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特許7607791位置管理システム、無線端末、位置管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】位置管理システム、無線端末、位置管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20241220BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023555951
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 JP2021039645
(87)【国際公開番号】W WO2023073830
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 丈瑠
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-060632(JP,A)
【文献】特開2021-117903(JP,A)
【文献】特開平09-048565(JP,A)
【文献】特開2007-102392(JP,A)
【文献】特開2017-050000(JP,A)
【文献】国際公開第2005/086375(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末と、建物内に設置される設備機器とを備え、
前記無線端末は、
ディスプレイと、
前記無線端末を使用するユーザのユーザ識別情報を記憶する記憶手段と、
前記設備機器と無線通信する通信手段と、
前記設備機器との無線通信に基づいて前記無線端末の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
前記ユーザ識別情報と、前記無線端末の位置情報とを含む人位置情報を前記設備機器に送信する人位置情報送信手段と、
前記設備機器から各ユーザの人位置情報を取得する人位置情報取得手段と、
前記取得された各ユーザの人位置情報に基づいて、各ユーザが前記建物内に居るか否かを判定する在否判定手段と、
前記建物内に居るユーザの位置を当該ユーザを識別できる態様で前記ディスプレイに表示する情報表示手段と、を備え、
前記設備機器は、
前記無線端末と無線通信する通信手段と、
前記無線端末から受信した前記人位置情報を記憶する記憶手段と、を備える、位置管理システム。
【請求項2】
前記無線端末は、
ユーザから、前記建物内に居るユーザのうちの所望のユーザの指定と、目標位置情報の指定とを受け付ける目標位置情報受付手段と、
前記指定されたユーザのユーザ識別情報と、前記指定された目標位置情報とを含むユーザ通知情報を前記設備機器に送信するユーザ通知情報送信手段と、をさらに備え、
記設備機器の記憶手段は、前記無線端末から受信した前記ユーザ通知情報をさらに記憶する、請求項に記載の位置管理システム。
【請求項3】
前記無線端末は、
記設備機器から前記無線端末のユーザ宛のユーザ通知情報を取得し、
前記情報表示手段は、前記取得されたユーザ通知情報を予め定めた態様で前記ディスプレイに表示する、請求項に記載の位置管理システム。
【請求項4】
前記無線端末において
各ユーザの人位置情報の履歴に基づいて、前記建物内におけるユーザ同士の接触を検出する接触検出手段をさらに備え、
前記情報表示手段は、前記接触検出手段の検出結果に基づく情報を予め定めた態様で前記ディスプレイに表示する、請求項からのいずれか1項に記載の位置管理システム。
【請求項5】
前記無線端末において
各ユーザの人位置情報の履歴に基づいて、指定時刻又は指定時間帯における前記建物内の指定エリアの人数を取得するエリア人数取得手段をさらに備え、
前記情報表示手段は、前記エリア人数取得手段の取得結果に基づく情報を予め定めた態様で前記ディスプレイに表示する、請求項からのいずれか1項に記載の位置管理システム。
【請求項6】
無線端末であって、
ディスプレイと、
前記無線端末を使用するユーザのユーザ識別情報を記憶する記憶手段と、
設備機器と無線通信する通信手段と、
前記設備機器との無線通信に基づいて前記無線端末の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
前記ユーザ識別情報と、前記無線端末の位置情報とを含む人位置情報を前記設備機器に送信する人位置情報送信手段と、
前記設備機器から各ユーザの人位置情報を取得する人位置情報取得手段と、
前記取得された各ユーザの人位置情報に基づいて、各ユーザが建物内に居るか否かを判定する在否判定手段と、
前記建物内に居るユーザの位置を当該ユーザを識別できる態様で前記ディスプレイに表示する情報表示手段と、を備える、無線端末。
【請求項7】
無線端末が、
設備機器との無線通信に基づいて前記無線端末の位置情報を検出し、
前記無線端末を使用するユーザのユーザ識別情報と、前記無線端末の位置情報とを含む人位置情報を前記設備機器に送信し、
前記設備機器が、前記無線端末から受信した前記人位置情報を前記設備機器が備える記憶手段に保存し、
前記無線端末が、
前記設備機器から各ユーザの人位置情報を取得し、
前記取得した各ユーザの人位置情報に基づいて、各ユーザが建物内に居るか否かを判定し、
前記建物内に居るユーザの位置を当該ユーザを識別できる態様でディスプレイに表示する、位置管理方法。
【請求項8】
ディスプレイと、ユーザのユーザ識別情報を記憶する記憶手段と、設備機器と無線通信する通信手段とを備える無線端末を、
前記設備機器との無線通信に基づいて前記無線端末の位置情報を検出する位置情報検出手段、
前記ユーザ識別情報と、前記無線端末の位置情報とを含む人位置情報を前記設備機器に送信する人位置情報送信手段、
前記設備機器から各ユーザの人位置情報を取得する人位置情報取得手段、
前記取得された各ユーザの人位置情報に基づいて、各ユーザが建物内に居るか否かを判定する在否判定手段、
前記建物内に居るユーザの位置を当該ユーザを識別できる態様で前記ディスプレイに表示する情報表示手段、として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置管理システム、無線端末、位置管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内に居る人の位置を管理する技術に関し、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、社員によって携帯される携帯端末と、会社内の各拠点に点在させるように複数配置される無線サーバと、メインサーバと、各社員が利用する複数のクライアントコンピュータ(以下「クライアント」という。)とを備える所在管理システムが記載されている。
【0003】
この所在管理システムにおいて、各無線サーバは、通信範囲内に社員が持つ携帯端末が入った場合に当該携帯端末と通信し、当該携帯端末から当該携帯端末とその使用者とを特定する情報を取得し、取得した情報と当該無線サーバを特定する情報とを含む情報をメインサーバに送信する。
【0004】
メインサーバは、社員の氏名、所属等が記憶された従業員テーブルと、無線サーバの設置場所が記憶された無線サーバテーブルと、社員の所在情報が記憶された位置情報テーブルを備え、無線サーバから上記の情報を受信すると、受信した情報に基づいて当該社員の所在情報を更新する。社員は、クライアントを操作してメインサーバにアクセスして、所望の社員の所在情報を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-219453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の所在管理システムでは、構内の複数の場所に当該システム専用の無線サーバを配置する必要がある。このように、人の位置を管理する従来のシステムにおいては、人の位置を検出するために複数の専用の機器を設置する必要があり、導入コスト及びエンジニアリングコストが嵩んでしまうという課題がある。
【0007】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、建物内における人の位置の管理を低コストで実現できる位置管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示に係る位置管理システムは、
無線端末と、建物内に設置される設備機器とを備え、
前記無線端末は、
ディスプレイと、
前記無線端末を使用するユーザのユーザ識別情報を記憶する記憶手段と、
前記設備機器と無線通信する通信手段と、
前記設備機器との無線通信に基づいて前記無線端末の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
前記ユーザ識別情報と、前記無線端末の位置情報とを含む人位置情報を前記設備機器に送信する人位置情報送信手段と、
前記設備機器から各ユーザの人位置情報を取得する人位置情報取得手段と、
前記取得された各ユーザの人位置情報に基づいて、各ユーザが前記建物内に居るか否かを判定する在否判定手段と、
前記建物内に居るユーザの位置を当該ユーザを識別できる態様で前記ディスプレイに表示する情報表示手段と、を備え、
記設備機器は、
前記無線端末と無線通信する通信手段と、
前記無線端末から受信した前記人位置情報を記憶する記憶手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、建物内における人の位置の管理を低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1における位置管理システムの全体構成を示す図
図2】実施の形態1における無線端末のハードウェア構成を示すブロック図
図3】実施の形態1における設備機器のハードウェア構成を示すブロック図
図4】実施の形態1における無線端末及び設備機器の機能構成を示すブロック図
図5】実施の形態1における無線端末が実行する人位置情報送信処理の手順を示すフローチャート
図6】実施の形態1における無線端末が実行するユーザ位置表示処理の手順を示すフローチャート
図7】実施の形態1における無線端末が実行するユーザ通知表示処理の手順を示すフローチャート
図8】実施の形態2における位置管理システムの全体構成を示す図
図9】実施の形態2における無線端末及び設備機器の機能構成を示すブロック図
図10】実施の形態2における無線端末が実行する接触情報表示処理の手順を示すフローチャート
図11】実施の形態2における無線端末が実行するエリア人数表示処理の手順を示すフローチャート
図12】実施の形態3における位置管理システムの全体構成を示す図
図13】実施の形態3における無線端末のハードウェア構成を示すブロック図
図14】実施の形態3におけるサーバのハードウェア構成を示すブロック図
図15】実施の形態3における無線端末、設備機器及びサーバの機能構成を示すブロック図
図16】実施の形態3における無線端末が実行する人位置情報送信処理の手順を示すフローチャート
図17】実施の形態3における無線端末が実行するユーザ位置表示処理の手順を示すフローチャート
図18】実施の形態3における無線端末が実行するユーザ通知表示処理の手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における位置管理システム1の全体構成を示す図である。位置管理システム1は、本開示に係る位置管理システムの一例であり、オフィスビル、工場、宿泊施設、商業施設、公共施設等の建物Bを利用するユーザの建物B内における位置を管理するためのシステムである。図1に示すように、位置管理システム1は、各ユーザによって携帯される無線端末2と、少なくとも3台以上の設備機器3とを備える。
【0013】
<無線端末2>
無線端末2は、本開示に係る無線端末の一例である。無線端末2は、建物Bの利用者であるユーザによって所持されるスマートフォン、タブレット端末等の携帯可能な電子機器である。図2に示すように、無線端末2は、ハードウェア構成として、制御回路20と、通信インタフェース21と、ディスプレイ22と、操作受付部23と、補助記憶装置24とを備える。
【0014】
制御回路20は、無線端末2を統括的に制御する。制御回路20は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。制御回路20によって実現される無線端末2の機能の詳細については後述する。
【0015】
通信インタフェース21は、本開示に係る無線端末が備える通信手段の一例である。通信インタフェース21は、アドホック通信により設備機器3と無線通信するためのインタフェースであり、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信を行うためのインタフェースである。
【0016】
ディスプレイ22は、本開示に係る無線端末が備えるディスプレイの一例である。ディスプレイ22は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを含んで構成される。ディスプレイ22は、制御回路20の制御の下、各種の画面等を表示する。操作受付部23は、押しボタン、タッチパネル、タッチパッド等の1つ以上の入力デバイスを含んで構成され、ユーザからの操作入力を受け付け、受け付けた操作に係る信号を制御回路20に出力する。
【0017】
補助記憶装置24は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等を含んで構成される。補助記憶装置24には、位置管理システム1によって提供される位置管理サービスを利用するためのアプリケーションプログラム(以下「位置管理アプリ」という。)を含む各種のプログラムと、これらのプログラムの実行時に使用されるデータとが記憶される。
【0018】
無線端末2は、上記の位置管理アプリ又は位置管理アプリを更新するための更新プログラムを設備機器3のメーカ、販売会社等によって運用されるサーバ、その他のプログラム配布サーバ等から通信によって取得することが可能である。また、これらのプログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、光磁気ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。無線端末2は、そのような記録媒体が自身に直接又は間接的に装着された場合、当該記録媒体から位置管理アプリ又は更新プログラムを読み出して取得してもよい。
【0019】
<設備機器3>
設備機器3は、本開示に係る設備機器の一例である。設備機器3は、例えば、空気調和装置の室内機、照明装置等であり、建物Bに3台以上設置される。図3に示すように、設備機器3は、ハードウェア構成として、制御回路30と、通信インタフェース31と、補助記憶装置32とを備える。なお、このほかにも、設備機器3は、当該設備機器3の本来的な機能(例えば、室内機の場合は、空調するための機能、照明装置の場合は、照明するための機能)を実現するためのハードウェアが含まれるものとする。
【0020】
制御回路30は、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)を含んで構成され、無線端末2との間のデータ授受を制御する。制御回路30によって実現される設備機器3の機能の詳細については後述する。
【0021】
通信インタフェース31は、本開示に係る設備機器が備える通信手段の一例である。通信インタフェース31は、アドホック通信により無線端末2と無線通信するためのインタフェースであり、例えば、BLE通信を行うためのインタフェースである。
【0022】
補助記憶装置32は、EEPROM、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等を含んで構成される。補助記憶装置32には、無線端末2との間で情報の授受を行うためのプログラムである情報授受プログラムと、情報授受プログラムの実行時に使用されるデータとが記憶される。
【0023】
設備機器3は、上記の情報授受プログラム又は情報授受プログラムを更新するための更新プログラムを設備機器3のメーカ、販売会社等によって運用されるサーバ、その他の機器から通信によって取得することが可能である。また、これらのプログラムは、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、USBメモリ、HDD、SSD、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。設備機器3は、そのような記録媒体が自身に直接又は間接的に装着された場合、当該記録媒体から情報授受プログラム又は更新プログラムを読み出して取得してもよい。
【0024】
<無線端末2及び設備機器3の機能構成>
図4は、無線端末2及び設備機器3の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、無線端末2は、無線信号受信部200と、位置情報検出部201と、人位置情報送信部202と、人位置情報取得部203と、在否判定部204と、情報表示部205と、目標位置情報受付部206と、ユーザ通知情報送信部207と、ユーザ通知情報取得部208とを備える。これらの機能部は、制御回路20が補助記憶装置24に記憶されている上述した位置管理アプリを実行することで実現される。
【0025】
設備機器3は、無線信号発信部300と、人位置情報格納部301と、人位置情報送信部302と、ユーザ通知情報格納部303と、ユーザ通知情報送信部304とを備える。これらの機能部は、制御回路30が補助記憶装置32に記憶されている上述した情報授受プログラムを実行することで実現される。
【0026】
設備機器3において、無線信号発信部300は、情報記憶部320に記憶されている当該設備機器3の設置位置を示す設置位置情報(例えば、建物B内におけるxy座標)を読み出し、読み出した設置位置情報が含まれた無線信号を通信インタフェース31を介して周期的に発信する。情報記憶部320は、本開示に係る設備機器が備える記憶手段の一例であり、補助記憶装置32によって提供されるメモリ領域である。
【0027】
無線端末2において、無線信号受信部200は、各設備機器3から発信される上記の無線信号を受信するとともに、当該無線信号を受信した際の電波強度(電界強度ともいう。)を計測して取得する。本実施の形態では、無線信号受信部200は、電波強度として各設備機器3から受信した無線信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)を計測する。
【0028】
位置情報検出部201は、本開示に係る位置情報検出手段の一例である。位置情報検出部201は、当該無線端末2の現在の位置を示す位置情報を検出する。詳細には、位置情報検出部201は、無線信号受信部200によって受信された無線信号に含まれる設置位置情報を抽出して取得し、取得した設置位置情報と、無線信号受信部200によって取得された当該無線信号の電波強度とを対応付けて制御回路20のRAMに保存する。そして、位置情報検出部201は、3台以上の設備機器3の設置位置情報及び電波強度のセットに基づいて、三角測量(三点測量ともいう。)の原理により自身(すなわち当該無線端末2)の位置情報(例えば、建物B内におけるxy座標)を検出する。
【0029】
人位置情報送信部202は、本開示に係る人位置情報送信手段の一例である。人位置情報送信部202は、情報記憶部240から当該無線端末2を使用するユーザのID(identification)であるユーザIDを読み出し、読み出したユーザIDと、位置情報検出部201によって検出された位置情報と、現在時刻を示す時刻情報とを含む人位置情報を通信インタフェース21を介して各設備機器3に送信する。情報記憶部240は、本開示に係る無線端末が備える記憶手段の一例であり、補助記憶装置24によって提供されるメモリ領域である。ユーザIDは、本開示に係るユーザ識別情報の一例である。人位置情報送信部202は、無線信号の送信先の各設備機器3に対して人位置情報をユニキャスト送信してもよいし、設備機器3を指定することなく人位置情報をブロードキャスト送信してもよい。
【0030】
設備機器3の人位置情報格納部301は、無線端末2から送られてきた人位置情報を通信インタフェース31を介して受信し、受信した人位置情報を情報記憶部320に格納する。
【0031】
無線端末2の人位置情報取得部203は、本開示に係る人位置情報取得手段の一例である。人位置情報取得部203は、周期的に(例えば1分毎に)各設備機器3から各ユーザの人位置情報を取得する。詳細には、人位置情報取得部203は、人位置情報を要求する通知(以下「人位置情報要求通知」という。)を通信インタフェース21を介して各設備機器3にユニキャスト送信又はブロードキャスト送信する。各設備機器3の人位置情報送信部302は、かかる人位置情報要求通知を通信インタフェース31を介して受信すると、情報記憶部320に保存されているユーザID毎の人位置情報を当該人位置情報要求通知の送信元の無線端末2に送信する。
【0032】
人位置情報取得部203は、各設備機器3から送られてきたユーザID毎の人位置情報を通信インタフェース21を介して受信して取得し、取得したユーザID毎の人位置情報を情報記憶部240に格納する。その際、人位置情報取得部203は、ユーザID毎に最新の人位置情報(すなわち、時刻情報が最も新しい人位置情報)が情報記憶部240に保存されるようにするとともに、同一内容の人位置情報(すなわち、ユーザID、位置情報及び時刻情報が全て一致する人位置情報)が情報記憶部240に重複保存されないようにする。
【0033】
在否判定部204は、本開示に係る在否判定手段の一例である。在否判定部204は、各ユーザが建物B内に居るか否かを判定する。詳細には、在否判定部204は、情報記憶部240に保存されている各ユーザの人位置情報を読み出し、各人位置情報に含まれる時刻情報が示す時刻と、現在時刻とを比較し、その差が予め定めた時間(例えば2分)以内である場合、当該ユーザが建物B内に居ると判定し、時刻情報が示す時刻と現在時刻との差が当該時間を超える場合、当該ユーザが建物B内に居ないと判定する。
【0034】
情報表示部205は、本開示に係る情報表示手段の一例である。情報表示部205は、建物B内に居るユーザの位置を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。例えば、情報表示部205は、建物Bのフロアマップを表示するとともに、当該ユーザに対応する人位置情報に基づいて、当該フロアマップ上に当該ユーザを示すアイコン(例えば、当該ユーザの氏名、名字、略称等のユーザ名称が表記されたアイコン)をマッピングして表示する。あるいは、情報表示部205は、当該ユーザ名称と、当該ユーザが居る位置に対応する場所名(例えば、会議室A、作業室A等)とを対応付けたリストをディスプレイ22に表示する。
【0035】
無線端末2は、建物Bのフロアマップに関するデータと、ユーザIDとユーザ名称とを対応付けたデータとを他の機器から通信によって取得し、あるいは、自身に直接又は間接的に装着された記憶媒体からこれらのデータを読み出して取得し、予め情報記憶部240に記憶しているものとする。
【0036】
情報表示部205は、建物B内に居ないユーザについては、当該ユーザが不在であることをディスプレイ22に表示する。
【0037】
目標位置情報受付部206は、本開示に係る目標位置情報受付手段の一例である。目標位置情報受付部206は、ユーザから、建物B内に居る他のユーザのうちの所望のユーザの指定と、目標位置情報の指定とを受け付ける。例えば、目標位置情報受付部206は、情報表示部205によってディスプレイ22に表示された、建物B内に居るユーザの位置を示す情報(例えば、上記のアイコン、リスト表示における各ユーザに対応する項目等)をユーザに選択させることで所望のユーザの指定を受け付けるようにしてもよい。また、目標位置情報受付部206は、ディスプレイ22に例えばリストボックスにより場所名のリストを表示し、所望の場所名をユーザに選択させることで目標位置情報の指定を受け付けるようにしてもよいし、表示したフロアマップ上の位置をユーザにタップ操作させることで目標位置情報の指定を受け付けるようにしてもよい。
【0038】
あるいは、目標位置情報受付部206は、ユーザ名称を入力するためのフィールドと、目標位置情報を入力するためのフィールドとが設けられた画面をディスプレイ22に表示し、ユーザが所望のユーザ名称及び目標位置情報をテキスト入力することで、所望のユーザ及び目標位置情報の指定を受け付けるようにしてもよい。この場合、ユーザは、目標位置情報として、座標を入力してもよいし、場所名を入力してもよい。
【0039】
ユーザ通知情報送信部207は、本開示に係るユーザ通知情報送信手段の一例である。ユーザ通知情報送信部207は、目標位置情報受付部206によって、ユーザから所望のユーザ及び目標位置情報の指定が受け付けられると、指定された他のユーザのユーザID(以下「通知先ユーザID」という。)と、目標位置情報と、当該無線端末2のユーザ、すなわち、当該指定を行ったユーザのユーザID(以下「通知元ユーザID」という。)と、時刻情報とが含まれたユーザ通知情報を通信インタフェース21を介して各設備機器3にユニキャスト送信又はブロードキャスト送信する。なお、複数のユーザが指定された場合、ユーザ通知情報送信部207は、一のユーザ通知情報に、当該指定された各ユーザのユーザIDを通知先ユーザIDとして含めるようにしてもよいし、指定された各ユーザに対応する複数のユーザ通知情報を各設備機器3に送信してもよい。
【0040】
設備機器3のユーザ通知情報格納部303は、無線端末2から送られてきたユーザ通知情報を通信インタフェース31を介して受信し、受信したユーザ通知情報を情報記憶部320に格納する。
【0041】
無線端末2のユーザ通知情報取得部208は、周期的に(例えば1分毎に)各設備機器3から当該無線端末2のユーザ宛のユーザ通知情報を取得する。詳細には、ユーザ通知情報取得部208は、ユーザ通知情報を要求する通知(以下「ユーザ通知情報要求通知」という。)を各設備機器3に通信インタフェース21を介してユニキャスト送信又はブロードキャスト送信する。かかるユーザ通知情報要求通知には、当該無線端末2を使用するユーザのユーザIDが含まれている。各設備機器3のユーザ通知情報送信部304は、無線端末2からユーザ通知情報要求通知を通信インタフェース31を介して受信すると、情報記憶部320に保存されている全てのユーザ通知情報のうち、通知先ユーザIDが当該ユーザ通知情報要求通知に含まれるユーザIDと一致するユーザ通知情報を検索する。
【0042】
該当するユーザ通知情報が存在する場合、ユーザ通知情報送信部304は、当該ユーザ通知情報を当該ユーザ通知情報要求通知の送信元の無線端末2に通信インタフェース31を介して送信する。その際、ユーザ通知情報送信部304は、情報記憶部320から当該ユーザ通知情報を削除する。一方、該当するユーザ通知情報が存在しない場合、ユーザ通知情報送信部304は、当該ユーザ通知情報要求通知の送信元の無線端末2に対して応答しない。なお、この場合、ユーザ通知情報送信部304は、該当するユーザ通知情報が存在しない旨の応答情報を当該ユーザ通知情報要求通知の送信元の無線端末2に通信インタフェース31を介して送信してもよい。
【0043】
ユーザ通知情報取得部208は、いずれかの設備機器3からユーザ通知情報が送信された場合、これを通信インタフェース21を介して受信して取得し、取得したユーザ通知情報を情報表示部205に供給する。なお、その後に同一内容のユーザ通知情報を受信した場合、ユーザ通知情報取得部208は、当該ユーザ通知情報を破棄する。
【0044】
情報表示部205は、ユーザ通知情報取得部208によって取得されたユーザ通知情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。例えば、情報表示部205は、“10時50分、山田さんより、会議室Aへ集合するように指示がありました”等、通知元ユーザIDのユーザから、目標位置情報で示される場所への集合の指示があった旨をディスプレイ22に表示する。
【0045】
図5は、無線端末2によって実行される人位置情報送信処理の手順を示すフローチャートである。無線端末2は、ユーザの操作によって位置管理アプリが起動されると、人位置情報送信処理を周期的に(例えば1分毎に)繰り返し実行する。
【0046】
(ステップS100)
無線端末2は、各設備機器3から発信された無線信号を受信するとともに、当該無線信号を受信した際の電波強度を計測して取得する。その後、無線端末2の処理は、ステップS101に遷移する。
【0047】
(ステップS101)
無線端末2は、受信した無線信号に含まれる、当該設備機器3の設置位置情報を抽出して取得する。その後、無線端末2の処理は、ステップS102に遷移する。
【0048】
(ステップS102)
無線端末2は、3台以上の設備機器3から取得した電波強度及び設置位置情報に基づいて自身の位置、すなわち、当該無線端末2の位置を示す位置情報を検出する。その後、無線端末2の処理は、ステップS103に遷移する。
【0049】
(ステップS103)
無線端末2は、自身を使用するユーザのユーザID、すなわち、情報記憶部240から読み出したユーザIDと、検出した位置情報と、時刻情報とを含む人位置情報を各設備機器3に送信し、本周期での人位置情報送信処理を終了する。各設備機器3は、無線端末2から送られてきた人位置情報を受信すると、受信した人位置情報を情報記憶部320に格納する。
【0050】
図6は、無線端末2によって実行されるユーザ位置表示処理の手順を示すフローチャートである。無線端末2は、各ユーザの位置の表示を要求する操作がユーザによって行われるとユーザ位置表示処理を実行する。
【0051】
(ステップS200)
無線端末2は、情報記憶部240に保存されているユーザ毎の最新の人位置情報を順次読み出す。その後、無線端末2の処理は、ステップS201に遷移する。
【0052】
(ステップS201)
無線端末2は、読み出した最新の人位置情報に基づいて、当該ユーザが建物B内に居るか否かを判定する。当該ユーザが建物B内に居る場合(ステップS201;YES)、無線端末2の処理は、ステップS202に遷移する。一方、当該ユーザが建物B内に居ない場合(ステップS201;NO)、無線端末2の処理は、ステップS203に遷移する。
【0053】
(ステップS202)
無線端末2は、当該ユーザの位置を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。その後、無線端末2の処理は、ステップS204に遷移する。
【0054】
(ステップS203)
無線端末2は、当該ユーザが不在であることをディスプレイ22に表示する。その後、無線端末2の処理は、ステップS204に遷移する。
【0055】
(ステップS204)
無線端末2は、情報記憶部240に保存されているユーザ毎の最新の人位置情報を全て読み出したか否かを判定する。人位置情報を全て読み出した場合(ステップS204;YES)、無線端末2の処理は、ステップS205に遷移する。一方、人位置情報を全て読み出していない場合(ステップS204;NO)、無線端末2の処理は、ステップS200に戻る。
【0056】
(ステップS205)
無線端末2は、ユーザによって目標位置情報が指定されたか否かを判定する。ユーザによって目標位置情報が指定された場合(ステップS205;YES)、すなわち、ユーザから、建物B内に居る他のユーザのうちの所望のユーザの指定と、目標位置情報の指定とを受け付けた場合、無線端末2の処理は、ステップS206に遷移する。一方、ユーザによって目標位置情報が指定されていない場合(ステップS205;NO)、無線端末2は、引き続き、ステップS205の処理を行う。
【0057】
(ステップS206)
無線端末2は、指定された他のユーザのユーザIDと、目標位置情報と、当該指定を行ったユーザのユーザIDと、時刻情報とが含まれたユーザ通知情報を各設備機器3に送信する。その後、無線端末2は、ユーザ位置表示処理を終了する。
【0058】
図7は、無線端末2によって実行されるユーザ通知表示処理の手順を示すフローチャートである。無線端末2は、ユーザの操作によって位置管理アプリが起動されると、ユーザ通知表示処理を周期的に(例えば1分毎に)繰り返し実行する。
【0059】
(ステップS300)
無線端末2は、各設備機器3に対して、当該無線端末2のユーザ宛のユーザ通知情報を要求するためのユーザ通知情報要求通知を送信する。その後、無線端末2の処理は、ステップS301に遷移する。
【0060】
(ステップS301)
無線端末2は、いずれかの設備機器3からユーザ通知情報を受信したか否かを判定する。いずれかの設備機器3からユーザ通知情報を受信した場合(ステップS301;YES)、無線端末2の処理は、ステップS302に遷移する。一方、いずれの設備機器3からもユーザ通知情報を受信していない場合(ステップS301;NO)、無線端末2の処理は、ステップS303に遷移する。
【0061】
(ステップS302)
無線端末2は、受信したユーザ通知情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示し、本周期でのユーザ通知表示処理を終了する。
【0062】
(ステップS303)
無線端末2は、受信タイムアウトか否か、すなわち、ユーザ通知情報要求通知を送信してから予め定めた受信タイムアウト時間が経過したか否かを判定する。受信タイムアウトでない場合(ステップS303;NO)、無線端末2の処理は、ステップS301に戻る。一方、受信タイムアウトの場合(ステップS303;YES)、無線端末2は、本周期でのユーザ通知表示処理を終了する。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態における位置管理システム1では、各ユーザが所持する無線端末2は、建物B内に設置されている室内機、照明装置等の各設備機器3との無線通信によって当該ユーザの位置情報を検出し、当該ユーザのユーザIDと、検出した位置情報とを含む人位置情報を各設備機器3に送信する。各設備機器3は、無線端末2から送信された人位置情報を情報記憶部320に格納する。これにより、各設備機器3の情報記憶部320には、各ユーザの人位置情報が保存される。このように、オフィスビル等の建物に一般的に設置されている設備機器を利用して人の位置を検出し、その情報を管理するため、建物B内における人の位置の管理を低コストで実現できる。
【0064】
また、無線端末2は、設備機器3から各ユーザの人位置情報を取得し、取得した各ユーザの人位置情報に基づいて、各ユーザが建物B内に居るか否かを判定する。そして、無線端末2は、建物B内に居るユーザについては、その位置を当該ユーザを識別できる態様でディスプレイ22に表示し、建物B内に居ないユーザについては、当該ユーザが不在であることをディスプレイ22に表示する。このため、建物B内における各ユーザの所在を容易に把握することが可能となる。これにより、例えば、フリーアドレスオフィスにおける各従業員の所在の把握、在宅勤務と出社勤務を併用するオフィスにおける各従業員の出社状況の把握等が容易となる。
【0065】
また、無線端末2は、ユーザから、建物B内に居る他のユーザのうちの所望のユーザの指定と、目標位置情報の指定とを受け付け、指定された他のユーザのユーザIDと、指定された目標位置情報とを含むユーザ通知情報を設備機器3に送信する。設備機器3は、無線端末2から送信されたユーザ通知情報を情報記憶部320に格納する。また、無線端末2は、設備機器3から当該無線端末2のユーザ宛のユーザ通知情報を取得し、取得したユーザ通知情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。このため、ユーザは、所望のユーザに対して、所望の場所への集合を容易に通知することが可能となる。
【0066】
(変形例1)
無線端末2は、各設備機器3の機器IDと、設置位置情報とを対応付けた情報を予め情報記憶部240に記憶していてもよい。この場合、各設備機器3の情報記憶部320には、設置位置情報に替えて機器IDが記憶され、各設備機器3は、機器IDが含まれた無線信号を周期的に発信する。
【0067】
(変形例2)
各設備機器3は、情報記憶部320に保存されているユーザID毎の人位置情報を周期的にブロードキャスト送信してもよい。この場合、無線端末2の人位置情報取得部203は、人位置情報要求通知を各設備機器3に送信する必要はない。
【0068】
(変形例3)
各設備機器3のユーザ通知情報送信部304は、無線端末2からユーザ通知情報要求通知を受信した場合、情報記憶部320に保存されている全てのユーザ通知情報を当該無線端末2に送信してもよい。その際、ユーザ通知情報送信部304は、情報記憶部320からユーザ通知情報を削除しない。この場合、当該無線端末2のユーザ通知情報取得部208は、設備機器3から受信したユーザ通知情報に含まれる通知先ユーザIDと、当該無線端末2を使用するユーザのユーザIDとを照合し、双方が一致する場合に、当該ユーザ通知情報を情報表示部205に供給すればよい。なお、本変形例では、設備機器3の情報記憶部320に保存されてるユーザ通知情報は、格納後、一定時間が経過したら削除されるものとする。
【0069】
(変形例4)
各設備機器3は、情報記憶部320に保存されている全てのユーザ通知情報を周期的にブロードキャスト送信してもよい。その際、各設備機器3は、情報記憶部320からユーザ通知情報を削除しない。この場合、無線端末2のユーザ通知情報取得部208は、ユーザ通知情報要求通知を各設備機器3に送信する必要はなく、設備機器3から受信したユーザ通知情報に含まれる通知先ユーザIDと、当該無線端末2を使用するユーザのユーザIDとを照合し、双方が一致する場合に、当該ユーザ通知情報を情報表示部205に供給すればよい。なお、本変形例では、設備機器3の情報記憶部320に保存されてるユーザ通知情報は、格納後、一定時間が経過したら削除されるものとする。
【0070】
(変形例5)
建物B内に設置されるセンサ、什器等の物品の位置を管理できるようにしてもよい。この場合、当該物品は、設備機器3と無線通信する通信機器を備える。当該通信機器は、各設備機器3との無線通信によって当該物品の位置情報を検出し、当該物品の識別情報と、検出した位置情報とを含む物品位置情報を各設備機器3に送信する。各設備機器3は、当該通信機器から送信された物品位置情報を情報記憶部320に格納する。なお、当該通信機器は、物品に着脱可能に装着されるようにしてもよい。
【0071】
(変形例6)
無線端末2の機能部(図4参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。また、設備機器3の機能部(図4参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。専用のハードウェアとは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はこれらの組み合わせである。
【0072】
上記の各変形例に係る技術思想は、それぞれ単独で実現されてもよいし、適宜組み合わされて実現されてもよい。
【0073】
(実施の形態2)
続いて、本開示の実施の形態2について説明する。なお、以下の説明において、実施の形態1と共通する構成要素等については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0074】
図8は、実施の形態2における位置管理システム1aの全体構成を示す図である。位置管理システム1aは、本開示に係る位置管理システムの一例であり、オフィスビル、工場、宿泊施設、商業施設、公共施設等の建物Bを利用するユーザの建物B内における位置を管理するためのシステムである。図8に示すように、位置管理システム1aは、各ユーザによって携帯される無線端末2aと、少なくとも3台以上の設備機器3aとを備える。
【0075】
<無線端末2a>
無線端末2aは、本開示に係る無線端末の一例である。無線端末2aは、建物Bの利用者であるユーザによって所持されるスマートフォン、タブレット端末等の携帯可能な電子機器である。無線端末2aのハードウェア構成は、実施の形態1の無線端末2と同様である(図2参照)。
【0076】
<設備機器3a>
設備機器3aは、本開示に係る設備機器の一例である。設備機器3aは、例えば、空気調和装置の室内機、照明装置等であり、建物Bに3台以上設置される。設備機器3aのハードウェア構成は、実施の形態1の設備機器3と同様である(図3参照)。
【0077】
<無線端末2a及び設備機器3aの機能構成>
図9は、無線端末2a及び設備機器3aの機能構成を示すブロック図である。図9に示すように、無線端末2aは、無線信号受信部200と、位置情報検出部201と、人位置情報送信部202と、人位置情報取得部203aと、在否判定部204と、情報表示部205aと、目標位置情報受付部206と、ユーザ通知情報送信部207と、ユーザ通知情報取得部208と、接触検出部209と、エリア人数取得部210とを備える。これらの機能部は、無線端末2aが備える制御回路20が、補助記憶装置24に記憶されている、位置管理システム1aによって提供される位置管理サービスを利用するためのアプリケーションプログラムである位置管理アプリを実行することで実現される。
【0078】
設備機器3aは、無線信号発信部300と、人位置情報格納部301aと、人位置情報送信部302aと、ユーザ通知情報格納部303と、ユーザ通知情報送信部304とを備える。これらの機能部は、設備機器3aが備える制御回路30が、補助記憶装置32に記憶されている、無線端末2aとの間で情報の授受を行うためのプログラムである情報授受プログラムを実行することで実現される。
【0079】
設備機器3aの人位置情報格納部301aは、実施の形態1の人位置情報格納部301と同様、無線端末2aから送られてきた人位置情報を通信インタフェース31を介して受信し、受信した人位置情報を情報記憶部320に格納する。ただし、人位置情報格納部301aは、ユーザID毎に最新の人位置情報を情報記憶部320に上書き保存するのではなく、受信した人位置情報を時系列で分別して情報記憶部320に格納する。つまり、情報記憶部320には、ユーザID毎に人位置情報の履歴が保存される。
【0080】
無線端末2aの人位置情報取得部203aは、周期的に(例えば1分毎に)各設備機器3aから各ユーザの人位置情報の履歴を取得する。詳細には、人位置情報取得部203aは、人位置情報を要求する通知(以下「人位置情報要求通知」という。)を通信インタフェース21を介して各設備機器3aにユニキャスト送信又はブロードキャスト送信する。各設備機器3aの人位置情報送信部302aは、かかる人位置情報要求通知を通信インタフェース31を介して受信すると、情報記憶部320に保存されているユーザID毎の人位置情報の履歴を当該人位置情報要求通知の送信元の無線端末2aに送信する。
【0081】
人位置情報取得部203aは、各設備機器3aから送られてきたユーザID毎の人位置情報の履歴を通信インタフェース21を介して受信して取得し、取得したユーザID毎の人位置情報の履歴を情報記憶部240に格納する。その際、人位置情報取得部203aは、同一内容の人位置情報(すなわち、ユーザID、位置情報及び時刻情報が同一の人位置情報)が情報記憶部240に重複保存されないようにする。
【0082】
接触検出部209は、本開示に係る接触検出手段の一例である。接触検出部209は、建物B内におけるユーザ同士の接触を検出する。詳細には、接触検出部209は、ユーザを特定しない不特定接触情報の表示を要求する操作がユーザによって行われると、情報記憶部240に保存されているユーザID毎の人位置情報の履歴に基づいて、ユーザ同士の接触があったか否かを判定し、判定した結果に応じた情報が含まれた不特定接触情報を情報表示部205aに供給する。接触検出部209は、ユーザ間の距離が予め定めた閾値より短い場合、当該ユーザ同士の接触があったと判定する。
【0083】
接触検出部209は、ユーザ同士の接触があったと判定した場合、当該時刻を示す時刻情報と、当該各ユーザのユーザIDと、接触した場所名とを含む不特定接触情報を情報表示部205aに供給する。一方、ユーザ同士の接触がなかったと判定した場合、接触検出部209は、その旨の情報を含む不特定接触情報を情報表示部205aに供給する。
【0084】
また、接触検出部209は、ユーザを特定した特定接触情報の表示を要求する操作がユーザによって行われると、情報記憶部240に保存されているユーザID毎の人位置情報の履歴に基づいて、当該特定されたユーザ(以下「特定ユーザ」という。)と他のユーザ同士の接触があったか否かを判定し、判定した結果に応じた情報が含まれた特定接触情報を情報表示部205aに供給する。詳細には、接触検出部209は、特定ユーザと他のユーザ同士の接触があったと判定した場合、当該時刻を示す時刻情報と、当該他のユーザのユーザIDと、接触した場所名とを含む特定接触情報を情報表示部205aに供給する。一方、特定ユーザと他のユーザ同士の接触がなかったと判定した場合、接触検出部209は、その旨の情報を含む特定接触情報を情報表示部205aに供給する。
【0085】
情報表示部205aは、本開示に係る情報表示手段の一例である。情報表示部205aは、実施の形態1の情報表示部205と同様、在否判定部204の判定結果に基づいて建物B内に居るユーザの位置を予め定めた態様でディスプレイ22に表示し、また、ユーザ通知情報取得部208によって取得されたユーザ通知情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。さらに、情報表示部205aは、接触検出部209の検出結果に基づく情報、すなわち、接触検出部209から供給された不特定接触情報又は特定接触情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。
【0086】
エリア人数取得部210は、本開示に係るエリア人数取得手段の一例である。エリア人数取得部210は、指定時刻又は指定時間帯における建物B内の指定エリア(例えば、指定場所、指定フロア、建物B全体等)の人数を取得する。詳細には、エリア人数取得部210は、時刻とエリアを指定したエリア人数の表示を要求する操作がユーザによって行われると、情報記憶部240に保存されているユーザID毎の人位置情報の履歴に基づいて、当該指定時刻における当該指定エリアの人数を取得し、当該時刻を示す時刻情報と、当該エリアを示す情報と、取得した人数を示す情報とを含む情報を情報表示部205aに供給する。
【0087】
また、エリア人数取得部210は、時間帯とエリアを指定したエリア人数の表示を要求する操作がユーザによって行われると、情報記憶部240に保存されているユーザID毎の人位置情報の履歴に基づいて、当該指定時間帯における当該指定エリアの最大人数、最小人数及び平均人数を取得し、当該時間帯を示す時間帯情報と、当該エリアを示す情報と、取得した各人数を示す情報とを含む情報を情報表示部205aに供給する。情報表示部205aは、エリア人数取得部210の取得結果に基づく情報、すなわち、エリア人数取得部210から供給された情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。
【0088】
図10は、無線端末2aによって実行される接触情報表示処理の手順を示すフローチャートである。無線端末2aは、不特定接触情報又は特定接触情報の表示を要求する操作がユーザによって行われると接触情報表示処理を実行する。
【0089】
(ステップS400)
無線端末2aは、対象となるユーザが不特定か否かを判定する。対象となるユーザが不特定、すなわち、対象となるユーザが特定されていない場合(ステップS400;YES)、無線端末2aの処理は、ステップS401に遷移する。一方、対象となるユーザが特定されている場合(ステップS400;NO)、無線端末2aの処理は、ステップS402に遷移する。
【0090】
(ステップS401)
無線端末2aは、情報記憶部240に保存されている各ユーザの人位置情報の履歴に基づいて、ユーザ同士の接触があったか否かを判定し、ユーザ同士の接触があったと判定した場合、当該接触に関する情報をディスプレイ22に表示する。例えば、無線端末2aは、接触時刻と、接触した各ユーザのユーザ名称と、接触があった場所名とを対応付けてディスプレイ22に表示する。その後、無線端末2aは、接触情報表示処理を終了する。
【0091】
(ステップS402)
無線端末2aは、情報記憶部240に保存されている各ユーザの人位置情報の履歴に基づいて、当該特定ユーザと他のユーザ同士の接触があったか否かを判定し、当該特定ユーザと他のユーザ同士の接触があったと判定した場合、当該接触に関する情報をディスプレイ22に表示する。例えば、無線端末2aは、接触時刻と、当該特定ユーザと接触した他のユーザのユーザ名称と、接触があった場所名とを対応付けてディスプレイ22に表示する。その後、無線端末2aは、接触情報表示処理を終了する。
【0092】
図11は、無線端末2aによって実行されるエリア人数表示処理の手順を示すフローチャートである。無線端末2aは、エリア人数の表示を要求する操作がユーザによって行われるとエリア人数表示処理を実行する。
【0093】
(ステップS500)
無線端末2aは、時刻指定か否か、すなわち、ユーザによって時刻が指定されたか否かを判定する。時刻指定の場合(ステップS500;YES)、無線端末2aの処理は、ステップS501に遷移する。一方、時刻指定でない場合(ステップS500;NO)、すなわち、時間帯指定の場合、無線端末2aの処理は、ステップS502に遷移する。
【0094】
(ステップS501)
無線端末2aは、情報記憶部240に保存されている各ユーザの人位置情報の履歴に基づいて、当該指定時刻における当該指定エリアの人数を取得し、取得した人数を示す情報をディスプレイ22に表示する。その後、無線端末2aは、エリア人数表示処理を終了する。
【0095】
(ステップS502)
無線端末2aは、情報記憶部240に保存されている各ユーザの人位置情報の履歴に基づいて、当該指定時間帯における当該指定エリアの最大人数、最小人数及び平均人数を取得し、取得した各人数を示す情報をディスプレイ22に表示する。その後、無線端末2aは、エリア人数表示処理を終了する。
【0096】
以上説明したように、本実施の形態における位置管理システム1aでは、各ユーザが所持する無線端末2aは、建物B内に設置されている室内機、照明装置等の各設備機器3aとの無線通信によって当該ユーザの位置情報を検出し、当該ユーザのユーザIDと、検出した位置情報とを含む人位置情報を各設備機器3aに送信する。各設備機器3aは、無線端末2aから送信された人位置情報を情報記憶部320に格納する。これにより、各設備機器3aの情報記憶部320には、各ユーザの人位置情報が保存される。このように、オフィスビル等の建物に一般的に設置されている設備機器を利用して人の位置を検出し、その情報を管理するため、建物B内における人の位置の管理を低コストで実現できる。
【0097】
また、無線端末2aは、設備機器3aから各ユーザの人位置情報を取得し、取得した各ユーザの人位置情報に基づいて、各ユーザが建物B内に居るか否かを判定する。そして、無線端末2aは、建物B内に居るユーザについては、その位置を当該ユーザを識別できる態様でディスプレイ22に表示し、建物B内に居ないユーザについては、当該ユーザが不在であることをディスプレイ22に表示する。このため、建物B内における各ユーザの所在を容易に把握することが可能となる。これにより、例えば、フリーアドレスオフィスにおける各従業員の所在の把握、在宅勤務と出社勤務を併用するオフィスにおける各従業員の出社状況の把握等が容易となる。
【0098】
また、無線端末2aは、ユーザから、建物B内に居る他のユーザのうちの所望のユーザの指定と、目標位置情報の指定とを受け付け、指定された他のユーザのユーザIDと、指定された目標位置情報とを含むユーザ通知情報を設備機器3aに送信する。設備機器3aは、無線端末2aから送信されたユーザ通知情報を情報記憶部320に格納する。また、無線端末2aは、設備機器3aから当該無線端末2aのユーザ宛のユーザ通知情報を取得し、取得したユーザ通知情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。このため、ユーザは、所望のユーザに対して、所望の場所への集合を容易に通知することが可能となる。
【0099】
また、無線端末2aは、各ユーザの人位置情報の履歴に基づいて、建物B内におけるユーザ同士の接触を検出し、検出結果に基づく情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。このため、建物Bを利用するユーザ同士の接触状況を容易に把握することが可能となる。
【0100】
また、無線端末2aは、各ユーザの人位置情報の履歴に基づいて、指定時刻又は指定時間帯における建物B内の指定エリアの人数を取得し、取得結果に基づく情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。このため、建物B内の所望のエリアのユーザ数の状況を容易に把握することが可能となる。
【0101】
(変形例1)
無線端末2aは、各設備機器3aの機器IDと、設置位置情報とを対応付けた情報を予め情報記憶部240に記憶していてもよい。この場合、各設備機器3aの情報記憶部320には、設置位置情報に替えて機器IDが記憶され、各設備機器3aは、機器IDが含まれた無線信号を周期的に発信する。
【0102】
(変形例2)
各設備機器3aは、情報記憶部320に保存されているユーザID毎の人位置情報の履歴を周期的にブロードキャスト送信してもよい。この場合、無線端末2aの人位置情報取得部203aは、人位置情報要求通知を各設備機器3aに送信する必要はない。
【0103】
(変形例3)
各設備機器3aのユーザ通知情報送信部304は、無線端末2aからユーザ通知情報要求通知を受信した場合、情報記憶部320に保存されている全てのユーザ通知情報を当該無線端末2aに送信してもよい。その際、ユーザ通知情報送信部304は、情報記憶部320からユーザ通知情報を削除しない。この場合、当該無線端末2aのユーザ通知情報取得部208は、設備機器3aから受信したユーザ通知情報に含まれる通知先ユーザIDと、当該無線端末2aを使用するユーザのユーザIDとを照合し、双方が一致する場合に、当該ユーザ通知情報を情報表示部205aに供給すればよい。なお、本変形例では、設備機器3aの情報記憶部320に保存されてるユーザ通知情報は、格納後、一定時間が経過したら削除されるものとする。
【0104】
(変形例4)
各設備機器3aは、情報記憶部320に保存されている全てのユーザ通知情報を周期的にブロードキャスト送信してもよい。その際、各設備機器3aは、情報記憶部320からユーザ通知情報を削除しない。この場合、無線端末2aのユーザ通知情報取得部208は、ユーザ通知情報要求通知を各設備機器3aに送信する必要はなく、設備機器3aから受信したユーザ通知情報に含まれる通知先ユーザIDと、当該無線端末2aを使用するユーザのユーザIDとを照合し、双方が一致する場合に、当該ユーザ通知情報を情報表示部205aに供給すればよい。なお、本変形例では、設備機器3aの情報記憶部320に保存されてるユーザ通知情報は、格納後、一定時間が経過したら削除されるものとする。
【0105】
(変形例5)
建物B内に設置されるセンサ、什器等の物品の位置を管理できるようにしてもよい。この場合、当該物品は、設備機器3aと無線通信する通信機器を備える。当該通信機器は、各設備機器3aとの無線通信によって当該物品の位置情報を検出し、当該物品の識別情報と、検出した位置情報とを含む物品位置情報を各設備機器3aに送信する。各設備機器3aは、当該通信機器から送信された物品位置情報を情報記憶部320に格納する。なお、当該通信機器は、物品に着脱可能に装着されるようにしてもよい。
【0106】
(変形例6)
無線端末2aの人位置情報取得部203aは、周期的に各設備機器3aからユーザID毎の人位置情報の履歴を取得するのではなく、周期的に各設備機器3aからユーザID毎の最新の人位置情報を取得し、接触情報の表示を要求する操作又はエリア人数の表示を要求する操作がユーザによって行われた場合に、各設備機器3aからユーザID毎の人位置情報の履歴を取得してもよい。
【0107】
(変形例7)
無線端末2aの人位置情報取得部203aは、周期的に各設備機器3aからユーザID毎の人位置情報の履歴を取得するのではなく、周期的に各設備機器3aからユーザID毎の最新の人位置情報を取得し、取得した人位置情報を時系列で分別して情報記憶部240に格納してもよい。
【0108】
(変形例8)
無線端末2aの機能部(図9参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。また、設備機器3aの機能部(図9参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。専用のハードウェアとは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC、FPGA又はこれらの組み合わせである。
【0109】
上記の各変形例に係る技術思想は、それぞれ単独で実現されてもよいし、適宜組み合わされて実現されてもよい。
【0110】
(実施の形態3)
続いて、本開示の実施の形態3について説明する。なお、以下の説明において、実施の形態1又は実施の形態2と共通する構成要素等については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0111】
図12は、実施の形態3における位置管理システム1bの全体構成を示す図である。位置管理システム1bは、本開示に係る位置管理システムの一例であり、オフィスビル、工場、宿泊施設、商業施設、公共施設等の建物Bを利用するユーザの建物B内における位置を管理するためのシステムである。図12に示すように、位置管理システム1bは、各ユーザによって携帯される無線端末2bと、少なくとも3台以上の設備機器3bと、サーバ4とを備える。
【0112】
<無線端末2b>
無線端末2bは、本開示に係る無線端末の一例である。無線端末2bは、建物Bの利用者であるユーザによって所持されるスマートフォン、タブレット端末等の携帯可能な電子機器である。図13に示すように、無線端末2bは、ハードウェア構成として、制御回路20と、第1通信インタフェース25と、第2通信インタフェース26と、ディスプレイ22と、操作受付部23と、補助記憶装置24とを備える。このように、無線端末2bのハードウェア構成は、通信インタフェース21に替えて、第1通信インタフェース25と、第2通信インタフェース26とを備える点が実施の形態1の無線端末2(図2参照)と相違し、他の点は一致する。
【0113】
第1通信インタフェース25は、本開示に係る第1通信手段の一例である。第1通信インタフェース25は、通信インタフェース21と同様、アドホック通信により設備機器3bと無線通信するためのインタフェースであり、例えば、BLE通信を行うためのインタフェースである。
【0114】
第2通信インタフェース26は、本開示に係る第2通信手段の一例である。第2通信インタフェース26は、インターネット等の広域ネットワークであるネットワークNを介してサーバ4と通信するためのインタフェースであり、例えば、無線LAN(Local Area Network)通信を行うためのインタフェース、LTE(Long Term Evolution)通信を行うためのインタフェースである。
【0115】
<設備機器3b>
設備機器3bは、本開示に係る設備機器の一例である。設備機器3bは、例えば、空気調和装置の室内機、照明装置等であり、建物Bに3台以上設置される。設備機器3bのハードウェア構成は、実施の形態1の設備機器3と同様である(図3参照)。
【0116】
<サーバ4>
サーバ4は、本開示に係る管理装置の一例である。サーバ4は、設備機器3bのメーカ、販売会社等によって設置される、いわゆるクラウドサーバであり、ネットワークNに接続される。図14に示すように、サーバ4は、ハードウェア構成として、制御回路40と、通信インタフェース41と、補助記憶装置42とを備える。
【0117】
制御回路40は、サーバ4を統括的に制御する。制御回路40は、いずれも図示しないが、CPUと、ROMと、RAMとを備える。制御回路40によって実現されるサーバ4の機能の詳細については後述する。
【0118】
通信インタフェース41は、本開示に係る管理装置が備える通信手段の一例である。通信インタフェース41は、ネットワークNに接続して無線端末2b等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、Ethernet(登録商標)に基づくインタフェースである。
【0119】
補助記憶装置42は、読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ、HDD等で構成される大容量の記憶装置である。読み書き可能な不揮発性の半導体メモリは、例えば、EEPROM、フラッシュメモリ等である。補助記憶装置42には、無線端末2bとの間で情報の授受を行うためのプログラムである情報授受プログラムと、情報授受プログラムの実行時に使用されるデータとが記憶される。
【0120】
サーバ4は、上記の情報授受プログラム又は情報授受プログラムを更新するための更新プログラムを他の機器から通信によって取得することが可能である。また、これらのプログラムは、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、USBメモリ、HDD、SSD、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。サーバ4は、そのような記録媒体が自身に直接又は間接的に装着された場合、当該記録媒体から情報授受プログラム又は更新プログラムを読み出して取得してもよい。
【0121】
<無線端末2b、設備機器3b及びサーバ4の機能構成>
図15は、無線端末2b、設備機器3b及びサーバ4の機能構成を示すブロック図である。図15に示すように、無線端末2bは、無線信号受信部200と、位置情報検出部201と、人位置情報送信部202aと、人位置情報取得部203bと、在否判定部204と、情報表示部205aと、目標位置情報受付部206と、ユーザ通知情報送信部207aと、ユーザ通知情報取得部208aと、接触検出部209と、エリア人数取得部210とを備える。これらの機能部は、無線端末2bが備える制御回路20が、補助記憶装置24に記憶されている、位置管理システム1bによって提供される位置管理サービスを利用するためのアプリケーションプログラムである位置管理アプリを実行することで実現される。
【0122】
設備機器3bは、無線信号発信部300を備える。無線信号発信部300は、設備機器3bが備える制御回路30が、補助記憶装置32に記憶されている、当該設備機器3bの設置位置を示す設置位置情報が含まれた無線信号を周期的に発信するためのプログラムである無線信号発信プログラムを実行することで実現される。
【0123】
サーバ4は、人位置情報格納部400と、人位置情報送信部401と、ユーザ通知情報格納部402と、ユーザ通知情報送信部403とを備える。これらの機能部は、制御回路40が補助記憶装置42に記憶されている上述した情報授受プログラムを実行することで実現される。
【0124】
無線端末2bの人位置情報送信部202aは、本開示に係る人位置情報送信手段の一例である。人位置情報送信部202aは、位置情報検出部201によって当該無線端末2bの位置情報が検出されると、情報記憶部240から当該無線端末2bを使用するユーザのユーザIDを読み出し、読み出したユーザIDと、検出された位置情報と、現在時刻を示す時刻情報とを含む人位置情報を第2通信インタフェース26を介してサーバ4に送信する。
【0125】
サーバ4の人位置情報格納部400は、無線端末2bから送られてきた人位置情報を通信インタフェース41を介して受信し、受信した人位置情報をユーザID毎に時系列で分別して情報記憶部420に格納する。つまり、情報記憶部420には、ユーザID毎に人位置情報の履歴が保存される。情報記憶部420は、本開示に係る管理装置が備える記憶手段の一例であり、補助記憶装置42によって提供されるメモリ領域である。
【0126】
無線端末2bの人位置情報取得部203bは、周期的に(例えば1分毎に)サーバ4から各ユーザの人位置情報の履歴を取得する。詳細には、人位置情報取得部203bは、人位置情報を要求する通知(以下「人位置情報要求通知」という。)を第2通信インタフェース26を介してサーバ4に送信する。サーバ4の人位置情報送信部401は、かかる人位置情報要求通知を通信インタフェース41を介して受信すると、情報記憶部420に保存されているユーザID毎の人位置情報の履歴を当該人位置情報要求通知の送信元の無線端末2bに通信インタフェース41を介して送信する。
【0127】
人位置情報取得部203bは、サーバ4から送られてきたユーザID毎の人位置情報の履歴を第2通信インタフェース26を介して受信して取得し、取得したユーザID毎の人位置情報の履歴を情報記憶部240に格納する。
【0128】
無線端末2bのユーザ通知情報送信部207aは、目標位置情報受付部206によって、ユーザから所望のユーザの指定と目標位置情報の指定とが受け付けられると、指定された他のユーザのユーザID(以下「通知先ユーザID」という。)と、目標位置情報と、当該無線端末2bのユーザ、すなわち、当該指定を行ったユーザのユーザID(以下「通知元ユーザID」という。)と、時刻情報とが含まれたユーザ通知情報を第2通信インタフェース26を介してサーバ4に送信する。なお、複数のユーザが指定された場合、ユーザ通知情報送信部207aは、一のユーザ通知情報に、当該指定された各ユーザのユーザIDを通知先ユーザIDとして含めるようにしてもよいし、指定された各ユーザに対応する複数のユーザ通知情報をサーバ4に送信してもよい。
【0129】
サーバ4のユーザ通知情報格納部402は、無線端末2bから送られてきたユーザ通知情報を通信インタフェース41を介して受信し、受信したユーザ通知情報を情報記憶部420に格納する。
【0130】
無線端末2bのユーザ通知情報取得部208aは、周期的に(例えば1分毎に)サーバ4から当該無線端末2bのユーザ宛のユーザ通知情報を取得する。詳細には、ユーザ通知情報取得部208aは、周期的にユーザ通知情報を要求する通知(以下「ユーザ通知情報要求通知」という。)をサーバ4に第2通信インタフェース26を介して送信する。かかるユーザ通知情報要求通知には、当該無線端末2bを使用するユーザのユーザIDが含まれている。サーバ4のユーザ通知情報送信部403は、無線端末2bからユーザ通知情報要求通知を通信インタフェース41を介して受信すると、情報記憶部420に保存されている、建物Bに対応する全てのユーザ通知情報のうち、通知先ユーザIDが当該ユーザ通知情報要求通知に含まれるユーザIDと一致するユーザ通知情報を検索する。
【0131】
該当するユーザ通知情報が存在する場合、ユーザ通知情報送信部403は、当該ユーザ通知情報を当該ユーザ通知情報要求通知の送信元の無線端末2bに通信インタフェース41を介して送信する。その際、ユーザ通知情報送信部403は、情報記憶部420から当該ユーザ通知情報を削除する。一方、該当するユーザ通知情報が存在しない場合、ユーザ通知情報送信部403は、当該ユーザ通知情報要求通知の送信元の無線端末2bに対して応答しない。なお、この場合、ユーザ通知情報送信部403は、該当するユーザ通知情報が存在しない旨の応答情報を当該ユーザ通知情報要求通知の送信元の無線端末2bに通信インタフェース41を介して送信してもよい。
【0132】
ユーザ通知情報取得部208aは、サーバ4からユーザ通知情報が送信された場合、第2通信インタフェース26を介してこれを受信して取得し、取得したユーザ通知情報を情報表示部205aに供給する。
【0133】
図16は、無線端末2bによって実行される人位置情報送信処理の手順を示すフローチャートである。無線端末2bは、ユーザの操作によって位置管理アプリが起動されると、人位置情報送信処理を周期的に(例えば1分毎に)繰り返し実行する。
【0134】
(ステップS600)
無線端末2bは、各設備機器3bから発信された無線信号を受信するとともに、当該無線信号を受信した際の電波強度を計測して取得する。その後、無線端末2bの処理は、ステップS601に遷移する。
【0135】
(ステップS601)
無線端末2bは、受信した無線信号に含まれる、当該設備機器3bの設置位置情報を抽出して取得する。その後、無線端末2bの処理は、ステップS602に遷移する。
【0136】
(ステップS602)
無線端末2bは、3台以上の設備機器3bから取得した電波強度及び設置位置情報に基づいて自身の位置、すなわち、当該無線端末2bの位置を示す位置情報を検出する。その後、無線端末2bの処理は、ステップS603に遷移する。
【0137】
(ステップS603)
無線端末2bは、自身を使用するユーザのユーザID、すなわち、補助記憶装置240から読み出したユーザIDと、検出した位置情報と、時刻情報とを含む人位置情報をサーバ4に送信し、本周期での人位置情報送信処理を終了する。サーバ4は、無線端末2bから送られてきた人位置情報を受信すると、受信した人位置情報をユーザID毎に時系列で分別して情報記憶部420に格納する。
【0138】
図17は、無線端末2bによって実行されるユーザ位置表示処理の手順を示すフローチャートである。無線端末2bは、各ユーザの位置の表示を要求する操作がユーザによって行われるとユーザ位置表示処理を実行する。
【0139】
(ステップS700)
無線端末2bは、情報記憶部240に保存されているユーザ毎の最新の人位置情報を順次読み出す。その後、無線端末2bの処理は、ステップS701に遷移する。
【0140】
(ステップS701)
無線端末2bは、読み出した最新の人位置情報に基づいて、当該ユーザが建物B内に居るか否かを判定する。当該ユーザが建物B内に居る場合(ステップS701;YES)、無線端末2bの処理は、ステップS702に遷移する。一方、当該ユーザが建物B内に居ない場合(ステップS701;NO)、無線端末2bの処理は、ステップS703に遷移する。
【0141】
(ステップS702)
無線端末2bは、当該ユーザの位置を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。その後、無線端末2bの処理は、ステップS704に遷移する。
【0142】
(ステップS703)
無線端末2bは、当該ユーザが不在であることをディスプレイ22に表示する。その後、無線端末2bの処理は、ステップS704に遷移する。
【0143】
(ステップS704)
無線端末2bは、情報記憶部240に保存されているユーザ毎の最新の人位置情報を全て読み出したか否かを判定する。人位置情報を全て読み出した場合(ステップS704;YES)、無線端末2bの処理は、ステップS705に遷移する。一方、人位置情報を全て読み出していない場合(ステップS704;NO)、無線端末2bの処理は、ステップS700に戻る。
【0144】
(ステップS705)
無線端末2bは、ユーザによって目標位置情報が指定されたか否かを判定する。ユーザによって目標位置情報が指定された場合(ステップS705;YES)、すなわち、ユーザから、建物B内に居る他のユーザのうちの所望のユーザの指定と、目標位置情報の指定とを受け付けた場合、無線端末2bの処理は、ステップS706に遷移する。一方、ユーザによって目標位置情報が指定されていない場合(ステップS705;NO)、無線端末2bは、引き続き、ステップS705の処理を行う。
【0145】
(ステップS706)
無線端末2bは、指定された他のユーザのユーザIDと、目標位置情報と、当該指定を行ったユーザのユーザIDと、時刻情報とが含まれたユーザ通知情報をサーバ4に送信する。その後、無線端末2bは、ユーザ位置表示処理を終了する。
【0146】
図18は、無線端末2bによって実行されるユーザ通知表示処理の手順を示すフローチャートである。無線端末2bは、ユーザの操作によって位置管理アプリが起動されると、ユーザ通知表示処理を周期的に(例えば1分毎に)繰り返し実行する。
【0147】
(ステップS800)
無線端末2bは、サーバ4に対して、当該無線端末2bのユーザ宛のユーザ通知情報を要求するためのユーザ通知情報要求通知を送信する。その後、無線端末2bの処理は、ステップS801に遷移する。
【0148】
(ステップS801)
無線端末2bは、サーバ4からユーザ通知情報を受信したか否かを判定する。ユーザ通知情報を受信した場合(ステップS801;YES)、無線端末2bの処理は、ステップS802に遷移する。一方、ユーザ通知情報を受信していない場合(ステップS801;NO)、無線端末2bの処理は、ステップS803に遷移する。
【0149】
(ステップS802)
無線端末2bは、受信したユーザ通知情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示し、本周期でのユーザ通知表示処理を終了する。
【0150】
(ステップS803)
無線端末2bは、受信タイムアウトか否か、すなわち、ユーザ通知情報要求通知を送信してから予め定めた受信タイムアウト時間が経過したか否かを判定する。受信タイムアウトでない場合(ステップS803;NO)、無線端末2bの処理は、ステップS801に戻る。一方、受信タイムアウトの場合(ステップS803;YES)、無線端末2bは、本周期でのユーザ通知表示処理を終了する。
【0151】
以上説明したように、本実施の形態における位置管理システム1bでは、各ユーザが所持する無線端末2bは、建物B内に設置されている室内機、照明装置等の各設備機器3bとの無線通信によって当該ユーザの位置情報を検出し、当該ユーザのユーザIDと、検出した位置情報とを含む人位置情報をサーバ4に送信する。サーバ4は、無線端末2bから送信された人位置情報を情報記憶部420に格納する。これにより、サーバ4の情報記憶部420には、各ユーザの人位置情報が保存される。このように、オフィスビル等の建物に一般的に設置されている設備機器を利用して人の位置を検出するため、建物B内における人の位置の管理を低コストで実現できる。
【0152】
また、無線端末2bは、サーバ4から各ユーザの人位置情報を取得し、取得した各ユーザの人位置情報に基づいて、各ユーザが建物B内に居るか否かを判定する。そして、無線端末2bは、建物B内に居るユーザについては、その位置を当該ユーザを識別できる態様でディスプレイ22に表示し、建物B内に居ないユーザについては、当該ユーザが不在であることをディスプレイ22に表示する。このため、建物B内における各ユーザの所在を容易に把握することが可能となる。これにより、例えば、フリーアドレスオフィスにおける各従業員の所在の把握、在宅勤務と出社勤務を併用するオフィスにおける各従業員の出社状況の把握等が容易となる。
【0153】
また、無線端末2bは、ユーザから、建物B内に居る他のユーザのうちの所望のユーザの指定と、目標位置情報の指定とを受け付け、指定された他のユーザのユーザIDと、指定された目標位置情報とを含むユーザ通知情報をサーバ4に送信する。サーバ4は、無線端末2bから送信されたユーザ通知情報を情報記憶部420に格納する。また、無線端末2bは、サーバ4から当該無線端末2bのユーザ宛のユーザ通知情報を取得し、取得したユーザ通知情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。このため、ユーザは、所望のユーザに対して、所望の場所への集合を容易に通知することが可能となる。
【0154】
また、無線端末2bは、各ユーザの人位置情報の履歴に基づいて、建物B内におけるユーザ同士の接触を検出し、検出結果に基づく情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。このため、建物Bを利用するユーザ同士の接触状況を容易に把握することが可能となる。
【0155】
また、無線端末2bは、各ユーザの人位置情報の履歴に基づいて、指定時刻又は指定時間帯における建物B内の指定エリアの人数を取得し、取得結果に基づく情報を予め定めた態様でディスプレイ22に表示する。このため、建物B内の所望のエリアのユーザ数の状況を容易に把握することが可能となる。
【0156】
また、各設備機器3bは、自機器の設置位置情報が含まれた無線信号を周期的に発信する構成を少なくとも備えていれば済むため、導入コスト及びエンジニアリングコストのさらなる削減が可能となる。
【0157】
(変形例1)
無線端末2bは、各設備機器3bの機器IDと、設置位置情報とを対応付けた情報を予め情報記憶部240に記憶していてもよい。この場合、各設備機器3bの情報記憶部320には、設置位置情報に替えて機器IDが記憶され、各設備機器3bは、機器IDが含まれた無線信号を周期的に発信する。
【0158】
(変形例2)
建物B内に設置されるセンサ、什器等の物品の位置を管理できるようにしてもよい。この場合、当該物品は、設備機器3b及びサーバ4と無線通信する通信機器を備える。当該通信機器は、各設備機器3bとの無線通信によって当該物品の位置情報を検出し、当該物品の識別情報と、検出した位置情報とを含む物品位置情報をサーバ4に送信する。サーバ4は、当該通信機器から送信された物品位置情報を情報記憶部420に格納する。なお、当該通信機器は、物品に着脱可能に装着されるようにしてもよい。
【0159】
(変形例3)
無線端末2bの人位置情報取得部203bは、周期的にサーバ4からユーザID毎の人位置情報の履歴を取得するのではなく、周期的にサーバ4からユーザID毎の最新の人位置情報を取得し、接触情報の表示を要求する操作又はエリア人数の表示を要求する操作がユーザによって行われた場合に、サーバ4からユーザID毎の人位置情報の履歴を取得してもよい。
【0160】
(変形例4)
無線端末2bの人位置情報取得部203bは、周期的にサーバ4からユーザID毎の人位置情報の履歴を取得するのではなく、周期的にサーバ4からユーザID毎の最新の人位置情報を取得し、取得した人位置情報を時系列で分別して情報記憶部240に格納してもよい。
【0161】
(変形例5)
サーバ4が、無線端末2bが備える一部の機能部(例えば、在否判定部204、接触検出部209、エリア人数取得部210等)と同様の機能部を備え、各ユーザが建物B内に居るか否かの判定、建物B内におけるユーザ同士の接触の検出、建物B内の指定エリアの人数の取得等を行ってもよい。この場合、サーバ4は、無線端末2bからの要求に応答して、各ユーザが建物B内に居るか否かを示す情報、不特定接触情報又は特定接触情報、エリア人数を示す情報等を当該無線端末2bに送信する。
【0162】
(変形例6)
無線端末2bの機能部(図15参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。また、設備機器3bの機能部(図15参照)が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。また、サーバ4の機能部(図15参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。専用のハードウェアとは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC、FPGA又はこれらの組み合わせである。
【0163】
上記の各変形例に係る技術思想は、それぞれ単独で実現されてもよいし、適宜組み合わされて実現されてもよい。
【0164】
本開示は、広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能である。また、上述した実施の形態は、本開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。つまり、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、本開示の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本開示は、建物内の人の位置を管理するシステムに好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0166】
1,1a,1b 位置管理システム、2,2a,2b 無線端末、3,3a,3b 設備機器、4 サーバ、20,30,40 制御回路、21,31,41 通信インタフェース、22 ディスプレイ、23 操作受付部、24,32,42 補助記憶装置、25 第1通信インタフェース、26 第2通信インタフェース、200 無線信号受信部、201 位置情報検出部、202,202a,302,302a,401 人位置情報送信部、203,203a,203b 人位置情報取得部、204 在否判定部、205,205a 情報表示部、206 目標位置情報受付部、207,207a,304,403 ユーザ通知情報送信部、208,208a ユーザ通知情報取得部、209 接触検出部、210 エリア人数取得部、240,320,420 情報記憶部、300 無線信号発信部、301,301a,400 人位置情報格納部、303,402 ユーザ通知情報格納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18