(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】テープ巻付け装置
(51)【国際特許分類】
B65H 81/06 20060101AFI20241220BHJP
B65H 35/07 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
B65H81/06 B
B65H35/07 K
(21)【出願番号】P 2021162355
(22)【出願日】2021-09-30
【審査請求日】2024-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(72)【発明者】
【氏名】桜井 秀昌
(72)【発明者】
【氏名】小林 修
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-26440(JP,A)
【文献】特開2019-29219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 81/06
B65H 35/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ワークと当該第一ワークの外周面に取り付けられた第二ワークとで構成されたワークの外周面に粘着テープを巻付けるテープ巻付け装置であって、
前記第一ワークを保持する第一ワーク保持ユニットと、
前記第二ワークを保持する第二ワーク保持ユニットと、
前記ワークの外周面に前記粘着テープを巻付けるテープ巻付けユニットと、を備え、
前記第二ワーク保持ユニットは、前記第二ワークを前記第一ワークの外周面に沿って一方向へ移動させ、前記第二ワークを前記テープ巻付けユニットから引き出された前記粘着テープに当接させることにより、前記粘着テープを変形させて変形部を形成し、当該変形部の一部を前記第一ワークと前記第二ワークとの間の隙間に相対的に押し込む、
ことを特徴とするテープ巻付け装置。
【請求項2】
前記第二ワークを前記第一ワークの外周面に沿って前記一方向とは反対側の他方向へ移動させることで前記第二ワークを前記第一ワークに対して位置決めする第二ワーク位置決めユニットを備えた、ことを特徴とする請求項1に記載のテープ巻付け装置。
【請求項3】
前記テープ巻付けユニットから引き出された前記粘着テープを第一部材と第二部材とで一時的に挟持するテープ保持ユニットを備えた、ことを特徴とする請求項1に記載のテープ巻付け装置。
【請求項4】
前記第一部材は、前記粘着テープの粘着面と接触しながら回転する回転部を有し、前記第二部材は、前記粘着テープの非粘着面に当接する平坦部を有する、ことを特徴とする請求項3に記載のテープ巻付け装置。
【請求項5】
前記第一部材は、前記粘着テープの粘着面と対向する第一位置と、前記粘着テープの粘着面と対向しない第二位置との間を、所定のタイミングで移動する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載のテープ巻付け装置。
【請求項6】
前記第一部材は、所定の支点を中心として回動することにより、前記第一位置と前記第二位置との間を移動する、ことを特徴とする請求項5に記載のテープ巻付け装置。
【請求項7】
前記第二部材は、前記粘着テープの非粘着面に当接する位置と、前記粘着テープの非粘着面に当接しない位置との間を、所定のタイミングで移動する、ことを特徴とする請求項3~6の何れか一つに記載のテープ巻付け装置。
【請求項8】
前記第一部材と前記第二部材は、前記テープ巻付けユニットから引き出された前記粘着テープの粘着面が前記ワークの外周面に初めて貼付けられる際に前記粘着テープを一時的に挟持する、ことを特徴とする請求項3~7の何れか一つに記載のテープ巻付け装置。
【請求項9】
前記第一部材と前記第二部材は、前記テープ巻付けユニットから引き出された前記粘着テープが切断される際に前記粘着テープを一時的に挟持する、ことを特徴とする請求項3~8の何れか一つに記載のテープ巻付け装置。
【請求項10】
前記粘着テープの粘着面を前記ワークの外周面に押付けるテープ押付けユニットを備えた、ことを特徴とする請求項1に記載のテープ巻付け装置。
【請求項11】
台座と、当該台座に対して移動可能な可動部と、を有する台座ユニットを備え、前記第一ワーク保持ユニットと前記第二ワーク保持ユニットは、前記可動部に固定され、前記テープ巻付けユニットは、前記台座に固定され、前記第一ワーク保持ユニットと前記第二ワーク保持ユニットは、前記可動部の動作により、前記テープ巻付けユニットに対して一体的に移動する、ことを特徴とする請求項1に記載のテープ巻付け装置。
【請求項12】
前記第二ワークを前記第一ワークの外周面に沿って前記一方向とは反対側の他方向へ移動させることで前記第二ワークを前記第一ワークに対して位置決めする第二ワーク位置決めユニットを備え、当該第二ワーク位置決めユニットは、前記台座ユニットの前記可動部に固定され、前記可動部の動作により、前記第一ワーク保持ユニットと前記第二ワーク保持ユニットと共に、前記テープ巻付けユニットに対して一体的に移動する、ことを特徴とする請求項11に記載のテープ巻付け装置。
【請求項13】
前記粘着テープの粘着面を前記ワークの外周面に押付けるテープ押付けユニットを備え、当該テープ押付けユニットは、前記台座ユニットの前記可動部に固定され、前記可動部の動作により、前記第一ワーク保持ユニットと前記第二ワーク保持ユニットと前記第二ワーク位置決めユニットと共に、前記テープ巻付けユニットに対して一体的に移動する、ことを特徴とする請求項12に記載のテープ巻付け装置。
【請求項14】
前記テープ巻付けユニットから引き出された前記粘着テープを第一部材と第二部材とで一時的に挟持するテープ保持ユニットを備え、当該テープ保持ユニットは、前記台座ユニットの前記台座に固定されている、ことを特徴とする請求項13に記載のテープ巻付け装置。
【請求項15】
前記ワークの外周面に前記粘着テープが巻付けられる際に前記ワークに作用する張力を増加させるワーク張力調節機構を備えた、ことを特徴とする請求項1に記載のテープ巻付け装置。
【請求項16】
前記粘着テープに前記第二ワークが当接する際に前記粘着テープに作用する張力を減少させるテープ張力調節機構を備えた、ことを特徴とする請求項1に記載のテープ巻付け装置。
【請求項17】
前記ワークの外周面に螺旋状に巻付けられた前記粘着テープが前記ワークの外周面から前記テープ巻付けユニットへ向かってから真っすぐに延在するように前記粘着テープの位置を調節するテープ位置調節機構を備えた、ことを特徴とする請求項1に記載のテープ巻付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ巻付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来のテープ巻付け方法を示す斜視図である。電線と保護チューブに粘着テープを巻付ける従来のテープ巻付け方法として、
図11に示すように、電線4の一部に粘着テープ6を巻付けることで太径部8を形成し、この太径部8から引き出された粘着テープ7の一部を変形させながら保護チューブ1と電線4との間の隙間に入れた状態で電線4と保護チューブ1に粘着テープ6を巻付ける方法が知られている。この方法によれば、電線4と保護チューブ1とを粘着テープにより強固に固定することができる。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
図12は、従来のテープ巻付け装置を示す上面図である。電線と保護チューブに粘着テープを巻付ける従来のテープ巻付け装置として、
図12に示すように、電線11Bと保護チューブ16に粘着テープを巻付けるテープ巻付機構30と、保護チューブ16を電線11Bに沿って移動させるチューブ移動機構70と、電線11Bを保持する電線把持機構100と、を備えたテープ巻付け装置が知られている。このテープ巻付け装置によれば、電線11Bと保護チューブ16に粘着テープを効率良く巻付けることができる。(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-117035号公報
【文献】特開2016-63707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11に示す従来のテープ巻付け方法によれば、電線と保護チューブとを粘着テープにより強固に固定することができるが、この方法を手作業により実施することは、製品の生産性や品質を低下させるという問題点がある。また、
図12に示す従来のテープ巻付け装置によれば、電線と保護チューブに粘着テープを効率良く巻付けることができるが、このテープ巻付け装置は、
図11に示すテープ巻付け方法を実施するように構成されておらず、
図11に示すテープ巻付け方法を実施することができないという問題点がある。これらの問題点は、粘着テープが巻付けられるワークが電線と保護チューブである場合に限らず、ワークがその他のものである場合にも生じ得る。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑みて成されたものであり、二つのワークの間の隙間に粘着テープの一部を変形させて入れた状態で二つのワークに粘着テープを巻付けることが可能なテープ巻付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一ワークと当該第一ワークの外周面に取り付けられた第二ワークとで構成されたワークの外周面に粘着テープを巻付けるテープ巻付け装置であって、前記第一ワークを保持する第一ワーク保持ユニットと、前記第二ワークを保持する第二ワーク保持ユニットと、前記ワークの外周面に前記粘着テープを巻付けるテープ巻付けユニットと、を備え、前記第二ワーク保持ユニットは、前記第二ワークを前記第一ワークの外周面に沿って一方向へ移動させ、前記第二ワークを前記テープ巻付けユニットから引き出された前記粘着テープに当接させることにより、前記粘着テープを変形させて変形部を形成し、当該変形部の一部を前記第一ワークと前記第二ワークとの間の隙間に相対的に押し込む、テープ巻付け装置である。
【0008】
前記第二ワークを前記第一ワークの外周面に沿って前記一方向とは反対側の他方向へ移動させることで前記第二ワークを前記第一ワークに対して位置決めする第二ワーク位置決めユニットを備えた、テープ巻付け装置であっても良い。
【0009】
前記テープ巻付けユニットから引き出された前記粘着テープを第一部材と第二部材とで一時的に挟持するテープ保持ユニットを備えた、テープ巻付け装置であっても良い。
【0010】
前記第一部材は、前記粘着テープの粘着面と接触しながら回転する回転部を有し、前記第二部材は、前記粘着テープの非粘着面に当接する平坦部を有する、テープ巻付け装置であっても良い。
【0011】
前記第一部材は、前記粘着テープの粘着面と対向する第一位置と、前記粘着テープの粘着面と対向しない第二位置との間を、所定のタイミングで移動する、テープ巻付け装置であっても良い。
【0012】
前記第一部材は、所定の支点を中心として回動することにより、前記第一位置と前記第二位置との間を移動する、テープ巻付け装置であっても良い。
【0013】
前記第二部材は、前記粘着テープの非粘着面に当接する位置と、前記粘着テープの非粘着面に当接しない位置との間を、所定のタイミングで移動する、テープ巻付け装置であっても良い。
【0014】
前記第一部材と前記第二部材は、前記テープ巻付けユニットから引き出された前記粘着テープの粘着面が前記ワークの外周面に初めて貼付けられる際に前記粘着テープを一時的に挟持する、テープ巻付け装置であっても良い。
【0015】
前記第一部材と前記第二部材は、前記テープ巻付けユニットから引き出された前記粘着テープが切断される際に前記粘着テープを一時的に挟持する、テープ巻付け装置であっても良い。
【0016】
前記粘着テープの粘着面を前記ワークの外周面に押付けるテープ押付けユニットを備えた、テープ巻付け装置であっても良い。
【0017】
台座と、当該台座に対して移動可能な可動部と、を有する台座ユニットを備え、前記第一ワーク保持ユニットと前記第二ワーク保持ユニットは、前記可動部に固定され、前記テープ巻付けユニットは、前記台座に固定され、前記第一ワーク保持ユニットと前記第二ワーク保持ユニットは、前記可動部の動作により、前記テープ巻付けユニットに対して一体的に移動する、テープ巻付け装置であっても良い。
【0018】
前記第二ワークを前記第一ワークの外周面に沿って前記一方向とは反対側の他方向へ移動させることで前記第二ワークを前記第一ワークに対して位置決めする第二ワーク位置決めユニットを備え、当該第二ワーク位置決めユニットは、前記台座ユニットの前記可動部に固定され、前記可動部の動作により、前記第一ワーク保持ユニットと前記第二ワーク保持ユニットと共に、前記テープ巻付けユニットに対して一体的に移動する、テープ巻付け装置であっても良い。
【0019】
前記粘着テープの粘着面を前記ワークの外周面に押付けるテープ押付けユニットを備え、当該テープ押付けユニットは、前記台座ユニットの前記可動部に固定され、前記可動部の動作により、前記第一ワーク保持ユニットと前記第二ワーク保持ユニットと前記第二ワーク位置決めユニットと共に、前記テープ巻付けユニットに対して一体的に移動する、テープ巻付け装置であっても良い。
【0020】
前記テープ巻付けユニットから引き出された前記粘着テープを第一部材と第二部材とで一時的に挟持するテープ保持ユニットを備え、当該テープ保持ユニットは、前記台座ユニットの前記台座に固定されている、テープ巻付け装置であっても良い。
【0021】
前記ワークの外周面に前記粘着テープが巻付けられる際に前記ワークに作用する張力を増加させるワーク張力調節機構を備えた、テープ巻付け装置であっても良い。
【0022】
前記粘着テープに前記第二ワークが当接する際に前記粘着テープに作用する張力を減少させるテープ張力調節機構を備えた、テープ巻付け装置であっても良い。
【0023】
前記ワークの外周面に螺旋状に巻付けられた前記粘着テープが前記ワークの外周面から前記テープ巻付けユニットへ向かってから真っすぐに延在するように前記粘着テープの位置を調節するテープ位置調節機構を備えた、テープ巻付け装置であっても良い。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、二つのワークの間の隙間に粘着テープの一部を変形させて入れた状態で二つのワークに粘着テープを巻付けることが可能なテープ巻付け装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す斜視図。
【
図2】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の要部を示す拡大斜視図。
【
図3】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す上面図。
【
図4】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す正面図。
【
図5】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す背面図。
【
図6】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す左側面図。
【
図7】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す右側面図。
【
図8-1】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の一部構成の第一状態を示す(a)上面図及び(b)正面図。
【
図8-2】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の一部構成の第二状態を示す(a)上面図及び(b)正面図。
【
図8-3】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の一部構成の第三状態を示す(a)上面図及び(b)正面図。
【
図8-4】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の一部構成の第四状態を示す(a)上面図及び(b)正面図。
【
図8-5】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の一部構成の第五状態を示す(a)上面図及び(b)正面図。
【
図9-1】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置のテープ保持ユニットの第一状態を示す(a)上面図、(b)正面図及び(c)右側面図。
【
図9-2】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置のテープ保持ユニットの第二状態を示す(a)上面図、(b)正面図及び(c)右側面図。
【
図10-1】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S1)を示す(a)右側面図及び(b)左側面図。
【
図10-2】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S2)を示す正面図。
【
図10-3】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S3)を示す(a)右側面図及び(b)左側面図。
【
図10-4】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S5)を示す右側面図。
【
図10-5】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S7)を示す左側面図。
【
図10-6】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S9)を示す右側面図。
【
図10-7】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S10)を示す右側面図。
【
図10-8】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S11)を示す右側面図。
【
図10-9】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S12)を示す右側面図。
【
図10-10】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S13)を示す右側面図。
【
図10-11】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S14)を示す右側面図。
【
図10-12】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S15)を示す右側面図。
【
図10-13】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S16)を示す右側面図。
【
図10-14】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S17)を示す右側面図。
【
図10-15】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S18)を示す右側面図。
【
図10-16】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S19)を示す右側面図。
【
図10-17】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S20)を示す右側面図。
【
図10-18】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S21)を示す右側面図。
【
図10-19】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S22)を示す右側面図。
【
図10-20】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S23)を示す右側面図。
【
図10-21】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S24)を示す右側面図。
【
図10-22】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S26)を示す右側面図。
【
図10-23】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S27)を示す右側面図。
【
図10-24】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S29)を示す右側面図。
【
図10-25】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S31)を示す右側面図。
【
図10-26】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S32)を示す右側面図。
【
図10-27】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S33)を示す右側面図。
【
図10-28】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S34)を示す右側面図。
【
図10-29】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S35)を示す右側面図。
【
図10-30】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S36)を示す右側面図。
【
図10-31】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S37)を示す右側面図。
【
図10-32】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S38)を示す右側面図。
【
図10-33】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S39)を示す右側面図。
【
図10-34】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S40)を示す右側面図。
【
図10-35】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S41)を示す右側面図。
【
図10-36】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S42)を示す右側面図。
【
図10-37】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S43)を示す右側面図。
【
図10-38】本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作(S47)を示す右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の要部を示す拡大斜視図である。
図3は、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す上面図である。
図4は、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す正面図である。
図5は、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す背面図である。
図6は、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す左側面図である。
図7は、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の全体を示す右側面図である。
図8-1~
図8-5は、それぞれ、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の一部構成の第一状態~第五状態を示す(a)上面図及び(b)正面図である。
図9-1~
図9-2は、それぞれ、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置のテープ保持ユニットの第一状態~第二状態を示す(a)上面図、(b)正面図及び(c)右側面図である。なお、テープ巻付け装置の正面、背面、左側面、右側面、上面は、それぞれ、
図1に矢印で表記された前方向、後方向、左方向、右方向、上方向に位置する側の面を示している。以下、これらの図を適宜用いて、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置1の構成について説明する。
【0027】
テープ巻付け装置1により粘着テープが巻付けれられるワークは、
図8-1(a)に示すように、第一ワークW1と第二ワークW2とで構成されている。第一ワークW1は、略円柱状の電子部品本体W1aとその一端に接続された電線(ケーブル)W1b及びコネクタW1cとで構成されている。第二ワークW2は、コルゲートチューブと呼ばれる円筒状の樹脂チューブで構成されている。第二ワークW2は、第一ワークW1の電線W1bの外周面に予め取り付けられている。
【0028】
図1~
図3に示すように、テープ巻付け装置1は、第一ワーク保持ユニット10(10a、10b)と、第二ワーク位置決めユニット20と、第二ワーク保持ユニット30と、テープ巻付けユニット40と、テープ保持ユニット50と、テープ押付けユニット60と、台座ユニット70と、を備えている。
【0029】
<第一ワーク保持ユニット10の構成>
第一ワーク保持ユニット10は、テープ巻付け装置1の左側に位置する第一ワーク保持ユニット10aと、テープ巻付け装置1の右側に位置する第一ワーク保持ユニット10bと、で構成されている。
【0030】
図2に示すように、テープ巻付け装置1の左側に位置する第一ワーク保持ユニット10aは、第一ワークW1の電子部品本体W1aを下側から支持する第一ワーク左側支持ブロック11と、第一ワークW1の電子部品本体W1aを上側から押える第一ワーク左側押えプレート12と、第一ワーク左側支持ブロック11を左右方向へ移動させる左右スライド駆動部13と、第一ワーク左側押えプレート12を前後方向へ移動させる前後スライド駆動部14と、を備えている。
【0031】
図8-1(b)に示すように、第一ワーク左側支持ブロック11は、左右スライド駆動部13の可動部131に固定され、さらに、左右スライド駆動部13を介して台座ユニット70の左右スライド駆動部71の可動部711に固定されている。第一ワーク左側支持ブロック11は、第一ワークW1の電子部品本体W1aが係合する凹部を有している。この凹部に第一ワークW1の電子部品本体W1aが係合すると、第一ワークW1の電子部品本体W1aは、第一ワーク左側支持ブロック11に対して位置決めされる。第一ワーク左側支持ブロック11は、左右スライド駆動部13の可動部131と共に左右方向へ移動することができる。左右スライド駆動部13の可動部131が左方向へ僅かにすると、第一ワーク左側支持ブロック11に支持されている第一ワークW1の電子部品本体W1aも左方向へ僅かに移動し、その分だけ第一ワークW1の電線W1bに作用する張力が増加する。逆に、左右スライド駆動部13の可動部131が右方向へ僅かにすると、第一ワーク左側支持ブロック11に支持されている第一ワークW1の電子部品本体W1aも右方向へ僅かに移動し、その分だけ第一ワークW1の電線W1bに作用する張力が減少する。このようにして、左右スライド駆動部13は、第一ワークW1の電線W1bに作用する張力を調節することができる。
【0032】
図8-1(b)に示すように、第一ワーク左側押えプレート12は、前後スライド駆動部14の可動部141に固定されている。第一ワーク左側押えプレート12は、前後スライド駆動部14の可動部141と共に前後方向へ移動することができる。これにより、第一ワーク左側押えプレート12は、
図8-1に示す第一状態及び
図8-2に示す第二状態を取ることができる。
図8-1に示す第一状態において、第一ワーク左側押えプレート12は、第一ワークW1の電子部品本体W1aから前方向へ一定の距離だけ離れた位置に停止している。第一ワーク左側押えプレート12の状態が
図8-1に示す第一状態から
図8-2に示す第二状態へ移行すると、第一ワーク左側押えプレート12は、後方向へ一定の距離だけ移動し、第一ワークW1の電子部品本体W1aの上面に摺動しながら当接する。これにより、第一ワークW1の電子部品本体W1aは、第一ワーク左側支持ブロック11の上面と第一ワーク左側押えプレート12の下面との間に挟持される。
【0033】
図8-1(b)に示すように、左右スライド駆動部13と前後スライド駆動部14は、台座ユニット70の左右スライド駆動部71の可動部711に固定されている。左右スライド駆動部13と前後スライド駆動部14は、モーターなどの動力源や任意の駆動機構で構成され、それぞれ、可動部131を左右方向へ直動させ、可動部141を前後方向へ直動させるように構成されている。
【0034】
図2に示すように、テープ巻付け装置1の右側に位置する第一ワーク保持ユニット10bは、第一ワークW1の右端部(コネクタW1c)を下側から支持する第一ワーク右側支持ブロック15と、第一ワークW1の右端部を上側から押える第一ワーク右側押えプレート16と、第一ワーク右側押えプレート16を前後方向へ移動させる前後スライド駆動部17と、を備えている。
【0035】
第一ワーク右側支持ブロック15は、台座ユニット70の左右スライド駆動部71の可動部711に固定されている。第一ワーク右側支持ブロック15は、第一ワークW1の右端部が係合する凹部を有している。この凹部に第一ワークW1の右端部が係合すると、第一ワークW1の右端部は、第一ワーク右側支持ブロック15に対して所定の位置に位置決めされる。
【0036】
図8-1(b)に示すように、第一ワーク右側押えプレート16は、前後スライド駆動部17の可動部171に固定されている。第一ワーク右側押えプレート16は、前後スライド駆動部17の可動部171と共に前後方向へ移動することができる。これにより、第一ワーク右側押えプレート16は、
図8-1に示す第一状態及び
図8-2に示す第二状態を取ることができる。
図8-1に示す第一状態において、第一ワーク右側押えプレート16は、第一ワークW1のコネクタW1cから前方向へ一定の距離だけ離れた位置に停止している。第一ワーク右側押えプレート16の状態が
図8-1に示す第一状態から
図8-2に示す第二状態へ移行すると、第一ワーク右側押えプレート16は、後方向へ一定の距離だけ移動し、第一ワークW1のコネクタW1cの上面に摺動しながら当接する。これにより、第一ワークW1のコネクタW1cは、第一ワーク右側支持ブロック15の上面と第一ワーク右側押えプレート16の下面との間に挟持される。
【0037】
図8-1(b)に示すように、前後スライド駆動部17は、台座ユニット70の左右スライド駆動部71の可動部711に固定されている。前後スライド駆動部17は、モーターなどの動力源や任意の駆動機構で構成され、可動部171を前後方向へ直動させるように構成されている。
【0038】
<第二ワーク位置決めユニット20の構成>
図2に示すように、第二ワーク位置決めユニット20は、第二ワークW2を位置決めする第二ワーク位置決めプレート21と、第二ワーク位置決めプレート21を前後方向へ移動させる前後スライド駆動部22と、第二ワーク位置決めプレート21を左右方向へ移動させる左右スライド駆動部23と、を備えている。
【0039】
図8-1(b)に示すように、第二ワーク位置決めプレート21は、前後スライド駆動部22の可動部221に固定され、さらに、前後スライド駆動部22を介して左右スライド駆動部23の可動部231に固定されている。
図2に示すように、第二ワーク位置決めプレート21は、その先端に、第一ワークW1の電線W1bが挿入されるV状のスリット開口部211を有している。第二ワーク位置決めプレート21は、前後スライド駆動部22の可動部221と共に前後方向へ移動することができ、さらに、左右スライド駆動部23の可動部231と共に左右方向へ移動することができる。これらにより、第二ワーク位置決めプレート21は、
図8-1に示す第一状態、
図8-2に示す第二状態及び
図8-3に示す第三状態を取ることができる。
図8-1に示す第一状態において、第二ワーク位置決めプレート21は、第一ワークW1の電線W1bから前方向へ一定の距離だけ離れた位置に停止している。第二ワーク位置決めプレート21の状態が
図8-1に示す第一状態から
図8-2に示す第二状態へ移行すると、第二ワーク位置決めプレート21は、後方向へ一定の距離だけ移動し、先端のスリット開口部211に第一ワークW1の電線W1bが挿入され、第二ワーク位置決めプレート21は、左方向において第二ワークW2の右側面と一定の間隔を空けて対向する位置に停止する。第二ワーク位置決めプレート21の状態が
図8-2に示す第二状態から
図8-3に示す第三状態へ移行すると、第二ワーク位置決めプレート21は、左方向へ一定の距離だけ移動し、第二ワークW2の右側面に当接する。これにより、第二ワークW2は、第一ワークW1の電子部品本体W1aの右側面に押し付けられ、第一ワークW1に対して位置決めされる。
【0040】
図8-1(b)に示すように、前後スライド駆動部22は、左右スライド駆動部23の可動部231に固定されている。左右スライド駆動部23は、台座ユニット70の左右スライド駆動部71の可動部711に固定されている。前後スライド駆動部22と左右スライド駆動部23は、モーターなどの動力源や任意の駆動機構で構成され、それぞれ、可動部221を前後方向へ直動させ、可動部231を左右方向へ直動させるように構成されている。
【0041】
<第二ワーク保持ユニット30の構成>
図2に示すように、第二ワーク保持ユニット30は、第二ワークW2を把持する第二ワーク保持ハンド31と、第二ワーク保持ハンド31を前後方向へ移動させる前後スライド駆動部32と、第二ワーク保持ハンド31を左右方向へ移動させる左右スライド駆動部33と、を備えている。
【0042】
図8-1(b)に示すように、第二ワーク保持ハンド31は、前後スライド駆動部32の可動部321に固定され、さらに、前後スライド駆動部32を介して左右スライド駆動部33の可動部331に固定されている。
図2に示すように、第二ワーク保持ハンド31は、その先端に、第二ワークW2を上下方向から把持する開閉駆動式の一対の爪311を有している。第二ワーク保持ハンド31は、前後スライド駆動部32の可動部321と共に前後方向へ移動することができ、さらに、左右スライド駆動部33の可動部331と共に左右方向へ移動することができる。これらにより、第二ワーク保持ハンド31は、
図8-1に示す第一状態、
図8-4に示す第四状態及び
図8-5に示す第五状態を取ることができる。
図8-1に示す第一状態において、第二ワーク保持ハンド31は、第二ワークW2から前方向へ一定の距離だけ離れた位置に停止している。第二ワーク保持ハンド31の状態が
図8-1に示す第一状態から
図8-4に示す第四状態へ移行すると、第二ワーク保持ハンド31は、後方向へ一定の距離だけ移動し、一対の爪311で第二ワークW2を上下方向から把持する。第二ワーク保持ハンド31の状態が
図8-4に示す第四状態から
図8-5に示す第五状態へ移行すると、第二ワーク保持ハンド31は、一対の爪311で第二ワークW2を上下方向から把持したまま右方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、第二ワークW2は、第一ワークW1の電線W1bの外周面に沿って右方向へ一定の距離だけ移動する。
【0043】
図8-1(b)に示すように、前後スライド駆動部32は、左右スライド駆動部33の可動部331に固定されている。左右スライド駆動部33は、台座ユニット70の左右スライド駆動部71の可動部711に固定されている。前後スライド駆動部32と左右スライド駆動部33は、モーターなどの動力源や任意の駆動機構で構成され、それぞれ、可動部321を前後方向へ直動させ、可動部331を左右方向へ直動させるように構成されている。
【0044】
<テープ巻付けユニット40の構成>
図2に示すように、テープ巻付けユニット40は、粘着テープTを収納するテープリール41と、テープリール41から引き出された粘着テープTを案内するテープガイドローラー42と、テープリール41及びテープガイドローラー42を支持する回転プレート43と、回転プレート43を回転させる回転駆動部44と、を備えている。
【0045】
テープリール41は、回転プレート43の右側面に取り付けられ、左右方向へ延びる所定の回転軸線を中心として時計回り及び反時計回りに自由に回転することができる。テープリール41から粘着テープTが引き出されると、テープリール41は、所定の方向へ自由に回転し、テープ保持ユニット50に向かって粘着テープTを順次送り出す。
【0046】
テープガイドローラー42は、回転プレート43の右側面に取り付けられ、左右方向へ延びる所定の回転軸線を中心として時計回り及び反時計回りに自由に回転することができる。テープリール41から粘着テープTが引き出されると、テープガイドローラー42は、粘着テープTの粘着面と接触しながら所定の方向へ受動的に回転し、テープ保持ユニット50に向かって粘着テープTを案内する。
【0047】
回転プレート43は、回転駆動部44の右側面に取り付けられ、回転駆動部44の内部に設けられた駆動機構と接続されている。回転プレート43は、第一ワークW1と第二ワークW2が挿入されるU状のスリット開口部431を有している。回転プレート43は、スリット開口部431の中心付近を通り左右方向へ延びる所定の回転軸線を中心として時計回り及び反時計回りに回転することができる。回転プレート43は、スリット開口部431の中心付近に第一ワークW1と第二ワークW2が挿入されているときは、第一ワークW1と第二ワークW2を中心として回転することができる。そして、回転プレート43に取り付けられているテープリール41とテープガイドローラー42も回転プレート43と共に第一ワークW1と第二ワークW2を中心として回転することができる。これにより、テープリール41から引き出された粘着テープTは、第一ワークW1と第二ワークW2の外周面に巻付けられる。
【0048】
回転駆動部44は、台座ユニット70の台座73に固定されている。これにより、テープ巻付けユニット40は、全体として、台座ユニット70の台座73に固定されている。回転駆動部44は、回転プレート43に設けられたU状のスリット開口部431と同様のU状のスリット開口部441を有している。回転プレート43のスリット開口部431に第一ワークW1と第二ワークW2が挿入されるときは、回転駆動部44のスリット開口部441にも第一ワークW1と第二ワークW2が挿入される。回転駆動部44は、モーターなどの動力源や任意の駆動機構で構成され、回転プレート43を回転させるように構成されている。
【0049】
<テープ保持ユニット50の構成>
図9-1に示すように、テープ保持ユニット50は、粘着テープTの上面(粘着面)を上側から押えるテープ押えローラー51と、テープ押えローラー51を支持する支柱52と、支柱52を左右方向へ回転させる回転駆動部53と、粘着テープTの下面(非粘着面)を下側から支持するテープ支持ブロック54と、テープ支持ブロック54を上下方向へ移動させる上下スライド駆動部55と、粘着テープTを切断するテープカッター56と、テープカッター56を上下方向へ移動させる上下スライド駆動部57と、これらの構成の全てを一体的に上下方向へ移動させる上下スライド駆動部58と、を備えている。
【0050】
テープ押えローラー51は、粘着テープの上面に当接する曲面を有している。テープ押えローラー51は、支柱52の上端の側面に取り付けられている。テープ押えローラー51は、支柱52から水平方向へ延びる所定の回転軸線を中心として時計回り及び反時計回りに自由に回転することができる。支柱52の下端は、回転駆動部53の駆動機構と接続されている。支柱52は、回転駆動部53の動力により、上下方向へ延びる所定の回転軸線を中心として時計回り及び反時計回りに回転することができる。これにより、テープ押えローラー51は、
図9-1に示す第一状態及び
図9-2に示す第二状態を取ることができる。
図9-1に示す第一状態において、テープ押えローラー51は、支柱52から後方向へ延在する状態で停止している。テープ押えローラー51の状態が
図9-1に示す第一状態から
図9-2に示す第二状態へ移行すると、テープ押えローラー51は、支柱52を支点として、上から見て右方向へ90°だけ回動し、支柱52から右方向へ延在する状態で停止する。これにより、テープ押えローラー51は、テープ巻付けユニット40から引き出された粘着テープTの上面ならびにテープ支持ブロック54の上面と対向する状態になる。
【0051】
テープ支持ブロック54は、粘着テープTの下面に当接する平坦な上面を有している。テープ支持ブロック54は、上下スライド駆動部55の可動部551に固定されている。テープ支持ブロック54は、上下スライド駆動部55の可動部551と共に上下方向へ移動することができる。これにより、テープ支持ブロック54は、
図9-1に示す第一状態及び
図9-2に示す第二状態を取ることができる。
図9-1に示す第一状態において、テープ支持ブロック54は、テープ押えローラー51から下方向へ一定の距離だけ離れた位置に停止している。テープ支持ブロック54の状態が
図9-1に示す第一状態から
図9-2に示す第二状態へ移行すると、テープ支持ブロック54は、上方向へ一定の距離だけ移動し、テープ押えローラー51の下面に当接する。これにより、テープ巻付けユニット40から引き出された粘着テープTは、テープ支持ブロック54の上面とテープ押えローラー51の下面との間に挟持される。
【0052】
テープカッター56は、その上方向における先端に、三角形の刃を有している。テープカッター56は、上下スライド駆動部57の可動部571に固定されている。テープカッター56は、上下スライド駆動部57の可動部571と共に上下方向へ移動することができる。これにより、テープカッター56は、
図9-1に示す第一状態及び
図9-2に示す第二状態を取ることができる。
図9-1に示す第一状態において、テープカッター56は、テープ押えローラー51から下方向へ一定の距離だけ離れた位置に停止している。テープカッター56の状態が
図9-1に示す第一状態から
図9-2に示す第二状態へ移行すると、テープカッター56は、上方向へ一定の距離だけ移動し、テープ押えローラー51と同等の高さに配置される。これにより、テープ巻付けユニット40から引き出された粘着テープTは、テープカッター56により切断される。
【0053】
テープ押えローラー51と支柱52を支持する回転駆動部53、テープ支持ブロック54を支持する上下スライド駆動部55、テープカッター56を支持する上下スライド駆動部57は、上下スライド駆動部58の可動部581に固定されている。これにより、テープ押えローラー51、支柱52、回転駆動部53、テープ支持ブロック54、上下スライド駆動部55、テープカッター56、上下スライド駆動部57の全ての構成は、上下スライド駆動部58の可動部581と共に上下方向へ一体的に移動することができる。
図9-1に示す第一状態において、テープ押えローラー51、支柱52、回転駆動部53、テープ支持ブロック54、上下スライド駆動部55、テープカッター56、上下スライド駆動部57の全ての構成は、上下スライド駆動部58の可動部581と共に下方向へ一体的に移動している。
図9-2に示す第二状態において、テープ押えローラー51、支柱52、回転駆動部53、テープ支持ブロック54、上下スライド駆動部55、テープカッター56、上下スライド駆動部57の全ての構成は、上下スライド駆動部58の可動部581と共に上方向へ一体的に移動している。
【0054】
上下スライド駆動部58は、台座ユニット70の台座73に固定されている。これにより、テープ保持ユニット50は、全体として、台座ユニット70の台座73に固定されている。
【0055】
回転駆動部53、上下スライド駆動部55、上下スライド駆動部57、上下スライド駆動部58は、モーターなどの動力源や任意の駆動機構で構成され、それぞれ、支柱52を回転させ、可動部551を上下方向へ直動させ、可動部571を上下方向へ直動させ、可動部581を上下方向へ直動させるように構成されている。
【0056】
<テープ押付けユニット60>
図8-1に示すように、テープ押付けユニット60は、粘着テープTを第一ワークW1の電線W1bの下面に押付けるテープ押付けブロック61と、テープ押付けブロック61を上下方向へ回動させる回転駆動部62と、を備えている。
【0057】
テープ押付けブロック61は、概ねL状の外形を有している。テープ押付けブロック61の一端は、第一ワーク右側支持ブロック15の下部に配置された回転駆動部62の軸部材621に取り付けられている。軸部材621は、回転駆動部62の動力より、前後方向へ延びる所定の回転軸線を中心として時計回り及び反時計回りに回転することができる。軸部材621が回転すると、テープ押付けブロック61の他端は、軸部材621を支点として上下方向へ所定の角度だけ回動する。テープ押付けブロック61の他端が下側から上側へ回動すると、テープ巻付けユニット40から引き出された粘着テープTの下面(非粘着面)がテープ押付けブロック61の他端により押上げられ、粘着テープTの上面(粘着面)が第一ワークW1の電線W1bの下面に押付けられる。
【0058】
回転駆動部62は、第一ワーク右側支持ブロック15の側面に固定され、第一ワーク右側支持ブロック15を介して台座ユニット70の左右スライド駆動部71の可動部711に固定されている。回転駆動部62は、モーターなどの動力源や任意の駆動機構で構成され、軸部材621を回転させるように構成されている。
【0059】
<台座ユニット70の構成>
図2に示すように、台座ユニット70は、第一ワーク保持ユニット10(10a、10b)、第二ワーク位置決めユニット20、第二ワーク保持ユニット30、テープ押付けユニット60を一体的に左右方向へ移動させる左右スライド駆動部71と、これらの構成の全てを一体的に前後方向へ移動させる前後スライド駆動部72と、左右スライド駆動部71及び前後スライド駆動部72を支持する台座73と、を備えている。
【0060】
図8-1に示すように、左右スライド駆動部71は、前後スライド駆動部72の可動部721に固定されている。前後スライド駆動部72は、台座73に固定されている。第一ワーク保持ユニット10(10a、10b)、第二ワーク位置決めユニット20、第二ワーク保持ユニット30、テープ押付けユニット60は、左右スライド駆動部71の可動部711に固定され、左右スライド駆動部71の可動部711と共に左右方向へ移動することができ、さらに、左右スライド駆動部71を介して前後スライド駆動部72の可動部721に固定され、前後スライド駆動部72の可動部721と共に前後方向へ移動することができる。
【0061】
左右スライド駆動部71と前後スライド駆動部72は、モーターなどの動力源や任意の駆動機構で構成され、それぞれ、可動部711を左右方向へ直動させ、可動部721を前後方向へ直動させるように構成されている。
【0062】
<その他の構成>
テープ巻付け装置1は、図示しない制御ユニットを有し、この制御ユニットを介して、第一ワーク保持ユニット10(10a、10b)、第二ワーク位置決めユニット20、第二ワーク保持ユニット30、テープ巻付けユニット40、テープ保持ユニット50、テープ押付けユニット60、台座ユニット70の動作を電気的に制御する。
【0063】
図10-1~
図10-38は、それぞれ、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置の動作を示す図である。各図の説明は、[図面の簡単な説明]の段落に記載されているため、ここでは省略する。各図は、テープ巻付け装置の動作に関わる構成の要部のみを簡易的に示している。以下、これらの図ならびに前述のその他の図を適宜用いて、本発明の実施例におけるテープ巻付け装置1の動作について説明する。
【0064】
テープ巻付け装置1は、例えば、以下のステップ1~47(それぞれS1~S47と表記する)に従って順次動作し、第一ワークW1の電線W1bの外周面と第二ワークW2の外周面に粘着テープTを巻付ける。
【0065】
<S1>
まず、
図8-1に示すように、第一ワーク保持ユニット10aの第一ワーク左側支持ブロック11の上に第一ワークW1の電子部品本体W1aが予め載置され、且つ、第一ワーク保持ユニット10bの第一ワーク右側支持ブロック15の上に第一ワークW1のコネクタW1cが予め載置された状態において、
図10-1(a)に示すように、第一ワーク保持ユニット10aの第一ワーク左側押えプレート12が、前後スライド駆動部14の動作により、後方向へ一定の距離だけ移動し、第一ワークW1の電子部品本体W1aの上面に摺動しながら当接する。これにより、第一ワークW1の電子部品本体W1aが第一ワーク左側支持ブロック11の上面と第一ワーク左側押えプレート12の下面との間に挟持される。また、
図10-1(b)に示すように、第一ワーク保持ユニット10bの第一ワーク右側押えプレート16が、前後スライド駆動部17の動作により、後方向へ一定の距離だけ移動し、第一ワークW1のコネクタW1cの上面に摺動しながら当接する。これにより、第一ワークW1のコネクタW1cが第一ワーク右側支持ブロック15の上面と第一ワーク右側押えプレート16の下面との間に挟持される。
【0066】
<S2>
次に、
図10-2に示すように、第一ワーク保持ユニット10aの第一ワーク左側支持ブロック11が、左右スライド駆動部13の動作により、左方向へ僅かに移動する。これにより、第一ワークW1の電子部品本体W1aが左方向へ僅かに移動し、その分だけ第一ワークW1の電線W1bに作用する張力が増加する。
【0067】
<S3>
次に、
図10-3(a)に示すように、第二ワーク保持ユニット30の第二ワーク保持ハンド31が、前後スライド駆動部32の動作により、後方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、第二ワーク保持ハンド31の一対の爪311が上下方向において第二ワークW2と対向する。また、
図10-3(b)に示すように、第二ワーク位置決めユニット20の第二ワーク位置決めプレート21が、前後スライド駆動部22の動作により、後方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、第二ワーク位置決めプレート21に設けられたスリット開口部211の中心付近に第一ワークW1の電線W1bが挿入され、第二ワーク位置決めプレート21の左側面が第二ワークW2の右側面と対向する。
【0068】
<S4>
次に、
図8-3に示すように、第二ワーク位置決めユニット20の第二ワーク位置決めプレート21が、左右スライド駆動部23の動作により、左方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、第二ワーク位置決めプレート21の左側面が第二ワークW2の右側面に当接し、それに応じて第二ワークW2の左側面が第一ワークW1の電子部品本体W1aの右側面に当接し、第二ワークW2が第一ワークW1の電子部品本体W1aに対して位置決めされる。
【0069】
<S5>
次に、
図10-4に示すように、第二ワーク保持ユニット30の第二ワーク保持ハンド31の一対の爪311が互いに近接する方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、第二ワークW2が第二ワーク保持ハンド31の一対の爪311により上下方向から把持される。
【0070】
<S6>
次に、第二ワーク位置決めユニット20の第二ワーク位置決めプレート21が、左右スライド駆動部23の動作により、右方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、第二ワーク位置決めプレート21が第二ワークW2の右側面から離反し、第二ワーク位置決めプレート21が右方向における所定の位置(
図10-3(b)に示す位置)へ移動する。
【0071】
<S7>
次に、
図10-5に示すように、第二ワーク位置決めユニット20の第二ワーク位置決めプレート21が、前後スライド駆動部22の動作により、前方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、第二ワーク位置決めプレート21が第一ワークW1の電線W1bから離反し、第二ワーク位置決めプレート21が前方向における所定の位置へ移動する。
【0072】
<S8>
次に、第一ワーク保持ユニット10a及び10bと第二ワーク保持ユニット30が、左右スライド駆動部71の動作により、右方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、第一ワークW1と第二ワークW2が右方向へ一定の距離だけ一体的に移動し、第二ワークW2の右端部から右方向へ延在する第一ワークW1の電線W1bがテープ巻付けユニット40のテープガイドローラー42と概ね対向する位置へ移動する。
【0073】
<S9>
次に、第一ワーク保持ユニット10a及び10bと第二ワーク保持ユニット30が、前後スライド駆動部72の動作により、後方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、
図10-6に示すように、第一ワークW1と第二ワークW2が後方向へ一定の距離だけ一体的に移動し、第二ワークW2の右端部から右方向へ延在する第一ワークW1の電線W1bがテープ巻付けユニット40とテープ保持ユニット50に概ね近い位置へ移動する。
【0074】
<S10>
次に、第一ワーク保持ユニット10a及び10bと第二ワーク保持ユニット30が、前後スライド駆動部72の動作により、後方向へさらに一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、
図10-7に示すように、第二ワークW2の右端部から右方向へ延在する第一ワークW1の電線W1bが、テープ巻付けユニット40の回転プレート43に設けられたスリット開口部431と回転駆動部44に設けられたスリット開口部441の中心付近に挿入される。
【0075】
<S11>
次に、
図10-8に示すように、テープ保持ユニット50のテープ押えローラー51、テープ支持ブロック54及びテープカッター56が、上下スライド駆動部58の動作により、上方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、テープ押えローラー51とテープ支持ブロック54との間に挟持された粘着テープTが上方向へ一定の距離だけ移動し、粘着テープTの上面が第一ワークW1の電線W1bの下面に近接する。この時、テープ押えローラー51の下面は、第一ワークW1の電線W1bの下面と同等の高さに配置される。
【0076】
<S12>
次に、
図10-9に示すように、テープ巻付けユニット40の回転プレート43が、回転駆動部44の動作により、右から見て反時計回りに一定の角度だけ回転する。これにより、テープ巻付けユニット40のテープガイドローラー42が上方向へ一定の距離だけ移動し、粘着テープTの上面が第一ワークW1の電線W1bの下面にさらに近接もしくは僅かに接触する。この時、テープガイドローラー42の下面は、第一ワークW1の電線W1bの下面と同等の高さに配置される。したがって、粘着テープTは、テープガイドローラー42とテープ押えローラー51との間において実質的に水平に配置される。
【0077】
<S13>
次に、テープ押付けユニット60のテープ押付けブロック61が、回転駆動部62の動作により、前から見て時計回りに一定の角度だけ回動し、それに応じて、
図10-10に示すように、テープ押付けブロック61の先端が上方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、粘着テープTがテープ押付けブロック61の先端により第一ワークW1の電線W1bの下面に押付けられ、粘着テープTの上面(粘着面)が第一ワークW1の電線W1bの下面に貼付けられる。
【0078】
<S14>
次に、
図10-11に示すように、テープ巻付けユニット40の回転プレート43が、回転駆動部44の動作により、右から見て時計回りに一定の角度だけ回転する。これにより、テープ巻付けユニット40のテープガイドローラー42が下方向へ一定の距離だけ移動し、それに応じて粘着テープTの右側が下方向へ一定の距離だけ移動する。
【0079】
<S15>
次に、
図10-12に示すように、テープ保持ユニット50のテープ支持ブロック54が、上下スライド駆動部55の動作により、下方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、テープ支持ブロック54が粘着テープTから離反し、下方向における所定の位置へ移動する。
【0080】
<S16>
次に、
図10-13に示すように、テープ保持ユニット50のテープ押えローラー51、テープ支持ブロック54及びテープカッター56が、上下スライド駆動部58の動作により、下方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、テープ押えローラー51が粘着テープTから離反し、テープ押えローラー51、テープ支持ブロック54及びテープカッター56がそれぞれ下方向における所定の位置へ移動する。この時、テープ押えローラー51は、粘着テープTの上面(粘着面)と粘着力により接触しながら、右から見て反時計回りに受動的に回転し、やがて粘着テープTの上面(粘着面)から離脱する。
【0081】
<S17>
次に、
図10-14に示すように、テープ保持ユニット50のテープ押えローラー51が、回転駆動部53の動作により、支柱52を支点として、上から見て反時計回りに90°の角度だけ回動する。これにより、テープ押えローラー51が支柱52から後方向へ延在する状態になる。
【0082】
<S18>
次に、
図10-15に示すように、テープ巻付けユニット40の回転プレート43が、回転駆動部44の動作により、右から見て反時計回りに180°の角度だけ回転(半回転)する。これにより、粘着テープTが第一ワークW1の電線W1bの外周面に局所的に巻付けられる。
【0083】
<S19>
次に、テープ押付けユニット60のテープ押付けブロック61が、回転駆動部62の動作により、前から見て反時計回りに一定の角度だけ回動し、それに応じて、
図10-16に示すように、テープ押付けブロック61の先端が下方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、テープ押付けブロック61の先端が粘着テープTから離反し、下方向における所定の位置へ移動する。
【0084】
<S20>
次に、
図10-17に示すように、テープ巻付けユニット40の回転プレート43が、回転駆動部44の動作により、右から見て反時計回りに360°の角度で3~4回転する。これにより、粘着テープTが第一ワークW1の電線W1bの外周面に3~4回転分だけ巻付けられ、粘着テープTが第一ワークW1の電線W1bの外周面に強固に固定される。
【0085】
<S21>
次に、第一ワーク保持ユニット10a及び10bと第二ワーク保持ユニット30が、前後スライド駆動部72の動作により、前方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、
図10-18に示すように、第一ワークW1と第二ワークW2が前方向へ一定の距離だけ一体的に移動し、その分だけテープ巻付けユニット40のテープリール41から粘着テープTが前方向へ引き出される。
【0086】
<S22>
次に、第一ワーク保持ユニット10a及び10bと第二ワーク保持ユニット30が、前後スライド駆動部72の動作により、後方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、
図10-19に示すように、第一ワークW1と第二ワークW2が後方向へ一定の距離だけ一体的に移動し、その分だけ粘着テープTが撓んだ状態となり、粘着テープTに作用する張力が減少する。
【0087】
<S23>
次に、
図8-5に示すように、第二ワーク保持ユニット30の第二ワーク保持ハンド31が、左右スライド駆動部33の動作により、右方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、第二ワークW2が第一ワークW1の電線W1bの外周面に沿って右方向へ一定の距離だけ移動し、第二ワークW2の右側面が粘着テープTの左側面に少し食い込むように強く当接し、
図10-20に示すように、粘着テープTに湾曲や屈曲による変形部Taが形成され、この変形部Taの一部が第一ワークW1の電線W1bの外周面と第二ワークW2の内周面との間の隙間に相対的に押し込まれる。この時、粘着テープTの変形部Taが第一ワークW1の電線W1bの外周面と第二ワークW2の内周面との間の隙間に押し込まれる距離は、例えば、粘着テープTの幅の半分程度である。
【0088】
<S24>
次に、
図10-21に示すように、テープ巻付けユニット40の回転プレート43が、回転駆動部44の動作により、右から見て反時計回りに360°の角度で3~4回だけ回転する。これにより、第二ワークW2の右端部から右方向へ延在する第一ワークW1の電線W1bの外周面と第二ワークW2の右端部の外周面とに跨るように粘着テープTが3~4回転分だけ巻付けられる。
【0089】
<S25>
次に、第一ワーク保持ユニット10a及び10bと第二ワーク保持ユニット30が、左右スライド駆動部71の動作により、右方向へ一定の速度で一体的に移動しながら、テープ巻付けユニット40の回転プレート43が、回転駆動部44の動作により、右から見て反時計回りに360°の角度で所定の回数だけ回転する。これにより、第一ワークW1と第二ワークW2が右方向へ一定の速度で一体的に移動しながら、第二ワークW2の右端部の外周面から第二ワークW2の概ね中央部の外周面にわたって粘着テープTが隙間なく螺旋状に巻付けられる。
【0090】
<S26>
次に、
図10-22に示すように、第二ワーク保持ユニット30の第二ワーク保持ハンド31の一対の爪311が互いに離反する方向へ移動する。これにより、第二ワークW2が第二ワーク保持ハンド31の爪311による拘束から解放される。
【0091】
<S27>
次に、
図10-23に示すように、第二ワーク保持ユニット30の第二ワーク保持ハンド31が、前後スライド駆動部32の動作により、前方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、第二ワーク保持ハンド31が第二ワークW2から離反し、前方向における所定の位置へ移動する。
【0092】
<S28>
次に、第二ワーク保持ユニット30の第二ワーク保持ハンド31が、左右スライド駆動部33の動作により、左方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、第二ワーク保持ハンド31が左方向における所定の位置へ移動する。
【0093】
<S29>
次に、
図10-24に示すように、第一ワーク保持ユニット10a及び10bが、左右スライド駆動部71の動作により、右方向へ一定の速度で一体的に移動しながら、テープ巻付けユニット40の回転プレート43が、回転駆動部44の動作により、右から見て反時計回りに360°の角度で所定の回数だけ回転する。これにより、第一ワークW1と第二ワークW2が右方向へ一定の速度で一体的に移動しながら、第二ワークW2の概ね中央部の外周面から、第二ワークW2の左端部の外周面を経由して、第二ワークW2の左端部から左方向へ延在する第一ワークW1の電線W1bの外周面にわたって、粘着テープTが隙間なく螺旋状に巻付けられる。
【0094】
<S30>
次に、テープ巻付けユニット40の回転プレート43が、回転駆動部44の動作により、右から見て反時計回りに360°の角度で3~4回だけ回転する。これにより、第二ワークW2の左端部から左方向へ延在する第一ワークW1の電線W1bの外周面に粘着テープTが3~4回転分だけ巻付けられる。
【0095】
<S31>
次に、
図10-25に示すように、第一ワーク保持ユニット10a及び10bが、左右スライド駆動部71の動作により、左方向へ僅かに一体的に移動する。これにより、第一ワークW1と第二ワークW2が左方向へ僅かに一体的に移動し、それに応じて、第二ワークW2の左端部から左方向へ延在する第一ワークW1の電線W1bに巻付けられた粘着テープTが左方向へ僅かに移動し、粘着テープTが第一ワークW1の電線W1bの外周面からテープガイドローラー42へ向かって前方向へ真っすぐに延在する状態になる。なお、この動作が行われる直前の状態において、粘着テープTは、第一ワークW1と第二ワークW2の外周面に螺旋状に巻付けられた粘着テープTの影響により、テープガイドローラー42から第一ワークW1の電線W1bの右側へ向かって僅かに斜めに延在している。この状態のままでは、後述のS40において、粘着テープTを確実に切断することができない恐れがある。
【0096】
<S32>
次に、第一ワーク保持ユニット10a及び10bが、前後スライド駆動部72の動作により、前方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、第一ワークW1の電線W1bと第二ワークW2がテープ巻付けユニット40の回転プレート43に設けられたスリット開口部431の内側から外側へ一体的に移動し、その分だけテープリール41から粘着テープTが引き出される。
【0097】
<S33>
次に、
図10-27に示すように、テープ保持ユニット50のテープ押えローラー51、テープ支持ブロック54及びテープカッター56が、上下スライド駆動部58の動作により、上方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、テープ押えローラー51の下面が粘着テープTの上面よりも少しだけ高い位置に配置される。
【0098】
<S34>
次に、
図10-28に示すように、テープ保持ユニット50のテープ押えローラー51が、回転駆動部53の動作により、支柱52を支点として、上から見て時計回りに90°の角度だけ回動する。これにより、テープ押えローラー51の下面が粘着テープTの上面と対向する状態になる。
【0099】
<S35>
次に、
図10-29に示すように、テープ保持ユニット50のテープ押えローラー51、テープ支持ブロック54及びテープカッター56が、上下スライド駆動部58の動作により、下方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、テープ押えローラー51の下面が粘着テープTの上面に近づいた状態になる。
【0100】
<S36>
次に、
図10-30に示すように、第一ワーク保持ユニット10a及び10bが、前後スライド駆動部72の動作により、後方向へ僅かに移動する。これにより、第一ワークW1の電線W1bと第二ワークW2が後方向へ僅かに移動し、粘着テープTが僅かに撓んだ状態になる。
【0101】
<S37>
次に、
図10-31に示すように、テープ巻付けユニット40の回転プレート43が、回転駆動部44の動作により、右から見て反時計回りに一定の角度だけ回転する。これにより、テープガイドローラー42が上方向へ一定の距離だけ移動し、粘着テープTの上面がテープ保持ユニット50のテープ押えローラー51の下面に近接もしくは僅かに接触する。
【0102】
<S38>
次に、
図10-32に示すように、テープ保持ユニット50のテープ支持ブロック54が、上下スライド駆動部55の動作により、上方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、粘着テープTがテープ押えローラー51の下面とテープ支持ブロック54の上面との間に挟持される。
【0103】
<S39>
次に、第一ワーク保持ユニット10a及び10bが、前後スライド駆動部72の動作により、前方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、
図10-33に示すように、第一ワークW1の電線W1bと第二ワークW2が前方向へ一定の距離だけ一体的に移動し、粘着テープTに作用する張力が増加する。
【0104】
<S40>
次に、
図10-34に示すように、テープ保持ユニット50のテープカッター56が、上下スライド駆動部57の動作により、上方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、粘着テープTが、第一ワークW1の電線W1bとテープ押えローラー51及びテープ支持ブロック54との間において、テープカッター56により切断される。
【0105】
<S41>
次に、
図10-35に示すように、テープ保持ユニット50のテープカッター56が、上下スライド駆動部57の動作により、下方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、テープカッター56が粘着テープTから離反し、下方向における所定の位置へ移動する。
【0106】
<S42>
次に、
図10-36に示すように、テープ巻付けユニット40の回転プレート43が、回転駆動部44の動作により、右から見て時計回りに一定の角度だけ回転する。これにより、回転プレート43が初期位置へ移動する。
【0107】
<S43>
次に、第一ワーク保持ユニット10a及び10bが、前後スライド駆動部72の動作により、前方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、
図10-37に示すように、第一ワークW1と第二ワークW2が前方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。
【0108】
<S44>
次に、第一ワーク保持ユニット10a及び10bが、左右スライド駆動部71の動作により、左方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。これにより、第一ワークW1と第二ワークW2が左方向へ一定の距離だけ一体的に移動する。
【0109】
<S45>
次に、第一ワーク保持ユニット10aの第一ワーク左側支持ブロック11が、左右スライド駆動部13の動作により、右方向へ僅かに移動する。これにより、第一ワークW1の電子部品本体W1aが右方向へ僅かに移動し、第一ワークW1の電線W1bに付加されていた張力が解除される。
【0110】
<S46>
次に、第一ワーク保持ユニット10aの第一ワーク左側押えプレート12が、前後スライド駆動部14の動作により、前方向へ一定の距離だけ移動し、また、第一ワーク保持ユニット10bの第一ワーク右側押えプレート16が、前後スライド駆動部17の動作により、前方向へ一定の距離だけ移動する。これらにより、第一ワーク左側押えプレート12が第一ワークW1の電子部品本体W1aの上面から離反し、また、第一ワーク右側押えプレート16が第一ワークW1のコネクタW1cの上面から離反し、第一ワークW1が第一ワーク左側支持ブロック11と第一ワーク右側支持ブロック15から取り外し可能な状態になる。
【0111】
<S47>
最後に、
図10-38に示すように、テープ保持ユニット50のテープ押えローラー51、テープ支持ブロック54及びテープカッター56が、上下スライド駆動部58の動作により、下方向へ一定の距離だけ移動する。これにより、テープ巻付け装置1が初期状態に戻る。
【0112】
S47が終了した後は、粘着テープTが巻付けられた第一ワークW1と第二ワークW2がテープ巻付け装置1から手動又は自動で取り出される。そして、必要に応じて、粘着テープTが巻付けられていない新たな第一ワークW1と第二ワークW2がテープ巻付け装置1に手動又は自動で供給され、再びS1~S47が行われる。
【0113】
S1~S47は、テープ巻付け装置1の動作の一例に過ぎず、種々の変更が可能である。例えば、S1~S47のうちのいくつかは、互いの動作を妨げない限りにおいて、互いに同じタイミングで行うことや互いに順序を入れ替えて行うことが可能である。
【0114】
<テープ巻付け装置1の効果>
テープ巻付け装置1によれば、例えば、以下の効果が得らえる。
【0115】
第二ワーク保持ユニット30の第二ワーク保持ハンド31が第二ワークW2を第一ワークW1の電線W1bの外周面に沿って移動させ、第二ワークW2を粘着テープTの側面に当接させることで粘着テープTの変形部Taを形成し、この変形部Taの一部を第一ワークW1の電線W1bの外周面と第二ワークW2の内周面との間の隙間に相対的に押し込むので、テープ巻付け装置1は、第一ワークW1の電線W1bの外周面と第二ワークW2の外周面との間の隙間に粘着テープTの一部を確実に入れた状態で第一ワークW1の電線W1bの外周面と第二ワークW2の外周面に粘着テープを巻付けることができる。
【0116】
第二ワーク位置決めユニット20の第二ワーク位置決めプレート21が第二ワークW2を第一ワークW1に対して位置決めするので、テープ巻付け装置1は、その位置を基準として第二ワークW2を正確に移動させ、第二ワークW2を粘着テープTに適切に当接させることができる。
【0117】
テープ保持ユニット50のテープ押えローラー51とテープ支持ブロック54が粘着テープTを挟持するので、テープ巻付け装置1は、テープ巻付けユニット40から引き出された粘着テープTの粘着面を第一ワークW1の電線W1bに安定して貼付けること、ならびに、テープ巻付けユニット40から引き出された粘着テープTを安定して切断することができる。
【0118】
テープ保持ユニット50のテープ押えローラー51が粘着テープTの粘着面と接触しながら回転するので、テープ巻付け装置1は、粘着テープTに大きな負荷をかけることなくテープ押えローラー51を粘着テープTの粘着面から離脱させることができる。他方では、テープ支持ブロック54の平坦面が粘着テープTの非粘着面を支持するので、テープ巻付け装置1は、粘着テープTを安定して保持することができる。
【0119】
テープ保持ユニット50のテープ押えローラー51が支柱52を支点として回動するので、テープ巻付け装置1は、テープ押えローラー51が粘着テープTの粘着面と対向する状態と、テープ押えローラー51が粘着テープTの粘着面と対向しない状態とを、容易に切り替えることができる。このことは、テープ巻付け装置1の構成の単純化や設計の自由度向上に寄与する。
【0120】
テープ押付けユニット60のテープ押付けブロック61が粘着テープTの粘着面を第一ワークW1の電線W1bに押付けるので、テープ巻付け装置1は、粘着テープTを第一ワークW1の電線W1bに確実に貼付けることができる。
【0121】
台座ユニット70の左右スライド駆動部71と前後スライド駆動部72が第一ワーク保持ユニット10(10a、10b)と第二ワーク保持ユニット30を左右方向と前後方向へ一体的に移動させるので、テープ巻付け装置1は、自由度が高い動作を行うことができる。これに対し、テープ巻付けユニット40は、台座ユニット70の台座73に左右方向と前後方向へ動かないように固定されているので、テープ巻付けユニット40が左右方向と前後方向へ動くように構成されている場合と比較して、テープ巻付け装置1の構成を単純化することができる。すなわち、第一ワーク保持ユニット10(10a、10b)と第二ワーク保持ユニット30が左右方向と前後方向へ一体的に移動するように構成され、且つ、テープ巻付けユニット40が所定の位置に動かないように固定されているので、テープ巻付け装置1は、単純な構成で自由度が高い動作を行うことができる。
さらに、第二ワーク位置決めユニット20とテープ押付けユニット60が、台座ユニット70の左右スライド駆動部71と前後スライド駆動部72により、第一ワーク保持ユニット10(10a、10b)と第二ワーク保持ユニット30と共に左右方向と前後方向へ一体的に移動するように構成され、且つ、テープ保持ユニット50が、テープ巻付けユニット40と同様に、所定の位置に動かないように固定されているので、テープ巻付け装置1は、単純な構成でよりいっそう自由度が高い動作を行うことができる。
【0122】
S2の動作により、第一ワークW1の電線W1bに作用する張力が増加するので、テープ巻付け装置1は、第一ワークW1の電線W1bの外周面に粘着テープTを適切に巻付けることができる。
【0123】
S21~S22の動作により、粘着テープTに作用する張力が減少するので、テープ巻付け装置1は、S23において、粘着テープTを容易に変形させて適切な形状の変形部Taを形成し、この変形部Taを第一ワークW1の電線W1bの外周面と第二ワークW2の内周面との間の隙間に確実に押し込むことができる。
【0124】
S31の動作により、粘着テープTが第一ワークW1の電線W1bの外周面からテープガイドローラー42へ向かって真っすぐに延在する状態になるので、テープ巻付け装置1は、S40において、粘着テープTを確実に切断することができる。
【0125】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を取り得る。ワークは、上述の第一ワークW1(電子部品)と第二ワークW2(樹脂チューブ)とで構成されたものには限定されず、その他のものであっても良い。
【符号の説明】
【0126】
1 テープ巻付け装置
10 第一ワーク保持ユニット
10a 第一ワーク保持ユニット(左側)
10b 第一ワーク保持ユニット(右側)
11 第一ワーク左側支持ブロック
12 第一ワーク左側押えプレート
13 左右スライド駆動部
131 可動部
14 前後スライド駆動部
141 可動部
15 第一ワーク右側支持ブロック
16 第一ワーク右側押えプレート
17 前後スライド駆動部
171 可動部
20 第二ワーク位置決めユニット
21 第二ワーク位置決めプレート
211 スリット開口部
22 前後スライド駆動部
221 可動部
23 左右スライド駆動部
231 可動部
30 第二ワーク保持ユニット
31 第二ワーク保持ハンド
311 爪
32 前後スライド駆動部
321 可動部
33 左右スライド駆動部
331 可動部
40 テープ巻付けユニット
41 テープリール
42 テープガイドローラー
43 回転プレート
431 スリット開口部
44 回転駆動部
441 スリット開口部
50 テープ保持ユニット
51 テープ押えローラー
52 支柱
53 回転駆動部
54 テープ支持ブロック
55 上下スライド駆動部
551 可動部
56 テープカッター
57 上下スライド駆動部
571 可動部
58 上下スライド駆動部
581 可動部
60 テープ押付けユニット
61 テープ押付けブロック
62 回転駆動部
621 軸部材
70 台座ユニット
71 左右スライド駆動部
711 可動部
72 前後スライド駆動部
721 可動部
73 台座
T 粘着テープ
Ta 変形部
W1 第一ワーク
W1a 電子部品本体
W1b 電線(ケーブル)
W1c コネクタ
W2 第二ワーク