(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】管腔内装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20241220BHJP
【FI】
A61B8/12
(21)【出願番号】P 2023031644
(22)【出願日】2023-03-02
(62)【分割の表示】P 2019516616の分割
【原出願日】2017-09-29
【審査請求日】2023-03-09
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】サロハ プリンストン
(72)【発明者】
【氏名】ホッサク ノルマン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】スティガル ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ミナス マリテス
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-532188(JP,A)
【文献】特開平04-008340(JP,A)
【文献】特開2011-050748(JP,A)
【文献】特開2013-123649(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0018732(US,A1)
【文献】実開昭59-57901(JP,U)
【文献】特開2005-21629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32、8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位部と近位部とを含み、患者の体内に挿入されるためのフレキシブルな細長いシャフトと、
偏向させることができ、前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部と動作可能に関連付けられた遠位先端と、
前記フレキシブルな細長いシャフトの前記近位部に結合された制御ハンドルとを含む、管腔内装置であって、前記制御ハンドルは、
前記患者の体内で前記遠位先端を配置するための第1のアクチュエータと、
前記第1のアクチュエータに結合され、前記第1のアクチュエータと接触して前記遠位先端の偏向を制御するための第1の摩擦部材とを含み、
前記第1のアクチュエータは、
第1のプルワイヤーセグメントのペアに結合された第1のプーリー部材であって、前記第1のプルワイヤーセグメントのペアは前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部に結合されている、第1のプーリー部材と、
前記第1のプーリー部材に結合された第1の作動制御部材であって、前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部が第1の平面に沿って偏向されるように、前記第1のプルワイヤーセグメントのペアに張力を加える、第1の作動制御部材とを含み、
前記第1のプーリー部材は、
前記第1のプーリー部材の一面に放射状に間隔を空けて配置された複数の穴を含み、
前記第1のプルワイヤーセグメントのペアは、前記複数の穴に通さ
れ、
前記第1の摩擦部材は、前記第1の作動制御部材の、前記第1のプーリー部材とは反対側に配置されており、
前記第1の摩擦部材の外周は、前記第1の作動制御部材のキャビティに向けられた1つ又は複数の干渉柱を含み、
前記1つ又は複数の干渉柱は、前記第1の作動制御部材に圧縮力が加わると前記第1の作動制御部材と接触し、
前記干渉柱と前記第1の作動制御部材との間の接触は、前記第1の作動制御部材の回転抵抗を変化させる、
管腔内装置。
【請求項2】
前記制御ハンドルはさらに、
前記第1のプーリー部材に結合されたクラッチスプリングと、
前記クラッチスプリングに結合されたクラッチカムと、
前記クラッチカムに結合されたクラッチ制御部材とを含み、前記クラッチ制御部材の調整により、前記クラッチカムが前記クラッチスプリングを前記第1のプーリー部材に向けて圧縮し、それにより、前記第1の作動制御部材に圧縮力が加えられる、
請求項
1に記載の管腔内装置。
【請求項3】
前記制御ハンドルは、細長い形状を有するハウジングをさらに含み、前記第1の摩擦部材、前記第1のアクチュエータ、前記クラッチスプリング、前記クラッチカム、及び前記クラッチ制御部材は、前記ハウジングの遠位部に配置され、前記ハウジングは、前記ハウジングの近位部の外面上に配置された複数の指形状の溝を含む、請求項
2に記載の管腔内装置。
【請求項4】
前記制御ハンドルは、
前記クラッチスプリング、前記第1のプーリー部材、前記第1の作動制御部材、及び前記第1の摩擦部材を貫通する車軸をさらに含み、
前記ハウジングは、前記車軸を受け入れるように配置された複数のアラインメント部材を含む、
請求項
3に記載の管腔内装置。
【請求項5】
前記第1の摩擦部材は、前記第1の摩擦部材の、前記1つ又は複数の干渉柱とは反対方向に突出している係止柱をさらに含み、前記係止柱が前記複数のアラインメント部材のうちの1つと係止されると、前記第1の作動制御部材は現在位置に維持される、請求項
4に記載の管腔内装置。
【請求項6】
前記第1の作動制御部材は、第1のスロット及び第2のスロットを含み、前記第1のプーリー部材は、前記第1のスロット内に受け入れられる第1の柱、及び前記第2のスロット内に受け入れられる第2の柱を含み、前記第1の柱及び前記第2の柱は異なる直径を有する、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項7】
前記第1のプーリー部材は、
前記第1のプーリー部材の端部に配置されたアンカー部材とを含み、
前記第1のプルワイヤーセグメントのペアは、前記アンカー部材に固定される、
請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項8】
前記制御ハンドルはさらに
第2のプルワイヤーセグメントのペアに結合された第2のプーリー部材であって、前記第2のプルワイヤーセグメントのペアは前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部に結合されている、第2のプーリー部材と、
前記第2のプーリー部材に結合された第2の作動制御部材であって、前記遠位先端及び前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部が前記第1の平面とは異なる第2の平面に沿って偏向されるように、前記第2のプルワイヤーセグメントのペアに張力を加える、第2の作動制御部材とを含む
第2のアクチュエータと、
前記第2のアクチュエータに結合された第2の摩擦部材であって、前記第2のアクチュエータと接触して前記遠位先端の偏向を制御する、第2の摩擦部材とを含む、
請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項9】
細長い形状を有するハウジングをさらに備え、前記第1の作動制御部材及び前記第2の作動制御部材は、前記ハウジングに沿って長手方向に配置される、
請求項
8に記載の管腔内装置。
【請求項10】
前記ハウジングはルーティング部材を含み、前記ルーティング部材は、前記遠位先端に結合された同軸ケーブルが、前記ハウジング内の前記第1のプルワイヤーセグメントのペア及び前記第2のプルワイヤーセグメントのペアから離間されるように、前記同軸ケーブルを方向付ける、請求項
9に記載の管腔内装置。
【請求項11】
前記第1のアクチュエータは、前記フレキシブルな細長いシャフトの長手方向中心軸と整列しており、前記第2のアクチュエータは、前記第1のプルワイヤーセグメントのペアの作動と前記第2のプルワイヤーセグメントのペアの作動が互いに独立するよう、前記長手方向中心軸からオフセットされている、請求項
8に記載の管腔内装置。
【請求項12】
前記第1の平面は左右の関節運動平面であり、前記第2の平面は前後の関節運動平面であり、前記第1の作動制御部材は、前記第2の作動制御部材よりも大きいサイズを有する、請求項
8に記載の管腔内装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月30日に出願された米国仮特許出願第62/402,483号、及び2016年12月14日に出願された米国仮特許出願第62/434,093号に基づく利益及び優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
[0001]本開示は、一般に超音波カテーテルに関し、特に、直感的で細かいカテーテルの操縦制御を提供するための可変ブレーキシステムを備えた人間工学的制御ハンドルを有する操縦可能なICE(intracardiac echocardiography)カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
[0002]診断及び治療用超音波カテーテルは、人体の多くの領域内で使用するために設計されている。心臓血管系において、2つの一般的診断超音波法は血管内超音波法(IVUS)及び心臓内心エコー法(ICE)である。典型的に、当該カテーテルの先端において超音波を送信するために単一の回転するトランスジューサ又はトランスジューサ素子のアレイが用いられる。組織からのエコーを受信するために、同一のトランスジューサ(又は別個のトランスジューサ)が使用される。斯かるエコーから発生される信号はコンソールに伝送され、該コンソールは超音波関連データの処理、記憶、表示又は操作を可能にする。
【0004】
[0003]IVUSカテーテルは、典型的に身体の大きな及び小さな血管(動脈又は静脈)内で使用され、殆ど常に可撓性先端を有するガイドワイヤ上で送り込まれる。ICEカテーテルは、通常、例えば経中隔内腔穿刺法、左心耳閉鎖術、心房細動アブレーション術及び弁修復術等の医療手術を誘導及び容易化ために心臓の内腔及び周囲の構造を撮像するために使用される。市販のICEカテーテルはガイドワイヤ上で送り込まれるように設計されておらず、代わりに、当該カテーテルの近端部におけるハンドル内に配置されたステアリング機構により関節運動され得る遠端部を有している。例えば、ICEカテーテルは、当該解剖構造に接近する場合に大腿又は頸動脈を介して挿入することができ、当該医療手術の安全性に対して必要な画像を取得するために心臓内でステアリングされる。
【0005】
[0004]或るタイプのICEカテーテル(EP Medsystems社 ViewFlexTM 心臓内超音波偏向可能カテーテル)は、ハンドルの長軸の回りで回転する単一のホイールにより操作される単一面内(両方向)の遠端関節部を有する。上記ホイールは所望のカテーテル形状を得るために特定の位置まで回転され、該ホイール機構に対する固有の摩擦により定位置に留まる。該カテーテルはトルク伝達可能(torquable)であり、第2面におけるステアリングを容易にするためにハンドルにより回転することができる。カテーテルを同時にトルク駆動し及び回転させるために必要とされる運動は、しばしば、両手操作を必要とする。
【0006】
[0005]別の種類のICEカテーテル(Siemens/ACUSON AcuNav Ultrasound Catheter)は追加の操縦平面を有し、ハンドル上の2つの対応するホイールのうちの1つを回すことによって各操縦平面が利用される。これらのホイールは、ハンドルの長手方向軸を中心に回転する。同じくハンドルの長手方向軸を中心に回転する第3のホイールは、2つのステアリングホイールを各々の向きにおいてフリーズさせるためのロック機構である。カテーテル全体にトルクを付与する必要はない。2つの操縦平面は、選択可能なカテーテル構成の大きな組み合わせを可能にする。しかし、所望の関節運動(articulation)ビューを達成するための両方の平面の同時操縦は、視覚化及び調整が困難であり得る。
【発明の概要】
【0007】
[0006]既存のICEカテーテル装置は有用であることが示されているが、カテーテル装置の細かく直感的な操縦制御を提供するために、改良されたシステム及び技術へのニーズが依然としてある。本開示の実施形態は、カテーテルの遠位端がどのように反れるかを制御する操縦システム及びブレーキシステムを含むカテーテルを提供する。撮像素子を含むカテーテルの遠位端は、撮像対象の解剖学的構造のより良好なビューを得るために、医師などのユーザによって選択的に偏向させることができる。1つ又は複数の回転可能なホイールを含む操縦機構は、カテーテルを1つ又は複数の方向に偏向させる。ユーザがカテーテルを偏向されたポジションに維持したいときには、ブレーキ機構は、カテーテルが真直ぐな偏向していない状態に戻ることを遅らせるか、又はカテーテルを偏向されたポジションにロックする。ブレーキ機構は、ユーザが、カテーテルが真っ直ぐで偏向されていない状態に戻る速度を変更できるように調整され得る。
【0008】
[0007]一実施形態では、管腔内撮像装置が提供される。管腔内撮像装置は、遠位部と近位部とを含み患者の体内に挿入されるフレキシブルな細長いシャフトと、撮像素子を含み、前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部と動作可能に関連付けられた遠位先端と、前記フレキシブルな細長いシャフトの前記近位部に結合された制御ハンドルとを含み、前記制御ハンドルは、前記患者の体内で前記撮像素子を配置するための第1のアクチュエータと、前記第1のアクチュエータに結合され、前記第1のアクチュエータと接触して前記撮像素子の配置を制御するための第1の摩擦部材とを含む。
【0009】
[0008]いくつかの実施形態では、前記第1のアクチュエータは、第1のプルワイヤーセグメントのペアに結合された第1のプーリー部材であって、前記第1のプルワイヤーセグメントのペアは前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部に結合されている、第1のプーリー部材と、前記第1のプーリー部材に結合された第1の作動制御部材であって、前記撮像素子及び前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部が第1の平面に沿って偏向されるように、前記第1のプルワイヤーセグメントのペアに張力を加える、第1の作動制御部材とを含み、前記第1の摩擦制御部材は、前記第1の作動制御部材の、前記第1のプーリー部材とは反対側に配置されている。いくつかの実施形態では、前記第1の摩擦部材の外周は、前記第1の作動制御部材のキャビティに向けられた1つ又は複数の干渉柱を含み、前記1つ又は複数の干渉柱は、前記第1の作動制御部材に圧縮力が加わると前記第1の作動制御部材と接触し、前記干渉柱と前記第1の作動制御部材との間の接触は、前記第1の作動制御部材の回転抵抗を変化させる。いくつかの実施形態では、前記制御ハンドルはさらに、前記第1のプーリー部材に結合されたクラッチスプリングと、前記クラッチスプリングに結合されたクラッチカムと、前記クラッチカムに結合されたクラッチ制御部材とを含み、前記クラッチ制御部材の調整により、前記クラッチカムが前記クラッチスプリングを前記第1のプーリー部材に向けて圧縮し、それにより、前記第1の作動制御部材に圧縮力が加えられる。いくつかの実施形態では、前記制御ハンドルは、細長い形状を有するハウジングをさらに含み、前記第1の摩擦部材、前記第1のアクチュエータ、前記クラッチスプリング、前記クラッチカム、及び前記クラッチ制御部材は、前記ハウジングの遠位部に配置され、前記ハウジングは、前記ハウジングの近位部の外面上に配置された複数の指形状の溝を含む。いくつかの実施形態では、前記制御ハンドルは、前記クラッチスプリング、前記第1のプーリー部材、前記第1の作動制御部材、及び前記第1の摩擦部材を貫通する車軸をさらに含み、前記ハウジングは、前記車軸を受け入れるように配置された複数のアラインメント部材を含む。いくつかの実施形態では、前記第1の摩擦部材は、前記第1の摩擦部材の、前記1つ又は複数の干渉柱とは反対側に配置された係止柱をさらに含み、前記係止柱が前記複数のアラインメント部材のうちの1つと係止されると、前記第1の作動制御部材は現在位置に維持される。
【0010】
[0009]いくつかの実施形態では、前記第1の作動制御部材は第1のスロット及び第2のスロットを含み、前記第1のプーリー部材は、前記第1のスロット内に受け入れられる第1の柱、及び前記第2のスロット内に受け入れられる第2の柱を含み、前記第1の柱及び前記第2の柱は異なる直径を有する。いくつかの実施形態では、前記第1のプーリー部材は、前記第1のプーリー部材の、前記第1の柱及び前記第2の柱とは反対側に、放射状に間隔を空けて配置された複数の穴と、前記第1のプーリー部材の端部に配置されたアンカー部材とを含み、前記第1のプルワイヤーセグメントのペアは、前記複数の穴に通され、前記アンカー部材に固定される。いくつかの実施形態では、前記制御ハンドルはさらに第2のアクチュエータを含み、前記第2のアクチュエータは、第2のプルワイヤーセグメントのペアに結合された第2のプーリー部材であって、前記第2のプルワイヤーセグメントのペアは前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部に結合されている、第2のプーリー部材と、前記第2のプーリー部材に結合された第2の作動制御部材であって、前記撮像素子及び前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部が前記第1の平面とは異なる第2の平面に沿って偏向されるように、前記第2のプルワイヤーセグメントのペアに張力を加える、第2の作動制御部材と、前記第2のアクチュエータに結合された第2の摩擦制御部材であって、前記第2のアクチュエータと接触して前記撮像素子の配置を制御する、第2の摩擦制御部材とを含む。いくつかの実施形態では、前記管腔内撮像装置は、細長い形状を有するハウジングをさらに備え、前記第1の作動制御部材及び前記第2の作動制御部材は、前記ハウジングに沿って長手方向に配置される。いくつかの実施形態では、前記ハウジングはルーティング部材を含み、前記ルーティング部材は、前記撮像素子に結合された同軸ケーブルが、前記ハウジング内の前記第1のプルワイヤーセグメントのペア及び前記第2のプルワイヤーセグメントのペアから離間されるように、前記同軸ケーブルを方向付ける。いくつかの実施形態では、前記第1のアクチュエータは、前記フレキシブルな細長いシャフトの長手方向中心軸と整列しており、前記第2のアクチュエータは、前記第1のプルワイヤーセグメントのペアの作動と前記第2のプルワイヤーセグメントのペアの作動が互いに独立するよう、前記長手方向中心軸からオフセットされている。いくつかの実施形態では、前記第1の平面は左右の関節運動平面であり、前記第2の平面は前後の関節運動平面であり、前記第1の作動制御部材は、前記第2の作動制御部材よりも大きいサイズを有する。
【0011】
[0010]一実施形態では、超音波カテーテルアセンブリが提供される。超音波カテーテルアセンブリは、遠位部と近位部とを含み患者の体内に挿入されるフレキシブルな細長いシャフトと、前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部に取り付けられ、同軸ケーブルと連絡する撮像センサと、前記フレキシブルな細長いシャフトの前記近位部に結合された制御ハンドルとを含み、前記制御ハンドルは、細長い形状を有するハウジングと、前記患者の体内で前記撮像センサを配置するための複数のプルワイヤーセグメントに結合された、前記ハウジング内に収容されるアクチュエータと、前記ハウジング内で前記複数のプルワイヤーセグメントから離れるように前記同軸ケーブルを方向付けるための、前記ハウジング内に収容されるルーティング部材とを含む。
【0012】
[0011]いくつかの実施形態では、前記アクチュエータは、前記複数のプルワイヤーセグメントに結合されたプーリー部材であって、前記複数のプルワイヤーセグメントは前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部に結合されている、プーリー部材と、前記プーリー部材に結合された作動制御部材であって、前記撮像センサ及び前記フレキシブルな細長いシャフトの前記遠位部が偏向されるように、前記複数のプルワイヤーセグメントに張力を加える、作動制御部材とを含み、前記制御ハンドルはさらに、前記アクチュエータに結合された摩擦制御部材であって、前記アクチュエータと接触して前記撮像センサの配置を制御する、摩擦制御部材を含む。いくつかの実施形態では、前記制御ハンドルはさらに、前記プーリー部材に結合されたクラッチスプリングと、前記クラッチスプリングに結合されたクラッチカムと、前記クラッチカムに結合されたクラッチ制御部材とを含み、前記クラッチ制御部材の調整により、前記クラッチカムが前記クラッチスプリングを前記プーリー部材に向けて圧縮し、それにより、前記作動制御部材に圧縮力が加えられて前記作動制御部材の回転抵抗が変化する。いくつかの実施形態では、前記ハウジングの外面は、複数の指形状の溝を含む。いくつかの実施形態では、前記制御ハンドルは、前記クラッチスプリング、前記プーリー部材、前記作動制御部材、及び前記摩擦部材を貫通する車軸をさらに含み、前記ハウジングは、前記車軸を受け入れるように配置された複数のアラインメント部材を含む。いくつかの実施形態では、前記摩擦部材は係止柱をさらに含み、前記係止柱が前記複数のアラインメント部材のうちの1つと係止されると、前記作動制御部材は現在位置に維持される。
【0013】
[0012]本開示のさらなる態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
[0013]以下、本開示の説明のための実施形態を以下の添付図面とともに説明する。
【0015】
【
図1】[0014]
図1は、本開示の実施形態に係るICE撮像システムの概略図を示す。
【
図2】[0015]
図2は、本開示の実施形態に係るICE装置の一部の概略図を示す。
【
図3】[0016]
図3は、本開示の実施形態に係る、偏向した状態のICE装置の一部の概略図を示す。
【
図4】[0017]
図4は、本開示の実施形態に係るICE装置の偏向平面を表す概略図を示す。
【
図5】[0018]
図5は、本開示の実施形態に係る、先端アセンブリとフレキシブルな細長い部材との間のICE装置内の相互接続を示す概略図である。
【
図6】[0019]
図6は、本開示の実施形態に係る撮像コアの側方断面図である。
【
図7】[0020]
図7は、本開示の実施形態に係る裏地付き可変編組差デュロメーターマルチルーメンカテーテルシャフトの断面図である。
【
図8】[0021]
図8は、本開示の実施形態に係るハンドルの模式的な展開図を示す。
【
図9】[0022]
図9は、本開示の実施形態に係るハンドル内に配置されるように構成された操縦及び/又はクラッチ機構の模式的な展開斜視図である。
【
図10A】[0023]
図10Aは、本開示の実施形態に係る操縦機構のプーリーの模式的な斜視図を示す。
【
図11】[0025]
図11は、本開示の実施形態に係るプーリーに結合された複数のプルワイヤーセグメントを含むハンドルの斜視図である。
【
図12】[0026]
図12は、本開示の実施形態に係るプーリーに結合された複数のプルワイヤーセグメントを含むハンドルの斜視図である。
【
図13】[0027]
図13は、本開示の実施形態に係るプルワイヤーセグメントと作動制御部材との間の関係を示す模式的な概略図である。
【
図14】[0028]
図14は、本開示の実施形態に係るクラッチ制御部材、クラッチカム、及びクラッチスプリングの模式的な側面図である。
【
図15】[0029]
図15は、本開示の実施形態に係る作動制御部材及び対応する摩擦部材の模式的な斜視図を示す。
【
図16】[0030]
図16は、本開示の実施形態に係る作動制御部材及び対応する摩擦部材の模式的な側面図を示す。
【
図17】[0031]
図17は、本開示の実施形態に係る、組み立てられたハンドルの斜視図を示す。
【
図18】[0032]
図18は、本開示の実施形態に係る、部分的に組み立てられたハンドルの斜視図を示す。
【
図19】[0033]
図19は、本開示の実施形態に係る、部分的に組み立てられたハンドルの斜視図を示す。
【
図20】[0034]
図20は、本開示の実施形態に係る、組み立てられたハンドルの斜視図を示す。
【
図21】[0035]
図21は、本開示の実施形態に係る管腔内撮像装置を組み立てる方法のフロー図を示す。
【
図22】[0036]
図22は、本開示の実施形態に係る管腔内撮像装置を使用して撮像データを取得する方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0037]本開示の原理の理解を容易にするため、図示されている実施形態が参照され、また、それらを説明するために具体的な用語が使用される。しかし、本開示の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。記載される本開示の原理の装置、システム、方法、及びさらなる用途へのあらゆる変更及び改変は、本開示が関連する分野の当業者が通常考えつくであろうように、完全に考慮され、本開示に含まれる。例えば、ICEシステムは心血管イメージングに関連して説明されているが、この用途に限定されることを意図していないことを理解されたい。該システムは、閉じられたキャビティ内でのイメージングを要するあらゆる用途にも同様に適する。特に、ある実施形態に関して説明した特徴、構成要素及び/又は工程は、本開示の他の実施形態に関して説明した特徴、構成要素、及び/又は工程と組み合わせられ得ることは完全に考慮される。しかしながら、簡潔さのために、このような多数の組み合わせの反復は別々に説明されない。
【0017】
[0038]
図1は、本開示の実施形態に係るICE撮像システム100の概略図を示す。システム100は、ICE装置110、コネクタ124、コンソール及び/又はコンピュータなどの制御及び処理システム130、並びにモニタ132を含み得る。ICE装置110は、先端アセンブリ102、フレキシブルな細長い部材108、及びハンドル120を含む。フレキシブルな細長い部材108は、遠位部104と近位部106とを含む。遠位部104の遠位端は先端アセンブリ102に取り付けられる。近位部106の近位端は、ICE装置110の操作及びICE装置110の手動制御のために、例えば弾性ストレインリリーフ112によってハンドル120に取り付けられる。先端アセンブリ102は、超音波トランスデューサ素子及び関連する回路を有する撮像コア又は撮像センサを含み得る。ハンドル120は、本明細書でより詳細に説明するように、アクチュエータ116、クラッチ114、及び、ICE装置110を操縦するための、例えば先端アセンブリ102及び遠位部104をそらすための他の操縦制御構成要素を含み得る。
【0018】
[0039]ハンドル120は、別のストレインリリーフ118及び電気ケーブル122を介してコネクタ124に接続される。コネクタ124は、先端アセンブリ102において撮像コアによって生成された信号から得られるデータを処理、格納、分析、操作、及び表示するために、処理システム130及びモニタ132と任意の適切な構成で相互接続され得る。処理システム130は、1つ又は複数のプロセッサ、メモリ、及び例えばキーボードや任意の適切なコマンド制御インターフェース装置などの1つ又は複数の入力装置を含むことができる。処理システム130は、本明細書に記載のICE撮像システム100の特徴を容易化するように動作可能であり得る。例えば、プロセッサは、非一時的有形コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ可読命令を実行することができる。モニタ132は、液晶ディスプレイ(LCD)パネルなどの任意の適切な表示装置とすることができる。
【0019】
[0040]動作中、医師又は臨床医はフレキシブルな細長い部材108を、心臓の解剖学的構造内の血管へ前進させる。一般に、フレキシブルな細長い部材108は、患者の体内の任意の管腔内に配置することができる。いくつかの実施形態では、ICE装置110は管腔内撮像装置と呼ばれ得る。医師又は臨床医は、ハンドル120上のアクチュエータ116及びクラッチ114を制御することによって、撮像されるべき関心領域の近くの位置にフレキシブルな細長い部材108を操縦することができる。例えば、後に詳細に説明するように、一方のアクチュエータ116が先端アセンブリ102及び遠位部104を左右平面内でそらし、他方のアクチュエータ116が先端アセンブリ102及び遠位部104を前後平面内でそらし得る。クラッチ114は、関心領域の撮像中に、アクチュエータ116の位置をロックし、よってフレキシブルな細長い部材の偏向をロックするためのロック機構を提供する。
【0020】
[0041]撮像プロセスは、超音波エネルギーを生成するために先端アセンブリ102上の超音波トランスデューサ素子を作動させることを含み得る。超音波エネルギーの一部は、関心領域及び周囲の解剖学的構造によって反射され、超音波トランスデューサ素子によって超音波エコー信号が受信される。コネクタ124は、受信されたエコー信号を処理システム130に転送し、そこで超音波画像が再構成されてモニタ132に表示される。いくつかの実施形態では、処理システム130は、超音波トランスデューサ素子の作動、及びエコー信号の補充を制御することができる。いくつかの実施形態では、処理システム130及びモニタ132は、同じシステムの一部であり得る。
【0021】
[0042]システム100は、経中隔ルーメン穿刺、左心耳閉鎖、心房細動アブレーション、及び弁修復などの様々な用途に利用することができ、生体内の血管及び構造を撮像するために使用することができる。システム100は、ICEカテーテル挿入処置のコンテキストで説明されているが、システム100は任意のカテーテル処置と共に使用するのに適している。さらに、先端アセンブリ102は、診断、処置、及び/又は治療のための任意の適切な生理学的センサ、構成要素、及び/又は機能要素を含み得る。したがって、ハンドル120は、装置110の遠位端における任意の機能要素の関節運動を案内するために使用され得る。
【0022】
[0043]
図2は、本開示の実施形態に係るICE装置110の一部の概略図を示す。先端アセンブリ102及びフレキシブルな細長い部材108は、患者の体の血管内への挿入のために成形及び寸法決めされる。フレキシブルな細長い部材108は、Pebax(登録商標)ポリエーテルブロックアミドなどの任意の適切な材料から構成され得る。遠位部104及び近位部106は管状の形状を有し、また、主要ルーメンと、フレキシブルな細長い部材108に沿って長手方向に延びる1つ以上のプルワイヤールーメンとを含み得る。主要ルーメンは、トランスデューサ素子から得られたエコー信号を転送するために先端アセンブリ102とコネクタ124とを相互接続する電気ケーブルを収容するような寸法及び形状を有する。いくつかの実施形態では、主要ルーメンは、診断及び/又は治療処置のための他の構成要素を収容するような形状及びサイズを有し得る。プルワイヤールーメンは、例えば遠位部104からハンドル120まで延在するプルワイヤーを収容するようなサイズ及び形状を有する。プルワイヤーは、アクチュエータ116及びクラッチ114の作動に基づいてフレキシブルな細長い部材108及び先端アセンブリ102をそらすことができるように、アクチュエータ116及びクラッチ114に結合され得る。一実施形態では、主要ルーメンは、プルワイヤールーメンの整列を容易にするような形状を有する。また、フレキシブルな細長い部材108の管状ボディは、柔軟性及び耐キンク性を提供するように構成された裏地付き可変編組補強層を含み得る。プルワイヤー、主要ルーメン、プルワイヤールーメン、先端アセンブリ102、及び裏地付き可変編組補強層の配置及び構成は、本明細書でより詳細に説明される。フレキシブルな細長い部材108の寸法は、実施形態ごとに異なり得る。いくつかの実施形態では、フレキシブルな細長い部材108は、約8~約12フレンチ(Fr)の外径を有するカテーテルとすることができ、約80センチメートル(cm)~約120cmの全長206を有し、近位部106は、約70cm~約118cmの長さ204を有し、遠位部104は、約2cm~約10cmの長さ202を有し得る。
【0023】
[0044]
図3は、本開示の実施形態に係る、偏向した状態のICE装置110の一部の概略図を示す。例えば、
図2に示すフレキシブルな細長い部材108は、ニュートラルポジションと呼ばれる。
図3では、フレキシブルな細長い部材108の先端アセンブリ102及び遠位部104は、ニュートラルポジションから偏向している。
【0024】
[0045]
図4は、本開示の実施形態に係るICE装置110の偏向平面を表す概略図を示す。図示されるように、先端アセンブリ102及び遠位部104は、実線の矢印で示されるように第1の平面に沿って、及び、点線の矢印で示されるように第2の平面に沿って偏向され得る。
図3において、第1の平面はxy平面によって表され、第2の平面はxz平面によって表される。例えば、心臓の解剖学的構造を撮像するために、xy平面は左右平面に対応し、xz平面は前後平面に対応し得る。
【0025】
[0046]
図5は、本開示の実施形態に係る、先端アセンブリ102とフレキシブルな細長い部材108との間のICE装置110内の相互接続を示す概略図である。図示されるように、先端アセンブリ102とフレキシブルな細長い部材108の遠位部104との間の相互接続は、クラウン要素520及びスリーブ要素540を含む。クラウン要素520は、遠位部104の遠位端に結合される。スリーブ要素540は、クラウン要素520及び先端アセンブリ102の近位端に結合される。先端アセンブリ102は、先端部材560内に収容された撮像コア562を含む。先端アセンブリ102は、本明細書でより詳細に説明するように、製造中のアラインメントを容易にするような形状を有するアラインメント部(図示せず)を含み得る。撮像コア562は、電気的相互接続564を介して電気ケーブル566に接続される。電気ケーブル566は、フレキシブルな細長い部材108に沿って長手方向に延びる。クラウン要素520及びスリーブ要素540は電気ケーブル566を取り囲むように取り付けられる。
【0026】
[0047]クラウン要素520は、プルワイヤー507のためのアンカーとして機能することにより、
図3及び
図4に示され、かつ本明細書でより詳細に説明されるように、プルワイヤー507が近位方向に作動することに応じて、先端アセンブリ102及び遠位部104が偏向することを可能にする。スリーブ要素540は、偏向によって予測可能な又は予め定められた関節運動ビューを提供することができるよう、クラウン要素520とプルワイヤー507とを位置合わせするためのアラインメントエージェントとして機能する。
【0027】
[0048]一実施形態では、フレキシブルな細長い部材108は、本明細書でより詳細に説明されるように、フレキシビリティ及び耐キンク性を提供するための裏地付き可変編組強化層を含み得る。そのような実施形態では、相互接続はさらに、アンカーセグメント503と、フレキシブルな細長い部材108の遠位端との間に配置された編組収容部502を含む。編組収容部502は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの材料又は任意の適切な材料から構成され得る。アンカーセグメント503は、フレキシブルな細長い部材108と同様の材料から構成され得る。編組収容部502は、編組補強層の終端として機能する。編組収容部502は、編組補強層の材料(例えば、ステンレス鋼ワイヤー)の終端を収容することにより、材料がICE装置110の外部に露出することを防ぐ。フレキシブルな細長い部材108及び編組補強層の構造は、本明細書でさらに詳細に説明される。アンカーセグメント503は、相互接続部において各構成要素を接合する際の熱リフローを可能にするよう、ブレード収容部502をクラウン要素520及びスリーブ要素540に結合する。
【0028】
[0049]相互接続部は、異なる構成要素の接続部を覆う保護部を提供するために、薄いスリーブである支持部材508及び509をさらに含み得る。支持部材508及び509は任意の適切なポリマー材料から構成され得る。図示されるように、支持部材508は、スリーブ要素540、先端アセンブリ102、クラウン要素520、及びアンカーセグメント503の間の接続部を覆うように配置される。支持部材509は、編組収容部502、アンカーセグメント503、及びフレキシブルな細長い部材108の遠位部104の間の接続部を覆うように配置される。
【0029】
[0050]
図6は、本開示の実施形態に係る、
図5の線591に沿って切り取られた撮像コア562の側方断面図である。撮像コア562は、音響スタック610とバッキング材料層630との間に埋め込まれたトランスデューサ回路層620を含み得る。トランスデューサ回路層620は、例えば導電トレース及び/又は関連回路を介して、1つ又は複数のマルチプレクサチップ624に結合された超音波トランスデューサ素子622のアレイを含む。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ素子622の数は、8、16、32、64、又は任意の適切な数であり得る。超音波トランスデューサ素子622は圧電材料から構成される。ICE用の例示的なトランスデューサは、圧電材料において約0.28mmの典型的な厚さを有し、8メガヘルツ(MHz)の超音波信号を生成し、毎秒1500メートル(m/秒)の速度で血液を通過させることを可能にする。トランスデューサの厚さは、組織イメージングにおいて十分な侵入深さを生成するために、約0.56mm~0.19mmの範囲の様々な厚さを有し得る。一般的に、トランスデューサの厚さは、任意の組織イメージングにおける所望の侵入深さのために、伝送媒体内の音の周波数に関して調整され得る。トランスデューサの駆動電圧によって画像強度を調整することができる。
【0030】
[0051]マルチプレクサチップ624は、例えば処理システム130によって生成された制御信号を多重化し、制御信号を対応する超音波トランスデューサ素子622に送信する。制御信号は、超音波パルスの放射及び/又はエコー信号の受信を制御することができる。逆方向では、マルチプレクサチップ624は、ターゲット組織によって反射されて超音波トランスデューサ素子622によって受信されたエコー信号を多重化して、受信されたエコー信号を、例えば処理及び/又は表示のために処理システム130に伝送する。
【0031】
[0052]音響スタック610は、超音波トランスデューサ素子622、伝達媒体(例えば、先端部材560及び患者の身体)、及び撮像対象の組織について音響的に整合した材料からなる。バッキング材料層630は、バッキング材料層630が超音波トランスデューサ素子622の背後から来る超音波を吸収又は減少し得るよう、吸音材料からなる。いくつかの実施形態では、撮像コア562の1つ又は複数の構成要素(例えば、トランスデューサ素子622、チップ624、電気ケーブルなど)が、フレキシブルな細長い部材108に結合され得る。いくつかの実施形態では、撮像コア62の1つ又は複数の構成要素が、フレキシブルな細長い部材108内に配置され得る。
【0032】
[0053]
図7は、本開示の実施形態に係る、
図5の線592に沿って切り取られたフレキシブルな細長い部材108の断面図である。フレキシブルな細長い部材108は、管状壁702、中央ルーメン708、及びフレキシブルな細長い部材108の遠位端と近位端との間に延びる複数の二次ルーメン706を含む管状ボディを有する。中央ルーメン708は、丸みのある十字形の断面形状を有する。十字形断面の各アーム710は、各二次ルーメン706の角度位置を固定可能な凹部を形成する。例えば、二次ルーメン706は、製造中、互いに隣接するアーム710の間に配置される。二次ルーメン706は、プルワイヤー507などのプルワイヤーを収容するような形状及びサイズを有する。したがって、二次ルーメン706はプルワイヤールーメンとも呼ばれる。二次ルーメン706は、約90度の角度780だけ互いに離間され、放射状に管状壁702内に配置される。例えば、プルワイヤー507は、二次ルーメン706内を通され、ハンドル120においてアクチュエータ116に結合され得る。したがって、アクチュエータ116は、プルワイヤー507における張力を制御又は加えて、
図3及び
図4に示されるように先端アセンブリ102及び遠位部104を曲げるように構成され得る。
【0033】
[0054]一実施形態では、中央ルーメン708及び二次ルーメン706は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料などの滑らかな内張り材料(図示せず)で内張りされ得る。内張り材料は、プルワイヤー又は他の任意の適切な診断センサアセンブリの通過、送達、及び作動のために摩擦のない表面を提供する。さらに、内張り材料は、中央ルーメン708及び二次ルーメン706が潰れるのを防ぐための支持構造として機能することができる。さらに、内張り材料は、プルワイヤーの頻繁な移動又は作動、及び/又は他の診断センサアセンブリの通過によって引き起こされる摩耗に対して保護するためのバリアとして機能することができる。
【0034】
[0055]一実施形態では、フレキシブルな細長い部材108は、管状壁702内に配置された編組要素704の層を含み得る。編組要素704は、任意の適切な材料及び幾何学的形状から構成され得る。例えば、編組要素704は、ステンレス鋼フラットワイヤーを含み、これは、放射状空間の最適な使用及び追加強度を提供し得る。編組要素704は、フレキシブルな細長い部材108の長手方向の長さに沿って変化するピッチで編組されている。編組は、任意の適切な編組パターンを含み得る。編組パターンは、トルク伝達、押し込み性、及び/又は耐キンク性を改善するように選択され得る。いくつかの実施形態では、編組要素704は、遠位部104が近位部106よりも高い柔軟性(フレキシビリティ)を有するように、遠位部104において近位部106よりもよりPIC(per inch count)を有する編組を含み得る。さらに、編組要素704は、遠位部104が近位部106と接する接合部の周りで変化するPICを有する編組を含み得る。
【0035】
[0056]一実施形態では、フレキシブルな細長い部材108の管状壁702は、操縦性及び耐キンク性をさらに改善するために、遠位部104及び近位部106において異なるデュロメーターを有する材料から構成されてもよい。例えば、管状壁702は、遷移領域は設けずに、遠位部104における低デュロメーター材料と、近位部106における高デュロメーター材料とから構成されてもよい。したがって、フレキシブルな細長い部材108は、近位部106においては比較的剛性である一方、遠位部104においては著しく柔軟又はフレキシブルであり得る。
【0036】
[0057]
図8は、本開示の実施形態に係るハンドル120のいくつかの構成要素の斜視図を示す。
図8の実施形態は、
図1に関して図示され説明されたものと同様の特徴を含む。ハンドル120は追加の構成要素、例えば
図9~
図16に関して説明されるものなどを含み得ることを理解されたい。
図8に示されるハンドル120の特徴は、例えば、
図11、
図12、及び
図18~
図20においても見ることができる。
【0037】
[0058]
図8を参照すると、ハンドル120は、上部シェル810及び底部シェル820を含む。上部シェル810及び底部シェル820は、合致するクランプ設計を有し得る。組み立て中、シェル810、820は互いに接するよう配置され、機械的スナップ、ねじ、接着剤、及び/又は他の適切な機構を介して互いに固定され得る。上部シェル810及び底部シェル820は、例えばプラスチック、プラスチック複合材料、ポリマー等の任意の適切な材料から構成され得る。一実施形態では、上部シェル810及び底部シェル820は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を使用して構成することができる。例えば、射出成形等の任意の適切な製造方法が使用され得る。上部シェル810及び底部シェル820は合わせて、遠位部892及び近位部894を含む細長いハウジング811を形成する。細長いハウジング811は、装置110の長手方向軸と平行な方向に延びる。
【0038】
[0059]上部シェル810及び底部シェル820の間隔キャビティは、操縦制御部品を収容するように構成される。例えば、アクチュエータ116、クラッチ114、及び他の操縦関連部品が遠位部892に配置され得る。図示されるように、底部シェル820は、遠位部892において複数のアラインメント部材822を含む。アラインメント部材822は、例えば車軸952、954(
図9)などの操縦制御部品を位置合わせするためのノッチ又は切り欠き部826を含む。
図8を再び参照すると、アラインメント部材822は三角形又は任意の適切な形状であり得る。底部シェル820の遠位部892のスロット824は、クラッチ114(
図1)の装着を可能にするように形作られている。上部シェル810は、アラインメント部材822と同様なアラインメント部材と、底部シェル820におけるアラインメント部材822及びスロット824の位置に合わせられた、スロット824と同様なスロットとを含み得る。さらに、上部シェル810は、
図1に示すように各アクチュエータ116がハウジング811内に長手方向に取り付けられたときにアクチュエータ116の上部制御面の一部を露出させるような形状を有する開口スロット812を含む。いくつかの実施形態では、底部シェル820もまた開口スロット812を含み得る。したがって、各アクチュエータ116がハウジング811内に長手方向に取り付けられたとき、各アクチュエータ116の上下の制御面が露出され得る。したがって、医師又は臨床医は、ハンドル120を操縦するために保持しながら、例えば親指又は指を使用して、アクチュエータ116又はクラッチ114を操作又は回転させることができる。操縦制御部品及び機構は、本明細書でより詳細に説明される。
【0039】
[0060]上部シェル810及び底部シェル820の外面は、ハンドル120の片手操作を可能にするために人間工学的に設計された形状を有する。図示されるように、外面は、近位部894において複数の指形状の溝830を含む。指形状の溝830は、ユーザが他の指(例えば、親指及び人差し指)を使用してアクチュエータ116及び/又はクラッチ114を操作している間、グリップ安定性を提供し得る。
【0040】
[0061]上部シェル810及び底部シェル820の内部キャビティは、シェル810、820の相互の取り付けを容易にするための支持部材832をさらに含み得る。例えば、支持部材832は、シェル810、820を互いに接合するためのねじを受け入れるねじ山を含む凹部を含み得る。
【0041】
[0062]上部シェル810はさらに、遠位端に管状接続部材814を含み、近位端にスロット816を含む。底部シェル820はさらに、遠位端にスロット827を含み、近位端にスロット828を含む。上部シェル810と底部シェル820とが組み合わせられると、管状接続部材814がスロット827内にはめ込まれ、また、スロット816及びスロット828が近位開口部を形成する。管状接続部材814は、ストレインリリーフ112に結合され得る。例えば、管状接続部材814の外径は、ストレインリリーフ112の内径にはまるような大きさを有する。近位開口部は、ストレインリリーフ118を収容するような大きさ及び形状であり得る。例えば、装置110内に組み込まれたとき、ストレインリリーフ112及び118は、ハンドル120をフレキシブルな細長い部材108及び電気ケーブル122にそれぞれ結合する。ハンドル120は、二次ルーメン706を通って延在するプルワイヤーセグメント507を受けいれる。プルワイヤーセグメント507は、ハンドル120内に配置されたステアリング制御部品に結合される。ハンドル120は、電気ケーブル566をハウジング811を介してストレインリリーフ118に通す。ケーブル122は、ストレインリリーフ118とコネクタ124との間に電気ケーブル566を含み得る。ストレインリリーフ112、118は、標準的な滅菌方法に適合する、熱可塑性エラストマーなどのフレキシブルな材料から作成され得る。いくつかの実施形態では、ストレインリリーフ112、118は、ハンドル120と近位シャフト106との間のより強い結合及びより滑らかな移行のために、近位シャフト106上にオーバーモールドされる。ストレインリリーフ112、118は、オーバーモールド可能な材料で作成され得る。
【0042】
[0063]
図9は、本開示の実施形態に係る操縦制御構成900の展開斜視図を示す。ハンドル120は、装置110の操縦制御を提供するために構成900を採用することができる。構成900は、クラッチ制御部材910、クラッチカム920、クラッチスプリング930、プーリー942及び944、車軸952及び954、作動制御部材962及び964、並びに摩擦部材972及び974を含む。いくつかの実施形態では、構成900内の構成要素は、ハンドル120が組み立てられたとき、互いに直接的又は間接的に結合され得る。いくつかの実施形態では、構成900の構成要素は、ハンドル120が組み立てられたとき、互いに隣接し及び/又は互いに接触して配置され得る。例えば、構成900の構成要素は、互いに機械的に係合するようにハンドル120内で配置されてもよい。車軸952は、クラッチスプリング930、プーリー942、作動制御部材962、及び摩擦部材972のそれぞれの穴を通って延びる。車軸954は、クラッチスプリング930、プーリー944、作動制御部材964、及び摩擦部材974のそれぞれの穴を通って延びる。車軸952、954は、金属又は金属合金を含む任意の適切な材料から形成され得る。プーリー942、944及び作動制御部材962、964は、車軸952、954を軸として回転する。車軸952、954はまた、クラッチスプリング930のセンタリングを助ける。
【0043】
[0064]構成900の構成要素は、1つ又は複数の任意の適切な材料から作成され得る。例えば、車軸952、954及びクラッチスプリング930は、金属などの任意の適切な材料から構成され、機械加工又はスタンピング技術を使用して構築され得る。クラッチ制御部材910、クラッチカム920、プーリー942及び944、作動制御部材962及び964、並びに摩擦部材972、974は、プラスチック又はポリマー材料などの任意の適切な材料から構成され得る。これらの構成要素は、例えば3D印刷及び射出成形などの任意の適切な方法を使用して製造され得る。
【0044】
[0065]プーリー942、944、車軸952、954、及び作動制御部材962、964は、共に動作して、
図3及び
図4に示されるようにICE装置110の曲げを制御するための機構を提供する。例えば、前後平面における屈曲を制御するプルワイヤーセグメント507のペアがプーリー942の周りに巻き付けられ、左右平面における屈曲を制御する別のプルワイヤーセグメント507のペアが、プーリー944の周りに巻き付けられ得る。定められた位置で結合されると、作動制御部材962は車軸952を中心に回転し、これにより、プーリー942が回転して、前後平面における屈曲を制御するプルワイヤー507に張力が加えられる。同様に、作動制御部材964は車軸954を中心に回転し、これにより、プーリー944が回転して、左右平面における曲げを制御するプルワイヤー507に張力が加えられる。プーリー942及び944、作動制御部材962及び964、並びにプルワイヤー507の結合は、本明細書でより詳細に説明される。いくつかの実施形態において、プーリー942、944のうちの1つ以上及び作動制御部材962、964のうちの1つ以上は、それぞれ、1つ以上の操縦アクチュエータとしてまとめて言及される。作動制御部材962及び964の回転が説明されているが、並進、円弧に沿った運動、ボタンの押し下げなど、任意の適切な種類の作動が考えられることが理解されよう。
【0045】
[0066]一般的に、医師が作動制御部材962、964から指を離すと、先端アセンブリ102及び遠位部104は各々の静止した偏向していない状態に戻る。医師が作動制御部材962、964に指で力を加えた状態を維持すると、先端アセンブリ102及び遠位部104は各々の偏向した状態を維持する。
【0046】
[0067]クラッチ制御部材910、クラッチカム920、クラッチスプリング930、及び摩擦部材972、974は共に動作することで、作動制御部材962及び/又は964を操作するユーザに対してフィードバック抵抗を提供するための可変ブレーキシステム、及び、所望の関節運動ビューが達成されたときに作動制御部材962及び964の位置をロックするためのロック機構を形成する。これに関して、クラッチ制御部材910は、移動に対する作動制御部材962、964の抵抗を制御するために、選択的に移動(例えば回転)され得る。クラッチ制御部材910が第1の方向(例えば、時計回り)に動かされると、抵抗が増加する。したがって、ユーザが作動制御部材962、964から指を離すと、先端アセンブリ102及び遠位部104は比較的ゆっくりと各々の静止した状態に戻る。作動制御部材962、964は、各々の偏向していない状態によりゆっくりと戻るという意味で、ブレーキを加えられる。定位置に結合されると、クラッチ制御部材910を第1の方向に調節又は回転することにより、クラッチカム920がクラッチスプリング930に押し付けられ、その結果、プーリー942及び944に向かって圧縮力が生じ、作動制御部材962及び964が摩擦部材972、974に押し付けられる。摩擦部材972、974は、接触している構成要素間の摩擦をもたらす作動制御部材962、964との接触に基づいて動作するという点で、摩擦と称され得る。摩擦部材972、974の外周は、本明細書でより詳細に説明されるように、フィードバック抵抗を提供するために、又は作動制御部材962、964の回転位置をロックするために、作動制御部材962、964と摩擦接触するように構成される。
【0047】
[0068]クラッチ制御部材910が第2の方向(例えば、反時計回り)に動かされると、抵抗が減少する。したがって、ユーザが作動制御部材962、964から指を離すと、先端アセンブリ102及び遠位部104は比較的素早く各々の静止状態に戻る。定位置に結合されたとき、クラッチ制御部材910を第2の方向に調節又は回転することにより、クラッチカム920とクラッチスプリング930との間の接触が減少し、プーリー942及び944への圧縮力が減少する。したがって、作動制御部材962及び964は、摩擦部材972、974に対してより弱く押し付けられる。摩擦部材972、974の外周面は、クラッチ/ブレーキがオフのとき、作動制御部材962、964が自由に回転することを可能にし、クラッチ/ブレーキがオンのとき、制限されるように設計されている。
【0048】
[0069]いくつかの実施形態では、クラッチ機構に対する圧縮力を増加させることにより、作動制御部材962、964の回転がより困難になる。したがって、ユーザは、先端アセンブリ102及び遠位部104を偏向させるためには、より大きな力を加えて作動制御部材962、964を動かさなければならない。同様に、より小さい又は全く圧縮力がクラッチ機構に加えられないと、作動制御部材962、964の回転は比較的容易である。したがって、ユーザは、先端アセンブリ102及び遠位部104を偏向させるために、より小さな力を加えて作動制御部材962、964を動かし得る。
【0049】
[0070]いくつかの実施形態では、構成900内の構成要素のうちの1つ又は複数は、対応する構成要素よりもサイズ(例えば、直径)が大きくてもよい。例えば、摩擦部材972は摩擦部材974より大きくてもよい。作動制御部材962は作動制御部材964より大きくてもよい。プーリー942はプーリー944より大きくてもよい。他の実施形態では、対応する構成要素は互いに同様のサイズである。例えば、摩擦部材972、974は等しい直径を有し、作動制御部材962、964は等しい直径を有し、かつ/又はプーリー942、944は等しい直径を有し得る。
【0050】
[0071]
図10Aは、本開示の実施形態に係るプーリー942の斜視図を示す。プーリー942は、管状接続部材1020を介してトップディスク1030に結合されるベースディスク1010を含む。ベースディスク1010は、開放溝1012とアンカー部材1016とを含む。アンカー部材1016は、いくつかの実施形態ではT字形であり得る。開放溝1012は、ベースディスク1010の外周の少なくとも一部に沿って配置されている。トップディスク1030は、柱1032、1036と開口部1034とを含む。開口部1034は、プーリー942のボディを長手方向に又は軸方向に通過するよう、例えば、接続部材1020及びベースディスク1010を通過するよう延びる。車軸952は、開口部1034を通って延在する。柱1032及び1036は、トップディスク1030の表面1038から突出している。柱1032及び1036は、ハンドル120が組み立てられたとき、各作動制御部材962の穴の中にそれぞれ受け入れられる。柱1032、1036がそれぞれの穴の中に収容された状態において作動制御部材962はプーリー942に結合され得る。すなわち、作動制御部材962の動きは、プーリー942、先端アセンブリ102、及び遠位部104の対応する動きを引き起こす。いくつかの実施形態において、柱1032及び1036は、作動制御部材962に対するアラインメントを容易にするために、異なる直径を有してもよい。
図12及び
図13に関してより詳細に説明されるように、プルワイヤーセグメント507のペアが開放溝1012の周囲に巻き付けられ、アンカー部材1016に結び付けられる。プーリー944は、プーリー942と同様の特徴を有する。いくつかの実施形態では、プーリー942のサイズ、例えばベースディスク1010の直径は、プーリー944より大きい。
【0051】
[0072]
図10Bは、本開示の実施形態に係る、線1001によって示される方向において見たプーリー942の背面図である。プーリー942は、ベースディスク1010の周囲を囲うように放射状に間隔を置いて配置された複数の開口部又は穴1040を含む。複数の開口部1040は、プーリー942の、柱1032、1036とは反対側に配置されている。プルワイヤーセグメント507が開放溝1012から開口部1040を通ってアンカー部材1016まで延びることができるように、開口1040が開放溝1012と連通し得る。
【0052】
[0073]
図11及び
図12は、ハンドル120の斜視図である。
図11及び
図12は、例えば
図8~
図10Bに関して記述されているものと同様な、ハンドル120の構成要素を含む。
図11及び
図12は、プルワイヤーセグメント507と同様なプルワイヤーセグメント1102、1104、1106、及び1108を含む。ここで、プルワイヤーセグメント1102、1104、1106、及び1108は、プルワイヤーセグメント507のより近位の部分であり得る。
図11及び
図12はまた、ICE装置110を組み立てる方法における例示的なステップを示す。
図11及び
図12に示されるステップは、プルワイヤー終端プロセスと称され得る。
図11は、プーリー942の開放溝1012内に配置されたプルワイヤーセグメント1102及び1104を示す。開放溝1012のそれぞれの部分から、プルワイヤーセグメント1102は開口部1040aを通過し、プルワイヤーセグメント1104は開口部1040bを通過する。両方のプルワイヤーセグメント1102、1104が、開口部1040cを通過する。プルワイヤーセグメント1102、1104は、開口部1040cを通過した後、一緒にねじられてもよい。
【0053】
[0074]
図12は、開口部1040cに通された後、アンカー部材1016の周りに結び付けられているプルワイヤーセグメント1102、1104の近位部を示す。プルワイヤーセグメント1102、1104をアンカー部材1016に固定するために、任意の適切な結び方を使用することができる。結んで終端させた後、プルワイヤーセグメントのプーリーへの取り付けをさらに強化するために、ハンドル120内の1つ又は複数の点(合流孔1040c、アンカー部材1016など)に接着剤を塗布することができる。プルワイヤーセグメント1102、1104は、装置110の近位部においてプーリー942に結び付けられており、装置110の遠位部においてクラウン部材520に結び付けられているので、作動部材962が動くことにより、プルワイヤーセグメント1102、1104に張力が生じ、先端アセンブリ102及び遠位部104が偏向する。プルワイヤーセグメント1106、1108をプーリー944に取り付けるために同様のステップが実行され得る。
【0054】
[0075]
図11及び
図12は、ハンドル120のルーティング部材840をさらに示す。ルーティング部材840は、同軸ケーブル566がハンドル120内でプルワイヤーセグメント1102、1104、1106、1108から離間するように、同軸ケーブル566を方向付ける又は方向変換する。これに関して、同軸ケーブル566及びプルワイヤーセグメント1102、1104、1106、1108は、管状接続部材814を介してハンドルに入る。ルーティング部材840は、構成900の構成要素の組み立て及び/又は動作が同軸ケーブル566と干渉しないよう、同軸ケーブルを複数のプルワイヤーセグメント1102、1104、1106、1108から遠ざけるように方向付ける。ルーティング部材840は、支持部材832及びアラインメント部材822と協働して、ケーブル556をハンドル120の内周に沿って配置することができる。これに関して、いくつかの実施形態では、支持部材832及びアラインメント部材822がルーティング部材840と称され得る。
【0055】
[0076]
図13は、プルワイヤーセグメント1102、1104、1106、1108がどのように作動制御部材962、964と相互作用するかを示す概略図である。これに関して、プルワイヤーセグメント1102、1104、1106、1108は、プーリー942、944に直接結合されていることを理解されたい。作動制御部材962、964は、作動制御部材962、964の動きがプーリー942、944及びプルワイヤーセグメント1102、1104、1106、1108の動きを引き起こすように、プーリー942、944にそれぞれ結合されている。したがって、参照番号962、964によって示される構成要素は、作動制御部材962、964及び/又はプーリー942、944を表し得る。図示されるように、ケーブル566はプルワイヤーセグメント1102、1104、1106、1108から離間されている。プルワイヤーセグメント1102、1104、1106、1108の動きは、ケーブル566に影響を及ぼす必要はない。
図13では作動制御部材962が作動制御部材964よりも大きいが、作動制御部材964が作動制御部材962よりも大きくてもよく、又は作動制御部材962及び964が同じ大きさを有してもよい(例えば、同じ直径を有する)ことを理解されたい。
【0056】
[0077]例示的な実施形態では、作動制御部材962は、前後平面に沿った先端アセンブリ102及び遠位部104の動きを制御することができる。例えば、プルワイヤーセグメント1102は前方への動きと関連付けられ、プルワイヤーセグメント1104は後方への動きと関連付けられてもよい。例示的な実施形態では、作動制御部材964は、左右平面に沿った先端アセンブリ102及び遠位部104の動きを制御することができる。例えば、プルワイヤーセグメント1106は右方向の動きと関連付けられ、プルワイヤーセグメント1108は左方向の動きと関連付けられてもよい。作動制御部材962、964、プーリー942、944、及びプルワイヤーセグメント1102、1104、1106、1108を含む構成900の構成要素は、作動制御部材962、964のうちの1つの動きが、他の作動制御部材962、964の動きに影響を及ぼさないように、ハンドル120内に配置され得る。
【0057】
[0078]例示的実施形態では、ICE装置110は2本のプルワイヤーを含む。各プルワイヤーは2つのセグメントを含み得る。すなわち、各プルワイヤーは、2つのセグメントに分かれるように配置され得る。例えば、第1のプルワイヤーはプルワイヤーセグメント1102、1106を含むことができる。そのような実施形態では、第1のプルワイヤーは、前方及び右方向の動きに関連付けられたセグメント1102、1106を含み得る。第2のプルワイヤーはプルワイヤーセグメント1104、1108を含むことができる。すなわち、第2のプルワイヤーは、後方及び左方向の動きに関連付けられたセグメント1104、1108を含み得る。
【0058】
[0079]
図14は、クラッチ制御部材910、クラッチカム920、及びクラッチスプリング930を含むクラッチ機構の展開側面図である。クラッチ機構は、ユーザが作動制御部材962、964に加えられる力を減少させた後に、先端アセンブリ102及び遠位部104がどれだけ速く又はゆっくりと偏向していない状態に戻るかをユーザが制御することを可能にする。クラッチ制御部材910は、作動制御部材962、964の抵抗を制御するために、連続的な一連の複数の位置の間を移動され得る(例えば回転され得る)。すなわち、ユーザは、クラッチ制御部材910を動かすことに基づいて、先端アセンブリ102及び遠位部104が各自の偏向していない状態に戻る速度を選択することができる。クラッチ制御部材910の円周及び/又は外面は、ユーザが望むように簡単に動かすことができるように、テクスチャ加工されてもよい(例えば、複数の溝が設けられてもよい)。クラッチ制御部材910の回転が説明されているが、並進、円弧に沿った運動、ボタンの押し下げなど、任意の適切な種類の作動が考えられることが理解されよう。
【0059】
[0080]クラッチ制御部材910は、クラッチカム920に対応するようなサイズ及び形状を有する凹部912を含む。クラッチカム920は、ねじ付きネック922及びショルダー926を含む。柱924は、ネック922とは反対方向にショルダー926から延びる。柱924は、クラッチスプリング930の穴934内に収容される。車軸952、954は、クラッチスプリング930の各穴932を通過する。クラッチ制御部材910の凹部912には、クラッチカムのねじ付きネック922と対応するように、ねじ山が設けられている。ハンドル120が組み立てられると、クラッチカム920は凹部912内に収容される。クラッチ制御部材910が回転すると、凹部912内のねじ山がねじ付きネック922と係合する。
【0060】
[0081]クラッチ制御部材910の第1の方向(例えば、時計回り)における動き/回転は、クラッチカム920を方向1402においてクラッチスプリング930に向かって移動させる。すなわち、クラッチ制御部材910の第1の方向(例えば、時計回り)における動き/回転は、クラッチカム920を介して、クラッチスプリング930に圧縮力を加える。ショルダー926は、クラッチスプリング930の中央部936と接触すると圧縮力を加える。
図14に示すように、クラッチスプリング930は圧縮されていない状態では曲がっていてもよい。クラッチスプリング930の中央部936は、クラッチカム920からの圧縮力に応じて真っ直ぐになる。圧縮力が増大すると、作動制御部材962、964の回転抵抗が増大する。
【0061】
[0082]クラッチ制御部材910の第2の方向(例えば、反時計回り)における動き/回転は、クラッチカム920を方向140においてクラッチスプリング930から離れるように移動させる。すなわち、クラッチ制御部材910の第2の方向(例えば、反時計回り)における動き/回転は、クラッチカム920を介するクラッチスプリング930に対する圧縮力を低減する又は取り除く。圧縮力が低減され又は取り除かれると、クラッチスプリング930は圧縮されていない状態でそうであるように、曲がった態様に戻る。クラッチスプリング930の中央部936は、クラッチカム920からの圧縮力の低減/除去に応じて曲がる。圧縮力が増大すると、作動制御部材962、964の回転抵抗が増大する。
【0062】
[0083]
図15は、作動制御部材1502、1504及び摩擦部材1532、1534の概略的な展開斜視図である。
図16は、作動制御部材1502及び摩擦部材1532の概略的な展開側面図である。作動制御部材1502、1504は、アクチュエータ116及び作動制御部材962、964と同様の特徴を共有し得る。作動制御部材962、964の外周1522、1524は、医師が指で容易に動かす(例えば、回転させる)ことができるよう、テクスチャ加工され得る(例えば、複数の溝が設けられ得る)。いくつかの実施形態では、装置の曲げ/操縦の程度を示すために、又は、装置に対して、4方向のいずれにも張力が作用していないニュートラルな直線ポジションに装置があることを示すために、線形マーカーが作動制御部材962、964上に配置されてもよい。作動制御部材962、964は、車軸952、954が通る穴1508、1518を含む。作動制御部材962、964はまた、プーリー942、944の柱1032、1036が通過するボア又は穴1506、1516、1518を含む。作動制御部材1502、1504の、摩擦部材1532、1534に隣接し、かつプーリー942、944がハンドル120内に配置されている側とは反対側には、キャビティ1512、1514が形成される。
【0063】
[0084]摩擦部材1532、1534は、摩擦部材972、974と同様の特徴を共有し得る。摩擦部材1532、1534は、車軸952、954が通る穴1538を含む。摩擦部材1532、1534の外周は、1つ又は複数の干渉柱1536を含む。いくつかの実施形態では、干渉柱1536は、摩擦部材1532、1534の全周に延在する。干渉柱1536は、作動制御部材1502、1504のキャビティ1512、1514の方を向いている。いくつかの例では、干渉柱1536は、摩擦部材1532、1534のために円錐台形の形状を形成し得る。作動制御部材1502、1504のキャビティ1512、1514はチャンバを形成し、このチャンバは、摩擦部材1532、1534の干渉柱1536と嵌合するように成形された内周面1552を含む。例えば、
図16の側面図に示すように、干渉柱1536の外面1537と内周面1552とは互いに平行に延びる。クラッチカム920によってクラッチスプリング930に圧縮力が加えられると、作動制御部材1502、1504は摩擦部材1532、1534に向かって方向1402に動かされる。作動制御部材1502、1504の内周面1552は、干渉柱1536の外面1537と接触する。干渉柱1536と作動制御部材1502、1504との間の摩擦接触は、作動制御部材1502、1504の動き(例えば、回転)を妨げる。すなわち、作動制御部材1502、1504の回転抵抗が大きくなる。したがって、作動制御部材1502、1504は、各自の静止状態によりゆっくりと戻る。そのような状況では、先端アセンブリ102及び遠位部104の偏向のより細かい制御が達成される。
【0064】
[0085]圧縮力がより小さい場合、作動制御部材1502、1504が摩擦部材1532、1534から離れる方向1404に動く。干渉柱1536と作動制御部材1502、1504との間の接触が少ないか、又は接触していないことにより、作動制御部材1502、1504は、より迅速に各自の静止状態に戻ることが可能になる。
【0065】
[0086]摩擦部材1532、1534及び/又は干渉柱1536は、摩擦部材1532、1532の表面が、制御部材1502、1504の対応する表面と接触するのに適した任意の形状を有し得る。いくつかの実施形態では、
図16の断面図に示されるように、摩擦部材1532、1534は、制御部材1502、1504の対応する形状のキャビティ1512、1514内に収まる円錐台形の形状を有する。
【0066】
[0087]摩擦部材1532、1534は、1つ又は複数の係止柱1535を含む。係止柱1535は、摩擦部材1532、1534の、1つ又は複数の干渉柱1536とは反対側に配置されている。係止柱1535は、シェル810、820のアラインメント部材822と機械的に係合するように構成されている。係止柱1535とアラインメント部材822との間の係合により、作動制御部材1502、1504の回転がロックされ、先端アセンブリ102及び遠位部104の偏向が維持される。この点に関して、医師は、作動制御部材1502、1504の動きに基づいて、係止柱1535をアラインメント部材822と選択的に係合させたり、係合を解除させたりすることができる。
【0067】
[0088]
図17は、組み立てられた状態のハンドル120の斜視図を示す。ハンドル120は、ユーザが片手又は両手でハンドル120を握り、作動制御部材962、964及び/又はクラッチ制御部材910を動かすことができるように構成される。作動制御部962、964は、ハンドル120の長手方向中心軸上に、又は該中心軸に対して平行に配置される。いくつかの実施形態では、作動制御部962は長手方向中心軸に対してより近くに整列され、一方、作動制御部964は長手方向軸から横方向にオフセットされている。例えば、より頻繁に使用される作動方向に関連付けられた作動制御が、長手方向中心軸のより近くに整列され得る。一実施形態では、作動制御部962は前後方向の偏向を制御する。図示の実施形態は、管状接続部材814の周りに配置された遠位ストレインリリーフ112を示す。底部シェル820は、遠位ストレインリリーフ112と管状接続部材814との接合部の周りに配置されている。
【0068】
[0089]
図18~
図20は、係止特徴1806を有する遠位ストレインリリーフ112の実施形態を示す。
図18~
図20は、遠位ストレインリリーフ112がハンドル120に結合される際の方法のステップの過程にわたるハンドル120の上面図である。
図18では、近位シャフトが上部シェル810に取り付けられている。
図18はさらに、遠位ストレインリリーフ112が、シャフト106を越えて上部シェル810の遠位端1802に向かって近位に通される様子を示す。係止特徴1806は、ストレインリリーフ112の近位部から延びる。上部シェル810の遠位端1802は、係止特徴1806のための対応する空間を含む。
図19は、ストレインリリーフ112が底部シェル810に結合された後のハンドル120を示す。例えば、ストレインリリーフ112が、シェル810の遠位端1802に対して同一平面上に押され得る。ストレインリリーフ112をねじることにより、係止特徴1806を遠位端1802内の空間に移動させ、ストレインリリーフ112がシェル810に機械的に係止され得る。
図20は、底部シェル820が上部シェル810の上に配置された後の組み立て状態のハンドルを示す。ハンドル120は、ユーザが片手又は両手でハンドル120を握り、作動制御部材962、964及び/又はクラッチ制御部材910を動かすことができるように構成される。
【0069】
[0090]
図18~
図20の実施形態は、上部シェル810と下部シェル820の両方の近位シャフトスロットの周りに、ハンドル120の遠位部と同じ表面アラインメントでアウタードームを作成する。このドームの最も遠位の直径の穴は、隣接する近位の穴の直径よりもわずかに小さくてもよい。隣接する近位の穴は、近位シャフトスロットの基部まで延在し得る。また、垂直軸上で、大きな外径のセグメントから、最も小さな外径のセグメント、そしてより大きな外径のセグメントへというコンポーネントにおける遷移がある場合には、カスタム遠位ストレインリリーフ112が使用され得る。ストレインリリーフ112のテーパ状端部とは反対側の、コンポーネントの直径が大きいセグメントは、セグメントのプロファイルの半分は、コンポーネントの最も小さい外径のセグメントと合致する直径を有し、他の半分は、シェル810、820のドーム特徴の最大直径と合致するようにより大きい外径を有するオフセット直径設計であるべきである。
【0070】
[0091]
図18及び
図19はまた、ハンドル120内に配置された操縦制御構成900の各構成要素を示す。ハンドル120内には、クラッチ制御部材910、クラッチカム920、クラッチスプリング930、プーリー942及び944、車軸952及び954、作動制御部材962及び964、並びに摩擦部材972及び974が設けられている。構成900の構成要素は、互いに隣接し及び/又は互いに接触して配置され得る。
図18及び
図19に示されるように、構成900の構成要素は、ハンドル120が組み立てられたとき、互いに直接的又は間接的に結合され得る。ハンドル120内の1つ又は複数の構成要素は、プルワイヤーセグメントの接点の周りの磨耗及び引裂き損傷を防止するために特に丸みを付けられた縁部を含み得る。
【0071】
[0092]
図21は、本明細書に記載される管腔内撮像装置を組み立てる方法2100のフロー図である。他の実施形態では、方法2100の各ステップは
図21に示されるものとは異なる順序で実行されてもよく、ステップの前後や最中に追加のステップが提供されてもよく、かつ/又は、記載されるステップの一部が置換又は削除されてもよい。方法2100のステップは、管腔内撮像装置の製造業者によって実行されてもよい。
【0072】
[0093]ステップ2110において、方法2100は、フレキシブルな細長い部材を得ることを含む。フレキシブルな細長い部材は、遠位部に撮像コアを含み得る。電気ケーブルが撮像コアと接続しており、フレキシブルな細長い部材の長さに沿って、遠位部から近位部まで延びている。さらに、撮像コアを含むフレキシブルな細長い部材の遠位部を選択的に偏向させるように構成された1つ又は複数のプルワイヤー又はプルワイヤセグメントが、フレキシブルな細長い部材の長さに沿って、遠位部から近位部まで延びている。
【0073】
[0094]ステップ2120において、方法2100は、電気ケーブル及びプルワイヤーセグメントを管腔内撮像装置のハンドル内にガイドするステップを含む。例えば、電気ケーブル及びプルワイヤーセグメントは、ハンドルの遠位部においてルーメンを通って入り得る。いくつかの実施形態では、ハンドルは、2つ以上の構成要素(例えば、上部シェル及び下部シェル)から構成されたクラムシェル設計を含む。ステップ2120は、電気ケーブル及びプルワイヤーセグメントを上部シェル又は底部シェル内にガイドするステップを含み得る。
【0074】
[0095]ステップ2130において、方法2100は、ハンドルのルーティング部材を使用して電気ケーブルをプルワイヤーセグメントから離れるように方向付けるステップを含む。例えば、ルーティング部材は、電気ケーブルがプルワイヤーセグメントから離間されるよう、電気ケーブルをそらし得る。
【0075】
[0096]ステップ2140において、方法2100は、プルワイヤーセグメントを1つ又は複数のプーリーに結合するステップを含む。各プーリーは、溝と、溝と連絡する1つ又は複数の穴とを含み得る。第1のプルワイヤーセグメントは、溝の第1の部分に沿って配置され得る。第2のプルワイヤーセグメントは、溝の第2の部分に沿って配置され得る。第1のプルワイヤーセグメントは、プーリーの側壁に設けられた第1の穴を通るよう溝から延び得る。第2のプルワイヤーセグメントは、プーリーの側壁に設けられた第2の穴を通るよう溝から延び得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2のプルワイヤーセグメントは両方とも、プーリーの側壁に設けられた第3の穴を通過し得る。第1及び第2のプルワイヤーセグメントは、例えば結び目を結ぶことによって、アンカー部材に結合され得る。
【0076】
[0097]ステップ2150において、方法2100は、上記1つ又は複数のプーリーを含む操縦機構、及び/又はクラッチ機構の1つ又は複数の構成要素をハンドルシェル内に配置するステップを含む。例えば、操縦機構の1つ又は複数の構成要素は、クラッチ制御部材、クラッチ、クラッチスプリング、車軸、作動制御部材、及び摩擦部材を含み得る。操縦機構は、フレキシブルな細長い部材の遠位部を選択的に偏向させることを可能にする。クラッチ機構は、偏向された遠位部が偏向されていない状態に戻る速度を制御するために作動制御部材の抵抗を変更することを可能にする。
【0077】
[0098]ステップ2160において、方法2100は、完全なハンドルを形成するステップを含む。例えば、ハンドルシェルの第2の半分が、例えば固定部材及び/又は接着剤などによって、操縦機構の各構成要素を収容しているハンドルシェルの半分の上に配置され、取り付けられ得る(ステップ2150)。
【0078】
[0099]ステップ2170において、方法2100は、近位ストレインリリーフ及び遠位ストレインリリーフをハンドルに結合するステップを含む。例えば、遠位ストレインリリーフは、ハンドルの遠位端から延びるシャフト上に配置され得る。例えば、近位ストレインリリーフは、ハンドルの近位端から延びるケーブル上に配置され得る。
【0079】
[00100]
図22は、管腔内撮像装置を使用して患者の体内から撮像データを取得する方法2200のフロー図である。他の実施形態では、方法2200の各ステップは
図22に示されるものとは異なる順序で実行されてもよく、ステップの前後や最中に追加のステップが提供されてもよく、かつ/又は、記載されるステップの一部が置換又は削除されてもよい。方法2200のステップは、管腔内撮像装置のユーザによって実行されてもよい。
【0080】
[00101]ステップ2210において、方法2200は、管腔内撮像装置を得るステップを含む。管腔内撮像装置は、ハンドルから延びるフレキシブルな細長い部材を含み得る。フレキシブルな細長い部材の遠位部は、撮像コアを含み得る。ハンドルは、撮像コアを含む遠位部の選択的な偏向を容易にするよう、フレキシブルな細長い部材の長さに沿って延びる1つ又は複数のプルワイヤーセグメントを制御する。ステップ2220において、方法2200は撮像装置を患者の体内に挿入するステップを含む。例えば、撮像装置は、体内の任意の適切な管腔内に配置され得る。
【0081】
[00102]ステップ2230において、方法2200は、ハンドルの操縦機構を使用して撮像装置の遠位部を操縦するステップを含む。ステップ2240において、方法2200は、クラッチ機構を用いて、撮像装置の遠位部が偏向していない状態に戻る速度を制御するステップを含む。操縦機構の1つ又は複数の構成要素は、プルワイヤーセグメント、車軸、及び作動制御部材に結合されたプーリーを含み得る。作動制御部材は、作動制御部材の動きによってフレキシブルな細長い部材の遠位部の対応する偏向が引き起こされるよう、プーリーを介してプルワイヤーセグメントに結合され得る。クラッチ機構は、クラッチ制御部材、クラッチカム、クラッチスプリング、及び摩擦部材を含む。クラッチ制御部材は、クラッチカムへの圧縮力を増減するために動かされ得る。クラッチカムは、クラッチスプリングに適切な圧縮力を加える。摩擦部材は、作動制御部材に隣接するよう、かつ/又は接触するよう配置される。作動制御部材は、制御力に応答して摩擦部材と接触するように促される。接触が増えると、偏向していない状態に戻る速度が遅くなる。接触が減ると、偏向していない状態に戻る速度が速くなる。
【0082】
[00103]ステップ2250において、方法200は撮像装置を使用して患者の体内から撮像データを取得するステップを含む。方法2200は、得られたデータをレビューするための任意のステップをさらに含み得る。
【0083】
[00104]本開示の実施形態は多数の利点を提供する。例えば、プルワイヤーの作動方向は、それぞれの方向に関して、作動制御部材及びプーリーと一直線上にあり、これは、作動制御部材を回転させて装置を作動させるのに必要な力を減少させる。本開示は、作動制御部材を介してより少ない力で、かつ、より直接的な反応動作で(例えば、より少ない回転、より少ない制御不感帯など)、市販されている装置よりも顕著に高い角度に作動可能な装置を提供する。裏地付き可変編組差デュロメーターマルチルーメンシャフトの使用はこの効率を高める。
【0084】
[00105]さらに、近位シャフトとプーリーとの間のワイヤー経路は、各プルワイヤーが互いに適切に分離され、よって、単一のワイヤーに張力をかけることで他のワイヤーに意図せずに張力が加わることがないように設計される。本開示はまた、作動制御部材を回転させることによって及ぼされる力をより直接的かつ効率的に加えるために、プルワイヤーがシャフトからプーリーへ移動する際にプルワイヤーが経験する角度の量を制限する。これにより、作動制御部材をわずかに回転させるだけで高ストロークの作動が可能になり、装置のユーザビリティを最適化するとき、本明細書に記載の実施形態を広範囲の感度に適合させることを可能にし、よって全体的な装置のユーザビリティを高める。
【0085】
[00106]本明細書に記載の実施形態の全体的な人間工学的形状、及び、作動を制御するために回転させるときに両方の指を所望の作動制御部材上に置くことができることは、グリップ安定性を与えかつ触覚解像度を可能な限り維持しつつ、医師が任意の回転角度からハンドルを使用することを可能にすることを意図したものである。作動制御部材の形状、近位端上に設けられた指溝、互いに対する近さ及びオフセット配置や、各作動制御部材の異なるサイズ及び形状、互いに対するブレーキ制御は、医師が装置を片手で(いずれの手でも)使用すること、また、医師がハンドルを直接見ることなく直感的に制御することをできるようにするためのものである。
【0086】
[00107]可変ブレーキシステムにより、ユーザは、操縦中に作動制御部材にかかるフィードバック抵抗と、作動制御部材を解放した際に現在の作動状態を維持するように作動制御部材にかかる所望の保持力との間の適切なバランスを選択できる。作動制御部材のベースとして使用され、可変ブレーキシステムの一部として機能する摩擦部材はまた、アウターハウジングと協働する。作動制御部材自体は、装置の作動範囲を制限するために干渉柱を作成する。作動範囲及びホイールの回転は、互いに独立して制限されてもよい。装置自体のシャフトを変更する必要なく、単純に、上記構成要素上の干渉柱及びプーリーのサイズを変更することによって、ストローク対ホイール回転の比率をユーザビリティのためにさらに最適化することができる。
【0087】
[00108]当業者は、上述した装置、システム、及び方法は様々に変更され得ることを認識するであろう。したがって、当業者は、本開示が包含する実施形態は、上記の具体的な実施形態の例に限定されないことを理解するであろう。説明のための実施形態が図示及び記載されているが、上記の開示内容は様々な改変、変更、及び置換を考慮に入れるものである。このような変更は、本開示の範囲から逸脱することなく上記になされ得ることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示に従って広範に解釈されることが妥当である。