(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】データ出力プログラム、データ出力システム、及びデータ出力方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241220BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024074827
(22)【出願日】2024-05-02
【審査請求日】2024-05-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(73)【特許権者】
【識別番号】521467087
【氏名又は名称】トヨタ・コニック・アルファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】南井 享
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】野宗 智仁
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-093325(JP,A)
【文献】特開2004-361996(JP,A)
【文献】特開2007-133475(JP,A)
【文献】特開2020-064524(JP,A)
【文献】国際公開第2006/132371(WO,A1)
【文献】森田 弘昭,情報銀行ビジネス参入ガイド,第1版,日本,株式会社翔泳社 佐々木 幹夫,2020年06月17日,pp.50,51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
処理用データを提供する提供元の提供元信頼性を評価するための第1評価用データに基づいて、前記提供元信頼性を評価する提供元評価部と、
前記処理用データを処理するユーザのユーザ信頼性を評価するための第2評価用データに基づいて、前記ユーザ信頼性を評価するユーザ評価部と、
前記処理用データに対する処理の結果である出力用データを出力する出力先の出力先信頼性を評価するための第3評価用データに基づいて、前記出力先信頼性を評価する出力先評価部と、
前記処理用データに対する処理及び前記出力用データの出力に際して、前記提供元信頼性、前記ユーザ信頼性、及び前記出力先信頼性のそれぞれに基づいて、前記提供元、前記ユーザ、及び前記出力先のそれぞれを認証する認証部と、
前記認証の結果に応じて、前記出力用データを前記出力先の出力先装置に出力するデータ出力部と、
を実現させるためのデータ出力プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、前記第1評価用データ、前記第2評価用データ、及び前記第3評価用データを取得する評価用データ取得部、をさらに実現させ、
前記提供元評価部は、前記提供元信頼性に関する評価結果を出力する第1算出モデルに前記取得される第1評価用データを入力することにより、前記提供元信頼性を評価し、
前記ユーザ評価部は、前記ユーザ信頼性に関する評価結果を出力する第2算出モデルに前記取得される第2評価用データを入力することにより、前記ユーザ信頼性を評価し、
前記出力先評価部は、前記出力先信頼性に関する評価結果を出力する第3算出モデルに、前記取得される第3評価用データを入力することにより、前記提供元信頼性を評価する、
請求項1に記載のデータ出力プログラム。
【請求項3】
前記提供元は、複数の提供元を含み、
前記提供元評価部は、前記複数の提供元のそれぞれの前記提供元信頼性を評価する、
請求項1
又は2に記載のデータ出力プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、前記ユーザの指示に応じて、前記処理用データに対する処理を実行し、前記出力用データを生成するデータ生成部、をさらに実現させ、
前記データ出力部は、前記生成された出力用データを出力する、
請求項1又は2に記載のデータ出力プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、事前に評価された、前記提供元信頼性、前記ユーザ信頼性、及び前記出力先信頼性の少なくともいずれかを管理する評価結果管理データを管理する評価結果管理部、をさらに実現させ、
前記認証部は、前記評価結果管理データに基づいて、前記処理用データに対する処理及び前記出力用データの出力を認証する、
請求項1又は2に記載のデータ出力プログラム。
【請求項6】
前記ユーザ信頼性は、前記処理用データを処理するデータ処理権限に関するユーザ信頼性を含み、
前記ユーザ評価部は、所定の組織に属する複数のユーザのそれぞれのデータ処理権限に関する権限データに基づいて、前記ユーザ信頼性を評価する、請求項1又は2に記載のデータ出力プログラム。
【請求項7】
前記出力先評価部は、前記出力用データに対するセキュリティ措置に関する出力先信頼性を含む前記出力先信頼性を評価する、
請求項1又は2に記載のデータ出力プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、前記認証の結果及び前記出力用データの出力の少なくともいずれかを証明する証明データを生成する証明部、をさらに実現させ、請求項1又は2に記載のデータ出力プログラム。
【請求項9】
前記認証部は、前記ユーザ信頼性に基づく認証、前記提供元信頼性に基づく認証、及び前記出力先信頼性に基づく認証を順に行う、請求項1又は2に記載のデータ出力プログラム。
【請求項10】
処理用データを提供する提供元の提供元信頼性を評価するための第1評価用データに基づいて、前記提供元信頼性を評価する提供元評価部と、
前記処理用データを処理するユーザのユーザ信頼性を評価するための第2評価用データに基づいて、前記ユーザ信頼性を評価するユーザ評価部と、
前記処理用データに対する処理の結果である出力用データを出力する出力先の出力先信頼性を評価するための第3評価用データに基づいて、前記出力先信頼性を評価する出力先評価部と、
前記処理用データに対する処理及び前記出力用データの出力に際して、前記提供元信頼性、前記ユーザ信頼性、及び前記出力先信頼性のそれぞれに基づいて、前記提供元、前記ユーザ、及び前記出力先のそれぞれを認証する認証部と、
前記認証の結果に応じて、前記出力用データを前記出力先の出力先装置に出力するデータ出力部と、
を備えるデータ出力システム。
【請求項11】
コンピュータが、
処理用データを提供する提供元の提供元信頼性を評価するための第1評価用データに基づいて、前記処理用データを提供する提供元の提供元信頼性を評価し、
前記処理用データを処理するユーザのユーザ信頼性を評価するための第2評価用データに基づいて、前記ユーザ信頼性を評価し、
前記処理用データに対する処理の結果である出力用データを出力する出力先の出力先信頼性を評価するための第3評価用データに基づいて、前記出力先信頼性を評価し、
前記処理用データに対する処理及び前記出力用データの出力に際して、前記提供元信頼性、前記ユーザ信頼性、及び前記出力先信頼性のそれぞれに基づいて、前記提供元、前記ユーザ、及び前記出力先のそれぞれを認証し、
前記認証の結果に応じて、前記出力用データを前記出力先の出力先装置に出力する、
データ出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ出力プログラム、データ出力システム、及びデータ出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の事業者の間でデータを連携する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されているシステムでは、所定の規則を参照して、第1のシステムから提供されたデータに基づいて、第2のシステムに提供するためのデータを作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているシステムでは、データの処理及び出力に際して関係する主体(例えば、データ提供元、データ出力先、ユーザ)の信頼性を評価することは考慮されていない。そのため、データの処理及び出力の信頼性が損なわれるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、データの処理及び出力の信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るデータ出力プログラムは、コンピュータに、処理用データを提供する提供元の提供元信頼性を評価する提供元評価部と、処理用データを処理するユーザのユーザ信頼性を評価するユーザ評価部と、処理用データに対する処理の結果である出力用データを出力する出力先の出力先信頼性を評価する出力先評価部と、処理用データに対する処理及び出力用データの出力に際して、提供元信頼性、ユーザ信頼性、及び出力先信頼性のそれぞれに基づいて、提供元、ユーザ、及び出力先のそれぞれを認証する認証部と、認証の結果に応じて、出力用データを出力先の出力先装置に出力するデータ出力部と、を実現させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、データの処理及び出力の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態であるデータ出力システム100における処理の概要を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態であるデータ出力システム100の構成を示す図である。
【
図3】記憶部110に記憶される権限データの例を示す図である。
【
図4】記憶部110に格納される評価結果管理データの例を示す図である。
【
図5】データ出力システム100の処理の例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるデータ出力システム100における処理の概要を示す図である。
【0011】
データ出力システム100は、データ出力プログラムによって実現される情報処理システムである。データ出力システム100は、処理用データに対する処理及び出力用データの出力に際して、提供元信頼性、ユーザ信頼性、及び出力先信頼性のそれぞれに基づいて、提供元、ユーザ、及び出力先のそれぞれを認証し、出力用データを出力先の出力先装置に出力する。
【0012】
まず、データ出力システム100は、ユーザ装置200を通じてユーザから、処理用データに対するデータ処理の指示を受け付ける(S101)。データ出力システム100は、ユーザ信頼性を評価し、ユーザによる処理用データの処理を認証する(S102)。このとき、データ出力システム100は、例えば、ユーザにおける、処理用データを処理するデータ処理権限に関するユーザ信頼性を評価することができる。
【0013】
続いて、データ出力システム100は、提供元信頼性を評価し、提供元装置300から処理用データの取得を認証する(S103)。データ出力システム100は、提供元装置300から、処理用データを取得する(S104)。
【0014】
データ出力システム100は、ユーザ装置200を通じたユーザの操作に基づいて、処理用データに対する処理を実行し、出力用データを生成する(S105)。データ出力システム100は、出力先信頼性を評価し、出力先装置400への出力用データの出力を認証する(S106)。
【0015】
そして、データ出力システム100は、認証の結果に基づいて、出力用データを出力先装置400に出力する。
【0016】
ここで、処理用データは、ユーザの属性に関するデータ(氏名、ID、住所、組織における部署や職位、認証履歴、アクセス履歴等)、ユーザが属する組織の属性に関するデータ(例えば、組織名、所在地、連絡先、登記情報、各種ID情報、売上高、口座残高、金融機関契約データ、借入情報、取引履歴、認証履歴、アクセス履歴等)、ユーザが行った許諾情報(データの取得や利用に関する許諾、ID・認証手段に関わる情報)、提供元装置300が管理するデータに関するデータ(与信・信用情報、ユーザ評価情報等)、デバイスに関するデータ(登録番号、機種識別情報、プログラムの識別情報やバージョン)、デバイスによって取得若しくは生成されたデータ(運行データ、プログラムの処理データ、取得した画像・音声・動画、デバイスが生成したプログラム等)であってもよい。
【0017】
また、処理用データは、例えば、テキスト、数値、画像、音声、動画、プログラムであってもよく、文書データ、表データ。グラフデータであってもよい。
【0018】
デバイスは、例えば、車両、ドローン、センサー、若しくはカメラであってもよい。デバイスによって取得若しくは生成されたデータは、デバイスの利用に応じて取得若しくは生成される利用データであってもよい。デバイスが車両である場合、利用データは、例えば、走行データ、整備データ、車検データ、自動車税や自動車保険に関するデータであってもよい。
【0019】
処理用データに対するユーザの処理は、例えば、データの参照処理、加工処理、編集処理、及び分析処理の少なくともいずれかを含む。
【0020】
このように、データ出力システム100は、提供元装置300から提供される処理用データを取得し、ユーザによる処理用データの処理を受け付け、処理された出力用データを出力先装置400に出力する。
【0021】
近年、例えばデータ管理の安全性の確保が重要視されている。かかる安全性の確保を実現するため、データ出力システム100が通信するユーザ装置200、提供元装置300、及び出力先装置400の信頼性を評価することが重要である。すなわち、データ出力システム100は、提供元装置300の確認、データ授受に関する公証性・監査性の確保、データ連携ソリューションの提供、及び出力先装置400の確認を、ユーザ装置200、提供元装置300、及び出力先装置400とは独立して実現する。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態であるデータ出力システム100の構成を示す図である。データ出力システム100は、ユーザ装置200、提供元装置300、及び出力先装置400とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。データ出力システム100の詳細については、後述する。
【0023】
ユーザ装置200は、ユーザが利用する情報処理装置であり、例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
【0024】
ユーザは、ユーザ装置200を利用してデータ出力システム100にアクセスし、データ出力システム100に対し、処理用データの処理及び出力用データの出力を指示する。
【0025】
ユーザは、例えば、所定の組織に属する複数のユーザの1ユーザであってもよい。ここで、所定の組織は、例えば、企業であってもよい。この場合、所定の組織に属する複数のユーザは、例えば、当該企業の従業員であってもよい。
【0026】
提供元装置300は、処理用データを提供する提供元の情報処理装置である。提供元は、例えば、処理用データを管理する事業者であってもよい。
【0027】
処理用データが、デバイスによって取得若しくは生成されたデータである場合、提供元装置300は、例えば、当該デバイスが当該データを送信する送信先の装置であってもよい。
【0028】
出力先装置400は、出力用データを出力する出力先の情報処理装置である。
【0029】
出力先は、例えば、事業者であってもよい。この場合は、出力先装置400は、例えば、当該事業者が利用する情報処理装置であってもよい。
【0030】
出力先は、例えば、データ出力システム100から出力用データの出力を受ける事業者であってもよい。出力先は、例えば、出力用データに基づいて、所定の処理やサービスを提供することができる。出力先は、データ出力システム100から出力用データを取得することにより、例えば、出力先とは異なる提供元において管理される処理用データに基づく、所定の処理やサービスを提供することができる。
【0031】
なお、
図2において、ユーザ装置200、提供元装置300、及び出力先装置400は、それぞれ1つずつ示されているが、それぞれ複数のユーザ装置200、提供元装置300、及び出力先装置400であってもよい。
【0032】
続いて、データ出力システム100の詳細について説明する。データ出力システム100は、記憶部110、評価用データ処理部115、ユーザ評価部120、提供元評価部125、処理用データ取得部130、出力先評価部135、評価結果管理部140、認証部145、データ生成部150、データ出力部155、証明部160を備える。
図2に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0033】
記憶部110は、データ出力システム100において処理される情報を記憶する。記憶部110は、例えば、後述する、評価用データ、権限データ、評価結果管理データ、処理用データ、認証結果データ、出力用データ、証明データを記憶することができる。
【0034】
評価用データ処理部115は、ユーザ信頼性、提供元信頼性、及び出力先信頼性の少なくともいずれかを評価するための評価用データに関する処理を行う。
【0035】
評価用データ処理部115は、例えば、評価用データを取得する処理及び評価用データを管理する処理を行うことができる。評価用データ処理部115は、例えば、ユーザ装置200、提供元装置300、及び出力先装置400の少なくともいずれかから、評価用データを取得することができる。評価用データ処理部115は、例えば、評価用データを記憶部110に格納することができる。
【0036】
ここで、評価用データは、例えば、提供元信頼性を評価するための評価用データである。この場合、評価用データは、例えば、提供元の法人データ(例えば、会社名・屋号、代表者、所在地、連絡先等)、システム接続データ(例えば、接続方法、識別・認証方法、データ授受のフォーマット、システム的な接続データ等)、デバイス情報(例えば、登録番号、機種識別データ、プログラムの識別データやバージョン等)であってもよい。
【0037】
また、評価用データは、例えば、出力先信頼性を評価するための評価用データである。この場合、評価用データは、例えば、出力先の法人データ(例えば、会社名・屋号、代表者、所在地、連絡先等)、システム接続データ(例えば、接続方法、識別・認証方法、データ授受のフォーマット、システム的な接続データ等)、デバイス情報(例えば、登録番号、機種識別データ、プログラムの識別データやバージョン等)であってもよい。
【0038】
また、評価用データは、例えば、ユーザ信頼性を評価するための評価用データである。この場合、評価用データは、例えば、所定の組織に属する複数のユーザのそれぞれのデータ処理権限に関する権限データ、ユーザによるデータ出力システム100へのアクセス履歴に関するデータを含む。権限データは、例えば、複数のユーザのそれぞれが処理(例えば、参照、加工、編集、分析)する権限を有するデータの範囲を示すデータであってもよい。アクセス履歴に関するデータは、例えば、アクセス日時若しくはアクセス時に作業ログに関するデータを含む。
【0039】
なお、評価用データは、これらに限定されない。
【0040】
図3は、記憶部110に記憶される権限データの例を示す図である。権限データは、例えば、権限データID、ユーザID、及び権限内容データを含む。権限データIDは、権限データを識別するデータである。ユーザIDは、ユーザを識別するデータである。ユーザIDは、例えば、ユーザのアカウントID、社員番号、若しくはメールアドレスであってもよい。権限内容データは、ユーザが備えるデータ処理権限の内容に関するデータである。権限内容データは、例えば、提供用データごと若しくは提供用データの種別ごとに、ユーザが備えるデータ処理権限を示すデータであってもよい。
【0041】
ユーザ評価部120は、処理用データを処理するユーザのユーザ信頼性を評価する。
【0042】
また、ユーザ評価部120は、例えば、処理用データを処理するデータ処理権限に関するユーザ信頼性を評価することができる。このとき、ユーザ評価部120は、例えば、権限データに基づいて、ユーザ信頼性を評価することができる。
【0043】
ユーザ評価部120は、例えば、評価結果を出力する所定の算出モデルに評価用データを入力することにより、ユーザ信頼性を評価してもよい。
【0044】
ユーザ評価部120による評価の結果は、例えば、後述する評価結果管理部140において、評価結果管理データとして管理されてもよい。
【0045】
ユーザ評価部120は、所定の期間ごとに定期的に、評価用データ(特に例えば、アクセス履歴データ)に基づいて、ユーザ信頼性を評価してもよい。これにより、データ出力システム100は、ユーザアカウントの不正利用(例えば、アカウントの乗っ取り)を検知することができる。
【0046】
また、ユーザ評価部120は、例えば、評価されたユーザ信頼性を、当該ユーザの組織の担当者に通知してもよい。これにより、ユーザ信頼性が当該担当者の監視下に置かれることにより、ユーザによるデータ出力システム100の不正利用が防止される。
【0047】
ユーザ信頼性は、例えば、評価結果の是非を示すデータ(例えば、「評価OK」)であってもよく、また、信頼性の度合いを示すスコアであってもよい。
【0048】
提供元評価部125は、処理用データを提供する提供元の提供元信頼性を評価する。
【0049】
また、提供元評価部125は、複数の提供元のそれぞれの提供元信頼性を評価することができる。これにより、データ出力システム100は、複数の提供元のそれぞれから処理用データが提供される場合であっても、データの処理及び出力の信頼性を向上させることを目的とする。
【0050】
また、提供元評価部125は、例えば、評価用データに含まれる提供元の法人データに基づいて、提供元信頼性を評価することができる。このとき、提供元評価部125が、例えば、法人データが示す、提供元の社会的な信頼性に基づいて、提供元信頼性を評価することができる。
【0051】
また、提供元評価部125は、例えば、評価用データに含まれる提供元のシステム接続データに基づいて、提供元信頼性を評価することができる。このとき、提供元評価部125が、例えば、システム接続データが示す、提供元によるシステム接続の正常さに基づいて、提供元信頼性を評価することができる。
【0052】
提供元評価部125は、例えば、提供元装置300の安全性に関する提供元信頼性を評価してもよい。ここで、提供元装置300の安全性は、例えば、提供元装置300におけるセキュリティポリシーに関する安全性であってもよく、また、提供元装置300がコンピュータウイルスに感染していないことの確からしさに関する安全性であってもよい。
【0053】
提供元評価部125は、例えば、評価結果を出力する所定の算出モデルに評価用データを入力することにより、提供元信頼性を評価してもよい。
【0054】
提供元評価部125による評価の結果は、例えば、後述する評価結果管理部140において、評価結果管理データとして管理されてもよい。
【0055】
また、提供元評価部125は、ユーザ装置200を通じてユーザから受け付ける指示に基づいて、提供元信頼性を評価しなくてもよい。また、提供元装置300が複数の提供元装置300を含む場合、提供元評価部125は、ユーザ装置200を通じてユーザから受け付ける指示に基づいて、複数の提供元装置300のうちの第1の提供元装置300の提供元信頼性を評価し、複数の提供元装置300のうちの第2の提供元装置300の提供元信頼性を評価しなくてもよい。ここで、ユーザ装置200を通じてユーザから受け付ける指示は、例えば、提供元評価部125による提供元信頼性の評価対象となる提供元装置300を指定する指示に関するデータである。ユーザは、例えば、提供元信頼性を評価する必要がない提供元装置300(例えば、既に信頼している提供元装置300)を、提供元評価部125の評価対象から除外することができる。これにより、データ出力システム100は、ユーザが希望する範囲で十分な提供元信頼性評価を行うことができる。
【0056】
提供元信頼性は、例えば、評価結果の是非を示すデータ(例えば、「評価OK」)であってもよく、また、信頼性の度合いを示すスコアであってもよい。
【0057】
処理用データ取得部130は、提供元信頼性に基づいて、提供元装置300から処理用データを取得し、処理用データを記憶部110に格納する。
【0058】
出力先評価部135は、処理用データに対する処理の結果である出力用データを出力する出力先の出力先信頼性を評価する。
【0059】
また、出力先評価部135は、例えば、評価用データに含まれる出力先の法人データに基づいて、出力先信頼性を評価することができる。このとき、出力先評価部135が、例えば、法人データが示す、出力先の社会的な信頼性に基づいて、出力先信頼性を評価することができる。
【0060】
また、出力先評価部135は、例えば、評価用データに含まれる出力先のシステム接続データに基づいて、出力先信頼性を評価することができる。このとき、出力先評価部135が、例えば、システム接続データが示す、出力先によるシステム接続の正常さに基づいて、出力先信頼性を評価することができる。
【0061】
また、出力先評価部135は、出力用データに対するセキュリティ措置に関する出力先信頼性を含む出力先信頼性を評価することができる。
【0062】
出力先評価部135は、例えば、評価結果を出力する所定の算出モデルに評価用データを入力することにより、出力先信頼性を評価してもよい。
【0063】
出力先評価部135による評価の結果は、例えば、後述する評価結果管理部140において、評価結果管理データとして管理されてもよい。
【0064】
また、出力先評価部135は、ユーザ装置200を通じてユーザから受け付ける指示に基づいて、出力先信頼性を評価しなくてもよい。また、出力先装置400が複数の出力先装置400を含む場合、出力先評価部135は、ユーザ装置200を通じてユーザから受け付ける指示に基づいて、複数の出力先装置400のうちの第1の出力先装置400の出力先信頼性を評価し、複数の出力先装置400のうちの第2の出力先装置400の出力先信頼性を評価しなくてもよい。ここで、ユーザ装置200を通じてユーザから受け付ける指示は、例えば、出力先評価部135が出力先信頼性を評価する出力先装置400を指定する指示に関するデータである。ユーザは、例えば、出力先信頼性を評価する必要がない(例えば、既に信頼している)出力先装置400を、出力先評価部135の評価対象から除外することができる。これにより、データ出力システム100は、ユーザが希望する範囲で十分な出力先信頼性の評価を行うことができる。
【0065】
出力先信頼性は、例えば、評価結果の是非を示すデータ(例えば、「評価OK」)であってもよく、また、信頼性の度合いを示すスコアであってもよい。
【0066】
評価結果管理部140は、提供元信頼性、ユーザ信頼性、及び出力先信頼性の少なくともいずれかを管理する評価結果管理データを管理する。評価結果管理部140は、評価結果管理データの管理処理として、評価結果管理データを記憶部110に格納することができる。
【0067】
評価結果管理データは、評価対象(例えば、ユーザ、提供元、出力先)の信頼性評価の結果を、例えば、定性的若しくは定量的に管理することができる。ここで、評価結果管理データが評価結果を定性的に管理する場合、評価結果管理データは、例えば、評価結果の是非を示すデータ(例えば、「評価OK」)であってもよい。また、評価結果管理データが評価結果を定量的に管理する場合、評価結果管理データは、例えば、評価結果である信頼性の度合いを数値で示すデータであってもよい。これにより、データ出力システム100は、信頼できる評価対象及び信頼できない評価対象を把握することができ、また、信頼性の度合いを評価することができる。
【0068】
また、評価結果管理データは、信頼できる評価対象のみをリスト化したデータであってもよい。これにより、データ出力システム100は、信頼できる評価対象を簡易に把握することができる。
【0069】
図4は、記憶部110に格納される評価結果管理データの例を示す図である。評価結果管理データは、例えば、評価結果管理データID、評価対象ID、評価結果内容データを含む。評価結果管理IDは、評価結果管理データを識別するデータである。評価対象IDは、評価対象(例えば、ユーザ装置200、提供元装置300、出力先装置400)を識別するデータである。評価結果内容データは、評価結果の内容を示すデータである。
【0070】
認証部145は、処理用データに対する処理及び出力用データの出力に際して、提供元信頼性、ユーザ信頼性、及び出力先信頼性のそれぞれに基づいて、提供元、ユーザ、及び出力先のそれぞれを認証し、認証した結果に関する認証結果データを記憶部110に格納する。
【0071】
また、認証部145は、評価結果管理データに基づいて、提供元、ユーザ、及び出力先のそれぞれを認証することができる。
【0072】
また、認証部145は、ユーザ信頼性に基づく認証、提供元信頼性に基づく認証、及び出力先信頼性に基づく認証を順に行う。すなわち、認証部145は、まず、ユーザ信頼性に基づく認証を行い、ユーザ信頼性に基づく認証の結果に応じて、提供元信頼性に基づく認証を行い、さらに、提供元信頼性に基づく認証の結果に応じて、出力先信頼性に基づく認証を行ってもよい。
【0073】
認証部145は、例えば、信頼性(ユーザ信頼性、提供元信頼性、出力先信頼性)が所定の条件を満たす場合に、認証可と判断してもよい。ここで、所定の条件は、例えば、「評価OK」であること又は信頼性の度合いを示すスコアが所定の値以上であることであってもよい。
【0074】
また、認証部145は、信頼性(この場合、特に例えば提供元信頼性及び出力先信頼性)が所定の条件を満たさない場合に、当該信頼性が所定の条件を満たさない旨をユーザ装置200に通知し、ユーザ装置200を通じたユーザからの操作にさらに基づいて、当該信頼性に基づく認証(いわば、ユーザによる手動認証)を行ってもよい。これにより、信頼性が所定の条件を満たさない場合であっても、ユーザに問い合わせることにより、データ出力システム100における処理を進めることができる。
【0075】
このとき、認証部145は、当該信頼性を示すスコアをユーザ装置200に通知してもよい。これにより、ユーザは、信頼性のスコアを参照して、ユーザによる手動認証を行うことができる。
【0076】
データ生成部150は、ユーザの指示に応じて、処理用データに対する処理を実行し、出力用データを生成し、記憶部110に格納する。
【0077】
出力用データは、例えば、処理用データと異なるデータであってもよい。出力用データは、例えば、処理用データを加工処理、編集処理、若しくは分析処理したデータであってもよい。出力用データは、例えば、テキスト、数値、画像、音声、動画、プログラムであってもよく、文書データ、表データ。グラフデータであってもよい。
【0078】
データ生成部150は、例えば、ユーザ装置200の画面に、ユーザによるデータ処理画面を表示するための表示情報を出力し、当該画面に対するユーザによる操作に応じて、処理用データの処理を実行することができる。
【0079】
データ出力部155は、認証の結果に応じて、出力用データを出力先装置400に出力する。
【0080】
データ出力部155は、データ生成部150によって生成された出力用データを出力することができる。
【0081】
証明部160は、認証の結果及び出力用データの出力の少なくともいずれかを証明する証明データを生成し、証明データを記憶部110に格納する。
【0082】
証明部160は、例えば、認証の結果及び出力用データの出力の公証性及び監査性を保持するために、証明データを生成する。証明データは、例えば、提供元を証明するデータ、処理日時(例えば、提供元データの提供日時、出力用データの生成日時、及び出力用データの出力日時等)を証明するためのデータであってもよい。証明データは、eシール、タイムスタンプ、デジタル署名であってもよい。
【0083】
図5は、データ出力システム100の処理の例を示すシーケンスチャートである。
【0084】
まず、ユーザ装置200から、例えば、処理用データに対するデータ処理の指示を受け付ける(S501)。ユーザ評価部120が、ユーザ信頼性を評価する(S502)。認証部145が、ユーザ信頼性に基づいて、ユーザによる処理用データの処理を認証する(S503)。
【0085】
続いて、提供元評価部125が、提供元信頼性を評価する(S504)。認証部145が、提供元信頼性に基づいて、処理用データの取得を認証する(S505)。処理用データ取得部130が、処理用データを提供元装置300から取得する(S506)。
【0086】
出力先評価部135が、出力先信頼性を評価する(S507)。認証部145が、出力先信頼性に基づいて、出力先装置400への出力用データの出力を認証する(S508)。データ生成部150が、出力用データを生成する(S509)。データ出力部155が、出力用データを出力先装置400に出力する(S510)。証明部160が、認証の結果及び出力用データの出力の少なくともいずれかを証明する証明データを生成する(S511)。
【0087】
また、評価結果管理部140が、ユーザ信頼性、提供元信頼性、及び出力先信頼性の少なくともいずれかを管理する評価結果管理データを管理してもよい(不図示)。評価結果管理部140は、例えば、各評価処理(S502、S504、S507)のそれぞれの後に、評価結果管理データを更新してもよい。
【0088】
なお、
図5に示すフローチャートにおける処理の順序は、一例であり、
図5に示す順序に限定されない。例えば、出力用データの生成(S509)は、出力先信頼性の評価(S507)の前に実施されてもよい。また、証明データの生成(S511)は、各認証処理(S503、S505、S508)のそれぞれの後に行われてもよい。
【0089】
以上、本発明の一実施形態について説明した。データ出力システム100は、提供元信頼性を評価し、ユーザ信頼性を評価し、出力先信頼性を評価し、処理用データに対する処理及び出力用データの出力に際して、提供元信頼性、ユーザ信頼性、及び出力先信頼性のそれぞれに基づいて、提供元、ユーザ、及び出力先のそれぞれを認証し、認証の結果に応じて、出力用データを出力先の出力先装置に出力する。これにより、データ出力システム100は、データの処理及び出力の信頼性を向上させることができる。
【0090】
また、データ出力システム100は、複数の提供元のそれぞれの提供元信頼性を評価することができる。これにより、データ出力システム100は、データの処理及び出力の信頼性を向上させることができる。
【0091】
また、データ出力システム100は、ユーザの指示に応じて、処理用データに対する処理を実行し、出力用データを生成することができる。これにより、ユーザは、データ出力システム100上で、処理用データを処理し、出力用データを出力することができる。
【0092】
また、データ出力システム100は、提供元信頼性、ユーザ信頼性、及び出力先信頼性の少なくともいずれかを管理する評価結果管理データを管理し、評価結果管理データに基づいて、処理用データに対する処理及び出力用データの出力を認証することができる。これにより、データ出力システム100は、例えば、事前の信頼性評価結果を活用して、効率的に、認証処理を行うことができる。
これにより、
【0093】
また、データ出力システム100は、所定の組織に属する複数のユーザのそれぞれのデータ処理権限に関する権限データに基づいて、データ処理権限に関するユーザ信頼性を評価することができる。これにより、例えばユーザが法人に属する法人ユーザである場合に、データの処理及び出力の信頼性を向上させることができる。
【0094】
また、データ出力システム100は、出力用データに対するセキュリティ措置に関する出力先信頼性を評価することができる。これにより、データ出力システム100はデータの処理及び出力の信頼性を向上させることができる。
【0095】
また、データ出力システム100は、認証の結果及び出力用データの出力の少なくともいずれかを証明する証明データを生成することができる。これにより、データ出力システム100は、認証の結果及び出力用データの出力の処理結果を、事後的に証明することができる。
これにより、
【0096】
また、データ出力システム100は、ユーザ信頼性に基づく認証、提供元信頼性に基づく認証、及び出力先信頼性に基づく認証を順に行うことができる。これにより、データ出力システム100は、認証結果に応じて、逐次的に処理を進めることができる。
【0097】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0098】
また、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」又は装置が有する機能が2つ以上の物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されても、2つ以上の「部」又は装置の機能が1つの物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されてもよい。
【符号の説明】
【0099】
100 データ出力システム、110 記憶部、115 評価用データ処理部、120 ユーザ評価部、125 提供元評価部、130 処理用データ取得部、135 出力先評価部、140 評価結果管理部、145 認証部、150 データ生成部、155 データ出力部、160 証明部、200 ユーザ装置、300 提供元装置、400 出力先装置
【要約】
【課題】データの処理及び出力の信頼性を向上させることができる。
【解決手段】データ出力プログラムは、コンピュータに、処理用データを提供する提供元の提供元信頼性を評価する提供元評価部と、処理用データを処理するユーザのユーザ信頼性を評価するユーザ評価部と、処理用データに対する処理の結果である出力用データを出力する出力先の出力先信頼性を評価する出力先評価部と、処理用データに対する処理及び出力用データの出力に際して、提供元信頼性、ユーザ信頼性、及び出力先信頼性のそれぞれに基づいて、提供元、ユーザ、及び出力先のそれぞれを認証する認証部と、認証の結果に応じて、出力用データを出力先の出力先装置に出力するデータ出力部と、を実現させる。
【選択図】
図1