(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】コンソーシアム運営装置及びコンソーシアム運営方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20241220BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241220BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022042875
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2024-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩貴
(72)【発明者】
【氏名】天野 光司
(72)【発明者】
【氏名】仲 恭平
(72)【発明者】
【氏名】大山 晋平
(72)【発明者】
【氏名】澤田 一真
(72)【発明者】
【氏名】山田 寛
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-085383(JP,A)
【文献】特開2002-329254(JP,A)
【文献】特開2019-219916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンソーシアム運営装置であって、
プロセッサと記憶装置とを有し、
前記記憶装置は、
コンソーシアムに属する1以上の事業所それぞれが利用する端末がアクセス可能な共通データベースと、
前記1以上の事業所それぞれに付与する優遇措置を算出するルールと、を保持し、
前記共通データベースは、前記端末それぞれから登録された情報を保持し、
前記プロセッサは、
前記端末それぞれの要求に応じて、前記共通データベースから情報を取得して、当該情報を当該端末に送信することで当該端末を有する事業所に当該情報を提示し、
前記端末ごとに、前記共通データベースへの情報の登録実績、及び前記共通データベースに登録されている情報の提示実績を集計し、
前記1以上の事業所それぞれに対して、前記集計した登録実績及び提示実績、並びに前記ルールに基づいて、優遇措置を付与
し、
前記共通データベースには、
前記1以上の事業所それぞれで用いられる事業所内用語と、一般用語と、が紐づけられた共通辞書情報と、
前記1以上の事業所それぞれにおいて発生した事象の構成要素を階層的に示す共通構造化IDを示す共通構造化ID情報と、
前記共通構造化ID間に関係があることを示す共通関係リンクを示す共通関係リンク情報と、が格納されている、コンソーシアム運営装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンソーシアム運営装置であって、
前記プロセッサは、
前記端末それぞれの要求が示す事象の構成要素を含む、共通関係リンクを前記共通関係リンク情報から取得し、
前記取得した共通関係リンクにおいてリンクされている共通構造化IDを前記共通構造化ID情報から取得し、
前記取得した共通関係リンク及び前記取得した共通構造化ID情報を、当該端末に送信する、コンソーシアム運営装置。
【請求項3】
請求項1に記載のコンソーシアム運営装置であって、
前記プロセッサは、
前記共通データベースから取得した情報に含まれる一般用語を、前記共通辞書情報を参照して、当該端末を有する事業所の事業所内用語に変換する変換処理を実行し、
前記変換処理が実行された情報を当該端末に送信する、コンソーシアム運営装置。
【請求項4】
請求項1に記載のコンソーシアム運営装置であって、
前記共通構造化ID情報に含まれる共通構造化IDそれぞれには、所定の暗号化処理を用いて一意性を担保する識別子が付与されている、コンソーシアム運営装置。
【請求項5】
請求項1に記載のコンソーシアム運営装置であって、
前記共通構造化IDは、前記1以上の事業所が利用したアプリケーションから得られた情報から生成される、コンソーシアム運営装置。
【請求項6】
請求項1に記載のコンソーシアム運営装置であって、
前記優遇措置は、前記1以上の事業所それぞれが前記コンソーシアムの運営者に支払うべき会費の減免であり、
前記集計した登録実績及び提示実績が多いほど、前記会費の減免率が大きくなるよう、前記ルールが定められている、コンソーシアム運営装置。
【請求項7】
請求項6に記載のコンソーシアム運営装置であって、
前記記憶装置は、
前記1以上の事業所それぞれについて、自身のみがアクセス可能な個別データベースを保持し、
前記個別データベースへの個別事象登録数、及び前記共通データベースにアクセス可能なユーザ数が多いほど、前記会費が高くなるよう前記ルールが定められている、コンソーシアム運営装置。
【請求項8】
コンソーシアム運営装置によるコンソーシアム運営方法であって、
前記コンソーシアム運営装置は、
コンソーシアムに属する1以上の事業所それぞれが利用する端末がアクセス可能な共通データベースと、
前記1以上の事業所それぞれに付与する優遇措置を算出するルールと、を保持し、
前記共通データベースは、前記端末それぞれから登録された情報を保持し、
前記コンソーシアム運営方法は、
前記コンソーシアム運営装置が、前記端末それぞれの要求に応じて、前記共通データベースから情報を取得して、当該情報を当該端末に送信することで当該端末を有する事業所に当該情報を提示し、
前記コンソーシアム運営装置が、前記端末ごとに、前記共通データベースへの情報の登録実績、及び前記共通データベースに登録されている情報の提示実績を集計し、
前記コンソーシアム運営装置が、前記1以上の事業所それぞれに対して、前記集計した登録実績及び提示実績、並びに前記ルールに基づいて、優遇措置を付与し、
前記共通データベースには、
前記1以上の事業所それぞれで用いられる事業所内用語と、一般用語と、が紐づけられた共通辞書情報と、
前記1以上の事業所それぞれにおいて発生した事象の構成要素を階層的に示す共通構造化IDを示す共通構造化ID情報と、
前記共通構造化ID間に関係があることを示す共通関係リンクを示す共通関係リンク情報と、が格納されている、コンソーシアム運営方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンソーシアム運営装置及びコンソーシアム運営方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術として特開2002-366643号公報(特許文献1)がある。この公報には、「多業種、多種製品を取扱う複数の会社が会員となって会社連合10を形成し、これらの会社をまとめる運用会社11を設立し、ネット上にウェブサイトを設けて、顧客20と会社連合10の間を仲介するサービス事業を行う。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、会社連合に含まれる会社が共有するデータベースが記載されているが、各会社が当該データベースに情報を自発的に登録する動機付けを与える方法については記載されておらず、当該データベースへの情報に有用な情報が登録されないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の一態様は、複数の事業所がアクセス可能なデータベースに有用な情報を登録するためのインセンティブを与える。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は以下の構成を採用する。コンソーシアム運営装置は、プロセッサと記憶装置とを有し、前記記憶装置は、コンソーシアムに属する1以上の事業所それぞれが利用する端末がアクセス可能な共通データベースと、前記1以上の事業所それぞれに付与する優遇措置を算出するルールと、を保持し、前記共通データベースは、前記端末それぞれから登録された情報を保持し、前記プロセッサは、前記端末それぞれの要求に応じて、前記共通データベースから情報を取得して、当該情報を当該端末に送信することで当該端末を有する事業所に当該情報を提示し、前記端末ごとに、前記共通データベースへの情報の登録実績、及び前記共通データベースに登録されている情報の提示実績を集計し、前記1以上の事業所それぞれに対して、前記集計した登録実績及び提示実績、並びに前記ルールに基づいて、優遇措置を付与する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、複数の事業所がアクセス可能なデータベースに有用な情報を登録するためのインセンティブを与えることができる。
【0008】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1におけるコンソーシアム運営システムの運用例を示す説明図である。
【
図2】実施例1における個別情報管理装置の構成例を示すブロック図である
【
図3】実施例1における共通情報管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】実施例1における共通辞書DBの一例である。
【
図5】実施例1における共通構造化ID DBの一例である。
【
図6】実施例1における共通関係リンクDBの一例である。
【
図7】実施例1における会員管理DBの一例である。
【
図8】実施例1における個別情報管理装置と各装置との連携の概要例を示す説明図である。
【
図9】実施例1におけるコンソーシアム参加登録フェーズ及び個別DB活用・登録フェーズの一例を示すシーケンス図である。
【
図10】実施例1におけるプッシュ型の個別DB活用処理及び個別DB登録処理の概要例を示す説明図である。
【
図11】実施例1における共通DB活用フェーズの一例を示すシーケンス図である。
【
図12】実施例1における共通DB登録フェーズの一例を示すシーケンス図である。
【
図13】実施例1における会費算出ルールの一例である。
【
図14A】実施例1におけるランクと会費減免率Xとの関係を示すグラフの一例である。
【
図14B】実施例1におけるランクと実質会費Rとの関係を示すグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態において、同一の構成には原則として同一の符号を付け、繰り返しの説明は省略する。なお、本実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。
【実施例1】
【0011】
図1は、コンソーシアム運営システムの運用例を示す説明図である。コンソーシアム運営システムは、コンソーシアムへの参加事業所それぞれが有する個別情報管理装置100、及びコンソーシアム運営者が有する共通情報管理装置200を含む。共通情報管理装置200は、個別情報管理装置100それぞれと、例えばインターネット等のネットワークで接続されている。
【0012】
なお、
図1の例では、複数の事業所(事業所A~事業所D)がコンソーシアムに参加する例を示すが、コンソーシアムへの参加事業所数は1つでもよい。また、
図1では、見易さのため、事業所B、事業所C、及び事業所Dが有する個別情報管理装置100の記載を省略している。
【0013】
個別情報管理装置100は、当該事業所の傘下にある1以上の部署それぞれが有する端末300に接続されている。個別情報管理装置100は、個別DB(DataBase)部120及び仮想共通DB部125を有する。共通情報管理装置200は、共通DB部220を有する。なお、個別情報管理装置100同士は接続されておらず、個別情報管理装置100を有する事業所は、自身が有する個別情報管理装置100が有する個別DB部120及び仮想共通DB部125の情報、並びに共通情報管理装置200が有する共通DB部220の情報を取得することができるが、他の事業所が有する個別情報管理装置100が有する個別DB部120及び仮想共通DB部125の情報を直接的に取得することはできない。
【0014】
事業所は、コンソーシアムへの参加登録申請をすることで、コンソーシアムへの参加を許可される。コンソーシアムへの参加を許可された事業所が会費(例えば、月会費又は年会費等)をコンソーシアム運営者に支払うことで、各事業所が有する個別情報管理装置100は、共通情報管理装置200が有する共通DB部220へのアクセス権利が付与される。
【0015】
個別情報管理装置100は、例えば端末300へオペレータが入力した事象、又は所定のアプリケーションが観測した事象、を新規に個別DB部120に登録する要求を、当該端末300又は当該アプリケーションから受信する。なお、当該事業所が有する対象設備における異常の予兆診断断情報、対象設備を観測機器により観測して得られた保守情報、及び対象設備の管理に関する管理情報などは、いずれも事象の一例である。また、事象は、例えば、対象設備が故障した際に参照すべきマニュアルや図面のファイルなどを含んでもよい。
【0016】
個別情報管理装置100は、個別DB部120への登録が要求されている事象に対して構造化ID(事象を計算機が理解可能な形式で表された情報に付された唯一無二の名称)をそれぞれ生成して個別DB部120に登録することにより、各情報を個別に識別可能なデータに変換する。
【0017】
また、個別情報管理装置100は、個別DB部120に登録された構造化IDに含まれ得る構成要素であって、関係がある構成要素である構造化ID同士を紐づけるリンクである関係リンクを個別DB部120に登録する。なお、個別情報管理装置100は、登録した構造化ID間の関係性を抽出することで関係リンクを生成して登録もよいし、端末300のユーザから指定された関係リンクを登録してもよい。
【0018】
また、端末300は、例えば端末300へオペレータが入力した事象、又は所定のアプリケーションが観測した事象を、共通DB部220に登録する要求を、当該端末300又は当該アプリケーションから受信する。
【0019】
個別情報管理装置100は、共通DB部220への登録が要求されている事象に対して構造化IDをそれぞれ生成する。個別情報管理装置100は、生成した構造化ID間の関係性を抽出することで関係リンクを生成する、又は端末300のユーザから指定され、かつ共通DB部220への登録を要求された関係リンクを取得する。
【0020】
個別情報管理装置100は、個別DB部120に格納されている辞書を用いて、共通DB部220への登録対象の構造化ID及び関係リンクに含まれる、当該事業所内の用語(例えば一般用語ではない用語)を一般用語に変換して、仮想共通DB部125に登録する。なお、個別情報管理装置100は、共通DB部220への登録対象の構造化ID及び関係リンクを、併せて個別DB部120にも登録してもよい。
【0021】
個別情報管理装置100は、共通情報管理装置200へのインターフェースを介して、変換後の構造化ID及び関係リンクを共通情報管理装置200に送信する。なお、個別情報管理装置100は、変換後の構造化ID及び関係リンクの共通DB部220への登録にセキュリティ上の懸念がない(例えば、変換後の構造化ID及び関係リンクに事業所における秘密情報が含まれない)と判定した場合にのみ、変換後の構造化ID及び関係リンクを共通情報管理装置200に送信してもよい。
【0022】
また、個別情報管理装置100は、個別DB部120に登録済みの構造化ID及び関係リンクを、共通DB部220に登録する依頼を、例えば端末300のオペレータからの入力に従って、受けてもよい。この場合、個別情報管理装置100は、個別DB部120に格納されている辞書を用いて、共通DB部220への登録対象の構造化ID及び関係リンクに含まれる、当該事業所内の用語を一般用語に変換して、仮想共通DB部125に登録して、共通情報管理装置200へのインターフェースを介して、変換後の構造化ID及び関係リンクを共通情報管理装置200に送信する。
【0023】
なお、個別情報管理装置100は、構造化ID及び関係リンクに含まれる事業所内用語を変換することなく、共通情報管理装置200に送信し、共通情報管理装置200が、後述する共通辞書を用いて事業所内用語を一般用語に変換してもよい。
【0024】
なお、個別情報管理装置100は、共通DB部220への登録対象の構造化ID及び関係リンクを仮想共通DB部125に登録する処理を省略して、共通情報管理装置200に送信してもよい。この場合、個別情報管理装置100は仮想共通DB部125を保持していなくてもよい。
【0025】
共通情報管理装置200は、共通DB部220への登録対象の構造化ID及び関係リンクを共通DB部220に登録するかを審査する。共通情報管理装置200は、当該構造化ID及び関係リンクの登録審査において否認した場合には、当該構造化ID及び関係リンクを共通DB部220に登録せずに、当該審査結果が否認であることを個別情報管理装置100に通知する。なお、当該通知を受信した個別情報管理装置100は、当該構造化ID及び関係リンクを仮想共通DB部125から削除してもよい。
【0026】
共通情報管理装置200は、当該構造化ID及び関係リンクの登録審査において承認した場合には、承認された情報(構造化ID及び関係リンク)を共通DB部220において一意に識別するユニバーサルユニークID(以下、UUIDとも呼ぶ)を付与し、当該構造化ID及び関係リンクを、それぞれ、共通構造化ID及び共通関係リンクとして共通DB部220に登録し、当該審査結果が承認であることを個別情報管理装置100に通知する。なお、共通情報管理装置200は、NFT(Non-Fungible Token)又はブロックチェーン等の所定の暗号化処理を用いてUUIDの一意性を担保してもよい。
【0027】
なお、共通情報管理装置200が、共通DB部220に登録されている共通構造化IDであって、異なる事業所が有する個別情報管理装置100から登録された共通構造化ID間の関係リンクを定義して、共通DB部220に登録してもよい。
【0028】
共通情報管理装置200は、個別情報管理装置100からの共通DB活用要求を受信した場合、当該共通DB活用要求が示す情報に対応する共通構造化ID及び共通関係リンクを共通DB部220から取得する。なお、個別情報管理装置100は、共通DB活用要求は、例えば、ユーザが端末300に入力した、又は個別情報管理装置100に接続されているアプリケーションが観測した、事象の構成要素を含む。
【0029】
共通情報管理装置200は、取得した共通構造化ID及び共通関係リンクに含まれる一般用語を、共通辞書(一般用語を各事業所の事業所内用語に変換するための辞書)を用いて、当該共通DB活用要求を送信した個別情報管理装置100を有する事業所の用語に変換し、変換後の情報を当該個別情報管理装置100に送信する。なお、共通情報管理装置200は、取得した情報に含まれる一般用語を変換することなく、当該個別情報管理装置100に送信し、当該個別情報管理装置100が、自身が有する辞書を用いて一般用語を事業所内用語に変換してもよい。
【0030】
なお、共通DB部220の情報を受信した個別情報管理装置100は、受信した情報のセキュリティ上の懸念があると判定した場合(例えば、NFTに基づいて受信した情報が改ざんされていると判定した場合、又はウイルス、なりすまし、若しくはハッキングを検知した場合等)、受信した情報を表示することなく破棄してもよいし、受信した情報をログに一時保存してアラートを共通情報管理装置200に出力してもよい。当該アラートが出力された場合、例えば、コンソーシアム運営者が、共通情報管理装置200と個別情報管理装置100との間の通信経路等について調査及び対策を実施して、当該調査及び対策の結果に基づいて当該情報が破棄されるべきか表示されるべきかを判断する。共通情報管理装置200は、コンソーシアム運営者から入力された当該判断結果を個別情報管理装置100に送信して、個別情報管理装置100は当該判断結果に従ってログに一時保存された情報に対する処理を実行する。
【0031】
共通情報管理装置200は、共通DB部220への情報の登録実績(例えば共通構造化ID及び/又は共通関係リンクの登録実績)、及び共通DB部220に登録された情報の活用実績(例えば、他の事業所による、共通構造化ID及び/又は共通関係リンクの引用実績)を、事業所ごとに管理する。共通情報管理装置200は、事業所ごとの当該登録実績及び当該活用実績に基づいて、事業所に対して優遇措置を付与する。会費の減免又は金銭の付与等はいずれも優遇装置の一例である。また、コンソーシアムが運営するコミュニティにおいて事業所のステータスの上昇が開示されることも優遇措置の一例である。事業所のステータスの上昇が開示されることで、当該事業所の社会的価値向上につながる。以下、優遇措置として会費が減免されるものとする。
【0032】
共通情報管理装置200は、当該登録実績及び当該引用実績に基づく優遇措置を事業所に付与することにより、多くの有用な情報を共通DB部220に登録するための動機付けを事業所に対して与えることができ、ひいては事業所も有用な情報を共通DB部220から得ることができる。
【0033】
なお、個別情報管理装置100は、共通情報管理装置200に対して、例えば定期的に共通DB部220の情報(例えば、共通構造化ID、共通関係リンク、及び共通辞書)の送信を要求してもよい。この場合、個別情報管理装置100は、受信した情報を仮想共通DB部125に格納するとよい。
【0034】
なお、個別情報管理装置100は、自身の個別DB部120及び仮想共通DB部125に登録された情報については、自由に削除することができることが望ましい。
【0035】
図2は、個別情報管理装置100の構成例を示すブロック図である。個別情報管理装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、補助記憶装置103、通信装置104、入力装置105、及び出力装置106を有する計算機によって構成される。
【0036】
CPU101は、プロセッサを含み、メモリ102に格納されたプログラムを実行する。メモリ102は、不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)及び揮発性の記憶素子であるRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS(Basic Input/Output System))などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、CPU101が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
【0037】
補助記憶装置103は、例えば、磁気記憶装置(HDD(Hard Disk Drive))、フラッシュメモリ(SSD(Solid State Drive))等の大容量かつ不揮発性の記憶装置であり、CPU101が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置103から読み出されて、メモリ102にロードされて、CPU101によって実行される。
【0038】
入力装置105は、キーボードやマウスなどの、オペレータからの入力を受ける装置である。出力装置106は、ディスプレイ装置やプリンタなどの、プログラムの実行結果をオペレータが視認可能な形式で出力する装置である。
【0039】
通信装置104は、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインターフェース装置である。また、通信装置104は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルインターフェースを含む。
【0040】
CPU101が実行するプログラムの一部またはすべては、非一時的記憶媒体であるリムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又は、非一時的記憶装置を備える外部計算機からネットワークを介して個別情報管理装置100に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置103に格納されてもよい。このため、個別情報管理装置100は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインターフェースを有するとよい。これは、共通情報管理装置200についても同様である。
【0041】
個別情報管理装置100は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、同一の計算機上で別個のスレッドで動作してもよく、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。これは共通情報管理装置200についても同様である。
【0042】
CPU101は、例えば、個別情報管理部111、共通登録申請部112、個別辞書変換部113、共通I/F(インターフェース)部114、セキュリティ管理部115、及び共通情報アクセス部116を含む。
【0043】
個別情報管理部111は、個別DB部120に情報を登録したり、個別DB部120に登録された情報を取得したりする。共通登録申請部112は、共通情報管理装置200に対して当該個別情報管理装置100のコンソーシアムへの参加申請をする。個別辞書変換部113は、各DB部に登録する情報や各DB部から取得した情報に含まれる事業所内用語を一般用語に変換したり、一般用語を事業所内用語に変換したりする。
【0044】
共通I/F部114は、個別情報管理装置100と共通情報管理装置200との間の情報の送受信のインターフェースとして機能する。セキュリティ管理部115は、個別情報管理装置100と共通情報管理装置200との間の情報のやりとりにおけるセキュリティを管理する。共通情報アクセス部116は、共通登録申請部112は、共通DB部220への情報の登録の依頼、共通DB部220に登録された情報の取得を、共通I/F部114を介して実行したり、仮想共通DB部125に情報を登録したり、仮想共通DB部125に登録された情報を取得したりする。
【0045】
例えば、CPU101は、メモリ102にロードされた個別情報管理プログラムに従って動作することで、個別情報管理部111として機能し、メモリ102にロードされた共通登録申請プログラムに従って動作することで、共通登録申請部112として機能する。CPU101に含まれる他の機能部についても、プログラムと機能部の関係は同様である。また、共通情報管理装置200の後述するCPU201に含まれる後述する機能部についても、プログラムと機能部の関係は同様である。
【0046】
なお、CPU101及びCPU201に含まれる機能部による機能の一部又は全部が、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0047】
補助記憶装置103は、例えば、データを記憶する領域である個別DB部120及び仮想共通DB部125を含む。個別DB部120は、例えば、辞書DB121、構造化ID DB122、及び関係リンクDB123を保持する。
【0048】
辞書DB121は、個別情報管理装置100を有する事業所内の用語と、一般用語と、の対応を示す情報を保持する。構造化ID DB122は、当該個別情報管理装置100が生成した構造化IDを保持する。関係リンクDB123は、当該個別情報管理装置100が生成した関係リンクを保持する。
【0049】
仮想共通DB部125は、例えば、仮想共通辞書DB126、仮想共通構造化ID DB127、及び仮想共通関係リンクDB128を保持する。仮想共通辞書DB126は、各事業所内の用語と、一般用語と、の対応を示す情報を保持する。仮想共通構造化ID DB127は、当該個別情報管理装置100から共通DB部220に登録された構造化ID、又は共通情報管理装置200から受信した構造化IDを保持する。仮想共通関係リンクDB128は、当該個別情報管理装置100から共通DB部220に登録された関係リンク、又は共通情報管理装置200から受信した関係リンクを保持する。
【0050】
なお、補助記憶装置103、及び共通情報管理装置200が有する後述する補助記憶装置203に格納されている一部又は全部の情報は、それぞれ、メモリ102、及び共通情報管理装置200が有する後述するメモリ202に格納されていてもよいし、当該装置に接続されている他のデータベースに格納されていてもよい。
【0051】
なお、本実施形態において、コンソーシアム運営システムが使用する情報は、データ構造に依存せずどのようなデータ構造で表現されていてもよい。本実施形態ではテーブル形式で情報が表現されているが、例えば、リスト、データベース又はキューから適切に選択したデータ構造体が、情報を格納することができる。
【0052】
図3は、共通情報管理装置200の構成例を示すブロック図である。共通情報管理装置200は、例えば、CPU201、メモリ202、補助記憶装置203、通信装置204、入力装置205、出力装置206、及び生体情報取得装置207を有する計算機によって構成される。
【0053】
CPU201、メモリ202、補助記憶装置203、通信装置204、入力装置205、及び出力装置206のハードウェアとしての説明は、CPU101、メモリ102、補助記憶装置103、通信装置104、入力装置105、及び出力装置106のハードウェアとしての説明と同様であるため省略する。
【0054】
CPU201は、例えば、参加許諾部211、審査部212、共通情報登録部213、共通辞書変換部214、検索部215、及び会費算出部216を含む。参加許諾部211は、コンソーシアムへの参加登録申請をした個別情報管理装置100のコンソーシアムへの参加諾否を決定する。審査部212は、個別情報管理装置100から受信した情報を共通DB部220に登録するか否かを審査する。共通情報登録部213は、個別情報管理装置100から受信した情報であって、審査部が承認した情報を共通DB部220に登録する。
【0055】
共通辞書変換部214は、各DB部に登録する情報や各DB部から取得した情報に含まれる事業所内用語を一般用語に変換したり、一般用語を事業所内用語に変換したりする。検索部215は、個別情報管理装置100からの共通DB活用要求に応じて、共通DB部220を検索し、検索結果を個別情報管理装置100に送信する。会費算出部216は、各事業所がコンソーシアム運営者に支払うべき会費を算出する。
【0056】
補助記憶装置203は、例えば、データを記憶する領域である共通DB部220を含む。共通DB部220は、例えば、共通辞書DB221、共通構造化ID DB222、及び共通関係リンクDB223を保持する。
【0057】
共通辞書DB221は、各事業所内の用語と、一般用語と、の対応を示す情報を保持する。共通構造化ID DB222は、個別情報管理装置100それぞれから受信し、かつ審査部212が承認した構造化IDを保持する。共通関係リンクDB223は、個別情報管理装置100それぞれから受信し、かつ審査部212が承認した関係リンクを保持する。
【0058】
また、補助記憶装置203は、例えば、会員管理DB224及び会費算出ルール225を保持する。会員管理DB224は、各事業所がコンソーシアム運営者に支払う会費を示す情報を保持する。会費算出ルール225は、各事業所がコンソーシアム運営者に支払う会費を算出するためのルールである。
【0059】
なお、本実施例では、個別情報管理装置100と共通情報管理装置200とが別の装置として表されているが、個別情報管理装置100と共通情報管理装置200とが一体化していてもよい。個別情報管理装置100と共通情報管理装置200とが一体化している場合、個別DB部120及び仮想共通DB部125が事業所ごとに用意され、各事業所が有する端末300が、当該事業所に用意された個別DB部120及び仮想共通DB部125へのアクセス権を有する。
【0060】
図4は、共通辞書DB221の一例である。共通辞書DB221は、例えば、事業所ID欄2211、事業所内用語欄2212、及び一般用語欄2213を保持する。事業所ID欄2211は、事業所を一意に識別する事業所IDを保持する。事業所内用語欄2212は、当該事業所IDが示す事業所内で用いられる用語を示す。一般用語欄2213は、当該事業所IDが示す事業所内で用いられる事業所内用語と同義の一般用語を示す。
【0061】
なお、仮想共通辞書DB126は共通辞書DB221と同様のテーブル構造を有し、辞書DB121のテーブル構造は共通辞書DB221から事業所ID欄2211が削除されたものであり(事業所ID欄2211を含んでいてもよい)、図示を省略する。
【0062】
図5は、共通構造化ID DB222の一例である。共通構造化ID DB222は、例えば、事業所ID欄2221、UUID欄2222、及び共通構造化ID欄2223を含む。事業所ID欄2221は、事業所IDを保持する。UUID欄2222は、共通構造化IDに付与されたUUIDを保持する。
【0063】
共通構造化ID欄2223は、共通構造化IDを保持する。共通構造化IDは、個別情報管理装置100が取得した事象を構成する構成要素それぞれの繋がりをスラッシュ等で区切ることで(例えば、スラッシュの右側に位置する要素は、左側に位置する要素に包含される要素であったり、左側に位置する要素に発生するイベントであったり、左側に位置する要素に関する資料であったりする)、当該事象を階層的に定義したものであ。また、共通構造化IDは事象が示す情報やデータに付与され、計算機が判別可能な文字列で構成されるIDであり、共通構造化IDによってこれらの情報やデータの唯一無二性が担保される。
【0064】
例えば、
図5における「System_A/Plant_A/Line_B/Machine_XX/軽故障」という構造化IDは、System_Aの(に含まれる)Plant_Aの(に含まれる)Line_Bの(に含まれる)Machine_XXの(で発生した)軽故障を示す。また、例えば、
図4における「System_B/Plant_A/Line_B/Manual_A」は、System_Bの(に含まれる)Plant_Aの(に含まれる)Line_BのManual_Aを示す。
【0065】
なお、仮想共通構造化ID DB127は共通構造化ID DB222と同様のテーブル構造を有し、構造化ID DB122のテーブル構造は共通構造化ID DB222から事業所ID欄2221及びUUID欄2222が削除され(事業所ID欄2221及びUUID欄2222を含んでいてもよい)、共通構造化ID欄2223に代えて当該個別情報管理装置100に登録された構造化IDが格納される構造化ID欄を含むものであり、図示を省略する。
【0066】
図6は、共通関係リンクDB223の一例である。共通関係リンクDB223は、例えば、事業所ID欄2231、UUID欄2232、リンク元欄2233、及びリンク先欄2234を含む。事業所ID欄2231は、共通関係リンクDB223において対応する関係リンクを登録した事業所の事業所IDを保持する。UUID欄2232は、共通関係リンクに付与されたUUIDを保持する。リンク元欄2233及びリンク先欄2234によって、共通関係リンクが定義され、共通構造化IDに含まれる構成であって関係のある構成が示される。
【0067】
図5の共通構造化ID DB222には、「System_A/Plant_A/Line_B/Machine_XX/軽故障」という共通構造化IDと、「System_B/Plant_A/Line_B/Manual_A」という共通構造化IDと、が含まれる、これらの共通構造化IDには「Plant_A/Line_B/」という一連の構成要素が部分一致していることを示す。
【0068】
図6の共通関係リンクDB223では、当該部分一致した構成要素それぞれの後ろに繋がっている、「Machine_XX」及び「軽故障」という一連の構成要素と、「Manual_A」という構成要素と、が関係リンクで結ばれている。当該関係リンクにより、「Machine_XX」に「軽故障」が発生した場合には、「Manual_A」を参照することが有用であることが推測される。
【0069】
また、事業所やコンソーシアム運営者のノウハウによって関係リンクが定義されてもよい。具体的には、例えば、過去の創業のノウハウに基づき「A」という事象が発生した場合には「B」という事象が発生しやすいといった知見や、「A」という事象が発生した起きたときには「C」というマニュアルを参照するのがよいといった経験が、それぞれリンク元欄2233及びリンク先欄2234に紐づけられて格納されてもよい。
【0070】
なお、
図6の共通関係リンクDB223では、関係リンクのリンク元とリンク先とが定義されているが、関係リンクにおいて方向が定義されていなくてもよい(リンク元からリンク先へと向かうリンクでなくてもよい)。
【0071】
なお、仮想共通関係リンクDB128は共通関係リンクDB223と同様のテーブル構造を有し、関係リンクID DB123のテーブル構造は共通関係リンクDB223から事業所ID欄2231及びUUID欄2232が削除され(事業所ID欄2221を含んでいてもよい)、リンク元欄2233及びリンク先欄2234において当該個別情報管理装置100に登録された関係リンクが定義されるものであり、図示を省略する。
【0072】
図7は、会員管理DB224の一例である。会員管理DB224は、例えば、事業所ID欄2241、ユーザ数欄2242、個別事象登録数欄2243、累積登録実績欄2244、累積引用実績欄2245、正規会費ランク欄2246、会費減免ランク欄2247、及び会費欄2248を含む。
【0073】
事業所ID欄2241は、事業所IDを保持する。ユーザ数欄2242は、当該事業所におけるコンソーシアム運営システムのユーザ数を示す。個別事象登録数欄2243は、当該個別情報管理装置100の個別DB部120に登録されている事象数(例えば、構造化ID及び/又は関係リンクの数)を示す。
【0074】
累積登録実績欄2244は、当該個別情報管理装置100から共通DB部220に登録された累積の情報数(例えば、共通構造化ID及び/又は共通関係リンクの数)を示す。累積引用実績欄2245は、当該個別情報管理装置100から共通DB部220に登録された情報(共通構造化ID及び/又は共通関係リンク)であって、他の個別情報管理装置100によって共通DB部220から引用された情報(共通構造化ID及び/又は共通関係リンク)、の数を示す。
【0075】
正規会費ランク欄2246は、会費算出部216が、会費算出ルール225、当該事業所のユーザ数、及び当該個別情報管理装置100の個別事象登録数に基づいて算出した、正規会費(減免適用前の会費)を決定するためのランクである正規会費ランクを示す情報を保持する。会費減免ランク欄2247は、会費算出部216が、会費算出ルール225、当該個別情報管理装置100の累積登録実績、及び当該個別情報管理装置100の個別事象登録数に基づいて算出した、会費の減免率を決定するためのランクである会費減免ランクを示す情報を保持する。会費欄2248は、会費算出部216が、会費算出ルール225、正規会費ランク、及び会費減免ランクに基づいて算出した、当該事業所が支払うべき会費を示す。
【0076】
図8は、個別情報管理装置100と各装置との連携の概要例を示す説明図である。
図8では、説明の便宜のため、個別情報管理装置100の構成の一部と、共通情報管理装置200の構成の一部と、の図示が省略されている。また、
図8では、事業所Aの個別情報管理装置100が図示されている。
【0077】
図1を用いて前述した通り、個別情報管理装置100は、例えばインターネット等のネットワークを介して、共通情報管理装置200との間で、情報の登録及び情報の活用を実行する。つまり、共通DB部220に含まれる共通辞書DB221、共通構造化ID DB222、及び共通関係リンクDB223は、例えば、共通情報管理装置200が提供するクラウド型PF(PlatForm)上で実現される。
【0078】
事業所Aは、例えば、複数の部署(部署1~部署5)からなり、各部署が有する端末300は、IT(Information Technology)系アプリ群800を含むことができ、これらのアプリケーションを実行可能である。
【0079】
また、IT系アプリ群800に含まれるアプリケーションは、個別情報管理装置100との間で情報の送受信をすることができる。個別情報管理装置100は、例えば、メールの情報、個別チャットルームの情報、リモート会議の情報、スケジューラの情報、及びSNS(Social Networking Service)の情報等を、IT系アプリ群800に含まれるアプリケーションから受信することができる。
【0080】
例えば、個別辞書変換部113は、IT系アプリ群800に含まれるアプリケーションに端末300から入力された情報を受信して、当該情報に含まれる事業所内用語と一般用語の対応情報を自動学習することで、辞書DB114に情報を蓄積する。
【0081】
また、例えば、個別情報管理装置100は、IT系アプリ群800に含まれるアプリケーションに端末300から入力された情報を受信して、当該情報が示す事象から構造化ID及び関係リンクを自動学習して、構造化ID DB122及び関係リンクDB123に情報を蓄積してもよい。
【0082】
特に、例えば、IT系アプリ群800が提供する個別チャットルームは、部署内で閉じたチャットルームであるため、チャットの内容は他部署に共有されない。しかし、個別情報管理装置100は、上記したように、個別チャットルームの情報から、事業所内用語と一般用語の対応、構造化ID、及び関係リンクを自動学習するため、他部署にチャットの内容を公開することなく、辞書DB121、構造化ID DB122、及び関係リンクDB123に各部署の情報を蓄積することができる。
【0083】
また、OT(Operational Technology)系アプリ群810に含まれるアプリケーションが、個別情報管理装置100との間で情報の送受信をすることができる。個別情報管理装置100は、例えば、DCS(Distribute Control System)提供する事業所A内の対象設備のアラーム情報及びトレンド情報、MES(Manufacturing Execution System)が提供する当該対象設備のアラーム情報及び当該対象設備による製造実行情報、ファイルサーバが保持する対象設備に関する文書及び図面、PIMS(Plant Information Management System)が提供する対象設備の運転情報、並びに当該対象設備や当該対象設備が製造した製品の動画、画像、及び3D画像等は、OT系アプリ群810に含まれるアプリケーションから受信することができる。
【0084】
個別情報管理装置100は、OT系アプリ群810に含まれるアプリケーションから情報を受信して、当該情報が示す事象から構造化ID及び関係リンクを自動学習して、構造化ID DB122及び関係リンクDB123に情報を蓄積してもよい。
【0085】
コンソーシアム参加登録フェーズ、個別DB活用・登録フェーズ、共通DB活用フェーズ、及び共通DB登録フェーズの処理について説明するが、
図1を用いて説明した処理については一部説明を省略することがある。
【0086】
図9は、コンソーシアム参加登録フェーズ及び個別DB活用・登録フェーズの一例を示すシーケンス図である。まず、コンソーシアム参加登録フェーズの処理について説明する。
図9の例では事業所Aがコンソーシアムへの参加登録するための処理を説明するが、他の事業所についても同様の処理が実行されるため図示及び説明を省略する。
【0087】
個別情報管理装置100の共通登録申請部112は、共通情報管理装置200に対してコンソーシアムの参加申請を送信する(S901)。共通情報管理装置200の参加許諾部211は、例えば、共通情報管理装置200のユーザの入力に従って、事業所Aの参加諾否を決定し、参加を許諾する場合には、参加許諾通知を当該個別情報管理装置100に返信する(S902)。なお、共通情報管理装置200の参加許諾部211は、事業所Aの参加を拒絶する場合には、参加拒絶通知を当該個別情報管理装置100に返信して、コンソーシアム参加登録フェーズが終了する。
【0088】
個別情報管理装置100が参加許諾通知を受信した場合、共通登録申請部112は事業所Aのユーザからの入力に従って、共通DB部220にアクセス可能とする事業所Aのユーザ数を共通情報管理装置200に通知する。会費算出部216は、コンソーシアムに参加登録するための参加登録費、及び会費(例えばコンソーシアムに参加登録されている期間において定期的に発生する年会費等)を個別情報管理装置100に通知し、事業所Aは、参加登録費及び会費をコンソーシアム運営者に支払う(S903)。なお、参加登録費は例えば予め定められた金額であり、後述する会費算出ルール225に従って会費算出部216が算出する金額である。
【0089】
参加許諾部211は、参加登録費及び会費の支払いを確認すると、事業所Aの事業所IDを生成して個別情報管理装置100に送信し、コンソーシアムへの参加資格、事業所Aの個別情報管理装置100の個別DB部120へのアクセス権、共通DB部220へのアクセス権、及び共通情報管理装置200から端末300に出力されるUI(User Interface)へのアクセス権を、事業所Aの個別情報管理装置100に対して付与する(S904)。
【0090】
なお、このUIには、例えば、共通DB部220にログインしているユーザのログイン情報、対象設備に発生した事象(例えば故障)の情報、当該事象に共通関係リンクで関連づけられた過去事例や当該対象設備のマニュアルの情報(後述するプッシュ型によって与えられた情報や、共通関係リンクで紐づけられた過去事例を事業所のユーザがプル型で検索して得られた情報)、当該対象設備の状態等を示す観測情報等が表示される。
【0091】
また、このUIには、共通辞書DB221への登録画面(例えば、事業所内用語と一般用語との対応を登録するための画面)が表示されてもよい。
【0092】
なお、図示を省略しているが、共通情報管理装置200は、コンソーシアムへの参加資格、事業所Aの個別情報管理装置100の個別DB部120へのアクセス権、共通DB部220へのアクセス権、及びUI(User Interface)へのアクセス権それぞれが付与された事業所(個別情報管理装置100)を管理するDBを保持していることが望ましい。
【0093】
共通情報アクセス部116は、共通DB部220へのアクセス権を獲得すると、共通I/F部114を介して、共通DB部220へのアクセスが可能となる(S905)、つまり共通DB部220の情報を参照したり、共通DB部220へ情報を登録したりできるようになる。
【0094】
なお、個別情報管理装置100は、コンソーシアム参加登録フェーズの処理を完了していれば、個別DB活用・登録フェーズ、後述する共通DB活用フェーズ、及び後述する共通DB登録フェーズ、のいずれも処理も実行可能となる。
【0095】
続いて、個別DB活用フェーズの処理について説明する。個別情報管理部111は、例えば端末300からのDB活用要求(端末300のユーザによって入力された個別DB活用要求)に応じて、個別DB部120に格納されている情報を取得し、取得した情報を出力装置106や端末300に表示する(S911)。
【0096】
具体的には、例えば、端末300からの個別DB活用要求には端末300のユーザが入力した(事象の)構成要素が含まれ、個別情報管理部111は、当該構成要素をリンク元又はリンク先に含む関係リンクを関係リンクDB123から取得する。さらに、個別情報管理部111は、例えば、抽出した関係リンクのリンク元又はリンク先が示す構成要素を含む構造化IDを構造化ID DB122から取得する。個別情報管理部111は、取得した関係リンク及び構造化IDを出力装置106や端末300に表示する。
【0097】
なお、上記した例では、端末300のユーザによって入力をトリガとして、個別DB活用及び個別DB登録が実行されているが、ユーザが能動的な操作を行わなくても、例えばアプリケーションから個別情報管理装置100への情報の送信をトリガとして、自動的に実行されるプッシュ型の個別DB活用及び個別DB登録を実現することもできる。
【0098】
図10は、プッシュ型の個別DB活用処理及び個別DB登録処理の概要例を示す説明図である。
図10の例では、関係リンクDB123における関係リンクは予め定義されており、構造化ID DB122における構造化IDは定義されていないものとする。
【0099】
個別情報管理部111は、端末300から受信した情報が示す事象、又はIT系アプリ群800若しくはOT系アプリ群810アプリケーションから受信した情報が示す情報から、構造化ID及び関係リンクを抽出して、それぞれ、個別DB部120の構造化ID DB122及び関係リンクDB123に登録する(S912)。
【0100】
個別情報管理装置100が、OT系アプリ群810に含まれるアプリケーションから、「System_AのPlant_AのLine_BのMachine_XXに軽故障が発生」したことを示すDCSアラームを受信したものとする。このとき、個別情報管理部111は、当該DCSアラームが示す事象の各構成要素をスラッシュで区切ることで、「System_A/Plant_A/Line_B/Machine_XX/軽故障」という構造化IDを生成し、生成した当該構造化IDを構造化ID DB122に登録する。
【0101】
個別情報管理部111は、当該構造化IDと部分一致する(つまり、当該構造化IDに含まれる構成要素を含む、又は当該構造化IDに含まれるスラッシュを挟んで連続する構成要素と一致する)リンク元又はリンク先を含む関係リンクを関係リンクDB123から取得する。
図10の例においては、個別情報管理部111は、「Machine_XX 軽故障」をリンク元、「Manual_A」をリンク先として含む関係リンクを取得する。
【0102】
個別情報管理部111は、当該構造化IDと関係リンクにおいて対となる構成要素である「Manual_A」を、IT系アプリ群800及びOT系アプリ群810に通知して、「Manual_A」に関連する情報を提供可能なアプリケーションを検索する。
【0103】
図10の例では、OT系アプリ群810に含まれるアプリケーションが、ファイルサーバが保持する「Manual_A」のファイル情報(System_BのPlant_AのLine_BのManual_A)及び「Manual_A」のファイルを取得し、個別情報管理装置100に送信する。個別情報管理部111は、当該ファイル情報が示す事象の各構成要素をスラッシュで区切ることで、「System_B/Plant_A/Line_B/Manual_A」という構造化IDを生成し、生成した当該構造化IDを構造化ID DB122に登録する。
【0104】
また、個別情報管理部111は、DCSアラーム及びマニュアルのファイルを端末300に表示する。なお、個別情報管理部111は、生成した2つの構造化ID及び取得した関係リンクを端末300に表示してもよい。上記した処理により、プッシュ型の個別DB活用及び個別DB登録が実現される。
【0105】
なお、
図10の例では、構造化ID DB122において構造化IDが定義されていないが、
図10の例で生成された構造化IDが構造化ID DB122に予め定義されていてもよい。この場合、上記した構造化IDの生成処理が省略される。
【0106】
なお、構造化IDに代えて共通構造化IDが用いられ、関係リンクに代えて共通関係リンクが用いられ、個別情報管理装置100が共通情報管理装置200とアプリケーションとの間の情報の送受信を仲介することで、後述する共通DB活用及び共通DB登録においても
図10を用いて説明したプッシュ型を適用することができる。但し、共通DB登録については、プッシュ型であっても共通情報管理装置200の審査部212による審査が実行される。
【0107】
図11は、共通DB活用フェーズの一例を示すシーケンス図である。事業所Aが有する個別情報管理装置100の共通情報アクセス部116は、例えば端末300から受信した共通DB活用要求(端末300のユーザによって入力された共通DB活用要求)、若しくはIT系アプリ群800又はOT系アプリ群810から受信した共通DB活用要求に応じて、共通DB部220にアクセスする(S1101)。
【0108】
検索部215は、受信した共通DB活用要求が示す(事象の)構成要素を含む共通関係リンクを共通関係リンクDB223から取得し、当該取得した共通関係リンクが示す構成要素を含む共通構造化IDを共通構造化ID DB222から取得し、取得した共通関係リンク及び共通構造化IDを、事業所Aが有する個別情報管理装置100に送信する(S1102)。
【0109】
ステップS1101及びステップS1102の処理によって、事業所Aは、共通DB活用要求が示す構成要素に関連する情報であって、共通DB部220に他の事業所が登録した情報、の提示を受けることができる。なお、ステップS1102において送信された共通関係リンク及び共通構造化IDは事業所Bが有する個別情報管理装置100によって登録されたものである。
【0110】
なお、ステップS1103~ステップS1108の処理は、個別情報管理装置100を有する事業所が異なる点、及び共通DB部220から取得されるデータを登録した事業所が異なる点を除いて、ステップS1101及びステップS1102の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
なお、他の事業所による共通DB部220からの累積引用実績に応じて会費減免ランクが変化可能であるよう会費算出ルール225が定められている。従って、会費算出部216は、例えば定期的に、各事業所の累積引用実績を集計し、会員管理DB224における各事業所の累積引用実績を更新する(S1109)。
【0112】
会費算出部216は、正規会費ランク、更新後の累積引用実績、及び会費算出ルール225に基づいて、会費減免ランク及び会費を再計算し、再計算後の事業所Aの会費減免ランク及び会費を会員管理DB224に格納する(S1110)。なお、会費算出部216は、更新後の累積引用実績、並びに再計算後の事業所Aの会費減免ランク及び会費を事業所Aの個別情報管理装置100に通知してもよい。
【0113】
図12は、共通DB登録フェーズの一例を示すシーケンス図である。
図12の例では、事業所Aが有する個別情報管理装置100が共通DB部220へのデータ登録を実行するための処理を説明するが、他の事業所が有する個別情報管理装置100についても同様の処理が実行されるため図示及び説明を省略する。
【0114】
事業所Aが有する個別情報管理装置100の共通情報アクセス部116は、共通I/F部114を介して、構造化ID及び/又は関係リンクを共通情報管理装置200に送信することで共通DB部220への登録を申請する(S1201)。
【0115】
なお、ステップS1201において、構造化ID及び/又は関係リンクが共通情報管理装置に送信される前に、個別辞書変換部113は、辞書DB121を参照して、構造化ID及び/又は関係リンクに含まれる事業所内用語を一般用語に変換することが望ましい。但し、個別辞書変換部113が当該変換を行うことなく構造化ID及び/又は関係リンクを共通情報管理装置200に送信し、共通辞書変換部214が共通辞書DB221を用いて、当該変換を行ってもよい。
【0116】
また、ステップS1201において、セキュリティ管理部115が、構造化ID及び/又は関係リンクの共通DB部220への登録にセキュリティ上の懸念がないと判定した場合にのみ、共通DB部220への登録の申請を行うようにしてもよい。
【0117】
共通情報管理装置200の審査部212は、受信した構造化ID及び/又は関係リンクが共通DB部220に登録可能であるかを審査する(S1202)。例えば、審査部212は、受信した構造化ID及び/又は関係リンクを出力装置206に表示し、表示された構造化ID及び/又は関係リンクを確認した共通情報管理装置200のユーザが入力装置205に入力した審査結果を取得することで、ステップS1202の審査を行う。
【0118】
また、審査部212は、例えば、共通構造化ID DB222及び共通関係リンクDB223を参照して、個別情報管理装置100から受信した構造化ID及び/又は関係リンクが新規に登録する内容であるかを判定したり(新規に登録する内容である場合には審査承認、新規に登録する内容でない場合には審査否認と判定する)、個別情報管理装置100から受信した構造化ID及び/又は関係リンクが改ざんされていないかを判定したりする(改ざんされていない場合には審査承認、改ざんされている場合には審査否認と判定する)。
【0119】
なお、審査部212が、審査で承認すると判定した場合には、ステップS1203以降の処理に進み、審査を否認すると判定した場合には、共通DB登録フェーズの処理を終了する。
【0120】
共通情報登録部213は、審査が承認された構造化ID及び/又は関係リンクそれぞれに、UUIDと、事業所Aを示す事業所IDと、を付与して、共通構造化ID DB222及び/又は共通関係リンクDB223に格納する(S1204)。
【0121】
なお、事業所ごとの構造化ID及び/又は関係リンクの共通DB部220への累積登録実績に応じて会費減免ランクが変化可能であるよう会費算出ルール225が定められている。従って、会費算出部216は、会員管理DB224における事業所Aの累積登録実績を更新し、正規会費ランク、更新後の累積登録実績、及び会費算出ルール225に基づいて、会費減免ランク及び会費を再計算し、再計算後の事業所Aの会費減免ランク及び会費を会員管理DB224に格納する(S1205)。なお、会費算出部216は、更新後の累積登録実績、並びに再計算後の事業所Aの会費減免ランク及び会費を事業所Aの個別情報管理装置100に通知してもよい。
【0122】
図13は、会費算出ルール225の一例である。会費算出ルール225において、事業所が支払うべき実質会費Rは、正規会費Mが増加すると増加し、会費減免率Xが増加すると減少する。従って、例えば、実質会費R=f(X,M)と表される。正規会費Mに会費減免率Xを乗じたXMはf(X,M)の一例である。
【0123】
また、正規会費Mは、事業所における共通DB部220にアクセス可能なユーザ数uと、当該事業所による個別事象登録数iと、の増加によって(例えば比例して)増加する。従って、例えば、正規会費M=g(u,i)と表される(但し、gはuとiの関数)。また、会費減免率Xは、会費算出ルール225で定義されたランクによって決定される。
【0124】
正規会費ランクは、当該事業所において共通DB部220にアクセス可能なユーザ数が少ないほど、及び個別DB部120への事象登録数(構造化ID及び/又は関係リンクの登録数)が少ないほど低いランクに決定される。
【0125】
図13の例において、共通DB部220にアクセス可能なユーザ数uに関するランクの条件(以下、ユーザ条件とも呼ぶ)と、共通DB部220の情報の累積登録実績及び共通DB部220に登録された情報の累積引用実績に関するランクの条件(以下、共通DB条件)と、がそれぞれ定められ、これら2つのランクの条件に基づいて会費減免率のランクが決定される。
【0126】
ユーザ数uがD1人未満であればユーザ条件のランクはDであり、ユーザ数uがD1人以上C1人未満であればユーザ条件のランクはCであり、ユーザ数uがC1人以上B1人未満であればユーザ条件のランクはBであり、ユーザ数uがB1人以上A1人未満であれば(A1-1はアクセス可能な最大ユーザ数であり、最大ユーザ数が定められていない場合は単にB1人以上としてもよい)ユーザ条件のランクはAである。
【0127】
また、
図13の例において、累積登録実績がD3以上C3未満かつ累積引用実績がD4以上C4未満であれば共通DB条件のランクはDであり、累積登録実績がC3以上B3未満かつ累積引用実績がC4以上B4未満であれば共通DB条件のランクはCであり、累積登録実績がB3以上A3未満かつ累積引用実績がB4以上A4未満であれば共通DB条件のランクはBであり、累積登録実績がA3以上かつ累積引用実績がA4以上であれば共通DB条件のランクはAである。
【0128】
つまり、累積登録実績及び累積引用実績が多いほど共通DB条件のランクが良くなり、減免率が大きくなる。なお、上記した例では、累積登録実績と累積引用実績のand条件で共通DB条件のランクが定められているが、or条件によって共通DB条件のランクが定められてもよい(例えば、共通DB条件のランクのうち良い方が共通DB条件のランクとして採用される)。また、ユーザ条件のランクと、共通DB条件のランクと、が異なる場合、悪い方のランクが採用されてもよいし、良い方のランクが採用されてもよい。
【0129】
なお、ランクDにすら該当しない場合には、例えば、ランクなしとして減免率が0に設定される(つまり、減免がないものと設定される)。例えば、事業所が共通DB部220の登録審査に通過した直後(つまり、ユーザ数u、個別事象登録数i、個別DB、累積登録実績、及び累積引用実績のいずれもが0であるとき)の実質会費はR0である。
【0130】
図14Aは、ランクと会費減免率Xとの関係を示すグラフの一例である。
図14Aの例では、累積登録実績及び累積引用実績が大きいほどランクが良くなり、会費減免率が上昇する。また、
図14Aの例では、ランクに応じて、会費減免率が段階的に増大しているが、同ランクにおいても会費減免率が異なってもよい(例えば、同ランクであっても、累積登録実績が大きいほど、累積引用実績が大きいほど会費減免率が大きい)。
【0131】
図14Bは、ランクと実質会費Rとの関係を示すグラフの一例である。
図14Bの例では、仮に減免を受けられない場合の実質会費Rは、ユーザ数uと、当該事業所による個別事象登録数iと、の増加に比例して初期値R0から増大する。また、
図14Bの例では、全てのランクにおいて、減免を受けた場合の実質会費Rは、減免を受けられない場合の実質会費R以下である。また、
図14Bの例では、減免を受けた場合の実質会費Rが段階的に増大しているが同ランクにおいても実質会費が異なってもよい。
【0132】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0133】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0134】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0135】
100 個別情報管理装置、101 CPU、102 メモリ、103 補助記憶装置、104 通信装置、105 入力装置、106 出力装置、111 個別情報管理部、112 共通登録申請部、113 個別辞書変換部、114 共通I/F部、115 セキュリティ管理部、116 共通情報アクセス部、120 個別DB部 200 共通情報管理装置、201 CPU、202 メモリ、203 補助記憶装置、204 通信装置、205 入力装置、206 出力装置、211 参加許諾部、212 審査部、213 共通情報登録部、214 共通辞書変換部、215 検索部、216 会費算出部、220 共通DB部、224 会員管理DB、225 会費算出ルール