(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】持続可能なブリスタパッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 65/40 20060101AFI20241220BHJP
B65D 75/34 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
B65D65/40 D
B65D75/34
(21)【出願番号】P 2022522260
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(86)【国際出願番号】 EP2020078629
(87)【国際公開番号】W WO2021074082
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-10-04
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516301712
【氏名又は名称】ヘイリオン シーエイチ エスエイアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラスパイユ,ヴィンセント ジャン-ピエール
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-007792(JP,A)
【文献】特開2019-126968(JP,A)
【文献】特許第6175425(JP,B2)
【文献】特開2012-206776(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0158400(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0251411(US,A1)
【文献】米国特許第09962913(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/00-65/46
B65D 67/00-79/02
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 少なくとも2つの共押出層、すなわち、HDPE及び最大2%の第1の添加剤を含む主層(34)、並びにHDPE及び最大で50%のLLDPEを含むシール層(36)を含む、製品用のキャビティ(10)が内部に形成された熱成形ウェブ(30)と、
- 少なくとも3つの共押出層、すなわち、最大5%の第2の添加剤を含む外側HDPE層(22)、破断伸びを低下させる
第3の添加剤を含む中間HDPE層(24)、及び内側シール層(26)を含む平
蓋(20)とを含み、
前記熱成形ウェブ(30)と前記平蓋(20)とが互いにヒートシールされている、ブリスタパッケージ。
【請求項2】
前記ウェブ(30)の前記主層(34)における前記第1の添加剤が無機添加剤であることを特徴とする、請求項1に記載のブリスタパッケージ。
【請求項3】
前記蓋(20)の前記外側HDPE層(22)における前記第2の添加剤が無機添加剤であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のブリスタパッケージ。
【請求項4】
前記ウェブ(30)の前記主層(34)における前記第1の添加剤、前記蓋(20)の前記外側HDPE層(22)における前記第2の添加剤、及び前記蓋の前記中間HDPE層(24)における、破断伸びを低下させる
前記第3の添加剤がすべて、それぞれの層において少なくとも0.2%の量で存在することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項5】
前記ウェブ(30)が、熱成形前に、200~600μm
の全厚を有し、及び/又は、前記蓋(20)が、30~300μm
の全厚を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項6】
製品なしの前記ブリスタパッケージの総ポリオレフィン含有量が、90%超
であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項7】
前記ウェブ及び前記蓋の両方が酸素バリア層を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項8】
前記蓋の前記破断伸びが20%未満
であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項9】
前記蓋(20)の前記内側シール層(26)が、
エチレン共重合体
から構成されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項10】
前記蓋(20)の前記内側シール層(26)が、
5~30μm
の厚さを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のブリスタパッケージ。
【請求項11】
前記蓋(20)の前記内側シール層(26)が、最大2重量%
のスリップ剤を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項12】
前記蓋(20)の前記中間HDPE層(24)における前記第3の添加剤が、
CaCO
3、TiO
2、タルク、チョーク、粘土、又は金属塩から選択される無機添加剤であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項13】
前記蓋(20)の前記中間HDPE層(24)における前記第3の添加剤が、HDPEと非相溶性のポリマーであることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項14】
前記熱成形ウェブ(30)の前記シール層(36)が、88重量%~95重量%のHDPE及び5重量%~12重量%のLLDPEを含み、並びに/又は、前記LLDPEがメタロセンLLDPEであることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項15】
熱成形ウェブ(30)が、HDPEを主成分として含む外層(32)をさらに含むことを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のブリスタパッケージ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のブリスタパッケージと、
前記キャビティに収容された固形の医薬品又は栄養製品(40)とを含む、パッケージされた医薬品又は栄養製品。
【請求項17】
請求項16に記載のパッケージされた製品を製造するための方法であって、
- 少なくとも2つの共押出層、すなわち、HDPE及び最大2%の第1の添加剤を含む主層、並びにHDPE及び最大で50%のLLDPEを含むシール層を含むウェブ材料を予熱するステップと、
- 前記ウェブ材料を熱成形して、内部にキャビティを有するウェブを形成するステップと、
- 固形の医薬品又は栄養製品を各キャビティ内に導入するステップと、
- 少なくとも3つの共押出層、すなわち、最大5%の第2の添加剤を含む外側HDPE層、破断伸びを低下させる
添加剤を含む中間HDPE層、及び内側シール層を含む蓋材料を予熱するステップと、
- 加熱シールロールを使用して、前記蓋の前記内側シール層を前記キャビティ間の前記ウェブの前記シール層上にシールするステップと、
- 得られた製品を所望のフォーマットのブリスタパッケージに切断するステップとを含む方法。
【請求項18】
前記ウェブ材料の前記主層における前記第1の添加剤が無機添加剤である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記蓋の前記外側HDPE層における前記第2の添加剤が無機添加剤である、請求項17又は18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の多層フィルムを含む持続可能なブリスタパッケージ、及び医薬品又は栄養製品を収容するこのようなブリスタパッケージを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブリスタは、固形の医薬品又は栄養製品(例えば、錠剤、カプレット、トローチ、ゲルタブ、ガム)のパッケージとして頻繁に使用される。従来のブリスタは、製品用のキャビティが内部に形成された熱成形ウェブと、このウェブ上にシールされることによってキャビティを閉じる蓋とを含む。ブリスタは、良好な物理的保護を提供し、使用される材料に応じて、内部に収容される製品の劣化を防止するために酸素バリア及び/又は水分バリアを提供することができる。また、ブリスタにより、一つの製品、すなわち、例えば一回量の薬物を、他の製品のパッケージを変えることなく取り出すことができる。
【0003】
ブリスタパッケージに関するいくつかの課題がある。一つの課題は、少なくとも医薬品の場合、パッケージが、好ましくはチャイルドレジスタントでなければならず、すなわち、子供が内容物を使用できないように、ブリスタパッケージの開封が子供にとって困難であるようにすることである。同時に、パッケージの開封は、高齢の消費者、又は、関節の変形若しくは器用さに影響を与える他の病気を患う人にとって、十分に容易でなければならない。これらの基準を満たすパッケージは、一般に、チャイルドレジスタントシニアフレンドリー(CRSF)と呼ばれる。CRSF認証の詳細な基準が、医薬品用の再閉不可能なチャイルドレジスタントパッケージに関する欧州規格ISO14375、又は、対応する米国規格CFR Title 16、Part 1700.20に規定されている。ブリスタの場合、消費者は製品を使用するために蓋を破る必要がある。これは、キャビティに収容されている固形製品が蓋を破るまで、キャビティが形成されている熱成形ウェブを押すことによって行われる。開封の容易さは、蓋に使用されるフィルムの材料特性に大きく依存し、CRSFの相反する目的を両立させることは困難な場合がある。
【0004】
ブリスタパッケージに関する別の課題は、持続可能性である。現在、ブリスタは、一般に、互いにシールされた下部フィルム層と上部フィルム層とを使用する。製品用のキャビティが形成される下部フィルム層は、本明細書で「ウェブ」と呼ばれ、通常は熱成形される。下部フィルム層は、一般に、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)などのハロゲン化ポリマー、又はポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)などのフッ素化ポリマーに基づく。しかしながら、これらのポリマーは、製造、加工、及び廃棄中に危険な副産物を生成する可能性があるため、環境の観点から好ましい解決策ではない。例えば、米国特許第9,962,913号又はEP2520615B1に記載されているように、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、又はバリア層を含むオレフィンに基づく多層構造などの非ハロゲン化代替品も市場で入手可能である。
【0005】
上部フィルム層は、一般に及び本明細書で「蓋」と呼ばれ、通常はアルミニウム箔であり、一面がヒートシール層で被覆され、反対側の他面がラッカで被覆されており、ラッカは、アルミニウムの損傷を防止する。上記のCSRF要件に準拠するために、このラッカを、ブリスタの開封に必要な力を増加させるための補強層によって完成させてもよい。この代替層は、紙ベース又はポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーベースであってよい。
【0006】
蓋とウェブとは、通常、ヒートシールによって互いに接着され、蓋のヒートシール層とウェブの材料との親和性が高いため、非常に分離しにくい。ヒートシールは、加熱シールロール又は加熱シール板を使用して行うことができる。したがって、得られるブリスタは、アルミニウムとポリマーとの組合せから作られるため、リサイクルの課題をもたらす。例えば、アルミニウム蓋及び熱成形ポリマーウェブを有するブリスタは、機械的にリサイクルすることができない。熱分解が考えられるが、この方法は工業規模では利用できず、大量のエネルギーを必要とし、ハロゲン化ポリマーの場合には、リサイクルプロセス中にこれらのポリマーによって生成される有毒ガスを制限するために、特定の処理を必要とする。
【0007】
アルミニウム蓋及びハロゲン化熱成形ウェブに基づく、これらの従来のブリスタに対する商業的に提案された代替品のうちの一つは、市販のエチメックス ピュアレイ(Etimex Purelay)(登録商標)などのポリプロピレン(PP)ウェブ及びPP蓋を使用するブリスタである。このようなPPブリスタは、蓋及びウェブの両方の成分が同じポリマーから作られているため、蓋とウェブとを分離する必要なくリサイクル可能である。しかしながら、PPを熱成形するには特定の装置が必要であり、製造コストが大幅に上昇する。さらに、PPウェブ上におけるPP蓋の良好な密着性を実現することは困難である。このため、PPウェブ及びPP蓋に基づくブリスタのCRSF認証を取得することは特に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の基礎となる課題のうちの少なくとも一つは、従来のブリスタの物理的保護及びバリア性を提供するが、より環境に優しく、チャイルドレジスタントシニアフレンドリー規格に準拠し、競争力のある価格で製造及び加工することができる、医薬品及び栄養製品用のブリスタを作成することである。
【0009】
したがって、従来のブリスタ設計によって提示される上記の制限のうちの一つ以上を克服することができる、改良された材料、方法、及び装置を開発する必要がある。本明細書に記載される材料、方法、及び装置は、これらの制限のうちの一つ以上を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、
- 少なくとも2つの共押出層、すなわち、高密度ポリエチレン(HDPE)及び最大2%の第1の添加剤を含む主層、並びにHDPE及び最大で50%の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むシール層を含む、製品用のキャビティが内部に形成された熱成形ウェブと、
- 少なくとも3つの共押出層、すなわち、最大5%の第2の添加剤を含む外側HDPE層、破断伸びを低下させるのに適した第3の添加剤を含む中間HDPE層、及び内側シール層を含む平蓋とを含み、
熱成形ウェブと平蓋とが互いにヒートシールされている、ブリスタパッケージが提供される。
【0011】
「添加剤」という用語が本明細書で使用されるとき、これは、一つの添加剤又は異なる添加剤の組合せを指すことができ、本明細書で言及される量は、組合せの場合の対応する層における添加剤の総量を指すことに留意されたい。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、このようなブリスタパッケージと、キャビティに収容された錠剤又はカプレットなどの固形の医薬品又は栄養製品とを含む、パッケージされた医薬品又は栄養製品が提供される。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、このようなブリスタパッケージを含むこのようなパッケージされた医薬品又は栄養製品を製造するための方法が提供される。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、
- 少なくとも2つの共押出層、すなわち、高密度ポリエチレン(HDPE)及び最大2%の第1の添加剤を含む主層、並びにHDPE及び最大で50%の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含むシール層を含む、製品用のキャビティが内部に形成された熱成形ウェブと、
- 少なくとも3つの共押出層、すなわち、最大5%の第2の添加剤を含む外側HDPE層、破断伸びを低下させるのに適した第3の添加剤を含む中間HDPE層、及び内側シール層を含む平蓋とを含み、
熱成形ウェブと平蓋とが互いにヒートシールされている、ブリスタパッケージが提供される。
【0015】
好ましくは、ウェブの主層は、0.2%~2%の第1の添加剤を含む。好ましくは、ウェブのシール層は、2%~最大で50%の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む。好ましくは、蓋の外側HDPE層は、0.2%~5%の第2の添加剤を含む。好ましくは、蓋の中間HDPE層は、破断伸びを低下させるのに適した少なくとも0.2%の第3の添加剤を含む。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、ウェブの主層における第1の添加剤は無機添加剤である。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、蓋の外側HDPE層における第2の添加剤は無機添加剤である。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、ウェブは、熱成形前に、200~600μm、好ましくは150~500μm、より好ましくは250~400μmの全厚を有する。本発明の好ましい実施形態によれば、蓋は、30~300μm、好ましくは50~200μm、最も好ましくは80~110μmの全厚を有する。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、製品なしのブリスタパッケージの総ポリオレフィン含有量は、90%超、好ましくは96%超である。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、ウェブ及び蓋の両方が酸素バリア層を含む。
【0021】
本発明の好ましい態様によれば、蓋の破断伸びは20%未満、好ましくは10%未満である。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によれば、蓋の内側シール層は、主にエチレン共重合体、好ましくはエチレンと酢酸ビニルとを含む共重合体から構成される。
【0023】
本発明の好ましい実施形態によれば、蓋の内側シール層は、約5~30μm、好ましくは約15~25μmの厚さを有する。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によれば、蓋(20)の内側シール層は、最大2重量%、好ましくは最大1重量%のスリップ剤を含む。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、蓋の中間HDPE層における第3の添加剤は、CaCO3、TiO2、タルク、チョーク、粘土、又は金属塩から選択される無機添加剤である。
【0026】
本発明の一部の実施形態によれば、蓋の中間HDPE層における第3の添加剤は、HDPEと非相溶性のポリマーである。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、熱成形ウェブのシール層は、88重量%~95重量%のHDPE及び5重量%~12重量%のLLDPEを含む。好ましくは、LLDPEはメタロセンLLDPEである。
【0028】
本発明の好ましい実施形態によれば、熱成形ウェブは、HDPEを主成分として含む外層をさらに含む。
【0029】
HDPEがウェブ及び蓋の主な材料であるため、完成したブリスタは、リサイクル前に蓋とウェブとを分離する必要なく、モノマテリアルリサイクルストリームでリサイクルすることができる。ポリエチレン(PE)、より具体的には高密度ポリエチレン(HDPE)は、2番目に多くリサイクルされるポリマーであるため、環境の観点から良い選択である。HDPEは、優れた機械的性能、特に剛性を有し、本質的に良好な水分バリア性能を有する。さらに、添加剤又は他のポリマーを添加して、接着挙動、バリア性、及び穿孔特性などのある特性を向上させる又は変更することにより、ブリスタパッケージの特定のニーズに容易に合わせることができる。大部分のPPベースのフィルムとは対照的に、HDPEベースのフィルムは、プラグアシストなしの標準装備の熱成形に適している。
【0030】
ウェブの主層の第1の添加剤は、ウェブの切断性を向上させ、これにより加工を容易にする。好ましくは、第1の添加剤は無機添加剤であるが、有機核剤を使用してもよい。
【0031】
蓋及びウェブに使用されるフィルムの多層構造により、すべての所望の特性を得ることが可能になり、各層は、耐熱性、表面の見た目及び感触、水分バリア若しくはガスバリア、又は接着強度などの特定の特性をもたらす。このような多層フィルムは、工業規模で押出キャスト又はインフレーションフィルム押出によって製造することができる。
【0032】
ウェブのシール層のHDPEに低密度ポリエチレン(LLDPE)を添加することは、そのシール性能、その成形性、及びバリア性能を向上させるのに役立つ。
【0033】
ISO14375に規定されるCRSF認証に通るように蓋の所望の開封力を得るために、破断伸びを低下させる添加剤を蓋の中間HDPE層に添加する。この添加剤は、本明細書で「第3の添加剤」とも呼ばれる。
【0034】
これを行う一つの方法は、蓋の厚さを調整することであり得、別の方法は、フィルムの破断伸び及び破断強度を調整することである。
【0035】
本発明のブリスタパッケージに使用されるすべてのポリマー、特にポリエチレンは、原油などの再生不可能な供給源に由来してもよいし、リサイクルされた動物油若しくは植物油、コーンスターチ、サトウキビなどの再生可能な供給源に由来(バイオベースポリマー又は再生可能ベースのポリマー)してもよいことに留意されたい。
【0036】
好ましい実施形態によれば、ウェブは、熱成形前に、200~600μm、好ましくは150~500μm、より好ましくは250~400μmの全厚を有する。また、好ましい実施形態によれば、蓋は、30~300μm、好ましくは50~200μm、最も好ましくは80~110μmの全厚を有する。ブリスタパッケージの(キャビティ間の)全厚は、好ましくは400~600μmである。熱成形ウェブの厚さに関して、この厚さは、良好な熱成形品質を提供するのに十分であり、熱成形後にキャビティの上部に十分な残厚を含んでおり、これにより、破壊(穿孔又は破損)を防止する。蓋の厚さは、容易な開封を実現し、それでもチャイルドレジスタンス認証に通るように特に最適化される。
【0037】
場合により、製品が取り出されたブリスタパッケージの総ポリオレフィン含有量は、90%超であり、一部の実施形態において、好ましくは96%超である。これにより、場合によって、モノマテリアルリサイクルストリームでのリサイクルが可能になり、高品質のリサイクルポリエチレン材料が得られる。
【0038】
好ましくは、ウェブ及び蓋の多層構造は、共押出ブロー成形又は共押出キャスティングによって得られる。
【0039】
パッケージされた製品及びその安定性に応じて、追加の酸素バリアが必要になることがある。この場合、ウェブ及び蓋は、エチレンビニルアルコール(EVOH)又は当技術分野で既知の任意の他の酸素バリア層などの酸素バリア層を含むことができる。
【0040】
好ましい態様によれば、蓋の破断伸びは20%未満、好ましくは10%未満である。前述したように、場合によって、これにより、CSRF認証に必要な所望の開封力が可能になる。さらに、これにより、一つの製品を取り出すことによって他のキャビティが意図せず開封されることのない「きれいな」開封が可能になる。好ましくは、破断伸びは10%未満である。一部の実施形態において、蓋は、約100μmの厚さを含み、破断伸びは20%未満又は10%未満である。好ましくは、引張破断強度は10MPa~50MPaであり、より好ましくは20MPa~30MPaである。一部の実施形態において、蓋は等方性である。例えば、場合により、蓋が各方向に同様の特性を有し、すなわち、いくつかのプロセスによって導入され得る、方向による特性の変動が最小限に抑えられる。
【0041】
別の好ましい実施形態によれば、蓋のシール層は、エチレン共重合体、好ましくはエチレンと酢酸ビニルとを含む共重合体から構成され、又はこれを含む。場合により、共重合体は、28%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニル(EVA)を含む。場合により、エチレン共重合体は蓋の接着性を高める。
【0042】
好ましくは、蓋のシール層は、約5~30μm、より好ましくは約15~25μmの厚さを有する。
【0043】
別の好ましい実施形態によれば、蓋のシール層は、最大2重量%、好ましくは最大1重量%のスリップ剤を含む。このスリップ剤又はブロッキング防止剤の役割は、蓋フィルムの巻出し中及び蓋が熱成形ウェブ上にシールされるときの摩擦を低減させ、それにより、特に巻出し中の蓋フィルムのブロッキングの可能性を回避することである。場合により、アミドが適切なスリップ剤及びブロッキング防止剤であり、例えば、クローダ インターナショナル パブリック リミテッド カンパニー(Croda International Plc)により商標名クロダミド(Crodamide)(登録商標)で商品化されたスリップ剤がある。
【0044】
好ましい実施形態によれば、蓋の外側HDPE層における第2の添加剤は無機添加剤であるが、有機核剤を使用してもよい。
【0045】
好ましい実施形態によれば、破断伸びを高める、蓋の中間HDPEにおける第3の添加剤は、好ましくはCaCO3、TiO2、タルク、チョーク、粘土、又は金属塩、又はこれらの組合せから選択される無機添加剤である。この添加剤の量は、好ましくは20重量%未満、より好ましくは約2重量%~10重量%、さらに好ましくは3重量%~5重量%であり、選択される添加剤によって決まる。金属塩を使用する場合、これは蓋の水分バリア性能を向上させる核剤としても機能し得る。或いは、別の好ましい実施形態によれば、添加剤は、HDPEと化学的に非相溶性のポリマー、例えば、ポリプロピレン、サーリン(登録商標)として知られるアイオノマーエチレン共重合体、又はポリスチレンである。場合により、添加剤は、伸びのない明確なフィルムの破壊を実現し、且つ規格ISO14375によるチャイルドレジスタント認証に通るのに十分な高さの蓋の開封力を維持する。蓋の中間層は、20~約60μmの厚さを有することが好ましい。
【0046】
好ましい実施形態によれば、蓋の外側HDPE層における添加剤は、最大2重量%の量のCaCO3である。多層の蓋フィルムの外層は、ブリスタの組立て中に加熱シールロールに直接接触するため、フィルムの他の層よりも高い耐熱性を有する場合がある。外層は、約5~約30μm、より好ましくは約15~約20μmの厚さを有し、最大5重量%、好ましくは最大2重量%、より好ましくは約0.5重量%のCaCO3を添加したHDPEの混合物を含む。このような量のCaCO3を添加すると、HDPEの耐熱性が140℃から約145℃にわずかに上昇するため、シール温度を上昇させることができ、したがって、ウェブ上における蓋のシール強度が向上する。
【0047】
テキスト、ロゴ、又は模様を、蓋の外側のHDPE層に印刷することができる。場合により、印刷を保護するためにHDPE層の上にラッカを塗布してもよい。
【0048】
好ましい実施形態によれば、熱成形ウェブのシール層は、88重量%~95重量%のHDPE及び5重量%~12重量%のLLDPEを含む。好ましくは、熱成形前のこの層の厚さは、約5~約30μm、より好ましくは約15~約20μmである。好ましくは、LLDPEはメタロセンLLDPEである。好ましくは、HDPEのメルトフローインデックス(MFI)は、良好な接着を促すために、低粘度範囲内、例えば190℃及び2.16kgで測定された5~20のMFIから選択される。場合により、接着性をさらに向上させるために、粘着付与剤をシール層に添加することができる。
【0049】
別の好ましい実施形態によれば、熱成形ウェブは、HDPEを主成分として含む、すなわち90%以上のHDPEを含む外層をさらに含む。この外層は、5~約30μmの厚さを有することができ、白色の外観のためにTiO2などの着色剤を含むことができる。
【0050】
本発明の好ましい実施形態によれば、ウェブの主層における第1の添加剤は、CaCO3、TiO2、タルク、チョーク、又は粘土から選択される無機添加剤である。ナノスケールの充填剤又は金属塩を使用することもできる。上記のすべての添加剤を、単独で又は組み合わせて使用することができる。添加剤を、マスターバッチを介して添加することができ、場合によっては、担体はHDPEと化学的に相溶性である。好ましくは、ウェブの主層における第1の添加剤の量は、0.5重量%を超えない。無機添加剤を使用する場合、ここでも好ましくは、ウェブの主層における無機添加剤の量は0.5重量%を超えない。この量は、ウェブフィルム及び得られるブリスタの切断性を向上させることにより、ブリスタの縁部におけるきれいな切断を保証するのに十分である。無機添加剤の代わりに、有機核剤を使用してもよい。このような有機核剤の例として、超高分子PE、サイザル繊維、高弾性PE繊維、又はアントラセンが挙げられるが、HDPEと共に使用可能な様々な核剤が既知であり、市販されている。
【0051】
本発明はまた、本明細書に記載のいずれかのブリスタパッケージを含むパッケージされた医薬品又は栄養製品、及びキャビティに収容された錠剤又はカプレットなどの固形の医薬品又は栄養製品に関する。錠剤又はカプレットの動きを制限し、錠剤又はカプレットの機械的劣化を防止するために、キャビティのサイズは、錠剤又はカプレットのサイズに合わせて調整される。
【0052】
本発明によれば、パッケージされた医薬品又は栄養製品を製造するための方法は、
- 少なくとも2つの共押出層、すなわち、HDPE及び最大2%の第1の添加剤を含む主層、並びにHDPE及び最大で50%のLLDPEを含むシール層を含むウェブ材料を予熱するステップと、
- ウェブ材料を熱成形して、内部にキャビティを有するウェブを形成するステップと、
- 錠剤又はカプレットなどの固形の医薬品又は栄養製品を各キャビティ内に導入するステップと、
- 少なくとも3つの共押出層、すなわち、最大5%の第2の添加剤を含む外側HDPE層、破断伸びを低下させるのに適した第3の添加剤を含む中間HDPE層、及び内側シール層を含む蓋材料を予熱するステップと、
- 加熱シールロールを使用して、蓋の内側シール層をキャビティ間のウェブのシール層上にシールするステップと、
- 得られた製品を所望のフォーマットのブリスタパッケージに切断するステップとを含む。
【0053】
一部の実施形態において、本明細書に記載の熱成形は、真空を使用して行われ、予熱されたウェブ材料を、適切な型によって画定されたキャビティに形成する。加えて、場合により、プラグの形の機械的補助を使用して、フィルムを型に押し込むこと(プラグアシスト)ができるが、好ましくは、プラグアシストなしで熱成形を行う。
【0054】
シールステップは、ある場合には、常時加熱されたヒートシールロール、他の場合には、ヒートシール板を使用して、好ましくは100℃~160℃、好ましくは145℃以下の温度、及び好ましくは5バール以下の圧力で、直接ヒートシールプロセスにおいて行われ、この結果、ヒートシール強度が、取り外される蓋に固形内容物が押し付けられるときに加わる圧力に耐えるのに十分なものであるようになっている。圧力は、好ましくは0.2~0.5秒の期間、加えられる。
【0055】
好ましくは、熱成形ステップ後に冷却ステップを行って、製品が高温のキャビティ内に導入されないようにする。場合により、シールステップ後に冷却ステップを行ってもよい。
【0056】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】いくつかのキャビティに製品を収容している、本発明によるブリスタパッケージの斜視図である。
【
図2】本発明によるブリスタパッケージの層状構造の概略断面図である。
【
図3】製品をキャビティから取り出した後の、
図1のブリスタパッケージの斜視図である。
【
図4】本発明によるパッケージされた医薬品又は栄養製品が製造される製造ラインの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本明細書に記載される実施形態は、以下の詳細な説明、例、及び図面を参照することによってより容易に理解することができる。しかしながら、本明細書に記載される要素、装置、及び方法は、詳細な説明、例、及び図面に提示される特定の実施形態に限定されない。本明細書における例示的な実施形態は、開示された本発明の原理の例示に過ぎないことを認識されたい。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び適応が当業者には容易に明らかになろう。
【0059】
加えて、本明細書に開示されるすべての範囲は、それに含まれるあらゆる部分範囲を包含するものと理解すべきである。例えば、「1.0~10.0」と指定された範囲は、最小値が1.0以上で始まり、最大値が10.0以下で終わるあらゆる部分範囲、例えば、1.0~5.3又は4.7~10.0又は3.6~7.9を含むものとみなすべきである。
【0060】
本明細書に開示されるすべての範囲はまた、特に明記されない限り、その範囲の端点を含むものとみなすべきである。例えば、「5と10の間」又は「5から10」又は「5~10」の範囲は、一般に、端点5及び10を含むものとみなすべきである。
【0061】
成分の最大量のみが開示されている場合、これは、当業者が技術的効果を有すると考える、検出可能な0を超えるすべての量を包含するものと理解すべきである。
【0062】
図1は、内部にキャビティ10が形成された熱成形ウェブ30と、ウェブ30上にシールされた蓋20とを有する例示的なブリスタパッケージ1の斜視図である。蓋20とウェブ30との間のシールは、蓋20とウェブ30との接触面全体にわたって、すなわち、キャビティ10が形成される場所を除くすべての場所にわたって、蓋20とウェブ30とを互いに接着する。
【0063】
図2は、
図1のブリスタパッケージ1においてキャビティ10間に存在する多層構造の概略断面図である。この多層構造は、3つの層32、34、36を有するウェブ上にシールされた、3つの層22、24、26を有する蓋20を含む。
【0064】
異なる層は、上から下へ、蓋の外層22、中間層24、及びシール層26に相当し、次いで、ウェブのシール層36、主層34、及び外層32に相当する。
【0065】
適切な層構造の例を以下に示す。表1及び表3は、蓋20の適切な層構造の例を示し、表2及び表4は、ウェブ30の適切な層構造の例を示す。表1及び表3に示す蓋構造の例を、表2及び表4に示すウェブ構造の例の各々と組み合わせることができ、すなわち、表1の蓋構造を、表2のウェブ構造又は表4のウェブ構造と共に使用することができ、表3の蓋構造を、表2のウェブ構造又は表4のウェブ構造と共に使用することができる。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
上記の表1の例では、蓋20は、HDPE外層22と、中間層24と、シール層26とから構成され、HDPE外層22は、厚さ20μmで0.5%のCaCO3を含み、中間層24は、厚さ65μmで95%のHDPE及び5%のタルクを含み、シール層26は、厚さ15μmで99.6%のEVA28%、すなわち28%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニル(EVA)、及び、スリップ剤として機能する0.4%のアミドを含む。表3の例では、中間層24のタルクが3%の核剤に置き換えられている。
【0071】
表1の例の場合、中間層24のHDPEに5%のタルクを添加することにより、破断伸びが低下する。外層22に0.5%のCaCO3を添加することについても、同様であり、表3の例の場合には、中間層のHDPEに3%の核剤を添加することについても、同様である。得られる破断伸びは、蓋材料の方向測定に応じて、表1に示す構造を有する完成した蓋20の場合、10%未満であり、表3に示す構造を有する蓋の場合でも10%未満であり、CRSF認証に望ましいレベルの開封力をもたらす。
【0072】
表2の例で、ウェブ30は、接着性を向上させるために、厚さ20μm、90%のHDPE、及び10%のメタロセンLLDPEを有するシール層36と、99.5%のHDPE及び0.5%のタルクを有するHDPE主層と、厚さ20μmのHDPEのみの外層とを含む。
【0073】
表2の例で、主層34用に選択された材料は、水分バリア性をさらに向上させるオプションの核剤を含むこともできる。
【0074】
表4の例で、ウェブ30は、ここでも厚さ20μmのシール層36を含むが、50%のHDPE及び50%のメタロセンLLDPEを有し、表2のウェブの例と比較して接着性がさらに向上し、製造時に付着の問題を招くことがない。さらに、表4の例の主層は、98%のHDPE及び2%の核剤、すなわち、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、カルシウム塩:ステアリン酸亜鉛であるミリケン ハイパーフォーム(Milliken HYPERFORM)(登録商標) HPN-20Eを有する。主層は210μmの厚さを有する。外層は、ここでも厚さ20μmのHDPEのみの層である。
【0075】
前述したように、一部の実施形態において、追加の酸素バリア層を、蓋20又はウェブ30の中又は上に含めることができる。ウェブ30の場合、熱成形中にEVOHバリア性が変化しないため、EVOH層(通常、結合層とも呼ばれる2つの接着層の間)が好ましい。蓋20の場合、EVOH層を使用できる場合もあるが、酸素バリアを提供する被覆が適切な選択肢となる場合がある。
【0076】
図3は、成人がブリスタパッケージ1を押してブリスタから錠剤を取り出すときの蓋20の反応を示す。蓋20は、キャビティ10の周りで破裂し、それにより、錠剤を取り外すことができる開口部を作り出すが、他のすべてのキャビティは蓋材料20によって覆われたままであり、蓋20とウェブ30との間のシールは損なわれていない。
【0077】
別の態様において、以下で、
図4を参照しながら、製品を収容する本発明によるブリスタパッケージを製造するための方法について説明する。
【0078】
巻出機100を使用して厚さ250μmのウェブフィルム30を巻き出した後、予熱ステーション102において2枚の板間で125℃で予熱し、その後、熱成形部104において130℃の温度で熱成形する。熱成形部104は、タイプC80の蓋箔を有する従来のポリ塩化ビニル(PVC)ブリスタを製造するように設計されたインダストリア マッキネ アウトマティケ ソチエタ ペル アツィオーニ(Industria Macchine Automatiche S.P.A)(IMA)のブリスタ機である。ライン速度を、毎分250ブリスタに設定することができる。熱成形ステップ後、熱成形ウェブを冷却し(
図4には示さず)、錠剤フィーダ106が錠剤40をキャビティ10内に供給する。第2の巻出機108が、厚さ100μmの蓋フィルム20を巻き出す。次いで、蓋フィルム20を予熱ロール110において110℃の温度で予熱し、ヒートシールロール112及び冷却フォーマットロール114を使用して、熱成形ウェブ30上に140℃及び5バールの圧力でヒートシールする。直接接触ヒートシールにより、蓋フィルム20のシール層26と熱成形ウェブフィルム30のシール層36との間にシール接続を確立した。このシールステップにおいて、蓋フィルム20及び熱成形ウェブフィルム30は、直接接触ヒートシーラの第1の面、すなわち加熱シールロール112と、直接接触ヒートシーラの対向する第2の面、すなわち冷却フォーマットロール114との間にある。加熱シールロール112は蓋20の外層22に物理的に接触し、冷却フォーマットロール114はウェブ30の外層32に物理的に接触する。加熱シールロール112により熱及び圧力が一定の期間にわたって加えられ、2枚のフィルム20、30間に直接接触ヒートシールを付与する。冷却フォーマットロール114は、熱成形ブリスタウェブ30の塑性挙動による変形を制限するために、25℃未満、例えば約12℃の温度への冷却を生じさせる。冷却フォーマットロール114は、熱成形キャビティの全面に直接接触するために、熱成形ブリスタの形状に合わせて切り出されている。
【0079】
キャビティ内に錠剤40を含む熱成形ウェブ30とウェブ30上にシールされた蓋20との組合せに、この段階でエンボス加工又は印刷して、ロット番号、使用期限、又は製造場所などの可変データを表示することができる。次いで、ブリスタは、切断ステーション116において打ち抜かれ、又は切断され、パッケージの準備が整う。
【0080】
熱成形ウェブ30と蓋20との間のヒートシールは、漏れ試験に通るのに十分な品質である。この漏れ試験では、完成したブリスタパッケージ1が、2バール未満に低下した真空容器内に2分間入れられ、この真空容器は、水と混合したメチレンブルー染料で満たされている。