(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】超音波検査方法、超音波検査装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 29/06 20060101AFI20241220BHJP
G01N 29/48 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
G01N29/06
G01N29/48
(21)【出願番号】P 2021140095
(22)【出願日】2021-08-30
【審査請求日】2024-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 恭平
(72)【発明者】
【氏名】浦田 幹康
(72)【発明者】
【氏名】天野 裕維
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-309564(JP,A)
【文献】特開2021-103100(JP,A)
【文献】国際公開第2013/161834(WO,A1)
【文献】特開2017-198459(JP,A)
【文献】特開平05-113378(JP,A)
【文献】特開2021-032754(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0231291(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00 - G01N 29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
探触子から複数の層が積層された検査対象物へと超音波信号を送信し、前記検査対象物から反射した超音波信号を前記探触子で受信して、前記検査対象物をスキャンしたデータを収集するステップと、
前記探触子で送受信された超音波信号について、前記層の境界の位置に基づいて、層間で反射して、受信した多重反射波のそれぞれの反射回数の検出結果を抽出するステップと、
異なる反射回数の検出結果を比較した結果に基づいて、画像を描画するステップと、
前記画像内で、前記検査対象物の前記境界を形成する2つの層の欠陥を評価するステップと、を備え、
前記画像を描画するステップは、反射回数が基準回数の信号の強度に基づいて、スキャンした各位置の信号値を正規化し、
前記欠陥を評価するステップは、基準回数の信号の強度に基づいて規格化した、評価対象の反射回数の信号の強度を各位置で比較して、欠陥を評価し、
前記基準回数は、評価対象の反射回数よりも、反射の回数が少ない超音波検査方法。
【請求項2】
前記欠陥を評価するステップは、前記検査対象物の表面に平行な面における前記欠陥の領域を検出する請求項1に記載の超音波検査方法。
【請求項3】
前記欠陥を評価するステップは、前記欠陥の外縁に基づいて前記欠陥の大きさを検出する請求項1または請求項2に記載の超音波検査方法。
【請求項4】
前記欠陥を評価するステップは、基準の反射回数の強度に対して強度の平均値が所定の値となる反射回数を、評価対象の反射回数とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の超音波検査方法。
【請求項5】
前記欠陥を評価するステップは、受信した信号に基づいて、多重反射した超音波の反射の経路を分離し、各径路の反射の強度を比較することで、2つの層における欠陥の位置、欠陥の状態を評価する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の超音波検査方法。
【請求項6】
前記画像は、前記検査対象物の表面に直交する方向の断面であり、前記反射回数が大きい反射信号が、鉛直方向下側に表示される画像である請求項
1から請求項5のいずれか一項に記載の超音波検査方法。
【請求項7】
前記画像は、前記検査対象物の表面に平行な面であり、反射回数が
評価対象の反射回数の反射波の出力に基づいた画像である請求項
1から請求項5のいずれか一項に記載の超音波検査方法。
【請求項8】
前記画像を描画するステップは、検査対象物の形状情報、各層の積層の情報に基づいて、検出した超音波信号の多重反射の情報を加工する請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載の超音波検査方法。
【請求項9】
前記検査対象物は、前記探触子と接触する表面の層となる第1層と、前記第1層に積層された第2層と、前記第1層と前記第2層とを接着する接着層と、を備え、
前記層の境界は、前記第1層と前記接着層との境界である請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載の超音波検査方法。
【請求項10】
前記探触子が、複数並列に配置され、
前記データを収集するステップは、複数の前記探触子の配列方向に交差する方向にスキャンさせる請求項1から請求項
9のいずれか一項に記載の超音波検査方法。
【請求項11】
複数の層が積層された検査対象物へと超音波信号を送信し、前記検査対象物から反射した超音波信号を受信する探触子と、
前記探触子を用いて、前記検査対象物を超音波信号でスキャンしたデータを収集し、収集した超音波信号のデータを処理して合成する演算処理部と、を備え、
前記演算処理部は、
前記探触子で送受信された超音波信号について、前記層の境界の位置に基づいて、層間で反射して、受信した多重反射波のそれぞれの反射回数の検出結果を抽出し、
異なる反射回数の検出結果を比較し、
反射回数が基準回数の信号の強度に基づいて、スキャンした各位置の信号値を正規化した結果に基づいて、画像を描画し、
基準回数の信号の強度に基づいて規格化した、評価対象の反射回数の信号の強度を各位置で比較した前記画像内で、前記検査対象物の前記境界を形成する2つの層の欠陥を評価し、
前記基準回数は、評価対象の反射回数よりも、反射の回数が少ない超音波検査装置。
【請求項12】
探触子から複数の層が積層された検査対象物へと超音波信号を送信し、前記検査対象物から反射した超音波信号を前記探触子で受信して、前記検査対象物をスキャンしたデータを収集するステップと、
前記探触子で送受信された超音波信号について、前記層の境界の位置に基づいて、層間で反射して、受信した多重反射波のそれぞれの反射回数の検出結果を抽出するステップと、
異なる反射回数の検出結果を比較した結果に基づいて、画像を描画するステップと、
前記画像内で、前記検査対象物の前記境界を形成する2つの層の欠陥を評価するステップと、
含み、
前記画像を描画するステップは、反射回数が基準回数の信号の強度に基づいて、スキャンした各位置の信号値を正規化し、
前記欠陥を評価するステップは、基準回数の信号の強度に基づいて規格化した、評価対象の反射回数の信号の強度を各位置で比較して、欠陥を評価し、
前記基準回数は、評価対象の反射回数よりも、反射の回数が少ない
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波検査方法、超音波検査装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波信号により検査対象物をスキャンし、検査対象物の内部欠陥を探傷する検査手法に関する技術が知られている。検査対象物として、複数の層が積層された積層構造物を対象とする場合がある。例えば、特許文献1には、複数の部材が積層した積層体の一側に配置した探触子から超音波を入射すると共に多重反射波を受信し、受信した多重反射波を評価することにより層間剥離の有無を検査する積層体の剥離検査方法が開示されている。特許文献1では、予め健全な積層体の検査を行い、その結果と対象の積層体の検査の結果とを比較することで、対象の積層体の剥離等の欠陥を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、健全な積層体の検査結果に基づいて、評価を行うことで、積層構造の検査対象物の欠陥を検出することができる。しかしながら、検査対象物は、製造誤差等で健全な積層体と厚みや構造が異なる場合がある。また、検査対象物が変わるごとに健全な積層体を用いて基準となる情報を取得する必要があり、検査に手間がかかる。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、積層構造の検査対象物の検査を効率よくかつ高い精度で行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の超音波検査方法は、探触子から複数の層が積層された検査対象物へと超音波信号を送信し、前記検査対象物から反射した超音波信号を前記探触子で受信して、前記検査対象物をスキャンしたデータを収集するステップと、前記探触子で送受信された超音波信号について、前記層の境界の位置に基づいて、層間で反射して、受信した多重反射波のそれぞれの反射回数の検出結果を抽出するステップと、異なる反射回数の検出結果を比較した結果に基づいて、画像を描画するステップと、前記画像内で、前記検査対象物の前記境界を形成する2つの層の欠陥を評価するステップと、を備える。
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の超音波検査装置は、複数の層が積層された検査対象物へと超音波信号を送信し、前記検査対象物から反射した超音波信号を受信する探触子と、前記探触子を用いて、前記検査対象物を超音波信号でスキャンしたデータを収集し、収集した超音波信号のデータを処理して合成する演算処理部と、を備え、前記演算処理部は、前記探触子で送受信された超音波信号について、前記層の境界の位置に基づいて、層間で反射して、受信した多重反射波のそれぞれの反射回数の検出結果を抽出し、異なる反射回数の検出結果を比較した結果に基づいて、画像を描画し、前記画像内で、前記検査対象物の前記境界を形成する2つの層の欠陥を評価する。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示のプログラムは、探触子から複数の層が積層された検査対象物へと超音波信号を送信し、前記検査対象物から反射した超音波信号を前記探触子で受信して、前記検査対象物をスキャンしたデータを収集するステップと、前記探触子で送受信された超音波信号について、前記層の境界の位置に基づいて、層間で反射して、受信した多重反射波のそれぞれの反射回数の検出結果を抽出するステップと、異なる反射回数の検出結果を比較した結果に基づいて、画像を描画するステップと、前記画像内で、前記検査対象物の前記境界を形成する2つの層の欠陥を評価するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、積層構造の検査対象物の検査を効率よくかつ高い精度で行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる超音波検査装置の概略構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる超音波検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、プローブの他の例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる超音波検査方法の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、超音波検査方法のデータ収集ステップの処理の一例を説明する模式図である。
【
図6】
図6は、超音波検査方法のデータ収集ステップの処理の一例を説明する模式図である。
【
図7】
図7は、プローブが受信する信号を説明するための模式図である。
【
図8】
図8は、検査対象物の健全な位置で受信する信号の強度を示すグラフである。
【
図9】
図9は、検査対象物の欠陥がある位置で受信する信号の強度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる超音波検査方法、超音波検査装置およびプログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
図1は、実施形態にかかる超音波検査装置の概略構成を示す模式図である。
図2は、実施形態にかかる超音波検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施形態において、検査対象物8は、積層構造体ある。検査対象物8は、第1層50と、第2層52と、接着層54と、を含む。第1層50は、検査対象物8の表面に配置された部材である。第2層52は、第1層50に積層された部材である。第1層50、第2層52は、超音波を透過する種々の材料で形成することができる。第1層50、第2層52は、金属、セラミックス等で形成することができる。本実施形態の第1層50、第2層52は、厚みが一定の部材である。なお、第1層50、第2層52は、位置に応じて、厚みが変化する構造でもよい。接着層54は、第1層50と第2層52との間に配置され、第1層50と第2層52とを結合させる。本実施形態の超音波探査装置10は、検査対象物8の欠陥56の位置や大きさを検出する。欠陥56は、接着層54にある接着不良の領域である。欠陥56は、空気が介在している領域や、接着層54以外の材料が混入した領域である。
【0014】
本実施形態の検査対象物8は、第1層50と、第2層52と、接着層54と、を含む構造とし、接着層54の欠陥56を検出する場合として説明するが、これに限定されない。検査対象物8は、第2層52の第1層50とは反対側に別の層が配置されていてもよい。また、検査対象の位置を第2層52と別の層の境界としてもよい。また、本実施形態では接着層54で層を結合したが、第1層50と第2層52とが直接接合していてもよい。
【0015】
(超音波検査装置)
超音波検査装置100は、検査対象物の内部欠陥を検出する(探傷する)ための検査装置(探傷装置)である。本実施形態において、超音波検査装置100は、検査対象物8の第1層50と第2層52との間の欠陥、より具体的には接着層54の欠陥を検出する。本実施形態にかかる超音波検査装置100は、
図1に示すように、探傷器10と、計算部20と、操作・表示部30とを備える。
【0016】
(探傷器)
探傷器10は、プローブ11と、パルサー(振動子)12と、レシーバー13と、データ記憶部14と、制御素子切替部15と、を有する。プローブ11は、1つの探触子110を有する。探触子110は、発信器としてのパルサー12および受信器としてのレシーバー13に接続されている。探触子110は、
図2の白抜き矢印に示すように、パルサー12から発信される超音波信号Sを検査対象物8へと送信する。また、探触子110は、検査対象物8から反射してきた超音波信号Sを受信して、レシーバー13へと送る。レシーバー13へと送られた超音波信号Sは、データ記憶部14で記憶される。制御素子切替部15は、パルサー12とレシーバーの発振タイミング、受信タイミング等を制御する。
【0017】
ここで、
図3は、プローブの他の例を示す模式図である。プローブは、複数の探触子を備えていてもよい。
図3に示すプローブ11aは、複数(N個)の探触子110を有する。
図3に示す複数の探触子110は、リニアアレイ型に配置される。i番目(iは、1からNまでの整数)の探触子110を探触子110iと称する。各探触子110は、発信器としてのパルサー12および受信器としてのレシーバー13に接続されている。各探触子110は、
図1の白抜き矢印に示すように、パルサー12から発信される超音波信号Sを検査対象物8へと送信する。また、各探触子110は、検査対象物8から反射してきた超音波信号Sを受信して、レシーバー13へと送る。レシーバー13へと送られた超音波信号Sは、データ記憶部14で記憶される。制御素子切替部15は、後述する計算部20の制御部21からの指示に従って、複数の探触子110のうち、パルサー12からの超音波信号Sを発信させる探触子110を切り替えてもよい。
【0018】
(計算部)
計算部20は、本実施形態において、探傷器10とは別体に設けられ、探傷器10に接続された演算処理装置である。計算部20は、例えば外部接続のパーソナルコンピュータである。なお、計算部20は、探傷器10と一体に設けられてもよい。計算部20は、制御部21と、記憶部22と、第一演算処理部23と、第二演算処理部24とを有する。
【0019】
(制御部)
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。制御部21は、探傷器10の制御素子切替部15と、記憶部22と、第二演算処理部24と、後述する操作・表示部30の検査条件設定部32に接続されている。制御部21は、記憶部22に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。より詳細には、制御部21は、検査条件設定部32から、ユーザーにより設定される検査条件の情報を取得する。制御部21は、取得した検査条件の情報に基づいて、制御素子切替部15を制御して、プローブ11の探触子110から順次、検査対象物8へと超音波信号Sを発信させ、検査対象物8から反射した超音波信号Sのデータ収集を行う。制御部21は、データ収集が終了すると、第二演算処理部24へと、収集したデータの各種処理の実行を命令する。
【0020】
(記憶部)
記憶部22は、超音波検査装置100における各種処理に要するデータ(プログラム)を記憶する。記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。記憶部22は、探傷器10のデータ記憶部14と、第一演算処理部23と、第二演算処理部24とに接続されている。記憶部22は、超音波信号Sのデータをデータ記憶部14から受信して記憶する。記憶部22は、記憶した超音波信号Sのデータを第一演算処理部23および第二演算処理部24の要請に応じて、これらに送信する。
【0021】
(第一演算処理部)
第一演算処理部23は、例えばCPUにより構成された演算処理装置である。第一演算処理部23は、記憶部22と、第二演算処理部24と、操作・表示部30の計算条件設定部33と、計算結果表示部31とに接続されている。第一演算処理部23は、記憶部22に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。第一演算処理部23は、計算条件設定部33から検査条件に基づいて設定される計算条件の情報を取得する。第一演算処理部23は、取得した計算条件を第二演算処理部24に送信する。また、第一演算処理部23は、第二演算処理部24で計算された結果を計算結果表示部31に送信する。
【0022】
(第二演算処理部)
第二演算処理部24は、GPU(Graphics Processing Unit)により構成された演算処理装置である。第二演算処理部24は、制御部21と、記憶部22と、第一演算処理部23とに接続されている。本実施形態において、第二演算処理部24は、いわゆるGPGPUにより、GPUを用いて画像作成処理以外の処理も行う。それにより、計算速度を向上させることができる。GPUは、少なくとも一つ必要であるが、複数のGPUを並列して使用することも可能である。第二演算処理部24は、記憶部22から、超音波信号Sのデータを受信する。第二演算処理部24は、制御部21からの命令および第一演算処理部23からの計算条件の情報に応じて、超音波信号Sのデータ、すなわち検査対象物8をスキャンしたデータを処理し、検査対象物8の内部を描画した計算結果を作成する。
【0023】
(操作・表示部)
操作・表示部30は、検査結果を表示するための表示機能と、ユーザーインターフェースとしての入力操作機能とを兼ね備えた装置である。操作・表示部30は、例えばタッチパネル式のディスプレイを用いることができる。操作・表示部30は、本実施形態において、探傷器10とは別体に設けられ、計算部20に接続されている。なお、操作・表示部30は、探傷器10と一体に設けられてもよい。また、操作・表示部30は、タッチパネル式のディスプレイに限られず、検査結果を表示するための表示機能と、ユーザーインターフェースとしての操作機能とを別体に設けるものであってもよい。
【0024】
操作・表示部30は、
図2に示すように、計算結果表示部31と、検査条件設定部32と、計算条件設定部33とを有する。計算結果表示部31は、計算部20の第一演算処理部23に接続されている。計算結果表示部31は、第二演算処理部24により計算されて第一演算処理部23から受信した計算結果、すなわち検査対象物8の内部の描画結果をユーザーに対して表示する。
【0025】
検査条件設定部32は、ユーザーが検査条件を設定するユーザーインターフェースである。検査条件は、例えば、プローブの構成、検波の周波数、プローブの移動条件、位置情報といった情報を含む。また、検査条件は、例えば、検査対象物8の積層構造、材料、厚み、検査対象の層といった情報を含む。
【0026】
計算条件設定部33は、ユーザーから入力された検査条件に基づいて、計算条件を設定し、計算部20の第一演算処理部23へと送信する。計算条件は、上記検査条件の情報に応じて第二演算処理部24で演算処理を行う際に必要となる各種条件である。
【0027】
(超音波検査方法)
次に実施形態にかかる超音波検査方法の処理手順について説明する。
図4は、実施形態にかかる超音波検査方法の処理手順を示すフローチャートである。
図4に示す処理手順は、計算部20の制御部21、第一演算処理部23および第二演算処理部24が記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより行われる。
図4に示す処理手順は、探傷器10を検査対象物8の所定位置に位置決めした状態で実行される。
【0028】
計算部20は、ステップS12として、制御部21によりデータ収集ステップ(データ収集処理)を実行する。データ収集ステップは、検査対象物8を超音波信号でスキャンするステップである。
【0029】
図5は、超音波検査方法のデータ収集ステップの処理の一例を説明する模式図である。検査対象物8は、厚み方向(積層方向)をZ方向とし、第1層の表面に平行は面の一方向をX方向、X方向に直交する方向をY方向とする。ステップS10では、
図5に示すように、プローブ11を、ルート120に沿って移動させつつ、スキャンを行う。具体的には、X方向に移動させつつ、各位置で超音波信号のスキャナを行い、所定範囲移動させたらY方向に一定距離移動して、折り返して、X方向に移動させつつ、各位置で超音波信号のスキャナを行う。このように第1層の表面で、XY平面にプローブ11を走査させつつ、スキャンを行い、各位置で反射した超音波信号を受信する。ここで、プローブ11は、計測時は計測位置で固定し、計測位置での計測が完了したら、次の位置に移動して固定して計測を行う。
【0030】
図6は、超音波検査方法のデータ収集ステップの処理の一例を説明する模式図である。
図6に示すように、プローブ11aのように、複数の探触子110が一方向にリニア配列されている場合は、配列方向に直交する方向のルート122で移動させつつ、スキャンを行う。
【0031】
なお、本実施形態の超音波検査方法では、1つの探触子が自機のパルサーから出力した超音波を自機のパルサーで受信する場合として説明するが、1つの探触子のパルサーから出力した超音波を他の探触子のパルサーで受信するようにしてもよい。また、探触子を移動させつつ、超音波の発振と受信を行うようにしてもよい。この場合、探触子の距離、探触子の移動に基づいて、受信した信号のタイミング、強度を補正することで、探傷している位置を特定できる。
【0032】
次に、計算部20は、ステップS14として、第二演算処理部24により、受信信号加工ステップを実行する。
図7は、プローブが受信する信号を説明するための模式図である。
【0033】
ここで、プローブ11から検査対象物8に入射された超音波信号は、検査対象物8の境界で反射する。例えば、超音波信号は、第1層50と接着層54の境界で反射してプローブ11に入射する信号130と、第1層50と接着層54の境界で反射して、第1層50と表面との境界で反射して、第1層50と接着層54の境界で再度反射して、プローブ11に入射する信号132とがある。ここで、
図7では、信号130、132を往復回数がわかるようにするため、鉛直方向に対して角度を設けて示しているが、第1層50の表面に対して垂直に入射した超音波は、同じ経路を通過してプローブ11に到達する。また、
図7では、1回反射した信号130と、2回反射した信号132とを示すが、プローブから検査対象物8に入射された超音波信号は、各境界を多数回反射する。さらに、プローブから検査対象物8に入射された超音波信号は、第2層52と接着層54との境界で反射する成分や、第2層52と接着層54との境界で反射し、その後、接着層54と第1層50の境界で、第2層52側に反射する、つまり接着層54内で反射する成分もある。
【0034】
プローブ11のレシーバー13は、反射回数が異なり、検査対象物8の中の移動距離が異なるそれぞれの反射回数の超音波信号が、パルサー12から超音波を出射してから移動速度と移動距離に応じた時間ごとに検出される。
図8は、検査対象物の健全な位置で受信する信号の強度を示すグラフである。
図9は、検査対象物の欠陥がある位置で受信する信号の強度を示すグラフである。
図8及び
図9は、横軸が時間t、縦軸が強度[dB]となる。時間t
1a、t
1bで受信した信号が、第1層50と接着層54とで1回反射して、レシーバーに入射した信号の強度であり、時間t
2a、t
2bで受信した信号が、第1層50と接着層54との境界で8回反射して、レシーバーに入射した信号の強度である。
図8及び
図9に示すように、境界の反射回数が異なる信号は、順番にピークとして検出される。
図8及び
図9に示すように、時間t
1a、t
1bで受信した信号で規格化することで、欠陥がない時間t
2aで受信した信号と、欠陥がある時間t
2bで受信した信号との強度の差を明確にすることができる。
【0035】
第二演算処理部24は、検出タイミングと、強度に基づいて、それぞれの反射回数の信号を検出する。また、第二演算処理部24は、検出した信号と、位置とを対応付け、各位置での反射信号を検出する。さらに、第二演算処理部24は、基準とする反射回数の信号の強度に基づいて、強度の規格化を行う。
図8及び
図9は、反射回数が1回の信号の強度をαとして、反射回数が2回以降の信号の強度を算出する。
【0036】
次に、計算部20は、ステップS16として、第二演算処理部24により、描画ステップを実行する。第二演算処理部24は、加工した各位置の信号の強度と計測位置とを対応付けて、検査対象物の各位置の受信信号の強度を示す画像を作成する。
【0037】
図10は、作成する画像の一例を示す模式図である。
図11は、
図10の画像の一部を拡大して示す模式図である。
図10に示す画像160は、左右方向を検査対象物8のXY平面上の任意の方向の線分とし、上下方向を各時間帯での信号の受信強度を示している。上下方向は、上側の端部が、超音波信号をパルサーから出力した時点で、下側に行くほど時間が経過した状態を示す。
図11は、画像160の枠161に対応する領域を拡大した画像162である。
【0038】
図10及び
図11は、検査対象物8の検査対象の境界、つまりZ方向が同じ位置となる部分で反射した成分を抽出した画像160、162となる。画像170に示すように、領域172が、境界での反射回数が1回の信号の強度である。領域174が、境界での反射回数が2回の信号の強度である。領域176が、境界での反射回数が8回の信号の強度である。
図10に示す画像160及び
図11に示す162は、同じ位置での反射回数が異なる各信号の強度を比較するが画像となる。X方向の領域176に対応する領域が、他の部分と異なる反射強度であり、欠陥がある位置となる。
【0039】
次に、
図12は、作成する画像の一例を示す模式図である。境界での反射回数が同じ、本実施形態では、境界で8回反射した成分、つまり、領域176の各位置の反射強度を検査対象物8のXY平面上に示す画像180である。画像180は、領域182が、他の部分と反射強度が異なり、欠陥がある部分となる。
【0040】
次に、計算部20は、ステップS18として、第二演算処理部24により、評価ステップを実行する。第二演算処理部24は、作成した画像を解析して、欠陥の位置と大きさを算出する。第二演算処理部24は、例えば、
図11に示すように反射回数が8回の信号を基準とする場合、領域176の大きさに基づいて、欠陥の大きさWと評価する。また、
図12に示すように、XY平面の画像180を作成する場合、領域182に基づいて欠陥の大きさを評価する。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る超音波検査方法は、検査対象物8の各位置で、多重反射した超音波信号を受信し、受信した多重反射の異なる反射回数の検出結果を比較した結果に基づいて加工した画像を作成し、作成した画像に基づいて欠陥を判定する。これにより、積層構造の検査対象物の検査を効率よくかつ高い精度で行うことができる。具体的には、多重反射の信号は、反射回数が少ない、例えば、1回反射の信号は、欠陥の有無での検出信号の強度の差が小さい。超音波検査方法は、欠陥の有無での信号の強度の変動が小さい反射回数の信号を基準回数の信号として用い、基準回数の信号に基づいて、評価対象の反射回数の信号の強度を各位置で比較する。これにより、検査対象物8で検出した信号を規格化した状態で比較し、1つの検査対象物8から検出した情報で健全な領域と欠陥との判定を行うことができる。また、反射回数が異なる複数のデータを取得できるため、それぞれを比較することで、欠陥の境界を高い精度で評価することができる。また、サンプルを用いずに評価できるため、種々の形状の構造物を評価対象物とすることができる。また、厚みが変動する場合も計測条件として反映させることで、信号の加工処理で厚みの変動を反映させて、評価することもできる。
【0042】
本実施形態では、反射回数が8回の信号を用いたが、反射回数は例示である。超音波検査方法は、基準の反射回数の強度に対して強度の平均値が所定の値、例えば50%となる反射回数を、評価対象の反射回数としてもよい。基準の設定方法は特に限定されない。基準の設定方法としては、例えば、欠陥、一例として接着不良についての境界検出条件を実験等で検出し、検出した値を基準としてもよい。
【0043】
また、評価対象の反射回数を特定し、同じ基準で評価した信号を評価することで、欠陥か健全か強度の基準値に基づいて判定することができる。また、本実施形態に係る超音波検査方法は、評価対象の反射回数を特定することで、
図12に示すように、同じ基準で評価した信号を、評価対象物8の平面で展開した画像を作成することができる。これにより、欠陥の形状をわかりやすく検出することができる。
【0044】
また、超音波検査装置100は、平坦な板が積層された積層物を検査対象物としたが、これに限定されない。検査対象物は、曲面を備えていても、折れ曲がり部を備えていてもよい。超音波検査装置100は、検査対象物の形状情報、各層の積層の情報を記憶し、その情報と検査位置の情報に基づいて、検出した超音波信号の多重反射の情報を加工することで、各位置の欠陥を評価することができる。この場合、超音波検査装置100は、探傷子110を備える探傷器10を、可撓性を備える構造とし、検査対象物に沿って変形する構造としてもよい。
【0045】
超音波検査装置100は、探触子110と検査対象物8との間に、超音波信号Sを伝播可能な媒質を持たしてもよい。探触子110と検査対象物8との間を満たす媒質Aは、超音波を伝播可能なものであれば、いかなるものであってもよい。媒質Aは、例えば超音波透過ゲル、水等を用いることができる。媒質Aとして例えば超音波透過ゲルを用いた場合、検査対象物8の表面に超音波透過ゲルのポケットを適切な力で押しつけて当接させることで、検査対象物8の表面が複雑な形状であったとしても、超音波透過ゲルが検査対象物8の表面の形状に応じて変形する。それにより、検査対象物8とプローブ11との間を隙間なく媒質Aで満たすことができる。ここでは、説明の簡略化のため、探触子110と検査対象物8との間が単一の媒質Aで満たされているものとする。それにより、プローブ11と検査対象物8との間で、媒質Aを介して超音波信号Sが伝播される。
【0046】
また、超音波検査装置100は、受信した信号に基づいて、多重反射した超音波の反射の経路を分離し、各径路の反射信号の強度を比較することで、欠陥のある位置、欠陥の状態を評価するようにしてもよい。例えば、第1層50と接着層54とで多重反射した成分、接着層54の中で多重反射した後、第1層50に戻ってプローブに入射信号の成分、接着層54と第2層との境界で多重反射した成分等を、受信した時間に基づいて、識別することで、欠陥が第1層50と接着層54と境界に形成されているか、接着層54の中に形成されているか、第2層52と接着層54とを判定してもよい。信号処理の量は増加するが、上記処理を行うことで、欠陥の大きさ位置に加え、欠陥の状態も推定することができる。ここで、境界の接着状態を評価する場合、欠陥の状態としては、完全接着不良、片側接着不良、中空欠陥等が例示される。完全接着不良は、2つの層の境界、例えば接着剤が充填されていない空洞となる状態である。片側接着不良は、接着剤と一方の層との間に空洞がある状態である。中空欠陥は、接着剤の内部に空間がある状態である。
【0047】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波検査方法は、探触子から複数の層が積層された検査対象物へと超音波信号を送信し、前記検査対象物から反射した超音波信号を前記探触子で受信して、前記検査対象物をスキャンしたデータを収集するステップと、前記探触子で送受信された超音波信号について、前記層の境界の位置に基づいて、層間で反射して、受信した多重反射波のそれぞれの反射回数の検出結果を抽出するステップと、異なる反射回数の検出結果を比較した結果に基づいて、画像を描画するステップと、前記画像内で、前記検査対象物の前記境界を形成する2つの層の欠陥を評価するステップと、を備える。これにより、積層構造の検査対象物の検査を効率よくかつ高い精度で行うことができる。また、反射回数が異なる複数のデータを取得できるため、それぞれを比較することで、欠陥の境界を高い精度で評価することができる。また、サンプルを用いずに評価できるため、種々の形状の構造物を評価対象物とすることができる。また、厚みが変動する場合も計測条件として反映させることで、信号の加工処理で厚みの変動を反映させて、評価することもできる。
【0048】
前記欠陥を評価するステップは、前記検査対象物の表面に平行な面における前記欠陥の領域を検出することが好ましい。これにより、簡単な処理で、取得した多重反射の信号に基づいて、境界の欠陥を評価することができる。
【0049】
前記欠陥を評価するステップは、前記欠陥の外縁に基づいて前記欠陥の大きさを検出することが好ましい。これにより、欠陥の位置に加え、大きさも評価することができる。
【0050】
前記欠陥を評価するステップは、基準の反射回数の強度に対して強度の平均値が所定の値となる反射回数を、評価対象の反射回数とすることが好ましい。これにより、高い精度で欠陥の外形形状を評価することができる。
【0051】
前記欠陥を評価するステップは、受信した信号に基づいて、多重反射した超音波の反射の経路を分離し、各径路の反射の強度を比較することで、2つの層における欠陥の位置、欠陥の状態を評価することが好ましい。これにより、2つの層のどの位置にどのような欠陥があるかを評価することができる。
【0052】
前記が画像を描画するステップは、反射回数が基準回数の評価に基づいて、スキャンした各位置の信号値を正規化し、前記基準回数は、前記評価回数よりも、反射の回数が少ないことが好ましい。これにより、検査対象物8で検出した信号を規格化した状態で比較し、1つの検査対象物から検出した情報で健全な領域と欠陥との判定を行うことができる。
【0053】
前記画像は、前記検査対象物の表面に直交する方向の断面であり、前記反射回数が大きい反射信号が、鉛直方向下側に表示される画像であることが好ましい。これにより、多重反射の信号をオペレータが比較しやすくなる。
【0054】
前記画像は、前記検査対象物の表面に平行な面であり、反射回数が評価回数の反射波の出力に基づいた画像であることが好ましい。これにより、平面上のどの位置に欠陥があるかを確認しやすくできる。
【0055】
前記画像を描画するステップは、検査対象物の形状情報、各層の積層の情報に基づいて、検出した超音波信号の多重反射の情報を加工することが好ましい。これにより、種々の表面形状、内部形状(厚みが変化する形状)の検査対象物の欠陥を検出することができる。
【0056】
前記検査対象物は、前記探触子と接触する表面の層となる第1層と、前記第1層に積層された第2層と、前記第1層と前記第2層とを接着する接着層と、を備え、前記層の境界は、前記第1層と前記接着層との境界であることが好ましい。これにより、第1層と接着層との境界の結果を効率よく検出することができる。
【0057】
前記探触子が、複数並列に配置され、前記データを収集するステップは、複数の前記探触子の配列方向に交差する方向にスキャンさせることが好ましい。これにより、効率よく検査を行うことができる。
【0058】
本実施形態の超音波検査装置は、複数の層が積層された検査対象物へと超音波信号を送信し、前記検査対象物から反射した超音波信号を受信する探触子と、前記探触子を用いて、前記検査対象物を超音波信号でスキャンしたデータを収集し、収集した超音波信号のデータを処理して合成する演算処理部と、を備え、前記演算処理部は、前記探触子で送受信された超音波信号について、前記層の境界の位置に基づいて、層間で反射して、受信した多重反射波のそれぞれの反射回数の検出結果を抽出し、異なる反射回数の検出結果を比較した結果に基づいて、画像を描画し、前記画像内で、前記検査対象物の前記境界を形成する2つの層の欠陥を評価する。これにより、積層構造の検査対象物の検査を効率よくかつ高い精度で行うことができる。また、反射回数が異なる複数のデータを取得できるため、それぞれを比較することで、欠陥の境界を高い精度で評価することができる。また、サンプルを用いずに評価できるため、種々の形状の構造物を評価対象物とすることができる。また、厚みが変動する場合も計測条件として反映させることで、信号の加工処理で厚みの変動を反映させて、評価することもできる。
【0059】
本実施形態のプログラムは、探触子から複数の層が積層された検査対象物へと超音波信号を送信し、前記検査対象物から反射した超音波信号を前記探触子で受信して、前記検査対象物をスキャンしたデータを収集するステップと、前記探触子で送受信された超音波信号について、前記層の境界の位置に基づいて、層間で反射して、受信した多重反射波のそれぞれの反射回数の検出結果を抽出するステップと、異なる反射回数の検出結果を比較した結果に基づいて、画像を描画するステップと、前記画像内で、前記検査対象物の前記境界を形成する2つの層の欠陥を評価するステップと、をコンピュータに実行させる。これにより、積層構造の検査対象物の検査を効率よくかつ高い精度で行うことができる。また、反射回数が異なる複数のデータを取得できるため、それぞれを比較することで、欠陥の境界を高い精度で評価することができる。また、サンプルを用いずに評価できるため、種々の形状の構造物を評価対象物とすることができる。また、厚みが変動する場合も計測条件として反映させることで、信号の加工処理で厚みの変動を反映させて、評価することもできる。
【符号の説明】
【0060】
8 検査対象物
10 探傷器
11、11a プローブ
12 パルサー
13 レシーバー
14 データ記憶部
15 制御素子切替部
20 計算部
21 制御部
22 記憶部
23 第一演算処理部
24 第二演算処理部
30 操作・表示部
31 計算結果表示部
32 検査条件設定部
33 計算条件設定部
50 第1層
52 第2層
54 接着層
56 欠陥
61 マトリクスアレイプローブ
70 電力供給部
100 超音波検査装置
110 探触子