(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】点群生成装置、点群生成方法および点群生成プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/28 20060101AFI20241220BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241220BHJP
G01S 17/89 20200101ALI20241220BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
G01C21/28
G08G1/00 A
G01S17/89
G09B29/00 Z
(21)【出願番号】P 2021211033
(22)【出願日】2021-12-24
【審査請求日】2024-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光伸
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 昌志
(72)【発明者】
【氏名】高橋 由華子
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-138786(JP,A)
【文献】特開2012-242318(JP,A)
【文献】特開2016-081087(JP,A)
【文献】特開平10-185600(JP,A)
【文献】特開2017-224071(JP,A)
【文献】特開2007-298339(JP,A)
【文献】特開2009-236517(JP,A)
【文献】特開2010-287156(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0187147(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
G08G 1/00-99/00
G01S 17/89
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられた受信機によって得られた衛星測位データと、前記車両に取り付けられた慣性計測装置によって得られた慣性計測データと、に基づいて、各時刻における前記車両の位置および姿勢を計測位置および計測姿勢として算出する位置算出部と、
前記車両に取り付けられたオドメータによって得られた進行距離データに基づいて前記車両の停止時間帯を特定し、前記停止時間帯の中で前記計測位置が変化している時間帯を変位時間帯として特定し、前記変位時間帯の各時刻における前記計測位置に基づいて前記変位時間帯における代表位置を決定し、前記変位時間帯の各時刻における前記計測位置を前記代表位置に修正し、前記代表位置に基づいて前記変位時間帯の前後の各時刻における計測位置および計測姿勢を修正する位置修正部と、
各時刻における修正後の前記計測位置と、各時刻における修正後の前記計測姿勢と、前記車両に取り付けられたレーザースキャナによって得られたレーザー点群データと、に基づいて、三次元点群データを生成する点群生成部と、
を備える点群生成装置。
【請求項2】
前記位置修正部は、前記進行距離データに示される進行距離の変化量が距離閾値以下である時間帯を前記停止時間帯として特定する
請求項1に記載の点群生成装置。
【請求項3】
前記位置修正部は、前記停止時間帯の中で前記計測位置の変化量が変位閾値以上である時間帯を前記変位時間帯として特定する
請求項1または請求項2に記載の点群生成装置。
【請求項4】
前記位置修正部は、前記変位時間帯における前記計測位置の平均を前記代表位置に決定する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の点群生成装置。
【請求項5】
前記位置修正部は、前記変位時間帯の前の特定の時間帯である第1調整時間帯と、前記変位時間帯の後の特定の時間帯である第2調整時間帯と、を決定し、前記第1調整時間帯の前時刻における前記計測位置と前記代表位置とに滑らかにつながるように前記第1調整時間帯の各時刻における前記計測位置および前記計測姿勢を修正し、前記代表位置と前記第2調整時間帯の後時刻における前記計測位置とに滑らかにつながるように前記第2調整時間帯の各時刻における前記計測位置および前記計測姿勢を修正する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の点群生成装置。
【請求項6】
前記位置修正部は、前記変位時間帯における前記計測位置の変化量を算出し、前記変化量に係数をかけて調整量を算出し、前記調整量に基づいて前記第1調整時間帯と前記第2調整時間帯を決定し、
前記第1調整時間帯と前記第2調整時間帯は、前記変位時間帯と連続する衛星不可視時間帯であり、
前記第1調整時間帯と前記第2調整時間帯のそれぞれにおいて、前記計測位置の変化量は前記調整量以下である
請求項5に記載の点群生成装置。
【請求項7】
前記位置修正部は、
前記代表位置と滑らかにつながるように前記第1調整時間帯の計測位置群を回転移動し、前記回転移動に合わせて前記第1調整時間帯の各時刻における前記計測姿勢を修正し、前記前時刻における前記計測位置と回転移動後の前記計測位置群の各計測位置と前記代表位置が均等間隔で並ぶように回転移動後の前記計測位置群の各計測位置を修正し、
前記代表位置と滑らかにつながるように前記第2調整時間帯の前記計測位置群を回転移動し、前記回転移動に合わせて前記第2調整時間帯の各時刻における前記計測姿勢を修正し、前記代表位置と回転移動後の前記計測位置群の各計測位置と前記後時刻における前記計測位置が均等間隔で並ぶように回転移動後の前記計測位置群の各計測位置を修正する
請求項5または請求項6に記載の点群生成装置。
【請求項8】
位置算出部が、車両に取り付けられた受信機によって得られた衛星測位データと、前記車両に取り付けられた慣性計測装置によって得られた慣性計測データと、に基づいて、各時刻における前記車両の位置および姿勢を計測位置および計測姿勢として算出し、
位置修正部が、前記車両に取り付けられたオドメータによって得られた進行距離データに基づいて前記車両の停止時間帯を特定し、前記停止時間帯の中で前記計測位置が変化している時間帯を変位時間帯として特定し、前記変位時間帯の各時刻における前記計測位置に基づいて前記変位時間帯における代表位置を決定し、前記変位時間帯の各時刻における前記計測位置を前記代表位置に修正し、前記代表位置に基づいて前記変位時間帯の前後の各時刻における計測位置および計測姿勢を修正し、
点群生成部が、各時刻における修正後の前記計測位置と、各時刻における修正後の前記計測姿勢と、前記車両に取り付けられたレーザースキャナによって得られたレーザー点群データと、に基づいて、三次元点群データを生成する
点群生成方法。
【請求項9】
車両に取り付けられた受信機によって得られた衛星測位データと、前記車両に取り付けられた慣性計測装置によって得られた慣性計測データと、に基づいて、各時刻における前記車両の位置および姿勢を計測位置および計測姿勢として算出する位置算出処理と、
前記車両に取り付けられたオドメータによって得られた進行距離データに基づいて前記車両の停止時間帯を特定し、前記停止時間帯の中で前記計測位置が変化している時間帯を変位時間帯として特定し、前記変位時間帯の各時刻における前記計測位置に基づいて前記変位時間帯における代表位置を決定し、前記変位時間帯の各時刻における前記計測位置を前記代表位置に修正し、前記代表位置に基づいて前記変位時間帯の前後の各時刻における計測位置および計測姿勢を修正する位置修正処理と、
各時刻における修正後の前記計測位置と、各時刻における修正後の前記計測姿勢と、前記車両に取り付けられたレーザースキャナによって得られたレーザー点群データと、に基づいて、三次元点群データを生成する点群生成処理と、
をコンピュータに実行させるための点群生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モービルマッピングシステム(MMS)による三次元点群の生成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
MMSにおいて、計測環境が悪い場合に衛星不可視下で計測車両が静止すると、計測車両が静止しているにも関わらず、後処理によって算出される自己位置は僅かに移動してしまう。
この現象は、ForwardデットレコニングとBackwardデットレコニングの誤差から生じるものであり、IMUを使用する限り発生してしまう。IMUは、慣性計測装置の略称である。
高性能なIMUを使用すれば、ある程度はこの現象を減らすことができるが、多大なコストがかかる。そのため、高性能なIMUを使用したMMSの現実性は低い。
【0003】
この問題は、MMSの開発当初から存在している。但し、これまでは、上記現象によって歪みが生じてしまう三次元点群を納品することが少なく、図面化のときに人が目視で三次元点群の歪みを修正していた。また、専門に教育された人員が計測を行っていたため、上記現象の発生頻度は少なかった。
【0004】
近年、MMSが一般化することによって、三次元点群が納品の対象となり、三次元点群の歪みが問題視されるようになった。また、計測が専門職でなくなり、計測ルールの緩和が求められるようになった。さらに、大量の計測データを取得するため、走行環境を選ばずに計測を行わざるを得なくなった。
そのため、滑らかな三次元点群の取得が望まれるようになった。例えば、衛星不可視の環境である高速道路下で渋滞に巻き込まれ計測車両が断続的に停止する場合であっても滑らかな三次元点群が得られることが望まれるようになった。
【0005】
特許文献1は、三次元点群を用いて三次元モデルを生成する技術を開示している。
しかし、三次元点群の歪みがあると正確な三次元モデルを生成することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、歪みが少ない三次元点群が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の点群生成装置は、
車両に取り付けられた受信機によって得られた衛星測位データと、前記車両に取り付けられた慣性計測装置によって得られた慣性計測データと、に基づいて、各時刻における前記車両の位置および姿勢を計測位置および計測姿勢として算出する位置算出部と、
前記車両に取り付けられたオドメータによって得られた進行距離データに基づいて前記車両の停止時間帯を特定し、前記停止時間帯の中で前記計測位置が変化している時間帯を変位時間帯として特定し、前記変位時間帯の各時刻における前記計測位置に基づいて前記変位時間帯における代表位置を決定し、前記変位時間帯の各時刻における前記計測位置を前記代表位置に修正し、前記代表位置に基づいて前記変位時間帯の前後の各時刻における計測位置および計測姿勢を修正する位置修正部と、
各時刻における修正後の前記計測位置と、各時刻における修正後の前記計測姿勢と、前記車両に取り付けられたレーザースキャナによって得られたレーザー点群データと、に基づいて、三次元点群データを生成する点群生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、歪みが少ない三次元点群を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1における点群生成システム200の構成図。
【
図2】実施の形態1における車両計測データ220の構成図。
【
図3】実施の形態1における点群生成装置100の構成図。
【
図4】実施の形態1における点群生成方法のフローチャート。
【
図5】実施の形態1におけるステップS130のフローチャート。
【
図6】実施の形態1におけるステップS200のフローチャート。
【
図7】実施の形態1におけるステップS220のフローチャート。
【
図8】実施の形態1におけるステップS230のフローチャート。
【
図9】実施の形態1における修正前のエポック群を示す図。
【
図10】実施の形態1における代表エポックを示す図。
【
図11】実施の形態1における修正後のエポック群を示す図。
【
図12】実施の形態1における影響エポック群の修正を示す図。
【
図15】計測車両が止まっていたときに自己位置が前向きに移動してしまっている事例を示す図。
【
図17】Forward処理とBackward処理における自己位置の不一致を示す図。
【
図18】静止時の自己位置の移動と本来の自己位置の軌跡を示す図。
【
図20】修正前の自己位置の軌跡と修正後の自己位置の軌跡を示す図。
【
図21】修正前の三次元点群と修正後の三次元点群を示す図。
【
図22】修正前の三次元点群と修正後の三次元点群を示す図。
【
図23】修正前の三次元点群と修正後の三次元点群を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態および図面において、同じ要素または対応する要素には同じ符号を付している。説明した要素と同じ符号が付された要素の説明は適宜に省略または簡略化する。図中の矢印はデータの流れ又は処理の流れを主に示している。
【0012】
実施の形態1.
点群生成システム200について、
図1から
図13に基づいて説明する。
【0013】
***構成の説明***
図1に基づいて、点群生成システム200の構成を説明する。点群生成システム200は、モービルマッピングシステム(MMS)に相当する。
点群生成システム200は、計測車両210と、点群生成装置100と、を備える。
【0014】
計測車両210は、1つ以上の受信機211と、1つ以上のレーザースキャナ212と、IMU213と、1つ以上のカメラ214と、オドメータ215といった計測機器を備える。
計測機器(オドメータ215を除く)は荷台に取り付けられ、荷台は計測車両210の屋根に設置される。オドメータ215は、タイヤに装着される。但し、計測機器の設置箇所は限定されない。
【0015】
受信機211は、衛星測位システムのための受信機であり、衛星測位を行う。具体的には、受信機211は、4機以上の測位衛星のそれぞれから測位信号を受信し、自己位置を測位する。衛星測位システムの具体例はグローバルポジショニングシステム(GPS)である。
レーザースキャナ212は、レーザー計測を行う。具体的には、レーザースキャナ212は、レーザー光を照射し、レーザー光が照射された地点(計測地点)で反射したレーザー光を受信する。そして、レーザースキャナ212は、レーザー光の照射からレーザー光の受信までの時間に基づいて、計測地点までの距離(相対距離)を算出する。また、レーザースキャナ212は、レーザー光を照射した方向を計測地点への方角(相対方位)と判定する。
IMU213は、慣性計測装置であり、慣性計測を行う。具体的には、IMU213は、角速度および加速度を三次元で計測する。
カメラ214は、撮影を行い、画像を生成する。
オドメータ215は、進行距離を計測する。
【0016】
計測車両210は計測地域を走行し、計測機器が各種計測を行う。
計測車両210の計測機器によって得られるデータを、車両計測データ220と称する。
【0017】
図2に基づいて、車両計測データ220の構成を説明する。
車両計測データ220は、衛星測位データ221と、レーザー点群データ222と、慣性計測データ223と、画像データ224と、進行距離データ225と、を含む。
衛星測位データ221は、受信機211によって得られるデータである。衛星測位データ221は、各時刻における位置を示す。「各時刻」は一定時間ごとの時刻である。「位置」は三次元座標値で表される。
レーザー点群データ222は、レーザースキャナ212によって得られるデータである。レーザー点群データ222は、計測地点ごとのレーザー点データを含む。レーザー点データは、計測時刻、相対距離および相対方位を示す。
慣性計測データ223は、IMU213によって得られるデータである。慣性計測データ223は、各時刻における三次元角速度および三次元加速度を示す。
画像データ224は、カメラ214によって得られるデータである。画像データ224は、撮影時刻ごとの画像を表す。
進行距離データ225は、オドメータ215によって得られるデータである。進行距離データ225は、各時刻における進行距離を示す。
【0018】
図1に戻り、説明を続ける。
点群生成装置100は、車両計測データ220を用いて、三次元点群データ230を生成する。
三次元点群データ230は、計測地点ごとの三次元点データを含む。三次元点データは、計測地点の三次元座標値を示す。
【0019】
点群生成装置100は、計測車両210に搭載されてもよいし、計測車両210とは別に設けられてもよい。
【0020】
図3に基づいて、点群生成装置100の構成を説明する。
点群生成装置100は、プロセッサ101とメモリ102と補助記憶装置103と通信装置104と入出力インタフェース105といったハードウェアを備えるコンピュータである。これらのハードウェアは、信号線を介して互いに接続されている。
【0021】
プロセッサ101は、演算処理を行うICであり、他のハードウェアを制御する。例えば、プロセッサ101は、CPU、DSPまたはGPUである。
ICは、Integrated Circuitの略称である。
CPUは、Central Processing Unitの略称である。
【0022】
メモリ102は揮発性または不揮発性の記憶装置である。メモリ102は、主記憶装置またはメインメモリとも呼ばれる。例えば、メモリ102はRAMである。メモリ102に記憶されたデータは必要に応じて補助記憶装置103に保存される。
RAMは、Random Access Memoryの略称である。
【0023】
補助記憶装置103は不揮発性の記憶装置である。例えば、補助記憶装置103は、ROM、HDD、フラッシュメモリまたはこれらの組み合わせである。補助記憶装置103に記憶されたデータは必要に応じてメモリ102にロードされる。
ROMは、Read Only Memoryの略称である。
HDDは、Hard Disk Driveの略称である。
【0024】
通信装置104はレシーバ及びトランスミッタである。例えば、通信装置104は通信チップまたはNICである。点群生成装置100の通信は通信装置104を用いて行われる。
NICは、Network Interface Cardの略称である。
【0025】
入出力インタフェース105は、入力装置および出力装置が接続されるポートである。例えば、入出力インタフェース105はUSB端子であり、入力装置はキーボードおよびマウスであり、出力装置はディスプレイである。点群生成装置100の入出力は入出力インタフェース105を用いて行われる。
USBは、Universal Serial Busの略称である。
【0026】
点群生成装置100は、受付部110と位置算出部120と位置修正部130と点群生成部140と出力部150といった要素を備える。これらの要素はソフトウェアで実現される。
【0027】
補助記憶装置103には、受付部110と位置算出部120と位置修正部130と点群生成部140と出力部150としてコンピュータを機能させるための点群生成プログラムが記憶されている。点群生成プログラムは、メモリ102にロードされて、プロセッサ101によって実行される。
補助記憶装置103には、さらに、OSが記憶されている。OSの少なくとも一部は、メモリ102にロードされて、プロセッサ101によって実行される。
プロセッサ101は、OSを実行しながら、点群生成プログラムを実行する。
OSは、Operating Systemの略称である。
【0028】
点群生成プログラムの入出力データは記憶部190に記憶される。
メモリ102は記憶部190として機能する。但し、補助記憶装置103、プロセッサ101内のレジスタおよびプロセッサ101内のキャッシュメモリなどの記憶装置が、メモリ102の代わりに、又は、メモリ102と共に、記憶部190として機能してもよい。
【0029】
点群生成装置100は、プロセッサ101を代替する複数のプロセッサを備えてもよい。
【0030】
点群生成プログラムは、光ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録(格納)することができる。
【0031】
***動作の説明***
点群生成システム200の動作(特に点群生成装置100の動作)の手順は点群生成方法に相当する。点群生成装置100の動作の手順は点群生成プログラムによる処理の手順に相当する。
【0032】
図4に基づいて、点群生成方法を説明する。ステップS130が特徴である。他のステップはMMSにおけるステップと同様である。
【0033】
ステップS101において、計測車両210が計測地域を走行する。走行中、計測車両210の計測機器が各種計測を行う。これにより、車両計測データ220が得られる。
【0034】
ステップS110において、受付部110は、車両計測データ220を受け付ける。
例えば、利用者が車両計測データ220を点群生成装置100に入力する。そして、受付部110は、入力された車両計測データ220を受け付ける。
【0035】
ステップS120において、位置算出部120は、衛星測位データ221と慣性計測データ223に基づいて、各時刻における計測車両210の位置と、各時刻における計測車両210の姿勢と、を算出する。
計測車両210の算出された位置を「計測位置」と称する。
計測車両210の算出された姿勢を「計測姿勢」と称する。
【0036】
計測位置および計測姿勢の算出方法は、MMSにおける方法と同様である。例えば、計測位置および計測姿勢はGNSS-INS複合航法と呼ばれる方法で算出される。
【0037】
位置算出部120は、さらに進行距離データ225を用いてもよい。例えば、進行距離データ225は計測位置および計測姿勢の補正に用いられる。
【0038】
ステップS130において、位置修正部130は、進行距離データ225に基づいて、各時刻における計測位置および計測姿勢を修正する。
ステップS130の詳細を後述する。
【0039】
ステップS140において、点群生成部140は、各時刻における計測位置と、各時刻における計測姿勢と、レーザー点群データ222と、に基づいて三次元点群データ230を生成する。この処理をレーザー三次元化と称する。
レーザー三次元化は、MMSにおける方法と同様である。レーザースキャナ212から相対方位に相対距離だけ離れた地点の三次元座標値が計測地点の三次元座標値である。
【0040】
点群生成部140は、さらに画像データ224を用いてもよい。例えば、画像データ224は、計測地点の色を特定するために用いられる。
【0041】
ステップS150において、出力部150は、三次元点群データ230を出力する。
例えば、利用者は点群生成装置100に記憶媒体を接続する。そして、出力部150は、接続された記憶媒体に三次元点群データ230を格納する。
【0042】
図5に基づいて、ステップS130の手順を説明する。
ステップS131において、位置修正部130は、進行距離データ225に基づいて、計測車両210の停止時間帯を特定する。
停止時間帯は、計測車両210が停止していた時間帯である。
【0043】
具体的には、停止時間帯は以下のように特定される。
まず、位置修正部130は、進行距離データ225に示される各時刻における進行距離を参照し、各時刻を基準時刻にして基準時刻から基準時刻以降の各時刻までの進行距離の変化量を算出する。算出される変化量は、計測車両210の移動距離に相当する。
次に、位置修正部130は、算出された各変化量を距離閾値と比較する。距離閾値は予め決められた値である。
そして、位置修正部130は、算出された変化量が距離閾値以下である時間帯を特定する。特定される時間帯が停止時間帯である。
【0044】
例えば、距離閾値が1メートルである場合、計測車両210の移動距離が1メートル以下である最長の時間帯が停止時間帯である。
【0045】
ステップS132において、位置修正部130は、停止時間帯の各時刻における計測位置に基づいて、変位時間帯を特定する。
変位時間帯は、停止時間帯の中で計測位置が変化している時間帯である。
【0046】
具体的には、変位時間帯は以下のように特定される。
まず、位置修正部130は、停止時間帯の各時刻を基準時刻にして基準時刻から基準時刻以降の各時刻までの計測位置の変化量を算出する。算出される変化量は、計測位置の誤差(計測誤差)に相当する。
このとき、位置修正部130は、水平面(二次元)における計測位置の変化量を算出する。但し、位置修正部130は、三次元(高さを含む)における計測位置の変化量を算出してもよい。
次に、位置修正部130は、算出された各変化量を変位閾値と比較する。変位閾値は予め決められた値である。
そして、位置修正部130は、算出された変化量が変位閾値以上である時間帯を特定する。特定される時間帯が変位時間帯である。
【0047】
例えば、変位閾値が50センチメートルである場合、停止時間帯の中で計測誤差が50センチメートル以上である最短の時間帯が変位時間帯である。
【0048】
ステップS133において、位置修正部130は、変位時間帯の各時刻における計測位置に基づいて、変位時間帯における代表位置を決定する。
代表位置は、変位時間帯における計測位置を代表する位置である。
【0049】
具体的には、位置修正部130は、変位時間帯における計測位置の平均を算出する。算出される平均が代表位置である。
但し、位置修正部130は、計測位置の平均以外の位置を代表位置に決定してもよい。例えば、位置修正部130は、変位時間帯のいずれかの時刻における計測位置を代表位置として選択してもよい。
【0050】
ステップS134において、位置修正部130は、変位時間帯の各時刻における計測位置を代表位置に修正する。
【0051】
ステップS200において、位置修正部130は、代表位置に基づいて、変位時間帯の前後の各時刻における計測位置および計測姿勢を修正する。
この修正は、変位時間帯の前後の各時刻における計測位置と代表位置を滑らかにつなげるための処理である。
【0052】
図6に基づいて、ステップS200の手順を説明する。
ステップS210において、位置修正部130は、第1調整時間帯と第2調整時間帯を決定する。
第1調整時間帯は、変位時間帯の前の特定の時間帯である。
第2調整時間帯は、変位時間帯の後の特定の時間帯である。
【0053】
具体的には、第1調整時間帯と第2調整時間帯は以下のように決定される。
まず、位置修正部130は、変位時間帯における計測位置の変化量を算出する。算出される変化量は、計測位置の誤差(計測誤差)に相当する。
このとき、位置修正部130は、水平面(二次元)における計測位置の変化量を算出する。但し、位置修正部130は、三次元(高さを含む)における計測位置の変化量を算出してもよい。
次に、位置修正部130は、算出された変化量に調整係数を掛ける。これによって算出される値を調整量と称する。
そして、位置修正部130は、調整量に基づいて、第1調整時間帯と第2調整時間帯を決定する。
第1調整時間帯と第2調整時間帯は、変位時間帯と連続する衛星不可視時間帯である。衛星不可視時間帯は、測位衛星が不可視であった時間帯である。衛星不可視時間帯は、衛星測位データ221を参照することによって特定される。例えば、衛星測位データ221において位置が示されていない時間帯が衛星不可視時間帯である。
第1調整時間帯と第2調整時間帯のそれぞれにおいて、計測位置の変化量は調整量以下である。
【0054】
例えば、第1調整時間帯は調整量に基づいて以下のように特定される。
まず、位置修正部130は、変位時間帯の一つ前の時刻を選択する。選択される時刻を終了時刻と称する。
次に、位置修正部130は、終了時刻から終了時刻の前の各時刻までの計測位置の変化量を算出する。
次に、位置修正部130は、算出された変化量が調整量以下である最古の時刻を選択する。選択される時刻を開始時刻と称する。開始時刻から終了時刻までの時間帯を暫定時間帯と称する。
そして、位置修正部130は、暫定時間帯の衛星測位データ221を参照し、終了時刻を含む衛星不可視時間帯を特定する。特定される衛星不可視時間帯が第1調整時間帯である。
【0055】
例えば、第2調整時間帯は調整量に基づいて以下のように特定される。
まず、位置修正部130は、変位時間帯の一つ後の時刻を選択する。選択される時刻を開始時刻と称する。
次に、位置修正部130は、開始時刻から開始時刻の後の各時刻までの計測位置の変化量を算出する。
次に、位置修正部130は、算出された変化量が調整量以下である最新の時刻を選択する。選択される時刻を終了時刻と称する。開始時刻から終了時刻までの時間帯を暫定時間帯と称する。
そして、位置修正部130は、暫定時間帯の衛星測位データ221を参照し、開始時刻を含む衛星不可視時間帯を特定する。特定される衛星不可視時間帯が第2調整時間帯である。
【0056】
ステップS220において、位置修正部130は、第1調整時間帯の各時刻における計測位置および計測姿勢を修正する。
これにより、第1調整時間帯における計測位置群が、第1調整時間帯の一つ前の時刻(前時刻)における計測位置と、代表位置と、に滑らかにつながる。
計測位置群は、計測位置の集合であり、1つ以上の計測位置から成る。
【0057】
ステップS230において、位置修正部130は、第2調整時間帯の各時刻における計測位置および計測姿勢を修正する。
これにより、第2調整時間帯における計測位置群が、代表位置と、第2調整時間帯の一つ後の時刻(後時刻)における計測位置と、に滑らかにつながる。
【0058】
ステップS220とステップS230の順番は入れ替わっても構わない。
【0059】
図7に基づいて、ステップS220の手順を説明する。
ステップS221において、位置修正部130は、第1調整時間帯の計測位置群が代表位置と滑らかにつながるように、第1調整時間帯の計測位置群を回転移動する。
【0060】
例えば、平行移動後の計測位置群は以下のように回転移動される。
まず、位置修正部130は、第1調整時間帯の計測位置群に対応する近似直線を算出する。
次に、位置修正部130は、代表位置が近似直線上に位置するように、近似直線を回転移動する。前時刻における計測位置が回転の基点となる。
そして、位置修正部130は、第1調整時間帯の計測位置群の各計測位置を近似直線の回転量と同じ大きさだけ回転移動する。前時刻における計測位置が回転の基点となる。
【0061】
ステップS222において、位置修正部130は、回転移動に合わせて、第1調整時間帯の各時刻における計測姿勢を修正する。
つまり、位置修正部130は、第1調整時間帯の各時刻における計測姿勢を、ステップS221における回転量と同じ大きさだけ傾けたときの角度に修正する。
【0062】
ステップS223において、位置修正部130は、前時刻における計測位置と回転移動後の計測位置群の各計測位置と代表位置が均等間隔で並ぶように、回転移動後の計測位置群の各計測位置を修正する。
例えば、位置修正部130は、前時刻における計測位置と代表位置を通る直線の方向に沿って、回転移動後の計測位置群の各計測位置を移動する。
【0063】
ステップS222とステップS223の順番は入れ替えても構わない。
【0064】
図8に基づいて、ステップS230の手順を説明する。
ステップS231において、位置修正部130は、第2調整時間帯の計測位置群が代表位置と滑らかにつながるように、第2調整時間帯の計測位置群を回転移動する。
ステップS231はステップS221と同様である。
【0065】
ステップS232において、位置修正部130は、回転移動に合わせて、第2調整時間帯の各時刻における計測姿勢を修正する。
ステップS232はステップS222と同様である。
【0066】
ステップS233において、位置修正部130は、代表位置と回転移動後の計測位置群の各計測位置と後時刻における計測位置が均等間隔で並ぶように、回転移動後の計測位置群の各計測位置を修正する。
ステップS233はステップS223と同様である。
【0067】
ステップS220およびステップS230は、水平方向と高さ方向に分けて実行するとよい。
つまり、位置修正部130は、第1調整時間帯の各時刻における計測位置の水平成分(二次元)および計測姿勢の水平成分(ヨール角)を修正する(ステップS220)。また、位置修正部130は、第2調整時間帯の各時刻における計測位置の水平成分および計測姿勢の水平成分を修正する(ステップS220)。さらに、位置修正部130は、第1調整時間帯の各時刻における計測位置の高さ成分および計測姿勢の高さ成分(ピッチ角)を修正する(ステップS220)。また、位置修正部130は、第2調整時間帯の各時刻における計測位置の高さ成分および計測姿勢の高さ成分を修正する(ステップS220)。
【0068】
***具体例の説明***
図9から
図12に、計測位置および計測姿勢の修正(ステップS130)の具体例を示す。
線上の各マークは、エポックを表している。エポックは計測位置に相当する。
黒丸は、変位エポックを表している。変位エポックは、変位時間帯の各時刻における計測位置に相当する。
白丸は、衛星不可視エポックを表している。衛星不可視エポックは、衛星不可視時間帯の各時刻における計測位置に相当する。
三角は、Fixエポックを表している。Fixエポックは、衛星可視時間帯の各時刻における計測位置に相当する。
【0069】
図9は、修正前のエポック群と変位エポック群を示している。変位エポック群は、変位時間帯のエポック群である。エポック群は、エポックの集合であり、1つ以上のエポックから成る。太線は変位時間帯を表している。
まず、計測車両210が停止していた時刻範囲(停止時間帯)が、オドメータ215の記録(進行距離データ225)に基づいて特定される(ステップS131)。
次に、自己位置が移動している区間(変位時間帯)が停止時間帯から抽出される(ステップS132)。
【0070】
図10は、代表エポックを示している。代表エポックは代表位置に相当する。
次に、変位エポック群の平均値が代表エポックに決定される(ステップS133)。
次に、各変位エポックが代表エポックに修正される(ステップS134)。
そして、エポック群がまだ歪んでいるので、代表エポックの周囲の衛星不可視エポック群が移動される(ステップS200)。
【0071】
図10から
図14に、ステップS200の具体例を示す。太線は調整時間帯を表している。
まず、影響範囲(調整時間帯)が決定される(ステップS210)。影響範囲は、各エポックが変更される範囲である。
例えば、影響範囲の大きさは、変位エポック群の移動量の100倍である。但し、Fixエポック群は影響範囲から除かれる。
影響範囲の外側の最初のエポックを接合エポックと称する。接合エポックは、第1調整時間帯の前時刻における計測位置または第2調整時間帯の後時刻における計測位置に相当する。
【0072】
図11は、修正後のエポック群を示している。網掛け丸は修正済みのエポックを表している。
そして、接合エポックと代表エポックと影響範囲のエポック群が滑らかにつながるように影響範囲のエポック群が再生成される(ステップS220およびステップS230)。
【0073】
図12に、ステップS220の具体例を示す。
平均化されたエポックである代表エポックと平均化されていない最後の影響エポックの間にずれが生じする。
ステップS220は、影響エポック群の回転と引き延ばしによって代表エポックと影響エポック群を滑らかに接合することを目的とする。
【0074】
図12は、影響エポック群と接合エポックの回転移動を示している。
代表エポックと影響エポック群の間が歪むので、接合エポックを回転の中心にして影響エポック群が回転移動される(ステップS221)。また、各影響エポックにおける計測姿勢が回転角度だけ修正される(ステップS222)。
これにより、移動方向が修正され、接合エポックと影響エポック群と代表エポックが滑らかにつながる。
また、代表エポックと影響エポック群の間が間延びするので(または短くなるので)、影響エポック群の距離が引き延ばされる(または縮められる)。つまり、影響エポック群が分散される(ステップS223)
これにより、接合エポックと各影響エポックと代表エポックが均等間隔で並ぶ。
【0075】
***実施の形態1の特徴***
図13は、実施の形態1における処理の概要図である。
図13は、自己位置と三次元点群の関係を示している。
実施の形態1は、自己位置の歪みが修正されることによってレーザー点群(三次元点群)の歪みが修正されることを特徴とする。
自己位置の歪み修正は、レーザー点群(三次元点群)の算出の前に実行される。
【0076】
***実施の形態1の効果***
図14から
図23に基づいて、実施の形態1の効果を説明する。
図14は、歪みが生じた三次元点群を示している。三次元点群は矢印が記された箇所で歪んでいる。
MMSにおいて、計測環境が悪い場合に衛星不可視の状態で計測車両が静止すると、計測車両が静止しているにも関わらず、後処理によって算出される自己位置は僅かに移動してしまう。
この現象により、三次元点群の歪みが生じる。
【0077】
図15は、計測車両が止まっていたときに自己位置が前向きに移動してしまっている事例を示している(矢印で示した部分を参照)。
図16は、
図15の自己位置に基づく三次元点群を示している。矢印で記した部分が間延びして見える。
このように、自己位置の移動は三次元点群の歪みを生じる。
【0078】
図17は、Forward処理とBackward処理における自己位置の不一致を示している。二つの丸は同じ時刻の自己位置を表している。
静止時の自己位置の移動は、Forward処理とBackward処理における自己位置の軌跡の不一致が原因である。
Forward処理における自己位置とBackward処理における自己位置を整合させようとすると、軌跡の不一致が生じる。
なお、衛星可視下で計測車両が走行し、GNSS-INS複合処理の学習が十分であれば、軌跡の不一致は発生しにくくなる。但し、計測車両が停止したときに軌跡の不一致が表れる。
【0079】
図18は、静止時の自己位置の移動((1)の円内)と本来の自己位置の軌跡(2)を示している。黒丸は、一定時間ごとの計測車両の自己位置を表している。
(1)において、円内の黒丸は計測車両が停止している時間帯(超低速で移動して時間帯を含む)の自己位置を表している。しかし、これらの黒丸が移動してしまっている。
(1)の黒丸は、本来は(2)のように並んでいなければならない。
(1)に示される自己位置に基づいて三次元点群を生成すると、三次元点群が歪んでしまう。
図19は、歪んだ三次元点群を示している。三次元点群は円内部分で歪んでいる。
【0080】
図20は、修正前の自己位置の軌跡と修正後の自己位置の軌跡を示している。
自己位置を修正し、修正後の自己位置に基づいて三次元点群を生成すると、三次元点群の歪みが解消される。
【0081】
図21、
図22および
図23は、修正前の自己位置に基づく三次元点群(上図)と修正後の自己位置に基づく三次元点群(下図)を示している。
図21は上面図であり、
図22および
図23は側面図である。
自己位置を修正することにより、三次元点群の歪みが解消される(円内を参照)
【0082】
実施の形態1により、以下のような効果を奏する。
自己位置が修正されるため、三次元点群の歪みが解消され、三次元点群の図面が自然なものになる。
高価なIMUを使用することなく、三次元点群の歪みを解消できる。歪み解消のための再計測は不要であり、後処理のみで歪みは解消される。
後処理において、歪みが生じない部分が変化しないことを担保できる。
【0083】
***実施の形態1の補足***
実施の形態1は、好ましい形態の例示であり、本開示の技術的範囲を制限することを意図するものではない。各実施の形態は、部分的に実施してもよいし、他の形態と組み合わせて実施してもよい。フローチャート等を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。
【0084】
点群生成装置100は、複数の装置で構成されてもよい。
点群生成装置100の各要素は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで実現されてもよい。
点群生成装置100の各要素の「部」は、「処理」、「工程」、「回路」または「サーキットリ」と読み替えてもよい。
【符号の説明】
【0085】
100 点群生成装置、101 プロセッサ、102 メモリ、103 補助記憶装置、104 通信装置、105 入出力インタフェース、110 受付部、120 位置算出部、130 位置修正部、140 点群生成部、150 出力部、190 記憶部、200 点群生成システム、210 計測車両、211 受信機、212 レーザースキャナ、213 IMU、214 カメラ、215 オドメータ、220 車両計測データ、221 衛星測位データ、222 レーザー点群データ、223 慣性計測データ、224 画像データ、225 進行距離データ、230 三次元点群データ。