(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】液晶表示装置及びそのバックライト駆動方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20241220BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20241220BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20241220BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/133 535
G09G3/20 612U
G09G3/20 621E
G09G3/34 J
(21)【出願番号】P 2023195842
(22)【出願日】2023-11-17
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】202311055410.1
(32)【優先日】2023-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ・イージュオ
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-010204(JP,A)
【文献】特開2018-156813(JP,A)
【文献】特開2019-090997(JP,A)
【文献】特開2012-118419(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112967688(CN,A)
【文献】特開2019-168603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133
G09G3/00-3/08
3/12
3/16-3/26
3/30
3/34-3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示領域を含む表示パネルと、
バックライトモジュールと、を含み、
前記バックライトモジュールは、
前記表示領域に対応する複数のバックライト領域を含む発光ユニットと、
前記表示領域の現フレームの表示画面における領域平均輝度値及び領域最大輝度値に基づいて、前記表示領域に対応する前記バックライト領域の第1所定バックライト輝度値を計算するために用いられる計算ユニットと、
前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における第2所定バックライト輝度値と前記第1所定バックライト輝度値との大きさを比較し、比較結果を出力するために用いられる比較ユニットと、
前記発光ユニットを第1輝度駆動値に基づいて前記バックライト領域で発光させるように、前記比較結果に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第
1輝度駆動値を出力するために用いられる制御ユニットと、を含む、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記計算ユニットは、前記領域最大輝度値、前記領域最大輝度値に対応する第1所定重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域平均輝度値に対応する第2所定重み値に基づいて、前記第1所定バックライト輝度値を計算するために用いられる、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記領域最大輝度値、前記領域最大輝度値に対応する第1駆動重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域平均輝度値に対応する第2駆動重み値に基づいて、前記第1輝度駆動値を出力するために用いられ、ここで、前記第1駆動重み値は、前記第1所定重み値、及び前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における前記領域最大輝度値に対応する第3駆動重み値に基づいて決定され、前記第2駆動重み値は、前記第2所定重み値、及び前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における前記領域平均輝度値に対応する第4駆動重み値に基づいて決定される、
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、第1所定関係式に基づいて前記第1輝度駆動値を計算するために用いられ、前記第1所定関係式はL(x)=k1*L_max(x)+k2*L_av(x)であり、ここで、L(x)は前記第1輝度駆動値であり、L_max(x)は前記領域最大輝度値であり、L_av(x)は前記領域平均輝度値であり、k1は前記第1駆動重み値であり、k2は前記第2駆動重み値であ
り、k1の数値範囲は0<k1<1であり、k2の数値範囲は0<k2<1であり、
前記制御ユニットは、さらに前記第1駆動重み値及び前記第2駆動重み値のうち一方、及び第2所定関係式に基づいて、前記第1駆動重み値及び前記第2駆動重み値のうち他方の値を計算し、前記第2所定関係式はk1+k2=1である、
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記比較結果が、前記第1所定バックライト輝度値と前記第2所定バックライト輝度値とが同じである場合、前記第3駆動重み値を、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1駆動重み値として決定し、前記第4駆動重み値を、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第2駆動重み値として決定するために用いられる、
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記比較結果が、前記第1所定バックライト輝度値と前記第2所定バックライト輝度値とが異なる場合、現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であるか否か、且つ全ての前記バックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満であるか否かを判断し、満たさない場合、前記第1所定重み値を前記第1駆動重み値として決定し、前記第2所定重み値を前記第2駆動重み値として決定するために用いられる、
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記計算ユニットは、さらに、前記比較結果が、前記第1所定バックライト輝度値と前記第2所定バックライト輝度値とが異なる場合、現フレームの表示画面における前記平均階調値及び全ての前記バックライト領域の現フレームの表示画面における前記バックライト階調の最大値を計算するために用いられる、
請求項
6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であり、且つ全ての前記バックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満である場合、前記制御ユニットは、さらに、前記第1所定重み値及び重み調整値に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1駆動重み値を決定し、前記第2所定重み値及び前記重み調整値に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第2駆動重み値を決定するために用いられる、
請求項
6に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記制御ユニットは、前記第1所定重み値、重み調整値、及び第3所定関係式に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1駆動重み値を決定するために用いられ、前記第3所定関係式は、ky1+k0=k1であり、ここで、ky1は前記第1所定重み値であり、k0は前記重み調整値であり、k1は前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1駆動重み値であ
り、k0の数値範囲は0<k0<1-ky1である、
請求項
4に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
液晶表示装置のバックライト駆動方法であって、前記液晶表示装置は表示パネルとバックライトモジュールとを含み、前記表示パネルは複数の表示領域を含み、前記バックライトモジュールは前記表示領域に対応する複数のバックライト領域を含み、前記バックライト駆動方法は、
前記表示領域の現フレームの表示画面における領域平均輝度値及び領域最大輝度値に基づいて、前記表示領域に対応する前記バックライト領域の第1所定バックライト輝度値を計算することと、
前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における第2所定バックライト輝度値と前記第1所定バックライト輝度値とを比較して、比較結果を出力することと、
前記比較結果に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1輝度駆動値を出力することと、
前記第1輝度駆動値に基づいて、前記バックライト領域を発光制御することと、を含む、
バックライト駆動方法。
【請求項11】
前記表示領域の現フレームの表示画面における領域平均輝度値及び領域最大輝度値に基づいて、前記表示領域に対応する前記バックライト領域の第1所定バックライト輝度値を計算するステップは、
前記表示領域の現フレームの表示画面における領域平均輝度値を計算することと、
前記表示領域の現フレームの表示画面における領域最大輝度値を計算することと、
前記領域最大輝度値に対応する第1所定重み値、前記領域最大輝度値に対応する第2所定重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域最大輝度値に基づいて、前記第1所定バックライト輝度値を計算することと、を含む、
請求項
10に記載のバックライト駆動方法。
【請求項12】
前記比較結果に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1輝度駆動値を出力するステップは、
前記比較結果に基づいて、前記領域最大輝度値に対応する第1駆動重み値、及び前記領域平均輝度値に対応する第2駆動重み値を決定することと、
前記第1駆動重み値、前記第2駆動重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域最大輝度値に基づいて、前記第1輝度駆動値を出力することと、を含む、
請求項
10に記載のバックライト駆動方法。
【請求項13】
前記第1駆動重み値、前記第2駆動重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域最大輝度値に基づいて、前記第1輝度駆動値を出力するステップは、
第1所定関係式、前記第1駆動重み値、前記第2駆動重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域最大輝度値に基づいて、前記第1輝度駆動値を出力し、前記第1所定関係式はL(x)=k1*L_max(x)+k2*L_av(x)であり、ここで、L(x)は前記第1輝度駆動値であり、L_max(x)は前記領域最大輝度値であり、L_av(x)は前記領域平均輝度値であり、k1は前記第1駆動重み値であり、k2は前記第2駆動重み値であ
り、k1の数値範囲は0<k1<1であり、k2の数値範囲は0<k2<1であることを含
み、
前記第1駆動重み値、前記第2駆動重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域最大輝度値に基づいて、前記第1輝度駆動値を出力するステップは、
前記第1駆動重み値及び前記第2駆動重み値のうち一方、及び第2所定関係式に基づいて、前記第1駆動重み値及び前記第2駆動重み値のうち他方の値を計算し、前記第2所定関係式はk1+k2=1であることをさらに含む、
請求項
12に記載のバックライト駆動方法。
【請求項14】
前記比較結果に基づいて、前記領域最大輝度値に対応する第1駆動重み値、及び前記領域平均輝度値に対応する第2駆動重み値を決定するステップは、
前記比較結果が、前記第2所定バックライト輝度値と前記第1所定バックライト輝度値とが同じである場合、前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における前記領域最大輝度値に対応する第3駆動重み値を前記第1駆動重み値として決定し、前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における前記領域平均輝度値に対応する第4駆動重み値を前記第2駆動重み値として決定することを含む、
請求項
12に記載のバックライト駆動方法。
【請求項15】
前記比較結果に基づいて、前記領域最大輝度値に対応する第1駆動重み値、及び前記領域平均輝度値に対応する第2駆動重み値を決定するステップは、
前記比較結果が、前記第2所定バックライト輝度値と前記第1所定バックライト輝度値とが異なる場合、現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であるか否か、且つ全ての前記バックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満であるか否かを判断し、
満たさない場合、第1所定重み値を前記第1駆動重み値として決定し、第2所定重み値を前記第2駆動重み値として決定することを含む、
請求項
12に記載のバックライト駆動方法。
【請求項16】
現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であり、且つ全ての前記バックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満である場合、重み調整値を取得することと、前記第1所定重み値及び前記重み調整値に基づいて、前記第1駆動重み値を決定することと、
前記第2所定重み値及び前記重み調整値に基づいて、前記第2駆動重み値を決定することと、をさらに含む、
請求項
15に記載のバックライト駆動方法。
【請求項17】
第1所定重み値及び重み調整値に基づいて、前記第1駆動重み値を決定するステップは、
前記第1所定重み値、前記重み調整値、及び第3所定関係式に基づいて、前記第1駆動重み値を決定し、前記第3所定関係式はky1+k0=k1であり、ここで、ky1は前記第1所定重み値であり、k0は前記重み調整値であり、k1は前記第1駆動重み値であ
り、k0の数値範囲は0<k0<1-ky1である、ことを含む、
請求項
13に記載のバックライト駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示技術分野に関し、具体的には液晶表示装置及びそのバックライト駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミニ発光ダイオード(Mini Light-Emitting Diode,Mini-LED)バックライトを有する液晶表示装置(Liquid Crystal Display,LCD)は、領域輝度制御(Local Dimming,LD)アルゴリズムによってバックライトモジュールのバックライト輝度を動的に調節して、表示画面の超高コントラストを実現する。LDアルゴリズムは、バックライトモジュールにおける各バックライト領域に対応する表示画面の輝度情報を統計し、輝度情報に基づいて適切なバックライト輝度を選択する。表示画面のある領域の輝度が高いほど、対応するバックライト領域の輝度も高くなる。表示画面のある領域が黒画面である場合、対応するバックライト領域は発光しない。表示を行う表示画面が明るい領域の小さくて分散した暗部画面である場合、例えば星空画面、表示画面の平均輝度及び対応するバックライト領域の平均輝度はいずれも低い場合、LDアルゴリズムによって1つの非常にゼロに近いバックライト輝度値が得られ、バックライト精度が高くないと、バックライトモジュールは最終的にバックライト輝度値がゼロの状態でバックライト出力を行い、それにより、画面の細部表示が失われ、液晶表示装置の細部表示能力が不十分になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、液晶表示装置及びそのバックライト駆動方法を提供し、液晶表示装置が暗部画面を表示する時の細部表示能力が不足する課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1方面では、本願は液晶表示装置を提供し、前記液晶表示装置は、
複数の表示領域を含む表示パネルと、
バックライトモジュールと、を含み、前記バックライトモジュールは、
前記表示領域に対応する複数のバックライト領域を含む発光ユニットと、
前記表示領域の現フレームの表示画面における領域平均輝度値及び領域最大輝度値に基づいて、前記表示領域に対応する前記バックライト領域の第1所定バックライト輝度値を計算するために用いられる計算ユニットと、
前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における第2所定バックライト輝度値と前記第1所定バックライト輝度値との大きさを比較し、比較結果を出力するために用いられる比較ユニットと、
前記発光ユニットを第1輝度駆動値に基づいて前記バックライト領域で発光させるように、前記比較結果に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1輝度駆動値を出力するために用いられる制御ユニットと、を含む。
【0005】
本願が提供する液晶表示装置では、前記計算ユニットは、前記領域最大輝度値、前記領域最大輝度値に対応する第1所定重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域平均輝度値に対応する第2所定重み値に基づいて、前記第1所定バックライト輝度値を計算するために用いられる。
【0006】
本願が提供する液晶表示装置では、前記制御ユニットは、前記領域最大輝度値、前記領域最大輝度値に対応する第1駆動重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域平均輝度値に対応する第2駆動重み値に基づいて、前記第1輝度駆動値を出力するために用いられ、ここで、前記第1駆動重み値は、前記第1所定重み値、及び前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における前記領域最大輝度値に対応する第3駆動重み値に基づいて決定され、前記第2駆動重み値は、前記第2所定重み値、及び前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における前記領域平均輝度値に対応する第4駆動重み値に基づいて決定される。
【0007】
本願が提供する液晶表示装置では、前記制御ユニットは、第1所定関係式に基づいて前記第1輝度駆動値を計算するために用いられ、前記第1所定関係式はL(x)=k1*L_max(x)+k2*L_av(x)であり、ここで、L(x)は前記第1輝度駆動値であり、L_max(x)は前記領域最大輝度値であり、L_av(x)は前記領域平均輝度値であり、k1は前記第1駆動重み値であり、k2は前記第2駆動重み値である。
【0008】
本願が提供する液晶表示装置では、前記制御ユニットは、さらに前記第1駆動重み値及び前記第2駆動重み値のうち一方、及び第2所定関係式に基づいて、前記第1駆動重み値及び前記第2駆動重み値のうち他方の値を計算し、前記第2所定関係式はk1+k2=1である。
【0009】
本願が提供する液晶表示装置では、前記制御ユニットは、前記比較結果が、前記第1所定バックライト輝度値と前記第2所定バックライト輝度値とが同じである場合、前記第3駆動重み値を、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1駆動重み値として決定し、前記第4駆動重み値を、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第2駆動重み値として決定するために用いられる。
【0010】
本願が提供する液晶表示装置では、前記制御ユニットは、前記比較結果が、前記第1所定バックライト輝度値と前記第2所定バックライト輝度値とが異なる場合、現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であるか否か、且つ全ての前記バックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満であるか否かを判断し、満たさない場合、前記第1所定重み値を前記第1駆動重み値として決定し、前記第2所定重み値を前記第2駆動重み値として決定するために用いられる。
【0011】
本願が提供する液晶表示装置では、前記計算ユニットは、さらに、前記比較結果が、前記第1所定バックライト輝度値と前記第2所定バックライト輝度値とが異なる場合、現フレームの表示画面における前記平均階調値及び全ての前記バックライト領域の現フレームの表示画面における前記バックライト階調の最大値を計算するために用いられる。
【0012】
本願が提供する液晶表示装置では、現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であり、且つ全ての前記バックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満である場合、前記制御ユニットは、さらに、前記第1所定重み値及び重み調整値に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1駆動重み値を決定し、前記第2所定重み値及び前記重み調整値に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第2駆動重み値を決定するために用いられる。
【0013】
本願が提供する液晶表示装置では、前記制御ユニットは、前記第1所定重み値、前記重み調整値、及び第3所定関係式に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1駆動重み値を決定するために用いられ、前記第3所定関係式は、ky1+k0=k1であり、ここで、ky1は前記第1所定重み値であり、k0は前記重み調整値であり、k1は前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1駆動重み値である。
【0014】
第2方面、本願は液晶表示装置のバックライト駆動方法をさらに提供し、前記液晶表示装置は表示パネルとバックライトモジュールとを含み、前記表示パネルは複数の表示領域を含み、前記バックライトモジュールは前記表示領域に対応する複数のバックライト領域を含み、前記バックライト駆動方法は、
前記表示領域の現フレームの表示画面における領域平均輝度値及び領域最大輝度値に基づいて、前記表示領域に対応する前記バックライト領域の第1所定バックライト輝度値を計算することと、
前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における第2所定バックライト輝度値と前記第1所定バックライト輝度値とを比較して、比較結果を出力することと、
前記比較結果に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1輝度駆動値を出力することと、
前記第1輝度駆動値に基づいて、前記バックライト領域を発光制御することと、を含む。
【0015】
本願が提供するバックライト駆動方法では、前記表示領域の現フレームの表示画面における領域平均輝度値及び領域最大輝度値に基づいて、前記表示領域に対応する前記バックライト領域の第1所定バックライト輝度値を計算するステップは、
前記表示領域の現フレームの表示画面における領域平均輝度値を計算することと、
前記表示領域の現フレームの表示画面における領域最大輝度値を計算することと、
前記領域最大輝度値に対応する第1所定重み値、前記領域最大輝度値に対応する第2所定重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域最大輝度値に基づいて、前記第1所定バックライト輝度値を計算することと、を含む。
【0016】
本願が提供するバックライト駆動方法では、前記比較結果に基づいて、前記バックライト領域の現フレームの表示画面における第1輝度駆動値を出力するステップは、
前記比較結果に基づいて、前記領域最大輝度値に対応する第1駆動重み値、及び前記領域平均輝度値に対応する第2駆動重み値を決定することと、
前記第1駆動重み値、前記第2駆動重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域最大輝度値に基づいて、前記第1輝度駆動値を出力することと、を含む。
【0017】
本願が提供するバックライト駆動方法では、前記第1駆動重み値、前記第2駆動重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域最大輝度値に基づいて、前記第1輝度駆動値を出力するステップは、
前記第1所定関係式、前記第1駆動重み値、前記第2駆動重み値、前記領域平均輝度値、及び前記領域最大輝度値に基づいて、前記第1輝度駆動値を出力し、前記第1所定関係式はL(x)=k1*L_max(x)+k2*L_av(x)であり、ここで、L(x)は前記第1輝度駆動値であり、L_max(x)は前記領域最大輝度値であり、L_av(x)は前記領域平均輝度値であり、k1は前記第1駆動重み値であり、k2は前記第2駆動重み値であることを含む。
【0018】
本願が提供するバックライト駆動方法では、前記第1駆動重み値及び前記第2駆動重み値のうち一方、及び第2所定関係式に基づいて、前記第1駆動重み値及び前記第2駆動重み値のうち他方の値を計算し、前記第2所定関係式はk1+k2=1である。
【0019】
本願が提供するバックライト駆動方法では、前記比較結果に基づいて、前記領域最大輝度値に対応する第1駆動重み値、及び前記領域平均輝度値に対応する第2駆動重み値を決定するステップは、
前記比較結果が、前記第2所定バックライト輝度値と前記第1所定バックライト輝度値とが同じである場合、前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における前記領域最大輝度値に対応する第3駆動重み値を前記第1駆動重み値として決定し、前記バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における前記領域平均輝度値に対応する第4駆動重み値を前記第2駆動重み値として決定することを含む。
【0020】
本願が提供するバックライト駆動方法では、前記比較結果に基づいて、前記領域最大輝度値に対応する第1駆動重み値、及び前記領域平均輝度値に対応する第2駆動重み値を決定するステップは、
前記比較結果が、前記第2所定バックライト輝度値と前記第1所定バックライト輝度値とが異なる場合、現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であるか否か、且つ全ての前記バックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満であるか否かを判断し、
満たさない場合、前記第1所定重み値を前記第1駆動重み値として決定し、前記第2所定重み値を前記第2駆動重み値として決定することを含む。
【0021】
本願が提供するバックライト駆動方法では、
現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であり、且つ全ての前記バックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満である場合、重み調整値を取得することと、
前記第1所定重み値及び前記重み調整値に基づいて、前記第1駆動重み値を決定することと、
前記第2所定重み値及び前記重み調整値に基づいて、前記第2駆動重み値を決定することと、をさらに含む。
【0022】
本願が提供するバックライト駆動方法では、前記第1所定重み値及び前記重み調整値に基づいて、前記第1駆動重み値を決定するステップは、
前記第1所定重み値、前記重み調整値、及び前記第3所定関係式に基づいて、前記第1駆動重み値を決定し、前記第3所定関係式はky1+k0=k1であり、ここで、ky1は前記第1所定重み値であり、k0は前記重み調整値であり、k1は前記第1駆動重み値であることを含む。
【発明の効果】
【0023】
本願が提供する液晶表示装置は、比較ユニットでバックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における第2所定バックライト輝度値と現フレームの表示画面における第1所定バックライト輝度値の大きさを比較することによって、制御ユニットに比較結果に対応する輝度駆動値を出力させ、それにより、発光ユニットが輝度駆動値に基づいて対応するバックライト領域に発光するようになり、バックライト領域の暗部表示画面におけるバックライト輝度を向上させ、ひいては液晶表示装置の細部表示能力を向上させた。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本願の実施例に係る液晶表示装置を示すブロック図である。
【
図2】本願の実施例に係るバックライトモジュールを示す第1ブロック図である。
【
図3】本願の実施例に係るバックライトモジュールを示す第2ブロック図である。
【
図4】本願の実施例に係る液晶表示装置の駆動方法を示す第1フローチャートである。
【
図5】
図4におけるS10を示す具体的なフローチャートである。
【
図6】本願の実施例に係る液晶表示装置の駆動方法を示す第2フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本願の実施例における添付の図面と合わせて本願の実施例における技術案について説明する。記載された実施例は単に本発明によって創られた思想を説明するためのものであり、本願を限定することを意図するものではないことを理解されるべきである。
【0026】
図1に示すように、本実施例に係る液晶表示装置100は、表示パネル10とバックライトモジュール20とを含む。表示パネル10は表示領域と、表示領域を除く非表示領域とを含み、表示領域は複数の表示領域AA1を含み、表示領域AA1は表示画面を提供するために用いられ、各表示領域AA1には複数の画素が設けられる。
【0027】
図2に示すように、バックライトモジュール20は、具体的には、発光ユニット201と、計算ユニット202と、比較ユニット203と、制御ユニット204とを含む。
【0028】
発光ユニット201は、表示領域AA1に対応する複数のバックライト領域BA1を含み、各バックライト領域BA1には、複数のMini-LEDが設けられる。発光ユニット201は、領域輝度制御(Local Dimming,LD)方式で駆動される。複数のバックライト領域BA1と複数の表示領域AA1とは一対一の対応関係であり、即ち、各表示領域AA1は、画面表示のためのバックライトを提供する対応するバックライト区画BA1を有する。LDアルゴリズムを利用して発光ユニット201全体を複数の個別に駆動可能なバックライト領域BA1に区画し、表示画面の異なる領域によって表示する必要がある階調に応じて、対応する部分に対応するバックライト領域のLEDの駆動電流を自動的に調整し、発光ユニット201における各バックライト領域BA1の輝度の個別調節を実現し、それにより、表示画面のコントラストを向上させる。
【0029】
計算ユニット202は、表示領域AA1の現フレームの表示画面における領域平均輝度値及び領域最大輝度値に基づいて、この表示領域AA1に対応するバックライト領域BA1の第1所定バックライト輝度値を計算するために用いられる。バックライト領域BA1の現フレームの表示画面における第1所定バックライト輝度値は、このバックライト領域BA1に対応する表示領域AA1の現フレームの表示画面における表示輝度に依存し、バックライト領域BA1の所定バックライト輝度値の大きさは、このバックライト領域BA1に対応する表示領域AA1に対応するフレームの表示画面における表示輝度値の大きさに依存する。
【0030】
計算ユニット202は、表示領域AA1の全ての画素の輝度値を取得し、表示領域AA1の画素の最大輝度値を決定し、表示領域AA1の画素の最大輝度値を表示領域AA1の領域最大輝度値として決定する。
【0031】
計算ユニット202は、表示領域AA1の全ての画素の輝度値を積算してこの表示領域AA1の輝度値の和を取得し、そして、表示領域AA1の輝度値の和、及びこの表示領域AA1の画素の数に基づいて、表示領域AA1の領域平均輝度値を取得する。
【0032】
計算ユニット202は、さらに、バックライト領域BA1に対応する表示領域AA1の現フレームの表示画面における領域平均輝度値、同じ表示領域AA1の領域最大輝度値、第1所定重み値、及び第2所定重み値に基づいて、第1所定バックライト輝度値を計算するために用いられる。ここで、第1所定重み値は、領域最大輝度値に対応する重み値であり、第2所定重み値は、領域平均輝度値に対応する重み値である。異なるバックライト領域BA1は、異なるフレームの表示画面において対応する第1所定重み値が同じであり、異なるバックライト領域BA1は、異なるフレームの表示画面において対応する第2所定重み値が同じである。
【0033】
第1所定重み値は、計算ユニット202に記憶された所定の領域最大輝度値の重み値である。所定第2重み値は、計算ユニット202に記憶された所定の領域平均輝度値の重み値である。
【0034】
LDアルゴリズムに基づいてバックライト領域BA1の輝度値を計算する場合、このバックライト領域BA1に対応する表示画面の領域平均輝度値及び領域最大輝度値を参考し、領域最大輝度値及び領域平均輝度値の重み値を相応に調整することによってバックライト領域BA1の輝度値を調整することができる。従って、第1所定重み値、領域最大輝度値、第2所定重み値、及び領域平均輝度値に基づいて、対応するバックライト領域BA1の所定バックライト輝度値を計算することができる。一方、LDアルゴリズムでは、第1所定重み値を大きくすると、全てのバックライト領域BA1の輝度を向上させるため、この調整結果は、表示画面の初期の暗い領域のディテールが改善されるが、表示画面の初期の明るい領域のハレーションがひどくなる可能性がある。従って、第1所定重み値の大きさは、大きすぎるべきではなく、1未満であることが好ましい。
【0035】
比較ユニット203は、前記バックライト領域BA1の一つ前のフレームの表示画面における第2所定バックライト輝度値と第1所定バックライト輝度値との大きさを比較し、比較結果を出力するために用いられる。比較ユニット203は、同一のバックライト領域BA1の前後2つのフレームの表示画面における所定バックライト輝度値の大きさを比較し、同一のバックライト領域BA1が前後2つのフレームの表示画面における所定バックライト輝度値が同じ又は異なる比較結果を出力する。比較ユニット203は、さらに、各バックライト領域BA1の異なるフレームの表示画面における所定バックライト輝度値を記憶することができ、それにより、特定のバックライト領域BA1の前後2つのフレームの表示画面における所定バックライト輝度値を比較する。
【0036】
発光ユニット201が第1輝度駆動値に基づいて対応するバックライト領域で発光するように、制御ユニット204は比較結果に基づいて現フレームの表示画面におけるバックライト領域BA1の第1輝度駆動値を出力するために用いられ、ここで、第1輝度駆動値は、同一のバックライト領域BA1の一つ前のフレームの表示画面における第2輝度駆動値、及び現フレームの表示画面における第1所定バックライト輝度値に基づいて決定される。
【0037】
同一のバックライト領域BA1の第1所定バックライト輝度値と第2所定バックライト輝度値との大きさが同じである場合、このバックライト領域BA1に対応する輝度データは前後2つのフレームの表示画面において変化せず、現フレームの表示画面におけるこのバックライト領域BA1の細部表示能力を調整する必要がなく、即ち、この表示領域BA1に対応する領域最大輝度値の重み値及び領域平均輝度値の重み値を強める必要がない。
【0038】
この比較結果が生じる場合、制御ユニット204は、バックライト領域BA1の一つ前のフレームの表示画面において対応する第1駆動重み値、バックライト領域BA1の一つ前のフレームの表示画面において対応する第2駆動重み値を取得し、このバックライト領域BA1の一つ前のフレームの表示画面において対応する第1駆動重み値を現フレームの表示画面における第1駆動重み値として決定し、このバックライト領域BA1の一つ前のフレームの表示画面において対応する第2駆動重み値を現フレームの表示画面における第2駆動重み値として決定する。即ち、このバックライト領域BA1は、前後2つのフレームの表示画面における第1駆動重み値が同じであり、このバックライト領域BA1は、前後2つのフレームの表示画面における第2駆動重み値が同じである。
【0039】
同一のバックライト領域BA1の第2所定バックライト輝度値と第1所定バックライト輝度値との大きさが異なる場合、このバックライト領域BA1に対応する輝度データは前後2つのフレームの表示画面において変化し、現フレームの表示画面におけるこのバックライト領域BA1の細部表示能力を最適化する必要がなく、即ち、この表示領域BA1に対応する領域最大輝度値の重み値及び領域平均輝度値の重み値を調整する必要がある。
【0040】
制御ユニット204は、領域最大輝度値、領域最大輝度値に対応する第1駆動重み値、領域平均輝度値、及び領域平均輝度値に対応する第2駆動重み値に基づいて、前記第1輝度駆動値を出力する。バックライト領域の現フレームの表示画面における第1駆動重み値は、第1所定重み値、及び第2輝度駆動値に対応する第1駆動重み値に基づいて決定され、ここで、第1駆動重み値は、第1所定重み値、及び同一のバックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における領域最大輝度値に対応する第3駆動重み値に基づいて決定され、第2駆動重み値は、前記第2所定重み値、及び同一のバックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における領域平均輝度値に対応する第4駆動重み値に基づいて決定される。制御ユニット204は、さらに、各バックライト領域BA1の各フレームの表示画面における領域最大輝度値に対応する駆動重み値、及び領域平均輝度値に対応する駆動重み値を記憶することができ、それにより、特定のバックライト領域BA1の前後2つのフレームの表示画面における駆動重み値を比較する。
【0041】
制御ユニット204は、第1所定関係式に基づいて第1輝度駆動値を計算するために用いられる。第1所定関係式は、以下の通りである。
【0042】
L(x)=k1*L_max(x)+k2*L_av(x) (1)
【0043】
上記第1所定関係式(1)では、L(x)は第1輝度駆動値であり、L_max(x)は領域最大輝度値であり、L_av(x)は領域平均輝度値であり、k1は現フレームの表示画面における第1駆動重み値であり、k2は現フレームの表示画面における第2駆動重み値である。k1の数値範囲は0<k1<1であり、k2の数値範囲は0<k2<1である。
【0044】
領域最大輝度値及び領域平均輝度値が決定される場合、第1駆動重み値及び/又は第2駆動重み値の大きさを調整すると輝度駆動値の大きさを調整することができ、ひいては対応するバックライト領域BA1のバックライト輝度を調整し、それにより、対応するバックライト領域BA1のバックライト精度を向上させ、対応するバックライト領域BA1の表示画面のディテールが正常に表示されることを確保し、ひいては液晶表示装置の細部表示能力を向上させる。
【0045】
制御ユニット204は、さらに、第1駆動重み値及び第2駆動重み値のうち一方、及び第2所定関係式に基づいて、第1駆動重み値及び第2駆動重み値の他方の値を計算するために用いられる。第2所定関係式は、以下の通りである。
【0046】
k1+k2=1 (2)
【0047】
上記関係式(2)では、k1は第1駆動重み値であり、k2は前記第2駆動重み値である。
【0048】
発光ユニット201は、輝度駆動値に基づいてバックライト領域で発光するように、制御ユニット204は、同一のバックライト領域BA1の前後2つのフレームの表示画面における所定バックライト輝度値が同じであるという比較結果に基づいて、対応する輝度駆動値を出力する。発光ユニット201は、輝度駆動値に基づいてバックライト領域で発光するように、制御ユニット204は、同一のバックライト領域BA1の前後2つのフレームの表示画面における所定バックライト輝度値が異なるという比較結果に基づいて、対応する輝度駆動値を出力する。
【0049】
図3に示すように、本実施例に係る液晶表示装置100では、バックライトモジュール20は記憶ユニット205をさらに含み、記憶ユニット205は、比較ユニット203にバックライト領域BA1のあるフレームの表示画面における所定バックライト輝度値をリアルタイムに提供するように、各バックライト領域BA1の異なるフレームの表示画面における所定バックライト輝度値をリアルタイムに記憶するために用いられる。記憶ユニット205は、さらに、制御ユニット204にあるバックライト領域BA1のあるフレームの表示画面における対応する駆動重み値をリアルタイムに提供するように、各領域BA1の各フレームの表示画面における領域最大輝度値に対応する駆動重み値、及び領域平均輝度値に対応する駆動重み値をリアルタイムに記憶するために用いられる。
【0050】
本液晶表示装置100は、比較ユニット203がバックライト領域BA1の一つ前のフレームの表示画面における所定バックライト輝度値と、現フレームの表示画面における所定バックライト輝度値との大きさを比較することによって、制御ユニット204に比較結果に対応する輝度駆動値を出力させ、それにより、発光ユニット201は、輝度駆動値に基づいて対応するバックライト領域において発光し、バックライト領域BA1の暗部表示画面におけるバックライト輝度を向上させ、ひいては液晶表示装置の細部表示能力を向上させた。
【0051】
本願が提供する液晶表示装置では、同一のバックライト領域BA1が前後2つのフレームの表示画面における所定バックライト輝度値が異なるという比較結果が生じる場合、即ち、第1所定バックライト輝度値と第2所定バックライト輝度値とが異なる場合、計算ユニット202は、さらに、表示パネル10の現フレームの表示画面における平均階調値、及び全てのバックライト領域BA1の現フレームの表示画面におけるバックライト階調最大値を計算するために用いられる。
【0052】
計算ユニット202は、全ての表示領域AA1の全ての画素の、現フレームの表示画面における階調値を取得し、全ての画素の輝度値を積算して表示パネル10の階調値の和を取得し、そして表示パネル10の階調値の和、及び表示パネル10の画素の総数に基づいて、表示パネル10の現フレームの表示画面における平均階調値を取得する。
【0053】
計算ユニット202は、全てのバックライト領域BA1の全てのMini-LEDの現フレームの表示画面における階調値を取得し、全てのバックライト領域BA1におけるMini-LEDの階調最大値を決定する。
【0054】
制御ユニット204は、さらに、表示パネル10の現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であるか否か、且つ全ての前記バックライト領域BA1の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満であるか否かを判断するために用いられる。
【0055】
表示パネル10の現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値以上である場合、現フレームの表示画面の平均輝度は比較的高く、発光ユニット201におけるMini-LEDは、現フレームの表示画面において全てオンされ、又は少数だけオフされる。
【0056】
従って、このバックライト領域BA1の輝度を再び調整する必要がなく、現フレームの表示画面におけるこのバックライト領域BA1の細部表示能力を最適化する必要がなく、即ち、このバックライト領域BA1に対応する領域最大輝度値の重み値及び領域平均輝度値の重み値を調整する必要がない。この判断結果に応じて、制御ユニット204は、第1所定重み値を第1駆動重み値として決定し、第2所定重み値を第2駆動重み値として決定すると、バックライト領域BA1の第1所定バックライト輝度値の大きさと、このバックライト領域BA1の第1発光駆動値の大きさとが同じであり、発光ユニット201は、現フレームの表示画面において、第1所定バックライト輝度値に基づいて、対応するバックライト領域BA1で発光する。
【0057】
表示パネル10の現フレームの表示画面における平均階調値が第1設定閾値未満であるが、全てのバックライト領域BA1の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値以上である場合、現フレームの表示画面における平均輝度は比較的低く、且つ現フレームの表示画面におけるピーク輝度が比較的高いため、バックライト輝度が高いバックライト領域BA1が存在し、バックライト領域BA1は比較的高いバックライト輝度によって光拡散現象が発生し、一方、光拡散現象は、バックライト輝度が比較的高いバックライト領域BA1の周辺の暗部に対する細部表示能力を向上させる。
【0058】
従って、比較的高いバックライト輝度を有するこのバックライト領域BA1の輝度を再び調整する必要がなく、現フレームの表示画面におけるこのバックライト領域BA1の細部表示能力を最適化する必要がなく、即ち、このバックライト領域BA1に対応する領域最大輝度値の重み値及び領域平均輝度値の重み値を調整する必要がない。この判断結果に応じて、制御ユニット204は、第1所定重み値を第1駆動重み値として決定し、第2所定重み値を第2駆動重み値として決定すると、バックライト領域BA1の第1所定バックライト輝度値の大きさと、このバックライト領域BA1の第1発光駆動値の大きさとが同じであり、発光ユニット201は、現フレームの表示画面において、第1所定バックライト輝度値に基づいて、対応するバックライト領域BA1で発光する。
【0059】
表示パネル10の現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であり、且つ全てのバックライト領域BA1の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満である場合、全てのバックライト領域BA1の全体輝度は比較的低く、又は、全てのバックライト領域BA1のMini-LEDは全てオフ状態であり、このバックライト領域BA1に対応する表示領域AA1が細部表示を行うことを確保するために、この場合、このバックライト領域BA1の細部表示能力を向上させる必要がある。
【0060】
この判断結果に応じて、制御ユニット204は、さらに、第1所定重み値及び重み調整値に基づいて、バックライト領域BA1の現フレームの表示画面における第1駆動重み値を改めて決定し、第2所定重み値及び重み調整値に基づいて、同一のバックライト領域の現フレームの表示画面における第2駆動重み値を改めて決定する。
【0061】
重み調整値の具体的な数値は、実験デバッグによって決定され、制御ユニット204は、第1所定重み値、デバッグして決定された重み調整値、及び第3所定関係式に基づいて、第1駆動重み値を決定する。第3所定関係式は、以下の通りである。
【0062】
ky1+k0=k1 (3)
【0063】
上記第3所定関係式(3)では、ky1は第1所定重み値であり、k0は重み調整値であり、k1は第1駆動重み値である。ここで、重み調整値k0の具体的な数値範囲は0<k0<1-ky1である。バックライト領域BA1に対応する暗部表示画面の細部表示能力を向上させるために、このバックライト領域の領域最大輝度値に対応する重み値を向上させる必要があり、従って、好ましくは、重み調整値が0より大きい。同時に、バックライト領域BA1が過剰に調光された後に対応する表示画面のハレーションが拡大することを回避するために、第1所定重み値ky1及び重み調整値k0に基づいて計算し得る第1駆動重み値k1が1未満であることが好ましい。即ち、重み調整値は、0より大きいことを満たすながら、1と第1所定重み値ky1との差値未満であることも満足するべきである。
【0064】
改めて決定された第1駆動重み値及び対応する第2駆動重み値は、上記第2所定関係式(2)を満たす必要があるため、改めて決定された第1駆動重み値及び第2所定関係式(2)に基づいて対応する第2駆動重み値を計算し得る。そして、第1所定関係式(1)、改めて決定された第1駆動重み値、対応する第2駆動重み値、バックライト領域の領域平均輝度値、及び領域最大輝度値に基づいて、対応するバックライト領域の現フレームの表示画面における輝度駆動値を計算し得る。
【0065】
本液晶表示装置100は、さらに、制御ユニット204が現フレームの表示画面における平均階調値と第1所定閾値との大きさ、及び全てのバックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調最大値と第2所定閾値との大きさを判断することによって、バックライト領域BA1の暗部表示画面における表示輝度を向上させて、液晶表示装置の細部表示能力を向上させるとともに、バックライト領域BA1を過剰に調光して対応する表示画面のハレーションが拡大することを回避することができる。
【0066】
図4に示すように、本願の実施例は液晶表示装置のバックライト駆動方法をさらに提供し、本実施例の液晶表示装置は表示パネルとバックライトモジュールとを含み、前記表示パネルは複数の表示領域を含み、前記バックライトモジュールは複数の前記表示領域に対応するバックライト領域を含み、本実施例のバックライト駆動方法は以下のステップを含む。
【0067】
S10では、前記表示領域の現フレームの表示画面における領域平均輝度値及び領域最大輝度値に基づいて、前記表示領域に対応する前記バックライト領域の第1所定バックライト輝度値を計算する。
図5に示すように、ステップS10は、具体的には、以下を含む。
【0068】
S101では、表示領域の現フレームの表示画面における領域平均輝度値を計算する。表示領域における全ての画素の輝度値を累積してこの表示領域の輝度値の和を取得し、そして、表示領域AA1の輝度値の和を、この表示領域内の画素数で割って、この表示領域の領域平均輝度値を取得する。
【0069】
S102では、表示領域の現フレームの表示画面における領域最大輝度値を計算する。表示領域内の全ての画素の輝度値を取得し、この表示領域内における画素の最大輝度値を決定し、この表示領域内における画素の最大輝度値を、領域最大輝度値として決定する。
【0070】
S103では、領域最大輝度値に対応する第1所定重み値、領域最大輝度値に対応する第2所定重み値、領域平均輝度値、及び領域最大輝度値に基づいて、第1所定バックライト輝度値を計算する。
【0071】
S20では、バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における第2所定バックライト輝度値を第1所定バックライト輝度値と比較し、比較結果を出力する。即ち、同一のバックライト領域の前後の2つのフレームの所定バックライト輝度値間の大きさが同じであるか否かを比較する。
【0072】
ステップS20における比較結果は2つがあり、第1比較結果は、第2所定バックライト輝度値と第1所定バックライト輝度値との大きさが同じであり、第2比較結果は、第2所定バックライト輝度値と第1所定バックライト輝度値との大きさが異なる。
【0073】
S30では、比較結果に基づいて、バックライト領域の現フレームの表示画面における第1輝度駆動値を出力する。
【0074】
本実施例が提供する液晶表示装置のバックライト駆動方法は、バックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における所定バックライト輝度とこのバックライト領域の現フレームの表示画面における所定バックライト輝度値との大きさを比較し、そして、比較結果に基づいて、バックライト領域の現フレームの表示画面における第1輝度駆動値を決定することによって、バックライト領域の暗部表示画面における表示輝度を向上させて液晶表示装置の細部表示能力を向上させた。
【0075】
図4及び
図6に示すように、ステップS30は、具体的にはステップS301とステップS302とを含んでもよい。
【0076】
S301では、比較結果に基づいて、領域最大輝度値に対応する第1駆動重み値、及び領域平均輝度値に対応する第2駆動重み値を決定する。
【0077】
ステップS301は、具体的には、以下を含んでもよい。
【0078】
S3011では、比較結果が、第2所定バックライト輝度値と第1所定バックライト輝度値とが同じである場合、このバックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における最大輝度値に対応する第3駆動重み値を第1駆動重み値として決定し、このバックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における平均輝度値に対応する第4駆動重み値を第2駆動重み値として決定する。
【0079】
S3012では、比較結果が、第2所定バックライト輝度値と第1所定バックライト輝度値が異なる場合、現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であるか否か、且つ全てのバックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満であるか否かを判断し、判断結果に応じて第1駆動重み値及び第2駆動重み値を決定する。
【0080】
ステップS3012は、以下をさらに含んでもよい。
【0081】
S30121では、満たさない場合、第1所定重み値を第1駆動重み値として決定し、第2所定重み値を第2駆動重み値として決定する。
【0082】
S30122では、満足する場合、即ち、現フレームの表示画面における平均階調値が第1所定閾値未満であり、且つ全てのバックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調の最大値が第2所定閾値未満である場合、重み調整値を取得し、第1所定重み値及び重み調整値に基づいて第1駆動重み値を決定し、第2所定重み値及び重み調整値に基づいて第2駆動重み値を決定する。
【0083】
ステップS30122では、第1所定重み値、重み調整値、及び第3所定関係式に基づいて第1駆動重み値を決定することができる。第3所定関係式は以下の通りである。
【0084】
ky1+k0=k1 (3)
【0085】
上記第3所定関係式(3)では、ky1は第1所定重み値であり、k0は重み調整値であり、k1は第1駆動重み値である。ここで、重み調整値k0の具体的な数値範囲は0<k0<1-ky1である。
【0086】
S302では、第1駆動重み値、第2駆動重み値、領域平均輝度値、及び領域最大輝度値に基づいて第1輝度駆動値を出力する。
【0087】
ステップS302では、第1所定関係式、第1駆動重み値、第2駆動重み値、領域平均輝度値、及び領域最大輝度値に基づいて前記第1輝度駆動値を出力することができ、ここで、第1所定関係式は以下の通りである。
【0088】
L(x)=k1*L_max(x)+k2*L_av(x) (1)
【0089】
上記第1所定関係式(1)では、L(x)は第1輝度駆動値であり、L_max(x)は領域最大輝度値であり、L_av(x)は領域平均輝度値であり、k1は第1駆動重み値であり、k2は前記第2駆動重み値である。k1の数値範囲は0<k1<1であり、k2の数値範囲は0<k2<1である。
【0090】
ステップS302では、さらに、第1駆動重み値及び第2駆動重み値のうち一方、及び第2所定関係式に基づいて、第1駆動重み値及び第2駆動重み値の他方の値を計算することができる。第2所定関係式は、以下の通りである。
【0091】
k1+k2=1 (2)
【0092】
上記関係式(2)では、k1は第1駆動重み値であり、k2は前記第2駆動重み値である。
【0093】
S40では、第1輝度駆動値に基づいてバックライト領域を発光制御する。
【0094】
本願の実施例が提供する液晶表示装置のバックライト駆動方法は、現フレームの表示画面における平均階調値と第1所定閾値との大きさ、及び全てのバックライト領域の現フレームの表示画面におけるバックライト階調最大値と第2所定閾値との大きさを判断し、判断結果に応じて、バックライト領域の現フレームの表示画面における第1輝度駆動値を決定することによって、バックライト領域の暗部表示画面における表示輝度を向上させて、液晶表示装置の細部表示能力を向上させるとともに、バックライト領域を過剰に調光して対応する表示画面のハレーションが拡大することを回避することができる。
【0095】
もちろん、本願は、他の様々な実施例も提供可能であるが、本願の思想及びその実質的な要旨を逸脱しない前提で、当業者であれば、本願に従って様々な変更及び変形を行うことができ、しかしながら、これらの対応する変更及び変形は、本願の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0096】
10 :表示パネル
20 :バックライトモジュール
100 :液晶表示装置
201 :発光ユニット
202 :計算ユニット
203 :比較ユニット
204 :制御ユニット
205 :記憶ユニット
【要約】 (修正有)
【課題】液晶表示装置及びそのバックライト駆動方法を提供する。
【解決手段】液晶表示装置100は、表示パネル10とバックライトモジュール20で構成され、バックライトモジュール20は、発光ユニットと、計算ユニットと、比較ユニットと、制御ユニットとを含み、比較ユニットでバックライト領域の一つ前のフレームの表示画面における第2所定バックライト輝度値と現フレームの表示画面における第1所定バックライト輝度値の大きさを比較し、制御ユニットに比較結果に対応する輝度駆動値を出力させ、発光ユニットが輝度駆動値に基づいて対応するバックライト領域に発光し、バックライト領域の暗部表示画面におけるバックライト輝度を向上させ、液晶表示装置100の細部表示能力を向上させた。
【選択図】
図1