(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】廃テープ搬送装置及び実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20241220BHJP
【FI】
H05K13/02 B
(21)【出願番号】P 2022564872
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(86)【国際出願番号】 JP2020043775
(87)【国際公開番号】W WO2022113191
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野沢 瑞穂
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/045018(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/229927(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/202810(WO,A1)
【文献】特開2013-055106(JP,A)
【文献】国際公開第2017/026030(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を収容するテープ部材から部品を供給する部品供給部と、前記供給された部品を採取する実装部とを備えた実装装置に用いられる廃テープ搬送装置であって、
前記部品が採取されたあとの切断された廃テープ部材を搬送面に載置して搬送し、前記廃テープ部材の搬送方向に隣接する廃テープ搬送装置又は廃テープ回収部に対して前記廃テープ部材を受け渡し可能に構成された廃テープ搬送部と、
前記廃テープ搬送部の下面側の搬送面に対し前記搬送方向に沿った方向に気体を吹き付ける送風部と、
前記廃テープ搬送部の搬送方向下流側端部の搬送面の下面側に配設され、該搬送面に当接し廃テープ部材を取り除く除去板と、
を備えた廃テープ搬送装置。
【請求項2】
前記送風部は、前記廃テープ搬送部の搬送方向下流側端部の下面側の搬送面に対し前記搬送方向に沿った方向に気体を吹き付ける、請求項1に記載の廃テープ搬送装置。
【請求項3】
前記送風部は、前記廃テープ搬送部と、該廃テープ搬送部の下方に配設された隣接する廃テープ搬送部又は廃テープ回収部との間になる位置に設けられている、請求項1又は2に記載の廃テープ搬送装置。
【請求項4】
前記送風部は、前記廃テープ搬送部の搬送面の下面側に配設され前記搬送方向に直交する方向に形成された気体を流通させる流通管と、前記流通管に形成された送風口とによって構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の廃テープ搬送装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の廃テープ搬送装置であって、
隣接する前記廃テープ搬送部の搬送方向上流側端部の搬送面の上面側に配設され、該搬送面に当接し前記廃テープ部材の進入を防止する防止
板、を備え、
前記送風部は、前記除去板と前記防止板との間に配設されている、廃テープ搬送装置。
【請求項6】
前記送風部は、前記除去板と前記防止板とに接合されている、請求項5に記載の廃テープ搬送装置。
【請求項7】
複数の部品を収容するテープ部材から部品を供給する部品供給部と、
前記供給された部品を採取する実装部と、
請求項1~6のいずれか1項に記載の廃テープ搬送装置と、
を備えた実装装置。
【請求項8】
前記実装装置は、複数台配列されることにより実装ラインを構成する実装システムに用いられ、
前記廃テープ搬送部は、前記実装ラインを構成した場合に、前記廃テープ部材の搬送方向に隣接する廃テープ搬送装置又は廃テープ回収部に対して前記廃テープ部材を受け渡す、請求項7に記載の実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、廃テープ搬送装置及び実装装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、実装装置としては、部品供給装置(テープフィーダ)による部品の供給により生じる廃テープを基板搬送方向と平行な方向に搬送する廃テープ搬送装置を備え、複数台の部品実装装置を設置して部品実装ラインを構成した場合に、互いに隣接する部品実装装置の廃テープ搬送装置同士で廃テープの受け渡しを行うものが提案されている(例えば、特許文献1など参照)。この装置では、各装置で発生する廃テープを一カ所に集めて回収することができるため、廃テープの回収作業をより効率よく行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/45018号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1では、静電気が帯電しやすい廃テープ部材などでは、廃テープ搬送装置の搬送面に廃テープ部材が貼り付いてしまい、次の廃テープ搬送装置へ安定して受け渡しすることが困難である場合があった。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、廃テープ部材を安定して搬送することができる廃テープ搬送装置及び実装装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示では、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の廃テープ搬送装置は、
複数の部品を収容するテープ部材から部品を供給する部品供給部と、前記供給された部品を採取する実装部とを備えた実装装置に用いられる廃テープ搬送装置であって、
前記部品が採取されたあとの切断された廃テープ部材を搬送面に載置して搬送し、前記廃テープ部材の搬送方向に隣接する廃テープ搬送装置又は廃テープ回収部に対して前記廃テープ部材を受け渡し可能に構成された廃テープ搬送部と、
前記廃テープ搬送部の下面側の搬送面に対し前記搬送方向に沿った方向に気体を吹き付ける送風部と、
を備えたものである。
【0008】
この廃テープ搬送装置では、隣接する廃テープ搬送装置又は廃テープ回収部に対して廃テープ部材を受け渡し可能に構成された廃テープ搬送部により廃テープ部材を搬送する。そして、この装置では、廃テープ搬送部の下面側の搬送面に対し搬送方向に沿った方向に気体を吹き付けることによって、廃テープ部材が搬送面に貼り付いたままになることを防止する。したがって、この廃テープ搬送装置では、廃テープ部材を安定して搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実装システム10及び実装装置15の一例を示す概略説明図。
【
図2】廃テープ排出部26及び廃テープ搬送装置40の構成の概略を示す構成図。
【
図3】廃テープ搬送装置40の構成の一例を示す説明図。
【
図4】廃テープ搬送部41の連結部分を上方から見た斜視図。
【
図5】廃テープ搬送部41の連結部分を下方から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。
図1は、本開示である実装システム10及び実装装置15の一例を示す概略説明図である。
図2は、廃テープ排出部26及び廃テープ搬送装置40の構成の概略を示す構成図である。
図3は、廃テープ搬送装置40の構成の一例を示す説明図である。
図4は、廃テープ搬送部41の連結部分を上方から見た斜視図である。
図5は、廃テープ搬送部41の連結部分を下方から見た斜視図である。なお、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、
図1~3に示した通りとする。
【0011】
実装システム10は、例えば、処理対象物としての基板Sに部品Pを実装処理する実装装置15が基板Sの搬送方向Cに複数台配列されることにより実装ラインとして構成されている。ここでは、処理対象物を基板Sとして説明するが、部品Pを実装するものであれば特に限定されず、3次元形状の基材としてもよい。この実装システム10は、
図1に示すように、印刷装置11と、実装装置15と、廃テープ回収部16とを含んで構成されている。なお、実装システム10には、実装関連装置として、例えば、基板Sの印刷状態の検査を行う印刷検査装置、基板Sを搬送する搬送装置、基板Sの印刷状態の検査を行う印刷検査装置、基板Sでの部品Pの配置状態を検査する実装検査装置、予備のフィーダ24を保管する保管装置、はんだペーストをリフローするリフロー装置のうち1以上が含まれるものとしてもよい。印刷装置11は、基板Sにはんだペーストなどを印刷する装置である。
【0012】
実装装置15は、部品Pを採取して基板Sへ実装させる装置である。実装装置15は、
図1、2に示すように、基板処理部22と、部品供給部23と、廃テープ排出部26と、実装部30と、実装制御部36と、通信部39と、廃テープ搬送装置40とを備える。
【0013】
基板処理部22は、基板Sの搬入、搬送、実装位置での固定、搬出を行うユニットである。部品供給部23は、実装部30へ部品Pを供給するユニットである。この部品供給部23は、部品Pを保持した保持部材としてのテープ部材T(
図2参照)を巻き付けたリール25を含むフィーダ24を1以上の装着部に装着している。部品Pは、テープ部材Tの表面を覆うフィルムによって保護されており、リール25からテープ部材Tが引き出され、部品Pの採取位置へ移動する前に、フィルムが剥がされて露出した状態となる。部品Pが採取されたあとのテープ部材T及びフィルムは、廃テープ排出部26へ送られる。
【0014】
実装部30は、部品Pを部品供給部23から採取し、基板処理部22に固定された基板Sへ配置するユニットである。実装部30は、ヘッド移動部31と、実装ヘッド32と、ノズル33とを備えている。ヘッド移動部31は、ガイドレールに導かれてXY方向へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータとを備えている。実装ヘッド32は、1以上の部品Pを採取してヘッド移動部31によりXY方向へ移動するものである。この実装ヘッド32は、スライダに取り外し可能に装着されている。実装ヘッド32の下面には、1以上のノズル33が取り外し可能に装着されている。ノズル33は、負圧を利用して部品Pを採取するものである。なお、部品Pを採取する採取部材は、ノズル33のほか部品Pを機械的に保持するメカニカルチャックなどとしてもよい。
【0015】
廃テープ排出部26は、
図2に示すように、導入用ダクト27と、テープ切断機28と、排出用ダクト29とを備える。導入用ダクト27は、部品供給部23の装着部に装着されたフィーダ24の後方に設けられ、部品Pが採取されたあとのテープ部材Tを導入する通路である。テープ切断機28は、導入用ダクト27に導入されたテープ部材Tをカッタにより細かく切断する装置である。排出用ダクト29は、切断された廃テープ部材Dを排出する通路である。テープ切断機28は、フィーダ24が部品Pの供給のためにテープ部材Tを送り出す度に、カッタを駆動してテープ部材Tを切断して廃テープ部材Dとする。テープ切断機28により切断された廃テープ部材Dは、排出用ダクト29を通って廃テープ搬送装置40に供給され、廃テープ搬送装置40により廃テープ回収部16へ搬送される。廃テープ回収部16は、廃テープ搬送装置40によって搬出された廃テープ部材Dを回収する装置である。廃テープ回収部16に回収された廃テープ部材Dは、例えば、負圧などにより装置外の廃棄収容部へ搬送されるものとしてもよい。また、作業者は、廃テープ回収部16に回収された廃テープ部材Dや、廃棄収容部に収容された廃テープ部材Dを定期的に廃棄するものとしてもよい。
【0016】
実装制御部36は、CPU37を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。実装制御部36は、記憶部38を有している。記憶部38には、部品Pの情報や部品Pを基板Sへ実装する配置順、配置位置、部品Pを採取するフィーダ24の装着位置などの情報が含まれる実装条件情報(生産ジョブ)などが記憶されている。この実装制御部36は、基板処理部22や部品供給部23、実装部30へ制御信号を出力する一方、基板処理部22や部品供給部23、実装部30からの信号を入力する。通信部39は、外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。
【0017】
廃テープ搬送装置40は、廃テープ排出部26で排出された廃テープ部材Dを装置外へ搬送する装置である。廃テープ搬送装置40は、
図1~5に示すように、廃テープ搬送部41と、送風部42と、除去板45と、防止板46と、駆動部47と、制御部48とを備える。廃テープ搬送部41は、実装装置15の筐体内において搬送方向Cに沿って配設され、上方に向かって登り傾斜となるように配設され、部品Pが採取されたあとの切断された廃テープ部材Dを搬送するコンベアである。この廃テープ搬送部41は、廃テープ部材Dを搬送面49(
図4、5参照)に載置して搬送し、廃テープ部材Dの搬送方向Cに隣接する廃テープ搬送装置41又は廃テープ回収部16に対して廃テープ部材Dを受け渡し可能に構成されている。また、廃テープ搬送部41は、実装装置15が実装ラインを構成した場合に、隣接する廃テープ搬送装置40に対して廃テープ部材Dを受け渡し可能である。廃テープ搬送部41は、
図3に示すように、隣接するコンベア装置の端部同士が上下にオーバーラップするように構成されている。これにより、廃テープ搬送部41は、隣接する廃テープ搬送部41への廃テープ部材Dの受け渡しを円滑に行なうことができ、受け渡しの際の廃テープ部材Dの落下を抑制することができる。
【0018】
送風部42は、廃テープ搬送部41の搬送面49に付着した廃テープ部材Dを送風によって搬送面49上から除去するものである。この送風部42は、
図4、5に示すように、廃テープ搬送部41の搬送方向Cの下流側端部の下面側の搬送面49に対し搬送方向Cに沿った送風方向Bに気体を吹き付けるよう構成されている。この送風部42は、下面側の搬送面49に当接した除去板45の近傍下方に固定されている。また、送風部42は、隣り合う廃テープ搬送部41の搬送面49に当接した防止板46の後方に固定されている。即ち、送風部42は、廃テープ搬送装置40が実装ラインを構成した際に、廃テープ搬送部41と、この廃テープ搬送部41の下方に配設された隣接する廃テープ搬送部41又は廃テープ回収部16と、の間になる位置に設けられている。更に、送風部42は、除去板45と防止板46との間に設けられている。この送風部42は、流通管43と、送風口44と、図示しない気体供給装置と、によって構成されている。流通管43は、廃テープ搬送部41の搬送面49の下面側に配設され、搬送方向Cに直交する方向に形成され、気体を流通させる。流通させる気体は、例えば、エアなどが挙げられる。送風口44は、廃テープ搬送部41の搬送方向Cの下流側端部の搬送面49に向かって、流通管43に形成された開口部であり、流通管43に沿って搬送面49の幅方向の全体に複数形成されている。気体供給装置は、例えば、エアコンプレッサなど、気体を圧縮して供給する装置である。この気体供給装置は、実装装置15の筐体内の様々な部位(例えばエアシリンダなど)へも気体を供給する。
【0019】
除去板45は、廃テープ搬送部41の搬送方向Cの下流側端部の搬送面49の下面側に配設され、この搬送面49に当接し廃テープ部材Dを取り除く部材である。除去板45は、流通管43の上部側に流通管43に沿って接合された固定部材45aに固定されている。除去板45は、ゴムや樹脂など柔軟性のある部材で形成されている。防止板46は、隣接する廃テープ搬送部41の搬送方向Cの上流側端部の搬送面49の上面側に配設され、この搬送面49に当接し廃テープ部材Dの進入を防止する部材である。防止板46は、流通管43の下部側に流通管43に沿って接合された固定部材46aに固定されている。防止板46は、ゴムや樹脂など柔軟性のある部材で形成されている。送風部42は、除去板45と固定部材45aを介して接合されると共に、防止板46と固定部材46aを介して接合されている。
【0020】
駆動部47は、廃テープ搬送部41のコンベアの駆動軸に接続され、これを回転駆動するモータである。制御部48は、廃テープ搬送装置40の全体を制御するコントローラである。制御部48は、駆動部47に駆動信号を出力する。また、この制御部48は、図示しない通信ポートを介して隣接する廃テープ搬送装置40の制御部48と通信を行う。
【0021】
次に、こうして構成された本実施形態の実装システム10の動作、まず、実装装置15が部品Pを基板Sへ実装する処理について説明する。実装制御部36のCPU37は、実装処理を開始すると、生産ジョブである実装条件情報を記憶部38から読み出し、基板Sを搬入、固定するよう基板処理部22を制御する。次に、CPU37は、実装条件情報に基づいて、部品供給部23に装着されたフィーダ24から部品Pを実装ヘッド32に採取させ、採取した部品Pを基板Sの所定位置へ配置する処理を行う。基板Sに部品Pを配置し終わると、CPU37は、基板Sを基板処理部22に排出させ、上述したように、次の基板Sを基板処理部22に搬入させ、部品Pを基板Sへ実装する処理を繰り返し行う。また、CPU37は、この実装処理中に、廃テープ排出部26によりテープ部材Tを切断させ、生成した廃テープ部材Dを廃テープ搬送装置40へ送る処理を行う。
【0022】
次に、廃テープ部材Dを廃テープ回収部16へ搬出する処理について説明する。上述した実装処理を開始すると、制御部48は、駆動部47を駆動して廃テープ搬送部41を動作させ、廃テープ部材Dを搬送方向Cに搬送させる。また、制御部48は、気体供給装置を駆動して、流通管43へ圧縮エアを供給する。供給された圧縮エアは、送風口44から吐出され、廃テープ搬送部41の裏側先端の搬送面49に吹き付けられる。廃テープ排出部26から送られた廃テープ部材Dは、廃テープ搬送部41の搬送面49に載置され、搬送方向Cへ搬送される。例えば、廃テープ部材Dの中には、部品Pを収容するキャビティが形成された樹脂製のテープのほか、静電気が帯電しやすいフィルムなども含まれている。このため、廃テープ搬送部41が導電性のコンベアベルトを採用しても、フィルムなどが搬送面49に貼り付くことがある。また、廃テープ搬送部41では、除去板45を用いており、大部分の廃テープ部材Dを剥がすことが可能であるが、フィルムは薄く、除去板45とコンベアベルトとの間に挟まり、更にその隙間にフィルムなどが入り込むことがあった。この廃テープ搬送部41では、先端の裏面側に送風部42があり、搬送面49にエアを吹き付けることによって、このようなフィルムなどの廃テープ部材Dを搬送面49から十分に引き剥がすことができるのである。また、廃テープ搬送部41では、防止板46により隙間がないため、廃テープ搬送部41同士の隙間へ廃テープ部材Dが入り込むことを防止することができる。
【0023】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の廃テープ搬送部41が本開示の廃テープ搬送部に相当し、送風部42が送風部に相当する。また、流通管43が流通管に相当し、送風口44が送風口に相当し、除去板45が除去板に相当し、防止板46が防止板に相当する。
【0024】
以上説明した本実施形態の廃テープ搬送装置40は、隣接する廃テープ搬送装置40又は廃テープ回収部16に対して廃テープ部材Dを受け渡し可能に構成された廃テープ搬送部41により廃テープ部材Dを搬送する。そして、この廃テープ搬送装置40では、廃テープ搬送部41の搬送方向Cの下流側端部の下面側の搬送面49に対し搬送方向Cに沿った方向にエアなどの気体を吹き付けることによって、廃テープ部材Dが搬送面49に貼り付いたままになることを防止する。したがって、この廃テープ搬送装置40では、廃テープ部材Dが廃テープ搬送装置40同士の隙間から落下するなど、廃テープ部材Dが搬送経路以外へ移動するのをより抑制することが可能であり、廃テープ部材Dを安定して搬送することができる。
【0025】
また、送風部42は、廃テープ搬送部41と、この廃テープ搬送部41の下方に配設された隣接する廃テープ搬送部41との間に設けられている。この廃テープ搬送装置40では、上下に配設された隣り合う廃テープ搬送部41の間に廃テープ部材Dが進入することを防止することができる。更に、送風部42は、廃テープ搬送部41の搬送面49の下面側に配設され搬送方向Cに直交する方向に形成された気体を流通させる流通管43と、流通管43に形成された送風口44とによって構成される。この廃テープ搬送装置40では、流通管43と送風口44という簡便な構成で、廃テープ部材Dをより安定に搬送することができる。更にまた、廃テープ搬送装置40は、廃テープ搬送部41の搬送方向Cの下流側端部の搬送面49の下面側に配設され、この搬送面49に当接し廃テープ部材Dを取り除く除去板45と、隣接する廃テープ搬送部41の搬送方向Cの上流側端部の搬送面49の上面側に配設され、この搬送面49に当接し廃テープ部材Dの進入を防止する防止板46と、を備える。また、送風部42は、除去板45と防止板46との間に配設されている。この廃テープ搬送装置40では、除去板45や防止板46を用いて、廃テープ部材Dの搬送経路以外の場所への進入を防止することができる。そして、送風部42は、固定部材45aや固定部材46aを介して、除去板45と防止板46とに接合されている。この廃テープ搬送装置40では、除去板45と送風部42と防止板46とを接合した構造を有するものとして、更に廃テープ部材の搬送経路以外の場所への進入を防止することができる。
【0026】
また、実装装置15は、複数の部品Pを収容するテープ部材Tから部品Pを供給する部品供給部23と、供給された部品Pを採取する実装部30と、上述した廃テープ搬送装置40とを備える。この実装装置15では、上述した廃テープ搬送装置40を備えるため、廃テープ部材Dを安定して搬送することができる。また、この実装装置15では、採用した廃テープ搬送装置40の態様に応じた効果を得ることができる。また、実装装置15は、複数台配列されることにより実装ラインを構成する実装システム10に用いられ、廃テープ搬送部41は、実装ラインを構成した場合に、廃テープ部材Dの搬送方向Cに隣接する廃テープ搬送装置40又は廃テープ回収部16に対して廃テープ部材Dを受け渡す。この実装装置15では、実装ラインにおいて廃テープ部材Dを安定して搬送することができる。
【0027】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0028】
例えば、上述した実施形態では、送風部42は、廃テープ搬送部41と、隣接する廃テープ搬送部41又は廃テープ回収部16との間になる位置に配設されているものとしたが、特に隣り合う装置との位置関係に限定されないものとしてもよい。例えば、送風部42は、廃テープ部材Dの搬送方向Cの下流側端部の下面側に配設されているものとしてもよい。
【0029】
上述した実施形態では、送風部42は、流通管43と送風口44とを備えたものとしたが、下面側の搬送面49に送風することができれば、特にこの構造に限定されない。例えば、送風部42は、送風ファンによって構成されていてもよい。このような廃テープ搬送装置40においても、廃テープ部材Dが搬送経路以外へ移動するのをより抑制することが可能であり、廃テープ部材Dを安定して搬送することができる。
【0030】
上述した実施形態では、廃テープ搬送装置40は、除去板45を備えるものとして説明したが、特にこれに限定されず、除去板45を備えないものとしてもよい。この廃テープ搬送装置40においても、送風部42によって廃テープ部材Dを搬送面49から除去することができ、廃テープ部材Dが搬送経路以外へ移動するのをより抑制することができる。なお、廃テープ搬送装置40は、除去板45を有する方が廃テープ部材Dの搬送経路以外への移動をより抑制することができ好ましい。
【0031】
上述した実施形態では、廃テープ搬送装置40は、防止板46を備えるものとして説明したが、防止板46を備えないものとしてもよい。この廃テープ搬送装置40においても、送風部42によって廃テープ部材Dを次の廃テープ搬送部41や廃テープ回収部16へ移動可能であるため、廃テープ部材Dが搬送経路以外へ移動するのをより抑制することができる。なお、廃テープ搬送装置40は、防止板46を有する方が廃テープ部材Dの搬送経路以外への移動をより抑制することができ好ましい。
【0032】
上述した実施形態では、送風部42は、固定部材45a,46aを介して、除去板45や防止板46と接合されているものとして説明したが、特にこれに限定されず、送風部42は、除去板45や防止板46と接合されていないものとしてもよい。この廃テープ搬送装置40においても、送風部42によって廃テープ部材Dを次の廃テープ搬送部41や廃テープ回収部16へ移動可能であるため、廃テープ部材Dが搬送経路以外へ移動するのをより抑制することができる。なお、廃テープ搬送装置40は、除去板45や防止板46と接合された構造を有する方が廃テープ部材Dの搬送経路以外への移動をより抑制することができ好ましい。
【0033】
上述した実施形態では特に説明しなかったが、例えば、廃テープ搬送装置40は、廃テープ搬送部41の傾斜方向を変更可能な傾斜変更機構を設け、駆動部47は、コンベア軸を逆転可能に構成し、送風部42は、取り外して廃テープ搬送部41の端部のいずれかに取り付け可能に構成してもよい。実装システム10は、その配置方向などに応じて、廃テープ回収部16の配置位置や搬送方向Cを変更する必要がある場合がある。この廃テープ搬送装置40では、廃テープ部材Dの搬送方向を容易に変更することができる。
【0034】
上述した実施形態では、廃テープ搬送装置40を備えた実装装置15、廃テープ搬送装置40を備えた実装装置15を有する実装システム10として説明したが、特にこれに限定されず、廃テープ搬送装置40としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本開示の廃テープ搬送装置及び実装装置は、例えば、電子部品の実装分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
10 実装システム、11 印刷装置、15 実装装置、16 廃テープ回収部、22 基板処理部、23 部品供給部、24 フィーダ、25 リール、26 廃テープ排出部、27 導入用ダクト、28 テープ切断機、29 排出用ダクト、30 実装部、31 ヘッド移動部、32 実装ヘッド、33 ノズル、36 実装制御部、37 CPU、38 記憶部、39 通信部、40 廃テープ搬送装置、41 廃テープ搬送部、42 送風部、43 流通管、44 送風口、45 除去板、46 防止板、45a,46a 固定部材、47 駆動部、48 制御部、49 搬送面、B 送風方向、C 搬送方向、D 廃テープ部材、P 部品、S 基板、T テープ部材。