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特許7607764水平視差マルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】水平視差マルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241220BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241220BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20241220BHJP
   H04N 13/302 20180101ALI20241220BHJP
【FI】
F21S2/00 482
G09F9/00 336G
G09F9/00 361
G02F1/13357
H04N13/302
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023527445
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 US2021056899
(87)【国際公開番号】W WO2022098549
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】63/111,209
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デイビッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】ホークマン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マ,ミン
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-521184(JP,A)
【文献】国際公開第2020/167374(WO,A1)
【文献】特開2010-044181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G09F 9/00
G02F 1/13357
H04N 13/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
離間した列として配列されたアクティブエミッタの第1のアレイであって、前記アクティブエミッタの第1のアレイの各列が、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する第1の複数の指向性光ビームを提供するように構成されている、第1のアレイと、
前記アクティブエミッタの第1のアレイの前記列間に交互に配置された、離間した列として配列されたアクティブエミッタの第2のアレイであって、前記アクティブエミッタの第2のアレイの各列が、前記マルチビューディスプレイの前記ビュー方向に対応する方向を有する第2の複数の指向性光ビームを提供するように構成されている、第2のアレイと、を備えているマルチビューバックライトであって、
前記マルチビューディスプレイの前記ビュー方向が、第1および第2のアクティブエミッタアレイの前記列と交差する平面内にあ
前記第1および第2のアクティブエミッタアレイの前記列が傾斜しており、前記第1および第2のアクティブエミッタアレイの前記列の幅が、前記マルチビューディスプレイのライトバルブのサイズの1/4倍以上2倍未満である、
マルチビューバックライト。
【請求項2】
前記第1のアクティブエミッタアレイおよび前記第2のアクティブエミッタアレイの一方または両方の隣接する列間の距離が、前記マルチビューディスプレイのマルチビューピクセル間の距離に対応する、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項3】
前記第2のアクティブエミッタアレイの列が、前記第1のアクティブエミッタアレイの隣接する列の間のほぼ中間に配置されている、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項4】
前記第1のアクティブエミッタアレイおよび前記第2のアクティブエミッタアレイの一方または両方のアクティブエミッタが、マイクロ発光ダイオード(μLED)を備える、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項5】
前記第1のアクティブエミッタアレイの前記列が、第1の時間間隔の間に前記第1の複数の指向性光ビームを提供するように構成されており、前記第2のアクティブエミッタアレイの前記列が、第2の時間間隔の間に前記第2の複数の指向性光ビームを提供するように構成されており、前記第1と第2の時間間隔が交互に連続した時間間隔である、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項6】
前記第1のアクティブエミッタアレイの前記列が、前記マルチビューバックライトの第1のモード中に前記第1の複数の指向性光ビームを提供するように構成されており、前記マルチビューバックライトの第2のモード中に、前記第1のアクティブエミッタアレイの前記列も前記第1の複数の指向性光ビームを提供するように構成されており、前記第2のアクティブエミッタアレイの前記列も前記第2の複数の指向性光ビームを提供するように構成されている、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項7】
光学的に透明であるように構成された平面基板と、前記平面基板の表面にわたって離間されている前記第1および第2のアクティブエミッタアレイの列と、をさらに備えている、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項8】
前記平面基板に隣接する広角バックライトであって、前記広角バックライトが、広角放射光を提供するように構成されており、前記第1および第2のアクティブエミッタアレイの前記列と前記平面基板との組合せが、前記広角放射光に対して透明であるように構成されている、請求項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項9】
ディスプレイが、前記第1の複数の指向性光ビームおよび前記第2の複数の指向性光ビームの一方または両方の指向性光ビームを変調してマルチビュー画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイと、ライトバルブの前記アレイのライトバルブのセットに対応するマルチビューピクセルとをさらに備えており、前記ディスプレイが、前記マルチビューディスプレイである、請求項1に記載のマルチビューバックライトを備えているディスプレイ。
【請求項10】
マルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有する指向性光ビームを提供するように構成された第1の複数のアクティブエミッタ列と、
基板の表面上で前記第1の複数のアクティブエミッタ列のアクティブエミッタ列と交互に配置され、前記マルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有する指向性光ビームを提供するように構成された第2の複数のアクティブエミッタ列と、
前記マルチビュー画像を表示するために、前記複数の第1および第2のアクティブエミッタ列の一方または両方によって提供される前記指向性光ビームを変調するように構成されたライトバルブのアレイと、を備えているマルチビューディスプレイであって、
前記マルチビュー画像の解像度が、前記マルチビューディスプレイの動作モードに応じて動的に選択可能であるように構成されており
前記第1および第2の複数のアクティブエミッタ列の前記アクティブエミッタ列の幅の一方または両方が、ライトバルブの前記アレイのライトバルブのサイズの1/4倍以上2倍未満である、
マルチビューディスプレイ。
【請求項11】
前記第1および第2の複数のアクティブエミッタ列のアクティブエミッタが、マイクロ発光ダイオードおよび有機発光ダイオードの一方または両方を備える、請求項10に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項12】
前記マルチビュー画像の前記解像度が、第1の動作モードでは第1の値を有し、第2の動作モードでは第2の値を有し、前記第1の動作モードが、前記指向性光ビームを提供するように前記アクティブエミッタの前記第1の列がアクティブ化されることと、前記アクティブエミッタの前記第2の列が非アクティブ化されることとを含む、請求項10に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項13】
前記第2の動作モードが、前記指向性光ビームを同時に提供するように、前記アクティブエミッタの前記第1の列と前記アクティブエミッタの前記第2の列の両方がアクティブ化されることを含む、請求項12に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項14】
前記第2の動作モードが、前記第1の複数列のアクティブエミッタが第1の時間間隔の間に前記指向性光ビームを提供するようにアクティブ化されることと、前記第2の複数列のアクティブエミッタが第2の時間間隔の間に前記指向性光ビームを提供するようにアクティブ化されることとを含み、前記第1と第2の時間間隔が交互に連続した時間間隔である、請求項12に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項15】
広角放射光を提供するように構成された広角バックライトをさらに備えており、前記広角バックライトが、前記第1および第2の複数列のアクティブエミッタが交互に配置された表面の反対側の基板の他方の表面に隣接しており、前記第1および第2の複数列のアクティブエミッタと前記基板との組合せが、前記広角放射光に対して透明であるように構成されている、請求項10に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項16】
列として配列されたアクティブエミッタの第1のアレイを使用して、第1の複数の指向性光ビームを発するステップであって、前記第1の複数の指向性光ビームの指向性光ビームがマルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有する、ステップと、
前記第1のアクティブエミッタアレイの前記列と交互に配置された、列として配列されたアクティブエミッタの第2のアレイを使用して、第2の複数の指向性光ビームを発するステップであって、前記第2の複数の指向性光ビームの指向性光ビームが前記マルチビュー画像の前記ビュー方向に対応する方向を有する、ステップと、を含むマルチビューバックライト動作の方法であって、
前記ビュー方向が、第1および第2のアクティブエミッタアレイの前記列と交差する平面内にあ
前記第1および第2のアクティブエミッタアレイの前記列が傾斜しており、前記第1および第2のアクティブエミッタアレイの前記列の幅が、前記マルチビューバックライトを使用して前記マルチビュー画像を表示するマルチビューディスプレイのライトバルブのサイズの1/4倍以上2倍未満である、
方法。
【請求項17】
前記マルチビューバックライトを使用して前記マルチビュー画像を表示するマルチビューディスプレイのライトバルブのアレイを使用して、前記第1の複数の指向性光ビームおよび前記第2の複数の光ビームの一方または両方を変調するステップをさらに含む、請求項16に記載のマルチビューバックライト動作の方法。
【請求項18】
前記第1の複数の指向性光ビームを発するステップが、第1の時間間隔の間に実行され、前記第2の複数の指向性光ビームを発するステップが、第2の時間間隔の間に実行され、前記第1と前記第2の時間間隔が、時系列的に交互する、請求項16に記載のマルチビューバックライト動作の方法。
【請求項19】
前記第1の複数の指向性光ビームを発するステップが、第1の動作モード中に実行され、前記第1の複数の指向性光ビームを発するステップと、前記第2の複数の光ビームを発するステップの両方が、第2の動作モード中に実行される、請求項16に記載のマルチビューバックライト動作の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月9日に出願された米国仮特許出願第63/111,209号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記載
該当なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、多種多様なデバイスおよび製品のユーザに情報を伝達するためのほぼユビキタスな媒体である。最も一般的に採用されている電子ディスプレイには、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセントディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)およびアクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)、ならびに電気機械的または電気流体的光変調(例えば、デジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイなど)を採用する様々なディスプレイが含まれる。通常、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(すなわち、光を発するディスプレイ)またはパッシブディスプレイ(すなわち、別の光源によって提供される光を変調するディスプレイ)のいずれかに分類され得る。アクティブディスプレイの最も明白な例は、CRT、PDPおよびOLED/AMOLEDである。放射光を考慮するときに典型的にパッシブとして分類されるディスプレイは、LCDおよびEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、本質的に低い消費電力を含むがこれに限定されない魅力的な性能特性を示すことが多いが、発光能力がないことを考慮すると、多くの実用的な用途では幾分限られた用途しか見出すことができない。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載の原理による例および実施形態の様々な特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解することができ、同様の参照番号は同様の構造要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの斜視図を示す。
【0006】
図1B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する特定の主角度方向を有する光ビームの角度成分のグラフ表示を示す。
【0007】
図2A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの断面図を示す。
【0008】
図2B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの平面図を示す。
【0009】
図2C】本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの平面図を示す。
【0010】
図3A】本明細書に記載の原理の実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの断面図を示す。
【0011】
図3B】本明細書に記載の原理の実施形態による、一例における図3Aのマルチビューバックライトの断面図を示す。
【0012】
図4A】本明細書に記載の原理の実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの断面図を示す。
【0013】
図4B】本明細書に記載の原理の実施形態による、一例における図4Aのマルチビューバックライトの断面図を示す。
【0014】
図5】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における広角バックライトを含むマルチビューバックライトの断面図を示す。
【0015】
図6】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのブロック図を示す。
【0016】
図7】本明細書に記載の原理の実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト動作の方法のフローチャートを示す。
【0017】
特定の例および実施形態は、上記参照図に示される特徴に加えて、およびその代わりに、他の特徴を有する。これらおよび他の特徴は、上記参照図を参照して以下に詳述される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に記載の原理による例および実施形態は、動作中に再構成され得るアクティブエミッタのアレイを使用するマルチビューバックライトおよびマルチビューディスプレイを提供する。具体的には、本明細書に記載の原理と一致する実施形態は、離間した列と交差する平面内に複数の異なる主角度方向を有する指向性光ビームを提供するように構成された離間した列として配列されたアクティブエミッタのアレイを採用するマルチビューバックライトを提供する。様々な実施形態によれば、アクティブエミッタの第2のアレイの列は、アクティブエミッタの第1のアレイの列の間に交互に配置される。さらに、様々な実施形態によれば、第1と第2のアクティブエミッタアレイの選択的アクティブ化は、マルチビューバックライトのビュー方向の再構成、ならびにマルチビューディスプレイのいくつかのビューを容易にすることができる。いくつかの実施形態によれば、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタの列の一方または両方は、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルの間隔に対応するように互いに離間されてもよく、列と交差する平面内のマルチビューディスプレイのライトバルブのサイズに匹敵する幅を有し得る。様々な実施形態によれば、第1および第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタによって提供される光ビームの異なる主角度方向は、マルチビューディスプレイの様々な異なるビューの方向、すなわち、マルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像の方向に対応する。動作中の再構成は、列と交差する平面(例えば、水平面)に提供される解像度とビューの数の一方または両方の変更を容易にすることができる。
【0019】
本明細書では、「2次元ディスプレイ」または「2Dディスプレイ」は、画像が見られる方向にかかわらず(すなわち、2Dディスプレイの所定の視野角または範囲内で)実質的に同じ画像のビューを提供するように構成されたディスプレイとして定義される。多くのスマートフォンおよびコンピュータモニタに見られる従来の液晶ディスプレイ(LCD)は、2Dディスプレイの例である。対照的に、本明細書では、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向で、または異なるビュー方向から、マルチビュー画像の異なるビューを提供するように構成された電子ディスプレイまたはディスプレイシステムとして定義される。具体的には、異なるビューは、マルチビュー画像のシーンまたはオブジェクトの異なる斜視ビューを表すことができる。本明細書に記載のマルチビュー画像の表示に適用可能なマルチビューバックライトおよびマルチビューディスプレイの使用には、携帯電話(例えば、スマートフォン)、時計、タブレットコンピュータ、モバイルコンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ)、パーソナルコンピュータおよびコンピュータモニタ、自動車ディスプレイコンソール、カメラディスプレイ、および様々な他のモバイルならびに実質的に非モバイルのディスプレイ用途およびデバイスが含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
図1Aは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ10の斜視図を示す。図1Aに示すように、マルチビューディスプレイ10は、視聴されるマルチビュー画像を表示するように構成されたスクリーン12を備える。スクリーン12は、例えば、電話(例えば、携帯電話、スマートフォンなど)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータのコンピュータモニタ、カメラディスプレイ、または実質的に任意の他のデバイスの電子ディスプレイの表示スクリーンであってもよい。
【0021】
図1Aのマルチビューディスプレイ10は、スクリーン12に対して異なるビュー方向16にマルチビュー画像の異なるビュー14を提供する。ビュー方向16は、スクリーン12から様々な異なる主角度方向に延びる矢印として示されている。異なるビュー14は、矢印(すなわち、ビュー方向16を示す)の終端での影付きの多角形ボックスとして示されている。限定ではなく例として、4つのビュー14および4つのビュー方向16のみが示されている。図1Aでは、異なるビュー14が画面の上方にあるように示されているが、マルチビュー画像がマルチビューディスプレイ10に表示されるとき、ビュー14は実際にはスクリーン12上またはその付近に現れることに留意されたい。スクリーン12の上方にビュー14を描写することは、説明を簡単にするためだけであり、特定のビュー14に対応するビュー方向16のそれぞれからマルチビューディスプレイ10を見ることを表すことを意味する。さらに、図示のマルチビューディスプレイ10は、異なるビュー14が単一の平面、例えば水平面内にあるという点で、いわゆる水平視差のみ(HPO)ディスプレイを表す。2Dディスプレイは、マルチビューディスプレイ10によって提供されるマルチビュー画像の異なるビュー14とは対照的に、2Dディスプレイが通常表示画像の単一のビュー(例えば、ビュー14と同様のビュー)を提供するように構成されることを除いて、マルチビューディスプレイ10と実質的に同様であり得る。
【0022】
ビュー方向、すなわち、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する光ビームは通常、本明細書の定義により、角度成分{θ、φ}によって与えられる主角度方向を有する。角度成分θは、本明細書では光ビームの「仰角成分」または「仰角」と呼ぶ。角度成分φは、光ビームの「方位角成分」または「方位角」と呼ぶ。
【0023】
図1Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向(例えば、図1Aにおけるビュー方向16)に対応する特定の主角度方向を有する光ビーム20の角度成分{θ、φ}のグラフ表示を示す。さらに、光ビーム20は、本明細書の定義により、特定の点から放射または発散する。すなわち、定義により、光ビーム20は、マルチビューディスプレイ内の特定の原点と交わる中心光線を有する。図1Bはまた、光ビーム(またはビュー方向)の原点Oを示している。
【0024】
「マルチビュー画像」および「マルチビューディスプレイ」という用語で使用される「マルチビュー」という用語は、本明細書では、異なる視点を表す複数のビュー、または複数のビューのビュー間の角度視差を含む複数のビューとして定義される。さらに、本明細書では、「マルチビュー」という用語は、本明細書の定義により、2つ以上の異なるビュー(例えば、最少で3つのビュー、通常は3つのビューを超えるビュー)を明示的に含む。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される「マルチビューディスプレイ」は、シーンまたは画像を表すための2つの異なるビューのみを含む立体視ディスプレイと明示的に区別するために使用され得る。しかしながら、マルチビュー画像およびマルチビューディスプレイは3つ以上のビューを含むことができるが、本明細書の定義により、マルチビュー画像は、マルチビューのうちの2つのみを選択して一度に見る(例えば、一方の眼につき1つのビューを見る)ことによって、画像の立体視ペアとして(例えば、マルチビューディスプレイ上で)見ることができることに留意されたい。
【0025】
「マルチビューピクセル」は、本明細書では、マルチビューディスプレイの同様の複数の異なるビューの各々のビューのピクセルを表すビューピクセルのセットとして定義される。具体的には、マルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューの各々の特定のビューピクセルに対応するか、それを表す個々のビューピクセルを有し得る。さらに、マルチビューピクセルのビューピクセルは、本明細書の定義により、ビューピクセルの各々が異なるビューのうちの対応するビューの所定のビュー方向に関連付けられているという点で、いわゆる「指向性ピクセル」である。さらに、様々な例および実施形態によれば、マルチビューピクセルの異なるビューピクセルは、異なるビューの各々において同等または少なくとも実質的に同様の位置または座標を有し得る。例えば、第1のマルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューの各々の{x、y}に位置するピクセルに対応する個々のビューピクセルを有し得、第2のマルチビューピクセルは、異なるビューの各々の{x、y}に位置するピクセルに対応する個々のビューピクセルを有し得、以下同様である。ビューピクセルも同様に、本明細書の定義により、マルチビューディスプレイのライトバルブのアレイのライトバルブと同等である。したがって、「ビューピクセル」と「ライトバルブ」という用語は、適切な理解のために区別が必要でない限り、本明細書では交換可能に使用され得る。
【0026】
本明細書では、「アクティブエミッタ」(例えば、アクティブ化されると光を生成して放射するように構成された光エミッタ)は、アクティブな光源として定義される。したがって、定義上、アクティブエミッタは別の光源から光を受光しない。代わりに、アクティブエミッタは、アクティブ化されると光を直接生成する。アクティブエミッタは、本明細書の定義により、電源例えば電圧または電流を印加することによってアクティブ化され得る。例えば、アクティブエミッタは、アクティブ化またはオンにされると光を発する光エミッタ例えば発光ダイオード(LED)を含み得る。LEDは、例えば、LEDの端子に電圧を印加することによってアクティブ化され得る。具体的には、本明細書では、アクティブエミッタは、実質的に任意のアクティブな光源であってもよく、または発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベースの光エミッタ、ミニLED(mLED)、およびマイクロLED(μLED)のうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない実質的に任意のアクティブな光エミッタを含むことができる。アクティブエミッタによって生成される光は、色を有し得(すなわち、特定の波長の光を含み得)、または複数の範囲の波長(例えば、多色光または白色光)であり得る。アクティブエミッタによって提供または生成される異なる色の光は、例えば、原色(例えば、赤色、緑色、青色)を含むことができるが、これらに限定されない。本明細書の定義により、「カラーエミッタ」は、色を有する光を提供するアクティブエミッタである。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタは、複数のアクティブエミッタを含んでもよい。例えば、アクティブエミッタは、アクティブエミッタのセットまたはグループを含むことができる。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタのセットまたはグループ内のアクティブエミッタの少なくとも1つは、複数の光エミッタのうちの少なくとも1つの他の光エミッタによって生成される光の色または波長とは異なる色、すなわち、波長を有する光を生成することができる。
【0027】
さらに、本明細書の定義により、「広角放射光」の「広角」という用語は、マルチビュー画像またはマルチビューディスプレイのビューの円錐角よりも大きい円錐角を有する光として定義される。具体的には、いくつかの実施形態では、広角放射光は、約60度(60°)より大きい円錐角を有することができる。他の実施形態では、広角放射光円錐角は、約50度(50°)より大きくてもよく、または約40度(40°)より大きくてもよい。例えば、広角放射光の円錐角は、約120度(120°)であってもよい。あるいは、広角放射光は、ディスプレイの法線方向に対してプラスマイナス45度よりも大きい角度範囲(例えば、>±45°)を有することができる。他の実施形態では、広角放射光の角度範囲は、プラスマイナス50度より大きくてもよく(例えば、>±50°)、プラスマイナス60度より大きくてもよく(例えば、>±60°)、プラスマイナス65度(例えば、>±65°)より大きくてもよい。例えば、広角放射光の角度範囲は、ディスプレイの法線方向の両側において約70度(例えば、>±70°)より大きくてもよい。「広角バックライト」は、本明細書の定義により、広角放射光を提供するように構成されたバックライトである。
【0028】
いくつかの実施形態では、広角放射光の円錐角は、LCDコンピュータモニタ、LCDタブレット、LCDテレビ、または広角視野を意図した同様のデジタルディスプレイデバイスの視野角とほぼ同じになるように(例えば、約±40~65°)定義することができる。他の実施形態では、広角放射光はまた、拡散光、実質的な拡散光、無指向性光(すなわち、特定のまたは定義された方向性を欠いている光)として、または単一もしくは実質的に均一な方向を有する光として特徴付けまたは説明され得る。
【0029】
さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち「1つ以上」という意味を有することが意図されている。例えば、「アクティブエミッタ」は1つまたは複数のアクティブエミッタを意味し、したがって、本明細書では「アクティブエミッタ」は「アクティブエミッタ(単数または複数)」を意味する。また、本明細書における「上(top)」、「下(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「上(up)」、「下(down)」、「前(front)」、「後(back)」、「第1(first)」、「第2(second)」、「左(left)」または「右(right)」への言及はいずれも、本明細書における限定を意図するものではない。本明細書では、「約」という用語は、値に適用される場合通常、値を生成するために使用される機器の許容公差範囲内にあることを意味するか、または特に明記しない限り、プラスまたはマイナス10%、プラスまたはマイナス5%、またはプラスまたはマイナス1%を意味し得る。さらに、本明細書で使用される「実質的に」という用語は、大部分、またはほとんどすべて、またはすべて、または約51%~約100%の範囲内の量を意味する。さらに、本明細書の例は、例示のみを意図しており、限定ではなく説明の目的で提示されている。
【0030】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューバックライトが提供される。図2Aは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト100の断面図を示す。図2Aはまた、限定ではなく例として、マルチビューバックライト100を使用するマルチビューディスプレイを示す。図2Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト100の平面図を示す。図2C、本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト100の平面図を示す。マルチビューバックライト100は、指向性光ビーム102を放射または提供するように構成される。様々な実施形態によれば、マルチビューバックライト100によって提供される指向性光ビーム102は、マルチビューディスプレイのビュー方向、すなわち、マルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有する。
【0031】
図2A図2Cに示すマルチビューバックライト100は、アクティブエミッタ110の第1のアレイを含む。第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110は、離間した列、すなわち、互いに離間した列として配列されている。様々な実施形態によれば、図2A図2Cに示すアクティブエミッタ110の第1のアレイの各列は、列と交差する平面(例えば、この平面は、列に対して実質的に垂直であってもよい)内の第1の複数の指向性光ビーム102’としての光を放射または提供するように構成される。さらに、第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110の列によって提供される第1の複数の指向性光ビーム102’は、マルチビューディスプレイのビュー方向、すなわち、マルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有し得る。さらに、ビュー方向は、列と交差する平面内にあるか、または実質的にそれに限定されてもよい。したがって、様々な実施形態によれば、マルチビューバックライト100によって提供される指向性光ビーム102は、第1のアクティブエミッタアレイの列によって提供される複数の第1の指向性光ビームの指向性光ビーム102’を含むことができる。図2Aの異なる向きの実線矢印は、限定ではなく例示として、複数の第1の指向性光ビームの指向性光ビーム102’を表す。
【0032】
図2A図2Cに示すように、マルチビューバックライト100は、アクティブエミッタ120の第2のアレイをさらに含む。様々な実施形態によれば、第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ120もまた、離間した列として配列される。さらに、図2A図2Cに示すように、第2のアクティブエミッタアレイの列は、第1のアクティブエミッタアレイの列の間に交互に配置される。すなわち、様々な実施形態によれば、第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ120の列は、第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110の列と交互に配置されまたはそれらの間に配置される。いくつかの実施形態では、第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ120の列は、第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110の隣接する列と交互に配置されまたはそれらのほぼ中間に配置される。
【0033】
様々な実施形態によれば、アクティブエミッタ120の第2のアレイの各列は、列と交差する平面(例えば、この平面は、列に対して実質的に垂直であってもよい)内の第2の複数の指向性光ビーム102’’としての光を放射または提供するように構成される。第1の複数の指向性光ビーム102’と同様に、第2の複数の指向性光ビーム102’’の指向性光ビーム102’’は、マルチビューディスプレイのビュー方向、すなわち、マルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有し得る。具体的には、いくつかの実施形態によれば、複数の第2の指向性光ビームの指向性光ビーム102’’の方向は、複数の第1の指向性光ビームの指向性光ビーム102’の方向と同等または同じであってもよい。したがって、マルチビューバックライト100によって提供される指向性光ビーム102はさらに、第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ120の列によって提供される複数の第2の指向性光ビームの指向性光ビーム102’’を含むことができる。図2Aでは、異なる向きの実線矢印は、限定ではなく例示として、複数の第2の指向性光ビームの指向性光ビーム102’’を表す。破線の矢印はまた、図示のように、指向性光ビーム102’’を複数の第1の指向性光ビームの指向性光ビーム102’と区別する。
【0034】
いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110の第1のアレイおよびアクティブエミッタ120の第2のアレイの一方または両方の隣接する列間の距離は、マルチビューバックライト100を使用するマルチビューディスプレイのマルチビューピクセル間の距離に対応する(すなわち、それに匹敵または比例する)。具体的には、第1のアクティブエミッタアレイの隣接する列間の距離(例えば、中心間距離)は、隣接するマルチビューピクセル間の中心間距離にほぼ等しくてもよい。同様に、第2のアクティブエミッタアレイの隣接する列間の中心間距離は、隣接するマルチビューピクセル間の中心間距離にほぼ等しくてもよい。結果として、いくつかの実施形態によれば、マルチビューピクセルとアクティブエミッタ110、120の個々の列との間に一対一の対応関係、すなわち一意の対応関係が存在し得る。さらに、図2Aに示すように、マルチビューディスプレイのビュー方向は、第1および第2のアクティブエミッタアレイの列と交差する平面内にある。
【0035】
様々な実施形態によれば、第1と第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110、120の列の幅は、マルチビューバックライト100を使用するマルチビューディスプレイのライトバルブアレイのライトバルブのサイズに匹敵する。具体的には、第1のアクティブエミッタアレイおよび第2のアクティブエミッタアレイの各々のアクティブエミッタの列の幅は、ライトバルブサイズの約4分の1(0.25)~約2倍(2.0)であり得る。例えば、列幅は、ライトバルブサイズにほぼ等しくてもよい。別の例では、幅は、ライトバルブサイズの約半分(0.5)すなわち50パーセント(50%)~約2(2.0)倍すなわち200パーセント(200%)であってもよい。他の例では、列幅は、ライトバルブサイズの約60パーセント(60%)超、またはライトバルブサイズの約70パーセント(70%)超、またはライトバルブサイズの約80パーセント(80%)超、またはライトバルブサイズの約90パーセント(90%)超である。さらに、いくつかの例では、列幅は、ライトバルブサイズの約180パーセント(180%)未満、またはライトバルブサイズの約160パーセント(160%)未満、またはライトバルブサイズの約140パーセント(140%)未満、またはライトバルブサイズの約120パーセント(120%)未満である。
【0036】
いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110、120の列の幅は、アクティブエミッタ110、120がアクティブ化されたときにアクティブに光を発する列におけるアクティブエミッタ110、120の部分(例えば、アクティブエミッタのアクティブ部分)のサイズとして定義することができる。ライトバルブのサイズは、例えば、ライトバルブの開口部サイズとして定義されてもよく、すなわち、ライトバルブアレイのライトバルブ間の中心間距離によって定義することができる。いくつかの実施形態によれば、アクティブエミッタ110、120の列とライトバルブとの匹敵する幅は、マルチビューディスプレイのビュー間の暗帯を低減する(例えば、モアレを最小限に抑える)、またはいくつかの例ではそれを最小化すると同時に、マルチビューディスプレイのビュー間のオーバーラップを低減する、またはいくつかの例ではそれを最小化するように選択され得る。
【0037】
図2Aは、限定ではなく例として、本明細書の説明を容易にする目的で、ライトバルブ104のアレイをさらに示す。図示のライトバルブアレイは、例えば、マルチビューバックライト100を使用するマルチビューディスプレイの一部であってもよい。図2Aに示すライトバルブアレイのライトバルブ104は、指向性光ビーム102(例えば、指向性光ビーム102’、102’’)を変調して、マルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像を提供するように構成される。さらに、図示のように、異なる主角度方向を有する指向性光ビーム102の異なるものが通過し、ライトバルブアレイ内のライトバルブ104の異なるものによって変調され得る。
【0038】
本明細書の定義により、ライトバルブアレイのライトバルブ104は、マルチビューディスプレイのビューピクセルに対応することができ、一方、ライトバルブ104のセットまたはビューピクセルのセットは、マルチビューピクセル106に対応することができる。具体的には、ライトバルブアレイのライトバルブ104の異なるセットは、アクティブエミッタ110、120の列の異なるものからの指向性光ビーム102、102’、102’’を受光して変調するように構成され得る。したがって、例えば、アクティブエミッタ110、120の列に関して図2Aに示すように、各アクティブエミッタの列に対して固有のライトバルブ104(またはマルチビューピクセル106)のセットが存在し得る。様々な実施形態では、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、およびエレクトロウェッティングベースのライトバルブのうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない異なるタイプのライトバルブを、ライトバルブアレイのライトバルブ104として使用することができる。
【0039】
さらに、図示のように、図2Aは、ライトバルブアレイ内のライトバルブ104の開口部サイズに対応するライトバルブ104のサイズSを示す。他の例では、ライトバルブサイズは、ライトバルブアレイの隣接するライトバルブ104間の距離(例えば、中心間距離)として定義することができる。例えば、ライトバルブ104の開口部は、ライトバルブアレイ内のライトバルブ104間の中心間距離よりも小さくてもよい。したがって、上述したように、ライトバルブサイズは、他の定義の中でもとりわけ、ライトバルブ104のサイズまたはライトバルブ104間の中心間距離に対応するサイズのいずれかとして定義することができる。また、図2Aでは、アクティブエミッタ110、120の列のサイズsは、ライトバルブサイズSに匹敵するものとして示されている。
【0040】
さらに、図2Aに示すように、アクティブエミッタ110、120の一対の隣接する列間の列間距離(例えば、中心間距離)は、例えば、ライトバルブセットによって表される、対応する一対の隣接するマルチビューピクセル106間のピクセル間距離(例えば、中心間距離)にほぼ等しい。例えば、第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110aの列と第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110bの別の列との間の中心間距離dは、第1のライトバルブセット104aと第2のライトバルブセット104bとの間の中心間距離Dに実質的に等しく、各ライトバルブセット104a、104bはマルチビューピクセル106を表す。他の実施形態(図示せず)では、アクティブエミッタ110a、110bの列(またはアクティブエミッタ120の列)の対と、対応するライトバルブセット104a、104bとの相対的な中心間距離は異なっていてもよく、例えば、アクティブエミッタ110、120の列は、マルチビューピクセル106を表すライトバルブセット間の間隔(すなわち、中心間距離D)よりも大きいまたは小さい要素間間隔(すなわち、中心間距離d)を有し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、第1および第2のアクティブエミッタアレイの列は傾斜していてもよい。例えば、列は、第1および第2のアクティブエミッタアレイを支持する基板の縁部に対して傾斜を有してもよい。同様に、列は、ライトバルブアレイのライトバルブの列に対して傾斜していてもよい。図2Bおよび図2Cは、アクティブエミッタ110、120の第1および第2のアレイの列を傾斜した列として示している。さらに、マルチビューバックライト100を使用するマルチビューディスプレイによって提供されるマルチビュー画像は、一方向のみ、すなわち、実質的に列に垂直な方向または列を横切る方向に複数のビューを有する、いわゆる「水平視差のみ」(HPO)マルチビュー画像であり得る。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、第1のアクティブエミッタアレイおよび第2のアクティブエミッタアレイの一方または両方のアクティブエミッタ110、120は、ミニ発光ダイオード(miniLEDまたはmLED)またはマイクロ発光ダイオード(microLEDまたはμLED)のいずれかを含むことができる。ここで、ミニLEDは、約0.5ミリメートル(mm)未満の寸法を有する発光ダイオードである。例えば、ミニLEDは、約75マイクロメートル(μm)~約300μmの範囲の寸法を有し得る。本明細書では、μLEDは、マイクロ発光ダイオード(LED)、すなわち100μm未満、より一般的には約75μm未満の微視的寸法を有するLEDとして定義される。例えば、マイクロLEDは、約10~50μmのサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、ミニLEDまたはμLEDは、組み合わされるとアクティブエミッタ110、120としてのユニットとして共に機能する、ライトバルブサイズに匹敵するサイズを有する複数のミニLEDまたはμLEDを含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ミニLEDまたはμLEDは、複数の異なる領域(すなわち、複数のミニLEDまたはμLED)を含み得、異なる領域の各々は、異なる色の光を提供するように構成され得る。例えば、ミニLEDまたはμLEDは3つの領域を含み得、第1の領域は赤色光を提供するように構成され、第2の領域は緑色光を提供するように構成され、第3の領域は青色光を提供するように構成され得る。したがって、ミニLEDまたはμLEDは、赤色光、緑色光、もしくは青色光、またはそれらの任意の組合せ(例えば、白色光)を選択可能に提供するように構成され得る。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、第1のアクティブエミッタアレイおよび第2のアクティブエミッタアレイの一方または両方のアクティブエミッタ110、120は、有機発光ダイオード(OLED)を含むことができる。本明細書で定義されるように、OLEDは、電流のような電気刺激に応答して光を発するように構成された有機化合物を含む発光性エレクトロルミネセンスフィルムまたは層を有するエミッタである。ミニLEDおよびμLEDと同様に、OLEDは、組み合わされるとアクティブエミッタ110、120としてのユニットとして共に機能する複数のOLEDを含むことができる。いくつかの実施形態では、OLEDは、複数の異なる領域を含み得、異なる領域の各々は、異なる色の光を提供するように構成され得る。例えば、OLEDは3つの領域を含み得、第1の領域は赤色光を提供するように構成され、第2の領域は緑色光を提供するように構成され、第3の領域は青色光を提供するように構成され得る。したがって、アクティブエミッタ110、120として機能するOLEDは、赤色光、緑色光、もしくは青色光、またはそれらの任意の組合せ(例えば、白色光)を選択可能に提供するように構成され得る。さらに他の実施形態では、別のタイプのアクティブ光エミッタは、アクティブエミッタ110、120例えば、限定されるわけではないが、ライトバルブサイズに匹敵するサイズを有する高輝度LEDおよび量子ドットLEDとして使用することができる。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、第1および第2のアクティブエミッタアレイの列のアクティブエミッタ110、120は、図2Bに示すように、垂直または実質的に垂直に配置されてもよい。他の実施形態では、アクティブエミッタ110、120は、図2Cに示すように、列に並ぶように回転されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、指向性ディフューザを使用して、アクティブエミッタ110、120によって発される光を、列に沿った方向およびビュー方向を含む平面に垂直な方向の一方または両方に拡散させることができる。例えば、ディフューザは、アクティブエミッタ110、120の列がアクティブエミッタ110、120の実質的に連続した列であるように見える程度まで、列に沿って光を拡散させることができる。列に沿って光を拡散させることにより、必要とされる列の長さに沿うアクティブエミッタ110、120の数の削減を容易にすることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110、120は、特定の色を有する実質的に単色の光(すなわち、この光は特定の波長の光を含むことができる)を提供するように構成され得る。他の実施形態では、アクティブエミッタ110、120は、複数の波長または波長範囲を含む白色光などに限定されない多色光を提供するように構成され得る。例えば、アクティブエミッタ110、120は、赤色光、緑色光、青色光、またはそれらの組合せの1つ以上を提供するように構成され得る。別の例では、アクティブエミッタ110、120は、実質的に白色光である光を提供するように構成され得る(すなわち、アクティブエミッタ110、120は、白色μLEDまたは白色OLEDであり得る)。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110、120は、マイクロレンズ、回折格子、または放射光、すなわち、指向性光ビーム102、102’、102’’の(例えば、コリメーション係数に従った)コリメーションおよび偏光制御の一方または両方を提供するように構成された別の光学フィルムまたは構成要素を含むことができる。マイクロレンズ、回折格子、または他の光学フィルムもしくは構成要素はまた、または代替的に、指向性光ビーム102、102’、102’’の方向を制御するように構成され得る。あるいは、コリメーションおよび偏光制御の一方または両方は、例えば、アクティブエミッタアレイとライトバルブアレイとの間の光学層またはフィルムによって提供され得る。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、第1および第2のアクティブエミッタアレイの列内のアクティブエミッタ110、120は、局所調光を提供し、また第1と第2のアクティブエミッタアレイによる指向性光ビームの生成の間での切り替えを可能にするために、独立して制御、アクティブ化、または給電されてもよい。具体的には、いくつかの実施形態では、第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110の列は、例えば、第1の時間間隔または特定のモード中に、選択的なアクティブ化によって第1の複数の指向性光ビーム102’を提供するように構成され得る。同様に、第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ120の列は、例えば、第2の時間間隔または特定のモード中に、選択的なアクティブ化によって第2の複数の指向性光ビーム102’’を提供するように構成され得る。様々な実施形態では、第1の時間間隔と第2の時間間隔は、以下でさらに説明するように、交互に連続した時間間隔であり得る。アクティブ化は、例えば、アクティブエミッタ110、120に電力を供給するコントローラによって提供されてもよい。
【0049】
図3Aは、本明細書に記載の原理の実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト100の断面図を示す。図3Bは、本明細書に記載の原理の実施形態による、一例における図3Aのマルチビューバックライト100の断面図を示す。図3A図3Bに示すマルチビューバックライト100は、アクティブエミッタ110の第1のアレイの列とアクティブエミッタ120の第2のアレイの列とを含む。ライトバルブ104のアレイも図3A図3Bに示されている。
【0050】
図示のように、マルチビューバックライト100は、異なる時間間隔の間に第1および第2のアクティブエミッタアレイの列の選択的なアクティブ化を提供するように構成される。具体的には、図3Aは、第1の時間間隔Tの間のマルチビューバックライト100を示し、図3Bは、第2の時間間隔Tの間のマルチビューバックライト100を示す。第1の時間間隔T図3A)の間、アクティブエミッタ110の第1のアレイの列は、第1の複数の指向性光ビーム102’を提供するように選択的にアクティブ化され、一方、アクティブエミッタ120の第2のアレイの列は、第2の時間間隔Tの間、第2の複数の指向性光ビーム102’’を提供するように選択的にアクティブ化される。第1の時間間隔Tおよび第2の時間間隔Tは、例えば、時系列的に交互になってもよい。したがって、いくつかの実施形態によれば、ライトバルブ104のアレイは、アクティブエミッタ110の第1のアレイによって提供される指向性光ビーム102’が第1の時間間隔Tの間に変調され、アクティブエミッタ120の第2のアレイによって提供される指向性光ビーム102’’が第2の時間間隔Tの間に変調されるように時間多重化され得る。ライトバルブアレイの時間多重化は、例えば、アクティブエミッタコントローラと協働するディスプレイドライバによって提供され得る。
【0051】
ライトバルブ104のアレイの時間多重化は、例えば、時間多重化が使用されていない同じマルチビューディスプレイと比較した場合、図3A図3Bに示すように、マルチビューバックライト100およびライトバルブ104のアレイを含むマルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像の解像度の効果的な倍化を提供することができる。さらに、様々な実施形態によれば、マルチビュー画像解像度は、時間多重化を使用するか使用しないかのいずれかによって選択的に増減することができる。図3A図3Bに示すように、表示されるマルチビュー画像は、限定ではなく例として、4つの異なるビューを含み得ることに留意されたい。
【0052】
他の実施形態では、アクティブエミッタ110の第1のアレイは、マルチビューバックライト100の第1のモード中に第1の複数の指向性光ビーム102’を提供するように構成され得る。具体的には、アクティブエミッタ110の第1のアレイの列は、第1のモード中にアクティブ化され得る。アクティブエミッタ120の第2のアレイの列は、例えば、第1のモード中に非アクティブ化され得る。さらに、マルチビューバックライト100の第2のモード中に、アクティブエミッタ110の第1のアレイの列も、第2のモード中に第1の複数の指向性光ビーム102’を提供するように構成され得、アクティブエミッタ120の第2のアレイの列も、第2の複数の指向性光ビーム102’’を提供するように構成され得る。具体的には、第1と第2のアクティブエミッタアレイの両方の列は、第2のモード中にアクティブ化され得る。
【0053】
図4Aは、本明細書に記載の原理の実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト100の断面図を示す。図4Bは、本明細書に記載の原理の実施形態による、一例における図4Aのマルチビューバックライト100の断面図を示す。図4A図4Bに示すマルチビューバックライト100は、アクティブエミッタ110の第1のアレイとアクティブエミッタ120の第2のアレイとを含み、それらの各々のアクティブエミッタ110、120は列として配列されている。ライトバルブ104のアレイもまた図4A図4Bに示されている。さらに、図4Aには、第1のモード(モード1)中の、すなわち、そのモードであるマルチビューバックライト100が示されており、一方、図4Bには、第2のモード(モード2)中の、すなわち、そのモードであるマルチビューバックライト100が示されている。
【0054】
具体的には、図4Aは、第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110の列がアクティブ化され、第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ120の列が非アクティブ化される第1のモード(モード1)中のマルチビューバックライト100を示す。図示のように、アクティブエミッタ110は、第1のモード(モード1)中にアクティブ化されると、複数の第1の指向性光ビームの指向性光ビーム102’を提供する。これらの指向性光ビーム102’は、ライトバルブ104のアレイによって変調されて、マルチビューピクセル106によって特徴付けられる第1の量または数の異なるビューを有するマルチビュー画像を提供することができる。具体的には、第1のモード中にアクティブエミッタ110に関連付けられるマルチビューピクセル106は、限定ではなく例として図4Aに示すように、8つ(8)の異なるビューに対応するビューピクセル(すなわち、ライトバルブ)を含む。
【0055】
図4Bは、第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110の列と、第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ120の列の両方が同時にアクティブ化される第2のモード(モード2)中のマルチビューバックライト100を示す。図示のように、アクティブエミッタ110、120の列は、アクティブ化されると、複数の第1の指向性光ビームと複数の第2の指向性光ビームの両方の指向性光ビーム102’、102’’を提供する。第1および第2モードの各々において、ライトバルブアレイのライトバルブ104は、指向性光ビーム102(例えば、第1のモードでは指向性光ビーム102’のみ、および第2のモード中には指向性光ビーム102’、102’’)を変調してマルチビュー画像を提供するために使用され得る。さらに、マルチビュー画像の解像度は、第1のモード(モード1)の解像度と比較して、第2のモード(モード2)で増加(例えば、倍増)し得る。当然ながら、図4A図4Bに示すように、第2のモード(モード2)で提供されるマルチビュー画像のビューの量または数は、第1のモード(モード1)で提供されるマルチビュー画像のビューの数よりも少ない(例えば、その半分)。具体的には、限定ではなく例として図4Bに示すように、マルチビューピクセル106はアクティブエミッタ110、120の各々に関連付けられ、マルチビューピクセル106の各々は、第2モード(モード2)の4つ(4)の異なるビューに対応するビューピクセル(すなわちライトバルブ)を含む。したがって、第1のモード(モード1)と第2のモード(モード2)との間での切り替えは、マルチビュー画像のより多くのビュー数(より低い解像度)とより高い解像度(より少ないビュー)との間での切り替えを容易にすることができる。
【0056】
再び図2Aを参照すると、いくつかの実施形態では、マルチビューバックライト100は、平面基板130をさらに備え得る。具体的には、アクティブエミッタ110、120の列は、平面基板130の表面にわたって離間されていてもよい。平面基板130は、アクティブエミッタ110、120に電力を供給するための電気的相互接続部をさらに備え得る。いくつかの実施形態では、平面基板130は、光学的に透明または少なくとも実質的に光学的に透明であるように構成される(すなわち、平面透明基板であってもよい)。例えば、平面基板130は、平面基板130の第1の側面から第2の側面に光を透過させることができる光学的に透明な材料を備えてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、電気的相互接続部は光学的に透明であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110、120の第1および第2のアレイと平面基板130との(例えば、電気的相互接続部を加えた)組合せは、光学的に透明であるように構成され得る。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、マルチビューバックライト100は、平面基板130に隣接する広角バックライトをさらに備え得る。広角バックライトは、広角放射光を提供するように構成され得る。さらに、様々な実施形態によれば、アクティブエミッタ110、120の第1および第2のアレイと平面基板130との組合せは、広角放射光に対して透明であるように構成され得る。
【0058】
図5は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における広角バックライト140を含むマルチビューバックライト100の断面図を示す。具体的には、図5は、アクティブエミッタ110、120の列が反対側の表面に配置された平面基板130の表面に隣接する広角バックライト140を示す。図5は、平面基板130の反対面に隣接するライトバルブ104のアレイをさらに示す。
【0059】
図5の左側に示すように、マルチビューバックライト100を使用してアクティブエミッタ110、120の列をアクティブ化して、指向性光ビーム102、例えば、上記で多岐にわたって説明および図示した指向性光ビーム102’、102’’の一方または両方を提供することにより、マルチビュー画像(MULTIVIEW)を提供することができる。あるいは、図5の右側に示すように、アクティブエミッタ110、120の列を非アクティブ化し、広角バックライト140をアクティブ化して広角放射光142をライトバルブ104のアレイに提供することによって、二次元(2D)画像を提供することができる。このように、様々な実施形態によれば、広角バックライト140と透明に構成された平面基板130とを含むマルチビューバックライト100を使用して、マルチビュー画像の表示と2D画像の表示との間で切り替えできる電子ディスプレイを実現し得る。本明細書では、アクティブエミッタ110、120の列は、クロスハッチングを使用してアクティブ化されるように示されているが、クロスハッチングのないアクティブエミッタ110、120は、非アクティブ化された状態または状況であることを表す。
【0060】
別の実施形態(図示せず)では、アクティブエミッタの追加の列が、第1と第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ列の間に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、追加の列は、上述の多重化またはモード切り替えの概念のいずれかを拡張するために、アクティブエミッタの第3、第4などの列として選択的に使用され得る。別の実施形態では、例えば、別個の広角バックライトを使用して2D画像を表示する代わりに、第1および第2のアクティブエミッタアレイの列と共に追加の列を使用またはアクティブ化して、広角放射光を効果的に提供することができる。
【0061】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイが提供される。様々な実施形態によれば、マルチビューディスプレイは、マルチビュー画像を表示するように構成される。さらに、様々な実施形態によれば、マルチビュー画像の画像解像度は、動作モードに従って動的に選択可能であるように構成される。いくつかの実施形態では、マルチビュー画像の画像解像度およびいくつかの異なるビューは、動的に選択可能である。
【0062】
図6は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ200のブロック図を示す。図示のように、マルチビューディスプレイ200は、第1の複数のアクティブエミッタ列210を含む。第1の複数のアクティブエミッタ列210は、マルチビューディスプレイ200によって提供されるマルチビュー画像のビュー方向(すなわち、マルチビューディスプレイ200のビュー方向)に対応する方向を有する指向性光ビーム202を提供するように構成される。具体的には、第1の複数のアクティブエミッタ列210の各アクティブエミッタ列210は、マルチビューディスプレイ200のビュー方向、すなわち、マルチビューディスプレイ200によって表示されるマルチビュー画像のビュー方向に対応する、またはその方向を有する指向性光ビーム202を提供するように構成される。
【0063】
図6に示すマルチビューディスプレイ200は、第2の複数のアクティブエミッタ列220をさらに備え、第2の複数のアクティブエミッタ列220は、基板の表面上で第1の複数のアクティブエミッタ列210のアクティブエミッタ列と交互に配置されている(またはそれらの間に配置されている)。第1の複数のアクティブエミッタ列210と同様に、第2の複数のアクティブエミッタ列220は、マルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有する指向性光ビーム202を提供するように構成される。具体的には、第2の複数のアクティブエミッタ列220の各アクティブエミッタ列220は、マルチビューディスプレイ200のビュー方向、すなわち、マルチビュー画像のビューのビュー方向に対応する、またはその方向を有する指向性光ビーム202を提供するように構成される。さらに、第2の複数のアクティブエミッタ列220によって提供される指向性光ビーム202の方向は、第1の複数のアクティブエミッタ列210によって提供される指向性光ビーム202の方向と実質的に同様であってもよい。
【0064】
図6に示すように、マルチビューディスプレイ200は、ライトバルブ230のアレイをさらに備える。ライトバルブ230のアレイは、第1の複数のアクティブエミッタ列210および第2の複数のアクティブエミッタ列220の一方または両方によって提供される指向性光ビーム202を変調するように構成される。いくつかの実施形態では、ライトバルブ230のアレイは、マルチビューバックライト100に関して上述したライトバルブ104のアレイと実質的に同様であってもよい。具体的には、様々な実施形態によれば、ライトバルブ230のアレイは、指向性光ビーム202を変調してマルチビュー画像を提供するように構成され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1の複数のアクティブエミッタ列210のアクティブエミッタ列は、マルチビューバックライト100に関して上述した第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110の列と実質的に同様であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の複数のアクティブエミッタ列220のアクティブエミッタ列もまた、上述したマルチビューバックライト100の第2のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ120の列と実質的に同様であってもよい。具体的には、いくつかの実施形態では、第1および第2の複数のアクティブエミッタ列210、220のアクティブエミッタ列の幅は、ライトバルブアレイのライトバルブ230のサイズに匹敵する。例えば、幅は、ライトバルブサイズの約4分の1(0.25)~約2倍(2.0)であり得る。
【0066】
さらに、第1および第2の複数のアクティブエミッタ列210、220のアクティブエミッタは、上述したマルチビューバックライト100のアクティブエミッタ110、120と実質的に同様であってもよい。例えば、アクティブエミッタは、様々な実施形態によれば、マイクロ発光ダイオード(μLED)および有機発光ダイオード(OLED)の一方または両方を備え得る。同様に、第1および第2の複数のアクティブエミッタ列210、220が位置するまたは配置される基板は、いくつかの実施形態では、マルチビューバックライト100の平面基板130に関して上述したように、光学的に透明であってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイ200によって表示されるマルチビュー画像の画像解像度は、第1の動作モードでは第1の値を有し、第2の動作モードでは第2の値を有し得る。具体的には、第1の動作モードは、第1の複数のアクティブエミッタ列210のアクティブエミッタが指向性光ビーム202を提供するようにアクティブ化されることと、第2の複数のアクティブエミッタ列220のアクティブエミッタが非アクティブ化されることとを含み得る。第1の動作モードは、例えば、第1の画像解像度を有するマルチビュー画像を提供するように構成され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、第2の動作モードは、指向性光ビーム202を同時に提供するように、第1の複数のアクティブエミッタ列210と第2の複数のアクティブエミッタ列220の両方のアクティブエミッタがアクティブ化されることを含み得る。いくつかの実施形態によれば、第2の動作モードは、第2の画像解像度を有するマルチビュー画像を提供するように構成され得、第2の画像解像度は、第1の画像解像度よりも大きいまたは高い。例えば、図4Aおよび図4Bをそれぞれ参照して上述したように、第1の動作モードは、マルチビューバックライト100の第1のモード(モード1)と実質的に同様であってもよく、第2の動作モードは、マルチビューバックライト100の第2のモード(モード2)と実質的に同様であってもよい。様々な実施形態によれば(例えば、上記のように)、第1の動作モードと第2の動作モードとの間での選択は、マルチビュー画像のビューの数の付随する変化を伴うが、画像解像度の動的選択を提供することができる。
【0069】
他の実施形態では、第2の動作モードは、第1の時間間隔の間に指向性光ビーム202を提供するための第1の複数のアクティブエミッタ列210のアクティブエミッタのアクティブ化と、第2の時間間隔の間に指向性光ビーム202を提供するための第2の複数のアクティブエミッタ列220のアクティブエミッタのアクティブ化とを含み得る。いくつかの実施形態では、第1と第2の時間間隔は、連続した時間間隔の間に交互にされてもよい。例えば、第2の動作モードは、図3Aおよび図3Bを参照してマルチビューバックライト100に関して上述した時間多重化と実質的に同様であってもよい。上記のように、様々な実施形態によれば、第1の動作モードと第2の動作モードとの間での選択は、(例えば、時間多重化を使用して、または使用せずに)画像解像度の動的選択を提供することができる。
【0070】
いくつかの実施形態(図示せず)では、マルチビューディスプレイ200は、広角放射光を提供するように構成された広角バックライトをさらに備え得る。様々な実施形態によれば、広角バックライトは、第1および第2の複数のアクティブエミッタ列210、220が配置されている表面の反対側の基板の他方の表面に隣接して位置してもよい。いくつかの実施形態では、広角バックライトは、図5に関して図示および説明したマルチビューバックライト100の広角バックライト140と実質的に同様であってもよい。具体的には、様々な実施形態によれば、第1および第2の複数のアクティブエミッタ列210、220と基板との組合せは、広角放射光に対して実質的に透明であってもよい。
【0071】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューバックライト動作の方法が提供される。図7は、本明細書に記載の原理の実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト動作の方法300のフローチャートを示す。図7に示すマルチビューバックライト動作の方法300は、列として配列されたアクティブエミッタの第1のアレイを使用して第1の複数の指向性光ビームを発すること310を含む。具体的には、様々な実施形態によれば、第1の複数の指向性光ビームの指向性光ビームは、マルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有する。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタの第1のアレイは、マルチビューバックライト100に関して上述したアクティブエミッタ110の第1のアレイと実質的に同様であってもよい。
【0072】
図7に示す方法300は、第1のアクティブエミッタアレイのアクティブエミッタの列と交互に配置されまたはそれらの間に配置された、列として配列されたアクティブエミッタの第2のアレイを使用して、第2の複数の指向性光ビームを発すること320をさらに含む。具体的には、第2の複数の指向性光ビームの指向性光ビームは、マルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有するように発される。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタの第2のアレイは、上述のマルチビューバックライト100のアクティブエミッタ120の第2のアレイと実質的に同様であってもよい。例えば、第1および第2のアクティブエミッタアレイの列は、上述の図2A図2Cに示すように傾斜していてもよい。
【0073】
様々な実施形態によれば、マルチビュー画像のビュー方向、すなわち、アクティブエミッタの第1および第2のアレイによって発される指向性光ビームの方向は、第1および第2のアクティブエミッタアレイの列と交差する平面内にある。さらに、第1および第2のアクティブエミッタアレイの一方または両方のアクティブエミッタの列は、ビューピクセル、すなわち、マルチビュー画像を表示するために使用されるマルチビューディスプレイのライトバルブのサイズに匹敵する幅を有し得る。例えば、ビューピクセルは、指向性光ビームを変調するために使用されるライトバルブアレイのライトバルブに対応することができ、アクティブエミッタの列は、ライトバルブアレイのライトバルブ間のサイズまたは距離の一方または両方に対応する列と横切る幅を有し得る。上述したように、第1および第2のアクティブエミッタアレイの列の匹敵する幅は、ビューピクセルまたはライトバルブサイズの約1/4(0.25)~約2倍(2.0)であってもよい。例えば、列幅は、ライトバルブサイズの約半分(0.5)~約2倍(2.0)であり得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、図7に示すように、マルチビューバックライト動作の方法300は、マルチビュー画像を表示するために、ライトバルブのアレイを使用して第1の複数の指向性光ビームおよび第2の複数の光ビームの一方または両方を変調すること330をさらに含む。いくつかの実施形態では、ライトバルブのアレイは、マルチビューバックライト100またはマルチビューディスプレイ200のいずれかに関して上述したライトバルブ104、230のアレイと実質的に同様であってもよい。いくつかの実施形態では、ライトバルブのアレイのライトバルブのセットは、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルに対応し得、個々のライトバルブは、個々のビューピクセルに対応し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1の複数の光ビームを発すること310は、第1の時間間隔の間に実行され得、第2の複数の光ビームを発すること320は、第2の時間間隔の間に実行され得、第1と第2の時間間隔は、時系列的に交互する。これらの実施形態は、図3A図3Bを参照してマルチビューバックライト100に関連して上述したように、(例えば、ライトバルブのアレイの)時間多重化と併用することができる。
【0076】
他の実施形態では、第1の複数の指向性光ビームを発すること310は、第1の動作モード中に実行され得る。さらに、第1の複数の指向性光ビームを発すること310と第2の複数の光ビームを発すること320の両方は、第2の動作モード中に実行され得る。これらの実施形態は、図4A図4Bを参照してマルチビューバックライト100に関連して上述したように、マルチビュー画像の第1の画像解像度と第2の画像解像度との間での選択を提供するために使用することができる。
【0077】
したがって、列として配列されたアクティブエミッタの複数のアレイを使用するマルチビューバックライト、マルチビューディスプレイ、およびマルチビューバックライトを動作させる方法の例および実施形態を説明した。上述の例は、本明細書に記載の原理を表す多くの特定の例のいくつかの単なる例示であることを理解されたい。明らかに、当業者は、以下の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、多数の他の構成を容易に考案することができる。
【符号の説明】
【0078】
10 マルチビューディスプレイ
12 スクリーン
14 ビュー
16 ビュー方向
20 光ビーム
100 マルチビューバックライト
102 指向性光ビーム
102’ 指向性光ビーム
102’’ 指向性光ビーム
104 ライトバルブ
104a 第1のライトバルブセット
104b 第2のライトバルブセット
106 マルチビューピクセル
110 アクティブエミッタ
110a アクティブエミッタ
110b アクティブエミッタ
120 アクティブエミッタ
130 平面基板
140 広角バックライト
142 広角放射光
200 マルチビューディスプレイ
202 指向性光ビーム
210 アクティブエミッタ列
220 アクティブエミッタ列
230 ライトバルブ
D 中心間距離
O 原点
S サイズ、ライトバルブサイズ
T1 第1の時間間隔
T2 第2の時間間隔
d 中心間距離
s サイズ
θ 角度成分
φ 角度成分
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7