(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】カーポート設備
(51)【国際特許分類】
E04H 6/02 20060101AFI20241220BHJP
【FI】
E04H6/02 G
E04H6/02 C
(21)【出願番号】P 2023122684
(22)【出願日】2023-07-27
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】597070242
【氏名又は名称】東▲崎▼ 信治
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東▲崎▼ 信治
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-321341(JP,A)
【文献】特開2008-308932(JP,A)
【文献】特開2006-226016(JP,A)
【文献】実開昭61-127300(JP,U)
【文献】特開昭59-213864(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112696072(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00 - 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーポートの駐車面の周囲に雨滴反射板が設けられており、
該雨滴反射板は、地面に対し起立/倒伏自在であり、起立状態では、
起立状態で該雨滴反射板の上端が下端よりも自動車の車体に近づくよう傾斜し、
前記雨滴反射板を起立状態に保持するストッパーを備え、
前記雨滴反射板の起立状態を解除できないようにするロック装置を備えている
ことを特徴とするカーポート設備
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーポート設備に関する。さらに詳しくは、本発明は、大雨時の泥跳ねによる自動車の汚損を防止できるカーポート設備に関する。
【背景技術】
【0002】
カーポートの一般的構成は、屋根材の片側を複数本の支柱で支持した片持ち屋根形式や屋根材の両側を複数本の支柱で支持した両持ち屋根形式のものなどがある。
カーポートに特殊な構成をもたせたものとして、降雨時の雨仕舞いを向上させた特許文献1記載のカーポートがある。このカーポートでは複数枚の開閉可能な屋根板1を用い、屋根全体に広げたり、収縮して雨や雪を落下させるようになっている。
【0003】
いずれのカーポートでも雨は屋根で防ぐという発想に基づいており、カーポートまわりの地面に落下した雨滴の跳ね返りで自動車の車体を汚すことへの対策は講じられていない。また、カーポート自体に自動車の盗難防止機能を持たせたものはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、降雨による泥跳ねがあっても、自動車の汚損を防止でき、盗難防止機能を持たせたカーポート設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明のカーポート設備は、カーポートの駐車面の周囲に雨滴反射板が設けられており、該雨滴反射板は、地面に対し起立/倒伏自在であり、起立状態では、起立状態で該雨滴反射板の上端が下端よりも自動車の車体に近づくよう傾斜し、前記雨滴反射板を起立状態に保持するストッパーを備え、前記雨滴反射板の起立状態を解除できないようにするロック装置を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
第1発明によれば、つぎの効果を奏する。
a)雨滴反射板の起立状態では、雨滴により跳ねた泥などを遮蔽するので、自動車を汚損させない。雨滴反射板の倒伏状態では、自動車のカーポートへの出入りが自由にできる。
b)雨滴反射板は起立状態で傾斜しているので雨滴を自動車から離れる方向に跳ね返す。このため、雨滴の自動車への付着を防止する効果が高い。
c)ストッパーにより雨滴反射板を起立状態に保持できるので、風雨が強くても倒れることなく、自動車を風雨から保護できる。
d)ロック装置により雨滴反射板の起立状態を解除できないようにしておけば、カーポート内から自動車を出せないので、盗難防止機能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るカーポート設備Aの平面図である。
【
図2】
図1に示すカーポート設備Aの正面図である。
【
図3】
図1に示すカーポート設備Aの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
つぎに、本発明の一実施形態に係るカーポート設備Aを
図1~
図3に基づき説明する。
本発明のカーポート設備Aは、カーポートPと雨滴反射板5とからなる。
図示のカーポートPは、屋根1の片側を支柱2で支える片持ち屋根型であるが、屋根1の両側を支柱2で支える両持ち型であってもよい。
以下の実施形態では、屋根1を2本の支柱2で片持ち支持したカーポートPに適用した例を説明する。
【0010】
(一実施形態)
カーポートPにおいて屋根1を下方に投影した面積をもつ部分はコンクリート打ちされた駐車面3となっている。自動車Cはこの駐車面3の上に駐車する。この場合、自動車Cの上面は屋根1で覆われる。
【0011】
カーポートPの駐車面3に駐車した自動車Cの周囲を取り囲む位置には、雨滴反射板5が設けられている。
雨滴反射板5は地面に対して起立/倒伏自在に取付けられている。ここでいう地面には、カーポートPの駐車面3の側縁部分とこの側縁部分から更に外側に張り出した部分が含まれる。また、ここでいう地面はコンクリート打ちしたものが好ましいが、土のままであってもよい。土の地面に雨滴反射板5を設置するには適宜にコンクリート基礎を用いればよい。
【0012】
雨滴反射板5は、図示の例では自動車Cの車体の4側面を囲む位置に設けられているが、これに限られるものではない。たとえば、3側面や2側面を囲むものであったり、1側面のみに設けたものでもよい。ただし、盗難防止機能をもたせるなら、駐車中の自動車Cの前面に設ける雨滴反射板5は必須となる。また、自動車Cの後面に設ける雨滴反射板5も設けておくことが好ましい。
自動車Cの左右両側面に設ける雨滴反射板5は、車体の汚損防止のためには左右に2枚を設けることが望ましいが、カーポートPの一方の側面に壁が迫っている状況では壁がない方の側面に雨滴反射板5を設けることでもよい。
【0013】
雨滴反射板5は起立/倒伏自在に設置される。起立/倒伏自在とするためには、雨滴反射板5の下端縁に蝶番6の一方を取付け、他方を適宜の金具を介してコンクリート基礎や駐車面3に固定すればよい。
こうすることで、各図において実線で示す起立位置と鎖線で示す倒伏位置との間で姿勢変更することができる。
雨滴反射板5の起立状態では、その状態に保持するストッパー7を設けておくことが好ましい。ストッパー7の形状や構造には特に制限はなく、任意のものを採用できるが、図示の例ではブロック状のストッパーであって、その外側の雨滴反射板5を当てて、傾斜を止めるようになっている。
【0014】
雨滴反射板5はストッパー7に当てて止めた起立状態で、その上端が下端よりも自動車の車体に近づくよう傾斜する。この傾斜角は任意であるが、降ってきた雨がカーポートPの内側から見て外側へ跳ね返すに充分な角度であればよい。具体的には、5°から30°位を例示できる。
図2および
図3に示すように、雨滴反射板5が起立し、かつ自動車C側に傾斜している状態では、降ってきた雨滴を自動車Cから遠ざかる方向に跳ね返す。また、空から垂直に降ってきた雨滴だけでなく、風を伴って斜め上方から吹きつけてくる雨滴も跳ね返すことができる。
【0015】
雨滴反射板5は、倒伏状態では水平に寝させた状態となる。倒伏させる方向は各図において鎖線で示すようにカーポートPの内側から見て外側になる。外側に倒すと自動車の出入りに干渉せず、入庫出庫が自由に行える。
【0016】
雨滴反射板5には、起立状態を解除できないようにするロック装置を設けておくことが望ましい。ロック装置の機構には特に制限はなく、鍵を以って施錠開錠できるものなら任意のものを利用できる。
たとえば、雨滴反射板5とストッパー7とを適宜の金具で連結し、その金具に取外し不能にする錠を付ける等の手段が考えられる。
【0017】
(他の実施形態)
図示の実施形態では、雨滴反射板5をカーポートPの外側に向けて倒伏させたが、雨滴反射板5をカーポートPの内側に向けて倒伏させることも可能である。この場合、自動車Cの入庫の妨げにならないよう自動車Cから充分な距離をとって、雨滴反射板5を設置するとよい。
【0018】
図示の実施形態では、雨滴反射板5をカーポートPの屋根1の外縁より内側で起立するよう設置している。この配置では、雨滴反射板5が自動車Cに近寄るので、風が強いときでも、雨滴と泥跳ねから自動車の汚損を防止できる。
ただし、雨滴反射板5を図示の位置よりも外側に配置することも可能である。たとえばカーポートPの屋根1の外縁とほぼ同じ位置に配置してもよい。この場合、屋根1より外側で落下する雨滴を外側に跳ね返すことができる。
【0019】
本発明には可搬型の雨滴反射板5を用いたカーポート設備も含まれる。雨滴反射板5を大きな主板と小さな補助板とで構成し、かつ端縁同士を蝶番で組付ければ、開閉自在の雨滴反射板5とすることができる。
駐車時には、主板を立てておき補助板を水平にして自動車Cの車輪で踏ませておけばよい。こうすれば、自動車Cの汚損防止もでき、盗難防止にも役立つ。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のカーポート設備Aは個人用と営業目的用とを問わず、利用できる。
【符号の説明】
【0021】
A カーポート設備
P カーポート
C 自動車
5 雨滴反射板
6 蝶番
7 ストッパー
【要約】
【課題】降雨による泥跳ねがあっても、自動車の汚損を防止でき、盗難防止機能を持たせたカーポート設備を提供する。
【解決手段】カーポートの駐車面3の周囲に雨滴反射板5が設けられており、雨滴反射板5は、地面に対し起立/倒伏自在であり、起立状態では、カーポートP内に駐車している自動車Cの車体を囲むことができる。雨滴反射板5は、起立状態で雨滴反射板の上端が下端よりも自動車の車体に近づくよう傾斜する。雨滴反射板5の起立状態では、雨滴により跳ねた泥などを遮蔽するので、自動車を汚損させない。雨滴反射板5の倒伏状態では、自動車CのカーポートPへの出入りが自由にできる。
【選択図】
図1