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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】貨物ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/12 20060101AFI20241220BHJP
【FI】
B65D88/12 N
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021552746
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 IB2020000183
(87)【国際公開番号】W WO2020178637
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-02-08
(31)【優先権主張番号】62/813,369
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521395780
【氏名又は名称】グッドパック アイビーシー (シンガポール) ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】アルゲンティ マリオ セザール バリオ
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2001/056898(WO,A1)
【文献】特開2008-100698(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第04429483(DE,A1)
【文献】特開2016-060532(JP,A)
【文献】特開2019-001526(JP,A)
【文献】特開2001-278383(JP,A)
【文献】国際公開第2007/129986(WO,A1)
【文献】実開昭59-010293(JP,U)
【文献】登録実用新案第3088504(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0399805(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折りたたみ可能で積み重ね可能な貨物ユニットであって、前記貨物ユニットが閉鎖内部を画定し得る立てた配置と、前記貨物ユニットがコンパクトに保管及び輸送され得る折りたたみ配置と、を有する貨物ユニットにおいて、
前面、後面及び2つの側面を有し、前記前面、前記後面及び各前記側面にフォークリフトスロットが設けられた略矩形のベースと、
前記ベースから上向きに延在する前壁及び後壁と、
前記前壁及び前記後壁の間で前記ベースから上向きに延在する第1の側壁及び第2の側壁と、
前記第1の側壁にヒンジで取り付けられるヒンジ縁部を含む第1の蓋部材と、
前記第2の側壁にヒンジで取り付けられるヒンジ縁部を含む第2の蓋部材と、
コーナーポストと、
を備え、
前記第1の側壁の長さは、前記第2の側壁の長さよりも長く、
前記第1の蓋部材及び前記第2の蓋部材は、各々、自身のヒンジ縁部の反対側にある自由縁部を有し、
前記第1の蓋部材は前記第2の蓋部材よりも大きく、前記第1の蓋部材の前記ヒンジ縁部と前記第1の蓋部材の前記自由縁部との間の寸法は、前記第2の蓋部材における対応する寸法よりも大きく、
各前記蓋部材は側壁に取り外せないように取り付けられており、かつ、前記蓋部材の前記自由縁部同士が互いに隣接するほぼ水平な閉位置と、前記蓋部材が該蓋部材の関連する前記側壁の外面を覆うほぼ鉛直な開位置と、の間で270°の弧を描くように枢動可能であり、
折りたたみ配置にあるときに、前記第1の蓋部材は前記第1の側壁にもたれるように回転されており、前記第2の蓋部材は前記第2の側壁と略同一平面上に配置されており、
前記折りたたみ配置にあるときに、前記前壁、前記後壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、前記第1の蓋部材、及び前記第2の蓋部材は、前記コーナーポストよりも下に位置し、前記貨物ユニットが別の貨物ユニットに積み重ねられることを可能にする貨物ユニット。
【請求項2】
前記ベースは、前記第1の側壁に隣接する第1の固定直立壁と、前記第2の側壁に隣接する第2の固定直立壁と、を有し、
前記第2の固定直立壁は、前記第1の固定直立壁よりも高く延在する、請求項1に記載の貨物ユニット。
【請求項3】
各前記蓋部材は、前記前壁を越えて外側に延在する第1のハンドルと、前記後壁を越えて外側に延在する第2のハンドルとを有する、請求項1に記載の貨物ユニット。
【請求項4】
前記前壁は、前記貨物ユニットを前記立てた配置にロックすることが可能な解除可能ロック機構を備える、請求項1に記載の貨物ユニット。
【請求項5】
前記前壁は、下側前壁と、当該下側前壁に枢動可能に接続された上側前壁とを備え、
前記下側前壁はロック機構を含み、
前記上側前壁はロック機構を含み、
前記貨物ユニットが前記立てた配置にあるときに、前記上側前壁は、(1)前記貨物ユニットの完全閉状態に関連する直立配置にロックされるか、又は(2)ロック解除され、前記下側前壁が定位置にロックされたままで前記上側前壁が約180°の弧を描くように外向き及び下向きに折られて前記下側前壁の外面を覆って前記貨物ユニットを部分的に開いて内部へのアクセスを容易にできるよう構成されている、請求項4に記載の貨物ユニット。
【請求項6】
前記前壁、前記後壁及び前記側壁は、各々、前記ベースから完全に取り外し可能である、請求項5に記載の貨物ユニット。
【請求項7】
前記ベース及び前記壁は、各々、金属フレームと、当該フレームに溶接又は他の方法で取り付けられた1つ又は複数の金属シートとを備える、請求項6に記載の貨物ユニット。
【請求項8】
前記ベース及び前記壁のうちの1つ又は複数は、強度及び剛性を与えるために一体構造輪郭を有する一体型のワンピース打ち抜き一次部材を備える、請求項6に記載の貨物ユニット。
【請求項9】
前記貨物ユニットは亜鉛メッキ鋼から作製され、約80kgから約90kgの風袋重量を有する、請求項1に記載の貨物ユニット。
【請求項10】
貨物ユニットが閉鎖内部を画定し得る立てた配置と、前記貨物ユニットがコンパクトに保管及び輸送され得る折りたたみ配置と、を有するダブル貨物ユニットにおいて、
互いに結合される一対の類似の個別の貨物ユニットを備え、
前記個別の貨物ユニットは、各々、立てた配置において、
4つの側面を有し、そのうちの少なくとも3つの前記側面にフォークリフトスロットが設けられた略矩形のベースと、
前記ベースから上向きに延在して3つの側からなる囲いを画定する第1の直立壁、第2の直立壁及び第3の直立壁と、開口側と、
前記壁のうちの1つ又は複数にヒンジで取り付けられた一体型の蓋と、
コーナーポストと、
を備え、
前記個別の貨物ユニット同士は、その前記開口側において結合されており、
前記個別の貨物ユニットの前記一体型の蓋は、第1の壁にヒンジで取り付けられるヒンジ縁部を含む第1の蓋部材と、第2の壁にヒンジで取り付けられるヒンジ縁部を含む第2の蓋部材と、を備え、
前記第1の蓋部材及び前記第2の蓋部材は、各々、自身のヒンジ縁部の反対側にある自由縁部を有し、
前記第1の蓋部材は前記第2の蓋部材よりも大きく、前記第1の蓋部材の前記ヒンジ縁部と前記第1の蓋部材の前記自由縁部との間の寸法は、前記第2の蓋部材における対応する寸法よりも大きく、
各前記蓋部材は壁に取り外せないように取り付けられており、かつ、前記蓋部材の前記自由縁部同士が互いに隣接するほぼ水平な閉位置と、前記蓋部材が該蓋部材の関連する前記壁の外面を覆うほぼ鉛直な開位置と、の間で270°の弧を描くように枢動可能であり、
折りたたみ配置にあるときに、前記第1の蓋部材は前記第1の壁にもたれるように回転されており、前記第2の蓋部材は前記第2の壁と略同一平面上に配置されており、
前記折りたたみ配置にあるときに、前記個別の貨物ユニットの前壁、後壁、前記第1の壁、前記第2の壁、前記第1の蓋部材、及び前記第2の蓋部材は、前記コーナーポストよりも下に位置し、前記ダブル貨物ユニットが別の貨物ユニットに積み重ねられることを可能にするダブル貨物ユニット。
【請求項11】
前記個別の貨物ユニットのうちの1つの前記第1の直立壁は、下側前壁と、当該下側前壁に枢動可能に接続された上側前壁とを備え、
前記下側前壁はロック機構を含み、
前記上側前壁はロック機構を含み、
前記ダブル貨物ユニットが前記立てた配置にあるときに、前記上側前壁は、(1)前記貨物ユニットの完全閉状態に関連する直立配置にロックされるか、又は(2)ロック解除され、約180°の弧を描くように外向き及び下向きに折られて前記下側前壁の外面を覆うとともに、前記下側前壁は定位置にロックされたままであり、これにより、前記貨物ユニットが部分的に開かれて内部へのアクセスが容易となるよう構成されている、請求項10に記載のダブル貨物ユニット。
【請求項12】
前記直立壁は、各々、前記ベースから完全に取り外し可能である、請求項11に記載のダブル貨物ユニット。
【請求項13】
前記ベース及び前記直立壁は、各々、金属フレームと、当該フレームに溶接又は他の方法で取り付けられた1つ又は複数の金属シートとを備える、請求項12に記載のダブル貨物ユニット。
【請求項14】
前記ベース及び前記壁はそれぞれ、強度及び剛性を与えるために一体構造輪郭を有する一体型のワンピース打ち抜き一次部材を備える、請求項13に記載のダブル貨物ユニット。
【請求項15】
折りたたみ可能で積み重ね可能な貨物ユニットを荷降ろして折りたたむ方法であって、
前記貨物ユニットは、前記貨物ユニットが閉鎖内部を画定する立てた配置と、前記貨物ユニットがコンパクトに保管及び輸送され得る折りたたみ配置と、を有し、
前記貨物ユニットは、
前面、後面及び2つの側面を有し、前記前面、前記後面及び各前記側面にフォークリフトスロットが設けられた略矩形のベースと、
前記ベースから上向きに延在する前壁及び後壁と、
前記前壁及び前記後壁の間で前記ベースから上向きに延在する第1の側壁及び第2の側壁と、
前記貨物ユニットを前記立てた配置に維持可能なロック機構と、
前記貨物ユニットが前記立てた配置にあるときに全体的に水平位置にあるツーピースの一体型の蓋と、
コーナーポストと、
を備え、
前記方法は、
(a)第1の蓋部材と第2の蓋部材の各々を前記第1の側壁及び前記第2の側壁の各々に連結するヒンジの周りで約270°の弧を描くように前記第1の蓋部材及び第2の蓋部材の各々を枢動させることによって、前記第1の蓋部材及び前記第2の蓋部材を、前記蓋部材が該蓋部材の関連する前記側壁の外面を覆うほぼ鉛直な開位置に開く工程であって、前記第1の蓋部材は前記第2の蓋部材よりも大きく、前記第1の蓋部材の前記ヒンジ縁部と前記第1の蓋部材の前記自由縁部との間の寸法は、前記第2の蓋部材における対応する寸法よりも大きく、各前記蓋部材は側壁に取り外せないように取り付けられている、工程と、
(b)前記貨物ユニットから貨物を取り出す工程と、
(c)前記前壁上のロック機構を解除し、前記前壁を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くように前記ベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、前記ベースの上に置く工程と、
(d)前記後壁上のロック機構を解除し、そして、前記側壁が直立のまま前記ベースのコーナーポストによって支持された状態で、前記後壁と前記ベースとの枢動可能接続部であって当該枢動可能接続部の上向きの移動を許可する前記ベースに設けられた上方延在スロットを備える枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くように前記後壁を前記ベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、前記後壁を前記ベースの上に置く工程と、
(e)第1の側壁と前記ベースとの枢動可能接続部であって当該枢動可能接続部の上向きの移動を許可する前記ベースに設けられた上方延在スロットを備える枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くように前記第1の側壁を前記ベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、前記第1の側壁を前記ベースの上に置く工程と、
(f)第2の側壁と前記ベースとの枢動可能接続部であって当該枢動可能接続部の上向きの移動を許可する前記ベースに設けられた上方延在スロットを備える枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くように前記第2の側壁を前記ベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、前記第2の側壁を前記ベースに置く工程と、
(g)前記第2の蓋部材を、当該第2の蓋部材を前記第2の側壁に接続する前記ヒンジの周りで約180°の弧を描くよう枢動させて、前記第2の蓋部材を前記第2の蓋部材ではなく前記第1の蓋部材の上に置き、これにより、折りたたまれた前記貨物ユニットの高さを減少させる工程と、を有
前記折りたたみ配置にあるときに、前記前壁、前記後壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、前記第1の蓋部材、及び前記第2の蓋部材は、前記コーナーポストよりも下に位置し、前記貨物ユニットが別の貨物ユニットに積み重ねられることを可能にする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2019年3月4日に出願された米国仮特許出願第62/813,369の優先権を主張するものであり、本仮出願は引用によりその全体が本明細書に盛り込まれているものとする。
【0002】
本開示は、概して、貨物を輸送するためのユニットに関し、より詳細には、折りたたみ可能で積み重ね可能な貨物ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第8,573,427号(その開示は引用により本明細書に盛り込まれるものとする)に開示されているような再利用可能で積み重ね可能なコンテナは、さまざまなタイプの貨物を、海外貿易及び他の状況において例えば鉄道により輸送するのに有用であり得る。このタイプのコンテナのフリート(コンテナの集まり)が輸送作業中に例えば4つ又は5つまでの満載コンテナの積み重ねを含むよう構成されたものである場合、フリートにおける各コンテナは、その上に積み重ねられる複数の満載コンテナの重量を支持することが可能であることが望ましい。CN103158924B及びCN201172503Yには他の従来の積み重ね可能なコンテナが記載されている。
【0004】
一部のコンテナに関する問題として、蓋や取り外し可能な壁などの構成要素が、使用中に他の構成要素から分離する可能性があることが挙げられる。この問題は、すべての構成要素同士を取り外せないように接続することで解決することができるが、蓋及び壁を取り外すことは、時として荷積みや荷降ろしを容易にするのに有用な場合がある。
【0005】
折りたたみ可能な輸送コンテナに関連する別の問題として、使用中、例えば他のコンテナやフォークリフトの爪との衝撃によって立てた配置又は折りたたまれた配置で破損する可能性があることが挙げられる。さらなる問題として、貨物が側壁に対して非常に大きな外向きの圧力を加える可能性があることが挙げられる。側壁に対して非常に大きな外向きの圧力を加える可能性がある特定の材料の一つはゴムであり、ゴムは場合によっては輸送中、時間の経過とともに増大する外向きの圧力を加える可能性がある。また、輸送作業中にフォークリフトの爪によって及び他のコンテナによって非常に大きな内向きの圧力及び衝撃負荷が側壁に加えられる可能性もある。例えば、コンテナが鉄道で輸送される場合、鉄道車両の停止及び発車によって、隣接するコンテナ同士が接触し、互いに衝撃を与え合い、加えて/あるいは、互いに対して力を加える可能性がある。
【0006】
そのような圧力並びに例えばフォークリフトによる輸送作業に関連する積み重ね時の負荷及び他の負荷に耐えるのに必要な強度を提供するために、多くの商業用輸送コンテナは、比較的重い鋼構造を有し、その結果、輸送コンテナの重量はそのキャパシティにおけるかなりの割合を占め得る。例えば、商業的使用において約1,650kg又は3,637ポンドの最大積載量を運ぶことができるGoodpack MB5中型容量コンテナは、風袋重量が約126kgから約136kg、又は280ポンドから300ポンドであり得る。既存の商業用コンテナと同様の機能を提供するが、風袋重量が低減された、新規で改良された輸送コンテナを提供することに引き続き関心がもたれている。
【0007】
折りたたみ可能な輸送コンテナは、多くの場合、バーコードラベル、RFIDタグ、又は各コンテナに固有の機械可読識別子を設けることによって追跡を容易にする他の手段を含む。場合によっては、ラベル又はタグは、例えば5段積み重ねの一番上にあるコンテナについて、アクセスが困難な場合がある。このようなラベル及びタグは、例えば、フォークリフトの爪や他のコンテナとの衝撃又はこれらによる摩耗が原因で破損される又はすり減ることもある。この領域においても同様に改善の必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
本明細書において、折りたたみ可能で積み重ね可能な貨物ユニットであって、貨物ユニットが閉鎖内部を画定し得る立てた配置と、貨物ユニットがコンパクトに保管及び輸送され得る折りたたみ配置と、を有する貨物ユニットが開示される。貨物ユニットは、前面、後面及び2つの側面を有しかつ前記前面、前記後面及び各前記側面に設けられたフォークリフトスロットを有する略矩形のベースと、ベースから上向きに延在する前壁及び後壁と、前壁と後壁の間でベースから上向きに延在する第1の側壁及び第2の側壁と、前壁、後壁及び側壁のうちの1つ又は複数にヒンジで取り付けられる一体型の蓋と、を備える。
【0009】
一部の実施形態では、4つの壁の全てが完全に取り外し可能である。
【0010】
一部の実施形態では、一体型の蓋は、第1の側壁にヒンジで取り付けられるヒンジ縁部を含む第1の蓋部材と、第2の側壁にヒンジで取り付けられるヒンジ縁部を含む第2の蓋部材とを備える。一部の実施形態では、第1の蓋部材及び第2の蓋部材は、各々、自身のヒンジ縁部の反対側にある自由縁部を有し、第1の蓋部材は第2の蓋部材よりも大きく、第1の蓋部材のヒンジ縁部と第1の蓋部材の自由縁部との間の寸法は、第2の蓋部材における対応する寸法よりも大きい。一部の実施形態では、各蓋部材は、前壁を越えて外側に延在する第1のハンドルと、後壁を越えて外側に延在する第2のハンドルとを有し、これにより、蓋を持ち上げて貨物ユニットを開けることが容易になる。各ハンドルは下向きに突出する端部を含んでもよく、この下向きに突出する端部は自身に関連する前壁又は後壁の頂部を下向きに包んで構造体に強度及び剛性を与える、及び/又は蓋部材を閉位置に維持するのを助ける。
【0011】
一部の実施形態では、各蓋部材は側壁に取り外せないように取り付けられており、かつ、蓋部材の自由縁部同士が互いに隣接するほぼ水平な閉位置と、貨物ユニットが立てた配置にあるときに蓋部材が自身の関連する側壁の外面を覆うほぼ鉛直な開位置と、の間で270°の弧を描くように枢動可能である。
【0012】
一部の実施形態では、前壁は、貨物ユニットを立てた配置にロックすることが可能な解除可能ロック機構を備える。一部の実施形態では、前壁は、下側前壁と、下側前壁に枢動可能に接続された上側前壁とを備え、下側前壁はロック機構を含み、上側前壁はロック機構を含み、貨物ユニットが立てた配置にあるときに、上側前壁は、(1)貨物ユニットの完全閉状態に関連する直立配置にロックされるか、又は(2)ロック解除され、約180°の弧を描くように外向き及び下向きに折られて下側前壁の外面を覆い、このとき下側前壁は定位置にロックされたままであり、これにより、貨物ユニットが部分的に開かれて内部へのアクセスが容易となるよう構成されている。いくつかの実施形態では、後壁は上述のように前壁と同一又は実質的に同一である。
【0013】
一部の実施形態では、ベース及び壁は、各々、金属フレームと、当該フレームに溶接又は他の方法で取り付けられた1つ又は複数の略平らで平面的な金属シート又はプレートとを備える。金属は、例えば亜鉛メッキ鋼であってもよく、貨物ユニットは風袋重量が、例えば、70kgから100kg、80kgから90kg、又は約84kgであってもよい。他の実施形態では、ベース及び壁のうちの1つ又は複数は、シート又はプレートと組み合わされたフレームを備える代わりに、強度及び剛性を与えるために一体構造輪郭を有する一体型のワンピース打ち抜き一次部材を備え、貨物ユニットは風袋重量が80kgよりもかなり小さくてもよい。
【0014】
本明細書においてはまた、互いに背中合わせに接合された一対の類似の個別の貨物ユニットを備えるダブル貨物ユニットが開示され、個別の貨物ユニットは、各々、後壁を含まないことを除いて上述の貨物ユニットの1つと同様のものである。したがって、これらの実施形態における個別の貨物ユニットはそれぞれの開口側で接合される。個別の貨物ユニットは、ブリッジプレート、スプライスバー、若しくはこれらのベース部材、側壁及び蓋のうちの1つ又は複数を互いに接合する他の構造によって、並びに/又はボルトなどの締結具を使用してベースの隣接部分を互いに固定するなどの他の手段によって、接合されてもよい。いくつかの実施形態では、ベースは全体でほぼ平坦なフロアを画定し、その際、個別の貨物ユニットのベース間の接合部には上向きに突出する目立つ上方突起又はリムは何ら存在しない。いくつかの実施形態では、スチールプレート、スチールアングル、又は例えば矩形断面の管状部材などの長く幅狭の取り外し可能な支持体によって、剛性及び強度が増大され、支持体は、蓋の高さで接合部を横切って延在し、接合部に隣接する上側側壁の4つのコーナーのすべてを接合し、接合部に隣接する蓋部材の縁部を支持する。この構造部材は、蓋ハンドルの下向きの突起を収容するためのスロット又は凹部を有してもよい。
【0015】
一部の実施形態では、各個別の貨物ユニットの一体型の蓋は、第1の側壁にヒンジで取り付けられたヒンジ縁部を含む第1の蓋部材と、第2の側壁にヒンジで取り付けられたヒンジ縁部を含む第2の蓋部材とを備える。
【0016】
本明細書においてはまた、折りたたみ可能で積み重ね可能な貨物ユニットを荷降ろしして折りたたむ方法が開示され、貨物ユニットは、貨物ユニットが閉鎖内部を画定する立てた配置と、貨物ユニットがコンパクトに保管及び輸送され得る折りたたみ配置と、を有し、貨物ユニットは、前面、後面及び2つの側面を有しかつ前面、後面及び各側面に設けられたフォークリフトスロットを有する略矩形のベースと、ベースから上向きに延在する前壁及び後壁と、前壁及び後壁の間でベースから上向きに延在する第1の側壁及び第2の側壁と、貨物ユニットを立てた配置に維持可能なロック機構と、貨物ユニットが立てた配置にあるときに全体的に水平位置にあるツーピースの一体型の蓋と、を備える。
【0017】
一部の実施形態では、前記方法は以下の工程を有する。
(a)第1の蓋部材と第2の蓋部材の各々を第1の側壁及び第2の側壁の各々に連結するヒンジの周りで約270°の弧を描くように第1の蓋部材及び第2の蓋部材の各々を枢動させることによって、第1の蓋部材及び第2の蓋部材を開く工程。
(b)貨物ユニットから貨物を取り出す工程。
(c)前壁上のロック機構を解除し、前壁を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、ベースの上に置く工程。
(d)後壁上のロック機構を解除し、後壁を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、ベースの上に置く工程。この工程において、前記枢動可能接続部は、後壁と前記ベースとの枢動可能接続部の上向きの移動を許可するよう構成された、ベースに設けられた上方延在スロットを備える枢動可能接続部であり、後壁の枢動軸は、前壁の厚さに等しい又はほぼ等しい寸法だけ、前壁の枢動軸に対して上方に鉛直方向にオフセットされた高さに固定されており、前記側壁は直立のまま前記ベースのコーナーポストによって支持されている。
(e)前記第1の側壁を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、後壁の上に置く工程。この工程において、第1の側壁の枢動軸は、第1の側壁が後壁の上にほぼ水平の向きで平らに横たわることを許可する高さに固定されている。
(f)第2の側壁を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、第1の側壁の上に置く工程。この工程において、第2の側壁の枢動軸は、第2の側壁が第1の側壁の上にほぼ水平の向きで平らに横たわることを許可する高さに固定されている。
(g)第2の蓋部材を、これを第2の側壁に接続するヒンジの周りで約180°の弧を描くよう枢動させて、第2の側壁ではなく第1の蓋部材の上に置き、これにより、折りたたまれた貨物ユニットの高さを減少させる工程。
【0018】
一部の実施形態では、折りたたまれた貨物ユニットを立てる方法は、上記の工程の逆を含んでもよい。いくつかの実施形態では、上述のようなダブル貨物ユニットを折りたたむ又は立てる方法は、上述した方法と同じ方法を含むことができるが、例外として、後壁に関する工程は適用可能ではなく、他の壁に関する方法を個別の貨物ユニットのそれぞれについて実行する必要がある。
【0019】
上述の個別又はダブル貨物ユニットの荷積み及び荷降ろしを伴ういくつかの実施形態では、荷積み及び荷降ろしの前に、任意の数の壁をベースから取り外すことができる。これによって、1つ又は複数の側面から内部へアクセスすることが容易になり、このことは、例えば、手動での荷積み及び荷降ろしを伴う状況及び/又は荷積み及び荷降ろしのためにフォークリフトを使用する状況などのいくつかの状況において有用な場合がある。
【0020】
種々の実施形態において、本明細書に記載される任意の数の特徴が、実用的な範囲で、互いに組み合わせて含まれてもよいと考えられる。さらに、種々の実施形態において、上記した米国特許第8,573,427号に記載される任意の数の特徴が、実用的な範囲で、本明細書に記載される特徴のうちの1つ以上と組み合わせて含まれてもよいと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】立てた配置にある個別の貨物ユニットの斜視図である。
図2】折りたたみ配置にある図1の個別の貨物ユニットの斜視図である。
図3】立てた配置にあるダブル貨物ユニットの斜視図である。
図4】折りたたみ配置にある図3のダブル貨物ユニットの斜視図である。
図5A】蓋部材が開位置に回転された図1の個別の貨物ユニットの斜視図である。
図5B】前壁が折りたたみ位置にある図1の個別の貨物ユニットの斜視図である。
図5C】後壁が折りたたみ位置にある図1の個別の貨物ユニットの斜視図である。
図5D】第1の側壁が折りたたみ位置にある図1の個別の貨物ユニットの斜視図である。
図5E】第2の側壁が折りたたみ位置にある図1の個別の貨物ユニットの斜視図である。
図5F】第2の壁の蓋部材が第1の壁の蓋部材の上に延在するように回転された、折りたたみ配置にある図1の個別の貨物ユニットの斜視図である。
図6】立てた配置にある別の貨物ユニットの斜視図である。
図7図6の貨物ユニットの底面図である。
図8図7の線8-8に沿った側面立面部分断面図である。
図9図7の線9-9に沿った背面立面部分断面図である。
図10】折りたたみ配置にある図6の貨物ユニットの背面立面図である。
図11】積み重ね配置にある複数の折りたたまれた貨物ユニットの背面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図1及び図2を参照すると、折りたたみ可能で積み重ね可能な貨物ユニット20が示されており、貨物ユニット20は、閉鎖内部を画定し得る立てた配置と、貨物ユニット20をコンパクトに保管及び輸送し得る折りたたみ配置と、を有する。貨物ユニット20は、前面24、後面及び2つの側面26を有しかつその前面、後面及び各側面に設けられたフォークリフトスロット28を有する略矩形のベース22と、ベース22から上向きに延在する前壁30及び後壁32と、前壁30及び後壁32の間でベース22から上向きに延在する第1の側壁34及び第2の側壁36と、前壁、後壁及び側壁のうちの1つ又は複数にヒンジで取り付けられる一体型の蓋と、を備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、4つの壁すべてが完全に取り外し可能である。
【0024】
いくつかの実施形態では、一体型の蓋は、第1の側壁34にヒンジで取り付けられるヒンジ縁部40を含む第1の蓋部材38と、第2の側壁36にヒンジで取り付けられるヒンジ縁部44を含む第2の蓋部材42とを備える。いくつかの実施形態では、第1及び第2の蓋部材38,42は、それぞれ、そのヒンジ縁部の反対側にある自由縁部46,48を含み、第1の蓋部材38は第2の蓋部材42よりも大きく、そのヒンジ縁部40とその自由縁部46との間の寸法が第2の蓋部材42の対応する寸法よりも大きい。いくつかの実施形態では、各蓋部材は、前壁30を越えて外側に延在する第1のハンドル50と、後壁32を越えて外側に延在する第2のハンドル52とを有しており、これにより、蓋を持ち上げて貨物ユニット20を開くことが容易となる。各ハンドル50は下向きに突出する端部を含んでもよく、この下向きに突出する端部は自身に関連する前壁又は後壁の頂部を下向きに包み、これにより、構造体に強度及び剛性を与える、及び/又は蓋部材を閉位置に維持するのを助ける。
【0025】
いくつかの実施形態では、各蓋部材は側壁に取り外せないように取り付けられるとともに、蓋部材の自由端が互いに隣接するほぼ水平な閉位置と、貨物ユニットが立てた配置にされたときに蓋部材がその関連する側壁の外面を覆うほぼ鉛直な開位置と、の間で270°の弧を描くように枢動可能である。
【0026】
いくつかの実施形態では、前壁30は、貨物ユニット20を立てた配置にロックすることができる解除可能なロック機構54を備える。いくつかの実施形態では、前壁30は、下側前壁56と、これに枢動可能に接続された上側前壁58とを備え、下側前壁56はロック機構を含み、上側前壁58はロック機構を含み、貨物ユニット20がその立てた配置にあるとき、上側前壁58は、(1)貨物ユニットの完全閉状態に関連する直立配置にロックされるか、又は(2)ロック解除され、約180°の弧を描くように外向き及び下向きに枢動して、下側前壁56の外面を覆い、このとき下側前壁56は定位置にロックされたままであり、これにより、貨物ユニット20が部分的に開かれ、貨物の下側部分を閉じたまま内部へアクセスすることが容易となる。いくつかの実施形態では、後壁32は上述のような前壁30と同一又は実質的に同一である。
【0027】
いくつかの実施形態では、ベース及び壁のそれぞれは、金属フレームと、当該フレームに溶接又は他の方法で取り付けられた1つ又は複数のほぼ平坦な平面金属シート又はプレートとを備える。各フレームは、概ね矩形の外周と、当該外周内にある1つ又は複数の補強材とを含むことができる。金属は、例えば亜鉛メッキ鋼であってもよく、貨物ユニットは風袋重量が、例えば、70kgから100kg、80kgから90kg、又は約84kgであってもよい。他の実施形態では、ベース及び壁のうちの1つ又は複数は、シート又はプレートと組み合わされたフレームを備える代わりに、強度及び剛性を与えるために一体構造輪郭を有する単一のワンピース打ち抜き一次部材を備え、貨物ユニットは風袋重量が80kgよりもかなり小さくてもよい。
【0028】
図3及び図4は、互いに背中合わせに接合された一対の類似の個別の貨物ユニット62を備えるダブル貨物ユニット60を示し、個別の貨物ユニットの各々は、後壁を含まないことを除いて上述の貨物ユニットの1つと同様のものである。したがって、これらの実施形態における個別の貨物ユニットは、それぞれの開口側で接合される。個別の貨物ユニットは、ブリッジプレート、スプライスバー、若しくはこれらのベース部材、側壁及び蓋のうちの1つ又は複数を互いに接合する他の構造によって、並びに/又はボルトなどの締結具64を使用してベース及び/若しくは側壁の隣接部分を互いに直接締結するなどの他の手段によって、接合することができる。いくつかの実施形態では、ベースは全体でほぼ平坦なフロアを画定し、その際、個別の貨物ユニットのベース間の接合部には上向きに突出する目立つ上方突起又はリムは何もない。いくつかの実施形態では、スチールプレート、スチールアングル、又は例えば矩形断面の管状部材などの長く幅狭の取り外し可能な支持体66によって、剛性及び強度が増大され、支持体66は、蓋の高さで接合部を横切って延在し、接合部に隣接する上側側壁の4つのコーナーのすべてを接合し、接合部に隣接する蓋部材の縁部を支持する。この構造部材は、蓋ハンドルの下向きの突起を収容するためのスロット又は凹部68を有してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、各個別の貨物ユニットの一体型の蓋は、第1の側壁にヒンジで取り付けられたヒンジ縁部を含む第1の蓋部材と、第2の側壁にヒンジで取り付けられたヒンジ縁部を含む第2の蓋部材とを備え、蓋部材の縁部は、前壁、側壁及び支持体66を覆う。
【0030】
図5Aから図5Fを参照すると、上述したような折りたたみ可能で積み重ね可能な貨物ユニットを荷降ろしして折りたたみ、その配置を図1に示す配置から図2に示す配置に変える方法は、以下の工程を含むことができる。
(a)図5Aに示すように、第1及び第2の蓋部材38,42のそれぞれを第1及び第2の側壁34,36のそれぞれに連結するヒンジの周りで約270°の弧を描くように各蓋部材を枢動させることによって、第1及び第2の蓋部材38,42を開く工程。
(b)貨物ユニットから貨物を取り出す工程。
(c)図5Bに示すように、前壁30上のロック機構54を解除し、前壁30を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、ベース22の上に置く工程。
(d)図5Cに示すように、後壁32のロック機構を解除し、後壁32を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、前壁30の上に置く工程。この工程において、側壁34,36は直立のままベースのコーナーポストによって支持されている。
(e)図5Dに示すように、第1の側壁34を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、第1の側壁34を後壁32の上に置く工程。
(f)図5Eに示すように、第2の側壁36を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、第1の蓋部材38の上に置く工程。
(g)図5Fに示すように、第2の蓋部材42を、第2の蓋部材42と第2の側壁36とを接続するヒンジの周りで約180°の弧を描くように枢動させて、第2の側壁36ではなく第1の蓋部材38の上に置き、これにより、折りたたまれた貨物ユニットの高さを減少させる工程。
【0031】
いくつかの実施形態では、折りたたまれた貨物ユニットを立てて積み込む方法は、上記の工程の逆を含むことができる。いくつかの実施形態では、上述のようなダブル貨物ユニットを折りたたむ又は立てる方法は、上述した方法と同じ方法を含むことができるが、例外として、後壁に関する工程は適用可能ではなく、他の壁に関する方法を個別の貨物ユニットのそれぞれについて実行する必要がある。
【0032】
上述の個別の貨物ユニット又はダブル貨物ユニットの荷積み及び荷降ろしを伴ういくつかの実施形態では、荷積み及び荷降ろしの前に、任意の数の壁をベースから取り外して後で交換することができる。これによって、1つ又は複数の側面から内部へアクセスすることが容易になり、このことは、例えば、手動での荷積み及び荷降ろしを伴う状況及び/又は荷積み及び荷降ろしのためにフォークリフトを使用する状況などのいくつかの状況において有用な場合がある。
【0033】
貨物ユニット20は、RFIDタグ、バーコードラベル及び/又は他の識別子をベース22のスロット内に備える識別コンポーネント70を含むことができる。この位置決めによって、貨物ユニット間の接触による破損に対して保護することができ、また、フォークリフトの爪又は他の考え得る破損の原因との接触からある程度保護することができる。
【0034】
いくつかの実施態様において、貨物ユニット20は、寸法が、1150mm×995mm×835mmであり、これは、「1つの寸法ですべてに適合する(one dimension fits all)」特徴を提供するのに役立つ。
【0035】
貨物ユニット100に関して以下により詳細に記載するように、第1の側壁34の長さ(即ち、立てた配置での鉛直方向の長さ)は、第2の側壁36の長さと異なる場合がある。このようにすることで折りたたみ配置にあるときに第1の蓋部材38を第1の側壁34と平ら(例えば、略同一平面上)に配置することができ、これにより積み重ねられた壁の高さが減少する。
【0036】
次に、図6を参照すると、別の貨物ユニット100が示されている。貨物ユニット100は、図1から図5Fの貨物ユニット20と同じであってもよい。例えば、貨物ユニット100は、前面124、後面及び2つの側面126を有しかつその前面、後面及び各側面に設けられたフォークリフトスロット128を有する略矩形のベース122と、ベース122から上向きに延在する前壁130及び後壁132と、前壁130及び後壁132の間でベース122から上向きに延在する第1の側壁134及び第2の側壁136と、前壁、後壁及び側壁のうちの1つ又は複数にヒンジで取り付けられる一体型の蓋と、を備える。図8に関してより詳細に説明するように、第1の側壁134の長さは第2の側壁136の長さよりも短くてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、4つの壁すべてが完全に取り外し可能である。
【0038】
いくつかの実施形態では、一体型の蓋は、第1の側壁134にヒンジで取り付けられるヒンジ縁部140を含む第1の蓋部材138と、第2の側壁136にヒンジで取り付けられるヒンジ縁部144を含む第2の蓋部材142とを備える。いくつかの実施形態では、第1及び第2の蓋部材138,142の各々は、そのヒンジ縁部に対向する自由縁部146,148を含み、第1の蓋部材138は第2の蓋部材142よりも大きく、そのヒンジ縁部140とその自由縁部146との間の寸法が第2の蓋部材142の対応する寸法よりも大きい。いくつかの実施形態では、各蓋部材は、前壁130を越えて外側に延在する第1のハンドル150と、後壁132を越えて外側に延在する第2のハンドル152とを有しており、これにより、蓋を持ち上げて貨物ユニット100を開くことが容易となる。各ハンドルは下向きに突出する端部を含んでもよく、この下向きに突出する端部は、自身に関連する前壁又は後壁の頂部を下向きに包んで、構造体に強度及び剛性を与え、及び/又は蓋部材を閉位置に維持するのを助ける。
【0039】
いくつかの実施形態では、各蓋部材138,142は側壁に取り外せないように取り付けられるとともに、蓋部材の自由端が互いに隣接するほぼ水平な閉位置と、貨物ユニット100が立てた配置にされたときに蓋部材がその関連する側壁の外面を覆うほぼ鉛直な開位置と、の間で270°の弧を描くように枢動可能である。
【0040】
いくつかの実施形態では、前壁130は、貨物ユニットを立てた配置にロックすることができる解除可能なロック機構154を備える。いくつかの実施形態では、前壁130は、下側前壁156と、これに枢動可能に接続された上側前壁158とを備え、下側前壁156はロック機構を含み、上側前壁158はロック機構を含み、貨物ユニット100がその立てた配置にあるとき、上側前壁158は、(1)貨物ユニット100の完全閉状態に関連する直立配置にロックされるか、又は(2)ロック解除され、約180°の弧を描くように外向き及び下向きに枢動して下側前壁156の外面を覆い、このとき下側前壁156は定位置にロックされたままであり、これにより、貨物ユニット100を部分的に開くことができ、貨物の下側部分を閉じたまま内部へアクセスすることが容易となる。いくつかの実施形態では、後壁132は、鉛直方向にオフセットされた枢動軸を収容するために異なる高さを有してもよいことを除いて、前壁130と同一又は実質的に同一である。これにより、立てた配置にされた時に、前壁及び後壁の上縁部が同一平面上になり、一方で、これらの下縁部はわずかに異なる高さになる。
【0041】
いくつかの実施形態では、ベース及び壁のそれぞれは、金属フレームと、フレームに溶接又は他の方法で取り付けられた1つ又は複数のほぼ平坦な平面金属シート又はプレートとを備える。各フレームは、概ね矩形の外周と、外周内側の1つ又は複数の補強材とを含むことができる。金属は、例えば、亜鉛メッキ鋼であってもよく、貨物ユニットの風袋重量は、例えば、70から100kg、80から90kg、又は約84kgであってもよい。他の実施形態では、ベース及び壁のうちの1つ又は複数は、シート又はプレートと組み合わされたフレームを備える代わりに、強度及び剛性を提供するために一体構造輪郭を組み込んだ一体型のワンピース打ち抜き一次部材を備え、貨物ユニットの風袋重量は80kgよりもかなり小さくてもよい。
【0042】
図7を参照すると、貨物ユニット100のベース122は、下側フロントフレーム160と、下側フロントフレーム160に対向する下側リアフレーム162と、第1の下側サイドフレーム164と、第1の下側サイドフレーム164に対向する第2の下側サイドフレーム166とを含む。これらの下側フレームは、ベース122のコーナーポスト170間に延在する。下側フロントフレーム160及びリアフレーム162は、第1及び第2の下側サイドフレーム164,166の共通の長さよりも長い共通の長さを有する。例えば、下側フロントフレーム160及びリアフレーム162それぞれの長さは、第1及び第2の下側サイドフレーム164,166の長さよりも約15%長くてもよい。このようにして、下側フレームは協働して矩形ベース122を形成する。ベース122はまた、下側フロントフレーム160と下側リアフレーム162の間に延在する支持構造172と、第1の下側サイドフレーム164と第2の下側サイドフレーム166の間に延在する横方向支持構造174とを含む。横方向支持構造174は、支持構造172に対して直交して延在してもよい。支持構造172及び横方向支持構造174は協働してベース122のフロア176を支持する。
【0043】
図8を参照すると、ベース122は、第1の下側サイドフレーム164と第1の側壁134のヒンジ縁部184との間に鉛直に延在する第1の直立側部180と、第2の下側サイドフレーム166と第2の側壁136のヒンジ縁部186との間に鉛直に延在する第2の直立側部182とを含む。これらの直立側部180,182は固定直立壁でもよい。例えば、直立側部180,182はベース122と一体的に形成されてもよい。
【0044】
ベース122の直立側部180,182は異なる鉛直方向長さを有してもよい。例えば、図8に示すように、第1の直立側部180は190で示される第1の鉛直方向高さまで延在し、第2の直立側部182は、第1の鉛直方向高さ190よりも鉛直方向上方にある(即ち地面からの高さがより高い)192で示される第2の鉛直方向高さまで延在する。
【0045】
第1及び第2の側壁134,136は、第1及び第2の直立側部180,182に隣接するベースにヒンジで固定されてもよい。より具体的には、第1の側壁134のヒンジ縁部184は、第1の側壁134が第1の枢動軸194の周りで枢動可能であるように、ベース122のコーナーポスト170にヒンジで取り付けられる。第2の側壁136のヒンジ縁部186は、第2の側壁136が第1の枢動軸194から鉛直方向にオフセットされた第2の枢動軸196の周りで枢動可能であるように、ベース122のコーナーポスト170にヒンジで取り付けられる。図示のように、第2の枢動軸196は、第1の枢動軸194よりも鉛直方向上方にある(即ち地面からの高さがより高い)。
【0046】
上述したように、第1及び第2の側壁134,136は異なる長さを有してもよい。本明細書において、側壁の長さは、側壁が直立位置にある場合には鉛直方向寸法を、側壁が折りたたみ位置にある場合には水平方向寸法を指す。図示のように、第1の側壁134の長さ(符号202で示す)は、第2の側壁136の長さ(符号200で示す)よりも長くてもよい。
【0047】
このようにして、第1の側壁134の第1の直立側部180の鉛直方向高さ190と第1の側壁134の長さ200とが合わされて貨物ユニット100の第1の側部の合計長さ204を成し、第2の直立側部182の鉛直方向高さ192と第2の側壁136の長さ202とが合わされて貨物ユニット100の第2の側部の合計長さ206を成し、第1の合計長さ204が第2の合計長さ206とほぼ同じになるようにする。このように、貨物ユニット100の2つの側面126は、実質的に共通の高さまで延在する。
【0048】
図9を参照すると、前壁130の長さ210は後壁132の長さ212と実質的に同じ長さである。
【0049】
貨物ユニット100は、図5Aから図5Fに関して説明した方法と同様の方法で、図10に示す折りたたみ配置に折りたたむことができる。例えば、ユーザは、第1及び第2の蓋部材138,142の各々を、これらを第1及び第2の側壁134,136にそれぞれに接続するヒンジの周りで約270°の弧を描くように枢動させることができる。第1及び第2の蓋部材138,142が第1及び第2の側壁134,136に沿って鉛直方向にもたれかかっている状態(図5Aに示す配置と同様の状態)で、作業者は貨物ユニット100から貨物を取り出すことができる。
【0050】
ユーザは、その後、前壁130上のロック機構154を解除することができ、前壁130を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベース122へと下向きかつ内向きに枢動させて、ベース22の上に置く(図5Bに示す配置と同様の配置)ことができる。
【0051】
ユーザは、その後、後壁132上のロック機構154を解除することができ、後壁132を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベース122へと下向きかつ内向きに枢動させて、前壁130の上に置くことができ、この時、側壁134,136は、ベースのコーナーポストによって支持されて立てられた状態のまま(図5Cに示す配置と同様の状態)である。
【0052】
ユーザは、その後、第1の側壁134を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベースへと下向きかつ内向きに枢動させて、後壁132の上に置く(図5Dに示す配置と同様の配置)ことができ、その後、第2の側壁136を、枢動可能接続部の周りで約90°の弧を描くようにベース122へと下向きかつ内向きに枢動させて、第1の蓋部材138の上に置く(図5Eに示す配置と同様の配置)ことができる。
【0053】
折りたたみ配置における貨物ユニット100の高さを減少させるために、ユーザは、第2の蓋部材142を、これを第2の側壁136に接続するヒンジの周りで約180°の弧を描くように枢動させて、第2の蓋部材42を第2の側壁136ではなく第1の蓋部材138の上に置くことができる。
【0054】
そのようにして、そして図10に示すように、折りたたみ配置では、前壁130はベース122のフロア176に接触して支持され、後壁132は前壁130に接触して支持される。第1の蓋部材138が第1の側壁134を覆って折り返されて第1の側壁134によって支持された状態で、第1の側壁134は後壁132に接触して支持される。第2の側壁136の遠位端220は、近位端222が後壁132から離間した状態で、第1の蓋部材138に接触して支持されている。第2の蓋部材142は、第1の蓋部材138に接触して支持されるように回転する。図示のように、第2の側壁136と第2の蓋部材142の合計長さは、貨物ユニット100の内部寸法(例えば、内部長さ)に対応するか、又はそれ未満である。このようにして、第2の側壁136及び第2の蓋部材142は、ポスト170などの対向面と干渉することなく、少なくとも部分的に同一平面上にあってもよい。別のアプローチでは、第2の側壁136と第2の蓋部材142の合計長さは、貨物ユニット100の内部寸法(例えば、内部長さ)を超えてもよい。このようなアプローチでは、第2の蓋部材142は、第2の蓋部材142の平面配向を妨げないように、ポスト170間を通るよう寸法決めされてもよい。
【0055】
一態様では、第1の側壁132と第1の蓋部材138の合計長さは、貨物ユニット100の内部寸法(例えば、内部長さ)を超えてもよい。別の態様では、第1の側壁132と第1の蓋部材138の合計長さは、貨物ユニット100の内部寸法(例えば、内部長さ)を超えてもよい。
【0056】
このようにして、前壁130、後壁132、第1の側壁134、第1の蓋部材138及び第2の側壁136を折りたたみ、第2の蓋部材142をそこから開いた(unfolded)状態とすることで、貨物ユニット100のコンパクトな折りたたみ配置が提供される。より詳細には、積み重ねられた壁及び蓋部材の高さは、第2の蓋部材142の厚さ(例えば約26mmであってもよい)だけ減少する。このようなコンパクトな配置によって、複数の貨物ユニット100のコンパクトな積み重ねが可能となる。
【0057】
例えば、図11を参照すると、複数の貨物ユニット100,100’は積み重ねることができる。積み重ね配置では、上側の貨物ユニット100’の下側フレーム構造は、下側の貨物ユニット100の積み重ねられた壁及び蓋から離間して(例えば、鉛直方向に離間して)配置される。より詳細には、上側の貨物ユニット100’のベース122’の下側リアフレーム162’は、下側の貨物ユニット100の第2の側壁136及び第2の蓋部材142から離間している。積み重ね配置では、下側の貨物ユニット100のコーナーポスト170の上側部分230は、上側の貨物ユニット100’の下側部分234’の収容部232’を収容してもよい(又はその中に収容されてもよい)。
【0058】
以上のことから、本明細書には、完全に取り外し可能な4つのドア、関連する壁と一緒に折りたたみ可能な一体型の蓋、及びラッチ付き折りたたみ可能半ドアを備える、1つのユニットでリターナブルであるとともに個々にユニークに識別され追跡可能なコンプリート金属製貨物ユニットが記載され図示されていることが理解されるべきである。一部の実施形態では、貨物ユニットは、トラック、トレーラー、鉄道車両及びISO 40フィートコンテナ内において最大限の容量利用を提供することができる(例えば、1つの寸法で全てに適合する)。
【0059】
種々の実施形態において、本明細書に記載される任意の数の特徴が、実用的な範囲で、互いに組み合わせて含まれてもよいと考えられる。さらに、種々の実施形態において、上記した米国特許第8,573,427号に記載される任意の数の特徴が、実用的な範囲で、本明細書に記載される特徴のうちの1つ以上と組み合わせて含まれ得ると考えられる。
【0060】
本開示において、貨物ユニットの実施形態及び例、並びに関連する使用及び操作方法が記載される。前、後、側、鉛直、水平、上、下などの用語は、本明細書に添付の図面を説明するものである。
【0061】
当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範囲から逸脱することなく、上記した実施形態に関してさまざまな修正、変更及び組み合わせを行うことができ、そのような修正、変更及び組み合わせは本発明の概念の範囲内にあると見なされるべきであることを理解するであろう。さらに、本明細書において記載される一実施形態の特徴は、本明細書において記載される他の実施形態の特徴と組み合わせて、所望に応じてさらに他の実施形態を提供することができることも理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8
図9
図10
図11