(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】圧縮機及び熱交換器
(51)【国際特許分類】
F04B 39/16 20060101AFI20241220BHJP
F04B 39/06 20060101ALI20241220BHJP
F04C 29/04 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
F04B39/16 J
F04B39/06 L
F04C29/04 D
(21)【出願番号】P 2021077968
(22)【出願日】2021-04-30
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】521362885
【氏名又は名称】コベルコ・コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100218132
【氏名又は名称】近田 暢朗
(72)【発明者】
【氏名】壷井 昇
(72)【発明者】
【氏名】中村 元
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-064721(JP,U)
【文献】特開2004-216212(JP,A)
【文献】特開平03-279683(JP,A)
【文献】実開平05-052281(JP,U)
【文献】特開平10-115288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00-39/16
F04C 23/00-29/12
B01D 45/00-45/16
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を圧縮して吐出する圧縮機本体と、
前記圧縮機本体から吐出された圧縮空気の流れにおいて前記圧縮機本体の下流に接続され、前記圧縮空気と冷却媒体との間で熱交換をさせる熱交換器と
を備え、
前記熱交換器は、
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、前記圧縮空気が流入する入口と、
前記ケーシングに設けられ、前記圧縮空気が流出する出口と、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記入口から流入した前記圧縮空気と前記冷却媒体との間で熱交換をさせて前記圧縮空気を冷却する冷却部と、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記冷却部を通過した前記圧縮空気を上昇させて前記圧縮空気からドレンを分離するドレン分離部と、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記入口から流入した前記圧縮空気と前記出口へ向かって流れる前記圧縮空気との間で熱交換をさせて、前記出口から流出する前記圧縮空気を加熱する加熱部と
を備え、
前記冷却部と、前記ドレン分離部と、前記加熱部とは、上下方向に交差する横方向において、前記冷却部、前記ドレン分離部、および前記加熱部の順に並んで配置されている、圧縮機。
【請求項2】
前記入口と前記出口とは、前記ケーシングの同一の側壁に設けられている、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記熱交換器は、
前記冷却部と前記ドレン分離部とを隣接して隔てる第1仕切壁と、
前記ドレン分離部と前記加熱部とを隣接して隔てる第2仕切壁と
をさらに備える、請求項1または2に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記熱交換器は、前記入口から流入した圧縮空気を前記冷却部に導入する導入配管をさらに備え、
前記導入配管は、
前記入口に挿入されて、横方向に延びた第1部分と、
前記加熱部において上下方向に延び、下端が前記第1部分に接続された第2部分と、
前記加熱部と前記ドレン分離部と前記冷却部とに跨がるように横方向に延び、一端が前記第2部分の上端に接続された第3部分と
を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記熱交換器は、前記冷却部の内部において上下方向に延びており、内部を前記冷却媒体が流通する冷却配管をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項6】
前記圧縮空気の流れにおいて前記熱交換器の下流に接続され、前記圧縮空気から前記ドレンを分離する二次ドレン分離器を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項7】
前記二次ドレン分離器は、
上側に向かって広がった錐台形状の本体と、
前記本体の上部に設けられ、前記圧縮空気を排出する排気管と、
前記本体の下部に設けられ、前記ドレンを貯留する二次ドレン貯留部と、
前記排気管と前記二次ドレン貯留部との間に設けられ、複数の開口を有する仕切板と
を備える、請求項6に記載の圧縮機。
【請求項8】
前記ドレン分離部の流路断面積は、前記冷却部のうち前記圧縮空気が流れる空気流路の流路断面積よりも広い、請求項1から7のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項9】
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、空気が流入する入口と、
前記ケーシングに設けられ、空気が流出する出口と、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記入口から流入した前記空気と冷却媒体との間で熱交換をさせて前記空気を冷却する気液熱交換部と、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記気液熱交換部を通過した前記空気を上昇させて前記空気からドレンを分離するドレン分離部と、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記入口から流入した前記空気と前記出口へ向かって流れる前記空気との間で熱交換をさせる気体熱交換部と
を備え、
前記気液熱交換部と、前記ドレン分離部と、前記気体熱交換部とは、上下方向に交差する横方向において、前記気液熱交換部、前記ドレン分離部、および前記気体熱交換部の順に並んで配置されている、熱交換器。
【請求項10】
前記
気液熱交換部と前記ドレン分離部とを隣接して隔てる第1仕切壁と、
前記ドレン分離部と前記
気体熱交換部とを隣接して隔てる第2仕切壁と
をさらに備える、請求項9に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記入口から流入した圧縮空気を前記
気液熱交換部に導入する導入配管をさらに備え、
前記導入配管は、
前記入口に挿入されて、横方向に延びた第1部分と、
前記
気体熱交換部において上下方向に延び、下端が前記第1部分に接続された第2部分と、
前記
気体熱交換部と前記ドレン分離部と前記
気液熱交換部とに跨がるように横方向に延び、一端が前記第2部分の上端に接続された第3部分と
を備える、請求項9または10に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記ドレン分離部の流路断面積は、前記気液熱交換部のうち前記空気が流れる空気流路の流路断面積よりも広い、請求項9から11のいずれか一項に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機及び熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧縮機本体と、圧縮機本体から吐出された圧縮空気を冷却するプレート式熱交換器とを備える無給油式スクリュー圧縮機が記載されている。プレート式熱交換器で冷却された圧縮空気は、供給配管を介して外部の機器等に供給される。また、供給配管の下方側にはドレン配管が接続されており、ドレン配管を介して圧縮空気の冷却の際に生じたドレンの排出を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の無給油式スクリュー圧縮機では、プレート式熱交換器で発生したドレンの大部分は、ドレン配管から排出されるものの、圧縮空気の流れに随伴されるドレンがドレン配管から排出されず、圧縮空気とともに下流側に流れることがある。
【0005】
本発明は、熱交換器で生じたドレンが下流の圧縮機本体や供給機器へ流れることを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、空気を圧縮して吐出する圧縮機本体と、前記圧縮機本体から吐出された圧縮空気の流れにおいて前記圧縮機本体の下流に接続され、前記圧縮空気と冷却媒体との間で熱交換をさせる熱交換器とを備え、前記熱交換器は、前記圧縮空気が流入する入口と、前記圧縮空気が流出する出口と、前記入口から流入した前記圧縮空気と前記冷却媒体との間で熱交換をさせて前記圧縮空気を冷却する冷却部と、前記冷却部を通過した前記圧縮空気を上昇させて前記圧縮空気からドレンを分離するドレン分離部とを備える、圧縮機を提供する。
【0007】
圧縮空気が冷却部で冷却されることで、圧縮空気に含まれる水分が凝縮しドレンが発生する。また、ドレン分離部においてドレンを含む圧縮空気が上昇することで、ドレンが重力により落下して圧縮空気から分離される。その結果、ドレンが取り除かれた圧縮空気が出口から流出するので、熱交換器から圧縮機本体や供給機器へ流出するドレンを低減できる。
【0008】
前記熱交換器は、前記入口から流入した前記圧縮空気と前記出口へ向かって流れる前記圧縮空気との間で熱交換をさせて、前記出口から流出する前記圧縮空気を加熱する加熱部を備えてもよい。
【0009】
冷却部により冷却された後にドレン分離部によりドレンが分離された圧縮空気は、飽和状態である。このため、熱交換器の出口から流出した圧縮空気が冷やされると、再度ドレンが発生する。この構成によれば、圧縮空気が加熱部により加熱された後に出口から流出するので、出口から流出した圧縮空気が冷却された場合であってもドレンの発生を抑制できる。
【0010】
前記圧縮空気の流れにおいて前記熱交換器の下流に接続され、前記圧縮空気から前記ドレンを分離する二次ドレン分離器を備えてもよい。
【0011】
冷却部により冷却された後にドレン分離部によりドレンが分離された圧縮空気は、飽和状態である。このため、熱交換器の出口から流出した圧縮空気が冷やされると、再度ドレンが発生する。この構成によれば、圧縮空気の流れの熱交換器の下流においてドレンが発生した場合であっても、二次ドレン分離器により圧縮空気からドレンが分離される。このため、圧縮空気の流れの二次ドレン分離器よりも下流側に圧縮空気とともにドレンが流出することを抑制できる。
【0012】
前記二次ドレン分離器は、上側に向かって広がった錐台形状の本体と、前記本体の上部に設けられ、前記圧縮空気を排出する排気管と、前記本体の下部に設けられ、前記ドレンを貯留する二次ドレン貯留部と、前記排気管と前記二次ドレン貯留部との間に設けられ、複数の開口を有する仕切板とを備えてもよい。
【0013】
この構成によれば、排気管と二次ドレン貯留部との間に複数の開口を有する仕切板が設けられているため、二次ドレン貯留部に貯留されたドレンが、二次ドレン分離器内に流入した圧縮空気により巻き上げられて排気管から圧縮空気とともに流出することを抑制できる。一方で、仕切板に複数の開口が設けられているので、圧縮空気から分離されたドレンは、開口を通って二次ドレン貯留部に貯留される。
【0014】
前記ドレン分離部の流路断面積は、前記冷却部のうち前記圧縮空気が流れる空気流路の流路断面積よりも広くてもよい。
【0015】
ドレン分離部において上昇する圧縮空気の流速が遅いほど、ドレンは重力により落下しやすくなるため、圧縮空気からドレンを分離しやすい。この構成によれば、ドレン分離部の流路断面積が冷却部の空気流路の流路断面積よりも広いため、圧縮空気は、冷却部からドレン分離部に流れると減速する。このため、ドレン分離部において圧縮空気の流速が落ちるので、熱交換器の出口から流出するドレンを低減できる。
【0016】
本発明の他の態様は、気体が流入する入口と、気体が流出する出口と、前記入口から流入した前記気体と冷却媒体との間で熱交換をさせて前記気体を冷却する気液熱交換部と、前記気液熱交換部を通過した前記気体を上昇させて前記気体からドレンを分離するドレン分離部とを備える、熱交換器を提供する。
【0017】
気体が気液熱交換部で冷却されることで、気体に含まれる水分が凝縮しドレンが発生する。ドレン分離部においてドレンを含む気体が上昇することで、ドレンが重力により落下して気体から分離される。その結果、ドレンが取り除かれた気体が出口から流出するので、熱交換器から圧縮機本体や供給機器へ流出するドレンを低減できる。
【0018】
前記熱交換器は、前記入口から流入した前記空気と前記出口へ向かって流れる前記空気との間で熱交換する気体熱交換部をさらに備えてもよい。
【0019】
気液熱交換部により冷却された後にドレン分離部によりドレンが分離された圧縮空気は、飽和状態である。このため、熱交換器の出口から流出した圧縮空気が冷やされると、再度ドレンが発生する。この構成によれば、圧縮空気が加熱部により加熱された後に出口から流出するので、出口から流出した圧縮空気が冷却された場合であってもドレンの発生を抑制できる。
【0020】
前記ドレン分離部の流路断面積は、前記気液熱交換部のうち前記空気が流れる空気流路の流路断面積よりも広くてもよい。
【0021】
ドレン分離部において上昇する圧縮空気の流速が遅いほど、ドレンは重力により落下しやすくなるため、圧縮空気からドレンを分離しやすい。この構成によれば、ドレン分離部の流路断面積が気液熱交換部の空気流路の流路断面積よりも広いため、圧縮空気は、気液熱交換部からドレン分離部に流れると減速する。このため、ドレン分離部において圧縮空気の流速が落ちるので、熱交換器の出口から流出するドレンを低減できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、熱交換器から圧縮機本体や供給機器へ流出するドレンを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る圧縮機の概略構成図。
【
図2】第1実施形態に係る熱交換器の模式的な縦断面図。
【
図3】第1実施形態に係る二次ドレン分離器の模式的な構造図。
【
図4】第2実施形態に係る熱交換器の模式的な縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る圧縮機の概略構成図である。
【0026】
図1を参照すると、本実施形態の圧縮機1は、2台の圧縮機本体10A,10Bと、2つの熱交換器20A,20Bと、2つの二次ドレン分離器30A,30Bとを備える。
【0027】
以下の説明において、2つの圧縮機本体10A,10Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単に圧縮機本体10という場合がある。また、熱交換器20A,20Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単に熱交換器20という場合がある。さらに、二次ドレン分離器30A,30Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単に二次ドレン分離器30という場合がある。
【0028】
圧縮機1は、無給油式のスクリュー圧縮機である。また、本実施形態の圧縮機1は、空気を段階的に圧縮し、図示しない供給先へ吐出する2段圧縮機である。本実施形態では、圧縮機本体10Aは、空気を中間圧力まで圧縮する1段目圧縮機本体であり、圧縮機本体10Bは、圧縮機本体10Aから吐出された圧縮空気を供給先(図示せず)への吐出圧力まで圧縮する2段目圧縮機本体である。
【0029】
圧縮機本体10Aの吸込側には、配管40が接続されている。一方で、圧縮機本体10Aの吐出側には、配管41が接続されている。圧縮機本体10Aは、配管40を通じて吸い込んだ空気を圧縮して、配管41に吐出する。
【0030】
圧縮機本体10Bの吸込側には、配管41が接続されている。一方で、圧縮機本体10Bの吐出側には、配管42が接続されている。圧縮機本体10Bは、圧縮機本体10Aの吐出側に配置されており、配管41を介して圧縮機本体10Aと流体的に接続されている。圧縮機本体10Bは、配管41を通じて吸い込んだ圧縮空気を圧縮して、配管42に吐出する。
【0031】
熱交換器20Aは、配管41に設けられ、圧縮機本体10Aでの圧縮熱により昇温した圧縮空気を冷却するエアクーラとしてのインタークーラである。熱交換器20Aは、圧縮空気の流れにおいて圧縮機本体10Aの下流に配置されており、配管41を介して圧縮機本体10Aに流体的に接続されている。
【0032】
熱交換器20Bは、配管42に設けられ、圧縮機本体10Bでの圧縮熱により昇温した圧縮空気を冷却するエアクーラとしてのアフタークーラである。熱交換器20Bは、圧縮空気の流れにおいて圧縮機本体10Bの下流に配置されており、配管42を介して圧縮機本体10Bに流体的に接続されている。
【0033】
二次ドレン分離器30Aは、配管41に設けられ、熱交換器20Aを通過後の圧縮空気からドレンを分離する。二次ドレン分離器30Aは、圧縮空気の流れにおいて熱交換器20Aの下流に配置されており、配管41を介して熱交換器20Aと流体的に接続されている。一方で、二次ドレン分離器30Aは、圧縮空気の流れにおいて圧縮機本体10Bの上流に配置されており、配管41を介して圧縮機本体10Bと流体的に接続されている。
【0034】
二次ドレン分離器30Bは、配管42に設けられ、熱交換器20Bを通過後の圧縮空気からドレンを分離する。二次ドレン分離器30Bは、圧縮空気の流れにおいて熱交換器20Bの下流に配置されており、配管42を介して熱交換器20Bと流体的に接続されている。
【0035】
圧縮機本体10A,10B、熱交換器20A,20B、及び二次ドレン分離器30A,30Bは、圧縮空気の流れの上流側から、圧縮機本体10A、熱交換器20A,二次ドレン分離器30A、圧縮機本体10B、熱交換器20B、二次ドレン分離器30Bの順で直列に接続されている。
【0036】
配管40を通じて圧縮機本体10Aに吸い込まれた空気は、圧縮機本体10Aで圧縮され、配管41に吐出される。圧縮機本体10Aより吐出された圧縮空気は、熱交換器20Aによって冷却され、二次ドレン分離器30Aによりドレンが分離された後に圧縮機本体10Bに供給される。圧縮機本体10Bに供給された圧縮空気は、圧縮機本体10Bで圧縮されて配管42に吐出される。圧縮機本体10Bより吐出された圧縮空気は、熱交換器20Bによって冷却され、二次ドレン分離器30Bによりドレンが分離された後に供給先(図示せず)に供給される。
【0037】
(熱交換器)
図2は、熱交換器20の模式的な縦断面図である。本実施形態では、インタークーラである熱交換器20Aと、アフタークーラである熱交換器20Bとは、同一の構成を有している。なお、
図2において、実線矢印により圧縮空気の流れが示されており、点線矢印により冷却水の流れが示されている。
【0038】
図2を参照すると、熱交換器20は、圧縮空気が流入する入口21と、圧縮空気が流出する出口22とを備える。また、熱交換器20は、入口21から流入した圧縮空気と冷却水との間で熱交換をさせて圧縮空気を冷却する気液熱交換部としての冷却部23と、冷却部23を通過した圧縮空気を上昇させて圧縮空気からドレンを分離するドレン分離部24とを備える。さらに、本実施形態の熱交換器20は、入口21から流入した圧縮空気と出口22へ向かって流れる圧縮空気との間で熱交換をさせて出口22から流出する圧縮空気を加熱する加熱部25を備える。言い換えると、熱交換器20は、入口21から流入した圧縮空気と出口22へ向かって流れる圧縮空気との間で熱交換をさせて、入口21から流入した圧縮空気を予冷する予冷部を備えているとも言える。このことから、熱交換器20は、入口21から流入した圧縮空気と出口22へ向かって流れる圧縮空気との間で熱交換する気体熱交換部を備えるものである。
【0039】
熱交換器20は、ケーシング50と、導入配管60と、導出配管61と、冷却配管62とを備える。以下の説明において、熱交換器20が設置された状態における、上下方向と交差する方向(
図2における左右方向)を横方向という場合がある。
【0040】
本実施形態のケーシング50は、直方体状である。ケーシング50は、
図2に示す断面において、下壁51と、上壁52と、第1側壁53と、第2側壁54とを備える。また、ケーシング50内には、第1仕切壁55と、第2仕切壁56とが設けられている。ケーシング50内の空間は、第1仕切壁55と第2仕切壁56とによって、冷却部23と、ドレン分離部24と、加熱部25とに分けられている。冷却部23とドレン分離部24とは、第1仕切壁55により隔てられている。ドレン分離部24と加熱部25とは、第2仕切壁56により隔てられている。
【0041】
下壁51は、
図2に示す断面において、横方向に延びている。下壁51には、冷却部23及びドレン分離部24の下部に設けられた一次ドレン貯留部26に溜まったドレンを排出するための一次ドレン排出口51aが設けられている。
【0042】
上壁52は、
図2に示す断面において、横方向に延びている。また、上壁52は、下壁51と上下方向に間隔を開けて配置されている。
【0043】
第1側壁53は、
図2に示す断面において、上下方向に延びている。第1側壁53の下端は、下壁51の端部に接続されている。第1側壁53の上端は、上壁52の端部に接続されている。また、第1側壁53には、冷却配管62が挿入された2つの挿入口53aが設けられている。2つの挿入口53aは、上下方向に間隔を開けて配置されている。
【0044】
第2側壁54は、第1側壁53と横方向に間隔を開けて配置されている。第2側壁54は、
図2に示す断面において、上下方向に延びている。第1側壁53の下端は、下壁51の端部に接続されている。第1側壁53の上端は、上壁52の端部に接続されている。また、第2側壁54の下部には、入口21と出口22とが設けられている。入口21には、導入配管60が挿入されている。また、出口22には、導出配管61が挿入されている。
【0045】
第1仕切壁55は、冷却部23とドレン分離部24とを空間的に分けている。第1仕切壁55は、第1側壁53と横方向に間隔を開けて配置されている。第1仕切壁55は、
図2に示す断面において、上下方向に延びている。第1仕切壁55の下端は、下壁51と上下方向に間隔を開けて配置されている。第1仕切壁55の上端は、上壁52と接続されている。第1仕切壁55の下端と下壁51との間の空間である連通部55aにより、冷却部23とドレン分離部24とが流体的に接続される。また、第1仕切壁55の上部には、導入配管60が挿入された挿入穴55bが設けられている。挿入穴55bと導入配管60との間にはシール材(図示せず)が設けられており、冷却部23とドレン分離部24とが挿入穴55bを介して流体的に接続しないようになっている。
【0046】
第2仕切壁56は、ドレン分離部24と加熱部25とを空間的に分けている。第2仕切壁56は、第2側壁54と横方向に間隔を開けて配置されている。また、第2仕切壁56は、
図2に示す断面において、上下方向に延びている。第2仕切壁56の下端は、下壁51と接続されている。第2仕切壁56の上端は、上壁52と接続されている。第2仕切壁56の上部には、導入配管60が挿入された挿入穴56aが設けられている。挿入穴56aと導入配管60との間にはシール材(図示せず)が設けられており、ドレン分離部24と加熱部25とが挿入穴56aを介して流体的に接続しないようになっている。また、第2仕切壁56の上部には、ドレン分離部24と加熱部25とを流体的に接続する連通穴56bが設けられている。
【0047】
導入配管60の一端は、圧縮機本体10から吐出された圧縮空気が流れる配管(本実施形態では、
図1に示す配管41又は配管42の熱交換器20よりも上流側の部分)と連結されている。導入配管60の他端は、冷却部23内で開口している。これにより、導入配管60は、圧縮機本体10から吐出された圧縮空気を、冷却部23内に導入している。
【0048】
導入配管60は、第1部分60aと、第2部分60bと、第3部分60cとを備える。
【0049】
第1部分60aは、入口21に挿入されて横方向に延びた部分である。第1部分60aの一端は、圧縮機本体10から吐出された圧縮空気が流れる配管(本実施形態では、
図1に示す配管41又は配管42のうち熱交換器20よりも上流側の部分)と連結されている。第1部分60aの他端(
図2の右側の端部)は、加熱部25内に位置している。圧縮空気は、第1部分60a内を横方向(
図2の左側から右側に向かって)に流れる。
【0050】
第2部分60bは、加熱部25内で上下方向に延びた部分である。第2部分60bの下端は、第1部分60aの他端に接続されている。圧縮空気は、第2部分60b内を下方から上方に向かって流れる。
【0051】
第3部分60cは、加熱部25とドレン分離部24と冷却部23とに跨がるように横方向に延びた部分である。つまり、第3部分60cの一端(
図2の左側の端部)は、加熱部25内に位置しており、第3部分60cの他端(
図2の右側の端部)は、冷却部23内に位置している。また、第3部分60cの一端は、第2部分60bの上端と接続されており、第3部分60cの他端は、冷却部23内で開口している。圧縮空気は、第3部分60c内を横方向(
図2の左側から右側に向かって)に流れる。
【0052】
導出配管61は、出口22に挿入されており、横方向に延びている。導出配管61の一端は、冷却された圧縮空気が流れる配管(本実施形態では、
図1に示す配管41又は配管42のうち熱交換器20よりも下流側の部分)と連結されている。導出配管61の他端(
図2の右側の端部)は、加熱部25内で開口している。これにより、熱交換器20で冷却された圧縮空気は、熱交換器20の下流側に供給される。圧縮空気は、導出配管61内を横方向(
図2の右側から左側に向かって)に流れる。
【0053】
本実施形態の冷却配管62内には、冷却水が流れている。冷却配管62は、冷却部23内に配置され、冷却部23内において上下方向に延びている。冷却水は、冷却水供給源(図示せず)から冷却配管62の一端(
図2の下側の端部)に供給され、冷却配管62内を下方から上方に向かって流れ、冷却配管62の他端(
図2の上側の端部)から流出する。本実施形態の冷却水は、本発明に係る冷却媒体の一例である。
【0054】
冷却部23は、
図2に示す断面において、下壁51と、上壁52と、第1側壁53と、第1仕切壁55とによって画定された空間である。また、本実施形態の冷却部23は、上下方向に延びた空間である。冷却部23には、導入配管60を介して圧縮空気が導入される。冷却部23に導入された圧縮空気は、冷却部23内を上方から下方に流れながら、冷却配管62内を流れる冷却水との間で熱交換をすることで、冷却される。このとき、圧縮空気が冷却されることで、圧縮空気に含まれる水分が凝縮し、ドレンが発生する。
【0055】
ドレン分離部24は、
図2に示す断面において、下壁51と、上壁52と、第1仕切壁55と、第2仕切壁56とによって画定された空間である。また、本実施形態のドレン分離部24は、上下方向に延びた空間である。ドレン分離部24には、下壁51と第1仕切壁55の下端との間の隙間を介して冷却部23からドレンを伴う圧縮空気が導入される。ドレン分離部24に導入された圧縮空気は、ドレン分離部24内を下方から上方に流れる。このとき、ドレンが重力により落下して圧縮空気から分離される。分離されたドレンは、一次ドレン貯留部26に貯められて、一次ドレン排出口51aから排出される。
【0056】
上述したように、圧縮空気は、冷却部23内を上方から下方に流れ、ドレン分離部24内を下方から上方に流れる。つまり、冷却部23内で圧縮空気が流れる向きと、ドレン分離部24内で圧縮空気が流れる向きとは逆である。具体的には、圧縮空気は、冷却部23内を上方から下方へ流れて下壁51と衝突し、その後、横方向(
図2の右側から左側に向かって)に向かって流れて第2仕切壁56と衝突し、ドレン分離部24内を下方から上方に流れる。このように、圧縮空気が下壁51と第2仕切壁56とに衝突することで、圧縮空気に含まれるドレンが分離しやすくなる。
【0057】
本実施形態のドレン分離部24の流路断面積A1は、冷却部23の流路断面積A2と概ね同じである。ドレン分離部24の流路断面積A1は、冷却部23の流路断面積A2の4倍以上6倍以下であると好ましい。ドレン分離部24の流路断面積A1とは、圧縮空気の流れる方向に直交する断面におけるドレン分離部24の開口面積である。同様に、冷却部23の流路断面積A2とは、冷却部23のうち圧縮空気が流れる空気流路の流路断面積であり、圧縮空気の流れる方向に直交する断面における冷却部23の開口面積である。また、本実施形態では、ドレン分離部24の流路断面積A1は、ドレン分離部24内での圧縮空気の流れに沿って概ね一定である。同様に、冷却部23の流路断面積A2は、冷却部23内での圧縮空気の流れに沿って概ね一定である。
【0058】
加熱部25は、
図2に示す断面において、下壁51と、上壁52と、第2側壁54と、第2仕切壁56とによって画定された空間である。また、本実施形態の加熱部25は、上下方向に延びた空間である。加熱部25には、第2仕切壁56の連通穴56bを介してドレン分離部24からドレンが分離された圧縮空気が導入される。加熱部25に導入される圧縮空気は、飽和状態である。加熱部25に導入された圧縮空気は、加熱部25内を上方から下方に流れながら、導入配管60内(特に第2部分60b)を流れる圧縮空気との間で熱交換をすることで、加熱される。一方で、導入配管60内を流れる圧縮空気は冷却される。加熱部25により加熱された圧縮空気は、出口22を介して熱交換器20よりも下流側に供給される。
【0059】
(二次ドレン分離器)
図3は、二次ドレン分離器30の概略構成図である。
【0060】
二次ドレン分離器30は、上側に向かって広がった円錐台形状の本体31と、本体31の上部に設けられた排気管32と、本体31の下部に設けられた二次ドレン貯留部33と、排気管32と二次ドレン貯留部33との間に設けられたパンチングメタル34とを備える。
【0061】
排気管32は、本体31と同軸状に設けられている。本実施形態の本体31の最大直径D2は、排気管32の直径D1の2倍以上3倍以下である。
【0062】
本実施形態のパンチングメタル34は、複数の開口34aが設けられた金属板である。本実施形態のパンチングメタル34は、本発明に係る仕切板の一例である。
【0063】
本体31の上部に設けられた流入口31aから導入された圧縮空気は、本体31と排気管32との間の空間を旋回しながら下方に向かって流れる。圧縮空気が旋回することで圧縮空気が伴うドレンは遠心力により圧縮空気から分離される。ドレンが分離された圧縮空気は、排気管32を介して二次ドレン分離器30よりも下流側に供給される。
【0064】
一方で、圧縮空気から分離されたドレンは、本体31の内周面に沿って下方に向かって流れて、パンチングメタル34の開口34aを介して二次ドレン貯留部33に貯められる。
【0065】
本実施形態の圧縮機1は、以下の機能を有する。
【0066】
圧縮空気が冷却部23で冷却されることで、圧縮空気に含まれる水分が凝縮しドレンが発生する。また、ドレン分離部24においてドレンを含む圧縮空気が上昇することで、ドレンが重力により落下して圧縮空気から分離される。その結果、ドレンが取り除かれた圧縮空気が出口22から流出するので、熱交換器20から流出するドレンを低減できる。
【0067】
冷却部23により冷却された後にドレン分離部24によりドレンが分離された圧縮空気は、飽和状態である。このため、熱交換器20の出口22から流出した圧縮空気が冷やされると(温度低下した場合)、再度ドレンが発生する。これに対して、本実施形態では、圧縮空気が加熱部25により加熱された後に出口22から流出するので、出口22から流出した圧縮空気が冷却された場合であってもドレンの発生を抑制できる。
【0068】
冷却部23により冷却された後にドレン分離部24によりドレンが分離された圧縮空気は、飽和状態である。このため、熱交換器20の出口22から流出した圧縮空気が冷やされると(温度低下した場合)、再度ドレンが発生する。本実施形態では、圧縮空気の流れの熱交換器20の下流においてドレンが発生した場合であっても、二次ドレン分離器30により圧縮空気からドレンが分離される。このため、圧縮空気の流れの二次ドレン分離器30よりも下流側に圧縮空気とともにドレンが流出することを抑制できる。
【0069】
本実施形態では、排気管32と二次ドレン貯留部33との間に複数の開口34aを有するパンチングメタル34が設けられている。このため、二次ドレン貯留部33に貯留されたドレンが、二次ドレン分離器30内に流入した圧縮空気により巻き上げられて排気管32から圧縮空気とともに流出することを抑制できる。一方で、パンチングメタル34に複数の開口34aが設けられているので、圧縮空気から分離されたドレンは、開口34aを通って二次ドレン貯留部33に貯留される。
【0070】
ドレン分離部24において上昇する圧縮空気の流速が遅いほど、ドレンは重力により落下しやすくなるため、圧縮空気からドレンを分離しやすい。本実施形態では、ドレン分離部24の流路断面積A1が冷却部23の流路断面積A2よりも広いため、圧縮空気は、冷却部23からドレン分離部24に流れると減速する。このため、ドレン分離部24において圧縮空気の流速が落ちるので、熱交換器20の出口22から流出するドレンを低減できる。
【0071】
[第2実施形態]
以下、
図4を参照して、第2実施形態に係る熱交換器120を説明する。第2実施形態の圧縮機1は、熱交換器120の構成を除いて、第1実施形態の圧縮機1と同様の構成を有しており、
図1及び
図3を援用する。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成には、同一の参照符号を付して説明される。本実施形態では、
図1に示すインタークーラとしての熱交換器20Aとアフタークーラとしての熱交換器20Bとが、
図4に示す熱交換器120で構成されている。
【0072】
図4は、本実施形態の要部を説明するための図であり、熱交換器120の模式的な縦断面図である。なお、
図4において、実線矢印により圧縮空気の流れが示されており、点線矢印により冷却液(本実施形態では冷却水)の流れが示されている。また、以下の説明において、熱交換器120が設置された状態における上下方向と交差する方向(
図4における左右方向)を横方向という場合がある。
【0073】
図4を参照すると、熱交換器120は、圧縮空気が流入する入口121と、圧縮空気が流出する出口122とを備える。また、熱交換器120は、入口121から流入した圧縮空気と冷却水との間で熱交換をさせて圧縮空気を冷却する気液熱交換部としての冷却部123と、冷却部123を通過した圧縮空気を上昇させて圧縮空気からドレンを分離するドレン分離部124とを備える。さらに、本実施形態の熱交換器120は、入口121から流入した圧縮空気と出口122へ向かって流れる圧縮空気との間で熱交換をさせて出口122から流出する圧縮空気を加熱する加熱部125を備える。言い換えると、熱交換器120は、入口121から流入した圧縮空気と出口122へ向かって流れる圧縮空気との間で熱交換をさせて、入口121から流入した圧縮空気を予冷する予冷部を備えているとも言える。このことから、熱交換器120は、入口121から流入した圧縮空気と出口122へ向かって流れる圧縮空気との間で熱交換する気体熱交換部を備えるものである。
【0074】
本実施形態の熱交換器120は、プレート式熱交換器である。熱交換器120は、複数枚(本実施形態では13枚)のプレート150A~150Mを備える。以下の説明において、プレート150A~150Mのそれぞれを特に区別する必要がない場合、それらのうちの1つを単にプレート150という場合がある。
【0075】
プレート150は、
図4に示す断面において、上下方向に延びている。プレート150A~150Mが横方向に積層されることで、熱交換器120は構成されている。また、プレート150A~150Mには、プレート150Kを除いて、圧縮空気又は冷却液が流れるための空間が設けられている。
【0076】
熱交換器120の上側の側面は、プレート150A~150Mのそれぞれの上端により構成されている。
【0077】
熱交換器120の下側の側面は、プレート150A~150Mのそれぞれの下端により構成されている。プレート150Fの下部には、冷却部123の一部(空気が流れる部分)とドレン分離部124との下部に設けられた一次ドレン貯留部126に溜まったドレンを排出するための一次ドレン排出口151が設けられている。
【0078】
熱交換器120の横方向の一方の側面は、プレート150Aにより構成されている。プレート150Aの下部には、圧縮空気が流入する入口121と圧縮空気が流出する出口122とが設けられている。
【0079】
入口121は、圧縮機本体10から吐出された圧縮空気が流れる配管(本実施形態では、
図1に示す配管41又は配管42の熱交換器20よりも上流側の部分)と流体的に接続されている。これにより、圧縮機本体10から吐出された圧縮空気が、熱交換器120内に導入される。
【0080】
出口122は、冷却された圧縮空気が流れる配管(本実施形態では、
図1に示す配管41又は配管42のうち熱交換器20よりも下流側の部分)と流体的に接続されている。これにより、熱交換器120で冷却された圧縮空気は、熱交換器120の下流側に供給される。
【0081】
熱交換器120の横方向の他方の側面は、プレート150Mにより構成されている。プレート150Mには、冷却水(冷却媒体)が流入する流入口152と、冷却水が流出する流出口153とが設けられている。流入口152と流出口153は、上下方向に間隔を開けて配置されている。流入口152は、流出口153よりも下側に設けられている。
【0082】
本実施形態の熱交換器120内には、空気流路160と、冷却水流路161とが形成されている。
【0083】
空気流路160は、第1部分160aと、第2部分160bと、第3部分160cと、第4部分160dと、第5部分160eとを備える。
【0084】
第1部分160aは、
図4に示す断面において、プレート150A~150Cによって画定された空間である。第1部分160aは、
図4に示す断面において、上下方向に延びている。また、第1部分160aは、入口121と連通している。入口121から流入した圧縮空気は、第1部分160a内を下方から上方に向かって流れる。
【0085】
第2部分160bは、
図4に示す断面において、プレート150I~150Kによって画定された空間である。第2部分160bは、
図4に示す断面において、上下方向に延びている。また、第2部分160bは、プレート150Kを介して冷却水流路161と隣接している。第2部分160bは、第1部分160aと連通している。第1部分160aを通過した圧縮空気は、第2部分160b内を上方から下方に向かって流れる。
【0086】
第3部分160cは、
図4に示す断面において、プレート150G~150Iによって画定された空間である。第3部分160cは、
図4に示す断面において、上下方向に延びている。また、第3部分160cは、プレート150Iの下部に設けられた空間である連通部154により、第2部分160bと流体的に接続されている。第2部分160bを通過した圧縮空気の一部は、連通部154を介して第3部分160cに流入し、第3部分160c内を下方から上方に向かって流れる。
【0087】
第4部分160dは、
図4に示す断面において、プレート150E~150Gによって画定された空間である。第4部分160dは、
図4に示す断面において、上下方向に延びている。また、第4部分160dは、プレート150Gの下部に設けられた空間である連通部155により、第3部分160cと流体的に接続されている。第2部分160bを通過した圧縮空気の一部は、連通部154と連通部155とを介して第4部分160dに流入し、第4部分160d内を下方から上方に向かって流れる。つまり、第2部分160bを通過した圧縮空気は、第3部分160cと第4部分160dとに分岐して流れる。
【0088】
第5部分160eは、
図4に示す断面において、プレート150C~150Eによって画定された空間である。第5部分160eは、
図4に示す断面において、上下方向に延びている。また、第5部分160eは、プレート150Cを介して第1部分160aと隣接している。第5部分160eは、プレート150Eの上部に設けられた空間である連通部156により第4部分160dと流体的に接続されている。また。第5部分160eは、連通部156とプレート150Gの上部に設けられた空間である連通部157とにより第3部分160cと流体的に接続されている。また、第5部分160eは、出口122と連通している。第3部分160cを通過した圧縮空気と第4部分160dを通過した圧縮空気とは、合流して第5部分160eに流入し、第5部分160e内を上方から下方に向かって流れ、出口122から流出する。
【0089】
冷却水流路161内には冷却水が流れている。冷却水流路161は、
図4に示す断面において、プレート150K~150Mによって画定された空間である。冷却水流路161は、
図4において、上下方向に延びている。冷却水は、冷却水供給源(図示せず)から流入口152を介して冷却水流路161の一端(
図4の下側の端部)に供給され、冷却水流路161内を下方から上方に向かって流れ、冷却水流路161の他端(
図4の上側の端部)から流出口153を介して流出する。本実施形態の冷却水は、本発明に係る冷却媒体の一例である。
【0090】
本実施形態の冷却部123は、空気流路160の第2部分160bと、冷却水流路161とにより構成されている。冷却部123では、圧縮空気は、第2部分160b内を上方から下方に流れながら、冷却水流路161内を流れる冷却水との間でプレート150Kを介して熱交換をすることで、冷却される。このとき、圧縮空気が冷却されることで、圧縮空気に含まれる水分が凝縮し、ドレンが発生する。
【0091】
本実施形態のドレン分離部124は、空気流路160の第3部分160cと第4部分160dとにより構成されている。ドレン分離部124には、連通部154を介して冷却部123(より詳細には、空気流路160の第2部分160b)からドレンを伴う圧縮空気が導入される。ドレン分離部124に導入された圧縮空気は、ドレン分離部124内を下方から上方に流れる。このとき、ドレンが重力により落下して圧縮空気から分離される。分離されたドレンは、一次ドレン貯留部126に貯められて、図示しないドレン排出弁を適時に開放することにより一次ドレン排出口151から排出される。
【0092】
上述したように、圧縮空気は、冷却部123(より詳細には、空気流路160の第2部分160b)内を上方から下方に流れ、ドレン分離部124内を下方から上方に流れる。つまり、冷却部123内で圧縮空気が流れる向きと、ドレン分離部124内で圧縮空気が流れる向きとは逆である。具体的には、圧縮空気は、冷却部123(より詳細には、空気流路160の第2部分160b)内を上方から下方へ流れて熱交換器120の下側の側面(より詳細には、プレート150Jの下端)と衝突し、その後、横方向(
図4の右側から左側に向かって)に向かって流れてプレート150Eと衝突し、ドレン分離部124内を下方から上方に流れる。このように、圧縮空気がプレート150Jの下端とプレート150Eとに衝突することで、圧縮空気に含まれるドレンが分離しやすくなる。
【0093】
ドレン分離部124の流路断面積A1は、冷却部123の空気流路(つまり、第2部分160b)の流路断面積A2よりも広い。ドレン分離部124の流路断面積A1は、冷却部123の空気流路の流路断面積A2の4倍以上6倍以下であると好ましい。ドレン分離部124の流路断面積A1とは、圧縮空気の流れる方向に直交する断面におけるドレン分離部124の開口面積である。より具体的には、本実施形態のドレン分離部124の流路断面積A1とは、圧縮空気の流れる方向に直交する断面における第3部分160cの開口面積と第4部分160dの開口面積とを合算したものである。同様に、冷却部123の空気流路の流路断面積A2とは、冷却部123のうち圧縮空気が流れる空気流路の流路断面積であり、圧縮空気の流れる方向に直交する断面における第2部分160bの開口面積である。また、本実施形態では、ドレン分離部124の流路断面積A1は、ドレン分離部124内での圧縮空気の流れに沿って概ね一定である。同様に、冷却部123の空気流路の流路断面積A2は、冷却部123の空気流路内での圧縮空気の流れに沿って概ね一定である。
【0094】
本実施形態の加熱部125は、空気流路160の第1部分160aと第5部分160eとによって構成されている。第5部分160eには、連通部156を介してドレン分離部124からドレンが分離された圧縮空気が導入される。加熱部125の一部を構成する第5部分160eに導入される圧縮空気は、飽和状態である。加熱部125の一部を構成する第5部分160eに導入された圧縮空気は、第5部分160e内を上方から下方に流れながら、第1部分160aを流れる圧縮空気との間で熱交換をすることで、加熱される。一方で、第1部分160a内を流れる圧縮空気は冷却される。加熱部125により加熱された圧縮空気は、出口122を介して熱交換器120よりも下流側に供給される。
【0095】
第2実施形態の圧縮機1は、第1実施形態の圧縮機1と同様の機能を有する。
【0096】
以上より、本発明の具体的な実施形態およびその変形例について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【0097】
上記実施形態の圧縮機1は、1段目圧縮機本体である圧縮機本体10Aと、2段目圧縮機本体である圧縮機本体10Bとからなる2段圧縮機であったが、これに限定されない。つまり、圧縮機1は、1台の圧縮機本体10からなる単段圧縮機であってもよく、3台以上の圧縮機本体10からなる多段圧縮機であってもよい。
【0098】
上記実施形態では、インタークーラとしての熱交換器20Aとアフタークーラとしての熱交換器20Bが同一の構成を有していたが、これに限定されない。つまり、インタークーラ又はアフタークーラのうちのいずれか一方が本発明の熱交換器20であればよい。
【0099】
また、二次ドレン分離器30は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0100】
上記第1実施形態では、圧縮空気の上下方向の流れに対する流路断面積であるドレン分離部24の流路断面積(A1)と冷却部23の空気流路の流路断面積(A2)とは、概ね同じであったが、これに限定されず、同じでなくてもよい。つまり、上記第2実施形態に示すように、ドレン分離部124の流路断面積(A1)と冷却部123の空気流路の流路断面積(A2)とは、互いに異なっていてもよい。この場合、本発明に係るドレン分離部24,124の流路断面積(A1)と冷却部23,123の空気流路の流路断面積(A2)とは、それぞれの流路内での圧縮空気の上下方向の流れに対する最小の流路断面積である。この場合において、ドレン分離部24の最小の流路断面積は、冷却部23内での最小の流路断面積の最大6倍であることが好ましい。なお、熱交換器20の入口21,121から出口22,122に至る空気流路の途中で、ドレン分離部24,124あるいは冷却部23,123の空気流路が複数に分岐するものである場合、最小の流路断面積とは、分岐した空気流路の各流路断面積を合算したものを意味する。
【符号の説明】
【0101】
1 圧縮機
10,10A,10B 圧縮機本体
20,20A,20B 熱交換器
21 入口
22 出口
23 冷却部
24 ドレン分離部
25 加熱部
26 一次ドレン貯留部
30,30A,30B 二次ドレン分離器
31 本体
31a 流入口
32 排気管
33 二次ドレン貯留部
34 パンチングメタル(仕切板)
34a 開口
40,41,42 配管
50 ケーシング
51 下壁
51a 一次ドレン排出口
52 上壁
53 第1側壁
53a 挿入口
54 第2側壁
55 第1仕切壁
55a 連通部
55b 挿入穴
56 第2仕切壁
56a 挿入穴
56b 連通穴
60 導入配管
60a 第1部分
60b 第2部分
60c 第3部分
61 導出配管
62 冷却配管
120 熱交換器
121 入口
122 出口
123 冷却部
124 ドレン分離部
125 加熱部
126 一次ドレン貯留部
150,150A~150M プレート
151 一次ドレン排出口
152 流入口
153 流出口
154 連通部
155 連通部
156 連通部
157 連通部
160 空気流路
160a 第1部分
160b 第2部分
160c 第3部分
160d 第4部分
160e 第5部分
161 冷却水流路