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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】統合液体フロー閉ループ検知及び制御
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/14 20060101AFI20241220BHJP
   A61M 5/168 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
A61M5/14 500
A61M5/168 530
A61M5/168 500
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022572574
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 US2021034340
(87)【国際公開番号】W WO2021242918
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2024-03-19
(31)【優先権主張番号】63/030,234
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アバル、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】バージェス、ブレンダン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニアン、ラムクマール
(72)【発明者】
【氏名】デイブ、ジェイ ジョティンドラ
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0262535(US,A1)
【文献】特開平08-080348(JP,A)
【文献】特表2012-525207(JP,A)
【文献】特表2009-515601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
A61M 5/168
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合静脈内(IV)投与セットであって、
チューブ適合具及びハウジングを有するフロー・ストップであって、前記フロー・ストップは、第1の位置においてチューブを通じた流体のフローを防ぎ、且つ第2の位置において前記チューブを通じた前記流体の前記フローを可能にするように構成され、前記チューブ適合具は、前記チューブを受けるように構成された突出部を有する、フロー・ストップと、
前記ハウジング内に配置された電子フロー・センサであって、前記チューブ内の前記流体の前記フローを測定するように構成された電子フロー・センサと、
前記流体の流量を制御するための閉ループ回路と、
前記ハウジング内に構成され、且つ前記電子フロー・センサに電力を提供するように構成された1つ又は複数の伝導接続と
を有し、
前記フロー・ストップは、輸液デバイスのレセプタクルに搭載及び係合されるように形作られ、且つ搭載及び係合されたときに前記1つ又は複数の伝導接続が、前記輸液デバイスによって提供される対応する伝導接続と係合するように形作られ、それにより前記輸液デバイスからの電力フローに基づいて前記電子フロー・センサを稼働させ、また
前記フロー・ストップは、前記チューブ適合具に搭載され且つ前記チューブ適合具に直角に位置づけられたスライダ構成要素を有し、前記スライダ構成要素は、前記チューブ適合具に対してスライドして、前記統合IV投与セットが前記輸液デバイスから取り去られたときに前記チューブ内の流体のフローを防ぐように、且つ前記統合IV投与セットが前記輸液デバイスに搭載及び係合されたときに前記チューブ内の流体の前記フローを可能にするように、前記チューブ適合具に接続された前記チューブの一部に係合するように構成されている、統合静脈内(IV)投与セット。
【請求項2】
前記輸液デバイスのポンプ・メカニズムによって生成される前記流体の前記流量を修正するために前記輸液デバイスに制御信号を送るように構成された制御回路をさらに有する、請求項1に記載の統合IV投与セット。
【請求項3】
前記電子フロー・センサは、データ通信構成要素をさらに有し、前記1つ又は複数の伝導接続は、前記ハウジングの外部に配置され、前記輸液デバイスは、対応する1つ又は複数の伝導接続を備えて構成され、それにより前記統合IV投与セットの使用中に、
前記1つ又は複数の伝導接続は、前記対応する1つ又は複数の伝導接続と電気接触し、且つ
前記電子フロー・センサは、前記データ通信構成要素を使用して前記輸液デバイスにデータを伝送するように電気通信する、
請求項1に記載の統合IV投与セット。
【請求項4】
前記1つ又は複数の伝導接続は、ばね式ポゴ・ピン・コネクタを有する、請求項3に記載の統合IV投与セット。
【請求項5】
前記1つ又は複数の伝導接続は、弾性プラスチック導体材料を有する、請求項3に記載の統合IV投与セット。
【請求項6】
前記チューブ適合具は、前記輸液デバイスのハウジングの中に成形されたフィーチャに相補的な形状を有し、それにより前記チューブ適合具は、前記統合IV投与セットが前記輸液デバイスに搭載及び係合されたときに前記フロー・ストップを前記輸液デバイスに対して整列させるように構成されている、請求項3に記載の統合IV投与セット。
【請求項7】
ワイヤレス通信モジュールをさらに有し、前記統合IV投与セットは、前記電子フロー・センサによって測定されたデータを、前記輸液デバイスの動作を監視するサーバ・システムにワイヤレスでアップロードするように構成されている、請求項1に記載の統合IV投与セット。
【請求項8】
ワイヤレス通信モジュールをさらに有し、前記統合IV投与セットは、前記電子フロー・センサによって測定されたデータを前記輸液デバイスにワイヤレスで転送するように構成されている、請求項1に記載の統合IV投与セット。
【請求項9】
前記1つ又は複数の伝導接続は、前記輸液デバイスから前記電子フロー・センサへのワイヤレス電力伝送のために構成された誘導連結構成要素を有する、請求項1に記載の統合IV投与セット。
【請求項10】
前記統合IV投与セットの識別情報を格納する不揮発性メモリ構成要素をさらに有する、請求項1に記載の統合IV投与セット。
【請求項11】
前記不揮発性メモリ構成要素は、前記輸液デバイスに伝送される情報を格納し、前記情報は、前記統合IV投与セットがどのくらいの期間使用されてきたかを示す、請求項10に記載の統合IV投与セット。
【請求項12】
前記チューブは前記フロー・ストップが前記輸液デバイスの前記レセプタクルに搭載及び係合されたときに前記輸液デバイスの上段部に受け入れられるように構成され、前記輸液デバイスの前記上段部は、前記輸液デバイスのポンプ・メカニズムの上にあり、前記フロー・ストップは、前記輸液デバイスの下段部に受け入れられるように構成され、前記輸液デバイスの前記下段部は、前記輸液デバイスの前記ポンプ・メカニズムの下にある、請求項1に記載の統合IV投与セット。
【請求項13】
前記電子フロー・センサは、前記統合IV投与セットが所定の期間使用された後、前記輸液デバイスに制御信号を送るように構成される、請求項1に記載の統合IV投与セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年5月26日に出願した「INTEGRATED LIQUID FLOW CLOSED LOOP SENSING AND CONTROL」という名称の米国仮出願第63/030,234号の非仮出願であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、注入プロセスにおいて液体フローを検知及び制御することに関する。
【背景技術】
【0003】
注入ポンプは、一般に、供給される流体の流量を監視する。注入プロセス中に広範囲の動的流量を有する液体フローを検知及び制御するための注入ポンプの効率、感度、及び精度を改善したいという要望がある。
【発明の概要】
【0004】
治療液の注入過剰は、輸液デバイスにおいて設定された目標流量と、静脈内(IV:intravenous)投与セットを通じた且つ患者に注入された治療液の実際の流量との間に変動があるときに発生する。
【0005】
したがって、注入過剰又は注入不足の検出の効率、感度、及び精度を改善したいという要望がある。IV投与セットは、典型的には、注入プロセスのために一回だけ使用される使い捨ての消耗品である。したがって、IV投与セットは、一般に、流体フローを監視又は制御するセンサ又は他の電子機器を含まない。本明細書に記載のIVセットは、液体検知能力及び閉ループ・フロー制御回路(control circuitry)を含み、機械式のフロー・ストップに連結されて、フロー制御及び検知のための統合プラットフォームを形成する。いくつかの実装形態では、フロー・ストップは、フロー・クランプ、安全クランプ、又はスライド・クランプと呼ばれることがある。本明細書に記載のデバイス及び方法は、実際の流量を監視し、通常動作又は故障状態の下で設定流量からの何らかの逸脱があるときにポンプを調節するかユーザにアラートする、閉ループ・フロー制御を注入ポンプに提供する。
【0006】
開示の主題は、チューブ適合具(tubing fitment)を含む統合静脈内(IV)投与セットに関し、チューブ適合具は、IV投与セットのチューブを受け入れるように構成された突出部を含む。セットは、チューブ適合具に連結されたハウジング、ハウジング内に配置された電子フロー・センサであって、チューブ内の流体のフローを測定するように構成された、電子フロー・センサを含む。セットは、電子フロー・センサに電力を提供すること、及びデータを伝送することを行うように構成された1つ又は複数の伝導接続と、第1の位置においてチューブを通じた流体のフローを防ぐこと、及び第2の位置においてチューブを通じた流体のフローを可能にすることを行うように構成されたフロー・ストップとを含む。チューブ適合具は、輸液デバイスに対するハウジングの整合を維持するために対応するレセプタクルを備えて構成された輸液デバイスに搭載及び係合されるように形作られる。
【0007】
統合IV投与セットは、流体のフローの閉ループ・フロー制御のための制御回路を含み、閉ループ・フロー制御は、電子フロー・センサによって測定されたデータに基づく。制御回路は、輸液デバイスのポンプ・メカニズムによって生成された流量を修正するために輸液デバイスに制御信号を送るように構成される。
【0008】
別の態様では、センサ・システムは、第1の複数の伝導接続、統合静脈内(IV)投与セットの電子フロー・センサによって記録されたデータを受け取るためのデータ・ポートを含み、統合IV投与セットは、統合IV投与セットがセンサ・システムと係合したとき、第1の複数の伝導接続とインターフェースするように構成された第2の複数の伝導接続を含み、センサ・システムは、所望の流量で統合IV投与セットを通じて流体が流れるのを維持するために、電子フロー・センサによって記録されたデータに基づいて、輸液デバイスに制御信号を提供するように構成される。
【0009】
主題の技術の他の構成が、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになり、主題の技術の様々な構成が、例証として図示及び説明されることが理解されている。理解されているように、主題の技術は、他の及び異なる構成の能力があり、そのいくつかの詳細が、主題の技術の範囲から全て逸脱することなく、他の様々な点で修正の余地がある。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例証的なものであり、制限的なものでないとみなされるべきである。
【0010】
様々な記載の実装形態のより良い理解のために、以下の図面と共に下記の実装形態の説明を参照するべきである。類似の参照番号は、図及び説明の全体を通して対応する部分を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】主題の技術の態様による、医療組織の施設患者ケア・システムの実例を描写する図である。
図2】主題の技術の態様による、統合投与セット及び注入ポンプの実例を描写する図である。
図3】主題の技術の態様による、統合投与セット及び注入ポンプの拡大図である。
図4A】主題の技術の態様による、統合フロー・ストップ・システムの第1の透視図である。
図4B】主題の技術の態様による、統合フロー・ストップ・システムの第2の透視図である。
図4C】主題の技術の態様による、統合フロー・ストップ・システムの第3の透視図である。
図5A】主題の技術の態様による、輸液デバイスに取り付けられた実例のセンサ・システムを描写する図である。
図5B】主題の技術の態様による、フロー・センサを受け入れるためのポートを有するデバイスを含む実例のセンサ・システムを描写する図である。
図5C】主題の技術の態様による、2つ以上のセンサ及び2つ以上のポンプ・モジュールを連結するように構成された実例のセンサ・システムを描写する図である。
図5D】主題の技術の態様による、実例のセンサ・システムを描写する図である。
図5E】主題の技術の態様による、2つ以上のポンプ・モジュールを連結するように構成された実例のセンサ・システムを描写する図である。
図6】主題の技術の態様による、注入プロセスにおいて液体フローを検知及び制御するための実例のシステムを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これから実装形態への参照が行われ、その実例が添付の図面に示されている。以下の説明では、様々な記述の実装形態の理解を提供するために、非常に多くの具体的詳細が示される。それでも、様々な記載の実装形態は、これらの具体的詳細がなくても実践され得ることが当業者には明らかであろう。他の事例では、よく知られた方法、手順、構成要素、回路、及びネットワークは、実装形態の態様を必要以上にあいまいにしないように詳しく説明されていない。
【0013】
注入プロセスにおいて流体フローをより正確に監視したいという要望がある。治療液の注入過剰及び注入不足などの統制されないフローは、輸液デバイスにおいて設定された目標流量と、IV投与セットを通じた且つ患者に注入された治療液の実際の流量との間に変動があるときに発生する。
【0014】
本明細書に記載のデバイス及び方法は、流体フローの電子検知及び制御を組み込んだ統合IV投与セットを提供する。
【0015】
図1は、主題の技術の態様による、医療組織の施設患者ケア・システム100の実例を描写する。図1では、患者ケア・デバイス(又は一般に「医療デバイス」)12が、病院ネットワーク10に接続されている。患者ケア・デバイス(又は「PCD」)という用語は、患者ケア・ユニット(又は「PCU」:patient care unit)という用語と区別なく使用されることがあり、どちらも、注入ポンプ、バイタル・サイン・モニタ、薬剤供給デバイス(例えば、キャビネット、トート)、薬剤準備デバイス、自動供給デバイス、前述のうちの1つと連結されたモジュール(例えば、注入ポンプに取り付けるように構成されたシリンジ・ポンプ・モジュール)、又は他の同様のデバイスなど、様々な補助医療デバイスを含むことができる。各要素12は、伝送チャネル31によって内部ヘルスケア・ネットワーク10に接続される。伝送チャネル31は、例えば802.11ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)など、任意の有線又はワイヤレス伝送チャネルである。いくつかの実装形態では、ネットワーク10は、また、病院中の様々な部門にあるコンピュータ・システムを含む。例えば、図1のネットワーク10は、任意選択として、入院部門、請求部門、生物医学工学部門、臨床検査室、中央供給部門、1つ若しくは複数のユニット・ステーション・コンピュータ、及び/又は医療判定サポート・システムに関連付けられたコンピュータ・システムを含む。下記でさらに説明されるように、ネットワーク10は、個別のサブネットワークを含むことができる。描写の実例では、ネットワーク10は、通常の動作に従って患者ケア・デバイス12(及び他のデバイス)が通信するデバイス・ネットワーク41を含む。
【0016】
追加として、施設患者ケア・システム100は、別個の情報システム・サーバ130を組み込むことができ、その機能は、下記でより詳しく説明される。その上、情報システム・サーバ130は、別個のサーバとして示されているが、情報システム・サーバ130の機能及びプログラミングは、施設の情報システムを設計するエンジニアによって望まれる場合、別のコンピュータに組み入れられてもよい。施設患者ケア・システム100は、情報システム・サーバ130と接続且つ通信するための1つ又は複数のデバイス端末132をさらに含むことができる。デバイス端末132は、パーソナル・コンピュータ、パーソナル・データ・アシスタンス、ラップトップなどのモバイル・デバイス、タブレット型コンピュータ、拡張現実デバイス、又はスマートフォンを含むことができ、ネットワーク10を介した情報システム・サーバ130との通信のためのソフトウェアで構成される。
【0017】
患者ケア・デバイス12は、その目的のために参照により本明細書に組み込まれるEggersらにおいて説明されたものなどの、患者ケアを提供するためのシステムを有する。患者ケア・デバイス12は、ポンプ、生理モニタ(例えば、心拍数、血圧、ECG、EEG、パルス・オキシメータ、及び他の患者モニタ)、治療デバイス、並びに、本明細書で示される教示に従って利用され得る他の薬物送達デバイスを含む又は組み込むことができる。描写の実例では、患者ケア・デバイス12は、1つ又は複数の機能モジュール116、118、120、122に接続された、インターフェース・ユニット14とも呼ばれる制御モジュール14を有する。インターフェース・ユニット14は、例えばランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)58などの、メモリに接続された中央処理装置(CPU:central processing unit)50と、ユーザ・インターフェース・デバイス54、符号化データ入力デバイス60、ネットワーク接続52、及び、追加のモジュール又はデバイスと通信するための補助インターフェース62などの、1つ又は複数のインターフェース・デバイスとを含む。また、インターフェース・ユニット14は、必ずというわけではないが、ソフトウェア及びデータを格納するための、ハードディスク・ドライブ又は不揮発性フラッシュ・メモリなどのメイン不揮発性ストレージ・ユニット56、並びに、前述の要素を相互接続するための1つ又は複数の内部バス64を含む。
【0018】
様々な実装形態では、ユーザ・インターフェース・デバイス54は、ユーザに情報を表示するため、及びユーザがスクリーンの規定エリアに触れることによって情報を入力できるようにするためのタッチ・スクリーンである。追加又は代替として、ユーザ・インターフェース・デバイス54は、モニタ、プリンタ、キーボード、ソフトキー、マウス、トラック・ボール、及び/又はライト・ペンなど、情報を表示及び入力するための任意の手段を含むことができる。データ入力デバイス60は、バー・コード化されたフォーマットで印刷されたデータをスキャン及び解釈することができるバー・コード・リーダでよい。追加又は代替として、データ入力デバイス60は、磁気帯を読み取るためのデバイス、無線自動識別(RFID:radio-frequency identification)タグ若しくはスマート・ラベル(下記で規定される)でエンコードされたデジタル・データが電波を介してリーダ60によってキャプチャされるRFIDデバイス、PCMCIAスマート・カード、無線周波数カード、メモリ・スティック、CD、DVD、又は任意の他のアナログ若しくはデジタル・ストレージ媒体など、コンピュータに符号化データをエンターするための任意のデバイスであることが可能である。データ入力デバイス60の他の実例は、音声活性化若しくは認識デバイス又はポータブル・パーソナル・データ・アシスタント(PDA)を含む。使用されるインターフェース・デバイスのタイプに応じて、ユーザ・インターフェース・デバイス54及びデータ入力デバイス60は同じデバイスでよい。データ入力デバイス60は、インターフェース・ユニット14内に配置されるように図1に示されているが、データ入力デバイス60は、薬局システム内に内蔵のものであるか、又は、薬局システムの外部にあり、RS-232シリアル・インターフェース若しくは任意の他の適切な通信手段を通じて薬局システムと通信していてもよいことが認識されている。補助インターフェース62は、RS-232通信インターフェースでもよいが、プリンタ、患者モニタ、注入ポンプ、又は他の医療デバイスなどの周辺デバイスと通信するための任意の他の手段が、主題の技術から逸脱することなく使用されてもよい。追加として、データ入力デバイス60は、モジュール116、118、120、及び122などの別個の機能モジュールでよく、適切なプログラミング及び通信プロトコルを使用して、コントローラ14、又はネットワーク上の任意の他のシステムと通信するように構成されてもよい。
【0019】
ネットワーク接続52は、イーサネット(登録商標)、WiFi、BLUETOOTH、サービス総合デジタル網(ISDN)接続、デジタル加入者線(DSL)モデム又はケーブル・モデムなどによる、有線又はワイヤレス接続でよい。電話モデム、MIBシステム、RS232インターフェース、補助インターフェース、光リンク、赤外線リンク、無線周波数リンク、マイクロ波リンク若しくはWLANS接続、又は他のワイヤレス接続を含むがこれらに限定されない任意の直接又は間接ネットワーク接続が使用されてもよい。
【0020】
機能モジュール116、118、120、122は、患者にケアを提供するため、又は患者の状態を監視するための任意のデバイスである。図1に示されているように、機能モジュール116、118、120、122のうちの少なくとも1つは、薬剤又は他の流体を患者に届けるための静脈内注入ポンプなどの、注入ポンプ・モジュールでよい。本議論のために、機能モジュール116は、注入ポンプ・モジュールである。機能モジュール118、120、122のそれぞれは、注入ポンプ、シリンジ・ポンプ、PCAポンプ、硬膜外ポンプ、腸内ポンプ、血圧モニタ、パルス・オキシメータ、EKGモニタ、EEGモニタ、心拍数モニタ、若しくは頭蓋内圧力モニタ、又は同様のものを含むがこれらに限定されない任意の患者処置又は監視デバイスでよい。機能モジュール118、120、及び/又は122は、プリンタ、スキャナ、バー・コード・リーダ、又は任意の他の周辺入力、出力、若しくは入力/出力デバイスでよい。
【0021】
各機能モジュール116、118、120、122は、インターフェース・ユニット14と直接的又は間接的に通信し、インターフェース・ユニット14は、デバイス12の全体的な監視及び制御を提供する。機能モジュール116、118、120、122は、図1に示されているように、又はEggersらにおいて詳しく述べられたように、インターフェース・ユニット14の一方又は両方のエンドに連続的に、物理的及び電子的に接続され得る。それでも、主題の技術から逸脱することなく利用され得るインターフェース・ユニットと、機能モジュールを接続するための他の手段があることが認識されている。十分なプログラミング性及び接続性を提供するポンプ又は患者監視デバイスなどのデバイスは、スタンドアロン・デバイスとして動作する能力があってもよく、別個のインターフェース・ユニット又は制御ユニット14を通じて、接続されずにネットワークと直接通信できることも認識されよう。上述のように、追加の医療デバイス又は周辺デバイスが、1つ又は複数の補助インターフェース62を通じて患者ケア・デバイス12に接続されてもよい。
【0022】
各機能モジュール116、118、120、122は、モジュール固有構成要素76、マイクロプロセッサ70、情報を格納するための揮発性メモリ72及び不揮発性メモリ74を含むことができる。4つの機能モジュールが図1Cに示されているが、任意の数のデバイスが、中央コントローラ14に直接的又は間接的に接続されてよいことに留意されたい。本明細書に記載の機能モジュールの数及びタイプは、例証であることを意図し、主題の技術の範囲を全く限定しない。モジュール固有構成要素76は、注入ポンプ・モジュール116のためのポンプ・メカニズムなど、特定のモジュールの動作に必要な任意の構成要素を含む。
【0023】
各機能モジュールは、少なくともいくつかのレベルの独立した動作の能力があり得るが、インターフェース・ユニット14は、デバイス12の全体的な動作を監視及び制御する。例えば、下記でより詳しく説明されるように、インターフェース・ユニット14は、機能モジュール116、118、120、122へのプログラミング命令を提供し、各モジュールのステータスを監視する。
【0024】
患者ケア・デバイス12は、いくつかの異なるモード、又は個性で動作する能力があり、各個性は、構成データベースによって規定される。構成データベースは、患者ケア・デバイスの内部にあるデータベース56、又は外部データベース37でよい。特定の構成データベースは、患者の居場所、年齢、身体特性、又は医療特性などの患者固有情報に少なくとも部分的に基づいて選択される。医療特性は、患者診断、治療の処方、医療履歴、医療記録、患者ケア提供者識別、生理的特性又は心理的特性を含むがこれらに限定されない。本明細書で使用されるように、患者固有情報は、また、病院又は病院コンピュータ・ネットワークにおけるケア提供者情報(例えば、医師識別)又は患者ケア・デバイス10の場所を含む。患者ケア情報は、インターフェース・デバイス52、54、60、又は62を通じて入力されてもよく、例えば、薬局サーバ、入院サーバ、検査室サーバ、及び同様のものからなど、ネットワーク10内のどこからでも生じ得る。
【0025】
主題の技術の態様を組み込んだ医療デバイスは、医療デバイスがネットワーク内のノードとして関与することを可能にするネットワーク・インターフェース・モジュール(NIM:Network Interface Module)を装備されてもよい。明瞭さのために、主題の技術は、インターネット・プロトコル(IP)を使用したイーサネット(登録商標)・ネットワーク環境で動作するものとして説明されるが、主題の技術の概念は、他のネットワーク環境においても等しく適用可能であり、このような環境は、主題の技術の範囲内であることが意図されることが理解されている。
【0026】
様々なデータ・ソースを行き来するデータは、既存技術を用いてネットワーク互換データに変換されることが可能であり、医療デバイスとネットワークとの間の情報の移動は、様々な手段によって実現されることが可能である。例えば、患者ケア・デバイス12及びネットワーク10は、自動対話、手動対話、又は、自動対話と手動対話両方の組合せを介して通信することができる。自動対話は、継続的又は断続的でよく、(図1に示されているような)直接ネットワーク接続52を通じて、或いはBLUETOOTH、IRリンク、WLANS、デジタル・ケーブル・システム、電話モデム、又は他の有線若しくはワイヤレス通信手段などの、RS232リンク、MIBシステム、RFリンクを通じて、発生し得る。患者ケア・デバイス12とネットワーク10との間の手動対話は、例えば、ユーザ・インターフェース・デバイス54、符号化データ入力デバイス60、バー・コード、コンピュータ・ディスク、ポータブル・データ・アシスタント、メモリ・カード、又はデータを格納するための任意の他の媒体を使用して、システム間でデータを断続的又は周期的に、物理的に転送すること伴う。様々な態様における通信手段は、分散データ・ソースのできるだけ多くのポイントからのデータへのアクセスを伴う双方向性のものである。意思決定は、ネットワーク10内の様々な場所で発生させることができる。例えば、及び限定としてではなく、HISサーバ30、判定サポート48、リモート・データ・サーバ49、病院部門若しくはユニット・ステーション46において、又は患者ケア・デバイス12自体の中で、判定を行うことができる。
【0027】
主題の技術によるネットワーク上で動作する医療デバイスとの全ての直接通信は、リモート・データ・サーバ(RDS:remote data server)として知られた情報システム・サーバ30を通じて実施され得る。主題の技術の態様によれば、例えば注入ポンプ又はバイタル・サイン測定デバイスなどの、医療デバイスに組み込まれたネットワーク・インターフェース・モジュールは、認証されたRDSから生じたものでない全てのネットワーク・トラフィックを無視する。主題の技術のRDSの主要な責務は、NIMを有しオープン・コミュニケーションを維持する全てのネットワーク化された医療デバイスの位置及びステータスを追跡することである。
【0028】
図2は、主題の技術の態様による、統合投与セット及び注入ポンプの実例を描写する。いくつかの実装形態では、投与セット200は、統合フロー・ストップ・システム202を含む。統合フロー・ストップ・システム202は、機械式のフロー・ストップ・デバイスとして機能することに加えて、閉ループ制御及びフロー検知を提供する。図4A図4Cは、統合フロー・ストップ・システム202の異なる図を提供する。IV投与セットは、典型的には、一回だけ使用される使い捨ての消耗品である。したがって、これらは、一般的に、流体フローを監視又は制御するセンサ又は他の電子機器を含まない。対照的に、統合IVセット200は、投与セットにおける流量検知の精度及び効率を直接強化し、検知された値に少なくとも部分的に基づいて流量の全体制御を改善する、液体検知能力及び閉ループ・フロー制御回路を含む。
【0029】
閉ループ制御システム(又はフィードバック制御システム)は、限定的な人間の相互作用により又は場合によっては人間の相互作用なしに、所望の設定値にプロセス変数を自動的に統制することができる。統合フロー・ストップ・システム202の制御回路は、患者ケア・デバイスの1つ又は複数の要素を調節するための制御メッセージを生成することによって、注入プロセスの流量を検出する。制御メッセージは、注入ポンプの検出された流量と比較された、注入ポンプにおいて提供された設定された(例えば、所望の)流量に基づいて生成され得る。閉ループ制御システムは、その出力値とその入力値との間の1つ又は複数のフィードバック・ループを含む。閉ループ制御システムは、その出力値(例えば、フロー・センサによって測定された流量)とその基準入力値(例えば、注入ポンプにおいて提供された設定された流量)との間の差を反映した誤差信号を生成することができ、閉ループ制御システムによって生成された制御メッセージは出力値によって決まる。例えば、制御回路によって送られた制御信号は、設定された(例えば所望の)流量に可能なかぎり近い測定流量にするために、注入ポンプの動作パラメータを変化させる。
【0030】
図2は、大容量ポンプ(LVP:large volume pump)250に連結された投与セット200を描写する。いくつかの実装形態では、投与セット200は、シリンジ・ポンプ又は他の注入ポンプ・システムで使用される。LVP250は、ドア252、上部チューブ適合具レセプタクル254、及びポンプ・メカニズム256を含む。また、LVP250は、統合フロー・ストップ・システム202の対応する部分に相補的な形状を有する成形フィーチャ(molded feature;成形形状部)260を含む。このようにして、成形フィーチャ260は、IV投与セット200がポンプ250に搭載されてポンプ250と係合されたとき、統合フロー・ストップ・システム202がぴったりフィットすることを保証する。
【0031】
ポンプ250への第1の複数の伝導接続258(図2は4つの異なる伝導接続を描写している)は、統合IV投与セット200がポンプ250に搭載されてポンプ250と係合されたとき、ポンプ250と統合フロー・ストップ・システム202との間を電気及びデータが流れることを可能にする。伝導接続258のそれぞれは、形成された伝導経路に応じて、同じ材料又は異なる材料から形成されてよい。例えば、電力のための伝導接続は、電気を伝導させるために金属又は他の材料から形成されてよく、その一方で、データ接続は、データの通路を形成するために金属又は光ファイバ伝導材料から形成されてよい。また、ポンプ250は、チューブ214を確保するための保持器264を含む。ポンプ250は、ユニット間インターフェース(IUI:inter-unit interface)コネクタ266を含む。IUIコネクタ266は、ポンプ250と様々な取り付けられたモジュールとの間の電力及び通信を確立する。
【0032】
ポンプ250の受け入れ部分262は、統合フロー・ストップ・システム202のチューブ適合具222が搭載されるスロットを規定する。フロー・ストップ210は、チューブ適合具222の下に連結され位置づけられる。図4A図4Cを参照しながらより詳しく説明されるように、フロー・ストップ210は、2つの位置の間をスライドするように構成される。
【0033】
第1の位置(開位置)において、フロー・ストップ210は、(図4Bに示されているように)チューブ適合具222と一列に並び、チューブ214内の流体のフローは閉塞されない。第2の位置(閉位置)において、フロー・ストップ210は、チューブ適合具222の下から突き出たチューブ214の方にスライドし、チューブ214を機械的にクランプして流体のフローを閉塞させる。
【0034】
いくつかの実装形態では、フロー・ストップ210は、投与セット200がポンプ250に搭載されたとき、開位置にある。注入プロセス中、ドア252は閉じられ、フロー・ストップ210は、流体フローを可能にするために開位置にとどまる。注入プロセス中にドア252が(例えば、誤って)開いたとき、フロー・ストップ210は、閉位置に自動的に変わり、チューブ214を機械的にピンチして、流体の予期しない流出を防ぐ。
【0035】
統合フロー・ストップ・システム202は、電子制御機能をフロー・ストップに追加する。いくつかの実装形態では、統合投与セット200をポンプ250に搭載すると、フロー・ストップ210は、(例えば、開位置のまま)係合され、複数の伝導接続258が、統合フロー・ストップ・システム202上の対応する伝導接続にインターフェースする。伝導接続は、統合フロー・ストップ・システム202のハウジング450内に配置された電子フロー・センサ406(図4Cに示されたもの)に電力を提供し、電子フロー・センサ406を活性化させる。電気を伝導させることに加えて、複数の伝導接続258は、また、フロー・センサ406又は閉ループ制御回路からのセンサ・データ及び/又は制御信号をポンプ250に中継することを可能にする。
【0036】
例えば、いくつかの実装形態では、閉ループ制御回路からの制御信号は、ポンプ・メカニズム256の動作パラメータを変化させて、ポンプ250においてプログラムされた所望の設定流量に値が近くなるように電子フロー・センサ406における測定流量を変化させる。
【0037】
いくつかの実装形態では、統合フロー・ストップ・システム202は、また、投与セット200の識別情報を格納するように構成された不揮発性メモリ構成要素を含む。例えば、統合フロー・ストップ・システム202をポンプ250に正しく搭載及び係合すると、不揮発性メモリ構成要素に格納されたデータがポンプ250によって読み込まれる。いくつかの実装形態では、メモリ構成要素は、投与セット200がどれだけ長く使用されてきたかについての情報を格納する。例えば、統合フロー・ストップ・システム202が複数の伝導接続258から電気を受け取る時間の長さを、統合フロー・ストップ・システム202内に配置された回路構成要素(例えば、電子時間カウンタ)が記録する。いくつかの実装形態では、メモリ構成要素は、また、電子フロー・センサ406によって測定された流量データを格納する。
【0038】
いくつかの実装形態では、統合フロー・ストップ・システム202は、ワイヤレス通信モジュールを含む。電子フロー・センサ406によって測定された流量データは、ポンプ250の動作を監視する(例えば病院システムの)サーバ・システムに直接アップロードされる。いくつかの実装形態では、ポンプ250は、異なる注入流体タイプの流量値を格納し、電子フロー・センサ406によって測定された流量に基づいて、その動作パラメータを修正する。ポンプ250は、統合フロー・ストップ・システム202によって直接中継された、又はサーバ・システムから伝送された測定流量を受け取る。
【0039】
いくつかの実装形態では、不揮発性メモリに格納された識別情報は、ポンプ250に搭載されている投与セットの有効期間をポンプ250が判定することを可能にする、投与セットの製造日を含む。統合フロー・ストップ・システム202とポンプ250との間で(例えば、複数の伝導接続258を通じた)伝導接続が確立されると、ポンプ250は、投与セット200から有効期間情報を取得することができる。有効期間情報は、セットがそれ以降使用されるべきではないセットの有効期限を識別することができる。患者の安全を保証するために、ポンプ250は、識別された有効期間を超えた投与セットに対して注入プロセスをブロックすることができる。識別情報は、投与セット200の使用に関する追加又は代替情報を含むことができる。例えば、識別情報は、投与セット200の最大使用時間を含むことができる。このような事例では、ポンプ250は、投与セット200が最大使用時間より長い間使用中であったとき、注入プロセスを終了させること及び/又はアラームを鳴らすことができる。これは、投与セットの限度を超えた使用に関連付けられた感染リスクを最小化するのに役立てることができる。他の使用情報は、投与セットで注入されることが可能若しくは不可能な薬剤タイプ、投与セットと互換性のあるポンプ若しくはポンプ・モジュール、又は圧力検知の精度及びフロー送出性能の精度を改善するために使用されることが可能な較正値を含むことができる。いくつかの実装形態では、IVバッグが空で流れがないかどうか、圧力の高まり及びフロー・パターンへの影響による閉塞状態があるかどうかなどの、追加の情報がフロー・ストップ・システム202を介して提供されることが可能である。フロー・ストップ上の掛け金が係合しないか、仕様にない様式で係合した場合、統制されないフローが生じる恐れがある。本明細書に記載のフロー・ストップ・システムは、ポンプ・モジュールがフロー・ストップと通信することができるので、このような状態を検出する能力があり得る。
【0040】
統合フロー・ストップ・システム202に電子機能を組み込むことは、ポンプへの(特定の投与セットにおける)フロー・センサの簡単な関連付けを可能にする。マルチチャネル注入能力を有するポンプのために、(例えば、複数の伝導接続258を通じた)ポンプと各投与セットのフロー・センサとの間のデータ・チャネルを自動的に確立することは、(例えば、間違った注入チャネルに間違った流量を関連付ける)誤りを最小限にし、ヘルス・ケアの専門職からの、搭載中又は注入プロセス中の、投与セットの手動チェックの必要性を低減させる。いくつかの実装形態では、IVバッグ及びセットは、薬局によって一緒に準備される。識別(「ID」)番号が、IVバッグと投与セット両方に関連付けられることが可能である。ID番号は、ポンプによって読み取られ、患者に投与されることになる薬剤、流量、及び容量に相関されることが可能である。ポンプは、これらのパラメータに基づいてプログラムされることが可能であり、臨床医はこれらの値を入力する必要がない。いくつかの実装形態では、このような情報は、統合フロー・ストップ・システム202によって提供されることが可能である。
【0041】
いくつかの実装形態では、複数の伝導接続258は、ばね式ポゴ・ピン・タイプ・コネクタを含む。いくつかの実装形態では、伝導接続258は、弾性プラスチック導体材料から作られる。いくつかの実装形態では、統合フロー・ストップ・システム202とポンプ250との間の電力及び/又はデータの非接触転送がある。電力の非接触転送は、誘導連結要素を含む。例えば、ポンプ250は、時間とともに変化する電磁場を生成するための、電力源からの電力によって駆動される伝送デバイスを含む。電磁場は、統合フロー・ストップ・システム202の受信デバイスに、空間を横切って電力を伝送する。受信デバイスは、電磁場から電力を抽出し、電力を電気ロード(例えば、電子フロー・センサ406及び/又は制御回路)に供給する。
【0042】
ポンプ250のハウジング内の成形フィーチャ260は、統合フロー・ストップ・システム202のハウジング450(及び電子フロー・センサ406などの構成要素)を受け入れること、中心に置くこと、及び置くことを行い、フロー・ストップ210の適合、及び統合フロー・ストップ・システム202とポンプ250との間の電気接触を保証する。
【0043】
低速流量で、ポンプは、小さな逸脱でも流量の大きい相対的変化を作り出すことができる(例えば、流量の小さな変化が、流量が小さいときの大きいパーセント変化に等しい)。言い換えれば、流量の小さい(絶対)変化は、大きいパーセント(例えば、相対的)変化を生じる。大きい相対的変化は、フロー・センサが確実に検出できる流量のダイナミック・レンジを制限する。
【0044】
さらに、ポンプ・メカニズム256に接近した領域は、しばしば、(例えば、モータがシステムにおけるフローの爆発を生成することからの)高ノイズ要因の影響を受けやすい。いくつかの実装形態では、システム202は、ポンプ・メカニズム256の上のポンプの上部適合具領域(例えば、上部チューブ適合具レセプタクル254)に提供され、フロー・ストップは、フロー・センサの一部でないはずである。このような実装形態では、投与セットは、2つの別個の適合具を有するはずであり、一方は、(スタンドアロン)フロー・センサ及び関連付けられた制御回路を含み、他方の(下部の)適合具は、フロー・ストップ・クランプを有する。上部チューブ適合具レセプタクル254の近くにフロー・センサ及び制御回路を置くことは、より低いノイズ要因を有し、より正確な測定値を生ずる、ポンプの領域において流量が測定されることを可能にする。より低いノイズ要因は、また、流量測定値のダイナミック・レンジが改善されることを可能にする。いくつかの実装形態では、フロー・センサ406は、0.1ml/時間から999ml/時間までの流量のダイナミック・レンジを測定する。
【0045】
図2及び図3が、ポンプ250の下部領域における統合フロー・ストップ・システム202の挿入を示しているとしても、主題の技術の態様による投与セットは、ポンプ250の他の領域において挿入されることが可能である。
【0046】
いくつかの実装形態では、統合フロー・ストップ・システム202全体が上部チューブ適合具レセプタクル254に位置づけられる(例えば、挿入される)代わりに、ハウジング450に含まれる電子機器(例えば、電子フロー・センサ406、制御回路、ワイヤレス通信モジュール、誘導連結要素)だけが、(例えば、ハウジングに入れられつつ)上段部に挿入される。このような実装形態では、チューブ適合具222及びフロー・ストップ210は、依然として、図2に示された構成と同様に、ポンプ・メカニズム256の下に挿入される。このような構成では、上部チューブ適合具に含まれる構成要素は、フロー・ストップ210に伝導連結されてもよい。このようにして、電力及びデータなどのリソースは、上部チューブ適合具に含まれる構成要素にフロー・ストップ210を介して伝導され得る。伝導経路は、投与セットの壁の上若しくは中に形成されてもよく、又は伝導経路は、ワイヤレスでもよい。言い換えれば、フロー・センサは、上部適合具の一部でよく、電力又は通信は、下部適合具におけるフロー・ストップの一部でよい。
【0047】
図3は、主題の技術の態様による、統合投与セット及び注入ポンプの拡大図を描写する。いくつかの実装形態では、ポンプ250の一部分が、統合投与セット200を受け入れる。成形フィーチャ260は、統合フロー・ストップ・システム202のハウジング450に相補的な形状を有する。複数の垂直に配置された伝導接続258が、ポンプ・ハウジングに埋め込まれ、統合フロー・ストップ・システム202における伝導接続とインターフェースする(図4A図4Cにより明確に示されている)。図3は、受け入れ部分262がチューブ適合具222のポンプ側適合領域220とどのように係合することになるかをより明確に描写する。
【0048】
図4Aは、主題の技術の態様による、統合フロー・ストップ・システムの第1の透視図を描写する。統合フロー・ストップ・システム202のクローズ・アップ図に示されているように、統合フロー・ストップ・システム202は、チューブ適合具222、ハウジング450、及びフロー・ストップ210を含む。チューブ適合具222は、チューブ212を受けるように構成された突出部228を含む。統合フロー・ストップ・システム202は、フロー・ストップ210を含む。フロー・ストップ210は、スライダ部分216を含む。フロー・ストップ210は、チューブ適合具222に可動式にマウントされ、チューブ適合具222の下に位置づけられる。フロー・ストップ210のスライダ部分216は、チューブ適合具222内に規定されたチャネルに沿ってスライドさせることができる。
【0049】
フロー・ストップ210は、投与セット200が輸液デバイスから取り去られたときのチューブ212内の流体の不注意による自由フローを防ぐクランプ・デバイス又は安全クランプである。スライダ部分216は、両方向矢印で注釈をつけられた方向410に沿ってスライドする。スライダ部分216が適合具222のポンプ側適合領域220に近い方にスライドするとき、フロー・ストップ210は開位置にあり、開位置は、統合フロー・ストップ・システム202の上段部から、統合フロー・ストップ・システム202の下部に接続されたチューブ214に、チューブ212を通じて流体が流れることを可能にする。スライダ部分216が適合具222のチューブ側領域230の方にスライドするとき、涙形開口部218の丸い領域224がチューブ214から離れて移動し、その結果、フロー・ステップ210の狭い方の領域226がチューブ214を引きつけてチューブ214を機械的に収縮させ(例えば、ピンチ又はクランプし)、チューブ214内の流体のフローを閉塞させる。この閉位置において、フロー・ストップ210のエッジ部分230は、方向410に沿って適合具222のチューブ側領域230を越えて拡張する(例えば、突き出る)。
【0050】
投与セット200がポンプ250に正しく搭載され(例えば、ポンプ250と係合され)、ポンプ250によって受け入れられたとき、投与セット200のフロー・ストップ210は、流体がチューブ214を通じて流れることが可能な開状態に維持される。(例えば、ポンプ250のドア252を開くことによって)注入プロセスが中断されたとき、フロー・ストップ210は閉位置に移動して、注入プロセスが中断している間の流体の予期しない流出を防ぐ。例えば、ドア252は、ドアをポンプ250に対して決まった場所で確保するラッチ要素を含むことができる。ドア252の前面に取り付けられたハンドルが持ち上げられたとき、この持ち上げる行為が、ラッチ要素を解放することができる。そうすることで、ラッチ要素の位置の変化が、フロー・ストップ210の位置を閉位置に変化させることができる。いくつかの実装形態では、ドアを開くことは、フロー・ストップ210を閉位置に移動させるのに必要な力をかける。例えば、フランジ236が、フロー・ストップ210の下で係合し得る。ドア252が開けられると、フランジは、ポンプ250及びフロー・ストップ210から離れて引っ張られることになる。フランジがポンプ250を離れると、ポンプ250は、フロー・ストップ210を閉位置にスライドさせることができる。
【0051】
従来の投与のセットは、典型的には、ポンプの外部にある又はポンプに組み入れられた、フロー・センサに依存する。フロー・ストップに組み込まれたフロー・センサを有すると、異なる流量を測定する際の感度を高くすることができる。フロー・ストップ210は、ドアに面したハウジング234を含むことができる。ドアに面したハウジング234は、追加又は代替として、ドア252に付けられたコネクタと連結するための伝導コネクタを含むことができる。ドアに面したハウジング234は、センサ、マイクロプロセッサ、メモリ、電力、アンテナ、バルブ若しくはバルブ・コントローラ(例えば、圧電若しくは電磁気コントローラ)、及び/又は光ファイバなどの、記載されたフィーチャのうちの1つ又は複数を実装するための電子構成要素を含むことができる。
【0052】
いくつかの実装形態では、フロー・ストップはポンプの下流セクションにあり、その結果、患者に向かうフローは、フロー連続性のために、より正確に制御される。上流側でのフローの監視は、取り入れ口の流量を測定する。いくつかの実装形態では、取り入れ口は、下流へのフロー連続性を可能にするように非常に急速に満たされる。したがって、ポンプの下流セクションでフローを監視することが望ましくなり得る。ポンプから下って針(例えば、患者への流体の入口の場所)へ至る漏れ又は制限がないと想定すると、フロー監視の位置は重要ではないはずである。フロー・センサをポンプの近く又は中に置くことは、伝導(例えば、電気)リードの長さを低減させる。
【0053】
図4Bは、主題の技術の態様による、統合フロー・ストップ・システムの第2の透視図を描写する。図示のように、フロー・ストップ210は開位置にある。開位置において、涙形開口部218の丸い領域224は、チューブ214内の流体のフローを機械的に遮らない。開位置において、フロー・ストップ210のエッジ232は、チューブ適合具222のチューブ側領域230を越えて突き出ない。
【0054】
図4Cは、主題の技術の態様による、統合フロー・ストップ・システムの第3の透視図を描写する。ポンプ側からの統合フロー・ストップ・システム202の図は、統合フロー・ストップ・システム202の上部のハウジング450の凹部404における、いくつかの伝導接続402-aから402-eを示す。適合具222は、システム202の下部を形成する。凹部404は、ポンプ250上の伝導接続の対応する受け入れ部分への伝導接続の適合を容易にすることができる。図4Cに示されているように、フロー・ストップ・システム202は、5つの伝導接続を含み、その一方で、ポンプ・インターフェースは、4つ(図3参照、要素258)を含む。伝導接続は、図4Cに示されているフロー・ストップ・システム202とポンプとの間で異なっていてもよい。これは、フロー・ストップ・システム202が様々な異なるポンプとインターフェースすることを可能にし、リソースが利用可能であるとき、これにより提供される機能を向上させる。いくつかの事例では、フロー・ストップ・システム202は、ポンプとの十分な接続がない場合、動作不能になり得る。このような事例では、フロー・ストップ・システム202は、流体が投与セットを通じて注入されるのを防ぐために、閉じたままのバルブを含むことができる。このような事例では、ポンプは、投与セットが交換されるまでポンプを通じた注入をできなくするメッセージをフロー・ストップ・システム202から受け取ることができる。
【0055】
統合フロー・ストップ・システム202のハウジング450は、1つ又は複数のフロー・センサを含む。いくつかの実装形態では、フロー・センサの少なくとも一部分が、流体と接触していてよい。このような実装形態では、フロー・センサは、流体経路に沿って移動する流体の速度に基づいて移動させることができる流体経路内の計量要素を含むことができる。いくつかの実装形態では、流体経路又は収縮した流体経路に沿った流体の直列の圧力(又は差圧)が、流量を決定するために測定され得る。
【0056】
いくつかの実装形態では、流体は、フロー・センサと接触していなくてもよい。いくつかの実装形態では、フロー・センサは、2つの構成要素を含むことができ、1つはハウジング450内にあり、1つはドアに面したハウジング234内にある。1つの構成要素からの放出は、第2の構成要素によって読み取られ得る。放出された信号と受け取られた信号との間の比較が、流量の指標を提供することができる。いくつかの実装形態では、フロー・センサは、音響センサを含むことができる。音響センサは、流体がセンサを流れて通り過ぎるときの、流体ライン内のノイズを検出することができる。検出されたノイズは、流量を識別するために使用され得る。いくつかの実装形態では、音響センサは、フロー検知の超音波法を含む。
【0057】
いくつかの実装形態では、フロー・センサは、熱量測定原理に基づいて動作する。例えば、静的な加熱素子及び2つの温度センサが流体経路に置かれ、流量は、流体の温度プロフィールの変化に基づいて測定される。このようなフロー・センサは、CMOSベースでよい。いくつかの実装形態では、フロー・センサは、飛行時間原理に基づいて動作する。静的なヒーターと違って、飛行時間原理に基づくヒーターは変調され、ヒーターの上流と下流両方の受信機が変調信号を受け取る。変調信号の到達時間に基づいて、流量が決定される。いくつかの実装形態では、このようなフロー・センサは、MEMSとしてパッケージ化され得る。
【0058】
いくつかの実装形態では、フロー・センサに電力供給するための電気エネルギーが、ポンプから伝導接続402-aを通じてフロー・センサに伝送される。フロー・センサは、伝導接続のうちの1つを通じてポンプ250にデータを送り返す。いくつかの実装形態では、伝導接続402-a及び402-eは、ポゴピン・タイプ・コネクタを含む。いくつかの実装形態では、伝導接続402-a及び402-eは、弾性プラスチック導体材料を含む。いくつかの実装形態では、伝導接続402-a及び402-eは、ポンプ内に収納された誘導電力源との伝導接続を形成する。誘導電力源は、ポンプから電子フロー・センサにワイヤレスで電力を転送するように構成された誘導連結構成要素を含む。このようなケースでは、伝導接続は、統合フロー・ストップ・システム202の上部におけるハウジング450の露出した表面上に形成される必要はない。
【0059】
いくつかの実装形態では、統合フロー・ストップ・システム202は、投与セット200が、ポンプ及び/又はサーバ・システムとのワイヤレス結合を形成することを可能にする、ワイヤレス通信回路構成要素を含む。いくつかの実装形態では、ワイヤレス結合は、固有のユーザ入力なしに、自動的に形成される。このようなワイヤレス接続は、サーバ・システムが特定の投与セットの位置を追跡することを可能にし、また、異なる投与セットによって提供された治療処置の流量についての情報をサーバ・システムが受け取ることを可能にする。
【0060】
また、システム202の上部におけるハウジング450は、ポンプが特定の投与セットを識別することを可能にする様々な回路構成要素を含む。回路内の不揮発性メモリは、投与セット200が特定の有効期間を超えたかどうかをポンプが確かめることを可能にする、投与セット200の製造日に関する情報を格納することができる。いくつかの実装形態では、患者の安全を保証するために、ポンプは、投与セット200がその有効期間を超えたことをポンプが統合フロー・ストップ・システム202の不揮発性メモリから読み取ったとき、注入プロセスを進めない。いくつかの実装形態では、投与セットがその終末期に向かって精度を悪化させてくると、ポンプは、投与セット200の不揮発性メモリから寿命情報を取得することができる。したがって、統合フロー・ストップ・システム202は、ポンプ250にスマート・センサを提供する。また、ポンプは、特定の投与セットで計測された使用時間を記録することができる。いくつかの実装形態では、患者が病院内の異なるゾーンの間で(例えば、集中治療室から一般病棟に)移されるとき、同じ投与のセットが使用され/異なるポンプに関連付けられ、統合フロー・ストップ・システム202上の回路構成要素は、治療処置の総持続期間に関する情報を病院システムに提供する。
【0061】
また、統合フロー・ストップ・システム202の上部におけるハウジング450内に含まれる回路構成要素は、閉ループ・フロー制御回路を含む。いくつかの実装形態では、閉ループ・フロー制御回路は、フロー・センサ(又は温度センサ、光センサ、カメラ、セットがユーザによって正しく挿入されたかどうかを識別するためのジャイロ・センサ若しくは加速度計、許可された投与セットの電力供給、通信及び/若しくは認証のための近距離無線通信(NFC)センサ、資産管理のための並びに作動中の注入及び投与セットを識別するためのBluetooth Low Energy(BLE)ビーコンなど、フロー・ストップに含まれる他のセンサ)によって記録されたリアル・タイム・データを直接受け取り、ポンプの流量を変えて、注入の所望の治療液流量プロフィールを達成するために、ポンプ250に制御信号を提供する。いくつかの実装形態では、フロー・センサは、流体フローによって引き起こされた誘電性の変化に基づいてフローを測定する電気容量センサを含む。いくつかの実装形態では、測定値をポンプに提供し、ポンプが目標ポンプ状態を達成するために調節を評価及び適用できるようにすることが望ましくなり得る。
【0062】
フロー・センサを有することは、統合フロー・ストップ・システム202のハウジング450内に含まれるクローズ・ループ・フロー制御回路に、リアル・タイムに測定されたデータを提供し、未加工流量データをポンプに転送する必要性を最小化するか、場合によっては取り除いて、流量を検出することと、ポンプが流量を受け取ること、計算すること、及び調節することとの間のレイテンシを低減させる。いくつかの実装形態では、統合フロー・ストップ・システム202のハウジング450は、より古い型のポンプであっても、ポンプを取り付けること若しくは改変すること、又は追加のセンサを追加及び調和させることを行う必要がなく、投与セットの制御回路に基づく強化されたフロー制御又は他の流体特性検知を提供することが可能な、新規の制御回路及び/又はファームウェアを含むことができる。いくつかの実装形態では、追加の回路構成要素は、フロー・ストップ・ファームウェアを無線で更新する能力を提供し、その結果、既に現場に導入されているポンプを再構成する必要なく、フロー感度を改善するために、アルゴリズムが強化されることが可能である。いくつかの実装形態では、嵌合接続を有するより古いポンプが、対応する伝導接続(例えば、電気伝導接続及びデータ伝導要素)を有するフロー・ストップと接続することができる。
【0063】
いくつかの実装形態では、測定流量又は他の流体特性データは、投与セットに格納される。いくつかの実装形態では、測定流量又は他の流体特性データは、システムに(例えば、ポンプに、又は(例えば、病院システムにおける)サーバ・システムに)格納される。
【0064】
ポンプは、異なる流体タイプの流量値を含む。投与セットのすぐ上の閉ループにおける流量を測定して流量を制御することによって、より高い精度が達成される。より高い精度は、患者に注入される予定の治療液の量のより良い予測を可能にする。システム250は、統制されないフロー(例えば、注入過剰、注入不足)のリスクを検出し、任意の注入量誤差を、先を見越して補正する。
【0065】
図5Aは、主題の技術の態様による、輸液デバイスに取り付けられた実例のセンサ・システムを描写する。制御モジュール14(例えば、ポンプ250)への電気又はデータ接続を確立する統合フロー・ストップ・システム202の代わりに、センサ・ウェッジ500は、統合フロー・ストップ・システム(図2図4Dに記載のフロー・ストップ・システム202と同様のもの)を介して1つ又は複数の流体を患者に注入する1つ又は複数の別個の投与セット(例えば、508、510)を連結するための1つ又は複数のセンサ・プラグイン502を有する。いくつかの実装形態では、様々なフロー・フィーチャが、1つ又は複数のセンサ・プラグイン502に統合されることが可能である。いくつかの実装形態では、センサ・フィーチャがウェッジ(図5B及び図5Cに示されているようなもの)に差し込まれるか、又は、ウェッジ(図5D及び図5Eに示されているようなもの)に含まれる(例えば、付けられる)。センサ・フィーチャがセンサ500に含まれるとき、投与セット(例えば、508、510)は、(例えば、流体との直接接触のない、チューブを通じた)非接触検知のためにセンサ・プラグイン502に搭載されることが可能である。
【0066】
いくつかの実装形態では、モジュール504及び506は、大容量ポンプ(LVP)、シリンジ・ポンプ、又は呼気終末CO2モニタ(EtCO2)などの、異なるポンプを含むことができる。いくつかの実装形態では、センサ・プラグインは、投与セットと連結することも投与セットに統合されることもなく、投与セットの外部でクランプされ得る。このようにして、センサ・プラグインは、複数の注入のために再使用され得る。いくつかの実装形態では、センサ・プラグインは、投与セットに統合され、センサ・ウェッジと接続するための1つ又は複数の伝導連結要素を含む。
【0067】
制御モジュール14は、ユーザ・インターフェース・デバイス54を含むことができる。センサ・ウェッジ500は、IUIコネクタ266(図2に示されたもの)を介して検知能力を提供するために、ポンプに取り付けられることが可能である。データ及び電力は、IUIコネクタ266を介して転送され得る。センサ・ウェッジは、マイクロプロセッサ、メモリ、電力貯蔵、アンテナ、センサなど、フロー・ストップと同様の回路構成要素を含むことができる。センサ・プラグインは、センサ・ウェッジ500に測定値を提供することができる。論じられたように、センサ・ウェッジは、ポンプを調節するために、測定値を処理して制御メッセージを提供することができる。いくつかの実装形態では、センサ・ウェッジは、センサ示度をポンプに転送し、ポンプが正規の制御を評価することを可能にし得る。いくつかの実装形態では、センサ・ウェッジは、下部の適合具ではなく、上段部のチューブ適合具上にフロー・センサ及び制御回路を置くことを可能にする。
【0068】
図5Bは、主題の技術の態様による、フロー・センサを受け入れるためのポートを有するデバイスを含む実例のセンサ・システムを描写する。図5Bは、ウェッジ・センサ520の1つの側面の図を示す。ウェッジ・センサ520は、ハウジング522を有する。いくつかの実装形態では、ハウジング522は、第1の主要表面524、及び第1の主要表面524に平行な第2の主要表面(図5Bに図示せず)を有する。ウェッジ・センサ520のプロセッサは、ハウジング522の内部にある。ストレージ・メモリも、ハウジング522の内部にある。
【0069】
ウェッジ・センサ520は、ハウジング522の第1の表面524にマウントされた接続要素528を含む。いくつかの実装形態では、接続要素528は、ポンプ・モジュール又は患者ケア・ユニット(PCU)のIUIコネクタと嵌合するように構成されたユニット間インターフェース・コネクタである。接続要素528は、ウェッジ・センサ520からポンプ・モジュール又はPCUにデータを転送するためのデータ伝導要素を含む。また、接続要素528は、電力を転送するための電気伝導要素を含む。いくつかの実装形態では、接続要素528は、輸液デバイスから電力を受け取り、データは、センサ・システムと輸液デバイスとの間で転送される。いくつかの実装形態では、接続要素528は、輸液デバイスの対応するインターフェース・コネクタに取り付けるためのマウント要素を含む。いくつかの実装形態では、輸液デバイスは、所定の長さを有し、ハウジング522の第1の表面524は、第1の電子フロー・センサが第1の表面524から輸液デバイスの下又は上に拡張できるような、所定の長さを超える長さを有する。
【0070】
いくつかの実装形態では、ユニット間インターフェース・コネクタ528は、第1の輸液デバイスの対応するインターフェース・コネクタに取り付けるためのマウント要素を含み、第2のユニット間インターフェース・コネクタ534は、第2の輸液デバイスの対応するインターフェース・コネクタに取り付けるための第2のマウント要素を含む。いくつかの実装形態では、電力が、第1の輸液デバイスから受け取られ、データが、センサ・システムと第1の輸液デバイスとの間で転送される。いくつかの実装形態では、第2のユニット間インターフェース・コネクタ534によって受け取られた電力は、ユニット間インターフェース・コネクタ528によって受け取られた電力の少なくとも一部分を含み、第2の輸液デバイスに伝送される。第2のユニット間インターフェース・コネクタ534によって受け取られたデータは、センサ・システムと第1の輸液デバイスとの間で転送されたデータの少なくとも一部分を含み、センサ・システムと第2の輸液デバイスとの間で転送される。
【0071】
ウェッジ・センサ520は、第1の主要表面524上に、フロー・センサを受け入れるための電子フロー・センサ・ポート526を含む。いくつかの実装形態では、ポート522は、図5Bに示されているように、3本のピンを含む。いくつかの実装形態では、フロー・センサの電力及びデータ能力に応じて、より多くの又はより少ないピンがあってもよい。ポート526は、ポート526に連結された第1の流体ラインの第1の電子フロー・センサから(例えば、投与セットから)フロー情報を受け取るように構成される。データ伝導要素、電気伝導要素、及び電子フロー・センサ・ポートは、プロセッサと連結される。
【0072】
第2の接続要素534(図5Cに示されたもの)は、ハウジングの第2の表面522にマウントされる。いくつかの実装形態では、第2の接続要素は、第1の主要表面524にマウントされた接続要素と同様であり、ポンプ・モジュール又はPCUのIUIコネクタと嵌合するように構成され、ウェッジ・センサ520からポンプ・モジュール又はPCUに第2のデータを転送するための第2のデータ伝導要素を含み、電力を転送するための第2の電気伝導要素を含む。
【0073】
第2の電子フロー・センサ・ポート536(図5Cに示されたもの)も、第2の主要表面にマウントされる。いくつかの実装形態では、第2の電子フロー・センサ・ポートは、第1の主要表面524にマウントされた電子フロー・センサ・ポート526と同様のものであり、第2の電子フロー・センサ・ポートに連結された第2の流体ラインの第2の電子フロー・センサから(例えば、投与セットから)フロー情報を受け取るように構成される。第2のデータ伝導要素、第2の電気伝導要素、及び第2の電子フロー・センサ・ポートも、プロセッサと連結される。
【0074】
いくつかの実装形態では、ハウジング522の第1の部分530は、ポンプ・モジュールの高さに対応する高さxを有する。ハウジング522の第2の部分532は、ポート526を含み、高さnを有する。いくつかの実装形態では、第1の部分530の高さと第2の部分532の高さの合計は、ポンプ・モジュールの高さを超え、センサにゆとりをもたらす。
【0075】
図5Cは、主題の技術の態様による、2つ以上のセンサ及び2つ以上のポンプ・モジュールを連結するように構成された実例のセンサ・システムを描写する。図5Cは、ウェッジ・センサ520のマイクロプロセッサと様々なコネクタ及びポートとの間の連結を示す。いくつかの実装形態では、第1のIUIコネクタ528及び第1の電子フロー・センサ・ポート526は、その両方が、ハウジング522の第1の主要表面524にマウントされ、マイクロプロセッサに連結される。また、ウェッジ・センサ520のマイクロプロセッサは、第2のIUIコネクタ534及び第2の電子フロー・センサ・ポート536に連結され、その両方が、ハウジング522の第2の主要表面にマウントされる。また、ストレージ・メモリ又は他のメモリが、マイクロプロセッサに連結される。言い換えれば、ウェッジ・センサ520は、2つのセンサ・ポート(ウェッジ・センサ520の各側面に1つ)を含み、2つのPCU(ウェッジの各側面に1つ)に連結されるように構成される。
【0076】
図5Dは、主題の技術の態様による、実例のセンサ・システムを描写する。図5Dは、ウェッジ・センサ540の1つの側面の図を示す。ウェッジ・センサ540は、ハウジング542を有する。いくつかの実装形態では、ハウジング542は、第1の主要表面544、及び第1の主要表面544に平行な第2の主要表面(図5Dに図示せず)を有する。ウェッジ・センサ540のプロセッサは、ハウジング542の内部にある。ストレージ・メモリも、ハウジング542の内部にある。
【0077】
ウェッジ・センサ540は、ハウジング542の第1の表面544にマウントされた接続要素548を含む。いくつかの実装形態では、接続要素548は、輸液デバイス(例えば、ポンプ・モジュール又はPCU)のIUIコネクタと嵌合するように構成されたIUIコネクタである。接続要素548は、ウェッジ・センサ540からポンプ・モジュール又はPCUにデータを転送するためのデータ伝導要素を含む。また、接続要素548は、電力を転送するための電気伝導要素を含む。いくつかの実装形態では、接続要素548は、輸液デバイスから電力を受け取り、データは、センサ・システムと輸液デバイスとの間で転送される。いくつかの実装形態では、接続要素548は、輸液デバイスの対応するインターフェース・コネクタに取り付けるためのマウント要素を含む。いくつかの実装形態では、輸液デバイスは所定の長さを有し、ハウジング542の第1の表面544は、第1の電子フロー・センサが第1の表面544から輸液デバイスの下又は上に拡張できるような、所定の長さを超える長さを有する。
【0078】
いくつかの実装形態では、ユニット間インターフェース・コネクタ548は、第1の輸液デバイスの対応するインターフェース・コネクタに取り付けるためのマウント要素を含み、第2のユニット間インターフェース・コネクタ554は、第2の輸液デバイスの対応するインターフェース・コネクタに取り付けるための第2のマウント要素を含む。いくつかの実装形態では、電力が、第1の輸液デバイスから受け取られ、データが、センサ・システムと第1の輸液デバイスとの間で転送される。いくつかの実装形態では、第2のユニット間インターフェース・コネクタ554によって受け取られた電力は、ユニット間インターフェース・コネクタ548によって受け取られた電力の少なくとも一部分を含み、第2の輸液デバイスに伝送される。第2のユニット間インターフェース・コネクタ554によって受け取られたデータは、センサ・システムと第1の輸液デバイスとの間で転送されたデータの少なくとも一部分を含み、センサ・システムと第2の輸液デバイスとの間で転送される。
【0079】
第1の主要表面544付けられた電子フロー・センサ546は、これに連結された第1の流体ラインのフロー情報を測定するように構成される。データ伝導要素、電気伝導要素、及び第1の電子フロー・センサは、プロセッサと連結される。
【0080】
第2の接続要素554(図5Eに示されたもの)は、ハウジング552の第2の表面にマウントされる。いくつかの実装形態では、第2の接続要素は、第1の主要表面554にマウントされた接続要素と同様であり、ポンプ・モジュール又はPCUのIUIコネクタと嵌合するように構成され、ウェッジ・センサ550からポンプ・モジュール又はPCUに第2のデータを転送するための第2のデータ伝導要素を含み、電力を転送するための第2の電気伝導要素を含む。
【0081】
第2の表面に付けられた第2の電子フロー・センサ556(図5Eに示されたもの)は、これに連結された第2の流体ラインのフロー情報を測定するように構成される。第2のデータ伝導要素、第2の電気伝導要素、及び第2の電子フロー・センサ・ポートも、プロセッサと連結される。
【0082】
図5Eは、主題の技術の態様による、2つ以上のポンプ・モジュールを連結するように構成された実例のセンサ・システムを描写する。図5Eは、ウェッジ・センサ540のマイクロプロセッサと様々なコネクタ及びポートとの間の連結を示す。いくつかの実装形態では、第1のIUIコネクタ548及び第1の電子フロー・センサ546は、その両方が、ハウジング542の第1の主要表面544にマウントされ、マイクロプロセッサに連結される。また、ウェッジ・センサ540のマイクロプロセッサは、第2のIUIコネクタ554(ハウジング542の第2の主要表面にマウントされたもの)、及び第2の電子フロー・センサ556に連結される。また、ストレージ・メモリ又は他のメモリが、マイクロプロセッサに連結される。言い換えれば、ウェッジ・センサ540は、2つのセンサ(ウェッジ・センサ540の各側面に1つ)を含み、2つのPCU(ウェッジの各側面に1つ)に連結されるように構成される。
【0083】
1つの態様では、統合静脈内(IV)投与セットは、チューブ適合具及びハウジングを有するフロー・ストップであって、第1の位置においてチューブを通じた流体のフローを防ぐこと、及び第2の位置においてチューブを通じた流体のフローを可能にすることを行うように構成され、チューブ適合具が、チューブを受け入れるように構成された突出部を有する、フロー・ストップを含む。また、IV投与セットは、ハウジング内に配置された電子フロー・センサであって、チューブ内の流体のフローを測定するように構成された、電子フロー・センサと、ハウジング内に構成され、電子フロー・センサに電力を提供するように構成された1つ又は複数の伝導接続とを含む。フロー・ストップは、輸液デバイスのレセプタクルに搭載及び係合されるように形作られ、搭載及び係合されたとき、輸液デバイスからの電力フロー(電力潮流)に基づいて電子フロー・センサを活性化させる(稼働させる)ために、1つ又は複数の伝導接続が、輸液デバイスによって提供された対応する伝導接続と係合するように形作られる。
【0084】
いくつかの実装形態では、統合静脈内(IV)投与セットは、輸液デバイスのポンプ・メカニズムによって生成された流量を修正するために輸液デバイスに制御信号を送るように構成された制御回路をさらに含む。いくつかの実装形態では、電子フロー・センサは、データ通信構成要素をさらに含む。1つ又は複数の伝導接続が、ハウジングの外部に配置され、輸液デバイスは、対応する1つ又は複数の伝導接続で構成され、その結果、統合IV投与セットの使用中、1つ又は複数の伝導接続が、対応する1つ又は複数の伝導接続と電気接触しており、電子フロー・センサが、データ通信構成要素を使用して輸液デバイスにデータを伝送するために電気通信している。
【0085】
いくつかの実装形態では、ハウジングは、凹部を含み、1つ又は複数の伝導接続が、凹部内に垂直に並べられる。いくつかの実装形態では、1つ又は複数の伝導接続は、ばね式ポゴ・ピン・コネクタを含む。いくつかの実装形態では、1つ又は複数の伝導接続は、弾性プラスチック導体材料を含む。いくつかの実装形態では、チューブ適合具は、輸液デバイスのハウジングの中に成形されたフィーチャに相補的な形状を有し、その結果、統合IV投与セットが輸液デバイスに搭載及び係合されたとき、チューブ適合具は、輸液デバイスに対してフロー・ストップを配列させるように構成される。
【0086】
いくつかの実装形態では、統合IV投与セットは、ワイヤレス通信モジュールをさらに含む。いくつかの実装形態では、統合IV投与セットは、電子フロー・センサによって測定されたデータを、輸液デバイスの動作を監視するサーバ・システムにワイヤレスでアップロードするように構成される。
【0087】
いくつかの実装形態では、統合IV投与セットは、電子フロー・センサによって測定されたデータを輸液デバイスにワイヤレスで転送するように構成される。
【0088】
いくつかの実装形態では、1つ又は複数の伝導接続は、輸液デバイスから電子フロー・センサへのワイヤレス電力転送のために構成された誘導連結構成要素を含む。
【0089】
いくつかの実装形態では、統合IV投与セットは、統合IV投与セットの識別情報を格納する不揮発性メモリ構成要素をさらに含む。いくつかの実装形態では、不揮発性メモリ構成要素は、統合IV投与セットの製造日についての情報を格納し、輸液デバイスは、注入プロセスを始める前に、統合IV投与セットの識別情報及び製造日をチェックするように構成される。
【0090】
いくつかの実装形態では、不揮発性メモリ構成要素は、輸液デバイスに伝送される情報を格納し、情報は、統合IV投与セットがどれだけ長く使用されてきたかを示す。
【0091】
いくつかの実装形態では、フロー・ストップは、チューブ適合具にマウントされ直角に位置づけられたスライダ構成要素を含む。スライダ構成要素は、チューブ適合具に対してスライドし、IV投与セットが輸液デバイスから取り去られたときのチューブ内の流体のフローを防ぐため、並びにIV投与セットが輸液デバイスに搭載及び係合されたときのチューブ内の流体のフローを可能にするために、チューブ適合具に接続されたチューブを係合させるように構成される。
【0092】
いくつかの実装形態では、チューブ適合具及びハウジングは、輸液デバイスの上段部で受け入れられるように構成され、輸液デバイスの上段部は、輸液デバイスのポンプ・メカニズムの上にあり、フロー・ストップは、輸液デバイスの下段部で受け入れられるように構成され、輸液デバイスの下段部は、輸液デバイスのポンプ・メカニズムの下にある。
【0093】
いくつかの実装形態では、フロー・センサは、統合IV投与セットが所定の期間使用された後、輸液デバイスに制御信号を送るように構成される。
【0094】
いくつかの実装形態では、IV投与セットは、統合IV投与セットが1つ又は複数の伝導接続を通じて輸液デバイスから電力を受け取る時間の長さに基づいて、統合IV投与セットが使用されてきた期間を決定するように構成されたプロセッサをさらに含む。
【0095】
別の態様では、センサ・システムは、第1の複数の伝導接続、統合静脈内(IV)投与セットの電子フロー・センサによって記録されたデータを受け取るためのデータ・ポートを含み、統合IV投与セットは、統合IV投与セットがセンサ・システムと係合したとき、第1の複数の伝導接続とインターフェースするように構成された第2の複数の伝導接続を含み、センサ・システムは、所望の流量で統合IV投与セットを通じて流体が流れるのを維持するために、電子フロー・センサによって記録されたデータに基づいて、輸液デバイスに制御信号を提供するように構成される。
【0096】
また、上述のフィーチャ及びアプリケーションの多くが、コンピュータ可読ストレージ媒体(コンピュータ可読媒体とも呼ばれる)に記録された命令のセットとして指定されたソフトウェア・プロセスとして実行されてもよく、自動的に(例えば、ユーザ介入なく)実行されてもよい。1つ又は複数の処理ユニット(例えば、1つ又は複数のプロセッサ、プロセッサのコア、又は他の処理ユニット)によってこれらの命令が実行されるとき、これらの命令は、命令で示されたアクションを処理ユニットに実施させる。コンピュータ可読媒体の実例は、CD-ROM、フラッシュ・ドライブ、RAMチップ、ハード・ドライブ、EPROMなどを含むがこれらに限定されない。コンピュータ可読媒体は、ワイヤレスに又は有線接続を介して伝えられる搬送波及び電子信号を含まない。
【0097】
「ソフトウェア」という用語は、適切な場合、リード・オンリ・メモリに常駐するファームウェア又は磁気ストレージに格納されたアプリケーションを含むことが意図され、プロセッサで処理するためにメモリに読み込まれることが可能である。また、いくつかの実装形態では、主題の開示の複数のソフトウェアの態様は、主題の開示の別個のソフトウェアの態様のままでありつつ、より大きいプログラムの下位部分として実施されることが可能である。いくつかの実装形態では、複数のソフトウェアの態様は、また、別個のプログラムとして実施されることが可能である。最終的に、ここで説明されるソフトウェアの態様を一緒に実施する別個のプログラムの任意の組合せは、主題の開示の範囲内である。いくつかの実装形態では、ソフトウェア・プログラムは、1つ又は複数の電子システム上で動作させるためにインストールされたとき、ソフトウェア・プログラムの動作を実行及び実施する1つ又は複数の固有の機械の実装形態を規定する。
【0098】
コンピュータ・プログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェア・アプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られる)は、コンパイル型又はインタープリタ型言語、宣言型又は手続き型言語を含むプログラミング言語の任意の形式で書かれることが可能であり、スタンドアロン・プログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、オブジェクト、若しくは、コンピューティング環境での使用に適した他のユニットとして含む任意の形式で導入されることが可能である。コンピュータ・プログラムは、ファイル・システムにおけるファイルに対応し得るが、その必要はない。プログラムは、当該のプログラムに専用の単一のファイルにおける、又は複数の調整されたファイル(例えば、1つ若しくは複数のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの一部分を格納するファイル)における、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ・ランゲージ・ドキュメントに格納された1つ又は複数のスクリプト)を保持するファイルの一部分に格納されることが可能である。コンピュータ・プログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに置かれた若しくは複数のサイトにまたがって分散された及び通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で、実行されるように導入されることが可能である。
【0099】
図6は、主題の技術の態様による、注入プロセスにおける液体フローを検知及び制御するための実例の電子システム600を示す概念図である。電子システム600は、プロセス600の1つ若しくは複数の部分若しくはステップ、又は、情報システム・サーバ30、若しくは患者ケア・デバイス12内のコンピューティング・ハードウェアを含むがこれらに限定されない図1図6によって提供された構成要素及びプロセスに関連付けられたソフトウェアの実行のためのコンピューティング・デバイスでよい。電子システム600は、図1図6に関する開示と組み合わせて表されるものでよい。この点に関して、電子システム600は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップ、PDA、拡張現実デバイス、腕時計若しくはバンド若しくは眼鏡などのウェアラブル、又はその組合せなどのパーソナル・コンピュータ又はモバイル・デバイス、或いは、埋め込まれた又は連結された1つ又は複数のプロセッサを有する他のタッチ・スクリーン又はテレビ、或いは、ネットワーク接続を有するコンピュータ関連電子デバイスの任意の他の種類でよい。
【0100】
電子システム600は、様々なタイプのコンピュータ可読媒体、及び様々な他のタイプのコンピュータ可読媒体のためのインターフェースを含むことができる。描写の実例では、電子システム600は、バス608、処理ユニット612、システム・メモリ604、リード・オンリ・メモリ(ROM)610、永久ストレージ・デバイス602、入力デバイス・インターフェース614、出力デバイス・インターフェース606、及び1つ又は複数のネットワーク・インターフェース616を含む。いくつかの実装形態では、電子システム600は、前述の様々な構成要素及びプロセスの動作のための他のコンピューティング・デバイス又は回路構成要素を含むか、これに統合されてもよい。
【0101】
バス608は、電子システム600の非常に多くの内部デバイスを通信接続する全てのシステム、周辺、及びチップセット・バスをまとめて表す。例えば、バス608は、処理ユニット612を、ROM610、システム・メモリ604、及び永久ストレージ・デバイス602と通信接続する。
【0102】
これらの様々なメモリ・ユニットから、処理ユニット612は、主題の開示のプロセスを実行するために、実行するための命令及び処理するためのデータを取り出す。処理ユニットは、異なる実装形態では、シングル・プロセッサ又はマルチコア・プロセッサであることが可能である。
【0103】
ROM610は、処理ユニット612、及び電子システムの他のモジュールによって必要とされる、静的データ及び命令を格納する。その一方で、永久ストレージ・デバイス602は、読み書きメモリ・デバイスである。このデバイスは、電子システム600が停止しているときでも命令及びデータを格納する不揮発性メモリ・ユニットである。主題の開示のいくつかの実装形態は、永久ストレージ・デバイス602として、マス・ストレージ・デバイス(磁気又は光ディスク及びその対応するディスク・ドライブなど)を使用する。
【0104】
他の実装形態は、永久ストレージ・デバイス602として、取外し可能ストレージ・デバイス(フロッピー(登録商標)・ディスク、フラッシュ・ドライブ、及びその対応するディスク・ドライブなど)を使用する。永久ストレージ・デバイス602と同じように、システム・メモリ604は、読み書きメモリ・デバイスである。それでも、ストレージ・デバイス602と違って、システム・メモリ604は、ランダム・アクセス・メモリなどの、揮発性読み書きメモリである。システム・メモリ604は、プロセッサが実行時に必要とする命令及びデータのうちのいくつかを格納する。いくつかの実装形態では、主題の開示のプロセスは、システム・メモリ604、永久ストレージ・デバイス602、及び/又はROM610に格納される。これらの様々なメモリ・ユニットから、処理ユニット612は、いくつかの実装形態のプロセスを実行するために、実行するための命令及び処理するためのデータを取り出す。
【0105】
また、バス608は、入力及び出力デバイス・インターフェース614及び606に接続する。入力デバイス・インターフェース614は、ユーザが情報を伝達すること、及び電子システムへのコマンドを選択することを可能にする。入力デバイス・インターフェース614と共に使用される入力デバイスは、例えば、英数字キーボード及びポインティング・デバイス(「カーソル制御デバイス」とも呼ばれる)を含む。出力デバイス・インターフェース606は、例えば、電子システム600によって生成された画像の表示を可能にする。出力デバイス・インターフェース606と共に使用される出力デバイスは、例えば、陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)などのプリンタ及び表示デバイスを含む。いくつかの実装形態は、入力と出力両方のデバイスとして機能するタッチ・スクリーンなどのデバイスを含む。
【0106】
また、図6に示されているように、バス608は、また、ネットワーク・インターフェース616を通じてネットワーク(図示せず)に電子システム600を連結する。ネットワーク・インターフェース616は、例えば、ワイヤレス・アクセス・ポイント(例えば、Bluetooth若しくはWiFi)、又はワイヤレス・アクセス・ポイントに接続するための無線回路構成要素を含むことができる。また、ネットワーク・インターフェース616は、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」:local area network)、ワイド・エリア・ネットワーク(「WAN」)、ワイヤレスLAN、若しくはイントラネット、又はインターネットなどのネットワークのネットワークなどの、コンピュータのネットワークの一部にコンピュータを接続するためのハードウェア(例えば、イーサネット(登録商標)・ハードウェア)を含むことができる。電子システム600の任意の又は全ての構成要素は、主題の開示と共に使用されることが可能である。
【0107】
上述のこれらの機能は、コンピュータ・ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアで実施されることが可能である。技法は、1つ又は複数のコンピュータ・プログラム製品を使用して実施されることが可能である。プログラム可能プロセッサ及びコンピュータは、モバイル・デバイスに含まれるか、モバイル・デバイスとしてパッケージ化されることが可能である。プロセス及び論理フローは、1つ又は複数のプログラム可能プロセッサによって、及び1つ又は複数のプログラム可能論理回路構成要素によって、実施されることが可能である。汎用及び専用コンピューティング・デバイス及びストレージ・デバイスが、通信ネットワークを通じて相互接続されることが可能である。
【0108】
いくつかの実装形態は、機械可読又はコンピュータ可読媒体(コンピュータ可読ストレージ媒体、機械可読媒体、又は機械可読ストレージ媒体とも呼ばれる)にコンピュータ・プログラム命令を格納する、マイクロプロセッサ、ストレージ及びメモリなどの、電子構成要素を含む。このようなコンピュータ可読媒体のいくつかの実例は、RAM、ROM、リード・オンリ・コンパクト・ディスク(CD-ROM)、書込み可能コンパクト・ディスク(CD-R)、書換え可能コンパクト・ディスク(CD-RW)、リード・オンリ・デジタル・バーサタイル・ディスク(例えば、DVD-ROM、2層DVD-ROM)、様々な記録可能/書換え可能DVD(例えば、DVD-RAM、DVD-RW、DVD+RWなど)、フラッシュ・メモリ(例えば、SDカード、ミニSDカード、マイクロSDカードなど)、磁気及び/又はソリッド・ステート・ハード・ドライブ、リード・オンリ及び記録可能ブルーレイ(R)ディスク、超高密度光ディスク、任意の他の光又は磁気媒体、並びにフロッピー(登録商標)・ディスクを含む。コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つの処理ユニットによって実行可能な、及び様々な動作を実施するための命令のセットを含んだ、コンピュータ・プログラムを格納することができる。コンピュータ・プログラム又はコンピュータ・コードの実例は、コンパイラによって生成されるものなどの機械語、及びインタープリタを使用してコンピュータ、電子構成要素、又はマイクロプロセッサによって実行されるより高水準のコードを含むファイルを含む。
【0109】
上記の議論は、主に、ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ又はマルチコア・プロセッサに言及しているが、いくつかの実装形態は、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などの、1つ又は複数の集積回路によって実施される。いくつかの実装形態では、このような集積回路は、回路自体に格納された命令を実行する。
【0110】
本出願の本明細書及びいずれかの請求項において使用されるように、「コンピュータ」、「サーバ」、「プロセッサ」、及び「メモリ」という用語は全て、電子的な又は他の技術的なデバイスを表す。これらの用語は、人々又は人々のグループを除外する。本明細書のために、表示する又は表示することという用語は、電子デバイス上に表示することを意味する。本出願の本明細書及びいずれかの請求項において使用されるように、「コンピュータ可読媒体(computer readable medium)」及び「コンピュータ可読媒体(computer readable media)」という用語は、コンピュータが読込み可能な形式で情報を格納する有形の物理オブジェクトに完全に制約される。これらの用語は、任意のワイヤレス信号、有線のダウンロード信号、及び任意の他の一過性の信号を除外する。
【0111】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載の主題の実装形態は、ユーザに情報を表示するための、例えばCRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタなどの、表示デバイスと、ユーザがコンピュータへの入力を行える、例えばマウス又はトラック・ボールなどの、キーボード及びポインティング・デバイスとを有するコンピュータ上で実施されることが可能である。同様にユーザとの対話を提供するために他の種類のデバイスを使用することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚のフィードバック、聴覚のフィードバック、又は触覚のフィードバックなど、感覚のフィードバックのいずれかの形式であることが可能であり、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形式で受け取られることが可能である。追加として、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスに文書を送ること、及びデバイスから文書を受け取ることによって、例えば、ウェブ・ブラウザから受け取られたリクエストに応答して、ユーザのクライアント・デバイスのウェブ・ブラウザにウェブ・ページを送ることによって、ユーザと対話することができる。
【0112】
本明細書に記載の主題の実装形態は、例えばデータ・サーバのようなバック・エンド構成要素を含む、又は、例えばアプリケーション・サーバなどのミドルウェア構成要素を含む、又は、例えばグラフィカル・ユーザ・インターフェース若しくはウェブ・ブラウザを有するクライアント・コンピュータなどのフロント・エンド構成要素(これらを通じてユーザは本明細書に記載の主題の実装形態と対話することができる)を含む、コンピューティング・システム、或いは、1つ又は複数のこのようなバック・エンド、ミドルウェア、又はフロント・エンド構成要素の任意の組合せにおいて、実施されることが可能である。システムの構成要素は、例えば通信ネットワークなどの、デジタル・データ通信の任意の形式又は媒体によって相互接続されることが可能である。通信ネットワークの実例は、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)及びワイド・エリア・ネットワーク(「WAN」)、相互ネットワーク(例えば、インターネット)、並びにピアツーピア・ネットワーク(例えば、アドホック・ピアツーピア・ネットワーク)を含む。
【0113】
コンピューティング・システムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般に互いに離れており、通信ネットワークを通じて対話することができる。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で動き、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータ・プログラムによって生じる。いくつかの実装形態では、サーバは、(例えば、クライアント・デバイスと対話してユーザにデータを表示するため、及びユーザからユーザ入力を受け取るために)クライアント・デバイスにデータ(例えば、HTMLページ)を伝送する。クライアント・デバイスで生成されたデータ(例えば、ユーザ対話の結果)は、サーバにおいて、クライアント・デバイスから受け取られることが可能である。
【0114】
本明細書で使用されるように、「ユーザ・インターフェース」(双方向ユーザ・インターフェース、グラフィカル・ユーザ・インターフェース、又はUIとも呼ばれる)は、入力信号を受け取ること若しくは電子情報を提供することを行うために、及び/又は任意の受け取った入力信号に応答してユーザに情報を提供するために、データ・フィールド及び/又は他の制御要素を含むネットワーク・ベースのインターフェースを表すことができる。制御要素は、ダイヤル、ボタン、アイコン、選択可能エリア、又は、UIを介して提示される他の知覚可能なしるしを含むことができ、UIは、対話(例えば、クリック、タッチ、選択など)が行われたとき、UIを提示するデバイスのためにデータ交換を開始する。UIは、ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ(HTML)、フラッシュ(TM)、JAVA(登録商標)(TM)、.NET(TM)、C、C++、ウェブ・サービス、又はリッチ・サイト・サマリ(RSS)などの技術を使用して全体的又は部分的に実装され得る。いくつかの実装形態では、UIは、記載の態様のうちの1つ又は複数に従って通信する(例えば、データを送る又は受け取る)ように構成されたスタンドアロン・クライアント(例えば、シック・クライアント、ファット・クライアント)に含まれ得る。通信は、通信中の医療デバイス又はサーバとの間を行き来するものでよい。
【0115】
本明細書で使用されるように、「決定する」又は「決定すること」という用語は、多種多様な行為を包含する。例えば、「決定すること」は、ユーザ介入なしに、ハードウェア要素を介して、計算すること、コンピュータ計算すること、処理すること、導出すること、生成すること、取得すること、調べること(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造体を調べること)、確かめること、及び同様のものを含むことができる。また、「決定すること」は、ユーザ介入なしに、ハードウェア要素を介して、受け取ること(例えば、情報を受け取ること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)、及び同様のものを含むことができる。「決定すること」は、ユーザ介入なしに、ハードウェア要素を介して、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立すること、及び同様のものを含むことができる。
【0116】
本明細書で使用されるように、「提供する」又は「提供すること」という用語は、多種多様な行為を包含する。例えば、「提供すること」は、その後の取り出しのためにストレージ・デバイスの1つの位置に値を格納すること、少なくとも1つの有線又はワイヤレス通信媒体を介して受け手に値を直接伝送すること、値への参照を伝送又は格納すること、及び同様のものを含むことができる。また、「提供すること」は、ハードウェア要素を介して、エンコード、デコード、暗号化、復号、有効化、検証、及び同様のものを行うことを含むことができる。
【0117】
本明細書で使用されるように、「メッセージ」という用語は、情報を伝達するため(例えば、伝送又は受け取るため)の多種多様なフォーマットを包含する。メッセージは、XML文書、固定フィールド・メッセージ、カンマ区切りメッセージ、JSON、カスタム・プロトコル、又は同様のものなどの情報の機械可読集合体を含むことができる。メッセージは、いくつかの実装形態では、情報の1つ又は複数の表現を伝送するために利用される信号を含むことができる。単数形で説明されているが、メッセージは、複数の部分で、構成される、伝送される、格納される、受け取られるなどでよいことが理解されよう。
【0118】
任意の実装形態では、生成又は検出されたデータは、「リモート」のデバイス又は場所に転送されることが可能であり、この場合、「リモート」は、プログラムが実行される場所又はデバイス以外の、場所又はデバイスを意味する。例えば、リモートの場所は、同じ都市の別の場所(例えば、オフィス、検査室など)、異なる都市の別の場所、異なる州の別の場所、異なる国の別の場所などであることが可能である。したがって、1つのアイテムが別のアイテムから「リモート」であると示されるとき、意味されることは、2つのアイテムが、同じ部屋にあるが分離されていること、又は少なくとも異なる部屋若しくは異なるビルにあることが可能であり、少なくとも1.6キロメートル(1マイル)、16キロメートル(10マイル)、又は少なくとも160キロメートル(100マイル)離れていることが可能である、ということである。情報を「通信すること」は、適切な通信チャネル(例えば、プライベート又はパブリック・ネットワーク)を介して電気信号としてこの情報を表すデータを伝送することに言及する。アイテムを「転送すること」は、(可能な場合)このアイテム又はその他を物理的に輸送することによって、1つの場所から次の場所にこのアイテムを運ぶ任意の手段を指し、少なくともデータのケースでは、データを搬送する又はデータを通信する媒体を、物理的に輸送することを含む。通信媒体の実例は、無線若しくは赤外線伝送チャネル、並びに、別のコンピュータ若しくはネットワーク化デバイスへのネットワーク接続、及びインターネットを含むか、又は、eメール伝送、及びウェブサイトに記録された情報及び同様のものを含む。
【0119】
本明細書に記載の様々な例証的なブロック、モジュール、要素、構成要素、方法、及びアルゴリズムが、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、又は両方の組合せとして実行され得ることを当業者は認識するはずである。ハードウェアとソフトウェアがこのように入替え可能であることを示すために、様々な例証的なブロック、モジュール、要素、構成要素、方法、及びアルゴリズムが。その機能の観点から全体的に上記で説明されてきた。このような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課される特定のアプリケーション及び設計制約によって決まる。説明された機能は、各特定のアプリケーションのために様々なやり方で実施され得る。様々な構成要素及びブロックが、主題の技術の範囲から逸脱することなく全てそれぞれに配置され得る(例えば、異なる順序で配置される又は異なるやり方で区画される)。
【0120】
開示のプロセスにおけるステップの固有の順序又は階層は、実例のアプローチの例証であることが理解されている。デザイン嗜好に基づいて、プロセスにおけるステップの固有の順序又は階層が再配置され得ることが理解されている。ステップのうちのいくつかは、同時に実施されてもよい。添付の方法の請求項は、サンプリング順に様々なステップの要素を提示し、提示された固有の順序又は階層に限定されることを意図しない。
【0121】
節としての主題の技術の例証
【0122】
本開示の態様の様々な実例は、便宜上、番号付きの節(1、2、3など)として記述される。これらは、実例として提供され、主題の技術を限定しない。図及び参照番号の識別は、単に実例として且つ例証のために下記で提供され、節は、これらの識別によって限定されない。
【0123】
節1.統合静脈内(IV)投与セットであって、チューブ適合具及びハウジングを有するフロー・ストップであって、第1の位置においてチューブを通じた流体のフローを防ぐこと、及び第2の位置においてチューブを通じた流体のフローを可能にすることを行うように構成され、チューブ適合具が、チューブを受け入れるように構成された突出部を有する、フロー・ストップと、ハウジング内に配置された電子フロー・センサであって、チューブ内の流体のフローを測定するように構成された、電子フロー・センサと、ハウジング内に構成され、電子フロー・センサに電力を提供するように構成された1つ又は複数の伝導接続とを有し、フロー・ストップが、輸液デバイスのレセプタクルに搭載及び係合されるように形作られ、搭載及び係合されたとき、輸液デバイスからの電力フローに基づいて電子フロー・センサを活性化させるために、1つ又は複数の伝導接続が、輸液デバイスによって提供された対応する伝導接続と係合するように形作られる、統合静脈内(IV)投与セット。
【0124】
節2.輸液デバイスのポンプ・メカニズムによって生成された流量を修正するために輸液デバイスに制御信号を送るように構成された制御回路をさらに有する、節1の統合IV投与セット。
【0125】
節3.電子フロー・センサが、データ通信構成要素をさらに有し、1つ又は複数の伝導接続が、ハウジングの外部に配置され、輸液デバイスが、対応する1つ又は複数の伝導接続で構成され、その結果、統合IV投与セットの使用中、1つ又は複数の伝導接続が、対応する1つ又は複数の伝導接続と電気接触しており、電子フロー・センサが、データ通信構成要素を使用して輸液デバイスにデータを伝送するために電気通信している、節1から2のいずれかに記載の統合IV投与セット。
【0126】
節4.1つ又は複数の伝導接続が、ばね式ポゴ・ピン・コネクタを有する、節3の統合IV投与セット。
【0127】
節5.1つ又は複数の伝導接続が、弾性プラスチック導体材料を有する、節3の統合IV投与セット。
【0128】
節6.チューブ適合具が、輸液デバイスのハウジングの中に成形されたフィーチャに相補的な形状を有し、その結果、統合IV投与セットが輸液デバイスに搭載及び係合されたとき、チューブ適合具が、輸液デバイスに対してフロー・ストップを配列させるように構成される、節3の統合IV投与セット。
【0129】
節7.ワイヤレス通信モジュールをさらに有し、統合IV投与セットが、電子フロー・センサによって測定されたデータを、輸液デバイスの動作を監視するサーバ・システムにワイヤレスでアップロードするように構成される、節1から6のいずれかに記載の統合IV投与セット。
【0130】
節8.ワイヤレス通信モジュールをさらに有し、統合IV投与セットが、電子フロー・センサによって測定されたデータを輸液デバイスにワイヤレスで転送するように構成される、節1から7のいずれかに記載の統合IV投与セット。
【0131】
節9.1つ又は複数の伝導接続が、輸液デバイスから電子フロー・センサへのワイヤレス電力転送のために構成された誘導連結構成要素を有する、節1から8のいずれかに記載の統合IV投与セット。
【0132】
節10.統合IV投与セットの識別情報を格納する不揮発性メモリ構成要素をさらに有する、節1から9のいずれかに記載の統合IV投与セット。
【0133】
節11.不揮発性メモリ構成要素が、輸液デバイスに伝送される情報を格納し、情報が、統合IV投与セットがどれだけ長く使用されてきたかを示す、節10に記載の統合IV投与セット。
【0134】
節12.フロー・ストップが、チューブ適合具にマウントされ直角に位置づけられたスライダ構成要素を有し、スライダ構成要素が、チューブ適合具に対してスライドし、IV投与セットが輸液デバイスから取り去られたときのチューブ内の流体のフローを防ぐため、並びにIV投与セットが輸液デバイスに搭載及び係合されたときのチューブ内の流体のフローを可能にするために、チューブ適合具に接続されたチューブを係合させるように構成される、節1から11のいずれかに記載の統合IV投与セット。
【0135】
節13.チューブ適合具及びハウジングが、輸液デバイスの上段部で受け入れられるように構成され、輸液デバイスの上段部が、輸液デバイスのポンプ・メカニズムの上にあり、フロー・ストップが、輸液デバイスの下段部で受け入れられるように構成され、輸液デバイスの下段部が、輸液デバイスのポンプ・メカニズムの下にある、節1から12のいずれかに記載の統合IV投与セット。
【0136】
節14.電子フロー・センサが、統合IV投与セットが所定の期間使用された後、輸液デバイスに制御信号を送るように構成される、節1から13のいずれかに記載の統合IV投与セット。
【0137】
節15.第1の表面及び第2の表面を有するハウジングと、ハウジング内に配置されたプロセッサとを有し、第1の表面が、ハウジングの第1の表面にマウントされた第1のユニット間インターフェース・コネクタであって、第1のデータを転送するための第1のデータ伝導要素及び第1の電力を転送するための第1の電気伝導要素を含む、第1のユニット間インターフェース・コネクタ、並びに連結された第1の流体ラインのフロー情報を測定するように構成された第1の電子フロー・センサであって、第1のデータ伝導要素、第1の電気伝導要素、及び第1の電子フロー・センサが、プロセッサと連結される、第1の電子フロー・センサを含み、第2の表面が、ハウジングの第2の表面にマウントされた第2のユニット間インターフェース・コネクタであって、第2のデータを転送するための第2のデータ伝導要素及び第2の電力を転送するための第2の電気伝導要素を含む、第2のユニット間インターフェース・コネクタ、並びに連結された第2の流体ラインのフロー情報を測定するように構成された第2の電子フロー・センサであって、第2のデータ伝導要素、第2の電気伝導要素、及び第2の電子フロー・センサが、プロセッサと連結される、第2の電子フロー・センサを含む、センサ・システム。
【0138】
節16.第1のユニット間インターフェース・コネクタが、輸液デバイスの対応するインターフェース・コネクタに取り付けるためのマウント要素を含み、輸液デバイスが、所定の長さを有し、ハウジングの第1の表面が、第1の電子フロー・センサが第1の表面から輸液デバイスの下又は上に拡張できるような、所定の長さを超える長さを有する、節15に記載のセンサ・システム。
【0139】
節17.第1のユニット間インターフェース・コネクタが、輸液デバイスの対応するインターフェース・コネクタに取り付けるためのマウント要素を含み、第1の電力が、輸液デバイスから受け取られ、第1のデータが、センサ・システムと輸液デバイスとの間で転送される、節15及び16のいずれかに記載のセンサ・システム。
【0140】
節18.第1のユニット間インターフェース・コネクタが、第1の輸液デバイスの対応するインターフェース・コネクタに取り付けるためのマウント要素を含み、第2のユニット間インターフェース・コネクタが、第2の輸液デバイスの対応するインターフェース・コネクタに取り付けるための第2のマウント要素を含む、節15及び16のいずれかに記載のセンサ・システム。
【0141】
節19.第1の電力が、第1の輸液デバイスから受け取られ、第1のデータが、センサ・システムと第1の輸液デバイスとの間で転送され、第2の電力が、第1の電力の少なくとも一部分を含み、第2の電力が、第2の輸液デバイスに伝送され、第2のデータが、第1のデータの少なくとも一部分を含み、第2のデータが、センサ・システムと第2の輸液デバイスとの間で転送される、節18に記載のセンサ・システム。
【0142】
節20.第1の表面及び第2の表面を有するハウジングと、ハウジング内に配置されたプロセッサとを有し、第1の表面が、ハウジングの第1の表面にマウントされた第1のユニット間インターフェース・コネクタであって、第1のデータを転送するための第1のデータ伝導要素及び第1の電力を転送するための第1の電気伝導要素を含む、第1のユニット間インターフェース・コネクタ、並びに連結された第1の電子フロー・センサから第1の流体ラインのフロー情報を受け取るように構成された第1の電子フロー・センサ・ポートであって、第1のデータ伝導要素、第1の電気伝導要素、及び第1の電子フロー・センサ・ポートが、プロセッサと連結される、第1の電子フロー・センサ・ポートを含み、第2の表面が、ハウジングの第2の表面にマウントされた第2のユニット間インターフェース・コネクタであって、第2のデータを転送するための第2のデータ伝導要素及び第2の電力を転送するための第2の電気伝導要素を含む、第2のユニット間インターフェース・コネクタ、並びに連結された第2の電子フロー・センサから第2の流体ラインのフロー情報を受け取るように構成された第2の電子フロー・センサ・ポートであって、第2のデータ伝導要素、第2の電気伝導要素、及び第2の電子フロー・センサ・ポートが、プロセッサと連結される、第2の電子フロー・センサ・ポートを含む、センサ・システム。
【0143】
さらなる考慮
【0144】
開示のプロセスにおけるステップの固有の順序又は階層は、実例のアプローチの例証であることが理解されている。デザイン嗜好に基づいて、プロセスにおけるステップの固有の順序又は階層が再配置され得ることが理解されている。ステップのうちのいくつかは、同時に実施されてもよい。添付の方法の請求項は、サンプリング順に様々なステップの要素を提示し、提示された固有の順序又は階層に限定されることを意図しない。
【0145】
前の説明は、本明細書に記載の様々な態様を、どのような当業者でも実践できるようにするために提供される。前の説明は、主題の技術の様々な実例を提供し、主題の技術は、これらの実例に限定されない。これらの態様への様々な修正が、当業者に容易に明らかになり、本明細書で規定される包括的な原理は、他の態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示される態様に限定されることを意図しておらず、言葉の請求項と一致した完全な範囲を与えるためのものであり、単数形での要素への言及は、具体的にそのように述べられない限り「1つ及びただ1つ」を意味することを意図しておらず、むしろ「1つ又は複数」を意味することを意図している。別途具体的に述べられない限り、「いくつか」という用語は、1つ又は複数を指す。男性の代名詞(例えば、彼の)は、女性及び中性の性別(例えば、彼女の及びその)を含み、逆もまた同様である。見出し及び小見出しは、もしあれば、便宜上使用されるにすぎず、本明細書に記載の本発明を限定しない。
【0146】
本明細書で使用されるようなウェブサイトという用語は、1つ又は複数のウェブ・ページ、ウェブ関連コンテンツをホスト又は格納するために使用される1つ又は複数のサーバなどを含む、ウェブサイトのいずれかの態様を含むことができる。したがって、ウェブサイトという用語は、ウェブ・ページ及びサーバという用語と区別なく使用され得る。「ように構成された」、「ように動作可能な」、及び「ようにプログラムされた」という述語は、サブジェクトの任意の特定の有形又は無形の修正を示唆するのではなく、むしろ、区別なく使用されることが意図される。例えば、動作又は構成要素を監視及び制御するように構成されたプロセッサは、また、動作を監視及び制御するようにプログラムされたプロセッサ、又は動作を監視及び制御するように動作可能なプロセッサを意味することができる。同じように、コードを実行するように構成されたプロセッサは、コードを実行するようにプログラムされた又はコードを実行するように動作可能な、プロセッサとして解釈されることが可能である。
【0147】
本明細書で使用されるような、自動的という用語は、例えば、コンピュータ若しくは機械又は他の開始メカニズムによる述語行為に対して応答性のある命令による、ユーザ介入のないコンピュータ又は機械による実行を含むことができる。「実例」という単語は、「実例又は例証として機能すること」を意味するように本明細書で使用される。「実例」として本明細書に記載された任意の態様又はデザインは、他の態様又はデザインより好ましい又は有利なものと必ずしも解釈されるわけではない。
【0148】
「態様」などの句は、このような態様が主題の技術に不可欠であることも、このような態様が主題の技術の全ての構成に適用されることも示唆しない。態様に関する開示は、全ての構成又は1つ若しくは複数の構成に適用することができる。態様は、1つ又は複数の実例を提供することができる。態様などの句は、1つ又は複数の態様を指すことができ、逆もまた同様である。「実装形態」などの句は、このような実装形態が主題の技術に不可欠であることも、このような実装形態が主題の技術の全ての構成に適用されることも示唆しない。実装形態に関する開示は、全ての実装形態又は1つ若しくは複数の実装形態に適用することができる。実装形態は、1つ又は複数の実例を提供することができる。「実装形態」などの句は、1つ又は複数の実装を指すことができ、逆もまた同様である。「構成」などの句は、このような構成が主題の技術に不可欠であることも、このような構成が主題の技術の全ての構成に適用されることも示唆しない。構成に関する開示は、全ての構成又は1つ若しくは複数の構成に適用することができる。構成は、1つ又は複数の実例を提供することができる。「構成」などの句は、1つ又は複数の構成を指すことができ、逆もまた同様である。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6