把持装置においてレンズの把持を解除する際の状態を示す概略図である。実施の形態2の把持装置1は、実施の形態1の把持装置1に比べて、連結機構部4の様態が異なる。
【0078】
連結機構部4は、連結軸4cと回転支持部材4dとを有している。回転支持部材4dには、連結軸4cが挿入される穴が設けられている。連結軸4cは、支持機構部2に固定されている。回転支持部材4dは、把持機構部本体30に固定されている。連結軸4cは、回転支持部材4dの穴に挿入されている。これにより、連結機構部4は、支持機構部2と把持機構部3とを連結している。連結軸4cの軸心は、
図12に示されるz軸に沿った方向である。
【0079】
連結機構部4は、把持機構部3を支持機構部2に対して、連結軸4cの軸心を中心に回転可能に連結している。従って、固定アーム31は、把持機構部3が連結軸4cを中心に回転することにより、ロック位置と退避位置との間を移動することができる。その他の把持装置1の構成は、実施の形態1の把持装置1と同様であるから説明を省略する。
【0080】
次に、実施の形態2による把持装置1を用いた対象物の設置方法について説明する。把持解除工程における固定アーム31に移動について説明する。その他の設置方法の構成は、実施の形態1による把持装置1を用いた対象物の設置方法と同様であるから説明を省略する。
【0081】
把持工程において把持装置1はレンズ120を把持している。従って、固定アーム31と可動アーム32とのそれぞれは、撓んでおり、固定アーム31と可動アーム32とのそれぞれには、復元力が発生している。把持解除工程において、可動アーム32を開放位置に移動させ、把持機構部3の把持状態を解除する。
【0082】
レンズ120から可動アーム32が離れても、固定アーム31は、引き続きレンズ120の側面に接触している。即ち、固定アーム31は、撓んだ状態であり、固定アーム31には、復元力Aが発生している。レンズ120は、固定アーム31の復元力Aに対抗している。固定アーム31には、復元力Aに基づくレンズ120からの反力Bが付与されている。
【0083】
把持装置1の把持状態を解除する前には、把持機構部3は、アンロック状態となっている。把持状態が解除された瞬間に、アンロック状態の把持機構部3は、反力Bによって移動する。
【0084】
反力Bによって、固定アーム31は、連結軸4cの軸心を中心に可動アーム32から遠ざかるように、D方向に移動する。これにより、固定アーム31は、支持機構部2に対してロック位置から退避位置に向かって、移動する。
【0085】
これによって、固定アーム31は、レンズ120から離れる。従って、固定アーム31の撓みは解消され、復元力A及び反力Bは、消滅する。
【0086】
実施の形態2による把持装置1によれば、連結機構部4は、把持機構部3を支持機構部2に連結している連結軸4cを有しており、固定アーム31は、把持機構部3が連結軸4cを中心に回転することにより、ロック位置と退避位置との間を移動する。従って、部品の把持を解除するときに、固定アーム31の復元力により把持機構部3は支持機構部2に対して回転しながら退避位置に向かって移動する。これによって、部品の把持を解除するときに、硬化した接着剤130を破損させにくくすることができる。従って、部品の固定状態が悪化してしまうことを抑制できる。
【0087】
なお、実施の形態2では、支持機構部2に連結軸4cが固定され、把持機構部3に回転支持部材4dが固定されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、把持機構部3に連結軸4cが固定され、支持機構部2に回転支持部材4dが固定されてもよい。
【0088】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、支持機構部2に電磁石5aが固定され、把持機構部3に磁性部材5bが固定されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、把持機構部3に電磁石5aが固定され、支持機構部2に磁性部材5bが固定されてもよい。
【0089】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、ロック機構部5は、電磁石5aと磁性部材5bとで構成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、エアーバルブにより進退自在な棒状部材と、棒状部材が挿入される穴が設けられた部材とで、ロック機構部5を構成してもよい。さらには、ロック機構部5は、周知な構成を用いて構成されてもよい。ロック機構部5は、支持機構部2に対する把持機構部3を移動可能又は移動不可能とすることができるものであればよい。
【0090】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、アーム駆動機構34は、エアーシリンダ34aによって突出するシャフト34bとばね34cの縮む方向への動きとで可動アーム32を移動させている。しかし、これに限られたものではない。例えば、モーターにより可動アーム32を移動させてもよい。さらには、駆動機構として周知な構成を用いて可動アームを移動させてもよい。
【0091】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、可動アーム32は、アーム移動レール33a上を移動する移動部材33bに固定されている。従って、可動アーム32は、アーム移動レール33aに沿って移動することができる。しかし、これに限られたものではない。例えば、可動アーム32の端部を把持機構部3に回転自在に固定してもよい。さらに、可動アーム32には、周知な可動機構を採用してもよい。即ち、可動アーム32の移動によって、可動アーム32の先端と固定アーム31の先端とで、対象物を把持できればよい。従って、可動アーム32の移動形態は、適宜な移動形態を選択できる。
【0092】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、固定アーム31及び可動アーム32は、細長の棒状部材で構成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、細長ではない棒状部材で固定アーム31及び可動アーム32を構成してもよい。
【0093】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、アーム100に取り付けられた把持装置1は、x軸、y軸、及びz軸それぞれに沿った位置についての位置調整と、x軸、y軸、及びz軸それぞれの軸回りの位置についての位置調整とをすることができる。しかし、これに限られたものではない。例えば、把持装置1の位置調整は、適宜な軸に関して調整ができるものでよい。さらには、把持装置1の位置調整ができなくてもよい。その場合は、把持の対象物、把持の対象物を配置する場所といったものが把持装置1に対して位置調整可能であってもよい。
【0094】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、ベース135上へのレンズ120の設置には、紫外線硬化型の接着剤130を使用している。しかし、これに限られたものではない。接着剤130は、どのような接着剤を用いてもよい。
【0095】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、シャフト34bと可動アーム32とは、接続されていない。しかし、これに限られたものではない。シャフト34bと可動アーム32とは、接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 把持装置、2 支持機構部、3 把持機構部、4 連結機構部、4a レール、4b ガイドテーブル、4c 連結軸、4d 回転支持部材、5 ロック機構部、5a 電磁石、5b 磁性部材、30 把持機構部本体、31 固定アーム、32 可動アーム、33 アーム移動機構部、33a アーム移動レール、33b 移動部材、34 アーム駆動機構、34a エアーシリンダ、34b シャフト、34c ばね、34d 給気口、100 アーム、110 エアーホース、120 レンズ、130 接着剤、135 ベース。