(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】光学画像安定化サスペンションにおけるセンサシフト構造
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20241220BHJP
G03B 17/55 20210101ALI20241220BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20241220BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20241220BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20241220BHJP
H04N 23/68 20230101ALI20241220BHJP
H04N 23/52 20230101ALI20241220BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B17/55
G03B30/00
G02B7/02 Z
H04N23/50
H04N23/68
H04N23/52
(21)【出願番号】P 2023085331
(22)【出願日】2023-05-24
(62)【分割の表示】P 2019532062の分割
【原出願日】2017-12-15
【審査請求日】2023-06-22
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508130890
【氏名又は名称】ハッチンソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HUTCHINSON TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,マーク エー.
(72)【発明者】
【氏名】ラドウィッグ,ピーター エフ.
(72)【発明者】
【氏名】リーマー,ダグラス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】イエルキン,デュアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】シューマン,ジョン エル.
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-203402(JP,A)
【文献】特表2015-537247(JP,A)
【文献】特開2006-033857(JP,A)
【文献】特開2014-154934(JP,A)
【文献】特開2017-207734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G03B 17/55
G03B 30/00
G02B 7/02
H04N 23/50
H04N 23/68
H04N 23/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止プレートと、
前記静止プレートに対してx軸及びy軸に関して移動可能
な可動プレートと、
前記可動プレートと一体である前記可動プレートにおけるセンサ取付領域と、
前記可動プレートを前記静止プレートに連結する1つ以上のばね
であって、前記可動プレートの主面に対して実質的に垂直である主面を有する1つ以上のばねアームを含む1つ以上のばねと、
前記静止プレートに対する前記可動プレートの前記移動を可能にする1つ以上の軸受と、
前記静止プレートと前記可動プレートとの間に延びてそれらに連結される1つ以上の形状記憶合金(SMA)素子とを含み、
前記可動プレートは、1つ以上のレンズに対して前記センサ取付領域を変位させるよう構成され、
前記SMA素子は、制御部によって駆動されると、前記可動プレート及びその上の前記センサ取付領域を前記静止プレートに対して前記x軸及び前記y軸に関して移動させ
、前記SMA素子は前記ばねアームの前記主面に配置される、サスペンション組立体。
【請求項2】
前記センサ取付領域において前記可動プレートに取り付けられるイメージセンサをさらに含む、請求項1に記載のサスペンション組立体。
【請求項3】
前記静止プレートに対して前記x軸及び前記y軸に関して実質的に固定するように取り付けられるレンズと任意的にオートフォーカスメカニズムとをさらに含む、請求項1又は2に記載のサスペンション組立体。
【請求項4】
前記センサ取付領域は、前記静止プレート及び前記可動プレートによって画定されるz高さ空間内に配置される、請求項1~3のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項5】
前記SMA素子は、前記センサ取付領域の下方に互いに横切って延びる少なくとも2つのSMAワイヤを
さらに含む、請求項1~4のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項6】
互いに横切って延びる前記少なくとも2つのSMAワイヤは、z高さ方向に互いに離間する、請求項5に記載のサスペンション組立体。
【請求項7】
前記センサ取付領域の下方に2つのペアのSMAワイヤを含み、それぞれの前記ペアのSMAワイヤは、他方の前記ペアのSMAワイヤを横断する、請求項5~6のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項8】
前記静止プレート及び前記可動プレートの一方又は双方に1つ以上の滑車部をさらに含み、それぞれの前記滑車部は少なくとも1つのSMA素子によって係合される、請求項1~7のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項9】
前記SMA素子は、前記センサ取付領域の周囲の外側の空間に配置される、請求項
1~4のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項10】
前記
ばねアームは、
前記可動プレートと前記静止プレートとの間に延びる
弓状部分を含み、
前記1つ以上のSMA素子は、前記1つ以上のばねアームの前記弓状部分にSMA材料を含んでバイメタルアクチュエータを形成する、請求項1~4のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項11】
前記1つ以上のばねアームは、前記可動プレート及び静止プレートの1つと一体的であるとともに、同じ材料から形成される、請求項
1に記載のサスペンション組立体。
【請求項12】
前記1つ以上のばねアームは前記可動プレートから延
び、
前記ばねアームにおける電気トレー
スをさらに含み、
前記ばねアームは金属であり、前記サスペンション組立体は、前記電気トレースと前記ばねアームとの間に絶縁層をさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項13】
前記1つ以上のばねアームは、前記可動プレートと一体的であるとともに、同じ材料から形成される、請求項
12に記載のサスペンション組立体。
【請求項14】
前記ばねアームは湾曲部を含む、請求項
12~13のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項15】
前記可動プレートから延びる電気トレースを含む1つ以上のフレキシブル回路コネクタをさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項16】
前記1つ以上のフレキシブル回路コネクタは、前記可動プレートと一体的である、請求項
15に記載のサスペンション組立体。
【請求項17】
前記1つ以上のフレキシブル回路コネクタは、1つ以上の角度をなした湾曲部を有し、前記湾曲部は任意的に約45度である、請求項
15~16のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項18】
前記可動プレートにヒートシンクをさらに含む、請求項1~
17のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項19】
前記ヒートシンクは、前記可動プレートにおける1つ以上の成形ヒートシンク形体部、前記可動プレートにおけるめっきなどの熱伝導材料、及び前記可動プレートを貫通する1つ以上の熱伝導材料ビアを含む、請求項
18に記載のサスペンション組立体。
【請求項20】
前記静止プレート及び前記可動プレートの一方又は双方に1つ以上の位置検知素子をさらに含む、請求項1~
19のいずれかに記載のサスペンション組立体。
【請求項21】
前記1つ以上の位置検知素子は、ホールセンサ及び磁石の一方又は双方を含む、請求項
20に記載のサスペンション組立体。
【請求項22】
前記1つ以上の位置検知素子は、静電容量式プローブを含む、請求項
20に記載のサスペンション組立体。
【請求項23】
前記サスペンション組立体は、
前記ばねアームの1つ以上におけるひずみゲージとをさらに含む、請求項
20に記載のサスペンション組立体。
【請求項24】
SMA材料は、前記SMA素子の2つの端部のみで前記
1つ以上のばねアームに電気的及び構造的に取り付けられ、前記SMA素子の中心部分では開放されている、請求項
10に記載のサスペンション組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年12月15日に出願の米国特許出願第15/844,296号の優先権を主張し、さらに2016年12月16日に出願の米国仮特許出願第62/435,231号の利益を享受するものであり、そのそれぞれの全体が言及によって本明細書に援用される。
【0002】
[技術分野]
本発明は、一般に、電話やタブレットなどの携帯デバイスに組み込まれるものを含む、カメラに関して使用される光学画像安定化(optical image stabilization、OIS)サスペンションに関する。
【背景技術】
【0003】
形状記憶合金(shape memoryalloy、「SMA」)カメラレンズ光学画像安定化(「OIS」
)サスペンションは、一般に既知であり、例えば、Howarthの特許文献1、Millerの特許文献2、及びBrownの特許文献3、Ladwigの特許文献4、Eddingtonの特許文献5、Howarthの特許文献6、並びに特許文献7及び特許文献8にて公開されており、そのすべての全体が言及によってあらゆる目的で本明細書に援用されている。実施形態は、支持部材に取り付けた可動部材を含むものである。支持部材の可動部材とは反対側には、ベース部を取り付けることができる。これらのタイプのOIS組立体は、ベース部又は支持部材に取り付けたイメージセンサと可動部材に取り付けたオートフォーカス(auto focus、「AF」)組立体又はメカニズムを備えたレンズホルダとを有するものである。SMAワイヤは、可動部材を支持部材に連結するとともに、制御部によって制御される。SMAワイヤは、ユーザの手の動きによって起こり得るものなどの振動に対して、センサ上のレンズによって生成される画像の位置を安定化するために、可動部材を支持部材に対してx-y軸に関して移動させるように駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第9,175,671号明細書
【文献】米国特許第9,366,879号明細書
【文献】米国特許第9,479,699号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0154251号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0135703号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0346507号明細書
【文献】国際公開第2014/083318号
【文献】国際公開第2013/175197号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、改良されたOISサスペンションが引き続き必要とされている。高機能、堅牢であり、製造効率のよいこれらのタイプのOISサスペンションは特に望ましいものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
サスペンション組立体が記載される。サスペンション組立体は、静止部材又は静止プレートと、静止プレートに対してx軸及びy軸に関して移動可能な可動部材又は可動プレー
トと、可動プレートにおけるセンサ取付領域と、静止プレートと可動プレートとの間に延びてそれらに連結される1つ以上の形状記憶合金(SMA)素子とを含む。SMA素子は、
制御部によって駆動されると、可動プレート及びその上のセンサ取付領域を静止プレートに対してx軸及びy軸に関して移動させる。
【0007】
本発明の実施形態の他の特徴及び有利性は、添付の図面及び以下の詳細な説明によって明らかになる。
【0008】
本発明の実施形態は、同様の参照符号が類似する構成要素を表す添付の図面の図において一例として示され限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンションを含むセンサシフトカメラシステムを示す。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。
【
図3】
図3は、
図2に示す光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。
【
図4】
図4は、実施形態にかかるセンタリングばねを含む光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。
【
図5】
図5は、
図4に示す光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。
【
図6】
図6は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のセンタリングばねを示す。
【
図7】
図7は、実施形態にかかる4つのSMAワイヤを含む光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。
【
図8】
図8は、
図7に示す光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。
【
図9】
図9は、実施形態にかかるループ状SMAワイヤを含む光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。
【
図10】
図10は、
図9に示す光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。
【
図11】
図11a~
図11bは、一部の実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のループ状SMAワイヤ構成を示す。
【
図12】
図12は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体の断面図を示す。
【
図13】
図13は、実施形態にかかる矩形ワイヤセンサ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体を示す。
【
図15】
図15は、実施形態にかかる弓形センサ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体を示す。
【
図17】
図17は、実施形態にかかるバイメタルアクチュエータとしてなされた光学画像安定化サスペンション組立体を示す。
【
図18】
図18は、SMA材料が加熱されて、冷間状態から熱間状態に変化し、そして冷間状態に戻るときのSMA材料の例の動きを示す。
【
図19】
図19は、実施形態にかかるバイメタルアクチュエータとしてなされた光学画像安定化サスペンション組立体を示す。
【
図20】
図20は、予備成形した平坦な状態の実施形態にかかるバイメタルアクチュエータを示す。
【
図21】
図21は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のための半筒状巻きインターポーザを示す。
【
図22】
図22は、
図21に示すものなどの半筒状巻きインターポーザの最終状態に形成される前の平坦な状態の半筒状巻きインターポーザを示す。
【
図23】
図23は、フレキシブル回路を有する、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のための45度の角度をなす湾曲部を含むインターポーザを示す。
【
図24】
図24は、フレキシブル回路を有する実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のための45度の角度をなす湾曲部を含むインターポーザを示す。
【
図25】
図25は、
図23に示すものなどのインターポーザの最終状態に形成される前の平坦な状態におけるインターポーザの4つの側部から突出するフレキシブル回路を有するインターポーザを示す。
【
図26】
図26は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のヒートシンク形体部を含む可動部材の下側を示す。
【
図27】
図27は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のヒートシンク形体部を含む可動部材の下部からみた断面図を示す。
【
図28】
図28は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のヒートシンク形体部及び伝導性めっきを含む可動部材の上部からみた断面図を示す。
【
図29】
図29は、ビア及び伝導性めっきを含む、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体の可動部材を示す。
【
図30】
図30は、1つ以上のホールセンサを含む、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体を示す。
【
図31】
図31は、動きセンサとしての1つ以上の静電容量式プローブを含む、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。
【
図32】
図32は、実施形態にかかる静電容量式プローブを使用して動きを測定する例を示す。
【
図33】
図33は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体の公称位置又は中心位置を測定する例を示す。
【
図34】
図34は、動きセンサとしてのひずみゲージを含む、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体を示す。
【
図35】
図35は、実施形態にかかるバイメタルアクチュエータとしてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。
【
図36】
図36は、
図35に示すバイメタルアクチュエータとしてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。
【
図37】
図37は、内側レール上のバイモルフアクチュエータ、外側レール上の可撓性トレース経路、及び本明細書に記載されるものなどの動きセンサを含む、実施形態にかかるバイメタルアクチュエータの部分を示す。
【
図38】
図38は、可動部分及び固定部分を含む、実施形態にかかるバイメタルアクチュエータの平面図を示す。
【
図39】
図39は、実施形態にかかる一体型SMAバイモルフX/Yアクチュエータを形成するためのレイアウトパターンを示す。
【
図40】
図40は、実施形態にかかる一体型SMAアクチュエータ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。
【
図41】
図41は、
図40に示す一体型SMAアクチュエータ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。
【
図42】
図42は、実施形態にかかる一体型SMAアクチュエータ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。
【
図43】
図43は、実施形態にかかる一体型SMAアクチュエータ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の側面図を示す。
【
図44】
図44は、実施形態にかかる一体型SMAアクチュエータ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態には、静止部材若しくは静止プレート、又は支持部材若しくは支持プレートと、可動部材又は可動プレートと、静止プレートと可動プレートとの間に延びる1つ以上の形状記憶合金(SMA)素子又は形状記憶合金ワイヤとを有する光学画像安定化(OIS)サスペンションを含む。イメージセンサは可動プレートに取り付けられる。レンズホルダや任意的にオートフォーカス(AF)組立体などのレンズ部品は、静止プレートに、又は静止プレートに関して固定するように取り付けられる。SMAワイヤは、支持部材及びレンズ部品に対してx-y軸に関して可動プレート及びその上のイメージセンサを移動させる制御部によって駆動されて、レンズ部品の位置及びそれによりセンサにおいて生成される画像を安定化することができる。OISサスペンションは、それにより、ユーザの手の動きにより起こり得るものなどの振動を打ち消すことができる。これらのタイプのサスペンションは小型化可能であり、例えば、携帯電話、タブレット、及び他のデバイスに組み込まれるカメラレンズ及びイメージングシステムに使用することができる。
【0011】
本発明の実施形態は、SMA・OISセンサシフト部品というタイトルの添付文献に記載され、これはその開示の全体が参照によってあらゆる目的で本願明細書に援用される。背景技術の項において上述される特許文献に記載のタイプのプロセス及び構造は、これらの実施形態に関して使用可能である。フォトリソグラフィ(例えばパターン状及び/又は非パターン状フォトレジストマスクの使用)に関するウェットエッチング(例えば化学的)及びドライエッチング(例えばプラズマ)、電解めっき及び無電解めっき、並びにスパッタリング処理などの従来のアディティブ堆積及び/又はサブトラクティブ法だけでなく、機械的成形法(例えばパンチ及び型の使用)も本開示の実施形態におけるOISサスペンション部品の製造に使用可能である。これらのタイプのアディティブ法及びサブトラクティブ法は、例えば、ディスクドライブへッドサスペンションの製造に関して既知であって使用されるものであるとともに、以下の米国特許文献において概ね公開されており、これらのすべてが言及によってあらゆる目的のために本明細書に援用される。該米国特許文献とは、米国特許第8,941,951号明細書(Bennin等、「ひずみセンサ及びスパッタリングトレースを備えたヘッドサスペンションフレクシャ(Head Suspension Flexure withIntegrated Strain Sensor and Sputtered Traces)」)、米国特許第8,885,
299号明細書(Bennin等、「2段アクチュエーションディスクドライブサスペンション用低抵抗グランドジョイント(Low Resistance Ground Joints forDual Stage Actuation Disk Drive Suspensions)」)、米国特許第8,169,746号明細書(Rice等、「複
数トレース構造を備えた一体型リードサスペンション(Integrated Lead Suspension withMultiple Trace Configurations)」)、米国特許第8,144,430号明細書(Hentges等、「一体型リードサスペンションの多層グランドプレーン構造(Multi-Layer Ground PlaneStructures for Integrated Lead Suspensions)」)、米国特許第7,929,
252号明細書(Hentges等、「一体型リードサスペンションの多層グランドプレーン構
造(Multi-Layer Ground PlaneStructures for Integrated Lead Suspensions))、米国
特許第7,388,733号明細書(Swanson等、「サスペンション組立体用貴金属導電
リード製造方法(Method for Making Noble Metal ConductiveLeads for Suspension Assemblies)」)、米国特許第7,384,531号明細書(Peltoma等、「一体型リードサスペンションのめっきグランド形体(Plated Ground Features forIntegrated Lead Suspensions)」)、並びに米国特許第5,862,015号明細書(Evans等、「共振フィードバックトランスデューサを備えたヘッドサスペンション(Head Suspension with ResonanceFeedback Transducer)」)である。
【0012】
特定の実施形態に関して記載されているものの、当業者は、本発明の意図及び範囲から外れることなく態様や詳細に変更を行い得るということを認めるものである。特に、実施形態の特徴が個々に又は特定の他の特徴に関して記載されるが、記載の実施形態の特徴は、他の実施形態の任意又はすべての特徴と組み合わせることができる。非限定的一例として、記載のx/yフレキシブル回路・コネクタ、熱管理、及び/又はx/y位置フィード
バックの構想の任意又はすべての実施形態は、任意のセンサシフトメカニズム構想に組み込まれる、又は任意のセンサシフトメカニズム構想と組み合わせることができる。
【0013】
図1は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体を含むセンサシフトカメラシステムを示す。センサシフトカメラシステム100は、オートフォーカス組立体104に取り付けられたレンズ積層組立体102を含む。オートフォーカス(「AF」)組立体104は、当該技術分野において既知のものを含む技術を使用してイメージセンサ108に合焦するように構成された1つ以上のレンズ106a~106dを含む。AF組立体104は、カメラ筐体112に取り付けられる。
【0014】
AF組立体104は、ボイスコイル磁石アクチュエータ(voice coil magnet、「VCM」)AF組立体又はSMAアクチュエータAF組立体であり得る。VCMのAF組立体は、当該技術分野では既知のものを含む技術を使用して、イメージセンサ108の長手方向軸に垂直の方向に、例えばセンサシフトカメラ組立体100のz軸110の方向に、動きを生成するようにボイスコイル磁石アクチュエータを使用して、1つ以上のレンズ106a~106bを移動させ、イメージセンサ108に合焦する。SMAアクチュエータのAF組立体は、当該技術分野では既知のものを含む技術を使用して、イメージセンサ108の長手方向軸に垂直の方向に、例えばセンサシフトカメラ組立体100のz軸110の方向に、動きを生成するようにSMAアクチュエータを使用して、1つ以上のレンズ106a~106bを移動させ、イメージセンサ108に合焦する。
【0015】
イメージセンサ108は、光学画像安定化サスペンション組立体114に取り付けられる。光学画像安定化サスペンション組立体114は、イメージセンサの長手方向軸120に平行な平面上で、例えばセンサシフトカメラ組立体100のz軸110に対してx軸及びy軸の方向に、イメージセンサ108を移動させるように構成される。イメージセンサ108を静止したレンズ積層組立体102に対してx方向及びy方向に変位させることにより、より長いSMAワイヤが使用され、これは、光学画像安定化サスペンション組立体114が画像光線のスペースを確保する必要がないためである。より長いSMAワイヤを使用する利点は、長いストロークが得られて、光学画像安定化サスペンション組立体114がより大きい動きを補うことができることである。
【0016】
光学画像安定化サスペンション組立体114は、種々の実施形態において、静止プレートとも呼称され得る静止部材124と可動プレートとも呼称され得る可動部材122とを含む。可動部材122は、イメージセンサ108を受け入れるように構成される。例として、イメージセンサ108は、可動部材122のセンサ取付領域において可動部材122に取り付けられる。一部の実施形態では、センサ取付領域は、可動部材122の中心に、又は可動部材122の中心近傍にある。種々の実施形態では、光学画像安定化サスペンション組立体114の高さを低くするために、イメージセンサ108が可動部材122と静止部材124との間にあるというように、イメージセンサ108が可動部材に取り付けられ、これによりセンサシフトカメラ組立体100に必要とされる全体的な高さを低くすることができる。
【0017】
図2は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。光学画像安定化サスペンション組立体214は、可動部材222に配置されて取り付けられるイメージセンサ208を有するように構成される。可動部材222は、SMAワイヤ212a、212bなどのSMA素子を可動部材222に取り付けるために、ワイヤクリンプ204a、204bを含む。SMAワイヤ212a、212bは可動部材222と静止部材224との間に配置される。静止部材224は、SMAワイヤ212a、212bを静止部材224に取り付けるために、ワイヤクリンプ216a、216bを含む。静止部材224はまた、一部の実施形態において、1つ以上のすべり軸受210a~210dも含
む。任意の数のすべり軸受210a~210dが使用され得る。一部の実施形態には3つのすべり軸受210a~210dを含む。すべり軸受210a~210dは、可動部材222とすべり部材224との間の相対的なすべりを可能にするために低摩擦材料から作製可能である。一部の実施形態では、すべり軸受210a~210dは、玉軸受を包含するように静止部材224に形成された形体を備えた玉軸受である。
【0018】
種々の実施形態では、任意の可動部材のワイヤクリンプ204a、204b及び静止部材のワイヤクリンプ216a、216bが、各可動部材222及び静止部材224からオフセットされ、SMAワイヤ212a、212bを静止部材224と可動部材222との間で種々の高さに配置して、SMA212a、212bが接触しないようにすることができる。他の実施形態では、センタリングばねは、SMA212a、212bの引張り力に対して作用するように使用されるとともに、可動部材222をすべり軸受210a~210d上に保持するように構成される。
図3は、
図2に示す光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。SMAワイヤ212a、212bが当該技術分野において既知のものを含む技術を使用して作動されると、x軸及びy軸の方向における可動部材222の動きが生成される。一部の実施形態では、別の力が各SMAワイヤ212a、212bに加えられて、可動部材222をx軸及びy軸の方向に移動させる。
【0019】
図4は、実施形態にかかるセンタリングばねを含む光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。光学画像安定化サスペンション組立体は、可動部材422に配置されて取り付けられるイメージセンサ408を有するように構成される。可動部材422は、SMAワイヤ412a、412bなどを可動部材422に取り付けるために、ワイヤクリンプ404a、404bを含む。SMAワイヤ412a、412bは可動部材422と静止部材424との間に配置される。静止部材424は、SMAワイヤ412a、412bを静止部材424に取り付けるために、ワイヤクリンプ416a、416bを含む。静止部材424はまた、一部の実施形態において、本明細書に記載のものなどの1つ以上のすべり軸受410a~410dも含む。種々の実施形態では、任意の可動部材のワイヤクリンプ404a、404b及び静止部材のワイヤクリンプ416a、416bが、本明細書に記載のように、各可動部材422及び静止部材424からオフセットされ、SMAワイヤ412a、412bを静止部材424と可動部材422との間で種々の高さに配置することができる。
【0020】
可動部材422は、例えば第1センタリングばね430a及び第2センタリングばね430bである、センタリングばね430a、430bを含む。他の実施形態には、4つのセンタリングばねを含む可動部材422を含む。静止部材444は、例えば第1センタリングばね432a及び第2センタリングばね432bである、センタリングばね432a、432bを含む。他の実施形態には、4つのセンタリングばねを含む静止部材424を含む。センタリングばね430a、430b及び432a、432bは、SMAワイヤ412a、412bの引張り力に対して作用するように使用されるとともに、可動部材422をすべり軸受410a~410d上に保持するように構成される。
図5は、
図4に示す光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。SMAワイヤ412a、412bが当該技術分野において既知のものを含む技術を使用して作動されると、x軸及びy軸の方向における可動部材422の動きが生成される。
【0021】
図6は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のセンタリングばねを示す。センタリングばね602は、y軸などの部材の第2移動方向にアライメントされた第2成形ばねアーム604aを含む。センタリングばね602はまた、y軸などの部材の第2移動方向にアライメントされた第2成形ばねアーム604bを含む。種々の実施形態において、第1成形ばねアーム604a及び第2成形ばねアーム604bは、90度成形ばねアームであり、第1成形ばねアーム604aと第2成形ばねアーム604bとの長手
方向軸が90度の角度を形成するようになっている。ばねアームは、可動部材又は静止部材の1つと一体的に形成されて、同じ材料から形成される。第1成形ばねアーム604a及び第2成形ばねアーム604bを90度成形ばねアームとして形成することは、ばねの剛性を小さくすることに利用される。第1成形ばねアーム604a及び第2成形ばねアーム604bは、未定形隅部分608を介して互いに連結される。未定形隅部分608は、ワイヤクリンプに取り付けられたSMAワイヤにクリアランスを与えるように構成される。センタリングばね602はまた、ばね脚部606も含む。ばね脚部606は、隣接する部材に取り付けられるように形成される。例として、可動部材の成形ばねアームのばね脚部606は静止部材に取り付けられ、静止部材の成形ばねアームのばね脚部606は可動部材に取り付けられる。
【0022】
図7は、実施形態にかかる4つのSMAワイヤを含む光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。光学画像安定化サスペンション組立体は、可動部材722に配置されて取り付けられるイメージセンサ708を有するように構成される。可動部材722は、SMAワイヤ712a~712dを可動部材722に取り付けるために、ワイヤクリンプ704a~704dを含む。SMAワイヤ712a~712dは可動部材722と静止部材724との間に配置される。静止部材724は、SMAワイヤ712a~712dを静止部材724に取り付けるために、ワイヤクリンプ716a~716dを含む。SMAワイヤ712a~712dは十字状に方向付けられるが互いから平行にオフセットされ、ワイヤクリンプは可動部材722及び静止部材724のそれぞれの各隅部にある。2つの平行なSMAワイヤは、光学画像安定化サスペンション組立体の第1隅部から第2隅部にわたり、1つは静止クリンプへ、1つは可動クリンプへと、各クリンプに取り付けられる。ペアの各ワイヤは、作動されると反対方向の動きをもたらすように構成される。このため、光学画像安定化サスペンション組立体を中心位置に引っ張るためにセンタリングばねに依存する必要がなくなる。SMAワイヤ712a~712dは、互いに対して引っ張るように構成される。引張り力におけるバイアスが動きをもたらし、光学画像安定化サスペンション組立体を中心位置に移動させたい場合、SMAワイヤ712a~712dの作動バイアスが他方の逆に変わる。静止部材724はまた、一部の実施形態において、本明細書に記載のものなどの1つ以上のすべり軸受710a~710dも含む。種々の実施形態では、任意の可動部材のワイヤクリンプ704a~704d及び静止部材のワイヤクリンプ716a~716dが、本明細書に記載のように、各可動部材722及び静止部材724からオフセットされ、SMAワイヤ712a~712dを静止部材724と可動部材722との間で種々の高さに配置することができる。
図8は、
図7に示す光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。SMAワイヤ712a~712dが当該技術分野において既知のものを含む技術を使用して作動されると、x軸及びy軸の方向における可動部材722の動きが生成される。
【0023】
図9は、実施形態にかかるループ状SMAワイヤを含む光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。光学画像安定化サスペンション組立体は、可動部材922に配置されて取り付けられるイメージセンサ908を有するように構成される。可動部材922は、SMAワイヤ912a、912bを可動部材922に取り付けるために、ワイヤクリンプ904a、904bを含む。SMAワイヤ912a、912bは可動部材922と静止部材924との間に配置される。静止部材924は、SMAワイヤ912a、912bを静止部材924に取り付けるために、ワイヤクリンプ916a、916bを含む。静止部材924はまた、一部の実施形態において、本明細書に記載のものなどの1つ以上のすべり軸受910a~910dも含む。種々の実施形態において、各すべり軸受910a~910dは滑車形体部とともに構成される。一部の実施形態では、滑車形体部はすべり軸受910a~910dの1つ以上から分離されている。滑車形体部は、本明細書においてピン形体部としても呼称される滑車形体部に巻きつく又は係合する1つ以上のSMAワイヤ912a、912bが、滑車形体部周りを自在に滑ることができるように構成される。
滑車形体部は、可動プレート922における動きを生成するために任意の構成で配置することができる。すべり軸受とは分離した滑車形体部は、接着剤、溶接、及び当該技術分野で既知の他の技術を使用して部材に取り付け可能である。
【0024】
種々の実施形態では、任意の可動部材のワイヤクリンプ904a、904b及び静止部材のワイヤクリンプ916a、916bが、本明細書に記載のように、各可動部材922及び静止部材924からオフセットされ、SMAワイヤ912a、912bを静止部材924と可動部材922との間で種々の高さに配置することができる。他の実施形態は、本明細書に記載されるものなどのセンタリングばねとともに構成される。種々の実施形態にはまた、本明細書に記載されるものなどの4つのSMAワイヤと8つのワイヤクリンプとを含むことができる。
図10は、
図9に示す光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。SMAワイヤ912a、912bが当該技術分野において既知のものを含む技術を使用して作動されると、x軸及びy軸の方向における可動部材922の動きが生成される。
【0025】
図11a及び
図11bは、一部の実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のループ状SMAワイヤ構成を示す。
図11aは、2つのSMAワイヤ1112a、1112bを伴う4つの滑車形体部1102a~1102dを示す。第1SMAワイヤ1112aの第1端部は、静止クリンプとしても呼称される静止部材の第1ワイヤクリンプ1116aに取り付けられる。第1SMAワイヤ1112aは、静止部材の第1滑車形体部1102a及び静止部材の第2滑車形体部1102b(それぞれがまた静止滑車形体部とも呼称される)周りに巻きつく。第1SMAワイヤ1112aの第2端部は、可動クリンプとしても呼称される可動部材の第2ワイヤクリンプ1116bに取り付けられる。この構成により、SMAワイヤ1112aに電圧、電流、又は熱を与えることを含む当該技術分野で既知のものなどの技術を使用してSMAワイヤ1112aを作動させたとき、引き動作がもたらされる。
【0026】
第2SMAワイヤ1112bの第1端部は、静止クリンプとしても呼称される静止部材の第2ワイヤクリンプ1116cに取り付けられる。第2SMAワイヤ1112bは、静止部材の第3滑車形体部1102c(静止滑車形体部とも呼称される)及び可動部材の第4滑車形体部1102d(可動滑車形体部とも呼称される)周りに巻きつく。第2SMAワイヤ1112bの第2端部は、可動クリンプとしても呼称される可動部材の第2ワイヤクリンプ1116dに取り付けられる。この構成により、SMAワイヤ1112bに電圧、電流、又は熱を与えることを含む当該技術分野で既知のものなどの技術を使用してSMAワイヤ1112bを作動させたとき、押し動作がもたらされる。
【0027】
図11bは、2つのSMAワイヤ1114a、1114bを伴う2つの滑車形体部1104a、1104bを示す。第1SMAワイヤ1114aの第1端部は、静止クリンプとしても呼称される静止部材の第1ワイヤクリンプ1118aに取り付けられる。第1SMAワイヤ1114aは、静止部材の第1滑車形体部1104a(静止滑車形体部とも呼称される)周りに巻きつく。第1SMAワイヤ1114aの第2端部は、可動クリンプとしても呼称される可動部材の第2ワイヤクリンプ1118bに取り付けられる。この構成により、SMAワイヤ1114aに電圧、電流、又は熱を与えることを含む当該技術分野で既知のものなどの技術を使用してSMAワイヤ1114aを作動させたとき、押し動作がもたらされる。
【0028】
第2SMAワイヤ1114bの第1端部は、静止クリンプとしても呼称される静止部材の第2ワイヤクリンプ1118cに取り付けられる。第2SMAワイヤ1114bは、可動部材の第2滑車形体部1104b(可動滑車形体部とも呼称される)周りに巻きつく。第2SMAワイヤ1114bの第2端部は、可動クリンプとしても呼称される可動部材の
第2ワイヤクリンプ1118dに取り付けられる。この構成により、SMAワイヤ1114bに電圧、電流、又は熱を与えることを含む当該技術分野で既知のものなどの技術を使用してSMAワイヤ1114bを作動させたとき、引き動作がもたらされる。
【0029】
図11a及び
図11bに示す1つ以上のSMAワイヤ及び滑車形体部の構成が、長手方向軸及び横方向軸に沿う方向に、例えばx軸及びy軸の方向に、可動部材を移動させるために、一部の実施形態における光学画像安定化サスペンション組立体に使用可能である。このように、可動部材に取り付けられたイメージセンサは、光学画像安定化サスペンション組立体を含むカメラシステムの動きをもたらす任意の外部の力をオフセットするように移動させることができる。
【0030】
図12は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体の断面図を示す。光学画像安定化サスペンション組立体は、可動部材1222に配置されて取り付けられるイメージセンサを有するように構成される。可動部材1222は、SMAワイヤ1212a、1212bを可動部材1222に取り付けるために、ワイヤクリンプ1204a、1204bを含む。SMAワイヤ1212a、1212bは可動部材1222と静止部材1224との間に配置される。静止部材1224は、SMAワイヤ1212a、1212bを静止部材1224に取り付けるために、ワイヤクリンプ1216a、1216bを含む。静止部材1224はまた、一部の実施形態において、本明細書に記載のような1つ以上のすべり軸受1210も含む。任意の数のすべり軸受1210が任意の構成で使用され得る。
【0031】
本明細書に記載されるように、1つ以上の可動部材のワイヤクリンプ1204a、1204b及び静止部材のワイヤクリンプ1216a、1216bが、各可動部材1222及び静止部材1224のいずれか一方又は両方からオフセットされて、SMAワイヤ1212a、1212bを静止部材1224と可動部材1222との間で種々の高さ又はz軸オフセットに配置して、SMA1212a、1212bが接触しないようにすることができる。
図12の断面図に示すように、可動部材1222の第1ワイヤクリンプ1204aが、例えばz軸方向のオフセットである、可動部材1222の表面1230に垂直の軸において可動部材1222の第2ワイヤクリンプ1204bからのオフセットを有するように形成される。ワイヤクリンプ1204a、1204bにおけるオフセットは、SMAワイヤ1212a、1212bのワイヤオフセット1240となる。このオフセットは、SMAワイヤ1212a、1212bの一方又は双方の作動時に、SMAワイヤ1212a、1212bが互いに干渉しないように使用可能である。
【0032】
図13は、実施形態にかかる矩形ワイヤセンサ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体を示す。光学画像安定化サスペンション組立体は、可動部材1322に配置されて取り付けられるイメージセンサ1308を有するように構成される。可動部材1322は、SMAワイヤ1312a~1312dを可動部材1322に取り付けるために、ワイヤクリンプ1304a~1304dを含む。SMAワイヤ1312a~1312dは可動部材1322と静止部材1324との間に配置される。静止部材1324は、SMAワイヤ1312a~1312dを静止部材1324に取り付けるために、ワイヤクリンプ1316a~1316dを含む。静止部材1324はまた、一部の実施形態において、1つ以上のすべり軸受1310a~1310cも含む。任意の数のすべり軸受1310a~1310cが使用され得る。一部の実施形態には3つのすべり軸受1310a~1310cを含む。すべり軸受1310a~1310cは、可動部材1322とすべり部材1324との間の相対的なすべりをより良好に可能にするために低摩擦材料から作製可能である。一部の実施形態では、すべり軸受1310a~1310cは、玉軸受を包含するように静止部材1324に形成された形体を備えた玉軸受である。
【0033】
矩形ワイヤセンサ組立体は、種々の実施形態において、矩形ワイヤセンサ組立体の周囲に取り付けられた4つのSMAワイヤ1312a~1312dを有するように構成される。4つのSMAワイヤ1312a~1312dは、可動部材1322を中央位置に戻すように互いに対して引っ張る。SMAワイヤ1312a~1312dを周囲に取り付けることで、可動部材と静止部材との間にSMAワイヤを有する光学画像安定化サスペンション組立体よりも、可動部材1322が静止部材1324に近接して配置されることを可能にする。このように、より薄いカメラプロファイルが得られる。さらに、一部の実施形態では、可動部材1322の中心部分1342は、z高さ空間としても呼称される、静止部材1324内の空隙1344内に嵌合するように構成される(例えば、可動部材の凹部又はポケットである)。矩形ワイヤセンサ組立体の一部の実施形態は、任意のベース部材1340を含むことができる。そうした実施形態では、中心部分1342は、ベース部材1340内に形成された空隙1346内に嵌合するように構成することができる。
【0034】
矩形ワイヤセンサ組立体は、一部の実施形態において、任意的にばねアーム1348a、1348bを含む。ばねアーム1348a、1348bは可動部材1322に形成され、可動部材1322のセンタリングを支援するように構成され、また、すべり軸受1310a~1310cに対して可動部材1322を保持するように構成可能である。例として、ばねアーム1348a、1348bは、SMAワイヤ1312a~1312dが作動していないとき、可動部材を矩形ワイヤセンサ組立体の中心位置に移動させる支援をするように構成される。実施形態において、ばねアーム1348a、1348bは弓状部分を含み、可動部材1322と静止部材1324との間に延びるように構成される。
【0035】
図14は、
図13に示す光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。SMAワイヤ1312a~1312dが当該技術分野において既知のものを含む技術を使用して作動されると、x軸及びy軸の方向における可動部材1322の動きが生成される。一部の実施形態では、別の力が各平行ペアのSMAワイヤ1312a~1312dに加えられて、部材1322をx軸及びy軸の方向に移動させる。
【0036】
図15は、実施形態にかかる弓形センサ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体を示す。光学画像安定化サスペンション組立体は、可動部材1522に配置されて取り付けられるイメージセンサ1508を有するように構成される。可動部材1522は、可動部材1522の外側隅部に配置される、本明細書において滑車形体部としても呼称されるピン形体部1504a~1504dを含む。ピン形体部1504a~1504dは、ピン形体部1504a~1504d周りに4つのSMAワイヤ1512a~1512dの少なくとも1つを巻きつかせるように構成される。SMAワイヤ1512a~1512dは静止部材1524の周囲に配置される。静止部材1524は、4つのSMAワイヤ1512a~1512dをワイヤクリンプ1516a~1516hの間に取り付けるために、8つのワイヤクリンプ1516a~1516hを含む。静止部材1524はまた、一部の実施形態において、1つ以上のすべり軸受1510a~1510dも含む。任意の数のすべり軸受1510a~1510dが使用され得る。一部の実施形態には3つのすべり軸受1510a~1510dを含む。すべり軸受1510a~1510cは、可動部材1522とすべり部材1524との間の相対的なすべりをより良好に可能にするために低摩擦材料から作製可能である。一部の実施形態では、すべり軸受1510a~1510dは、玉軸受を包含するように静止部材1524に形成された形体を備えた玉軸受である。
【0037】
弓形センサ組立体は、種々の実施形態において、弓形センサ組立体の周囲に取り付けられた4つのSMAワイヤ1512a~1512dを有するように構成される。4つのSMAワイヤ1512a~1512dは、可動部材1522を中央位置に戻すように互いに対して引っ張る。SMAワイヤ1512a~1512dを周囲に取り付けることで、可動部
材と静止部材との間にSMAワイヤを有する光学画像安定化サスペンション組立体よりも、可動部材1522が静止部材1524に近接して配置されることを可能にする。このように、より薄いカメラプロファイルが得られる。
【0038】
図16は、
図15に示す弓形センサ組立体の斜視図を示す。SMAワイヤ1512a~1512dが当該技術分野において既知のものを含む技術を使用して作動されると、x軸及びy軸の方向における可動部材1522の動きが生成される。一部の実施形態において、SMAワイヤ1512a~1512dは、作動されて収縮すると、SMAワイヤ1512a~1512dがその周りに巻きついているピン形体部に垂直抗力を加える。SMAワイヤが巻きついた各ピン形体部1504a~1504dに作用する4つのSMAワイヤ1512a~1512dの間の様々な加えた力の量が、x軸及びy軸の方向に可動部材1522を移動させるように使用される。各ピン形体部1504a~1504d周りにSMAワイヤ1512a~1512dを巻きつかせることで、SMAワイヤ1512a~1512dの長さが大きくなり、ストロークを増加させる。SMAワイヤ1512a~1512dが作動されるときSMAワイヤ1512a~1512dの長さが収縮すると、可動プレートは、ストロークの増加のため、距離の量を増加して移動する。
【0039】
図17は、実施形態にかかるバイメタルアクチュエータとしてなされた光学画像安定化サスペンション組立体を示す。光学画像安定化サスペンション組立体は、可動部材1722に配置されて取り付けられるイメージセンサを有するように構成される。可動部材1722は、可動部材1722の外側に配置される、ばねアーム1704a~1704dを含む。ばねアーム1704a~1704dは、種々の実施形態において、各ストラット1706a~1706dを介して可動部材1722に連結される。SMA材料1708a~1708dなどのSMA素子は、ばねアーム1704a~1704dのそれぞれに付加される。SMA材料1708a~1708dは、接着剤、はんだ、レーザ溶接、抵抗溶接、及び当該技術分野で既知のものを含む他の技術を使用してばねアーム1704a~1704dに取り付けられる。ステンレス鋼などの伝導材料から形成されるばねアーム1704a~1704dを含む一部の実施形態では、SMA材料1708a~1708dは、当該技術分野において既知のものを含む技術を使用して、ばねアーム1704a~1704dに形成された絶縁層に配置される。他の実施形態では、SMA材料は、SMA材料の端部のみでばねアームに電気的及び構造的に取り付けることができ、SMA材料の中心領域ではばねアームから開放されている。中心領域で開放されていることにより、SMA材料は作動時に真っ直ぐに引っ張る一方で、ばねアームが円弧状に湾曲する。ばねアームは、起動とも呼称される作動のためにSMA材料を介して電力を与える電気回路を含むことができる。
【0040】
SMA材料1708a~1708dは、ばねアーム1704a~1704dのいずれかの側部、すなわち、可動部材1722の方に向かうばねアーム1704a~1704dの側部、又は可動部材1722から離れる方に向かうばねアーム1704a~1704dの表面に付加することができる。一部の実施形態では、SMA材料1708a~1708dは、ばねアーム1704a~1704dの両方の側部に付加される。
【0041】
SMA材料1708a~1708dは加熱されるとばねアーム1704a~1704dを湾曲させて、x軸及びy軸の方向における可動部材1722の動きをもたらす。制御部は、可動部材1722のx軸及びy軸の方向における十分な動きをもたらすために、SMA材料、1つ以上のばねアーム1704a~1704dに連携した力を与えるように使用することが可能である。
図18は、当該技術分野で既知の技術を使用して、SMA材料が加熱されて、冷間状態から熱間状態に変化し、そして冷間状態に戻るときのSMA材料の例の動きを示す。例として、SMA材料1708a~1708dは、電流で加熱可能である。
【0042】
また、ばねアーム1704a~1704dは静止脚部1710a~1710dを含む。静止脚部1710a~1710dは静止部材に取り付けられるように構成されて、SMA材料1708a~1708dが作動されると可動部材1722が静止部材に対して移動するようにする。
【0043】
図19は、実施形態にかかるバイメタルアクチュエータとしてなされた光学画像安定化サスペンション組立体を示す。バイメタルアクチュエータは、
図17に関して記載されるようなバイメタルアクチュエータと類似して、互いから90度で形成された4つのばねアームを含む。これにより、x軸及びy軸の方向における動きに対する低抵抗のためx軸及びy軸の方向におけるその剛性が小さくなり、z軸である可動部材1922に垂直の軸の方向に大きい剛性を得る。種々の実施形態では、ばねアームは幅広くなるように形成される。この幅広いばねアームにより、ばねアームの上部に形成される多くのトレースが得られる。一部の実施形態では、各ばねアームは、8つのトレースと全部で32のトレースのための各ばねアームの端部における8つの静止電気パッドとを含む。しかしながら、任意の数のトレース及び電気パッドをばねアームトレースに形成することができる。一部の実施形態では、トレースは、イメージセンサに接続するために可動部材1922の中心に向かって配線される。
図19は、ばねアーム、連続的に成形された90度の部分を示す。他の実施形態には、ばねアームの作動有効長さに沿って未定形部分によって分離された90度成形部分の複数の部分から形成されたばねアームを含む。
図20は、予備成形した平坦な状態の実施形態にかかるバイメタルアクチュエータを示す。バイメタルアクチュエータは、
図17及び
図19に関して記載されるバイメタルアクチュエータと類似する。バイメタルアクチュエータの最終形態は、
図17及び
図19に記載されるものなどのバイメタルアクチュエータを形成するように平坦な状態から形成される。
【0044】
図21は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のための半筒状巻きインターポーザを示す。半筒状巻きインターポーザは、一部の実施形態において、本明細書に記載されるものなどの可動部材と一体的である。他の実施形態では、半筒状巻きインターポーザは可動部材とは別の部品であり、可動部材に取り付けられるように構成される。半筒状巻きインターポーザは、側部から突出して180度湾曲した複数のトレースをそれぞれが備えた1つ以上のフレキシブル回路を含む。180度の湾曲は、x軸及びy軸に沿う方向に移動するために可動部材を可撓性にする。一部の実施形態では、180度湾曲形成ラインがx軸及びy軸に対して45度の角度であり得る。これが、x軸とy軸との両方における動きに均一の低い抵抗性を与える。フレキシブル回路の回路トレースは、半筒状巻きインターポーザの上部におけるイメージセンサ周りに配置されるパッドに接続される。フレキシブル回路は、x軸及びy軸の方向の動きのときに転動してねじるように構成される。フレキシブル回路は、半筒状巻きインターポーザの下の静止回路に接続されるパッドを含む。さらに、本明細書に記載されるものなどのSMAワイヤ及びばねアームは、半筒状巻きインターポーザに組み込むことができる。
図22は、
図21に示すものなどの半筒状巻きインターポーザの最終状態に形成される前の平坦な状態の半筒状巻きインターポーザを示す。
【0045】
図23は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のための45度の角度をなす湾曲部を含むインターポーザを示す。インターポーザは、1つの側部から突出する、本明細書に記載されるものなどの4つのフレキシブル回路を含む。フレキシブル回路は、可動部材の平面におけるx軸及びy軸に対して45度形成ラインで形成される。一部の実施形態では、フレキシブル回路は、x軸及びy軸における剛性をさらに小さくするために湾曲領域においてフレキシブル回路の厚みが小さく、x軸及びy軸の方向の動きをより容易にする。
図24は、インターポーザの4つの側部から突出する、本明細書に記載されるものなどのフレキシブル回路を有する実施形態にかかる光学画像安定化サスペンショ
ン組立体のための45度の角度をなす湾曲部を含むインターポーザを示す。インターポーザは、インターポーザの1~4つの側部から突出するフレキシブル回路を有するように構成可能である。
図25は、
図24に示すものなどのインターポーザの最終状態に形成される前の平坦な状態におけるインターポーザの4つの側部から突出するフレキシブル回路を有するインターポーザを示す。
【0046】
図26は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のヒートシンク形体部を含む可動部材の下側を示す。ヒートシンク形体部2502は、イメージセンサ2508が可動部材2522に取り付けられる領域の下方に配置されるとともに、イメージセンサ2508周りの領域から熱を取り除くことに利用されるように構成される。ヒートシンク形体部2502は、種々の設計の金属エッチング又は溝のプレス加工によって作製可能である。ヒートシンク形体部はまた、伝導性接着剤又ははんだで可動部材の下側に取り付けた別の高伝導材料を含むことができる。イメージセンサが取り付けられる可動部材の上側及び/又は下側に、高伝導性めっき金属を配置可能である。一部の実施形態では、ビアが可動部材に形成されて、高伝導性めっき金属は、ヒートシンク形体部の上側から下側に熱をより効率的に伝導させることができる。
図27は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のヒートシンク形体部を含む可動部材の下部からみた断面図を示す。
図28は、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体のヒートシンク形体部及び伝導性めっき2510を含む可動部材の上部からみた断面図を示す。伝導性めっき2510は、金、ニッケル、銅、又はイメージセンサ2508からの熱を伝導するために利用される他の材料であってもよい。ヒートシンク形体部に加えて、一部の実施形態において、可動部材2522は、可動部材2522に形成されたビアを含み、伝導性めっき2510は、ヒートシンク形体部2502の上側から下側に熱をより効率的に伝導させることができる。
【0047】
図29は、ビア及び伝導性めっきを含む、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体の可動部材を示す。ビア2802は、イメージセンサ2808から離れる方向の熱経路を形成するために光学画像安定化サスペンション組立体の可動部材2822のベース金属に形成される。一部の実施形態では、ビア2802はイメージセンサ2808の位置の下方に形成される。伝導性めっき2810は、イメージセンサ2808から離れる方向の熱経路を形成するために、可動部材2822の上側及び下側、並びにビア2802内に配置される。
【0048】
図30は、1つ以上のホールセンサを含む、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体を示す。光学画像安定化サスペンション組立体は、本明細書に記載されるものを含む技術を使用してイメージセンサ2908を移動させるように構成した可動部材2922及び静止部材2924を含む。光学画像安定化サスペンション組立体はまた、可動部材2922に配置した1つ以上のホールセンサ2904も含む。1つ以上の磁石2906が、各ホールセンサ2904近傍において静止部材2924に配置される。一部の実施形態では、ホールセンサ2904は、オートフォーカス組立体に使用される磁石の近傍において可動部材2922に配置される。他の実施形態には、静止部材2924に取り付けられた1つ以上のホールセンサと、可動部材2922に取り付けられた1つ以上の磁石とを含む静止部材2924に対する可動部材2922の位置は、当該技術分野において既知のものを含む技術を使用して、1つ以上のホールセンサ2904を使用して1つ以上の磁石2906によって発生した磁界の強さにおける変化を感知して測定される。
【0049】
図31は、動きセンサとしての1つ以上の静電容量式プローブを含む、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。光学画像安定化サスペンション組立体は、本明細書に記載されるものを含む技術を使用してイメージセンサ3008を移動させるように構成した可動部材3022及び静止部材3024を含む。光学画像安定化
サスペンション組立体はまた、1つ以上の静電容量式プローブも含む。静電容量式プローブには、可動部材3022に形成された第1部分3004と、静止部材3024に形成された第2部分3006とがある。容量プローブの第1部分3004及び第2部分3006は、銅や金めっきなどの伝導材料から形成される。第1部分3004及び第2部分3006は円形状、矩形状、又は三角形状であってもよい。形状は、可動部材3022が他方向に対して一方向に移動するときに見受けられる静電容量変化量を増大させるように設計可能であるしたがって、一方の静電容量式プローブがx軸に沿う動きのみを感知するように設計可能であり、他方の静電容量式プローブがy軸に沿う動きを検知可能である。動きは、第1部分3004と第2部分3006との重なり合う領域における変化を創出することで測定される。例として、より多い静電容量は、静止部材3024に対して一方向に移動した可動部材3022を意味する。より少ない静電容量は、
図32に示すように、静止部材3024に対して反対方向に移動した可動部材3022を意味する。
図33に示すように、第1部分3004と第2部分3006との重なり合う領域が各キャパシタプローブにおいて同じであるとき、ほぼ同じである静電容量は光学画像安定化サスペンション組立体の公称位置又は中心位置を示す。
【0050】
実施形態において、電気リード又は電気トレースは、フレキシブル回路又はコネクタを使用して静電容量式プローブの第1部分3004及び第2部分3006に接続される。可動部材3022と静止部材3024との間の距離は所望の公称静電容量値に調整可能である。キャパシタプローブの2つのプレートの間の距離を小さくすることでより高い静電容量が得らえる。この距離は、可動部材3022がx軸及びy軸の方向に移動するとき一定に保たれる。
【0051】
図34は、動きセンサとしてのひずみゲージを含む、実施形態にかかる光学画像安定化サスペンション組立体を示す。光学画像安定化サスペンション組立体は、本明細書に記載されるものを含む技術を使用して、イメージセンサを移動させるように構成した本明細書に記載される実施形態におけるばねアームを含む可動部材3322を含む。光学画像安定化サスペンション組立体はまた、ばねアームの1つ以上に取り付けられた1つ以上のひずみゲージセンサ3304を含む。一部の実施形態では、ひずみゲージセンサ3304はばねアームの高応力領域に取り付けられる。可動部材3322が移動すると、ばねアームは、そこに取り付けられた又はその上部に形成されたひずみゲージによって測定可能なひずみを有することになる。複数のゲージから様々な量のひずみを読み取ることで、x/yの全位置が、例えばアルゴリズムを有する制御部を使用して、測定可能である。そうしたひずみゲージセンサ3304は、Bennin等の米国特許第8,941,951号明細書及びEvans等の米国特許第5,862,015号明細書に記載のものなどと同様のもの及びそれらのプロセスによって製造されたものを含む。
【0052】
動きセンサの他の態様は、イメージ制御部トラッキングアルゴリズムとともにレンズ基準部を使用するフィードバック位置センサを含む。一部の実施形態において、レンズは、x軸及びy軸の方向において静止している。マーク又は基準部は、イメージセンサによって視認できるカメラシステムのレンズの1つに形成される。例として、基準部はレンズの遠端部、つまり、イメージセンサにおけるイメージサークルの遠端部かつ保存画像からトリミングされる画像の領域にあり得る。他の例は、イメージセンサの感知領域内であるレンズ以外のカメラシステムの構造において基準部を有することを含む。カメラの制御部は、1つ以上の基準部の位置をトラッキングして、センサのどの画素を使用しているかを測定するように構成される。1つ以上の基準部の位置は、制御部を介して光学画像安定化サスペンション組立体にフィードバックされて、位置補正を行うように組立体を移動させ得る。
【0053】
図35は、実施形態にかかるバイメタルアクチュエータとしてなされた光学画像安定化
サスペンション組立体の分解図を示す。そうしたバイメタルアクチュエータは、動きセンサとしてセンサシフトトレースを備えた一体型SMAバイモルフX/Yアクチュエータである。
図35に示すように、一体型SMAバイモルフX/Yアクチュエータは、一体型SMAバイモルフX/Yアクチュエータ3504の各隅部に2つのSMAアクチュエータ3502を含む。一体型SMAバイモルフX/Yアクチュエータ3504は、ベース部材3524における1つ以上のすべり軸受3510に載置されるように構成される。任意の数のすべり軸受3510が使用され得る。一部の実施形態には3つのすべり軸受3510を含む。すべり軸受3510は、一体型SMAバイモルフX/Yアクチュエータ3504とベース部材3524との間の相対的なすべりをより良好に可能にするために低摩擦材料から作製可能である。一部の実施形態では、すべり軸受3510は、玉軸受を包含するようにベース部材3524に形成された形体を備えた玉軸受である。
図36は、
図35に示すバイメタルアクチュエータとしてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。
【0054】
図37は、内側レール上のバイモルフアクチュエータ3504、外側レール上の可撓性トレース経路3506、及び本明細書に記載されるものなどの動きセンサを含む、実施形態にかかるバイメタルアクチュエータの部分を示す。トレース経路3506は、バイモルフアクチュエータ3504への作動信号を含む電気信号を部品に伝送するように構成される。一体型SMAバイモルフX/Yアクチュエータ3504の各隅部におけるペアのバイモルフアクチュエータ3504は、本明細書に記載される技術を使用して作動されるとき
図38に示すような移動部分3602を形成するSMA材料を使用して形成される。
図38は、可動部分3602及び固定部分3604を含む、実施形態にかかるバイメタルアクチュエータの平面図を示す。固定部分はベース部材3524に取り付けられる。固定部分3604は、接着剤及びはんだを含むがこれらに限定されない技術によってベース部材3524に取り付けられる。したがって、可動部分3602は、固定部分3604及びベース部材3524に対してx軸及びy軸の方向に移動するように構成される。さらに、本明細書に記載されるものなどの動きセンサはまた、一体型SMAバイモルフX/Yアクチュエータ3504に一体化される。
図39は、当該技術分野で既知のものを含むエッチング技術及び堆積技術を使用して一体型SMAバイモルフX/Yアクチュエータを形成するためのレイアウトパターンを示す。
【0055】
図40は、実施形態にかかる一体型SMAアクチュエータ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の分解図を示す。一体型SMAアクチュエータ組立体は、SMAアクチュエータ部材4022に一体化された、本明細書に記載される技術を使用するワイヤクリンプ、トレース、及びセンサを含む。光学画像安定化サスペンション組立体は、SMAアクチュエータ部材4022に配置されて取り付けられるイメージセンサを有するように構成される。SMAアクチュエータ部材4022は、本明細書に記載されるものを含む技術を使用して4つのSMAワイヤ4012をSMAアクチュエータ部材4022に取り付けるためのワイヤクリンプ4004を含む。一部の実施形態において、ワイヤクリンプ4004は、各クリンプ副組立体が静止クリンプ及び可動クリンプを含む、1つ以上のクリンプ副組立体として構成される。SMAアクチュエータ部材4022は、ベース部材4024に取り付けられるように構成される。ベース部材4024はまた、一部の実施形態において、本明細書に記載のような1つ以上のすべり軸受4010も含む。任意の数のすべり軸受4010が任意の構成で使用され得る。
【0056】
図41は、
図40に示すような一体型SMAアクチュエータ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の斜視図を示す。SMAアクチュエータ部材4022は、SMAアクチュエータ部材4022にトレースを介して電気信号を得るためにSMAアクチュエータ部材4022の対向する側にトレース終端パッドを含む。
図42は、実施形態にかかる一体型SMAアクチュエータ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンシ
ョン組立体の斜視図を示す。SMAアクチュエータは、本明細書に記載されるものを含む技術を使用してSMAアクチュエータ中心に配置するように構成されたばねアームに形成されたトレースレール4220を含む。トレースレール4220は、一部の実施形態では、2つのばねアームのそれぞれに16個のトレースを含む。
図43は、実施形態にかかる一体型SMAアクチュエータ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の側面図を示す。トレースレール4220は、一部の実施形態において、x軸及びy軸の方向における剛性を小さくするために90度の角度で形成される。
図44は、実施形態にかかる一体型SMAアクチュエータ組立体としてなされた光学画像安定化サスペンション組立体の断面図を示す。一体型SMAアクチュエータは、可動部分4006及び固定部分4008を含む。固定部分4008はベース部材4024に取り付けられる。固定部分4008は、接着剤及びはんだを含むがこれらに限定されない技術によってベース部材4024に取り付けられる。したがって、可動部分4006は、固定部分4008及びベース部材4024に対してx軸及びy軸の方向に移動するように構成される。さらに、本明細書に記載されるものなどの動きセンサはまた、一体型アクチュエータに一体化される。
【0057】
本発明は種々の実施形態に関して記載されているが、当業者は、本発明の意図及び範囲から外れることなく態様や詳細に変更を行い得るということを理解する。例えば、デュアルカメラ組立体として記載されているが、本発明の他の実施形態は3つ以上のカメラ用に構成される。種々の例示の実施形態の特徴は、さらに他の実施形態において互いに組み合わせることができる。ゆえに、明細書及び図面は、制限ではなく例示する意味で捉えられる。