IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧

特許7607794空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法
<>
  • 特許-空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法 図1
  • 特許-空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法 図2
  • 特許-空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法 図3
  • 特許-空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法 図4
  • 特許-空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法 図5
  • 特許-空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法 図6
  • 特許-空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/49 20180101AFI20241220BHJP
   F24F 11/30 20180101ALI20241220BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20241220BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20241220BHJP
   F24F 11/41 20180101ALI20241220BHJP
【FI】
F24F11/49
F24F11/30
F24F11/61
F24F11/64
F24F11/41 220
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023561969
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 JP2021042158
(87)【国際公開番号】W WO2023089679
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】岡澤 涼介
(72)【発明者】
【氏名】酒井 瑞朗
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 和也
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-169527(JP,A)
【文献】特開平9-89307(JP,A)
【文献】国際公開第2017/195374(WO,A1)
【文献】特開2016-82336(JP,A)
【文献】特許第3300416(JP,B2)
【文献】特開2021-55854(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105276750(CN,A)
【文献】特開2021-139580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機の室外機であって、
開口部を有する筐体と、
前記筐体の内部において前記開口部と対向して配置された回転翼を有し、熱交換器に外気を送風する送風ファンと、
前記回転翼の少なくとも一部を前記回転翼の回転軸回りに囲むベルマウスと、
現在時刻を取得する計時部と、
前記空気調和機の停止中に、前記計時部により取得された現在時刻が起動時刻に達したことに基づいて前記回転翼を回転させる制御部と、
前記回転翼を回転させるモータと、前記モータを制御するファン制御部と、前記モータの回転数を検知する検知部と、を備え、
前記制御部は、前記モータの回転数を指定した指令を前記ファン制御部に与え、前記検知部により検知された前記モータの回転数が前記指令により指定した回転数よりも小さい場合に、前記指令により指定する回転数を段階的に高くする、空気調和機の室外機。
【請求項2】
空気調和機の室外機であって、
開口部を有する筐体と、
前記筐体の内部において前記開口部と対向して配置された回転翼を有し、熱交換器に外気を送風する送風ファンと、
前記回転翼の少なくとも一部を前記回転翼の回転軸回りに囲むベルマウスと、
現在時刻を取得する計時部と、
前記空気調和機の停止中に、前記計時部により取得された現在時刻が起動時刻に達したことに基づいて前記回転翼を回転させる制御部と、
前記室外機が設置されている地域を特定する設置地域取得部を備え、
前記制御部は、前記地域に基づいて前記起動時刻を設定する、空気調和機の室外機。
【請求項3】
外気温を取得する外気温センサと、
前記空気調和機の停止前の運転モードが暖房モードであり、且つ前記外気温センサにより取得された外気温がしきい値より低い場合に、前記回転翼を回転させると判定する判定部と、
を備える、請求項1または2に記載の空気調和機の室外機。
【請求項4】
前記空気調和機は、前記空気調和機の動作に関する操作を受け付けたことに応じて、前記空気調和機に指令を与える遠隔操作部を備え、
前記計時部は、前記遠隔操作部から現在時刻を取得する、請求項1または2に記載の空気調和機の室外機。
【請求項5】
前記空気調和機は、通信端末と通信を行う通信部を備え、
前記計時部は、前記通信部から現在時刻を取得する、請求項1または2に記載の空気調和機の室外機。
【請求項6】
前記空気調和機は、通信端末と通信を行う通信部を備え、
前記設置地域取得部は、前記通信端末の位置情報に基づいて前記地域を特定する、請求項に記載の空気調和機の室外機。
【請求項7】
前記制御部は、前記起動時刻を複数設定する、請求項1または2に記載の空気調和機の室外機。
【請求項8】
開口部を有する筐体と、前記筐体の内部において前記開口部と対向して配置された回転翼を有し、熱交換器に外気を送風する送風ファンと、前記回転翼の少なくとも一部を前記回転翼の回転軸回りに囲むベルマウスと、前記回転翼を回転させるモータと、前記モータを制御するファン制御部と、前記モータの回転数を検知する検知部と、を備える空気調和機の室外機の制御方法であって、
現在時刻を取得し、
前記空気調和機の停止中に、前記現在時刻が起動時刻に到来したことに基づいて前記モータの回転数を指定した指令を前記ファン制御部に与え、前記回転翼を回転させ、前記検知部により検知された前記モータの回転数が前記指令により指定した回転数よりも小さい場合に、前記指令により指定する回転数を段階的に高くする、
空気調和機の室外機の制御方法。
【請求項9】
開口部を有する筐体と、前記筐体の内部において前記開口部と対向して配置された回転翼を有し、熱交換器に外気を送風する送風ファンと、前記回転翼の少なくとも一部を前記回転翼の回転軸回りに囲むベルマウスと、を備える空気調和機の室外機の制御方法であって、
前記室外機が設置されている地域を特定し、
前記地域に基づいて起動時刻を設定し、
現在時刻を取得し、
前記空気調和機の停止中に、前記現在時刻が前記起動時刻に到来したことに基づいて前記回転翼を回転させる、
空気調和機の室外機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば寒冷地では、空気調和機の室外機における送風ファンの可動領域に積雪すること、降雪または降雨により発生した氷がベルマウスを伝って氷柱へと成長して室外ファンと接触することなどが発生する。この場合、送風ファンの回転が拘束される問題がある。さらに、送風ファンの損傷という問題も発生する可能性がある。このような問題に対し、従来より、例えば特許文献1に記載された空気調和機が知られている。この空気調和機は、外気温度が設定温度以下であって、かつ、室外機が停止状態にあるときに一定の時間間隔で室外機ファンモータを回転させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平06―026697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された空気調和機は、外気温度が設定温度より上昇しないかぎり、繰り返して室外機ファンモータを回転させる動作を行う。また、特許文献1に記載された空気調和機は、例えば実際に外気温度が設定温度より上昇しても、外気温度センサに積雪または氷柱が付着している場合には、外気温度が設定温度以下であると誤検知をしてしまい、繰り返して室外機ファンモータを回転させてしまう。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、送風ファンの回転が氷柱等により拘束されることを予防するために必要な電力を抑制することができる空気調和機の室外機、および空気調和機の室外機の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る空気調和機の室外機は、空気調和機の室外機であって、開口部を有する筐体と、前記筐体の内部において前記開口部と対向して配置された回転翼を有し、熱交換器に外気を送風する送風ファンと、前記回転翼の少なくとも一部を前記回転翼の回転軸回りに囲むベルマウスと、現在時刻を取得する計時部と、前記空気調和機の停止中に、前記計時部により取得された現在時刻が起動時刻に達したことに基づいて前記回転翼を回転させる制御部と、前記回転翼を回転させるモータと、前記モータを制御するファン制御部と、前記モータの回転数を検知する検知部と、を備え、前記制御部は、前記モータの回転数を指定した指令を前記ファン制御部に与え、前記検知部により検知された前記モータの回転数が前記指令により指定した回転数よりも小さい場合に、前記指令により指定する回転数を段階的に高くする
第1の態様に係る空気調和機の室外機は、空気調和機の室外機であって、開口部を有する筐体と、前記筐体の内部において前記開口部と対向して配置された回転翼を有し、熱交換器に外気を送風する送風ファンと、前記回転翼の少なくとも一部を前記回転翼の回転軸回りに囲むベルマウスと、現在時刻を取得する計時部と、前記空気調和機の停止中に、前記計時部により取得された現在時刻が起動時刻に達したことに基づいて前記回転翼を回転させる制御部と、前記室外機が設置されている地域を特定する設置地域取得部を備え、前記制御部は、前記地域に基づいて前記起動時刻を設定する
【0007】
第2の態様に係る空気調和機の室外機の制御方法は、開口部を有する筐体と、前記筐体の内部において前記開口部と対向して配置された回転翼を有し、熱交換器に外気を送風する送風ファンと、前記回転翼の少なくとも一部を前記回転翼の回転軸回りに囲むベルマウスと、前記回転翼を回転させるモータと、前記モータを制御するファン制御部と、前記モータの回転数を検知する検知部と、を備える空気調和機の室外機の制御方法であって、現在時刻を取得し、前記空気調和機の停止中に、前記現在時刻が起動時刻に到来したことに基づいて前記モータの回転数を指定した指令を前記ファン制御部に与え、前記回転翼を回転させ、前記検知部により検知された前記モータの回転数が前記指令により指定した回転数よりも小さい場合に、前記指令により指定する回転数を段階的に高くする。
空気調和機の室外機の制御方法。
第2の態様に係る空気調和機の室外機の制御方法は、開口部を有する筐体と、前記筐体の内部において前記開口部と対向して配置された回転翼を有し、熱交換器に外気を送風する送風ファンと、前記回転翼の少なくとも一部を前記回転翼の回転軸回りに囲むベルマウスと、を備える空気調和機の室外機の制御方法であって、前記室外機が設置されている地域を特定し、前記地域に基づいて起動時刻を設定し、現在時刻を取得し、前記空気調和機の停止中に、前記現在時刻が前記起動時刻に到来したことに基づいて前記回転翼を回転させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、送風ファンの回転が氷柱等により拘束されることを予防するために必要な電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態における空気調和機の概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施の形態における空気調和機の室外機の一例を示す断面図である。
図3】実施の形態における空気調和機の機能的な構成の一例を示す断面図である。
図4】実施の形態における室外機の拘束予防運転の一例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態における室外機の拘束予防運転の他の一例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態における室外機の拘束予防運転の他の一例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態の拘束予防運転において送風ファンを駆動させる動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
【0011】
図1は、実施の形態における空気調和機の概略構成の一例を示すブロック図である。図2は、実施の形態における空気調和機の室外機の一例を示す断面図である。図1および図2には、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸は、室外機の前後方向を示している。Y軸は、前後方向と直交する室外機の幅方向を示している。Z軸は、鉛直方向を示している。前後方向、幅方向、および鉛直方向は、互いに直交する方向である。前後方向のうちX軸の矢印が向く側(+X側)は室外機の前側であり、前後方向のうちX軸の矢印が向く側と逆側(-X側)は室外機の後側である。幅方向は、室外機の左右方向である。幅方向のうちY軸の矢印が向く側(+Y側)は室外機の左側であり、幅方向のうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)は室外機の右側である。以下の説明においては、幅方向のうちY軸の矢印が向く側(+Y側)は、すなわち左側を“幅方向一方側”と呼び、幅方向のうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を“幅方向他方側”と呼ぶ。鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)は上側であり、鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)は下側である。
【0012】
実施の形態の空気調和機1は、例えば、室外機100と、室内機200と、循環経路部300と、を備える。室外機100は、室外に配置されている。室内機200は、室内に配置されている。室外機100と室内機200とは、冷媒が循環する循環経路部300によって互いに接続されている。
【0013】
空気調和機1は、循環経路部300内を流れる冷媒と室内機200が配置された室内の空気との間で熱交換を行うことによって、室内の空気の温度を調整する。冷媒は、例えば、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が低いフッ素系冷媒、または炭化水素系冷媒などである。
【0014】
室外機100は、筐体100aと、送風ファン110と、ベルマウス112と、圧縮機120と、熱交換器130と、制御部140と、を有する。図2に示すように筐体100aの+X側には開口部100bが形成されている。開口部100bは、多数の通気孔が形成されたファングリル100cで覆われている。筐体100aの内部には、圧縮機120、熱交換器130、送風ファン110、ベルマウス112、および制御部140などが収容されている。圧縮機120と熱交換器130とは、循環経路部300のうち筐体100aの内部に位置する部分によって接続されている。
【0015】
室内機200は、例えば、熱交換器210と、送風ファン220と、制御部230と、を備える。室内機200の内部には、熱交換器210、送風ファン220、および制御部230が収容されている。空気調和機1は、室内機200が配置された室内の空気を冷やす冷房運転と、室内機200が配置された室内の空気を暖める暖房運転とが可能である。
【0016】
空気調和機1が冷房モードで運転される場合、循環経路部300内を流れる冷媒は、圧縮機120、室外機100の熱交換器130、および室内機200の熱交換器210をこの順に通って圧縮機120に戻るように循環する。冷房モードにおいて、室外機100内の熱交換器130は凝縮器として機能し、室内機200内の熱交換器210は蒸発器として機能する。
【0017】
空気調和機1が暖房モードで運転される場合、循環経路部300内を流れる冷媒は、圧縮機120、室内機200の熱交換器210、および室外機100の熱交換器130をこの順に通って圧縮機120に戻るように循環する。制御部140は、送風ファン110および熱交換器130の双方を動作させる。室外機100は、低温低圧のガス冷媒を高温高圧のガス冷媒に変化させて室内機200に送り出し、室内空気を加熱することで暖房運転を行う。室内では高温高圧のガス冷媒は室内空気によって冷却され、低温の液冷媒となる。制御部140は、図示しない減圧装置の弁開度を調整することによって液冷媒を低温低圧の二相冷媒に変化させて、熱交換器130に流入させる。制御部140は、送風ファン110を運転することで、熱交換器130において室外空気と冷媒との熱交換を促進する。これにより室外空気によって二相冷媒を加熱させて低温低圧のガス冷媒に変化させる。ガス冷媒は圧縮機120に戻り、冷媒は再び暖房に使用できる状態になる。なお、暖房モード時には、送風ファン110が作動しているため、外気温が低くても送風ファン110が凍結して拘束されてしまうことはない。
【0018】
制御部140は、暖房モード停止中には冷媒を室内機200に送り出す必要がないため、圧縮機120を停止させる。また、制御部140は、室外空気と熱交換器130とを熱交させる必要がないため、送風ファン110の運転も停止させる。送風ファン110の停止中に降雪等が発生した場合、送風ファン110の可動域への積雪、降雪または降雨で発生した氷がベルマウス112を伝って氷柱へと成長し、送風ファン110の回転が拘束されてしまうことがある。そこで、制御部140は、送風ファン110の可動域への積雪を防止するために、拘束予防運転を実施する。
【0019】
以下、図2を参照して室外機100についてより詳細に説明する。室外機100の筐体100aは、略直方体箱状である。筐体100aは、開口部100bを有する。開口部100bは、筐体100aのうち前側(+X側)に設けられている。開口部100bは、送風ファン110の回転軸AXを中心とする円形状の穴である。
【0020】
筐体100aの内部には、熱交換器130と送風ファン110とが収容されている。熱交換器130は、鉛直方向に見て、略L字形状である。熱交換器130は、幅方向に延びる第1部分132と、第1部分132の幅方向他方側(-Y側)の端部から前方(+X方)に延びる第2部分134と、を有する。なお、図2の幅方向一方側(+Y側)には、図示は省略するが、圧縮機120および制御部140が収容されている。
【0021】
送風ファン110は、プロペラファンである。送風ファン110は、熱交換器130の前方(+X方)に位置する。より詳細には、送風ファン110は、熱交換器130の第1部分132の前方に位置し、第2部分134の幅方向一方側(+Y側)に位置する。送風ファン110は、モータ110aと、回転検知部110bと、回転翼110cと、を有する。モータ110aは、前方に突出するシャフト110dを有する。シャフト110dの前側の端部には、回転翼110cが固定されている。回転検知部110bは、モータ110aの回転を検知するため、モータ110aに近接して配置される。回転検知部110bは、モータ110aの回転に基づく信号を出力する。
【0022】
回転翼110cは、モータ110aによって回転軸AX回りに回転させられる。回転軸AXは、前後方向(X軸方向)に延びる仮想軸である。つまり、実施の形態において、回転軸AXの軸方向は、前後方向である。以下の説明においては、回転軸AXを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、回転軸AX回りの周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0023】
回転翼110cは、筐体100aの内部において開口部100bと対向して配置されている。前方(+X方向)から見て、回転翼110cの全体は、開口部100bの内縁よりも内側に位置する。回転翼110cは、開口部100bの後方(-X方向)に位置する。回転翼110cは、モータ110aのシャフト110dに固定された基部110eと、基部110eから径方向外側に突出する複数の羽根部110fと、を有する。複数の羽根部110fは、周方向に沿って複数配置されている。実施の形態において羽根部110fは、3つ設けられている。回転翼110cが回転すると、筐体100aの背面に設けられた図示しない吸気口から筐体100a内に空気が吸い込まれる。回転翼110cによって筐体100a内に吸い込まれた空気は、熱交換器130および回転翼110cを通過して、開口部100bから筐体100aの前方に吹き出される。
【0024】
室外機100は、ベルマウス112をさらに有する。ベルマウス112は、送風ファン110から前方(+X方向)に吹き出される空気を案内する部材である。ベルマウス112は、シュラウドとも呼ばれる。ベルマウス112は、筐体100aの内壁に取り付けられている。ベルマウス112は、回転翼110cの少なくとも一部を回転翼110cの回転軸AX回りに囲む環状部材である。実施の形態においてベルマウス112は、回転翼110cの前側部分を回転軸AX回りに囲んでいる。回転翼110cの後側部分は、ベルマウス112よりも後方(-X方向)に突出している。
【0025】
ベルマウス112と回転翼110cとの径方向の間には、隙間が設けられている。実施の形態において隙間をファンギャップGと記載する。ファンギャップGは、径方向における、ベルマウス112の内周面と羽根部110fの径方向外縁部110gとの隙間である。空気を送る回転翼110cの下流側、すなわち前側(+X側)の圧力は、回転翼110cの上流側、すなわち後側(-X側)の圧力よりも高くなる。そのため、回転翼110cを後側から前側に通過した空気の一部は、ベルマウス112と回転翼110cとの隙間、すなわちファンギャップGを介して、圧力が高い前側から圧力の低い後側へと流れる。そのため、送風ファン110によって送られた空気がファンギャップGを介して後側に漏れて、送風ファン110の送風量が低下する場合がある。したがって、送風ファン110の送風効率を向上の観点から、ファンギャップGを小さくする方が望ましい。
【0026】
室外機100は、温度センサボックス150をさらに有する。温度センサボックス150の内部には、室外機100の外気温度を検知するための後述の外気温センサ152が設けられている。温度センサボックス150は、例えば、室外機100の背面(-X方向)に設けられている。
【0027】
図3は、実施の形態における空気調和機の機能的な構成の一例を示す断面図である。室内機200は、例えば、送風ファン220と、ファン制御部222と、制御部230とを備える。制御部230は、リモコン400からユーザの操作に対応した指令を受け付け、受け付けた指令を制御部140に出力する。また、制御部230は、携帯通信端末500から取得した情報、およびリモコン400からユーザの操作に対応した指令を制御部140に出力する。制御部230は、冷房モードおよび暖房モードにおいてファン制御部222に指令を与えて、送風ファン220を動作させる。
【0028】
室外機100は、例えば、送風ファン110と、ファン制御部114と、圧縮機120と、制御部140と、設置地域取得部142と、計時部144と、判定部146と、を備える。制御部140は、ファン制御部114、圧縮機120、設置地域取得部142、計時部144、および判定部146と信号線を介して接続され、接続された各部を制御する。ファン制御部114、制御部140、設置地域取得部142、計時部144、および判定部146を含む機能部は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせは、プログラムとして記述され、プログラムはプログラムメモリに格納される。また、機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアが協働することで実現されてもよい。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリにより実現される。
【0029】
ファン制御部114は、制御部140の制御に従って、送風ファン110の動作を制御する。ファン制御部114は、モータ110aが駆動するための電圧の供給開始および供給停止を制御する。ファン制御部114には、制御部140から目標回転数を示す信号が供給される。ファン制御部114は、回転検知部110bから出力された信号に基づくモータ110aの実回転数が目標回転数となるようにモータ110aに印加する電圧値を制御する。
【0030】
空気調和機1は、リモコン400を備える。リモコン400は、空気調和機1の動作に関する操作を受け付けたことに応じて、室内機200の制御部230に指令を与える遠隔操作部の一例である。計時部144は、制御部230を介して、リモコン400から現在時刻を取得する。制御部230は、リモコン400および携帯通信端末500等の通信端末と通信を行う通信部の機能を持つ。制御部230は、制御部140と同様に、例えばCPU等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。計時部144は、制御部230から現在時刻情報を取得する。なお、実施の形態において、計時部144は、リモコン400または携帯通信端末500の何れか一方を用いて現在時刻情報を取得すればよい。計時部144は、取得した現在時刻情報を用いて時刻合わせを行い、計時を行う。
【0031】
制御部140は、制御部230から取得した指令に基づいて送風ファン110および圧縮機120の動作を制御する。さらに、制御部140は、送風ファン110がベルマウス112に拘束されることを予防する運転(以下、拘束予防運転と呼ぶ。)を行う。拘束予防運転は、空気調和機1の停止中に、計時部144により取得された現在時刻が所定の起動時刻に達したことに基づいて回転翼110cを回転させる動作を含む。所定の起動時刻は、一つの時刻であってもよく、複数の時刻であってもよい。
【0032】
制御部140は、リモコン400から所定の起動時刻を示す情報を取得してよい。例えば、ユーザまたは設置業者がリモコン400に対して所定の起動時刻を指定する操作をし、リモコン400は、所定の起動時刻を示す情報を、室内機200を介して室外機100の制御部140に供給する。制御部140は、携帯通信端末500から所定の起動時刻を示す情報を取得してよい。例えば空気調和機1のユーザ登録時に、携帯通信端末500がクラウド等から所定の起動時刻を示す情報を取得し、携帯通信端末500は、所定の起動時刻を示す情報を、室内機200を介して室外機100の制御部140に供給する。
【0033】
設置地域取得部142は、空気調和機1の設置地域を特定する情報を取得する。設置地域を特定する情報は、空気調和機1が設置された地域を特定する情報であり、例えば空気調和機1の緯度経度情報であってもよい。設置地域取得部142は、制御部230を介して、携帯通信端末500の位置情報を取得し、携帯通信端末500の位置情報に基づいて地域を特定する。制御部140は、設置地域取得部142により特定された地域に基づいて、所定の起動時刻を自動的に設定する。
【0034】
空気調和機1は、外気温を取得する外気温センサ152を備えてよい。判定部146は、空気調和機1の停止前の運転モードが暖房モードであり、且つ外気温センサ152により取得された外気温が所定のしきい値より低い場合に、回転翼110cを回転させると判定する。
【0035】
図4は、実施の形態における室外機の拘束予防運転の一例を示すフローチャートである。先ず制御部140は、圧縮機120が停止しているか否かを判定する(ステップS100)。制御部140は、圧縮機120が停止していない場合(ステップS100:NO)、ステップS100の処理を繰り返す。
【0036】
判定部146は、圧縮機120が停止している場合(ステップS100:YES)、外気温がしきい値T0以下、且つ停止直前の運転モードが暖房モードであるか否かを判定する(ステップS102)。制御部140は、外気温がしきい値T0以下、且つ停止直前の運転モードが暖房モードであると判定した場合(ステップS102:YES)、ステップS104に処理を進め、そうでない場合には(ステップS102:NO)、ステップS100に処理を戻す。
【0037】
制御部140は、ステップS104において、現在時刻が所定の起動時刻txに達したか否かを判定する。起動時刻txは、複数の起動時刻(t1,t2,・・・)のうちの一つである。複数の起動時刻には、例えば、起動時刻t1は午後10時、起動時刻t2は午前1時、起動時刻t3は午前4時、といったように3つの起動時刻が含まれる。制御部140は、現在時刻が所定の起動時刻txに達していない場合(ステップS104:NO)、ステップS100に処理を戻す。制御部140は、現在時刻が所定の起動時刻txに達した場合(ステップS104:YES)、拘束予防運転を開始する(ステップS106)。
【0038】
次に制御部140は、ステップS104において判定した起動定時刻txの次の起動時刻があるか否かを判定する(ステップS108)。次の起動時刻とは、処理対象の起動時刻の後の起動時刻のうち、処理対象の起動時刻に最も近い時刻である。制御部140は、次の起動時刻がない場合(ステップS108:NO)、本フローチャートの処理を終了する。制御部140は、次の起動時刻がある場合(ステップS108:YES)、次の起動時刻を処理対象として指定して、ステップS100以降の処理を繰り返す。
【0039】
以上のように、実施の形態の室外機100によれば、例えば送風ファン110とベルマウス112との間に積雪または氷柱が存在しても、送風ファン110の回転が拘束されることを予防することができる。また、室外機100によれば、現在時刻が所定の起動時刻に達したタイミングに限定して送風ファン110を回転させるため、繰り返して送風ファン110が回転されることを抑制することができる。この結果、室外機100は、電力の消費を抑制することができる。
【0040】
さらに、実施の形態の室外機100によれば、空気調和機1の停止直全の運転モードが暖房モードであり、且つ外気温センサ152により取得された外気温が所定のしきい値より低い場合に、送風ファン110を回転させると判定する。これにより、室外機100によれば、積雪または氷柱により送風ファン110が拘束される可能性がある場合に限定して拘束予防運転を行うことができ、さらに電力の消費を抑制することができる。
【0041】
さらに、実施の形態の室外機100によれば、所定の起動時刻を複数設定することができる。これにより、室外機100によれば、複数の設定時刻のそれぞれにおいて拘束予防運転を行うかを判定することができる。
【0042】
図5は、実施の形態における室外機の拘束予防運転の他の一例を示すフローチャートである。先ず制御部140は、圧縮機120が停止しているか否かを判定する(ステップS200)。制御部140は、圧縮機120が停止していない場合(ステップS200:NO)、ステップS200の処理を繰り返す。
【0043】
制御部140は、圧縮機120が停止している場合(ステップS200:YES)、現在時刻が起動時刻txよりもτ1だけ前のタイミング(tx-τ1)を経過したか否かを判定する(ステップS202)。τ1は例えば10分である。制御部140は、現在時刻がtx-τ1を経過した場合(ステップS202:YES)、ステップS204に処理を進め、そうでない場合(ステップS202:NO)、ステップS200に処理を戻す。
【0044】
制御部140は、ステップS204において、外気温がしきい値T0以下である状態をτ2間連続して検知し、且つ停止直前の運転モードが暖房モードであるか否かを判定する。τ2は、例えば1分である。すなわち、制御部140は、起動時刻txよりも前の10分間(τ1の期間)において、1分間連続して外気温がしきい値T0以下であるか否かを判定する。制御部140は、外気温がしきい値T0以下をτ2間に連続して検知し、且つ停止直前の運転モードが暖房モードであると判定した場合(ステップS204:YES)、ステップS206に処理を進め、そうでない場合には(ステップS204:NO)、ステップS200に処理を戻す。
【0045】
制御部140は、ステップS206において、現在時刻が所定の起動時刻txに達したか否かを判定する。制御部140は、現在時刻が所定の起動時刻txに達していない場合(ステップS206:NO)、ステップS200に処理を戻す。制御部140は、現在時刻が所定の起動時刻txに達した場合(ステップS206:YES)、拘束予防運転を開始する(ステップS208)。
【0046】
次に制御部140は、ステップS206において判定した起動時刻txの次の起動時刻があるか否かを判定する(ステップS210)。制御部140は、次の起動時刻がない場合(ステップS210:NO)、本フローチャートの処理を終了する。制御部140は、次の起動時刻がある場合(ステップS210:YES)、次の起動時刻を指定して、ステップS200以降の処理を繰り返す。
【0047】
以上のように、実施の形態の室外機100によれば、例えば送風ファン110とベルマウス112との間に積雪または氷柱が存在しても、送風ファン110の回転が拘束されることを予防することができる。また、室外機100によれば、現在時刻が起動時刻に達したタイミングに限定して送風ファン110を回転させるため、必要な電力を抑制することができる。さらに、室外機100によれば、起動時刻の前に外気温がしきい値T0以下である状態をτ2間連続して検知したことを判定するので、起動時刻に一時的に外気温がしきい値T0以下になった時に拘束予防運転を開始することを回避することができる。
【0048】
図6は、実施の形態における室外機の拘束予防運転の他の一例を示すフローチャートである。先ず制御部140は、現在時刻が複数の起動時刻txの何れかに達したか否かを判定する(ステップS300)。制御部140は、現在時刻が複数の起動時刻txの何れにも達していない場合(ステップS300:NO)、当該処理を繰り返す。制御部140は、現在時刻が複数の起動時刻txの何れかに達した場合(ステップS300:YES)、ステップS302に処理を進める。
【0049】
制御部140は、ステップS302において、圧縮機120が停止した時刻からτ4の期間を経過したか否かを判定する。τ4は、例えば1時間である。制御部140は、圧縮機120が停止した時刻からτ4の期間を経過した場合(ステップS302:YES)、ステップS304に処理を進め、そうでない場合(ステップS302:NO)、ステップS312に処理を進める。
【0050】
判定部146は、ステップS304において、圧縮機120が停止した時刻から外気温がしきい値T0以下となった積算時間がτ5に達し、且つ停止直前の運転モードが暖房モードであるか否かを判定する(ステップS304)。τ5は、例えば30分である。制御部140は、圧縮機120が停止した時刻から外気温がしきい値T0以下となった積算時間がτ5に達し、且つ停止直前の運転モードが暖房モードであると判定した場合(ステップS304:YES)、ステップS308に処理を進め、そうでない場合には(ステップS304:NO)、ステップS312に処理を進める。制御部140は、ステップS308において、拘束予防運転を開始する。
【0051】
次に制御部140は、ステップS300において判定した起動時刻txの次の起動時刻があるか否かを判定する(ステップS310)。制御部140は、次の起動時刻がない場合(ステップS310:NO)、本フローチャートの処理を終了する。制御部140は、次の起動時刻がある場合(ステップS310:YES)、次の起動時刻を指定して、ステップS300以降の処理を繰り返す。
【0052】
以上のように、実施の形態の室外機100によれば、例えば圧縮機120が停止した時刻からの経過時間がτ4の間における外気温がしきい値T0以下となった積算時間に基づいて拘束予防運転を開始する。これにより、室外機100によれば、外気温がしきい値T0以下となった積算時間がτ5よりも短い場合に送風ファン110を回転させることを抑制することができる。
【0053】
図7は、実施の形態の拘束予防運転において送風ファンを駆動させる動作の一例を示すフローチャートである。先ず制御部140は、送風ファン110の目標回転数をN1に設定する(ステップS400)。制御部140は、送風ファン110の目標回転数をN1に設定する指令をファン制御部114に与える。ファン制御部114は、送風ファン110の回転数がN1となるように送風ファン110のモータ110aに印加する電圧を制御する。N1は例えば200rpmである。
【0054】
次に制御部140は、送風ファン110の実回転数がN0より高いか否かを判定する(ステップS402)。N0は、N1よりも低い回転数であり、例えば50rpmである。制御部140は、送風ファン110の実回転数がN0より高くない場合(ステップS402:NO)、異常を通知し、および現在設定されている起動時刻を解除して(ステップS418)、本フローチャートの処理を終了する。異常を通知する動作は、例えば、表示インジケータ(不図示)を点灯させる動作、送風ファン110が積雪または氷柱により拘束されている可能性があることをリモコン400または携帯通信端末500に通知する動作、または送風ファン110が積雪または氷柱により拘束されている可能性があることを携帯通信端末500を介してクラウド等に通知する動作であってよい。
【0055】
制御部140は、送風ファン110の実回転数がN0より高い場合(ステップS402:YES)、送風ファン110の実回転数がN1より低いか否かを判定する(ステップS404)。制御部140は、送風ファン110の実回転数がN1より低くない場合(ステップS404:NO)、送風ファン110をτ0の間、運転する(ステップS416)。τ0は、例えば15分である。制御部140は、送風ファン110の実回転数がN1より低い場合(ステップS404:YES)、送風ファン110の目標回転数をN2に設定する(ステップS406)。N2は、N1よりも高い回転数であり、例えば500rpmである。制御部140は、送風ファン110の目標回転数をN2に設定する指令をファン制御部114に与える。ファン制御部114は、送風ファン110の回転数がN2となるように送風ファン110のモータ110aに印加する電圧を制御する。
【0056】
制御部140は、送風ファン110の実回転数がN2より低いか否かを判定する(ステップS408)。制御部140は、送風ファン110の実回転数がN2より低くない場合(ステップS408:NO)、送風ファン110をτ0の間、運転する(ステップS416)。制御部140は、送風ファン110の実回転数がN2より低い場合(ステップS408:YES)、送風ファン110の目標回転数をN3に設定する(ステップS410)。N3は、N2よりも高い回転数であり、例えば700rpmである。制御部140は、送風ファン110の目標回転数をN3に設定する指令をファン制御部114に与える。ファン制御部114は、送風ファン110の回転数がN3となるように送風ファン110のモータ110aに印加する電圧を制御する。
【0057】
次に制御部140は、次の起動時刻が設定されていないか否かを判定する(ステップS412)。制御部140は、次の起動時刻が設定されている場合(ステップS412:NO)、本フローチャートの処理を終了する。制御部140は、次の起動時刻が設定されていない場合(ステップS412:YES)、次の起動時刻を起動時刻txからτ3時間後のタイミング(tx+τ3)に設定し(ステップS414)、ステップS416に処理を進める。これにより、制御部140は、所定の起動時刻に加えて、新たな起動時刻を追加する。
【0058】
以上説明したように、室外機100によれば、回転翼110cを回転させるモータ110aと、モータ110aを制御するファン制御部114と、モータ110aの回転数を検知する回転検知部110bと、を備え、制御部140は、モータ110aの回転数を指定した指令をファン制御部114に与え、回転検知部110bにより検知されたモータ110aの回転数が指令値により指定した回転数よりも小さい場合に、指令により指定する回転数を段階的に高くすることができる。例えば、積雪により室外機100の開口部100bに堆積した雪の量が多くなることで、ファンギャップGを含む風路が狭くなると送風ファン110の回転数が低下する。これに対し、室外機100によれば、送風ファン110の回転数が低下しても目標回転数を段階的に高くすることで、積雪または氷柱が少ない場合には目標回転数を高くすることを抑制することができ、送風ファン110の拘束を解消するために必要な電力を抑制することができる。また、室外機100によれば、積雪または氷柱が多い場合には目標回転数を高くことで、積雪等の堆積度合に応じ除雪効果を向上させることができる。
【0059】
以上説明したように、実施の形態の空気調和機の室外機100によれば、開口部100bを有する筐体100aと、筐体100aの内部において開口部100bと対向して配置された回転翼110cを有し、熱交換器130に外気を送風する送風ファン110と、回転翼110cの少なくとも一部を回転翼110cの回転軸回りに囲むベルマウス112と、現在時刻を取得する計時部144と、空気調和機1の停止中に、現在時刻が所定の起動時刻に達したことに基づいて回転翼110cを回転させる制御部140と、を備える。また、実施の形態によれば、開口部100bを有する筐体100aと、筐体100aの内部において開口部100bと対向して配置された回転翼110cを有し、熱交換器130に外気を送風する送風ファン110と、回転翼110cの少なくとも一部を回転翼110cの回転軸回りに囲むベルマウス112と、を備える空気調和機1の室外機100の制御方法であって、現在時刻を取得し、空気調和機1の停止中に、現在時刻が所定の起動時刻に到来したことに基づいて回転翼110cを回転させる室外機の制御方法を実現することができる。このような室外機100および制御方法によれば、現在時刻が所定の起動時刻に達したことに基づいて回転翼110cを回転させるので、送風ファンの回転が氷柱等により拘束されることを予防するために必要な電力を抑制することができる。
【0060】
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上述の実施の形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。例えば、上述した実施の形態は、1台の室外機100に1個の送風ファン110が搭載されている構成の一例を説明したが、送風ファン110の個数は1個に限定されず、例えば2個あってもよく、3個以上であってもよい。実施の形態における送風ファン110の吹き出し方向は正面から水平に吹き出すものに限定されず、例えば室外機100の上面から垂直に吐き出すものであってよい。
【符号の説明】
【0061】
1…空気調和機、100…室外機、100a…筐体、100b…開口部、100c…ファングリル、110…送風ファン、110a…モータ、110b…回転検知部、110c…回転翼、110d…シャフト、110e…基部、110f…羽根部、110g…径方向外縁部、112…ベルマウス、114…ファン制御部、120…圧縮機、130…熱交換器、132…第1部分、134…第2部分、140…制御部、142…設置地域取得部、144…計時部、146…判定部、150…温度センサボックス、152…外気温センサ、200…室内機、210…熱交換器、220…送風ファン、222…ファン制御部、230…制御部、300…循環経路部、400…リモコン、500…携帯通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7