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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】無線通信装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20241220BHJP
   H04L 1/16 20230101ALI20241220BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20241220BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20241220BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20241220BHJP
【FI】
H04L1/00 E
H04L1/16
H04W28/04 110
H04W72/0457 110
H04W72/20
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021504910
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 JP2020007895
(87)【国際公開番号】W WO2020184191
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-01-06
【審判番号】
【審判請求日】2024-04-24
(31)【優先権主張番号】P 2019044682
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】田中 悠介
(72)【発明者】
【氏名】平田 龍一
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】上田 翔太
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/096221(WO,A1)
【文献】特開2008-92116(JP,A)
【文献】特開2005-311920(JP,A)
【文献】特開2008-263511(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0069668(US,A1)
【文献】特表2018-504028(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0054847(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/16 - 1/1867
H04L 1/00
H04W 28/04
H04W 72/0457
H04W 72/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の無線通信装置と通信を行う第1の無線通信装置としての無線通信装置であって、
2以上の帯域の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を含むSetup信号を、前記2以上の帯域のいずれかの帯域を用いて送信するとともに、データを含むData信号を、前記2以上の帯域を用いて送信するように制御する制御部を備え、
前記設定情報は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との通信および再送に関する第1の通信情報であり、
前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置が前記Data信号の送信を行う帯域に関する情報を含み、
前記制御部は、前記Data信号が送信される2以上の帯域のうち第1の帯域で送信される、前記設定情報に基づく第1の受信結果の情報を少なくとも含む第1のAck信号と、前記Data信号が送信される2以上の帯域のうち前記第1の帯域とは異なる第2の帯域で送信される、前記設定情報に基づく第2の受信結果の情報を少なくとも含む第2のAck信号とを受信する制御を行い、
前記第1のAck信号と前記第2のAck信号は、前記Data信号に対する受信結果の情報のうち、同一の受信結果の情報を少なくとも含む
無線通信装置。
【請求項2】
前記第1の通信情報は、前記第2の無線通信装置が前記受信結果の通知を行う帯域に関する情報を含む
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置とが送受信する前記Data信号に関する情報を含む
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置とが送受信する前記Data信号の再送上限回数、および破棄するまでの時間に関する情報の少なくともいずれか一方を含む
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記第1の通信情報は、前記第2の無線通信装置が前記受信結果の通知を行う方法および前記受信結果の通知の送信タイミングに関する情報を含む
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記Setup信号は、前記2以上の帯域のうちの第1の帯域で送信される
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記Data信号は、前記2以上の帯域を用いた通信と前記受信結果の通知とに関する第2の通信情報を含んで送信される
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記第2の通信情報は、前記Data信号が前記2以上の帯域を用いて送信されることを示す情報を含む
請求項に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記第2の通信情報は、前記Data信号が送信される帯域に関する情報を含む
請求項に記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記第2の通信情報は、前記Data信号が送信される帯域で前記受信結果に関する通知を行うことを示す情報を含む
請求項に記載の無線通信装置。
【請求項11】
第2の無線通信装置と通信を行う第1の無線通信装置としての無線通信装置が、
2以上の帯域の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を含むSetup信号を、前記2以上の帯域のいずれかの帯域を用いて送信するとともに、データを含むData信号を、前記2以上の帯域を用いて送信するように制御し、
前記設定情報は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との通信および再送に関する第1の通信情報であり、
前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置が前記Data信号の送信を行う帯域に関する情報を含み、
前記Data信号が送信される2以上の帯域のうち第1の帯域で送信される、前記設定情報に基づく第1の受信結果の情報を少なくとも含む第1のAck信号と、前記Data信号が送信される2以上の帯域のうち前記第1の帯域とは異なる第2の帯域で送信される、前記設定情報に基づく第2の受信結果の情報を少なくとも含む第2のAck信号とを受信する制御を行い、
前記第1のAck信号と前記第2のAck信号は、前記Data信号に対する受信結果の情報のうち、同一の受信結果の情報を少なくとも含む
無線通信方法。
【請求項12】
第1の無線通信装置と通信を行う第2の無線通信装置としての無線通信装置であって、
2以上の帯域の通信に関する受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を受信する制御を行う制御部を備え、
前記制御部は、前記2以上の帯域を用いて送信されたデータに対する受信結果を、前記設定情報に基づいて送信する制御を行い、
前記設定情報は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との通信および再送に関する第1の通信情報であり、
前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置が前記データの送信を行う帯域に関する情報を含み、
前記制御部は、前記設定情報に基づく第1の受信結果を少なくとも含む第1の信号を、前記2以上の帯域のうち第1の帯域で送信する制御と、前記設定情報に基づく第2の受信結果を少なくとも含む第2の信号を、前記2以上の帯域のうち前記第1の帯域とは異なる第2の帯域で送信する制御を行い、
前記第1の信号と前記第2の信号は、前記データに対する受信結果のうち、同一の受信結果を少なくとも含む
無線通信装置。
【請求項13】
前記データに対する受信結果は、前記2以上の帯域の通信に関する受信結果を含むBA信号で送信される
請求項12に記載の無線通信装置。
【請求項14】
前記BA信号は、前記2以上の帯域の通信に関する受信結果であることを示す情報を含む
請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項15】
前記BA信号は、前記2以上の帯域の通信に関する受信結果を通知する前記データが送信された帯域に関する情報を含む
請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項16】
前記BA信号は、他の帯域で同一の受信結果が通知されることを示す情報を含む
請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項17】
前記BA信号は、前記2以上の帯域で送信された受信結果に対する前記データの種類に関する情報を含む
請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項18】
前記BA信号は、前記2以上の帯域で送信された前記データに対応する受信結果を含む
請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項19】
第1の無線通信装置と通信を行う第2の無線通信装置としての無線通信装置が、
2以上の帯域の通信に関する受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を受信する制御を行い、
前記2以上の帯域を用いて送信されたデータに対する受信結果を、前記設定情報に基づいて送信する制御を行い、
前記設定情報は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との通信および再送に関する第1の通信情報であり、
前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置が前記データの送信を行う帯域に関する情報を含み、
前記設定情報に基づく第1の受信結果を少なくとも含む第1の信号を、前記2以上の帯域のうち第1の帯域で送信する制御と、前記設定情報に基づく第2の受信結果を少なくとも含む第2の信号を、前記2以上の帯域のうち前記第1の帯域とは異なる第2の帯域で送信する制御を行い、
前記第1の信号と前記第2の信号は、前記データに対する受信結果のうち、同一の受信結果を少なくとも含む
無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、無線通信装置および方法に関し、特に、複数の帯域を用いた通信において、受信結果に関する通知の信頼性を向上させることができるようにした無線通信装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高い伝送速度および高い通信品質の無線通信への要求が増している。高い伝送速度を実現するために、例えば、複数の周波数帯域(以下、単に帯域とも称する)を用いて通信を行うことが知られている。
【0003】
無線通信においては、送信前に帯域が使用されているか否かを確認するListen Before Talkを行う必要があるアンライセンス帯として、複数の帯域が割り当てられている。これらの複数の帯域を用いて高い伝送速度を実現する無線通信が、今後は想定される。特許文献1には、無線LANを想定した複数の帯域を同時に使用した通信方式が提案されている。
【0004】
一方で高い通信品質を実現する方法として、通信に失敗した送信データの再送が知られている。特許文献2には、取得されたTXOP(Transmission Opportunity)内で受信結果を送信するために、適切な伝送レートを設定することで、送信成功確率を向上させる方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-157535号公報
【文献】特開2006-352711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
再送を行う際には、受信したが復調に失敗したデータに関する情報を受信側から送信側に通知し、再送すべきデータを送信側で判定する。
【0007】
しかしながら、複数の帯域を用いた通信において、各帯域で送信されたデータの受信結果を各帯域で通知することは効率的ではない。また、ある帯域の伝搬特性が悪い場合には、伝搬特性の悪い帯域で受信結果を通知しても、送信側に正しく通知できない恐れがある。
【0008】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、複数の帯域を用いた通信において、受信結果に関する通知の信頼性を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の一側面の無線通信装置は、2以上の帯域の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を含むSetup信号を、前記2以上の帯域のいずれかの帯域を用いて送信するとともに、データを含むData信号を、前記2以上の帯域を用いて送信するように制御する制御部を備え、前記設定情報は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との通信および再送に関する第1の通信情報であり、前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置が前記Data信号の送信を行う帯域に関する情報を含み、前記制御部は、前記Data信号が送信される2以上の帯域のうち第1の帯域で送信される、前記設定情報に基づく第1の受信結果の情報を少なくとも含む第1のAck信号と、前記Data信号が送信される2以上の帯域のうち前記第1の帯域とは異なる第2の帯域で送信される、前記設定情報に基づく第2の受信結果の情報を少なくとも含む第2のAck信号とを受信する制御を行い、前記第1のAck信号と前記第2のAck信号は、前記Data信号に対する受信結果の情報のうち、同一の受信結果の情報を少なくとも含む
【0010】
本技術の他の側面の無線通信装置は、2以上の帯域の通信に関する受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を受信する制御を行う制御部を備え、前記制御部は、前記2以上の帯域を用いて送信されたデータに対する受信結果を、前記設定情報に基づいて送信する制御を行い、前記設定情報は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との通信および再送に関する第1の通信情報であり、前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置が前記データの送信を行う帯域に関する情報を含み、前記制御部は、前記設定情報に基づく第1の受信結果を少なくとも含む第1の信号を、前記2以上の帯域のうち第1の帯域で送信する制御と、前記設定情報に基づく第2の受信結果を少なくとも含む第2の信号を、前記2以上の帯域のうち前記第1の帯域とは異なる第2の帯域で送信する制御を行い、前記第1の信号と前記第2の信号は、前記データに対する受信結果のうち、同一の受信結果を少なくとも含む
【0011】
本技術の一側面においては、2以上の帯域の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を含むSetup信号が、前記2以上の帯域のいずれかの帯域を用いて送信されるとともに、データを含むData信号が、前記2以上の帯域を用いて送信されるように制御される。そして、前記設定情報は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との通信および再送に関する第1の通信情報であり、前記第1の通信情報には、前記第1の無線通信装置が前記Data信号の送信を行う帯域に関する情報が含まれる。また、前記Data信号が送信される2以上の帯域のうち第1の帯域で送信される、前記設定情報に基づく第1の受信結果の情報を少なくとも含む第1のAck信号と、前記Data信号が送信される2以上の帯域のうち前記第1の帯域とは異なる第2の帯域で送信される、前記設定情報に基づく第2の受信結果の情報を少なくとも含む第2のAck信号とを受信する制御が行われ、前記第1のAck信号と前記第2のAck信号は、前記Data信号に対する受信結果の情報のうち、同一の受信結果の情報が少なくとも含まれる。
【0012】
本技術の他の側面においては、2以上の帯域の通信に関する受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を受信する制御が行われ、前記2以上の帯域を用いて送信されたデータに対する受信結果が、前記設定情報に基づいて送信する制御が行われる。そして、前記設定情報は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との通信および再送に関する第1の通信情報であり、前記第1の通信情報には、前記第1の無線通信装置が前記データの送信を行う帯域に関する情報が含まれる。また、前記設定情報に基づく第1の受信結果を少なくとも含む第1の信号を、前記2以上の帯域のうち第1の帯域で送信する制御と、前記設定情報に基づく第2の受信結果を少なくとも含む第2の信号を、前記2以上の帯域のうち前記第1の帯域とは異なる第2の帯域で送信する制御が行われ、前記第1の信号と前記第2の信号は、前記データに対する受信結果のうち、同一の受信結果が少なくとも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本技術の実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図2】ある帯域でMBO BA信号を送信する場合の動作シーケンスの例を示す図である。
図3】複数帯域でMBO BA信号を送信する場合の動作シーケンスの例を示す図である。
図4】伝搬特性がよい帯域でMBO BA信号を送信する場合の動作シーケンスの例を示す図である。
図5】複数帯域で同一のData信号を送信する場合の動作シーケンスの例を示す図である。
図6】無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
図7】APとして動作する無線通信装置の通信処理について説明するフローチャートである。
図8】STAとして動作する無線通信装置の通信処理について説明するフローチャートである。
図9】MBO BA信号が格納されるフレームのフォーマット構成例を示す図である。
図10】MBO BA Setup信号が格納されるフレームのフォーマット構成例を示す図である。
図11】Data信号に用いられるフォーマット構成例を示す図である。
図12】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.システム構成
2.通信のシーケンス
3.装置の構成
4.処理の流れ
5.データ構成
6.ハードウェア構成
7.その他
【0015】
<1.システム構成>
<無線通信システムの構成例>
図1は、本技術の実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【0016】
図1の無線通信システムは、基地局APが端末STAと無線通信により接続されることによって、構成される。
【0017】
基地局APは、無線通信装置11で構成される。端末STAは、無線通信装置12で構成される。以下、基地局APは、単にAPと称し、端末STAは、単にSTAと称する。なお、無線通信装置11および12については後述される。
【0018】
APは、2以上の周波数帯域(以下、帯域と称する)の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関するセットアップ信号であるMBO BA Setup(Multi Band Operation Block Ack Setup)信号をSTAに送信する。MBO BA Setup信号は、APとSTAの通信および再送に関する設定情報を含む。MBO BA Setup信号は、2以上の帯域のいずれかの帯域が用いられて送信されるように制御される。
【0019】
APは、STAから送信されるResponse信号を受信し、APとSTAの通信および再送の方法を決定し、STA宛のデータを含むData信号を複数の帯域に分けてSTAに送信する。
【0020】
STAは、APから送信されるMBO BA Setup信号を受信し、MBO BA Setup信号に対する返答信号であるResponse信号をAPに送信する。
【0021】
STAは、APから送信されるData信号を受信し、復調することで自身宛のデータを取得する。その後、STAは、受信結果信号であるMBO BA信号をAPに送信する。その際、MBO BA信号は、MBO BA Setup信号およびResponse信号の送受信によって決定された1または2以上の帯域で送信されるように制御される。
【0022】
以上のように、図1の無線通信システムにおいては、2以上の帯域の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を含むMBO BA Setup信号(Setup信号)を、2以上の帯域のいずれかの帯域を用いて送信するとともに、データを含むData信号を、2以上の帯域を用いて送信するように制御される。
【0023】
これにより、周波数リソースを浪費することなく、複数帯域を用いた通信の受信結果に関する情報を、APとSTAとで効率的に共有することができる。
【0024】
<2.通信のシーケンス>
<動作シーケンスの例(ある帯域でMBO BA信号を送信する例)>
図2は、本技術の実施の形態の無線通信システムの動作シーケンスの例を示す図である。
【0025】
図2においては、ある帯域でMBO BA信号を送信する場合の動作シーケンスが示されている。また、図2においては、無線通信装置11であるAPと無線通信装置12であるSTAが3つの帯域を用いて通信を行う例が示される。
【0026】
ここで、APとSTAとは、第1の帯域、第2の帯域、第3の帯域を用いて通信を行っている。図2においては、APの第1の帯域、第2の帯域、第3の帯域のシーケンスが、AP@Band1、AP@Band2、AP@Band3でそれぞれ示される。STAの第1の帯域、第2の帯域、第3の帯域のシーケンスが、STA@Band1、STA@Band2、STA@Band3でそれぞれ示される。
【0027】
APは、時刻t1で、MBO BA Setup信号をSTAに送信する。MBO BA Setup信号には、上述したように、APとSTAの通信および再送に関する設定情報が含まれる。
【0028】
設定情報は、APがデータの送信を行う帯域、またはSTAが受信結果の通知を行う帯域に関する情報を含んでもよい。帯域に関する情報は、特定の周波数および帯域幅を示す情報であってもよく、特定の周波数および帯域幅を特定する識別子に関する情報であってもよい。帯域に関する情報は、MBO BA Setup信号が送信された帯域と同一であることを示す情報であってもよい。
【0029】
設定情報は、APおよびSTAが送受信するデータの数、サイズ、種類を示す各識別子、順番を示す識別子に関する情報を含んでもよい。
【0030】
設定情報は、APおよびSTAが保持可能なデータ量に関する情報を含んでもよい。設定情報は、APおよびSTAが送受信するデータの再送上限回数、保持したデータを破棄するまでの時間に関する情報を含んでもよい。
【0031】
設定情報は、STAが受信結果の通知を行う方法に関する情報および受信結果の通知の送信タイミングに関する情報の少なくとも一方を含んでもよい。
【0032】
図2において、STAは、APから送信されるMBO BA Setup信号を受信し、時刻t2で、MBO BA Setup信号に対するResponse信号をAPに送信する。
【0033】
Response信号は、MBO BA Setup信号に含まれる設定情報に基づく通信および再送を行うか否かの是非に関する情報を含んでもよい。Response信号は、MBO BA Setup信号に含まれる設定情報とは異なる通信および再送に関する設定情報を含んでもよい。
【0034】
図2においては、MBO BA Setup信号およびResponse信号は、第1の帯域で送信されているが、第2の帯域または第3の帯域で送信されてもよく、第1乃至第3の帯域のうち2つ以上の帯域で送信されてもよい。
【0035】
なお、MBO BA Setup信号およびResponse信号は、APとSTAの接続確立の際に送受信されてもよい。
【0036】
APは、STAから送信されるResponse信号を受信し、APとSTAとの通信および再送の方法を決定する。APは、時刻t3で、STA宛のデータを含むData信号をSTAに送信する。
【0037】
図2においては、各帯域で、下に示されるようなデータが送信される例が示されている。第1の帯域で、データの順番を示す識別子が#1、#2、#3であるデータを含むData信号が送信される。第2の帯域で、データの順番を示す識別子が#4、#5、#6であるデータを含むData信号が送信され、第3の帯域で、データの順番を示す識別子が#7、#8、#9であるデータを含むData信号が送信される。
【0038】
なお、各帯域で送信されるデータの順番を示す識別子は、Data信号の送信前に決定されてもよく、MBO BA Setup信号およびResponse信号の送受信によって決定されてもよい。
【0039】
Data信号は、Response信号の一定時間後に送信されてもよく、IEEE802.11で規定されるSIFS(Short Inter Frame Space)経過後に送信されてもよい。Data信号は、2つ以上の帯域を用いて送信される。帯域は、MBO BA Setup信号およびResponse信号の送受信によって決定された帯域情報を含んでもよい。
【0040】
Data信号は、2つ以上の帯域を用いて送信されていることを示す情報を含んでもよい。Data信号は、2つ以上の帯域を用いて同時に送信されてもよく、送信可能となった帯域から順に送信されてもよい。
【0041】
Data信号は、MBO BA Setup信号およびResponse信号の送受信によって決定された受信結果の通知方法に対応していることを示す情報を含んでもよい。Data信号のうち、STAが受信結果の通知を行う帯域で送信されるData信号は、その帯域で送信されていることを示す情報を含んでもよい。
【0042】
Data信号は、Data信号に含まれる複数のデータの順番を示す識別子に関する情報を含んでもよい。Data信号は、各帯域で送信されるData信号に含まれるデータの順番を示す識別子に関する情報と、各帯域に関する情報とを含んでもよい。
【0043】
Data信号は、Data信号に含まれるデータの数、サイズ、種類を示す各識別子に関する情報を含んでもよい。
【0044】
図2において、STAは、APから送信されるData信号を第1乃至第3の帯域で受信し、復調することでSTA宛のデータを取得する。
【0045】
データの取得後、STAは、時刻t4で、MBO BA信号をAPに送信する。その際、MBO BA信号は、MBO BA Setup信号およびResponse信号の送受信によって決定された帯域で送信される。図2においては、第1の帯域を用いてMBO BA信号が送信される例が示されている。
【0046】
MBO BA信号は、複数帯域の通信に用いる受信結果を含む信号であることの通知に関する情報を含んでもよい。MBO BA信号は、各帯域で送信されたデータの順番を示す識別子に関する情報と、データに対するビットマップ形式の受信結果を複数含んでもよい。
【0047】
MBO BA信号は、どの帯域で送信されたデータに対する受信結果であるかを示す情報を含んでもよい。MBO BA信号は、ある帯域におけるすべてのデータまたはすべての帯域におけるデータの受信に成功したことを示す情報を含んでもよい。
【0048】
MBO BA信号は、受信結果に対応するデータの種類を示す識別子に関する情報を含んでもよい。MBO BA信号は、受信結果に対応するデータの種類に関する識別子がどの帯域で送信されたデータに対応するものかを示す情報を含んでもよい。
【0049】
図2において、APは、STAから送信されるMBO BA信号を第1の帯域で受信し、通信処理を終了とする。
【0050】
以上のシーケンスにより、周波数リソースを浪費することなく、複数帯域を用いた通信の受信結果に関する情報を、APとSTAとで効率的に共有することができる。
【0051】
<動作シーケンスの他の例(複数帯域でMBO BA信号を送信する例)>
図3は、複数帯域でMBO BA信号を送信する場合の動作シーケンスの例を示す図である。
【0052】
図3のMBO BA Setup信号、Response信号、およびData信号については、上述した図2のMBO BA Setup信号、Response信号、およびData信号とそれぞれ同様に構成されるものとする。
【0053】
APは、時刻t11で、MBO BA Setup信号をSTAに送信する。
【0054】
STAは、APから送信されるMBO BA Setup信号を受信し、時刻t12で、MBO BA Setup信号に対するResponse信号をAPに送信する。
【0055】
APは、STAから送信されるResponse信号を受信し、APとSTAとの通信および再送の方法を決定する。APは、時刻t13で、STA宛のデータを含むData信号をSTAに送信する。
【0056】
STAは、APから送信されるData信号を第1乃至第3の帯域で受信し、復調することでSTA宛のデータを取得する。
【0057】
データの取得後、STAは、時刻t14で、MBO BA信号をAPに送信する。その際、MBO BA信号は、Data信号が送信されたすべての帯域で送信される。
【0058】
APは、STAから送信されるMBO BA信号を第1乃至第3の帯域で受信し、通信処理を終了とする。
【0059】
図3の場合、MBO BA信号は、すべての帯域で送信されたData信号に対する受信結果を含む同一の情報を含んでもよい。
【0060】
MBO BA信号は、MBO BA信号が送信された帯域で送信されたData信号と他の帯域で送信されたData信号に対する受信結果を含む情報を含んでもよい。例えば、第1の帯域で送信されるMBO BA信号は、第1の帯域、第2の帯域、および第3の帯域で送信されたData信号に対する受信結果が含んでもよい。また、第2の帯域および第3の帯域で送信されるMBO BA信号は、それぞれ第2の帯域および第3の帯域で送信されたData信号に対する受信結果を含んでもよい。
【0061】
以上のシーケンスにより、受信結果に関する情報に冗長性を持たせ、高い信頼性で受信結果に関する情報をAPとSTAとの間で共有することが可能となる。
【0062】
<動作シーケンスの他の例(伝搬特性がよい帯域でMBO BA信号を送信する例)>
図4は、伝搬特性がよい帯域でMBO BA信号を送信する場合の動作シーケンスの例を示す図である。
【0063】
図4のMBO BA Setup信号、Response信号、およびData信号については、上述した図2のMBO BA Setup信号、Response信号、およびData信号とそれぞれ同様に構成されるものとする。
【0064】
APは、時刻t21で、MBO BA Setup信号をSTAに送信する。
【0065】
STAは、APから送信されるMBO BA Setup信号を受信し、時刻t22で、MBO BA Setup信号に対するResponse信号をAPに送信する。
【0066】
APは、STAから送信されるResponse信号を受信し、APとSTAとの通信および再送の方法を決定する。APは、時刻t23で、STA宛のデータを含むData信号をSTAに送信する。
【0067】
STAは、APから送信されるData信号を第1乃至第3の帯域で受信し、復調することでSTA宛のデータを取得する。その際、STAは、すべての帯域について伝搬特性が低いか否かを判定する。
【0068】
伝搬特性の判定は、帯域で送信されたData信号の受信電力、信号干渉雑音電力費に基づき決定されてもよい。伝搬特性の判定は、Data信号に含まれるデータの復調の成否の割合に基づいて決定されてもよい。伝搬特性の判定は、Data信号に含まれるデータの復調の成否の割合の、予め設定される所定の閾値との大小関係に基づいて決定されてもよい。
【0069】
伝搬特性の判定は、MBO BA Setup信号およびResponse信号の送受信によって決定されたData信号の送信帯域の情報から、Data信号が送信されると想定される帯域において、Data信号を検出したか否かに基づいて決定されてもよい。または、伝搬特性の判定は、他の帯域で受信したData信号に含まれるData信号の送信帯域の情報から、Data信号が送信されると想定される帯域において、Data信号を検出したか否かに基づいて決定されてもよい。
【0070】
STAは、時刻t24で、伝搬特性が低いと判定した帯域以外の帯域で、MBO BA信号を送信する。STAは、伝搬特性が低いと判定した帯域における受信結果を、他の帯域で送信されるMBO BA信号に格納して送信してもよい。
【0071】
図4においては、STAは、第2の帯域の伝搬特性が低いと判定し、MBO BA信号を、第1の帯域および第3の帯域で送信し、第2の帯域で送信しない例が示されている。第1の帯域または第3の帯域で送信されるMBO BA信号の少なくとも一方は、第2の帯域におけるData信号の受信結果を含んでいる。
【0072】
APは、STAから送信されるMBO BA信号を第1の帯域および第3の帯域で受信し、通信処理を終了とする。
【0073】
以上のシーケンスにより、伝搬特性が悪い帯域での受信結果に関する情報の送信を避け、高い信頼性で受信結果に関する情報を、APとSTAで共有することが可能となる。また、APが伝搬特性の悪い帯域を知ることが可能となり、再送が必要なデータを伝搬特性がよい帯域で送信することが可能となる。
【0074】
<動作シーケンスの他の例(複数帯域で同一のData信号を送信する例)>
図5は、複数帯域で同じData信号を送信する場合の動作シーケンスの例を示す図である。
【0075】
図5のMBO BA Setup信号、Response信号、およびMBO BA信号については、上述した図2のMBO BA Setup信号、Response信号、およびMBO BA信号とそれぞれ同様に構成されるものとする。
【0076】
APは、時刻t31で、MBO BA Setup信号をSTAに送信する。
【0077】
STAは、APから送信されるMBO BA Setup信号を受信し、時刻t32で、MBO BA Setup信号に対するResponse信号をAPに送信する。
【0078】
APは、STAから送信されるResponse信号を受信し、APとSTAとの通信および再送の方法を決定する。APは、時刻t33で、STA宛のデータを含むData信号をSTAに送信する。
【0079】
図5においては、各帯域で、次に示されるようなデータが送信される例が示されている。第1の帯域で、データの順番を示す識別子が#1、#2、#3であるデータを含むData信号が送信される。第2の帯域で、データの順番を示す識別子が#1、#2、#3であるデータを含むData信号が送信され、第3の帯域で、データの順番を示す識別子が#4、#5、#6であるデータを含むData信号が送信される。
【0080】
すなわち、APは、第1の帯域と第2の帯域で同一のデータを送信している。その他のData信号に関する説明は、上述した図2の例と同様である。
【0081】
STAは、APから送信されるData信号を第1乃至第3の帯域で受信し、復調することでSTA宛のデータを取得する。その際、STAは、図4の例と同様に、すべての帯域について伝搬特性が低いか否かを判定する。
【0082】
STAは、時刻t34で、伝搬特性が低いと判定した帯域以外の帯域(例えば、第1の帯域および第3の帯域)で、MBO BA信号を送信する。STAは、伝搬特性が低いと判定した帯域における受信結果を、他の帯域で送信されるMBO BA信号に格納して送信してもよい。
【0083】
APは、STAから送信されるMBO BA信号を第1の帯域および第3の帯域で受信し、通信処理を終了とする。
【0084】
以上のシーケンスにより、周波数リソースを浪費することがなく、受信結果に関する情報を効率的にAPとSTAで共有することが可能となる。
【0085】
なお、上述したいずれの例においても、同一のデータに対する受信結果を2つ以上の帯域を用いて送信するSTAは、2つ以上のMBO BA信号に含まれる受信結果を同一の内容とする。
【0086】
STAから送信される2つ以上のMBO BA信号に含まれる受信結果が異なる場合、APは、単一の受信結果を決定する。受信結果の決定は、特定の帯域で受信したMBO BA信号に含まれる受信結果を優先することで行われてもよい。
【0087】
受信結果の決定は、複数のMBO BA信号に含まれる複数の受信結果のうち、数的優位な受信結果を優先することで実施されてもよい。例えば、Data#1に対する受信結果が、第1および第2の帯域で受信したMBO BA信号において復調成功、第3の帯域で受信したMBO BA信号において復調失敗となっていた場合、復調成功したものとして決定される。
【0088】
受信結果の決定は、複数個のMBO BA信号に含まれる複数の受信結果のうち、1つ以上の受信結果が復調成功となっていた場合、復調成功としてもよい。例えば、Data#1に対する受信結果が、第1および第2の帯域で受信したMBO BA信号において復調成功、第3の帯域で受信したMBO BA信号において復調失敗となっていた場合、復調成功したものとして決定される。
【0089】
受信結果の決定は、複数個のMBO BA信号に含まれる複数の受信結果のうち、1つ以上の受信結果が復調失敗となっていた場合、復調失敗としてもよい。例えば、Data#1に対する受信結果が、第1および第2の帯域で受信したMBO BA信号において復調成功、第3の帯域で受信したMBO BA信号において復調失敗となっていた場合、復調失敗したものとして決定される。
【0090】
<3.装置の構成例>
図6は、無線通信装置11の構成例を示すブロック図である。
【0091】
図6に示す無線通信装置11は、APとして動作する装置である。
【0092】
無線通信装置11は、制御部31、電源部32、および通信部33-1乃至33-3から構成される。図6の例では、3つの通信部33-1乃至33-3が含まれる。通信部33-1乃至33-3は、LSIとして実現されてもよい。
【0093】
通信部33-1乃至33-3は、それぞれ、データの送受信を行う。通信部33-1乃至33-3は、それぞれ、データ処理部51、無線制御部52、変復調部53、信号処理部54、チャネル推定部55、無線インタフェース(I/F)部56-1乃至56-N、アンプ部57-1乃至57-N、およびアンテナ58-1乃至58-Nから構成される。
【0094】
無線I/F部56-1乃至56-N、アンプ部57-1乃至57-N、およびアンテナ58-1乃至58-Nは、同じ枝番を有するそれぞれを1組とし、1つ以上の組が構成要素となってもよい。なお、アンプ部57-1乃至57-Nは、無線I/F部56-1乃至56-Nにその機能が内包されてもよい。
【0095】
なお、以下、通信部33-1乃至33-3は、区別する必要がない場合、通信部33と適宜称する。また、無線I/F部56-1乃至56-N、アンプ部57-1乃至57-N、およびアンテナ58-1乃至58-Nは、区別する必要がない場合、無線I/F部56、アンプ部57、およびアンテナ58と適宜称する。
【0096】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。制御部31は、ROMなどに記憶されているプログラムを実行し、電源部32および無線制御部52の制御を行う。
【0097】
電源部32は、バッテリー電源または固定電源で構成され、無線通信装置11の全体に対して電力を供給する。
【0098】
データ処理部51は、送信時、上位層から供給されるデータを用いて無線送信のためのパケットを生成する。データ処理部51は、生成したパケットに対して、メディアアクセス制御(MAC(Media Access Control))のためのヘッダの付加や誤り検出符号の付加などの処理を行い、処理後のデータを変復調部53に出力する。
【0099】
データ処理部51は、受信時、変復調部53から供給されるデータに対して、MACヘッダの解析、パケット誤りの検出、リオーダ処理などを行い、処理後のデータを、自身の上位層に出力する。
【0100】
無線制御部52は、無線通信装置11の各部の間の情報の受け渡しを行い、通信部33内の各部を制御する。無線制御部52は、送信制御部61と受信制御部62とからなる。
【0101】
送信制御部61は、送信時、必要に応じて、変復調部53および信号処理部54におけるパラメータ設定、データ処理部51におけるパケットのスケジューリング、無線I/F部56、およびアンプ部57のパラメータ設定や送信電力制御を行う。受信制御部62は、受信時、必要に応じて、変復調部53および信号処理部54におけるパラメータ設定、無線I/F部56、およびアンプ部57のパラメータ設定を行う。
【0102】
また、特に、送信制御部61は、2以上の帯域の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を含むMBO BA Setup信号を送信し、2以上の帯域を用いてData信号を送信するように各部を制御する。受信制御部62は、MBO BA Setup信号に対するresponse信号およびData信号に対するMBO BA信号を受信するように各部を制御する。
【0103】
なお、これらの無線制御部52の少なくとも一部の動作は、無線制御部52の代わりに制御部31により行われるようにしてもよい。また、制御部31および無線制御部52は、1つのブロックとして構成されてもよい。
【0104】
変復調部53は、送信時、データ処理部51から供給されるデータに対し、制御部31によって設定された符号化方式および変調方式に基づいて、符号化、インターリーブ、および変調を行い、データシンボルストリームを生成する。変復調部53は、生成したデータシンボルストリームを信号処理部54に出力する。
【0105】
変復調部53は、受信時、信号処理部54から供給されるデータシンボルストリームに対して、復調、デインターリーブ、および復号を行った結果のデータを、データ処理部51または無線制御部52に出力する。
【0106】
信号処理部54は、送信時、必要に応じて、変復調部53から供給されるデータシンボルストリームに対して、空間分離に供される信号処理を行い、信号処理の結果得られる1つ以上の送信シンボルストリームをそれぞれの無線I/F部56に出力する。
【0107】
信号処理部54は、受信時、それぞれの無線I/F部56から供給される受信シンボルストリームに対して信号処理を行い、必要に応じてストリームの空間分離を行い、空間分離の結果得られるデータシンボルストリームを変復調部53に出力する。
【0108】
チャネル推定部55は、それぞれの無線I/F部56から供給される受信シンボルストリームのうち、プリアンブル部分およびトレーニング信号部分から伝搬路の複素チャネル利得情報を算出する。複素チャネル利得情報は、無線制御部52を介して、変復調部53と信号処理部54に供給され、変復調部53における復調処理および信号処理部54における空間分離処理に用いられる。
【0109】
無線I/F部56は、送信時、信号処理部54からの送信シンボルストリームをアナログ信号に変換し、フィルタリング、搬送波周波数へのアップコンバート、および位相制御を行い、位相制御の後のアナログ信号をアンプ部57に出力する。
【0110】
無線I/F部56は、受信時、アンプ部57から供給されるアナログ信号に対して、位相制御、ダウンコンバード、逆フィルタリングを行い、デジタル信号に変換した結果の受信シンボルストリームを信号処理部54およびチャネル推定部55に出力する。
【0111】
アンプ部57は、送信時、無線I/F部56から供給されるアナログ信号を所定の電力まで増幅し、電力を増幅したアナログ信号をアンテナ58に出力する。アンプ部57は、受信時、アンテナ58から供給されるアナログ信号を所定の電力まで増幅し、電力を増幅したアナログ信号を無線I/F部56に出力する。
【0112】
アンプ部57は、送信時の機能と受信時の機能との少なくともどちらか一方の、少なくとも一部が無線I/F部56に内包されていてもよい。アンプ部57の少なくともどちらか一方の少なくとも一部が通信部33外の構成要素となってもよい。
【0113】
なお、STAとして動作する無線通信装置12の構成も、無線通信装置11と基本的に同様の構成であるため、以降、無線通信装置12の説明に、無線通信装置11の構成が用いられる。
【0114】
この場合、受信制御部62は、2以上の帯域の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関する設定情報であるMBO BA Setup信号を受信し、2以上の帯域を用いて送信されてくるData信号を受信するように各部を制御する。送信制御部61は、MBO BA Setup信号に対するResponse信号およびデータの受信結果であるMBO BA信号を、設定情報に基づいて送信するように各部を制御する。
【0115】
<4.処理の流れ>
<無線通信装置11(AP)の処理>
図7は、APとして動作する無線通信装置11の通信処理について説明するフローチャートである。
【0116】
ステップS11において、無線通信装置11の送信制御部61は、通信部33の各部を制御し、MBO BA Setup信号を無線通信装置12に送信する。
【0117】
MBO BA Setup信号を受信した無線通信装置12は、MBO BA Setup信号に対するResponse信号を無線通信装置11に送信してくる(後述する図8のステップS32)。
【0118】
ステップS12において、受信制御部62は、通信部33の各部を制御し、無線通信装置12から送信されるResponse信号を受信する。
【0119】
ステップS13において、送信制御部61は、Response信号に基づいて、無線通信装置11および無線通信装置12の通信および再送の方法を決定し、通信部33の各部を制御し、Data信号を、2以上の帯域を用いて無線通信装置12に送信する。
【0120】
Data信号を受信した無線通信装置12は、Data信号に対するMBO BA信号を無線通信装置11に送信してくる(後述する図8のステップS42)。
【0121】
ステップS14において、受信制御部62は、通信部33の各部を制御し、無線通信装置12から送信されるMBO BA信号を受信する。
【0122】
MBO BA信号は、例えば、図2または図3を参照して上述したように、単一の帯域で送信されてくる場合もあれば、図4または図5を参照して上述したように複数の帯域で送信されてくる場合もある。
【0123】
ステップS15において、受信制御部62は、同一のデータに対し異なる受信結果がないか否かを判定する。
【0124】
複数の受信結果があり、同一のデータに対し異なる受信結果がある場合、ステップS15においてNOと判定され、処理は、ステップS16に進む。ステップS16において、受信制御部62は、異なる受信結果の中から単一の受信結果を決定する。その後、無線通信装置11の通信処理は終了となる。
【0125】
一方、単一の受信結果であるか、または、複数の受信結果があり、同一のデータに対し異なる受信結果がない場合、ステップS15においてYESと判定され、ステップS16の処理をスキップし、無線通信装置11の通信処理は終了となる。
【0126】
<無線通信装置12(STA)の処理>
図8は、STAとして動作する無線通信装置12の通信処理について説明するフローチャートである。
【0127】
無線通信装置11は、MBO BA Setup信号を無線通信装置12に送信してくる(図7のステップS11)。
【0128】
ステップS31において、無線通信装置12の受信制御部62は、通信部33の各部を制御し、無線通信装置11から送信されるMBO BA Setup信号を受信する。
【0129】
ステップS32において、送信制御部61は、通信部33の各部を制御し、MBO BA Setup信号に対するResponse信号を無線通信装置11に送信する。
【0130】
Response信号を受信した無線通信装置11は、2以上の帯域を用いて、Data信号を無線通信装置12に送信してくる(図7のステップS13)。
【0131】
ステップS33において、受信制御部62は、通信部33の各部を制御し、無線通信装置11から送信されるData信号を受信する。
【0132】
ステップS34において、送信制御部61は、Data信号に基づいて、MBO BA信号を単一の帯域で送信するか否かを判定する。
【0133】
MBO BA信号を単一の帯域で送信するとステップS34において判定された場合、処理は、ステップS35に進む。ステップS35において、送信制御部61は、単一の帯域でMBO BA信号を送信することを決定する。
【0134】
MBO BA信号を単一の帯域で送信しないとステップS34において判定された場合、処理は、ステップS36に進む。ステップS36において、送信制御部61は、複数の帯域でMBO BA信号を送信することを決定する。
【0135】
ステップS35およびS36の後、処理は、ステップS37に進む。
【0136】
ステップS37において、送信制御部61は、図4を参照して上述したように、Data信号の受信時の各帯域の伝搬特性に基づいて、伝搬特性の悪い帯域があるか否かを判定する。伝搬特性の悪い帯域があるとステップS37において判定された場合、処理は、ステップS38に進む。
【0137】
ステップS38において、送信制御部61は、伝搬特性が悪い帯域以外の帯域でMBO BA信号を送信することを決定する。その後、処理は、ステップS39に進む。
【0138】
伝搬特性の悪い帯域がないとステップS37において判定された場合、ステップS38をスキップし、処理は、ステップS39に進む。
【0139】
ステップS39において、送信制御部61は、図3を参照して上述したように、MBO BA信号に他の帯域で送信されたData信号に対する受信結果を含むか否かを判定する。
【0140】
MBO BA信号に他の帯域で送信されたData信号に対する受信結果を含むとステップS39において判定された場合、処理は、ステップS40に進む。
【0141】
ステップS40において、送信制御部61は、2以上の帯域で送信されたData信号に対する受信結果を含むMBO BA信号を送信することを決定する。
【0142】
MBO BA信号に他の帯域で送信されたData信号に対する受信結果を含めないとステップS39において判定された場合、処理は、ステップS41に進む。
【0143】
ステップS41において、送信制御部61は、単一の帯域で送信されたData信号に対する受信結果を含むMBO BA信号を送信することを決定する。
【0144】
ステップS40またはS41の後、処理は、ステップS42に進む。
【0145】
ステップS42において、送信制御部61は、以上の処理により決定した方法に従い、MBO BA信号を送信する。その後、無線通信装置12の通信処理は終了となる。
【0146】
以上のように送受信の制御を行うことにより、複数の帯域を用いた通信において、受信結果に関する通知の信頼性を向上させることができる。
【0147】
<5.データ構成>
<MBO BA信号が格納されるフレームのフォーマット構成例>
図9は、MBO BA信号が格納されるフレームのフォーマット構成例を示す図である。
【0148】
図9のフレームは、Frame Control、Duration、RA、TA、BA Control、BA Information、FCSの各フィールドで構成される。このフレームは、MAC層におけるデータユニットであるMPDU(MAC Protocol Data Unit)に含まれる。
【0149】
Frame Controlのフィールドには、当該フレームの種類に関する情報が含まれる。Durationのフィールドには、当該フレームの長さに関する情報が含まれる。RAのフィールドには、当該フレームの送付先アドレスに関する情報が含まれる。TAのフィールドには、当該フレームの送信元アドレスに関する情報が含まれる。
【0150】
BA Controlのフィールドは、BA Ack Policy、BA Type、Reserve、およびTID_INFOの各フィールドから構成される。
【0151】
BA Ack Policyのフィールドには、受信結果の送信タイミングに関する情報が含まれる。BA Typeのフィールドには、当該フレームが複数帯域を用いて送信されたデータに対する受信結果を含むことを示す情報が含まれる。Reserveのフィールドは予約ビットが含まれる。TID_INFOのフィールドには、送信されたデータの種類の数に関する情報が含まれる。
【0152】
BA Informationのフィールドは、MBO Info、Block Ack Starting Sequence Control、およびBlock Ack Bitmapの各フィールドから構成される。このBlock Ack Starting Sequence ControlおよびBlock Ack Bitmapのフィールドは、帯域の数だけ繰り返される。
【0153】
MBO Infoのフィールドは、Band Info、Copy Indication、All Ack、TID(Traffic ID) encode、およびTIDの各フィールドから構成される。
【0154】
Band Infoのフィールドには、当該フレームで受信結果を通知するデータが送信された帯域に関する情報が含まれる。例えば、第1の帯域、第2の帯域、および第3の帯域のそれぞれに対応するビットを持ち、そのビットを設定することで、どの帯域で送信されたデータに対する受信結果を含むかが示される。
【0155】
Copy Indicationのフィールドには、当該フレームを格納するMBO BA信号が送信される帯域とは別の帯域で、同一の内容を含む当該フレームを格納するMBO BA信号が送信されることを示す情報が含まれる。
【0156】
All Ackのフィールドには、受信結果がすべて復調成功であることを示す情報が含まれる。
【0157】
TID encodeのフィールドには、後続するTIDがどの帯域で送信されたデータに対応する受信結果かを示す情報が含まれる。
【0158】
TIDのフィールドには、受信結果を通知するデータの種類の識別子に関する情報が含まれる。例えば、TID encodeのフィールドにおいて、第1の帯域、第2の帯域、および第3の帯域のそれぞれで受信結果を通知するデータの種類の数を示す。
【0159】
具体例として、TID encodeのフィールドにおいて、第1の帯域で4つ、第2の帯域で2つ、第3の帯域で1つの受信結果を通知するデータの種類を含むことが示される場合、後続するTIDのフィールドは、7つ分繰り返される。この場合、TIDのフィールドは、最初の4つが、第1の帯域で送信されたデータの種類に関する識別子を示す情報であり、次の2つが、第2の帯域で送信されたデータの種類に関する識別子を示す情報であり、最後の2つが、第3の帯域で送信されたデータの種類に関する識別子を示す情報である。
【0160】
Block Ack Starting Sequence Controlのフィールドには、受信結果が通知される最初のデータの順番を示す識別子に関する情報が含まれる。
【0161】
Block Ack Bitmapのフィールドには、ビットマップ形式の各データに関する受信結果に関する情報が含まれる。
【0162】
なお、図9に示されるフレームのフォーマット構成の例は、一例であり、本技術のフレームは、他のフォーマットで構成されてもよい。
【0163】
<MBO BA Setup信号が格納されるフレームのフォーマット構成例>
図10は、MBO BA Setup信号が格納されるフレームのフォーマット構成例を示す図である。
【0164】
図10のフレームは、BA Band Info、Number of Data、Buffer size、TID_INFO、Sequence Number Info、Retry Limit、Life Time、およびBA Timingの各フィールドで構成される。このフレームも、例えば、MAC層におけるデータユニットであるMPDUに含まれる。
【0165】
BA Band Infoには、無線通信装置11がデータの送信を行う帯域、または無線通信装置12が受信結果の通知を行う帯域に関する情報が含まれる。
【0166】
Number of Dataのフィールドには、無線通信装置11および無線通信装置12が送受信するデータの数に関する情報が含まれる。
【0167】
Buffer Sizeのフィールドには、無線通信装置11および無線通信装置12が送受信するデータのサイズに関する情報が含まれる。
【0168】
TID_INFOのフィールドには、無線通信装置11および無線通信装置12が送受信するデータの種類の数および種類を示す識別子に関する情報が含まれる。
【0169】
Sequence Number Infoのフィールドには、無線通信装置11および無線通信装置12が送受信するデータの順番を示す識別子に関する情報が含まれる。
【0170】
Retry Limitのフィールドには、無線通信装置11および無線通信装置12が通信するデータの再送上限回数に関する情報が含まれる。
【0171】
Life Timeのフィールドには、無線通信装置11および無線通信装置12が通信するデータを破棄するまでの時間に関する情報が含まれる。
【0172】
BA Timingのフィールドには、無線通信装置12が受信結果の通知を行う方法および通知の送信タイミングに関する情報が含まれる。
【0173】
なお、Response信号が格納されるフレームのフォーマットも、図10のフレームの構成と同様の構成である。また、Response信号が格納するフレームのフォーマット構成には、MBO BA Setup信号によって通知された各情報に対する承認を示す情報が含まれてもよい。さらに、Response信号が格納されるフレームのフォーマット構成には、MBO BA Setup信号によって通知された各情報に対する承認をしなかった情報のみが含まれてもよい。
【0174】
<Data信号に用いられるフォーマット構成例>
図11は、Data信号に用いられるフォーマット構成例を示す図である。
【0175】
図11のData信号は、先頭に配置される物理ヘッダ(Phy Header)と、物理ペイロード(Phy Payload)とにより構成される。
【0176】
Phy Headerは、L-STF(Legacy Short Training Field)、L-LTF(Legacy Long Training Field)、およびL-SIG(Legacy Signal Field)を含んでもよい。
【0177】
図11のPhy Headerには、L-SIGの後ろに、複数帯域を用いた通信とその受信結果の通知に関する情報である通信情報を格納する領域であるNEW-SIGが配置される。
【0178】
NEW-SIGには、通信情報が含まれるフィールドとして、MBO Indication、Band Info、およびMBO BA Requestの各フィールドが含まれる。
【0179】
MBO Indicationのフィールドには、当該フォーマットを用いて送信されるData信号が複数帯域を用いて送信されることを示す情報が含まれる。
【0180】
Band Infoのフィールドには、当該フォーマットを用いて送信されるData信号が送信される帯域に関する情報が含まれる。
【0181】
MBO BA Requestのフィールドには、当該フォーマットを用いて送信されるData信号が送信される帯域が、Data信号に格納されるデータに対する受信結果の送信を行う帯域とすることを示す情報が含まれる。
【0182】
なお、当該フォーマットを用いて送信されるData信号に含まれるデータは、Phy Payloadに格納される。
【0183】
<6.ハードウェア構成>
<コンピュータの構成例>
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0184】
図12は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0185】
CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303は、バス304により相互に接続されている。
【0186】
バス304には、さらに、入出力インタフェース305が接続されている。入出力インタフェース305には、キーボード、マウスなどよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続される。また、入出力インタフェース305には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部308、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部309、リムーバブルメディア311を駆動するドライブ310が接続される。
【0187】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU301が、例えば、記憶部308に記憶されているプログラムを入出力インタフェース305及びバス304を介してRAM303にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0188】
CPU301が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア311に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部308にインストールされる。
【0189】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0190】
<7.その他>
以上のように、本技術においては、2以上の帯域の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を含むSetup信号が、2以上の帯域のいずれかの帯域を用いて送信されるとともに、データを含むData信号が、2以上の帯域を用いて送信するように制御される。
【0191】
これにより、リソースを浪費することなく、複数帯域を用いた通信の受信結果に関する情報を、送信側および受信側で効率的に共有することができる。
【0192】
また、本技術によれば、受信結果に関する内容に冗長性を持たせることにより、送信側および受信側で高い信頼性で共有することができる。
【0193】
本技術によれば、伝搬特性が悪い帯域での受信結果に関する情報の送信を避けることにより、再送が必要なデータを伝搬特性がよい帯域で再送することができる。
【0194】
本技術によれば、複数帯域で送信されたデータの受信結果を効率的に通知することができる。
【0195】
本技術によれば、既存の通信規格(IEEE802.11)との親和性を維持し、既存端末への悪影響を抑え、共存を可能にすることができる。
【0196】
さらに、本技術によれば、複数帯域を用いた通信において高い通信品質を実現することができ、データ送信に関わるピークレートの向上、スループットの向上、および信頼性の向上を可能とすることができる。
【0197】
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0198】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0199】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0200】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0201】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0202】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0203】
<構成の組み合わせ例>
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
(1)
2以上の帯域の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を含むSetup信号を、前記2以上の帯域のいずれかの帯域を用いて送信するとともに、データを含むData信号を、前記2以上の帯域を用いて送信するように制御する送信制御部を備える
無線通信装置。
(2)
前記設定情報は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との通信および再送に関する第1の通信情報である
前記(1)に記載の無線通信装置。
(3)
前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置が前記Data信号の送信を行う帯域に関する情報である
前記(2)に記載の無線通信装置。
(4)
前記第1の通信情報は、前記第2の無線通信装置が前記受信結果の通知を行う帯域に関する情報である
前記(2)または(3)に記載の無線通信装置。
(5)
前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置とが送受信する前記Data信号に関する情報である
前記(2)乃至(4)のいずれかに記載の無線通信装置。
(6)
前記第1の通信情報は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置とが送受信する前記Data信号の再送上限回数、および破棄するまでの時間に関する情報の少なくともいずれか一方である
前記(2)乃至(5)のいずれかに記載の無線通信装置。
(7)
前記第1の通信情報は、前記第2の無線通信装置が前記受信結果の通知を行う方法および前記受信結果の通知の送信タイミングに関する情報である
前記(2)乃至(6)のいずれかに記載の無線通信装置。
(8)
前記Setup信号は、前記2以上の帯域のうちの第1の帯域で送信される
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の無線通信装置。
(9)
前記Data信号は、前記2以上の帯域を用いた通信と前記受信結果の通知とに関する第2の通信情報を含んで送信される
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の無線通信装置。
(10)
前記第2の通信情報は、前記Data信号が前記2以上の帯域を用いて送信されることを示す情報である
前記(9)に記載の無線通信装置。
(11)
前記第2の通信情報は、前記Data信号が送信される帯域に関する情報である
前記(9)または(10)に記載の無線通信装置。
(12)
前記第2の通信情報は、前記Data信号が送信される帯域で前記受信結果に関する通知を行うことを示す情報である
前記(9)または(11)のいずれかに記載の無線通信装置。
(13)
無線通信装置が、
2以上の帯域の通信に用いる受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を含むSetup信号を、前記2以上の帯域のいずれかの帯域を用いて送信するとともに、データを含むData信号を、前記2以上の帯域を用いて送信するように制御する
無線通信方法。
(14)
2以上の帯域の通信に関する受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を受信する受信部と、
前記2以上の帯域を用いて送信されたデータに対する受信結果を、前記設定情報に基づいて送信する送信部と
を備える無線通信装置。
(15)
前記データに対する受信結果は、前記2以上の帯域の通信に関する受信結果を含むBA信号で送信される
前記(14)に記載の無線通信装置。
(16)
前記BA信号は、前記2以上の帯域の通信に関する受信結果であることを示す情報を含む
前記(15)に記載の無線通信装置。
(17)
前記BA信号は、前記2以上の帯域の通信に関する受信結果を通知する前記データが送信された帯域に関する情報を含む
前記(15)または(16)に記載の無線通信装置。
(18)
前記BA信号は、他の帯域で同一の受信結果が通知されることを示す情報を含む
前記(15)乃至(17)のいずれかに記載の無線通信装置。
(19)
前記BA信号は、前記2以上の帯域で送信された受信結果に対する前記データの種類に関する情報を含む
前記(15)乃至(18)のいずれかに記載の無線通信装置。
(20)
前記BA信号は、前記2以上の帯域で送信された前記データに対応する受信結果を含む
前記(15)乃至(19)のいずれかに記載の無線通信装置。
(21)
無線通信装置が、
2以上の帯域の通信に関する受信結果の通知方法の設定に関する設定情報を受信する受信部と、
前記2以上の帯域を用いて送信されたデータに対する受信結果を、前記設定情報に基づいて送信する
無線通信方法。
【符号の説明】
【0204】
11 無線通信装置, 12 無線通信装置, 31 制御部, 32 電源部, 31,33-1乃至33-3 通信部, 51 データ処理部, 52 無線制御部, 53 変復調部, 54 信号処理部, 55 チャネル推定部, 56, 56-1乃至56-N 無線I/F部, 57,57-1乃至57-N アンプ部, 58-1乃至58-N アンテナ, 61 送信制御部, 62 受信制御部
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