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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20241220BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20241220BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20241220BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20241220BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/12 Z
H02M7/48 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022508340
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2021010337
(87)【国際公開番号】W WO2021187409
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2024-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2020048985
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】大河内 裕太
(72)【発明者】
【氏名】金武 康雄
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 達也
(72)【発明者】
【氏名】大塚 拓一
【審査官】相澤 祐介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/017260(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/175686(WO,A1)
【文献】特開平7-45783(JP,A)
【文献】特表2017-519355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/12
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向において反対側を向く第1素子主面および第1素子裏面を有する第1スイッチング素子と、
前記第1方向において反対側を向く第2素子主面および第2素子裏面を有する第2スイッチング素子と、
前記第1方向に直交する第2方向において互いに離隔する第1導電部材および第2導電部材と、
第1接続端子および第2接続端子を有するキャパシタと、
を備えており、
前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子とは、直列に接続されてブリッジを構成し、
前記第1接続端子と前記第2接続端子とは、前記ブリッジの両端にそれぞれ電気的に接続され、
前記キャパシタおよび前記第1スイッチング素子は、前記第1導電部材に搭載され、
前記第2スイッチング素子は、前記第2導電部材に搭載されている、半導体装置。
【請求項2】
前記キャパシタは、前記第1方向に離隔するキャパシタ主面およびキャパシタ裏面を有し、
前記第1接続端子は、前記キャパシタ主面の一部に形成された主面電極部を含み、
前記第2接続端子は、前記キャパシタ裏面の一部に形成された裏面電極部を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記キャパシタは、前記第1方向に直交する直交方向において互いに離隔する第1キャパシタ側面および第2キャパシタ側面をさらに有し、
前記第1キャパシタ側面および前記第2キャパシタ側面はそれぞれ、前記キャパシタ主面および前記キャパシタ裏面に繋がり、
前記第1接続端子は、前記主面電極部に繋がり、かつ、前記第1キャパシタ側面の一部に形成された第1側面電極部をさらに含み、
前記第2接続端子は、前記裏面電極部に繋がり、かつ、前記第2キャパシタ側面の一部に形成された第2側面電極部をさらに含む、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記直交方向と前記第2方向とは一致する、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記キャパシタは、前記第1側面電極部と前記第1導電部材とを絶縁させる絶縁膜が形成されている、請求項3または請求項4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1導電部材は、前記第1方向において前記キャパシタ主面と同じ方向を向く導電部材主面を有し、
前記導電部材主面には、前記第1方向に見て、前記第1側面電極部を包含する開口部が形成されている、請求項3または請求項4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記キャパシタは、前記第1方向に積層された、複数の第1導体層、複数の第2導体層および複数の誘電体層を含み、
前記複数の第1導体層は、前記第1側面電極部に繋がり、
前記複数の第2導体層は、前記第2側面電極部に繋がり、
前記複数の誘電体層の各々は、前記複数の第1導体層のうちの1つの第1導電体層と前記複数の第2導体層のうちの1つの第2導電体層との間に挟まれている、請求項3ないし請求項6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記キャパシタは、前記第1方向に積層された複数の絶縁体層を含み、
前記複数の絶縁体層は、第1の絶縁体層と第2の絶縁体層とを含み、前記第1の絶縁体層は、前記第1方向に隣接する2つの誘電体層の間において、2つの第1導体層に挟まれており、前記第2の絶縁体層は、前記第1方向に隣接する2つの誘電体層の間において、2つの第2導体層に挟まれている、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1スイッチング素子は、前記第1素子主面に形成され、かつ、駆動信号が入力される駆動信号入力電極をさらに含み、
前記キャパシタは、前記キャパシタ主面に形成され、かつ、前記主面電極部から離隔する配線層をさらに含み、
前記配線層には、前記第1スイッチング素子の駆動信号が入力される、請求項3ないし請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記配線層は、前記キャパシタ主面の上に絶縁部材を介して形成されている、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子の各スイッチング周波数は、10kHz以上である、請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記キャパシタ、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子を流れる電流の経路におけるインダクタンスは、10nH以下である、請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体材料からなる、請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記ワイドバンドギャップ半導体材料は、SiCである、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1スイッチング素子は、前記第1素子主面に形成された第1主面電極および前記第1素子裏面に形成された第1裏面電極を含み、
前記第2スイッチング素子は、前記第2素子主面に形成された第2主面電極および前記第2素子裏面に形成された第2裏面電極を含み、
前記第1裏面電極は、前記第1導電部材に接合されており、
前記第2裏面電極は、前記第2導電部材に接合されており、
前記第2接続端子は、前記第1導電部材に接合されており、
前記第1主面電極と前記第2導電部材とが導通し、
前記第2主面電極と前記第1接続端子とが導通する、請求項1ないし請求項14のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1導電部材を介して前記第1裏面電極に導通する第1入力端子と、
前記第2主面電極および前記第1接続端子に導通する第2入力端子と、
前記第2導電部材を介して前記第2裏面電極に導通する出力端子と、
前記第1主面電極と前記第2導電部材とを導通させる接続部材と、をさらに備える、請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子を覆う樹脂部材をさらに備えており、
前記第1入力端子、前記第2入力端子および前記出力端子各々の一部は、前記樹脂部材から露出している、請求項16に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1導電部材に搭載され、前記第1スイッチング素子に並列に接続された追加の第1スイッチング素子と、
前記第2導電部材に搭載され、前記第2スイッチング素子に並列に接続された追加の第2スイッチング素子と、をさらに備える、請求項1ないし請求項17のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの電力用スイッチング素子を備える半導体装置が知られている。たとえば、特許文献1には、直列に接続された2つのスイッチング素子を備える半導体装置が開示されている。このような半導体装置は、たとえば電子機器の回路基板に実装され、電源回路(たとえばDC/DCコンバータやインバータなど)やモータ駆動回路などに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-158787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子機器の省エネルギー化・高性能化に伴い、半導体装置は、消費電力の低減やスイッチング動作の応答性の向上が求められている。消費電力の低減やスイッチング動作の応答性の向上を図る上で、インダクタンスを低減させることが有効である。インダクタンスの低減は、スイッチング素子にかかるサージ電圧を低減させることに寄与する。
【0005】
上記事情に鑑み、本開示は、スイッチング素子にかかるサージ電圧の低減を図った半導体装置を提供することを一の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によって提供される半導体装置は、第1方向において反対側を向く第1素子主面および第1素子裏面を有する第1スイッチング素子と、前記第1方向において反対側を向く第2素子主面および第2素子裏面を有する第2スイッチング素子と、前記第1方向に直交する第2方向において互いに離隔する第1導電部材および第2導電部材と、第1接続端子および第2接続端子を有するキャパシタと、を備えている。前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子とは、直列に接続されてブリッジを構成する。前記第1接続端子と前記第2接続端子とは、前記ブリッジの両端にそれぞれ電気的に接続される。前記キャパシタおよび前記第1スイッチング素子は、前記第1導電部材に搭載され、前記第2スイッチング素子は、前記第2導電部材に搭載されている。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、スイッチング素子(第1スイッチング素子および第2スイッチング素子)にかかるサージ電圧を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態にかかる半導体装置を示す斜視図である。
図2図1の半導体装置において、樹脂部材を省略した図である。
図3】第1実施形態の半導体装置を示す平面図である。
図4図3の平面図において、樹脂部材を想像線で示した図である。
図5図4の平面図において、2つの入力端子および出力端子を想像線で示した図である。
図6図5の一部を拡大した図である。
図7】第1実施形態の半導体装置を示す正面図である。
図8】第1実施形態の半導体装置を示す底面図である。
図9】第1実施形態の半導体装置を示す左側面図である。
図10図4のX-X線に沿う断面図である。
図11図10の一部を拡大した断面図である。
図12】信号基板(キャパシタ内蔵基板)を示した斜視図である。
図13】信号基板(キャパシタ内蔵基板)を示した平面図である。
図14】信号基板(キャパシタ内蔵基板)を示した底面図である。
図15図13のXV-XV線に沿う断面図である。
図16】信号基板における導体層を示す平面図である。
図17】信号基板における誘電体層を示す平面図である。
図18】信号基板における導体層を示す平面図である。
図19】第2実施形態にかかる半導体装置を示す平面図であって、2つの入力端子、出力端子および樹脂部材を想像線で示した図である。
図20】第2実施形態の半導体装置を示す断面図である。
図21】変形例にかかる半導体装置を示す平面図である。
図22】変形例の半導体装置を示す断面図である。
図23】変形例の半導体装置を示す断面図である。
図24】変形例の信号基板(キャパシタ内蔵基板)を示す断面図である。
図25】変形例の信号基板(キャパシタ内蔵基板)を示す平面図である。
図26】変形例の導体層を示す平面図である。
図27】変形例の導体層を示す平面図である。
図28】変形例の信号基板(キャパシタ内蔵基板)を示す平面図である。
図29図28に示す信号基板における導体層を示す平面図である。
図30図28に示す信号基板における導体層を示す平面図である。
図31】変形例にかかる信号基板(キャパシタ内蔵基板)を示す断面図である。
図32】変形例にかかる信号基板(キャパシタ内蔵基板)を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の半導体装置の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。以下の説明において、同一あるいは類似の構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0010】
図1図14は、第1実施形態にかかる半導体装置A1を示している。半導体装置A1は、複数のスイッチング素子10、支持基板20、一対の信号基板30A,30B、2つの入力端子41,42、出力端子43、複数の信号端子44A~47A,44B~47B、複数の接続部材50および樹脂部材60を備えている。
【0011】
図1は、半導体装置A1を示す斜視図である。図2は、図1の斜視図において、樹脂部材60を省略した図である。図3は、半導体装置A1を示す平面図である。図4は、図3の平面図において、樹脂部材60を想像線(二点鎖線)で示した図である。図5は、図4の平面図において、2つの入力端子41,42および出力端子を想像線で示した図である。図6は、図5の一部を拡大した部分拡大図である。図7は、半導体装置A1を示す正面図である。図8は、半導体装置A1を示す底面図である。図9は、半導体装置A1を示す側面(左側面図)である。図10は、図4のX-X線に沿う断面図である。図11は、図10の一部を拡大した要部拡大断面図である。図11においては、接続部材50を省略している。図12は、信号基板30Aを示す斜視図である。図13は、信号基板30Aを示す平面図である。図14は、信号基板30Aを示す底面図である。
【0012】
説明の便宜上、互いに直交する3つの方向、すなわち、x方向、y方向、z方向を適宜参照する。z方向は、半導体装置A1の厚さ方向である。x方向は、半導体装置A1の平面図(図3参照)における左右方向である。y方向は、半導体装置A1の平面図(図3参照)における上下方向である。x方向の一方をx1方向、x方向の他方をx2方向とする。同様に、y方向の一方をy1方向、y方向の他方をy2方向とし、z方向の一方をz1方向、z方向の他方をz2方向とする。以下の説明において、「平面視」とは、z方向に沿って見たときをいう。z方向が「第1方向」の一例であり、x方向が「第2方向」の一例である。
【0013】
複数のスイッチング素子10はそれぞれ、たとえばSiC(炭化ケイ素)を主に含有する半導体材料を用いて構成されている。当該半導体材料は、SiCに限定されず、Si(シリコン)、GaAs(ヒ化ガリウム)あるいはGaN(窒化ガリウム)などであってもよい。好ましくはワイドバンドギャップ半導体材料が用いられる。各スイッチング素子10は、たとえばMOSFETである。各スイッチング素子10は、MOSFETに限定されず、MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor FET)を含む電界効果トランジスタや、IGBTのようなバイポーラトランジスタなど、他のトランジスタであってもよい。各スイッチング素子10は、いずれも同一種の素子であり、たとえばnチャネル型のMOSFETである。図示された各スイッチング素子10は、平面視において矩形状であるが、本開示はこれに限定されない。
【0014】
複数のスイッチング素子10はそれぞれ、図11に示すように、素子主面101および素子裏面102を有する。各スイッチング素子10において、素子主面101と素子裏面102とは、z方向において互いに離隔する。素子主面101はz2方向を向き、素子裏面102はz1方向を向く。
【0015】
複数のスイッチング素子10はそれぞれ、第1電極11、第2電極12、第3電極13および絶縁膜14を有する。第1電極11および第2電極12は、図6および図11に示すように、素子主面101に設けられている。第1電極11は、たとえばソース電極であって、ソース電流が流れる。第2電極12は、たとえばゲート電極であって、各スイッチング素子10を駆動させるためのゲート電圧が印加される。平面視において、第1電極11は、第2電極12よりも大きい。図6に示す例では、第1電極11は、1つの領域で構成されているが、複数の領域に分割されていてもよい。第3電極13は、図11に示すように、素子裏面102に設けられている。第2電極12は、たとえばドレイン電極であって、ドレイン電流が流れる。図示の例では、第3電極13は、実質的に素子裏面102の全面にわたって形成されている(相対的に小さな面積を有する周辺部を除く、素子裏面102の残りの部分に第3電極13が形成されている)。絶縁膜14は、図6および図11に示すように、素子主面101に設けられている。絶縁膜14は、電気絶縁性を有する。絶縁膜14は、平面視において第1電極11および第2電極12を囲んでいる。絶縁膜14は、素子主面101において、第1電極11と第2電極12とを絶縁する。絶縁膜14は、たとえばSiO2(二酸化ケイ素)層、SiN4(窒化ケイ素)層、ポリベンゾオキサゾール層が、素子主面101からこの順番で積層されたものである。絶縁膜14の構成は、上記したものに限定されず、たとえば、ポリベンゾオキサゾール層に代えてポリイミド層を用いてもよい。
【0016】
各スイッチング素子10は、所定の信号に基づきスイッチング動作を行う。具体的には、第2電極12(ゲート電極)に駆動信号(たとえばゲート電圧)が入力されると、この駆動信号に応じて導通状態と遮断状態とが切り替わる。導通状態では、第3電極13(ドレイン電極)から第1電極11(ソース電極)に電流が流れるが、遮断状態では、電流は流れない。駆動信号の周波数(すなわち、各スイッチング素子10のスイッチング周波数)は、たとえば、10kHz以上である。
【0017】
複数のスイッチング素子10は、複数のスイッチング素子10Aおよび複数のスイッチング素子10Bを含んでいる。図6に示す例では、半導体装置A1は、4つのスイッチング素子10Aと4つのスイッチング素子10Bとを備える。スイッチング素子10A,10Bの数は、本構成に限定されず、半導体装置A1に要求される性能に応じて変更されうる。半導体装置A1は、たとえばハーフブリッジ型のスイッチング回路である。この場合、半導体装置A1において、複数のスイッチング素子10Aは上アーム回路を構成し、複数のスイッチング素子10Bは下アーム回路を構成する。各スイッチング素子10Aと各スイッチング素子10Bとは、直列に接続され、ブリッジを構成する。
【0018】
複数のスイッチング素子10Aは、図5図6図10および図11などに示すように、支持基板20に搭載されている。図5に示す例では、複数のスイッチング素子10Aは、たとえばy方向に並んでおり、互いに離隔している。各スイッチング素子10Aは、図示しない導電性接合材(たとえば焼結銀や焼結銅などの焼結金属、銀や銅などの金属ペースト材、あるいは、はんだ)を介して、支持基板20(後述の導電性基板22A)に導通接合されている。各スイッチング素子10Aは、導電性基板22Aに接合される際、素子裏面102が導電性基板22Aに対向する。各スイッチング素子10Aが「第1スイッチング素子」の一例である。各スイッチング素子10Aにおいて、第1電極11が「第1主面電極」の一例であり、第2電極12が「駆動信号入力電極」の一例であり、第3電極13が「第1裏面電極」の一例である。
【0019】
複数のスイッチング素子10Bは、図5図6図10および図11などに示すように、支持基板20に搭載されている。図5に示す例では、複数のスイッチング素子10Bは、たとえばy方向に並んでおり、互いに離隔している。各スイッチング素子10Bは、図示しない導電性接合材(たとえば焼結銀や焼結銅などの焼結金属、銀や銅などの金属ペースト材、あるいは、はんだ)を介して、支持基板20(後述の導電性基板22B)に導通接合されている。各スイッチング素子10Bは、導電性基板22Bに接合される際、素子裏面102が導電性基板22Bに対向する。図5に示す例では、x方向に見て、複数のスイッチング素子10Aと複数のスイッチング素子10Bとが重なっているが、本開示がこれに限定されるわけではない。各スイッチング素子10Bが「第2スイッチング素子」の一例である。各スイッチング素子10Bにおいて、第1電極11が「第2主面電極」の一例であり、第3電極13が「第2裏面電極」の一例である。
【0020】
支持基板20は、複数のスイッチング素子10を支持する。支持基板20は、一対の絶縁基板21A,21Bおよび一対の導電性基板22A,22Bを含んでいる。
【0021】
一対の絶縁基板21A,21Bは、電気絶縁性を有する。各絶縁基板21A,21Bの構成材料は、たとえば熱伝導性に優れたセラミックスである。このようなセラミックスとしては、たとえばAlN(窒化アルミニウム)が挙げられる。各絶縁基板21A,21Bは、セラミックスに限定されず、絶縁樹脂シートなどであってもよい。各絶縁基板21A,21Bは、たとえば、平面視において矩形状である。一対の絶縁基板21A、21Bは、x方向に並んでおり、互いに離隔する。絶縁基板21Aは、絶縁基板21Bのx1方向側に位置する。
【0022】
各絶縁基板21A,21Bは、図10などに示すように、主面211および裏面212を有する。各絶縁基板21A,21Bにおいて、主面211と裏面212とは、z方向に互いに離隔する。主面211はz2方向を向き、裏面212はz1方向を向く。主面211は、一対の導電性基板22A,22Bおよび複数のスイッチング素子10とともに、樹脂部材60に覆われている。裏面212は、図8に示すように樹脂部材60(後述の樹脂裏面62)から露出している。裏面212には、たとえばヒートシンク(図示略)が接続される。
【0023】
一対の導電性基板22A,22Bはそれぞれ金属板である。この金属板の構成材料は、たとえばCu(銅)あるいはCu合金である。一対の導電性基板22A,22Bは、2つの入力端子41,42および出力端子43とともに、複数のスイッチング素子10との導通経路を構成している。各導電性基板22A,22Bは、銀めっきで覆われていてもよい。一対の導電性基板22A,22Bは、x方向に互いに離隔する。図5および図10などに示す例では、導電性基板22Aは、導電性基板22Bよりもx1方向に位置する。
【0024】
各導電性基板22A,22Bは、図10などに示すように、主面221および裏面222を有する。各導電性基板22A,22Bにおいて、主面221と裏面222とは、z方向に互いに離隔する。主面221はz2方向を向き、裏面222はz1方向を向く。
【0025】
導電性基板22Aは、図10などに示すように、図示しない接合材を介して、絶縁基板21Aに接合されている。この接合材は、導電性または絶縁性のどちらでもよい。導電性基板22Aが絶縁基板21Aに接合された状態では、導電性基板22Aの裏面222は、絶縁基板21Aの主面211に対向する。導電性基板22Aは、主面221上に、複数のスイッチング素子10Aおよび信号基板30Aが搭載されている。本実施形態において、導電性基板22Aが「第1導電部材」の一例である。
【0026】
導電性基板22Bは、図10などに示すように、図示しない接合材を介して、絶縁基板21Bに接合されている。この接合材は、導電性または絶縁性のどちらでもよい。導電性基板22Bが絶縁基板21Bに接合された状態では、導電性基板22Bの裏面222は、絶縁基板21Bの主面211に対向する。導電性基板22Bは、主面221上に、複数のスイッチング素子10Bおよび信号基板30Bが搭載されている。本実施形態において、導電性基板22Bが「第2導電部材」の一例である。
【0027】
支持基板20の構成は、上記した例示に限定されない。たとえば、2つの導電性基板22A,22Bを1つの絶縁基板に接合してもよい。また、各絶縁基板21A,21Bの裏面222に金属層が形成されていてもよい。また、複数のスイッチング素子10の個数および配置などに基づき、一対の絶縁基板21A,21Bおよび一対の導電性基板22A,22Bの各々の形状、大きさおよび配置などが適宜変更される。
【0028】
一対の信号基板30A,30Bはそれぞれ、複数のスイッチング素子10と複数の信号端子44A~47A,44B~47Bとの各種信号を中継する。信号基板30Aは、その内部構造において複数の導体層と複数の誘電体層が積層されており、この内部構造によりキャパシタとしての機能を有する。よって、信号基板30Aは、キャパシタ内蔵基板である。信号基板30Aの内部構造の一例については後述する。一方、信号基板30Bは、キャパシタとしての機能を有さない。信号基板30Bは、たとえば単層のプリント基板である。信号基板30Aが「キャパシタ」の一例である。
【0029】
各信号基板30A,30Bは、図10および図11に示すように、基板主面301および基板裏面302を有する。基板主面301と基板裏面302とは、z方向に離隔する。基板主面301はz2方向を向き、基板裏面302はz1方向を向く。各信号基板30Aは、図11に示すように、一対の基板側面303,304をさらに有する。信号基板30Aにおいて、一対の基板側面303,304は、基板主面301および基板裏面302の両方に繋がり、z方向において、基板主面301および基板裏面302に挟まれている。一対の基板側面303,304は、x方向に互いに離隔する。基板側面303はx1方向を向き、基板側面304はx2方向を向く。基板主面301が「キャパシタ主面」の一例であり、基板裏面302が「キャパシタ裏面」の一例であり、一対の基板側面303,304がそれぞれ「第1キャパシタ側面」および「第2キャパシタ側面」の一例である。
【0030】
信号基板30Aは、図5および図10などに示すように、ゲート層31Aおよび検出層32Aを含み、信号基板30Bは、ゲート層31Bおよび検出層32Bを含む。
【0031】
一対のゲート層31A,31Bは、導電性を有しており、その構成材料は、たとえばCuあるいはCu合金である。一対のゲート層31A,31Bはそれぞれ、図5などに示すように、y方向に延びる帯状である。ゲート層31Aは、図10などに示すように、信号基板30Aの基板主面301に形成されている。ゲート層31Aは、接続部材50(後述のゲートワイヤ51)を介して、各スイッチング素子10Aの第2電極12(ゲート電極)に導通する。ゲート層31Aには、各スイッチング素子10Aのスイッチング動作を制御する駆動信号が入力される。ゲート層31Bは、図10などに示すように、信号基板30Bの基板主面301に形成されている。ゲート層31Bは、接続部材50(後述のゲートワイヤ51)を介して、各スイッチング素子10Bの第2電極12(ゲート電極)に導通する。ゲート層31Bには、各スイッチング素子10Bのスイッチング動作を制御する駆動信号が入力される。ゲート層31Aが「配線層」の一例である。
【0032】
一対の検出層32A,32Bは、導電性を有しており、その構成材料は、たとえばCuあるいはCu合金である。一対の検出層32A,32Bはそれぞれ、図5などに示すように、y方向に延びる帯状である。検出層32Aは、図10および図11に示すように、ゲート層31Aとともに、信号基板30Aの基板主面301に形成されている。検出層32Aは、平面視において、ゲート層31Aの隣に位置し、ゲート層31Aから離隔している。図5に示す例では、検出層32Aは、x方向において、ゲート層31Aよりも複数のスイッチング素子10Aの近くに配置されている。検出層32Aは、ゲート層31Aよりも、x2方向側に位置する。x方向における、ゲート層31Aと検出層32Aとの配置は、反対であってもよい。検出層32Aは、接続部材50(後述の検出ワイヤ52)を介して、各スイッチング素子10Aの第1電極11(ソース電極)に導通する。検出層32Bは、図10に示すように、ゲート層31Bとともに、信号基板30Bの基板主面301に形成されている。検出層32Bは、平面視において、ゲート層31Bの隣に位置し、ゲート層31Bから離隔している。図5に示す例では、検出層32Bは、x方向において、ゲート層31Bよりも複数のスイッチング素子10Bの近くに配置されている。検出層32Bは、ゲート層31Aよりもx1方向側に位置する。x方向における、ゲート層31Bと検出層32Bとの配置は、反対であってもよい。検出層32Bは、接続部材50(後述の検出ワイヤ52)を介して、各スイッチング素子10Bの第1電極11(ソース電極)に導通する。
【0033】
信号基板30Aは、図10および図11などに示すように、一対の接続端子33,34および絶縁膜39をさらに含む。信号基板30Aは、一対の接続端子33,34間に直流電圧を印加することで電荷を蓄積する。信号基板30Aは、一対の接続端子33,34を外部端子とするキャパシタとして機能する。好ましくは、信号基板30Aは、その静電容量が、各スイッチング素子10Aあるいはスイッチング素子10Bに前記直流電圧が印加された時の出力容量の2倍よりも大きくなるように設計される。信号基板30Aは、たとえばx方向の寸法が8mm、y方向の寸法が27mm、z方向の寸法が2.25mmである。信号基板30Aのz方向の寸法は、好ましくは5mm以下である。信号基板30Aの寸法は、上記した例に限定されない。好ましくは、信号基板30Aの寄生抵抗は、1Ω以下である。
【0034】
接続端子33は、図10図12に示すように、信号基板30Aの基板主面301から基板側面303に跨って形成されている。接続端子33は、たとえばCuからなるが、これに限定されない。接続端子33は、図10図12などに示すように、主面電極部331および側面電極部332を含む。主面電極部331は、基板主面301に形成されている。側面電極部332は、基板側面303に形成されている。側面電極部332は、基板側面303の全てを覆っておらず、基板側面303のz1方向側の端縁付近は、側面電極部332から露出している。側面電極部332が「第1側面電極部」の一例である。図13に示すように、信号基板30Aは、y方向において互いに離間した2つの端縁(y1方向側端縁およびy2方向側端縁)を有している。信号基板30Aの第1方向側端縁に対し、主面電極部331、ゲート層31Aおよび検出層32Aは、それぞれ所定距離だけ離間して配置されている。(より正確には、たとえば、主面電極部331は、平面視において信号基板30Aの第1方向側端縁に対向する端縁を有しており、当該端縁は、信号基板30Aの第1方向側端縁から所定距離だけ離間して配置されている。これは、ゲート層31Aおよび検出層32Aについても同様である。)図示の例では、主面電極部331、ゲート層31Aおよび検出層32Aそれぞれの第1方向側端縁からの離隔距離dy1は、実質的に同じであるが、本開示がこれに限定されるわけではない。同様に、信号基板30Aの第2方向側端縁に対し、主面電極部331、ゲート層31Aおよび検出層32Aは、それぞれ所定距離だけ離間して配置されている。図示の例では、主面電極部331、ゲート層31Aおよび検出層32Aそれぞれの第2方向側端縁からの離隔距離dy2は、実質的に同じであるが、本開示がこれに限定されるわけではない。また、図示の例では、離隔距離dy1および離隔距離dy2は、実質的に等しいが、本開示はこれに限定されず、離隔距離dy1および離隔距離dy2が互いに異なっていてもよい。
【0035】
接続端子34は、図10および図11などに示すように、信号基板30Aの基板裏面302から基板側面304に跨って形成されている。接続端子34は、たとえばCuからなるが、これに限定されない。接続端子34は、図10および図11に示すように、裏面電極部341および側面電極部342を含む。裏面電極部341は、基板裏面302に形成されている。側面電極部342は、基板側面304に形成されている。側面電極部342は、基板側面304の全ては覆っておらず、基板側面304のz2方向側の端縁付近は、側面電極部342から露出している。側面電極部342は、図10および図11に示すように、図示しない導電性接合材(たとえば、焼結金属、金属ペーストあるいははんだなど)を介して、導電性基板22Aに接合されている。側面電極部342が「第2側面電極部」の一例である。
【0036】
絶縁膜39は、図10図12などに示すように、基板裏面302と基板側面303とが繋がる角部付近を覆っている。たとえば、絶縁膜39は、接続端子33から露出する基板側面303および接続端子34から露出する基板裏面302を覆っている。絶縁膜39は、接続端子33と導電性基板22Aとの絶縁を確保するために設けられている。絶縁膜39の形成領域は、接続端子33と導電性基板22Aとを絶縁していればよく、図示された例に限定されない。
【0037】
2つの入力端子41,42はそれぞれ金属板である。当該金属板の構成材料は、CuまたはCu合金である。2つの入力端子41,42はそれぞれ、図1図5に示すように、半導体装置A1において、x1方向寄りに位置する。2つの入力端子41,42の間には、たとえば電源電圧が印加される。入力端子41は、正極(P端子)であり、入力端子42は、負極(N端子)である。入力端子41と入力端子42とは、互いに離隔する。入力端子41が「第1入力端子」の一例であり、入力端子42が「第2入力端子」の一例である。
【0038】
入力端子41は、図4および図5などに示すように、パッド部411および端子部412を含む。
【0039】
パッド部411は、入力端子41のうち、樹脂部材60に覆われた部分である。パッド部411は、図5および図10に示すように、導電性のブロック材419を介して、導電性基板22Aに導通接合されている。パッド部411は、図示しない導電性接合材を介して、ブロック材419に接合され、ブロック材419は、図示しない導電性接合材を介して、導電性基板22Aに接合されている。これにより、入力端子41と導電性基板22Aとが導通している。ブロック材419の構成材料は、特に限定されないが、たとえばCu、Cu合金、CuMo(銅モリブデン)の複合材、CIC(Copper-Inver-Copper)の複合材などが用いられる。パッド部411とブロック材419との接合、および、ブロック材419と導電性基板22Aとの接合は、それぞれ導電性接合材を用いた接合に限定されず、レーザ溶接あるいは超音波接合などによってもよい。パッド部411と導電性基板22Aとの接合は、ブロック材419を介した構成に限定されず、パッド部411が部分的に屈曲することで、パッド部411が導電性基板22Aに直接接合されてもよい。
【0040】
端子部412は、入力端子41のうち、樹脂部材60から露出した部分である。端子部412は、図4に示すように、平面視において、樹脂部材60からx1方向に延びている。端子部412は、たとえば、平面視矩形状である。
【0041】
入力端子42は、図4および図5に示すように、パッド部421および端子部422を含む。
【0042】
パッド部421は、入力端子42のうち、樹脂部材60に覆われた部分である。パッド部421は、図4に示すように、連結部421a、複数の延出部421bおよび接続部421cを含んでいる。
【0043】
連結部421aは、図4に示すように、たとえばy方向に延びる帯状である。連結部421aは、図5および図10に示すように、導電性のブロック材428を介して、信号基板30Aの接続端子33に接合されている。連結部421aは、図示しない導電性接合材を介して、ブロック材428に接合され、ブロック材428は、図示しない導電性接合材を介して、信号基板30Aの接続端子33に接合されている。これにより、入力端子42と接続端子33とが導通する。ブロック材428の構成材料は、特に限定されないが、たとえばCu、Cu合金、CuMoの複合材、CICの複合材などが用いられる。連結部421aとブロック材428との接合、および、ブロック材428と接続端子33との接合は、それぞれ導電性接合材を用いた接合に限定されず、レーザ溶接あるいは超音波接合などによってもよい。
【0044】
複数の延出部421bはそれぞれ、図4に示すように、たとえば連結部421aからx2方向に向けて延びる帯状である。各延出部421bは、連結部421aから、平面視において各スイッチング素子10Bに重なるまでx方向に延びている。複数の延出部421bは、平面視において、y方向に並んでおり、かつ、互いに離隔する。各延出部421bは、図5および図10に示すように、その先端部分が、導電性のブロック材429を介して、各スイッチング素子10Bに接合されている。図10および図11に示すように、各延出部421bの先端部分は、図示しない導電性接合材を介して、ブロック材429に接合され、ブロック材429は、図示しない導電性接合材を介して、各スイッチング素子10Bの第1電極11に接合されている。これにより、入力端子42と各スイッチング素子10Bの第1電極11とが導通する。ブロック材429の構成材料は、特に限定されないが、たとえばCu、Cu合金、CuMoの複合材、CICの複合材などが用いられる。各延出部421bと各ブロック材429との接合、および、ブロック材429と第1電極11との接合尾は、それぞれ導電性接合材を用いた接合に限定されず、レーザ溶接あるいは超音波接合などによってもよい。各延出部421bと各スイッチング素子10Bの第1電極11との接合は、各ブロック材429を介した構成に限定されず、各延出部421bが部分的に屈曲することで、各延出部421bが各スイッチング素子10Bの第1電極11に直接接合されていてもよい。
【0045】
接続部421cは、図4に示すように、連結部421aと端子部422とを接続する部分である。
【0046】
端子部422は、入力端子42のうち、樹脂部材60から露出した部分である。端子部422は、図4に示すように、平面視において、樹脂部材60からx1方向に延びている。端子部422は、図4に示すように、平面視において、入力端子41の端子部412の、y2方向側に位置する。端子部422の平面視形状は、たとえば、端子部412の平面視形状と同じである。
【0047】
出力端子43は、金属板である。当該金属板の構成材料は、たとえばCuまたはCu合金である。出力端子43は、図1図5に示すように、半導体装置A1においてx2方向寄りに位置する。複数のスイッチング素子10により電力変換された交流電力(電圧)は、この出力端子43から出力される。
【0048】
出力端子43は、図4に示すように、パッド部431および端子部432を含む。
【0049】
パッド部431は、出力端子43のうち、樹脂部材60に覆われた部分である。パッド部431は、図5および図10に示すように、導電性のブロック材439を介して、導電性基板22Bに導通接合されている。図10に示すように、パッド部431は、図示しない導電性接合材を介して、ブロック材439に接合され、ブロック材439は、図示しない導電性接合材を介して、導電性基板22Bに接合されている。これにより、出力端子43と導電性基板22Bとが導通している。ブロック材439の構成材料は、特に限定されないが、たとえばCu、Cu合金、CuMoの複合材、CICの複合材などが用いられる。パッド部431とブロック材439との接合、および、ブロック材439と導電性基板22Bとの接合は、それぞれ導電性接合材を用いた接合に限定されず、レーザ溶接あるいは超音波接合などによってもよい。パッド部431と導電性基板22Bとの接合は、ブロック材439を介した構成に限定されず、パッド部431が部分的に屈曲することで、パッド部431が導電性基板22Bに直接接合されていてもよい。
【0050】
端子部432は、出力端子43のうち、樹脂部材60から露出した部分である。端子部432は、図4に示すように、樹脂部材60からx2方向に延び出ている。端子部432は、たとえば平面視矩形状である。
【0051】
複数の信号端子44A~47A,44B~47Bは、半導体装置A1における制御信号を入力あるいは出力するための端子である。制御信号としては、たとえば、複数のスイッチング素子10のスイッチング動作を制御するための信号がある。複数の信号端子44A~47A,44B~47Bは、互いに略同じ形状である。複数の信号端子44A~47A,44B~47Bはそれぞれ、x方向に見て、L字状をなす。複数の信号端子44A~47A,44B~47Bは、図1図8に示すように、x方向に沿って配列されている。各信号端子44A~47A,44B~47Bは、図9に示すように、x方向に見て、互いに重なる。複数の信号端子44A~47Aは、図5に示すように、平面視において、導電性基板22Aのy方向隣に位置し、複数の信号端子44B~47Bは、図5に示すように、平面視において、導電性基板22Bのy方向隣に位置する。各信号端子44A~47A,44B~47Bは、たとえば樹脂部材60のy1方向を向く面(後述の樹脂側面633)から突き出ている。複数の信号端子44A~47A,44B~47Bは、いずれも同一のリードフレームから形成される。
【0052】
一対の信号端子44A,44Bは、図5および図6に示すように、接続部材50(後述の第2接続ワイヤ54)を介して、一対の検出層32A,32Bにそれぞれ導通する。信号端子44Aから、複数のスイッチング素子10Aの各第1電極11に印加される電圧(ソース電流に対応した電圧)が検出される。信号端子44Aは、複数のスイッチング素子10Aのソース信号検出端子である。信号端子44Bから、複数のスイッチング素子10Bの各第1電極11に印加される電圧(ソース電流に対応した電圧)が検出される。信号端子44Bは、複数のスイッチング素子10Bのソース信号検出端子である。
【0053】
一対の信号端子44A,44Bはそれぞれ、図6に示すように、パッド部441および端子部442を含む。各信号端子44A,44Bにおいて、パッド部441は、樹脂部材60に覆われている。この構成により、各信号端子44A,44Bは、樹脂部材60に支持されている。端子部442は、パッド部441に繋がり、かつ、樹脂部材60から露出している。各信号端子44A,44Bは、端子部442において屈曲する。
【0054】
一対の信号端子45A,45Bは、図5および図6に示すように、接続部材50(後述の第1接続ワイヤ53)を介して、一対のゲート層31A,31Bにそれぞれ導通する。信号端子45Aには、複数のスイッチング素子10Aを駆動させるための駆動信号(ゲート電圧)が印加される。信号端子45Aは、複数のスイッチング素子10Aの駆動信号入力用の端子(ゲート信号入力端子)である。信号端子45Bには、複数のスイッチング素子10Bを駆動させるための駆動信号(ゲート電圧)が印加される。信号端子45Bは、複数のスイッチング素子10Bの駆動信号入力用の端子(ゲート信号入力端子)である。
【0055】
一対の信号端子45A,45Bはそれぞれ、図6に示すように、パッド部451および端子部452を含む。各信号端子45A,45Bにおいて、パッド部451は、樹脂部材60に覆われている。この構成により、各信号端子45A,45Bは、樹脂部材60に支持されている。端子部452は、パッド部451に繋がり、かつ、樹脂部材60から露出している。各信号端子45A,45Bは、端子部452において屈曲する。
【0056】
複数の信号端子46A,46B,47A,47Bはそれぞれ、図5および図6に示すように、他の構成要素と導通しない。半導体装置A1は、これらの信号端子46A,46B,47A,47Bを備えない構成としてもよい。
【0057】
一対の信号端子46A,46Bはそれぞれ、図6に示すように、パッド部461および端子部462を含む。各信号端子46A,46Bにおいて、パッド部461は、樹脂部材60に覆われている。この構成により、各信号端子46A,46Bは、樹脂部材60に支持されている。端子部462は、パッド部461に繋がり、かつ、樹脂部材60から露出している。各信号端子46A,46Bは、端子部462において屈曲する。一対の信号端子47A,47Bはそれぞれ、パッド部471および端子部472を含む。各信号端子47A,47Bにおいて、パッド部471は、樹脂部材60に覆われている。この構成により、各信号端子47A,47Bは、樹脂部材60に支持されている。端子部472は、パッド部471に繋がり、かつ、樹脂部材60から露出している。各信号端子47A,47Bは、端子部472において屈曲する。
【0058】
複数の接続部材50はそれぞれ、互いに離隔した2つの部材間を導通させる。複数の接続部材50は、図5に示すように、複数のゲートワイヤ51、複数の検出ワイヤ52、一対の第1接続ワイヤ53、一対の第2接続ワイヤ54および、複数のリード部材55を含む。
【0059】
複数のゲートワイヤ51、複数の検出ワイヤ52、一対の第1接続ワイヤ53および一対の第2接続ワイヤ54は、それぞれ「ボンディングワイヤ」と称されるものであり、その構成材料 は、たとえば、Al(アルミニウム)、Au(金)、Cuのいずれかである。
【0060】
複数のゲートワイヤ51はそれぞれ、図5および図6に示すように、一端(第1端)が各スイッチング素子10の第2電極12(ゲート電極)に接合され、他端(第2端)が一対のゲート層31A,31Bのいずれかに接合されている。複数のゲートワイヤ51には、各スイッチング素子10Aの第2電極12とゲート層31Aとを導通させるものと、各スイッチング素子10Bの第2電極12とゲート層31Bとを導通させるものとが含まれる。
【0061】
複数の検出ワイヤ52はそれぞれ、図5および図6に示すように、一端が各スイッチング素子10の第1電極11(ソース電極)に接合され、他端が一対の検出層32A、32Bのいずれかに接合されている。複数の検出ワイヤ52には、各スイッチング素子10Aの第1電極11と検出層32Aとを導通させるものと、各スイッチング素子10Bの第1電極11と検出層32Bとを導通させるものとが含まれる。
【0062】
一対の第1接続ワイヤ53は、図5および図6に示すように、その一方がゲート層31Aと信号端子45A(ゲート信号入力端子)とを接続し、その他方がゲート層31Bと信号端子45B(ゲート信号入力端子)とを接続する。一方の第1接続ワイヤ53は、一端がゲート層31Aに接合され、他端が信号端子45Aのパッド部451に接合されている。他方の第1接続ワイヤ53は、一端がゲート層31Bに接合され、他端が信号端子45Bのパッド部451に接合されている。
【0063】
一対の第2接続ワイヤ54は、図5および図6に示すように、その一方が検出層32Aと信号端子44A(ソース信号検出端子)とを接続し、その他方が検出層32Bと信号端子44B(ソース信号検出端子)とを接続する。一方の第2接続ワイヤ54は、一端が検出層32Aに接合され、他端が信号端子44Aのパッド部441に接合されている。他方の第2接続ワイヤ54は、一端が検出層32Bに接合され、他端が信号端子44Bのパッド部441に接合されている。
【0064】
複数のリード部材55はそれぞれ、導電性材料からなり、その構成材料は、たとえばAl、Au、Cuのいずれかである。半導体装置A1において、各リード部材55の代わりに、ボンディングワイヤを用いてもよい。各リード部材55は、図5図6および図11に示すように、各スイッチング素子10Aの第1電極11と導電性基板22Bとを導通させる。各リード部材55は、図5および図6に示すように、平面視において、x方向に延びる帯状である。各リード部材55が「接続部材」の一例である。
【0065】
各リード部材55は、図6図10および図11に示すように、第1接合部551、第2接合部552、および、連絡部553を含む。第1接合部551は、各リード部材55のうち、各スイッチング素子10Aに接合される部位である。第1接合部551は、図示しない導電性接合材を介して、各スイッチング素子10の第1電極11の第1電極11に接合される。第1接合部551は、平面視において、各スイッチング素子10Aの第1電極11に重なる。第2接合部552は、各リード部材55のうち、導電性基板22Bに接合される部位である。第2接合部552は、図示しない導電性接合材を介して、導電性基板22Bの主面221に接合される。第2接合部552と導電性基板22Bとの接合は、レーザ溶接あるいは、超音波溶接によって直接接合されていてもよい。第2接合部552は、平面視において、導電性基板22Bに重なる。第2接合部552の厚さ(z方向寸法)は、第1接合部551の厚さ(z方向寸法)よりも大きい。連絡部553は、各リード部材55のうち、第1接合部551と第2接合部552とに繋がる部位である。連絡部553の厚さ(z方向寸法)は、第1接合部551の厚さ(z方向寸法)と実質的に同じである。連絡部553は、平面視において、導電性基板22Aと導電性基板22Bとに跨っている。
【0066】
樹脂部材60は、図4図5および図10に示すように、複数のスイッチング素子10、支持基板20(ただし、一対の絶縁基板21A,21Bの各裏面212を除く)、一対の信号基板30A,30B、端子41~43,44A~47A,44B~47Bの各々の一部、および、複数の接続部材50を覆っている。樹脂部材60の構成材料は、たとえばエポキシ樹脂である。樹脂部材60は、図4図5および図10に示すように、樹脂主面61、樹脂裏面62および複数の樹脂側面631~634を有する。
【0067】
樹脂主面61と樹脂裏面62とは、図10に示すように、z方向に互いに離隔する。樹脂主面61はz2方向を向き、樹脂裏面62はz1方向を向く。樹脂裏面62は、図8に示すように、平面視において、一対の絶縁基板21A,21Bの各裏面212を囲む枠状である。一対の絶縁基板21A,21Bの各裏面212は、樹脂裏面62から露出する。複数の樹脂側面631~634はそれぞれ、樹脂主面61および樹脂裏面62の双方に繋がり、かつ、z方向においてこれらに挟まれている。樹脂側面631と樹脂側面632とは、x方向に互いに離隔する。樹脂側面631は、x1方向を向き、樹脂側面632は、x2方向を向く。樹脂側面631から、2つの入力端子41,42が突き出ており、樹脂側面632から、出力端子43が突き出ている。樹脂側面633と樹脂側面634とは、y方向に互いに離隔する。樹脂側面633はy1方向を向き、樹脂側面634はy2方向を向く。樹脂側面633から、複数の信号端子44A~47A,44B~47Bが突き出ている。
【0068】
樹脂部材60は、図8および図10に示すように、樹脂裏面62からz方向に窪んだ凹部65を含んでいる。凹部65は、平面視において、図8に示すように、支持基板20を囲む環状に形成されている。これに代えて、樹脂部材60に凹部65が形成されていない構成であってもよい。
【0069】
信号基板30Aの内部構造の一例について、図15図18を参照して説明する。信号基板30Aは、その内部構造において、複数の第1導体層361、複数の第2導体層362、複数の誘電体層37、および、複数の絶縁体層38が、所定の順序でz方向に積層されている。
【0070】
図15は、図13のXV-XV線に沿う断面図である。図16は、各第1導体層361の一例を示す平面図である。図17は、各誘電体層37の一例を示す平面図である。図18は、各第2導体層362の一例を示す平面図である。
【0071】
複数の第1導体層361および複数の第2導体層362はそれぞれ、たとえばCuで構成される。複数の誘電体層37はそれぞれ、たとえば樹脂材料から構成される。各誘電体層37の構成材料は、樹脂材料に限定されず、セラミックなど比誘電率が1より大きい絶縁体であってもよい。各絶縁体層38は、たとえばプリプレグからなり、各誘電体層37よりも絶縁耐力が低い。
【0072】
複数の第1導体層361はそれぞれ、図15および図16に示すように、基板側面303に形成された接続端子33(側面電極部332)に接している。複数の第1導体層361は、平面視において互いに重なる。複数の第1導体層361は、側面電極部332を介して、互いに電気的に繋がっている。各第1導体層361は、接続端子34から離隔している。図16に示すように、各第1導体層361の周囲(接続端子33に繋がる側を除く)には、絶縁体369が形成されている。絶縁体369は、絶縁体層38と同様に、たとえばプリプレグからなる。
【0073】
複数の第2導体層362はそれぞれ、図15および図18に示すように、基板側面304に形成された接続端子34(側面電極部342)に接している。複数の第2導体層362は、平面視において互いに重なる。複数の第2導体層362は、側面電極部342を介して、互いに電気的に繋がっている。各第2導体層362は、接続端子33から離隔している。図18に示すように、平面視において、各第2導体層362の周囲(接続端子34に繋がる側を除く)には、絶縁体369が形成されている。
【0074】
複数の第1導体層361のうち、最もz2方向側に位置する第1導体層361は、信号基板30Aのz2方向側の表層であり、この第1導体層361の表面に主面電極部331が形成されている。たとえば、この第1導体層361と主面電極部331とは、平面視において実質的に同じ形状である。また、複数の第2導体層362のうち、最もz1方向側に位置する第2導体層362は、信号基板30Aのz1方向側の表層であり、この第2導体層362の表面に裏面電極部341が形成されている。たとえば、この第2導体層362と裏面電極部341とは、平面視において実質的に同じ形状である。
【0075】
図15に示す例では、複数の誘電体層37(最下位の誘電体層37を除く)は、それぞれ、z方向において、対応する一の第1導体層361と対応する一の第2導体層362とに挟まれており、かつ、側面電極部332および側面電極部342の両方に接している(図17も参照)。最下位の誘電体層37は、z方向において、対応する一の第1導体層361(最下位の第1導体層361)と裏面電極部341とに挟まれており、少なくとも側面電極部342に接している。図17に示すように、(最下位の第1導体層361を含め)各誘電体層37は、信号基板30Aのy1方向側の端縁からy2方向側の端縁まで繋がっている。各誘電体層37のz方向の寸法は、たとえば8μm~20μm程度であるが、本開示はこれに限定されない。
【0076】
複数の絶縁体層38は、z方向に隣接する2つの誘電体層37の間において、2つの第1導体層361に挟まれたもの(図15の例では、基板主面301側から3つ目の絶縁体層38)と、z方向に隣接する2つの誘電体層37の間において、2つの第2導体層362に挟まれたもの(図15の例では、基板主面301側から2つ目の絶縁体層38)とを含む。各絶縁体層38は、z方向の両面のそれぞれに接する2つの第1導体層361や2つの第2導体層362の接着層としても機能する。各絶縁体層38は、平面視において、複数の第1導体層361、複数の第2導体層362および複数の誘電体層37に重なる。図示された信号基板30Aと異なる構成において、複数の絶縁体層38と絶縁膜39とが一体的に形成されていてもよい。
【0077】
図15に示すように、複数の絶縁体層38のうち最もz2方向側に位置する絶縁体層38は、信号基板30Aのz2方向側の表層であり、この絶縁体層38の表面に主面電極部331が形成されている。信号基板30Aにおいては、基板主面301にゲート層31Aおよび検出層32Aが形成されているため、z2方向側の表層を絶縁体層38としている。また、複数の誘電体層37のうち最もz1方向側に位置する誘電体層37は、信号基板30Aのz1方向側の表層であり、この誘電体層37の表面に裏面電極部341が形成されている。
【0078】
信号基板30Aは、一対の接続端子33,34間に電圧が印加され、各第1導体層361と各第2導体層362とで電位差が生じると、各誘電体層37に電圧がかかり、各第1導体層361および各第2導体層362に電荷が蓄積される。よって、信号基板30Aは、各誘電体層37を挟んで配置された第1導体層361と第2導体層362とが極板となり、キャパシタとして機能している。本実施形態においては、図15に示すように、複数の第1導体層361のうち最もz1方向に位置する第1導体層361と、裏面電極部341との間に誘電体層37が配置されていることから、裏面電極部341は第2導体層362と同様にキャパシタの極板として機能している。このように、裏面電極部341は、信号基板30Aにおいて、外部端子として機能するとともに、キャパシタの極板として機能する。
【0079】
信号基板30Aの内部構造は、上記した例に限定されず、周知の積層型キャパシタ(たとえば積層セラミックキャパシタなど)の構造を採用してもよい。また、信号基板30Aにおいて、各層(各第1導体層361、各第2導体層362、各誘電体層37、各絶縁体層38)の積層数は、図15に示す例に限定されず、信号基板30Aのキャパシタとしての性能(静電容量など)に基づいて、適宜変更されうる。各層の大きさ、各層の構成材料なども、上記した例に限定されない。
【0080】
以上のように構成された半導体装置A1の作用および効果は、次の通りである。
【0081】
半導体装置A1は、信号基板30Aを備えている。信号基板30Aは、一対の接続端子33,34を含んでおり、一対の接続端子33,34を電極とするキャパシタとして機能する。スイッチング素子10Aとスイッチング素子10Bとは、直列に接続され、ブリッジを構成する。一対の接続端子33,34は、当該ブリッジの両端にそれぞれ電気的に接続されている。この構成によると、半導体装置A1は、キャパシタとして機能する信号基板30Aを備えており、当該キャパシタ(信号基板30A)および各スイッチング素子10A,10Bを流れる電流経路が形成される。したがって、半導体装置A1は、この信号基板30Aを備えない場合と比べて、内部インダクタンスを低減させることができるので、各スイッチング素子10A,10Bに印加されるサージ電圧を抑制できる。
【0082】
半導体装置A1では、複数のスイッチング素子10A,10Bはそれぞれ、第1電極11および第3電極13を備えている。各スイッチング素子10A,10BがたとえばMOSFETである場合、第1電極11はソース電極であり、第3電極13はドレイン電極である。信号基板30A(キャパシタ)の接続端子34は、導電性基板22Aを介して、各スイッチング素子10Aの第3電極13に導通する。各スイッチング素子10Aの第1電極11は、各リード部材55および導電性基板22Bを介して、各スイッチング素子10Bの第3電極13に導通する。各スイッチング素子10Bの第3電極13は、ブロック材429、入力端子42(パッド部421)およびブロック材428を介して、信号基板30A(キャパシタ)の接続端子33に導通する。この構成によると、信号基板30A(接続端子34)から、導電性基板22A、各スイッチング素子10A(第3電極13から第1電極11)、各リード部材55、導電性基板22B、各スイッチング素子10B(第3電極13から第1電極11)、入力端子42(延出部421b)の順に通って、信号基板30A(接続端子33)に流れる電流経路(図11の太線矢印参照)が形成される。つまり、半導体装置A1は、当該電流経路を形成することで、内部インダクタンスの低減を図っている。好ましくは、半導体装置A1は、この電流経路により、10nH以下の内部インダクタンス値を有する。
【0083】
半導体装置A1では、信号基板30A(キャパシタ)が各スイッチング素子10Aとともに導電性基板22Aに接合されている。この構成によると、半導体装置A1の通電時に、信号基板30Aが発する熱は、導電性基板22Aによって拡散されるとともに、導電性基板22Aおよび絶縁基板21Aを介して、外部に放出される。上記の通り、各スイッチング素子10Aも導電性基板22Aに接合されているため、各スイッチング素子10Aから発する熱も、導電性基板22Aによって拡散されるとともに、導電性基板22Aおよび絶縁基板21Aを介して外部に放出される。つまり、信号基板30Aの放熱経路は、各スイッチング素子10Aの放熱経路と同じである。よって、半導体装置A1は、信号基板30Aの放熱性を向上できる。
【0084】
半導体装置A1では、信号基板30Aは、基板主面301に接続端子33およびゲート層31Aが形成されている。また、信号基板30Aは、基板裏面302に接続端子34が形成されている。この構成によると、駆動信号などを中継する信号基板30Aがキャパシタとして機能する。半導体装置A1と異なる半導体装置において、たとえば2つの入力端子41,42の上に、これらに跨るように、キャパシタ部品を接続する場合が考えられる。しかしながら、この場合、2つの入力端子41,42上にキャパシタ部品が搭載されるため、樹脂部材60の厚みが大きくなる。半導体装置A1によれば、樹脂部材60の厚みを抑制し、半導体装置A1の大型化を抑制できる。
【0085】
半導体装置A1では、信号基板30Aの誘電体層37は、たとえば樹脂材料で構成される。従来の積層キャパシタとしては、誘電体層にセラミックを用いるものが知られている。しかしながら、誘電体層にセラミックを用いた場合、クラックの発生など信頼性の低下が懸念される。一方、本開示の誘電体層37は、上記した構成であるため、クラックの発生などが抑制され、セラミックである場合よりも、信頼性を有する。
【0086】
半導体装置A1では、信号基板30Aの誘電体層37は、電位の異なる2つの導体層(第1導体層361と第2導体層362)に挟まれ、絶縁体層38は、電位が同じ2つの導体層(2つの第1導体層361、あるいは、2つの第2導体層362)に挟まれた構成となる。したがって、一対の接続端子33,34に電圧が印加され、複数の第1導体層361と複数の第2導体層362とに電位差が生じたとき、誘電体層37の厚さ方向(z方向)には電圧がかかるが、絶縁体層38の厚さ方向(z方向)には電圧がかからない。そのため、絶縁体層38の耐電圧(絶縁耐力)を保証しなくてもよい。つまり、半導体装置A1における信号基板30Aは、絶縁耐力の低下を抑制することができる。
【0087】
図19および図20は、第2実施形態にかかる半導体装置A2を示している。図19は、半導体装置A2を示す平面図である。図19において、2つの入力端子41,42、出力端子43および樹脂部材60をそれぞれ想像線(二点鎖線)で示す。図20は、半導体装置A2を示す断面図であって、半導体装置A1の図10に示す断面に相当する。
【0088】
図19および図20に示すように、半導体装置A2は、半導体装置A1と比較して、支持基板20の構成が異なる。半導体装置A2の支持基板20は、いわゆるDBC(Direct Bonded Copper)基板である。この支持基板20は、DBC基板ではなく、DBA(Direct Bonded Aluminum)基板であってもよい。この支持基板20は、絶縁基板23、一対の主面金属層24A,24Bおよび裏面金属層25を含んでいる。
【0089】
絶縁基板23は、絶縁基板21A,21Bと同様に、たとえば熱伝導性に優れたセラミックスからなる。絶縁基板23は、たとえば平面視矩形状である。絶縁基板23は、主面231および裏面232を有する。主面231と裏面232とは、z方向に離隔する。主面231はz2方向を向き、裏面232はz1方向を向く。
【0090】
一対の主面金属層24A,24Bは、図20に示すように、絶縁基板23の主面231上に形成されている。一対の主面金属層24A,24Bの各構成材料は、たとえばCuである。当該構成材料は、Cuではなく、Alであってもよい。一対の主面金属層24A,24Bは、x方向に離隔する。主面金属層24Aは、主面金属層24Bのx1方向側に位置する。主面金属層24Aは、導電性基板22Aと同様に、複数のスイッチング素子10Aおよび信号基板30Aなどが搭載される。主面金属層24Bは、導電性基板22Bと同様に、複数のスイッチング素子10Bおよび信号基板30Bなどが搭載される。各主面金属層24A,24Bは、各導電性基板22A,22Bよりもそれぞれ薄い。本実施形態において、主面金属層24Aが「第1導電部材」の一例であり、主面金属層24Bが「第2導電部材」の一例である。
【0091】
裏面金属層25は、絶縁基板23の裏面232上に形成されている。裏面金属層25の構成材料は、各主面金属層24A,24Bと同じである。裏面金属層25は、樹脂部材60に覆われていてもよいし、z1方向を向く面が樹脂部材60(樹脂裏面62)から露出していてもよい。
【0092】
支持基板20の構成は、上記した例に限定されない。たとえば、1つの絶縁基板23ではなく、一対の主面金属層24A,24Bごとに分割されていてもよい。つまり、半導体装置A1と同様に2つの絶縁基板に分割され、各絶縁基板に一対の主面金属層24A,24Bがそれぞれ形成されていてもよい。また、たとえば、1つの裏面金属層25ではなく、2つの裏面金属層に分割されていてもよい。この場合、2つの裏面金属層は、x方向に離隔し、平面視において、一対の主面金属層24A,24Bにそれぞれ重なる。また、たとえば、一対の主面金属層24A,24B上に、上述する一対の導電性基板22A,22Bがそれぞれ搭載されていてもよい。
【0093】
半導体装置A2も、半導体装置A1と同様の効果を奏することができる。
【0094】
第1および第2実施形態においては、信号基板30Aが絶縁膜39を含んだ例を示したが、本開示はこれに限定されず、信号基板30Aが絶縁膜39を含んでいなくてもよい。この場合、半導体装置A1においては、図21および図22に示すように、導電性基板22Aの主面221に開口部229を設けるとよい。開口部229は、平面視において、接続端子33の側面電極部332に重なる。図22に示す例では、導電性基板22Aの主面221からz方向に窪む溝を形成することで、導電性基板22Aの主面221に開口部229が設けられている。溝ではなく、導電性基板22Aをz方向に貫通する貫通孔を形成してもよい。この開口部229があることで、導電性基板22Aと接続端子33(側面電極部332)との離隔距離が大きくなり、導電性基板22Aと接続端子33との絶縁を確保できる。導電性基板22Aの主面221が「導電部材主面」の一例である。半導体装置A2においては、図23に示すように、主面金属層24Aのz2方向を向く面に開口部249を設けるとよい。当該開口部249は、開口部229と同様に、平面視において、接続端子33の側面電極部332を包含する。図23に示す例では、主面金属層24Aをz方向に貫通する貫通孔を形成することで、主面金属層24Aのz2方向を向く面に開口部249が設けられている。貫通孔ではなく、主面金属層24Aのz2方向を向く面からz方向に窪む溝を形成してもよい。この開口部249があることで、主面金属層24Aと接続端子33(側面電極部332)との離隔距離が大きくなり、主面金属層24Aと接続端子33(側面電極部332)との絶縁を確保できる。
【0095】
第1、第2実施形態にかかる信号基板30Aでは、接続端子34の裏面電極部341が、信号基板30Aの外部端子として機能しつつ、キャパシタの極板として機能している場合を示したが、本開示はこれに限定されない。たとえば、図24に示すように、裏面電極部341が、キャパシタの極板として機能せず、外部端子として機能するだけであってもよい。具体的には、図24に示すように、信号基板30Aの基板裏面302側の表層が絶縁体層38で構成されている。このため、裏面電極部341は、キャパシタの極板として機能せず、側面電極部342を介して、複数の第2導体層362に導通する外部端子としてのみ機能する。
【0096】
一対のゲート層31A,31Bおよび一対の検出層32A,32Bの各平面視形状は、上記した例(図5参照)に限定されない。以下に、変形例にかかる一対のゲート層31A,31Bおよび一対の検出層32A,32Bの各平面視形状について、説明する。以下では、信号基板30A(ゲート層31Aおよび検出層32A)を例に説明するが、信号基板30B(ゲート層31Bおよび検出層32B)も同様に構成されうる。
【0097】
図25は、変形例にかかるゲート層31Aおよび検出層32Aを含む信号基板30Aを示す平面図である。図25は、複数のスイッチング素子10Aおよび2つの信号端子44A,45Aも図示している。
【0098】
図25に示すように、ゲート層31Aは、帯状部311および複数の鉤状部312を含む。帯状部311は、y方向に延びる。第1接続ワイヤ53は、帯状部311のうち、y方向において各信号端子44A,45Aに近い側の端縁付近に接合される。複数の鉤状部312はそれぞれ、帯状部311から突き出しており、平面視においてL字状である。各ゲートワイヤ51は、各鉤状部312のうち、各鉤状部312の先端(帯状部311に繋がる側と反対側)の部分に接合される。複数の鉤状部312は、帯状部311において第1接続ワイヤ53が接合される側(図25の例ではy1方向側)に位置するものほど、y方向に延びる部分が長い。この変形例によれば、信号端子45Aから、第1接続ワイヤ53、ゲート層31Aおよび各ゲートワイヤ51を通って、各スイッチング素子10Aの第2電極12に至るまでの距離を実質的に均等にできる。図25に示す例では、最もy2方向に位置するスイッチング素子10Aに接合されるゲートワイヤ51は、帯状部311に接合されているが、本開示はこれに限定されず、新たに追加する鉤状部312に他のゲートワイヤ51と同様に接合させてもよい。
【0099】
図25に示すように、検出層32Aも、ゲート層31Aと同様に、帯状部321および複数の鉤状部322を含む。帯状部321は、y方向に延びる。第2接続ワイヤ54は、帯状部321のうち、y方向において各信号端子44A,45Aに近い側の端縁付近に接合される。複数の鉤状部322はそれぞれ、帯状部321から突き出しており、平面視においてL字状である。各検出ワイヤ52は、各鉤状部322のうち、各鉤状部322の先端(帯状部321に繋がる側と反対側)の部分に接合される。複数の鉤状部322は、帯状部321において第2接続ワイヤ54が接合される側(図25の例ではy1方向側)に位置するものほど、y方向に延びる部分が長い。この変形例によれば、信号端子44Aから、第2接続ワイヤ54、検出層32Aおよび各検出ワイヤ52を通って、各スイッチング素子10Aの第1電極11に至るまでの距離を実質的に均等にできる。図25に示す例では、最もy2方向に位置するスイッチング素子10Aに接合される検出ワイヤ52は、帯状部321に接合されているが、本開示はこれに限定されず、新たに追加する鉤状部322に他の検出ワイヤ52と同様に接合させてもよい。
【0100】
第1、第2実施形態にかかる信号基板30Aにおいて、各第1導体層361の平面視形状は、図16に示す例に限定されない。たとえば、各第1導体層361は、平面視形状が、図26に示す形状であってもよい。図26に示す各第1導体層361は、平面視において、複数の電極パターン部361a、複数のネックパターン部361bおよび連結部361cを含んでいる。複数の電極パターン部361aは、平面視において矩形状である。複数の電極パターン部361aは、互いに離隔しており、y方向に並んでいる。複数のネックパターン部361bはそれぞれ、各電極パターン部361aと連結部361cとに繋がる。各ネックパターン部361bは、各電極パターン部361aよりもy方向の寸法が小さい。連結部361cは、y方向に延びている。連結部361cは、各ネックパターン部361bおよび側面電極部332(接続端子33)に繋がっている。たとえば、誘電体層37に、局部的に欠陥が生じると、その部分の絶縁性が低下する。欠陥部分における絶縁性の低下により、この欠陥部分を介して、第1導体層361と第2導体層362との間に電流が流れる。つまり、第1導体層361と第2導体層362とが短絡し、キャパシタとしての機能が低下する。しかしながら、変形例によれば、第1導体層361はネックパターン部361bを含んでいる。ネックパターン部361bは、電流集中により発熱し、この発熱により断線する。そのため、上記のように、誘電体層37に局部的な欠陥が生じると、この欠陥部分に接する電極パターン部361aに流れる電流量が多くなる。その結果、この電極パターン部361aに繋がるネックパターン部361bに電流集中が発生し、このネックパターン部361bが断線する。つまり、欠陥部分に接する電極パターン部361aにおける電流が遮断される。したがって、欠陥部分を介して、第1導体層361と第2導体層362との導通がなくなるため、たとえば誘電体層37の局部的な欠陥による不具合(たとえば上記キャパシタとしての機能低下)を抑制することができる。各第2導体層362においても、その平面視形状は、図18に示す例に限定されず、図26に示す各第1導体層361の平面視形状と同様に構成されていてもよい。つまり、各第2導体層362は、図26に示す第1導体層361と同様に、複数の電極パターン部、複数のネックパターン部および連結部を含んでいてもよい。
【0101】
また、各第1導体層361の平面視形状は、図27に示す形状であってもよい。図27に示す各第1導体層361は、平面視において、y方向側両端に絶縁体369が形成されておらず、信号基板30Aのy2方向側の端縁からy1方向側の端縁まで繋がる。この変形例によれば、この第1導体層361に接する誘電体層37の厚さが薄くても、各第1導体層361によって、当該誘電体層37を支持することができる。各第2導体層362においても、その平面視形状は、図27に示す各第1導体層361の平面視形状と同様に構成されていてもよい。つまり、各第2導体層362は、図27に示す第1導体層361と同様に、平面視において、y方向側両端に絶縁体369が形成されておらず、信号基板30Aのy2方向側の端縁からy1方向側の端縁まで繋がっていてもよい。各第1導体層361と各第2導体層362との両方ともを図27に示す構成にした場合、各第1導体層361と各第2導体層362とは、信号基板30Aのy方向側の両側面において露出する。そのため、これらの側面に沿って、各第1導体層361と各第2導体層362とが短絡するおそれがある。この短絡を抑制するために、信号基板30Aのy方向側の両側面に絶縁膜を形成するとよい。
【0102】
第1、第2実施形態にかかる信号基板30Aでは、接続端子33の側面電極部332が基板側面303(x1方向を向く側面)に形成され、接続端子34の側面電極部342が基板側面304(x2方向を向く側面)に形成された例を示したが、本開示はこれに限定されない。たとえば、図28の示すように、2つの側面電極部332,342が、y1方向を向く側面とy2方向を向く側面とに形成されていてもよい。図28に示す例では、接続端子33は、基板主面301からy2方向を向く側面に跨って形成されている。つまり、側面電極部332は、信号基板30Aのy2方向を向く面に形成されている。また、接続端子34は、基板裏面302からy1方向を向く側面に跨って形成されている。つまり、側面電極部342は、信号基板30Aのy1方向を向く面に形成されている。反対に、側面電極部332が、y1方向を向く面に形成され、側面電極部342が、y2方向を向く面に形成されていてもよい。図28の信号基板30Aにおいては、各第1導体層361および各第2導体層362の平面視形状はそれぞれ、たとえば図29および図30にそれぞれ示すように、y方向に長い矩形状となる。図28に示す例においても、図13に示す例と同様に、たとえば離隔距離dy1と離隔距離dy2とは実質的に同じであるが、これに限定されず、異なっていてもよい。
【0103】
第1、第2実施形態にかかる信号基板30Aでは、接続端子33の主面電極部331、ゲート層31Aおよび検出層32Aが、基板主面301(表層の絶縁体層38)に直接形成された場合を示したが、本開示はこれに限定されない。たとえば、図31に示すように、接続端子33の主面電極部331、ゲート層31Aおよび検出層32Aは、基板主面301上に、絶縁部材309を介して形成されていてもよい。このような構成は、上記する各変形例にかかる信号基板30Aにおいても適宜適用することができる。
【0104】
第1、第2実施形態および第2実施形態において、信号基板30Aの内部構造(積層構造)は、図15に示す例に限定されない。以下に、変形例にかかる信号基板30Aの積層構造に ついて、図32を参照して、説明する。図32は、変形例にかかる信号基板30Aの積層構造を示す断面図であって、図15に示す断面に対応する。
【0105】
変形例にかかる信号基板30Aの積層構造は、図32に示すように、コア層35と、複数の第1導体層361と、複数の第2導体層362と、複数の誘電体層37とが、z方向に積層されたものである。
【0106】
コア層35は、絶縁性材料からなり、たとえばFR4(Flame Retardant Type4)で構成されている。FR4は、ガラス繊維の布にエポキシ樹脂をしみ込ませ熱硬化処理されたものである。図32に示すように、コア層35は、信号基板30Aにおいてz方向の中央に配置されている。コア層35のz方向両面には、絶縁体層38が形成されている。絶縁体層38は、たとえばプリプレグからなる。絶縁体層38は、形成されていなくてもよい。図32に示すように、コア層35のz方向両側において、複数の第1導体層361の各々と複数の第2導体層362の各々とが複数の誘電体層37の各々を挟んで順次積層されている。
【0107】
図32に示す信号基板30Aにおいても、第1導体層361と第2導体層362とが誘電体層37を挟んで構成されていることから、第1導体層361および各第2導体層362とがキャパシタの極板として機能している。よって、図32に示す信号基板30Aも、キャパシタとして機能する。
【0108】
第1、第2実施形態においては、各信号端子44A,44Bが、ソース信号検出端子であり、各信号端子45A,45Bが、ゲート信号入力端子である例を示したが、本開示はこれに限定されない。各第1接続ワイヤ53および各第2接続ワイヤ54の接続に応じて、各信号端子44A~47A,44B~47Bのいずれもが、ソース信号検出端子にも、ゲート信号入力端子にもなりうる。
【0109】
本開示にかかる半導体装置は、上記した実施形態および変形例に限定されるものではない。本開示の半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、本開示の半導体装置は、以下の付記に関する実施形態を含む。
付記1.第1方向において反対側を向く第1素子主面および第1素子裏面を有する第1スイッチング素子と、
前記第1方向において反対側を向く第2素子主面および第2素子裏面を有する第2スイッチング素子と、
前記第1方向に直交する第2方向において互いに離隔する第1導電部材および第2導電部材と、
第1接続端子および第2接続端子を有するキャパシタと、
を備えており、
前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子とは、直列に接続されてブリッジを構成し、
前記第1接続端子と前記第2接続端子とは、前記ブリッジの両端にそれぞれ電気的に接続され、
前記キャパシタおよび前記第1スイッチング素子は、前記第1導電部材に搭載され、
前記第2スイッチング素子は、前記第2導電部材に搭載されている、半導体装置。
付記2.前記キャパシタは、前記第1方向に離隔するキャパシタ主面およびキャパシタ裏面を有し、
前記第1接続端子は、前記キャパシタ主面の一部に形成された主面電極部を含み、
前記第2接続端子は、前記キャパシタ裏面の一部に形成された裏面電極部を含む、付記1に記載の半導体装置。
付記3.前記キャパシタは、前記第1方向に直交する直交方向において互いに離隔する第1キャパシタ側面および第2キャパシタ側面をさらに有し、
前記第1キャパシタ側面および前記第2キャパシタ側面はそれぞれ、前記キャパシタ主面および前記キャパシタ裏面に繋がり、
前記第1接続端子は、前記主面電極部に繋がり、かつ、前記第1キャパシタ側面の一部に形成された第1側面電極部をさらに含み、
前記第2接続端子は、前記裏面電極部に繋がり、かつ、前記第2キャパシタ側面の一部に形成された第2側面電極部をさらに含む、付記2に記載の半導体装置。
付記4.前記直交方向と前記第2方向とは一致する、付記3に記載の半導体装置。
付記5.前記キャパシタは、前記第1側面電極部と前記第1導電部材とを絶縁させる絶縁膜が形成されている、付記3または付記4のいずれかに記載の半導体装置。
付記6.前記第1導電部材は、前記第1方向において前記キャパシタ主面と同じ方向を向く導電部材主面を有し、
前記導電部材主面には、前記第1方向に見て、前記第1側面電極部を包含する開口部が形成されている、付記3または付記4のいずれかに記載の半導体装置。
付記7.前記キャパシタは、前記第1方向に積層された、複数の第1導体層、複数の第2導体層および複数の誘電体層を含み、
前記複数の第1導体層は、前記第1側面電極部に繋がり、
前記複数の第2導体層は、前記第2側面電極部に繋がり、
前記複数の誘電体層の各々は、前記複数の第1導体層のうちの1つの第1導体層と前記複数の第2導体層のうちの1つの第2導体層との間に挟まれている、付記3ないし付記6のいずれかに記載の半導体装置。
付記8.前記キャパシタは、前記第1方向に積層された複数の絶縁体層を含み、
前記複数の絶縁体層は、第1の絶縁体層と第2の絶縁体層とを含み、前記第1の絶縁体層は、前記第1方向に隣接する2つの誘電体層の間において、2つの第1導体層に挟まれており、前記第2の絶縁体層は、前記第1方向に隣接する2つの誘電体層の間において、2つの第2導体層に挟まれている、付記7に記載の半導体装置。
付記9.前記第1スイッチング素子は、前記第1素子主面に形成され、かつ、駆動信号が入力される駆動信号入力電極をさらに含み、
前記キャパシタは、前記キャパシタ主面に形成され、かつ、前記主面電極部から離隔する配線層をさらに含み、
前記配線層には、前記第1スイッチング素子の駆動信号が入力される、付記3ないし付記8のいずれかに記載の半導体装置。
付記10.前記配線層は、前記キャパシタ主面の上に絶縁部材を介して形成されている、付記9に記載の半導体装置。
付記11.前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子の各スイッチング周波数は、10kHz以上である、付記1ないし付記10のいずれかに記載の半導体装置。
付記12.前記キャパシタ、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子を流れる電流の経路におけるインダクタンスは、10nH以下である、付記1ないし付記11のいずれかに記載の半導体装置。
付記13.前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体材料からなる、付記1ないし付記12のいずれかに記載の半導体装置。
付記14.前記ワイドバンドギャップ半導体材料は、SiCである、付記13に記載の半導体装置。
付記15.前記第1スイッチング素子は、前記第1素子主面に形成された第1主面電極および前記第1素子裏面に形成された第1裏面電極を含み、
前記第2スイッチング素子は、前記第2素子主面に形成された第2主面電極および前記第2素子裏面に形成された第2裏面電極を含み、
前記第1裏面電極は、前記第1導電部材に接合されており、
前記第2裏面電極は、前記第2導電部材に接合されており、
前記第2接続端子は、前記第1導電部材に接合されており、
前記第1主面電極と前記第2導電部材とが導通し、
前記第2主面電極と前記第1接続端子とが導通する、付記1ないし付記14のいずれかに記載の半導体装置。
付記16.前記第1導電部材を介して前記第1裏面電極に導通する第1入力端子と、
前記第2主面電極および前記第1接続端子に導通する第2入力端子と、
前記第2導電部材を介して前記第2裏面電極に導通する出力端子と、
前記第1主面電極と前記第2導電部材とを導通させる接続部材と、をさらに備える、付記15に記載の半導体装置。
付記17.前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子を覆う樹脂部材をさらに備えており、
前記第1入力端子、前記第2入力端子および前記出力端子の各々の一部は、前記樹脂部材から露出している、付記16に記載の半導体装置。
付記18.前記第1導電部材に搭載され、前記第1スイッチング素子に並列に接続された追加の第1スイッチング素子と、
前記第2導電部材に搭載され、前記第2スイッチング素子に並列に接続された追加の第2スイッチング素子と、をさらに備える、付記1ないし付記17のいずれかに記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0110】
A1,A2:半導体装置
10,10A,10B:スイッチング素子
101 :素子主面
102 :素子裏面
11 :第1電極
12 :第2電極
13 :第3電極
14 :絶縁膜
20 :支持基板
21A,21B:絶縁基板
211 :主面
212 :裏面 22A,22B:導電性基板
221 :主面
222 :裏面
229 :開口部
23 :絶縁基板
231 :主面
232 :裏面
24A,24B:主面金属層
249 :開口部
25 :裏面金属層
30A,30B:信号基板
301 :基板主面
302 :基板裏面
303,304:基板側面
309 :絶縁部材
31A,31B:ゲート層
311 :帯状部
312 :鉤状部
32A,32B:検出層
321 :帯状部
322 :鉤状部
33,34:接続端子
331 :主面電極部
332 :側面電極部
341 :裏面電極部
342 :側面電極部
35 :コア層
361 :第1導体層
361a :電極パターン部
361b :ネックパターン部
361c :連結部
362 :第2導体層
369 :絶縁体
37 :誘電体層
38 :絶縁体層
39 :絶縁膜
41,42:入力端子
411,421:パッド部
412,422:端子部
421a :連結部
421b :延出部
421c :接続部
419,428,429:ブロック材
43 :出力端子
431 :パッド部
432 :端子部
439 :ブロック材
44A~47A,44B~47B:信号端子
441,451,461,471:パッド部
442,452,462,472:端子部
50 :接続部材
51 :ゲートワイヤ
52 :検出ワイヤ
53 :第1接続ワイヤ
54 :第2接続ワイヤ
55 :リード部材
551 :第1接合部
552 :第2接合部
553 :連絡部
60 :樹脂部材
61 :樹脂主面
62 :樹脂裏面
631~634:樹脂側面
65 :凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32