(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】画素駆動回路及びその駆動方法、表示パネル
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20241220BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20241220BHJP
G09G 3/32 20160101ALI20241220BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 611A
G09G3/20 611F
G09G3/20 611H
G09G3/20 622C
G09G3/20 624B
G09G3/20 641A
G09G3/20 641C
G09G3/20 641K
G09G3/20 642A
G09G3/20 670J
G09G3/20 680G
G09G3/32 A
(21)【出願番号】P 2023196284
(22)【出願日】2023-11-17
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】202311044976.4
(32)【優先日】2023-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】ウー・ヤンヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・リージュン
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0101783(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113096589(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111341252(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113707077(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113889034(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0293929(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2023/0104084(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/30-9/46
G09G3/00-3/08
3/12-3/16
3/19-3/26
3/30-3/34
3/38
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ノードと第1電圧端子と、それぞれ電気的に接続される発光素子と、
前記第1ノードと第2ノードと第2電圧端子と、それぞれ電気的に接続され、前記発光素子を発光駆動するために駆動電流を生成するように構成される駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタと電気的に接続され、前記駆動電流の振幅値を制御するために前記駆動トランジスタに振幅変調電圧を出力するように構成されるパルス振幅変調モジュールと、
前記第2ノードと前記第2電圧端子と前記パルス振幅変調モジュールと、それぞれ電気的に接続され、走査電圧に基づいて前記駆動トランジスタが前記駆動電流を出力する時間を制御するように構成されるパルス幅変調モジュールと、を含
み、
前記駆動トランジスタの制御端子は前記第2ノードと電気的に接続され、前記駆動トランジスタの入力端子は前記発光素子と電気的に接続され、前記駆動トランジスタの出力端子は、前記第2電圧端子と電気的に接続され、
前記パルス振幅変調モジュールは、
第1補償トランジスタであって、前記第1補償トランジスタの制御端子は補償制御線と電気的に接続され、前記第1補償トランジスタの入力端子は前記第1ノードと電気的に接続され、前記第1補償トランジスタの出力端子は前記第2ノードと電気的に接続される前記第1補償トランジスタと、
第1リセットトランジスタであって、前記第1リセットトランジスタの制御端子は第1リセット制御線と電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタの入力端子は前記第2電圧端子と電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタの出力端子は第3ノードと電気的に接続される前記第1リセットトランジスタと、
第1データトランジスタであって、前記第1データトランジスタの制御端子はパルス振幅制御線と電気的に接続され、前記第1データトランジスタの入力端子はデータ線と電気的に接続され、前記第1データトランジスタの出力端子は前記第3ノードと電気的に接続される前記第1データトランジスタと、
前記第2ノードと前記第2電圧端子との間に直列に接続される第1コンデンサと、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間に直列に接続される第2コンデンサと、を含む、
画素駆動回路。
【請求項2】
前記パルス振幅変調モジュールは第2リセットトランジスタをさらに含み、
前記第2リセットトランジスタの制御端子は第2リセット制御線と電気的に接続され、前記第2リセットトランジスタの入力端子は前記データ線と電気的に接続され、前記第2リセットトランジスタの出力端子は第2ノードと電気的に接続される、
請求項
1に記載の画素駆動回路。
【請求項3】
前記第1リセットトランジスタの制御端子は、前記第1リセット制御線によって前記第2リセットトランジスタの制御端子と電気的に接続され、又は、前記第1リセットトランジスタの制御端子は、前記第1リセット制御線によって前記第1補償トランジスタの制御端子と電気的に接続される、
請求項
2に記載の画素駆動回路。
【請求項4】
前記パルス幅変調モジュールは、
第1スイッチングトランジスタであって、前記第1スイッチングトランジスタの制御端子は発光制御線と電気的に接続され、前記第1スイッチングトランジスタの出力端子は前記第2ノードと電気的に接続される前記第1スイッチングトランジスタと、
第2スイッチングトランジスタであって、前記第2スイッチングトランジスタの入力端子は前記第2電圧端子と電気的に接続され、前記第2スイッチングトランジスタの出力端子は前記第1スイッチングトランジスタの入力端子と電気的に接続される前記第2スイッチングトランジスタと、
第2補償トランジスタであって、前記第2補償トランジスタの制御端子は、前記補償制御線と電気的に接続され、前記第2補償トランジスタの入力端子及び出力端子は、前記第2スイッチングトランジスタの出力端子及び制御端子と、それぞれ電気的に接続される前記第2補償トランジスタと、
第3リセットトランジスタであって、前記第3リセットトランジスタの制御端子は前記第2補償トランジスタの制御端子と電気的に接続され、前記第3リセットトランジスタの入力端子は前記第2電圧端子と電気的に接続され、前記第3リセットトランジスタの出力端子は第4ノードと電気的に接続される前記第3リセットトランジスタと、
第2データトランジスタであって、前記第2データトランジスタの制御端子はパルス幅制御線と電気的に接続され、前記第2データトランジスタの入力端子は前記データ線と電気的に接続され、前記第2データトランジスタの出力端子は前記第4ノードと電気的に接続される前記第2データトランジスタと、
前記第4ノードと前記第2スイッチングトランジスタの制御端子との間に直列に接続される第3コンデンサと、
前記走査電圧を伝送する走査制御線と前記第4ノードとの間に直列に接続される第4コンデンサと、を含む、
請求項
1に記載の画素駆動回路。
【請求項5】
前記パルス幅変調モジュールは第4リセットトランジスタをさらに含み、
前記第4リセットトランジスタの制御端子は第2リセット制御線と電気的に接続され、前記第4リセットトランジスタの入力端子は前記データ線と電気的に接続され、前記第4リセットトランジスタの出力端子は前記第2スイッチングトランジスタの制御端子と電気的に接続される、
請求項
4に記載の画素駆動回路。
【請求項6】
前記第1電圧端子が伝送する第1電圧信号は、前記第1スイッチングトランジスタがオンされる期間に第1電圧値を有し、前記第1電圧信号は、前記第1スイッチングトランジスタがオフされる期間に第2電圧値を有し、ここで、前記第1電圧値は、前記第2電圧値よりも大きい、
請求項
4に記載の画素駆動回路。
【請求項7】
前記画素駆動回路は第3スイッチングトランジスタをさらに含み、
前記第3スイッチングトランジスタの制御端子は発光制御線と電気的に接続され、前記第3スイッチングトランジスタの入力端子及び出力端子は、前記第1電圧端子及び前記発光素子と、それぞれ電気的に接続される、
請求項1に記載の画素駆動回路。
【請求項8】
請求項1~
請求項7のいずれか一項に記載の画素駆動回路を駆動するために用いられる画素駆動回路の駆動方法であって、
駆動トランジスタにパルス振幅変調電圧に基づいて駆動電流の振幅値を制御させるように、パルス振幅変調モジュールによって前記パルス振幅変調電圧を前記駆動トランジスタに伝送することと、
前記駆動トランジスタが前記駆動電流の出力を停止するタイミングを制御し、前記駆動トランジスタが前記駆動電流を出力する時間を制御するために、パルス幅変調モジュールによって走査電圧を受けることと、を含む、
画素駆動回路の駆動方法。
【請求項9】
請求項1
~請求項7のいずれか一項に記載の画素駆動回路を含む、
表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術分野に関し、具体的には画素駆動回路及びその駆動方法、表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ発光ダイオード又はサブミリメートル発光ダイオードを用いて直視型(Direct View)の技術を実現する表示パネルは、低階調の均一性が悪いという技術的課題を有する。低階調の均一性が悪い課題を改善するため、通常、フィードフォワード回路(Feedforward Circuit)を用いて補償する。しかし、フィードフォワード回路の消費電力は高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施例は、画素駆動回路及びその駆動方法、表示パネルを提供し、表示画面の均一性を改善し、消費電力を低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施例は、画素駆動回路を提供し、発光素子と、駆動トランジスタと、パルス振幅変調モジュールと、パルス幅変調モジュールとを含む。前記発光素子は、第1ノードと第1電圧端子と、それぞれ電気的に接続される。前記駆動トランジスタは、前記第1ノードと第2ノードと第2電圧端子と、それぞれ電気的に接続され、前記駆動トランジスタは、前記発光素子を発光駆動するために駆動電流を生成するように構成される。前記パルス振幅変調モジュールは、前記駆動トランジスタと電気的に接続され、前記パルス振幅変調モジュールは、前記駆動電流の振幅値を制御するために前記駆動トランジスタに振幅変調電圧を出力するように構成される。前記パルス幅変調モジュールは、前記第2ノードと前記第2電圧端子と前記パルス振幅変調モジュールと、それぞれ電気的に接続され、前記パルス幅変調モジュールは、走査電圧に基づいて前記駆動トランジスタが前記駆動電流を出力する時間を制御するように構成される。
【0005】
好ましくは、本発明の一部の実施例では、前記駆動トランジスタの制御端子は前記第2ノードと電気的に接続され、前記駆動トランジスタの入力端子は前記発光素子と電気的に接続され、前記駆動トランジスタの出力端子は、前記第2電圧端子と電気的に接続される。
【0006】
本好ましくは、発明の一部の実施例では、前記パルス振幅変調モジュールは、第1補償トランジスタと、第1リセットトランジスタと、第1データトランジスタと、第1コンデンサと第2コンデンサとを含む。前記第1補償トランジスタの制御端子は補償制御線と電気的に接続され、前記第1補償トランジスタの入力端子は前記第1ノードと電気的に接続され、前記第1補償トランジスタの出力端子は前記第2ノードと電気的に接続される。前記第1リセットトランジスタの制御端子は第1リセット制御線と電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタの入力端子は前記第2電圧端子と電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタの出力端子は第3ノードと電気的に接続される。前記第1データトランジスタの制御端子はパルス振幅制御線と電気的に接続され、前記第1データトランジスタの入力端子はデータ線と電気的に接続され、前記第1データトランジスタの出力端子は前記第3ノードと電気的に接続される。前記第1コンデンサは、前記第2ノードと前記第2電圧端子との間に直列に接続され、前記第2コンデンサは、前記第2ノードと前記第3ノードとの間に直列に接続される。
【0007】
好ましくは、本発明の一部の実施例では、前記パルス振幅変調モジュールは第2リセットトランジスタをさらに含み、前記第2リセットトランジスタの制御端子は第2リセット制御線と電気的に接続され、前記第2リセットトランジスタの入力端子は前記データ線と電気的に接続され、前記第2リセットトランジスタの出力端子は第2ノードと電気的に接続される。
【0008】
好ましくは、本発明の一部の実施例では、前記第1リセットトランジスタの制御端子は、前記第1リセット制御線によって前記第2リセットトランジスタの制御端子と電気的に接続される。好ましくは、前記第1リセットトランジスタの制御端子は、前記第1リセット制御線によって前記第1補償トランジスタの制御端子と電気的に接続される。
【0009】
好ましくは、本発明の一部の実施例では、前記パルス幅変調モジュールは、第1スイッチングトランジスタと、第2スイッチングトランジスタと、第2補償トランジスタと、第3リセットトランジスタと、第2データトランジスタと、第3コンデンサと、第4コンデンサとを含む。前記第1スイッチングトランジスタの制御端子は発光制御線と電気的に接続され、前記第1スイッチングトランジスタの出力端子は前記第2ノードと電気的に接続される。前記第2スイッチングトランジスタの入力端子は前記第2電圧端子と電気的に接続され、前記第2スイッチングトランジスタの出力端子は前記第1スイッチングトランジスタの入力端子と電気的に接続される。前記第2補償トランジスタの制御端子は、前記補償制御線と電気的に接続され、前記第2補償トランジスタの入力端子及び出力端子は、前記第2スイッチングトランジスタの出力端子及び制御端子と、それぞれ電気的に接続される。前記第3リセットトランジスタの制御端子は前記第2補償トランジスタの制御端子と電気的に接続され、前記第3リセットトランジスタの入力端子は前記第2電圧端子と電気的に接続され、前記第3リセットトランジスタの出力端子は第4ノードと電気的に接続される。前記第2データトランジスタの制御端子はパルス幅制御線と電気的に接続され、前記第2データトランジスタの入力端子は前記データ線と電気的に接続され、第2データトランジスタの出力端子は前記第4ノードと電気的に接続される。前記第3コンデンサは、前記第4ノードと前記第2スイッチングトランジスタの制御端子との間に直列に接続され、前記第4コンデンサは、前記走査電圧を伝送する走査制御線と前記第4ノードとの間に直列に接続される。
【0010】
好ましくは、本発明の一部の実施例では、前記パルス幅変調モジュールは第4リセットトランジスタをさらに含み、前記第4リセットトランジスタの制御端子は前記第2リセット制御線と電気的に接続され、前記第4リセットトランジスタの入力端子は前記データ線と電気的に接続され、前記第4リセットトランジスタの出力端子は前記第2スイッチングトランジスタの制御端子と電気的に接続される。
【0011】
好ましくは、本発明の一部の実施例では、前記第1電圧端子が伝送する第1電圧信号は、前記第1スイッチングトランジスタがオンされる期間に第1電圧値を有し、前記第1電圧信号は、前記第1スイッチングトランジスタがオフされる期間に第2電圧値を有する。ここで、前記第1電圧値は、前記第2電圧値よりも大きい。
【0012】
好ましくは、本発明の一部の実施例では、前記画素駆動回路は第3スイッチングトランジスタをさらに含み、前記第3スイッチングトランジスタの制御端子は発光制御線と電気的に接続され、前記第3スイッチングトランジスタの入力端子及び出力端子は、前記第1電圧端子及び前記発光素子と、それぞれ電気的に接続される。
【0013】
本発明の実施例は、上記いずれか一つの画素駆動回路を駆動するために用いられる画素駆動回路の駆動方法を提供する。この画素駆動回路の駆動方法は、駆動トランジスタにパルス振幅変調電圧に基づいて前記駆動電流の振幅値を制御させるように、前記パルス振幅変調モジュールによってパルス前記振幅変調電圧を前記駆動トランジスタに伝送することと、前記駆動トランジスタが前記駆動電流の出力を停止するタイミングを制御し、前記駆動トランジスタが前記駆動電流を出力する時間を制御するために、前記パルス幅変調モジュールによって走査電圧を受けることと、を含む。
【0014】
本発明は表示パネルをさらに提供し、この表示パネルは上記いずれか一つの画素駆動回路を含む。
【0015】
本発明は、画素駆動回路及びその駆動方法、表示パネルを提供し、画素駆動回路は、発光素子と、駆動トランジスタと、パルス振幅変調モジュールと、パルス幅変調モジュールとを含む。駆動トランジスタは発光素子と電気的に接続され、パルス振幅変調モジュールは駆動トランジスタと電気的に接続され、パルス幅変調モジュールは駆動トランジスタとパルス振幅変調モジュールと電気的に接続される。駆動トランジスタは発光素子を発光駆動するために駆動電流を生成し、パルス振幅変調モジュールは駆動電流の振幅値を制御するために駆動トランジスタに振幅変調電圧を出力するように構成される。パルス幅変調モジュールは、走査電圧に基づいて駆動トランジスタが駆動電流を出力する時間を制御するように構成される。パルス振幅変調モジュールとパルス幅変調モジュールとを組み合わせることにより、表示画面の均一性に対する補償を実現し、フィードフォワード回路を配置する必要がなく、消費電力の低減に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明するが、以下の説明における図面は、本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者にとって、これらの図面から他の図面を創造的な努力をかけずに得ることができることは明らかである。
【0017】
【
図1A】本発明の実施例に係る画素駆動回路の構造を示す模式図である。
【
図1B】本発明の実施例に係る画素駆動回路の構造を示す模式図である。
【
図1C】本発明の実施例に係る画素駆動回路の構造を示す模式図である。
【
図1D】本発明の実施例に係る画素駆動回路の構造を示す模式図である。
【
図1E】本発明の実施例に係る画素駆動回路の構造を示す模式図である。
【
図2A】本発明の実施例に係るタイミングを示す模式図である。
【
図2B】本発明の実施例に係るタイミングを示す模式図である。
【
図2C】本発明の実施例に係るタイミングを示す模式図である。
【
図3】本発明の実施例に係る表示パネルの構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における技術案に対し、本発明の実施例における図面を参照して明確かつ完全に説明するが、記載された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づく、当業者が発明的な努力をすることなく得る他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に属する。なお、本明細書に記載された具体的な実施形態は、単に本発明を例示し説明するためのものであり、本願を限定することを意図するものではないことを理解されるべきである。本発明において、「上」と「下」等の方位用語は、逆の記載がない限り、通常、実際の使用状態や動作状態における上下を意味し、具体的には図面の図面方向である。一方、「内側」と「外側」は、装置の輪郭を指す。
【0019】
具体的には、
図1A~
図1Eは本発明の実施例に係る画素駆動回路の構造を示す模式図である。本発明は画素駆動回路を提供し、この画素駆動回路は、発光素子Piと、駆動モジュール100と、パルス振幅変調モジュール200と、パルス幅変調モジュール300とを含む。
【0020】
前記発光素子Piは、第1ノードN1と第1電圧端子VDDと、それぞれ電気的に接続される。好ましくは、前記発光素子Piのアノードは前記第1電圧端子VDDと電気的に接続され、前記発光素子Piのカソードは前記第1ノードN1と電気的に接続される。
【0021】
好ましくは、前記発光素子Piは、有機発光ダイオード、サブミリメートル発光ダイオード、及びマイクロ発光ダイオードのうち少なくとも一方を含む。
【0022】
前記駆動モジュール100は、前記第1ノードN1と、第2ノードN2と、第2電圧端子VSSと、電気的に接続され、前記駆動モジュール100は、前記発光素子Piを発光駆動するために駆動電流を生成するように構成される。
【0023】
好ましくは、
図1B~
図1Eを引き続き参照すると、前記駆動モジュール100は駆動トランジスタTdrを含み、前記駆動トランジスタTdrの制御端子は前記第2ノードN2と電気的に接続され、前記駆動トランジスタTdrの入力端子は前記発光素子Piと電気的に接続され、前記駆動トランジスタTdrの出力端子は前記第2電圧端子VSSと電気的に接続される。
【0024】
前記パルス振幅変調モジュール200は前記駆動トランジスタTdrと電気的に接続され、前記パルス振幅変調モジュール200は、パルス振幅制御信号PACに基づいて、パルス振幅変調電圧VPAMを前記駆動トランジスタTdrに伝送することによって、前記駆動トランジスタTdrにパルス振幅変調電圧VPAMに基づいて前記駆動電流の振幅値を制御させるように構成される。
【0025】
好ましくは、前記パルス振幅変調モジュール200は、第1補償ユニットと第1データユニットとを含む。前記第1補償ユニットは前記駆動モジュール100と電気的に接続され、前記第1補償ユニットは、前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧を検出し補償するように構成される。前記第1データユニットは、前記第1補償ユニットが前記駆動モジュール100と電気的に接続されることによって、前記パルス振幅制御信号PACに基づいて前記パルス振幅変調電圧VPAMを前記駆動モジュール100に伝送する。
【0026】
好ましくは、
図1A~
図1Eを引き続き参照し、前記第1補償ユニットは、第1補償トランジスタTc1と、第1リセットトランジスタTi1と、第1コンデンサC1と、第2コンデンサC2とを含む。
【0027】
前記第1補償トランジスタTc1の制御端子は補償制御線CoLと電気的に接続され、前記第1補償トランジスタTc1の入力端子は前記第1ノードN1と電気的に接続され、前記第1補償トランジスタTc1の出力端子は前記第2ノードN2と電気的に接続される。前記第1補償トランジスタTc1は、前記補償制御線CoLが伝送する補償制御信号Compによって前記駆動トランジスタTdrをダイオード式になるように接続させる。
【0028】
引き続き
図1Bを参照すると、前記第1リセットトランジスタTi1の制御端子は第1リセット制御線VILと電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタTi1の入力端子は前記第2電圧端子VSSと電気的に接続され、前記第1リセットトランジスタTi1の出力端子は第3ノードN3と電気的に接続される。前記第1リセットトランジスタTi1は、前記第1リセット制御線VILが伝送する第1リセット制御信号VI1に基づいて、前記第2電圧端子VSSが出力する第2電圧信号Vssを前記第3ノードN3に伝送することによって、前記第3ノードN3の電位をリセットするように構成される。
【0029】
好ましくは、前記第1ノードN1をリセットするリセット期間、及び前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧を検出し補償する検出補償期間において、前記第1リセット制御信号VI1は前記第1リセットトランジスタTi1をオン状態に維持するように制御可能し、それにより、直前のフレームにおける書き込まれた前記第2ノードN2の電位情報を消去しながら、第2ノードN2の電位を安定化させ、前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧が前記第2ノードN2に書き込まれないようにし、前記駆動トランジスタTdrが前記発光素子Piを発光駆動させる発光期間内において、前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧を完全に補償させることができる。
【0030】
好ましくは、画素駆動回路が応用する信号数を減らし、画素駆動回路が用いる信号線数を低減し、レイアウトスペースを減らすために、前記第1リセットトランジスタTi1の制御端子は、前記第1リセット制御線VILによって前記第1補償トランジスタTc1の制御端子と電気的に接続され、それにより、前記第1リセットトランジスタTi1と前記第1補償トランジスタTc1は、
図1Cに示すように、同じ制御信号に基づいてオン又はオフされる(即ち、前記第1リセットトランジスタTi1と前記第1補償トランジスタTc1は、いずれも補償制御信号Compに基づいてオン又はオフされる)ことが実現する。
【0031】
前記第1コンデンサC1は、前記第2ノードN2と前記第2電圧端子VSSとの間に直列に接続され、前記第2コンデンサC2は、前記第2ノードN2と前記第3ノードN3との間に直列に接続される。前記第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2は、前記第1リセットトランジスタTi1及び第1補償トランジスタTc1がオンされると、前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧を蓄積するように構成され、それにより、前記発光期間において、前記第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2が蓄積する前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧を用いて、前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧に対する補償を実現し、前記駆動トランジスタTdrが生成する前記駆動電流が、前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧に依存せず、前記発光素子Piの輝度均一性を向上させる。
【0032】
好ましくは、
図1A~
図1Eを引き続き参照すると、前記パルス振幅変調モジュール200は、第2リセットトランジスタTi2をさらに含み、前記第2リセットトランジスタTi2の制御端子は第2リセット制御線RESLと電気的に接続され、前記第2リセットトランジスタTi2の入力端子はデータ線DLと電気的に接続され、前記第2リセットトランジスタTi2の出力端子は第2ノードN2と電気的に接続される。前記第2リセットトランジスタTi2は、前記第2リセット制御線RESLが伝送する第2リセット制御信号Resに基づいて第1リセット電圧Data_0を前記第2ノードN2に伝送することによって、前記第2ノードN2の電位をリセットし、これにより、第2ノードN2に残っている直前のフレームの電位情報を消去するように構成される。ここで、前記第1リセット電圧Data_0は、前記データ線DLによって伝送されることができる。
【0033】
好ましくは、画素駆動回路が応用する信号数を減らし、画素駆動回路が用いる信号線数を低減し、レイアウトスペースを減らすために、前記第1リセットトランジスタTi1の制御端子は、さらに前記第1リセット制御線VILによって前記第2リセットトランジスタTi2の制御端子と電気的に接続され、それにより、前記第1リセットトランジスタTi1と前記第2リセットトランジスタTi2は、
図1Dに示すように、同じ制御信号に基づいてオン又はオフさせる(即ち、前記第1リセットトランジスタTi1と前記第2リセットトランジスタTi2は、いずれも第2リセット制御信号Resに基づいてオン又はオフされる)ことが実現する。
【0034】
引き続き
図1A~
図1Eを参照すると、前記第1データユニットは第1データトランジスタTd1を含む。前記第1データトランジスタTd1の制御端子はパルス振幅制御線PACLと電気的に接続され、前記第1データトランジスタTd1の入力端子はデータ線DLと電気的に接続され、前記第1データトランジスタTd1の出力端子は前記第3ノードN3と電気的に接続される。前記第1データトランジスタTd1は、前記パルス振幅制御線PACLが伝送するパルス振幅制御信号PACに基づいて、前記データ線DLが伝送するパルス振幅変調電圧VPAMを、前記第3ノードN3に伝送して第2コンデンサC2によって前記第2ノードN2の電位にカップリングされ、これにより、前記駆動トランジスタTdrのオン状態及びオンレベルを制御するように構成される。
【0035】
引き続き
図1A~
図1Eを参照すると、前記パルス幅変調モジュール300は、前記第2ノードN2と、前記第2電圧端子VSSと、前記パルス振幅変調モジュール200と、電気的に接続され、前記パルス幅変調モジュール300は、走査電圧Sweepに基づいて前記駆動トランジスタTdrが駆動電流を出力する時間を制御するように構成される。
【0036】
好ましくは、前記パルス幅変調モジュール300は、電気的に接続された第1スイッチングユニット、第2スイッチングユニット、第2補償ユニット、第2データユニット及び走査ユニットを含む。前記第1スイッチングユニットは発光制御信号EMに基づいて前記第2スイッチングユニットが前記第2ノードN2と電気的接続されることを実現する。前記第2スイッチングユニットは、前記第2電圧信号Vssを前記第1スイッチングユニットに伝送するように構成され、前記第2補償ユニットは、前記第2スイッチングユニットが含む第2スイッチングトランジスタTs2の閾値電圧を検出し補償するように構成され、前記第2データユニットは、前記第2補償ユニットが前記第2スイッチングユニットと電気的に接続されることによって、パルス幅制御信号PWCに基づいてパルス幅変調電圧VPWMを前記第2スイッチングユニットに伝送する。
【0037】
好ましくは、
図1A~
図1Eを引き続き参照すると、前記第1スイッチングユニットは、第1スイッチングトランジスタTs1を含み、前記第1スイッチングトランジスタTs1の制御端子は発光制御線EMLと電気的に接続され、前記第1スイッチングトランジスタTs1の出力端子は前記第2ノードN2と電気的に接続される。
【0038】
好ましくは、
図1A~
図1Eを引き続き参照すると、前記第2スイッチングユニットは第2スイッチングトランジスタTs2を含み、前記第2スイッチングトランジスタTs2の入力端子は前記第2電圧端子VSSと電気的に接続され、前記第2スイッチングトランジスタTs2の出力端子は前記第1スイッチングトランジスタTs1の入力端子と電気的に接続され、前記第2スイッチングトランジスタTs2は、前記第2電圧信号Vssを前記第1スイッチングトランジスタTs1の入力端子に伝送するように構成される。
【0039】
好ましくは、
図1A~
図1Eを引き続き参照すると、前記第2補償ユニットは、第2補償トランジスタTc2と、第3リセットトランジスタTi3と、第3コンデンサC3と、第4コンデンサC4とを含む。
【0040】
前記第2補償トランジスタTc2の制御端子は前記補償制御線CoLと電気的に接続され、前記第2補償トランジスタTc2の入力端子及び出力端子は、前記第2スイッチングトランジスタTs2の出力端子及び制御端子と、それぞれ電気的に接続される。前記第2補償トランジスタTc2は、前記補償制御線CoLが伝送する補償制御信号Compに基づいて前記第2スイッチングトランジスタTs2をダイオード式になるように接続させるように構成される。
【0041】
前記第3リセットトランジスタTi3の制御端子は前記第2補償トランジスタTc2の制御端子と電気的に接続され、前記第3リセットトランジスタTi3の入力端子は前記第2電圧端子VSSと電気的に接続され、前記第3リセットトランジスタTi3の出力端子は第4ノードN4と電気的に接続される。前記第3リセットトランジスタTi3は、前記補償制御信号Compに基づいて前記第2電圧信号Vssを前記第4ノードN4に伝送することによって、前記第4ノードN4の電位をリセットするように構成される。
【0042】
前記第3コンデンサC3は、前記第4ノードN4と前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子との間に直列に接続され、前記第4コンデンサC4は、前記走査電圧Sweepの走査制御線SWLと前記第4ノードN4との間に直列に接続される。
【0043】
好ましくは、
図1A~
図1Eを引き続き参照すると、前記第2データユニットは第2データトランジスタTd2を含み、前記第2データトランジスタTd2の制御端子はパルス幅制御線PWCLと電気的に接続され、前記第2データトランジスタTd2の入力端子は前記データ線DLと電気的に接続され、前記第2データトランジスタTd2の出力端子は前記第4ノードN4と電気的に接続される。前記第2データトランジスタTd2は、前記パルス幅制御線PWCLが伝送するパルス幅制御信号PWCに基づいて、前記データ線DLが伝送するパルス幅変調電圧VPWMを前記第4ノードN4に伝送して前記第3コンデンサC3によって前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子の電位にカップリングされ、これにより、前記第2スイッチングトランジスタTs2のオン状態及びオンレベルを制御するように構成される。
【0044】
好ましくは、
図1A~
図1Eを引き続き参照すると、前記パルス幅変調モジュール300は第4リセットトランジスタTi4をさらに含み、前記第4リセットトランジスタTi4の制御端子は前記第2リセット制御線RESLと電気的に接続され、前記第4リセットトランジスタTi4の入力端子は前記データ線DLと電気的に接続され、前記第4リセットトランジスタTi4の出力端子は前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子と電気的に接続される。前記第4リセットトランジスタTi4は、前記第2リセット制御信号Resに基づいて、第1リセット電圧Data_0を前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子に伝送することによって、前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子の電位をリセットするように構成される。
【0045】
引き続き
図1B~
図1Dを参照すると、前記画素駆動回路は第3スイッチングトランジスタTs3をさらに含み、前記第3スイッチングトランジスタTs3の制御端子は発光制御線EMLと電気的に接続され、前記第3スイッチングトランジスタTs3の入力端子及び出力端子は、前記第1電圧端子VDD及び前記発光素子Piと、それぞれ電気的に接続される。前記第3スイッチングトランジスタTs3は、前記発光制御信号EMに基づいて、第1電圧端子VDDを制御して前記発光素子Piと電気的に接続させることを実現するように構成される。
【0046】
好ましくは、
図1Eを引き続き参照すると、前記第1電圧端子VDDは前記発光素子Piのアノードと直接に電気的に接続される。前記発光素子Piの誤発光を防止するために、前記第1電圧端子VDDが伝送する第1電圧信号Vddは、前記第1スイッチングトランジスタTs1がオンされる期間(即ち、発光期間)に第1電圧値を有し、前記第1電圧信号Vddは、前記第1スイッチングトランジスタTs1がオフされる期間(即ち、非発光期間)に第2電圧値を有する。ここで、前記第1電圧値は、前記第2電圧値よりも大きい。
【0047】
理解できるように、前記第1電圧端子VDDが前記発光素子Piのアノードと直接に電気的に接続される場合、前記第1リセットトランジスタTi1の制御端子は、第1リセット制御線VILと電気的に接続されてもよく、前記第1リセットトランジスタTi1の制御端子は、前記第1補償トランジスタTc1の制御端子と電気的に接続されてもよく、前記第1リセットトランジスタTi1の制御端子は、前記第2リセットトランジスタTi2の制御端子と電気的に接続されてもよい。
【0048】
本発明は、上記いずれか一つの画素駆動回路を駆動するために用いられる画素駆動回路の駆動方法を提供する。この画素駆動回路の駆動方法は、前記パルス振幅変調モジュール200がパルス振幅変調電圧VPAMを駆動モジュール100に伝送することによって、前記駆動モジュール100に前記パルス振幅変調電圧VPAMに基づいて前記駆動電流の振幅値を制御させることと、前記パルス幅変調モジュール300が走査電圧Sweepを受けることによって、駆動トランジスタTdrが前記駆動電流の出力を停止するタイミングを制御し、前記駆動トランジスタTdrが前記駆動電流を出力する時間を制御することと、を含む。
【0049】
図2A~
図2Cは、発明の実施例に係るタイミングを示す模式図である。ここで、
図2Aは
図1Bに示す画素駆動回路に対応するタイミングチャートであり、
図2Bは
図1C~
図1Dに示す画素駆動回路に対応するタイミングチャートであり、
図2Cは
図1Eに示す画素駆動回路に対応するタイミングチャートである。
【0050】
前記画素駆動回路に含む各トランジスタをN型とし、
図1A~
図1Eに示す画素駆動回路について、
図2A~
図2Cに示すタイミングチャートと合わせて動作原理を説明する。ここで、前記画素駆動回路を駆動する動作周期は、リセット期間t1と、検出補償期間t2と、データ書き込み期間と、発光期間t4とを含む。
【0051】
リセット期間t1では、第2リセット制御信号Resはハイレベルであり、発光制御信号EM、パルス幅制御信号PWC、パルス振幅制御信号PAC、及び補償制御信号Compはローレベルである。第2リセットトランジスタTi2及び第4リセットトランジスタTi4がオンされる場合、データ線DLは、第1リセット電圧Data_0を前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子(即ち、第5ノードN5)及び前記駆動トランジスタTdrの制御端子(即ち、前記第2ノードN2)に伝送して、前記第5ノードN5の電位及び前記第2ノードN2の電位は、第1リセット電圧Data_0になり、それにより、前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子及び前記駆動トランジスタTdrの制御端子の電位のリセットを実現する。第1リセット電圧Data_0がハイレベルであるため、前記第2スイッチングトランジスタTs2及び前記駆動トランジスタTdrはオンされる。
【0052】
ここで、
図1Bに示す画素駆動回路において、第1リセット制御信号VI1はハイレベルである。
図1Dに示す画素駆動回路において、第1リセット制御信号VI1(即ち、第2リセット制御信号Res)はハイレベルである。
図1B及び
図1Dに示す画素駆動回路では、第1リセットトランジスタTi1は第1リセット制御信号VI1に基づいてオンされ、第2電圧信号Vssは第3ノードN3に伝送されて第3ノードN3をリセットし、直前のフレームに残った前記第3ノードN3の電位情報を消去する。
図1Cに示す画素駆動回路では、第1リセット制御信号VI1(即ち、補償制御信号Comp)はローレベルであり、第1リセットトランジスタTi1はオフされる。
【0053】
検出補償期間t2では、補償制御信号Compはハイレベルであり、第2リセット制御信号Res、発光制御信号EM、パルス幅制御信号PWC、及びパルス振幅制御信号PACはローレベルであり、第1補償トランジスタTc1、第2補償トランジスタTc2、及び第3リセットトランジスタTi3は、補償制御信号Compに基づいてオンされる。駆動トランジスタTdr及び第2スイッチングトランジスタTs2は、前記リセット期間t1において既にオンされたので、第2ノードN2の電位は第2電圧信号Vssによって降下し、第2ノードN2の電圧が、前記第2電圧信号Vssと前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧との和に等しくなるまで(即ち、VN2=Vss+Vth_Tdr、ここで、Vth_Tdrは駆動トランジスタTdrの閾値電圧を表す)の時、前記駆動トランジスタTdrはオフされる。前記第3リセットトランジスタTi3がオンされることにより、前記第4ノードN4は前記第2電圧信号Vssによってリセットし、前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子の電位は第2電圧信号Vssによって降下し、前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子の電圧が、前記第2電圧信号Vssと前記第2スイッチングトランジスタTs2の閾値電圧との和に等しくなるまで(即ち、VN5=Vss+Vth_Ts2、ここで、Vth_Ts2は、第2スイッチングトランジスタTs2の閾値電圧を表す)の時、前記第2スイッチングトランジスタTs2はオフされる。
【0054】
ここで、
図1Bに示す画素駆動回路では、第1リセット制御信号VI1はハイレベルであり、前記第1リセットトランジスタTi1はオンのままであり、それにより、常に前記第2電圧信号Vssによって前記第3ノードN3をリセットし、前記第2ノードN2が直前のフレームに残した電位情報を消去するとともに、前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧が前記第2ノードN2に書き込まれることを回避し、前記駆動トランジスタTdrが発光期間t4において完全に補償されることができることを確保する。
図1Cに示す画素駆動回路では、第1リセット制御信号VI1(即ち補償制御信号Comp)はハイレベルであり、第1リセットトランジスタTi1はオンされ、第2電圧信号Vssによって第3ノードN3をリセットすることによって、直前のフレームにおいて前記第3ノードN3に残った電位情報を消去する。
図1Dに示す画素駆動回路では、第1リセット制御信号VI1(即ち第2リセット制御信号Res)はローレベルであり、第1リセットトランジスタTi1はオフされることによって、前記第3ノードN3をフローティング状態にさせる。一方、前記第2ノードN2の電圧がリセット期間t1のData_0から検出補償期間t2のVth_Tdr-Data_0+Vssに変化する時、前記第3ノードN3と前記第2ノードN2との電圧差は一定である必要があるため、前記第3ノードN3の電圧は、前記第2ノードN2の電圧変化の影響を受けて、VssからVth_Tdr-Data_0+2Vssに変化する。
【0055】
前記データ書き込み期間は、パルス幅変調電圧書き込み期間t31と、パルス振幅変調電圧書き込み期間t32とを含む。
【0056】
前記パルス幅変調電圧書き込み期間t31では、パルス幅制御信号PWCはハイレベルであり、第2リセット制御信号Res、発光制御信号EM、パルス振幅制御信号PAC、及び補償制御信号Compはローレベルである。前記第2データトランジスタTd2は、前記パルス幅制御信号PWCに基づいてオンされ、パルス幅変調電圧VPWMは、前記データ線DLによって前記第4ノードN4に伝送される。前記走査制御線SWLが伝送する走査電圧SweepはSWEEP_0であるため、第4コンデンサC4の両端の電圧差はVPWM-SWEEP_0である。その後、前記パルス幅制御信号PWCはローレベルに転じ、前記第2データトランジスタTd2はオフされ、前記第4コンデンサC4の両端の電圧差はVPWM-SWEEP_0に維持する。次に、前記走査電圧はSWEEP_0から0Vに降下し、それにより、前記第4ノードN4の電圧は前記第4コンデンサC4によってカップリングされてVPWMからVPWM-SWEEP_0に変化し、前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子と前記走査制御線SWLとの間の電位差を、Vth_Ts2+Vss+VPWM-SWEEP_0にさせる。ここで、前記第2スイッチングトランジスタTs2をオンにさせないために、Vth_Ts2+Vss+VPWM-SWEEP_0は、前記第2スイッチングトランジスタTs2の閾値電圧より小さい必要がある。
【0057】
前記パルス振幅変調の電圧書き込み期間t32では、パルス振幅制御信号PACはハイレベルであり、第2リセット制御信号Res、発光制御信号EM、パルス幅制御信号PWC、及び補償制御信号Compはローレベルである。前記第1データトランジスタTd1は、前記パルス振幅制御信号PACに基づいてオンされ、前記パルス振幅変調電圧VPAMは、前記データ線DLによって前記第3ノードN3に伝送され、それにより、前記前記第3ノードN3の電圧をC4*VPAM/(C1+C4)にさせ、前記第2ノードN2の電位は、前記第2コンデンサC2によってカップリングされてVth_Tdr+C4*VPAM/(C1+C4)になる。
【0058】
ここで、
図1Bに示す画素駆動回路では、第1リセット制御信号VI1は、前記データ書込期間においてローレベルであり、前記第1リセットトランジスタTi1はオフされる。
図1Cに示す画素駆動回路では、第1リセット制御信号VI1(即ち補償制御信号Comp)はローレベルであり、第1リセットトランジスタTi1はオフされる。
図1Dに示す画素駆動回路では、第1リセット制御信号VI1(即ち第2リセット制御信号Res)はローレベルであり、第1リセットトランジスタTi1はオフされ、前記第3ノードN3の電圧はパルス振幅変調の電圧書き込み期間t32においてVPAMであり、前記第3ノードN3の電圧は前記データ書き込み期間では、リセット期間t1に対して有する電圧変化値がVPAM-Vth_Tdr+Data_0-2Vssであり、前記第2ノードN2の変化値は、Vth_Tdr+Vss+C4*第3ノードの電圧変化値/(C1+C4)である。
【0059】
図1Eに示す画素駆動回路では、発光素子Piの誤発光を回避するために、前記第1電圧端子VDDが伝送する第1電圧が前記リセット期間t1、前記検出補償期間t2、及び前記データ書き込み期間に、いずれも第2電圧値を有する。
【0060】
発光期間t4では、発光制御信号EMはハイレベルであり、第2リセット制御信号Res、パルス幅制御信号PWC、補償制御信号Comp、及びパルス振幅制御信号PACはローレベルであり、前記第1スイッチングトランジスタTs1はオンされる。
図1B~
図1Dに示す画素駆動回路では、前記第3スイッチングトランジスタTs3はオンされ、前記駆動トランジスタTdrは、発光素子Piを発光駆動するために駆動電流を生成する。
図1Eに示す画素駆動回路では、前記第1電圧端子VDDが伝送する第1電圧信号Vddは第1電圧値を有し、それにより、前記駆動トランジスタTdrは発光素子Piを発光駆動するために駆動電流を生成する。
【0061】
ここで、発光期間t4では、前記駆動トランジスタTdrは飽和領域で動作する。
図1Bに示す画素駆動回路では、前記駆動トランジスタTdrを伝送する駆動電流I=[μCox(W/L)(Vg-Vs-Vth)^2]/2=[μCox(W/L)(C4*VPAM/(C1+C4)-Vss)^2]/2。従って、前記駆動電流は、前記駆動トランジスタTdrの閾値電圧及び前記第2スイッチングトランジスタTs2の閾値電圧に依存しない。対応的に、
図1C~
図1Eに示す画素駆動回路に対応する駆動電流も、駆動トランジスタTdrの閾値電圧に依存しないことがわかる。
【0062】
前記走査電圧Sweepは、前記発光期間t4において徐々に増加することができ、それにより、前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子の電位は、前記第2スイッチングトランジスタTs2の制御端子の電位が前記第2スイッチングトランジスタTs2をオンにさせるまで、引き続いて上げられる。前記第2電圧端子VSSが伝送する前記第2電圧信号Vssは、前記第2スイッチングトランジスタTs2、前記第1スイッチングトランジスタTs1によって前記第2ノードN2に伝送され、それにより、前記駆動トランジスタTdrをオフさせ、前記発光素子Piの発光停止を制御する。
【0063】
本発明の実施例が提供する画素駆動回路及びその駆動方法は、パルス振幅変調とパルス振幅変調とを組み合わせることにより、駆動電流が閾値電圧の影響を受けないようにすることができ、表示画面の均一性を改善するとともに、フィードフォワード回路を除去し、比較的低い消費電力の維持に有利であり、プロセス差異及び長時間駆動の敏感度による表示効果に与える影響を低減することができる。
【0064】
図3は本発明の実施例に係る表示パネルの構造を示す模式図であり、本発明は表示パネルをさらに提供し、この表示パネルは上記いずれか一つの画素駆動回路を含む。
【0065】
好ましくは、前記表示パネルは、液晶表示パネル等のパッシブ型発光表示パネルを含み、前記画素駆動回路が含む前記発光素子Piは、バックライトに用いられることができる。
【0066】
好ましくは、前記表示パネルは、自己発光型表示パネルを含み、前記画素駆動回路が含む前記発光素子Piは、サブ画素に用いられることができる。
【0067】
本明細書では、具体的な例示を用いて本発明の原理及び実施形態に対し説明するが、上記の実施例に対する説明は、本発明の方法及びその核心思想の理解を助けるためにのみ意図される。また、当業者にとって、本発明の思想に応じて、具体的な実施形態及び適用範囲において変更可能であり、以上をまとめると、本明細書の内容は、本発明を限定することを意図するものではないことを理解されるべきである。
【符号の説明】
【0068】
100 :駆動モジュール
200 :パルス振幅変調モジュール
300 :パルス幅変調モジュール
C1 :第1コンデンサ
C2 :第2コンデンサ
C3 :第3コンデンサ
C4 :第4コンデンサ
N1 :第1ノード
N2 :第2ノード
N3 :第3ノード
N4 :第4ノード
N5 :第5ノード
Pi :発光素子
Tc1 :第1補償トランジスタ
Tc2 :第2補償トランジスタ
Td1 :第1データトランジスタ
Td2 :第2データトランジスタ
Tdr :駆動トランジスタ
Ti1 :第1リセットトランジスタ
Ti2 :第2リセットトランジスタ
Ti3 :第3リセットトランジスタ
Ti4 :第4リセットトランジスタ
Ts1 :第1スイッチングトランジスタ
Ts2 :第2スイッチングトランジスタ
Ts3 :第3スイッチングトランジスタ
【要約】 (修正有)
【解決手段】本発明は、画素駆動回路及びその駆動方法、表示パネルを提供し、画素駆動回路は、電気的に接続された発光素子、駆動トランジスタ、パルス振幅変調モジュール、及びパルス幅変調モジュールを含む。駆動トランジスタは、発光素子を発光駆動するために駆動電流を生成し、パルス振幅変調モジュールは、駆動電流の振幅値を制御するために駆動トランジスタに振幅変調電圧を出力するように構成される。パルス幅変調モジュールは、走査電圧に基づいて駆動トランジスタが駆動電流を出力する時間を制御するように構成される。
【効果】パルス振幅変調モジュールとパルス幅変調モジュールとを組み合わせることにより、表示画面の均一性に対する補償を実現し、フィードフォワード回路を配置する必要がなく、消費電力の低減に有利である。表示パネルは、画素駆動回路を含む。
【選択図】
図1B