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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】室内機及び空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/22 20060101AFI20241220BHJP
【FI】
F24F1/0007 361F
F24F1/0007 361Z
F24F1/0007 361D
F24F13/22 222
F24F13/22 228
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021130770
(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公開番号】P2023025489
(43)【公開日】2023-02-22
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】中山 優希
(72)【発明者】
【氏名】高波 友浩
(72)【発明者】
【氏名】井壮 啓太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝哉
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-116111(JP,A)
【文献】特開2008-164282(JP,A)
【文献】特開2009-236422(JP,A)
【文献】特開2020-153623(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0208872(US,A1)
【文献】中国実用新案第211575494(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
F24F 1/02
F24F 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器と、
前記熱交換器から滴下するドレン水を貯留するドレンパンと、
前記ドレンパンから前記ドレン水を排出するドレンポンプと、
前記ドレンパンに貯留されている前記ドレン水の水位を検出する水位センサと、
前記ドレンパンに貯留されている前記ドレン水を撹拌する撹拌装置と、
前記水位センサの検出結果に基づいて、前記撹拌装置の駆動を制御する制御装置と、
を備え
前記ドレンパンは、
前記ドレンポンプの吸込口に対向する位置に設けられ、前記ドレン水を貯留させる貯留部と、
前記貯留部と共に前記ドレン水を貯留し、前記ドレン水が前記撹拌装置により循環する循環流路と、
を有し、
前記循環流路は、
前記ドレン水に乱流を発生させる乱流発生部を有している底面と、
前記底面の側部から上方に延びた壁面と、
を有している室内機。
【請求項2】
前記乱流発生部において、前記循環流路に沿って前記底面に垂直な断面形状は、凹凸形状である請求項に記載の室内機。
【請求項3】
前記循環流路は、水平に設けられている請求項又は請求項に記載の室内機。
【請求項4】
前記水位センサ及び前記撹拌装置の少なくとも一方は、前記ドレンパンに対して着脱可能に設けられている請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の室内機。
【請求項5】
前記撹拌装置の設置高さは、前記ドレンポンプの設置高さよりも低い設置高さとなっている請求項1から請求項までの何れか一項に記載の室内機。
【請求項6】
前記制御装置は、前記ドレン水の水位が撹拌開始水位を超えたことを前記水位センサが検出した場合、前記撹拌装置の駆動を開始し、
前記撹拌開始水位は、前記ドレンポンプの駆動が開始される排出開始水位よりも低い水位となっている請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の室内機。
【請求項7】
熱交換器と、
前記熱交換器から滴下するドレン水を貯留するドレンパンと、
前記ドレンパンから前記ドレン水を排出するドレンポンプと、
前記ドレンパンに貯留されている前記ドレン水の水位を検出する水位センサと、
前記ドレンパンに貯留されている前記ドレン水を撹拌する撹拌装置と、
前記水位センサの検出結果に基づいて、前記撹拌装置の駆動を制御する制御装置と、
を備え
前記制御装置は、前記ドレン水の水位が撹拌開始水位を超えたことを前記水位センサが検出した場合、前記撹拌装置の駆動を開始し、
前記撹拌開始水位は、前記ドレンポンプの駆動が開始される排出開始水位よりも低い水位となっている室内機。
【請求項8】
請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の室内機と、
前記室内機と冷媒配管により接続された室外機と、
を備える空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室内機及び空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱交換器と、ドレンパンと、水位センサと、ドレンポンプと、金属体と、を備えている空気調和装置が知られている。ドレンパンには、熱交換器から滴下したドレン水が貯留される。水位センサは、ドレンパンに貯留されたドレン水の水位を検出する。ドレンポンプは、水位センサの検出結果に基づいて、ドレンパンに貯留されたドレン水を吸い込んで吐出する。金属体は、水位センサの電極の近くに配置されている。ドレン水を介して電極から金属体に電流が流れることにより、金属体の金属イオン化が促進される。金属イオンがドレン水中に拡散されることにより抗菌効果が生じている。この結果、ドレン水に雑菌が繁殖することが抑制されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-236422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のような空気調和装置では、ドレン水と共にドレン水中の金属イオンはドレンパンから排出される。よって、経時的に抗菌効果が低下することがある。また、金属体の表面に汚れ等が付着して金属体の表面が被覆されることにより、抗菌効果が低下することがある。このため、ドレン水の雑菌の繁殖を抑制できず、雑菌の代謝物の被膜でドレンパンからドレン水を排出する機能が低下する恐れがある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ドレンパンに貯留させたドレン水をより確実にドレンポンプによって吐出することができる室内機及び空気調和装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る室内機は、熱交換器と、熱交換器から滴下するドレン水を貯留するドレンパンと、ドレンパンからドレン水を排出するドレンポンプと、ドレンパンに貯留されているドレン水の水位を検出する水位センサと、ドレンパンに貯留されているドレン水を撹拌する撹拌装置と、水位センサの検出結果に基づいて、撹拌装置の駆動を制御する制御装置と、を備え、ドレンパンは、ドレンポンプの吸込口に対向する位置に設けられ、ドレン水を貯留させる貯留部と、貯留部と共にドレン水を貯留し、ドレン水が撹拌装置により循環する循環流路と、を有し、循環流路は、ドレン水に乱流を発生させる乱流発生部を有している底面と、底面の側部から上方に延びた壁面と、を有している。
本開示に係る室内機は、熱交換器と、熱交換器から滴下するドレン水を貯留するドレンパンと、ドレンパンからドレン水を排出するドレンポンプと、ドレンパンに貯留されているドレン水の水位を検出する水位センサと、ドレンパンに貯留されているドレン水を撹拌する撹拌装置と、水位センサの検出結果に基づいて、撹拌装置の駆動を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、ドレン水の水位が撹拌開始水位を超えたことを水位センサが検出した場合、撹拌装置の駆動を開始し、撹拌開始水位は、ドレンポンプの駆動が開始される排出開始水位よりも低い水位となっている。
【0007】
また、本開示に係る空気調和装置は、上記の室内機と、上記の室内機と冷媒配管により接続された室外機と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ドレンパンに貯留させたドレン水をより確実にドレンポンプによって吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における空気調和装置の室内機の概略構成図である。
図2図1のドレンパンを上方から俯瞰した俯瞰図である。
図3図1の空気調和装置の機能ブロック図である。
図4図1の室内機に設けられる撹拌装置の制御例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における空気調和装置の室内機の概略構成図である。実施の形態1では、室内の天井に埋め込むことができる天井埋め込み型の室内機について説明する。
【0011】
実施の形態1における室内機は遠心送風機を搭載しているものとする。室内機は、不図示の冷媒配管により不図示の膨張弁及び不図示の室外機と接続されている。室内機及び室外機は、不図示の圧縮機により冷媒配管及び膨張弁を介して冷媒を循環させ、冷凍又は空気調和を行う冷凍サイクルを形成する機能を有している。
【0012】
図1に示すように、空気調和装置の室内機内には、室内熱交換器1と、ドレンパン2と、ドレンポンプ3と、排水管4と、水位センサ5と、撹拌装置6と、水位センサ7と、制御装置10と、が設けられている。室内熱交換器1は、ドレンパン2から上方に向かって設けられている台座部25の上に固定されている。ドレンポンプ3及び水位センサ5は、制御装置10によって制御される。また、撹拌装置6及び水位センサ7も、制御装置10によって制御される。詳細については後述するが、制御装置10は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)から構成されている。
【0013】
空気調和装置は、室内熱交換器1が蒸発器として機能する冷房運転を行う機能を有している。空気調和装置は、冷房運転によってドレンパン2に溜まったドレン水W1を排出する機能を有している。実施の形態1では、ドレン水W1の排出前に関する構成に特徴を有するため、以下では、特徴部分を中心に説明する。
【0014】
なお、実施の形態1における室内熱交換器1は、本開示における熱交換器として機能するものである。
【0015】
ドレンパン2は、室内熱交換器1の下方に設けられている。ドレンパン2は、合成樹脂を材料として用いて成型されたものである。ドレンパン2は、内部にドレン水W1の収容空間を有している。ドレンパン2の収容空間には、貯留部21と、循環流路22とが形成されている。ドレンパン2は、室内熱交換器1から滴下する水を受けてドレン水W1として貯留させることのできる容器である。
【0016】
貯留部21は、ドレンパン2の収容空間において、ドレンポンプ3によるドレン水W1の排出を容易にするために、循環流路22よりも外側の位置に形成されている。また、貯留部21の底面211は、底面211の上方においてドレンポンプ3及び水位センサ5を設置可能な大きさとなっている。また、貯留部21は、ドレン水W1を貯留する機能を有している。循環流路22は、室内熱交換器1に沿って形成されている。循環流路22は、貯留部21と共にドレン水W1を貯留し、ドレン水W1が撹拌装置6により循環する流路である。循環流路22は、ドレンパン2の収容空間において水平に設けられている。循環流路22は、底面221と、壁面222とを有している。底面221は、乱流発生部221aを有している。乱流発生部221aにおいて、循環流路22に沿って底面221に垂直な断面形状は、凹凸形状である。凹凸形状は、図1の一例では、例えば、四角形状である。つまり、底面221には、乱流発生部221aとして図1に示すように複数の突起221a1が設けられている。壁面222は、底面221の側部から上方に延びた面として形成されている。なお、貯留部21の底面211と、循環流路22の底面221とは同一の高さに形成されている、これは、撹拌装置6によりドレン水W1を撹拌させることを前提としているため、貯留部21の底面211を他の箇所より低い位置に設けておく必要がないためである。
【0017】
ドレンポンプ3は、内部に不図示のモータを有している。ドレンポンプ3の下面には、吸込口31が設けられている。ドレンポンプ3の設置位置は、吸込口31の位置が貯留部21内となるように調整されている。また、ドレンポンプ3の側面には吐出口32が設けられている。吐出口32には排水管4が接続されている。
【0018】
ドレンポンプ3は、不図示のモータを駆動させることにより内部に負圧を生じさせ、吸込口31からドレンパン2内の水を吸い込む機能を有している。吸込口31の位置がドレン水W1の吸い込みを開始させるドレン水W1の水位となる位置になるように、ドレンポンプ3の設置位置は調整されている。
【0019】
排水管4は、内部に水の流通が可能な流路を有している。排水管4の一端は、ドレンポンプ3の吐出口32に接続されている。排水管4の他端は、室内機の外部に開放されている。ドレンポンプ3で汲み上げられたドレンパン2内のドレン水W1は、排水管4を介して室内機の外部に排出される。
【0020】
水位センサ5は、ドレンポンプ3の側方に設けられている。水位センサ5は、ドレンパン2内のドレン水W1の水位を検出するセンサである。水位センサ5は、ドレンパン2内のドレンポンプ3付近のドレン水W1の水位を検出可能な構成であればよい。よって、超音波式センサ、光学式センサ等の任意のセンサが水位センサ5として採用可能である。水位センサ5は、検出したドレン水W1の水位の情報を制御装置10に出力する機能を有している。
【0021】
撹拌装置6は、水平方向においてドレンポンプ3と対向し、且つ上下方向において循環流路22と対向する位置に設けられている。撹拌装置6の設置高さは、ドレンポンプ3の設置高さよりも低い設置高さとなっている。撹拌装置6は、軸6aと、軸6aの一方の端部の周囲に取り付けられた多数のフィン6bと、軸6aの他方の端部に設けられた駆動部6cと、を有している。駆動部6cは、制御装置10に接続されている。
【0022】
なお、撹拌装置6の設置高さとは、フィン6bの設置高さのことである。また、ドレンポンプ3の設置高さとは、吸込口31の設置高さのことである。
【0023】
駆動部6cは、制御装置10の制御指令により軸6aを回転駆動可能である。例えば、多数のフィン6bがドレン水W1に浸かっているときに駆動部6cが軸6aを回転させた場合には、多数のフィン6bはドレン水W1を撹拌させることが可能となる。ドレン水W1が多数のフィン6bにより撹拌された場合には、ドレン水W1は、循環流路22を循環することが可能となる。また、ドレン水W1が循環流路22を循環する場合には、乱流発生部221aは、ドレン水W1に乱流を発生させることが可能となる。
【0024】
なお、撹拌装置6の制御の詳細については後述する。
【0025】
水位センサ7は、撹拌装置6の側方に設けられている。水位センサ7は、ドレンパン2内のドレン水W1の水位を検出するセンサである。水位センサ7は、ドレンパン2内の撹拌装置6付近のドレン水W1の水位を検出可能な構成であればよい。よって、超音波式センサ、光学式センサ等の任意のセンサが水位センサ7として採用可能である。水位センサ7は、検出したドレン水W1の水位の情報を制御装置10に出力する機能を有している。
【0026】
なお、実施の形態1における水位センサ7は、本開示における水位センサとして機能するものである。
【0027】
また、撹拌装置6及び水位センサ7の少なくとも一方は、ドレンパン2に対して着脱可能に設けられている。
【0028】
図2は、図1のドレンパン2を上方から俯瞰した俯瞰図である。図2に示すように、ドレンパン2の中央部には、本体空気吸込口23が設けられている。本体空気吸込口23は貫通穴である。本体空気吸込口23の縁には不図示のベルマウスが設けられている。ベルマウスの上方には不図示の遠心送風機が設けられている。よって、台座部25の上に設けられている室内熱交換器1は、不図示の遠心送風機を囲むように設置されている。また、循環流路22と、ドレンパン2の外縁部との間には、4つの本体吹出口24が設けられている。
【0029】
従って、室内機は、遠心送風機が駆動することにより、内部に負圧を生じさせる機能を有している。また、室内機は、ベルマウス及び遠心送風機を経て室内機の内部に流入した空気を、室内熱交換器1で熱交換させる機能を有している。また、室内機は、室内熱交換器1で熱交換された空気を、4つの本体吹出口24により四方向から室内に吹き出させる機能を有している。
【0030】
また、上記で説明したが、図2からも明らかなように、貯留部21は、循環流路22の外側に循環流路22と一体的に形成されている。このような配置構成により、貯留部21の上方に設置されたドレンポンプ3によりドレン水W1の排出が容易となる。また、貯留部21の底面211は、循環流路22の底面221と同じ深さを有している。なお、図2においては、図1に記載のドレンポンプ3、撹拌装置6、室内熱交換器1等の記載を省略しているが、図2のB-B線に沿ったドレンパン2の断面を示したものが図1のドレンパン2に相当する。
【0031】
図3は、図1の空気調和装置の機能ブロック図である。図3に示すように、制御装置10は、制御部11と、記憶部13とを備えている。制御装置10には、ドレンポンプ3、水位センサ5、撹拌装置6、水位センサ7等が接続されている。なお、図示を省略するが、制御装置10には、圧縮機、膨張弁、遠心送風機及び室外ファンが接続されている。室外ファンは、不図示の室外機に設けられている。制御装置10は、圧縮機、膨張弁、遠心送風機及び室外ファンを制御することにより、冷凍又は空気調和を行うことが可能である。
【0032】
記憶部13には、撹拌装置6の駆動を開始させる契機となる撹拌開始水位に相当するデータが記憶されている。また、記憶部13には、ドレンポンプ3の駆動を開始させる契機となる排出開始水位に相当するデータが記憶されている。撹拌開始水位は、排出開始水位よりも低い水位に設定されている。
【0033】
制御部11は、水位センサ7の検出結果と、撹拌開始水位に相当するデータとを比較し、水位センサ7の検出結果が撹拌開始水位に相当するデータを超えた場合、ドレン水W1の水位が撹拌開始水位を超えたことを水位センサ7が検出したと判定する。この場合、制御部11は、撹拌装置6の駆動を開始させる。
【0034】
また、制御部11は、水位センサ7の検出結果が撹拌開始水位に相当するデータ未満であって、撹拌装置6が駆動している場合、撹拌装置6の駆動を停止させる。また、制御部11は、水位センサ7の検出結果が撹拌開始水位に相当するデータ未満であって、撹拌装置6が駆動していない場合、撹拌装置6の駆動停止状態を継続させる。
【0035】
また、制御部11は、水位センサ5の検出結果と、排出開始水位に相当するデータとを比較し、水位センサ5の検出結果が排出開始水位に相当するデータを超えた場合、ドレン水W1の水位が排出開始水位を超えたことを水位センサ5が検出したと判定する。この場合、制御部11は、ドレンポンプ3の駆動を開始させる。
【0036】
また、制御装置10は、水位センサ5の検出結果が排出開始水位に相当するデータ未満であって、ドレンポンプ3が駆動している場合、ドレンポンプ3の駆動を停止させる。また、制御部11は、水位センサ5の検出結果が排出開始水位に相当するデータ未満であって、ドレンポンプ3が駆動していない場合、ドレンポンプ3の駆動停止状態を継続させる。
【0037】
換言すれば、制御部11は、空気調和装置において冷凍又は空気調和を行っている間、水位センサ5の検出結果に基づいてドレンポンプ3を動作させることにより、ドレンパン2に溜まったドレン水W1を排出させる制御を行う機能を有している。
【0038】
また、制御部11は、空気調和装置において冷凍又は空気調和を行っている間、水位センサ7の検出結果に基づいて撹拌装置6を動作させることにより、ドレンパン2に溜まったドレン水W1を撹拌させる制御を行う機能を有している。
【0039】
次に、制御部11による撹拌装置6の制御例について図4を用いて説明する。
【0040】
図4は、図1の室内機に設けられる撹拌装置6の制御例を説明するフローチャートである。なお、図4のフローチャートは、空気調和装置が冷凍又は空気調和を開始したときに呼び出される処理であり、空気調和装置が冷凍又は空気調和を終了したときに終了する処理である。換言すれば、空気調和装置において冷凍又は空気調和を行っている間、図4のフローチャートの処理は常駐処理として実行が継続される。
【0041】
ステップS1において、制御装置10は、ドレン水W1の水位が撹拌開始水位を超えたか否かを判定する。ドレン水W1の水位が撹拌開始水位を超えたと制御装置10によって判定された場合、ステップS1の処理は、ステップS2の処理に進む。ステップS2において、制御装置10は、撹拌装置6の駆動を開始させる。次に、ステップS2の処理は、ステップS5の処理に進む。
【0042】
一方、ステップS1において、ドレン水W1の水位が撹拌開始水位未満であると制御装置10によって判定された場合、ステップS1の処理は、S3の処理に移行する。
【0043】
ステップS3において、制御装置10は、撹拌装置6が駆動しているか否かを判定する。撹拌装置6が駆動していると制御装置10によって判定された場合、ステップS3の処理は、ステップS4の処理に進む。ステップS4において、制御装置10は、撹拌装置6の駆動を停止させる。次に、ステップS4の処理は、ステップS1の処理に戻る。
【0044】
一方、ステップS3において、撹拌装置6が駆動していないと制御装置10によって判定された場合、ステップS3の処理は、ステップS1の処理に戻る。
【0045】
ステップS5において、制御装置10は、ドレン水W1の水位が排出開始水位を超えたか否かを判定する。ドレン水W1の水位が排出開始水位を超えたと制御装置10によって判定された場合、ステップS5の処理は、ステップS6の処理に進む。ステップS6において、制御装置10は、ドレンポンプ3の駆動を開始させる。次に、ステップS6の処理は、ステップS5の処理に戻る。
【0046】
一方、ステップS5において、ドレン水W1の水位が排出開始水位を超えていないと制御装置10によって判定された場合、ステップS5の処理は、ステップS7の処理に進む。ステップS7において、制御装置10は、ドレンポンプ3が駆動しているか否かを判定する。ドレンポンプ3が駆動していると制御装置10によって判定された場合、ステップS7の処理は、ステップS8の処理に進む。ステップS8において、制御装置10は、ドレンポンプ3の駆動を停止させる。次に、ステップS8の処理は、ステップS1の処理に戻る。
【0047】
一方、ステップS7において、ドレンポンプ3が駆動していないと制御装置10によって判定された場合、ステップS7の処理は、ステップS5の処理に戻る。
【0048】
上記の一連の処理において、撹拌装置6の駆動が開始されると、循環流路22内に貯留されているドレン水W1は、循環流路22内において循環を開始する。ドレン水W1が循環流路22内を循環すると、ドレン水W1は乱流発生部221aに衝突する。よって、乱流発生部221aには、ドレン水W1の乱流が発生する。ドレン水W1の乱流は、時間的及び空間的に不規則であるため、ドレン水W1に含まれる雑菌同士の結びつきを弱めさせる。この結果、ドレン水W1の雑菌の繁殖を抑制できるため、雑菌の代謝物の被膜の発生を抑制できる。これにより、ドレンパン2の貯留させたドレン水W1をより確実にドレンポンプ3によって吐出することができる。
【0049】
以上の説明によれば、実施の形態1において、制御装置10は、水位センサ7の検出結果に基づいて、撹拌装置6の駆動を制御する。よって、ドレンパン2の貯留されているドレン水W1は、撹拌される。従って、撹拌装置6は、ドレン水W1に含まれる雑菌の繁殖を抑制させることができる。これにより、雑菌の代謝物の被膜として例えばスライム又はバイオフィルムの異物がドレン水W1に発生するのを抑制できるため、ドレンパン2の貯留させたドレン水W1をより確実にドレンポンプ3によって吐出することができる。
【0050】
また、実施の形態1において、循環流路22の底面221には、ドレン水W1に乱流を発生させる乱流発生部221aが設けられている。よって、循環流路22を循環するドレン水W1は、乱流発生部221aにより乱流が形成される。従って、乱流発生部221aは、ドレン水W1に含まれる雑菌同士の結びつきを弱めさせる。これにより、雑菌の代謝物の被膜として例えばスライム又はバイオフィルムの異物がドレン水W1に発生するのを抑制することができる。
【0051】
また、実施の形態1において、乱流発生部221aにおいて、循環流路22に沿って底面221に垂直な断面形状は、凹凸形状であるため、循環流路22全体に渡って乱流を発生させることができる。従って、雑菌の代謝物の被膜として例えばドレン水W1にスライム又はバイオフィルムの異物が発生するのを顕著に抑制することができる。
【0052】
また、実施の形態1において、循環流路22は水平に設けられているため、ドレン水W1は、循環流路22を循環するのが容易になる。従って、雑菌の代謝物の被膜として例えばドレン水W1にスライム又はバイオフィルムの異物が発生するのを特に顕著に抑制することができる。
【0053】
また、実施の形態1において、水位センサ7及び撹拌装置6の少なくとも一方がドレンパン2に対して着脱可能に設けられているため、水位センサ7及び撹拌装置6の少なくとも一方をドレンパン2に後付けで設けることができる。従って、水位センサ7及び撹拌装置6の少なくとも一方を必要なときだけ設けることができる。
【0054】
また、実施の形態1において、撹拌装置6の設置高さは、ドレンポンプ3の設置高さよりも低い設置高さとなっているため、ドレンポンプ3によるドレン水W1の吐出を開始させる前にドレン水W1を撹拌させることができる。よって、ドレン水W1の吐出を開始するときには、ドレン水W1が撹拌されている状態となっている。従って、ドレンポンプ3によるドレン水W1の吐出時、スライム又はバイオフィルムの異物の混入を回避することができる。
【0055】
また、実施の形態1において、撹拌開始水位は、ドレン水W1の排出開始水位よりも低いため、ドレン水W1を撹拌できるドレン水W1がドレンパン2に溜まっている状態でドレン水W1の撹拌を開始させることができる。従って、乱流を発生させやすくなり、スライム又はバイオフィルムの異物の発生を極めて顕著に抑制することができる。
【0056】
また、実施の形態1において、撹拌装置6が設けられている室内機と、室外機とを備える空気調和装置により冷凍又は空気調和を行う。従って、スライム又はバイオフィルムの異物の発生を抑制しつつ、冷凍又は空気調和を行うことができる。
【0057】
なお、実施の形態1では、乱流発生部221aにおいて、循環流路22に沿って底面221に垂直な断面形状が四角形状である一例が記載されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、循環流路22に沿って底面221に垂直な断面形状は、三角形状又は半円形状であってもよい。要するに、乱流発生部221aは、ドレン水W1に乱流を発生させる構成であればよいため、例えば、循環流路22を流れるドレン水W1の進行を妨げる障害物として構成されていればよい。
【0058】
また、実施の形態1では、貯留部21の底面211と、循環流路22の底面221とが同一の高さに形成されている一例が記載されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、貯留部21の底面211が、循環流路22の底面221よりも低い位置に形成されていてもよい。
【0059】
また、実施の形態1では、ドレンポンプ3の駆動開始判定用に水位センサ5を設け、撹拌装置6の駆動開始判定用に水位センサ7を設ける一例が記載されているが、特にこれに限定されるものではない。ドレン水W1の水位を検出可能なセンサを1つ設け、制御装置10は、そのセンサの検出結果に基づいてドレンポンプ3及び撹拌装置6の駆動を開始させるか否かを判定してもよい。この場合には、センサの設置場所に応じて、撹拌装置6周辺のドレン水W1の水位と、ドレンポンプ3周辺のドレン水W1の水位とが正確に検出できるように、適宜ゼロ位調整がされていればよい。
【符号の説明】
【0060】
1 室内熱交換器、2 ドレンパン、3 ドレンポンプ、4 排水管、5 水位センサ、6 撹拌装置、6a 軸、6b フィン、6c 駆動部、7 水位センサ、10 制御装置、11 制御部、13 記憶部、21 貯留部、22 循環流路、23 本体空気吸込口、24 本体吹出口、25 台座部、31 吸込口、32 吐出口、211 底面、221 底面、221a 乱流発生部、221a1 突起、222 壁面、W1 ドレン水。
図1
図2
図3
図4