(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C22C 38/00 20060101AFI20241220BHJP
C22C 38/58 20060101ALI20241220BHJP
C21D 8/02 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
C22C38/00 302Z
C22C38/58
C21D8/02 D
(21)【出願番号】P 2023538136
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 KR2021018701
(87)【国際公開番号】W WO2022139275
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0179748
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン, ヒュン-グ
(72)【発明者】
【氏名】パク, ミ-ナム
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヨンジュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン, ヨンジン
(72)【発明者】
【氏名】ゾ, ギュジン
【審査官】山本 佳
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-197205(JP,A)
【文献】特開2003-129191(JP,A)
【文献】国際公開第2008/016158(WO,A1)
【文献】特開2003-073785(JP,A)
【文献】特開2007-002319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 38/00 - 38/60
C21D 7/00 - 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%で、C:0.05以下(0は除外)、Si:0超過2%、Mn:0超過2%、S:0.01%以下、Cr:16~22%、Ni:9~15%、Mo:0超過3%、N:0.15~0.25%、B:0.004~0.06%を含み、残りがFe及び不可避な不純物からなり、
BN析出相が10個/100x100μm
2以上分布することを特徴とする耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼。
【請求項2】
MnS析出相が10個/100x100μm
2以下で分布
し、
前記MnS析出相の長軸の長さが1μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼。
【請求項3】
Cu:0超過1%をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼。
【請求項4】
孔食電位は、300mV以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼。
【請求項5】
重量%で、C:0.05以下(0は除外)、Si:0超過2%、Mn:0超過2%、S:0.01%以下、Cr:16~22%、Ni:9~15%、Mo:0超過3%、N:0.15~0.25%、B:0.004~0.06%を含み、残りがFe及び不可避な不純物からなる鋼片を1,150~1,250℃で1時間30分以上加熱する段階、
加熱された鋼片を熱間圧延する段階、及び
圧延された圧延材を1,100~1,250℃で30秒以上維持する段階を含
み、
製造されたオーステナイト系ステンレス鋼のBN析出相が10個/100x100μm
2
以上分布することを特徴とする耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法に係り、より詳しくは、切削性が要求され、塩水などの腐食環境で用いられ得る耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレーム、チャンバー、金型などのような機械部品に用いられるオーステナイトステンレス鋼は、ミリングのような切削加工を通じて最終形状に製造される。切削加工時の切削負荷の低減、切削速度の向上及び工具寿命の向上のためには、ステンレス鋼素材の切削性が要求される。
【0003】
切削性に優れたステンレス鋼としては、鋼中にMn、Sを添加して非金属介在物であるMnS化合物を活用して切削性を向上させた鋼種が広く知られている。しかし、MnS化合物は、塩水のような腐食環境で容易に溶出されるか孔食を発生させる開始点となってステンレス鋼の耐食性を劣化させるので、MnS化合物を活用したステンレス鋼は、腐食環境に露出されて耐食性が要求される用途では使用が制限される問題がある。それによって、切削性と同時に耐食性を確保し得るステンレス鋼に対する開発が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼は、重量%で、C:0.05以下(0は除外)、Si:0超過2%、Mn:0超過2%、S:0.01%以下、Cr:16~22%、Ni:9~15%、Mo:0超過3%、N:0.15~0.25%、B:0.004~0.06%を含み、残りがFe及び不可避な不純物からなり、BN析出相が10個/100x100μm2以上分布する。
【0006】
また、MnS析出相が10個/100x100μm2以下で分布することができる。
【0007】
また、長軸の長さが1μm以上であるMnS析出相が10個/100x100μm2以下で分布することができる。
【0008】
また、Cu:0超過1%をさらに含むことができる。
【0009】
また、孔食電位は、300mV以上であってもよい。
【0010】
本発明による耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法は、重量%で、C:0.05以下(0は除外)、Si:0超過2%、Mn:0超過2%、S:0.01%以下、Cr:16~22%、Ni:9~15%、Mo:0超過3%、N:0.15~0.25%、B:0.004~0.06%を含み、残りがFe及び不可避な不純物からなる鋼片を1,150~1,250℃で1時間30分以上加熱する段階、加熱された鋼片を熱間圧延する段階、及び圧延された圧延材を1,100~1,250℃で30秒以上維持する段階を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼は、耐食性及び切削性を同時に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1a】実施例7及び比較例2の熱間圧延後の外観を示した写真である。
【
図1b】実施例7及び比較例2の熱間圧延後の外観を示した写真である。
【
図2a】実施例7及び比較例1のステンレス鋼の断面をSEMで観察した写真である。
【
図2b】実施例7及び比較例1のステンレス鋼の断面をSEMで観察した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼は、重量%で、C:0.05以下(0は除外)、Si:0超過2%、Mn:0超過2%、S:0.01%以下、Cr:16~22%、Ni:9~15%、Mo:0超過3%、N:0.15~0.25%、B:0.004~0.06%を含み、残りがFe及び不可避な不純物からなり、BN析出相が10個/100x100μm2以上分布する。
【0014】
本明細書が本実施例のすべての要素を説明するものではなく、本発明が属する技術分野において一般的な内容又は実施例間で重複する内容は省略する。
また、任意の部分がある構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
単数の表現は、文脈上明白に例外がない限り、複数の表現を含む。
【0015】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0016】
以下の実施例は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者に本発明の思想を十分に伝達するために提示するものである。本発明は、ここで提示した実施例によって限定されず、他の形態に具体化されることもできる。
【0017】
本発明では、耐食性の劣化をもたらすMnSの形成を排除してMnS析出相が形成されないようにした。また、MnSを代替して切削性を向上させ得るようにBN化合物を導入しようとした。
【0018】
ただし、適正レベルを超過してBを添加すれば板材を生産するための熱間圧延中に破断が発生する問題が発生するので、本発明の発明者らは、多様な実験を通じて熱間圧延時に破断を抑制しながら切削性の改善に有効なレベルのBNの形成のための最適化されたB、N及びその外の他の元素の含量を発見した。
【0019】
本発明の耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼は、重量%で、C:0.05以下(0は除外)、Si:0超過2%、Mn:0超過2%、S:0.01%以下、Cr:16~22%、Ni:9~15%、Mo:0超過3%、N:0.15~0.25%、B:0.004~0.06%を含み、残りがFe及び不可避な不純物からなる。
【0020】
また、Cu:0超過1%をさらに含むことができる。
【0021】
以下、本発明の合金成分の元素含量の数値限定理由について説明する。以下では、特別な言及がない限り、単位は重量%である。
【0022】
Cの含量は、0超過0.05%である。
Cは、オーステナイトの形成元素であり、不可避な不純物として作用する元素である。Cの含量が0.05%を超過する場合、溶接部の耐食性を阻害し得るので、Cの含量を0.05%に制限する。
【0023】
Siの含量は、0超過2%である。
Siは、脱酸剤として添加し、耐食性を向上させ得る元素である。ただし、Siの含量が2%を超過する場合、靭性を阻害し得るので、Siの含量を2%以下に制限する。
【0024】
Mnの含量は、0超過2%である。
Mnは、オーステナイトの安定化元素である。ただし、Mnの含量が2%を超過する場合、耐食性を阻害し得るので、Mnの含量を2%以下に制限する。
【0025】
Sの含量は、0.01%以下である。
Sは、本発明で排除しようとするMnSの形成を防止するために含量を0.01%以下に制限する。
【0026】
Crの含量は、16~22%である。
Crは、オーステナイト系ステンレス鋼の耐食性を向上させる元素である。Crの含量が16%未満である場合、上述した効果を示しにくく、Crの含量が22%を超過する場合、原料費の上昇と靭性の阻害をもたらし得る。したがって、本発明では、Crの含量を16~22%に制限する。
【0027】
Niの含量は、9~15%である。
Niは、オーステナイトの安定化元素である。Niの含量が9%未満である場合、上述した効果を示しにくく、Niの含量が15%を超過する場合、原料費の上昇をもたらすので、本発明では、Niの含量を9~15%に制限する。
【0028】
Moの含量は、0超過3%である。
Moは、耐食性を向上させる元素である。ただし、Moの含量が3%を超過する場合、原料費の上昇をもたらす。したがって、本発明では、Moの含量を3%に制限する。
【0029】
Bの含量は、0.004~0.06%である。
Bは、BNを確保するために添加される元素である。Bの含量が0.004%未満である場合、本発明で目標とする十分なBNを形成させることができず、Bの含量が0.06%を超過する場合、熱間圧延時に破断をもたらす。したがって、本発明では、Bの含量を0.004~0.06%に制限する。
【0030】
Nの含量は、0.15~0.25%である。
Nは、BNを確保するために添加される元素である。Bの含量が0.15%未満である場合、十分なBNを形成させることができず、Bの含量が0.25%を超過する場合、鋼の靭性の阻害をもたらす。したがって、本発明では、Nの含量を0.15~0.25%に制限する。
【0031】
Cuの含量は、0超過1%である。
Cuは、耐食性を向上させる元素であって、本発明では、必要に応じて添加する。ただし、Cuの量が1%を超過する場合、熱間加工性が劣化し得るので、本発明では、Cuの含量を1%に制限する。
【0032】
合金組成外の残部は、Feである。本発明の耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼は、通常、鋼の工業的生産過程で含まれ得るその他の不純物を含むことができる。このような不純物は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者であれば、誰でも分かる内容であるので、本発明で特別にその種類と含量を制限しない。
【0033】
本発明によるオーステナイト系ステンレス鋼は、任意の断面で長軸のサイズが1μm以上であるMnS析出相が10個/100x100μm2以下で分布する。このとき、MnS析出相は、MnとSの和で50at.%以上を含むことができる。
【0034】
本発明では、耐食性の劣化をもたらすMnSの形成が抑制されるので、耐食性を確保することができ、本発明によるオーステナイト系ステンレス鋼の孔食電位は、300mV以上であってもよい。
【0035】
本発明によるオーステナイト系ステンレス鋼は、任意の断面でBN析出相が10個/100x100μm2以上分布する。このとき、BN析出相は、BとNの和で50at.%以上を含むことができる。本発明では、MnSをBNに代替することによって、耐食性の劣化を抑制しながらも切削性を確保することができる。
【0036】
次に、本発明の耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法に対して説明する。
【0037】
本発明による耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼は、多様な方法で製造され得、その製造方法は、特に制限されない。ただし、一実施例として次のような方法によって製造され得る。
【0038】
例えば、重量%で、C:0.05以下(0は除外)、Si:0超過2%、Mn:0超過2%、S:0.01%以下、Cr:16~22%、Ni:9~15%、Mo:0超過3%、N:0.15~0.25%、B:0.004~0.06%を含み、残りがFe及び不可避な不純物からなる鋼片を1,150~1,250℃で1時間30分以上加熱する段階、加熱された鋼片を熱間圧延する段階、及び圧延された圧延材を1,100~1,250℃で30秒以上維持する段階を含む。
【0039】
このとき、加熱する段階は、できるだけ多くのBNを形成させるための工程であって、1,150~1,250℃で1時間30分以上行われ得る。
【0040】
また、熱間圧延は、厚さ8mmまで行われ得るが、その厚さは、用途に応じて変わることができるので、これに限定しない。
【0041】
また、熱間圧延後に維持する段階は、BNを再び形成するための工程であって、1,100~1,250℃で30秒以上行われ得る。
【0042】
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。しかし、このような実施例の記載は、本発明の実施を例示するためのものに過ぎず、このような実施例の記載によって本明が制限されるものではない。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に記載した事項とそれから合理的に類推される事項によって決定されるものであるからである。
【0043】
実施例
【0044】
下記表1の合金組成を満足する合金を溶解鋳造し、オーステナイトステンレス鋼の鋳片を1,200℃で1時間30分間加熱した。その後、加熱された鋳片を厚さ8mmとなるように熱間圧延した。その後、BN析出相を形成するように熱延材を1,150℃の温度で30秒以上維持して、熱延材試験片を得た。
【0045】
【0046】
実施例1~10と比較例1~6の熱延材試験片に対して熱間圧延後に破断の発生有無を観察し、破断が発生した場合を○、発生しない場合をXとして下記表2に示した。
【0047】
【0048】
表2に示すとおり、本発明の合金組成を満足する実施例1~10は、熱間圧延中に破断が発生しなかった。しかし、比較例2は、Bの含量は満足したが、Nの含量が本発明で提案する下限に及ばず、熱間圧延中に破断が発生した。
図1の(a)及び
図1の(b)は、それぞれ実施例7及び比較例2の熱間圧延後の外観を示した写真である。
図1の(a)を参照すると、本発明による実施例2は、鋼板の外観が破断なしに良好であることが確認できる。一方、
図1の(b)を参照すると、比較例2は、Bの含量は満足したが、Nの含量が本発明で提案する下限に及ばず、熱間圧延中に破断が発生したことが確認できる。
【0049】
比較例3もBの含量は満足したが、Nの含量が本発明で提案する下限に及ばず、熱間圧延中に破断が発生した。
【0050】
引き続き、熱間圧延中に破断が発生しない比較例1及び4~6,実施例1~10の熱延材試験片に対してBN及びMnS析出物を観察し、耐食性及び切削性を評価して下記表3に示した。
【0051】
BN及びMnS析出物は、板材の任意の切断面を鏡面研磨した後、100x100μm2当たり1μm以上のMnS析出物の個数及び100x100μm2当たりBN析出物の個数をエネルギー分散型分光器(Energy Dispersive Spectrometer、EDS)が付着された走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)を通じて観察し、その個数を示した。
【0052】
耐食性は、孔食電位により評価した。孔食電位は、3.5wt% NaClを含有した水溶液に熱延材試験片を入れて電極を連結した後、電圧を印加して自然電位から徐徐に電圧を上昇させたとき、電流が0.1mAに到逹する時点での電圧を測定して示した。
【0053】
切削性は、エンドミルを用いて切削するとき、切込み深さ2mm、切込み厚さ5mm、エンドミルの回転速度2,000rpmの条件で切削負荷トルクを測定して評価した。ただし、切削環境は変化し得るので、比較例1のトルクを基準(100%)として示した。
【0054】
【0055】
表2及び表3を参照すると、本発明の合金組成を満足する実施例1~10は、MnS析出物を形成しないので孔食電位が300mV以上と耐食性が良好であり、BN析出物が100x100μm
2当たり11個以上と切削負荷も比較例1より低くなり切削性も確保したことが確認できる。
図2の(a)及び
図2の(b)は、それぞれ実施例7及び比較例1のステンレス鋼の断面をSEMで観察した写真である。
図2の(a)を参照すると、本発明による実施例7は、本発明で具現しようとするBNが多量形成されたことが確認できる。一方、
図2の(b)を参照すると、比較例1は、BNを形成し得る条件が形成されず、BNが形成されなかったことが確認できる。一部観察される黒色領域は、BNではなく酸化物と判断される。
【0056】
一方、比較例1は、MnSが形成されず、孔食電位が550mVであって、耐食性は良好であったが、Bが添加されないためBNが形成されず、切削負荷が実施例に比べて劣位した。
【0057】
比較例4は、MnSが形成されて切削負荷は低かったが、Nの含量が本発明で提案する下限値に及ばず、十分なBNが形成されず、耐食性が劣位した。
【0058】
比較例5は、MnSが形成されて切削負荷は低かったが、B及びNの含量が本発明で提案する下限値に及ばず、十分なBNが形成されず、耐食性が劣位した。
【0059】
比較例6は、MnSが形成されず、孔食電位が1000mVであって、耐食性は良好であったが、Bの含量が本発明で提案する下限値に及ばず、切削負荷が劣位した。
【0060】
本発明はこれに限定されず、該当技術分野において通常の知識を有した者であれば、次に記載する特許請求の範囲の概念と範囲を脱しない範囲内で多様に変更及び変形が可能であることを理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明によると、耐食性と切削性が向上したオーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法を提供することができる。